JP7056298B2 - 託送料金計算システム、託送料金計算方法およびプログラム - Google Patents
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Description
発電契約者となる発電事業者は、毎日、翌日の発電の計画値を、広域機関を通じて一般送配電事業者に提出する。また、小売電気事業者は、毎日、翌日の需要の計画値を、広域機関を通じて一般送配電事業者に提出する。
一般送配電事業者は、発電事業者自らが維持し、運用する発電設備によって発電した電気を、その受電場所で受電し、発電契約者が予め申し出た量(計画値)に調整した上で、一般送配電事業者がその発電契約者に供給する。
計画値と実績値との差をインバランスといい、インバランス補給を行う一般送配電事業者と、インバランスを発生させた発電事業者と小売電気事業者との間で、事後的に料金(インバランス料金)の精算を行うこととなっている。
発電契約者は、小売電気事業者が提出した需要の計画値に対して一般送配電事業者が通知する小売電気事業者が使用する電気の電力量の計画値(以下「発電量調整受電計画電力量」という)に基づいて運用する。また、小売電気事業者は、小売電気事業者が提出した需要の計画値に対して需要者の需要の計画値(以下「接続対象計画電力量」という)に基づいて運用している。このため、発電実績電力量と受電実績電力量とを用いて、発電契約者毎に発電量と需要量との過不足が計算されるのは、電力の安定供給の観点から好ましくない。
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発電事業者と小売電気事業者との各々に対して、インバランス料金を導出するためのインバランスを導出できる託送料金計算システム、託送料金計算方法およびプログラムを提供することである。
本発明の一態様は、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムであって、小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得する取得部と、前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するインバランス導出部と、前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するインバランス料金導出部とを備え、前記インバランス料金導出部は、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算する、託送料金計算システムである。
本発明の一態様の託送料金計算システムにおいて、前記インバランス導出部は、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出し、前記託送料金計算システムは、前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するインバランス料金導出部をさらに備える。
本発明の一態様の託送料金計算システムにおいて、前記インバランス料金導出情報には、エリア毎に導出された前記エリアインバランスの集計結果に基づいて設定された系統全
体の需給状況をインバランス料金に反映するための第1調整項と、電気の市場単価を示す情報とが含まれる。
本発明の一態様の託送料金計算システムにおいて、前記インバランス料金導出部は、需給調整コスト水準の地域差をインバランス料金に反映するための第2調整項を設定し、設定した前記第2調整項と、前記インバランス料金導出情報とに基づいて、インバランス料金の単価を導出し、前記需要インバランスと前記インバランス料金の単価とに基づいて、前記需要側インバランス料金を導出し、前記発電インバランスと前記インバランス料金の単価とに基づいて、前記発電側インバランス料金を導出する。
本発明の一態様は、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムが実行する託送料金計算方法であって、小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するステップと、前記需要インバランスと前記発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出するステップとを有し、前記需要抑制インバランスは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である、託送料金計算方法である。
本発明の一態様は、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムが実行する託送料金計算方法であって、小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するステップと、前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するステップとを有し、発電側インバランス料金を導出する前記ステップでは、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算する、託送料金計算方法である。
本発明の一態様は、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算するコンピュータに、小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するステップと、前記需要インバランスと前記発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出するステップとを実行させ、前記需要抑制インバランスは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である、プログラムである。
本発明の一態様は、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算するコンピュータに、小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するステップと、前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するステップとを実行させ、発電側インバランス料金を導出する前記ステップでは、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算させる、プログラムである。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(託送料金計算システム)
図1は、本実施形態の託送料金計算システムの一例を示す図である。
本実施形態の託送料金計算システム10は、託送料金計算装置100と、小売電気事業者200と、発電事業者300と、卸電力取引所400と、検針値収集装置500と、広域機関600と、一般送配電事業者700とを含む。
小売電気事業者200は、小売り電気事業を営み、一般の需要に応じ電気を供給することを事業とする者をいう。
小売電気事業者200の契約者は、一般送配電事業者700との間で、小売電気事業者200から受電した電気を、一般送配電事業者700が電気を供給するエリアへ供給することや、他の送配電事業者との連系点へ供給することなどの契約を締結している。
発電事業者300は、発電事業を営むことを事業とする者をいう。
発電事業者300の発電契約者は、一般送配電事業者700との間で、発電事業者300から受電した電気を、一般送配電事業者700が電気を供給するエリアへ供給することや、他の送配電事業者との連系点へ供給することや、発電事業者300が発電した電気を、送配電ネットワークを通じて、あらかじめ設定された需要家へ供給することなどの契約を締結している。
卸電力取引所400は、電源投資判断の指標となる信頼性の高い季節別・曜日別・時間帯別の卸電力価格を決定する。卸電力取引所400は、決定した卸電力価格に基づいて、過不足が生じた際に、市場で、事業者が電力の販売・調達を行えるようにする。
発電事業者300は、広域機関600を通じて、30分ごとに、発電販売計画を示す情報を、一般送配電事業者700へ送信する。発電販売計画は、30分ごとの発電量(以下「発電量調整受電計画電力量」という)と発電した電気の販売先を示す情報(以下「販売計画」という)とを含む。
託送料金計算装置100は、小売電気事業者200が送信した需要調達計画を示す情報と、発電事業者300が送信した発電販売計画を示す情報とを取得する。本実施形態では、一例として、一般送配電事業者700が、託送料金計算装置100を備える場合について説明する。ここで、一般送配電事業者は、供給区域(エリア)内で送電線、変電所などを維持、運用し、他者から受け取った電気を他者に送り届けることを主な事業とする事業者である。
より具体的には、検針値収集装置500は、検針要求を小売電気事業者200の電力量メータに、光NWインタフェース(IPM:Integrated Power Monitorなど)及び光NWを介して、又は携帯電話網を介して送信する。これに対して、各電力量メータは、電力量の計測結果を検針応答として返信する。検針値収集装置500は、検針応答を各電力量メータから受信し、例えばメインメモリ等の記憶装置に一旦格納する。そして、検針値収集装置500は、取得した検針値のデータを託送料金計算装置100に送信する。
例えば、検針値収集装置500は、収集した接続対象電力量を示す情報を含み、託送料金計算装置100を宛先とする接続対象電力量情報を作成し、作成した接続対象電力量情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
検針値収集装置500は、発電事業者300の発電電力量の実績の検針値(以下「発電量調整受電電力量」という)を収集する。具体的には、発電事業者300には、電力量メータが設置されている。検針値収集装置500は、自動検針によって、発電量調整受電電力量を収集する。
より具体的には、検針値収集装置500は、検針要求を発電事業者300の電力量メータに、光NWインタフェース及び光NWを介して、又は携帯電話網を介して送信する。これに対して、各電力量メータは、電力量の計測結果を検針応答として返信する。そして、検針値収集装置500は、検針応答を各電力量メータから受信し、例えばメインメモリ等の記憶装置に一旦格納する。検針値収集装置500は、取得した検針値のデータを託送料金計算装置100に送信する。
例えば、検針値収集装置500は、収集した発電量調整受電電力量を示す情報を含み、託送料金計算装置100を宛先とする発電量調整受電電力量情報を作成し、作成した発電量調整受電電力量情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
託送料金計算装置100は、検針値収集装置500が送信した接続対象電力量情報に含まれる接続対象電力量を取得する。託送料金計算装置100は、検針値収集装置500が送信した発電量調整受電電力量情報に含まれる発電量調整受電電力量を取得する。
託送料金計算装置100は、取得した接続対象計画電力量と接続対象電力量とを比較することによって、接続対象計画差対応補給(余剰)電力量(以下「需要インバランス」という)を導出し、導出した需要インバランスとインバランス料金単価とに基づいて、需要側のインバランス料金(以下「需要側インバランス料金」という)を導出する。インバランス料金単価については、後述する。
託送料金計算装置100は、取得した発電量調整受電計画電力量と発電量調整受電電力量とを比較することによって、発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力量(以下「発電インバランス」という)を導出し、導出した発電インバランスとインバランス料金単価とに基づいて、発電側のインバランス料金(以下「発電側インバランス料金」という)を導出する。
一般送配電事業者700は、需要側インバランス料金と、発電側インバランス料金とに基づいて、インバランス精算を行う。
図2は、本実施形態の託送料金計算システムに含まれる託送料金計算システムの一例を示すブロック図である。
託送料金計算装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
託送料金計算装置100は、通信部110と、記憶部120と、情報処理部130と、各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
また、通信部110は、情報処理部130が出力したエリアインバランス情報を取得し、取得したエリアインバランス情報を、広域機関600へ送信する。エリアインバランス情報については、後述する。ここで、広域機関600は、電気の需給状況を監視し、需給状況が悪化した会員(例えば、小売電気事業者200)に対する電力の融通を他の会員に指示する機関である。
また、通信部110は、卸電力取引所400が出力したインバランス料金導出情報を取得し、取得したインバランス料金導出情報を、情報処理部130へ出力する。インバランス料金導出情報については、後述する。
アプリ122は、託送料金計算装置100に、小売電気事業者200が一般送配電事業者700へ送信した需要調達計画に含まれる接続対象計画電力量を示す情報を取得させる。アプリ122は、託送料金計算装置100に、発電事業者300が一般送配電事業者700へ送信した発電販売計画に含まれる発電量調整受電計画電力量を示す情報を取得させる。アプリ122は、託送料金計算装置100に、検針値収集装置500が出力した接続対象電力量を示す情報と発電量調整受電電力量を示す情報とを取得させる。
アプリ122は、託送料金計算装置100に、発電量調整受電計画電力量と発電量調整受電電力量との比較結果に基づいて、発電側インバランスを導出させ、接続対象計画電力量と接続対象電力量との比較結果に基づいて、需要インバランスを導出させる。
アプリ122は、託送料金計算装置100に、需要インバランスに基づいて、小売電気事業者200のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出させる。アプリ122は、託送料金計算装置100に、発電インバランスに基づいて、発電事業者300のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出させる。
アプリ122は、託送料金計算装置100に、需要側インバランス料金と、発電側インバランス料金とを精算させる。
需要側インバランス料金123は、需要側インバランス料金と、その需要側インバランス料金を導出した日時を示す情報とを関連付けて記憶する。
発電側インバランス料金124は、発電側インバランス料金と、その発電側インバランス料金を導出した日時を示す情報とを関連付けて記憶する。
情報処理部130は、例えば、取得部131と、インバランス導出部132と、インバランス料金導出部133とを備える。
また、取得部131は、通信部110が出力した接続対象電力量を示す情報を取得し、取得した接続対象電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。取得部131は、通信部110が出力した発電量調整受電電力量を示す情報を取得し、取得した発電量調整受電電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。
取得部131は、通信部110が出力したインバランス料金導出情報を取得し、取得したインバランス料金導出情報を、インバランス料金導出部133へ出力する。
需要インバランスを導出する処理の一例について説明する。接続対象電力量は、所定の計測器で計測された実績値に基づいて、式(1)によって導出される。
ただし、式(1)は、需要場所が需要抑制バランシンググループに属さない場合、又は需要場所が需要抑制バランシンググループに属する場合で需要抑制契約者が予め通知した需要抑制計画が無い場合に成り立つ。ここで、需要抑制バランシンググループとは、需要抑制量調整供給に係る電力量を算定する対象となる単位であり、需要抑制契約者があらかじめ需要抑制量調整供給契約において設定するものである。
インバランス導出部132は、導出した需要インバランスを示す情報を、インバランス料金導出部133へ出力する。
インバランス導出部132は、導出した発電インバランスを示す情報を、インバランス料金導出部133へ出力する。
また、インバランス導出部132は、導出した需要インバランスと発電インバランスとを加算することによって、一般送配電事業者が電気を供給するエリアにおけるインバランス(以下「エリアインバランス」という)を導出する。
また、インバランス導出部132は、導出した需要インバランスと発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出してもよい。ここで、需要抑制インバランスとは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である。需要抑制量調整供給とは、需要抑制契約者から特定卸供給のための電気(需要抑制量調整受電電力量)を一般送配電事業者700が受電し、一般送配電事業者700が維持及び運用する供給設備を介して、同時に、その受電した場所において、当該需要抑制契約者に、当該需要抑制契約者が予め一般送配電事業者700に申し出た量の電気(需要抑制量調整受電計画電力量)を供給することである。特定卸供給とは、需要抑制契約者が、需要者の節電した電気(ネガワット)を発電した電気と同等の価値として、小売電気事業者200へ卸供給することである。
インバランス導出部132は、導出したエリアインバランスを示す情報を含み、広域機関600を宛先とするエリアインバランス情報を作成し、作成したエリアインバランス情報を、通信部110へ出力する。
インバランス料金導出部133は、通信部110へ出力したエリアインバランス情報に対して、取得部131が出力したインバランス料金導出情報を取得し、取得したインバランス料金導出情報に基づいて、インバランス料金(需要側インバランス料金、発電側インバランス料金)を導出する。インバランス料金導出情報には、系統全体の需給状況をインバランス料金に反映するための調整項(以下「調整項α」という)と、電気の市場単価を示す情報とが含まれる。
調整項αは、卸電力取引所400における市場価格をベースとしつつ、全国大のインバランス発生量が余剰のときは市場価格より低めに、不足のときは市場価格より高めになるように算定される。調整項αを設けることにより、インバランス精算単価が予見しにくい仕組みとし、前日段階の発電や需要の計画を事業者が遵守するインセンティブを持たせることができる。
具体的には、図3の上図に示されるように、複数の一般送配電事業者700の各々が電力を供給するエリアである北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄のうち、余剰インバランスは、北海道、東京、中部、関西、九州であり、不足インバランスは、東北、北陸、中国、四国、沖縄である。全国で見た場合には、余剰インバランスであるため、卸電力取引所400が備えるサーバは、零より大きく且つ一未満である調整項αを設定する。
図3の下図に示されるように、全国的に不足インバランスが多い場合には、卸電力取引所400は、一より大きい調整項αを設定する。このように構成することによって、インバランス料金を上昇させる。
具体的には、図3の下図に示されるように、複数の一般送配電事業者700の各々が電力を供給するエリアである北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄のうち、余剰インバランスは、北海道、東京、中部、関西、九州であり、不足インバランスは、東北、北陸、中国、四国、沖縄である。全国で見た場合には、不足インバランスであるため、卸電力取引所400が備えるサーバは、一より大きい調整項αを設定する。
調整項αは、系統全体で生じるインバランスの発生量が、僅かに不足な場合と僅かに余剰な場合で、インバランス料金が大きく異ならないように設定される。また、調整量αは、計画順守のインセンティブを損なわないように設定される一方で、過度のペナルティ性を生じないように設定される。つまり、調整量αは、ある程度変動するように設定されるとともに、著しく1から乖離しないように設定される。また、調整項αは、インバランス精算単価が1時間前市場の上限価格とならないように設定される。これによって、スポット市場価格を用いた予見可能性を排除できる。
また、インバランス料金導出部133は、需給調整コスト水準の地域差をインバランス料金に反映するための調整項(以下「調整項β」という)を設定する。例えば、一般送配電事業者700は、エリアの需給調整コストの年平均から、全国平均の需給調整コストの年平均を減算することによって、調整項βを導出する。インバランス料金導出部133は、一般送配電事業者700が導出した調整項βを設定する。
インバランス料金導出部133は、式(2)によって、30分毎に、インバランス料金単価を導出する。
インバランス料金導出部133は、一カ月毎に、需要側インバランス料金123に記憶した需要側インバランス料金を取得し、取得した需要側インバランス料金を集計する。例えば、インバランス料金導出部133は、需要側インバランス料金123に記憶した需要側インバランス料金から、毎月1日から当該月末日までの期間に該当するものを取得し、取得した需要側インバランス料金を集計する。
インバランス料金導出部133は、需要側インバランス料金の集計結果に基づいて、需要側インバランス料金を精算する。例えば、需要インバランス料金の請求タイミングは、実績値(接続対象電力量)の収集が終わり、翌々月1日から、エリアインバランスを算定し、インバランス料金単価確定後、第5営業日目に、需要側インバランス料金の算定を実施する。支払期日は、補給(一般送配電事業者700から請求)・余剰(一般送配電事業者700から支払い)ともに、第5営業日(支払義務発生日)の翌日から起算して30日目の日迄とする。
インバランス料金導出部133は、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを相殺することなく、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算する。
また、インバランス料金導出部133は、インバランス導出部132が出力した発電インバランスを示す情報を取得し、取得した発電インバランスを示す情報と、導出したインバランス料金単価を使用して、式(4)によって、発電側インバランス料金(発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金)を、30分毎に導出する。
インバランス料金導出部133は、一カ月毎に、発電側インバランス料金124に記憶した発電側インバランス料金を取得し、取得した発電側インバランス料金を集計する。例えば、インバランス料金導出部133は、発電側インバランス料金124に記憶した発電側インバランス料金から、毎月1日から当該月末日までの期間に該当するものを取得し、取得した発電側インバランス料金を集計する。
インバランス料金導出部133は、発電側インバランス料金の集計結果に基づいて、発電側インバランス料金を精算する。例えば、発電インバランス料金の請求タイミングは、実績値(発電量調整受電電力量)の収集が終わり、翌々月1日から、エリアインバランスを算定し、発電インバランス料金単価確定後、第5営業日目に、発電側インバランス料金の算定を実施する。支払期日は、補給(一般送配電事業者700から請求)・余剰(一般送配電事業者700から支払い)ともに、第5営業日(支払義務発生日)の翌日から起算して30日目の日迄とする。
インバランス料金導出部133は、補給分となる発電側インバランス料金と余剰分となる発電側インバランス料金とを相殺することなく、補給分となる発電側インバランス料金と余剰分となる発電側インバランス料金とを別々に精算する。
図4と図5とを参照して、実施形態の託送料金計算システムの動作について説明する。
図4は、本実施形態の託送料金計算システムの動作の一例(その1)を示すシーケンス図である。図4には、託送料金計算装置100が、小売電気事業者200が送信した需要調達計画を受信するとともに、発電事業者300が送信した発電販売計画を受信してから、広域機関600が、卸電力取引所400へエリアインバランス集計結果を送信するまでの処理を示す。
(ステップS1)
小売電気事業者200は、広域機関600を通じて、需要調達計画を示す情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
(ステップS2)
発電事業者300は、広域機関600を通じて、発電販売計画を示す情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
(ステップS3)
検針値収集装置500は、小売電気事業者200の接続対象電力量を収集する。検針値収集装置500は、収集した接続対象電力量を示す情報を含み、託送料金計算装置100を宛先とする接続対象電力量情報を作成し、作成した接続対象電力量情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
検針値収集装置500は、発電事業者300の発電量調整受電電力量を収集する。検針値収集装置500は、収集した発電量調整受電電力量を示す情報を含み、託送料金計算装置100を宛先とする発電量調整受電電力量情報を作成し、作成した発電量調整受電電力量情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
託送料金計算装置100の通信部110は、小売電気事業者200が送信した需要調達計画を示す情報を受信し、受信した需要調達計画を示す情報を、情報処理部130へ出力する。
また、通信部110は、発電事業者300が送信した発電販売計画を示す情報を受信し、受信した発電販売計画を示す情報を、情報処理部130へ出力する。
また、通信部110は、検針値収集装置500が出力した接続対象電力量情報と発電量調整受電電力量情報とを取得し、取得した接続対象電力量情報と発電量調整受電電力量情報とを、情報処理部130へ出力する。
取得部131は、通信部110が出力した需要調達計画を示す情報を取得し、取得した需要調達計画を示す情報に含まれる接続対象計画電力量を示す情報を取得する。
取得部131は、取得した接続対象計画電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。
取得部131は、通信部110が出力した接続対象電力量を示す情報を取得し、取得した接続対象電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。
(ステップS5)
取得部131は、通信部110が出力した発電調達計画を示す情報を取得し、取得した発電調達計画を示す情報に含まれる発電量調整受電計画電力量を示す情報を取得する。
取得部131は、取得した発電量調整受電計画電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。
取得部131は、通信部110が出力した発電量調整受電電力量を示す情報を取得し、取得した発電量調整受電電力量を示す情報を、インバランス導出部132へ出力する。
インバランス導出部132は、取得部131が出力した発電量調整受電計画電力量を示す情報と発電量調整受電電力量を示す情報とを取得し、取得した発電量調整受電電力量から発電量調整受電計画電力量を減算することによって、発電側のインバランス(発電インバランス)を導出する。インバランス導出部132は、導出した発電インバランスを示す情報を、インバランス料金導出部133へ出力する。
インバランス導出部132は、導出した需要インバランスと発電インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出する。ここで、インバランス導出部132は、導出した需要インバランスと発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出してもよい。
インバランス導出部132は、導出したエリアインバランスを示す情報を含み、広域機関600を宛先とするエリアインバランス情報を作成し、作成したエリアインバランス情報を、通信部110へ出力する。
(ステップS7)
通信部110は、情報処理部130が出力したエリアインバランス情報を取得し、取得したエリアインバランス情報を、広域機関600へ送信する。
(ステップS8)
広域機関600は、各エリアに設置されている託送料金計算装置100の各々が送信したエリアインバランス情報に含まれるエリアインバランスを取得し、取得したエリアインバランスを集計する。
(ステップS9)
広域機関600は、エリアインバランスの集計結果を、卸電力取引所400へ送信する。
図4に示されるシーケンスチャートにおいて、ステップS1とステップS2とステップS3との順序を入れ替えてもよい。また、ステップS4とステップS5との順序を入れ替えてもよい。
(ステップS10)
卸電力取引所400は、託送料金計算装置100が送信したインバランスの集計結果を取得し、取得したインバランスの集計結果に基づいて、調整項αを設定する。
(ステップS11)
卸電力取引所400は、調整項αを示す情報と、電気の市場価格を示す情報とを含むインバランス料金導出情報を作成し、作成したインバランス料金導出情報を、託送料金計算装置100へ送信する。
(ステップS12)
託送料金計算装置100のインバランス料金導出部133は、調整項βを設定する。具体的には、インバランス料金導出部133は、一般送配電事業者700が導出した調整項βを設定する。
(ステップS13)
託送料金計算装置100のインバランス料金導出部133は、前述した式(2)によって、30分毎に、インバランス料金単価を導出する。
インバランス料金導出部133は、インバランス導出部132が出力した需要インバランスを示す情報を取得し、取得した需要インバランスを示す情報と、導出したインバランス料金単価とを使用して、前述した式(3)によって、需要側インバランス料金を、30分毎に導出する。
インバランス料金導出部133は、30分毎に導出した需要側インバランス料金を示す情報を、その需要側インバランス料金を導出した日時と関連付けて、記憶部120の需要側インバランス料金123へ記憶する。
インバランス料金導出部133は、インバランス導出部132が出力した発電インバランスを示す情報を取得し、取得した発電インバランスを示す情報と、導出したインバランス料金単価とを使用して、前述した式(4)によって、発電側インバランス料金を、30分毎に導出する。
インバランス料金導出部133は、30分毎に導出した発電側インバランス料金を示す情報を、その発電側インバランス料金を導出した日時と関連付けて、記憶部120の発電側インバランス料金124へ記憶する。
(ステップS15)
インバランス料金導出部133は、一カ月毎に、需要側インバランス料金123に記憶した需要側インバランス料金を取得し、取得した需要側インバランス料金を集計する。インバランス料金導出部133は、需要側インバランス料金123に記憶した需要側インバランス料金から、毎月1日から当該月末日までの期間に該当するものを取得し、取得した需要側インバランス料金を集計する。
インバランス料金導出部133は、需要側インバランス料金の集計結果に基づいて、需要側インバランス料金を精算する。
(ステップS16)
インバランス料金導出部133は、一カ月毎に、発電側インバランス料金124に記憶した発電側インバランス料金を取得し、取得した発電側インバランス料金を集計する。インバランス料金導出部133は、発電側インバランス料金124に記憶した発電側インバランス料金から、毎月1日から当該月末日までの期間に該当するものを取得し、取得した発電側インバランス料金を集計する。
インバランス料金導出部133は、発電側インバランス料金の集計結果に基づいて、発電側インバランス料金を精算する。
図5に示されるシーケンスチャートにおいて、ステップS13とステップS14との順序を入れ替えてもよい。また、ステップS14とステップS15との順序を入れ替えてもよい。また、ステップS15とステップS16との順序を入れ替えてもよい。
前述した実施形態では、発電事業者300が、発電量調整受電計画電力量と販売計画とを含む発電販売計画を、一般送配電事業者700へ送信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、発電事業者300は、発電量調整受電計画電力量と販売計画とを別々に、一般送配電事業者700へ送信するようにしてもよい。この場合、託送料金計算装置100は、発電事業者300が送信した発電量調整受電計画電力量を示す情報を取得し、取得した発電量調整受電計画電力量を示す情報に基づいて、前述した処理を行う。
前述した実施形態では、一般送配電事業者700が、託送料金計算装置100を備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、託送料金計算装置100が広域機関600に備えられてもよいし、卸電力取引所400に備えられてもよい。また、例えば、託送料金計算装置100が広域機関600、卸電力取引所400以外に備えられてもよい。
前述した実施形態では、検針値収集装置500が、接続対象電力量情報と、発電量調整受電電力量情報とを別々に、託送料金計算装置100へ送信する場合について説明したが、この限りでない。例えば、検針値収集装置500が、接続対象電力量情報と、発電量調整受電電力量情報とを一緒に、託送料金計算装置100へ送信するようにしてもよい。
前述した実施形態では、託送料金計算装置100が、一般送配電事業者が電気を供給するエリアにおけるエリアインバランスを導出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、託送料金計算装置100が、複数の一般送配電事業者の各々が電気を供給する複数のエリアにおけるエリアインバランスを導出してもよいし、一般送配電事業者が電気を供給するエリアを分割したエリアにおけるエリアインバランスを導出してもよい。具体的には、託送料金計算装置100が、東京エリアと東北エリアとにおけるエリアインバランスを導出してもよいし、東京エリアを分割したエリアにおけるエリアインバランスを導出してもよい。
前述した実施形態では、託送料金計算装置100が、30分毎に、インバランス料金単価を導出する場合について説明したがこの例に限られない。例えば託送料金計算装置100が、1時間毎に、インバランス料金単価を導出してもよいし、15分毎に、インバランス料金単価を導出してもよい。
託送料金計算装置100は、接続対象計画電力量と接続対象電力量との比較結果に基づいて、小売電気事業者200のインバランス料金を導出するための小売電気事業者200の需要インバランスを導出する。また、託送料金計算装置100は、発電量調整受電計画電力量と発電量調整受電電力量との比較結果に基づいて、発電事業者300のインバランス料金を導出するための発電事業者300の発電インバランスを導出する。
このように構成することによって、小売電気事業者200のインバランス料金を導出するための小売電気事業者200の需要インバランスと、発電事業者300のインバランス料金を導出するための発電事業者300の発電インバランスとを別々に導出できる。
このように構成することによって、託送料金計算装置100は、インバランス料金導出情報と需要インバランスとに基づいて、小売電気事業者200のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出できる。また、託送料金計算装置100は、インバランス料金導出情報と発電インバランスとに基づいて、発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出できる。
また、託送料金計算システム10によれば、インバランス料金導出情報には、エリア毎に導出されたエリアインバランスの集計結果に基づいて設定された系統全体の需給状況をインバランス料金に反映するための第1調整項と、電気の市場単価を示す情報とが含まれる。このように構成することによって、託送料金計算装置100は、インバランス料金導出情報から、第1調整項と、電気の市場単価を示す情報とを取得できる。
また、託送料金計算システム10によれば、インバランス料金導出部133は、需給調整コスト水準の地域差をインバランス料金に反映するための第2調整項を設定し、設定した前記第2調整項と、インバランス料金導出情報とに基づいて、インバランス料金の単価を導出し、需要インバランスとインバランス料金の単価とに基づいて、需要側インバランス料金を導出し、発電インバランスとインバランス料金の単価とに基づいて、発電側インバランス料金を導出する。
このように構成することによって、託送料金計算システム10は、第2調整項と、インバランス料金導出情報とに基づいて、インバランス料金の単価を導出できるため、小売電気事業者200に対して需要側インバランス料金を導出できるとともに、発電事業者300に対して発電側インバランス料金を導出できる。
一構成例として、発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の利用に要する料金を計算する託送料金計算装置であって、小売電気事業者が一般送配電事業者へ通知した電力の一又は複数の需要量を示す情報を含む需要計画値(実施形態では「接続対象計画電力量」)と、発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の一又は複数の計画値を示す情報を含む発電計画値(実施形態では「発電量調整受電計画電力量」)と、小売電気事業者が一般送配電事業者から受電した電力量の一又は複数の実績値を示す情報を含む需要実績値(実施形態では「接続対象電力量」)と、発電事業者が発電した電力量の一又は複数の実績値を示す情報を含む発電実績値(実施形態では「発電量調整受電電力量」)とを取得する取得部と、需要計画値(実施形態では「接続対象計画電力量」)と需要実績値(実施形態では「接続対象電力量」)との比較結果に基づいて、小売電気事業者のインバランス料金を導出するための小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、発電計画値(実施形態では「発電量調整受電計画電力量」)と発電実績値(実施形態では「発電量調整受電電力量」)との比較結果に基づいて、発電事業者のインバランス料金を導出するための発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するインバランス導出部とを備える、託送料金計算システムである。
一構成例として、インバランス導出部は、需要インバランスと発電インバランスとに基づいて、一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出し、託送料金計算システムは、エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と需要インバランスとに基づいて、小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、インバランス料金導出情報と発電インバランスとに基づいて、発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するインバランス料金導出部をさらに備える。
一構成例として、インバランス料金導出情報には、エリア毎に導出されたエリアインバランスの集計結果に基づいて設定された系統全体の需給状況をインバランス料金に反映するための第1調整項(実施形態では「調整項α」)と、電気の市場単価を示す情報とが含まれる。
一構成例として、インバランス料金導出部は、需給調整コスト水準の地域差をインバランス料金に反映するための第2調整項(実施形態では「調整項β」)を設定し、設定した第2調整項と、インバランス料金導出情報とに基づいて、インバランス料金の単価を導出し、需要インバランスとインバランス料金の単価とに基づいて、需要電側インバランス料金を導出し、発電インバランスとインバランス料金の単価とに基づいて、発電側インバランス料金を導出する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (9)
- 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムであって、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得する取得部と、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するインバランス導出部と
を備え、
前記インバランス導出部は、前記需要インバランスと前記発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出し、
前記需要抑制インバランスは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である、託送料金計算システム。 - 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムであって、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得する取得部と、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するインバランス導出部と、
前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するインバランス料金導出部と
を備え、
前記インバランス料金導出部は、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算する、託送料金計算システム。 - 前記インバランス導出部は、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出し、
前記託送料金計算システムは、
前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するインバランス料金導出部をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の託送料金計算システム。 - 前記インバランス料金導出情報には、エリア毎に導出された前記エリアインバランスの集計結果に基づいて設定された系統全体の需給状況をインバランス料金に反映するための第1調整項と、電気の市場単価を示す情報とが含まれる、請求項3に記載の託送料金計算システム。
- 前記インバランス料金導出部は、需給調整コスト水準の地域差をインバランス料金に反映するための第2調整項を設定し、設定した前記第2調整項と、前記インバランス料金導出情報とに基づいて、インバランス料金の単価を導出し、
前記需要インバランスと前記インバランス料金の単価とに基づいて、前記需要側インバランス料金を導出し、前記発電インバランスと前記インバランス料金の単価とに基づいて、前記発電側インバランス料金を導出する、請求項3又は請求項4に記載の託送料金計算システム。 - 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムが実行する託送料金計算方法であって、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するステップと、
前記需要インバランスと前記発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出するステップと
を有し、
前記需要抑制インバランスは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である、託送料金計算方法。 - 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算する託送料金計算システムが実行する託送料金計算方法であって、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するステップと、
前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するステップと
を有し、
発電側インバランス料金を導出する前記ステップでは、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算する、託送料金計算方法。 - 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算するコンピュータに、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出するステップと、
前記需要インバランスと前記発電インバランスと需要抑制インバランスとを加算することによって、エリアインバランスを導出するステップと
を実行させ、
前記需要抑制インバランスは、需要抑制量調整受電電力量が、需要抑制量調整受電計画電力量を上回る場合に生じる余剰電力の購入料金である、プログラム。 - 発電事業者が契約に基づいて、一般送配電事業者の送配電系統を利用して需要者に電力を供給する場合の前記利用に要する料金を計算するコンピュータに、
小売電気事業者が前記一般送配電事業者へ通知した電力の複数の需要量を示す情報を含む需要計画値と、前記発電事業者が一般送配電事業者へ通知した発電量の複数の計画値を示す情報を含む発電計画値と、前記小売電気事業者が前記一般送配電事業者から受電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む需要実績値と、前記発電事業者が発電した電力量の複数の実績値を示す情報を含む発電実績値とを取得するステップと、
前記需要計画値と前記需要実績値との比較結果に基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金を導出するための前記小売電気事業者のインバランスである需要インバランスを導出し、前記発電計画値と前記発電実績値との比較結果に基づいて、前記発電事業者のインバランス料金を導出するための前記発電事業者のインバランスである発電インバランスを導出し、前記需要インバランスと前記発電インバランスとに基づいて、前記一般送配電事業者が電気を供給するエリアのインバランスであるエリアインバランスを導出するステップと、
前記エリアインバランスに基づいて取得されるインバランス料金を導出するための情報であるインバランス料金導出情報と前記需要インバランスとに基づいて、前記小売電気事業者のインバランス料金である需要側インバランス料金を導出し、前記インバランス料金導出情報と前記発電インバランスとに基づいて、前記発電事業者のインバランス料金である発電側インバランス料金を導出するステップと
を実行させ、
発電側インバランス料金を導出する前記ステップでは、補給分となる需要側インバランス料金と余剰分となる需要側インバランス料金とを別々に精算させる、プログラム。
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エリアインバランス誤算定について(概要),[online],北海道電力株式会社,2018年01月10日,https://wwwc.hepco.co.jp/hepcowwwsite/info/2017/__icsFiles/afieldfile/2018/01/10/180110.pdf,[検索日 2021.12.09] |
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