JP3631967B2 - 余剰電力管理システムおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電事業者の余剰電力を電気事業者が購入し、その購入電力を電力会社の送電網を利用して発電事業者から電力使用者に直接的に供給する、いわゆる電力小売り事業に適用する余剰電力管理システムおよびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人間社会の発達とともに、情報産業とこれに関わる生活物品の量産化と流通の拡大、各種電子機器の製造、普及、商取引の活発化、交通システムの高度化、量的拡大、食料の世界的規模での流通など生産、流通を中心とした活動の活発化が特に顕著になってきた。それに伴い、電力、エネルギー使用形態の多様化や使用量の大幅な増大が起ってきた。
【0003】
一方で、化石燃料を中心とした現在のエネルギー体系において、化石燃料の残存埋蔵量の枯渇が取り沙汰され、かつ、排ガス、廃棄物による地球の汚染が懸念されるようになり、地球規模での環境保全、エネルギーの有効利用が叫ばれるようになった。
【0004】
人間社会に発展に伴う電力を中心としたエネルギーの使用形態の多様化、使用量の増大は今後も継続するものと予測され、かつ、地球規模での環境保全、エネルギーの有効利用も当然、ますます重要な課題となってくることは論を待たない。
【0005】
こうした状況にあって、電力、ガスなどのエネルギーの使用形態の多様化に対応した様々な形態のエネルギー供給システムの提供や、エネルギー使用価格の低減化を図り、より高度で満足のいくエネルギー供給体制を構築していくために、電力、ガスなどのエネルギー産業の規制が緩和され、自由化が端緒についた。
【0006】
電力事業の自由化に対しては、従来の一般電気事業者(以下、電力会社という)だけでなく、電力の供給を電力使用者(以下、需要家)に行う目的で、新たな事業者、すなわち特定規模電気事業者(以下、電気事業者という)が電力販売事業を行うことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、原子力発電所、火力発電所、水力発電所などの多種類、かつ大規模の発電所を多数保有し、各需要家の使用電力量の変化に対して、いちいち発電量を仔細に調整する必要のない電力会社と異なり、限定された数量の発電所を保有し、あるいは発電所を保有せずに契約発電事業者から電力供給を受けるのみの電気事業者の場合は、需要家が必要とする電力または電力量を推定し、これに合致した電力または電力量を自己の発電所あるいは契約発電事業者から需要家に供給するために、随時、その調整を実施しなければならない。
【0008】
なぜならば、需要家の推定必要電力または推定必要電力量を確保するために、過剰な電力または電力量を発電すれば、エネルギーの有効利用という世界規模の課題に離反するばかりか、採算が取れずに事業の継続が困難となる。
【0009】
かといって、需要家の推定必要電力または推定必要電力量に対してぎりぎりの電力または電力量を供給する体制では、もし、予想外の気温の上昇や低下といった気象条件の変化あるいは娯楽に関する予想外の興味の集中など、不測の事態が生じると、需要家の必要電力量が増えて供給量不足を招くことがある。
【0010】
この場合、発電事業者から需要家への電力供給が、委託した電力会社の送電網を借りて行われる状況であれば、その送電網には当然ながら電力会社が所有する電力も流れているために、供給量不足となった分の電力または電力量が自動的に電力会社から賄われる形となり、需要家は困らないものの、電気事業者に電力会社から高額の補償金が要求されてしまう。こうなると、電気事業者にとっては、採算が取れずに事業の継続が困難となる恐れがある。
【0011】
従って、電気事業者にとっては、契約した各需要家の、予想され得る必要電力または必要電力量の総計を満たす発電機を自ら所有したり、あるいは発電事業者と契約して必要電力または必要電力量を確保することで、需要家の要求を満足する供給体制を構築することが必要となる。同時に、電気事業者にとっては、発電事業者や需要家が十分に満足できて、しかも自身の事業採算を確実にし得る料金体系を構築することが、事業運営において必須の条件となる。
【0012】
従来は、法的規制により、需要家に対する電力供給は一部の限定された発電事業者が独占的にこれを実施している。これらの発電事業者は、契約した需要家の使用する電力・電力量に対してそれを大幅に上回る規模の発電電力・発電電力量を実現する多数の発電所を建設し所有してはいるが、需要家の使用電力・使用電力量にきめ細かく対応する技術を有していないのが現状である。
【0013】
この発明は上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、電力使用者が必要とする電力または電力量を電気事業者が発電事業者から確実に確保して電力使用者に安定供給することができ、かつ電力確保に伴う不要な料金の支出を回避して電気事業者としての事業採算を確実にすることができ、ひいては電力使用者に対しできるだけ低料金での電力供給を可能とし、また発電事業者に対して余剰電力を供給することの価値をリアルタイムで適切に認識させることができ、ひいては発電事業者の無駄の無い効率的な発電とそれに伴う発電コストの低減などが図れる、信頼性にすぐれた余剰電力管理システムおよびその制御方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の余剰電力管理システムは、電力使用者の電力需要を推定し、この推定した電力需要に相当する電力を発電事業者から送電網に送出させるための発電計画を、その推定された電力需要と発電事業者の事前発電計画による電力供給とのバランスに基づいて、決定する。そして、決定した発電計画を発電事業者に通知する。
【0015】
請求項2に係る発明の余剰電力管理システムは、一定の電力を送電網に常に供給するベース発電事業者と、複数の期間において互いに異なる電力を送電網に供給するミドル発電事業者と、特定期間のみ所定の電力を送電網に供給するピーク発電事業者と、これらベース発電事業者、ミドル発電事業者、ピーク発電事業者のいずれか複数の形態を組み合わせた複合型発電事業者と、短時間ごとに調整可能な電力を送電網に供給する調整発電事業者とに分類された発電事業者を有するものであって、電力使用者の電力需要を推定し、この推定した電力需要に相当する電力を発電事業者から送電網に送出させるための発電計画を決定する。そして、決定した発電計画を発電事業者に通知する。一方、発電事業者から送電網への電力供給状況を検出し、この電力供給状況と上記発電計画との対照により、電気事業者の現時点の電力購入料金を算定する。そして、算定した電力購入料金を発電事業者に通知する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において、10は電気事業者と契約した発電事業者で、発電機11、この発電機11を制御するための制御装置12、発電機11から後述の送電網1に供給される電力の値および電力量を検出たとえば計測する計測器(第1検出手段)13、この計測器13に接続されたコンピュータ等の端末14を所有している。計測器13は、電力の値および電力量のほかに、力率を計測する。
【0020】
このような発電事業者10が複数あり、それぞれの発電機11の発電電力うち、発電事業者10の本来の操業に使用する電力を超える分のいわゆる余剰電力が、特定規模電気事業者(以下、電気事業者と略称する)30に購入される形で電力会社送電網1に供給される。この送電網1は、電気事業者30とは別の電力会社が所有する設備である。この送電網1を所有する電力会社に電気事業者30が送電を委託することにより、電気事業者30が各発電事業者10から購入した余剰電力が、送電網1を介して各発電事業者10から複数の電力使用者(以下、需要家と称する)20に直接的に供給される。
【0021】
各電力使用者20は、送電網1から電力を取り込んで内部の負荷設備の運転に使用する建物21、この建物21に取り込まれる電力の値および電力量を検出たとえば計測する計測器(第2検出手段)22、この計測器22に接続されたコンピュータ等の端末23を所有している。計測器22は、電力の値および電力量のほかに、力率を計測する。
【0022】
電気事業者30は、各発電事業者10の余剰電力を購入する契約を各発電事業者10と交わし、その購入した電力を各需要家20に販売する契約を各需要家20と交わし、かつ上記のように送電網1の所有者との間で送電委託の契約を交わし、余剰電力の購入から供給までその管理を行うもので、制御装置としてサーバ31を備えている。サーバ31は、各発電事業者10の端末14および各需要家20の端末23との間でインターネット2を介したデータ送受信が可能である。また、図示していないが、サーバ31は、送電を委託している電力会社の端末に対してもインターネット2を介したデータ送受信が可能となっている。
【0023】
なお、各発電事業者10において端末14に制御装置12を信号線接続し、サーバ31から端末14への送信内容をそのまま発電機11に対する発電機制御用データとして制御装置12に送るようにしてもよい。
【0024】
サーバ31は、主要な機能として次の(1)〜(10)の手段を備える。
(1)各計測器22の計測結果に基づき、所定の電力供給該当日における各需要家20の電力需要を推定する推定手段。
すなわち、サーバ31は、各需要家20の端末23に定期的にデータ要求を指示することにより、各需要家20の端末23から各計測器22の計測データ(電力・電力量・力率)を需要家20ごとに固有のIDと共に収集し、かつ必要に応じて各端末23から現地気象データを収集し、これら収集した計測データおよび現地気象データを用い、さらに上記IDに基づいて当該サーバ31の内部メモリから読み出される需要家基礎データ(需要家ごとに固有)などを用いた所定の演算により、現時点より先の所定の時期における各需要家20の電力需要つまり使用電力および使用電力量を推定する。どの時期の使用電力および使用電力量を推定するかは、予め設定されている単位計測時間の次回分について行う場合と、その次回分とそれに続く複数回の単位計測時間について行う場合があり、そのいずれでもよい。
【0025】
(2)推定された電力需要に相当する電力を、上記電力供給該当日において、各発電事業者10から送電網1に送出させるための発電計画を決定する決定手段。
すなわち、各発電事業者10から通告される事前発電計画、各発電事業者10に固有の発電事業者基礎データ、および各発電事業者10の現地気象データなどに基づき、発電計画を決定する。この発電計画は、電力供給該当日における予め設定されている単位計測時間ごとに必要電力を対応付けたものである。
【0026】
(3)決定された発電計画を各発電事業者10にインターネット2を介して通知する通知手段。
【0027】
(4)各計測器13の計測結果に基づき、各発電事業者10から送電網1への電力供給状況を検出する検出手段。
すなわち、サーバ31は、各発電事業者10の端末14に定期的にデータ要求を指示することにより、各発電事業者10の端末14から各計測器13の計測データ(電力・電力量・力率)を発電事業者10ごとに固有のIDと共に収集し、この収集した計測データから電力供給状況を検出する。
【0028】
(5)上記決定された発電計画と上記検出される電力供給状況との対照により、当該電気事業者30の現時点の電力購入料金を算定する算定手段。当該電気事業者30の現時点の電力購入料金は、各発電事業者10の電力売却料金に相当する。
この算定手段は、具体的には、上記決定された発電計画と上記検出された電力供給状況との対照により、電気事業者30が各発電事業者10から購入する電力の料金体系(電力供給状況が発電計画および増減値に適合しているかどうかに応じて異なる料金体系)を選定する選定手段と、この選定された料金体系と上記検出された電力供給状況とに基づき、電気事業者30の電力購入料金を逐次に求めて積算する積算手段とからなる。
【0029】
ここで、選定手段は、各発電事業者10のうち、後述のベース発電事業者、ミドル発電事業者、ピーク発電事業者、複合型発電事業者に対しては、電力供給状況が制御許容範囲に収まっている場合は最高単価を選定し、電力供給状況が制御許容範囲から外れている場合は最高単価より低い単価または零単価を選定し、電力供給状況が最低供給電力量を下回っている場合またはその状態が一定時間以上継続した場合は発電事業者からペナルティーとして徴収するための定額のペナルティー料金を選定するとともに、後述の調整発電事業者に対しては、月額一定または年額一定の基本料金を選定する。
【0030】
(6)上記選定された料金体系または上記前記積算された電力購入料金を各発電事業者10の端末14にインターネット2を介して通知する通知手段。通知内容は、端末14の表示部で表示されて、係員に報知される。
【0031】
(7)上記電力供給該当日の当日、発電計画に基づく電力供給が実際に行われている状況において、各計測器13の計測により検出される電力供給状況と各計測器22の計測により検出される電力使用状況との対比に基づいて、かつ各発電事業者10に固有の発電事業者基礎データおよび各発電事業者10の現地気象データなどに基づいて、現時点より先の電力供給と電力使用とのバランスを予測し、その予測結果に応じて各発電事業者10の供給電力に対する増減値を設定する予測手段。
【0032】
この場合、予め設定されている単位計測時間の次回分について、またはその次回分とそれに続く複数回の単位計測時間について、予測が行われる。
【0033】
(8)上記設定された増減値を増減指令・削減指令として各発電事業者10の端末14にインターネット2を介して送る指令手段。
【0034】
(9)上記電力供給該当日の当日、発電計画に基づく電力供給が実際に行われている状況において、各計測器22の計測により検出される電力使用状況に基づき、各需要家20への電力販売料金を逐次に求めて積算する積算手段。
【0035】
(10)積算された電力販売料金を定期的または必要に応じて各需要家20の端末23にインターネット2を介して通知する通知手段。通知内容は、端末23の表示部で表示される。
【0036】
図2に、各発電事業者10の端末14、各需要家20の端末23、電気事業者30のサーバ31の具体例を示している。
【0037】
各発電事業者10の端末14は、制御部15、メモリ16、表示部17、操作部18、および送受信部19を備えている。送受信部19は、制御部15とサーバ31との間のインターネット2を介したデータ送受信を行う。
【0038】
メモリ16には、発電事業者10ごとに固有のID(識別データ)、計測器13で計測される電力の値を表わす発電データ、計測器13で計測される電力量を表わす発電量データ、計測器13で計測される力率を表わす力率データをまとめた送信用データファイル16aが記憶されるとともに、発電事業者10が自身の希望で決定した事前発電計画あるいはその事前発電計画を基に電気事業者30の決定が加味されて同電気事業者30から通知された発電計画などの発電計画データ16bが記憶される。送信用データファイル16aのうち、ID以外の発電データ、発電量データ、力率データについては、計測器13の計測に応じて逐次に更新記憶される。
【0039】
事前発電計画は、発電事業者10が希望する基本供給電力、発電事業者10(発電機11)の発電能力に基づく許容最大供給電力と許容最低供給電力との範囲内において同発電事業者10が希望する最大供給電力と最低供給電力などを、電力供給該当日における予め設定されている単位計測時間ごとに対応付けたものである。
【0040】
各需要家20の端末23は、制御部25、メモリ26、表示部27、操作部28、および送受信部29を備えている。送受信部29は、制御部25とサーバ31との間のインターネット2を介したデータ送受信を行う。
【0041】
メモリ26には、需要家20ごとに固有のID(識別用データ)、計測器22で計測される電力の値を表わす発電データ、計測器22で計測される電力量を表わす発電量データ、計測器13で計測される力率を表わす力率データをまとめた送信用データファイル26aなどが記憶される。送信用データファイル26aのうち、ID以外の発電データ、発電量データ、力率データについては、計測器13の計測に応じて逐次に更新記憶される。
【0042】
電気事業者30のサーバ31は、制御部32、メモリ33、表示部34、操作部35、およびネットワーク処理部36を備えている。ネットワーク処理36は、インターネット2を利用して、各発電事業者10の端末14および各需要家20の端末23との間の指示・通知・指令等に関するデータ送受信を行う。なお、制御部32に対し、各計測データ、電力供給状況、電力使用状況、電力購入料金、電力販売料金などを履歴情報として記憶するための外部記憶装置40が接続されている。
【0043】
上記メモリ33には、発電事業者10ごとに固有の発電事業者基礎データを集めた発電事業者基礎データファイル33a、需要家20ごとに固有の需要家基礎データを集めた需要家基礎データファイル33b、各発電事業者10(または各発電機11)に対する各種指示・通知・指令などのデータをメニューとしてまとめた指示データファイル33c、各発電事業者10から通告される事前発電計画や当該サーバ31で決定した発電計画などの発電計画データ(各端末14のメモリ16に記憶される発電計画データ16bと同じ)をまとめた発電計画データファイル33d、余剰電力の購入や売却に関する各種料金体系がまとめられた料金体系データベース33eなどが記憶されている。
【0044】
上記発電事業者基礎データファイル33a内の各発電事業者基礎データは、発電事業者10ごとに固有のID(識別用データ)、発電機11の発電パターンデータ、発電機11の種類および負荷追随性を表わす基礎パターンデータから成る。
【0045】
上記需要家基礎データファイル33bには、需要家20ごとの需要家基礎データとして、図3に示す基礎データシートが登録されている。すなわち、基礎データシートには、各需要家20のID、電力使用者の契約種別、契約電力、および必要ならば契約年間購入電力量が記載され、さらに、過去情報として使用電力実績データが年間・月間・週間・日別・時間帯別に記載されている。必要ならば、関係気象データ(天候、気温、雷発生時期、発生頻度など)、需要家20の事業種別なども記載される。
【0046】
サーバ31では、この基礎データシートの内容と各需要家20から受けた計測情報とを用いた演算により、各発電事業者10から確保するべき総必要供給電力および総必要供給電力量が決定される。
【0047】
各発電事業者10は、各需要家20が必要とする電力・電力量に対応した効率的かつ安定的な電力・電力量の供給を目的として、季節・日別・時間帯にかかわらず一定の電力を送電網1に常に供給するベース発電事業者10bと、複数の期間たとえば季節別・日別・時間帯別に互いに異なる電力を送電網1に供給するミドル発電事業者10mと、特定期間たとえば特定日の特定時間帯に特別の電力が必要とする状況に対応するためにその特別の電力を送電網1に供給するピーク発電事業者10pと、これらベース発電事業者10b、ミドル発電事業者10m、ピーク発電事業者10pのいずれか複数の形態を組み合わせた複合型発電事業者10fと、需要家20の使用電力の変化にきめ細かく対応するために短時間ごとに調整可能な電力を送電網1に供給する調整発電事業者10cと、に分類されている。
【0048】
このようにして分類された各発電事業者10の役割分担(ベース発電、ミドル発電、ピーク発電、複合型発電、調整発電)は、契約あるいはそれに準じた運用規定などによってあらかじめ個々の発電事業者10に周知されるとともに、発電事業者10ごとのIDに対応付けた形で電気事業者30のサーバ91に登録される。
【0049】
また、各発電事業者10には、季節別・日別・時間帯別に基本となる基本供給電力がそれぞれ設定される。そして、この基本供給電力に対し、その基本供給電力より特定の電力値だけ高い上限値、または基本供給電力より特定の電力値だけ低い下限値、または基本供給電力を中心として上限値と下限値で挟まれた特定の電力幅が、それぞれ制御許容範囲として設定される。さらに、この設定に加え、発電機11の発電能力を勘案した最大供給電力が設定され、必要ならばこれに加えて最低供給電力が設定される。
【0050】
基本供給電力を含む発電基本条件の例を図4ないし図7に示している。
図4はベース発電事業者10bの発電基本条件の一例である。F4−1は昼間時間帯、F4−2は夜間時間帯を示し、F4−3は契約最大電力、F4−4は契約最低電力を示す。ベース発電では、昼夜一定の基本供給電力F4−5が設定され、この基本供給電力F4−5を中心として一定の上限値と下限値で挟まれた特定の電力幅が制御許容範囲F5−6として設定される。なお、制御許容範囲は、上限値のみ、あるいは下限値のみでも構わない。また、上限値と基本供給電力との差と、下限値と基本供給電力との差とは異なっていても構わない。
【0051】
図5はミドル発電事業者10mの発電基本条件の一例である。F5−1は昼間時間帯、F5−2は夜間時間帯であり、昼間、夜間別に契約最大電力F5−3とF5−4が設定され且つ契約最低電力F5−5とF5−6が設定される。契約最大電力および契約最低電力は、終日一定値としてもよい。
【0052】
このミドル発電事業者10mに対しては、昼間・夜間ごとに異なった基本給電電力F5−7を定めるのが一般的である。この基本供給電力F5−7を中心として一定の上限値と下限値で挟まれた特定の電力幅が制御許容範囲F5−8およびF5−9として設定される。なお、制御許容範囲は、上限値のみ、あるいは下限値のみでも構わない。また、上限値と基本供給電力との差と、下限値と基本供給電力との差とは異なっていても構わない。
【0053】
図6はミドル発電とピーク発電の複合型発電事業者10fの発電基本条件の一例である。F6−1は昼間時間帯、F6−2は夜間時間帯であり、昼間時間帯F6−1上にさらにピーク時間帯F6−3が設定される。これら昼間時間帯F6−1、夜間時間帯F6−2、ピーク時間帯F6−3ごとに、契約最大電力F6−4、F6−5、F6−6と、契約最低電力F6−7、F6−8、F6−9が設定される。契約最大電力と契約最低電力は、終日一定値としてもよいし、昼間時間帯と夜間時間帯とで設定しても構わない。
【0054】
この複合型発電事業者10fに対しては、昼間時間帯F6−1、夜間時間帯F6−2、ピーク時間帯F6−3ごとに互いに異なる基本供給電力F6−10が設定される。この場合、ピーク時間帯F6−3では、ピーク時の推定使用電力値が季節や日別によって大きく変動する可能性があるようなときには、基本供給電力の設定を定めなくても構わない。この基本供給電力に対しては、一定の上限値と下限値で挟まれる特定の電力幅の制御許容範囲F6−11、F6−12、F6−13が設定される。なお、制御許容範囲は、上限値のみ、あるいは下限値のみでも構わない。また、上限値と基本供給電力との差と、下限値と基本供給電力との差とは異なっていても構わない。
【0055】
なお、電力会社などで一般的に呼称される昼間時間帯とは8時から22時までの時間帯であり、夜間時間帯とはそれ以外の時間帯である。また、ピーク時間帯は、電力会社によって若干異なるが、一般的に10時から16時までの時間帯、または、10時から17時までの時間帯を示す。
【0056】
これらベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10については、季節別・日別・時間帯別に設定される基本供給電力量、この基本供給電力量を基準に設定される制御許容範囲、発電機11の発電能力を勘案して設定される許容最大供給電力、発電機11の発電能力を勘案して設定される許容最低供給電力などが、発電計画の設定要素となる。
【0057】
一方の調整発電事業者10cに対しては、発電機11の発電能力を勘案した最大供給電力が設定され、必要ならこれにさらに最低供給電力が設定されるが、基本供給電力が予め設定されることはない。
【0058】
つまり、調整発電事業者10cに対しては、運転営業日ごとに、電気事業者30のサーバ31で決定される各発電事業者10の総必要供給電力からベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の総供給電力合計を減じた電力が単位計測時間(30分あるいは1時間)ごとに求められ、その電力値あるいはそれに一定の余裕を持った電力増加分を加えた電力値が基本供給電力として設定される。要は、上記総供給電力合計では不足となる電力を補うためにサーバ31から調整値が指令され、その調整値に応じて基本供給電力が可変設定される。そして、この基本供給電力に対し、その基本供給電力より特定の電力値だけ高い上限値、または基本供給電力より特定の電力値だけ低い下限値、または基本供給電力を中心として上限値と下限値で挟まれた特定の電力幅が、それぞれ制御許容範囲として設定される。
【0059】
図7は調整発電事業者10cの発電基本条件の一例である。F7−1は昼間時間帯、F7−2は夜間時間帯を示すが、この例では昼間時間帯のみの調整発電が実施される。あらかじめ調整発電事業者10cとは、契約最大電力F7−3、契約最低電力F7−4が設定される。発電機11の種類や余剰電力の条件によっては、契約最低電力F7−4の設定が省略されることもある。
【0060】
この調整発電事業者10cに対しては、サーバ31において、各需要家20の推定使用電力・推定使用電力量と、他の発電事業者10の発電計画とから算出される電力が、給電指令として送信される。この電力値が基本供給電力F7−5となる。基本供給電力F7−5に対しては、それを中心として上限値と下限値で挟まれた特定の電力幅が、制御許容範囲F7−6として設定される。なお、制御許容範囲は、上限値のみ、あるいは下限値のみでも構わない。また、上限値と基本供給電力との差と、下限値と基本供給電力との差とは異なっていても構わない。
【0061】
この調整発電事業者10cついては、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の総供給電力では不足となる分の電力を補うためにサーバ31から指令される増減値に応じて可変設定される基本供給電力、この基本供給電力量を基準に設定された制御許容範囲、発電機11の発電能力を勘案して設定される許容最大供給電力、発電機11の発電能力を勘案して設定される許容最低供給電力などが、発電計画の設定要素となる。
【0062】
電力供給該当日の当日は、発電計画に基づく電力供給が実際に行われている状況において、各計測器13の計測により検出される電力供給状況と各計測器22の計測により検出される電力使用状況との対比に基づいて、かつ各発電事業者10に固有の発電事業者基礎データおよび各発電事業者10の現地気象データなどに基づいて、現時点より先の電力供給と電力使用とのバランスを予測し、その予測結果に応じてベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の供給電力に対する増減値が設定される。そして、この増減値が増減指令・削減指令として各発電事業者10の端末14に送られる。
【0063】
さらに、上記予測結果から、単位計測時間より短い単位給電指令時間における必要電力が予測され、その予測された必要電力に応じて調整発電事業者10cの供給電力に対する増減値が逐次に設定される。そして、この増減値が増減指令・削減指令として調整発電事業者10cの端末14に送られる。
【0064】
これらベース、ミドル、ピーク、複合、調整の各電力事業者10からの電力供給の運用に関して基礎データシートが作成され、それが電気事業者30のサーバ31に登録される。
【0065】
すなわち、サーバ31におけるメモリ33内の発電事業者基礎データファイル33aには、発電事業者10ごとの発電事業者基礎データとして、図8に示す基礎データシートが登録されている。この基礎データシートには、各発電事業者10のID、ベース・ミドル・ピーク・調整の種別、契約最大電力が記載され、必要ならば契約最低電力、基本供給電力、発電の制御許容範囲などがが記載され、さらに、発電機11の種類や建設時期などのその他の情報、前回の定期点検時期、過去の発電実績データが年間・月間・週間・日別・時間帯別に記載されている。必要ならば、関係気象データ(天候、気温、雷発生時期、発生頻度など)、発電事業者10の事業種別なども記載される。
【0066】
次に、料金体系について説明する。
【0067】
発電事業者10が指令された通りの電力またはその指令された電力に対する制御許容範囲内の電力供給を達成した場合には、その供給された電力に該当時間を乗じた電力量に対して最高単価が選定され、その電力量と最高単価とを乗算したものが、電力購入料金となる。発電事業者10にとっては、電力売却料金となる。
【0068】
発電事業者10が指令された通りの電力またはその指令された電力に対する制御許容範囲内の電力供給を達成できない場合には、その供給された電力に該当時間を乗じた電力量に対し、上記最高単価より低い単価[価格が零(円/kWh)を含む]が選定され、その電力量と単価とを乗算したものが、電力購入料金となる。
【0069】
また、発電事業者10からの電力供給が、電気事業者30が送電託送している電力会社からペナルティー料金を課される恐れのある最低供給電力を大幅に下回っている場合には、そのペナルティーを補填するかもしくは最小限に抑制することのできるよう、一定時間の制限が設定されて、その一定時間を超過して同じ状態が継続した場合に発電事業者10からペナルティーとして徴収するための定額のペナルティー料金が選定される。あるいは、予め契約時、またはそれに相当する運用規定において定めた基本供給電力と該当供給電力との電力差に該当時間を乗じた電力量に対し、所定のペナルティー単価が選定される。ペナルティー料金の選定およびペナルティー単価の選定の両方を組み合わせて課すパターンもある。
【0070】
さらに、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10とは別に、需要家20の使用電力・使用電力量に対応して電気事業者30が意図したように給電指令(増減値の指令)を実施することが可能なように、調整発電事業者10cには、事業採算性を保証する観点から、この他に別に月額一定または年額一定の基本料金が選定される。
【0071】
一方、需要家20の使用電力・使用電力量に対し、より効率的に対応して電力を供給するために、調整発電事業者10cに対して、通常の単位計測時間とは別に、その単位計測時間より短い単位給電指令時間が設定される。サーバ31では、サーバ31のメモリ33にあらかじめ記憶されている発電事業者基礎データの発電パターンデータに基づき、調整発電事業者10cから供給可能な電力が把握され、その把握結果に基づく給電指令(増減値の指令)が、上記単位給電指令時間ごとに該当する調整発電事業者10cに対して送信される、
あるいは、必要ならば、調整発電事業者10cの所有する端末14において、電力供給該当日の一定時間前までに事前通告として、電気事業者30が希望する最大供給電力以下の範囲で該当日の最大供給電力を、あるいは最低供給電力以上、最大供給電力以下の範囲で該当日の最大供給電力、最小供給電力を、単位計測時間ごとに決定・集計し、それを電力供給該当日の事前通告値として、サーバ31に申告させるようにしてもよい。この申告により、電気事業者30側は、供給可能な電力を把握する。
【0072】
それとともに、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の端末14と、各需要家20の端末23と、電気事業者30のサーバ31との間でインターネット2を介して実施した、営業日ごとにおける、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業所10からの発電の事前通告値と、各需要家20からの推定必要電力・推定必要電力量のデータとから比較演算し決定した、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の単位計測時間ごとの予定供給電力値に基づき、サーバ31において集約した該当日の需要家20の推定使用電力・推定使用電力量の合計と、同じくサーバ31において集約し、増加、あるいは削減によって決定したベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の予定供給電力・予定供給電力量の合計との差から調整発電事業者10cの単位計測時間ごとの予定供給電力値を決定し、これらをインターネット2を介して調整発電事業者10cの端末14に送信し、あらかじめ周知する。
【0073】
さらに、電力供給該当日における電力の供給および電力の使用の運用において、各需要家20の端末23によってモニタリングした消費電力および消費電力量をインターネット2を介してサーバ31が随時収集し、これを元に、調整発電事業者10cの発電機11の発電特性、供給電力計画と比較演算して次の単位計測時間後、あるいは、複数回の単位計測時間後の各発電事業者10における必要供給電力を算出し、上記の予定供給電力計画にかかわらず、単位給電指令時間ごとに、サーバ31からインターネット2を介して調整発電事業者10cの端末14に給電指令として算出した必要電力値および必要電力量を指示する。
【0074】
電気事業者30が、サーバ31からインターネット2を介して調整発電事業者10cの端末14に給電指令を送信する単位給電指令時間を電力購入料金に関わる通常の単位計測時間と同等かより短時間にする理由は、給電指令の単位時間を短時間にすることにより、調整発電事業者10cからの供給電力の状況をきめ細かく把握し、それに対応してきめ細かい発電調整を実施することが可能となるからである。特に、需要家20の業種、昼間時間帯、ピーク時間帯など使用電力の変動が激しい条件においては、通常の単位計測時間より短時間、より好ましくは単位計測時間の最大1/6、最小1/2の時間を単位給電指令時間とする。このように単位給電指令時間を設定し、この設定時間ごとにサーバ9から調整発電事業者10cの端末14に給電指令を実施すれば、需要家20の使用電力・使用電力量により的確に対応した適正な電力を供給することができるようになる。
【0075】
単位供給指令時間が単位計測時間の1/6より小さいと、この単位供給指令時間の時間間隔に追随できる発電機11はなく、実質上給電指令が有効とはならない。反対に、単位給電指令時間が単位計測時間の1/2より長時間だと、一旦指令した値が不適切だった場合、これを矯正する給電指令に対して発電機11が追随するに十分な時間を確保できず需要家20の使用電力に対する供給電力が不適正となって、場合によっては送電を委託している電力会社から高額の電力補給を甘受しなければならず、事業採算の悪化を招くことになって好ましくない。
【0076】
本システムにおいては、また、電力供給該当日の運用で、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10は、最低供給電力以上、最大供給電力以下の範囲で電力供給該当日の最大、最小供給電力を決定するほかに、各発電事業者10内の操業状態によって余剰電力が、あらかじめ決定した基本供給電力より過剰に、あるいは不足して供給する事態が発生することを十分に認識し、この余剰電力の変動に対処する機能を保有する。
【0077】
本システムでは、契約したベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10が、自己の事業の操業状況に応じて、あらかじめ決定した基本供給電力より過剰の、あるいは不足の電力を供給する可能性のある場合、単位計測時間ごとに過剰のあるいは不足の電力値を定め、発電事業者10の端末14からインターネット2を介してサーバ31に事前通告としてこの電力値データを送信し通知することができる。
【0078】
サーバ31では、各需要家20の端末23から随時にモニタリングした使用電力・使用電力量を元に、発電事業者10の端末14から通知された事前通告による単位計測時間ごとの電力に対し、この供給値に同意するか、もしくは必要な値に変更し、これを事前通告電力(事前発電計画)として定め、調整発電事業者10cの端末14に送信し、通知する。
【0079】
本システムでは、さらに、この事前通告電力に対して一定の上限値と下限値を、または上限値のみ、または下限値のみを設け、これを制御許容範囲として設定し、発電事業者10が事前通告電力に対して設けた制御許容範囲内で電力を供給した場合において、事前通告電力が、基本供給電力より下回った電力値の場合は、事前通告電力を基本供給電力と同等と見なして、基本供給電力を対象に設定した料金と同じ、供給電力に該当時間を乗じた電力量に対して、基本供給電力を対象に設定した料金と同額の最高の発電単価を設定してこれに乗じ、事前通告電力が基本供給電力より上回る電力値の場合は、基本供給電力と、供給電力との差に該当時間を乗じた電力量に、基本給電電力を対象とする料金単価より安価な料金を設定してこれに乗じる料金体系を選定する。
【0080】
このような料金体系を選定することにより、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10は、電気事業者30との合意であらかじめ決定した基本供給電力に従って電力を供給することが最も価値あることであるとの認識を持つことになり、併せて、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10にとっては、自己の操業状態によってあらかじめ基本供給電力として定めた余剰電力の供給を加減できるメリットを亨受することになり、需要家20の使用電力に対応した供給電力の維持と、発電事業者10の事情の考慮とを両立できる優れたシステムとなる。
【0081】
さらに、本システムにおいては、電力供給該当日の運用で、各需要家20の端末23から随時にモニタリングした使用電力・使用電力量を元に、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の発電機11の発電特性および供給電力計画と比較演算して次の単位計測時間後、あるいは、複数回の単位計測時間後の各発電事業者10における必要供給電力を算出し、必要ならば、上記の予定供給電力計画から変更して改めて増加指令電力または削減指令電力を決定し、サーバ31からインターネット2を介して、対象となる発電事業者10の端末14を通じて増加指令または削減指令を発した場合、これらの増加指令や削減指令に対しては、該指令電力値に対して特定の電力値の幅を上限、あるいは下限、あるいは上限と下限にそれぞれ設けて制御許容範囲とする。そして、増加指令に基づく電力供給が制御許容範囲内で満足された場合には、所定料金を加算するためのプレミアム単価を選定して、該当供給電力に増加指令の該当時間を乗じた電力量にこれを乗じる。削減指令に基づく電力供給が制御許容範囲内で満足された場合には、事前通告の基本供給電力から削減指令電力を減じた電力値(削減後の電力と基本供給電力との差分)に対応する補償電力量料金を加算するためのプレミアム単価を選定して、該電力差に削減指令の該当時間を乗じた電力量にこれを乗じた料金体系を作成する。
【0082】
このプレミアムの料金体系は、ベース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の端末14に予め入力される。各発電事業者10には、電気事業者30が受給した電力と、その受給電力に基づいて該料金体系から算定された料金とが、インターネット2により端末14に送られて表示される。この表示は発電事業者10に発電量の調整を促す喚起となり、これにより、需要家20の使用電力・使用電力量に適切に対応した電力供給が行われる。
【0083】
つまり、このようなプレミアムの料金体系を設定することによって、各発電事業者10は電気事業者30の都合どおりに電力を供給することになり、需要家20の使用電力・使用電力量に対してより効率的に且つ精度よく対応する電力の供給が可能となる。
【0084】
本システムでは、需要家20の使用電力・使用電力量に対してより的確かつ効率的に対応した電力の供給を行うために、サーバ31に収納する各発電事業者10に関わる発電事業者基礎データとして、発電機11の種類、運用年数、発電に関わる周辺設備、必要ならば発電機11と周辺設備の製造メーカ、型式を入力するとともに、発電特性と、前年、可能ならば複数年の過去の発電実績(季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の発電パターン)、故障実績(季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の故障頻度、1回当たりの発電停止期間)、気象データ(気温、天候、雷発生頻度など)を併せて入力しておき、季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の故障発生危険率と、好ましくは運転パターン別(発電電力レベル、電力の変動モードレベル、発電機11の振動モードレベル)の故障発生危険率を算定して入力しておき、発電事業者10ごとの該当日の予定供給電力計画と比較演算して単位計測時間ごとの故障発生危険率を算出し、併せて故障発生時の各発電事業者10の供給電力を算定して各発電事業者10の端末14の表示部17に表示し把握させるとともに、電力供給該当日の運用においては、各発電事業者10の端末14から随時受信した供給電力・供給電力量のモニタリングデータをこれらの故障発生危険率データと比較演算して、故障の発生率を算出するとともに、料金体系データベース33eから故障発生に伴うペナルティー金額を算定し、これらの情報をインターネット2を介して必要な発電事業者10の端末14に送信し、警告することも可能である。
【0085】
このような、故障率に関わるデータをサーバ31にて解析し、かつ各発電事業者10の端末14に送信し、通知することで、電気事業者30と各発電事業者10とが故障に対する余地情報を共有し、かかる不測事態により機敏、かつ効果的に対処できることになり、より信頼性の高い電気事業を運営できることになる。
【0086】
本システムは、複数の需要家20と電力の販売の契約をし、べース、ミドル、ピーク、複合型の各発電事業者10の少なくとも1事業者と電力の購入の契約をし、調整発電事業者10cの少なくとも1事業者と電力の購入の契約をし、かつ、契約した需要家20と発電事業者10とがインターネット2に接続した端末23,14を有し、かつこれら端末23,14および送電の委託契約を行った電力会社とのインターネット2を介したデータ送受信を行うサーバ31を有する電気事業者30が電力小売り事業を運営する場合に適用される。しかしながら、余剰電力購入制御、料金システムは、電力の小売り事業、もしくはそれに類似した電力事業を運営する事業者であれば何らそのシステムを適用し運用することに問題はなく、しかも高信頼、的確で効率的な電力の供給を実現することができるためこのシステムを使用する利点はきわめて大きい。
【0087】
以下、主要な作用についてフローチャートを参照して説明する。
【0088】
図9は電気事業者30と発電事業者10との関係において、該当日の発電計画を作成する手段を示している。
【0089】
サーバ31は、各発電事業者10の端末14から規定時間前までに、電力供給該当日の事前発電計画として、供給最大電力、供給最低電力、さらには、基本供給電力の事前通告を受信する。サーバ31は、この事前通告データを集計し、電力供給該当日の単位計測時間ごとの供給電力・供給電力量の総計を把握する。さらに、サーバ31は、需要家基礎データをもとに、電力供給該当日の単位計測時間ごとの推定使用電力・推定使用電力量の把握を行い、この推定使用量(推定使用電力・推定使用電力量)と計画供給量とのバランスを把握する。サーバ31は、その上で改めて各発電事業者10の単位計測時間ごとの発電計画を作成し、この計画値を各発電事業者10の端末14に送信し、調整を行い、電力供給該当日の発電計画を決定する。必要ならば、各発電事業者10の要求を勘案し、再度推定使用量と計画供給量との比較演算を行い、必要な修正を行って最終的な発電計画を決定する。
【0090】
図10は電力供給該当日の需要家20の使用電力・使用電力量に対応した発電事業者10の供給電力・供給電力量の調整手順を示している。
【0091】
サーバ31は、各発電事業者10の端末14から供給電力・供給電力量などの発電データを受信し、発電状況の把握を行うとともに、需要家20の端末23から使用電力・使用電力量などの受電データを受信し、使用状況の把握を行う。その上で、サーバ31は、発電事業者10の発電事業者基礎データ、需要家20の需要家基礎データ、および、これに必要ならば気温、天候などの気象データなど必要情報データと比較演算して、電力供給量と電力使用量のバランス予測を行う。もし、次期単位計測時間、あるいは複数の将来の単位計測時間における推定使用量(使用電力・使用電力量)が計画供給量を上回った場合、その程度に応じて、推定使用量が大幅に上回る場合には、ミドルまたはピークの発電事業者10の端末14と調整発電事業者10cの端末14に対してサーバ31から必要な電力の増加を指令し、それでも供給量に不足が生じる可能性のある最悪の場合には、送電委託している電力会社から必要な電力量を供給してもらうよう、委託先の電力会社の端末に指令するか、または適当な連絡手段により要請をする。推定使用量に対して計画供給量の不足が小さい場合には、調整発電事業者10cの端末14に対して必要な電力量の増加指令を行えばよい。
【0092】
もし、計画供給量が推定使用量を上回る場合には、その過剰量が採算的に不良となる大きい場合にはミドルまたはピークの発電事業者10の端末14と調整発電事業者10cの端末14に対して必要な電力量分の削減指令を送信する。過剰量がさほど大きくはないが採算的には不良となる場合には、調整発電事業者10cの端末14のみに必要な電力量分の削減指令を発信する。
【0093】
この操作手順を、単位計測時間ごとに、かつ調整発電事業者10cに対しては単位給電指令時間ごとに、繰り返す。
【0094】
次に、発電事業者10から余剰電力を購入する料金体系について具体例を示す。
【0095】
ベース発電事業者10bに対しては、基本供給電力を維持して供給することが最も重要であり、料金体系もこの観点から構成する。
【0096】
すなわち、契約時の基本供給電力に対して、一定の上限値、下限値を定めて、あるいは、一定の上限値のみ、あるいは一定の下限値のみを定めて制御許容範囲とし、この許容範囲内で電力を供給した場合に、最も高い料金単価(最高単価)である安定電力量料金を設定する。安定電力量料金は、電力需要が最も高い夏季を一番高額にし、次にその他季、そして平日・夜間を最も安く設定するのが一般的である。また、料金単価の設定には、電気事業者30の利益の確保、各発電事業者10の利益確保、送電委託している電力会社の設定単価などを参考にして行うのが一般的である。なお、夏季とは、電力会社などで一般に、7月1日から9月末日までの期間を称し、それ以外をその他季と称す。
【0097】
この制御許容範囲を上回って給電した場合には、その供給電力から制御許容範囲の上限値(許容範囲が下限値のみの設定の場合は、基本供給電力)を減じた過剰分に対しては料金を支払わない。また、制御許容範囲を下回って電力を供給した場合には、供給電力量に対して、安定電力量料金を支払うが、基本供給電力と供給電力との差に該当時間を乗じた電力量を不足電力量として、一定の単価を設定した未達電力量料金をペナルティーとして発電事業者10から徴収する。これは、電力が計画どおりに供給されない場合、送電委託している電力会社から電力の補給(いわゆる事故時補給)を受けなればならない可能性のリスクに対処するためである。未達電力量料金単価は、例えば委託先電力会社から事故時補給を受けた場合の電力量料金単価をこれに充当する。さらに、委託先電力会社から事故時補給を受けなければならない2時間を超えた長時間連続して不足電力量を発生した場合には、未達電力量料金とは別に、一定の月額料金を未達賦課金として徴収する。該未達賦課金は、電力会社から事故時補給を受けた際に支払う事故時補給料金、すなわち、基本料金の70%の料金(30%は事故時補給発生の有無にかかわらず電気事業者30が委託先電力会社に支払う)を参考にして設定する。ただし、1月に複数回かかる事態が発生しても、未達賦課金は月ごとに一定額である。
【0098】
なお、発電事業者10は、もともと、自己の操業への供給を目的として発電機11を建設しており、建設費の償却などの固定費は料金体系に考慮する必要がなく、そのために、基本料金を設定しない。
【0099】
また、一般的に、ベース発電事業者10bは、上述のように一定の電力を維持して供給するのが重要な任務であるため、自社の操業状態に依存し、電力供給状態の変化が起こる可能性のある余剰電力の発電事業者10を、この任務に充当するのはできるなら回避するほうが信頼性向上のためには好ましい。しかし、効果的で需要家の電力使用状況に即応可能な本システムを適用すれば、余剰電力の発電事業者10をベース発電事業者とすることは可能である。
【0100】
一例を下記の表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pに対する料金設定は、基本供給電力を維持して電力を供給することが最も重要である点はベース発電事業者10bと同様であるが、その他に、需要家20の使用電力・使用電力量に対応して電力供給を行うために、発電事業者10からの基本供給電力に対して増加、または削減指令に従い、電力を供給することが同時に重要となる。また、電気事業者30からの給電指令だけでなく、発電事業者10から自社の操業状態に対応して一定の過剰、あるいは不足供給を容認することも視野に入れて対処する。
【0103】
上記の観点から、ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pの料金体系の一例として以下を提案するものである。
【0104】
すなわち、契約時の基本供給電力に対して、一定の上限値、下限値を定めて、または一定の上限値のみ、または一定の下限値のみを定めて制御許容範囲とし、この許容範囲内で電力を供給した場合に最も高い料金単価(最高単価)である安定契約電力量料金を設定する。
【0105】
発電事業者10が基本供給電力より上回って、あるいは下回って電力を供給することを事前通告した場合(電気事業者30が同意することを前提とする)、その事前通告電力に対しても、基本供給電力の場合と同様に一定の上限値と下限値、または上限値のみ、または下限値のみを定めて制御許容範囲とする。
【0106】
発電事業者10が基本供給電力より過剰な電力供給を事前通告した場合(電気事業者30が同意することを前提とする)は、まず、契約最低電力に代わって契約最低電力に、事前通告電力と基本供給電力との差を加えた電力を最低電力として定める。
【0107】
さらに、事前通告電力の許容範囲内で電力を供給した場合には、基本供給電力に該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を、供給電力から基本供給電力を減じた電力値に該当時間を乗じた電力量には、安定電力量料金より安価な、例えば80%の料金単価となる変動電力量料金を設定する。変動電力量料金は、安定電力量料金と同様、電力需要が最も高い夏季を一番高額にし、次にその他季平日、そして休日、夜間を最も安く設定するのが一般的である。また、料金単価の設定には、電気事業者30の利益の確保、発電事業者10の利益確保、委託先電力会社の設定単価などを参考にして行うのが一般的である。
【0108】
許容範囲を超えて電力を供給した場合には、供給電力から許容範囲の上限値(下限値のみの制御許容範囲を設定した場合には、事前通告電力)を減じた過剰分には料金を設定せず、許容範囲の上限値(下限値のみの制御許容範囲を設定した場合には、事前通告電力)以下の電力に対しては上述と同様の料金をそれぞれ設定する。許容範囲を下回る電力を供給した場合、供給電力に該当時間を乗じた電力量に上述した変動電力量料金を設定する。
【0109】
発電事業者10が基本供給電力を下回る電力供給を事前通告した場合(電気事業者30が同意することを前提とする)は、契約最低電力は変更しない。発電事業者10が制御許容範囲内の電力を供給した場合、その供給電力に該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を設定する。許容範囲を超えて電力を供給した場合には、供給電力から許容範囲の上限値(下限値のみの制御許容範囲を設定した場合には、事前通告電力)を減じた過剰分には料金を設定せず、許容範囲の上限値(下限値のみの制御許容範囲を設定した場合には、事前通告電力)以下の電力に対しては上述と同様の安定電力量料金を設定する。供給した電力が制御許容範囲を下回った場合は、供給電力に該当時間を乗じた電力量に上述した変動電力量料金を設定する。
【0110】
上述した事前通告電力、基本供給電力とは異なる、これを上回る、あるいは下回る電力の供給を電気事業者が必要とする場合は、給電指令として、増加、あるいは削減した電力の供給を当発電事業者10に要請する。
【0111】
基本供給電力、または事前通告電力に対して電気事業者30が増加指令を行った場合、その増加指令電力には一定の上限値と下限値、または上限値のみ、または下限値のみを設けた制御許容範囲を定め、この制御許容範囲内で発電事業者10が電力を供給した場合には、その供給電力から基本供給電力、または事前通告電力を減じた電力値、すなわち増加指令に応答してくれた電力値に該当時間を乗じた電力量に対しては、安定電力量料金を設定するとともに、これに一定額料金単価を設けたプレミアム料金を付加して設定する。残りの基本供給電力値、または事前通告電力値には上述と同様の料金設定を行う。
【0112】
基本供給電力、または事前通告電力に対して電気事業者30が増加指令を行い、発電事業者10が制御許容範囲を上回った電力を供給した場合には、供給電力から制御許容範囲の上限値(制御許容範囲が下限値のみの設定の場合は増加指令電力)を減じた過剰分の電力に対しては料金を設定しないで、残りの電力値に対しては増加指令を実現しない場合と同様の電力量料金を設定する。
【0113】
基本供給電力、または事前通告電力に対して電気事業者30が増加指令を行い、発電事業者10が制御許容範囲を下回った電力を供給した場合には、供給電力から基本供給電力、または事前通告電力を減じた電力値には該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を設定し、プレミアム料金は付加しない。また、残りの基本供給電力値、または事前通告電力値に対しては該当時間を乗じた電力量に対して増加指令を実施しない場合と同様の料金設定を行う。
【0114】
プレミアム料金の単価の決定根拠には様々な要素を加味することができるが、需要家20への電力販売利益、委託先電力会社からの自己時補給の支払料金、発電事業者10への料金支払増加額などを勘案して1(円/kWh)か、それ以下の単価に設定することが好ましい。
【0115】
基本供給電力または事前通告電力に対して電気事業者30が削減指令を行った場合、契約最低電力(過剰通告の場合は最低電力)に代えて、契約最低電力(または最低電力)から事前通告電力または基本供給電力と契約最低電力(または最低電力)との差を減じた電力値を新たな最低電力と定める。もし、最低電力が負の値になった場合は、最低電力は零とする。
【0116】
また、削減指令電力には一定の上限値と下限値、または上限値のみ、または下限値のみを設けた制御許容範囲を定める。
【0117】
電気事業者30が削減指令を行い、削減指令電力の制御許容範囲内で発電事業者10が電力を供給した場合には、基本供給電力と供給電力との差、すなわち削減指令に応えてくれた電力値に該当時間を乗じた電力量に対してプレミアムとして保証電力量料金を設定する。残りの電力値に対しては、これに該当時間を乗じた電力量に対して削減指令を実施しない場合と同様の料金を設定する。
【0118】
保証電力量料金単価は、例えば発電事業者10が削減指令を実現しなかったと仮定した場合に受ける粗利益を推定して設定することができる。この保証電力量料金を設定することにより、発電事業者10は利益が保証され、電気事業者30の削減指令に応じることができ、電気事業者30はこれによって需要家20の使用電力・使用電力量により効果的、かつ適正に対応した電力の供給を行うことができるようになり好ましい。
【0119】
供給電力が削減指令電力の制御許容範囲の上限値(制御許容範囲が下限値のみで設定された場合は削減指令電力)を上回る場合は、供給電力と上限値(あるいは削減指令電力)との差の過剰の電力に対しては料金を設定せず、残りの電力量に対しては、上述と同様の手順によって料金を設定する。
【0120】
供給電力が制御許容範囲を下回った場合には、供給電力に該当時間を乗じた電力量に変動電力量料金を設定する。
【0121】
増加指令または削減指令が事前に取り決めた時間以降に送信された場合には、増加指令のプレミアム料金設定対象となる電力量を対象に、プレミアム料金に加えて、また、削減指令の保証電力量料金の設定対象となる電力量に対して、この保証電力量料金に加えて、別の料金単価を設けたプレミアム料金を設定する。プレミアム料金の料金単価の決定根拠は増加指令のプレミアム料金と同様の考え方に基づいてよいが、増加指令の際のプレミアム料金の半額程度とすることができる。
【0122】
ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pの供給した電力に対する料金体系のうち、供給電力が、契約最低電力、または最低電力を下回った場合は、基本供給電力、または事前通告電力、または増加指令電力、または削減指令電力と供給電力との差の電力値に該当時間を乗じた電力量を不足電力量と定める。もし、不足電力量が連続して2時間を超えた場合には、一定の月額の未達料金を発電事業者10から徴収する。ただし、1月に複数回かかる事態が発生しても、未達料金は月ごとに一定額である。
【0123】
未達料金の設定は、不足電力量を発生することが委託先電力会社からの事故時補給を受ける可能性となるリスク対処であり、該未達料金は、電力会社の事故時補給基本料金の70%の額を充当することができる。
【0124】
ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pは、ベース発電事業者10bに比べて余剰電力供給の安定性に劣ること、需要家の使用状況に応じて供給電力の増減を行うことを考慮して、ベース発電事業者10bよりペナルティーを軽減することが好ましい。しかしながら、ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pに対してもベース発電事業者10bと同様に、未達料金とは別に未達電力量料金を設定することができる。
【0125】
下記の表2にミドル発電事業者10mの料金体系の一例を示す。ピーク発電事業者10pに対しては、安定電力量料金、変動電力量料金に、さらに夏季ピーク時間帯料金単価を設定することができる。
【0126】
【表2】
【0127】
ミドル発電事業者10mおよびピーク発電事業者10pも、ベース発電事業者10bの場合と同様に、余剰電力の発電事業者10であり、もともと、自己の操業への給電を目的として発電機11を建設しており、建設費の償却などの固定費は該電力事業における採算性の要素とはならず、料金体系に考慮する必要がなく、そのために、基本料金を設定しない。
【0128】
調整発電事業者10cに対しては、時々刻々と変動する需要家の使用電力・使用電力量に即応した適正な電力の供給を行うことが最も重要であり、料金体系はこの観点から構成する。
【0129】
調整発電事業者10cに対しては、基本供給電力は原則として設定しないか、設定しても、運用上は重要視しない。調整発電事業者10cに対して重要なのは、供給する電力の設定範囲である契約最大電力、契約最低電力であり、この範囲が供給電力の能力を決定する一要素となる。
【0130】
調整発電事業者10cに求める電力の供給は、需要家の使用電力・使用電力量の状況に対応するものであり、概して、単位計測時間ごとに異なった電力となる。そのため、供給電力に応じた料金のみで料金体系を構築すれば、調整発電事業者10cにとって、事業採算の見通しが立たず、電気事業者30の意図する電力の供給が実現しない恐れがある。従って、整発電事業者10の料金体系においては、一定の事業見通しを立てられるような固定料金、基本料金などと、供給電力の状態に応じた電力量料金の2部料金制を採用するのが好ましい。
【0131】
本システムにおいては、基本料金と電力量料金の2部料金制とし、基本料金については、年間購入電力量を目安に月額料金を設定し、電力量料金については、電気事業者30から送信する給電指令に応じた供給電力に課する料金の設定をすることを提案する。
【0132】
すなわち、基本供給電力を設定し、これに年間の該当時間を乗じた年間総電力量に対し、一定の割合、例えば40%を乗じて年間購入電力量とし、これに料金単価を設定して乗じ、これを月数12で除した金額を基本料金月額とする。基本給電電力は、従って、基本料金月額を定める基準となる。
【0133】
調整発電事業者10cにおける給電指令電力の設定と、その料金設定は、本発明の対象となる電気事業者30の電気事業運営の重要な要素の一つとなる。すなわち、需要家20の推定使用電力、推定使用電力量に対して、効果的、かつ適正な電力の供給の指令、実施が実現するかどうかは、調整発電事業者10cに対する指令の内容や頻度が大きく影響するからである。
【0134】
本システムでは、給電指令を以下のとおり実施する。
【0135】
すなわち、契約運用に関わる単位計測時間とは別に単位給電指令時間を設け、該単位給電指令時間を該単位計測時間の1/6以上1/2以下に設定し、必要電力の供給を行う。一例として、単位給電指令時間を単位計測時間の1/6に設定する。この単位給電指令時間ごとに、電気事業者30はサーバ31を介して調整発電事業者10cの端末14に給電指令を行う。
【0136】
図11に給電指令の実施概念を示している。すなわち、電気事業者30のサーバ31において、調整発電事業者10cの所有する発電機11の基礎データから、一定の発電電力W1から次の単位計測時間t2における計画供給電力W2、もしくは、それ以降の単位計測時間、例えばその次の単位計測時間における計画供給電力W3を実現するための出力曲線F11−1を算出し、さらに、この出力曲線F11−1に従って、単位給電指令時間ごとの電力量F11−2を算出し、この算出結果に基づいて次の単位給電指令時間における計画供給電力をW11と定め、この値の供給を調整発電事業者10cの端末14に指令する。
【0137】
出力曲線F11−1は、単位給電指令時間ごとに演算して求め、この出力曲線F11−1に基づいて単位給電指令時間ごとの電力量F11−2を算定し直し、各給電指令の電力を指定する。
【0138】
図12は、その給電指令によって指定する電力と、給電指令電力、供給電力の決定方法を示した図である。縦軸は電力、横軸は時間を示しており、単位給電指令時間は、単位計測時間の1/6の場合である。この図において、ある単位計測時間t1における供給電力W1から、電気事業者30のサーバ31からの給電指令によって電圧W11、W12、W13、W14、およびW15で順次供給電力を制御していき、次の単位計測時間t2における電力W2を実現する。
【0139】
本システムでは、単位給電指令時間ごとに調整発電事業者10cの端末14に指示、送信した各電圧W11、W12、W13、W14、およびW15に該当時間(t2−t1)を乗じた電力値の積算値が単位計測時間における給電指令の電力量であり、これを単位計測時間で除した値(図中の実線F12−1)を単位計測時間t1における給電指令電力Wmとする。また、これら、給電指令に従って調整発電事業者10cが供給した電力F12−2の該当時間(t2−t1)における積分値である電力量を該当時間(t2−t1)で除した値(図中の実線F12−3)を、単位計測時間t1における供給電力W0とする。
【0140】
本システムでは、上述した手法によって求めた給電指令電力Wmに対して一定の上限値と下限値、または上限値のみ、または下限値のみを設けて制御許容範囲とし、この許容範囲内で調整発電事業者が電力W0を供給した場合、この電力に該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を設定する。
【0141】
制御許容範囲を上回って電力を供給した場合には、該供給電力と制御許容範囲の上限値(許容範囲を下限値のみで設定した場合は、給電指令電力)との差である過剰の電力に対しては料金を設定せず、残りの電力に対して該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を設定する。
【0142】
制御許容範囲を下回る供給電力の場合には、供給電力に該当時間を乗じた電力量に安定電力量料金を設定するとともに、給電指令電力と給電電力との差の電力値に該当時間を乗じた電力量を不足電力量として、これに未達電力量料金のペナルティーを課し、電気事業者30は調整発電事業者10cから徴収する。
【0143】
さらに、上記の不足電力量の発生が連続して2時間を超過し、委託先電力会社から事故時補給を受ける恐れのある場合には、未達賦課金として、月当たりの一定金額を設定し、調整発電事業者10cから徴収することができる。なお、余剰電力の発生状態を考慮して、該ペナルティーは、未達電力量料金、未達賦課金のいずれか一方とすることができる。
【0144】
すなわち、料金設定は、上述したベース発電事業者10bと同様の考えに立っており、それは、ベース発電事業者10bが基本供給電力を維持して電力を供給することが最も重要であるのと同様、調整発電事業者10cにおいては給電指令電力を維持して電力を供給することが最も重要であるからである。
【0145】
下記の表3に調整発電事業者の料金体系の一例を示す。
【0146】
【表3】
【0147】
安定電力量料金は、電力需要が最も高い夏季を一番高額にし、次にその他季平日、そして休日・夜間を最も安く設定するのが一般的である。また、料金単価の設定には、電気事業者の利益の確保、発電事業者の利益確保、電力会社の設定単価などを参考にして行うのが一般的である。
【0148】
未達電力量料金単価は、例えば委託先電力会社から事故時補給を受けた場合の電力量料金単価をこれに充当する。
【0149】
未達賦課金は、委託先電力会社から事故時補給を受けた際に支払う事故時補給料金、すなわち、基本料金の70%の料金(30%は事故時補給発生の有無にかかわらず電気事業者30が委託先電力会社に支払う)を参考にして設定する。ただし、1月に複数回かかる事態が発生しても、未達賦課金は月ごとに一定額である。
【0150】
このように、ベース、ミドル、ピーク、複合型、調整の各発電事業者10にかかる料金体系を設定することによって、電気事業者30は、需要家20の使用電力・使用電力量に即応し、かつ適正な電力を供給することができるようになり、かつ、各発電事業者10にとっても、電気事業者30の制御に従って発電を実施することにより、事業利益を保証されることになり極めて好ましいシステム運用が可能になる。
【0151】
上記の各発電事業者10に対する料金体系の設定は、あくまでも本システムの運用に関わる具体的な例を示したに過ぎず、本発明の該システムが実現されれば何らこれらに限定されることはない。
【0152】
図13には、本システムを運用するための、各発電事業者10の端末14における表示部17のディスプレイ表示の一例を示している。
【0153】
ディスプレイ17aには、契約条件と該当日の発電計画の表示101、基本供給電力、事前通告電力、増加・削減指令電力、供給電力に対する制御許容範囲の表示102、現在の発電状況と該当料金の表示103、次期単位計測時間の計画電力、給電指令の表示104、これに必要ならば気象状況などの表示105を行い、情報選択部106をクリックすれば発電機11の故障発生率など他の情報を表示105と同じ表示領域で表示することができる。さらに、これまでの発電状況と料金体系を一目で確認できるグラフ表示107を行う。グラフ表示107では、簡単なキー操作によって、前日以前の実績や翌日の計画値の確認をはじめ、特定の時間帯を詳細に見るためのズーム表示機能も付加している。
【0154】
この他、さらに情報を詳細にするために、ディスプレイ17aに、該当日の積算電力量と積算見込み収入の表示も行うことできる。
【0155】
これらの情報は、電気事業者30のサーバ31内の発電事業者基礎データファイル33aに収納してある、発電機11の種類、運用年数、発電に関わる周辺設備、必要ならば発電機11と周辺設備の製造メーカ、型式、発電特性、前年、可能ならば複数年の過去の発電実績(季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の発電パターン)、故障実績(季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の故障頻度、1回当たりの発電停止期間)、気象データ(気温、天候、雷発生頻度など)、のほか、季節別、月別、平日、休日別、時間帯別の故障発生危険率と、好ましくは運転パターン別(発電電力レベル、電力の変動モードレベル、発電機の振動モードレベル)の故障発生危険率データを、各発電事業者10が端末14を操作することによって適宜、サーバ31から端末14に送信することによって表示が実現される。
【0156】
図13における表示105を故障率データに変換した場合に、グラフ表示107の表示領域で表示される故障発生率データの一例を図14に示している。
【0157】
発電事業者10の所有する余剰電力を供給する発電機11の基礎データは、サーバ31の発電事業者基礎データファイル33a中に入力してあり、次期単位計測時間における基本供給電力、事前通告電力、増加指令電力、または削減指令電力値と、発電機11のこれまでの発電実績や発電機11の製造年、製造メーカ、機種と、当該時刻までの一定期間の発電電力の変動パターンから故障発生率を算出し、この結果をサーバ31からインターネット2を介して発電事業者10の端末14に送信し、これを表示する。
【0158】
表示は、次期単位計測時間における計画供給電力に対して、変動率ごとの故障発生確率を示し、該当時間までの一定期間における電力変動率を矢印で示し、故障発生率を示す。
【0159】
もし、故障発生率が一定値以上となり、電力供給停止の恐れがある場合にはこの矢印とは別に安全域を示す矢印を別の色で表示して示し、発電電力の調整を発電事業者10に促す。
【0160】
このグラフ表示107の表示領域には、具体的に、安全であるか、もしくは出力調整を勧める旨のメッセージを文字で表示することもできる。
【0161】
このようなディスプレイ表示を行うことによって、発電事業者10は、現在までの電力供給実績と収入(適用料金実績)を確認でき、かつ電力供給状況と次期の計画電力、電気事業者30からの給電指令を確認することが容易にでき、さらには、起こり得る危険性を未然に防止できることによって本システムの効率的、かつ高信頼の運用を実現することができる。
【0162】
以上、余剰電力を発電事業者10から購入し、この電力を需要家20に販売する電気事業を営むうえで、本システムを採用することにより、需要家20の使用電力・使用電力量の状況に即応した適正な電力供給体制を確立することができ、電気事業運営の高信頼、収益保証の観点においてきわめて大きな貢献を果たすことができる。
【0163】
すなわち、需要家20が必要とする電力または電力量を電気事業者30が発電事業者10から確実に確保して需要家20に安定供給することができ、かつ電力確保に伴う不要な料金の支出を回避して電気事業者30としての事業採算を確実にすることができ、ひいては需要家20に対しできるだけ低料金での電力供給を可能とし、また発電事業者10に対して余剰電力を供給することの価値をリアルタイムで適切に認識させることができ、ひいては発電事業者10の無駄の無い効率的な発電とそれに伴う発電コストの低減などが図れる。
【0164】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0165】
【発明の効果】
以上の述べたように、この発明によれば、電力使用者が必要とする電力または電力量を電気事業者が発電事業者から確実に確保して電力使用者に安定供給することができ、かつ電力確保に伴う不要な料金の支出を回避して電気事業者としての事業採算を確実にすることができ、ひいては電力使用者に対しできるだけ低料金での電力供給を可能とし、また発電事業者に対して余剰電力を供給することの価値をリアルタイムで適切に認識させることができ、ひいては発電事業者の無駄の無い効率的な発電とそれに伴う発電コストの低減などが図れる、信頼性にすぐれた余剰電力管理システムおよびその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の全体的な構成を示すブロック図。
【図2】一実施形態における各端末およびサーバの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】一実施形態における需要家の基礎データシートの一例を示す図。
【図4】一実施形態におけるベース発電事業者の発電基本条件の一例を示す図。
【図5】一実施形態におけるミドル発電事業者の発電基本条件の一例を示す図。
【図6】一実施形態におけるミドル発電とピーク発電の複合型発電事業者の発電基本条件の一例を示す図。
【図7】一実施形態における調整発電事業者の発電基本条件の一例を示す図。
【図8】一実施形態における発電事業者の基礎データシートの一例を示す図。
【図9】一実施形態における発電計画を作成する手順を説明するためのフローチャート。
【図10】一実施形態における供給電力の増減制御を説明するためのフローチャート。
【図11】一実施形態における給電指令を説明するための図。
【図12】一実施形態における給電指令によって指定する電力と、給電指令電力、供給電力の決定方法を説明するための図。
【図13】一実施形態における発電事業者の端末でディスプレイ表示される画面の一例を示す図。
【図14】一実施形態における発電事業者の端末でディスプレイ表示される故障発生率データの一例を示す図。
【符号の説明】
1…電力会社送電網、2…インターネット、10…発電事業者、11…発電機、12…制御装置、13…計測器、14…端末、15…制御部、16…メモリ、17…表示部、20…需要家(電力使用者)、21…建物、22…計測器、23…端末、25…制御部、26…メモリ、30…電気事業者、31…サーバ、32…制御部、33…メモリ、36…ネットワーク処理部、40…外部記憶装置
Claims (4)
- 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から電力使用者へ直接的に供給する余剰電力管理システムにおいて、
前記電力使用者の電力需要を推定する推定手段と、
前記推定された電力需要に相当する電力を前記発電事業者から前記送電網に送出させるための発電計画を、その推定された電力需要と前記発電事業者の事前発電計画による電力供給とのバランスに基づいて、決定する決定手段と、
前記決定された発電計画を前記発電事業者に通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする余剰電力管理システム。 - 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から電力使用者へ直接的に供給するとともに、前記発電事業者が、一定の電力を送電網に常に供給するベース発電事業者と、複数の期間において互いに異なる電力を送電網に供給するミドル発電事業者と、特定期間のみ所定の電力を送電網に供給するピーク発電事業者と、これらベース発電事業者、ミドル発電事業者、ピーク発電事業者のいずれか複数の形態を組み合わせた複合型発電事業者と、短時間ごとに調整可能な電力を送電網に供給する調整発電事業者とに分類された余剰電力管理システムにおいて、
前記電力使用者の電力需要を推定する推定手段と、
前記推定された電力需要に相当する電力を前記発電事業者から前記送電網に送出させるための発電計画を、その推定された電力需要と前記発電事業者の事前発電計画による電力供給とのバランスに基づいて、決定する決定手段と、
前記決定された発電計画を前記発電事業者に通知する通知手段と、
を具備したことを特徴とする余剰電力管理システム。 - 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から電力使用者へ直接的に供給する余剰電力管理システムにおいて、
前記電力使用者の電力需要を推定するステップと、
前記推定された電力需要に相当する電力を前記発電事業者から前記送電網に送出させるための発電計画を、その推定された電力需要と前記発電事業者の事前発電計画による電力供給とのバランスに基づいて、決定するステップと、
前記決定された発電計画を前記発電事業者に通知するステップと、
を備えることを特徴とする余剰電力管理システムの制御方法。 - 発電事業者の余剰電力を電気事業者が購入し、その購入電力を送電網により前記発電事業者から電力使用者へ直接的に供給するとともに、前記発電事業者が、一定の電力を送電網に常に供給するベース発電事業者と、複数の期間において互いに異なる電力を送電網に供給するミドル発電事業者と、特定期間のみ所定の電力を送電網に供給するピーク発電事業者と、これらベース発電事業者、ミドル発電事業者、ピーク発電事業者のいずれか複数の形態を組み合わせた複合型発電事業者と、短時間ごとに調整可能な電力を送電網に供給する調整発電事業者とに分類された余剰電力管理システムにおいて、
前記電力使用者の電力需要を推定するステップと、
前記推定された電力需要に相当する電力を前記発電事業者から前記送電網に送出させるための発電計画を、その推定された電力需要と前記発電事業者の事前発電計画による電力供給とのバランスに基づいて、決定するステップと、
前記決定された発電計画を前記発電事業者に通知するステップと、
を備えることを特徴とする余剰電力管理システムの制御方法。
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