JP2020022320A - 電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法 - Google Patents

電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インバランス調整時における経済負荷配分制御、負荷周波数制御による電力需給制御により、経済性および電力品質を精度よく確保する。【解決手段】電力需給制御システムにおいて、制御装置は、電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された変化量に基づいて地域要求電力を算出するAR算出部44と、電力系統に電力を供給する複数の発電設備1a〜1nのメリットオーダーに基づいて地域要求電力を配分し、発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分部46と、発電設備のメリットオーダーに基づき、発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出部49と、AR配分部46により算出されたAR配分値およびリアルタイムEDC算出部49により算出されたリアルタイムEDC値から発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成部43a〜43nと、を備える。【選択図】図1

Description

本実施形態は、電力系統の需給制御を行う電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法に関する。
電力を安定供給するためには電力系統の需給制御を行うことが必要とされる。この種の電力系統の需給制御システムとしては、負荷周波数制御(LFC)および経済負荷配分制御(EDC)を用いて需給制御を行う電力需給制御システムが知られている。
特開2001−238355号公報
昨今の電力自由化により、新規電力事業者が電力事業に参入し、従来に比べ複雑な電力供給および電力消費がなされるようになった。このため、電力需要量と供給量の調整(以降「電力需給調整」と総称する)は、きめ細かに行うことが必要とされる。さらに電力需給調整の周期は、短くなる傾向にある。このため電力需給調整のための電力調達は、迅速に行われることが必要とされる。
さらに、発電事業と送配電事業の分離が推進され、送配電事業者により電力需給調整が行われる方向にある。電力需給調整は、経済的であること、および電力品質を確保することが必要とされる。電力需給調整のための電力調達は、経済的であることが必要とされることは当然あるが、経済性のみを優先して電力調達を行った場合、電力品質を確保することができなくなる場合がある。また、時々刻々、電力系統の電力供給量および電力消費量は変化するため、フレキシブルに経済性および電力品質を確保する電力調達を行うことが必要とされる。
昨今の電力システム改革に伴い、現状の電力会社における発電、送配電、小売事業は、法的に分離され、送配電と発電、小売事業に分けられる。既存の電力会社は、需給、周波数調整を行う場合、自社内にて必要となる需給調整力を確保していた。しかしながら、発電事業と送配電事業の分離により、電力事業者は、リアルタイム(需給調整)市場により需給調整力を確保することが必要とされる。
電力事業者は、市場参加者として、また系統運用者として中立の立場にて、メリットオーダーによる需給、周波数調整を行うことが必要とされる。電力事業者は、需給調整市場における電力商品を購入または販売して、需給、周波数調整を行う。
需給調整市場における電力商品メニューには、調整速度の異なる制御に対応した複数の電力商品が準備される。需給調整市場における電力商品メニューは、一例として、制御区分に応じ「一次調整力」「二次調整力」「三次調整力」(上げ、下げ別)に対応した10区分が予定されている。
このため、電力事業者は、従来の経済負荷配分制御(EDC:Economic Load Dispatch)や負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)にかかる機能をそのまま適用したのでは、経済性および電力品質を精度よく確保した電力需給調整が行われない可能性がある。メリットオーダーによる需給、周波数調整だけでは、十分な制御性能が確保されない可能性がある。
特に、調整速度の異なる制御に対応した複数の電力商品に対応するため、同一の発電機に対し、経済負荷配分制御(EDC)、負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれることが想定される。同一の発電機に対し、経済負荷配分制御(EDC)に対し逆方向の負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれた場合、電力需給調整における十分な制御性能が確保されず、経済性および電力品質を精度よく確保した電力需給調整が行われない可能性がある。
本実施形態は、インバランス調整時における経済負荷配分制御(EDC)、負荷周波数制御(LFC)による電力需給制御により、経済性および電力品質を精度よく確保することができる電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供することを目的とする。
本実施形態の電力需給制御装置は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された前記変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出部。
(2)電力系統に電力を供給する複数の発電設備のメリットオーダーに基づいて前記地域要求電力(AR値)を配分し前記発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分部。
(3)前記発電設備のメリットオーダーに基づき、前記発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出部。
(4)前記AR配分部により算出された前記AR配分値、および前記リアルタイムEDC算出部により算出された前記リアルタイムEDC値から前記発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成部。
(5)前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、前記複数の発電設備のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択する。
また、上記の電力需給制御装置を含む電力需給制御システム、上記の各部の動作を実行するステップを有する電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法も本実施形態に含まれる。
第1実施形態にかかる電力需給制御システムを示す図 第1実施形態にかかる電力需給制御システムの動作フローを示す図 第1実施形態にかかる電力需給制御システムのAR配分部の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる負荷周波数制御(LFC)によるエリアインバランス量の配分の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる負荷周波数制御(LFC)による需給調整の例(経済負荷配分制御(EDC)にて上げ指令の場合)を示す図 第1実施形態にかかる負荷周波数制御(LFC)による需給調整(経済負荷配分制御(EDC)にて上げ指令の場合)の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる負荷周波数制御(LFC)による需給調整の例(経済負荷配分制御(EDC)にて下げ指令の場合)を示す図 第1実施形態にかかる負荷周波数制御(LFC)による需給調整(経済負荷配分制御(EDC)にて下げ指令の場合)の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるエリアインバランス量の配分の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるEDC周期タイミングにおけるエリアインバランス量を示す図 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力>BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力<BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかるインバランス調整非対象となった発電設備1の経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力>BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかるインバランス調整非対象となった発電設備1の出力積算値が、発電スケジュールの電力と一致する経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力>BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかるインバランス調整非対象となった発電設備1の経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力<BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかるインバランス調整非対象となった発電設備1の出力積算値が、発電スケジュールの電力と一致する経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力<BG計画値の場合)を示す図 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分を示す図(下げインバランスが発生した場合) 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分を示す図(下げインバランスが発生した場合) 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分を示す図(上げインバランスが発生した場合) 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分を示す図(上げインバランスが発生した場合) 第1実施形態にかかる経済負荷配分制御(EDC)による各発電設備の電力量単価 第1実施形態にかかる需給調整市場による電力商品を示す図 他の実施形態にかかる、インバランス調整の対象となった発電設備1が、曲線的に出力電力を増加または減少させる場合を示す図 他の実施形態にかかる、インバランス調整の非対象となった発電設備1が、曲線的に出力電力を増加または減少させる場合を示す図
[第1実施形態]
[1−1.構成]
図1を参照して本実施形態の一例として、電力需給制御システムについて説明する。なお、本実施形態において、同一構成の装置や部材が複数ある場合にはそれらについて同一の番号を付して説明を行い、また、同一構成の個々の装置や部材についてそれぞれを説明する場合に、共通する番号にアルファベットの添え字を付けることで区別する。
(1)システムの全体構成
図1に、本実施形態にかかる電力需給制御システムを示す。本電力需給制御システムは、電力系統9aに接続された複数の発電設備1、自然エネルギー発電設備2、検出装置3、制御装置4を有する。電力系統9aは、連系線9cを介し他の電力系統9b(以下、他系統9bと総称する)に接続される。また、各発電設備1は、検出用の信号線7および制御用の信号線8にて制御装置4に接続される。検出装置3が、請求項における検出部である。
本電力需給制御システムにおいて、以下のデータが、入力、出力、送受信または記憶される。また、以降、「地域要求電力」を「AR」、「経済負荷配分制御」を「EDC」と呼ぶ場合がある。「需要実績値」とは、実際に供給した電力ではなく、実際に発電された電力の値(発電端電力値)をいう。
a1.発電設備1ごとの発電電力値
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
c1.周波数変化量:ΔF
c2.他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT
c3.電力系統9aの融通電力:P0
d1.発電目標値
f1.平滑前AR値
f2.平滑後AR値
f3.配分されたAR値(AR配分値)
g1.1日分の発電計画データ
g2.前日需要予測値
g3.日ごとの発電端総需要値
g4.前日自然エネルギー予測値
g5.リアルタイムEDC値(経済負荷配分の計算結果)
(2)発電設備1
発電設備1は、発電機にて発電し電力系統9aに電力を供給する電力供給設備である。一例として、本実施形態の電力需給制御システムは、発電設備1a〜1nを有する。例えば、発電設備1aは、出力変化速度の速い、例えば水力機等の高速機により構成される。発電設備1bは、出力変化速度のやや遅い、例えば石油火力機等の中速機により構成される。発電設備1nは、出力変化速度の極めて遅い、例えば石炭火力機等の低速機により構成される。
発電設備1は、検出用の信号線7を介し制御装置4に対して、データa1(発電設備1ごとの発電電力値)を送信する。また、発電設備1は、制御用の信号線8を介し制御装置4からデータd1(発電目標値)を受信し、データd1(発電目標値)に基づき発電電力の制御を行う。なお、発電設備1a〜1nは、任意の個数である。
(3)自然エネルギー発電設備2
自然エネルギー発電設備2は、太陽光発電装置にて発電し電力系統9aに電力を供給する電力供給設備である。例として、本実施形態の電力需給制御システムは、自然エネルギー発電設備2a〜2nを有する。自然エネルギー発電設備2は、制御装置4にデータb1(自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値)を送信する。なお、自然エネルギー発電設備2a〜2nは、任意の個数である。
(4)検出装置3
検出装置3は、電力系統9aの電気量を検出する測定装置である。検出装置3は、電力系統9aに配置される。検出装置3は、電力系統9aに関するデータc1(周波数変化量:ΔF)データc2(他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT)、データc3(電力系統9aの融通電力:P0)の項目を検出し制御装置4に報知する。
(5)制御装置4
制御装置4は、パーソナルコンピュータ等により構成される。制御装置4は、電力の監視制御を行う制御室等に配置される。制御装置4は、発電設備1から送信されるデータa1、自然エネルギー発電設備2から送信されるデータb1、検出装置3から送信される電力系統9aに関するデータc1〜c3が、入力される。制御装置4は、需給制御に関する演算を行い発電設備1に対し、データd1(発電目標値)を送信する。
制御装置4は、入力部41、出力部42、目標値作成部43、AR算出部44、AR平滑部45、AR配分部46、総需要算出部47、発電計画データ作成部48、リアルタイムEDC算出部49、前日需要予測計算部50、前日自然エネルギー予測計算部51を有する。
制御装置4の上記の入力部41、出力部42、は、ハードウェアで構成される。目標値作成部43、AR算出部44、AR平滑部45、AR配分部46、総需要算出部47、発電計画データ作成部48、リアルタイムEDC算出部49、前日需要予測計算部50、前日自然エネルギー予測計算部51は、機能ブロックとしてソフトウェアモジュールで構成される。
入力部41は、受信回路により構成される。入力部41は、入力側が信号線7を介し発電設備1に、出力側が目標値作成部43に接続される。入力部41は、発電設備1から送信されたデータa1(発電設備1ごとの発電電力値)が入力される。入力部41は、発電設備1ごとのデータa1を目標値作成部43に出力する。
出力部42は、送信回路により構成される。出力部42は、入力側が目標値作成部43に、出力側が制御線8を介し発電設備1に接続される。出力部42は、目標値作成部43から入力されたデータd1(発電目標値)を、発電設備1に出力する。
目標値作成部43は、入力側が入力部41、AR配分部46及びリアルタイムEDC算出部49に接続され、出力側が出力部42に接続される。目標値作成部43は、発電設備1からデータa1(発電設備1ごとの発電電力値)、AR配分部46からデータf3(配分されたAR値(AR配分値))、リアルタイムEDC算出部49からデータg5(リアルタイムEDC値(経済負荷配分の計算結果))が入力される。
目標値作成部43は、上記データa1,f3,g5に基づき、出力部42に対しデータd1(発電目標値)を作成し出力する。
AR算出部44は、入力側が自然エネルギー発電設備2及び検出装置3に接続され、出力側がAR平滑部45に接続される。AR算出部44は、自然エネルギー発電設備2からデータb1(自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値)、検出装置3からデータc1(周波数変化量:ΔF)、データc2(他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT)、データc3(電力系統9aの融通電力:P0)が入力される。
AR算出部44は、上記データb1,c1〜c3に基づき、AR値を算出し、AR平滑部45に対しデータf1(平滑前AR値)を出力する。
AR平滑部45は、入力側がAR算出部44に接続され、出力側がAR配分部46及びリアルタイムEDC算出部49に接続される。AR平滑部45は、AR算出部44からデータf1(平滑前AR値)が入力される。AR平滑部45は、データf1に基づき、周波数分解を行いAR配分部46に対しデータf2(平滑後AR値)を出力する。
AR配分部46は、入力側がAR平滑部45に接続され、出力側が目標値作成部43に接続される。AR配分部46は、AR平滑部45からデータf2(平滑後AR値)が入力される。AR平滑部45は、データf2に基づき、発電設備1ごとの発電配分を算出し、各目標値作成部43に対しデータf3(配分されたAR値(AR配分値))を出力する。データf3は、各発電設備1への配分量であって、AR配分部46により発電設備1のメリットオーダーに基づいて算出される。
また、AR配分部46は、データf3を発電設備1の運転能力に応じて、例えば、発電設備1の発動までの応動時間に応じて、配分する。AR配分部46は、各目標値作成部43に対してf3のデータを出力する。なお、AR配分部46による発電設備1ごとのAR配分処理については、後に図2に基づき詳述する。
総需要算出部47は、入力側が入力部41に接続され、出力側がリアルタイムEDC算
出部49に接続される。総需要算出部47は、各発電設備1からから送信されたデータa1、各自然エネルギー発電設備2から送信されたデータb1が入力される。総需要算出部47は、上記データa1及びデータb1を累積加算してデータg3(日ごとの発電端総需要値)を算出し、これをリアルタイムEDC算出部49に出力する。
前日需要予測計算部50は、運用データとしてデータg2(前日需要予測値)を作成し、これを発電計画データ作成部48に出力する。前日自然エネルギー予測計算部51は、運用データとしてデータg4(前日自然エネルギー予測値)を作成し、これを発電計画データ作成部48に出力する。なお、予測データであるデータg2、データg4は、予め定められた一定時間ごとに算出され、新たな予測値に更新されるようにしてもよい。
発電計画データ作成部48は、前日需要予測計算部50から受信したデータg2(前日需要予測値)、前日自然エネルギー予測計算部51から受信したデータg4(前日自然エネルギー予測値)に基づき、データg1(1日分の発電計画データ)を作成し、これをリアルタイムEDC算出部49に出力する。
リアルタイムEDC算出部49は、入力側が総需要算出部47、発電計画データ作成部
48及びAR平滑部45に接続され、出力側が各目標値作成部43に接続される。リアルタイムEDC算出部49は、発電計画データ作成部48からデータg1(1日分の発電計画データ)を、総需要算出部47からデータg3(日ごとの発電端総需要値)を、AR平滑部45からデータf2(平滑後AR値)を受信する。
リアルタイムEDC算出部49は、これらのデータg1、データg3、データf2に基づいて経済負荷配分を行い、発電設備1のメリットオーダーによって、経済負荷配分の計算結果としてデータg5(リアルタイムEDC値)を発電設備1ごとに算出する。データg5(リアルタイムEDC値)とは、電力需給制御システム全体として経済的になるよう発電設備1ごとにスケジュール配分された発電電力値である。
具体的には、データg5(リアルタイムEDC値)は、データg3(日ごとの発電端総需要値)からデータg1(1日分の発電計画データ)を減算し、データf2(平滑後AR値)を加算して算出される(g5=g3−g1+f2)。リアルタイムEDC算出部49は算出したデータg5(リアルタイムEDC値)を各目標値作成部43に出力する。
また、リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1のメリットオーダーによって自エ
リアにおけるEDC対象のエリアインバランス量を配分する。リアルタイムEDC算出部49は、EDC周期に合わせてエリアインバランス量を均等配分する。
さらにリアルタイムEDC算出部49は、発電設備1の運転能力に応じ、エリアインバランス量を配分する。なお、リアルタイムEDC算出部49によるエリアインバランス量の配分処理については、後に図3に基づき詳述する。
エリアインバランス量とは、あるエリアの未来の時間帯において、手当されている電力量と、要求された電力量との差分である。要求された電力量が、手当されている電力量よりも大(つまりAR値が正)であれば、エリアインバランス量の不足=調達すべき電力量の不足を意味する。反対に、要求された電力量が手当されている電力量よりも小(つまりAR値が負)であれば、エリアインバランス量の過多=調達すべき電力量の過多を意味する。
以上が、本電力需給制御システムの構成である。
[1−2.作用]
最初に一般的な、電力需給制御と本実施形態の関係について説明する。
電力系統の負荷は、季節や時刻に応じ変動している。電力系統の負荷変動は、以下の(イ)(ロ)(ハ)の3つに区分して考えることができる。
(イ)サイクリック分:数秒から数分周期までの微小周期の負荷変動をサイクリック分と呼ぶ。変動幅の小さい種々の振動周期を持った脈動成分や、不規則な変動成分が重畳したものと考えられる。
(ロ)フリンジ分:数分から10数分程度までの短周期の負荷変動をフリンジ分と呼ぶ。
(ハ)サステンド分:10数分以上の長周期の負荷変動をサステンド分と呼ぶ。
微小周期の負荷変動であるサイクリック分のうち、ごく微小である周期の負荷変動は、系統の負荷特性より調整される。サイクリック分のうち、前述の周期以上の負荷変動は、ガバナフリー運転されている発電所の調速機により調整される。サイクリック分のうち、さらに前述の周期以上の負荷変動は、電力会社の中央給電指令所に設置された制御装置による制御により調整される。
短周期の負荷変動であるフリンジ分の負荷変動は、サイクリック分に比べ変動量が大きいためガバナフリーだけでは調整することができない。フリンジ分の負荷変動は、負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)により、周波数偏差、電力変動量が検出され発電機の出力が制御されることにより調整される。
長周期の負荷変動であるサステンド分の負荷変動は、負荷変動の変動量が大きく、1日の負荷曲線における負荷変動の一部と考えることができる。サステンド分の負荷変動は、負荷周波数制御では、発電設備の発電能力が不足しており、所望の発電量に調整することができない。サステンド分の負荷変動は、発電所の経済運用である経済負荷配分制御(EDC:Economic Load Dispatch)により調整される。
負荷周波数制御および経済負荷配分制御は、電力会社における中央給電指令所の重要機能である。負荷周波数制御(LFC)は、連系線潮流、系統周波数を一定に維持することを目的とする。経済負荷配分制御(EDC)は、最経済となる電力運用を行うことを目的とする。以下、負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(EDC)を合わせて需給制御と呼ぶ。
負荷周波数制御(LFC)は、系統の周波数および他系統との連系線における潮流電力に応じた各発電設備の出力調整により行われる。負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、全ての発電設備に対して行われるのではなく、比較的速い出力変動に対応することができる水力機のような高速機や石油火力機のような中速機に対して行われる。
石炭火力機のような低速機や原子力ユニットまたは運用上出力変動を避けたい発電設備に対して、負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、一般的には行われない。負荷周波数制御(LFC)は、中央給電指令所から出力調整が行われるものであり、出力が所望の出力に変動するまでに、数十秒程度の遅れが発生する。
負荷周波数制御(LFC)は、以下の3方式に区分される。
(a)定周波数制御(FFC):周波数変化量(ΔF)を検出して、ΔFを少なくするように発電設備の出力を調整し、系統の周波数のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(b)定連系電力制御(FTC):連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)を検出して、ΔPTを少なくするように発電設備の出力を調整し、連系線における潮流電力のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(c)周波数バイアス連系線電力制御(TBC):周波数変化量(ΔF)と連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)とを検出し、地域要求電力(AR)を算出し、地域要求電力(AR)に応じて発電設備の出力を制御する制御方式。
現在、周波数バイアス連系線電力制御(TBC)が、我が国において広く採用されている。本実施形態は、周波数バイアス連系線電力制御(TBC)にかかる制御を行うものである。
[電力需給制御システムの動作]
次に、本実施形態の電力需給制御システムの動作の概要を、制御装置4の動作に基づき説明する。図2に、AR配分処理にかかる電力需給制御システムの動作フローを示す。図2に示すプログラムは、制御装置4に内蔵される。図2に示すプログラムは、請求項における電力需給制御用コンピュータプログラムである。制御装置4は、下記の手順にて動作および演算を行う。
(ステップS20:AR算出部44によるデータf1(平滑前AR値)算出)
AR算出部44には、通信部(図中不示)を介し、以下の信号が入力される。
自然エネルギー発電設備2から送信された以下の信号
データb1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
検出装置3から送信された以下の信号
データc1.周波数変化量:ΔF
データc2.他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT
データc3.電力系統9aの融通電力:P0
上記データb1,c1〜c3のパラメータに基づき、AR算出部44によりデータf1(平滑前AR値)が、以下に示す演算式(1)により算出される。
平滑前AR値=−K・ΔF+ΔPT ・・・(1)
AR値:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線における潮流電力の変化量
上記(1)式では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。
(ステップS21:AR平滑部45によるデータf2(平滑後AR値)の算出)
ステップ20でAR算出部44により算出されたデータf1(平滑前AR値)に基づき、AR平滑部45により、データf2(平滑後AR値)が算出される。データf2は、フーリエ展開によりデータf1が周波数分解され算出される。
(ステップS22:AR配分部46によるデータf3(配分されたAR値)の算出)
ステップ21で、AR平滑部45により周波数分解されたデータf2(平滑後AR値)に基づき、AR配分部46により、データf3(配分されたAR値)が算出される。データf3は、各発電設備1への配分量であり、発電設備1の出力応答速度または出力余裕度に応じ算出される。上記のステップS20〜22に並行して、ステップS201〜204が実施される。
(ステップS201:データg2(前日需要予測値)、データg4(前日自然エネルギー予測値)の算出)
ステップS201では、前日需要予測計算部50がデータg2(前日需要予測値)を算出する。また前日自然エネルギー予測計算部51がデータg4(前日自然エネルギー予測値)を算出する。算出されたデータg2(前日需要予測値)、データg4(前日自然エネルギー予測値)は、発電計画データ作成部48に入力される。
(ステップS202:データg1(1日分の発電計画データ)の作成)
ステップS202では、発電計画データ作成部48がデータg2(前日需要予測値)、データg4(前日自然エネルギー予測値)に基づき、データg1(1日分の発電計画データ)を作成する。作成されたデータg1(1日分の発電計画データ)はリアルタイムEDC算出部49に入力される。
(ステップS203:データg3(日ごとの発電端総需要値)の算出)
ステップS203では、総需要算出部47が、データa1(発電設備1ごとの発電電力値)と、データb1(自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値)とを累積加算し、データg3(日ごとの発電端総需要値)の算出を行う。算出されたデータg3(日ごとの発電端総需要値)は、リアルタイムEDC算出部49に入力される。
(ステップS204:データg5(リアルタイムEDC値)の算出)
ステップS204では、データg1(1日分の発電計画データ)、データg3(日ごとの発電端総需要値)およびステップS21でAR平滑部45により周波数分解されたデータf2(平滑後AR値)に基づき、リアルタイムEDC算出部49が、各発電設備1に対する経済負荷配分を行い、発電設備1ごとのデータg5(リアルタイムEDC値)を算出する。算出されたデータg5(リアルタイムEDC値)は、各目標値作成部43に入力される。
(ステップS23:目標値作成部43によるデータd1(発電目標値)の算出)
ステップS23では、AR配分部46からのデータf3(配分されたAR値)、リアルタイムEDC算出部49からのデータg5(リアルタイムEDC値)に基づき、各目標値作成部43が、各発電設備1に対するデータd1(発電目標値)を算出する。
(ステップS24:目標値作成部43によるデータd1(発電目標値)の送出)
ステップS24では、ステップS23で算出されたデータd1(発電目標値)が、目標値作成部43から出力部42に送出される。
(ステップS25:出力部42によるデータd1(発電目標値)の送出)
ステップS25では、データd1(発電目標値)が、出力部42から各発電設備1に送出される。
[AR配分部46の動作]
次に、AR配分部46の動作を説明する。図3に、エリアインバランス量の配分処理にかかる電力需給制御システムの動作フローを示す。図3に示す動作フローは、ソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックであるAR配分部46により実行される。このAR配分部46のコンピュータプログラムのフロー図は、図2におけるステップS22の詳細である。
(ステップS41:データf2(平滑後AR値)の取得)
AR配分部46は、ステップS21でAR平滑部45により周波数分解されたデータf2(平滑後AR値)を取得する。このデータf2(平滑後AR値)は、ステップS21でAR平滑部45によりフーリエ展開により地域要求電力(AR)値が、周波数分解され算出された値である。
(ステップS42:10秒〜2分程度の短周期であるかの判断)
AR配分部46は、ステップS41で取得されたデータf2(平滑後AR値)の地域要求電力(AR値)が短周期であるかの判断を行う。ここで短周期とは、例えば10秒〜2分程度の周期である。データf2(平滑後AR値)のうち、短周期である地域要求電力(AR値)(S42の「YES」)は、ステップS43に移行し処理が行われる。一方、データf2(平滑後AR値)のうち、10秒〜2分程度の短周期に該当しない地域要求電力(AR値)(S43の「NO」)は、ステップS44に移行し処理が行われる。
(ステップS43:高速発電機に分担する)
AR配分部46は、ステップS42にて、データf2(平滑後AR値)のうち10秒〜2分程度の短周期であると判断した地域要求電力(AR値)を、高速発電機(例えば水力機)にて発電を行うように分担する。
(ステップS44:2分〜10分程度の長周期であるかの判断)
ステップ42でデータf2(平滑後AR値)のうち、10秒〜2分程度の短周期に該当しないと判断した地域要求電力(AR値)について、AR配分部46は、地域要求電力(AR値)が長周期であるかの判断を行う。ここで長周期とは、例えば2分〜10分程度の周期をいう。
データf2(平滑後AR値)のうち、2分〜10分程度の長周期である地域要求電力(AR値)は、ステップS45に移行し(S44の「YES」)処理が行われる。一方、データf2(平滑後AR値)のうち、2分〜10分程度の長周期に該当しない地域要求電力(AR値)は、ステップS46に移行し(S43の「NO」)処理が行われる。
(ステップS45:低速発電機に分担する)
AR配分部46は、ステップ44にて、データf2(平滑後AR値)のうち2分〜10分程度の長周期であると判断した地域要求電力(AR値)を、低速発電機(例えば石油火力機)にて発電を行うように分担する。
(ステップS46:低速発電機に分担する)
AR配分部46は、ステップ44にて、データf2(平滑後AR値)のうち2分〜10分程度の長周期に該当しないと判断した地域要求電力(AR値)を、EDCの対象となる発電機にて発電を行うように分担する。
以上のように、AR配分部46により、10秒〜2分程度の短周期である地域要求電力(AR値)は、高速機(例えば水力機)に分担され、2分〜10分程度の長周期である地域要求電力(AR値)は、低速機(例えば、火力機)に分担される。さらに2分〜10分程度よりも長周期である地域要求電力(AR値)は、EDC発電機が発電するように分担される。
[負荷周波数制御(LFC)の動作]
次に、負荷周波数制御(LFC)の動作について説明する。LFCにより地域要求電力(AR値)の配分を行う場合、図1〜図3に示したように、周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)により地域要求電力(AR値)を算出して、地域要求電力(AR値)を平滑化する。その後、LFCの対象となる発電設備1に対して、地域要求電力(AR値)を配分する。
本実施形態のLFCの制御方式としては、周波数バイアス連系線電力制御方式(以下、TBCと呼ぶ)を採用する。TBCとは、周波数変化量(ΔF)と連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)とを検出し、地域要求電力(AR)を算出して、地域要求電力(AR値)に応じて発電設備1の出力を制御する制御方式である。
なお、負荷周波数制御(LFC)として、次のような方式も知られている。
(a)定周波数制御(FFC):周波数変化量(ΔF)を検出して、ΔFを少なくするように発電設備1の出力を調整し、系統の周波数のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(b)定連系電力制御(FTC):連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)を検出し、ΔPTを少なくするように発電設備1の出力を調整し、連系線における潮流電力のみを規定値に保つように制御する制御方式。
また、負荷周波数制御(LFC)にて、AR配分部46が地域要求電力(AR値)を配分する際、従来は、発電設備1の出力変化速度比あるいは出力余裕比等にて配分していた。しかし昨今の電力需給調整では、一般送配電業者が需給調整市場により需給調整力を確保することから、市場参加者に対する系統運用者の中立性の立場により、メリットオーダーによる需給調整を行うことが要請される。
そこで本実施形態では、負荷周波数制御(LFC)を行う場合、最初に自エリアにおける負荷周波数制御(LFC)相当のエリアインバランス量の決定を行い、その後、AR配分部46が、発電設備1のメリットオーダーにより地域要求電力(AR値)を配分する。
図4に、負荷周波数制御(LFC)によるエリアインバランス量の配分の動作フローを示す。エリアインバランス量の配分は、負荷周波数制御(LFC)において発電設備1のメリットオーダーにより行われる。AR配分部46は、図4に示すフローチャートの手順にてメリットオーダーによる負荷周波数制御(LFC)にかかる配分を行う。
AR配分部46は、負荷周波数制御(LFC)周期(例えば、10秒周期)分のエリアインバランス量を決定する(ステップS51)。その後、AR配分部46は、ステップS51にて決定したエリアインバランス量を、出力変化速度、予備力等の発電機の運転能力に応じ発電設備1に分配する(ステップS52)。
次に、AR配分部46は、ステップS52にて分配されたエリアインバランス量に基づきメリットオーダーリストの作成を行う(ステップS53)。さらにその後、AR配分部46は、全ての地域要求電力(AR値)の配分が完了するまで、各発電設備1におけるLFC周期の出力変化速度制約と上下限制約を考慮した上で、メリットオーダーリストに従って地域要求電力(AR値)の配分を行う(ステップS54〜57)。
AR配分部46による全ての地域要求電力(AR値)の配分が完了した場合(ステップS54のYES)、目標値作成部43は、地域要求電力(AR値)の配分結果であるデータf3(AR配分値)を含むデータd1(発電目標値)を、各発電設備1へ送出する(ステップS58)。各発電設備1は、指示されたデータd1(発電目標値)に従い電力を出力する。
[経済負荷配分制御(EDC)の動作]
次に、経済負荷配分制御(EDC)の動作について説明する。図1、図2に示したように、リアルタイムEDC算出部49は、発電計画データ作成部48からデータg1(1日分の発電計画データ)を、総需要算出部47からデータg3(日ごとの発電端総需要値)を、AR平滑部45からデータf2(平滑後AR値)を受信する。リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1ごとにデータg5(リアルタイムEDC値)を算出する。
リアルタイムEDC算出部49が経済負荷配分制御(EDC)におけるエリアインバランス量を各発電設備1に配分する場合、従来では最も低コストとなるように、すなわち燃料費が少なくなるように、発電設備1の出力を決定していた。しかし昨今の電力需給調整においては、前述の負荷周波数制御(LFC)によるAR配分と同様に、経済負荷配分制御(EDC)においても需給調整市場から需給調整力を確保することが求められる。
そこで、本実施形態では、リアルタイムEDC算出部49が、発電設備1のメリットオーダーにより、自エリアにおける経済負荷配分制御(EDC)対象のエリアインバランス量を配分する。
図10に、経済負荷配分制御(EDC)周期と、本実施形態においてエリアインバランス量の制御を行うタイミングを示す。将来の需給調整市場では、「30分」を経済負荷配分制御(EDC)周期とした電力取引が想定されている。従来における一般的な経済負荷配分制御(EDC)周期は「5分」であった。そこで、本実施形態では、30分間のエリアインバランス量を、図10に示すように5分周期におけるエリアインバランス量に均等分割する。すなわち、本実施形態では、30分のエリアインバランス量を6回に分けて、「5分」分のエリアインバランス量を配分する。
図9に、経済負荷配分制御(EDC)におけるエリアインバランス量の配分処理にかかるフローチャートを示す。リアルタイムEDC算出部49は、図9に示すフローチャートの手順にて経済負荷配分制御(EDC)におけるエリアインバランス量の配分処理を行う。
最初に、リアルタイムEDC算出部49は、経済負荷配分制御(EDC)周期のエリアインバランス量の決定を行う(ステップS61)。経済負荷配分制御(EDC)周期は、例えば5分周期が選択される。30分間のエリアインバランス量は、図10に示すように5分周期のエリアインバランス量に均等分割される。その後、AR配分部46は、ステップS61にて決定したエリアインバランス量を、出力変化速度、予備力等の発電機の運転能力に応じ発電設備1に分配する(ステップS62)。
次にリアルタイムEDC算出部49は、ステップS62にて配分されたエリアインバランス量に基づきメリットオーダーリストの作成を行う(ステップS63)。さらにその後、リアルタイムEDC算出部49は、全てのエリアインバランス量の配分が完了するまで、各発電設備1におけるEDC周期の出力変化速度制約と上下限制約を考慮した上で、メリットオーダーリストに従ってエリアインバランス量を配分する(ステップS64〜67)。
リアルタイムEDC算出部49により全てのエリアインバランス量の配分が完了した場合、(ステップS64のYES)、目標値作成部43は、データd1(発電目標値)を各発電設備1へ送出する(ステッ68)。データd1(発電目標値)は、エリアインバランス量の配分結果としてデータg5(リアルタイムEDC値)を含む。各発電設備1は、指示されたデータd1(発電目標値)に従い電力を出力する。
以上のように、リアルタイムEDC算出部49により、LFCによる地域要求電力(AR値)の配分、ならびに、EDCによるエリアインバランス量の配分が行われる。リアルタイムEDC算出部49により、負荷周波数制御(LFC)および経済負荷配分制御(EDC)が行われる。
[負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(EDC)の調整]
前述のとおり、リアルタイムEDC算出部49により、負荷周波数制御(LFC)および経済負荷配分制御(EDC)が行われる。しかしながら、複数の発電設備1のうち同一の発電設備に対し、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整および経済負荷配分制御(EDC)が同時におこなわれた場合、電力需給調整における十分な制御性能が確保されず、経済性および電力品質を精度よく確保した電力需給調整が行われない可能性がある。
特に、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整の制御方向と、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整の制御方向が異なる場合に、同一の発電設備1に対し、インバランス調整および経済負荷配分制御(EDC)が同時におこなわれた場合、電力需給調整における十分な制御性能が確保されにくい。例えば、インバランス調整において、負荷周波数制御(LFC)により出力電力の増加が、経済負荷配分制御(EDC)により出力電力の減少が、同一の発電設備1に対し指令された場合、経済性および電力品質を精度よく確保した電力需給調整が行われない。
本実施形態においてリアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備1のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択して、インバランス調整を行う。
リアルタイムEDC算出部49により負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(EDC)の調整が行われる。負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(EDC)の調整は、図4におけるステップS52および図9におけるステップS62により行われる。
負荷周波数制御(LFC)は、前述のとおりデータc1(周波数変化量:ΔF)とデータc2(他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT)に基づきAR算出部44によりデータf1(平滑前AR値)が算出され、AR平滑部45により平滑化されたデータf2(平滑後AR値)が作成され、その後、AR配分部46により負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備1にデータf3(配分されたAR値)が配分されることにより行われる。
従来における発電設備1へのデータf3(配分されたAR値)の配分は、出力変化速度比または出力余裕比等に応じて配分していた。しかしながら昨今の電力需給調整では、需給調整市場により需給調整力を確保するので、市場参加者に対する系統運用者の中立性の立場により、メリットオーダーによる需給、周波数調整にて地域要求量(AR)の配分を行うことが要求される。
さらに今後の需給調整市場では、電力商品の商品区分となる「調整力」が、制御区分に応じ、より細分化されると考えられる。図22に、一例として現段階で想定される需給調整市場による電力商品を示す。例えば、図22に示すように、需給調整市場における電力商品が制御区分に応じ、「一次調整力」「二次調整力」「三次調整力」(上げ、下げ別)に区分され、合計10区分の電力商品となることが想定されている。そのため、負荷周波数制御(LFC)および経済負荷配分制御(EDC)にも、更に細密に調整力を配分することが要求される。
上記の電力商品の商品区分に対応するため、1台の発電設備1で複数の商品を扱うことも想定される。負荷周波数制御(LFC)にかかるLFC二次調整力と経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力が、複数の発電設備1のうち同一の発電設備1に分担され、需給調整が行われることも想定される。
図5に、経済負荷配分制御(EDC)と、負荷周波数制御(LFC)の関係を示す。例えば、図5に示すように、経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力として出力電力の増加である上げ側にインバランス調整を行っている場合、仮にARが負となった場合、負荷周波数制御(LFC)かかるLFC二次調整力として出力電力の減少である下げ側にインバランス調整を行うこととなる。
その結果、同一の発電設備1に対し出力電力の増加、出力電力の減少という二つの逆の指令を与えることとなる。これにより、EDC二次調整力による出力電力の増加が行われず、インバランス量を確保することができない可能性がある。同一の発電設備1に出力電力の増加、出力電力の減少という二つの逆の指令を与えることは、電力需給調整における制御性能を低下させるとの問題点がある。
上記の問題点を回避するために、本実施形態において、制御装置4は、以下のモードA、モードB、モードCの3つのモードにてインバランス調整を行う。モードA、モードB、モードCの3つのモードは、制御装置4に作業者により予め設定される。実行されるモードは、例えば電力系統9a全体の消費電力に応じ、リアルタイムEDC算出部49により選択される。または、実行されるモードは、作業者により制御装置4に入力されるコマンドにより、選択されるようにしてもよい。
(モードAのインバランス調整)
リアルタイムEDC算出部49は、複数の発電設備1のうち、インバランス調整における負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備(例えば発電設備1a)と異なる発電設備(例えば発電設備1b)を選択して、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整を行う。
リアルタイムEDC算出部49により経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力としてインバランス調整を行う発電設備1bに対しては、負荷周波数制御(LFC)にかかるLFC二次調整力としてインバランス調整を行う指令は送信されない。発電設備1bは、経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力として動作し、より確実にインバランス調整量を調整する。
リアルタイムEDC算出部49により負荷周波数制御(LFC)にかかるLFC二次調整力としてインバランス調整を行う発電設備1aに対しては、経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力としてインバランス調整を行う指令は送信されない。発電設備1aは、負荷周波数制御(LFC)にかかるLFC二次調整力として動作し、より確実にインバランス調整量を調整する。
なお、実施しなかった負荷周波数制御(LFC)または経済負荷配分制御(EDC)にかかる調整量は、発電設備1a、1bを除く他の発電装置1にてカバーするようにしてもよい。
(モードBのインバランス調整)
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1に対し、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わない。
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う。
例えば、図5に示すように、経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力として出力電力の増加である上げ側のインバランス調整中に、負荷周波数制御(LFC)かかるLFC二次調整力として出力電力の減少である下げ側のインバランス調整(AR<0)が必要となった場合、リアルタイムEDC算出部49は、以下の動作を行う。
図6に、負荷周波数制御(LFC)による需給調整(経済負荷配分制御(EDC)にて上げ指令の場合)の動作フローを示す。リアルタイムEDC算出部49は、図6に示すプログラムに従い、動作を行う。最初にリアルタイムEDC算出部49は、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1(例えば発電設備1a)は出力電力を増加させる制御を行っているかの判断を行う(ステップS71)。
次に負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を減少させる制御となるかの判断を行う(ステップS72)。出力電力を増加させる制御を行っていると判断した場合(ステップS71のYES)であり、かつ負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を減少させる制御となると判断した場合(ステップS72のYES)、リアルタイムEDC算出部49は、同一の発電設備1(例えば発電設備1a)に対して負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わない(ステップS74)。リアルタイムEDC算出部49は、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1(例えば発電設備1a)と異なる発電設備1(例えば発電設備1b)を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う。
一方、出力電力を増加させる制御を行っていると判断しない場合(ステップS71のNO)、または負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を減少させる制御となると判断しない場合(ステップS72のNO)、リアルタイムEDC算出部49は、同一の発電設備1(例えば発電設備1a)に対して負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う(ステップS73)。
(モードCのインバランス調整)
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1に対し、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わない。
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う。
図7に、経済負荷配分制御(EDC)と、負荷周波数制御(LFC)の関係を示す。例えば、図7に示すように、経済負荷配分制御(EDC)にかかるEDC二次調整力として出力電力の減少である下げ側のインバランス調整中に、負荷周波数制御(LFC)かかるLFC二次調整力として出力電力の増加である上げ側のインバランス調整(AR>0)が必要となった場合、リアルタイムEDC算出部49は、以下の動作を行う。
図8に、負荷周波数制御(LFC)による需給調整(経済負荷配分制御(EDC)にて下げ指令の場合)の動作フローを示す。リアルタイムEDC算出部49は、図8に示すプログラムに従い、動作を行う。最初にリアルタイムEDC算出部49は、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1(例えば発電設備1a)は出力電力を減少させる制御を行っているかの判断を行う(ステップS81)。
次に負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を増加させる制御となるかの判断を行う(ステップS82)。出力電力を減少させる制御を行っていると判断した場合(ステップS81のYES)であり、かつ負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を増加させる制御となると判断した場合(ステップS82のYES)、リアルタイムEDC算出部49は、同一の発電設備1(例えば発電設備1a)に対して負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わない(ステップS84)。リアルタイムEDC算出部49は、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1(例えば発電設備1a)と異なる発電設備1(例えば発電設備1b)を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う。
一方、出力電力を減少させる制御を行っていると判断しない場合(ステップS81のNO)、または負荷周波数制御(LFC)は、出力電力を増加させる制御となると判断しない場合(ステップS82のNO)、リアルタイムEDC算出部49は、同一の発電設備1(例えば発電設備1a)に対して負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う(ステップS83)。
上記のインバランス調整により、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整をより確実に実行することができる。しかし、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1(例えば発電設備1a)と異なる発電設備1(例えば発電設備1b)により、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整が行われる。このため電力系統9a全体の制御性能を悪化させることも想定される。
電力系統9a全体の制御性能の悪化を軽減するため、インバランス調整における負荷周波数制御(LFC)、経済負荷配分制御(EDC)の調整度合いを作業者により設定することができるようにしてもよい。
[インバランス調整の非対象となった発電設備1の制御]
次に、本実施形態における、インバランス調整の対象であった発電設備1が、インバランス調整の非対象となった場合の制御について説明する。発電設備1ごとに発電設備1は、目標値作成部43を介して、リアルタイムEDC算出部49により算出されたリアルタイムEDC値に基づくデータd1(発電目標値)が入力される。発電設備1は、後述する出力電力を出力する動作を行うように制御される。
一般に、メリットオーダーにより選択された経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整の対象となった発電設備1は、図11、図12に示す動作をおこなうように制御される。図11に、経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力>BG計画値の場合)を示す。図12に、経済負荷配分制御(EDC)による需給調整の例(現在出力<BG計画値の場合)を示す。図11、図12は、発電機の30分間(1コマ)の出力電力の変化を示す。
現在の出力電力が、BG計画値よりも大きい場合、発電設備1は、図11に示すように、インバランス調整により段階的に出力電力の増加または減少を行うように制御される。ここでBG計画値とは、前日に予測された出力電力の計画値である。
現在の出力電力が、BG計画値よりも大きい場合、発電設備1は、図12に示すように、インバランス調整により段階的に出力電力の増加または減少を行うように制御される。
時間帯(コマ)ごとに、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整の対象となる発電設備1が選択される。したがって同一の発電設備1は、時間帯(コマ)ごとに、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整の対象となる場合、非対象となる場合がある。例えば、ある時間帯にてインバランス対象となった発電設備1が、次の時間帯では非対象となる場合がある。
インバランス調整の非対象となった発電設備1は、インバランス調整にかかる制御は行われない。しかしながら、電力系統9a全体の需給バランスを確保できるように、インバランス調整の非対象となった発電設備1に対しても制御が行われることが望ましい。本実施形態の制御装置4により、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対する制御が行われる。
インバランス調整の対象であった発電設備1が、インバランス調整の非対象となった場合の具体的な制御について説明する。この発電設備1に対する制御は、具体的には、制御装置4のリアルタイムEDC算出部49にから目標値作成部43、出力部42を介して送信される電文により行われる。
インバランス調整は、需給調整市場のゲートクローズ後の30分間に実施される。インバランス調整の非対象となった場合における発電設備1に対する制御は、インバランス調整の対象であった発電設備1が、インバランス調整の対象であった次の時間帯(例えば30分)において行われる。上記では、経済負荷配分制御(EDC)にかかるインバランス調整は、30分に区切られた時間帯において行われるものとしたが、インバランス調整が行われる時間はこれに限られず、例えば1コマ5分に区切られた時間帯において行われるものであってもよい。
前述の通り、経済負荷配分制御(EDC)にかかるインバランス量の調整は、図9に示すプログラムフローに基づき行われる。インバランス調整の非対象となった場合における発電設備1に対する制御も、インバランス調整の一環として図9に示すプログラムフローに基づき行われる。
つまり、経済負荷配分制御(EDC)にかかるエリア全体のインバランス量であるエリアインバランスの決定を行い、メリットオーダーリストの作成を行い、全てのエリアインバランス量を配分するまで、エリアインバランス量を配分する。エリアインバランス量の配分は、図10に示すように経済負荷配分制御(EDC)にかかる周期(例えば、5分周期)で、出力変化速度に関する制約と上下限に関する制約を充足するように実行される。
インバランス調整の非対象となった発電設備1に対する制御は、以下のモードのうち適切なモードが選択され実行される。実行されるモードは、例えば電力系統9a全体の消費電力に応じ、リアルタイムEDC算出部49により選択される。または、実行されるモードは、作業者により制御装置4に入力されるコマンドにより、選択されるようにしてもよい。
(モードK)
インバランス調整の非対象となった発電設備1の経済負荷配分制御(EDC)による需給調整において、現在出力>BG計画値の場合を図13に、現在出力<BG計画値の場合を図15に示す。図13のモードK、図15のモードKに示すように、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、インバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力を維持するように制御を行う。
発電設備1は、インバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力を、インバランス調整の対象であった次の時間帯において継続して出力する。発電設備1は、インバランス調整の対象であった次の時間帯の更に次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力を出力する。
(モードL(L1、L2))
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力を出力するように段階的に制御を行う。リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1のインバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力が、インバランス調整の対象であった次の、更に次の時間帯における事前に計画された発電スケジュールの電力となるように、段階的に変化させる制御を行う。
インバランス調整の非対象となった発電設備1の経済負荷配分制御(EDC)による需給調整において、現在出力>BG計画値の場合を図13に、現在出力<BG計画値の場合を図15に示す。発電設備1は、インバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力を、インバランス調整の対象であった次の、更に次の時間帯における事前に計画された発電スケジュールの電力となるように、インバランス調整の対象であった次の時間帯において段階的に変化させ出力する。発電設備1が出力電力を減少させる場合を図13のモードL1に、発電設備1が出力電力を増加させる場合を図15のモードL2に示す。
(モードM(M1、M2))
リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力と、積算電力が一致する電力を出力するように制御を行う。リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1の出力電力が、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力と、積算電力が一致する電力を出力するように、インバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力から段階的に変化させる制御を行う。
インバランス調整非対象となった発電設備1の出力積算値が、発電スケジュールの電力と一致する経済負荷配分制御(EDC)による需給調整において、現在出力>BG計画値の場合を図14に、現在出力<BG計画値の場合を図16に示す。発電設備1は、インバランス調整の対象であった次の時間帯における事前に計画された発電スケジュールの電力と積算電力が一致する電力を出力するように、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、インバランス調整の対象となった時間帯終了時の出力電力を段階的に変化させ出力する。発電設備1が出力電力を減少させる場合を図14のモードM1に、発電設備1が出力電力を増加させる場合を図16のモードM2に示す。
[インバランス調整の非対象となった発電設備1に起因するインバランスの補填]
上記のモードK、モードL、モードMによりインバランス調整の非対象となった発電設備1の制御を行った場合、更に電力系統9bにおいてインバランスが発生する可能性がある。インバランス調整の非対象となった発電設備1に上記の制御を行うことに起因して発生したさらなるインバランスは以下のように補填される。
インバランス調整の非対象となった発電設備1に上記の制御を行うことに起因して発生した、更なるインバランスに対応する制御が、出力電力を減少させる制御である場合、リアルタイムEDC算出部49は、すでに出力電力を減少させる制御を行っている発電設備1(例えば発電設備1d)に対し更なる出力電力の減少を指示する。
図17に、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分として、下げインバランスが発生した場合の電力の積み上げ順を示す。また、図21に、経済負荷配分制御(EDC)による各発電設備1の電力量単価を示す。リアルタイムEDC算出部49は、出力電力を減少させる制御の対象として、図21に示す発電機の電力単価であるメリットオーダーリストに基づき、図17に示すように電力単価が次に高い発電設備1を選択する。
図18に、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分として、下げインバランスが発生した場合の動作を示す。例えば、図18に示すように、発電設備1eが−5MWh追加となる場合、リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1eの次に電力単価の高い発電設備1dに対し、出力電力を減少させる制御を行う。
インバランス調整の非対象となった発電設備1に上記の制御を行うことに起因して発生した、更なるインバランスに対応する制御が、出力電力を増加させる制御である場合、リアルタイムEDC算出部49は、すでに出力電力を増加させる制御を行っている発電設備1(例えば発電設備1b)に対し更なる出力電力の増加を指示する。
図19に、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分として、上げインバランスが発生した場合の電力の積み上げ順を示す。また、図21に、経済負荷配分制御(EDC)による各発電設備1の電力量単価を示す。リアルタイムEDC算出部49は、出力電力を増加させる制御の対象として、図21に示す発電機の電力単価であるメリットオーダーリストに基づき、図19に示すように電力単価が次に低い発電設備1を選択する。
図20に、経済負荷配分制御(EDC)によるインバランス調整量の追加分として、上げインバランスが発生した場合の動作を示す。例えば、図20に示すように、発電設備1aが+5MWh追加となる場合、リアルタイムEDC算出部49は、発電設備1aの次に電力単価の低い発電設備1bに対し、出力電力を増加させる制御を行う。各発電設備1は、リアルタイムEDC算出部49からの指示に従い電力を出力する。
以上が電力需給制御システムの動作である。本実施形態にかかる電力需給制御システムによれば、将来の需給調整市場により需給調整力を確保し、市場参加者に対する系統運用者の中立性の立場により、メリットオーダーによる需給、周波数調整を行うのみではなく、各電力商品によるエリアインバランス量を過不足なく配分することができ、制御性能を悪化させることなく需給運用を行うことができる。
[1−3.効果]
(1)本実施形態によれば、電力需給制御装置4は、電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出部44と、電力系統に電力を供給する複数の発電設備1のメリットオーダーに基づいて地域要求電力(AR値)を配分し発電設備1ごとにAR配分値を算出するAR配分部46と、発電設備1のメリットオーダーに基づき、発電設備1ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出部49と、AR配分部46により算出されたAR配分値、およびリアルタイムEDC算出部49により算出されたリアルタイムEDC値から発電設備1ごとの発電目標値を作成する目標値作成部43と、を備え、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備1のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択するので、インバランス調整時における経済負荷配分制御(EDC)、負荷周波数制御(LFC)による電力需給制御により、経済性および電力品質を精度よく確保することができる電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供することができる。
インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)、経済負荷配分制御(EDC)に応じ、複数の発電設備1のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備が選択されるので、電力需給調整市場における電力商品によるエリアインバランス量を過不足なく配分することが可能となる。その結果、制御性能を悪化させることなく需給運用を行うことができる。
(2)本実施形態によれば、リアルタイムEDC算出部49は、複数の発電設備1のうち、インバランス調整における経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行うので、インバランス調整時における経済負荷配分制御(EDC)、負荷周波数制御(LFC)による電力需給制御により、経済性および電力品質を精度よく確保することができる電力需給制御装置、電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供することができる。
本実施形態によれば、複数の発電設備1のうち、インバランス調整における経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1が、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整の対象として選択される。その結果、同一の発電設備1に対し、経済負荷配分制御(EDC)と逆方向の負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれることを避けることができ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(3)本実施形態によれば、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備1のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行うので、同一の発電設備1に対し、経済負荷配分制御(EDC)と逆方向の負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれることを避けることができ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(4)本実施形態によれば、複数の発電設備1のうち、出力電力の増加を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、出力電力の減少を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う、または、複数の発電設備1のうち、出力電力の減少を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1と異なる発電設備1を選択して、出力電力の増加を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行うので、経済負荷配分制御(EDC)で出力電力の増加を指示した発電設備1に、負荷周波数制御(LFC)で出力電力の減少を指示することを避けることができ、また、経済負荷配分制御(EDC)で出力電力の減少を指示した発電設備1に、負荷周波数制御(LFC)で出力電力の増加を指示することを避けることができる。
その結果、同一の発電設備1に対し、経済負荷配分制御(EDC)と逆方向の負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれることを避けることができ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(5)本実施形態によれば、複数の発電設備1のうち、出力電力の増加を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1に対して、出力電力の減少を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わず、または、複数の発電設備1のうち、出力電力の減少を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備1に対して、出力電力の増加を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わないので、経済負荷配分制御(EDC)で出力電力の増加を指示した発電設備1に、負荷周波数制御(LFC)で出力電力の減少を指示することを避けることができ、また、経済負荷配分制御(EDC)で出力電力の減少を指示した発電設備1に、負荷周波数制御(LFC)で出力電力の増加を指示することを避けることができる。
その結果、同一の発電設備1に対し、経済負荷配分制御(EDC)と逆方向の負荷周波数制御(LFC)が同時におこなわれることを避けることができ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(6)本実施形態によれば、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、インバランス調整の対象となった時間帯の出力電力を維持するように制御を行うので、経済負荷配分制御(EDC)におけるエリアインバランス量を継続してそのまま適用することができ、安定した制御を行うことができる。
これにより、ある時間帯にてインバランス調整の対象だった発電設備1が、次の時間帯において非対象となった場合において、インバランス調整にかかる指示に代替して制御値が指示されるので、電力系統9a全体の需給バランスが保たれ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(7)本実施形態によれば、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力を出力するように段階的に制御を行うので、発電設備1は、段階的に事前に計画された発電スケジュールの電力を出力することができる。これにより発電設備1が発電スケジュールの電力を出力する時間帯以降、電力の購入に関する費用調整が不要となる。
また、ある時間帯にてインバランス調整の対象だった発電設備1が、次の時間帯において非対象となった場合において、インバランス調整にかかる指示に代替して制御値が指示されるので、電力系統9a全体の需給バランスが保たれ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
(8)本実施形態によれば、リアルタイムEDC算出部49は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備1に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯における事前に計画された発電スケジュールの電力と、積算電力が一致する電力を出力するように制御を行うので、インバランス調整の対象であった次の時間帯以降、電力の購入に関する費用調整が不要となる。
また、ある時間帯にてインバランス調整の対象だった発電設備1が、次の時間帯において非対象となった場合において、インバランス調整にかかる指示に代替して制御値が指示されるので、電力系統9a全体の需給バランスが保たれ、電力需給調整における十分な制御性能、経済性、電力品質を確保することができる。
[他の実施形態]
変形例を含めた実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。以下は、その一例である。
(1)上記実施形態では、経済負荷配分制御(EDC)周期として電力取引周期である30分間のエリアインバランス量を、5分周期のエリアインバランス量に均等分割することとしたが、経済負荷配分制御(EDC)周期はこれに限られない。例えば将来の需給調整市場で採用される任意の周期の電力取引に対応するものであってもよい。また、将来の需給調整市場で採用される電力取引周期を任意の周期に分割して経済負荷配分制御(EDC)を行うものであってもよい。
(2)上記実施形態では、発電設備1は、火力、水力等の発電機であるものとした。しかしながら発電設備1は、これに限られない。発電設備1は、図22に示すように、蓄電池やDR等であってもよい。
(3)上記実施形態では、自然エネルギー発電設備2は、太陽光発電装置としたがこれに限られない。自然エネルギー発電設備2は、風力発電、海流発電、地熱発電でもよい。
(4)上記実施形態では、入力部41は、受信回路としたがこれに限られない。入力部41は、メモリポートやキーボードによる入力装置でもよい。
(5)上記実施形態では、ステップS42において、一例としてf2「平滑後AR値」のうち、10秒〜2分周期である地域要求電力(AR)値が判断されるものとしたが、判断される地域要求電力(AR)値の周期は10秒〜2分に限られない。
(6)上記実施形態では、ステップS44において、一例としてf2「平滑後AR値」のうち、2分〜10分周期である地域要求電力(AR)値が判断されるものとしたが、判断される地域要求電力(AR)値の周期は2分〜10分に限られない。
(7)上記実施形態では、インバランスの対象となった発電設備1は、図11、図12に示すように、インバランスの非対象となった発電設備1は、図13、図14、図15、図16に示すように直線的に、または段階的に、出力電力を増加または減少させるものとした。しかしながらインバランスの対象となった発電設備1は図23に示すように、インバランスの非対象となった発電設備1は図24に示すように曲線的に、出力電力を増加または減少させるものであってもよい。また、発電設備1は、30分等の一つの時間帯内で、出力電力を増減させるものであってもよい。
一例として、図23にインバランス調整の対象となった発電設備1が、曲線的に出力電力を増加または減少させる場合を、図24にインバランス調整の非対象となった発電設備1が、曲線的に出力電力を増加または減少させる場合を示す。
1,1a〜1n・・・発電設備
2,2a〜2n・・・自然エネルギー発電設備
3・・・検出装置
4・・・制御装置
7,7a〜7n・・・検出用の信号線
8,8a〜8n・・・制御用の信号線
9,9a・・・電力系統
9b・・・他の電力系統
9c・・・連系線
41,41a〜41n・・・入力部
42,42a〜42n・・・出力部
43,43a〜43n・・・目標値作成部
44・・・AR算出部
45・・・AR平滑部
46・・・AR配分部
47・・・総需要算出部
48・・・発電計画データ作成部
49・・・リアルタイムEDC算出部
50・・・前日需要予測計算部
51・・・前日自然エネルギー予測計算部

Claims (11)

  1. 電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された前記変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出部と、
    電力系統に電力を供給する複数の発電設備のメリットオーダーに基づいて前記地域要求電力(AR値)を配分し前記発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分部と、
    前記発電設備のメリットオーダーに基づき、前記発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出部と、
    前記AR配分部により算出された前記AR配分値、および前記リアルタイムEDC算出部により算出された前記リアルタイムEDC値から前記発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成部と、を備え、
    前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択する、
    電力需給制御装置。
  2. 前記リアルタイムEDC算出部は、複数の発電設備のうち、インバランス調整における経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備と異なる発電設備を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う、
    請求項1に記載の電力需給制御装置。
  3. 前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御が異なる場合に、複数の発電設備のうち、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備と異なる発電設備を選択して、負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う、
    請求項1に記載の電力需給制御装置。
  4. 複数の発電設備のうち、出力電力の増加を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備と異なる発電設備を選択して、出力電力の減少を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う、または、複数の発電設備のうち、出力電力の減少を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備と異なる発電設備を選択して、出力電力の増加を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行う、
    請求項1に記載の電力需給制御装置。
  5. 複数の発電設備のうち、出力電力の増加を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備に対して、出力電力の減少を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わず、または、複数の発電設備のうち、出力電力の減少を指示する経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備に対して、出力電力の増加を指示する負荷周波数制御(LFC)によるインバランス調整を行わない、
    請求項1に記載の電力需給制御装置。
  6. 前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、インバランス調整の対象となった時間帯の出力電力を維持するように制御を行う、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力需給制御装置。
  7. 前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯において、事前に計画された発電スケジュールの電力を出力するように段階的に制御を行う、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力需給制御装置。
  8. 前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整の対象から非対象に切り替わった発電設備に対し、インバランス調整の対象であった次の時間帯における事前に計画された発電スケジュールの電力と、積算電力が一致する電力を出力するように制御を行う、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力需給制御装置。
  9. 電力系統に電力を供給する複数の発電設備と、
    電力系統における電気的な変化量を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出部と、
    前記発電設備のメリットオーダーに基づいて前記地域要求電力(AR値)を配分し前記発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分部と、
    前記発電設備のメリットオーダーに基づき、前記発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出部と、
    前記AR配分部により算出された前記AR配分値、および前記リアルタイムEDC算出部により算出された前記リアルタイムEDC値から前記発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成部と、を備え、
    前記リアルタイムEDC算出部は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択する、
    電力需給制御システム。
  10. 電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された前記変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出ステップと、
    電力系統に電力を供給する複数の発電設備のメリットオーダーに基づいて前記地域要求電力(AR値)を配分し前記発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分ステップと、
    前記発電設備のメリットオーダーに基づき、前記発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出ステップと、
    前記AR配分ステップにより算出された前記AR配分値、および前記リアルタイムEDC算出ステップにより算出された前記リアルタイムEDC値から前記発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成ステップと、を備え、
    前記リアルタイムEDC算出ステップは、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択する、
    電力需給制御用コンピュータプログラム。
  11. 電力系統における電気的な変化量を検出する検出部により検出された前記変化量に基づいて地域要求電力(AR値)を算出するAR算出手順と、
    電力系統に電力を供給する複数の発電設備のメリットオーダーに基づいて前記地域要求電力(AR値)を配分し前記発電設備ごとにAR配分値を算出するAR配分手順と、
    前記発電設備のメリットオーダーに基づき、前記発電設備ごとのリアルタイムEDC値を算出するリアルタイムEDC算出手順と、
    前記AR配分手順により算出された前記AR配分値、および前記リアルタイムEDC算出手順により算出された前記リアルタイムEDC値から前記発電設備ごとの発電目標値を作成する目標値作成手順と、を備え、
    前記リアルタイムEDC算出手順は、インバランス調整における、負荷周波数制御(LFC)による出力電力の制御と、経済負荷配分制御(EDC)による出力電力の制御に応じ、複数の発電設備のうち、負荷周波数制御(LFC)の対象となる発電設備、経済負荷配分制御(EDC)の対象となる発電設備を選択する、
    電力需給制御方法。

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