JP2005112771A

JP2005112771A - 水中油型睫用化粧料

Info

Publication number: JP2005112771A
Application number: JP2003348251A
Authority: JP
Inventors: Masaki Okuyama; 雅樹奥山; Giichi Konno; 義一紺野
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 2003-10-07
Filing date: 2003-10-07
Publication date: 2005-04-28
Anticipated expiration: 2023-10-07
Also published as: JP4491216B2

Abstract

【課題】睫用化粧料において、睫を上にカールする化粧効果（カール効果）や睫を太く見せる化粧効果（ボリューム効果）に優れ、その化粧効果の持続性、使用性、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性に優れ、更には、睫を長く見せる効果にも優れる水中油型睫用化粧料に関する。
【解決手段】次の成分（Ａ）〜（Ｄ）；（Ａ）キャンデリラレジン（Ｂ）ポリマー構成単位にスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、且つポリマーが水不溶性の皮膜形成性ポリマーエマルション（Ｃ）揮発性油剤（Ｄ）アルカリ増粘性ポリマーエマルションを含有することを特徴とする水中油型睫用化粧料を提供するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、睫用化粧料において、睫を上にカールする化粧効果（カール効果）や睫を太く見せる化粧効果（ボリューム効果）に優れ、その化粧効果の持続性、使用性、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性に優れ、更には、睫を長く見せる効果にも優れる水中油型睫用化粧料に関する。

睫用化粧料は、睫を上にカールすることや睫を太く、長くみせることで、目元をはっきりさせるといった化粧効果をもつものである。
従来、これらの睫用化粧料は、油系タイプのもの、油中水型、水中油型の乳化系タイプのもの、水系タイプもの等、種々の剤型で市場の動向に合わせて開発されてきた。
油系タイプは、化粧効果やその持続性の点において非常に優れるものが得られ、水系タイプは、塗布や化粧の除去のし易さにおいて優れるものが得られた。油中水型、水中油型の乳化系タイプは両者の良いところを兼ね備える剤型と期待され、更に特異的な機能を付与するために種々の検討がなされてきた。
乳化系タイプの場合、油系タイプに比べ、耐水性や耐油性に劣る為、比較的融点の低いワックスや樹脂及び種々の皮膜形成剤の配合量を増加させることや、更にカール力を付与するため、ワックスの微小分散物を配合する技術（例えば、特許文献１参照）や特定の樹脂を用いる技術（例えば、特許文献２参照）が検討されてきた。一方、化粧膜は、耐水性や耐油性に優れるが、専用のリムーバーを使用することなく、通常の洗浄剤で落とすことができるという相反する技術の検討もなされている。例えば、特定のポリマーであるジメチコーン−シリカコポリマーを配合する技術（例えば、特許文献３参照）、外相に水と水溶性高分子、内相に揮発性油剤及びシリコーン系樹脂成分を配合する技術（例えば、特許文献４参照）や非水溶性ポリマーと水溶性の皮膜形成ポリマーを併用する技術（例えば、特許文献５参照）等があり、が検討されてきた。
特許第２９８８９２９号（第１−９頁）特開２００２−３３８４３６（第１−８頁）特表平８−５０６３４２（第１−１８頁）特開平７−２６７８１７（第１−１０頁）特表平１１−５０４３２４（第１−１９頁）

しかしながら、これらの水中油型睫用化粧料では、殆んどの場合ワックスを配合することにより、耐水性や密着性、使用性、系の安定性等を確保し、更に他の成分により、それぞれの特徴を付加してきたが、ワックスが配合されているため、使用中に皮脂で化粧膜がにじんでしまうといった欠点があった。そのため、他の成分の効果を充分に活かすことができないのが現状であった。ワックスを配合しないもので、エマルション系中に特定のシリコーン化合物を含有する試みもなされているが、化粧効果の持続性は得られるものの、化粧料の付着性が十分でなく、睫を太く見せる化粧効果を演出する点で十分な効果が得られないといった欠点があった。また、外相に水と水溶性高分子、内相に揮発性油剤及びシリコーン系樹脂成分を含有し、化粧効果の持続性を向上させるといった試みもなされているものの、水溶性高分子の配合量の増加に伴い、使用時及び使用後の化粧膜のべたつきが生じ、使用性の点で満足の行くものが得られなかった。このように特定の皮膜形成性の樹脂を用いたり、また配合量を増加させることも検討されたが、リムーバーで化粧膜を除去することが難しくなってしまうといった欠点があった。最近では、睫用化粧料市場の拡大により、初心者であっても美しく塗布することができ、化粧をし直しても負担感を感じない化粧料で、しかも化粧効果の持続性が良いものが望まれるようになってきている。

そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、水中油型睫用化粧料において、皮膜形成成分としてキャンデリラレジンとスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有するポリマーの水性エマルジョンとを含有することにより、睫を上にカールする化粧効果（カール効果）や睫を太く見せる化粧効果（ボリューム効果）に優れ、塗布後水が揮散したあとの皮膜に耐水性を与えるとともに、化粧膜を睫に固着させることで化粧効果の持続性が向上することを見出した。更に、揮発性油剤を含有することで、皮膜が柔軟になり、化粧膜の付着性に優れ、化粧効果の持続性及び使用性に優れたものが得られること、また、アルカリ増粘性ポリマーエマルションを用いることで、使用性が良好な粘度を容易に付与することができ、かつ経時での排液もなく、ボリューム効果を良好に睫に与えることができることを見出した。またこれらの組合せにより、本来水中油型化粧料のもつリムーバーでの除去性を向上することができ、ワックスを含有しない系であっても、化粧効果が充分に発揮され、塗布膜の均一性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、（Ａ）キャンデリラレジン（Ｂ）ポリマー構成単位にスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、且つポリマーが水不溶性の皮膜形成性ポリマーエマルション（Ｃ）揮発性油剤（Ｄ）アルカリ増粘性ポリマーエマルションを含有し、実質的にワックスを含有しない水中油型睫用化粧料に関するものである。

本発明の水中油型睫用化粧料は、睫を上にカールする化粧効果（カール効果）や睫を太く見せる化粧効果（ボリューム効果）に優れ、その化粧効果の持続性、使用性、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性に優れるものである。更には、睫を長く見せる効果にも優れるものである。

本発明の油中水型睫用化粧料に使用される成分（Ａ）のキャンデリラレジンとは、キャンデリラワックスより有機溶剤を用いて分別して得られる樹脂分であり、樹脂分が好ましくは６５質量％（以下、単に「％」で示す）以上、更に好ましくは、８５％以上の割合で含有され、軟化点が３５〜５５℃のものである。市販品としては、キャンデリラ樹脂Ｅ−１（日本ナチュラルプロダクツ製）が挙げられる。このキャンデリラレジンは樹脂分の含有量の異なるものを併用して用いることもできる。
成分（Ａ）の配合量は、０．１〜２０％が好ましく、更に１〜１０％が睫を太く見せる化粧効果及びその持続性の点でより好ましい。

本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分（Ｂ）のポリマー構成単位にスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、且つポリマーが水不溶性の皮膜形成性ポリマーエマルションは、モノマーの少なくとも１種がスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、この高分子化合物を水性溶媒に分散してあるもので、水性溶媒が揮散することで皮膜を形成するものであり、アルカリで増粘しないものである。例えば、（メタ）アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル・スチレン共重合体エマルション、スチレン含有シリコーン（共）重合体エマルション、アクリル酸アルキル・アクリロニトリル・スチレン共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、（メタ）アクリル酸アルキル・ビニルピロリドン共重合体エマルション、ビニルピロリドン含有シリコーン（共）重合体エマルション等が挙げられる。これらのポリマーエマルションは、必要に応じ、１種又は２種以上を使用することができる。これらのなかでも、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションを用いると、化粧膜の付着性がさらに向上し、また、水が揮散した後は耐水性の皮膜を形成するため、化粧効果とその持続性、特に耐水性を大きく向上させることができる。市販品としては、例えばヨドゾールＧＨ８４０（ＮＳＣ社製）、アンタラ（ＩＳＰヴァンダイク社製）、リカボンド（中央理科社製）等が挙げられる。
成分（Ｂ）の配合量は、固形分換算で０．１〜２５％が好ましく、更に１〜２０％が化粧効果の持続性の点でより好ましい。

本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分（Ｃ）の揮発性油剤としては、特に制限されないが、例えば、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられる。これらは、必要に応じて１種または２種以上を用いることができる。
成分（Ｃ）の配合量は、０．１〜２０％が好ましく、更に１〜１０％が化粧効果の持続性、化粧膜の均一性及びリムーバーでの除去のしやすさの点でより好ましい。

本発明の水中油型睫用化粧料に使用される成分（Ｄ）のアルカリ増粘性ポリマーエマルションは、高分子化合物を水性溶媒に分散してあるもので、成分（Ｃ）とは異なり、中性下では、乳白液状のエマルションであり、アルカリ性とすることで増粘し、系に粘度を付与するものである。例えば、（メタ）アクリル酸や無水マレイン酸等のカルボキシル基含有のラジカル重合性モノマーと、（メタ）アクリル酸アルキルやアルキルアクリルアミド等のラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。市販品としては、プライマルＡＳＥ−６０、プライマルＡＳＥ−７５（以上、ポリマーラテックス社製）、ＳＡＬＣＡＲＥＳＣ８１（チバスペシャルティケミカルズ社製）等が挙げられる。
成分（Ｄ）の配合量は、固形分換算で０．１〜５％が好ましく、更に０．５〜３％が使用性、安定性、化粧膜の均一性及びリムーバーでの除去のしやすさの点でより好ましい。

本発明の水中油型睫用化粧料は、更に、成分（Ｅ）として繊維を配合することにより、睫を長く見せる化粧効果（ロングラッシュ効果）が向上し、成分（Ａ）〜（Ｄ）と組み合わせることにより、ロングラッシュ効果が更に向上する。
成分（Ｅ）の繊維としては、特に制限されないが、例えばナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられる。これらの中でも、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨンが睫を長く見せ、目元を際立たせるといった化粧効果の点で好ましい。
成分（Ｅ）の繊維の長さは、睫を長く見せる化粧効果及び、良好な使用性と均一な化粧膜の形成の点において０．１〜５ｍｍが好ましく、更に好ましくは０．３〜３ｍｍである。成分（Ｅ）の繊維の太さは、睫を長く見せる化粧効果及び、良好な使用性と均一な化粧膜の形成の点において０．１〜２０デニールが好ましく、更に好ましくは０．３〜１０デニール（以下、単に「Ｄ」と示す）である。
これらの繊維は、材質、太さ、長さの異なる１種または２種以上を用いる事ができる。また、これらの繊維は必要に応じて一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤、シリカ等の粉体類で処理したものも使用することができる。特に、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩で表面処理した繊維は分散性、安定性及び化粧膜の均一性の点で最も好ましい。
成分（Ｅ）の繊維の配合量は、０．１〜８％が好ましく、更に０．５〜５％が睫を長く見せる化粧効果及び、良好な使用性と均一な化粧膜の形成の点で好ましい。

本発明の水中油型睫用化粧料は、上記の成分（Ａ）〜（Ｅ）の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、感触調整や着色の目的で粉体成分や、基材や、エモリエント成分として油性成分、保湿や、粉体分散剤として水性成分、粉体分散や、感触調整の為の界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等の水溶性被膜形成性樹脂、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。しかし、にじみや使用性の点において、実質的にワックスを含有しない化粧料である。

成分（Ｃ）以外の油性成分としては、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、リンゴ酸ジイソステアリル、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、Ｎ−ラウロイル−Ｌ−グルタミン酸ジ（コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル）等のエステル類、ロジン酸ペンタエリスリット等のロジン酸誘導体、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等が挙げられる。

成分（Ｂ）以外の皮膜形成性ポリマーエマルションとしては、例えば、（メタ）アクリル酸・（メタ）アクリル酸アルキル共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、シリコーン系ポリマーエマルション等が挙げらる。

水性成分としては、水または水に可溶なものであり、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類及び水が挙げられ、水可溶性成分としては、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出物等が挙げられる。

粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、Ｎ−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを１種又は２種以上を用いることができる。また、これら粉体は１種又は２種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。

界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。

紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、ＰＡＢＡ系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、４−ｔｅｒｔ−ブチル−４’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。

本発明の水中油型睫用化粧料としては、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、形態としては、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でもゲル状が好ましい。製造方法は水性成分と油性成分をそれぞれ均一に加熱混合し、乳化することにより得ることができる。
また、本発明の水中油型睫用化粧料は、実質的にワックスを含有しないことが、使用性、及び皮脂に対する化粧効果の持続性の点で望ましい。

以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。

本発明品１〜６及び比較品１〜７水中油型マスカラ
表１に示す処方のマスカラを調製し、睫を上にカールする化粧効果（カール効果）、睫を太く見せる化粧効果（ボリューム効果）、繊維を配合したマスカラは睫を長く見せる化粧効果（ロングラッシュ効果）及びその化粧効果の持続性、塗布時の化粧のしやすさ（使用性、使用感）、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性について下記の方法により官能評価を行った。その結果もあわせて表１に示す。

＊１キャンデリラ樹脂Ｅ−１
＊２ベントン３８（ＮＬインダストリー社製）
＊３プライマルＡＳＥ−７５（ポリマーラッテクス社製）（固形分４０％）
＊４クニピアＧ−４（クニミネ工業社製）
＊５１０％パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理、６Ｄ、２ｍｍ
＊６ヨドゾールＧＨ８４０（ＮＳＣ社製）アクリル酸アルキル（Ｃ１〜４，Ｃ８，Ｃ１２）・スチレン共重合体エマルション（固形分４５％）
＊７アンタラ（ＩＳＰヴァンダイク社製）ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション（固形分４０％）
（製法）
実施例１〜６及び比較例１〜７
Ａ．成分（１）〜（６）を均一に加熱溶解し、８０℃にする。
Ｂ．成分（７）〜（１０）を均一に混合し、成分（１１）〜（１９）を加え均一に混合し、８０℃にする。
Ｃ．ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ．Ｃを容器に充填して製品とする。

（評価方法）
１０名の官能検査パネルにより、各試料を下記ａ〜ｈについて、（１）絶対評価基準を用いて７段階に評価し、各試料ごとの評点の平均値を（２）４段階判定基準を用いて判定した。尚、評価項目ｄについては、試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、１２時間後の化粧効果について評価した。また、評価項目ｇについては、以下に示す処方のリムーバー約１ｇをコットンにとり、使用部位に約５秒間なじませた後、化粧膜をふきとった時の状態について評価を行った。評価項目ｈについては、ガラス瓶にマスカラをつめ、それを５０℃の恒温槽に保存し、１週間後の状態を観察し、（３）４段階判定基準により評価した。
（評価項目）
ａ．化粧効果（カール効果）
ｂ．化粧効果（ボリューム効果）
ｃ．化粧効果（ロングラッシュ効果）
ｄ．化粧効果の持続性
ｅ．化粧のしやすさ
ｆ．化粧膜の均一性
ｇ．リムーバーでの除去のしやすさ
ｈ．経時安定性
（１）絶対評価基準
（評点）：（評価）
６：非常に良い
５：良い
４：やや良い
３：普通
２：やや悪い
１：悪い
０：非常に悪い
（２）４段階判定基準
５点を超える：非常に良好：◎
３点を超えて５点以下：良好：○
２点を超えて３点以下：やや不良：△
２点以下：不良：×
（３）４段階判定基準
分離がない：◎
わずかに分離がみられる：○
分離がみられる：△
分離が著しい：×

評価用リムーバー処方
（成分）（％）
（１）軽質流動イソパラフィン１０
（２）カルボキシメチルセルロース０．５
（３）水酸化ナトリウム０．１
（４）精製水８９．３
（５）防腐剤０．１
（製法）
Ａ．成分（２）〜（５）を混合溶解し、（１）を加えて乳化する。
Ｂ．Ａを容器に充填し製品とする。

表１の結果から明らかなように、本発明品１〜６のマスカラは、比較品１〜７のマスカラに比べ、カール効果、ボリューム効果、及びその持続性、化粧のしやすさ、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、経時安定性のすべての面で、はるかに優れた特性を有していることがわかる。またロングラッシュ効果も優れたものであった。
一方、成分（Ａ）のキャンデリラレジンを配合しない比較品１では、特にカール効果、化粧効果の持続性の点で、成分（Ｄ）のアルカリ増粘性ポリマーエマルションを配合しない比較品２では、特にボリューム効果、化粧のしやすさ、経時安定性の点で、成分（Ｂ）のポリマー構成単位にスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、且つポリマーが水不溶性の皮膜形成性ポリマーエマルションを配合しない比較品３では、特にボリューム効果、及びその持続の点で、成分（Ｃ）の揮発性油剤を配合しない比較品４では、特に化粧のしやすさ、化粧膜の均一性及びリムーバーでの除去のしやすさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分（Ａ）のキャンデリラレジンの替わりにワックスを用いた比較品５では、特に化粧効果の持続性の点で、皮膜形成成分をシリコーン樹脂にした比較品６では、特にボリューム効果の点で満足できるものではなかった。成分（Ａ）、（Ｂ）、（Ｄ）を含有せず繊維を配合した比較品７では、それぞれの評価項目に加え、ロングラッシュ効果についても本発明品６に比べ効果を充分に活かすことはできなかった。

マスカラ
（成分）（％）
（１）ロジン酸ペンタエリスリット５
（２）キャンデリラレジン＊８５
（３）軽質流動イソパラフィン２０
（４）有機変性ベントナイト＊９３
（５）（ジメチコン／ビニルジメチコン）クロスポリマー１
（６）煙霧状無水ケイ酸＊１０２
（７）精製水１３．４
（８）ポリオキシエチレン（２０Ｅ．Ｏ．）硬化ヒマシ油１
（９）アルカリ増粘性ポリマーエマルション＊１１１５
（１０）Ｌ−アルギニン３
（１１）チタン・酸化チタン焼結物＊１２５
（１２）１，３−ブチレングリコール５
（１３）エチルアルコール１０
（１４）成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルション＊１３１０
（１５）ジイソステアリン酸ポリグリセリル０．５
（１６）フェノキシエタノール１
（１７）香料０．１
＊８樹脂分８０％、遊離アルコール５％、遊離脂肪酸分５％、エステル分５％、炭化水素分５％、軟化点は４７〜４８℃
＊９ベントン２７（ＮＬインダストリー社製）
＊１０ＡＥＲＯＳＩＬＲ９７４（日本アエロジル社製）
＊１１ＳＡＬＣＡＲＥＳＣ８１（チバスペシャルティケミカルズ社製）アクリル酸アルキル共重合体エマルション（固形分４０％）
＊１２５％メチルハイドロジェンポリシロキサン処理
＊１３リカボンド（中央理科社製）アクリル酸アルキル（Ｃ1〜４，Ｃ８，Ｃ１２）・スチレン共重合体ポリマーエマルション（固形分４０％）
（製法）
Ａ．成分（１）〜（６）を均一に加熱溶解し、８０℃にする。
Ｂ．成分（７）〜（１０）を均一に混合し、成分（１１）〜（１７）を加え均一に混合し８０℃する。
Ｃ．ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ．Ｃを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られたマスカラは、カール効果、ボリューム効果に優れ、化粧効果の持続性、化粧のしやすさ、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性に優れたものであった。

マスカラ
（成分）（％）
（１）トリメチルシロキシケイ酸３．９５
（２）デカメチルシクロペンタシロキサン２
（３）キャンデリラレジン＊１０．０５
（４）軽質流動イソパラフィン２
（５）精製水６．２
（６）セスキオレイン酸ソルビタン０．５
（７）モノオレイン酸ポリオキシエチレン（２０Ｅ．Ｏ．）ソルビタン１
（８）アルカリ増粘性ポリマーエマルション＊３３
（９）トリエタノールアミン０.５
（１０）ベンガラ被覆雲母チタン＊１４５
（１１）コンジョウ１
（１２）レーヨン繊維＊１５２
（１３）ポリプロピレン繊維＊１６２
（１４）成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルション＊７７０
（１５）天然ビタミンＥ０．５
（１６）大豆リン脂質０．３
＊１４５％ジメチルポリシロキサン処理
＊１５２％メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、１０Ｄ、１ｍｍ
＊１６０．５％シリカ処理、３Ｄ、３ｍｍ
（製法）
Ａ．成分（１）〜（４）を均一に加熱溶解し、８０℃にする。
Ｂ．成分（５）〜（９）を均一に混合し、成分（１０）〜（１６）を加え均一に混合し８０℃する。
Ｃ．ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ．Ｃを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られたマスカラは、カール効果、ボリューム効果、ロングラッシュ効果に優れ、化粧効果の持続性、化粧のしやすさ、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性に優れたものであった。

マスカラオーバーコート
（成分）（％）
（１）キャンデリラレジン＊８０．１
（２）トリオクタン酸グリセリル１
（３）軽質流動イソパラフィン２５
（４）精製水３９．９
（５）ポリオキシエチレン（３０Ｅ．Ｏ．）セチルエーテル２
（６）アルカリ増粘性ポリマーエマルション＊１１５
（７）Ｌ−アルギニン２
（８）ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末＊１７５
（９）成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルション＊６５
（１０）酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体５
（１１）エチルアルコール５
（１２）グリセリン５
＊１７５％パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩処理、丸型、０．５ｍｍ
（製法）
Ａ．成分（１）〜（３）を均一に加熱溶解し、８０℃にする。
Ｂ．成分（４）〜（７）を均一に混合し、成分（８）〜（１２）を加え均一に混合し８０℃する。
Ｃ．ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ．Ｃを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られたマスカラオーバーコートは、マスカラ使用後に塗布することにより、カール効果、ボリューム効果、化粧効果の持続性を向上させるものであり、また化粧のしやすさ、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性にも優れたものであった。

マスカラ下地
（成分）（％）
（１）ポリイソブチレン＊１９１
（２）軽質流動イソパラフィン１０
（３）キャンデリラレジン＊１５
（４）精製水３０．９
（５）ポリオキシエチレン（４０Ｅ．Ｏ．）硬化ヒマシ油２
（６）アルカリ増粘性ポリマーエマルション＊１１０．５
（７）トリエタノールアミン０．１
（８）成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルション＊１３２０
（９）ポリ酢酸ビニルエマルション＊２０２０
（１０）酸化チタン０．５
（１１）エチルアルコール１０
＊１９分子量７０万
＊２０固形分３０％
（製法）
Ａ．成分（１）〜（３）を均一に加熱溶解し、８０℃にする。
Ｂ．成分（４）〜（７）を均一に混合し、成分（８）〜（１１）を加え均一に混合し８０℃する。
Ｃ．ＢにＡを加え乳化する。
Ｄ．Ｃを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られたマスカラ下地は、マスカラ使用前に塗布することにより、カール効果、ボリューム効果、化粧効果の持続性を向上させるものであり、また化粧のしやすさ、化粧膜の均一性、リムーバーでの除去のしやすさ、及び経時安定性にも優れたものであった。

Claims

次の成分（Ａ）〜（Ｄ）；
（Ａ）キャンデリラレジン
（Ｂ）ポリマー構成単位にスチレン及び／又はビニルピロリドンを含有し、且つポリマーが水不溶性の皮膜形成性ポリマーエマルション
（Ｃ）揮発性油剤
（Ｄ）アルカリ増粘性ポリマーエマルション
を含有し、実質的にワックスを含有しないことを特徴とする水中油型睫用化粧料。
成分（Ａ）のキャンデリラレジンの配合量が０．１〜２０質量％、成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルションの配合量が固形分換算で０．１〜２５質量％、成分（Ｃ）の揮発性油剤の配合量が０．１〜２０質量％、成分（Ｄ）のアルカリ増粘性ポリマーエマルションの配合量が固形分換算で０．１〜５質量％であることを特徴とする請求項１に記載の水中油型睫用化粧料。
更に成分（Ｅ）として繊維を含有することを特徴とする請求項１〜２のいずれかに記載の水中油型睫用化粧料。
成分（Ｅ）の繊維が、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨンから選ばれる１種または２種以上であることを特徴とする請求項３に記載の水中油型睫用化粧料。
成分（Ｅ）の繊維の表面がパーフルオロアルキルリン酸エステル及び／又はその塩で表面処理されたことを特徴とする請求項３〜４に記載の水中油型睫用化粧料。
成分（Ｂ）の皮膜形成性ポリマーエマルションの少なくとも１種がビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションであることを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の水中油型睫用化粧料。