JP7065667B2 - 油性アイライナー化粧料 - Google Patents
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Description
次のモノマー単位(I)~(IV)を必須成分として構成される重量平均分子量700~300,000の共重合体、
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15~50質量%、
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15~50質量%、
モノマー単位(III):1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであるラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1~25質量%、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10~60質量%
(b)疎水化処理粉体
を含有する油性アイライナー化粧料に関するものである。
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15~50質量%、
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15~50質量%、
モノマー単位(III):1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであるラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1~25質量%、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10~60質量%。
共重合体(a)を構成するためのモノマー単位(I)は上記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマーである。
共重合体(a)を構成するためのモノマー単位(II)は、炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーである。モノマー単位(II)の(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー由来の構成単位を含むことで、共重合体(a)は炭素数12以上の側鎖を有する共重合体となるため、各種油剤に良好な相溶性を示す共重合体(a)となる。モノマー単位(II)の(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーは、例えば炭素数12以上のアルコールまたはアミンと、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を縮合反応させてエステルまたは酸アミドすることにより容易に製造することができる。モノマー単位(II)として用いられる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマーのうち、特に好適に用いられるものの具体例としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタアクリレート)の他、以下の化学式で示されるものが挙げられる。
CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2O(CH2)17CH3
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2O(CH2)29CH3
CH2=C(CH3)CONH(CH2)17CH3
CH2=CHCONH(CH2)21CH3
CH2=C(CH3)COO(CH2)15CH3
CH2=CHCOO(CH2)15CH3
共重合体(a)を構成するためのモノマー単位(III)はラジカル重合性基を有する親水性モノマーである。モノマー単位(III)のラジカル重合性基を有する親水性モノマーとしては、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリレートアルコール類、ポリオオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンモノ(メタ)アクリレートが例示される。特に、臭いの少ない皮膜を形成するためには、1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。特に限定されないが、使用感が良好で、より臭いが少ない共重合体が得られるなどの点から、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを1種または2種以上用いることが好ましい。
共重合体(a)を構成するためのモノマー単位(IV)は炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性モノマーである。炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性モノマー由来の構成単位を含むことで、皮膜の強度や柔軟性を調整可能な共重合体(a)となる。モノマー単位(IV)のラジカル重合性モノマーが有する炭素数10以下の炭化水素基は、鎖状、環状、芳香族のいずれでもよく、例えば1種または2種以上のメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソポルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。モノマー単位(IV)のラジカル重合性モノマーはこれらの2種以上から選ばれることが特に好ましい。また、これらは皮膜の強度や柔軟性に寄与するところが多いため、メチル(メタ)アクリレートやイソポルニル(メタ)アクリレート等のようにポリマー化したときのTgが高くなるラジカル重合性モノマーであることが好ましく、さらに柔軟性のためにTgの低いラジカル重合性モノマーと組み合わせることがより好ましい。
本発明における成分(c)煙霧状無水ケイ酸は、微細な非晶質の無水ケイ酸であり、例えば、四塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものが挙げられる。また、前記煙霧状無水ケイ酸は、表面処理してもよく、その処理方法としては、例えば、トリメチルシリルクロライドやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシロキシ処理、ジメチルシリル化処理、オクチルシラン化処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いたコーティング焼き付け処理、金属石鹸によるコーティング等が挙げられる。これらの中でも、化粧膜の部分的な欠落のなさ等に、より優れる点から、ジメチルシリル化処理したものであることが好ましい。また、これらの煙霧状無水ケイ酸の一次粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、50nm以下であることが好ましく、5~50nmがより好ましく、5~20nmが特に好ましい。
市販品としては、AEROSIL 200、AEROSIL 300、AEROSIL 380、AEROSIL R-972、AEROSIL R-974、AEROSIL R-976(以上、日本アエロジル社製)、タラノックス500(タルコ社製)、キャボジルTS-530(キャボット社製)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ水等の植物抽出液が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等、例えば、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等をあげることができる。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2-ペンタジオール等が挙げられる。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製フラスコに、イソプロパノール140.0g、下記表1の各モノマーと、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート4.0gを入れ、窒素気流下にて攪拌しながら加熱還流した。5時間重合を行った後、減圧下で揮発性成分を留去してシリコーン共重合体(合成例(1)~(4))を得た。GPCにて重量平均分子量(ポリスチレン換算)を求めた。
下記表2に示す処方の油性固形アイライナー化粧料を調製し、なめらかな使用感、にじみのなさ、化粧膜の欠落のなさ、落としやすさについて下記の方法により評価した。その結果も併せて表2に示す。
A.成分(1)~(8)を110℃にて均一に加熱溶解する。
B.Aに成分(9)~(17)を加え、均一に混合する。
C.Bを容器に充填して油性アイライナー化粧料(ゲル状)を得た。
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.なめらかな使用感
ロ.にじみのなさ
ハ.化粧膜の欠落のなさ落としやすさ
ニ.落としやすさ
イ~ニの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。各試料を皮膚に塗布し、イについては使用直後に評価、ロ、ハについては使用から6時間後に汗や涙でにじんでいないか、また、化粧膜の欠落がないかについて評価を行った。その後、下記に示すリムーバーをコットンに適量含ませ、ニの落としやすさについて評価を行った。各項目について、パネル各人が下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える
○ :3.5点を超え5点以下
△ :1点を超え3.5点以下
× :1点以下
評価用リムーバー
(成分)
(1) 流動パラフィン 4
(2) イソドデカン 8
(3) 精製水 残量
(4) カルボキシメチルセルロース 0.8
(5) トリエタノールアミン 1.8
(6) パラオキシ安息香酸メチル 0.3
(7) フェノキシエタノール 0.5
(8) グリセリン 2
(製法)
A.成分(1)~(2)を均一に分散する。
B.成分(3)~(8)均一に混合する。
C.BにAを加え、室温で乳化する。
D.Cを容器に充填し、評価用リムーバーを得た。
一方、成分(a)のない比較例1では化粧膜の固さがなく、なめらかな使用感、にじみのなさ、及び化粧膜の欠落のなさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(a)の代わりに(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーを含有した比較例2では、化粧膜の付着性が高く、化粧の落としやすさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(a)の代わりに(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーを含有した比較例3では、化粧膜が皮脂ににじんでしまい、にじみのなさの点で満足のいくものが得られなかった。さらに、成分(b)の疎水化処理粉体を含有していない比較例4では、化粧膜が皮脂ににじみ、また、はがれてしまい、にじみのなさ、化粧膜の欠落のなさの点で満足のいくものが得られなかった。
(成分) (%)
(1)(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン 2
(2)ポリエチレン※5 2
(3)フィッシャートロプシュワックス※9 2
(4)2-デシルテトラデカノール※10 1
(5)軽質流動イソパラフィン※11 残量
(6)ポリイソブチレン※12 5
(7)合成例(2)の共重合体(a) 7
(8)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト※13 3
(9)シリル化処理無水ケイ酸※8 0.5
(10)メチルシロキサン網状重合体※14 3
(11)ベンガラ※15 0.5
(12)赤色226号※6 0.5
(13)カーボンブラック 4
(14)精製水 10
(15)エデト酸二ナトリウム 0.01
(16)1,2-ペンタンジオール 1
(17)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(18)パラオキシ安息香酸メチル 0.5
(19)香料 0.1
※9:CIREBELLE108(CIREBELLE社製)
※10:エヌジェコール240A(新日本理化社製)
※11:IPソルベント1620MU(出光興産社製)
※12:オパノールB-100(BASF社製)
※13:ルーセンタイトSAN(コープケミカル社製)
※14:トスパール145A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
※15:2%メチルハイドロジェンポリシロキサン処理
A.成分(1)~(7)を100℃で加熱溶解し、成分(8)~(13)を均一に混合する。
B.Aに成分(14)~(19)を加え、乳化する。
C.Bを塗布体付き容器に充填して油中水型アイライナー化粧料(液状)を得た。
(成分) (%)
(1)パルミチン酸デキストリン※16 1
(2)セレシンワックス 10
(3)トリメチルシロキシケイ酸※17 14
(4)メタクリル変性メチルポリシロキサン※18 5
(5)ジメチコノール 2.5
(6)軽質流動イソパラフィン※11 残量
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 20
(8)フェニルグリコール 1
(9)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
(10)合成例(3)の共重合体(a) 3
(11)黒酸化鉄※19 10
(12)ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム
・エポキシ積層末 1
(13)無水ケイ酸※20 2
(14)酸化チタン被覆合成金雲母※21 2
(15)酢酸トコフェロール 0.5
※16:レオパールKL2(千葉製粉社製)
※17:シリコンKF-7312J(信越化学工業(株)製)
※18:シリコンKP-545(信越化学工業(株)製)
※19:2%ジメチコン処理
※20:AEROSIL380S(日本アエロジル社製)
※21:HELIOS R100S(トピー工業社製)1%流動パラフィン処理
A.成分(1)~(10)を90℃で加熱溶解する。
B.Aに成分(11)~(15)を加え、均一に混合する。
C.Bを90℃にて金皿に充填して油性アイライナー化粧料(固形)を得た。
(成分) (%)
(1)モクロウ 20
(2)ヒマワリ種子ロウ 10
(3)トリメチルシロキシケイ酸※17 10
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(5)2-デシルテトラデカノール 15
(6)流動パラフィン 残量
(7)フェニルグリコール 1
(8)合成例(4)の共重合体(a) 9
(9)メチルシロキサン網状重合体※14 5
(10)カーボンブラック※22 10
(11)セリサイト※6 10
(12)シリル化処理無水ケイ酸※8 1
(13)天然ビタミンE 0.1
※22:2%レシチン処理
(製法)
A.成分(1)~(8)を90℃で加熱溶解する。
B.Aに成分(9)~(13)を加え、均一に混合する。
C.Bを金型に充填し、容器に装填して油性アイライナー化粧料(ペンシル状)を得た。
Claims (4)
- 次の成分(a)及び成分(b);
(a)次のモノマー単位(I)~(IV)を必須成分として構成される重量平均分子量700~300,000の共重合体、
モノマー単位(I):下記式(1)で示されるシリコーンマクロモノマー;15~50質量%、
-であり、但しR3はSiと結合されている脂肪族基であり、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は互いに同一もしくは異なる、フッ素置換された、または非置換の炭素数1~30の1価アルキル基、もしくはアリール基であり、nは1~100の整数を示す。]
モノマー単位(II):炭素数12以上のアルコール化合物またはアミン化合物と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル化合物、及び(メタ)アクリル酸ハロゲン化合物のいずれか1以上とを縮合反応させて得られる(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)アクリルアミドモノマー;15~50質量%、
モノマー単位(III):1種または2種以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであるラジカル重合性基を有する親水性モノマー;0.1~25質量%、
モノマー単位(IV):炭素数10以下の炭化水素基を有するラジカル重合性疎水性モノマー;10~60質量%
(b)疎水化処理粉体
を含み、
前記成分(a)と前記成分(b)の含有質量割合の比率である、(a)/(b)の値が0.1~1の範囲内である、
油性アイライナー化粧料。 - 前記成分(a)のモノマー単位(III)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の油性アイライナー化粧料。
- 前記成分(b)が、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる1種又は2種以上で処理された疎水化処理粉体である請求項1又は2に記載の油性アイライナー化粧料。
- さらに成分(c)として、煙霧状無水ケイ酸を含有する請求項1~3のいずれかに記載の油性アイライナー化粧料。
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