JP7069091B2 - 建具枠の固定構造 - Google Patents

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本発明は、建具枠の固定構造に関する。
従来、壁に形成された開口部を開閉するドアなどの建具を保持する建具枠を、壁における開口部に面する開口側縁部に固定する場合は、建具枠を、開口側縁部に当接させた状態で、壁の裏側にある柱や梁等の躯体にビス留めする方法が採られていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-196461号公報
ところで、近年、建物を耐火仕様にするに当たって、強化石膏ボードなどの耐火面材で壁面を覆う方法が採られる場合があるが、このような方法で壁に耐火構造を形成すると、壁厚が増し、壁表面から壁の裏側にある躯体までの距離が長くなる。そのため、建具枠を躯体に固定する際は、非耐火仕様の場合に比して長さの長いビスを用いることが考えられる。ところが、建具を保持する建具枠は、建具の開閉動作に伴って日常的に衝撃を受けるため、建具枠を固定するための長さの長いビスも日常的に衝撃を受けることになり、建具枠の固定状態を維持する上で好ましくない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、建具枠を躯体にビス留めしない状態で強固な固定状態を維持することが可能な建具枠の固定構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、建具枠10の固定構造であって、例えば図1~図8に示すように、壁1に形成された開口部6を開閉するための建具7を保持する建具枠10が、前記壁1における前記開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cに固定されており、
前記壁1は、当該壁1を構成する躯体2,3の前記開口部6側の面に耐火面材4が取り付けられるとともに、前記躯体2,3の正面及び背面に耐火面材4が取り付けられており、
前記建具枠10は、
前記躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して前記開口側縁部1a,1b,1cに固定された下地板材11(11a,11b,11c)と、
前記下地板材11に対して固定された建具枠本体13,14,15と、を備えており、
前記下地板材11(11a,11b,11c)は、前記壁1のうち前記躯体2,3の位置の外側に、前記耐火面材4が介在した状態で配置され、
前記躯体2,3に取り付けられた前記耐火面材4を含む前記壁1の厚さ寸法と、当該厚さ寸法に沿う前記下地板材11の奥行寸法は等しく設定されて、前記壁1における前記開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cは、前記下地板材11(11a,11b,11c)によって覆い隠されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、壁1は、当該壁1を構成する躯体2,3の表面側に耐火面材4が取り付けられて耐火仕様となっており、耐火面材4が取り付けられた分、壁1表面から躯体2,3までの距離が長くなった状態となっている。このような壁1における開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cに建具枠10が固定されており、当該建具枠10が、躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して開口側縁部1a,1b,1cに固定された下地板材11と、下地板材11に対して固定された建具枠本体13,14,15と、を備えるので、建具枠本体13,14,15が建具7の開閉動作に伴って日常的に衝撃を受けても、例えば下地板材11が長さの長いビスで固定される場合に比して、下地板材11における固定状態に影響が出にくい。これによって、下地板材11が、壁1における開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cに対して接着剤層12を介して強固に固定されていれば、その強固な固定状態を維持することが可能となる。
また、下地板材11は、壁1のうち躯体2,3の位置の外側に、耐火面材4が介在した状態で配置されているので、下地板材11から躯体2,3までの距離を極力短くすることができる。これにより、耐火面材4による壁1の耐火性能を維持しつつ、建具枠本体13,14,15から下地板材11に加わった外力を躯体2,3に伝達しやすくなって効果的に分散できる。そのため、建具枠本体13,14,15が取り付けられた下地板材11の強固な固定状態を維持することが可能となる。
さらに、壁1における開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cは、下地板材11によって覆い隠されているので、壁1における開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cを化粧する手間を省略できるとともに、壁1における開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cと下地板材11とを広い範囲で面接合することができて強固な固定状態となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2~図8に示すように、請求項1に記載の建具枠10の固定構造において、
前記下地板材11(11a,11b,11c)は、前記躯体2,3の前記開口部6側の面に取り付けられた前記耐火面材4と、前記躯体2,3の正面及び背面に取り付けられた前記耐火面材4と、に跨って配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、例えば図2~図8に示すように、請求項2に記載の建具枠10の固定構造において、
前記躯体2,3の前記開口部6側の面に取り付けられた前記耐火面材4と、前記躯体2,3の正面及び背面に取り付けられた前記耐火面材4は、それぞれ複数枚重ねとされていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、例えば図2~図8に示すように、請求項1~3のいずれか一項に記載の建具枠10の固定構造において、
前記接着剤層12は、前記下地板材11(11a,11b,11c)における前記開口側縁部1a,1b,1c側の略全面に亘って設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、接着剤層12は、下地板材11における開口側縁部1a,1b,1c側の略全面に亘って設けられているので、下地板材11を開口側縁部1a,1b,1cに対して面接合することができ、強固な固定状態となる。
請求項5に記載の発明は、例えば図4,図5に示すように、請求項1~3のいずれか一項に記載の建具枠10の固定構造において、
前記建具枠本体13,14,15は、前記下地板材11(11a,11b,11c)に対し、前記躯体2,3まで到達しない長さのビス19によってビス留めされていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、建具枠本体13,14,15は、下地板材11に対し、躯体2,3まで到達しない長さのビス19によってビス留めされているので、建具枠本体13,14,15を、下地板材11に対して容易かつ確実に固定できるとともに、建具枠本体13,14,15が日常的に受ける衝撃の影響がビス19に出にくい。
本発明によれば、建具枠を躯体にビス留めしない状態で強固な固定状態を維持することが可能となる。
壁の開口部に建具枠及び建具が設けられた状態を示す正面図である。 壁の開口部付近の構成を示す縦断面図である。 壁の開口部付近の構成を示す平断面図である。 建具枠の固定強度を試験するための試験体を示す平断面図である。 図4における要部拡大図である。 試験体による衝撃試験の態様を説明する縦断面図である。 入隅部に開口部が設けられた場合の例を示す平断面図である。 建具が片引き戸である場合の例を示す平断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1~図3において符号1は、壁を示す。この壁1は、住宅やオフィス等の建物において床F上に立設された内壁であり、図2,図3に示すように、内部に、建物の躯体を構成する柱2及びまぐさ3等の軸組材が設けられている。また、壁1内部の図示しない位置には、梁や筋交い等の軸組材も適宜設けられているものとする。
さらに、壁1は、柱2及びまぐさ3等の軸組材における外側面に、耐火面材としての強化石膏ボード4が二枚重ねで取り付けられ、これにより耐火仕様となっている。なお、符号5は、床Fと壁1との境界部分を化粧する巾木5である。
強化石膏ボード4は、一枚で21mmの厚みがあり、二枚重ねにすると42mmの厚さとなる。また、外側の強化石膏ボード4の表面には、仕上げ材として壁クロスが貼り付けられているものとする。すなわち、壁1の表面から壁1内部の軸組材までの距離は、少なくとも42mm以上に設定されている。
なお、強化石膏ボード4の厚さ寸法は、本実施形態においては一枚21mmとされているが、これに限られるものではなく、耐火性能に応じて適宜変更可能である。
壁1には、壁1を挟んで一方側に位置するスペースS1と他方側に位置するスペースS2とを行き来可能に連通する開口部6が形成されている。
開口部6は、床Fと、開口部6に面する強化石膏ボード4の開口部6側面と、によって規定されるものとする。すなわち、強化石膏ボード4は、柱2及びまぐさ3における開口部6側面に二枚重ねで取り付けられている。さらに、強化石膏ボード4は、柱2及びまぐさ3における正面と、柱2及びまぐさ3における開口部6側面に二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の正面側端面と、に跨って取り付けられているとともに、柱2及びまぐさ3における背面と、柱2及びまぐさ3における開口部6側面に二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の背面側端面と、に跨って取り付けられている。
これを踏まえ、壁1は、当該壁1の厚み分に相当して開口部6に面する上縁部1a及び左右の側縁部1b,1cを有している。つまり、上縁部1aは、まぐさ3における開口部6側面に取り付けられた強化石膏ボード4の下面と、まぐさ3の正面及び背面にそれぞれ二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の下端面と、によって構成された上側の開口側縁部である。また、左右の側縁部1b,1cは、柱2における開口部6側面に取り付けられた強化石膏ボード4の側面と、柱2の正面及び背面にそれぞれ二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の側端面と、によって構成された左側の開口側縁部及び右側の開口側縁部である。
要するに、このように構成された壁1の上縁部1a及び左右の側縁部1b,1cと、床Fと、によって囲まれた箇所が開口部6となっている。
開口部6には、ドアなどの建具7を保持する建具枠10が設けられている。
なお、本実施形態における建具7は、右側端部に回転中心となる蝶番7aが設けられ、左側端部にドアノブ7bが設けられた片開き戸である。また、建具7の左側端面には、ラッチボルト7cが設けられている。本実施形態においては、このように建具7が片開き戸とされたが、これに限られるものではなく、例えば両開き戸、片引戸、両引戸、引き違い戸、折りたたみ戸等でもよい。また、戸(扉・ドア)ではなく、窓でもよい。
建具枠10は、壁1における開口部6に面する上縁部1a及び左右の側縁部1b,1cに対し、接着剤層12を介して固定された下地板材11(11a,11b,11c)と、この下地板材11にビス留めされて固定された板状の上枠13及び左右の竪枠14,15と、を備える。すなわち、上枠13及び左右の竪枠14,15が、建具枠10における建具枠本体であり、各建具枠本体13,14,15を強固に固定するための下地として下地板材11が用いられる。
なお、下地板材11は、本実施形態においては厚さ9mmの合板が用いられているが、合板以外の板材でもよいし、厚さ寸法も9mmに限定されるものではない。
上縁部1aに接着固定される下地板材11(以下、上側下地板材11a)は、図2に示すように、まぐさ3における開口部6側面に取り付けられた強化石膏ボード4の下面と、まぐさ3の正面及び背面にそれぞれ二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の下端面と、に跨って、かつ上縁部1aの長さ方向(左右方向)に沿って長尺に形成されている。
左右の側縁部1b,1cに接着固定される下地板材11(以下、左側下地板材11b及び右側下地板材11c)は、図3に示すように、柱2における開口部6側面に取り付けられた強化石膏ボード4の側面と、柱2の正面及び背面にそれぞれ二枚重ねで取り付けられた強化石膏ボード4の側端面と、に跨って、かつ左右の側縁部1b,1cの長さ方向(上下方向)に沿って長尺に形成されている。
接着剤層12は、壁1における開口部6に面する上縁部1aと上側下地板材11aとの間にある接着剤による層と、壁1における開口部6に面する左右の側縁部1b,1cと左右側の下地板材11b,11cとの間にある接着剤による層と、を指している。
接着剤層12を構成する接着剤としては、本実施形態においては酢ビ系ボンドが用いられている。なお、接着剤の塗布量は、1平方メートル当たり200g以上とする。
また、各下地板材11a,11b,11cを、壁1における開口部6に面する上縁部1a及び左右の側縁部1b,1cに固定する場合に、補助的にステープル18などの固定具を併用してもよい(図4,図5参照)。
上枠13は、上側下地板材11aの長さ方向(左右方向)に沿って長尺に形成され、上側下地板材11aの開口部6側面(下面)に取り付けられている。図2,図3において図示はしないが、この上枠13は、上側下地板材11aに対してビス留めによって取り付けられている(図4,図5参照)。
また、この上枠13の開口部6側面(下面)には、上枠13の長さ方向に沿って長尺な溝が形成され、当該溝に、建具7が接触する戸当たり部材16が設けられている。
左竪枠14は、左側下地板材11bの長さ方向(上下方向)に沿って長尺に形成され、左側下地板材11bの開口部6側面に取り付けられている。図2,図3において図示はしないが、この左竪枠14は、左側下地板材11bに対してビス留めによって取り付けられている(図4,図5参照)。
また、この左竪枠14の開口部6側面には、左竪枠14の長さ方向に沿って長尺な溝が形成され、当該溝に、建具7が接触する戸当たり部材16が設けられている。
右竪枠15は、右側下地板材11cの長さ方向(上下方向)に沿って長尺に形成され、右側下地板材11cの開口部6側面に取り付けられている。図2,図3において図示はしないが、この右竪枠15は、右側下地板材11cに対してビス留めによって取り付けられている(図4,図5参照)。
また、この右竪枠15の開口部6側面には、右竪枠15の長さ方向に沿って長尺な溝が形成され、当該溝に、建具7が接触する戸当たり部材16が設けられている。
なお、各建具枠本体13,14,15を各下地板材11(11a,11b,11c)に固定する際に用いられるビスは、図4,図5に参照されるように、躯体2,3まで到達しない長さのビスである。
また、本実施形態においては、各建具枠本体13,14,15を各下地板材11(11a,11b,11c)に固定する固定具としてビスが用いられているが、釘やネジ等のその他の固定具が用いられてもよい。
上枠13及び左右の竪枠14,15は、非耐火仕様の建物にも用いることが可能なものであることから、正背方向の寸法が、耐火仕様とされた壁1の厚み寸法よりも短く設定されている。そのため、図2,図3に示すように正面側に寄せて配置されると、背面側に、上枠13及び左右の竪枠14,15と、各下地板材11a,11b,11cとによって段差が形成されることとなる。このような段差のうち各下地板材11a,11b,11cの表面には壁クロス17が貼り付けられており、各下地板材11a,11b,11cを被覆している。
なお、段差に貼り付けられる壁クロス17は、壁1の表面に貼り付けられたものと同一の種類の壁クロスであってもよいし、壁1の表面に貼り付けられた壁クロスを延長させ、段差に露出する各下地板材11a,11b,11cを被覆するようにしてもよい。
本実施形態における建具枠10は、建具7の開閉動作に伴って日常的に衝撃を受けることになる。例えば建具7を勢いよく閉めた場合などに、建具7は戸当たり16に強く接触し、その衝撃は、建具枠本体13,14,15及び各下地板材11a,11b,11cに伝達される。しかし、接着剤(接着剤層12)によって壁1における開口部6に面する各縁部1a,1b,1cに固定された各下地板材11a,11b,11cは、長さの長いビスによって躯体2,3に固定されていないので、従来のように長さの長いビスが衝撃の影響を受けるような事態がそもそも発生しないようになっている。
なお、本実施形態においては、躯体として柱2及びまぐさ3等の軸組材を採用したが、これに限られるものではなく、壁や床、屋根といった建物の構成要素が予めパネル化された建築用パネルを採用してもよい。すなわち、建物は、軸組材による軸組構法によって建築されたものでもよいし、壁式工法、ツーバイフォー工法等で建築されたものでもよいし、建築用パネルを施工現場で組み立てるパネル工法で建築されたものでもよい。なお、パネル工法で建物が建築された場合、躯体として建築用パネルが用いられる。
また、耐火面材である強化石膏ボード4は、躯体2,3の表面に取り付けられるものとしたが、躯体2,3と耐火面材4との間には、例えば遮音材や断熱材等のように何らかの機能を有する機能部材が介在されてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、壁1は、当該壁1を構成する躯体2,3の表面に耐火面材4が取り付けられて壁厚が大きく設定されているため耐火仕様となっており、壁1表面から躯体2,3までの距離が長くなった状態となっている。このような壁1における開口部6に面する縁部1a,1b,1cに建具枠10が取り付けられており、当該建具枠10が、躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して縁部1a,1b,1cに固定された下地板材11(11a,11b,11c)と、下地板材11に対して固定された板状の建具枠本体13,14,15と、を備えるので、建具枠本体13,14,15が建具7の開閉動作に伴って日常的に衝撃を受けても、例えば下地板材11が長さの長いビスで固定される場合に比して、下地板材11における固定状態に影響が出にくい。これによって、下地板材11が、壁1における開口部6に面する縁部1a,1b,1cに対して接着剤層12を介して強固に固定されていれば、その強固な固定状態を維持することが可能となる。
また、下地板材11(11a,11b,11c)は、壁1のうち躯体2,3の位置の外側に、耐火面材4が介在した状態で配置されているので、下地板材11から躯体2,3までの距離を極力短くすることができる。これにより、耐火面材4による壁1の耐火性能を維持しつつ、建具枠本体13,14,15から下地板材11に加わった外力を躯体2,3に伝達しやすくなって効果的に分散できる。そのため、建具枠本体13,14,15が取り付けられた下地板材11の強固な固定状態を維持することが可能となる。
また、接着剤層12は、下地板材11における縁部1a,1b,1c側の略全面に亘って設けられているので、下地板材11を縁部1a,1b,1cに対して面接合することができ、強固な固定状態となる。
また、壁1における開口部6に面する縁部1a,1b,1cは、下地板材11によって覆い隠されているので、壁1における開口部6に面する縁部1a,1b,1cを化粧する手間を省略できるとともに、壁1における開口部6に面する縁部1a,1b,1cと下地板材11とを広い範囲で面接合することができて強固な固定状態となる。
また、建具枠本体13,14,15は、下地板材11に対し、躯体2,3まで到達しない長さのビス19によってビス留めされているので、建具枠本体13,14,15を、下地板材11に対して容易かつ確実に固定できるとともに、建具枠本体13,14,15が日常的に受ける衝撃の影響がビス19に出にくい。
〔建具枠の固定強度試験について〕
以上のような建具枠10の固定構造は、図4~図6に示すように、試験室に設置された試験体20及び試験機22によって予め固定強度試験が行われ、強度上問題がないかどうかの確認が行われている。
なお、この建具枠10の固定強度試験に係る説明において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
試験体20は、試験体用床TF上に、二つの試験体用壁21が平行に配置されて設けられ、二つの試験体用壁21における正面側端部上には、まぐさ3が架け渡されて設けられている。さらに、まぐさ3上には、試験体用天井構造部TCが設けられている。開口部6は、平行に配置された二つの試験体用壁21における正面側端部と、まぐさ3、試験体用床TFによって囲まれた位置に形成されている。
そして、試験体20のうち、まぐさ3の下面が上側の開口側縁部(すなわち、上縁部1a)とされ、二つの試験体用壁21における正面側端部の内側面が左右の開口側縁部(すなわち、左右の側縁部1b,1c)とされている。
なお、二つの試験体用壁21は、上記の実施形態における壁1と同様に、内部に、躯体である柱2が設けられ、二枚重ねの強化石膏ボード4によって被覆された状態となっている。
以上のような開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cに、建具7を保持する建具枠10が固定されている。建具枠10のうち右竪枠15の下地となる右側下地板材11cTは、上記の実施形態における右側下地板材11cと構成が異なる。すなわち、上記の実施形態における右側下地板材11cは厚さ9mmの合板が用いられているが、試験体20には、厚さが15mmに設定された板状の胴縁材が用いられている。
建具枠10における各下地板材11(11a,11b,11cT)は、接着剤による接着剤層12を介して開口側縁部である各縁部1a,1b,1cに固定されている。そして、建具枠本体である上枠13及び左右の竪枠14,15が、各縁部1a,1b,1cのそれぞれに対してビス19によって固定されている。また、補助的な固定具としてステープル18が併用されている。
以上のように構成された試験体20は、図6に示すように、試験室の床上に立てられた試験機22によって建具枠10の固定強度試験が行われる。試験機22は、一対の支柱23と、上桟材24と、下桟材25と、壁取付部26と、錘27と、を備える。
上桟材24は、一対の支柱23の上端部間に架け渡されて設けられ、錘27を吊るすための紐27aが括りつけられている。
下桟材25は、上桟材24と平行に配置され、一対の支柱23の下部間に架け渡されて設けられている。
壁取付部26は、一対の支柱23における各支柱23の上下二箇所の位置から二つの試験体用壁21における正面側端面に伸びて取り付けられ、一対の支柱23と二つの試験体用壁21とを連結している。
錘27としては、本試験においては15kgの砂袋が用いられているが、建具枠10の固定強度を試験し得る程度の重さと低反発性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
建具枠10の固定強度試験は、錘27を、45度の角度から振り下ろして建具7の所定の部位に当てて、建具枠本体13,14,15における各下地板材11a,11b,11cTに対する固定箇所(ビス留め箇所)と、各下地板材11a,11b,11cTにおける各開口側縁部1a,1b,1cに対する固定箇所(接着箇所)に衝撃を与える方法で行われる。衝撃を与える回数は、一回よりも複数回であることが好ましい。
なお、錘27が当てられる建具7における所定の部位は、建具7の正面における中心位置と、蝶番7a横の部位が好適であるが、ノブ7b付近の部位でもよい。
そして、実際に、以上のような方法で建具枠10の固定強度試験が行われた結果、建具枠本体13,14,15における各下地板材11a,11b,11cTに対する固定箇所(ビス留め箇所)と、各下地板材11a,11b,11cTにおける各開口側縁部1a,1b,1cに対する固定箇所(接着箇所)には破損は見られなかった。特に、躯体2,3に対してビス留めされない状態で各開口側縁部1a,1b,1cに固定された各下地板材11a,11b,11cTにおける、各開口側縁部1a,1b,1cに対する固定箇所(接着箇所)は、接着剤による接着剤層12を介して強固に固定された状態を保持していたため、本試験を以て、建具枠10の固定強度に問題がないことが確認された。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上記した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上記の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
〔変形例1〕
上記の実施形態においては、開口部6が一つの壁1における中央部分に形成された状態となっているが、本変形例においては、図7に示すように、第一壁1Aと、この第一壁1Aに直交して配置された第二壁1Bとによって入隅部(出隅部)が形成され、開口部6が、第一壁1Aにおける第二壁1B側端部に形成されている。
より詳細に説明すると、第一壁1Aは、開口部6に面する開口側縁部として上縁部1a(図示省略)と右側縁部1cを有する。第二壁1Bは、開口部6に面する開口側縁部として左側縁部1bを有する。第一壁1Aにおける上縁部1aの壁内部にはまぐさ3が設けられ、右側縁部1cの壁内部には柱2が設けられている。また、第二壁1Bにおける左側縁部1bは、第二壁1Bの背側端部における第一壁1A側面であり、壁内部には柱2が設けられている。
建具枠10は、第一壁1A及び第二壁1Bにおける開口部6に面する開口側縁部1a,1b,1cに固定されている。そして、この建具枠10は、躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して開口側縁部1a,1b,1cに固定された下地板材11(11a,11b,11c)と、下地板材11に対して固定された板状の建具枠本体13,14,15と、を備える。なお、建具枠10に保持された建具7は、片開き戸であり、入隅部側に開くように動作する。
本変形例によれば、入隅部に開口部6が形成された場合であっても、その開口部6に面する各開口側縁部1a,1b,1cに、躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して各下地板材11(11a,11b,11c)を固定することができる。
〔変形例2〕
上記の実施形態においては、建具7が片開き戸とされていたが、本変形例においては、建具37が片引き戸とされている。また、本変形例においては、図8に示すように、開口部6が一つの壁31における中央部分に形成された状態となっている。建具37として片引き戸が採用される場合、壁31は、建具37が納まる戸袋32を備える。
本変形例においては、壁31のうち建具37が納まる側の開口側縁部(本変形例においては右側縁部31cA,31cB)に形成された凹部が戸袋32として利用されている。凹部は、壁31の背面側に位置する二枚重ねの強化石膏ボード4が、正面側に位置する二枚重ねの強化石膏ボード4よりも開口部6側に伸長し、当該伸長する背面側の強化石膏ボード4における正面に、戸袋用壁33が設けられることで形成されている。
戸袋用壁33は、縦横の框材33aが矩形状に組み立てられて枠体が構成され、この枠体の正面に面材33bが貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。内部中空な部分には、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。また、面材33bには石膏ボードが採用されており、その正面には壁クロスが貼り付けられている。
このように壁31に凹部が形成された場合、壁31における開口部6に面する開口側縁部のうち戸袋32側の縁部(本変形例においては右側縁部31cA,31cB)は、図示のように、正面側と背面側に分かれることとなる。すなわち、本変形例における壁31は、開口部6に面する右側縁部として、正面側に位置する第一右側縁部31cAと、背面側に位置する第二右側縁部31cBと、を有する。
これに伴って、建具枠10を構成する右側下地板材11cも、正面側に位置する第一右側下地板材11cAと、背面側に位置する第二右側下地板材11cBと、を有する。さらに、建具枠本体である右竪枠15も、正面側に位置する第一右竪枠15Aと、背面側に位置する第二右竪枠15Bと、を有することになる。
第一右側下地板材11cAは、柱2に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して第一右側縁部31cAに固定されている。
第二右側下地板材11cBは、柱2に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して第二右側縁部31cBに固定されている。また、この第二右側下地板材11cBは、戸袋用壁33における開口部6側面にも固定されている。
第一右竪枠15Aは、凹部における入隅部分に配置されて戸袋用壁33に接し、正面側に位置する第一右側下地板材11cAに対して固定されている。
第二右竪枠15Bは、背面側に位置する第二右側下地板材11cBに対して固定されている。なお、第二右竪枠15Bは、戸袋用壁33の正面よりも正面側に突出しており、正面側端面にはモヘアが設けられている。
片引き戸である建具37は、開口部6の左側に位置する左竪枠14と、開口部6の右側であって、かつ戸袋32内に位置する第一右竪枠15Aとの間をスライド移動する。床Fには、建具37をスライド移動させるためのスライドレール34が設けられ、スライドレール34には、左竪枠14から第一右竪枠15Aにかけてスライド溝34aが形成されている。建具37は、スライド溝34aに沿って移動することになる。
なお、図示はしないが、上枠13にもスライド溝が形成されており、建具37の上端面に設けられた戸車が嵌まるようになっている。
本変形例によれば、建具37として片引き戸が採用された場合であっても、開口部6に面する各開口側縁部1a,1b,31cA,31cBに、躯体2,3に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層12を介して各下地板材11(11a,11b,11cA,11cB)を固定することができる。
1 壁
1a 上縁部
1b 左側縁部
1c 右側縁部
2 柱(躯体)
3 まぐさ(躯体)
4 強化石膏ボード
6 開口部
7 建具
10 建具枠
11 下地板材
11a 上側下地板材
11b 左側下地板材
11c 右側下地板材
12 接着剤層
13 上枠
14 左竪枠
15 右竪枠
F 床
S1 一方側のスペース
S2 他方側のスペース

Claims (5)

  1. 壁に形成された開口部を開閉するための建具を保持する建具枠が、前記壁における前記開口部に面する開口側縁部に固定されており、
    前記壁は、当該壁を構成する躯体の前記開口部側の面に耐火面材が取り付けられるとともに、前記躯体の正面及び背面に耐火面材が取り付けられており、
    前記建具枠は、
    前記躯体に対してビス留めされない状態で、接着剤による接着剤層を介して前記開口側縁部に固定された下地板材と、
    前記下地板材に対して固定された建具枠本体と、を備えており、
    前記下地板材は、前記壁のうち前記躯体の位置の外側に、前記耐火面材が介在した状態で配置され、
    前記躯体に取り付けられた前記耐火面材を含む前記壁の厚さ寸法と、当該厚さ寸法に沿う前記下地板材の奥行寸法は等しく設定されて、前記壁における前記開口部に面する開口側縁部は、前記下地板材によって覆い隠されていることを特徴とする建具枠の固定構造。
  2. 請求項1に記載の建具枠の固定構造において、
    前記下地板材は、前記躯体の前記開口部側の面に取り付けられた前記耐火面材と、前記躯体の正面及び背面に取り付けられた前記耐火面材と、に跨って配置されていることを特徴とする建具枠の固定構造。
  3. 請求項に記載の建具枠の固定構造において、
    前記躯体の前記開口部側の面に取り付けられた前記耐火面材と、前記躯体の正面及び背面に取り付けられた前記耐火面材は、それぞれ複数枚重ねとされていることを特徴とする建具枠の固定構造。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の建具枠の固定構造において、
    前記接着剤層は、前記下地板材における前記開口側縁部側の略全面に亘って設けられていることを特徴とする建具枠の固定構造。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の建具枠の固定構造において、
    前記建具枠本体は、前記下地板材に対し、前記躯体まで到達しない長さのビスによってビス留めされていることを特徴とする建具枠の固定構造。
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