JP4573322B2 - 電力小売用発電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電システムに関し、より特定的には、電力小売りに用いられ、需要家が受電する量と等しい量の電力を同時的に発電して当該需要家に供給するための電力小売用発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発電事業は、電力会社によって一元的に行われていた。すなわち、電力会社は、発電施設と送電網とを保有しており、発電施設で発電を行い、発電施設から送電網を通じて需要家に電力を供給していた。そして、供給した電力量に応じた料金を需要家から徴収していた。
近年では、規制緩和に伴い、電力会社以外の事業者が発電事業に参入できるようになってきている。電力以外の事業者(以下「発電事業者」と呼ぶ)は、一般に、発電施設は保有しているが、自前の送電網を持っていない。そのため、発電事業者は、自社の発電施設で発電を行い、電力会社の送電網を通じて需要家に電力を供給することになる。そして、供給した電力に応じた料金を電力会社から受け取る。つまり、従来、発電事業者は、発電した電力を需要家にではなく、電力会社に売っていた。
【0003】
最近、さらに規制緩和が進展し、発電事業者が直接需要家に電力を売る「電力小売り」と呼ばれる新たな事業形態が可能になってきている。電力小売りの特徴は、発電事業者が、契約を結んだ需要家に電力を供給し、供給した電力量に相当する料金を当該需要家から徴収する点にある。電力会社の送電網を利用して電力を供給する点は、従来と同じである。この場合、発電事業者には、契約を結んだ需要家が受電(消費)する量と等しい量の電力を発電して当該需要家に供給することが求められる。
【0004】
ところが一般に、需要家の受電量は、時々刻々変動する。一方、現在の技術では、多量の電力を将来の需要に備えて効率よく蓄積することができない。従って、発電事業者は、効率よく発電を行って利益を上げるためには、発電機の出力を制御することにより、時々刻々変動する受電量に発電量を精度よく追従させなければならない。なぜなら、発電事業者は、需要家の受電量が当該事業者自身の発電量を上回ると、不足分の電力を高値で電力会社から買い入れねばならず、下回ると、余剰分の電力を安値で電力会社に買い取ってもらわねばならないので、受電量と発電量とのずれが大きければ大きいほど利益が減少するからである。
このような、需要家による受電と同時的に同量の電力を発電するための制御技術は、「同時同量制御」と呼ばれ、本出願人によって先に出願されている(例えば特願2000−271642号)。同時同量制御は、例えば次のようにして行われる。
【0005】
図16は、本出願人によって新たに提案された電力小売用発電システムを用いた電力供給システムの構成例を示す図である。図16において、新たに提案された電力小売用発電システム101は、事業者センタシステム102と、発電施設システム103とを備えている。事業者センタシステム102と発電施設システム103とは、通信回線で接続されている。
この電力小売用発電システム101と、送電網104と、需要家システム105とで、事業者が発電した電力を送電網104経由で需要家に供給する電力供給システムが構成される。需要家システム105と事業者センタシステム102とは、通信回線で接続されている。
【0006】
上記のように構成された電力小売用発電システム101では、需要家システム105から事業者センタシステム102へ、その時々の受電量106(消費電力)がリアルタイムに通知される。事業者センタシステム102は、需要家システム105からの通知に基づいて発電量を算出し、算出結果に応じて発電機の出力を制御するための指令を作成する。そして、当該制御指令107を発電施設システム103へ向けて送信する。これら一連の動作が、例えば5分周期で実行される。
この同時同量制御によって、時々刻々変動する受電量に発電量を追従させることができ、その結果、発電事業者は、契約需要家が受電する量の電力を同時的に発電して、当該需要家に供給することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電力小売用発電システム101では、事業者センタシステム102に何らかのトラブルが発生したり、事業者センタシステム102・発電施設システム103間の通信が切断されるなどの原因で、事業者センタシステム102から発電施設システム103への制御指令107が途絶する可能性を否定できない。もし制御指令107が途絶すると、それが回復するまでの期間、発電施設システム103は、発電を行うことができなくなる。
【0008】
なお、このような指令途絶への対処法としては、例えば、発電施設システム103が途絶直前の制御指令値を保持しておくことにより、途絶直前の出力を維持したまま発電機に発電を継続させる方法が考えられる。
そして、この方法は、指令途絶が比較的短時間(例えば10分や20分程度)で解消される場合には、有効な対処法であるといえる。しかし、指令途絶が長時間(例えば数時間)に及ぶ場合には、受電量と発電量との間に大きな乖離が生じる可能性が高い。
【0009】
それゆえに、本発明の目的は、電力小売りに用いられ、需要家システムが受電する量と等しい量の電力を同時的に発電して当該需要家に供給するための電力小売用発電システムであって、事業者センタから発電施設への指令が万一途絶しても、受電量と発電量との間に大きな乖離が生じないように発電を継続することができるようなシステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、電力小売りに用いられ、需要家システムが受電する量と等しい量の電力を同時的に発電して当該需要家に供給するための電力小売用発電システムであって、
発電を行う発電施設システム、および
発電施設システムに指令を発して、需要家システムの受電量と等しい量の電力を同時的に発電させるセンタシステムを備え、
センタシステムは、
需要家システムから通知された過去の受電実績をもとに将来の電力需要を予測し、かつ当該予測の結果に基づいて将来の発電計画を作成する計画作成手段、
計画作成手段が作成した将来の発電計画を発電施設システムに通知する手段、
需要家システムから通知された現在時刻直前の受電量に基づいて現在時刻直後の発電量を算出して、当該量の電力を発電させるための制御指令を作成する指令作成手段、および
指令作成手段が作成した制御指令を発電施設システムに通知する手段を含み、
発電施設システムは、
電力を発生させる発電機、および
発電機の出力を制御する制御装置からなり、
制御装置には、
センタシステムから通知された発電計画を記憶する計画記憶手段、
センタシステムから通知された制御指令を記憶する指令記憶手段、および
現在時刻と対応する制御指令が指令記憶手段に記憶されているか否かを判定して、その判定結果が肯定の場合には、当該制御指令に基づいて発電機の出力を制御し、否定の場合には、計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画に従って発電機の出力を制御する出力制御手段が含まれ
センタシステムは、計画作成手段が作成した将来の発電計画を当日まで保持する計画保持手段をさらに含み、
指令作成手段は、さらに、作成した制御指令と、計画保持手段に保持されている当日の発電計画とに基づいて、発電機の出力を当該制御指令の示す値から当該発電計画の示す値へと緩やかに変化させるための移行データを作成して、当該制御指令に添付し、
出力制御手段は、現在時刻と対応する制御指令が指令記憶手段に記憶されていない場合には、当該指令記憶手段に記憶されている現在時刻直前の制御指令に添付された移行データに基づいて発電機の出力を制御し、次いで、計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画に従って発電機の出力を制御することを特徴とする。
【0011】
上記第1の発明では、センタシステムから発電施設システムへ、将来(実施例では翌日)の発電計画が送られる。発電施設システムに備わる制御装置は、送られてきた将来の発電計画を、当該発電計画を実行する当日まで記憶する。さらに、当該発電計画を実行する当日には、現在時刻直前の需要家システムによる受電量と等しい量の電力を発電させるための制御指令が、センタシステムから発電施設システムへ送られる。発電施設システムに備わる制御装置は、送られてきた制御指令を記憶する。
発電施設システムに備わる制御装置は、現在時刻と対応する制御指令を記憶していれば、当該制御指令に基づいて、発電機の出力を制御する(これを実施例では同時同量モードと呼んでいる)。一方、現在時刻と対応する制御指令を記憶していなければ、記憶している当日の発電計画に従って発電機の出力を制御する(これを実施例では計画モードと呼んでいる)。
【0012】
このように、同時同量モードで動作中、センタシステムから発電施設システムへの制御指令が途絶した場合、制御装置は、同時同量モードから計画モードへと自動的に移行する。こうして計画モードに移行することによって、センタシステムのトラブルやセンタシステム・発電施設システム間の通信切断などにより万一制御指令が途絶しても、発電機は、受電量と発電量との間に大きな乖離が生じないように発電を継続することが可能となる。特に、比較的長時間に渡って制御指令が途絶する場合、途絶直前の出力をキープしたまま発電を継続させる方法と比べて、需要家システムによる実際の受電量により近い量の電力を発生させることができる。
また、制御指令の途絶が解消されると、計画モードから同時同量モードに自動的に復帰する。そのため、途絶解消以降、需要家による実際の受電量に等しい量の電力を発生させることができるようになる。
【0014】
また、上記第の発明では、制御指令が途絶した時、同時同量モードから直に計画モードへと移行するのではく、移行期間を経て移行する。すなわち、制御装置は、移行期間を通じ、発電機の出力を制御指令値から計画値へと緩やかに変化させる。これにより、制御指令値と計画値との間に大差があっても、発電機の出力が急激に変化することがなくなり、発電機にかかる負担を軽くし、さらに追従性を良くすることができる。
【0015】
の発明は、第の発明において、
移行データが、発電機に許された出力変化速度の上限を超えない速さで発電機の出力を変化させるようなデータであることを特徴とする。
【0016】
上記第の発明によれば、発電機の出力を変化させる速度が、許された出力変化速度の上限以下に抑えられるので、発電機が破損するのを防ぐことができる。
【0017】
の発明は、第の発明において、
移行データが、発電機の出力を単位時間当たり一定値ずつ段階的に変化させるようなデータであることを特徴とする。
【0018】
上記第の発明のような移行データは、制御指令値と計画値とから容易に作成することができる。そのため、簡単な処理によって、発電機の出力を制御指令値から計画値へと緩やかに変化させることが可能になる。
【0019】
の発明は、第の発明において、
出力制御手段は、現在時刻と対応する制御指令が指令記憶手段に記憶されていない状態から、当該制御指令が当該指令記憶手段に記憶されている状態への復帰を検知した場合には、当該制御指令と、計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画とに基づいて、発電機の出力を当該発電計画の示す値から当該制御指令の示す値へと緩やかに変化させることを特徴とする。
【0020】
上記第の発明では、制御指令の途絶が解消した時、計画モードから直に同時同量モードへと復帰するのではく、復帰期間を経て移行する。すなわち、制御装置は、復帰期間を通じ、発電機の出力を計画値から制御指令値へと緩やかに変化させる。これにより、計画値(現出力値)と制御指令値との間に大差があっても、発電機の出力が急激に変化することがなくなり、発電機にかかる負担を軽くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力小売用発電システムを用いた電力供給システムの構成例を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施形態に係る電力小売用発電システム1は、事業者センタシステム2と、発電施設システム3とを備えている。事業者センタシステム2と発電施設システム3とは、通信回線で接続される。
【0022】
この電力小売用発電システム1と、送電網4と、需要家システム5とで、事業者が発電した電力を送電網4経由で需要家に供給する電力供給システムが構成される。需要家システム5は、需要家に属する。送電網4は、電力会社に属する。電力小売用発電システム1(事業者センタシステム2および発電施設システム3)は、発電事業者に属する。需要家システム5と事業者センタシステム2とは、通信回線で接続される。
【0023】
需要家システム5は、前日の受電実績6を事業者センタシステム2に通知する。この受電実績6には、前日24時間分の受電実績6が30分単位で記述される。受電実績6の通知は、1日周期で行われる。
また、需要家システム5は、当該需要家における直前5分間の受電量を検出して事業者センタシステム2に通知する。受電量7の検出・通知は、5分周期で行われる。
【0024】
事業者センタシステム2は、需要家システムから通知された前日の受電実績をもとに翌日の電力需要を予測する。そして、その予測結果に基づいて翌日の発電計画8を作成し、発電施設システム3に通知する。また、事業者センタシステム2は、同時同量制御を行うための制御指令9を作成して発電施設システム3に通知する。
発電施設システム3は、制御指令9に基づいて同時同量発電を行う。また、発電施設は、制御指令9が途絶した場合、計画に従って発電を行う。
【0025】
次に、電力小売用発電システム1(事業者センタシステム2および発電施設システム3)の構成について、詳しく説明する。
図2は、図1の事業者センタシステム2の構成を示すブロック図である。図2において、事業者センタシステム2は、計画作成部11と、計画送信部12と、指令作成部13と、指令送信部14とを含んでいる。計画作成部11は、需要家システム5から通知される前日の受電実績6をもとに翌日の電力需要を予測し、予測結果に基づいて翌日の発電計画8を作成する。計画送信部12は、作成された翌日の発電計画8を発電施設システム3へ向けて送信する。発電計画8の作成・送信は、需要家システム5から受電実績6が通知されるのと同期して、1日周期で行われる。
【0026】
指令作成部13は、需要家システム5から通知される受電量7(現在時刻直前5分間に需要家システム5によって消費される電力量)をもとに、発電施設(内に設けられた発電機)に同時同量発電を行わせるための制御指令9を作成する。指令送信部14は、作成された制御指令9を発電施設システム3へ向けて送信する。制御指令9の作成・送信は、需要家システム5から受電量7が通知されるのと同期して、5分周期で行われる。
【0027】
図3は、図1の発電施設システム3の構成を示すブロック図である。図3において、発電施設システム3は、制御装置21と、発電機22とを備えている。発電機22は、電力を発生させる。制御装置21は、制御指令9または発電計画8に基づいて発電機22を制御する。
【0028】
図4は、図3の制御装置21の構成を示すブロック図である。図4において、制御装置21は、計画記憶部31と、指令記憶部32と、出力制御部33とを含む。計画記憶部31は、事業者センタシステム2から送られてきた発電計画8を記憶する。指令記憶部32は、事業者センタシステム2から送られてきた制御指令9を記憶する。
【0029】
出力制御部33は、発電機22の出力値が制御指令9の示す値と一致するように発電機22を制御する。また、出力制御部33は、事業者センタシステム2からの制御指令9が途絶した場合には、発電機22の出力値が発電計画8の示す値と一致するように発電機22を制御する。
【0030】
以上のように構成された電力小売用発電システム1の動作について、以下に説明する。最初、図5〜図9を用いて具体的な動作例を説明する。
需要家システム5は、周期的に(例えば30分毎に)受電量を記録しており、予め決められた時刻(例えば15:00)になると、24時間分の記録を、前日の受電実績6として事業者センタシステム2に通知する。また、需要家システム5は、予め決められた時刻(例えば0:00,0:05,0:10,…,23:50,23,55)になると、当該需要家における直前5分間の受電量を検出して事業者センタシステム2に通知する。
【0031】
需要家システム5から通知を受けると、事業者センタシステム2では、次のような処理が行われる。計画作成部11は、需要家システム5から通知された前日の受電実績6をもとに、翌日の発電計画8を作成する。計画作成部11によって作成される発電計画8の一例を、図5に示す。図5の発電計画8には、翌日24時間分の発電計画(発電機22の出力値)が30分単位で記述されている。計画送信部12は、予め決められた時刻(例えば18:00)になると、翌日の発電計画8を発電施設システム3へ向けて送信する。
【0032】
一方、指令作成部13は、需要家システム5から通知される受電量7をもとに、需要家システム5が受電するであろう電力と同量の電力を同時的に発電施設システム3に発電させる(すなわち同時同量制御を行う)ための制御指令9を作成する。指令作成部13によって作成される制御指令9の一例を、図6に示す。図6(A)の制御指令9には、11:00〜11:05の出力値(=103)が、(B)の制御指令9には、11:05〜11:10の出力値(=104)が、(C)の制御指令9には、11:10〜11:15の出力値(=105)が、それぞれ記述されている。
【0033】
指令送信部14は、予め決められた時刻(例えば0:05,0:10,0:15,…,23:55,24:00)になると、作成された制御指令9を発電施設システム3へ向けて送信する。
このようにして、翌日24時間分の発電計画8(30分単位)が毎日1回、事業者センタシステム2から発電施設システム3へ送信される。さらに、直後5分間分の制御指令9が5分おきに、事業者センタシステム2から発電施設システム3へ送信される。
【0034】
発電施設システム3では、事業者センタシステム2から送られてくる発電計画8および制御指令9を受信すると、制御装置21によって次のような処理が行われる。図4において、制御装置21に備わる計画記憶部31は、発電計画8を記憶する領域を2つ持っており、いま、一方の領域に前日の発電計画8(前々日に送られてきたもの)を、他方の領域に当日の発電計画8(前日に送られてきたもの)を記憶している。その後、18:00を過ぎて翌日の発電計画8が送られてくると、計画記憶部31は、前日の発電計画8を上書きするようにしてそれを記憶する。
【0035】
従って、現在時刻が7月5日の11:03であれば、計画記憶部31には、前日(7月4日)の発電計画8と、当日(7月5日)の発電計画8とが記憶されている。また、現在時刻が7月5日の16:03となれば、計画記憶部31には、当日(7月5日)の発電計画8と、翌日(7月6日)の発電計画8とが記憶されることになる。
【0036】
一方、指令記憶部32は、制御指令9を記憶する領域を2つ持っており、いま、一方の領域に現在時刻(11:03)を含む5分間(11:00〜11:05)と対応する制御指令9を、他方の領域に直前の5分間(10:55〜11:00)と対応する制御指令9を記憶している。このとき、直後の5分間(11:05〜11:10)の制御指令9が送られてきたとすると、計画記憶部31は、直前の5分間(10:55〜11:00)と対応する制御指令9を上書きするようにしてそれを記憶する。
従って、指令記憶部32には、制御指令9が途絶しない限り、常時、現在時刻を含む5分間と対応する制御指令9が記憶されていることになる。
【0037】
出力制御部33は、指令記憶部32内の現時刻と対応する制御指令9に基づいて、発電機22の出力を制御する(同時同量モード)。出力制御部33が同時同量モードで発電機22の出力を制御することにより、発電機22は、需要家システム5が現在時刻を含む5分間に受電する量と等しい量の電力を同時に(つまり現在時刻を含む5分間に)発電することができる。
【0038】
また、出力制御部33は、事業者センタシステム2からの制御指令9が途絶した結果、指令記憶部32内に現時刻と対応する制御指令9が記憶されていない場合、計画記憶部31内の発電計画8に従って発電機22の出力を制御する(計画モード)。出力制御部33が計画モードで発電機22の出力を制御することにより、需要家システム5自身が申告した予定量と等しい量の電力を発電することができる。
【0039】
ここで、制御指令9が途絶したか否かは、例えば次のようにして判定される。すなわち、出力制御部33は、制御指令9が送られてくる時刻を予め記憶しており、当該時刻に制御指令9が送られてこない場合、制御指令9が途絶したと判定する。または、1つの制御指令9を受け取ってから次の制御指令9を受け取るまでの時間を計測し、前回の制御指令9から所定時間(ここでは5分)が経過しても次の制御指令9が送られてこない場合に、制御指令9が途絶したと判定してもよい。
【0040】
図7は、図1の発電施設システム3に備わる発電機22の出力値の時間的な変化をグラフで示した図である。図7(A)には、ある日の11:00から15:00までの4時間分の出力値が記載されている。図中、太線が同時同量モードで発電を行った場合の出力値であり、細線は、計画モードで発電を行った場合の出力値である。図7(B)には、(A)に示された11:00から11:30までの30分間分のグラフが拡大して記載され、(C)には、(A)に示された14:00から14:30までの30分間分のグラフが拡大して記載されている。
【0041】
図7(B)において、時刻11:03(図中×印)に事業者センタシステム2・発電施設システム3間の通信が切断されたとする。この場合、11:00の制御指令9を最後に、11:05以降の制御指令9が発電施設システム3に到達しなくなる。発電施設システム3において、出力制御部33は、11:05に送られてくるべき制御指令9が送られてこないので、制御指令9の途絶が起こったと判定する。そして、この判定結果を受け、図8に示すように、11:05を境に、同時同量モードから計画モードに移行する。
【0042】
また、図7(C)において、時刻14:03(図中○印)に事業者センタシステム2・発電施設システム3間の通信が復旧したとする。この場合、14:05の制御指令9を先頭に、それ以降の制御指令9が発電施設システム3に到達するようになる。発電施設システム3において、出力制御部33は、14:05に送られてくるべき制御指令9が送られてきたので、制御指令9の途絶が解消されたと判定する。そして、図9に示すように、14:05を境に、計画モードから同時同量モードに復帰する。
【0043】
以上が、電力小売用発電システム1の具体的な動作例である。次に、図10のフローチャートを用いて、電力小売用発電システム1の動作手順を説明する。図10は、本発明の第1の実施形態に係る電力小売用発電システムを用いた電力供給システムの動作を示すフローチャートである。図10(A)が需要家システム5の動作を、(B)が事業者センタシステム2の動作を、(C)が発電施設システム3の動作をそれぞれ示している。
【0044】
図10(A)において、最初、需要家システム5は、受電実績6を送信する時刻であるか否かを判定する(ステップS11)。その判定結果が肯定の場合、前日の受電実績6を事業者センタシステム2宛に送信する(ステップS12)。ステップS11の判定結果が否定の場合、ステップS12をスキップして、ステップS13に進む。
【0045】
次に、需要家システム5は、受電量7を送信する時刻であるか否かを判定する(ステップS13)。その判定結果が肯定の場合、直前の5分間の受電量7を検出して事業者センタシステム2宛に送信する(ステップS14)。ステップS13の判定結果が否定の場合、ステップS14をスキップして、ステップS15に進む。
【0046】
ステップS15では、動作を継続するか否かが判断され、判断結果が肯定であれば、ステップS11に戻って上記と同様の処理が繰り返され、否定であれば、動作が終了される。
【0047】
図10(B)において、事業者センタシステム2では、最初、計画作成部11が、発電計画8を作成する時刻であるか否かを判定する(ステップS21)。その判定結果が肯定の場合、計画作成部11は、上記ステップS12で需要家システム5から送られてきた前日の受電実績6をもとに翌日の電力需要を予測して、その予測結果に基づき翌日の発電計画8を作成する(ステップS22)。次いで、計画送信部12が、その発電計画8を発電施設システム3宛に送信する(ステップS23)。ステップS21の判定結果が否定の場合、ステップS22およびS23はスキップされ、ステップS24が実行される。
【0048】
次に、指令作成部13は、制御指令9を作成する時刻であるか否かを判定する(ステップS24)。その判定結果が肯定の場合、指令作成部13は、上記ステップS14で需要家システム5から送られてきた直前5分間の受電量7をもとに、直後5分間の発電量を算出する(ステップS25)。そして、算出した量の電力を当該5分間に発生させるように発電機22の出力を制御するための指令9を作成する(ステップS26)。ステップS24の判定結果が否定の場合、ステップS25およびS26はスキップされ、ステップS27が実行される。
【0049】
次に、指令送信部14によって、制御指令9を送信する時刻であるか否かが判定され(ステップS27)、その判定結果が肯定の場合、その制御指令9が発電施設システム3宛に送信される(ステップS28)。ステップS27の判定結果が否定の場合、ステップS28はスキップされ、ステップS29が実行される。
【0050】
ステップS29では、動作を継続するか否かが判断され、判断結果が肯定であれば、ステップS21に戻って上記と同様の処理が繰り返され、否定であれば、動作が終了される。
【0051】
図10(C)において、発電施設システム3では、最初、制御装置21が、上記ステップS23で事業者センタシステム2から送信される翌日の発電計画8を受信したか否かを判定する(ステップS31)。その判定結果が肯定の場合、当該発電計画8が計画記憶部31によって記憶される(ステップS32)。ステップS31の判定結果が否定の場合、ステップS32はスキップされ、ステップS33が実行される。
【0052】
次に、制御装置21は、上記ステップS28で事業者センタシステム2から送信される制御指令9を受信したか否かを判定する(ステップS33)。その判定結果が肯定の場合、当該制御指令9が指令記憶部32によって記憶される(ステップS34)。ステップS33の判定結果が否定の場合、ステップS34はスキップされ、ステップS35が実行される。
【0053】
次に、制御装置21は、現時刻と対応する制御指令9が指令記憶部32に記憶されているか否かを判定する(ステップS35)。その判定結果が否定の場合、計画記憶部31に記憶されている発電計画8に従い、出力制御部33が計画モードで発電機22の出力制御を行う(ステップS36)。
【0054】
ステップS35の判定結果が肯定の場合、指令記憶部32に記憶されている制御指令9に基づいて、出力制御部33が同時同量モードで発電機22の出力制御を行う(ステップS37)。
上記ステップS36またはS37が実行された後、動作を継続するか否かが判断され(ステップS38)、判断結果が肯定であれば、ステップS31に戻って上記と同様の処理が繰り返される。一方、否定であれば、動作が終了される。
【0055】
このように、本電力小売用発電システム1では、事業者センタシステム2から発電施設システム3へ、翌日24時間分の発電計画8が送られる。さらに、当該発電計画8を実行する当日には、リアルタイムに(5分おきに)、直後の5分間の受電量7と等しい量の電力を発電させるための制御指令9が送られる。発電施設システム3に備わる出力制御部33は、当該制御指令9に基づいて、同時同量モードで発電機22の出力を制御する。
【0056】
同時同量モードで動作中、事業者センタシステム2から発電施設システム3への制御指令9が途絶した場合、出力制御部33は、同時同量モードから、前日に受け取った発電計画8に従って発電させる計画モードに自動的に移行する。こうして計画モードに移行することによって、事業者センタシステム2のトラブルや事業家システム・発電施設システム3間の通信切断などにより万一制御指令9が途絶しても、受電量と発電量との間に大きな乖離が生じないように発電機22に発電を継続させることが可能となる。特に、比較的長時間に渡って制御指令9が途絶する場合、途絶直前の出力を維持したまま発電を継続させる方法と比べて、需要家による実際の受電量により近い量の電力を発生させることができる。
【0057】
また、制御指令9の途絶が解消されると、計画モードから同時同量モードに自動的に復帰する。そのため、途絶解消以降、需要家による実際の受電量に等しい量の電力を発生させることができるようになる。
【0058】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電力小売用発電システム(およびそれを用いた電力供給システム)の構成は、第1の実施形態と同様であり、従って、以下の説明にも図1を援用する。本電力小売用発電システム1に備わる発電施設システム3の構成は図3に、当該発電施設システム3に備わる制御装置21の構成は図4に、それぞれ示されている。
【0059】
本電力小売用発電システム1に備わる事業者センタシステム2の構成だけが第1の実施形態(図2参照)とは異なっているので、それを図11に示す。図11において、事業者センタシステム2は、計画作成部11と、計画送信部12と、指令作成部13と、指令送信部14と、計画保持部15とを含んでいる。すなわち、本実施形態の事業者センタシステム2は、第1の実施形態の事業者センタシステム2(図2)において、計画保持部15をさらに含んでいる。
【0060】
計画保持部15は、計画作成部11が作成した翌日の発電計画8を当日(当該計画の実行日)まで保持する。指令作成部13は、直前5分間の受電量7をもとに制御指令9を作成するのに加えて、次のような処理を行う。すなわち、当該制御指令9と、計画保持部15に保持されている当日の発電計画8に基づいて、発電機22の出力を当該制御指令値から当該計画値へと緩やかに変化させるための移行データを作成して、それを当該指令値に添付する。
【0061】
上記のように構成された電力小売システムの動作について、以下に説明する。
本システムの動作が第1の実施形態と異なるのは、次の点だけである。第1の実施形態では、事業者センタシステム2から発電施設システム3への制御指令9が途絶した時、発電施設システム3側の出力制御部33は、同時同量モードから直に計画モードへと移行した。この移行時、途絶直前の制御指令値と計画値との間に大きな差があると(図8参照)、出力を急激に変化させる命令が発電機22に与えられることになる。ところが、発電機22が出力を変化させる速さには上限がある。第1の実施形態では、この上限を超えて急激に出力を変化させる命令が発電機22に与えられ、その結果、発電機22が故障する危険性があった。
【0062】
これに対して、本実施形態では、制御指令9が途絶した時、出力制御部33は、同時同量モードから移行期間を経て計画モードへと移行する。すなわち、出力制御部33は、移行期間を通じ、発電機22の出力を制御指令値から計画値へと緩やかに変化させる。この移行期間では、出力制御部33は、発電機22の出力が制御指令値から計画値まで、上記上限値を超えない速さで変化するように発電機22を制御する。その様子を図11に示す。
【0063】
図11では、11:05〜11:15の15分間が移行期間に該当する。この移行期間中、制御装置21は、発電機22の出力を、単位時間当たり一定値ずつ段階的に変化させている。途絶直前の制御指令値が103、計画値が100なので、発電機22が出力を変化させる速度を5分間当たり1に設定した場合、発電機22の出力は、103→102→101→100のように、5分毎に1ずつ15分間をかけて途絶直前の出力値(=104)から計画値100)=100)まで変化している。一般には、一定の速さで出力値を変化させる場合、移行期間の時間長は、制御指令値と計画値との間の差に比例する。
【0064】
また、第1の実施形態では、制御指令9の途絶が解消する際にも、計画値(すなわち現出力値)と制御指令値との間に大差が存在する場合があった(図9参照)。そのような場合には、出力を急激に変化させる命令が入力されるので、発電機22が故障する危険性があった。
【0065】
これに対して、実施形態では、出力制御部33は、計画モードから復帰期間を経て同時同量モードへと復帰する。すなわち、出力制御部33は、復帰期間を通じ、発電機22の出力を計画値から制御指令値へと緩やかに変化させる。その様子を図12に示す。図12では、14:05〜14:15の15分間が復帰期間に該当する。この復帰期間では、制御指令9の途絶が解消したときの出力値(計画値)が110、制御指令値が107なので、発電機22の出力は、110→109→108→107のように、5分毎に1ずつ15分間をかけて110から107へと変化する。
【0066】
指令途絶時、発電施設システム3の出力制御部33が上記のようにして同時同量モードから移行期間を経て計画モードへと移行することを可能とするために、事業者センタシステム2において、次のような処理が行われる。図13において、計画保持部15には、当日の発電計画8が保持されている。指令作成部13は、第1の実施形態と同様にして、次の5分間分の制御指令9を作成する。さらに、指令作成部13は、作成した制御指令値と、計画保持部15に保持されている当日の発電計画8とに基づいて、発電機22の出力を当該指令値から当該計画値へと緩やかに変化させるための移行データを併せて作成して、当該制御指令9に添付する。
【0067】
指令作成部13によって作成される移行データ付き制御指令9を、図14に示す。図14(A)には、図11に示された11:00〜11:05と対応する移行データ付き制御指令9が、(B)には、11:05〜11:10と対応する移行データ付き制御指令9が、(C)には、11:10〜11:15と対応する移行データ付き制御指令9が、それぞれ示されている。図14(A)〜(C)に共通して、太枠内が移行データである。
【0068】
指令作成部13は、決められた時刻(例えば10:55)になると、図14(A)に示すように、直後の5分間(11:00〜10:05)の制御指令9(=103)と、続く15分間(11:05〜11:20)の移行データ(102→101→100)とを作成する。5分後、指令作成部13は、(B)に示すように、直後の5分間(11:05〜11:10)の制御指令9(=104)と、続く20分間(11:10〜11:30)の移行データ(103→102→101→100)とを作成する。さらに5分後、指令作成部13は、(C)に示すように、直後の5分間(11:10〜11:15)の制御指令9(=105)と、続く25分間(11:15〜11:40)分の移行データ(104→103→102→101→100)とを作成する。
【0069】
図14(A)〜(C)のような移行データ付き制御指令9は、指令送信部14によって、5分おきに(例えば10:59,11:04,11:09に)発電施設システム3へと送信される。発電施設システム3では、指令記憶部32が、事業者センタシステム2から5分おきに送られてくるこれらの移行データ付き制御指令9を、順次上書き記憶していく。
【0070】
従って、指令記憶部32には、常時、現在時刻を含む5分間の出力を示す制御指令9と、以降の制御指令9が途絶した場合に出力を当該指令値から計画値まで緩やかに変化させるための移行データとが記憶されていることになる。そのため、出力制御部33は、いつ制御指令9が途絶しても、指令記憶部32に記憶されている移行データを参照して、途絶時点での指令値から計画値へと発電機22の出力を緩やかに変化させることができる。図11に示されているのは、時刻11:03に事業者センタシステム2・発電施設システム3間の通信が切断されて、11:00を最後にそれ以降の制御指令が途絶した場合のグラフであり、このグラフに示されているような緩やかな出力変化は、図14(A)の移行データに基づいて出力制御がなされた結果として達成される。
【0071】
一方、計画モードから同時同量モードへと復帰する際には、出力制御部33は、計画値(すなわち現出力値)と、送られてきた制御指令値とから、次の5分間の出力値を自ら算出する。例えば、図12に示すように、14:03に事業者センタシステム2・発電施設システム3間の通信が回復したとする。このときの出力値が110であり、直後の5分間(14:05〜14:10)の制御指令9が107であるとすると、出力制御部33は、直後の5分間、出力値を110から109に変化させる。そして5分後、出力値を109から108に変化させ、さらに5分後、出力値を108から107に変化させる。
【0072】
本電力小売用発電システム1の動作手順は、第1の実施形態で図10のフローチャートを用いて説明した動作手順において、ステップS25とS26との間にステップS25aが追加され、かつステップS35とS36との間にステップS35aが追加されたものである。追加される2つのステップS25aおよびS35aを、図15に示す。すなわち、本実施形態では、図10の点線枠41,42内が、図15(A),(B)のように変更される。
【0073】
図14(A)に示すように、指令作成部13は、ステップS25で直後5分間の発電量を算出した後、当該発電量と、計画保持部15内の当日の発電計画8とをもとに、同時同量モードから計画モードへ緩やかに移行するための移行データを作成する(ステップS25a)。続くステップS26では、こうして作成された移行データが制御指令値に添付され、ステップS27,S28を通じて発電施設システム3側に通知される。
【0074】
発電施設システム3では、図14(B)に示すように、ステップS35で現時刻と対応する制御指令9が指令記憶部32に記憶されていないと判定された場合、まず、出力制御部33は、直前の5分間と対応する制御指令9に添付されている移行データに基づいて発電機22の出力を制御する(ステップS35a)。これにより、図13に示されているように、発電機22の出力値を制御指令値から計画値まで緩やかに(例えば5分につき1の速さで)変化させることができる。その後、ステップS36に示された計画値による制御が開始される。
【0075】
このように、本実施形態では、制御指令9が途絶した時、出力制御部33は、同時同量モードから直に計画モードへと移行するのでなく、移行期間を経て計画モードへと移行する。これにより、制御指令値と計画値との間に大差があっても、発電機22の出力が急激に変化することがなくなり、その結果、発電機22の破損を未然に防ぐことができるようになる。
【0076】
なお、上記第1および第2の実施形態では、発明の要点を容易かつ的確に理解できるように、現実の電力小売用発電システムを可能な限り単純化したモデル(図3参照)によって説明を行っている。例えば、本モデルでは、ただ1つの発電施設システム3が設置されているが、実際には、複数の発電施設システム3が設置される場合もある。その場合、事業者センタシステム2から1つ1つの発電施設システム3へ向けて、各々発電計画8および制御指令9が送られることになる。特に、発電施設システム3毎に発電能力が異なっている場合、事業者センタシステム2は、1つ1つの発電施設システム3に対して、能力相応の負荷がかかるように発電量の配分を行い、配分結果の発電量を示す指令値を送信する。
【0077】
また、本モデルでは、電力小売用発電システム1を構成する事業者センタシステム2および発電施設システム3が、共に発電事業者に属しているが、別々の事業体に属していてもよい。例えば、前者は「電力小売業者」に属し、後者だけが発電事業者に属するような形態が考えられる。
【0078】
また、本モデルでは、事業者センタシステム2には、ただ1つの需要家システム5が接続されているが、複数の需要家システム5が接続されている場合もある。この場合、事業者センタシステム2は、1つ1つの需要家システム5から前日の受電実績6や受電量7を受け取って集計を行い、集計結果をもとに発電計画8や制御指令9を作成する。その際、複数の需要家からの情報を取りまとめて発電事業者に通知する「仲介業者」が介在してもよい。
このように、様々な形態の電力小売用発電システムが考えられるが、どの形態であれ、事業者センタシステム2から発電施設システム3へ制御指令が送られる点に変わりはないので、本モデルによって説明した指令途絶への対処法を適用することができる。
【0079】
また、本モデルの動作説明で挙げられた各種の具体的な数値は一例であり、実際には、様々な条件を考慮して適切な数値が選ばれる。例えば、事業者センタシステム2は、翌日24時間分の発電計画8を作成して発電施設システム3に送信しているが、各システムの処理能力等を考慮して、例えば翌々日24時間分や、翌週7日分などのように、様々な将来の期間が設定され得る。また、例えば、同時同量モードから計画モードへの移行時、発電機の出力を5分ごとに1ずつ変化させているが、発電機の性能等を考慮して適切な速さで変化させればよい(例えば1分間に1ずつ変化させたり、あるいは、段階的に変化させるのでなく直線や滑らかな曲線に沿って変化させてもよい)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電力小売用発電システム1を用いた電力供給システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の事業者センタシステム2の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の発電施設システム3の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の制御装置21の構成を示すブロック図である。
【図5】事業者センタシステム2に備わる計画作成部11(図2参照)によって作成される発電計画の一例を示す図である。
【図6】事業者センタシステム2に備わる指令作成部13(図2参照)によって作成される制御指令9の一例を示す図である。
【図7】発電施設システム3に備わる発電機22(図3参照)の出力値の時間的な変化をグラフで示した図である。
【図8】第1の実施形態において、制御指令9の途絶が起こった場合に、発電施設システム3に備わる出力制御部33の動作が同時同量モードから計画モードに移行する様子を示す図である。
【図9】第1の実施形態において、制御指令9の途絶が解消した場合に、発電施設システム3に備わる出力制御部33の動作が計画モードから同時同量モードに復帰する様子を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る電力小売システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態において、制御指令9の途絶が起こった場合に、発電施設システム3に備わる出力制御部33の動作が同時同量モードから計画モードに移行する様子を示す図である。
【図12】第2の実施形態において、制御指令9の途絶が解消した場合に、発電施設システム3に備わる出力制御部33の動作が計画モードから同時同量モードに復帰する様子を示す図である。
【図13】図1の事業者センタシステム2の構成(第2の実施形態)を示すブロック図である。
【図14】事業者センタシステム2に備わる指令作成部13(図13参照)によって作成される移行データ付き制御指令9(太枠内が移行データ)示す図である。
【図15】第2の実施形態に係る電力小売用発電システム1の動作が第1の実施形態と異なる点(図1のフローチャートに追加される2つのステップS25aおよびS35a)を示す図である。
【図16】本出願人によって新たに提案された電力小売用発電システム101を用いた電力供給システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…電力小売用発電システム
2…事業者センタシステム
3…発電施設システム
4…送電網
5…需要家システム
6…前日の受電実績
7…(現在時刻直前の)受電量
8…翌日の発電計画
9…制御指令
11…計画作成部
12…計画送信部
13…指令作成部
14…指令送信部
15…計画保持部
21…制御装置
22…発電機
31…計画記憶部
32…指令記憶部
33…出力制御部

Claims (4)

  1. 電力小売りに用いられ、需要家システムが受電する量と等しい量の電力を同時的に発電して当該需要家に供給するための電力小売用発電システムであって、
    発電を行う発電施設システム、および
    前記発電施設システムに指令を発して、前記需要家システムの受電量と等しい量の電力を同時的に発電させるセンタシステムを備え、
    前記センタシステムは、
    前記需要家システムから通知された過去の受電実績をもとに将来の電力需要を予測し、かつ当該予測の結果に基づいて将来の発電計画を作成する計画作成手段、
    前記計画作成手段が作成した将来の発電計画を前記発電施設システムに通知する手段、
    前記需要家システムから通知された現在時刻直前の受電量に基づいて現在時刻直後の発電量を算出して、当該量の電力を発電させるための制御指令を作成する指令作成手段、および
    前記指令作成手段が作成した制御指令を前記発電施設システムに通知する手段を含み、
    前記発電施設システムは、
    電力を発生させる発電機、および
    前記発電機の出力を制御する制御装置からなり、
    前記制御装置には、
    前記センタシステムから通知された発電計画を記憶する計画記憶手段、
    前記センタシステムから通知された制御指令を記憶する指令記憶手段、および
    現在時刻と対応する制御指令が前記指令記憶手段に記憶されているか否かを判定して、その判定結果が肯定の場合には、当該制御指令に基づいて前記発電機の出力を制御し、否定の場合には、前記計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画に従って前記発電機の出力を制御する出力制御手段が含まれ、
    前記センタシステムは、前記計画作成手段が作成した将来の発電計画を当日まで保持する計画保持手段をさらに含み、
    前記指令作成手段は、さらに、作成した制御指令と、前記計画保持手段に保持されている当日の発電計画とに基づいて、前記発電機の出力を当該制御指令の示す値から当該発電計画の示す値へと緩やかに変化させるための移行データを作成して、当該制御指令に添付し、
    前記出力制御手段は、現在時刻と対応する制御指令が前記指令記憶手段に記憶されていない場合には、当該指令記憶手段に記憶されている現在時刻直前の制御指令に添付された移行データに基づいて前記発電機の出力を制御し、次いで、前記計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画に従って前記発電機の出力を制御することを特徴とする、電力小売用発電システム。
  2. 前記移行データは、前記発電機に許された出力変化速度の上限を超えない速さで前記発電機の出力を変化させるようなデータであることを特徴とする、請求項に記載の電力小売用発電システム。
  3. 前記移行データは、前記発電機の出力を単位時間当たり一定値ずつ段階的に変化させるようなデータであることを特徴とする、請求項に記載の電力小売用発電システム。
  4. 前記出力制御手段は、現在時刻と対応する制御指令が前記指令記憶手段に記憶されていない状態から、当該制御指令が当該指令記憶手段に記憶されている状態への復帰を検知した場合には、当該制御指令と、前記計画記憶手段に記憶されている当日の発電計画とに基づいて、前記発電機の出力を当該発電計画の示す値から当該制御指令の示す値へと緩やかに変化させることを特徴とする、請求項に記載の電力小売用発電システム。
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