JP7063550B2 - インダクタ部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインダクタ部品及びその製造方法に関する。
インダクタ、チョークコイル、トランス等といったインダクタ部品は、コイルを形成する内部導体と内部導体を埋め込む絶縁体素地とからなる部品本体を備える。インダクタ部品の外部との導通のために、部品本体の外側に外部電極が設けられる。近時の携帯機器の多機能化等に伴って、機器内部の電子部品の小型化及び高性能化の要請が高まっている。
特許文献1記載の発明では、部品本体の表面に露出した内部電極の端部を覆うようにコート層とメッキ層からなる2層の電極端子(外部電極)が配されている。この外部電極はコート層のガラス成分により部品表面とメッキ層の密着性を向上させるとともに、コート層に含有される金属粒子およびその外層のメッキ層により電気的接続が確保される。特許文献1によれば、この構造により高い耐湿性を得ることが出来る。
外部電極にコート層を形成しない技術では、部品本体の一方の端面に導電性ペーストをローラー塗布し、当該端面にさらにディップ塗布を施し、脱泡、乾燥して焼付前の導電性ペースト塗布層を形成し、その後、部品本体を反転して、部品本体の他方の端面に導電性ペーストをローラー塗布し、当該端面にさらにディップ塗布を施し、脱泡、乾燥して焼付前の導電性ペースト塗布層を形成する。このようにして、両端面に導電性ペースト塗布層を形成した後に、焼き付け処理を行うことで、導電性ペースト塗布層が焼き付けられて導電性の金属層が得られる。次いで、Ni及びSnのめっき形成を行うことで製品が得られる。この技術によれば、部品本体の端面へのローラー塗布により内部導体との接続性を確保し、ディップ塗布により外部電極の厚みを増大させることで外部電極のRDCの低下を図ると共に、部品本体の端面に隣接する側面の、端面近傍側の一部分にも外部電極を同時にディップ塗布することで外部電極の塗布面積が増大するので外部電極の剥離が抑制される。
特開2013-179268号公報
電子部品の小型化、高性能化に鑑みて、外部電極の平滑性の確保は重要であるが、前述の従来技術では外部電極の平滑性が損なわれる場合がある。特に小型化が進むことによって、内部導体部分の素体に対する割合は増大し、それに伴い内部導体付近の空隙の割合も増大する傾向があり、外部電極の平滑性が損なわれやすくなってきている。本発明は、平滑性の高い外部電極を有するインダクタ部品をより確実に供し得る製造方法の提供を課題とする。
本発明者が鋭意検討した結果、以下のような本発明を完成した。
インダクタ部品は、コイルを形成する内部導体と内部導体を埋め込む絶縁体素地とからなる部品本体を備え、部品本体の外側に外部電極が設けられる。本発明では、部品本体に第1の金属粒子含有ペーストを塗布して第1の金属粒子塗布層を形成し、これを焼付け処理して第1の金属粒子塗布層から第1の焼付金属層を得て、第1の焼付金属層上にさらに第2の金属粒子含有ペーストを塗布して第2の金属粒子塗布層を形成し、これを焼付け処理して第2の金属粒子塗布層から第2の焼付金属層を得る。第1及び第2の焼付金属層が外部電極を構成する。このようにして、外部電極を有するインダクタ部品が得られる。
本発明によれば、平滑性の高い外部電極を有するインダクタ部品が得られる。
本発明の製造方法の一例の模式説明図である。 本発明の製造方法の一例の模式説明図である。 従来技術の製造方法の一例の模式説明図である。 従来技術の製造方法の一例の模式説明図である。
図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
本発明では、部品本体と外部電極とを有するインダクタ部品が製造される。外部電極はインダクタ部品の表面に設けられていて、外部との導通を図るものである。部品本体はインダクタ部品のうちで外部電極以外の部分である。部品本体表面には、内部導体の露出部が設けられており、外部電極は具体的にはこの部品本体の表面に露出した内部導体の露出部を覆うように設けられる。図1は、本発明の製造方法の一例の模式説明図である。図1(A)は外部電極形成前の部品本体10を表す。部品本体10の構成は特に限定は無く、例えば、絶縁体からなる素体11の中に導電性物質からなる内部導体12が埋め込まれた構成が挙げられる。その他、部品本体の構成や製法等については特に限定は無く、インダクタ部品における従来技術を適宜参照することができる。
図1(A)の部品本体10には、内部導体12と素体11との間の一部に隙間又は水分17が存在している。この隙間又は水分17は意図せざるものであり、後述するように、当該隙間又は水分17は外部電極の平滑性を損なう原因になる。隙間又は水分17は本来は存在しないことが好ましいが、部品の小型化によって、このような残留欠陥はますます増える傾向にある。以下の説明では、こういった意図せざる隙間又は水分17が存在する場合であっても、本発明の製造方法により外部電極の平滑性が向上することが明らかになる。
本発明によれば、図1(B)に記載されるように、部品本体10に第1の金属粒子塗布層13a、13bが形成される。第1の金属粒子塗布層13a、13bは、最終的には外部電極の一部になる。本発明で言う金属粒子塗布層を得るための金属粒子含有ペーストは、少なくとも金属粒子を含有する液状体もしくは流動性のある半固形体を総称し、例えば、金属粒子と溶剤と樹脂とを含む狭義のペーストや、スラリー、インキと呼ばれるものや、ディップコーティングにおける液体などが非限定的に例示される。金属粒子塗布層は、金属粒子含有ペーストの塗布により形成され、常温常圧下において層としての一定形状を維持し得る程度にまで固定化されたものである。但し、金属粒子塗布層に含まれる個々の金属粒子は個別の粒子のまま存在しており、原則として、層全体が金属結合や焼き締まりなどによって一つの導電体としてみなし得るほどの固定化には至っていない。第1の金属粒子塗布層13a、13bを得るための金属粒子含有ペーストを、第1の金属粒子含有ペーストと呼ぶ。
第1の金属粒子含有ペーストの塗布手段は特に限定は無く、ローラーによる塗布や、ディップコーティングによる塗布などが非限定的に挙げられる。ローラーで塗布する場合は、25℃での粘度が5000~50000mPaS程度の金属粒子含有ペーストの使用が好ましい。ディップコーティングによる塗布による場合は、25℃での粘度が10000~60000mPaS程度の金属粒子含有ペーストの使用が好ましい。第1の金属粒子塗布層13a、13bは塗布厚が薄いことが好ましいので、ローラーによる塗布が好ましい。塗布の際に、意図せざる隙間又は水分17は、そのまま維持されてしまっても構わない。
次いで、塗布後に第1の金属粒子含有ペーストの焼付け処理を行うことにより、図1(C)及び図1(D)に記載されるように、第1の金属粒子塗布層13a、13bから第1の焼付金属層13A、13Bを得る。第1の焼付金属層の厚さは好ましくは10~80μmである。焼付金属層は、金属粒子どうしが焼き締まって層全体が一つの導体として成立したものであり、ガラスなどが添加されていて、焼き締まる温度を低くするとともに、層全体の強度を向上させていてもよい。第1の金属粒子塗布層13a、13bから第1の焼付金属層13A、13Bを得る際には、いきなり焼付けを行ってもよいが、好ましくは、脱泡処理や乾燥処理を経た後に焼付け処理が行われる。脱泡処理は、第1の金属粒子塗布層13a、13bに含まれる塗布時に巻き込まれたエアーなどによる気泡の一部を除去する手段である。乾燥処理は、第1の金属粒子塗布層13a、13bに含まれる液体成分を除去する手段である。乾燥処理は焼付け処理とは異なり、金属粒子どうしを焼き締めることは含まない概念である。脱泡処理の具体例として、600~755mmHgの減圧下にて10~60秒程度処理することが挙げられる。乾燥処理の具体例として、100~200℃へ加熱することが挙げられる。乾燥処理を行うと、金属粒子含有ペーストの垂れなどが防止でき、垂れを防ぐために、塗布してから即焼き付けとはせずに、ある程度数量がたまってから一括焼き付けとすることができるため、ハンドリング性が向上する。焼付け処理の条件は用いる金属の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば、銀を用いる場合には、焼付け温度として650~750℃などが挙げられる。
焼付け処理の際に、隙間又は水分17は、焼き付けの熱量により隙間内部のエアーが体積膨張し、焼き付けの熱量により水分が気化して体積膨張することで、ボイド18を形成する。焼け付処理により金属粒子同士が焼きしまっていると、形成されたボイド18内のエアーは密閉状態のまま体積膨張し、やがてはそのボイド18が弾けて凹み19へと至る。
ここで本発明における、隙間、とボイド、エアーと気泡についての使い分けについて記載する。
欠陥の防止の観点からは、内部導体と素体は接していることが望ましく、電気的特性の観点からは内部導体と素体との間には応力が発生していないことが望ましい。このため、内部導体と素体は応力が発生しないように緩く接しているのが望ましいことになるが、この両立は実際には難しい技術であり、実際の製品では、電気的特性を重視し内部導体と素体は接していないこともある。
このような内部導体と素体とが接していない部分の空隙、ギャップを本発明では隙間と呼ぶ。特に部品の小型化が進むことによって、内部導体部分の素体に対する割合は増大し、それに伴い内部導体付近の空隙の割合も増大する傾向がある。隙間の内部は真空ではなく通常は気体成分が、場合によっては水分などが存在している。この気体成分は大部分が空気であり、それ以外の気体成分をも含むことがあるが、本発明では代表してエアーと呼ぶ。
これに対して金属粒子塗布層に含まれる塗布時に巻き込まれたエアーなどによる小さな空隙や小さな欠陥を本発明では気泡と呼ぶ。このエアーには溶剤の気体成分なども含まれるが、本発明では大部分が塗布時に巻き込まれた空気であることから代表してエアーと呼ぶ。
本発明では、ボイドとは、金属粒子塗布層が焼き付け処理により焼付金属層となった際に内部に発生した大きな欠陥空間を言う。気泡とボイドは、その形成されている層が焼き付け処理前の金属粒子層か、焼き行け処理後の金属層かで使い分けられる。ボイドはエアーなどの膨張により発生するので、気泡に比べてより大きな欠陥の概念である。
次いで、図1(E)に記載されるように、第1の焼付金属層13A、13B上に、第2の金属粒子塗布層14a、14bを形成する。第2の金属粒子塗布層14a、14bは、最終的には外部電極の一部になる。第2の金属粒子塗布層14a、14bは、第2の金属粒子含有ペーストの塗布により形成される。第2の金属粒子含有ペーストの要件は第1の金属粒子含有ペーストと同様であり、第1の金属粒子含有ペーストと第2の金属粒子含有ペーストとは同一でもよいし異なっていてもよい。
第2の金属粒子含有ペーストの塗布手段は特に限定は無く、ローラーによる塗布や、ディップコーティングによる塗布などが非限定的に挙げられる。第2の金属粒子含有ペーストの好適な粘度範囲は上述の第1の金属粒子含有ペーストの場合と同様である。第2の金属粒子含有ペーストの塗布により、上述の凹み19の内部が第2の金属粒子含有ペーストで埋められ、当該凹み19であったところは、第2の金属粒子塗布層14a、14bの一部を成す。上述の凹み19をより確実に埋める観点から、第2の金属粒子塗布層14a、14bを得る際には、ディップコーティングによる塗布が好ましい。
次いで、第2の金属粒子含有ペーストの焼付け処理を行うことにより、図1(F)に記載されるように、第2の金属粒子塗布層14a、14bから第2の焼付金属層14A、14Bを得る。第1の金属粒子塗布層13a、13bから第1の焼付金属層13A、13Bを得る際と同様に、焼付け処理の前に、脱泡処理や乾燥処理を行うことが好ましい。焼付け処理の条件は用いる金属の種類に応じて適宜設定すればよい点も、第1の金属粒子塗布層13a、13bから第1の焼付金属層13A、13Bを得る際と同様である。第2の焼付金属層の厚さは好ましくは30~80μmである。好ましくは、第1の焼付金属層よりも第2の焼付金属層の方が厚い。
このようにして、第1及び第2の焼付金属層13a~14bを得る。これらの焼付金属層を外部電極として用いる。積層される複数の第1及び第2の焼付金属層13a、14a並びに13b、14bは、それぞれ一体化して一つの層として認識されるようになっていてもよい。
このように、内部導体と素体との間の一部に隙間又は水分が存在することが原因で第1の焼付金属層に発生する凹部を、第2の焼付金属層が確実に埋めることで、外部電極全体として、内部導体と素体との間の一部に隙間又は水分が存在することが原因で発生する凹部を確実になくすことができることから平滑性の高い外部電極をより確実に得ることができる。こうした効果を奏するメカニズムを、従来技術との対比で説明する。図3は、従来技術の製造方法の一例の模式説明図である。図3に示す従来技術の製造方法では、図3(A)に記載されるような素体31及び内部導体32を有する部品本体30に対して、図3(B)に記載されるように、銀ペースト等の塗布によって第1の金属粒子塗布層33a、33bが形成される。このとき、図1記載の形態の場合と同様に、素体31と内部導体32との間の一部に意図せざる隙間又は水分37が存在している場合を想定する。従来技術によれば、その後、脱泡処理と乾燥処理が行われる。上述したように、これら、脱泡処理及び乾燥処理では、第1の金属粒子塗布層33a、33bの中の金属粒子どうしは未だ焼き締められていない。脱泡処理及び乾燥処理程度の処理では、熱量が焼き付け時より少ないために顕著なエアーの体積膨張は起こらず、さらに焼き締められていない金属粒子の隙間より膨張したエアーを外部に逃がすことが出来るため、意図せざる隙間又は水分37は顕著な膨張には至らない。
従来技術によれば、その後、図3(C)に記載されるように、ディップコーティングなどにより、第2の金属粒子塗布層34a、34bが形成される。次いで、焼付け処理が行われて、第1及び第2の金属粒子塗布層33a~34bから第1及び第2の焼付金属層33A~34Bが得られ、これらの焼付金属層が外部電極となる。もともと存在していた、意図せざる隙間又は水分37は、焼付け処理の際の高温下で、図3(D)に示すようなボイド38を経て、最終的には、図3(E)に示すような凹み39として、外部電極の平滑性を損ねる要因になり得る。
このように、部品本体10を得た段階で、意図せざる隙間又は水分が含まれていると、従来技術では、図3に示すように、外部電極の平滑性を損なう要因になっていたのに対して、本発明では、図1に示すように、当該要因が外部電極の平滑性を損なう要因としては顕在化しない。
次に、外部電極の平滑性を損なう別の要因として、金属塗布層内部に気泡欠陥がある場合について図2及び図4を用いて説明する。
図2は、本発明の製造方法の一例の模式説明図である。この製造方法では、図2(A)に記載されるような素体21及び内部導体22を有する部品本体20に対して、図2(B)に記載されるように、銀ペースト等の塗布によって第1の金属粒子塗布層23a、23bが形成される。このとき、第1の金属粒子塗布層23a、23bの中に、意図せざる気泡27が混入してしまうことがある。本発明によれば、その後、焼付け処理が行われて、第1の金属粒子塗布層23a、23bが第1の焼付金属層23A、23Bへと変化する。焼付け処理の条件や、焼付け処理に先立って、脱泡処理や乾燥処理が行われることが好ましい点は、図1記載の場合と同様である。上述の意図せざる気泡27は、焼付け処理による高温下で、図2(C)に示されるようなボイド28を経て、そのボイドが弾けて、図2(D)に示されるような凹み29へと至る。
本発明によれば、その後、図2(E)に記載されるように、第1の焼付金属層23A、23B上に、第2の金属粒子含有ペーストの塗布により第2の金属粒子塗布層24a、24bを形成する。図1記載の場合と同様に、第2の金属粒子含有ペーストの塗布により、上述の凹み29の内部が第2の金属粒子含有ペーストで埋められる。その後、焼付け処理を再び行って、第2の金属粒子塗布層24a、24bから第2の焼付金属層24A、24Bを得る。焼付け処理に先立って、脱泡処理や乾燥処理を行うことが好ましいことは、図1記載の場合と同様である。このようにして、第1及び第2の焼付金属層23A~24Bからなる外部電極が形成される。第1及び第2の焼付金属層は一体化して、単一層からなる外部電極として把握されるようになっていてもよいのは、図1記載の場合と同様である。
本発明によれば、第1の金属粒子塗布層中に、意図せざる気泡27が混入した場合であっても、製造方法の処理中に第2の金属粒子含有ペーストで埋められることにより、最終的に得られる外部電極の平滑性を損なう要因としては顕在化しなくなる。外部電極を第1の焼付金属層と第2の焼付金属層の2層に分けて別々に作成することで、外部電極の同一表面部を構成する2つの層に同時に気泡が原因のボイドの弾けによる凹部ができる確率が、単一の焼付金属層に気泡が原因のボイドの弾けによって凹部ができる確率よりも少なくなることから、より平滑性の高い外部電極を得ることが出来る。さらには第1の焼付金属層に発生する凹部を、第2の焼付金属層が確実に埋めることで、少なくても第1の焼付金属層における気泡が原因で発生する凹部を確実にゼロにできることからも、平滑性の高い外部電極をより確実に得ることができる。もし第2の焼付金属層に気泡が原因のボイドの弾けにより凹部が発生してもその深さは、単一の焼付金属層に発生するボイドの弾けによる凹部の深さに比べ、第1の焼付金属層がある分だけ浅くなり、このことからも従来に比べて平滑性が高い外部電極を得ることが出来る。凹部の深さは、部品本体の端面の断面で見て、部品本体と接する外部電極の厚さの80%未満である。この範囲とすることで、凹部周辺の盛り上がりを小さくでき、寸法への影響を抑制でき、また外部電極に求められる平滑性を確保できる。例えば、この範囲であれば、画像処理などの外観検査でも検出されず、実装性も十分確保できる。また、このためには、第1の焼付金属層の凹部の深さは、60%未満が好ましい。当該効果について、以下、従来技術との対比を行う。
図4は、従来技術の製造方法の一例の模式説明図である。図4に示す従来技術の製造方法では、図4(A)に記載されるような素体41及び内部導体42を有する部品本体40に対して、図4(B)に記載されるように、銀ペースト等の塗布によって第1の金属粒子塗布層43a、43bが形成される。このとき、図2記載の形態の場合と同様に、第1の金属粒子層の内部に意図せざる気泡47が存在している場合を想定する。従来技術によれば、その後、脱泡処理と乾燥処理が行われる。上述したように、これら、脱泡処理及び乾燥処理では、第1の金属粒子塗布層43a、43bの中の金属粒子どうしは未だ焼き締められていない。脱泡処理及び乾燥処理程度の処理では、意図せざる気泡47は顕著な膨張には至らない。
従来技術によれば、その後、図4(C)に記載されるように、ディップコーティングなどにより、第2の金属粒子塗布層44a、44bが形成される。次いで、焼付け処理が行われて、第1及び第2の金属粒子塗布層43a~44bから第1及び第2の焼付金属層43A~44Bが得られ、これらの焼付金属層が外部電極となる。上述の意図せざる気泡47は、焼付け処理の際の高温下で、図4(D)に示すようなボイド48を経て、最終的には、図4(E)に示すような凹み49として、外部電極の平滑性を損ねる要因になり得る。
このように、第1の金属粒子塗布層を形成中に意図せざる気泡が含まれていると、従来技術では、図4に示すように、外部電極の平滑性を損なう要因になっていたのに対して、本発明では、図2に示すように、当該要因が外部電極の平滑性を損なう要因としては顕在化しない。
以上、詳述したように、本発明の製造方法によれば、部品本体の製造中あるいは、外部電極製造の初期段階において意図せざる隙間、気泡、水分が混入したとしても、本発明の製造方法が有する工程によってそれら隙間、気泡、水分による外部電極の平滑性低下が顕在化しにくくなる。そのようにして得られるインダクタ部品もまた本発明の実施の一形態である。
上述したこと以外については、インダクタ部品の具体的な構成については特に限定は無く、前処理や後処理などについても、従来技術を適宜参照することができる。例えば、図1や図2では、2回にわたる焼付け処理を例示したが、焼付け処理を3回以上に増やしてもよい。外部電極の金属の種類は特に限定は無く、例えば銀などを用いることができる。焼付け処理後に、NiやSn等によるめっきを施してもよく、メッキ以外の手法でNiやSn等の膜を作成してもよい。ボイドの原因について、内部導体と素体との間の一部に隙間又は水分がある場合と、焼付前の金属層の内部に塗布時のエアーの巻きこみ等により残留した気泡がある場合を例示したが、これらが複合していてもよい。また他の場合であっても、ボイド内のエアーの体積膨張により、ボイドが弾けて膜に凹部を発生する欠陥に対して適用可能である。また、以下の実施例における構成を適宜採り入れることもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
(実施例)
長さ3.2mm、幅2.5mm、厚み2.5mmの部品本体を150℃で120分乾燥した。その後、部品本体の両方の端面に、25℃での粘度が30000mPaSの銀ペーストをローラーで塗布して、40μmの厚さの銀ペースト由来の第1の金属粒子塗布層を形成した。次いで、700mmHgの減圧下で20秒の脱泡処理を兼ねた減圧乾燥を行った後に、150℃で10分の乾燥を行い、さらに680℃で10分の焼き付けにより金属粒子塗布層を焼付けにより固化した。これによって、第1の焼付金属層を得た。第1の焼付金属層の上に、25℃での粘度が40000mPaSの銀含有ディップコーティング液を用いて、ディップコーティングによる塗布により、50μmの厚さの第2の金属粒子塗布層を得た。次いで、700mmHgの減圧下で20秒の脱泡処理を兼ねた減圧乾燥を行った後に、150℃で10分の乾燥を行い、さらに680℃で10分の焼き付けにより金属粒子塗布層を焼付けにより固化した。これによって、第2の焼付金属層を得た。このようにして、外部電極を有するインダクタ部品を得た。
また、第1の焼付金属層の焼付けは減圧下で行っていることで、平滑性が良くなっており、第2の焼付金属層の焼付けは第1の焼付金属層の焼付けより低い減圧で行うことができる。第2の焼付金属層の焼付けは、第1の焼付金属層の焼付けと同じ減圧下で行っても、これより低い減圧下であっても、大気中であっても、同様の効果を得ることができ、より生産性を高めることも可能である。更には、第1と第2の焼付金属層を分けて形成することで、それぞれの厚みを薄く形成でき、第1と第2の焼付金属層の内部の存在するボイドの存在自体を少なくでき、結果として外部電極としての厚みを薄く、平滑性と均一性を高くすることができる。また、外部電極としての厚みとしては薄いものの、第1の焼付金属層により部品本体のエッジ部分に丸みを確保し、第2の焼付金属層で更に厚みを得ることができ、外部電極のエッジ部分での切れの抑制にもなる。
評価のために、得られたインダクタ部品を樹脂埋めし、断面観察による外部電極の厚みが薄くなっている部分、いわゆる凹みの検出を行った。
その結果、製品300個の外部電極両端において、5個の凹みがあり、いずれも深さは外部電極の厚みの半分であった。
(比較例)
長さ3.2mm、幅2.5mm、厚み2.5mmの部品本体を150℃で120分乾燥した。その後、部品本体の一方の端面に、25℃での粘度が30000mPaSの銀ペーストをローラーで塗布して、40μmの厚さの銀ペースト由来の第1の金属粒子塗布層を形成した。第1の金属粒子塗布層の上に、25℃での粘度が40000mPaSの銀含有ディップコーティング液を用いて、ディップコーティングによる塗布により、50μmの厚さの第2の金属粒子塗布層を得た。その後、700mmHgの減圧下で20秒の脱泡処理を兼ねた減圧乾燥を行った後に、150℃で10分の乾燥を行った。その後、部品本体を反転して、他方の端面にも、上記と同様にして、第1及び第2の金属粒子塗布層を形成して、脱泡処理を兼ねた減圧乾燥及び150℃で10分の乾燥を行った。その後、680℃で10分の焼き付けにより金属粒子塗布層を焼付けにより固化した。このようにして、焼付金属層を外部電極として有するインダクタ部品を得た。
評価のために、得られたインダクタ部品を樹脂埋めし、断面観察による凹みの検出を行った。
その結果、製品300個の外部電極両端において、10個の凹みがあり、そのうち5個の製品に存在する凹みは、外部電極の厚さと同じであり、部品本体にまで達していた。
10、20、30、40:部品本体
11、21、31、41:素体
12、22、32、42:内部導体
13a、13b、23a、23b、33a、33b、43a、43b:金属粒子塗布層
13A、13B、23A、23B、33A、33B、43A、43B:焼付金属層
17、37:隙間又は水分
27、47:気泡
18、28、38、48:ボイド
19、29、39、49:凹み

Claims (4)

  1. コイルを形成する内部導体と内部導体を埋め込む絶縁体素地とからなる部品本体を備え、部品本体の外側に外部電極が設けられるインダクタ部品の製造方法であって、
    部品本体に第1の金属粒子含有ペーストを塗布して第1の金属粒子塗布層を形成するステップと、
    第1の金属粒子塗布層を第1の焼付け条件にて、焼付け処理して第1の焼付金属層を得るステップと、
    第1の焼付金属層上にさらに第2の金属粒子含有ペーストを塗布して第2の金属粒子塗布層を形成するステップと
    第2の金属粒子塗布層を第2の焼付け条件にて、焼付け処理して第2の焼付金属層を得るステップとにより、
    第1及び第2の焼付金属層が外部電極を構成し、
    第1の金属粒子含有ペーストと第2の金属粒子含有ペーストは同一のペーストであり、
    第1の焼付け条件と第2の焼付け条件は同一の焼付条件であり
    第1の焼付金属層よりも第2の焼付金属層の方が厚い外部電極を有するインダクタ部品の製造方法。
  2. 第1の焼付金属層は前記部品本体の内部電極露出部を覆うように形成される請求項1記載の製造方法。
  3. 第1の金属粒子含有ペーストはローラーにて塗布される請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 第2の金属粒子含有ペーストはディップコーティングにて塗布される請求項1~3のいずれか1項記載の製造方法
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