JP6753470B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品およびそれらの製造方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略すことがある)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下PASと略すことがある)樹脂は、耐熱性に優れつつ、かつ、機械的強度、耐薬品性、成形加工性、寸法安定性にも優れ、これら特性を利用して、電気・電子機器部品、自動車部品材料等として使用されている。
そして、これら部品はその二次加工としてエポキシ樹脂等からなる部品材料と接着する場合が多々見られる。しかし、ポリアリーレンスルフィド樹脂は他の樹脂との接着性、特にエポキシ樹脂との接着性が比較的悪い。そのため、例えばエポキシ系接着剤によるポリアリーレンスルフィド同士の接合、ポリアリーレンスルフィド樹脂と他の材料との接合、あるいはエポキシ樹脂による電気・電子部品の封止等の際に、ポリアリーレンスルフィド樹脂とエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物との接着性(以下、エポキシ樹脂接着性ということがある)の悪さが問題となっていた。
そこで、エポキシ樹脂接着性の低下を改善するために、ポリアリーレンスルフィド樹脂と充填剤を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に離型剤として酸化ポリエチレンワックスを添加して、成形品のエポキシ樹脂接着性と離形性と機械的特性のバランスを改良する方法も提案されている(特許文献1参照)。しかし、この場合もポリアリーレンスルフィド樹脂成形品のエポキシ樹脂接着性は低く、実用的に充分とは言い難いレベルのものであった。
更に、成形離型性を高めることを目的として、ポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物に非結晶性α−オレフィン共重合体と脂肪酸金属塩を配合する樹脂組成物も検討されている(特許文献2参照)。しかしながら、この場合にも充分なエポキシ樹脂接着性が得られているとは言えなかった。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、酸価が65〜150mgKOH/gの範囲であり、かつカルボキシ基およびカルボン酸無水物基を有するオレフィンワックスとを含有するポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形して得られる成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品に本来備わっている機械的特性を維持しつつ、さらにエポキシ樹脂接着性に優れることが知られている(特許文献3参照)。しかしながら、この場合にも充分なエポキシ樹脂との接着性が得られているとは言えず、さらなる改良の余地があった。さらに、該成形品は、靱性、特にTD方向(樹脂の流れ方向に対して直角方向)の曲げ伸び強度にも改良の余地があり、特に成形品の薄肉化を図ろうとする際に、成形品に脆性破壊が生じる傾向にあった。このため、特にTD方向の曲げ伸び強度の向上も望まれていた。
特開2002−012762号公報 特開2004−35635号公報 国際公開第2013/141364号
本発明が解決しようとする課題は、エポキシ樹脂接着性に優れた成形品となるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれを成形して得られる、エポキシ樹脂接着性に優れた成形品を提供すること、さらに該成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品を提供すること、およびそれらの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする課題は、エポキシ樹脂接着性に優れるだけでなく、さらに優れたTD方向の曲げ伸び強度を有する成形品となるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれを成形して得られる、エポキシ樹脂接着性とTD方向の曲げ伸び強度とに優れた成形品を提供すること、さらに該成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品を提供すること、およびそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂に脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩(脂肪族アルカリ土類金属塩と同義である)からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩を配合することにより、エポキシ樹脂接着性に優れること、さらに、TD方向の曲げ伸び強度も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。


すなわち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として含有すること、
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(B)が0.01〜5質量部の範囲であり、かつ前記脂肪酸金属塩(C)が0.01〜5質量部の範囲であること、を特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、に関する。
加えて本発明は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品、に関する。
さらに本発明は前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品、に関する。
また、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法、に関する。
本発明によれば、エポキシ樹脂接着性に優れた成形品となるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれを成形して得られる、エポキシ樹脂接着性に優れた成形品を提供すること、さらに該成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品を提供すること、およびそれらの製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、エポキシ樹脂接着性に優れるだけでなく、さらに優れたTD方向の曲げ伸び強度を有する成形品となるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびそれを成形して得られる、エポキシ樹脂接着性とTD方向の曲げ伸び強度とに優れた成形品を提供すること、さらに該成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品を提供すること、およびそれらの製造方法を提供することもできる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として含有すること、
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(B)が0.01〜5質量部の範囲であり、かつ前記脂肪酸金属塩(C)が0.01〜5質量部の範囲であること、を特徴とする。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を必須成分として含有する。本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記一般式(1)
Figure 0006753470
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の範囲のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。)で表される構造部位と、必要に応じてさらに下記一般式(2)
Figure 0006753470
で表される3官能性の構造部位と、を繰り返し単位とする樹脂である。式(2)で表される3官能性の構造部位は、他の構造部位との合計モル数に対して0.001〜3モル%の範囲が好ましく、特に0.01〜1モル%の範囲であることが好ましい。
ここで、前記一般式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(3)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記式(4)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 0006753470
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記一般式(3)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、前記一般式(1)や(2)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(5)〜(8)
Figure 0006753470
で表される構造部位を、前記一般式(1)と一般式(2)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記一般式(5)〜(8)で表される構造部位は10モル%以下であることが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂中に、上記一般式(5)〜(8)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、その分子構造中に、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の物性は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、以下の通りである。
(溶融粘度)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、300℃で測定した溶融粘度(V6)が2〜1000〔Pa・s〕の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから10〜500〔Pa・s〕の範囲がより好ましく、特に60〜200〔Pa・s〕の範囲であることが特に好ましい。但し、本発明において、溶融粘度(V6)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT−500Dを用い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10/1にて、6分間保持した後に溶融粘度を測定した値とする。
(非ニュートン指数)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
Figure 0006753470
[ただし、SRは剪断速度(秒−1)、SSは剪断応力(ダイン/cm)、そしてKは定数を示す。]N値は1に近いほどPPSは線状に近い構造であり、N値が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
(製造方法)
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩や、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの範囲の有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18の範囲のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
重合工程により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、(2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくともポリアリーレンスルフィドに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィドや無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、(3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法、(4)重合反応終了後、反応混合物に水を加えて水洗浄、濾過、必要に応じて水洗浄の時に酸を加えて酸処理し、乾燥をする方法、(5)重合反応終了後、反応混合物を濾過し、必要に応じ、反応溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に水洗浄、濾過および乾燥する方法、等が挙げられる。
尚、上記(1)〜(5)に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、脂肪酸エステル(B)を必須成分として含有する。本発明で用いる脂肪酸エステル(B)としては、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されるものではないが、炭素原子数12以上の範囲の長鎖脂肪酸とアルコールのエステル化物を用いることが好ましく、特に炭素原子数20〜30の範囲の長鎖脂肪酸とアルコールのエステル化物を用いることがより好ましい。また、これら脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、およびこれらの誘導体を用いることができるが、飽和脂肪酸を用いることが特に好ましい。本発明で用いる脂肪酸エステル(B)に含まれる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、アジピン酸、セバシン酸、およびこれらの誘導体を用いることが好ましく、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、およびこれらの誘導体がより好ましく、ベヘン酸、モンタン酸およびこれらの誘導体が特に好ましい。
前記アルコールとしては一価アルコール、多価アルコールが挙げられるが、このうち多価アルコールが好ましい。一価アルコールとしては炭素原子数が1〜30の範囲、好ましくは2〜20の範囲のアルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ステアリルアルコール等が挙げられる。また前記多価アルコールとしては、炭素原子数が2〜8の範囲、好ましくは2〜6の範囲の多価アルコール又はその重合体、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)などのジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類;ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類;及びこれらの多価アルコール類の単独又は共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールの単独又は共重合体、ポリグリセリンなど)などが挙げられる。前記ポリオキシアルキレングリコールの平均重合度は2以上(例えば、2〜500の範囲)、好ましくは2〜400の範囲であり、さらに好ましくは平均重合度16以上、好ましくは20〜200の範囲である。なお、多価アルコールとして、ポリオキシアルキレングリコールを用いる場合、エステルを構成する脂肪酸として、炭素原子数12以上の範囲の脂肪酸、例えば、一価の炭素原子数12〜26の範囲の飽和又は不飽和脂肪酸、二価の炭素原子数12〜20の範囲の飽和又は不飽和脂肪酸などを使用するのが好ましい。
このような脂肪酸エステルの例としては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、エチレングリコールジモンタン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のモノラウレート、モノパルミテート、モノステアレート、ジラウレート、ジパルミテート、ジステアレート、ジベヘネート、ジモンタネート、ジオレエート、ジリノレートなどが挙げられる。このような脂肪酸エステル(B)の具体例としては、モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブWE4」酸価29mgKOH/g、滴点81℃)、モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブE」酸価17mgKOH/g、滴点83℃)、モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブWE40」酸価17mgKOH/g、滴点75℃)、モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブWM31」酸価12mgKOH/g、滴点75℃)を用いた事例などが挙げられる。
本発明に用いる脂肪酸エステル(B)の酸価は、本発明の効果を奏する範囲であれば特に制限されるものではない。脂肪酸エステル(B)の酸価の下限としては1mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上であることがさらに好ましく、10mgKOH/g以上であることが特に好ましい。また、脂肪酸エステル(B)の酸価の上限としては150mgKOH/g以下が好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好ましく、50mgKOH/gが特に好ましい。酸価が上記範囲である場合、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形した成形物とエポキシ樹脂との接着性が特に向上するため好ましい。酸価は、JIS K 0070に準拠した方法により測定することができる。具体的には、ワックス1g中に含有する遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数として測定される。
本発明に用いる脂肪酸エステル(B)の滴点は、50℃以上の範囲が好ましく、60℃以上の範囲がさらに好ましく、70℃以上の範囲が最も好ましい。一方、該滴点の上限値は、100℃以下の範囲が好ましく、90℃以下の範囲がさらに好ましく、85℃以下の範囲が最も好ましい。滴点は、ASTM D127に準拠した方法により測定することができる。具体的には、金属ニップルを用いて、溶融したワックスが金属ニップルから最初に滴下するときの温度として測定される。以下の例においても、同様の方法により測定することができる。滴点が上記範囲内であると、脂肪酸エステル(B)は金型からの成形物の離型性を良好にするだけでなく、連続成形性にも好適な影響を与える。さらに、上記範囲内であると、成形物表面に脂肪酸エステル(B)が染み出しやすくなる。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融混練させる際、脂肪酸エステル(B)が十分に溶融する。これにより、成形物中に脂肪酸エステル(B)が略均一に分散する。そのため、成形物表面における脂肪酸エステル(B)の偏析が抑制され、金型の汚れや成形物の外観の悪化を低減することができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中における脂肪酸エステル(B)の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.05〜4.5質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜4質量部の範囲であることが好ましい。上記範囲内であると、金型からの成形物の離型性に優れつつ、さらに、エポキシ樹脂接着性に優れる。また、成形時における金型の汚れや成形物の外観の悪化を抑制することもできる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)を必須成分として含有する。
本発明で用いる脂肪酸金属塩(C)としては、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されるものではないが、炭素原子数12以上の範囲の長鎖脂肪酸の塩を用いることが好ましく、特に炭素原子数20〜30の範囲の長鎖脂肪酸の塩を用いることがより好ましい。また、これら脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、およびこれらの誘導体を用いることができるが、飽和脂肪酸を用いることが特に好ましい。本発明で用いる脂肪酸金属塩(C)に含まれる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、アジピン酸、セバシン酸、およびこれらの誘導体を用いることが好ましく、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、およびこれらの誘導体がより好ましく、ベヘン酸、モンタン酸およびこれらの誘導体が特に好ましい。
本発明で用いる脂肪酸金属塩(C)に含まれる塩としては、アルカリ金属塩および/または脂肪酸アルカリ金属土類塩から選択される一種以上の脂肪酸金属塩であり、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されるものではないが、例えばカリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属からなる群から選ばれる一種以上であればよく、さらにカリウム、ナトリウム、カルシウム、リチウムから選択される一種以上の塩を含む脂肪酸金属塩であることが特に好ましい。これらの脂肪酸金属塩を用いた場合には、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品の表面において、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物中のエポキシ基の開環が促進されるため好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中におけるアルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.05〜4.5質量部の範囲であることがより好ましく、0.1〜4質量部の範囲であることが最も好ましい。脂肪酸金属塩(C)の配合量が上記範囲内であるとエポキシ樹脂との接着性を向上させ、さらに成形時における金型からの離型性を向上させることができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤を任意成分として含有することができる。これら充填剤としては本発明の効果を損なうものでなければ公知慣用の材料を用いることもでき、例えば、繊維状のものや、粒状や板状などの非繊維状のものなど、さまざまな形状の充填剤等が挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、珪酸カルシウム、ワラストナイト等の繊維、天然繊維等の繊維状充填剤が使用でき、またガラスビーズ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、ゼオライト、ミルドファイバー、硫酸カルシウム等の非繊維状充填剤も使用できる。
本発明において充填剤は必須成分ではなく、添加する場合、その含有量は本発明の効果を損ねなければ特に限定されるものではない。充填剤の含有量としては例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、1〜600質量部の範囲であることが好ましく、さらに10〜200質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な機械強度と成形性を示すため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤を任意成分として含有することができる。シランカップリング剤としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、カルボキシ基と反応する官能基、例えば、エポキシ基、イソシアナト基、アミノ基または水酸基を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。本発明においてシランカップリング剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合量は、本発明の効果を損ねなければその添加量は特に限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性と成形性、特に離形性を有し、かつ成形品がエポキシ樹脂と優れた接着性を呈しつつ、さらに機械的強度が向上するため好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを任意成分として含有することができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマーまたはシリコーン系エラストマーが挙げられ、このうちポリオレフィン系エラストマーが好ましいものとして挙げられる。これらのエラストマーを添加する場合、その含有量は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐衝撃性が向上するため好ましい。
前記ポリオレフィン系エラストマーは、例えば、α−オレフィンの単独重合または異なるα−オレフィン同士の共重合により、さらに、官能基を付与する場合には、α−オレフィンと官能基を有するビニル重合性化合物との共重合により得ることができる。α−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン及びブテン−1等の炭素原子数2〜8の範囲のものが挙げられる。また、官能基としては、カルボキシ基、式−(CO)O(CO)−で表される酸無水物基、それらのエステル、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、またはオキサゾリン基などが挙げられる。
このような官能基を有するビニル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等のα,β−不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びその他の炭素原子数4〜10のα,β−不飽和ジカルボン酸及びその誘導体(モノ若しくはジエステル、及びその酸無水物等)、並びにグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、上述したエポキシ基、カルボキシ基、及び、該酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体が、機械的強度、特に靭性及び耐衝撃性の向上の点から好ましい。
更に、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、上記成分に加えて、さらに用途に応じて、適宜、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂、ポリ二弗化エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂などを任意成分として含有することができる。また、これらの樹脂の含有量は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
また本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、その他にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤、およびカップリング剤等の公知慣用の添加剤を必要に応じ、任意成分として含有してもよい。これらの添加剤は必須成分ではなく、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練する。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の好ましい製造方法は、上述した含有量となるよう、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸金属塩(C)の各必須成分と、必要に応じて、充填剤などの任意成分を、粉末、ペレット、細片など様々な形態でリボンブレンター、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーなどに投入してドライブレンドした後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機およびニーダーなどの公知の溶融混練機に投入し、樹脂温度がポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上となる温度範囲、好ましくは融点+10℃以上となる温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃となる温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃となる温度範囲で溶融混練する工程を経て製造することができる。溶融混練機への各成分の添加、混合は同時に行ってもよいし、分割して行っても良い。
前記溶融混練機としては分散性や生産性の観点から二軸混練押出機が好ましく、例えば、樹脂成分の吐出量5〜500(kg/hr)の範囲と、スクリュー回転数50〜500(rpm)の範囲とを適宜調整しながら溶融混練することが好ましく、それらの比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02〜5(kg/hr/rpm)の範囲となる条件下に溶融混練することがさらに好ましい。また、前記成分のうち、充填剤や添加剤を添加する場合は、前記二軸混練押出機のサイドフィーダーから該押出機内に投入することが分散性の観点から好ましい。かかるサイドフィーダーの位置は、前記二軸混練押出機のスクリュー全長に対する、該押出機樹脂投入部から該サイドフィーダーまでの距離の比率が、0.1〜0.9の範囲であることが好ましい。中でも0.3〜0.7の範囲であることが特に好ましい。
このように溶融混練して得られる本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、必須成分であるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ金属土類塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)と、必要に応じて加える任意成分およびそれらの由来成分を含む溶融混合物であり、該溶融混練後に、公知の方法でペレット、チップ、顆粒、粉末等の形態に加工してから、必要に応じて100〜150℃の温度で予備乾燥を施して、各種成形に供することが好ましい。
上記製造方法により製造される本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂をマトリックスとし、当該マトリックス中に、必須成分である前記脂肪酸エステル(B)および前記脂肪族金属塩(C)と、それらに由来する成分、必要に応じて添加する任意成分が分散した構造を有するモルフォロジーを形成する。その結果、成形品のエポキシ樹脂接着性やMD方向だけでなく、TD方向の機械的強度、特にTD方向の曲げ伸び強度が良好なものとなり好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物に対して優れた接着性を示す理由について、特定の作用機序にとらわれるものではないが、以下のことが考えられうる。すなわち、本発明の成形品表面において、脂肪酸エステル(B)および前記脂肪族金属塩(C)中に存在する官能基由来のカルボキシラートアニオン(−COO)が塩基性触媒(求核試薬)として、該硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂由来のエポキシ基の炭素原子に作用してエポキシ基の開環を促す結果、エポキシ基の反応性を向上させること、さらに、前記脂肪族金属塩(C)の金属原子がアルカリ金属原子またはアルカリ金属土類原子であることによって、例えば、亜鉛原子(Zn)等の周期律表の他の金属原子と対比してもイオン化エネルギーが小さく、解離しやすい傾向にあることから、カルボキシラートアニオンをより生成し、上記同様にエポキシ基の開環を促す結果、エポキシ基の反応性をさらに向上させることができ、エポキシ樹脂接着性が向上したものと考えられる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形、圧縮成形、コンポジット、シート、パイプなどの押出成形、引抜成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に離形性にも優れるため射出成形用途に適している。射出成形にて成形する場合、各種成形条件は特に限定されず、通常一般的な方法にて成形することができる。例えば、射出成形機内で、樹脂温度がポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上の温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上の温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃の温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃の温度範囲で前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融する工程を経た後、樹脂吐出口よりを金型内に注入して成形すればよい。その際、金型温度も公知の温度範囲、例えば、室温(23℃)〜300℃、好ましくは120〜180℃に設定すればよい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品は、エポキシ樹脂との接着性に優れるだけでなく、射出成型時の樹脂の特にTD方向の曲げ伸び、および成形性を改善することができる。
本発明の組成物は、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物との接着性に優れる。ここで言うエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物とは、エポキシ樹脂と硬化剤とを混合して得られる組成物であることが好ましい。
本発明において用いる前記エポキシ樹脂としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されず、たとえば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられ、このうち、接着性に優れることからビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノール類のグリシジルエーテルが挙げられ、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、またはテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、前記ノボラック型エポキシ樹脂の種類としてはフェノール類とアルデヒドとの縮合反応により得られたノボラック型フェノール樹脂をエピハロヒドリンと反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂が挙げられ、具体例には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、硬化剤により硬化反応させ使用されることが好ましい。
本発明においてエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として用いられるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、アミン型硬化剤、フェノール樹脂型硬化剤、酸無水物型硬化剤、潜在性硬化剤等が挙げられる。
アミン型硬化剤としては、公知のものを用いることができ、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環式ポリアミン等やそれらのエポキシ付加物、マンニッヒ変性化物、ポリアミドの変性物を用いることができる。具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルへキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等が挙げられる。このうち、硬化性に優れることから、m−キシレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが特に好ましいものとして挙げられる。
フェノール樹脂型硬化剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等のビスフェノール類、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(ヒドロキシフェニル)エタン等の3官能フェノール化合物、フェノールノボラック、又はクレゾールノボラック等が挙げられる。
酸無水物型硬化剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド、イミダゾール、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、本発明の効果を損なわない範囲において、硬化促進剤を適宜併用して用いることも可能である。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。
本発明に用いるエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、無溶媒下で硬化反応をさせても良いが、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、N−メチルピロリドン、イソプロピルアルコールやイソブタノール、t−ブチルアルコール等の溶媒下で硬化反応をさせてもよい。
本発明に用いる硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂と硬化剤との使用割合は、本発明の効果を損なわない範囲において公知の割合であれば特に限定されるものではないが、硬化性に優れ、硬化物の耐熱性や耐薬品性に優れる硬化物が得られることから、エポキシ樹脂成分中のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品は、エポキシ樹脂との接着性に優れることから、ポリアリーレンスルフィド樹脂とエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着した複合成形品として好適に用いることができる。
その製造方法としては、本発明の効果を損なわない範囲において公知の方法でよいが、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物とを接触させ、該硬化性樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。
前記複合成形体の主な用途例としては、各種家電製品、携帯電話、及びPC(Personal Computer)等の電子機器の筐体、箱型の電気・電子部品集積モジュール用保護・支持部材・複数の個別半導体またはモジュール、センサ、LEDランプ、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサ、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、端子台、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスク・DVDディスク・ブルーレイディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライタ部品、ワードプロセッサ部品、あるいは給湯機や風呂の湯量、温度センサなどの水回り機器部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピュータ関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライタ、タイプライタなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ブラシホルダー、スリップリング、ICレギュレータ、ライトディヤ用ポテンシオメーターベース、リレーブロック、インヒビタースイッチ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディ、キャブレタースペーサ、排気ガスセンサ、冷却水センサ、油温センサ、ブレーキパットウェアーセンサ、スロットルポジションセンサ、クランクシャフトポジションセンサ、エアーフローメータ、ブレーキパッド摩耗センサ、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダ、ウォーターポンプインペラ、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュータ、スタータースイッチ、イグニッションコイルおよびそのボビン、モーターインシュレータ、モーターロータ、モーターコア、スターターリレ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ、ランプソケット、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルタ、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品、その他各種用途にも適用可能である。
<実施例1〜9及び比較例1〜6>
表1〜3に記載する組成成分および配合量(全て質量単位)にしたがい、各材料をタンブラーで均一に混合した。その後、東芝機械株式会社製ベント付き2軸押出機「TEM−35B」に前記配合材料を投入し、樹脂成分吐出量25kg/hr、スクリュー回転数250rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.1(kg/hr・rpm)、設定樹脂温度330℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて以下の各種評価試験を行った。試験及び評価の結果は、表1〜3に示す。
[PAS樹脂組成物のエポキシ樹脂との接着強度]
得られたペレットをシリンダー温度320℃に設定した住友−ネスタール社製射出成形機(SG75−HIPRO・MIII)に供給し、金型温度130℃に温調したASTM1号ダンベル片成形用金型を用いて射出成形を行い、ASTM1号ダンベル片を得た。得られたASTM1号ダンベル片を中央から2等分し、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物との接触面積が50mmとなるように作成したスペーサー(厚さ:1.8〜2.2mm、開口部:5mm×10mm)を2等分したASTM1号ダンベル片2枚の間に挟み、クリップを用い固定した後開口部にエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物(ナガセケムテックス株式会社製2液型エポキシ樹脂、主剤:XNR5002、硬化剤:XNH5002、配合比は主剤:硬化剤=100:90)を注入し、135℃に設定した熱風乾燥機中で3時間加熱し硬化・接着させた。23℃下で1日冷却後スペーサーを外し、得られた試験片を用いて歪み速度1mm/min、支点間距離80mm、23℃下で島津社製引張試験機を用い引張破断強さを測定し、接着面積で除した値をエポキシ接着強度とした。
[TD方向曲げ伸び]
得られたペレットをシリンダー温度320℃に設定した住友−ネスタール社製射出成形機(SG75−HIPRO・MIII)に供給し、金型温度130℃に温調したISO D2プレート成形用金型を用いて射出成形を行い、ISO D2プレートに切削して試験片を作成した。得られた試験片をISO178に準拠した測定方法でTD曲げ強度、TD曲げ伸びを測定した。
Figure 0006753470
Figure 0006753470
Figure 0006753470
なお、表1〜3中の配合樹脂、材料の配合比率は質量部を表し、下記のものを用いた。
A1:ポリフェニレンスルフィド(DIC株式会社製「LR−2G」、溶融粘度(V6)80〔Pa・s〕)
A2:ポリフェニレンスルフィド(DIC株式会社製「T−2G」、溶融粘度(V6)55〔Pa・s〕)
B1:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブWE4」酸価29mgKOH/g、滴点81℃)
B2:モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製「リコルブWM31」酸価12mgKOH/g、滴点75℃)
b3:直鎖状ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン株式会社製「Licowax PE 130」、酸価0mgKOH/g)
C1:モンタン酸カルシウム(クラリアントジャパン株式会社製「CaV−102」)
C2:モンタン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製「NaV−101」)
C3:ベヘン酸カルシウム(日東化成工業株式会社製「CS−7」)
C4:12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(日東化成工業株式会社製「LS−6」)
D1:ガラス繊維(繊維径10μm、長さ3mmのガラス繊維チョップドストランド)
D2:炭酸カルシウム(平均粒径5〔μm〕)

Claims (8)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として含有すること、
    ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、前記オレフィンワックス(B)が0.01〜5質量部の範囲であり、かつ前記脂肪酸金属塩(C)が0.01〜5質量部の範囲であること、を特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 前記脂肪酸金属塩(C)が、炭素原子数20以上の長鎖脂肪酸塩である請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 溶融混練物である請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 前記請求項1〜3の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる成形品。
  5. 前記請求項4に記載の成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物の硬化物とが接着してなる複合成形品。
  6. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、脂肪酸エステル(B)と、脂肪酸アルカリ金属塩および脂肪酸アルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる一種以上の脂肪酸金属塩(C)とを必須成分として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の融点以上で溶融混練することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  7. ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100質量部に対して、前記脂肪酸エステル(B)が0.01〜5質量部の範囲であり、かつ前記脂肪酸金属塩(C)が0.01〜5質量部の範囲である、請求項6記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項4に記載の成形品と、エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物とを接触させた後、該硬化性樹脂組成物を硬化させることを特徴とする複合成形品の製造方法。
JP2018541060A 2016-09-21 2017-09-19 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法 Active JP6753470B2 (ja)

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