JP2017126183A - 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム - Google Patents

電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2017126183A
JP2017126183A JP2016004778A JP2016004778A JP2017126183A JP 2017126183 A JP2017126183 A JP 2017126183A JP 2016004778 A JP2016004778 A JP 2016004778A JP 2016004778 A JP2016004778 A JP 2016004778A JP 2017126183 A JP2017126183 A JP 2017126183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
support device
imbalance
data indicating
power transaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016004778A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6862656B2 (ja
Inventor
浩一郎 吉見
Koichiro Yoshimi
浩一郎 吉見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2016004778A priority Critical patent/JP6862656B2/ja
Publication of JP2017126183A publication Critical patent/JP2017126183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6862656B2 publication Critical patent/JP6862656B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】電力取引において、インバランス料金発生等のリスクを定量的に評価することを目的とする。【解決手段】電力取引で発生するリスクを計算する電力取引支援装置が、発電量又は需要量の確率を示すデータを入力し、インバランス料金単価を示すデータを入力し、前記確率を示すデータ及び前記インバランス料金単価を示すデータに基づいてインバランス料金の期待値を計算することで上記課題を解決する。【選択図】図4

Description

本発明は、電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラムに関する。
従来、発電機を運用するための発電計画の作成を行う方法が知られている。
例えば、発電機を運用する際に修正が少ない発電計画を作成する方法が知られている。具体的には、まず、将来の一定期間において、電力需要を時系列で示す需要予測カーブを作成する。次に、需要予測カーブに基づいて、発電機を起動及び停止させる起動停止計画を複数作成する。続いて、複数の異なる需要予測カーブに対して、確率的な重みを持つ組を作成し、作成される組に基づいて、需要予測カーブが実現した場合において、各発電計画のそれぞれの修正量を評価する。その上で、発電計画のうち、修正量の平均値等が最小となる発電計画を選択することで、発電機を運用する際に修正が少ない発電計画を作成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、再生可能エネルギーを利用する発電設備等を電力系統に連系させる場合において、発電電力の不確定性と、再生可能エネルギーを利用する発電設備以外の発電設備に係る運用コストとを考慮して発電計画を作成する方法が知られている。具体的には、まず、系統内において電力を消費する負荷設備が消費する負荷電力を予測する。次に、再生可能エネルギーを利用する発電設備から得られる再生エネルギー利用発電電力を予測する。続いて、負荷電力及び再生エネルギー利用発電電力のそれぞれの予測誤差を予測値及び実績値に基づいて算出する。その上で、算出される予測誤差を用いて、負荷設備に経時的に供給する電力を示す供給電力シナリオを作成する。これによって、作成される供給電力シナリオに基づいて、内燃力発電設備による発電計画を作成することで、発電電力の不確定性が考慮でき、かつ、運用コストを考慮した発電計画を具体的に作成する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
他にも、電力取引市場における取引で、定量的な指標に基づいて取引を行うため、電力取引市場における電力取引を支援する方法が知られている。具体的には、まず、過去の気象実績データ及び過去の取引価格を示すデータ等の実績データと、将来の気象予測データ及び送電余力予測データ等の予測データを記憶する。次に、回帰式等を用いて予測市場価格を計算し、更に入札価格等を計算して定量的な指標に基づいて電力取引を行うようにする方法が知られている(例えば、特許文献3)。
特許第5248372号公報 特開2011−130584号公報 特許第4968599号公報
しかしながら、従来の方法では、電力取引において、いわゆるインバランス料金(Imbalance Charges)(以下単に「インバランス料金」という。)等によるリスクが定量的に評価できない場合がある。
本発明の1つの側面は、このような問題に鑑みてなされたものであり、電力取引において、インバランス料金等によるリスクを定量的に評価することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一実施形態における、電力取引で発生するリスクを計算する電力取引支援装置は、前記電力取引において、発電量又は需要量となる確率を示すデータを入力する第1入力部と、インバランス料金単価を示すデータを入力する第2入力部と、前記確率を示すデータ及び前記インバランス料金単価を示すデータに基づいてインバランス料金の期待値を計算するリスク計算部とを含む。
本発明によれば、電力取引において、インバランス料金等によるリスクが定量的に評価できる。
本発明の一実施形態における電力取引支援装置の使用例を示す概要図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって算出される予測値等の例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置が用いる確率密度関数の一例を示す図である。 任意の計画値に対する、実績値とインバランス料金の関係の一例を示す図である。 任意の計画値に対する、実績値とインバランス料金×確率密度の関係の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第2例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第3例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第4例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において用いられる入力データの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その1)である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その2)である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その3)である。 本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われた計算の計算結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.電力取引支援装置の使用例
2.電力取引支援装置のハードウェア構成例
3.電力取引支援装置の機能構成例
4.電力取引支援装置による全体処理例
≪ 1. 電力取引支援装置の使用例 ≫
図1は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置の使用例を示す概要図である。例えば、電力取引支援装置10は、図示するような構成において使用される。具体的には、電力系統PSでは、電力会社等の一般配送電事業者が有する送配電設備ETに対して、PPS(Power Producer and Supplier、特定規模電気事業者)が有する設備が接続される。例えば、PPS12は、発電設備PW、負荷設備LD及び蓄電設備STを有するとする。なお、送配電設備ETは、例えば、電力ケーブル等である。
この例では、PPS12は、送配電設備ETを介して、発電設備PWが発電する電力を他の設備等に送電する。また、このようにすると、PPS12は、電力市場に対して、発電設備PWが発電する電力を売る電力取引を行うことができる。
一方で、PPS12は、送配電設備ETを介して、負荷設備LDが消費する電力を他の設備が発電する電力を受電する。また、このようにすると、PPS12は、電力市場から、負荷設備LDが消費する電力を買うことができる。なお、負荷設備LDは、例えば、ビル、住宅又は工場等である。
また、蓄電設備STは、電力を充電及び放電する。
なお、PPS12は、図示する設備を有する構成に限られない。例えば、PPS12は、他に設備を有してもよい。また、PPS12は、図示する設備のうち、いずれの設備を有さなくともよい。さらに、PPS12は、IPP(Independent Power Producer、独立系発電事業者)等でもよい。さらにまた、PPS及びIPPは、複数であってもよい。他にも、電力系統PSには、電力を消費、発電又は蓄電する設備が更に含まれてもよい。
さらに、図示する例では、電力取引支援装置10及び監視制御システム11は、通信ネットワークCNを介して、電力系統PSに接続される。
監視制御システム11は、例えば、需要予測装置、発電予測装置、需給制御装置及びデータベースサーバ等によって構成される。そして、需要予測装置、発電予測装置及び需給制御装置は、例えば、「石橋直人・飯坂達也・大平涼子・中西要祐、「部分的最小二乗法を用いた日射量予測とその信頼区間の推定方法」、電気学会論文誌B、2012年、Vol.133、No.1、64−71頁」、「飯坂達也・神通川亨・近藤英幸・中西要祐・福山良和・森啓之、「風力発電方法とその信頼区間の推定手法」、電気学会論文誌C、2011年、Vol.131、No.10、1672−1678頁」及び「湯川哲也、沼一之、斉藤俊哉、高山信一、飯坂達也、松井哲郎「ニューラルネットワークを適用した電力需要予測システムの開発」、平成20年電気学会電力・エネルギー部門大会、2008年、01_1−2」等に示す方法によって予測値及び予測の幅等を算出する。
図2は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって算出される予測値等の例を示す図である。例えば、監視制御システムは、需要予測装置、発電予測装置、需給制御装置及びデータベースサーバ等によって、図示するような予測値及び予測の幅等を算出する。具体的には、監視制御システムは、需要量又は発電量の予測値EX1を上記の方法等によって算出する。次に、監視制御システムは、時刻tにおける予測値EX1の確率分布PDを算出する。確率分布PDは、信頼区間等によって定まる。信頼区間は、あらかじめ設定される。例えば、監視制御システムは、確率分布PDにおいて、「3×σ(標準偏差)」となる信頼区間を算出する。このようにすると、予測上限値EX2及び予測下限値EX3が、それぞれ算出される。なお、信頼区間は、他の手法によって、定められてもよい。この予測上限値EX2及び予測下限値EX3によって示す範囲が、予測の幅となる。
図1に戻り、図示する例では、監視制御システム11は、通信ネットワークCNを介して、電力系統PSが有する各設備を監視制御する。具体的には、通信ネットワークCNを介して、電力系統PSに含まれる各設備から、監視制御システム11は、各設備の計測データを受信する。すなわち、監視制御システム11は、計測データ等の電力系統PSに係るデータを記憶する。さらに、監視制御システム11は、計算した計画値等に基づいて制御信号を各種設備に対して送信し、各種設備を制御する。
また、図示する例では、電力取引支援装置10は、各設備を稼動及び停止させる計画を立案するのに必要な計測データ等を受信する。次に、電力取引支援装置10は、計測データ等の各種データ及び条件等に基づいて、需給計画を作成する。そして、電力取引支援装置10は、需給計画を示すデータを監視制御システム11に送信する。続いて、監視制御システム11は、電力系統PSが有する各設備を需給計画が示す計画値となるようにそれぞれ制御する。
これまで、電力供給は、電力会社等による垂直一貫体制によって、地域ごとに独占され、電気料金は、いわゆる総括原価方式で算出されることが多かった。一方、これまでも、高圧の一部等は、自由化されていたが、今後は、電力の小売業等が完全に自由化される。このような状況の中で、新しく導入が見込まれる制度のひとつとして、「計画値同時同量制度」がある。
従来では、同時間帯の発電量の実績値と、需要量の実績値とに差分がある場合には、差分に対するペナルティとして料金、いわゆるインバランス料金が徴収された。一方で、計画値同時同量制度では、同時間帯の発電量の計画値と実績値とに差分がある場合、また、同時間帯の需要量の計画値と実績値とに差分がある場合にインバランス料金が発生し、インバランス料金が徴収される。以下、電気事業を行う者が計画する発電量又は需要量をいずれも「計画値」という。計画値は、例えば、電力の受渡が行われる1日前までに、電気事業を行う者によって計画され、系統運用者等に提出される。そこで、本発明の一実施形態における電力取引支援装置は、計画値同時同量制度の下で行われる電力取引において、インバランス料金に係るリスクを計算し、電力取引を支援する。
≪ 2. 電力取引支援装置のハードウェア構成例 ≫
図3は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。具体的には、電力取引支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、記憶装置102と、ネットワークI/F(interface)103と、入力I/F104と、出力I/F105とを有する。つまり、電力取引支援装置10は、PC(Personal Computer)、サーバ又はワークステーション等の情報処理装置、すなわち、コンピュータである。
CPU101は、電力取引支援装置10が行う各種処理及び各種制御を実現するための演算と各種データの加工とを行う演算装置である。さらに、CPU101は、電力取引支援装置10が有するハードウェアを制御する制御装置である。
記憶装置102は、電力取引支援装置10が使うデータ、プログラム及び設定値等を記憶する。また、記憶装置102は、いわゆるメモリ(memory)等である。なお、記憶装置102は、ハードディスク(harddisk)等の補助記憶装置等を有してもよい。
ネットワークI/F103は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される装置と各種データ等を送受信する。例えば、ネットワークI/F103は、NIC(Network Interface Controller)及びLANケーブルを接続させるコネクタ等である。なお、ネットワークI/F103は、ネットワークを利用するI/Fに限られず、ケーブル、無線又はコネクタ等によって外部装置と送受信するI/Fであってもよい。
入力I/F104は、電力取引支援装置10を使うユーザとのインタフェースである。具体的には、入力I/F104は、ユーザが行う各種操作を入力する。例えば、入力I/F104は、キーボード等の入力装置及び入力装置を電力取引支援装置10に接続させるコネクタ等によって構成される。
出力I/F105は、電力取引支援装置10を使うユーザとのインタフェースである。具体的には、出力I/F105は、電力取引支援装置10が行う各種処理の処理結果等をユーザに出力する。例えば、出力I/F105は、ディスプレイ等の出力装置及び出力装置を電力取引支援装置10に接続させるコネクタ等である。
なお、電力取引支援装置10は、各ハードウェア資源による処理等を補助する補助装置を更に有する構成でもよい。また、電力取引支援装置10は、各種処理を並列、冗長又は分散して処理するため、装置を内部又は外部に更に有してもよい。さらに、電力取引支援装置10は、複数の情報処理装置で構成されてもよい。
≪ 3. 電力取引支援装置の機能構成例 ≫
図4は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。具体的には、電力取引支援装置10は、入力部FN1と、出力部FN2と、通信部FN3と、データベースFN4と、制御部FN5と、計算部FN6とを含む。
入力部FN1は、電力取引支援装置10に入力されるデータを制御部FN5に送る。なお、入力部FN1は、例えば、ネットワークI/F103(図3参照)又は入力I/F104(図3参照)等によって実現される。
出力部FN2は、制御部FN5から送られる入力応答結果及び計算結果等のデータを出力する。なお、出力部FN2は、例えば、ネットワークI/F103又は出力I/F105(図3参照)等によって実現される。
入力部FN1及び出力部FN2は、ユーザインタフェースである。例えば、入力部FN1は、ユーザの入力操作を受け付ける操作入力手段で実現され、出力部FN2は、ユーザが出力を視認できるように、表示画面等を表示する出力手段で実現される。なお、入力部FN1及び出力部FN2は、入力装置と出力装置が一体となったいわゆるタッチパネル等で実現されてもよい。
通信部FN3は、所定の通信方式によって、電力取引支援装置10と、監視制御システム11(図1参照)との間等で通信を行う。すなわち、通信部FN3は、監視制御システム11等と、最適需給計画の生成に必要なデータ及び生成する最適需給計画に係るデータ等を送受信する。なお、通信部FN3は、例えば、ネットワークI/F103等によって実現される。
データベースFN4は、電力取引支援装置10が入力部FN1又は通信部FN3によって取得又は計算部FN6等によって生成する実績データD1、予測データD2、設備データD3及び計画データD4等を記憶する。なお、データベースFN4は、例えば、記憶装置102(図3参照)等によって実現される。
制御部FN5は、データ及び信号等を処理又は加工し、各部間でデータ等を送受信する。なお、制御部FN5は、例えば、CPU101(図3参照)等によって実現される。
計算部FN6は、例えば、データ読込部FN61、電力売買判定部FN62、リスク計算部FN63、リスク最小化計算部FN64、最適需給計画問題作成部FN65及び最適需給計画計算部FN66等を有する。また、計算部FN6によって計算が行われ、計画データ等が生成される。生成される計画データ等は、監視制御システム11等に送信される。なお、計算部FN6は、例えば、CPU101等によって実現される。
データ読込部FN61は、制御部FN5を介して、データベースFN4等に記憶される実績データD1、予測データD2、設備データD3及び計画データD4等を読み込み、計画データの生成に必要なデータを取得する。また、データ読込部FN61は、必要に応じてデータの加工及び処理を行い、各部にデータを送信する。
電力売買判定部FN62は、電力を売る、電力を買う又は両方を行うか否か、すなわち、電力取引を行うか否かを判定する。
リスク計算部FN63は、入力されるデータ等に基づいて、インバランス料金に係る値等のリスクを示す値を計算する。
リスク最小化計算部FN64は、リスク計算部FN63によって計算されるリスクを示す値が最小となる予測値を計算する。
最適需給計画問題作成部FN65は、最適需給計画問題を作成する。
最適需給計画計算部FN66は、最適需給計画問題作成部FN65が作成する最適需給計画問題を計算し、最適解を計算する。
≪ 4. 電力取引支援装置による全体処理例 ≫
図5は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。
≪ データの読込例(ステップS101) ≫
ステップS101では、電力取引支援装置は、データを読み込む。具体的には、ステップS101では、電力取引支援装置は、あらかじめ電力取引支援装置に入力される実績データD1(図4参照)、予測データD2(図4参照)、設備データD3(図4参照)及び計画データD4(図4参照)等のデータを読み込む。このように、各データを読み込むことによって、電力取引支援装置は、需要予測値、発電予測値及び設備特性等を把握する。なお、ステップS101では、電力取引支援装置は、後述する最適需給計画問題の作成に用いるデータを読み込む。また、電力取引支援装置は、読み込んだデータを加工してもよい。さらに、読み込まれたデータは、制御部FN5(図4参照)によって、各部に送信される。
≪ 初期化例(ステップS102) ≫
ステップS102では、電力取引支援装置は、初期化を行う。例えば、以下の計算は、時刻tごとに行われる例とする。この例では、計画の対象となる期間において、「t=1」が、最初の計画対象となる時間断面である。したがって、ステップS102では、電力取引支援装置は、初期値として「t=1」と設定する。なお、処理に用いられる値が他にもある場合には、電力取引支援装置は、時刻t以外の値について初期化を行ってもよい。
なお、時刻tによって定まる時間は、例えば、電力市場において取引が行われる単位であるのが望ましい。具体的には、時刻tによって定まる時間は、30分単位である。具体的には、時刻tは、例えば、「10:00乃至10:30」等のような時間を特定する。また、特定されるそれぞれの時間は、例えば、30分区切りであらかじめそれぞれ設定される。すなわち、この例では、30分単位で電力の売買が電力市場で行われる。そのため、計画等は、取引が行われる単位と一致した30分単位で作成されるのが望ましい。
≪ 電力売買を行うか否かの判断例(ステップS103) ≫
ステップS103では、電力取引支援装置は、電力売買を行うか否かを判断する。具体的には、電力売買を行うか否かは、時刻tごとに、あらかじめユーザによる操作等によって入力される。したがって、ステップS103では、電力取引支援装置は、入力されるデータ等に基づいて、時刻tでは電力売買を行う計画となっているか否かを判定する。
次に、時刻tでは電力売買を行うと判定された場合には、電力取引支援装置は、行われる電力売買の種類が、電力を売る、電力を買う若しくは電力を売る及び電力を買うの両方を行うのうち、いずれであるかを判定し、判定結果を出力する。
なお、電力売買を行う場合における電力売買の種類は、電力売買を行う時刻tごとに、あらかじめユーザによる操作等によって入力される。すなわち、ユーザは、「電力を売る」、「電力を買う」又は「両方」のうち、いずれかを選択して、電力売買を行うと設定する時刻tごとに、それぞれ設定する。
また、判定条件は、上記以外の条件であってもよい。この場合には、判定条件は、運用者等があらかじめ設定する。
次に、電力売買を行うと判断されると(ステップS103でYES)、電力取引支援装置は、ステップS104に進む。一方で、電力売買を行わないと判断されると(ステップS103でNO)、電力取引支援装置は、ステップS106に進む。
≪ リスクの計算例(ステップS104) ≫
ステップS104では、電力取引支援装置は、リスクを計算する。この例では、リスクは、インバランス料金の期待値によって評価される。したがって、ステップS104では、電力取引支援装置は、インバランス料金の期待値を計算する。
インバランス料金の期待値は、予測により求まる発電量又は需要量の確率密度関数と、発電量又は需要量の計画値と発電量又は需要量の実績値の差分とインバランス料金単価より求まるインバランス料金より計算される。以下に各データについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置が用いる確率密度関数の一例を示す図である。具体的には、図6は、いわゆる正規分布の確率密度関数の例である。また、図6において、横軸は、発電量か需要量のいずれかの電力量を示す。すなわち、送配電設備ET(図1参照)を介して他に送電する電力量又は送配電設備ETを介して他から送電される電力量である。また、縦軸は、各電力量となる頻度、すなわち、確率を示す。なお、確率は、正規分布以外の関数又は関数等以外の形式で入力されてもよい。
電力取引を行う場合には、まず、ステップS104では、電力取引支援装置は、時刻tにおける負荷を予測し、確率分布を求める。次に、電力取引支援装置は、発電する電力量を求める。この求められる電力量のうち、再生可能エネルギーによって発電される電力量は、気象条件等の影響を受けるため、電力取引支援装置は、予測し、確率分布を求める。一方、火力発電設備等の可制御発電設備では、発電する電力量が制御可能なため、電力量は、確定した値で算出される。続いて、電力取引支援装置は、予測される負荷の電力量から、発電する電力量を減算した値の確率密分布を求める。
図7は、任意の計画値に対する、実績値とインバランス料金の関係の一例を示す図である。この図では、計画値PVと、実績値とが一致し、差分がないと、インバランス料金は、発生しないため、「0」とする例である。一方で、計画値PVより実績値が多い又は少ないと、インバランス料金が発生する。インバランス料金は、図示するように、計画値PVと実績値との差分によって定まる。なお、インバランス料金は、図示するグラフ以外によって定まってもよい。例えば、制度によって、計画値と、実績値とが一致しなくても、誤差が十分に小さいと報奨金がもらえる場合がある。この場合には、制度にあわせて、各種設定がされてもよい。
なお、図7に示すグラフは、例えば、過去の実績値又は予測値等によってあらかじめ定まる。すなわち、図7に示すグラフを示すデータが、電力取引支援装置にあらかじめ入力される。
また、発電量及び需要量が別々に計画される場合には、それぞれ別々にインバランス料金が特定される。なお、この場合は、例えば、電気を売る発電事業者及び電気を買う小売事業者の両方のライセンスを有する事業者の場合等である。このような事業者において、例えば、下記(表1)のような場合を例に説明する。
Figure 2017126183
上記(表1)の場合には、「電力を売る」電力取引において、計画値と実績値との差分は、「110−100=10」である。そのため、「電力を売る」電力取引では、インバランス料金は、差分である「10」に対して発生する。同様に、「電力を買う」電力取引において、計画値と実績値との差分は、「110−100=10」である。そのため、「電力を買う」電力取引では、インバランス料金は、差分である「10」に対して発生する。このように、上記(表1)のような電力取引の場合には、「電力を売る」電力取引及び「電力を買う」電力取引において、それぞれインバランス料金が特定される。したがって、上記(表1)の例では、「10+10=20」の差分に対して、インバランス料金が発生する。
図8は、任意の計画値に対する、実績値とインバランス料金×確率密度の関係の一例を示す図である。まず、電力取引支援装置は、電力量ごとに、図6が示す確率と、図7が示すインバランス料金とを乗算して、図8に示す各インバランス料金の期待値を計算する。次に、電力取引支援装置は、各インバランス料金の期待値を積算する。この積算による計算結果は、図8では、グラフが示す面積、すなわち、図内では、斜線部分の面積に相当する。この計算結果が、インバランス料金に係るリスクを示す。
なお、インバランス料金に係るリスクは、図6乃至図8に示す方法によって計算される値に限られない。例えば、インバランス料金の期待値として積算される範囲が限定されてもよい。
図9は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第2例を示す図である。図示するように、インバランス料金に係るリスクは、確率が高い範囲等の所定の確率が起きる範囲に限定して計算されてもよい。なお、図9において、図9(A)が示す確率は、図6に示す正規分布の確率密度関数が用いられるとする。同様に、図9において、図9(B)が示すインバランス料金は、図7に示すグラフが用いられるとする。一方で、この例では、インバランス料金の期待値として積算される所定の範囲は、例えば、「±3σ(標準偏差の3倍)」の範囲とする例である。このようにすると、図9(C)に示すように、確率が高い範囲について、インバランス料金の期待値が積算される。すなわち、確率が低い範囲については、各インバランス料金の期待値は、切り捨てられる。
「±3σ」の範囲は、正規分布において、「99.73%」の確率で起き、高い確率で起きる範囲の例である。なお、インバランス料金の期待値として積算される範囲は、「±3σ」に限られない。すなわち、インバランス料金の期待値として積算される範囲は、設定等によって、予測の信頼区間としてもよく、例えば、「±σ」、「±2σ」又は「±6σ」等でもよい。
また発電量及び需要量の両方がそれぞれ計画される場合には、電力取引支援装置は、インバランス料金に係るリスクをそれぞれ別個に計算する。さらに、電力取引が行われない(図5に示すステップS104でNO)等の場合には、電力取引支援装置は、インバランス料金に係るリスクの計算等を省略してもよい。
図10は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第3例を示す図である。図示するように、インバランス料金に係るリスクは、正規分布以外の確率密度関数が用いられて、計算されてもよい。すなわち、図10に示す例は、図10(A)に示す確率密度関数が用いられる例である。一方で、図10(B)に示すインバランス料金は、図7に示すグラフと同様に特定されるとする。この場合には、図10(A)に示す確率と、図10(B)に示すインバランス料金とが乗算され、図10(C)に示す各インバランス料金の期待値が計算される。この場合も、電力取引支援装置は、同様に、図10(C)に示す各インバランス料金の期待値を積算し、計算結果、すなわち、斜線部分の面積を求めて、インバランス料金に係るリスクを計算する。また、図10に示す場合であっても、図9と同様に、電力取引支援装置は、確率が高い範囲に限定してインバランス料金に係るリスクを計算してもよい。
≪ リスクの最小化計算例(ステップS105) ≫
図5に戻り、ステップS105では、電力取引支援装置は、ステップS014で計算されるリスクに基づいて、リスクが最小となる計画値を抽出する計算を行う。
図11は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置によって計算されるインバランス料金の期待値の第4例を示す図である。図10と比較すると、図11では、計画値が第2計画値PV2となる点が異なる。すなわち、第2計画値PV2は、図10に示す計画値PVと異なる値である。また、計画値が第2計画値PV2となると、これに伴って、インバランス料金は、図11(B)に示すようになる。一方で、図11(A)に示す確率密度関数は、図10(A)と同様であるとする。この場合には、図11(A)に示す確率と、図11(B)に示すインバランス料金とが乗算され、図11(C)に示す各インバランス料金の期待値が計算される。
そして、電力取引支援装置は、それぞれのインバランス料金に係るリスクを計算する。すなわち、この例では、電力取引支援装置は、図10(C)に示す斜線部分の面積及び図11(C)に示す斜線部分の面積をそれぞれ計算する。次に、ステップS106では、電力取引支援装置は、計画値に基づいて計算される複数の面積のうち、最も面積が小さくなる計画値を特定する。例えば、図10(C)及び図11(C)に示すそれぞれの斜線部分の面積は、比較すると、図11(C)の方が小さい。したがって、この例では、電力取引支援装置は、図11(C)に示す第2計画値PV2がリスクを最小化する計画値であると計算する。
このように、図5に示すステップS105までが行われると、時刻ごとに、リスクが最小となる計画値が計算される。まず、発電量又は需要量を示すデータと、インバランス料金単価を示すデータとが入力される。なお、上記の説明では、時刻が変化しても、インバランス料金単価は、一定である例である。一方で、インバランス料金単価は、一定でなくともよい。インバランス料金単価を時刻ごとに一定とするか変動させるかは、制度等によって定まる。
図12は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において用いられる入力データの一例を示す図である。例えば、図示するようなデータが、あらかじめ入力されてもよい。この例では、インバランス料金単価は、時刻tによって、変動するため、インバランス料金単価は、図示するデータに基づいて定まる。なお、インバランス料金は、「インバランス料金単価×(計画値及び実績値の差分)」で定まる。
図13は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その1)である。
図14は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その2)である。
図15は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われる計算の一例を示す図(その3)である。
図13乃至図15は、同一の時刻において、それぞれの計画値ごとに行われる計算の一例を示す。例えば、図9の場合とすると、「3σ」の範囲の計画値ごとに計算が行われる。この例では、あらかじめユーザが指定した値の刻みの計画値ごとに計算が行われる例である。このように計算が行われると、計画値ごとに、インバランス料金の期待値が計算される。
図16は、本発明の一実施形態における電力取引支援装置による全体処理において時刻ごとに行われた計算の計算結果の一例を示す図である。なお、図では、横軸は、計画値を示し、図示する例では、5ケースの計画値について計算結果を示す。例えば、図示するように、計画値ごとにインバランス料金の期待値が計算される。次に、電力取引支援装置は、インバランス料金の期待値が最も小さくなる最小値RESを選択する。このようにすると、電力取引支援装置は、リスクが最小となる計画値を計算することができる。なお、最小値RESは、例えば、同様の方法によって、時刻ごとにそれぞれ計算される。
≪ 次の時刻の設定例(ステップS106) ≫
図5に戻り、ステップS106では、電力取引支援装置は、次の計算対象となる時刻の設定を行う。具体的には、電力取引支援装置は、現在の時刻tに対して、次の時刻となるように「+1」とする等である。
≪ 時刻tが計画時間より大きいか否かの判断例(ステップS107) ≫
ステップS107では、電力取引支援装置は、時刻tが計画時間より大きいか否か判断する。すなわち、ステップS107では、電力取引支援装置は、計画の対象となる時刻がすべて計算されたか否かを判断する。この例では、計画時間より時刻tが大きいと、電力取引支援装置は、計画の対象となる時刻がすべて計算されたと判断する。
次に、計画時間より時刻tが大きいと判断されると(ステップS107でYES)、電力取引支援装置は、ステップS108に進む。一方で、計画時間より時刻tが大きくないと判断されると(ステップS107でNO)、電力取引支援装置は、ステップS103に進む。
≪ 最適需給計画問題の生成例(ステップS108) ≫
ステップS108では、電力取引支援装置は、最適需給計画問題を生成する。具体的には、電力取引支援装置は、目的関数又は制約条件を以下の通り定式化する。目的関数は、所定の問題を定式化した関数である。例えば、目的関数は、発電にかかるコスト又は二酸化炭素の排出量が最小となる場合を最適化とし、定式化された関数である。以下、コストを最小化する目的関数を例に説明する。
コストを最小化する目的関数は、例えば、下記(1)式に示すように定式化される。なお、発生する二酸化酸素量を最小化させる場合には、下記(1)式は、二酸化炭素の排出量が最小となる場合を最適とする関数となる。
Figure 2017126183
上記(1)式では、「Object」は、発生する各コストを合計した総コストを示し、上記(1)式は、総コストを目的関数として定式化した需給計画問題の例である。また、上記(1)式では、発電設備番号iで特定される発電設備が、時刻tに、発電に用いる燃料を燃料消費量Fi,tとし、発電に用いられる単位当たりの燃料に対する従量コスト等の変動コストFCとする。さらに、上記(1)式では、発電設備番号iの発電設備を時刻tに起動する起動費等の固定コストをSUCとする。
また、発電設備番号iは、起動する発電設備に対して設定され、「I」は、起動する発電設備の数を示す。同様に、時刻tは、発電設備を起動するに対して設定され、「T」は、発電設備を起動させる時刻の単位を合計した数を示す。
制約条件は、需給のバランスに係る制約及び各種設備の特性に応じた制約等に基づいて生成される実績データD1(図4参照)、予測データD2(図4参照)及び設備データD3(図4参照)等によって定まる。例えば、需給のバランスに係る制約を示す制約条件は、下記(2)式に示すように定式化される。
Figure 2017126183
上記(2)式によって、需給バランスの制約が設定される。
他にも燃料の消費特性等の制約が設定される。また、制約条件は、設備については、設備データD3(図4参照)等によって定まる。例えば、可制御発電設備は、火力発電設備であるとする。この場合には、火力発電設備は、仕様等によって、定格発電量、発電上限値、発電下限値、発電変化量の上限値、予備力、燃料消費特性、使用燃料、最小連続停止時間、最小連続運転時間及び起動費等が定まる。以下、発電設備に係る制約条件の例を説明する。
下記(3)式は、火力発電設備の燃料費特性を示す式の一例である。すなわち、下記(3)式は、火力発電設備の燃料費特性に係る制約条件を定式化した例である。
Figure 2017126183
上記(3)式では、上記(1)式及び上記(2)式と同じ変数は、同一の内容を示し、説明を省略する。また、上記(3)式では、af、及びcは、発電設備番号iで特定される発電設備の燃料消費の特性を示す係数である。さらに、上記(3)式では、変数ui,tは、発電設備番号iで特定される発電設備の時刻tにおける起動及び停止状態を示す変数であり、変数ui,tには、「0」又は「1」が入力される。なお、上記(3)式は、二次関数で火力発電設備の燃料費特性を表現する例であるが、火力発電設備の燃料費特性を示す式は、上記(3)式で示す式に限られず、線形の式等でもよい。
下記(4)式は、火力発電設備による発電に係る特性を示す式の一例である。すなわち、下記(4)式は、火力発電設備による発電に係る制約条件を定式化した例である。
Figure 2017126183
各発電設備による発電量は、上記(4)式によって定まる発電量の上限値と、発電量の下限値との間のいずれかの値となるように計画される。つまり、上記(4)式は、可制御発電設備による出力の上下限に係る制約条件を示す。
他にも、発電変化量に対して制約条件が設定されてもよい。下記(5)式は、火力発電設備の発電変化量に係る特性を示す式の一例である。火力発電設備の仕様等によって単位時間当たりの発電量の増加量(以下「上げ側」という。)と、単位時間当たりの発電量の減少量(以下「下げ側」という。)とは、それぞれ上限値が定まる。すなわち、下記(5)式は、上げ側の上限及び下げ側の上限の制約条件を定式化した例である。
Figure 2017126183
すなわち、各発電設備による発電変化量は、上記(5)式によって定まる上げ側の上限値と、下げ側の下限値との間のいずれかの値となるようにそれぞれ計画される。
また、最小連続停止時間又は最小連続運転時間のいずれか又は両方等の制約条件が設定されてもよい。下記(6)式は、火力発電設備の最小連続停止時間を示す式の一例である。すなわち、下記(6)式は、火力発電設備の最小連続停止時間に係る制約条件を定式化した例である。
Figure 2017126183
すなわち、各発電設備が停止する時間は、上記(6)式によって定まる最小連続停止時間より長くなるようにそれぞれ計画される。
下記(7)式は、火力発電設備の最小連続運転時間を示す式の一例である。すなわち、下記(7)式は、火力発電設備の最小連続運転時間に係る制約条件を定式化した例である。
Figure 2017126183
すなわち、各発電設備が発電する時間は、上記(7)式によって定まる最小連続運転時間より長くなるようにそれぞれ計画される。
≪ 最適需給計画問題の計算例(ステップS109) ≫
ステップS109では、電力取引支援装置は、最適需給計画問題を計算する。具体的には、ステップS109では、電力取引支援装置は、ステップS108で生成される最適需給計画問題等を線形計画法又は二次計画法等の最適化手法を用いて需給計画を立案し、出力する。
なお、電力取引支援装置は、インバランス料金に係るリスクを計算するに限られない。例えば、まず、電力取引支援装置は、インバランス料金に係るリスクを計算する。次に、電力取引支援装置は、売却収益を計算する。そして、電力取引支援装置は、インバランス料金に係るリスクと、売却収益とを合わせた値を最大化するように計算してもよい。
また、電力量には、再生可能エネルギーによって発電される電力量が含まれるのが望ましい。再生可能エネルギーによって発電される電力量は、風力発電、太陽光発電又はこれらの組み合わせ等である。これらの電力量は、気象条件等によって電力量が左右されることが多く、不安定となる場合がある。すなわち、再生可能エネルギーによって発電される電力量は、可制御でない発電機等によって発電する電力である。そのため、このような電力量が対象となると、インバランス料金に係るリスクが重要となる。
≪ まとめ ≫
電力取引におけるインバランス料金の発生を抑制するため、電力取引支援装置は、発電力や需要量の予測から求まる確率密度と、インバランス料金単価からインバランス料金の期待値を計算する。なお、図6等の発電量や需要量となる確率は、第1入力部によって入力されるデータ等が示す確率密度関数等によって特定される。同様に、図7等のインバランス料金は、第2入力部によって入力されるデータ等が示す式等によって特定される。なお、第1入力部及び第2入力部は、入力I/F(図3参照)等によって実現される。
これによって、電力取引支援装置は、電力取引において、インバランス料金等によるリスクが、図8等のように具体的に出力されるため、電気事業を行う者は、インバランス料金等によるリスクを定量的に評価できる。
また、インバランス料金等によるリスクが出力されると、電力取引支援装置は、インバランス料金の期待値が最小となる計画値を計算できる。これによって求まる計画値から、電力取引支援装置が最適需給計画問題を計算すると、電力取引支援装置は、インバランス料金等によるリスクの低い最適需給計画を作成できる。
なお、本発明の一実施形態に係る各処理の全部又は一部は、機械語、アセンブラ等の低水準言語、C言語、Java(登録商標)若しくはオブジェクト指向プログラミング言語等の高水準言語又はこれらを組み合わせて記述されるコンピュータに電力取引支援方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
また、プログラムは、ROM又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。さらに、記録媒体は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM若しくはブルーレイディスク等の光ディスク、SD(登録商標)カード又はMO等でもよい。さらにまた、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る各処理の全部又は一部は、1以上の情報処理装置を含む電力取引支援システムによって、処理の全部又は一部が並行、分散、冗長又はこれらの組み合わせで処理されてもよい。
また、本発明の一実施形態に係る各処理は、図示した順序に限られない。例えば、各処理の一部又は全部は、異なる順序、並行、分散又は省略されて処理されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
10 電力取引支援装置
PV 計画値
FN1 入力部
FN63 リスク計算部
FN64 リスク最小化計算部
FN65 最適需給計画問題作成部
FN66 最適需給計画計算部

Claims (7)

  1. 電力取引で発生するリスクを計算する電力取引支援装置であって、
    前記電力取引において、発電量又は需要量となる確率を示すデータを入力する第1入力部と、
    インバランス料金単価を示すデータを入力する第2入力部と、
    前記確率を示すデータ及び前記インバランス料金単価を示すデータに基づいてインバランス料金の期待値を計算するリスク計算部と
    を含む電力取引支援装置。
  2. 前記発電量には、再生可能エネルギーによって発電される電力量が含まれる請求項1に記載の電力取引支援装置。
  3. 前記期待値が最小となる計画値を計算するリスク最小化計算部と、
    前記計画値に基づいて、所定の問題を定式化した目的関数を生成する最適需給計画問題作成部と、
    前記目的関数を計算する最適需給計画計算部とを更に含む請求項1又は2に記載の電力取引支援装置。
  4. 前記所定の問題は、発電するのにかかるコストを含む電力取引による収益の最大化又は発生する二酸化酸素量の最小化である請求項3に記載の電力取引支援装置。
  5. 前記リスク計算部は、前記インバランス料金の期待値を所定の確率が起きる範囲に限定して計算する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電力取引支援装置。
  6. 電力取引で発生するリスクを計算する電力取引支援装置が行う電力取引支援方法であって、
    前記電力取引支援装置が、前記電力取引において、発電量又は需要量となる確率を示すデータを入力する第1入力手順と、
    前記電力取引支援装置が、インバランス料金単価を示すデータを入力する第2入力手順と、
    前記電力取引支援装置が、前記確率を示すデータ及び前記インバランス料金単価を示すデータに基づいてインバランス料金の期待値を計算する計算手順と
    を含む電力取引支援方法。
  7. 電力取引で発生するリスクを計算するコンピュータに電力取引支援方法を実行させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータが、前記電力取引において、発電量又は需要量となる確率を示すデータを入力する第1入力手順と、
    前記コンピュータが、インバランス料金単価を示すデータを入力する第2入力手順と、
    前記コンピュータが、前記確率を示すデータ及び前記インバランス料金単価を示すデータに基づいてインバランス料金の期待値を計算する計算手順と
    を実行させるためのプログラム。
JP2016004778A 2016-01-13 2016-01-13 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム Active JP6862656B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016004778A JP6862656B2 (ja) 2016-01-13 2016-01-13 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016004778A JP6862656B2 (ja) 2016-01-13 2016-01-13 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017126183A true JP2017126183A (ja) 2017-07-20
JP6862656B2 JP6862656B2 (ja) 2021-04-21

Family

ID=59365050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016004778A Active JP6862656B2 (ja) 2016-01-13 2016-01-13 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6862656B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019169093A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 東京電力ホールディングス株式会社 託送料金計算システム、託送料金計算方法およびプログラム
JP2020010478A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社東芝 作成装置、作成方法及び情報処理システム
JP2021157724A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008054385A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Mitsubishi Electric Corp 系統安定化装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008054385A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Mitsubishi Electric Corp 系統安定化装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019169093A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 東京電力ホールディングス株式会社 託送料金計算システム、託送料金計算方法およびプログラム
JP7056298B2 (ja) 2018-03-26 2022-04-19 東京電力ホールディングス株式会社 託送料金計算システム、託送料金計算方法およびプログラム
JP2020010478A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社東芝 作成装置、作成方法及び情報処理システム
JP2021157724A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6862656B2 (ja) 2021-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vahedipour-Dahraie et al. Stochastic risk-constrained scheduling of renewable-powered autonomous microgrids with demand response actions: Reliability and economic implications
JP6463449B2 (ja) 電力取引管理システムおよび電力取引管理方法
Shabanzadeh et al. The design of a risk-hedging tool for virtual power plants via robust optimization approach
US11551176B2 (en) Methods and systems for determining economic viability of microgrid
Martin et al. A stochastic two settlement equilibrium model for electricity markets with wind generation
US8219439B2 (en) Electric-power-generating-facility operation management support system, electric-power-generating-facility operation management support method, and program for executing operation management support method on computer
JP6763193B2 (ja) 需給計画装置、需給計画方法及びプログラム
JP6253797B2 (ja) 発電設備運用装置および運用方法
JP2017182698A (ja) 電力需給管理支援システム、電力需給管理支援方法および電力需給管理支援プログラム
JP5028136B2 (ja) 電力供給システム、電力供給方法および電力会社の計算機
JP2015087886A (ja) 売電計画作成方法、売電計画作成装置、売電計画作成システム及び売電計画作成プログラム
Zishan et al. Electricity retail market and accountability-based strategic bidding model with short-term energy storage considering the uncertainty of consumer demand response
JP6862656B2 (ja) 電力取引支援装置、電力取引支援方法及びプログラム
JP2015230544A (ja) 電力管理装置
Ullah et al. M.(2022). Optimisation and Management of Virtual Power Plants Energy Mix Trading Model
JP4427376B2 (ja) 発電設備運用管理支援システム、その運用管理支援方法およびその運用管理支援方法をコンピュータに実行させるプログラム
Artač et al. A new method for determining the demand reserve offer function
Galiana et al. Economics of electricity generation
JP2019046467A (ja) 電力取引支援装置及び電力取引支援方法
JP2016136313A (ja) 最適取引量決定システム、最適取引量決定方法及びプログラム
US20230129742A1 (en) Power generation plant operation assistance system and power generation plant control system
Seo et al. Strategies for electric vehicle bidding in the German frequency containment and restoration reserves market
JP6018105B2 (ja) 予測システム、予測方法
JP2022065567A (ja) 電力取引システム、電力取引方法および電力取引プログラム
Prakash et al. Quantifying reserve capabilities for designing flexible electricity markets: An Australian case study with increasing penetrations of renewables

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6862656

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250