JP2010078340A - エンコーダの誤差補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期のオフセット調整環境と異なる温度環境でエンコーダが使用された場合であっても、それに起因するオフセット誤差を補正する。
【解決手段】可動被検出物の変位に対応してA相センサから出力される正弦波状のA相信号と、可動被検出物の変位に対応してB相センサから出力される正弦波状のB相信号と、を解析することによって可動被検出物の変位の絶対値を検出するエンコーダの誤差補正方法において、A相信号とB相信号は位相差が略π/2であって、A相信号とB相信号からXY平面上のリサージュ波形を算出する第1ステップと、リサージュ波形をもとに、リサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点の各々の近傍と、リサージュ波形の円周上とY軸で交差する2点の各々の近傍の4点を特定する第2ステップと、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるように、A相信号とB相信号の一方又は両方にオフセット値を加減して、誤差を補正する第3ステップと、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、可動被検出物の変位の絶対値等を検出するエンコーダの誤差補正方法に関する。
従来より、可動被検出物の変位量や変位の絶対値を検出する装置として、磁気式エンコーダが知られている。例えば、磁気式エンコーダの一態様としては、1極対のマグネットを回転させ、その磁界変化をMR素子で検出し、得られたSin信号及びCos信号をAD変換してマイコンに取り込み、両信号の逆正接(アークタンジェント)信号を計算し、その逆正接信号を利用することによってマグネットの回転位置の絶対値を検出するものがある。
このような磁気式エンコーダでは、逆正接信号の位相をパラメータとし、Sin信号を直交座標系のY座標、Cos信号を直交座標系のX座標としてプロットすると、いわゆるリサージュ波形が得られる(例えば特許文献1参照)。リサージュ波形は、Sin信号とCos信号がノイズ等のない理想的な信号と仮定すると、中心ずれや歪のない円形となる。すわなち、Y座標とX座標の交点からリサージュ波形の円周上までの距離は略等距離となる。しかし、実際は、センサのばらつき等によって、中心がずれた円形、すなわち、Y座標とX座標の交点からリサージュ波形の円周上までの距離が異なる場合がある。そのため、エンコーダを工場から出荷する際には、センサの片方又は両方にオフセット補正をかけておくのが一般的である。
特開2008−2904号公報
しかしながら、MR素子や、AD変換機へ入力するまでの増幅回路の温度特性によって、上述した誤差が大きくなる場合がある。具体的には、出荷時のオフセット調整環境と異なる環境でエンコーダが使用されると、Sin信号とCos信号にオフセット誤差が生じる。これは、温度特性に依存する誤差なので、予め予測して対処するのが困難である。オフセット誤差をもったSin信号とCos信号を用いて逆正接信号を算出すると、可動被検出物の変位の絶対値誤差が大きくなる場合がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、初期のオフセット調整環境と異なる温度環境でエンコーダが使用された場合であっても、それに起因するオフセット誤差を補正することが可能なエンコーダの誤差補正方法を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 可動被検出物の変位に対応してA相センサから出力される正弦波状のA相信号と、当該可動被検出物の変位に対応してB相センサから出力される正弦波状のB相信号と、を解析することによって当該可動被検出物の変位の絶対値を検出するエンコーダの誤差補正方法において、前記A相信号と前記B相信号は位相差が略π/2であって、前記A相信号と前記B相信号からXY平面上のリサージュ波形を算出する第1ステップと、前記リサージュ波形をもとに、当該リサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点の各々の近傍と、当該リサージュ波形の円周上とY軸で交差する2点の各々の近傍の4点を特定する第2ステップと、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれ前記X軸と前記Y軸の交点から略等距離になるように、前記A相信号と前記B相信号の一方又は両方にオフセット値を加減して、誤差を補正する第3ステップと、を含むことを特徴とするエンコーダの誤差補正方法。
本発明によれば、可動被検出物の変位に対応してA相センサ及びB相センサから出力されるA相信号及びこれと位相差が略π/2のB相信号を解析することで、可動被検出物の変位の絶対値を検出するエンコーダの誤差補正方法において、これらA相信号とB相信号からリサージュ波形を算出し、そのリサージュ波形をもとに、リサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点の各々の近傍と、リサージュ波形の円周上とY軸で交差する2点の各々の近傍の4点を特定した後、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるように、A相信号とB相信号の一方又は両方にオフセット値を加減して、誤差を補正することとしたので、仮に、初期のオフセット調整環境と異なる温度環境でエンコーダが使用された場合であっても、それに起因するオフセット誤差を補正することができる。
特に、本発明に係るエンコーダの誤差補正方法では、上述した第3ステップにおいて、乗算や除算、平方根の計算を必要とせず、オフセット値の加減という加減算のみで誤差を補正できるので、演算処理の負荷が小さく、誤差補正処理の高速性を向上することができる。
なお、「A相センサ」及び「B相センサ」は、例えばMR素子やホール素子など、その種類の如何は問わない。また、第1ステップにおいて「リサージュ波形」を算出しているが、これを視認し得るように画面表示するか否かも問わない(内部で計算するのみであってもよい)。また、第2ステップにおいて、「4点」のうちの全て又は一部の点が、X軸上又はY軸上の点になってもよい。
(2) 前記第3ステップは、前記X軸近傍の2点又は/及び前記Y軸近傍の2点をa1,a2としたとき、a1+a2の値が所定の閾値以上になることを条件として行われることを特徴とするエンコーダの誤差補正方法。
本発明によれば、X軸近傍の2点又は/及びY軸近傍の2点をa1,a2としたとき、a1+a2の値が所定の閾値になったとき、上述した第3ステップが行われることとしたので、頻繁に誤差補正処理が行われるのを防ぎ、ひいては演算処理負荷の軽減に寄与することができる。
なお、X軸近傍の2点およびY軸近傍の2点を考える際には、例えば、Y軸近傍の2点をa1,a2とし、X軸近傍の2点をb1,b2とし、a1+a2の値が所定の閾値になったときであって、かつ、b1+b2の値が所定の閾値になったときに、上述した第3ステップが行われるようにしてもよい。
(3) 前記第1ステップから前記第3ステップまでが複数回繰り返し行われることによって、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれ前記X軸と前記Y軸の交点から略等距離に近づくことを特徴とするエンコーダの誤差補正方法。
本発明によれば、上述した第1ステップから第3ステップまでが複数回繰り返し行われることによって、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離に近づくこととしたので、複数回かけてオフセット誤差を精度良く補正することができる。例えば、可動被検出物を1回転させてから徐々にX軸とY軸の交点からの距離が略等距離になるように補正を行うことができる。
(4) 前記可動被検出物はS極とN極の磁極が一対着磁された永久磁石であり、前記A相信号はSin信号であり、前記B相信号はCos信号であって、前記第1ステップにおいて、前記Sin信号についてはSinθ1=θ1の近似解を用い、前記Cos信号についてはCosθ2=Cos(θ1+π/2)=−Sinθ2=−θ2の近似解を用いることを特徴とするエンコーダの誤差補正方法。
本発明によれば、上述した可動被検出物はS極とN極の磁極が一対着磁された永久磁石であり、Sin信号からなるA相信号について、Sinθ1=θ1の近似解を用い、Cos信号からなるB相信号について、Cosθ2=Cos(θ1+π/2)=−Sinθ2=−θ2の近似解を用いることとしたので、計算ステップを少なくし、演算処理の負荷を更に軽減することができる。
本発明によれば、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点が、それぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるように誤差を補正することとしたので、オフセット調整環境と異なる温度環境でエンコーダが使用されても、温度環境に起因したオフセット誤差を補正することができる。また、オフセット値の加減という加減算のみで誤差を補正することとしたので、演算処理の負荷を軽減することができ、誤差補正処理の高速性を向上することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る誤差補正方法が行われるエンコーダ1のハードウェア構成を示すブロック図である。特に、図1(a)は、ハードウェア構成の概略を示し、図1(b)は、ハードウェア構成のイメージ図を示している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、エンコーダ1は、MR素子(MR Element)10とマイコン20を有しており、MR素子10からマイコン20に向けて、Cos信号とSin信号が入力される。より具体的には、MR素子10は、可動被検出物の変位に対応して正弦波状のSin信号を出力するA相センサと、可動被検出物の変位に対応して正弦波状のCos信号を出力するB相センサと、を有している。
ここで、本実施形態では、「可動被検出物」として、S極とN極の磁極が一対着磁された永久磁石50を採用している(図1(b)参照)。また、図1(a)では、A相センサ及びB相センサの一構成要素となるMR素子10しか図示していないが、その他、例えば、整流回路,ローパスフィルタ,差動増幅アンプ,MR素子10に励磁電流を供給するドライバなどの各種電気要素によって、A相センサ及びB相センサが構成される。
マイコン20は、InterpolatorやRS422ドライバ(Open Collectorでもよい)などの電気要素を有しているが、その他如何なる要素を有していてもよい。また、図1(a)に示すように、A/D変換回路(ADC21)を有しており、ADC21によってアナログ信号はデジタル化される。また、図1では特に図示していないが、マイコン20は、CPU,ROM,RAM等の各種電機要素を有しており、リサージュ波形を算出する機能だけでなく、以下に説明する誤差補正方法を実行する機能をも有する。すなわち、ROM等の記憶媒体に誤差補正方法を実行する各種プログラムが格納されており、CPUは、適宜そのプログラムを読み出して、RAMをワーキングエリアとしつつ誤差補正処理を実行する。このように、マイコン20は、A相信号(Sin信号)とB相信号(Sin信号と位相差がπ/2のCos信号)とを解析することによって、永久磁石50の変位の絶対値を検出する機能と、後述する誤差補正方法を実行する機能を有する。
[誤差補正方法]
図2は、オフセット値を算出するための点(位置)を特定する情報処理の流れを示すフローチャートである。図3は、オフセット値を算出するための点が特定されている様子を説明するための説明図である。
本実施の形態における誤差補正方法は、A相信号(Sin信号)とB相信号(Sin信号と位相差がπ/2のCos信号)からXY平面上のリサージュ波形を算出する第1ステップと、第1ステップで算出したXY平面上のリサージュ波形をもとに、そのリサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点の各々の近傍と、リサージュ波形の円周上とY軸で交差する2点の各々の近傍の合計4点を特定する第2ステップと、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれXY平面上のX軸とY軸の交点から略等距離になるように、A相信号とB相信号の一方又は両方にオフセット値を加減して、誤差を補正する第3ステップから構成されており、本実施形態における補正は、第1ステップ、第2ステップ、第3ステップの順で行う。
具体的に、第1ステップでは略円形のリサージュ波形を算出する。この算出は、マイコン20が、ADC21により、所定のサンプリング周期で(デジタル化された)Sin信号(Sin値)とCos信号(Cos値)を取り込むことで行われる。
次に、第2ステップは、図3(B)に示すように第1ステップで算出したXY平面上のリサージュ波形をもとに、そのリサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点のそれぞれの近傍の2点(b1、b2)を特定する。また、同様にリサージュ波形とY軸で交差する2点のそれぞれの近傍の2点(a1、a2)を特定する。その結果、合計4点を特定する。
このように、マイコン20は、ADC21により、所定のサンプリング周期で(デジタル化された)Sin信号(Sin値)とCos信号(Cos値)を取り込む。そして、サンプリング周期で更新されるSin値及びCos値について、図2(a)及び図2(b)に示す条件で、a1,a2,b1,b2を特定する。
具体的に説明すると、図2(a)において、まず、マイコン20のCPUは、Cos値がある基準値Aに対し、−A<Cos値<Aを満たすか否かを判断する(ステップS1)。ここで基準値Aは、Cos値が図3(A)に示す0近傍を特定するための値であって、次のような考えで基準値Aの範囲を設定する。図3(A)において、基準値Aの範囲内でのデータのサンプリング数は、可動被検出部50(永久磁石50)の回転速度とADC21によるサンプリング周期により決定されるが、a1,a2,b1,b2を特定するためには、a1,a2,b1,b2のそれぞれに対応する範囲に少なくとも1つ以上は基準値Aの範囲内にサンプリングされたデータが必要である。
例えば、基準値Aの範囲を狭く設定した場合、X軸とY軸の「0」近傍により近い範囲を算出することが可能となる。しかしながら、基準値Aの範囲を狭く設定したことにより、サンプリングされたデータがこの基準値Aの範囲に入らない、すなわち、データの欠落のおそれがあり、a1,a2,b1,b2を特定することができない。このようにデータの欠落が発生した場合には、オフセット値の補正精度が悪くなってしまう。
また、基準値Aの範囲を広く設定した場合、サンプリングされたデータが基準値Aの範囲に入らない、すなわち、データの欠落のおそれはなくなる。しかしながら、X軸とY軸の「0」近傍の範囲が広がってしまうため、a1,a2,b1,b2を精度良く特定することができない。そのため、後述するオフセット値の補正の精度も悪くなる。
そのため、本実施の形態における基準値Aの範囲の設定は、可動被検出部50(永久磁石50)の回転速度とADC21によるサンプリング周期の関係から、基準値Aの範囲内において、適切なサンプリング数が確保できるように設定している。
ステップS1の条件式を満たしていなければ(ステップS1:NO)、処理は終了する。一方、この条件を満たしていれば(ステップS1:YES)、次にSin値が0以上か否かを判断する(ステップS2)。0以上である場合には(ステップS2:YES)、そのSin値をa1として特定し(ステップS3)、0より小さい場合には(ステップS2:NO)、そのSin値をa2として特定する(ステップS4)。こうして得られたa1,a2は、例えば図3(B)に示すように、特定した点(位置)a1,a2が第1ステップで算出した略円形のリサージュ波形の円周上に位置するとともに、オフセットがある場合、特定した点a1,a2はそれぞれX軸とY軸の交点Dからの距離が異なる距離となる。すなわち、図3(B)において、特定したa1から交点Dまでの距離と、特定したa2から交点Dまでの距離は異なっている。
一方で、マイコン20のCPUは、図2(b)に示すように、Sin値が、−A<Sin値<Aを満たすか否かを判断する(ステップS11)。この条件式を満たしていなければ(ステップS11:NO)、処理は終了する。一方、この条件を満たしていれば(ステップS11:YES)、次にCos値が0以上か否かを判断する(ステップS12)。0以上である場合には(ステップS12:YES)、そのCos値をb1として特定し(ステップS13)、0より小さい場合には(ステップS12:NO)、そのCos値をb2として特定する(ステップS14)。こうして得られたb1,b2は、例えば図3(B)に示すように、特定した点(位置)b1,b2が第1ステップで算出した略円形のリサージュ波形の円周上に位置するとともに、オフセットがある場合、特定した点b1,b2はそれぞれX軸とY軸の交点Dからの距離が異なる距離となる。すなわち、図3(B)において、特定したb1から交点Dまでの距離と、特定したb2から交点Dまでの距離は異なっている。
次に第3ステップについて説明する。図4は、オフセット値を算出する情報処理の流れを示すフローチャートである。なお、第3ステップは、第2ステップで特定して得られたa1,a2とb1,b2がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離になるようにオフセット値を加減してそれぞれの誤差を補正するものである。
具体的には、図4に示すように、まずマイコン20のCPUは、a1+a2の値がある基準値Bに対し、基準値B以上か否かを判断する(ステップS21)。ここで基準値Bは、例えばエンコーダ1を工場からの出荷時(初期)のオフセット調整環境と異なる温度環境下で使用される場合や、エンコーダ1の仕様上のあらゆる環境条件で使用される場合において、エンコーダ1の特性を確保するため、A相信号(Sin信号)を出力するA相センサとB相信号(Cos信号)を出力するB相センサのオフセットレベルが問題とならないように誤差の補正の要否を判断するためのものである。本実施の形態において、a1+a2が基準値B以上の場合や基準値−B以下の場合には誤差の補正が必要であり、これ以外の場合は誤差の補正は必要ないとしている。
したがって、a1+a2が基準値B以上となっていた場合には(ステップS21:YES)、パラメータSin_ofsから補正用数値Cを減算する処理を行う(ステップS22)。一方で、ステップS21の処理において、a1+a2が基準値Bより小さい場合には(ステップS21:NO)、今度はa1+a2が基準値−B以下か否かを判断し(ステップS23)、基準値−B以下となっていた場合には(ステップS23:YES)、パラメータSin_ofsから補正用数値Cを加算する処理を行う(ステップS24)。すなわち、本実施の形態においては、図3(C)に示すようにY軸のプラス方向に補正する。
同様に、b1+b2が基準値B以上となっていた場合には(ステップS21:YES)、パラメータCos_ofsから補正用数値Cを減算する処理を行う(ステップS22)。一方で、ステップS21の処理において、b1+b2が基準値Bより小さい場合には(ステップS21:NO)、今度はb1+b2が基準値−B以下か否かを判断し(ステップS23)、基準値−B以下となっていた場合には(ステップS23:YES)、パラメータCos_ofsから補正用数値Cを加算する処理を行う(ステップS24)。すなわち、本実施の形態においては、図3(C)に示すようにX軸のマイナス方向に補正する。
ここで、補正用数値Cは、微量値とし、誤差の補正サイクルを複数回、繰り返し行い、徐々に補正が完了するような値とする。これは、ノイズが発生しやすい環境下で使用する場合やアナログ信号にノイズが乗ると、ノイズの影響によりa1,a2,b1,b2の特定が正確にできないため、結果として必要な補正ができなくなってしまう。そのため、本実施の形態では微小量ずつの補正値とし、ノイズが発生した場合であってもノイズに起因する誤差の補正の影響を抑えることが可能となる。なお、本来、オフセット補正は、温度によるオフセットドリフト、すなわち、温度変化に起因してオフセット値が少しずつ変化するための機能であるため、上記のように誤差の補正サイクルを複数回、繰り返す方法であっても、温度変化に追従する程度のものであり、充分な補正が可能である。
そして、マイコン20のCPUは、更新されたオフセット積算値(パラメータSin_ofs、Cos_ofs)の小数部を切り捨てて、Sin側およびCos側のオフセット値として使用する(ステップS25)。例えば、補正用数値Cが0.125であれば、0.125ずつのオフセット積算を行い、8回積算された時にこの積算値が1となる。したがって、小数部が整数部に繰り上がるため、最小単位での補正が初めて行われることになる。このように、従来では、小数部分は無視されていたため、常に小数部分の誤差を生じていたが、本発明では、整数部になるまで積算しているので、結果として補正することが可能となり、ひいてはオフセット補正の精度を向上させることができる。
最後に、ステップS25においてオフセット値が算出されると、図3(C)の破線で示した略円のようにY軸近傍の2点a1、a2(Sin側の2点)がX軸とY軸の交点Dから略等距離になるように、Sin信号にこのオフセット値を加減して、誤差を補正する。Cos側についても同様に、図3(C)の破線で示した略円のようにX軸近傍の2点b1、b2(Cos側の2点)がX軸とY軸の交点Dから略等距離になるように、Cos信号にこのオフセット値を加減して、誤差を補正する。なお、図3(C)の実線で示した略円は、図3(B)に示す略円形のリサージュ波形である。
なお、上記実施の形態では、Sin信号とCos信号の両方にオフセット値を加減して、誤差を補正したが、Sin信号とCos信号の一方がオフセット補正が必要ない場合には、他方側のみのオフセット値を加減して、誤差を補正すればよい。また、本実施形態では、Sin信号やCos信号をそのまま用いることとしたが、例えば、Sin信号についてはSinθ1=θ1の近似解を用い、Cos信号についてはCosθ2=Cos(θ1+π/2)=−Sinθ2=−θ2の近似解を用いてもよい。これにより、計算ステップを少なくして、演算処理の負荷を軽減することができる。
さらに、リサージュ波形の算出、4点の特定、オフセット値の加減による誤差補正という一連の情報処理を複数回繰り返し行って、微少量ずつ、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれX軸とY軸の交点から略等距離に近づくようにしてもよい。これにより、オフセット誤差の補正精度を向上することができる。また、微小量ずつ補正することによって、フィルタ的な効果を奏することができる。具体的には、ノイズ環境の悪い場所でエンコーダを使用する場合、アナログ信号にノイズが乗っているとオフセットの補正値が暴れる虞がある。微小量ずつオフセット補正を行うことによって、これを抑えることができる。なお、このような機能は、温度によるドリフトを補正するための機能なので、温度変化と同程度のゆっくりした補正でも十分可能となる。
[実施形態の主な効果]
以上説明したように、本実施形態に係るエンコーダの誤差補正方法によれば、初期のオフセット調整環境と異なる温度環境でエンコーダが使用された場合であっても、リサージュ波形の算出、4点の特定、オフセット値の加減による誤差補正という一連の情報処理を経て、温度環境に起因するオフセット誤差を補正することができる。
また、オフセット値の加減という加減算処理を中心とするものなので、演算処理の負荷が小さく、誤差補正処理の高速性を向上することができる。
また、図4のステップS21及びステップS23で示したように、Y軸上の2点をa1,a2、X軸上の2点をb1、b2で表わしたとき、a1+a2、b1+b2の値が基準値B以上になることを条件として、或いは、基準値−B以下になることを条件として、オフセット値の更新(ステップS22及びステップS24)が行われることとしたので、演算処理の負荷軽減に寄与することができる。
また、本実施形態のように、微小量ずつ補正を行うことによって、ノイズ環境の悪い場所でエンコーダを使用する場合に、アナログ信号にノイズが乗っているとオフセットの補正値が暴れるのを防ぐことができる。
本発明に係るエンコーダの誤差補正方法は、温度環境等に起因するオフセット誤差を補正することが可能なものとして有用である。
本発明の実施の形態に係る誤差補正方法が行われるエンコーダのハードウェア構成を示すブロック図である。 オフセット値を算出するための点を特定する情報処理の流れを示すフローチャートである。 オフセット値を算出するための点が特定されている様子を説明するための説明図である。 オフセット値を算出する情報処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンコーダ
10 MR素子
20 マイコン
21 ADC

Claims (4)

  1. 可動被検出物の変位に対応してA相センサから出力される正弦波状のA相信号と、当該可動被検出物の変位に対応してB相センサから出力される正弦波状のB相信号と、を解析することによって当該可動被検出物の変位の絶対値を検出するエンコーダの誤差補正方法において、
    前記A相信号と前記B相信号は位相差が略π/2であって、
    前記A相信号と前記B相信号からXY平面上のリサージュ波形を算出する第1ステップと、
    前記リサージュ波形をもとに、当該リサージュ波形の円周上とX軸で交差する2点の各々の近傍と、当該リサージュ波形の円周上とY軸で交差する2点の各々の近傍の4点を特定する第2ステップと、
    前記X軸近傍の2点及び前記Y軸近傍の2点がそれぞれ前記X軸と前記Y軸の交点から略等距離になるように、前記A相信号と前記B相信号の一方又は両方にオフセット値を加減して、誤差を補正する第3ステップと、を含むことを特徴とするエンコーダの誤差補正方法。
  2. 前記第3ステップは、前記X軸近傍の2点又は/及び前記Y軸近傍の2点をa1,a2としたとき、a1+a2の値が所定の閾値以上になることを条件として行われることを特徴とする請求項1記載のエンコーダの誤差補正方法。
  3. 前記第1ステップから前記第3ステップまでが複数回繰り返し行われることによって、X軸近傍の2点及びY軸近傍の2点がそれぞれ前記X軸と前記Y軸の交点から略等距離に近づくことを特徴とする請求項1又は2記載のエンコーダの誤差補正方法。
  4. 前記可動被検出物はS極とN極の磁極が一対着磁された永久磁石であり、前記A相信号はSin信号であり、前記B相信号はCos信号であって、
    前記第1ステップにおいて、前記Sin信号についてはSinθ1=θ1の近似解を用い、前記Cos信号についてはCosθ2=Cos(θ1+π/2)=−Sinθ2=−θ2の近似解を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のエンコーダの誤差補正方法。
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