JP7058247B2 - 熱サイクルシステム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る熱サイクルシステム1の構成を示す図である。熱サイクルシステム1は、内燃機関2(以下、「エンジン2」という)を備える車両に搭載され、始動時におけるエンジン2を暖機したり、暖機後のエンジン2で生じる廃熱を回収し電気エネルギに変換したりする。
図2に示すように、制御モードは、主にバッテリ81を加温するバッテリ加温モードと、主にバッテリ81を冷却するバッテリ冷却モードと、エンジン2の廃熱を回収しながらエンジン2及びその冷却水を冷却する第1エンジン冷却モードと、エンジン2の廃熱を回収しながらバッテリ81とエンジン2及びその冷却水を冷却する第1ハイブリッド冷却モードと、第1エンジン冷却モードよりも速やかにエンジン2を冷却する第2エンジン冷却モードと、第1ハイブリッド冷却モードよりも速やかにバッテリ81とエンジン2及びその冷却水とを冷却する第2ハイブリッド冷却モードと、の6つに分けられる。なお上記6つの制御モードのうち、バッテリ冷却モード、第1エンジン冷却モード、及び第1ハイブリッド冷却モードは、バッテリ81やエンジン2の廃熱を回収できる廃熱回収モードであるともいえる。
図3Aは、バッテリ加温モードの実行時にランキンサイクル回路5において実現される有機媒体の流れを示す図である。制御装置7は、バッテリ加温モードでは、図3Aにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第2の流れ方向F2に沿って、圧縮膨張機51、蒸発器56、バッテリ容器55、電子膨張弁54、及び凝縮器52の順で循環するようにランキンサイクル回路5を操作する。より具体的には、制御装置7は、バッテリ加温モードでは、第1ポンプ53及び第2ポンプ61をオフにするとともに、バッテリ81からモータジェネレータ57に電力を供給することによってモータジェネレータ57で圧縮膨張機51を逆転させ、さらに電子膨張弁54を開く。バッテリ加温モードでは、制御装置7によって上述のようにランキンサイクル回路5を操作することによって、図4Aに示すような熱サイクルが実現される。
図3Bは、バッテリ冷却モードの実行時にランキンサイクル回路5において実現される有機媒体の流れを示す図である。制御装置7は、バッテリ冷却モードでは、図3Bにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って、第1ポンプ53、バッテリ容器55、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で有機媒体が循環するようにランキンサイクル回路5を操作する。より具体的には、制御装置7は、バッテリ冷却モードでは、第2ポンプ61をオフにし、電子膨張弁54を閉じるとともに、第1ポンプ53をオンにし、圧縮膨張機51を正転させる。バッテリ冷却モードでは、制御装置7によって上述のようにランキンサイクル回路5を操作することによって、図4Bに示すような熱サイクルが実現される。
図3Cは、第1及び第2エンジン冷却モードの実行時にランキンサイクル回路5において実現される有機媒体の流れを示す図である。制御装置7は、第1エンジン冷却モードでは、図3Cにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って、第2ポンプ61、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で有機媒体が循環するようにランキンサイクル回路5を操作する。より具体的には、制御装置7は、第1エンジン冷却モードでは、第1ポンプ53をオフにし、電子膨張弁54を閉じるとともに、第2ポンプ61をオンにし、圧縮膨張機51を正転させる。第1エンジン冷却モードでは、制御装置7によって上述のようにランキンサイクル回路5を操作することによって、図4Cに示すような熱サイクルが実現される。
図3Dは、第1及び第2ハイブリッド冷却モードの実行時にランキンサイクル回路5において実現される有機媒体の流れを示す図である。制御装置7は、第1ハイブリッド冷却モードでは、図3Dにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って、第1ポンプ53、バッテリ容器55、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で構成される第1循環流路と、第2ポンプ61、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で構成される第2循環流路と、の2つの循環流路に沿って有機媒体が循環するように、ランキンサイクル回路5を操作する。より具体的には、制御装置7は、第1ハイブリッド冷却モードでは、電子膨張弁54を閉じるとともに、第1ポンプ53及び第2ポンプ61をオンにし、圧縮膨張機51を正転させる。第1ハイブリッド冷却モードでは、制御装置7によって上述のようにランキンサイクル回路5を操作することによって、図4Dに示すような熱サイクルが実現される。
制御装置7は、第2エンジン冷却モードでは、上述の第1エンジン冷却モードと同様に、図3Cにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って、第2ポンプ61、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で有機媒体が循環するようにランキンサイクル回路5を操作する。これにより、第2バッテリ冷却モードでは、図4Cに示すように、第1バッテリ冷却モードと定性的に同様の熱サイクルが実現される。
制御装置7は、第2ハイブリッド冷却モードでは、上述の第1ハイブリッド冷却モードと同様に、図3Dにおいて太矢印で示すように、有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って、第1ポンプ53、バッテリ容器55、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で構成される第1循環流路と、第2ポンプ61、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で構成される第2循環流路と、の2つの循環流路に沿って有機媒体が循環するように、ランキンサイクル回路5を操作する。これにより、第2ハイブリッド冷却モードでは、図4Dに示すように、第1ハイブリッド冷却モードと定性的に同様の熱サイクルが実現される。
(1)熱サイクルシステム1は、エンジン2及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する冷却回路3と、凝縮器52、蒸発器56、及び圧縮膨張機51を備えるランキンサイクル回路5と、このランキンサイクル回路5を操作する制御装置7と、を備える。熱サイクルシステム1によれば、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で有機媒体が循環するようにランキンサイクル回路5を操作することにより、エンジン2の廃熱の一部を圧縮膨張機51において有機媒体を減圧する過程で回収できる。また熱サイクルシステム1において、ランキンサイクル回路5は、主循環流路50において第1の流れ方向F1に沿って流れる有機媒体を圧縮する第1ポンプ53と、主循環流路50内のバッテリ容器55において有機媒体と熱交換が可能なバッテリ81と、を備える。そして制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、第1ポンプ53、バッテリ容器55、蒸発器56、圧縮膨張機51、及び凝縮器52の順で有機媒体を循環させる。このように有機媒体を循環させると、有機媒体は、第1ポンプ53によって圧縮され、バッテリ容器55においてバッテリ81との熱交換によって加温され、蒸発器56において冷却水との熱交換によって加温され、圧縮膨張機51において減圧され、凝縮器52において外気との熱交換によって冷却される。これによりハイブリッド冷却モードでは、バッテリ81及び冷却水の熱エネルギの一部を外気に放出することにより、バッテリ81及びエンジン2を冷却できる。ここでバッテリ81とエンジン2とを比較すると、多くの場合、発熱量はバッテリ81よりもエンジン2の方が多い。そこで制御装置7は、バッテリ81がバッテリ容器55において有機媒体の顕熱によって冷却され、エンジン2の冷却水が蒸発器56において有機媒体の潜熱によって冷却されるように第1ポンプ53を操作する。これにより熱サイクルシステム1によれば、エンジン2の冷却水とバッテリ81との両方を効果的に冷却することができる。
2…エンジン(内燃機関)
3…冷却回路
5…ランキンサイクル回路
50…主循環流路
51…圧縮膨張機(膨張機)
52…凝縮器(第1熱交換器)
53…第1ポンプ
54…電子膨張弁(膨張弁)
55…バッテリ容器(熱交換部)
56…蒸発器(第2熱交換器)
57…モータジェネレータ
60…バイパス流路
61…第2ポンプ
7…制御装置
81…バッテリ(蓄電装置)
Claims (5)
- 内燃機関及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する冷却回路と、
絶縁性の有機媒体が循環する循環流路、前記循環流路に設けられ有機媒体と外気との間で熱交換を行う第1熱交換器、前記循環流路に設けられ有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う第2熱交換器、及び前記第2熱交換器側から前記第1熱交換器側へ流れる有機媒体を減圧する膨張機を備えるランキンサイクル回路と、
前記ランキンサイクル回路を操作する制御装置と、を備える熱サイクルシステムであって、
前記ランキンサイクル回路は、前記循環流路に設けられ前記第1熱交換器側から前記第2熱交換器側へ流れる有機媒体を圧縮する第1ポンプと、前記循環流路内の熱交換部において有機媒体と熱交換が可能な蓄電装置と、を備え、
前記循環流路には、第1の流れ方向に沿って順に、前記第1ポンプと、前記熱交換部と、前記第2熱交換器と、前記膨張機と、前記第1熱交換器と、が設けられ、
前記ランキンサイクル回路は、前記循環流路のうち前記第1熱交換器及び前記第1ポンプの間と前記熱交換部及び前記第2熱交換器の間とを接続するバイパス流路を備え、
前記バイパス流路には、前記第1の流れ方向に沿って流れる有機媒体を圧縮する第2ポンプが設けられ、
前記制御装置は、前記内燃機関又は当該内燃機関と相関のある部分の温度である内燃機関温度が所定の廃熱回収可能温度より高くかつ前記蓄電装置が冷却要求状態である場合には、前記第1ポンプ、前記熱交換部、前記第2熱交換器、前記膨張機、及び前記第1熱交換器の順で有機媒体が循環し、前記蓄電装置が前記熱交換部において有機媒体の顕熱によって冷却されかつ冷却水が前記第2熱交換器において有機媒体の潜熱によって冷却されるように前記第1及び第2ポンプを操作することを特徴とする熱サイクルシステム。 - 前記制御装置は、前記内燃機関温度が前記廃熱回収可能温度より高くかつ前記蓄電装置が冷却要求状態である場合には、前記第2熱交換器における有機媒体が沸騰した状態で維持されるように、前記第1及び第2ポンプを操作することを特徴とする請求項1に記載の熱サイクルシステム。
- 前記制御装置は、前記内燃機関温度が前記廃熱回収可能温度より高くかつ前記蓄電装置が加温要求状態である場合には、前記第1ポンプをオフにし、前記第2ポンプ、前記第2熱交換器、前記膨張機、及び前記第1熱交換器の順で有機媒体が循環するように前記第2ポンプを操作することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱サイクルシステム。
- 前記制御装置は、前記内燃機関温度が前記廃熱回収可能温度より高くかつ前記蓄電装置が加温要求状態である場合には、冷却水が前記第2熱交換器において有機媒体の潜熱によって冷却されるように前記第2ポンプを操作することを特徴とする請求項3に記載の熱サイクルシステム。
- 前記ランキンサイクル回路は、前記膨張機に接続されたモータジェネレータを備え、
前記制御装置は、前記内燃機関温度が前記廃熱回収可能温度より高くかつ当該廃熱回収可能温度より高く設定された内燃機関保護温度以下である場合には、前記モータジェネレータによって発電し、前記内燃機関温度が前記内燃機関保護温度より高い場合には、前記モータジェネレータで前記膨張機を駆動することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の熱サイクルシステム。
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