JP7057252B2 - 異常状態判定システム - Google Patents
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Description
センサから出力された信号に基づく検出信号を用いて異常状態を判定する異常状態判定部と、
所定の条件を満たすとき、前記異常状態判定部に入力する前の段階で、前記検出信号の強度を調整する制御処理を行う特定処理部と、を備える。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態や実施例に分けて示す場合があるが、異なる実施形態や実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
はじめに、図1を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る異常状態判定システムを含む測定装置の説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係る異常状態判定システムを含む測定装置の概要を示すブロック線図である。
センサ10として、位置センサ、加速度センサ、振動センサ、荷重センサ、温度センサをはじめとする任意のセンサを採用することができる。
センサ10から出力されたアナログ信号は、出力調整部60で増幅され、AD変換器70で直流に変換されて検出信号となる。そして、検出信号が、検出信号補正部80によりオフセット量等が補正され、測定部20、補正量算出部30、異常状態判定部40及び特定処理部50にそれぞれ入力する。
補正量算出部30は、検出信号に基づき、出力調整部60で増幅される検出信号の強度が適性範囲に入るように、出力調整部60におけるゲインを補正するためのゲイン補正係数を算出して、出力調整部60へ送信する。更に、補正量算出部30は、検出信号における初期位置からのオフセット量を補正するオフセット補正係数を算出して、検出信号補正部80へ送信する。なお、センサ10から位相差を有する信号が出力される場合には、補正量算出部30は、検出信号における位相差を補正する位相差補正係数を算出して、検出信号補正部80へ送信する。
以上のように、本実施形態では、検出信号の強度を補正するゲインの補正については、アナログ信号の段階で補正を行い、オフセット、位相差の補正については、デジタル信号の段階で行う。ゲインやオフセット等の補正のため、補正量算出部30から出力調整部60または検出信号補正部80へ送信するフィードバック信号を点線の矢印で示す。
異常状態判定システム100を構成する特定処理部50は、所定の条件を満たすとき、異常状態判定部40に入力する前の段階で、検出信号の強度を調整する制御処理を行う。ここでいう「調整する」とは、検出信号の強度が所定に範囲内に入るように、強度を弱めるまたは強めることを意味する。検出信号の強度を調整する制御処理は、検出信号にフィルタリングを施したりマスクをかけることにより実現することもできるし、後述するように、出力調整部60におけるゲインを調整することにより実現することもできる。
このとき、特定処理部50が、所定の条件を満たすとき、検出信号の強度が所定の範囲内に入るように、出力調整部60における増幅のゲインを小さくまたは大きくするためのフィードバック信号を、出力調整部60へ送信することが挙げられる(図1の点線矢印参照)。なお、特定処理部50から出力調整部60へフィードバック信号を送信する場合だけでなく、特定処理部50により補正量算出部30を制御して(図1の一点鎖線の矢印参照)、出力調整部60における増幅のゲインが小さくなるように、補正量算出部30から出力調整部60へフィードバック信号を送信させる場合もあり得る。
以上のように、本実施形態では、センサ10を用いた測定における異常状態を判定する判定条件を変更できない場合であっても、誤判定を防止可能な信頼性の高い異常状態判定システム100を提供することができる。
次に、図1Bを参照しながら、本発明のその他の実施形態に係る異常状態判定システムを説明する。図1Bは、本発明のその他の実施形態に係る異常状態判定システムを含む測定装置の概要を示すブロック線図である。
MRセンサは基板上にパターニングされた薄膜センサであり、スケール12と一定の間隔を保って相対移動するときに、スケール12からの漏洩磁場の大きさに応じて抵抗値が変化して信号を出力する。高調波成分等の歪み成分を打ち消すため、2つのMRセンサはλ/6だけ離れて配置され、センサ10は、90度位相がずれた正弦波及び余弦波を出力する。
次に、図2A及び図2Bを参照しながら、センサ10及びスケール12の間の相対的移動により、センサ10が正弦波及び余弦波の信号を出力するとき、特定処理部50が検出信号の強度を調整する制御処理を行う場合を説明する。図2Aは、特定処理部により検出信号の強度を調整する制御処理を行う前の状態を示すリサージュ図形である。図2Bは、特定処理部により検出信号の強度を調整する制御処理を行った後の状態を示すリサージュ図形である。
これにより、検出信号の任意の更新タイミングでの振幅に相当する値が算出できる。
ここで、異常状態判定部40が異常状態であると判定する1つの態様として、電子ノイズ等を考慮して、N回(N:2以上の整数)の検出信号の更新タイミングにおいて、検出信号の値が閾値よりより大きい(または小さい)と判別した場合に、異常状態だと判定することを例示できる。
このような制御処理により、図2Bに示すように、正弦波及び余弦波によるリサージュ円の半径を、上限値及び下限値の間の領域に収まるようにすることができる。
なお、リサージュ円の半径を用いる場合、振幅は求められるが、出力調整部60における初期位置からのオフセット量は求められない。しかし、オフセット量は、異常状態であるか否か判定するための閾値に比べて小さな値であり、異常状態判定部40における判定の影響を及ぼすことはない。
補正量算出部30により、周期的に変動する信号の変曲点での値に基づいて、検出信号の強度が補正される。この場合には、周期的に変動する信号の変曲点から変曲点へ達する間で短い間隔で強度の大きな検出信号が入力される場合、補正量算出部30は、検出信号の強度を補正することができない。よって、異常状態判定部40が、異常状態が発生したと判定する可能性がある。
つまり、センサ10から周期的に変動する信号が出力され、特定処理部50が、周期的に変動する信号に基づく検出信号の値が所定の範囲を超えたとき、検出信号の強度を調整する制御処理を行う。
このようにすることで、センサ10から周期的に変動する信号が出力される場合においても、確実に誤判定が生じるのを防ぐことができる。
次に、図3を参照しながら、上記の実施形態を実現する補正量算出部30及び特定処理部50の具体的な回路の一例について説明する。図3は、特定処理部により制御される補正量算出部の回路の一例を示す回路図である。図3に示す補正量算出部30は、正弦波及び余弦波のそれぞれにおいて、ゲインの補正を行うためのゲイン補正係数を定める回路、及びオフセットを補正するためのオフセット補正係数を定める回路を有する。更に、正弦波及び余弦波の位相差を補正するための位相差補正係数を定める回路を有する。
余弦波のゲインの補正を行う回路についても、上記の正弦波のゲインの補正を行う回路と同様であり、詳細な説明は省略する。
余弦波におけるオフセットの補正を行う回路についても、上記の正弦波におけるオフセットの補正を行う回路と同様であり、詳細な説明は省略する。
次に、図4を参照しながら、上記の実施形態を実現する補正量算出部30及び特定処理部50の回路のその他の例について説明する。図4は、特定処理部及び補正量算出部の回路のその他の例を示す回路図である。
図4に示す補正量算出部30は、図3に示す補正量算出部とほぼ同様であり、正弦波及び余弦波のそれぞれにおいて、ゲインの補正を行うための回路、及びオフセットを補正するための回路を有する。また、正弦波及び余弦波の位相差を補正するための位相差補正係数を定める回路を有する。補正量算出部30に関する更なる詳細な説明は省略する。
特定処理部50では、検出信号の更新タイミングに対応して、リサージュ円の半径が更新されると、この半径及び目標値の間の差分値が求められ、差分値に半径補正ループゲインが乗じられて、半径補正係数が生成される。これと同時に、更新されたリサージュ円の半径と、半径上限データ及び半径下限データとが比較される。
このとき、補正量算出部30側の開となっていたNANDゲートR及びNANDゲートSが閉となり、補正量算出部30から出力調整部60へゲインの補正係数を送信できなくなる。
以上のような回路により、異常状態の判定における誤判定を確実に防止することができる。
次に、図5を参照しながら、上記の実施形態、回路の実施例に示す異常状態判定システム100を含む測定装置2を備えた工作機械の説明を行う。図5は、異常状態判定システムを含む測定装置を備えた工作機械の一例を模式的に示す斜視図である。
図5に示す工作機械200では、フレーム210側にスケール12が取り付けられ、加工テーブル220側にセンサ10が取り付けられている。そして、ケーブルにより、測定部、補正量算出部、異常判定部、特定処理部等を有する制御装置に接続されている。これにより、加工テーブル220のフレーム210に対する位置を正確に測定することができる。
10、10’センサ
12 スケール
20 測定部
30 補正量算出部
40 異常判定部
50 特定処理部
60 出力調整部
70 AD変換器
80 検出信号補正部
100 異常状態判定システム
200 工作機械
210 フレーム
220 加工テーブル
Claims (6)
- センサから出力された信号に基づく検出信号を用いて異常状態を判定する異常状態判定部と、
所定の条件を満たすとき、前記異常状態判定部に入力する前の段階で、前記検出信号の強度を調整する制御処理を行う特定処理部と、
を備え、
前記センサから周期的に変動する信号が出力され、
前記特定処理部が、前記周期的に変動する信号に基づく検出信号の値が所定の範囲を超えたとき、前記検出信号の強度を調整する制御処理を行い、
前記センサが、磁気パターンを有するスケールに対して所定間隔を隔てて配置された磁気センサであり、前記センサ及び前記スケールの間の相対的移動により、前記センサが正弦波及び余弦波の信号を出力し、
前記特定処理部が、前記検出信号における正弦波及び余弦波によるリサージュ円の半径を算出し、前記半径が前記所定の範囲を超えたとき、前記検出信号の強度を調整する制御処理を行うことを特徴とする異常状態判定システム。
- 前記検出信号の更新タイミングごとに、前記特定処理部が、前記半径が前記所定の範囲を超えるか否か判断することを特徴とする請求項1に記載の異常状態判定システム。
- 前記異常状態判定部が、複数の前記更新タイミングにおいて、前記検出信号の値が閾値を超えたとき、異常状態が発生したと判断することを特徴とする請求項2に記載の異常状態判定システム。
- 前記閾値が、信号の流れにおいて前記異常状態判定部及び前記特定処理部の上流側に配置されたAD変換器の入力許容値により定まることを特徴とする請求項3に記載の異常状態判定システム。
- 請求項1から4の何れか1項に記載の異常状態判定システム及びセンサと、
前記検出信号を用いて測定値を定める測定部と、
前記検出信号の強度を補正するための補正量算出部と、
を備えたことを特徴とする測定装置。
- 請求項5に記載の測定装置が備えられた工作機械。
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