JP3725411B2 - 電力小売需給バランス制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、1つ以上の電力供給部と1つ以上の電力消費部とを仲介制御する電力小売需給バランス制御システムに関し、特に契約している電力売買仲介部が電力供給部から得られる供給電力量と電力消費部による消費電力量との電力需給バランスを保つことにより、電力売買仲介部の利益を最大化した電力小売需給バランス制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力売買仲介部が電力系統を介して1つ以上の電力供給部(発電所)から電力を購入し、1つ以上の電力消費部に電力を販売するシステムは、たとえば、特開平11−308771号公報に参照することができる。
【0003】
特開平11−308771号公報に記載された電力供給制御システムは、電力供給部と電力消費部との需給バランスを保つために、電力売買仲介部に電力貯蔵装置を設け、需給インバランスに対し、電力貯蔵装置または需要家(電力消費部)を制御している。
【0004】
しかしながら、上記従来システムによれば、需給バランスを維持するために、電力供給制御装置(電力売買仲介部)が電力貯蔵装置を具備しなければならず、コストアップを招くことになる。
また、需要制御を実行することにより、電力消費部の消費電力が制限されるおそれがある。
【0005】
また、電力売買価格に応じて供給電力量を変更するシステムは、たとえば、特開平10−42472号公報に参照することができる。
特開平10−42472号公報に記載された自家発電システムは、電力供給者が系統運用者に電力を供給するシステムにおいて、電力供給者の発電コスト、売電コストおよび買電コストを組合せることにより、電力供給者の発電目標値を決定している。
【0006】
しかしながら、この従来システムは、電力供給部と系統運用者との間の関係において、電力供給部に関して記述したものに過ぎない。
また、この従来システムでは、制御誤差が考慮されていないので、制御誤差を含めて利益最大化を実現することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の需給バランス制御システムは以上のように、特開平11−308771号公報に記載のように電力貯蔵装置を必要とすることから、コストアップを招くうえ、電力消費部の消費電力量が抑制されるという問題点があった。
【0008】
また、特開平10−42472号公報に記載の従来システムでは、制御誤差を考慮していない目標値を設定しているので、制御誤差を考慮したうえでの利益最大化を実現する需給バランス目標値を設定することができないという問題点があった。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、電力売買仲介部が契約している電力供給部から得られる供給電力量と、電力売買仲介部が契約している電力消費部が消費する消費電力量との電力需給バランスを保つことにより、コストアップを招くことなく、高い信頼性で電力売買仲介部の利益を最大化した電力小売需給バランス制御システムを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る電力小売需給バランス制御システムは、通信媒体を含む電力系統を介して1つ以上の電力供給部から電力を購入するとともに、1つ以上の電力消費部に電力を販売する電力売買仲介部を備えた電力小売需給バランス制御システムにおいて、通信媒体を介して電力売買仲介部に接続された系統運用者を備え、電力供給部は、調整可能電力供給部を含み、各種情報は、電力消費部からの電力消費部情報および電力供給部からの電力供給部情報を含み、電力売買仲介部は、通信媒体を介して少なくとも電力供給部および電力消費部との間で各種情報の授受を行う送受信手段と、各種情報に基づいて、電力売買仲介部が契約している電力供給部と電力消費部との需給バランスを保つように調整可能電力供給部および電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための計算手段とを備え、計算手段は、各種情報を蓄積した運用実績データと、電力消費部情報および運用実績データに基づいて電力消費部における電力需要を予測する需要予測機能と、需要予測機能からの需要予測結果、電力供給部情報および運用実績データに基づいて、電力供給部における電力供給計画を作成する電力供給計画作成機能と、電力供給計画に基づいて電力供給部および電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための需給バランス運用機能とを備え、通信媒体を介して電力供給計画を電力供給部および系統運用者に送信するものである。
【0012】
また、この発明の請求項2に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項1において、電力供給計画作成機能は、調整可能電力供給部に対して調整可能な幅の調整容量を持たせた電力供給計画を作成し、需給バランス運用機能は、電力供給計画に応じた電力供給指令値により調整可能電力供給部の供給電力を制御して、当日の需給バランス運用を実行するものである。
【0013】
また、この発明の請求項3に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項1または請求項2において、通信媒体を介して電力売買仲介部に接続された情報サイトを備え、各種情報は、情報サイトからの気象情報を含み、需要予測機能は、気象情報に基づいて電力需要を予測するものである。
【0015】
また、この発明の請求項4に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、電力供給部は、電力消費部に電力を供給する電力供給装置と、電力供給装置の供給電力量を計測する供給電力計測手段と、供給電力量の計測値を発信するとともに、電力売買仲介部からの電力供給指令値を受信する送受信手段とを備え、電力消費部は、電力供給部からの供給電力を消費する電力負荷と、電力負荷の消費電力量を計測する消費電力計測手段と、消費電力量の計測値を発信する発信手段とを備え、計算手段は、供給電力量および消費電力量の各計測値に基づいて、電力供給部に対する電力供給指令値を計算するものである。
【0016】
また、この発明の請求項5に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項4において、計算手段は、供給電力量および消費電力量の各計測値に基づいて、電力供給部および電力消費部の電力量のバランスを計算し、一定期間における消費電力量と供給電力量とが同一になるように電力供給指令値を計算するものである。
【0017】
また、この発明の請求項6に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項4または請求項5において、計算手段は、電力売買仲介部の系統運用者に対する売買電価格と、電力供給部からの買電価格と、調整される電力量の目標値に対する制御誤差とを考慮して、電力供給指令値を計算するものである。
【0018】
また、この発明の請求項7に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項4から請求項6までのいずれかにおいて、計算手段は、電力供給部の動作特性を考慮して電力供給指令値を計算するものである。
【0019】
また、この発明の請求項8に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項7において、計算手段は、電力供給部により変更可能な電力量の最小変化幅を考慮して電力供給指令値を計算するものである。
【0020】
また、この発明の請求項9に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項8において、電力供給部は、複数の調整可能電力供給部を含み、計算手段は、複数の調整可能電力供給部の組合せにより、電力売買仲介部が必要とする供給電力量に近い値の供給電力量を得るように、電力供給指令値を計算するものである。
【0021】
また、この発明の請求項10に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項9において、計算手段は、複数の調整可能電力供給部を、最小変化幅の大きさに応じて順に配列し、最小変化幅の小さい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値により、最小変化幅の大きい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値に含まれる誤差を補償するものである。
【0022】
また、この発明の請求項11に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項5において、計算手段は、前回以前の一定期間での需給バランスの結果に応じて、調整される電力量の目標値を変更するものである。
【0023】
また、この発明の請求項12に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項5において、計算手段は、電力供給部における供給電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または供給計画値、または前回受信した計測結果と供給計画値とにより計算される値を、電力供給部における供給電力量の計測値として代用し、電力消費部における消費電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または消費計画値に対応した需要予測値、または前回受信した計測結果と需要予測値とにより計算される値を、電力消費部における供給電力量の計測値として代用して、需給バランスを計算するものである。
【0024】
また、この発明の請求項13に係る電力小売需給バランス制御システムは、請求項4において、計算手段は、電力売買仲介部が通信媒体を介して消費電力量および供給電力量を収集する際に、過去に電力供給部および電力消費部で計測された複数の計測値を一括して受信するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を概略的に示すブロック構成図であり、電力売買仲介部における電力供給計画の作成機能を具体的に示している。
【0026】
図1において、100は電力売買仲介部、200は1つ以上の電力供給部、300は1つ以上の電力消費部、400は情報サイト、500は電力および各種情報を通信する通信媒体、600は系統運用者である。
【0027】
なお、ここでは図示されないが、電力供給部200と電力消費部300との間には、系統運用者600が所有する送電手段が設けられている。
【0028】
また、一般に、電力供給部200としては、所定パターンのみで電力供給するパターン電力供給部、事前に提示された供給計画通りに電力供給するスケジュール電力供給部、または、リアルタイムで電力売買仲介部100からの指令通りに電力供給する調整可能電力供給部(以下、単に「電力供給部」ともいう)など、種々のタイプが存在する。
【0029】
電力売買仲介部100は、通信媒体500に接続された送受信手段120と、需要予測機能130と、電力供給計画作成機能140と、需給バランス運用機能150と、各機能130〜150に関連する運用実績データ160とを備えている。
【0030】
電力供給部200、電力消費部300、情報サイト400および系統運用者600は、通信媒体500を介して電力売買仲介部100に接続されている。
なお、電力売買仲介部100は、電力供給部200または電力消費部300に含まれる場合もあり得る。
【0031】
通信媒体500を介して通信される各種情報としては、電力消費部300からの電力消費部情報、情報サイト400からの気象情報、電力供給部200からの電力供給情報、電力売買仲介部100からの電力供給計画などがある。
電力供給計画は、電力供給部200および系統運用者600に送られる。
【0032】
以下、この発明の実施の形態1の動作について詳細に説明する。
電力売買仲介部100は、リアルタイムの電力需給運用を実行するために、前もって、電力供給計画作成機能140において、需要に応じた電力供給部200の電力供給計画を作成する必要がある。
【0033】
また、電力供給計画を作成するためには、需要予測機能130において、電力供給計画を作成する期間の予測電力需要を得ることが必要となる。
【0034】
電力売買仲介部100は、まず、1つ以上の電力消費部300から、通信媒体500を介して電力消費部情報を取得する。
【0035】
このとき、電力消費部300が、電力売買仲介部100で電力供給計画を立てる期間の電力消費予定を立てている場合は、電力売買仲介部100は、その電力消費予定の結果を取得し、これを電力消費部300の予測需要とする。
【0036】
また、電力売買仲介部100は、電力消費部300で電力需要に影響する行事が存在する場合は、その行事情報を取得する。
さらに、電力売買仲介部100は、情報サイト400から、通信媒体500を介して、たとえば気象情報を取得する。
【0037】
電力売買仲介部100内の需要予測機能130は、通信媒体500を介して得られた電力消費部情報および気象情報と、電力売買仲介部100が電力売買の運用で蓄積している各電力消費部300毎の需要を示す運用実績データ160とに基づいて、電力消費部300毎に需要予測を実行する。
【0038】
すなわち、需要予測機能130は、電力消費部300毎に得られた予測需要を加算し、トータルの予測需要とする。
また、電力売買仲介部100は、電力供給部200から、電力売買仲介部100が電力供給計画を立てる期間の電力供給部情報を取得する。
【0039】
電力供給部情報は、その期間に電力供給部200が供給できる最大出力情報を主に含み、その他には、電力売買仲介部100に既に登録された電力供給部情報の変更情報を含む。
【0040】
電力売買仲介部100内の電力供給計画作成機能140は、需要予測機能130において得られる需要予測結果(予測需要)と、通信媒体500を介して入力される各電力供給部情報と、既に所持している電力供給部200の特性とに基づいて、電力供給計画を作成する。
【0041】
作成された電力供給計画は、通信媒体500を介して、各電力供給部200、および系統運用者600に通知する。
この電力供給計画は、リアルタイムの電力需給バランス運用に用いられる。
【0042】
次に、事前の電力供給計画作成機能140による需要予測で得られた予測需要に対して、電力売買仲介部100の電力供給部200への支払い額が最小となるように、以下の式(1)に示すように、目的関数ΣΣf(C,P,Reg)を最小にする電力供給計画を作成する。
【0043】
ΣΣ{C(i,T)・P(i,T)+0.5・C(i,T)・Reg(i,T)}→min ・・・(1)
【0044】
ただし、式(1)において、iは複数の電力供給部200の1つを特定する符号であり、たとえば電力供給部200の数がn個の場合、i=1〜nとなる。
また、Tは需給バランスをとるための一定期間(たとえば、30分程度)であり、式(1)は、電力供給部200(i)(以下、「電力供給部i」と記す)および一定期間Tに関して、それぞれ総和演算するものとする。
【0045】
また、式(1)において、Cは買電単価+託送料金[円/Wh]、Pは供給電力量[Wh]、Regは調整容量[Wh]である。
【0046】
ここで、供給電力量P(i,T)および調整容量Reg(i,T)の制約条件は、以下のように、電力供給部iに関して総和演算された式(2)により与えられる。
【0047】
Σ{P(i,T)+0.5・Reg(i,T)}=D(T) ・・・(2)
【0048】
式(2)は、一定期間Tにおいて需給バランスを保つための制約条件を示しており、式(2)において、D(T)は一定期間Tにおける予測需要である。
【0049】
また、式(2)内の供給電力量P(i,T)および調整容量Reg(i,T)は、以下の式(3)、(4)のように制約条件が与えられる。
【0050】
P(i,T)≧P(i,T)min ・・・(3)
P(i,T)+Reg(i,T)≦P(i,T)max ・・・(4)
【0051】
ただし、式(3)、(4)において、P(i,T)minは、電力供給部iの最小出力量、P(i,T)maxは、電力供給部iの最大出力量である。
式(3)は、一定期間Tにおいて電力供給部iに割り当てられる電力量が、電力供給部iの最小出力量以上であることを意味する制約式である。
【0052】
式(4)は、一定期間Tにおいて電力供給部iに割り当てられる電力量(調整可能電力供給部iにおいては、調整容量Regが加算される)が電力供給部iの最大出力量以下であることを意味する制約式である。
【0053】
また、一定期間Tに関する調整容量0.5・Reg(T)は、以下の式(5)、(6)のように制約条件が与えられる。
【0054】
ΣPh(i,T)≧0.5・Reg(T) ・・・(5)
ΣPh(i,T)max−ΣPh(i,T)≧0.5・Reg(T) ・・・(6)
【0055】
ただし、式(5)、(6)の左辺は調整可能電力供給部iに関する総和演算式であり、式(5)、(6)において、Ph(i,T)は、一定期間Tに調整可能電力供給部iに割り当てられた供給量、P(T)maxは最大供給量である。
【0056】
式(5)は、調整可能電力供給部に割り当てられた計画の総和が一定期間Tの調整容量の1/2以上でなければならない、という制約を示している。
【0057】
また、式(6)は、調整可能電力供給部の一定期間Tでの最大出力合計値から調整可能電力供給部の一定期間Tでの計画値を減算した値が調整容量の1/2以上であることを示している。
【0058】
式(5)は、調整可能電力供給部iに割り当てられた供給量Ph(i,T)が、調整容量Regの半分以上になるようにすることを示す制約式である。
式(6)は調整可能電力供給部iに割り当てられていない供給量の半分以上が調整容量になるようにすることを示す制約式である。
【0059】
また、式(2)内の調整容量0.5・Reg(i,T)は、以下の式(7)、(8)のように制約条件が与えられる。
【0060】
P(i,T)+0.5・Reg(i,T)≦P(i,T−1)+0.5・Reg(i,T−1)+Rup(i) ・・・(7)
P(i,T)+0.5・Reg(i,T)≧P(i,T−1)+0.5・Reg(i,T−1)−Rdn(i) ・・・(8)
【0061】
ただし、式(7)、(8)において、Rup(i)は、電力供給部iにおける出力増大方向の最大出力変化量、Rdn(i)は、電力供給部iにおける出力低減方向の最大出力変化量である。
【0062】
式(7)は、一定期間Tにおいて電力供給部iに割り当てられる供給電力量が、前回の一定期間T−1に割り当てられた供給電力量と出力増加方向の最大出力変化量Rup(i)とを加算した値以下であることを示す制約式である。
【0063】
式(8)は、一定期間Tにおいて電力供給部iに割り当てられる供給電力量が、前回の一定期間T−1に割り当てられた供給量から出力減少方向の最大出力変化量Rdn(i)を減算した値以上であることを示す制約式である。
【0064】
さらに、一定期間Tに関する調整容量Reg(T)は、以下の式(9)のように制約条件が与えられる。
【0065】
Reg(T)=α・D(T) ・・・(9)
【0066】
ただし、式(9)において、αは係数、D(T)は予測需要である。
式(9)は調整容量Regを需要割合(%)で定義することを示した制約式である。
【0067】
図2は調整容量Regを示す説明図であり、需要に対する増加容量および減少容量に関連して示している。
調整容量Regは、電力供給部200のうちの調整可能電力供給部に対する調整量であり、図2のように、増加容量および減少容量により定義される範囲からなる。
【0068】
また、電力売買仲介部100が電力を購入する価格は、電力供給部200の種類に応じて、パターン電力供給部からの電力価格をa、スケジュール電力供給部からの電力価格をb、調整可能電力供給部からの電力価格をcとすれば、一般に、a<b<cの条件を満たす。
【0069】
したがって、上記式(1)で示した目的関数の第2項(調整容量Reg)なしで電力供給計画を作成すると、パターン電力供給部(電力価格a)およびスケジュール電力供給部(電力価格b)によって電力供給計画が決定する時間が生じる可能性がある。
【0070】
このとき、当日の運用で電力消費部300の需要が予測より小さくなった場合には、供給電力量を下げることができなくなる。
したがって、式(1)のように第2項を設けて、調整容量Reg分を調整可能電力供給部に割り当てることにより、当日の需要変動に対応することが可能となる。
【0071】
このように、需要予測機能130は、電力消費部300からの電力消費部情報、情報サイト400からの気象情報および運用実績データ160から、電力消費部300における電力需要を予測する。
【0072】
また、電力供給計画作成機能140は、電力供給部200からの電力供給部情報、需要予測機能130による需要予測結果および運用実績データ160から、電力供給部200における電力供給計画を作成する。
【0073】
また、需給バランス運用機能150は、電力売買仲介部100が契約している電力供給部200と電力消費部300との需給バランスを保つように、上記電力供給計画に基づき、実施の形態2以降に示す需給バランス制御(後述する)を実行する。
【0074】
このとき、電力売買仲介部100からの電力供給指令値は、図2のように、当日の需給バランス運用が可能になるように生成され、また、電力供給計画は、供給電力が制御可能な調整可能電力供給部に対して、調整できる幅を持たせて作成される。
【0075】
これにより、電力売買仲介部100は、電力供給部200と電力消費部300と間の電力需給バランスが保ち、当日の需給インバランスに対する電力売買仲介部100の支払い額を減らすことができる。
【0076】
また、電力売買仲介部100に電力貯蔵設備を設ける必要がなく、需給バランスを維持することができるので、コストアップを招くこともない。
【0077】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、電力売買仲介部100において、電力供給計画作成機能140により事前の電力供給計画を作成したが、この供給計画に基づいてリアルタイムの実測値を用いた需給バランス制御を実行することができる。
【0078】
以下、電力売買仲介部100において、リアルタイムの需給バランス制御を実行するようにしたこの発明の実施の形態2について説明する。
図3はこの発明の実施の形態2を概略的に示すブロック構成図であり、電力供給部200および電力消費部300に関する需給バランス制御機能を具体的に示している。
【0079】
図3において、前述(図1参照)と同様のものに対しては、同一符号を付している。また、図示されない構成は図1に示した通りである。
700は系統運用者600(図1参照)の所有する送電手段であり、n個の電力供給部200と、m個の電力消費部300とを接続している。
【0080】
電力売買仲介部100において、110は各種演算機能を有する計算手段である。
電力売買仲介部100内の送受信手段120は、電力供給部200からの供給電力量および電力消費部300での消費電力量を受信するとともに、計算手段110からの電力供給指令値を電力供給部200に送信する。
【0081】
ここで、電力供給指令値は、調整可能電力供給部に対してのみ送信され、他の電力供給部200に関しては、供給電力量の収集のみが行われる。
【0082】
計算手段110は、入力された供給電力量および消費電力量の計測値に基づいて、一定期間の需給バランスを保つために、電力供給部200に対して調整可能電力供給指令値を計算する。
【0083】
電力供給部200において、210は電力供給装置、220は供給電力計測手段、230は送受信手段、240は制御装置である。
電力供給装置210は、送電手段700を介して供給電力計測手段220に電力を供給する。
【0084】
供給電力計測手段220は、電力供給装置210の供給電力量を計測する。
送受信手段230は、計測された供給電力量を通信媒体500を介して電力売買仲介部100に発信するとともに、電力売買仲介部100からの電力供給指令を受信する。
【0085】
制御装置240は、通信媒体500および送受信手段230を介して受信された指令値(電力供給計画)が反映されるように、電力供給装置210を制御する。
【0086】
電力消費部300において、310は送電手段700を介して供給された電力を消費する電力負荷、320は電力負荷310の消費電力を計測する消費電力計測手段、330は計測された消費電力量情報を通信媒体500を介して電力売買仲介部100に発信する発信手段である。
【0087】
電力供給装置200からの電力は、送電手段700を介して電力消費部300に供給され、電力負荷310により消費される。
このとき、需給バランスがともなわず、たとえば供給過剰であれば、系統運用者600は、電力売買仲介部100から安価に供給過剰電力を購入することになるが、電力売買仲介部100は、供給電力量に応じた料金を電力供給部200に支払わなければならず、電力売買仲介部100の利益が減少することになる。
【0088】
逆に、電力消費過剰の場合も、電力売買仲介部100は、電力供給部200に対しては消費電力量よりも少ない供給量だけ料金を支払えばよいが、消費過剰分については系統運用者600から高価な電力を購入しなければならず、やはり電力売買仲介部100の利益が減少することになる。
【0089】
以上のことから、需給バランスを保つことが、電力売買仲介部100の利益を増大させ、利益最大化につながることが分かる。
【0090】
次に、図4のフローチャートおよび図5の説明図を参照しながら、この発明の実施の形態2による計算手段110の需給バランス制御動作について説明する。
図5は電力売買仲介部100から調整可能電力供給部200に電力供給指令値を送信するタイミングを示している。
【0091】
図5において、横軸は時間t、縦軸は電力量であり、区間t−1〜tは、時刻t−1までの計測量に基づく演算期間(たとえば、5分程度)である。
また、Tは需給バランスをとるための対象となる一定期間、大きい黒丸は需要実績Dm(t)、小さい黒丸は需要予測Df(t)、白丸は発電量実績Gm(t)である。
【0092】
図4においては、図5内の各演算期間(時刻t−1〜t)での供給電力量および消費電力量に注目し、一定期間Tで需給バランスを満たさなければならない場合の計算手段110の計算フローを示している。
【0093】
図4において、まず、電力売買仲介部100内の計算手段110は、時刻t−1までの計測量(供給電力量および消費電力量)を読込み(ステップS11)、時刻t−1までの計測量から電力供給実績Pmを計算する(ステップS12)。
【0094】
電力供給実績Pmは、時刻t−1までに計測された供給電力量と、時刻t−1から時刻tまでの予定供給量Pf(t)とから計算される。
ここで、予定供給量Pf(t)は、以下の式(10)により求められる。
【0095】
Pf(t)=Pm(t−1)+Pa+Pb(t−1) ・・・(10)
【0096】
ただし、式(10)において、Pm(t−1)は時刻t−1までの全電力供給部からの測定結果である。また、Paは調整可能電力供給部以外の電力供給部に関する供給計画から得られる供給電力量であり、時刻t−1から一定期間Tが終了までの供給電力量である。また、Pb(t−1)は時刻t−1に調整可能電力供給部に送信した電力供給指令値から得られる供給電力量である。
【0097】
続いて、需給バランスをとるための一定期間Tの総需要Pc(T)を、以下の式(11)により計算する(ステップS13)。
【0098】
Pc(T)=Pd+Pz ・・・(11)
【0099】
ただし、式(11)において、Pdは時刻t−1までの全電力消費部における消費電力量の合計値、Pzは時刻t−1から一定期間Tが終了するまでの全電力消費部における予測消費電力量の合計値である。
【0100】
次に、制御目標値βを計算するとともに(ステップS14)、制御目標値βを用いて、残り時間Trでの調整可能電力供給部による必要供給量Peを、以下の式(12)により計算する(ステップS15)。
【0101】
Pe=β・Pc−Pf ・・・(12)
【0102】
ただし、式(12)において、Pcは総需要、Pfは時刻tから一定期間Tが終了するまでの調整可能電力供給部の供給量を除く電力供給部からの予定供給量である。
【0103】
したがって、調整可能電力供給部で得られた供給電力量を分担して、調整可能電力供給部への電力供給指令値を作成し(ステップS16)、この電力供給指令値を各調整可能電力供給部に送信する(ステップS17)。
【0104】
以下、時刻tを次の演算のためにインクリメントし(ステップS18)、図4の処理ルーチンを抜け出てステップS11に戻り、上記処理を一定期間Tの中で時間刻み分だけ繰り返す。
【0105】
また、複数の調整可能電力供給部がある場合に、各調整可能電力供給部を組合せ制御することにより、電力売買仲介部100が必要とする供給電力量に近い値の供給量を得ることができる。
【0106】
また、電力売買仲介部100は、実際の運用前に、需要予測結果、電力供給部200の状態および特性に基づいて、調整可能電力供給部に対する電力供給計画(制御目標値β)を作成するので、時刻tにおけるリアルタイムの需給バランス運用を保つことができる。
【0107】
また、電力売買仲介部100は、リアルタイムの需給バランス制御において、電力供給部200および電力消費部300の電力量の計測結果から、当日需要および一定期間Tの需要を予測し、需給バランス運用機能150および供給量を変更するとともに、調整できる量を考慮した電力供給計画を立てるので、信頼性の高い電力供給指令を生成することができる。
【0108】
なお、電力消費部300の組合せによっては、一定期間T内の最初のN回演算期間N・tにおいて誤差が大きくなるおそれがあるので、誤差発生を防ぐために、消費電力量および供給電力量の実績を考慮せずに、当日の予測需要のみに対して供給電力量を計算し、期間N・tの経過後に消費電力量および供給電力量の実績を考慮した制御を実行してもよい。
【0109】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、図4内のステップS14における制御目標値βの具体的計算について言及しなかったが、以下のように計算してもよい。
たとえば、制御目標値βは、以下の式(13)で与えられる。
【0110】
β=(1+a/100)・(1+b/100)・(1+c/100)・(1+d/100) ・・・(13)
【0111】
ただし、式(13)において、aは送電手段700(図3参照)で考慮される損失率であり、電力売買仲介部100が利用する送電手段700により決まるパラメータである。
【0112】
また、bは需要に対する上乗せ割合を示すパラメータ、cは需要変化率に対する上乗せ割合を示すパラメータ、dは電力売買の経済性と制御誤差とを考慮して決定されるパラメータである。
なお、需要変化率に対する上乗せ割合cは、以下の式(14)で得られる。
【0113】
c=γ・f(Df,Dm) ・・・(14)
【0114】
ただし、式(14)において、γは定数である。
また、f(Df、Dm)は、需要予測値Dfおよび需要実績値Dmの関数である。
【0115】
たとえば、当日の或る一定期間Tjに注目した場合、前回の一定期間Tj−1における需要実績Dm(Tj−1)をp、現在の一定期間Tjにおける需要予測値Df(Tj)をq、次回の一定期間Tj+1における需要予測値Df(Tj+1)をrとすると、現在の一定期間Tjにおける需要の変化量ΔDm(Tj)は、ΔDm(Tj)=(r+q)/2−(p+q)/2で表される。
【0116】
したがって、需要変化率に対する上乗せ割合cは、上記p、qおよびrを用いて、以下の式(15)により求められる。
【0117】
c=γ・{(r+q)/2−(p+q)/2} ・・・(15)
【0118】
また、経済性および制御誤差を考慮したパラメータdは、電力供給部200からの買電価格と、系統運用者600からの買電および売電価格と、制御誤差とを考慮することで設定される。
【0119】
図6はこの発明の実施の形態3による制御誤差分布に関連したパラメータdの決定動作を示す説明図であり、電力売買価格から需給バランスの制御目標値βを求めることを示している。
【0120】
図6において、横軸は需要に対する発電量、縦軸は電力売買仲介部100の利益を示している。
また、図6(a)は電力単価が通常時(買電単価が6〜10円/kWh)の利益特性であり、図6(b)は電力単価が低減時(調整可能電力供給部の供給単価が6円/kWh未満)の利益特性である。
【0121】
通常時とは、託送料金を含めて調整可能電力供給部から電力売買仲介部100が購入する買電単価が、6円/kWhを超え且つ10円/kWh未満の条件を満たす場合を示す。
【0122】
また、ここでは、契約電力の3%を超えた系統運用者600からの補填を15円/kWh、契約電力の3%以内の系統運用者600からの補填を10円/kWh、契約電力の3%以内の系統運用者600への売電を6円/kWh、契約電力の3%を超えた系統運用者600への売電を0円/kWhとしている。
【0123】
通常時において、電力売買仲介部100が最大利益を得るためのパラメータdの目標値doは、図6(a)のように、需給バランスが一致する点(0%)となる。
しかし、実際には、目標値doに対する制御誤差が生じるので、制御誤差の分布を考慮した利益期待値を計算する必要がある。
【0124】
すなわち、制御誤差分布の中心を或る点に設定し、図6中の利益特性曲線(折れ線グラフ)と制御誤差分布とを乗算すると、その点に対する利益期待値を計算することができる。
【0125】
この利益期待値は、図6内の破線および実線のように制御誤差分布をずらすことによって変化するので、最大の利益期待値をとる点(実線の制御誤差の分布曲線参照)を取得することにより、この点をパラメータdの目標値doとして設定することができる。
【0126】
一方、図6(b)のように、調整可能電力供給部の供給単価が6円未満に低下した場合は、需給バランスを供給過剰にした方が電力売買仲介部100の利益が増大するので、パラメータdの目標値doは、発電過剰すなわち電力供給過剰側(契約電力の3%程度)にシフトすることになる。
【0127】
なお、図6の横軸は契約電力に対する割合Pk(%)に相当するので、図6から求められた割合Pr(%)を用いて、パラメータdの目標値doは、以下の式(16)により求められる。
【0128】
do=Pr・Pk/{100・Dm(T)} ・・・(16)
【0129】
ただし、式(16)において、Pkは契約電力、Dm(T)は一定期間Tにおける平均需要である。
こうして得られた式(14)〜(16)を式(13)に代入することにより、制御目標値βを計算することができる。
【0130】
すなわち、制御目標値βは、電力供給部200や電力消費部300の特性により調整するパラメータa〜dを用いて、電力売買仲介部100による電力売買価格および制御誤差を考慮して設定される。
【0131】
このように、計算手段110において、電力売買仲介部100の系統運用者600に対する売買電価格と、電力供給部200からの買電価格および制御誤差とを考慮することにより、高精度で電力売買仲介部100の利益が大きくなるような需給バランス制御を実現することができる。
【0132】
たとえば、需要増加中に常に需要過剰または需要減少中に常に供給過剰となる特性があった場合でも、パラメータdを設定することで、制御誤差を小さくすることができる。
【0133】
また、調整可能電力供給部200からの買電料金と、系統運用者600に対する買電、売電価格、および制御誤差を考慮した制御目標値βを設定することにより、電力売買仲介部100の利益を大きくすることができる。
【0134】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態2では、図4内のステップS16における調整可能電力供給部への電力供給指令値の具体的計算について言及しなかったが、以下のように計算してもよい。
【0135】
一般に、時刻tからの演算期間(時刻t〜t+1)において、調整可能電力供給部から要求電力量を出力させる場合、以下の(1)、(2)の動作特性を考慮する必要がある。
【0136】
すなわち、(1)短時間の電力量制御が困難であること、(2)電力供給指令値が出力されてから実際の供給量が指令値に達するまでに最大出力変化率分の時間がかかること、である。
【0137】
そこで、電力売買仲介部100で電力供給指令値を計算する場合には、電力売買仲介部100側で電力供給部200の最大出力変化率を考慮して、電力供給指令値を作成する必要がある。
【0138】
図7はこの発明の実施の形態4により設定される電力供給指令値と実際の供給量との関係を示す説明図であり、調整可能電力供給部200の最大出力変化率を考慮した電力供給指令値を示している。
【0139】
図7において、横軸は時間t、縦軸は電力供給指令値G1に応じて調整される実際の供給電力量である。
また、図7において、2つの斜線部の面積は互いに等しく、供給電力量の立ち上がりに時間がかかっても、目標とする変更電力量Poが得られるようになっている。
【0140】
たとえば、図7に示すように、時刻tにおいて、前回時刻t−1の電力供給指令値G(t−1)から高さGoで囲まれた長方形部分の供給電力量[Wh]が要求された場合、電力供給指令値Goを設定したとすると、電力供給部200の最大出力変化率により、図中左側の三角形面積分の供給量が不足することになる。
【0141】
したがって、左側の三角形面積と右上の台形面積とが等しくなるような電力供給指令値G1を設定することにより、調整可能電力供給部に求める変更電力量Po[Wh]を出力させることができる。
なお、電力供給指令値G1の値は、以下の式(17)により得られる。
【0142】
G1=G(t−1)+Δt・Rm−√{Δt2・Rm2−2・Δt・Rm・(Go−G(t−1)} ・・・(17)
【0143】
ただし、式(17)において、Δtは時刻t−1から時刻tまでの時間間隔(分)、Rmは電力供給部200の最大出力変化率(W/分)、G(t−1)は時刻t−1における電力供給指令値[W]である。
【0144】
通常、調整可能電力供給部200は、指令周期が短い場合指令を受けた直後に電力量を制御することが困難であるが、図7のように所望電力量が得られるような電力供給指令値を送信することにより、電力供給部200と電力消費部300の需給バランスを電力量[Wh]で保つことができる。
【0145】
このように、実際の供給電力量の変化率を考慮して電力供給指令値G1を設定することにより、正確に所望の変更電力量Poを得ることができる。
【0146】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4では、調整可能電力供給部により変更可能な電力量の最小変化幅について考慮しなかったが、調整可能電力供給部の最小変化幅の考慮して電力供給指令値を計算することが望ましい。
【0147】
一般に、調整可能電力供給部は、変更可能な電力量の最小変化幅が決まっているので、調整可能電力供給部の最小変化幅に合わせた電力供給指令値を調整可能電力供給部に送信する必要がある。
【0148】
図8はこの発明の実施の形態5により設定される電力供給指令値を示す説明図であり、前述の図7と同様に、調整可能電力供給部200の最小変化幅と電力供給指令値との関係を示している。
【0149】
図8においては、前述の電力供給指令値G1が、最小変化幅を考慮して送信可能な指令値G1’とG1”との間に存在する場合を例にとっている。
【0150】
この場合、指令値G1’およびG1”を代入して、所望の電力量に近い値が得られる方を電力供給指令値とする。
たとえば、電力供給指令値G1’を設定したときの供給電力量PG1’[Wh]は、以下の式(18)により得られる。
【0151】
PG1’={G1’・Δt−(G1’−G(t−1))2/(2・Rm)}/60 ・・・(18)
【0152】
このように、調整可能電力供給部の最小変化幅に合わせた電力供給指令値を設定することにより、調整可能電力供給部において変更可能な電力供給指令値を送信することができる。
【0153】
すなわち、個々の調整可能電力供給部によって異なる調整可能な最小変化幅を把握し、これを考慮した電力供給指令値を作成することにより、最適な電力量制御を実現することができる。
【0154】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5では、複数の調整可能電力供給部の組合せについて考慮しなかったが、複数の調整可能電力供給部を組合せ制御して、実際に必要な供給電力量を確保するようにしてもよい。
【0155】
以下、図9を参照しながら、複数の調整可能電力供給部によりリアルタイム制御を実行するための供給計画に関するこの発明の実施の形態6について説明する。
上述のように、電力供給部の最小変化幅を考慮して電力供給指令値を設定した場合、厳密には、電力売買仲介部100が必要とする供給電力量通りの電力量が得られないことになる。
【0156】
そこで、複数の電力供給部が存在するときに、組合せ制御を実行することにより、電力売買仲介部100が必要とする供給電力量に近い供給電力量を得ることが望ましい。
【0157】
図9はこの発明の実施の形態6によるたとえば3つの調整可能電力供給部A〜Cの各供給量を示す説明図であり、図9において、調整可能電力供給部B、Cの供給量の斜線部は、電力供給計画に割り当てられない領域である。すなわち、電力供給計画値は、斜線部領域に割り当てられないように白領域で作成される。したがって、調整可能電力供給部B、Cは、斜線部領域の存在により供給電力量の増減調整が可能な状態となる。
【0158】
電力売買仲介部100内の電力供給計画作成機能140(図1参照)において、以下のように電力供給計画を作成することにより、調整可能電力供給部B、Cの斜線部に供給計画値がはいらないような電力供給計画を作成することができる。
【0159】
まず、図9のように、調整可能電力供給部の最小変化幅が大きい順に配列する。
次に、N番目に最小変化幅が大きい電力供給部の最大出力は、N−1番目に最小変化幅の大きい電力供給部の最小変化幅の1/2だけ小さくなり、最小出力は1/2だけ大きくなるようにする。
【0160】
このとき、図9内の斜線部のように、供給計画に割り当てられない領域が設定される。
最後に、電力供給部の最大出力および最小出力の上記条件を、N+1番目に最小変化幅が大きい電力供給部以降にも適用し、電力供給計画を作成する。
【0161】
このように、複数の調整可能電力供給部200に対して、最小変化幅の大きい順に電力供給指令値を割り当てることにより、リアルタイム需給バランス運用において、N−1番目に最小変化幅の大きい電力供給部で調整できなかった残りの変化幅分を、N番目以降の電力供給部で調整することができ、誤差の少ない調整量により電力売買仲介部100が必要とする所望供給電力量を正確に得ることができる。
【0162】
実施の形態7.
なお、上記実施の形態6では、具体的な当日の需給バランス処理について考慮しなかったが、複数の電力供給部に対して、以下のように需給バランス処理してもよい。
【0163】
以下、図10を参照しながら、複数の電力供給部に対して当日の需給バランス処理を実行するようにしたこの発明の実施の形態7について説明する。
図10はこの発明の実施の形態7による当日需給バランス処理動作を示すフローチャートである。
【0164】
図10は、複数の調整可能電力供給部200により、電力売買仲介部100が必要とする調整量に近い調整量を得るための電力供給指令を作成する処理を示している。
【0165】
図10において、まず、電力売買仲介部100内の計算手段110は、前述の式(12)により残り時間Trで必要な供給量Peを求め、この必要供給量Peから供給計画値を引いた値を、調整可能電力供給部で調整すべき変更電力量Poとして計算する(ステップS21)。
【0166】
また、残り時間Trで変更電力量Po分だけ変化させるべき平均電力Paveを、以下の式(19)により計算する(ステップS22)。
【0167】
Pave=Po/Tr ・・・(19)
【0168】
次に、平均電力PaveをGo−G(t−1)(図7参照)として、前述の式(17)により電力供給指令値G1を計算し(ステップS23)、さらに、図8内の検索処理により、最小変化幅を考慮した指令値G1’およびG1”を取得する(ステップS24)。
【0169】
続いて、図9のように配列された複数の調整可能電力供給部iのうち、N+1番目の調整可能電力供給部200(N+1)が存在するか否か、すなわち、最小変化幅がN番目の調整可能電力供給部200(N)よりも小さい調整可能電力供給部が存在するか否かを判定する(ステップS25)。
【0170】
ステップS25において、調整可能電力供給部200(N+1)が存在しない(すなわち、NO)と判定されれば、電力供給指令値G1’、G1”とPave+G(t−1)とを比較して、Pave+G(t−1)に近い方(G1’またはG1”)を調整可能電力供給部200(N)に対する電力供給指令値として設定し(ステップS26)、図10の処理ルーチンを抜け出る。
【0171】
一方、ステップS25において、調整可能電力供給部200(N+1)が存在する(すなわち、YES)と判定されれば、まず、平均電力Pave、前回指令値G(t−1)、およびG1’、G1”を用いて、{Pave+G(t−1)−G1’}と{Pave+G(t−1)−G1”}とを計算する。
【0172】
また、調整可能電力供給部200(N+1)に関し、現在の時刻tでの計画値Pq(N+1,t)と、前回の時刻t−1での指令値G(N+1,t−1)とを求め、両者の指令偏差ΔP(N+1)を、以下の式(20)により計算する。
【0173】
ΔP(N+1)={Pq(N+1,t)−G(N+1,t−1)} ・・・(20)
【0174】
そして、式(20)に基づく指令偏差ΔP(N+1)と、上記{Pave+G(t−1)−G1’}、{Pave+G(t−1)−G1”}とを比較し、指令偏差ΔP(N+1)に近い方の値をとる指令値(G1’またはG1”)を、現在の調整可能電力供給部200(N)に対する電力供給指令値として設定し(ステップS27)、図10の処理ルーチンを抜け出る。
以下、図10の処理ステップS21〜S27を繰り返す。
【0175】
このように、電力負荷310の消費電力量および電力供給装置210の供給電力量(計測値)から、電力量の需給バランスをとるための電力供給指令値を計算し、電力供給部200において電力供給指令値を反映させることにより、一定期間の消費電力量と供給電力量とが同一となるように制御することができる。
【0176】
実施の形態8.
なお、上記実施の形態2では、電力供給不足が継続した場合に電力売買仲介部100に課せられるペナルティ料金について考慮しなかったが、電力供給不足の継続によるペナルティ料金の支払いを回避するように制御目標値を設定してもよい。
【0177】
一般に、電力売買仲介部100が契約している電力供給部200と電力消費部300との需給バランスを保つシステムにおいて、たとえば、一定量以上の電力供給不足が一定回数以上継続した場合には、電力売買仲介部100が系統運用者600に対してペナルティ料金を支払わなければならない。
【0178】
したがって、このようなルール下においては、一定以上の連続的な電力供給不足状態を回避する必要がある。このため、計算手段110は、前回の一定期間(T−1)およびそれ以前の一定期間での需給バランスの結果に応じて、調整される電力量の目標値(=β・Pc)を変更設定する。
【0179】
この場合、たとえば、制御目標値βは、前述の式(13)に代えて、以下の式(21)により与えられる。
【0180】
β=(1+e/100.0) ・・・(21)
【0181】
式(21)において、パラメータe(オフセット係数)は、一定以上の供給不足が継続している回数Mに応じた値にセットされる。
たとえば、供給不足に対するパラメータeの値は、供給不足の連続回数Mと関係付けて、以下の表1のようにセットされる。
【0182】
Figure 0003725411
【0183】
上記パラメータeを式(21)に代入して制御目標値βを求めることにより、調整される電力量の目標値(=β・Pc)が求められ、さらに前述の式(12)から必要供給量Peが求められる。
【0184】
これにより、制御目標値βおよび電力量の目標値β・Pcは、供給不足が一定以上継続した場合に、供給過剰方向にシフト設定されることになり、供給不足の継続を回避することができる。
【0185】
したがって、供給不足が長い時間継続する可能性が少なくなり、電力売買仲介部100がペナルティ料金を払うリスクを抑制することができる。
【0186】
なお、一度供給過剰が生じれば、供給不足継続回数Mがリセットされるので、電力売買仲介部100は、通常の目標値に対して制御を実行することができる.
【0187】
また、供給過剰が連続して起こることを避けることが必要であれば、表1と同様に、供給過剰継続回数Mに対して、負の値をとるパラメータeを設定すればよい。
【0188】
さらに、たとえば、上記式(21)を前述の式(13)と結合して、制御目標値βを以下の式(22)により与えてもよい。
【0189】
β=(1+a/100)・(1+b/100)・(1+c/100)・(1+d/100)・(1+e/100) ・・・(22)
【0190】
実施の形態9.
また、上記実施の形態2では、たとえば通信媒体500の異常発生時について考慮しなかったが、通信障害などにより電力供給部200の供給電力量および電力消費部300の消費電力量に関するデータが得られない場合(以下、「欠測」と称する)には、前回の計測結果を代用してもよい。
【0191】
通常、電力売買仲介部100内の計算手段110は、通信媒体500を介して、電力供給部200の供給電力量および電力消費部300の消費電力量を収集しているが、通信障害発生時などの欠側状態においては、得られるべきデータを予測して需給バランス制御を実行する必要がある。
【0192】
この場合、計算手段110は、電力供給部200における供給電力量の計測値が受信不可能な欠側状態の場合には、前回の計測結果、または供給計画値、または前回受信した計測結果と供給計画値とにより計算される値を、電力供給部200における供給電力量の計測値として代用する。
【0193】
すなわち、供給電力量が得られなかった場合には、供給電力量の前回計測値、または、供給計画値、または、それらに基づいて作成したデータが、供給電力量の代用値として、需給バランス制御の入力データとなる。
【0194】
同様に、計算手段110は、電力消費部300における消費電力量の計測値が受信不可能な欠側状態の場合には、前回の計測結果、または消費計画値に対応した需要予測値、または前回受信した計測結果と需要予測値とにより計算される値を、電力消費部300における供給電力量の計測値として代用する。
【0195】
すなわち、消費電力量が得られなかった場合には、消費電力量の前回収集値、または、消費計画値(需要予測値)、または、それらに基づいて作成されたデータが、消費電力量の代用値として、需給バランス制御の入力データとなる。
【0196】
これにより、計算手段110は、需給バランスを計算することができ、需給バランス制御の計算において、欠測により需給バランスを損なうような電力供給指令値を得る可能性を抑制することができる。
【0197】
また、欠測状態が発生したときにも、欠測しなかった場合に得られる値に近い代用値により制御することができ、欠測時にも需給バランスを損なうことなく需給バランス制御を実行することができる。
【0198】
実施の形態10.
さらに、上記実施の形態2では、電力売買仲介部100の収集データ数について考慮しなかったが、複数のデータを一括して収集してもよい。
【0199】
この場合、電力売買仲介部100が通信媒体500を介して消費電力量および供給電力量のデータを収集する際に、電力売買仲介部100内の計算手段110は、過去の複数時刻(たとえば、時刻t−1、t−2、・・・、t−n)で計測された複数(n個)のデータを一括受信して収集する。
【0200】
これにより、1回の収集で過去の欠測データを受信することができるので、たとえば、1回以上前の或る収集タイミングで欠測だったデータを、収集に成功した時点で書き換えることができ、それ以降は正しい計測値に基づいて高精度な需給バランス制御を実行することができる。
【0201】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、通信媒体を含む電力系統を介して1つ以上の電力供給部から電力を購入するとともに、1つ以上の電力消費部に電力を販売する電力売買仲介部を備えた電力小売需給バランス制御システムにおいて、通信媒体を介して電力売買仲介部に接続された系統運用者を備え、電力供給部は、調整可能電力供給部を含み、各種情報は、電力消費部からの電力消費部情報および電力供給部からの電力供給部情報を含み、電力売買仲介部は、通信媒体を介して少なくとも電力供給部および電力消費部との間で各種情報の授受を行う送受信手段と、各種情報に基づいて、電力売買仲介部が契約している電力供給部と電力消費部との需給バランスを保つように調整可能電力供給部および電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための計算手段とを備え、計算手段は、各種情報を蓄積した運用実績データと、電力消費部情報および運用実績データに基づいて電力消費部における電力需要を予測する需要予測機能と、需要予測機能からの需要予測結果、電力供給部情報および運用実績データに基づいて、電力供給部における電力供給計画を作成する電力供給計画作成機能と、電力供給計画に基づいて電力供給部および電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための需給バランス運用機能とを備え、通信媒体を介して電力供給計画を電力供給部および系統運用者に送信するようにしたので、電力売買仲介部が特別な設備を持つ必要がなく、高い信頼性で電力売買仲介部の利益を最大化した電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
また、高精度の予測需要が得られるうえ、電力供給部に対して無理のない計画を作成することができ、電力売買仲介部運用者の作業負担を軽減した電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0203】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、電力供給計画作成機能は、調整可能電力供給部に対して調整可能な幅の調整容量を持たせた電力供給計画を作成し、需給バランス運用機能は、電力供給計画に応じた電力供給指令値により調整可能電力供給部の供給電力を制御して、当日の需給バランス運用を実行することにより、需給バランスおよび目標値を考慮して調整可能電力供給部に対する指令値を計算するようにしたので、実際の運用時の調整容量を確保した電力供給計画を作成することのできる電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0204】
また、この発明の請求項3によれば、請求項1または請求項2において、通信媒体を介して電力売買仲介部に接続された情報サイトを備え、各種情報は、情報サイトからの気象情報を含み、需要予測機能は、気象情報に基づいて電力需要を予測するようにしたので、実際の需要に近い予測需要で電力供給計画を作成することができる電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0206】
また、この発明の請求項4によれば、請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、電力供給部は、電力消費部に電力を供給する電力供給装置と、電力供給装置の供給電力量を計測する供給電力計測手段と、供給電力量の計測値を発信するとともに、電力売買仲介部からの電力供給指令値を受信する送受信手段とを備え、電力消費部は、電力供給部からの供給電力を消費する電力負荷と、電力負荷の消費電力量を計測する消費電力計測手段と、消費電力量の計測値を発信する発信手段とを備え、計算手段は、供給電力量および消費電力量の各計測値に基づいて、電力供給部に対する電力供給指令値を計算するようにしたので、自動的に需給バランスを保つことのできる電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0207】
また、この発明の請求項5によれば、請求項4において、計算手段は、供給電力量および消費電力量の各計測値に基づいて、電力供給部および電力消費部の電力量のバランスを計算し、一定期間における消費電力量と供給電力量とが同一になるように電力供給指令値を計算するようにしたので、一定期間の需給バランスを保つことのできる電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0208】
また、この発明の請求項6によれば、請求項4または請求項5において、計算手段は、電力売買仲介部の系統運用者に対する売買電価格と、電力供給部からの買電価格と、調整される電力量の目標値に対する制御誤差とを考慮して、電力供給指令値を計算するようにしたので、需要特性に応じたパラメータ設定により制御誤差を小さくすることができ、高い信頼性で電力売買仲介部の利益を最大化した電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0209】
また、この発明の請求項7によれば、請求項4から請求項6までのいずれかにおいて、計算手段は、電力供給部の動作特性を考慮して電力供給指令値を計算するようにしたので、電力供給部がその制御能力範囲で指令値の電力を出力することができ、電力売買仲介部が必要とする電力を確保可能な電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0210】
また、この発明の請求項8によれば、請求項7において、計算手段は、電力供給部により変更可能な電力量の最小変化幅を考慮して電力供給指令値を計算するようにしたので、電力売買仲介部が確実に指令値の電力を出力することのできる電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0211】
また、この発明の請求項9によれば、請求項8において、電力供給部は、複数の調整可能電力供給部を含み、計算手段は、複数の調整可能電力供給部の組合せにより、電力売買仲介部が必要とする供給電力量に近い値の供給電力量を得るように、電力供給指令値を計算するようにしたので、最小変化幅の制約を受けても、電力売買仲介部が必要とする供給電力量に近い供給量を確保可能な電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0212】
また、この発明の請求項10によれば、請求項9において、計算手段は、複数の調整可能電力供給部を、最小変化幅の大きさに応じて順に配列し、最小変化幅の小さい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値により、最小変化幅の大きい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値に含まれる誤差を補償するようにしたので、電力売買仲介部が必要とする供給電力量に近い供給量を確保可能な電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0213】
また、この発明の請求項11によれば、請求項5において、計算手段は、前回以前の一定期間での需給バランスの結果に応じて、調整される電力量の目標値を変更するようにしたので、一定以上の供給不足に応じて目標値を供給過剰に設定することができ、供給不足が長い時間継続する可能性が少なくなり、電力売買仲介部がペナルティ料金を支払うリスクを抑制した電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0214】
また、この発明の請求項12によれば、請求項5において、計算手段は、電力供給部における供給電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または供給計画値、または前回受信した計測結果と供給計画値とにより計算される値を、電力供給部における供給電力量の計測値として代用し、電力消費部における消費電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または消費計画値に対応した需要予測値、または前回受信した計測結果と需要予測値とにより計算される値を、電力消費部における供給電力量の計測値として代用して、需給バランスを計算するようにしたので、欠測したときにも欠測しなかった場合に得られる値に近い代用値により制御することができ、欠測にも需給バランスを損なうことなく需給バランス制御を実行可能な電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【0215】
また、この発明の請求項13によれば、請求項4において、計算手段は、電力売買仲介部が通信媒体を介して消費電力量および供給電力量を収集する際に、過去に電力供給部および電力消費部で計測された複数の計測値を一括して受信するようにしたので、1回以上前の収集で欠測があった場合にも、収集に成功した時点で過去の欠測データを書き換えることができ、高精度な需給バランス制御を実行可能な電力小売需給バランス制御システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を概略的に示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による調整容量を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2を概略的に示すブロック構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による計算動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2による需給バランスの計算動作を示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による制御誤差分布に関連したパラメータ決定動作を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態4により設定される電力供給指令値と実際の供給量との関係を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態5により設定される電力供給指令値を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による複数の調整可能電力供給部の各供給量を示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態7による当日需給バランス処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 電力売買仲介部、110 計算手段、120 送受信手段、130 需要予測機能、140 電力供給計画作成機能、150 需給バランス運用機能、160 運用実績データ、200 電力供給部、210 電力供給装置、220 供給電力計測手段、230 送受信手段、300 電力消費部、310 電力負荷、320 消費電力計測手段、330 発信手段、400 情報サイト、500 通信媒体、600 系統運用者、do 目標値、G(t−1)、G1、G1’、G1” 電力供給指令値、Reg 調整容量、T 一定期間、S11 供給電力量および消費電力量を読込むステップ、S12 電力供給実績を計算するステップ、S13 一定期間の総需要を計算するステップ、S14 制御目標値を計算するステップ、S15 残り時間での必要供給量を計算するステップ、S16 電力供給指令値を計算するステップ、S17 電力供給指令値を送信するステップ、S21 変更電力量を計算するステップ、S22 残り時間で変更する平均電力を計算するステップ、S23 電力供給指令値を計算するステップ、S24 最小変化幅を考慮した指令値を検索するするステップ、S25 次の調整可能電力供給部の有無を判定するステップ、S26、S27 電力供給指令値を決定するステップ。

Claims (13)

  1. 通信媒体を含む電力系統を介して1つ以上の電力供給部から電力を購入するとともに、1つ以上の電力消費部に電力を販売する電力売買仲介部を備えた電力小売需給バランス制御システムにおいて、
    前記通信媒体を介して前記電力売買仲介部に接続された系統運用者を備え、
    前記電力供給部は、調整可能電力供給部を含み、
    前記各種情報は、前記電力消費部からの電力消費部情報および前記電力供給部からの電力供給部情報を含み、
    前記電力売買仲介部は、
    前記通信媒体を介して少なくとも前記電力供給部および前記電力消費部との間で各種情報の授受を行う送受信手段と、
    前記各種情報に基づいて、前記電力売買仲介部が契約している前記電力供給部と前記電力消費部との需給バランスを保つように前記調整可能電力供給部および前記電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための計算手段とを備え、
    前記計算手段は、
    前記各種情報を蓄積した運用実績データと、
    前記電力消費部情報および前記運用実績データに基づいて前記電力消費部における電力需要を予測する需要予測機能と、
    前記需要予測機能からの需要予測結果、前記電力供給部情報および前記運用実績データに基づいて、前記電力供給部における電力供給計画を作成する電力供給計画作成機能と、
    前記電力供給計画に基づいて前記電力供給部および前記電力消費部の少なくとも一方の電力量を調整するための需給バランス運用機能とを備え、
    前記通信媒体を介して前記電力供給計画を前記電力供給部および前記系統運用者に送信することを特徴とする電力小売需給バランス制御システム。
  2. 前記電力供給計画作成機能は、前記調整可能電力供給部に対して調整可能な幅の調整容量を持たせた電力供給計画を作成し、
    前記需給バランス運用機能は、前記電力供給計画に応じた電力供給指令値により前記調整可能電力供給部の供給電力を制御して、当日の需給バランス運用を実行することを特徴とする請求項1に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  3. 前記通信媒体を介して前記電力売買仲介部に接続された情報サイトを備え、
    前記各種情報は、前記情報サイトからの気象情報を含み、
    前記需要予測機能は、前記気象情報に基づいて前記電力需要を予測することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  4. 前記電力供給部は、
    前記電力消費部に電力を供給する電力供給装置と、
    前記電力供給装置の供給電力量を計測する供給電力計測手段と、
    前記供給電力量の計測値を発信するとともに、前記電力売買仲介部からの電力供給指令値を受信する送受信手段とを備え、
    前記電力消費部は、
    前記電力供給部からの供給電力を消費する電力負荷と、
    前記電力負荷の消費電力量を計測する消費電力計測手段と、
    前記消費電力量の計測値を発信する発信手段とを備え、
    前記計算手段は、前記供給電力量および前記消費電力量の各計測値に基づいて、前記電力供給部に対する電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  5. 前記計算手段は、
    前記供給電力量および前記消費電力量の各計測値に基づいて、前記電力供給部および前記電力消費部の電力量の需給バランスを計算し、
    一定期間における消費電力量と供給電力量とが同一になるように前記電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項4に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  6. 前記計算手段は、前記電力売買仲介部の系統運用者に対する売買電価格と、前記電力供給部からの買電価格と、調整される電力量の目標値に対する制御誤差とを考慮して、前記電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  7. 前記計算手段は、前記電力供給部の動作特性を考慮して前記電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  8. 前記計算手段は、前記電力供給部により変更可能な電力量の最小変化幅を考慮して前記電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項7に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  9. 前記電力供給部は、複数の調整可能電力供給部を含み、
    前記計算手段は、前記複数の調整可能電力供給部の組合せにより、前記電力売買仲介部が必要とする供給電力量に近い値の供給電力量を得るように、前記電力供給指令値を計算することを特徴とする請求項8に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  10. 前記計算手段は、前記複数の調整可能電力供給部を、前記最小変化幅の大きさに応じて順に配列し、前記最小変化幅の小さい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値により、前記最小変化幅の大きい調整可能電力供給部に対する電力供給指令値に含まれる誤差を補償することを特徴とする請求項9に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  11. 前記計算手段は、前回以前の一定期間での需給バランスの結果に応じて、調整される電力量の目標値を変更することを特徴する請求項5に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  12. 前記計算手段は、
    前記電力供給部における供給電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または供給計画値、または前回受信した計測結果と前記供給計画値とにより計算される値を、前記電力供給部における供給電力量の計測値として代用し、
    前記電力消費部における消費電力量の計測値が受信不可能な場合には、前回の計測結果、または消費計画値に対応した需要予測値、または前回受信した計測結果と前記需要予測値とにより計算される値を、前記電力消費部における供給電力量の計測値として代用して、
    前記需給バランスを計算することを特徴とする請求項5に記載の電力小売需給バランス制御システム。
  13. 前記計算手段は、前記電力売買仲介部が前記通信媒体を介して前記消費電力量および前記供給電力量を収集する際に、過去に前記電力供給部および前記電力消費部で計測された複数の計測値を一括して受信することを特徴とする請求項4に記載の電力小売需給バランス制御システム。
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