JP7058222B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液体口腔用組成物に関する。
塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤は、う蝕原因菌を殺菌するので、う蝕予防効果に優れる成分として、洗口剤等の液体口腔用組成物に配合されている(特許文献1)。しかし、カチオン性殺菌剤は、液体口腔用組成物に配合される香料に影響を与え、香味の劣化を引き起こすという課題がある。香味の劣化を抑制するために、カチオン性殺菌剤の配合量を少なくすると、十分な殺菌効果が得られないという課題があった。
本出願人は、ラクトン化合物を配合することにより、カチオン性殺菌剤を含有する液体口腔用組成物の香味劣化を抑制することを提案している(特許文献2)。しかしながら、カチオン性殺菌剤とラクトンを含有する液体口腔用組成物は、製剤が着色し易いという別の課題を有する。特に、中性以上のpH値では、その課題は顕著である。
一方、近年、高齢者や歯肉炎患者、知覚過敏患者やその予備軍の人々等、歯肉が退縮して象牙質が露出する問題を有する人口が増加している。象牙質は、エナメル質よりも脱灰の臨界pH値が高い。そのため、歯肉退縮者の象牙質の脱灰を防止可能な製剤とするために、液体口腔用組成物、特に洗口剤のpH値を、現在主流である6付近から、中性付近以上の高pH値とすることが望まれている。
特開昭60-255717号公報 特開2010-43031号公報
本発明は、香味劣化を抑制しつつ、製剤が着色し難い、カチオン性殺菌剤を含有する液体口腔用組成物を提供することを目的とする。特に、着色し易いという課題が顕著な中性以上の液性でも香味劣化を抑制しつつ、着色し難いという効果が得られる液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため研究を重ねた結果、本発明者は、カチオン性殺菌剤とともに、特定の炭素数を有するラクトンと、ピロリドンカルボン酸及びその塩の少なくともいずれかを配合することによって、液性が中性付近以上、例えばpH値が7以上であっても、カチオン性殺菌剤による香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制できることを見出し、本発明を完成した。更に、アニオン性界面活性剤を配合することで、製剤の着色抑制効果が向上することを見出した。
即ち、本出願人は下記の〔1〕~〔10〕を提供する。
〔1〕(A)カチオン性殺菌剤(以下、「(A)成分」ともいう)、(B)炭素数4~13のラクトン(以下、「(B)成分」ともいう)、並びに(C)ピロリドンカルボン酸及びその塩の少なくともいずれか(以下、「(C)成分」ともいう)、を含有する液体口腔用組成物。
〔2〕前記(A)成分の含有量が、0.01~0.2質量%である上記〔1〕に記載の液体口腔用組成物。
〔3〕前記(B)成分の含有量が、0.000005~0.001質量%である上記〔1〕又は〔2〕に記載の液体口腔用組成物。
〔4〕前記(C)成分の含有量が、0.1~20質量%である上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔5〕前記(B)成分と前記(C)成分の質量比((B)/(C))が、0.0000005~0.001である上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔6〕(D)アニオン性界面活性剤(以下、「(D)成分」ともいう)を更に含有する上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔7〕(E)う蝕予防有効成分以下、「(E)成分」ともいう)を更に含有する上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔8〕25℃におけるpH値が、6.5以上である上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔9〕(F)オルトリン酸及びその塩の少なくともいずれか(以下、「(F)成分」ともいう)を更に含有する上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
〔10〕洗口剤である上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の液体口腔用組成物。
本発明によれば、香味劣化を抑制しつつ、製剤が着色し難い、カチオン性殺菌剤を含有する液体口腔用組成物を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、各成分の含有量は、組成物を調製する際の各成分の仕込み量を基準とする値である。
[1.本発明の液体口腔用組成物]
本発明者は、製剤が着色し易いという課題が顕著な中性以上の液性でも、香味劣化を抑制しつつ、製剤が着色し難い、カチオン性殺菌剤を含有する液体口腔用組成物を得るために鋭意検討を重ねた。その結果、カチオン性殺菌剤、炭素数4~13のラクトン、並びにピロリドンカルボン酸及びその塩の少なくともいずれかを組み合わせて含有する液体口腔用組成物が、カチオン性殺菌剤を含有しても、香味劣化を抑制しつつ、製剤が着色し難いという効果を奏することを見出した。更に、液体口腔用組成物にアニオン性界面活性剤を配合すると、製剤の着色抑制効果が向上することを見出した。
以下、各成分の詳細を説明する。
[2.(A)成分]
(A)成分は、カチオン性殺菌剤であり、う蝕を予防する効果を奏する。カチオン性殺菌剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム等の第4級アンモニウム化合物;グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のビグアニド化合物;塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。中でも、う蝕予防効果の観点から、(A)成分は、第4級アンモニウム化合物、特に塩化セチルピリジニウムが好ましい。
なお、(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性殺菌剤は、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。塩化セチルピリジニウムとしては、商品名「塩化セチルピリジニウム」(和光純薬工業社製)、塩化ベンゼトニウムとしては、商品名「HYAMINE1622」(ロンザジャパン社製)、塩化ベンザルコニウムとしては、商品名「10%ベンザルコニウム塩化物液」(甘糟化学産業社製)、「アーカード CB-50」(ライオンアクゾ社製)、グルコン酸クロルヘキシジンとしては、商品名「ヒビテン・グルコネート液」(大日本住友製薬社製)、塩化クロルヘキシジンとしては、商品名「5%ヒビテン液」(大日本住友製薬社製)、商品名「クロルヘキシジン二塩酸塩」(和光純薬工業社製)、塩化デカリニウムとしては、商品名「塩化デカリニウム」(和光純薬工業社製)等である。
本発明の液体口腔用組成物における(A)成分の含有量は、う蝕を予防する観点や香味劣化を抑制する観点から適宣調整される。(A)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上である。0.01質量%以上であることにより、十分な殺菌効果が得られるので、う蝕予防効果を発揮し得る。一方、(A)成分の含有量の上限は、通常、0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下である。0.2質量%以下であることにより、高温保存による香味劣化が抑制され得るとともに、製剤の着色を抑制し得る。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(A)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、0.01~0.2質量%の範囲であり、0.02~0.1質量%の範囲であることが好ましく、0.03~0.08質量%の範囲であることがより好ましい。
[3.(B)成分]
(B)成分は、炭素数4~13のラクトンであり、カチオン性殺菌剤が引き起こす香味劣化を抑制する効果を奏する。(B)成分は、炭素数6~16のγ-ラクトン又はδ-ラクトンであることが好ましい。炭素数6~16のγ-ラクトン又はδ-ラクトンとしては、例えば、γ-ヘキサラクトン又はδ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン又はδ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン又はδ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン又はδ-ノナラクトン、γ-デカラクトン又はδ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン又はδ-ウンデカラクトン等が挙げられる。
なお、(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラクトンは、市販品を用いてもよい。市販品としては、和光純薬工業社や東京化成工業社から購入することができる。
本発明の液体口腔用組成物における(B)成分の含有量は、製剤の着色を抑制する観点や香味劣化を抑制する観点から適宣調整される。(B)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.000005質量%以上、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.00002質量%以上である。0.000005質量%以上であると、マスキング効果により、高温保存による香味劣化を抑制し得る。特に、0.00001質量%以上であると、十分なマスキング効果が得られ、高温保存による香味劣化を十分抑制し得る。一方、(B)成分の上限は、通常、0.001質量%以下、好ましくは0.0005質量%以下、より好ましくは0.0001質量%以下、さらに好ましくは0.00008質量%以下であり、特に好ましくは0.00005質量%以下である。0.001質量%以下であると、強い着色の抑制により、製剤の着色を抑制し得る。特に、0.0001質量%以下であることにより、強い着色が生じ難くなり、製剤の着色を十分抑制し得る。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(B)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、0.000005~0.001質量%の範囲であり、好ましくは0.00001~0.0005質量%の範囲であり、より好ましくは0.00002~0.0001質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.00002~0.00008質量%の範囲であり、特に好ましくは0.00002~0.00005質量%の範囲である。
[4.(C)成分]
(C)成分は、ピロリドンカルボン酸及びその塩の少なくともいずれかであり、カチオン性殺菌剤とラクトンによる製剤の着色を抑制する効果を奏する成分である。
なお、(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ピロリドンカルボン酸は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0007058222000001
ピロリドンカルボン酸塩は、上記式(1)の塩であり、例えば、酸付加塩、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;リシン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。これらの塩の中でも、ピロリドンカルボン酸塩は、水溶性の塩が好ましく、酸付加塩、塩基付加塩がより好ましく、アルカリ金属塩が更に好ましく、ナトリウム塩やカリウム塩が最も好ましい。
本発明の液体口腔用組成物における(C)成分の含有量は、苦味や異味が生じる香味劣化を抑制する観点や製剤の着色を抑制する観点から適宣調整される。(C)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。0.1質量%以上であることにより、十分な着色抑制効果を得るので、製剤の着色を抑制し得る。一方、(C)成分の上限は、通常、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。20質量%以下であることにより、(C)成分自体に由来する苦味や異味が抑制され得、香味劣化が十分に抑制され得る。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(C)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、0.1~20質量%の範囲であり、0.3~15質量%の範囲であることが好ましく、0.5~10質量%の範囲であることがより好ましい。
また、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))は、製剤の着色を抑制する観点と苦味や異味が生じる香味劣化を抑制する観点から適宣調整される。質量比((B)/(C))の下限は、通常、0.0000005以上、好ましくは0.000002以上である。0.0000005以上であることにより、十分なマスキング効果が得られるので、(C)成分自体に由来する苦味や異味が抑制され得、香味劣化が十分に抑制され得る。一方、質量比((B)/(C))の上限は、通常、0.001以下、好ましくは0.0002以下である。0.001以下であることにより、強い着色が生じ難くなり、製剤の着色を抑制し得る。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))は、通常、0.0000005~0.001の範囲であり、0.000002~0.0002の範囲であることが好ましい。
[5.(D)成分]
(D)成分は、アニオン性界面活性剤であり、任意成分である。(D)成分を配合することにより、本発明の液体口腔用組成物は、製剤の着色抑制効果をより大きくすることができる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩等が挙げられる。中でも、アニオン性界面活性剤は、N-アシルアミノ酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩が好ましい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が12~14のアルキル硫酸塩;N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩、N-ココイルグリシン塩、N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリスチル-β-アラニン塩、N-ココイル-β-アラニン塩、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩、N-ラウロイルアスパラギン酸塩、N-ココイルメチルタウリン塩等のN-アシルアミノ酸塩;N-ラウロイルサルコシンナトリウム、N-ミリストイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシンナトリウム;ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のN-メチル-N-アシルタウリンナトリウム;N-メチル-N-アシルアラニンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、N-パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム等が挙げられる。
なお、(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分を配合する場合、本発明の液体口腔用組成物における(D)成分の含有量は、製剤の着色を抑制する観点や外観安定性の観点から適宣調整される。(D)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.02質量%以上、好ましくは0.05質量%以上である。0.02質量%以上であることにより、着色抑制効果の向上が達成され得る。一方、(D)成分の上限は、通常、0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下である。0.3質量%以下であることにより、低温保存品においてオリ及び白濁が発生するのを防止でき、外観安定性に優れる傾向にある。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(D)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、0.02~0.3質量%の範囲であり、0.05~0.2質量%の範囲であることが好ましい。
[6.(E)成分]
(E)成分は、う蝕予防有効成分であり、任意成分である。う蝕予防有効成分としては、特に限定されるものではなく、従来公知のう蝕予防有効成分を用いることができる。う蝕予防有効成分としては、例えば、フッ素化合物が挙げられる。フッ素化合物の具体例としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等のアルカリフッ化物;モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム、モノフルオロリン酸カリウム等のモノフルオロリン酸塩等の可溶性フッ素化合物;フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ等が挙げられる。
なお、(E)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分を配合する場合、本発明の液体口腔用組成物における(E)成分の含有量は、う蝕予防効果の観点や外観安定性の観点から適宣調整される。(E)成分としてフッ素化合物を用いる場合、(E)成分中のフッ素がう蝕予防効果を担う。そのため、(E)成分の含有量は、液体口腔用組成物中のフッ素原子含有率に換算して規定する方が有用である。従って、以下の説明において、(E)成分の含有量は、液体口腔用組成物中のフッ素含有率で代替して示す。
(E)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、50ppm以上、好ましくは90ppm以上である。50ppm以上であることにより、十分なう蝕予防効果を得ることができる。一方、(E)成分の上限は、液体口腔用組成物の低温安定性の観点から、通常、1500ppm以下、好ましくは900ppm以下である。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(E)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、50~1500ppmの範囲であり、90~900ppmの範囲であることが好ましい。
[7.(F)成分]
(F)成分は、オルトリン酸及びその塩の少なくともいずれかであり、任意成分である。オルトリン酸やその塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム等の正塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等の水素塩;リン酸が挙げられる。
なお、(F)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分を配合する場合、本発明の液体口腔用組成物における(F)成分の含有量は、外観安定性の観点や香味劣化を抑制する観点から適宣調整される。(F)成分の含有量の下限は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.03質量%以上である。0.01質量%以上であることにより、低温保存品においてオリ及び白濁が発生するのを防止でき、外観安定性に優れる傾向にある。一方、(F)成分の上限は、通常、2質量%以下、好ましくは1質量%以下である。2質量%以下であることにより、香味劣化を抑制し得る。
本発明の液体口腔用組成物の一実施形態として、(F)成分の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対し、通常、0.01~2質量%の範囲であり、0.03~1質量%の範囲であることが好ましく、0.03~0.5質量%の範囲であることがより好ましい。
[8.他の成分]
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、液体歯磨剤、口中清涼剤、濃縮タイプ洗口剤等として調製、適用することができる。本発明の液体口腔用組成物は、その剤型に応じて、公知な他の成分を必要に応じて配合することができる。他の成分としては、例えば、薬用成分、香料、湿潤剤、増粘剤、粘稠剤、防腐剤、甘味剤、(D)成分以外の界面活性剤、pH調整剤が挙げられる。
薬用成分としては、例えば、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、チモール等の殺菌又は抗菌剤(但し、(A)成分に該当するものを除く);縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン2カリウム塩、ε-アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム等の収斂剤;塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等の知覚過敏抑制剤を挙げることができる。
薬用成分を用いる場合、その含有量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜調整すればよい。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、オレンジ油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油;メントール、1-カルボン、シンナミックアルデヒド、アネトール、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分;エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等の香料成分;及びいくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなるミント系、フルーツ系、ハーブ系等の各種調合フレーバーが挙げられる。
なお、香料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
香料の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、総量として0.00001~3質量%である。なお、香料中に(B)成分が含まれる場合は、香料中の(B)成分の含有量は、本願発明の液体口腔用組成物の(B)成分の含有量として計算する。
湿潤剤としては、例えば、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール等の糖アルコール;グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。湿潤剤を配合する場合、その含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、2~20質量%である。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。増粘剤を配合する場合、その含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、2~20質量%である。
粘稠剤としては、例えば、キシリトール;エタノール、変性エタノール等のアルコール;糖アルコール還元でんぷん糖化物が挙げられる。粘稠剤を配合する場合、その含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、4~60質量%である。
防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類;パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸エチル等のパラオキシ安息香酸エステル;安息香酸ナトリウムが挙げられる。
甘味剤としては、例えば、キシリトール、マルチトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、アスパルテームが挙げられる。
(D)成分以外の界面活性剤としては、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型両性界面活性剤;N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0~5質量%である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が14~18、エチレンオキサイド平均付加モル数が15~30のポリオキシエチレンアルキルエーテル;エチレンオキサイド平均付加モル数が20~100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキル鎖の炭素鎖長として炭素数が12~14のアルキロールアミド;脂肪酸の炭素数が12~18のソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸の炭素数が16~18で、エチレンオキサイド平均付加モル数が10~40のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
(D)成分以外の界面活性剤を配合する場合は、(D)成分を含めた界面活性剤の含有量は、液体口腔用組成物の全量に対して、通常、0.3~3質量%である。
pH調整剤としては、例えば、フタル酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸及び炭酸並びにそれらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩、リボ核酸及びその塩類、更に水酸化ナトリウムが挙げられる。
なお、本発明の液体口腔用組成物は、研磨剤等の水不溶性紛体を含まないことが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物の収容容器として、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレンを使用できる。但し、香料の吸着抑制の観点から、PET又はガラスを収容容器として使用することが好ましい。
[9.pH値]
pH値は、液体口腔用組成物を調製直後に東亜電波工業社製のpHメーター(型番Hm-30S)を用い、25℃、3分後に測定した値である。
本発明の液体口腔用組成物のpH値の下限は、6.5以上が好ましく、6.7以上がより好ましく、7.0以上が特に好ましい。pH6.5未満であると、唾液の緩衝作用により象牙質の脱灰を生じる臨界pH値である6.7以上に戻るまで時間を要する。そのため、pH6.5以上とすることによって、歯肉が退縮して根面(象牙質)が露出傾向にある使用者の脱灰リスク、う蝕リスクを低減することが可能であり、特に根面のう蝕予防に適切な液体口腔用組成物とすることができる。一方、上限は、好ましくはpH8.0以下、より好ましくはpH7.6以下である。pH8.0を超えると、十分な着色抑制効果が得られない場合がある。
pH値は、必要に応じて用いられるpH調整剤で調整してもよい。
本発明の液体口腔用組成物は、上述したように、原液のまま使用するタイプの洗口剤、濃縮タイプで使用時に希釈して用いる洗口剤等の洗口剤;歯ブラシでブラッシングして使用する液体歯磨剤等として調製することができる。
本発明の液体口腔用組成物の調製に使用される溶剤としては、通常、水である。水の配合量は、液体口腔用組成物の全量に対して、60質量%以上が好ましい。また、本発明の液体口腔用組成物には必要によりエタノール等の低級一価アルコールを添加してもよい。但し、その添加量は、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
本発明の液体口腔用組成物の使用方法は特に規定されない。例えば、本発明の液体口腔用組成物を口に適量を含んで10~30秒間、特に20秒間程度、口をすすぐことによって使用することができる。なお、洗口後は、必要により歯をブラッシングしてもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、「%」は別途明示のない限り、「質量%」を意味する。
(実施例1~26及び比較例1~3)
表1~6に示す配合量に従って、下記調製方法により本発明の液体口腔用組成物(洗口剤)を調製した。得られた洗口剤について、下記方法で評価した。結果を表1~6に併記する。
(1)洗口剤の調製方法
洗口剤は、表中の組成に応じ、精製水中に原料を順次加えて攪拌し、均一に溶解して調製した。なお、製造にはスリーワンモーター(BL1200、HEIDON社製)を用いた。調製した洗口剤のpH値は、上記[9.pH値]に記載した条件で測定した。
各成分の詳細を以下に記す。なお、表1~6中のミントフレーバーに(B)成分は含まれない。
<(A)成分>
塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)
塩化ベンゼトニウム(ロンザジャパン社製、商品名「ハイアミン1622」)
<(B)成分>
γ-ヘキサラクトン(曽田香料社製)
δ-ヘキサラクトン(曽田香料社製)
γ-ノナラクトン(曽田香料社製)
γ-ウンデカラクトン(曽田香料社製)
<(C)成分>
PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム、味の素株式会社製、商品名「PCAソーダ」)
<(D)成分>
ラウロイルサルコシンナトリウム(川研ファインケミカル社製、商品名「ソイポンSLP」)
ラウロイルメチルタウリンナトリウム(日光ケミカルズ社製、商品名「NIKKOL LMT」)
<(F)成分>
リン酸二水素ナトリウム(太平化学産業社製)
<比較品>
ゲラニオール(高砂香料社製)
エチルブチレート(井上香料社製)
(2)外観の評価方法
表1~6に記載の各洗口剤を100mlのペットボトル中に80ml入れ、50℃恒温槽中に静置保存した。4週間後の外観を-5℃保存品(標準品)と比較して、下記基準に従い、目視判定した。5サンプルの平均値を求め、下記評点基準に従って評価した。結果を表中に併記する。
外観(着色)の評価基準
4点:着色が全くない
3点:ごく僅かに着色が認められるが、問題ないレベルである
2点:製剤全体に着色が認められる
1点:製剤全体が著しく着色している
外観(着色)の評点基準:
A:平均点3.5点以上4.0点以下
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
(3)使用感(高温保存後の香味劣化のマスキング)の評価方法
表1~6に記載の組成を有し、調製後に50℃で4週間静置した各洗口剤10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の香味劣化について、-5℃保存品(標準品)と比較し、判定士5名が判定した。5名の平均値を求め、下記評点基準に従って評価した。結果を表中に併記する。
洗口後の香味劣化の評価基準:
4点:香味劣化がなかった
3点:香味劣化がほとんどなかった
2点:香味劣化がややあった
1点:香味劣化がかなりあった
洗口後の香味劣化の評点基準:
A:平均点3.5点以上4.0点以下
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
Figure 0007058222000002
表1からわかるように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせて含有する本発明の液体口腔用組成物は、中性付近のpH値を有する液性であっても、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものである(実施例1~5参照)。(A)成分の含有量を増やすと、外観評価が「A」から「B」となり、僅かに着色が生じることがわかる(実施例1~3参照)。一方、外観評価が「B」である実施例3の組成物に(D)成分を配合することで、外観評価が「A」となり、製剤が着色することを抑制できることがわかる(実施例4、5参照)。
Figure 0007058222000003
表2からわかるように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせて含有する本発明の液体口腔用組成物は、中性付近のpH値を有する液性であっても、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものである(実施例6~10参照)。表1中の実施例2の組成物に対し、(A)成分の含有量を0.05%に、(B)成分の含有量を0.00001%まで減らした場合、使用感の評価が「B」となり、僅かに香味劣化が生じることがわかる(実施例6参照)。この実施例6の組成物に対し、(B)成分の含有量を0.0001%まで増やした場合、使用感の評価が「A」に回復する一方で、外観評価が「B」となり、僅かに着色も生じることがわかる(実施例7参照)。一方、実施例7の組成物に(D)成分を配合することで、外観評価が「A」となり、製剤の着色を抑制し得ることがわかる(実施例8、9参照)。また、実施例6の組成物に対し、(B)成分の含有量を0.00002%まで増やすことで、使用感の評価が「A」となり、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものであった(実施例10参照)。
Figure 0007058222000004
表3からわかるように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせて含有する本発明の液体口腔用組成物は、中性付近のpH値を有する液性であっても、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものである(実施例11~15参照)。以下、表2中の実施例10の組成物に対し、(B)成分の含有量を0.00005%まで増やした実施例11の組成物を基準として判断する。実施例11の組成物に対し、(C)成分の含有量を20%まで増やすと、使用感の評価が「B」となり、僅かに香味劣化を生じることがわかる(実施例15参照)。また、(C)成分の含有量を0.1%まで減らすと外観評価が「B」となり、僅かに着色を生じることがわかる(実施例12参照)。実施例11の組成物に対し、(C)成分の含有量が0.3~10%の範囲にある場合、外観評価及び使用感の評価に変化はなく、香味劣化の抑制や、製剤の着色を抑制し得るものであることがわかる(実施例13、14参照)。
Figure 0007058222000005
表4からわかるように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせて含有する本発明の液体口腔用組成物は、中性付近のpH値を有する液性であっても、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものである(実施例16~21参照)。以下、表3中の実施例11の組成物を基準として判断する。実施例11の組成物のpH値を6.5に低減又は7.5に増加した場合であっても、使用感の評価及び外観評価はともに「A」であり、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものであった(実施例16、17参照)。一方、実施例11の組成物のpH値を7.8に増加した場合、外観評価は「B」となり、僅かに着色が生じるものであった(実施例18参照)。更に、(B)成分の種類を変更した場合であっても、使用感の評価及び外観評価はともに「A」であり、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものであった(実施例19~21参照)。
Figure 0007058222000006
表5からわかるように、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を組み合わせて含有する本発明の液体口腔用組成物は、中性付近のpH値を有する液性であっても、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものである(実施例22~26参照)。以下、表3中の実施例11の組成物を基準として判断する。(A)成分の種類を変更した場合であっても、使用感の評価及び外観評価はともに「A」であり、香味劣化を抑制しつつ、製剤の着色を抑制し得るものであった(実施例22参照)。また、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))を0.0000005まで過度に小さくすることで、使用感の評価が「B」となり、僅かに香味劣化を生じることがわかる(実施例23参照)。一方、質量比((B)/(C))を0.001まで過度に大きくすることで、外観評価が「B」となり、僅かに着色を生じることがわかる(実施例26参照)。実施例11の組成物に対し、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))が0.000002~0.00017の範囲にある場合、外観評価及び使用感の評価に変化はなく、香味劣化の抑制や、製剤の着色を抑制し得るものであることがわかる(実施例24、25参照)。
Figure 0007058222000007
表6からわかるように、(C)成分を配合しない従来の液体口腔用組成物では、外観評価が「D」であり、製剤が着色するものであった(比較例1参照)。また、ラクトン化合物ではない、ゲラニオールやエチルブチレートを(B)成分に用いた場合、使用感の評価が「D」であり、香味劣化するものであった(比較例2、3参照)。
下記に本発明の液体口腔用組成物の処方例を記す。
(処方例1;洗口剤1)
塩化セチルピリジニウム:0.05%
γ-ウンデカラクトン:0.00006%
ピロリドンカルボン酸ナトリウム:5%
ラウロイルメチルタウリンナトリウム:0.1%
グリセリン:5%
プロピレングリコール:5%
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油:0.5%
キシリット:4%
サッカリンナトリウム:0.01%
リン酸二水素ナトリウム:0.3%
水酸化ナトリウム:0.13%
パラオキシ安息香酸メチル:0.1%
パラオキシ安息香酸エチル:0.05%
ハーブ系香料(B成分不含):0.2%
精製水:バランス
合計:100.0%
(処方例2;洗口剤2)
塩化セチルピリジニウム:0.01%
γ-デカラクトン:0.00003%
ピロリドンカルボン酸ナトリウム:2%
ラウリル硫酸ナトリウム:0.1%
グリセリン:5%
プロピレングリコール:5%
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油:0.5%
キシリット:4%
サッカリンナトリウム:0.01%
リン酸二水素ナトリウム:0.3%
水酸化ナトリウム:0.13%
パラオキシ安息香酸メチル:0.1%
パラオキシ安息香酸エチル:0.05%
ミント系香料(B成分不含):0.2%
精製水:バランス
合計:100.0%
(処方例3;洗口剤3)
塩化セチルピリジニウム:0.01%
γ-ヘキサラクトン:0.00006%
ピロリドンカルボン酸ナトリウム:3%
フッ化ナトリウム:0.1%(フッ素含有率450ppm)
ラウロイルサルコシンナトリウム:0.1%
グリセリン:5%
プロピレングリコール:5%
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油:0.5%
キシリット:4%
サッカリンナトリウム:0.01%
リン酸二水素ナトリウム:0.3%
水酸化ナトリウム:0.13%
パラオキシ安息香酸メチル:0.1%
パラオキシ安息香酸エチル:0.05%
ハーブ系香料(B成分不含):0.2%
精製水:バランス
合計:100.0%

Claims (9)

  1. (A)カチオン性殺菌剤、
    (B)γ-ヘキサラトン、δ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、δ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、δ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、δ-ノナラクトン、γ-デカラクトン、δ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、及びδ-ウンデカラクトンからなる群より選ばれる1種又は2種以上、並びに
    (C)ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれか、を含有し、
    前記(A)成分の含有量が、0.01~0.2質量%であり、
    前記(B)成分の含有量が、0.000005~0.0005質量%であり、
    前記(C)成分の含有量が、0.1~20質量%であり、
    前記(B)成分と前記(C)成分の質量比((B)/(C))が、0.0000005~0.001であり、
    25℃におけるpH値が6.5以上8.0以下である、
    液体口腔用組成物。
  2. 前記(A)成分の含有量が、0.02~0.1質量%である請求項1に記載の液体口腔用組成物。
  3. 前記(C)成分の含有量が、0.5~10質量%である請求項1又は2に記載の液体口腔用組成物。
  4. 前記(B)成分と前記(C)成分の質量比((B)/(C))、0.000002~0.0002である請求項1~3のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  5. (D)アニオン性界面活性剤を更に含有する請求項1~4のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  6. (E)アルカリフッ化物、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸塩から選ばれるフッ素化合物を含むう蝕予防有効成分を更に含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  7. 25℃におけるpH値が、6.7以上7.8以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  8. (F)オルトリン酸及びその塩の少なくともいずれかを更に含有する請求項1~7のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
  9. 洗口剤である請求項1~8のいずれか1項に記載の液体口腔用組成物。
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