JP7069683B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレット、成形体およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
前記溶融混練機は、溶融する前記熱可塑性樹脂(A)及び前記フィラー(B)と接する部分の少なくとも一部の材料が鉄(1)及び非鉄金属元素(2)を含む材料から構成されていること、
前記ペレット集合体を、マグネットフィルターに通過させて、鉄を含む金属元素含有物を含むペレットを除去する工程(1)、前記ペレット集合体を、金属検出装置に通過させて、鉄及び非鉄金属元素を含む金属元素含有物を含むペレットを除去する工程(2)を有し、
前記工程(1)および(2)を経て得られたペレット集合体が、1個当たりに含まれる鉄及び非鉄金属元素の合計の金属含有量が0.02mg以上の範囲であるペレットを、ペレット集合体1×106個当たり15個以下の範囲の割合で含有すること、
前記マグネットフィルターが、9000ガウス以上の磁力を有する磁石の配列を、ペレット流れ方向に対して垂直な同一面に少なくとも4本を平行に並列して1段とし、それらが流れ方向に7段以上重ねて設置した配列を有するマグネットフィルターであること、
前記金属検出装置が、前記ペレットを通過させる通過経路、前記通過経路の周りに配置され、該通過経路に磁界を発生させる駆動コイル、及び前記通過経路の周りに配置され、前記駆動コイルにより発生された磁界を受け、かつ前記通過経路を磁性体が通過した場合に、それぞれに生じる電圧の差が変化するように配置された第1及び第2のスパイラルコイルと、
前記通過経路の周りに第1及び第2のスパイラルコイルと離間して通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じる第3のスパイラルコイルと、
前記第1及び第2のスパイラルコイルに生じる電圧の差の変化と、前記第3のスパイラルコイルに生じるインピーダンス変化とに基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備えている金属検出装置であること、
前記非鉄金属元素がマンガン、ニッケル、クロム及びモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること、を特徴とするペレット集合体の製造方法に関する。
ペレット1個当たりに含まれる鉄ならびにマンガン、ニッケル、クロム及びモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の非鉄金属元素の合計の金属含有量が0.02mg以上の範囲であるペレットを、ペレット集合体1×106個当たり15個以下の範囲の割合で含有すること、を特徴とするペレット集合体に関する。
前記樹脂(A)の融点(Tm)は、耐熱性や機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となることから、270℃以上の範囲であることが好ましく、さらに270~300℃の範囲であることがより好ましい。また、前記樹脂(A)の再結晶化温度(Tc2)は、耐熱性や機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物となることから、200~260℃の範囲であることが好ましい。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、300℃で測定した溶融粘度(V6)が2~1000〔Pa・s〕の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから10~500〔Pa・s〕の範囲がより好ましく、特に60~200〔Pa・s〕の範囲であることが特に好ましい。但し、本発明において、溶融粘度(V6)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT-500Dを用い、300℃、荷重:1.96×106Pa、L/D=10(mm)/1(mm)にて、6分間保持した後に溶融粘度を測定した値とする。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90~2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90~1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95~1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p-クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩や、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02~0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07-228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01~0.9モルの範囲の有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p-ジハロベンゼン、m-ジハロベンゼン、o-ジハロベンゼン、2,5-ジハロトルエン、1,4-ジハロナフタレン、1-メトキシ-2,5-ジハロベンゼン、4,4’-ジハロビフェニル、3,5-ジハロ安息香酸、2,4-ジハロ安息香酸、2,5-ジハロニトロベンゼン、2,4-ジハロニトロベンゼン、2,4-ジハロアニソール、p,p’-ジハロジフェニルエーテル、4,4’-ジハロベンゾフェノン、4,4’-ジハロジフェニルスルホン、4,4’-ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’-ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1~18の範囲のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3-トリハロベンゼン、1,2,4-トリハロベンゼン、1,3,5-トリハロベンゼン、1,2,3,5-テトラハロベンゼン、1,2,4,5-テトラハロベンゼン、1,4,6-トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
前記通過経路の周りに第1及び第2のスパイラルコイルと離間して通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じる第3のスパイラルコイルと、
前記第1及び第2のスパイラルコイルに生じる電圧の差の変化と、前記第3のスパイラルコイルに生じるインピーダンス変化とに基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備えている金属検出装置である。
前記通過経路の周りに第1及び第2のスパイラルコイルと離間して通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じる第3のスパイラルコイルと、
前記第1及び第2のスパイラルコイルに生じる電圧の差の変化と、前記第3のスパイラルコイルに生じるインピーダンス変化とに基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備えている金属検出装置を用いることが好ましい。
CPU404は、異物混入有りと判定すると、当該判定の時刻から所定時間経過後に、軸部材129を回転させることにより、筒状部材127を上記第1の状態から第2の状態に回動させる。前記所定時間は、CPU404の判定から判定対象の被検査体が筒状部材127の下側開口に達するまでにかかる時間以下に設定される。
また、CPU404がさらに、差動方式金属検出部401の検出部406の第2増幅回路412の出力に対してサンプリングを所定のサンプリング周期毎に行うことによりサンプリングデータSam2を取得し、過去32個のサンプリングデータの平均値AvSam2を上記サンプリング周期毎に取得し、サンプリングデータSam2と前記平均値AvSam2との差Dif2を上記サンプリング周期毎に算出し、過去5個分の差Dif2の積算値IntDif2(最近の5サンプリング周期分)を上記サンプリング周期毎に算出するようにしてもよい。そして、積算値IntDif2が第2の閾値を超えた場合に異物混入有りと判定し、積算値IntDifが第1の閾値を超えておらず、かつ積算値IntDif2が第2の閾値を超えていない場合に、異物混入無しと判定するようにしてもよい。
・原料の金属異物除去
はじめに、以下の各原料を、それぞれ落下を利用して原料貯蔵容器に搬送する際に、搬送途中で、マグネットフィルターを設けて、主に鉄成分由来の金属異物を除去した。なお、図3はマグネットフィルターの上面図、図4はマグネットフィルターの正面図、図5はマグネットフィルターの右側面図、図6はマグネットフィルター内の棒状磁石の配置を示す図である。
次に、表1~3に記載する組成成分および配合量(全て質量単位)にしたがい、各金属異物除去済み原料(GFを除く)をタンブラーで均一にドライ混合した。その後、東芝機械株式会社製ベント付き2軸押出機「TEM-35B」のトップフィーダーに前記ドライ混合物を投入し、また、金属異物除去済み原料がGFの場合には、サイドフィーダー(ただし、サイドフィーダ位置はシリンダ長の1/2の距離)に投入し、樹脂成分吐出量25kg/hr、スクリュー回転数250rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.1(kg/hr・rpm)、設定樹脂温度330℃で溶融混練して樹脂組成物の溶融混練物を得た後、溶融混練装置の吐出口よりストランド(ストランド径2mm)を吐出させ、水冷後、さらにストランドカッターでペレット長が3.2mmとなるよう切断し、得られたペレットを、落差を利用してポリプロピレン樹脂製の貯蔵容器(V)に400g/minの搬送速度で搬送した。
落差を利用した貯蔵容器(X)への搬送途中に、マグネットフィルタおよび金属検出装置を設けて、金属異物含有ペレットの除去を行うと伴に、除去されなかったペレットを、ポリプロピレン樹脂製の貯蔵容器(X)に保存した。また、マグネットフィルタに付着したペレット、金属検出装置により除去されたペレットは、ポリプロピレン樹脂製の貯蔵容器(Y)に保存した。貯蔵容器(X)と貯蔵容器(Y)の合計個数に対する、貯蔵容器(Y)の個数の割合を算出し、1×106個当たりの金属異物含有ペレットの個数として表中「金属異物含有ペレットの除去数」欄に表記した。
また、貯蔵容器(Y)に搬送されたは、金属異物が断面に現れるよう切断し、断面切片について、SEM/EDS装置(日本電子株式会社製「JSM-6360A」)により、元素マッピング画像を得て、金属異物の元素同定を行った。元素種を表中、「異物元素の種類」欄に表記した。
各実施例1~7、比較例1~6、参考例1~2で得られた貯蔵容器(X)中のペレットを用いて住友重機械工業株式会社製射出成形機(「SG75-HIPRO・MIII」にフルフライト形状のスクリューを組み合わせて使用。PPSはシリンダー温度320℃、金型温度150℃、PEEKはシリンダー温度380℃、金型温度200℃)により100mm×100mm×1mmtの平板試験片を1000個作製した。IEC60243-1に準じた方法により、絶縁破壊試験装置(YST-243-100RHO、ヤマヨ試験器有限会社製、φ25mm円柱×2、絶縁油中、昇圧速度2kV/s)を用いて、試験片の厚み方向の絶縁破壊電圧を25kVに設定して、絶縁破壊試験を行った。試験後に表面観察を行い、絶縁破壊が生じた個数をカウントし、表中、「絶縁破壊特性(規格外品の個数)」欄に表記した。
各実施例1~7、比較例1~6、参考例1~2で得られた貯蔵容器(X)中のペレットを用いて前記射出成形機(PPSはシリンダー温度320℃、金型温度150℃、PEEKはシリンダー温度380℃、金型温度200℃)及びISO Type-Aダンベル片成形用金型を用いて射出成形を行い、ISO Type-Aダンベル片を得た。得られたダンベル片をISO 527-1および2に準拠した測定方法で引張強度(MPa)、引張伸び(%)を測定した。
製造例1
[工程1]
圧力計、温度計、コンデンサ、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブにp-ジクロロベンゼン(以下、「p-DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、NMP3.420kg(34.5モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.300kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp-DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp-DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.079kg(0.8モル)であったことから、仕込んだNMPの98モル%(33.7モル)がNMPの開環体(4-(メチルアミノ)酪酸)のナトリウム塩(以下、「SMAB」と略記する。)に加水分解されていることが示された。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.147モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水Na2Sに変わる場合の理論脱水量は27.921gであることから、オートクレーブ内の残水量878g(48.8モル)の内、609g(33.8モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの269g(14.9モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示していた。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.065モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP46.343kg(467.5モル)を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.025モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp-DCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、p-DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は228g(12.7モル)であった。
工程3開始時のオートクレーブ内水分量は41g(2.3モル)で、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は工程1と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.147モルであった。次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で1時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.40MPaであった。冷却後、得られたスラリーの内、650gを3リットルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返した。このケーキを再び3リットルの温水と、酢酸を加え、pH4.0に調整した後、1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返した。熱風乾燥機を用いて120℃で一晩乾燥して白色の粉末状のPPS樹脂(A1)を得た。このポリマーの300℃における溶融粘度は41Pa・sであった。非ニュートン指数は1.07であった。
参考例で製造したポリフェニレンスルフィド樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT-500Dを用い、300℃、荷重:1.96×106Pa、L/D=10(mm)/1(mm)にて、6分間保持した後に測定した。以下、同じ。
製造例2
「次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で1時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。」とする部分を「次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で1.5時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。」としたこと以外は製造例1と同様にして、白色の粉末状のPPS樹脂(以下、A2)を得た。得られたポリマーの溶融粘度は73Pa・s、非ニュートン指数が1.07であった。
製造例3
圧力計、温度計、コンデンサを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.3重量%Na2S)19.413kgと、NMP45.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水4.644kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン22.185kg、1,2,4-トリクロロベンゼン0.027kg及びNMP18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温240℃で2時間保持したのち、液温260℃で3時間攪拌しつつ反応を進め、オートクレーブ上部を散水することにより冷却した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。反応中の最高圧力は、0.85MPaであった。反応後、冷却し、温度170℃の時点でシュウ酸・2水和物0.284kg(2.25モル)をNMP0.663kgに含む溶液を加圧注入した。30分間撹拌後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過したのち、NMP16kgを加え、加圧ろ過した。ろ過後、撹拌翼付き150リットル真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で2時間撹拌してNMPを除去し、白色の粉末状のPPS樹脂(A3)を得た。 このポリマーの300℃における溶融粘度は77Pa・sであった。非ニュートン指数は1.25であった。
(B2)アルミナ:電気化学工業株式会社製「DAW-07」球状、D50/7(μm)、熱伝導率25(W/m・K)
(b4)炭Ca:炭酸カルシウム 丸尾カルシウム株式会社製「炭酸カルシウム」(平均粒子径22μm)
(c1)エラストマ:エチレン(88質量%)-グリシジル時メタクリレート(12質量%)の共重合体 住友化学工業株式会社製「ボンドファースト7L」
(c2)Siカップリング材:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン ダウ・コーニング株式会社製「SH-6040」
2・・・棒状磁石
3・・・フィルター入口
4・・・フィルター出口
100・・・金属検出装置
105・・・駆動コイル
113・・・第1のスパイラルコイル
117・・・第2のスパイラルコイル
125・・・第3のスパイラルコイル
119・・・信号取り出し口
121・・・テストコイル
404・・・CPU(判定部)
Claims (9)
- 少なくとも、融点が260℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、モース硬度4以上のフィラー(B)とを必須の原料として溶融混練機内で溶融混練して得られる樹脂組成物のペレット集合体の製造方法であって、
前記溶融混練機は、溶融する前記熱可塑性樹脂(A)及び前記フィラー(B)と接する部分の少なくとも一部の材料が鉄及び非鉄金属元素を含む材料から構成されていること、
前記ペレット集合体を、マグネットフィルターに通過させて、鉄を含む金属元素含有物を含むペレットを除去する工程(1)、前記ペレット集合体を、金属検出装置に通過させて、鉄及び非鉄金属元素を含む金属元素含有物を含むペレットを除去する工程(2)を有し、
前記工程(1)および(2)を経て得られたペレット集合体が、1個当たりに含まれる鉄及び非鉄金属元素の合計の金属含有量が工程(1)および(2)の検出限界以上の範囲であるペレットを、ペレット集合体1×106個当たり15個以下の範囲の割合で含有すること、
前記マグネットフィルターが、9000ガウス以上の磁力を有する磁石の配列を、ペレット流れ方向に対して垂直な同一面に少なくとも4本を平行に並列して1段とし、それらが流れ方向に7段以上重ねて設置した配列を有するマグネットフィルターであること、
前記金属検出装置が、前記ペレットを通過させる通過経路、前記通過経路の周りに配置され、該通過経路に磁界を発生させる駆動コイル、及び前記通過経路の周りに配置され、前記駆動コイルにより発生された磁界を受け、かつ前記通過経路を磁性体が通過した場合に、それぞれに生じる電圧の差が変化するように配置された第1及び第2のスパイラルコイルと、
前記通過経路の周りに第1及び第2のスパイラルコイルと離間して通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じる第3のスパイラルコイルと、
前記第1及び第2のスパイラルコイルに生じる電圧の差の変化と、前記第3のスパイラルコイルに生じるインピーダンス変化とに基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備えている金属検出装置であること、
前記非鉄金属元素がマンガン、ニッケル、クロム及びモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること、を特徴とするペレット集合体の製造方法。(ただし、工程(1)および(2)の検出限界は0.02mgである。) - 前記熱可塑性樹脂(A)および前記フィラー(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種の原料が、前記マグネットフィルターを通過させて、鉄を含む金属元素含有物を除去する工程(3)を経て得られたものである、請求項1記載のペレット集合体の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法により製造されたペレット集合体を溶融成形する、成形体の製造方法。
- 成形体の厚みが2mm以下の範囲である、請求項3記載の成形体の製造方法。
- 前記成形体は、IEC60243-1に準拠した絶縁破壊強さ(t=1.0mm)の評価試験において25kV/mmを満たさない成形体の割合が、成形シート(縦100mm×横100mm×厚み1mm)1000枚当たり10枚以下の範囲である、請求項3又は4記載の成形体の製造方法。
- 少なくとも、融点が260℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、モース硬度4以上の充填剤とを必須の原料として溶融混練して得られる樹脂組成物ペレット集合体であって、
ペレット1個当たりに含まれる鉄ならびにマンガン、ニッケル、クロム及びモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種の非鉄金属元素の合計の金属含有量が工程(1)および(2)の検出限界以上の範囲であるペレットを、ペレット集合体1×106個当たり15個以下の範囲の割合で含有すること、を特徴とするペレット集合体。(ただし、工程(1)および(2)の検出限界は0.02mgである。) - 請求項6記載のペレット集合体を溶融成形してなる、成形体。
- 成形体の厚みが2mm以下の範囲である、請求項7記載の成形体。
- 前記成形体は、IEC60243-1に準拠した絶縁破壊強さ(t=1.0mm)の評価試験において25kV/mmを満たさない成形体の割合が、成形シート(縦100mm×横100mm×厚み1mm)1000枚当たり10枚以下の範囲である、請求項7又は8記載の成形体。
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