概要
いくつかの態様において、フタロシアニン色素コンジュゲートを製造する方法が提供される。いくつかの態様において、本方法は、標的化分子、例えば巨大分子と、フタロシアニン色素(いくつかの場合では、反応性化学基を含有する)とを、標的化分子に連結、例えば共有結合されたフタロシアニン色素を含有するコンジュゲートを生産する条件下で、接触させる工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で製剤化する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートの調製の前、間、および/または後に、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、約400nm~約650nmの範囲内の波長を有する。いくつかの態様において、コンジュゲートの調製の前、間、および/または後、例えば接触工程および/または製剤化工程の間、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、本方法は、標的化分子とフタロシアニン色素とを、色素:標的化分子のモル比が1:1~1000:1または約1:1~1000:1で接触させる工程を含む。いくつかの態様において、色素は、標的化分子の付着基に共有連結されたフタロシアニン色素を含有するコンジュゲートを生産する条件下で、反応性化学基を含む。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で0.01mg/mL~1000.0mg/mLまたは約0.01mg/mL~1000.0mg/mLの濃度に製剤化する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートの調製の前、間、および/または後、例えば接触工程および/または製剤化工程の間、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.01mg/mL~約200.0mg/mLもしくは約0.01mg/mL~約200.0mg/mL、または約0.5mg/mL~約10.0mg/mLの濃度に製剤化される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.5mg/mL~約5.0mg/mLまたは約0.5mg/mL~約5.0mg/mLの濃度に製剤化される。
いくつかの態様において、接触工程の前に、フタロシアニン色素は、色素が曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有する条件下で、溶媒に溶解される。いくつかの態様において、溶媒に溶解されている間または後の色素が曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、色素は、溶媒に0.1mg/mL~約100mg/mLまたは約0.1mg/mL~約100mg/mLの範囲の濃度に溶解される。いくつかの態様において、色素は、溶媒に1mg/mL~約50mg/mLまたは約1mg/mL~約50mg/mLの濃度に溶解される。いくつかの態様において、溶媒中のフタロシアニン色素の濃度は、約10mg/mLである。いくつかの態様において、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはDMFおよび水性溶媒である。
いくつかの態様において、製剤化工程は、コンジュゲートを濃縮する工程を含む。
いくつかの態様において、接触工程は、少なくとも5分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも60分間、少なくとも90分間、少なくとも120分間、少なくとも240分間、少なくとも360分間、少なくとも24時間、少なくとも72時間、または少なくとも120時間行われる。いくつかの態様において、接触工程は、5分間~150時間、5分間~100時間、5分間~48時間、5分間~24時間、5分間~6時間、5分間~2時間、5分間~90分間、5分間~60分間、5分間~30分間、30分間~150時間、30分間~100時間、30分間~48時間、30分間~24時間、30分間~6時間、30分間~2時間、30分間~90分間、 30分間~60分間、60分間~150時間、60分間~100時間、60分間~48時間、60分間~24時間、60分間~6時間、60分間~2時間、60分間~90分間、90分間~150時間、90分間~100時間、90分間~48時間、90分間~24時間、90分間~6時間、90分間~2時間、2時間~150時間、2時間~100時間、2時間~48時間、2時間~24時間、2時間~6時間、6時間~150時間、6時間~100時間、6時間~48時間、6時間~24時間、24時間~150時間、24時間~100時間、24時間~48時間、48時間~150時間、48時間~100時間または100時間~150時間行われる。いくつかの態様において、接触工程は、4℃~約37℃または約4℃~約37℃の温度で行われる。いくつかの態様において、接触工程は、約25℃±2.0℃、25℃±1.0℃または25℃±0.3℃の温度で行われる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、標的化分子に共有または非共有連結される。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、反応性化学基を含有し、フタロシアニン色素と標的化分子とを接触させる工程は、標的化分子の付着基に共有結合されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する。
いくつかの態様において、方法は、例えばコンジュゲートされていない色素を除去するために、コンジュゲートをクエンチングする工程をさらに含む。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、約400nm~約650nmの範囲内の波長を有する。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、製剤化工程は、限外濾過、透析濾過または透析を含む。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートの無菌濾過をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、コンジュゲートを例えば1つまたは複数の光保護容器内にパッケージングする工程を含む。いくつかの態様において、パッケージング工程の間、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、約400nm~約650nmの範囲内の波長を有する。いくつかの態様において、パッケージング工程の間、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、本方法は、フタロシアニン色素(いくつかの場合では、反応性化学基を含有する)を溶媒に約0.1~100mg/mLの濃度に溶解する工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、標的化分子とフタロシアニン色素とを、色素:標的化分子のモル比が1:1~1000:1で、標的化分子に連結された、例えば、共有結合されたフタロシアニン色素を含有するコンジュゲートを生産する条件下で、接触させる工程をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で0.01~1000.0mg/mLまたは約0.01~1000.0mg/mLの濃度に製剤化する工程をさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートを1つまたは複数の光保護容器内にパッケージングする工程をさらに含む。いくつかの態様において、本方法の工程、例えば溶解、接触、製剤化、およびパッケージング工程の前、間、および/または後、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、500ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを製造する方法であって、a)フタロシアニン色素を溶媒に約0.1~100mg/mLの濃度に溶解する工程;b)標的化分子とフタロシアニン色素とを、色素:標的化分子のモル比が1:1~1000:1で、標的化分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する条件下で接触させる工程;c)コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で0.01~約200.0mg/mLまたは約0.01~約200.0mg/mLの濃度に製剤化する工程;およびd)コンジュゲートを1つまたは複数の光保護容器内にパッケージングする工程を含み、工程a)~d)の各々で、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、方法が提供される。
いずれかのこのような態様のいくつかにおいて、フタロシアニン色素は、標的化分子に共有または非共有連結される。いずれかのこのような態様のいくつかにおいて、フタロシアニン色素は、反応性化学基を含み、フタロシアニン色素と標的化分子とを接触させる工程は、標的化分子の付着基に共有結合されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する。
いくつかの態様において、提供される方法の工程の間、色素およびコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下である。いくつかの態様において、提供される方法のパッケージング工程の間、コンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、色素は、600nm~約850nmまたは約600nm~約850nmの最大吸収波長を有する。いくつかの態様において、色素は、650nm~約850nmまたは約650nm~約850nmの最大吸収波長を有する。いくつかの態様において、色素は、680nm~約850nmまたは約680nm~約850nmの最大吸収波長を有する。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、下記式を含有する:
式中、
Lは、リンカーであり;
Qは、標的化分子への色素の付着のための反応性基であり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールの中から選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22およびR
23は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択され;かつ
X
2およびX
3は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンである。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、下記式を含む:
式中、
X
1およびX
4は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンであり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;かつ
R
16、R
17、R
18およびR
19は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択される。
いくつかの態様において、反応性基は、アミン反応性化学基、スルフヒドリル反応性化学基、活性化エステル、ハロゲン化アシル、ハロゲン化アルキル、無水物、カルボン酸、カルボジイミド、カルボナート、カルバマート、ハロアセトアミド、イソシアナート、イソチオシアナート、マレイミド、NHSエステル、ホスホロアミダイト、白金錯体、スルホン酸エステルおよびチオシアナートの中から選択される。いくつかの態様において、反応性化学基は、マレイミド、ハロアセチルおよびピリジルジスルフィドの中から選択されるスルフヒドリル反応性化学基である。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、標的化分子のリジン残基に共有結合される。いくつかの態様において、反応性基は、アミン反応性化学基である。いくつかの態様において、反応性化学基は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルであるアミン反応性化学基である。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、IRDye 700DX-NHS(IR700-NHS)である。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗原またはタンパク質に直接的または間接的に結合する。例えば、いくつかの態様において、標的化分子は、第一の結合分子に結合する第二の結合分子であり、第一の結合分子は、抗原またはタンパク質に結合することが可能である。いくつかの態様において、標的化分子は二次抗体である。
いくつかの態様において、標的化分子は、幹細胞、増殖性細胞、がん細胞、過形成状態の細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞、神経細胞、病原体、または病原体に感染した細胞のような、細胞または病原体の表面の細胞表面標的分子に結合する。いくつかの態様において、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、および他の原核細胞系の中から選択される。いくつかの態様において、細胞は、がん細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞または神経細胞である。いくつかの態様において、細胞は、疾患または病態と関連する病変の微小環境中に存在する。いくつかの態様において、病変は腫瘍であり、細胞はがん細胞または腫瘍細胞である。いくつかの態様において、細胞は、がん幹細胞または循環腫瘍細胞である。
いくつかのこのような態様において、炎症性細胞は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、または単球のような白血球である。いくつかの態様において、標的化分子は、末梢神経系神経細胞または中枢神経系神経細胞のような神経細胞である。いくつかの態様において、神経細胞は、侵害受容器、機械侵害受容器、化学侵害受容器または多モード侵害受容器のような侵害受容器である。いくつかの態様において、標的化分子は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系のような病原体に結合する。いくつかの態様において、病原体は、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌である。
いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、抗原、ポリペプチド、脂質もしくは炭水化物、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、細胞膜リン脂質、原核生物ペプチドグリカン、細菌細胞エンベロープタンパク質、ウイルスカプシドタンパク質、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼ(aminopetidase)N、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体(セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、インターロイキン受容体(例えば、IL-2R、IL11-R、IL-13R)、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4ならびにY5の中から選択される。
いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、およびSMOの中から選択される。いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)である。
いくつかの態様において、標的化分子の少なくとも一部は、タンパク質、糖タンパク質、抗体、抗体断片、抗原、抗原結合断片、ペプチド、ポリペプチド、組織ホーミングペプチド、低分子、合成高分子、高分子ナノ粒子、リポソーム、酵素基質、ホルモン、神経伝達物質、細胞代謝物質、ウイルス粒子、ウイルスカプシド、ウイルスナノ粒子、細菌粒子、マーカー、細胞、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、単量体ストレプトアビジン、ビオチン、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、デオキシ核酸、DNAの断片、RNAの断片、アプタマー、ヌクレオチド三リン酸、アシクロターミネーター三リン酸(acyclo terminator triphosphate)もしくはPNAであるかまたはそれらの組み合わせである。
いくつかの態様において、標的化分子は、組織特異的ホーミングペプチドである。いくつかの態様において、ホーミングペプチドは、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりのアミノ酸の配列を有する。
いくつかの態様において、標的化分子は、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、または切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)である。
いくつかの態様において、ACPPは、構造A-X1-B-を含み、式中、Bは、細胞内取り込みに好適である約5~約20の塩基性アミノ酸残基のペプチド部分であり;Aは、部分Bと連結するとき、部分Bの細胞内取り込みを阻害または防止するのに効果的である約2~約20の酸性アミノ酸残基のペプチド部分であり;X1は、約2~約100の原子の、切断可能なリンカーであり;かつ、1つまたは複数のL-Yが、ペプチド部分BのC末端に連結される。
いくつかの態様において、標的化分子は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、ボンベシン、ブラジキニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、骨形成タンパク質2(BMP-2)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、カルシトニン、カルジオトロフィン1(BMP-2)、CD22、CD40、コレシストキニン(CCK)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、CCL1~CCL28、CXCL1~CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、クリプト1結合ペプチド、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、エンドセリン1、エンドセリン1/3、FAS-リガンド、線維芽細胞成長因子1(FGF-1)、線維芽細胞成長因子2(FGF-2)、線維芽細胞成長因子4(FGF-4)、線維芽細胞成長因子5(FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(FGF-6)、線維芽細胞成長因子1(FGF-7)、線維芽細胞成長因子1(FGF-10)、Flt-3、ガストリン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、肝細胞成長因子(HGF)、インターフェロンアルファ(IFN-a)、インターフェロンベータ(IFN-b)、インターフェロンガンマ(IFNg)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インスリン様成長因子2(IGF-2)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン19(IL-19)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成放出ホルモン(LHRH)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、マクロファージ炎症性タンパク質3b(MIP-3b)、神経成長因子(NGF)、ニューロメジンB、ニューロトロフィン3(NT-3)、ニューロトロフィン4(NT-4)、ニューロテンシン、神経ペプチドY、オキシトシン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、血小板由来成長因子AA(PDGF-AA)、血小板由来成長因子AB(PDGF-AB)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、血小板由来成長因子CC(PDGF-CC)、血小板由来成長因子DD(PDGF-DD)、ネトリン-1(NTN1)、ネトリン-2(NTN2)、ネトリン-4(NTN4)、ネトリン-G1(NTNG1)およびネトリン-G2(NTNG2)、エフリンA1(EFNA1)、エフリンA2(EFNA2)、エフリンA3(EFNA3)、エフリンA4(EFNA4)、エフリンA5(EFNA5)、セマフォリン3A(SEMA3A)、セマフォリン3B(SEMA3B)、セマフォリン3C(SEMA3C)、セマフォリン3D(SEMA3D)、セマフォリン3F(SEMA3F)、セマフォリン3G(SEMA3G)、セマフォリン4A(SEMA4A)、セマフォリン4B(SEMA4B)、セマフォリン4C(SEMA4C)、セマフォリン4D(SEMA4D)、セマフォリン4F(SEMA4F)、セマフォリン4G(SEMA4G)、セマフォリン5A(SEMA5A)、セマフォリン5B(SEMA5B)、セマフォリン6A(SEMA6A)、セマフォリン6B(SEMA6B)、セマフォリン6D(SEMA6D)、セマフォリン7A(SEMA7A)、SLIT1、SLIT2、SLIT3、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー1(SLITRK1)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー2(SLITRK2)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー3(SLITRK3)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー4(SLITRK4)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー5(SLITRK5)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6)、プロスタグランジンE2(PGE2)、RANTES、ソマトスタチン-14、ソマトスタチン-28、幹細胞因子(SCF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)、サブスタンスP、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-b)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、トロンビン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、Wntl、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wntl0a、Wntl0b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16、ソニック・ヘッジホッグ、デザート・ヘッジホッグ、ならびにインディアン・ヘッジホッグの中から選択される。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗体または抗体断片である。
いくつかの態様において、抗体は、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan, Mabthera)、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin)、ダクリズマブ(Zenapax)、ゲムツズマブ(Mylotarg)、アレムツズマブ、CEA-scan Fab断片、OC125モノクローナル抗体、ab75705、B72.3、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MSB001078CもしくはMEDI4736であるか、またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、抗体は、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)のような細胞表面標的分子に結合する。いくつかの態様において、抗体は、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280AもしくはMSB0010718Cであるか、またはその抗原結合断片である。
いくつかの態様において、色素-標的化分子コンジュゲートは、セツキシマブ-IR700、パニツムマブ-IR700、トラスツズマブ-IR700、BMS-935559-IR700、MEDI4736-IR700、MPDL3280A-IR700またはMSB0010718C-IR700である。
いくつかの態様において、標的化分子は、フタロシアニン色素と、色素:標的化分子のモル比が1:1~100:1または1:1~10:1で接触させられる。いくつかの態様において、色素:標的化分子のモル比は、少なくとも4:1もしくは少なくとも約4:1であるか、または少なくとも10:1もしくは少なくとも約10:1である。いくつかの態様において、コンジュゲートは、1標的化分子当たり1~約1000もしくは約1~約1000のフタロシアニン色素分子、1標的化分子当たり1~約10もしくは約1~約10のフタロシアニン色素分子、または1標的化分子当たり2~約5もしくは約2~約5のフタロシアニン色素分子を含む。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、例えば薬学的に許容される緩衝液中で、1.0~約5.0mg/mLまたは約1.0~約5.0mg/mLである濃度に製剤化される。いくつかの態様において、薬学的に許容される緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水である。いくつかの態様において、薬理学的に許容される緩衝液は、pH6.0~約pH8.0または約pH6.0~約pH8.0のpHを有する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、3か月を超えて安定であり、コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する。いくつかの態様において、3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、コンジュゲートがその効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くまたは約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合、そのコンジュゲートは安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合、そのコンジュゲートは安定である。いくつかの態様において、薬理学的に許容される緩衝液は、pH6.8~約pH7.4または約pH6.8~約pH7.4のpHを有する。
いくつかの態様において、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、約425nm~約575nmの範囲内の波長を有する。いくつかの態様において、色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、200ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、コンジュゲートを含む容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、容器は、容器による光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または不透明な箔で覆われる。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。本明細書に提供される方法のいくつかの態様において、容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、光保護容器は、第一の光保護容器であり、方法は、第一の光保護容器を第二の光保護容器内にパッケージングする工程をさらに含む。いくつかの態様において、第二の容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nm波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、第二の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第二の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第二の容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、第二の容器を第三の光保護容器内にパッケージングする工程をさらに含む。いくつかの態様において、第三の容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第三の容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、方法によって生産されるコンジュゲートの量は、1グラム超もしくは約1グラム超、2グラム超もしくは約2グラム超、3グラム超もしくは約3グラム超、4グラム超もしくは約4グラム超、5グラム超もしくは約5グラム超、または10グラム超もしくは約10グラム超である。いくつかの態様において、コンジュゲートは、適正製造基準(GMP)を使用して生産される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法によって生産、製剤化またはパッケージングされたコンジュゲートが提供される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、3か月を超えて安定であり、例えばコンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する。
いくつかの態様において、標的化分子に連結されたフタロシアニン色素を含有する安定なコンジュゲートが提供される。いくつかの態様において、安定なコンジュゲートは、3か月を超えて安定であり、例えばコンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する。
いくつかの態様において、3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、コンジュゲートがその効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くまたは約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合、そのコンジュゲートは安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合、そのコンジュゲートは安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートの95%超が主要単量体成分として存在する場合、そのコンジュゲートは安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートは、6か月を超えてまたは12か月を超えて安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートは、30℃未満の温度で安定である。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートに含有されるフタロシアニン色素は、下記式を含む:
式中、
Lは、リンカーであり;
Qは、標的化分子への色素の付着のための反応性基であり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールの中から選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22およびR
23は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択され;かつ
X
2およびX
3は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンである。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素を含有する安定なコンジュゲートは、下記式を含む:
式中、
X
1およびX
4は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンであり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;かつ
R
16、R
17、R
18およびR
19は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択される。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートに含有される色素は、600nm~約850nmもしくは約600nm~約850nm、650nm~約850nmもしくは約650nm~約850nm、または680nm~約850nmもしくは約680nm~約850nmの最大吸収波長を有する。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートに含有される色素は、IRDye 700DX(IR700)である。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートに含有される標的化分子は、増殖性細胞、がん細胞、過形成状態の細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞、神経細胞、または病原体のような、細胞または病原体の表面の細胞表面標的分子に結合する。いくつかの態様において、細胞は、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、または病原体に感染した細胞である。いくつかの態様において、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、および他の原核細胞系の中から選択される。いくつかの態様において、炎症性細胞は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、または単球のような白血球である。いくつかの態様において、標的化分子は、末梢神経系神経細胞または中枢神経系神経細胞のような神経細胞である。いくつかの態様において、神経細胞は、侵害受容器、機械侵害受容器、化学侵害受容器または多モード侵害受容器のような侵害受容器である。いくつかの態様において、標的化分子は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系のような病原体に結合する。いくつかの態様において、病原体は、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌である。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートに含有される標的化分子によって結合される細胞表面標的分子は、抗原、ポリペプチド、脂質もしくは炭水化物、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、細胞膜リン脂質、原核生物ペプチドグリカン、細菌細胞エンベロープタンパク質、ウイルスカプシドタンパク質、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体(セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、インターロイキン受容体(例えば、IL-2R、IL11-R、IL-13R)、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、ならびにY5の中から選択される。
いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、およびSMOの中から選択される。いくつかの態様において、細胞表面標的分子は、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)である。
いくつかの態様において、標的化分子の少なくとも一部は、タンパク質、糖タンパク質、抗体、抗体断片、抗原、抗原結合断片、ペプチド、ポリペプチド、組織ホーミングペプチド、低分子、合成高分子、高分子ナノ粒子、リポソーム、酵素基質、ホルモン、神経伝達物質、細胞代謝物質、ウイルス粒子、ウイルスカプシド、ウイルスナノ粒子、細菌粒子、マーカー、細胞、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、単量体ストレプトアビジン、ビオチン、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、デオキシ核酸、DNAの断片、RNAの断片、アプタマー、ヌクレオチド三リン酸、アシクロターミネーター三リン酸もしくはPNAであるか、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの態様において、標的化分子は、組織特異的ホーミングペプチドである。いくつかの態様において、ホーミングペプチドは、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりのアミノ酸の配列を有する。
いくつかの態様において、標的化分子は、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、または切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)である。
いくつかの態様において、ACPPは、構造A-X1-B-を含み、式中、Bは、細胞内取り込みに好適である約5~約20の塩基性アミノ酸残基のペプチド部分であり;Aは、部分Bと連結するとき、部分Bの細胞内取り込みを阻害または防止するのに効果的である約2~約20の酸性アミノ酸残基のペプチド部分であり;X1は、約2~約100の原子の、切断可能なリンカーであり;かつ、1つまたは複数のL-Yが、ペプチド部分BのC末端に連結される。
いくつかの態様において、標的化分子は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、ボンベシン、ブラジキニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、骨形成タンパク質2(BMP-2)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、カルシトニン、カルジオトロフィン1(BMP-2)、CD22、CD40、コレシストキニン(CCK)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、CCL1~CCL28、CXCL1~CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、クリプト1結合ペプチド、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、エンドセリン1、エンドセリン1/3、FAS-リガンド、線維芽細胞成長因子1(FGF-1)、線維芽細胞成長因子2(FGF-2)、線維芽細胞成長因子4(FGF-4)、線維芽細胞成長因子5(FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(FGF-6)、線維芽細胞成長因子1(FGF-7)、線維芽細胞成長因子1(FGF-10)、Flt-3、ガストリン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、肝細胞成長因子(HGF)、インターフェロンアルファ(IFN-a)、インターフェロンベータ(IFN-b)、インターフェロンガンマ(IFNg)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インスリン様成長因子2(IGF-2)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン19(IL-19)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成放出ホルモン(LHRH)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、マクロファージ炎症性タンパク質3b(MIP-3b)、神経成長因子(NGF)、ニューロメジンB、ニューロトロフィン3(NT-3)、ニューロトロフィン4(NT-4)、ニューロテンシン、神経ペプチドY、オキシトシン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、血小板由来成長因子AA(PDGF-AA)、血小板由来成長因子AB(PDGF-AB)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、血小板由来成長因子CC(PDGF-CC)、血小板由来成長因子DD(PDGF-DD)、ネトリン-1(NTN1)、ネトリン-2(NTN2)、ネトリン-4(NTN4)、ネトリン-G1(NTNG1)およびネトリン-G2(NTNG2)、エフリンA1(EFNA1)、エフリンA2(EFNA2)、エフリンA3(EFNA3)、エフリンA4(EFNA4)、エフリンA5(EFNA5)、セマフォリン3A(SEMA3A)、セマフォリン3B(SEMA3B)、セマフォリン3C(SEMA3C)、セマフォリン3D(SEMA3D)、セマフォリン3F(SEMA3F)、セマフォリン3G(SEMA3G)、セマフォリン4A(SEMA4A)、セマフォリン4B(SEMA4B)、セマフォリン4C(SEMA4C)、セマフォリン4D(SEMA4D)、セマフォリン4F(SEMA4F)、セマフォリン4G(SEMA4G)、セマフォリン5A(SEMA5A)、セマフォリン5B(SEMA5B)、セマフォリン6A(SEMA6A)、セマフォリン6B(SEMA6B)、セマフォリン6D(SEMA6D)、セマフォリン7A(SEMA7A)、SLIT1、SLIT2、SLIT3、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー1(SLITRK1)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー2(SLITRK2)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー3(SLITRK3)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー4(SLITRK4)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー5(SLITRK5)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6)、プロスタグランジンE2(PGE2)、RANTES、ソマトスタチン-14、ソマトスタチン-28、幹細胞因子(SCF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)、サブスタンスP、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-b)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、トロンビン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、Wntl、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wntl0a、Wntl0b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16、ソニック・ヘッジホッグ、デザート・ヘッジホッグ、ならびにインディアン・ヘッジホッグの中から選択される。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗体または抗体断片である。
いくつかの態様において、抗体は、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan, Mabthera)、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin)、ダクリズマブ(Zenapax)、ゲムツズマブ(Mylotarg)、アレムツズマブ、CEA-scan Fab断片、OC125モノクローナル抗体、ab75705、B72.3、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、MSB001078C、BMS-935559もしくはMEDI4736、AMP-224であるか、またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、抗体は、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)のような細胞表面標的分子に結合する。いくつかの態様において、抗体は、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280AもしくはMSB0010718Cであるか、またはその抗原結合断片である。
いくつかの態様において、安定な色素-標的化分子コンジュゲートは、セツキシマブ-IR700、パニツムマブ-IR700、トラスツズマブ-IR700、BMS-935559-IR700、MEDI4736-IR700、MPDL3280A-IR700またはMSB0010718C-IR700である。
いくつかの態様において、安定なコンジュゲートは、1標的化分子当たり1~約1000もしくは約1~約1000のフタロシアニン色素分子、1標的化分子当たり1~約10もしくは約1~約10、または2~約5もしくは約2~約5のフタロシアニン色素分子を含む。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートを含有する組成物が提供される。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートと薬学的に許容される賦形剤とを含有する薬学的組成物が提供される。
いくつかの態様において、組成物は、リン酸緩衝生理食塩水中に製剤化される。いくつかの態様において、組成物は、6.0超のpHを有する。
いくつかの態様において、標的化分子に連結されたフタロシアニン色素と薬学的に許容される賦形剤とを含有する薬学的組成物が提供される。いくつかのこのような態様において、組成物は、6.0超のpHを有し、組成物中のコンジュゲートは3か月を超えて安定であり、例えば、コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する。いくつかのこのような態様において、組成物中のコンジュゲートは、3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、コンジュゲートがその効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くまたは約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合、安定である。いくつかのこのような態様において、組成物中のコンジュゲートは、コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合、安定である。いくつかの態様において、組成物のpHは、6.0超であるか、または両端の値を含んでpH6.0~約8.0もしくは約pH6.0~約8.0である。
いくつかの態様において、組成物中のコンジュゲートの濃度は、0.01mg/mL~約200mg/mLまたは約0.01mg/mL~約200mg/mLである。いくつかの態様において、組成物中のコンジュゲートの濃度は、0.5mg/mL~約10mg/mLまたは約0.5mg/mL~約10mg/mLである。いくつかの態様において、組成物中のコンジュゲートの濃度は、1.0~約5.0mg/mLまたは約1.0~約5.0mg/mLである。いくつかの態様において、組成物中のコンジュゲートの濃度は、1.8~約2.1mg/mLまたは約1.8~約2.1mg/mLである。
いくつかの態様において、組成物の容量は、0.5mL~約100mLもしくは約0.5mL~約100mL、1mL~約50mLもしくは約1mL~約50mL、または1mL~約10mLもしくは約1mL~約10mLである。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートを含む容器が提供される。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmもしくは約500nm~725nm、または650nm~725nmもしくは約650nm~725nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、容器は、容器による光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、容器は、不透明な箔で覆われる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを光から保護するためのパッケージングシステムが提供される。いくつかの態様において、パッケージングシステムは、本明細書に記載される容器を含む内部パッケージング材料を含む。いくつかの態様において、内部パッケージング材料は、5%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、外部パッケージング材料は、内部パッケージング材料を含有する。いくつかの態様において、外部パッケージング材料は、5%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、内部パッケージング材料は、不透明な箔を含む。
いくつかの態様において、第一の容器(例えば本明細書に提供される任意の容器)と第一の容器を含む第二の容器とを含む、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを光から保護するためのパッケージングシステムであって、第二の容器が、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、パッケージングシステムが提供される。いくつかの態様において、第二の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第二の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第一および第二の容器は、独立して、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、提供されるパッケージングシステムのいずれかは、第二の容器を含む第三の容器をさらに含み、ここで、第三の容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第三の容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、本明細書に記載される容器のいずれかまたは本明細書に記載されるパッケージングシステムのいずれか;フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物を投与可能なデバイスを被覆することが可能な光保護カバー;および任意で使用説明書を含む、キットが提供される。いくつかの態様において、投与デバイスは、静注バッグである。いくつかの態様において、光保護カバーは、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。
いくつかの態様において、投与のためのフタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を調製する方法であって、本明細書に記載される容器のいずれかの1つまたは複数、あるいは本明細書に記載される容器のいずれかを含む本明細書に記載されるパッケージングシステムのいずれかの1つまたは複数を脱パッケージングする工程;および1つまたは複数の容器内に存在する組成物を、対象に組成物を投与可能なデバイスに移す工程を含み、組成物が曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または組成物が曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、方法が提供される。いくつかの態様において、組成物が曝露される唯一の光は、200ルクス未満または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、提供される方法は、バイオセーフティーキャビネット、バイオセーフティーフードまたは無菌環境で実施される。いくつかの態様において、1つまたは複数の容器は合わせて、治療有効用量のフタロシアニン色素コンジュゲートを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の容器は、少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24、または約少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24、または2、4、6、8、10、12、18もしく24個の容器を含む。いくつかの態様において、提供される方法は、1時間以下、30分間以下もしくは15分間以下で行われるか;または本方法の間の組成物の任意の光への総曝露は、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下、50ルクス時間以下もしくは25ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、投与デバイスは、静注バッグである。いくつかの態様において、投与デバイスは、デバイスを被覆することが可能な光保護カバーを含む。いくつかの態様において、光保護カバーは、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。
いくつかの態様において、光保護カバーは、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法を使用して調製される組成物を含む光保護デバイスが提供される。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、(a)本明細書に提供される光保護デバイスのいずれかから、フタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、組成物が500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)本明細書に記載されるコンジュゲートまたは組成物のいずれかの治療有効量を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)不要な細胞または病原体に結合可能な標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)不要な細胞または病原体に結合可能な第一の結合分子の治療有効量を対象に投与する工程;b)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子を対象に投与する工程であって、標的化分子が第一の結合分子に結合可能な第二の結合分子である、工程;およびc)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、(a)本明細書に提供される光保護デバイスのいずれかから、フタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を試料に投与する工程であって、投与工程の前および間、組成物が500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)本明細書に記載されるコンジュゲートまたは組成物のいずれかの治療有効量を試料に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)不要な細胞または病原体に結合可能な標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を試料に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法であって、a)不要な細胞または病原体に結合可能な第一の結合分子の治療有効量を試料に投与する工程;b)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子を試料に投与する工程であって、標的化分子が第一の結合分子に結合可能な第二の結合分子である、工程;およびc)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む、方法が提供される。
いくつかの態様において、本方法は、インビトロまたはエクスビボで実施される。いくつかの態様において、本方法は、体外デバイスを使用して実施される。
本明細書に提供される方法のいくつかの態様において、第一の結合分子が、コンジュゲートの前に対象に投与されるか、または第一の結合分子およびコンジュゲートが同時に対象に投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、二次抗体である。いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、細胞は、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、炎症性細胞、負制御性免疫細胞(場合によりT細胞である)、病原体に感染した細胞、神経細胞、脂肪細胞またはアディポサイトである。いくつかの態様において、細胞は、がん細胞または腫瘍細胞である。いくつかの態様において、細胞は、疾患または病態と関連するか、それを引き起こすかまたはその病因の一因となる。いくつかの態様において、疾患または病態は、腫瘍もしくはがん、感染、炎症性疾患もしくは病態、または神経疾患もしくは病態である。いくつかの態様において、細胞は、神経細胞であり、そして、疾患または病態は、神経障害(任意で疼痛である)であり;細胞は、脂肪細胞またはアディポサイトであり、疾患または病態は、過剰な脂肪を伴い;細胞は、病原体に感染した細胞であり、疾患または病態は感染であり;細胞は、病原体であり、疾患または病態は感染であり;細胞は、炎症性細胞であり、疾患または病態は、炎症性疾患であり;細胞は、免疫細胞(任意で制御性T細胞である)であり、疾患または病態は、腫瘍またはがんであるか;または、細胞は、腫瘍またはがん細胞であり、疾患または病態は、腫瘍またはがんである。
いくつかの態様において、細胞は、疾患もしくは病態と関連する病変の微小環境中に存在するか、または過形成状態にある。いくつかの態様において、病変は、腫瘍であり、そして、疾患または病態は、腫瘍またはがんである。いくつかの態様において、本方法は、疾患または病態を処置する。
いくつかの態様において、対象における病原体感染細胞を除去する方法であって、a)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子の治療有効量を対象に投与する工程であって、標的化分子が病原体感染細胞に直接的または間接的に結合することが可能である、工程;およびb)病原体感染細胞に600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における病原体感染細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。いくつかの態様において、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系である。いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、試料における病原体感染細胞を除去する方法であって、a)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子の治療有効量を試料に投与する工程であって、標的化分子が病原体感染細胞に直接的または間接的に結合することが可能である、工程;およびb)病原体感染細胞に600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における病原体感染細胞を除去する工程を含む、方法が提供される。いくつかの態様において、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系である. いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、本方法は、インビトロまたはエクスビボで実施される。いくつかの態様において、エクスビボ照射は、体外デバイスを使用して実施される方法である。いくつかの態様において、対象における過形成または腫瘍を処置する方法が提供される。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートまたは組成物の治療有効量を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、過形成または腫瘍に660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における腫瘍を処置する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、対象における過形成または腫瘍を処置する方法が提供される。いくつかのこのような態様において、方法は、標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含有するコンジュゲートの治療有効量を対象に投与する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、過形成または腫瘍へ標的指向され、投与工程の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。いくつかの態様において、本方法は、腫瘍に600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における腫瘍を処置する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、試料における過形成または腫瘍を処置する方法が提供される。いくつかの態様において、本方法は、コンジュゲートまたは安定なコンジュゲートまたは組成物の治療有効量を試料に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、過形成または腫瘍に660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における腫瘍を処置する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、試料における過形成または腫瘍を処置する方法が提供される。 いくつかのこのような態様において、本方法は、標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含有するコンジュゲートの治療有効量を試料に投与する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、過形成または腫瘍へ標的指向され、投与工程の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。いくつかの態様において、本方法は、腫瘍に600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における腫瘍を処置する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、本方法は、腫瘍を処置するための方法であって、コンジュゲートの標的化分子がコンジュゲートに腫瘍または腫瘍の微小環境をターゲティングするようにさせる、方法である。いくつかの態様において、腫瘍の照射は、600~800nmの波長で、かつ、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量での照射であり、それによって腫瘍、例えば対象または試料における腫瘍を処置する。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗体、抗原結合断片、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ウイルス、ウイルスカプシド、またはウイルス粒子である。 いくつかの態様において、標的化分子は、抗体または抗体断片である。
いくつかの態様において、投与は、蛍光照明またはLED照明下で、かつ、直接または間接太陽光の非存在下で実施される。
いくつかの態様において、コンジュゲートの500ルクス未満の光への任意の曝露は、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満の曝露である。いくつかの態様において、コンジュゲートの任意の光への曝露は、50ルクス以下である強度の光である。
いくつかの態様において、腫瘍は、がんである。いくつかの態様において、がんは、頭頸部、乳房、肝臓、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、脳、子宮頸部、骨、皮膚、眼、膀胱、胃、食道、腹膜、または肺に位置するがんである。いくつかの態様において、がんは、血液のがんである。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍中に発現されるタンパク質へ標的指向される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍微小環境中に存在する細胞の表面に発現されるタンパク質へ標的指向される。いくつかの態様において、細胞は、腫瘍細胞、免疫細胞またはがん幹細胞である。
いくつかの態様において、腫瘍中に発現されるタンパク質は、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体(セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、IL11-R、IL-13R、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、またはY5である。
いくつかの態様において、腫瘍中に発現されるタンパク質は、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、またはSMOである。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍中に発現されるタンパク質へ標的指向される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、600nm~約850nmまたは約600nm~約850nmの波長で照射される。いくつかの態様において、腫瘍は、690±50nmまたは690±20nmの波長で照射される。
いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、2J cm-2~約400J cm-2もしくは約2J cm-2~約400J cm-2の線量、または2J/cmファイバ長~約500J/cmファイバ長もしくは約2J/cmファイバ長~約500J/cmファイバ長の線量で照射される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、少なくとも2J cm-2、5J cm-2、10J cm-2、25J cm-2、50J cm-2、75J cm-2、100J cm-2、150J cm-2、200J cm-2、300J cm-2、400J cm-2もしくは500J cm-2、または少なくとも約2J cm-2、5J cm-2、10J cm-2、25J cm-2、50J cm-2、75J cm-2、100J cm-2、150J cm-2、200J cm-2、300J cm-2、400J cm-2もしくは500J cm-2の線量で照射されるか;あるいは、細胞、腫瘍または過形成は、少なくとも2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長、または少なくとも約2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長の線量で照射される。
いくつかの態様において、疾患または病態は、腫瘍であり、そして、腫瘍は、表在性腫瘍である。いくつかの態様において、腫瘍は、少なくとも10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2、または約少なくとも10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2、または約10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2の線量で照射される。
いくつかの態様において、疾患または病態は、腫瘍であり、そして、腫瘍は、間質性腫瘍である。いくつかの態様において、腫瘍は、少なくとも50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長、または約少なくとも50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長、または約50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長の線量で照射される。
いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、コンジュゲートを投与した後、12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間で照射される。いくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与の96時間前までに投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.5mg/kg~約100mg/kgもしくは約0.5mg/kg~約100mg/kg、または20mg/m2~約4000mg/m2もしくは約20mg/m2~約4000mg/m2である量で投与される。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、少なくとも0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または約少なくとも0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kgである量で投与されるか;あるいは、コンジュゲートは、少なくとも20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または約少なくとも20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または約20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2である量で投与される。
本明細書に提供される方法のいくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与の前に、例えば対象または試料に、投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、10mg/m2~約500mg/m2または約10mg/m2~約500mg/m2の範囲内の用量で投与される。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗体または抗原結合断片である。いくつかの態様において、抗体は、セツキシマブである。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素および標的化分子を含有するコンジュゲートが提供される。いくつかのこのような態様において、標的化分子は、組織特異的ホーミングペプチド、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)、または抗体、例えばAdo-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MSB001078CもしくはMEDI4736であるか、またはその抗原結合断片である。
いくつかの態様において、ACPPは、構造A-X1-B-を含み、式中、Bは、細胞内取り込みに好適である約5~約20の塩基性アミノ酸残基のペプチド部分であり;Aは、部分Bと連結するとき、部分Bの細胞内取り込みを阻害または防止するのに効果的である約2~約20の酸性アミノ酸残基のペプチド部分であり;X1は、約2~約100の原子の、切断可能なリンカーであり;かつ、1つまたは複数のL-Yが、ペプチド部分BのC末端に連結される。
いくつかの態様において、ホーミングペプチドは、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりの配列を有する。いくつかの態様において、色素は、IR700である。
詳細な説明
I. フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを製造するための方法
いくつかの態様において、コンジュゲートを生産、製剤化および/またはパッケージングする工程を含む、IRDye 700DX(IR700)-標的化分子(例えば、抗体)コンジュゲートのようなフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを調製または製造するための方法が提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば製造プロセスの間、コンジュゲートの色素を光活性化し得る光からコンジュゲートを保護することによって、色素の凝集または分解を低減または防止する条件下で実施される。いくつかの態様において、提供される方法はまた、6.0未満の酸性pHのような酸性pHへの曝露からコンジュゲートを保護する工程を含む。提供される方法は、保存条件下で安定である色素コンジュゲートを含む、3か月を超えて、一般に6か月を超えてまたは12か月を超えて安定である色素コンジュゲートを生産する。
いくつかの態様において、方法は、光免疫療法における使用のためのフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを生産するために実施される。光免疫療法は、標的化分子(例えば、腫瘍細胞上の細胞表面タンパク質を標的とする)にコンジュゲートされた近赤外(NIR)フタロシアニン色素(例えば、IR700)のようなフタロシアニン色素をベースとした標的特異的光増感剤を利用する分子標的療法である。例えば、いくつかの場合では、光免疫療法において使用されるフタロシアニン色素コンジュゲートは、腫瘍特異的細胞表面タンパク質、例えば、腫瘍特異的細胞表面受容体を標的とするモノクローナル抗体(mAb)へのコンジュゲーションを含みうる。いくつかの態様において、NIR光のような吸収光を照射することによる色素コンジュゲートの活性化は、光増感剤を励起し、細胞殺傷をもたらす。いくつかの場合では、NIR域の光の使用は、より深い組織透過を導き、結果として、単回線量の外部のNIR光の照射だけで、腫瘍の根絶を成功させる。
典型的には、PITは、フタロシアニン色素コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲートが結合している細胞にNIRが照射された後に、主としてこれらの細胞に死をもたらす一方、標的化分子(例えば、抗体)によって認識される細胞表面タンパク質を発現しない細胞はわずかな数しか殺傷されない。したがって、この療法は、腫瘍細胞のような疾患細胞へ特異的に標的指向されるので、その効果は、健常な組織または細胞と比べて疾患組織に高度に選択的である。例えば、標的指向された光増感剤は体全体に分布しうるが、光増感剤は強い光が適用される場合にのみ活性であり、オフターゲット効果の可能性を低減させる。
一般に、標的指向された光毒性は、特異的標的化分子(例えば、抗体などの巨大分子)を介した色素コンジュゲートの細胞膜への結合に主に依存しているようである。例えば、例示的な抗体-IR700分子を使用した研究は、活性であるためにコンジュゲートが細胞膜に結合しなければならないこと、および、効果的であるために細胞殺傷が細胞内局在化を必要としないことを示している(例えば、米国特許第8,524,239号および米国特許出願公開第US20140120119号を参照のこと)。コンジュゲートが結合した細胞の光活性化は、急速な細胞死および壊死をもたらす。
一般に、フタロシアニン色素、特にIRDye 700DX(IR700)は、極めて光安定性の色素である。例えば、IR700は、他の近赤外色素よりも45~128倍光安定性であると報告されており、かつ凝集しない(Peng et al. (2006) Proc. SPIE 6097, 60970E;また、www.licor.com/bio/products/reagents/irdye/700dx/photostability.htmlを参照のこと)。IR700色素はまた、酸性pHで製剤化されると他の色素と同じ凝集問題を示さないと報告されている。同様に、Pengらは、IR700が抗体にコンジュゲートされると、非コンジュゲート色素と実質的に同じ蛍光励起および吸収スペクトルを示し、それによってコンジュゲートがその蛍光特性を保持することを示すことを報告している。いくつかの局面において、IR700の光安定性は、色素が光による連続的励起に長時間かつ光から保護される必要なしに曝露される用途において、その使用を許容することができる。これは、光安定性でなくかつ長期間光に曝露されたとき蛍光状態を維持できない他のフルオロフォア色素とは対照的である。
しかしながら、PIT活性に必要である色素を標的化分子にコンジュゲートすることにより色素の安定性が低減し、その結果、コンジュゲートがより凝集しやすくなり、活性(例えば、PIT活性)が減少することが本明細書において見いだされる。この効果は、単量体の色素がその光安定性および蛍光特性を保持していても生じる。いくつかの場合では、特に治療的適用にとって、これは活性を低減させ、それによってPIT剤としてのコンジュゲートの有効性を制限し得る。この結果は、他の色素コンジュゲート(例えば、IRDye 680コンジュゲート)では示されておらず、このような色素は、より低い光安定性を示すが別の分子にコンジュゲートされたとき凝集しにくい。したがって、PITに使用されるIR700のようなフタロシアニン色素のコンジュゲートが、他の色素(他の700nm色素を含む)のコンジュゲートと比べて、光に曝露されたときに可溶性凝集体形成に特に感受性であることが本明細書において見いだされる。いくつかの局面において、このことは、フタロシアニン色素コンジュゲート(例えば、IR700コンジュゲート)の治療的使用に単量体純度および薬理学的活性(例えば、PIT活性)の部分が必須であることから問題である。なぜなら、純度または活性の変化は、光活性化殺傷活性に対して大きな影響をもたらしうるからである。
これらの観察は、異なる条件で調製または曝露された色素コンジュゲートのHPLC-SEC分析に一部基づく。例えば、本明細書に提供される実施例は、主要単量体ピークよりサイズが大きい高分子量種の増加から明らかなように、より長い時間コンジュゲートが光に曝露されたときに、抗体-色素コンジュゲートの結合色素部分の凝集が生じうることを実証している(図1A及び1Bを比較されたい)。その結果はまた、IR700コンジュゲートの実質的な凝集が白色光の存在下で生じ、これが同じ分子にコンジュゲートされたIRDye 680コンジュゲートでは観察されないことを示す(例えば、図15Aを参照されたい)。いくつかの場合では、低減した色素の安定性は、色素コンジュゲートが光誘導凝集に対してより感受性であることを意味し得、この光誘導凝集は、光に長時間曝露された後の色素コンジュゲートの使用を最小限にしうる。また、コンジュゲートが酸性pHで製剤化されたときに色素コンジュゲートの全般的な不安定性もまた明白であることが見いだされる。例えば、実施例に示されるとおり、色素コンジュゲートは、6.0未満のpHで増加した凝集を示す。
提供される観察は、いくつかの場合では、フタロシアニン色素コンジュゲートの光保護が、凝集を最小限に抑えかつ活性を保持するために、特に製品製造の一貫性(例えば、適正製造生産(GMP)法に従って使用される)を確保するために必要であることを確立する。したがって、色素コンジュゲートの安定性、例えば完全性、純度、活性、または効力を改善する方法が本明細書において提供される。いくつかの態様において、本方法は、色素を取り扱う工程もしくは調製する工程の1つまたは複数の間、色素もしくは色素コンジュゲートを励起光から保護する工程、色素と標的化分子(例えば、抗体)とのコンジュゲーションを実施する工程、色素を製剤化する工程および/または色素をパッケージングする工程を含む。いくつかの態様において、例えばコンジュゲートを作製または生産するプロセスを可視化するために光が必要である場合、光保護は、上記工程の1つまたは複数、いくつかの場合ではその全てを、例えば色素によって吸収されない波長、例えば400nm~約650nmまたは約400nm~約650nmの波長の緑色光の存在下でのみ実施する工程を含む。いくつかの態様において、上記工程の1つまたは複数の間に存在する任意の光は、500ルクス未満、例えば200ルクス未満の強度の光である。いくつかの態様において、コンジュゲートを作製、製造または生産するプロセスの間の色素およびコンジュゲートの任意の光への総光曝露は、5000ルクス時間以下、例えば80ルクス時間以下である。いくつかの態様において、コンジュゲートをパッケージングするプロセスの間の色素およびコンジュゲートの任意の光へ総光曝露は、5000ルクス時間以下、例えば80ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、本方法は、色素を、6.0を超えるpH、例えば一般にpH6.0~約8.0または約pH6.0~約8.0の薬学的に許容される緩衝液中で製剤化する工程を含む。
いくつかの態様において、また、容器または他の製造品が250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の40%以下の透過率を示すような、光の透過から保護する容器または他の製造品に薬物製品をパッケージングすることによって、色素コンジュゲートを励起光から保護する工程を含む方法が提供される。いくつかの態様において、容器または他の製造品は、任意の光の透過率が5%未満または5%以下であるものである。いくつかの態様において、色素コンジュゲート生成物を含有するこのような容器または製造品は、内部パッケージング材料であり、そして、例えばさらなる光保護を提供するために、内部パッケージング材料を包むまたは入れる1つまたは複数の他の外部容器または製造品が提供される。
いくつかの態様において、安定な色素コンジュゲートが提供される。いくつかの態様において、提供される方法の実践によって、コンジュゲートの純度、不純物、完全性、組成および効力は、臨床的または商業的使用を支持する製造目的のための許容可能な仕様を大きく超えて変化することはない。態様において、コンジュゲートは、安定であり、最小限の凝集を示し、かつ、例えば色素の加工、製造または保存の後に、効力および活性を保持する。いくつかの態様において、色素コンジュゲートは、3か月、4か月、5か月を超えて、例えば一般に6か月を超えて、7か月を超えて、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月またはより長く安定である。いくつかの態様において、このような安定性は、30℃未満である温度、例えば一般に2~8℃である温度でその時間保存したときに存在する。
色素コンジュゲートに関して、用語「安定な」は、必要な時間より長く、例えば3か月を超えて、例えば6か月、12か月もしくは24か月を超えてまたは約6か月、12か月もしくは24か月を超えて保存した後、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして90%超または約90%超のコンジュゲートが主要単量体成分として存在するか、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして10.0%以下のコンジュゲートが高分子量成分として存在するか、または、必要な時間保存する前(例えば、t=0)のコンジュゲートと比較して、その純度(例えば凝集体、例えばより高分子量成分の含量に対する、単量体含量のパーセント)、同一性(例えば、化学組成、例えば構造的特徴)、効力(例えば、薬理学的応答を産生するのに必要な濃度または量)または活性(例えば、PIT殺傷)の1つまたは複数を含むその物理的および機能的品質のようなその完全性の少なくとも20%~最大で100%を保持する、コンジュゲートを指す。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、必要な時間より長く、例えば3か月を超えて、例えば6か月、12か月または24か月を超えて保存した後、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして90%超のコンジュゲートが主要単量体成分として存在する場合に、例えば、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして91%超、92%超、93%超、94%超、95%超、96%超、97%超、98%超またはより多くが主要単量体成分として存在する場合に安定である。いくつかの態様において、色素コンジュゲートは、3か月を超えて、例えば6か月、12か月または24か月を超えて保存した後、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして10.0%以下のコンジュゲートが高分子量成分として存在する場合、一般に、試料中に存在するコンジュゲートの総分子量のパーセンテージとして9.0%以下、8.0%以下、7.0%以下、6.0%以下、5.0%以下、4.0%以下または3.0%以下が高分子量成分として存在する場合に安定である。いくつかの態様において、高分子量成分または主要単量体成分の存在を、例えばHPLC-SECを実施することによって、サイズに基づいて分子を分離することができる任意の方法を使用して同定することができる。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、3か月を超えて、例えば6か月、12か月もしくは24か月を超えてまたは約6か月、12か月もしくは24か月を超えて後、その完全性、純度、同一性、効力または活性が、それぞれ、その時間保存する前のコンジュゲート(例えば、t=0のコンジュゲート)の完全性、純度、同一性、効力または活性の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは95%、または約少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは95%保持される場合に安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートの効力は、その標的化分子への結合についてのコンジュゲートの親和性に関連しうる。いくつかの態様において、効力は、そのED50、すなわち、薬理学的に有効であるかまたはコンジュゲートに曝露された対象の50%において所望の効果を示すコンジュゲートの用量または量の尺度によって評価することができる。いくつかの態様において、活性は、PIT殺傷を誘導するコンジュゲートの活性などの、インビボ投与によって生じるコンジュゲートの治療効果および薬理学的活性を含む生物学的活性に関連する。いくつかの態様において、生物学的活性は、このような活性を試験するように設計されたインビトロ系において観察することができる。いくつかの態様において、コンジュゲートの純度は、凝集体(例えば、高分子量成分)と比較したコンジュゲートの単量体の存在に関連する。いくつかの態様において、純度は、組成物中の単量体(例えば、主要単量体ピーク)対凝集体(例えば、高分子量成分)のパーセンテージに基づいて評価することができる。いくつかの態様において、高分子量成分または主要単量体成分の存在を、例えばHPLC-SECを実施することによって、サイズに基づいて分子を分離することができる任意の方法を使用して同定することができる。
いくつかの態様において、色素コンジュゲートの主要単量体成分は、一般に、コンジュゲート中に存在する色素および標的化分子の組み合わされた分子量を表す、色素コンジュゲートの分子量種を指す。一般に、主要単量体成分は、色素コンジュゲートの試料中に最大量で存在する種である。例えば、HPLC-SEC法によって、主要単量体成分は、一般に、色素コンジュゲートの調製物中に最大ピークとして存在する色素コンジュゲートの種である。色素コンジュゲート試料中のその正確な分子量範囲は、特定の試料(例えば、特定の色素および標的化分子)および調製方法(例えば、色素と標的化分子の比)に依存する。当業者であれば、このような種を認識するであろう。例えば、IR700色素(約1954.22Daの分子量を有する)および抗体(完全長抗体では約150,000Daの平均分子量を有する)を含有するコンジュゲートについて、主要単量体成分の分子量範囲は、典型的には、約151,000Da~165,000Da、例えば154,000Da~158,000Daである。図1Aおよび1Bに描写される例示的な実験では、例示的な抗体-色素コンジュゲートの主要単量体成分は、HPLC-SECによって8~9分の間で溶離する成分を含む。
いくつかの態様において、色素コンジュゲートの高分子量成分は、一般に、主要単量体成分の分子量より大きい分子量を示す色素コンジュゲートの分子量種を指す。いくつかの態様において、増加したまたはより大きい分子量は、色素の凝集に起因しうる。いくつかの態様において、凝集は、二量体、三量体またはより高次のオリゴマーの形成に起因しうる。色素コンジュゲート試料中の高分子量成分の正確な分子量範囲は、特定の試料(例えば、特定の色素および標的化分子)、調製方法(例えば、色素と標的化分子の比)、ならびに、いくつかの場合では、凝集の程度または範囲に依存するだろう。当業者であれば、このような種を認識するであろう。いくつかの態様において、完全長抗体および色素、例えばIR700色素の色素コンジュゲートについて、高分子量成分は、一般に200,000Da超、例えば300,000Da、350,000Da、400,000Da、450,000Da、500,000Da超またはより大きな分子量を有する、二量体、三量体またはより高次のオリゴマーのいずれかの存在に起因しうる。図1Aおよび1Bに描写される例示的な実験では、例示的な抗体-色素コンジュゲートの高分子成分は、HPLC-SECによって8分前、例えば6~8分の間で溶離する成分を含む。
A. フタロシアニン色素および標的化分子を含有するコンジュゲート
本明細書に提供される方法は、光増感剤、例えばフタロシアニン色素、例えばIR700と、標的化分子(例えば、抗体)、例えば細胞表面タンパク質に結合する抗体とを含有するコンジュゲートを製造する工程を含む。いくつかの態様において、光増感剤、例えばフタロシアニン色素(例えば、IR700)にコンジュゲートされた標的化分子は、腫瘍もしくはがん、感染、炎症性疾患もしくは病態、神経疾患もしくは病態または他の疾患もしくは病態のような疾患または病態に関与する細胞の細胞表面分子、例えば細胞表面受容体への、コンジュゲートの標的指向を可能にする。いくつかの態様において、細胞標的指向は、フタロシアニン色素によって吸収される波長、例えば近赤外(NIR)波長での、対象の局所照射、例えば対象における腫瘍の照射によって誘導されるPITの有効性を増加させる。
本明細書に提供される併用療法における使用のためのフタロシアニン色素コンジュゲートは、リンカー基を介して標的化分子にコンジュゲートされた色素分子を含む。一局面において、本コンジュゲートは、式Iで示されるコンジュゲートである:
A-[(L)n-D]p
(I)
式中、
Aは、細胞または組織に結合することができる標的化分子であり;
Lは、各pについて独立して選択されるリンカーであり;
nは、1または2であり;
Dは、各pについて独立して選択される親水性フタロシアニン色素であり;かつ
pは、独立して、1、2、3、4、5または5超、例えば最大1000である。例えば、pは、1~1000、例えば一般に1~10または2~5であることができる。
フタロシアニンは、フタロシアニン環系を有する光増感剤化合物の一群である。フタロシアニンは、炭素原子と窒素原子が交互に並んだ16員環中に窒素の橋によって接続された4つのベンゾインドール基を含有するアザポルフィリン(すなわち、C32H16N8)であり、これは、金属および非金属カチオンと安定なキレートを形成する。これらの化合物において、環中心は、イオンに依存して1または2つのリガンドを保有し得る金属イオン(反磁性または常磁性イオンのいずれか)によって占有されている。加えて、環周囲は、非置換であっても置換されていてもよい。多種多様なフタロシアニンの合成および光線力学療法における使用が国際公開WO 2005/099689号および米国特許第7,005,518号に記載されている。
いくつかの態様において、フタロシアニンは、赤色または近赤外線を強く吸収し、吸収ピークは約600~810nmの間にあり、いくつかの場合では、光による組織の深い透過を可能にする。フタロシアニンは、一般に光安定性である。この光安定性は、典型的には、顔料および色素においてならびにフタロシアニンの他の適用の多くにおいて有利である。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、水溶性であり、かつ、少なくとも1つの水系可溶化部分を有する発光性フルオロフォア部分を含有する。いくつかの態様において、水系可溶化部分は、ケイ素を含有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、Si、Ge、Sn、またはAlのようなコア原子を有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、他の異性体を本質的に含まない単一のコア異性体として存在する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、リンカーと標的化分子との間に結合を形成することができる反応性基または活性化可能な基を有するリンカーを含有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素を特定の波長で蛍光を発するよう調整することができる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、リンカーを含有し、すなわち、リンカー-フタロシアニン色素部分(L-D)である。いくつかの態様において、リンカーは、反応性基を含有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、式IIで示されるフタロシアニン色素である:
式中、
Lは、直接連結、または共有連結から選択され;
Qは、リンカーLの一部であることができ、かつ、反応することでLと標的化分子Aとの間に結合を形成することができる任意の基である、反応性基または活性化可能な基であり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、存在するならば、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、またはキレート配位子から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22およびR
23は、各々、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノまたは置換されてもよいアルコキシから独立して選択することができる官能基であるか;
または、代わりの態様において、i)R
13およびR
14とこれらが付着している炭素、またはii)R
17およびR
18とこれらが付着している炭素、またはiii)R
21およびR
22とこれらが付着している炭素の少なくとも1つが結びついて、縮合環を形成し;かつ
X
2およびX
3は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンである。
いくつかの態様において、Lは、共有連結である。いくつかの態様において、共有連結は、1~60の原子、例えば1~45の原子または1~25の原子を有する、直鎖または分岐、環式または複素環式、飽和または不飽和である。いくつかの場合では、このような原子は、C、N、P、O、およびSから選択されることができる。いくつかの態様において、Lは、原子価を満たす追加の水素原子(1~60の原子に加えて)を有することができる。一般に、連結は、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルバマート、尿素、チオ尿素、オキシもしくはアミド結合;または単結合、二重結合、三重結合もしくは芳香族炭素-炭素結合;またはリン-酸素、リン-硫黄、窒素-窒素、窒素-酸素もしくは窒素-白金結合;または芳香族もしくは複素芳香族結合の任意の組み合わせを含有する。
いくつかの態様において、Lは、式-R1-Y-X1-Y1-で示されるLであり、式中、R1は、二価ラジカルまたは直接連結であり;YおよびY1は、各々独立して、直接連結、酸素、置換されてもよい窒素、または硫黄から選択され;かつ、X1は、直接連結、およびある原子が介在していてもよいC1-C10アルキレンから選択される。二価ラジカルは、非限定的に、置換されてもよいアルキレン、置換されてもよいアルキレンオキシカルボニル、置換されてもよいアルキレンカルバモイル、置換されてもよいアルキレンスルホニル、および置換されてもよいアリーレンを含む。
例示的なR1置換基は、非限定的に、置換されてもよいアルキレン、置換されてもよいアルキレンオキシカルボニル、置換されてもよいアルキレンカルバモイル、置換されてもよいアルキレンスルホニル、置換されてもよいアルキレンスルホニルカルバモイル、置換されてもよいアリーレン、置換されてもよいアリーレンスルホニル、置換されてもよいアリーレンオキシカルボニル、置換されてもよいアリーレンカルバモイル、置換されてもよいアリーレンスルホニルカルバモイル、置換されてもよいカルボキシアルキル、置換されてもよいカルバモイル、置換されてもよいカルボニル、置換されてもよいヘテロアリーレン、置換されてもよいヘテロアリーレンオキシカルボニル、置換されてもよいヘテロアリーレンカルバモイル、置換されてもよいヘテロアリーレンスルホニルカルバモイル、置換されてもよいスルホニルカルバモイル、置換されてもよいチオカルボニル、置換されてもよいスルホニル、および置換されてもよいスルフィニルを含む。
いくつかの態様において、Qは、標的化分子のような材料への任意の付着のための反応性基を含有する。本明細書において使用される場合、用語「反応性基」または「反応性化学基」は、異なる材料(例えば、標的化分子)上の官能基と化学的に反応して共有連結のような連結を形成することが可能な化合物上の部分を意味する。典型的には、反応性基は、それぞれ求核剤または求電子剤である対応する官能基への曝露を通して共有連結を形成することができる求電子剤または求核剤である。あるいは、反応性基は、光活性化可能な基であり、かつ、適切な波長の光で照射した後に初めて化学的に反応性になる。典型的には、コンジュゲートされる反応性色素と標的化分子との間のコンジュゲーション反応によって、色素をコンジュゲートされた標的化分子に付着させる新たな連結に反応性基Qの1つまたは複数の原子が組み込まれる。
いくつかの態様において、Qは、標的化分子上のカルボキシル基、アミン、またはチオール基と反応性である反応性基を含有する。好適な反応性基は、非限定的に、標的化分子への任意の付着のための、アミン反応性化学基、スルフヒドリル反応性化学基、活性化エステル、ハロゲン化アシル、ハロゲン化アルキル、無水物、カルボン酸、カルボジイミド、カルボナート、カルバマート、ハロアセトアミド(例えば、ヨードアセトアミド)、イソシアナート、イソチオシアナート、マレイミド、NHSエステル、ホスホロアミダイト、白金錯体、スルホン酸エステルおよびチオシアナートを含む。いくつかの態様において、反応性基は、標的化分子上のカルボキシル基、アミン、またはチオール基と反応性である。いくつかの態様において、反応性基は、スルフヒドリル反応性化学基、例えばマレイミド、ハロアセチル、およびピリジルジスルフィドである。いくつかの態様において、反応性基は、アミン反応性である。いくつかの態様において、反応性基は、NHSエステルである。
いくつかの態様において、R2、R3、R7、およびR8は、各々、置換されてもよいアルキル、例えば置換されてもよいメチル、エチル、またはイソプロピル基である。
いくつかの態様において、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11の少なくとも1つは、水溶性基を含有する。例えば、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11のアルキル部分は、水溶性置換基で置換されている。本明細書において使用される場合、「水溶性基」は、水性媒体中の分子全体の溶解度を改善する、1つまたは複数の極性および/またはイオン性置換基を含む基を指す。いくつかの場合では、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11の少なくとも2つは、水溶性基を含む。他の態様において、3つ以上が水溶性基を含む。水溶性基は、非限定的に、カルボキシラート(-CO2
-)基、スルホナート(-SO3
-)基、スルホニル(-SO2
-)基、スルファート(-SO4
-2)基、ヒドロキシル(-OH)基、ホスファート(-OPO3
-2)基、ホスホナート(-PO3
-2)基、アミン(-NH2)基および置換されてもよい第四級窒素(各々が任意の対イオンを有する)を含む。
好適な対イオンは、非限定的に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ塩、またはマグネシウム塩、または類似の塩を含む。好ましくは、対イオンは、生物学的に許容される対イオンである。
いくつかの態様において、R4、R5、R6、R9、R10、およびR11が付着する窒素原子は、三価または四価であることができる。
いくつかの態様において、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は各々、水素である。
いくつかの態様において、X2およびX3は、各々独立して、ある原子が介在していてもよいC1-C10アルキレンから選択される。いくつかの態様において、X2および/またはX3に付加された窒素は、場合により四級化されていることができる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、式IIIで示されるフタロシアニン色素である:
式中、
X
1およびX
4は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンであり;かつ
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
16、R
17、R
18、R
19、X
2、およびX
3は、本明細書に定義されているとおりである。
いくつかの態様において、反応性基は、NHSエステルである。いくつかの態様において、NHSエステルの反応性は、NHSエステルとカルバマート官能基の間のX4のアルキレン基の長さを変更することによって調節することができる。いくつかの態様において、NHSエステルとカルバマート官能基の間のX4のアルキレン基の長さは、NHSエステルの反応性に反比例する。いくつかの態様において、X4は、C5-アルキレンである。他の態様において、X4は、C3-アルキレンである。いくつかの態様において、X1は、C6-アルキレンである。他の態様において、X1は、C3-アルキレンである。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、総電荷がゼロである。この中性の電荷は、特定の場合、1つまたは複数の任意の対イオン、または第四級化窒素と共に得ることができる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、可溶性標的化分子に付着すると、標的化分子がその溶解度を保持するので、水溶液中で十分な溶解度を有する。いくつかの態様において、色素はまた、有機媒体(例えば、DMSOまたはDMF)中で可溶性である。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、近赤外(NIR域)において最大の光吸収を有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、600nm~850nmの間、例えば680nm~850nmの間、例えばおよそ690nm±50nmまたは690±20nmで最大の光吸収波長を有する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、これらの波長で光を放出する市販のレーザーダイオードによって効率的に励起されうる。
いくつかの態様において、反応性基を含有するフタロシアニン色素は、IR700 NHSエステル、例えばIRDye 700DX NHSエステル(LiCor 929-70010、929-70011)である。したがって、いくつかの態様において、色素は、以下の式を有する化合物である。
本明細書における目的のために、用語「IR700」、「IRDye 700DX」またはそれらの変形型は、色素が標的化分子に、例えば反応性基を介してコンジュゲートされたときの上記式を指す。一般に、IR700は、いくつかの好ましい化学特性を有する。アミノ反応性IR700は、比較的親水性の色素であり、IR700のNHSエステルを使用して抗体と共有的にコンジュゲートされうる。典型的には、IR700はまた、ヘマトポルフィリン誘導体Photofrin(登録商標)(630nmで1.2×103 M-1cm-1)、メタ-テトラヒドロキシフェニルクロリン;Foscan(登録商標)(652nmで2.2×104 M-1cm-1)、およびモノ-L-アスパルチルクロリンe6;NPe6/Laserphyrin(登録商標)(654nmで4.0×104 M-1cm-1)のような従来の光増感剤よりも5倍超高い吸光係数(689nmの吸収最大で2.1×105 M-1cm-1)を有する。
本明細書に記載されるフタロシアニン色素は、市販の出発物質を用いて作製することができる。そのコア構造は、2つ以上の異なるジイミノイソインドリンの縮合によって合成される。異なるジニトリルまたはジイミノイソインドリンを使用した合成戦略は、種々の置換度のフタロシアニンおよび/または分布度の位置異性体を導くことができる。色素を生成するための例示的な合成スキームは、米国特許第7,005,518号に記載されている。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、色素分子の反応性基を介して標的化分子にコンジュゲートされる。いくつかの態様において、標的化分子は、例えば細胞または病原体上の細胞表面分子(例えば、細胞表面受容体)への結合によって、コンジュゲートを細胞または病原体へ標的指向させることができる分子である。いくつかの態様において、標的化分子、例えば、巨大分子は、所望の細胞タイプ、特定の表現型を有する細胞、または1つまたは複数の細胞表面マーカーもしくは抗原を提示する細胞に選択的に結合することができる。いくつかの場合では、標的化分子は、がん細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞、免疫細胞、神経細胞、幹細胞、増殖性細胞、または過形成状態の細胞である細胞に結合する。いくつかの場合では、標的化分子は、病原体または病原体感染細胞に結合する。いくつかの態様において、細胞は、白血球、例えば、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、または単球のような炎症性細胞である。いくつかの態様において、細胞は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞、マクロファージまたは好中球のような免疫細胞である。いくつかの態様において、細胞は、侵害受容器(例えば、熱侵害受容器、機械侵害受容器、化学侵害受容器または多モード侵害受容器)のような末梢神経系神経細胞または中枢神経系神経細胞である神経細胞である。いくつかの場合では、標的化分子は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルムまたは他の原核細胞系などの病原体または病原性細胞に結合する。いくつかの態様において、標的化分子は、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌である病原体に結合する。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素コンジュゲートの標的化分子(例えば、抗体)は、疾患または病態と関連するかまたは疾患または病態の結果として存在する病変の微小環境中に存在する1つまたは複数の細胞の表面のタンパク質に結合する。例えば、いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍と関連するかまたは腫瘍の中に存在する腫瘍微小環境中に存在する1つまたは複数の細胞の表面のタンパク質に結合する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍の微小環境中の細胞外マトリクス中に存在するタンパク質に結合する。
本明細書において使用される場合、「病変の微小環境中に存在する細胞」は、病変、疾患または障害と関連する細胞環境中に存在する任意の細胞、例えば腫瘍中に存在するまたはそれに直接隣接した任意の細胞、例えば腫瘍微小環境、または腫瘍微小環境中の細胞外マトリクス中に存在する細胞を指す。
本明細書において使用される場合、「腫瘍微小環境中に存在する細胞」は、増殖腫瘍細胞(例えば、がん細胞)、腫瘍間質、血管、浸潤炎症性細胞(例えば、免疫細胞)および様々な関連する組織細胞(例えば、線維芽細胞)を含む、腫瘍が存在する細胞環境中に存在する任意の細胞、例えば腫瘍中に存在するまたはそれに直接隣接した任意の細胞を指す。したがって、腫瘍への言及は、悪性またはがん細胞を含みうる腫瘍細胞だけでなく、腫瘍の成長を調節する腫瘍微小環境中に存在する他の細胞(免疫細胞を含む)も指すことが理解される。いくつかの場合では、腫瘍微小環境中に存在する免疫細胞は、Tリンパ球(制御性Tリンパ球(Treg)を含む)、樹状細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、マクロファージおよび他の免疫細胞を含みうる(Whiteside (2008) Oncogene, 27:5904-5912)。いくつかの局面において、腫瘍中に存在するおよびその周辺の多くの非がん性細胞は、腫瘍細胞の増殖、血管新生、侵入および/または転移を調節し、それによって腫瘍の成長を促進しうることが認識される。したがって、いくつかの場合では、腫瘍中に存在するこのような非がん性細胞、例えば免疫細胞(例えば、制御性T細胞のようなT細胞)をターゲティングすることは、PITによって腫瘍を殺傷するための有効な治療でありうる。
一般に、がん性細胞は、免疫系によって認識されるはずである腫瘍特異的抗原を含有する。典型的には、活性免疫系では、細胞傷害性T細胞のような免疫細胞がこれらのがん性細胞を攻撃および根絶する。正常な生理学的状態下では、T細胞媒介性免疫応答は、T細胞受容体(TCR)による抗原認識によって開始され、共刺激および阻害シグナル(例えば、免疫チェックポイントタンパク質)のバランスによって調節される。特に、TCRを発現するCD4+およびCD8+T細胞は、それぞれ、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはクラスII分子上の抗原提示細胞上に提示される抗原性ペプチドの認識によって活性化状態になることができる。いくつかの局面において、活性化CD8+細胞、または細胞傷害性T細胞は、抗原を発現する腫瘍細胞を殺傷することができ、これはCD4+T細胞の存在によって援助されうる。
しかし、腫瘍の場合、腫瘍微小環境が、免疫系を抑制することによって免疫認識を回避し、腫瘍細胞の殺傷を防止または低減させる機序を有する。例えば、いくつかの場合では、免疫チェックポイントタンパク質が腫瘍において脱調節され、それによって免疫系を回避する機序としての腫瘍微小環境における免疫応答の抑制をもたらしうる。いくつかの場合では、腫瘍浸潤リンパ球は、微小環境における他のT細胞の増殖を抑制することが可能な細胞である、Treg(例えば、CD4+CD25+T細胞)を含みうる(Whiteside, TL (2008) Oncogene, 27:5904-5912)。いくつかの場合では、他の機序が免疫細胞の腫瘍抗原への接近を阻害するように作用し、それによって免疫系を回避する腫瘍の能力にも寄与しうる。
いくつかの態様において、標的化分子は、腫瘍またはがん細胞上の細胞表面タンパク質に結合する分子である。いくつかの態様において、標的化分子は、腫瘍微小環境中に存在するTリンパ球、例えばTreg、樹状細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞、マクロファージまたは他の免疫細胞の表面の細胞表面タンパク質に結合する。例えば、腫瘍またはがん細胞は、頭頸部、乳房、肝臓、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、脳、子宮頸部、骨、皮膚、眼、膀胱、胃、食道、腹膜、または肺に位置するがんと関連するものであることができる。いくつかの態様において、標的化分子は、がん幹細胞または循環腫瘍細胞である細胞に結合する。
例示的な標的化分子、例えば巨大分子(腫瘍またはがんを標的とするものを含む)は、非限定的に、公開国際PCT出願WO2014120974号、WO2014176284号、WO2015042325号、米国特許第8,524,239号または米国特許公開第US20140120119号に記載されているとおりのいずれかを含む。
例示的な標的化分子は、非限定的に、タンパク質、糖タンパク質、抗体、抗体断片、抗原、抗原結合断片、ペプチド、ポリペプチド、低分子、合成高分子、高分子ナノ粒子、リポソーム、酵素基質、ホルモン、神経伝達物質、細胞代謝物質、ウイルス粒子、ウイルスカプシド、ウイルスナノ粒子、細菌粒子、マーカー、細胞、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、単量体ストレプトアビジン、ビオチン、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、デオキシ核酸、DNAの断片、RNAの断片、ヌクレオチド三リン酸、アシクロターミネーター三リン酸、またはPNAを含む。
いくつかの態様において、標的化分子は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、チラミン、多糖、イオン錯体化部分、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、プソラレン、薬物、ホルモン、脂質、脂質集合体、高分子、高分子微粒子、生体細胞、またはウイルスである。いくつかの態様において、標的化分子は、抗原、ステロイド、ビタミン、薬物、代謝物、毒素、環境汚染物質、核酸高分子、炭水化物、脂質、またはガラス、プラスチックもしくは他の非生体高分子である。いくつかの態様において、標的化分子は、細胞、細胞系、細胞断片、または細胞より小さい粒子、例えばウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、生体細胞(例えば動物細胞、植物細胞、細菌、酵母、または原生生物)、または細胞成分である。いくつかの態様において、反応性色素は、細胞表面で、細胞膜、細胞小器官、または細胞質中で官能基を標識し得る。
いくつかの態様において、標的化分子は、所望の細胞タイプ、特定の表現型を有する細胞、または1つまたは複数の細胞表面マーカーもしくは抗原を提示する細胞に選択的に結合することができる。いくつかの態様において、標的化分子は、腫瘍標的化分子である。いくつかの態様において、標的化分子は、腫瘍またはがん細胞に結合することができる。いくつかの態様において、標的化分子は、細胞表面、例えば、腫瘍細胞の細胞表面のマーカーまたは抗原を標的とするかまたはそれに結合する。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗原(例えば、該分子によって結合されうる標的となる任意の構造物質など)を標的とするかまたはそれに結合する。いくつかの態様において、抗原は、細胞表面上に発現される細胞表面分子、例えばタンパク質(例えば、受容体)であるかまたはその一部として含まれる。いくつかの態様において、例えば、抗原は、腫瘍中に存在する細胞(腫瘍微小環境中に存在する任意の細胞を含む)の表面に発現される分子であるかまたはその一部として含まれる。標的化分子が結合することができる細胞表面分子の例は、非限定的に、抗原決定基(免疫細胞によって認識されるものなど)を含有する、抗原、ペプチド、脂質、多糖、炭水化物、または核酸を含む。いくつかの例では、抗原は、腫瘍特異的ペプチド(例えばがん細胞の表面に見いだされるもの)またはその免疫原性断片を含む。
いくつかの態様において、標的化分子は、細胞表面タンパク質(例えば、細胞表面受容体)のような細胞表面分子に結合可能なリガンドのような結合パートナーである。いくつかの態様において、標的化分子は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、ボンベシン、ブラジキニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、骨形成タンパク質2(BMP-2)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、カルシトニン、カルジオトロフィン1(BMP-2)、CD22、CD40、コレシストキニン(CCK)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、CCL1~CCL28、CXCL1~CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、クリプト1結合ペプチド、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、エンドセリン1、エンドセリン1/3、FAS-リガンド、線維芽細胞成長因子1(FGF-1)、線維芽細胞成長因子2(FGF-2)、線維芽細胞成長因子4(FGF-4)、線維芽細胞成長因子5(FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(FGF-6)、線維芽細胞成長因子1(FGF-7)、線維芽細胞成長因子1(FGF-10)、Flt-3、ガストリン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、肝細胞成長因子(HGF)、インターフェロンアルファ(IFN-a)、インターフェロンベータ(IFN-b)、インターフェロンガンマ(IFNg)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インスリン様成長因子2(IGF-2)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン19(IL-19)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成放出ホルモン(LHRH)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、マクロファージ炎症性タンパク質3b(MIP-3b)、神経成長因子(NGF)、ニューロメジンB、ニューロトロフィン3(NT-3)、ニューロトロフィン4(NT-4)、ニューロテンシン、神経ペプチドY、オキシトシン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、血小板由来成長因子AA(PDGF-AA)、血小板由来成長因子AB(PDGF-AB)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、血小板由来成長因子CC(PDGF-CC)、血小板由来成長因子DD(PDGF-DD)、ネトリン-1(NTN1)、ネトリン-2(NTN2)、ネトリン-4(NTN4)、ネトリン-G1(NTNG1)およびネトリン-G2(NTNG2)、エフリンA1(EFNA1)、エフリンA2(EFNA2)、エフリンA3(EFNA3)、エフリンA4(EFNA4)、エフリンA5(EFNA5)、セマフォリン3A(SEMA3A)、セマフォリン3B(SEMA3B)、セマフォリン3C(SEMA3C)、セマフォリン3D(SEMA3D)、セマフォリン3F(SEMA3F)、セマフォリン3G(SEMA3G)、セマフォリン4A(SEMA4A)、セマフォリン4B(SEMA4B)、セマフォリン4C(SEMA4C)、セマフォリン4D(SEMA4D)、セマフォリン4F(SEMA4F)、セマフォリン4G(SEMA4G)、セマフォリン5A(SEMA5A)、セマフォリン5B(SEMA5B)、セマフォリン6A(SEMA6A)、セマフォリン6B(SEMA6B)、セマフォリン6D(SEMA6D)、セマフォリン7A(SEMA7A)、SLIT1、SLIT2、SLIT3、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー1(SLITRK1)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー2(SLITRK2)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー3(SLITRK3)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー4(SLITRK4)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー5(SLITRK5)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6)、プロスタグランジンE2(PGE2)、RANTES、ソマトスタチン-14、ソマトスタチン-28、幹細胞因子(SCF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)、サブスタンスP、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-b)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、トロンビン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、Wntl、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wntl0a、Wntl0b、Wnt11、Wnt14、Wnt15もしくはWnt16、ソニック・ヘッジホッグ、デザート・ヘッジホッグ、ならびにインディアン・ヘッジホッグから選択されるか、または細胞表面タンパク質(例えば、細胞表面受容体)のようなその同族細胞表面分子に結合可能なその結合断片である。
いくつかの態様において、標的化分子は、免疫細胞上の細胞表面分子またはタンパク質に結合して身体の免疫応答を抑制するかまたは活性化させることができる、免疫調節剤でありうる。いくつかの態様において、免疫調節剤の細胞表面分子またはタンパク質への結合は、腫瘍および/または病原体に対する免疫応答を、例えば免疫抑制を阻害することによってまたは免疫刺激を増強することによって刺激しうる。いくつかの態様において、細胞表面分子またはタンパク質は、CD25、PD-1(CD279)、PD-L1(CD274、B7-H1)、PD-L2(CD273、B7-DC)、CTLA-4、LAG3(CD223)、TIM3(HAVCR2)、4-1BB(CD137、TNFRSF9)、CXCR2、CXCR4(CD184)、CD27、CEACAM1、ガレクチン9、BTLA、CD160、VISTA(PD1相同体)、B7-H4(VCTN1)、CD80(B7-1)、CD86(B7-2)、CD28、HHLA2(B7-H7)、CD28H、CD155、CD226、TIGIT、CD96、ガレクチン3、CD40、CD40L、CD70、LIGHT(TNFSF14)、HVEM(TNFRSF14)、B7-H3(CD276)、Ox40L(TNFSF4)、CD137L(TNFSF9、GITRL)、B7RP1、ICOS(CD278)、ICOSL、KIR、GAL9、NKG2A(CD94)、GARP、TL1A、TNFRSF25、TMIGD2、BTNL2、ブチロフィリンファミリー、CD48、CD244、シグレックファミリー、CD30、CSF1R、MICA(MHCクラスIポリペプチド関連配列A)、MICB(MHCクラスIポリペプチド関連配列B)、NKG2D、KIRファミリー(キラー細胞免疫グロブリン様受容体、LILRファミリー(白血球免疫グロブリン様受容体、CD85、ILT、LIR)、SIRPA(シグナル調節タンパク質アルファ)、CD47(IAP)、ニューロピリン1(NRP-1)、VEGFRまたはVEGFでありうる。
いくつかの態様において、細胞表面分子は、細胞膜リン脂質、原核生物ペプチドグリカン、細菌細胞エンベロープタンパク質、ウイルスカプシドタンパク質、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体(セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、インターロイキン受容体(例えば、IL-2R、IL11-R、IL-13R)、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、またはY5でありうる。
いくつかの態様において、細胞表面分子は、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、 癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、またはSK-1抗原でありうる。
いくつかの態様において、標的化分子は、腫瘍細胞上の細胞表面分子のような抗原に特異的に結合する抗体または抗体断片である。そのような抗体の中には、本明細書に記載される細胞表面タンパク質(例えば、細胞表面受容体)のような細胞表面分子に結合可能な抗体または抗原結合抗体断片が含まれる。いくつかの場合では、抗体は、腫瘍特異的タンパク質を含む腫瘍中の細胞上に発現されるタンパク質の抗原に結合することができる。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗原またはタンパク質に直接的または間接的に結合する。例えば、いくつかの態様において、標的化分子は、抗原またはタンパク質に結合可能な第一の結合分子に結合する第二の結合分子である。例えば、標的化分子は、タンパク質または抗原、例えば細胞表面タンパク質または細胞表面受容体に結合可能な第一の結合分子、例えば一次抗体に結合する二次抗体である。したがって、いくつかの態様において、色素は、二次抗体にコンジュゲートされる。
「抗体」は、腫瘍特異的タンパク質のような抗原のエピトープを特異的に認識しそれに結合する少なくとも1つの軽鎖または重鎖免疫グロブリン可変領域を含む、ポリペプチドリガンドである。一般に、抗体は、可変重鎖(VH)領域および可変軽鎖(VL)領域と称される可変領域を各々有する重鎖および軽鎖から構成される。VH領域およびVL領域は合わせて、抗体によって認識される抗原の結合に関与する。
抗体は、無傷の免疫グロブリンならびに抗原結合を示す抗体の断片、例えばFab断片、Fab’断片、F(ab)’2断片、単鎖Fvタンパク質(「scFv」)、およびジスルフィドで安定化されたFvタンパク質(「dsFv」)を含む。scFvタンパク質は、免疫グロブリンの軽鎖可変領域と免疫グロブリンの重鎖可変領域がリンカーによって結合された融合タンパク質であり、一方、dsFvでは、鎖は、鎖の会合を安定化させるジスルフィド結合を導入するよう突然変異されている。本用語はまた、遺伝子改変された形態、例えばキメラ抗体、例えば、ヒト化ネズミ抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、例えば二重特異性抗体を含む。また、Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford, Ill.); Kuby, J. Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997も参照されたい。
典型的には、天然に存在する免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続した重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。軽鎖には、ラムダ(λ)およびカッパ(k)という2つの種類がある。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス、またはアイソタイプがある:IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgE。
各重鎖および軽鎖は、「ドメイン」としても知られる定常領域および可変領域を含有する。組み合わせで、重鎖および軽鎖の可変領域は、一般に、抗原に特異的に結合する。軽鎖および重鎖の可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域が介在する「フレームワーク」領域を含有し得る。フレームワーク領域およびCDRの範囲は、定義されている(参照によって本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, U.S. Department of Health and Human Services, 1991を参照のこと)。Kabatデータベースは、現在オンラインで保守されている。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、ヒトのような種内で比較的保存されている。構成要素の軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である抗体のフレームワーク領域は、CDRを3次元空間に位置付けおよび整列させるのに役立つ。
CDRは、典型的には、抗原のエピトープへの結合に関与する。各鎖のCDRは、典型的には、N末端から開始して連続的に番号付けされたCDR1、CDR2、およびCDR3と称され、また、一般に、特定のCDRが位置する鎖によっても同定される。したがって、VH CDR3は、それが見いだされる抗体の重鎖の可変ドメインに位置するが、一方で、VL CDR1は、それが見いだされる抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。異なる抗原のための異なる結合部位のような異なる特異性を有する抗体は、異なるCDRを有する。抗体によって変動するのはCDRであるが、CDR内の限られた数のアミノ酸位置だけが抗原結合に直接関与する。CDR内のこれらの位置は、特異性決定残基(SDR)と呼ばれる。
「VH」または「VH」への言及は、Fv、scFv、dsFvまたはFabのものを含む、免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、Fv、scFv、dsFvまたはFabのものを含む、免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
中でも、提供される抗体は、抗体断片である。「抗体断片」は、無傷の抗体が結合する抗原に結合する無傷の抗体の一部を含む、無傷の抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、非限定的に、Fv、Fab、Fab'、Fab’-SH、F(ab')2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。他の抗体断片または抗体断片から形成される多重特異性抗体は、多価scFv、二重特異性scFvまたはscFv-CH3二量体を含む。抗体断片は、無傷の抗体のタンパク質分解ならびに組換え宿主細胞による産生を非限定的に含む種々の技術によって作製することができる。
「モノクローナル抗体」は、Bリンパ球の単一クローンによってまたは単一抗体の軽鎖および重鎖遺伝子がトランスフェクトされた細胞によって産生される抗体である。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって、例えば、骨髄腫細胞と免疫脾臓細胞の融合体由来のハイブリッド抗体形成細胞を作製することによって産生される。モノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体を含む。
「キメラ抗体」は、ヒトのような1つの種由来のフレームワーク残基と、メソテリンに特異的に結合するネズミ抗体のような別の種由来のCDR(一般に抗原結合を付与する)とを有する。
「ヒト化」免疫グロブリンは、ヒトフレームワーク領域とヒト以外の(例えば、マウス、ラット、または合成)免疫グロブリン由来の1つまたは複数のCDRとを含む、免疫グロブリンである。CDRを提供するヒト以外の免疫グロブリンは、「ドナー」と称され、そして、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは、「アクセプター」と称される。いくつかの態様において、CDRは、ヒト化免疫グロブリンにおいてドナー免疫グロブリンに由来する。定常領域は存在する必要はないが、定常領域が存在する場合、これらは、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、例えば少なくとも約85~90%、例えば約95%またはそれより多く同一であり得る。それゆえ、ヒト化免疫グロブリンの一部(おそらくはCDRを除く)は、対応する天然ヒト免疫グロブリン配列の一部と実質的に同一である。「ヒト化抗体」は、ヒト化軽鎖およびヒト化重鎖の免疫グロブリンを含む抗体である。ヒト化抗体は、CDRを提供するドナー抗体と同じ抗原に結合する。ヒト化免疫グロブリンまたは抗体のアクセプターフレームワークは、ドナーフレームワークから得られるアミノ酸による限られた数の置換を有し得る。ヒト化または他のモノクローナル抗体は、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に実質的に影響を及ぼさない追加の保存アミノ酸置換を有することができる。ヒト化免疫グロブリンは、遺伝子改変によって構築することができる(例えば、米国特許第5,585,089号を参照のこと)。
「ヒト」抗体(「完全ヒト」抗体とも呼ばれる)は、ヒトフレームワーク領域とヒト免疫グロブリン由来のCDRとを含む抗体である。いくつかの態様において、フレームワークおよびCDRは、同じ起源のヒト重鎖および/または軽鎖アミノ酸配列に由来する。しかしながら、1つのヒト抗体由来のフレームワークは、異なるヒト抗体由来のCDRを含むように改変することができる。ヒト免疫グロブリンの一部は、対応する天然ヒト免疫グロブリン配列の一部と実質的に同一であり得る。
「特異的に結合する」は、非腫瘍タンパク質(例えば、β-アクチン)のような無関係なタンパク質への結合と比較して、腫瘍特異的抗原のような抗原に特異的に結合する抗体または抗原結合断片のような分子の能力を指す。いくつかの態様において、抗体または断片のような分子(フタロシアニン色素分子に付着した抗体または断片のような分子を含む)は、細胞表面タンパク質のような標的に、試料または対象中の他の分子についての結合定数よりも少なくとも103M-1大きい、104M-1大きいまたは105M-1大きい結合定数で特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体またはその断片のような分子は、約106M-1以上の、約107M-1以上の、約108M-1以上の、または約109M-1、1010M-1、1011M-1もしくは1012M-1以上の平衡会合定数(KA)を有する。抗体はまた、10-6M、10-7M、10-8M、10-10M、10-11Mもしくは10-12Mまたはそれより低い平衡解離定数(KD)によって特徴付けることができる。いくつかの態様において、平衡解離定数(KD)は、1nM以下でありうる。KDまたはKAのような親和定数は、経験的に推定することができるか、または、例えば特定の抗原に対する1つの抗体と別の抗体の親和性を比較することによって、親和性を比較して決定することができる。例えば、このような親和性は、例えば、競合的ELISA(酵素結合免疫吸着法)によるもしくはBiacore T100(Biacore, Inc., Piscataway, N.Jから入手可能)のような表面プラズモン共鳴装置を使用する、放射標識された標的抗原を使用した放射免疫測定法による、または当業者に公知の別の方法によるような、当技術分野において公知の技術を使用して容易に決定することができる。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素(例えば、IR700)は、抗体または抗原結合抗体断片にコンジュゲートされる。例えば、いくつかの局面において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートは、IR700-抗体コンジュゲートである。フタロシアニン色素(例えば、IR700)をコンジュゲートすることができる例示的な抗体は、非限定的に、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan, Mabthera)、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin)、ダクリズマブ(Zenapax)、ゲムツズマブ(Mylotarg)、アレムツズマブ、CEA-scan Fab断片、OC125モノクローナル抗体、ab75705、B72.3、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、MK-3475、BMS-936559、MPDL3280A、トレメリムマブ、IMP321、BMS-986016、LAG525、ウレルマブ、PF-05082566、TRX518、MK-4166、ダセツズマブ、ルカツムマブ、SEQ-CD40、CP-870、CP-893、MEDI6469、MEDI6383、MOXR0916、AMP-224、MSB0010718C、MEDI4736、PDR001、rHIgM12B7、ウロクプルマブ、BKT140、バルリルマブ(CDX-1127)、ARGX-110、MGA271、リリルマブ(BMS-986015、IPH2101)、IPH2201、AGX-115、エマクツズマブ、CC-90002およびMNRP1685Aまたはその抗体結合断片を含む。
いくつかの態様において、標的化分子は、組織特異的ホーミングペプチドである。例えば、いくつかの態様において、ホーミングペリペプチドは、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるアミノ酸の配列を含有しうる。いくつかの態様において、標的化分子は、RGDポリペプチド、例えばiRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、またはプロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、またはiNGRポリペプチドである。
いくつかの態様において、標的化分子は、切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成された、活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)である。例えば、いくつかの態様において、ACPPは、構造A-X1-B-を含み、式中、Bは、細胞内取り込みに好適である約5~約20の塩基性アミノ酸残基のペプチド部分であり;Aは、部分Bと連結するとき、部分Bの細胞内取り込みを阻害または防止するのに効果的である約2~約20の酸性アミノ酸残基のペプチド部分であり;X1は、約2~約100の原子の、切断可能なリンカーであり;かつ、1つまたは複数のL-Yが、ペプチド部分BのC末端に連結される。
いくつかの態様において、標的化分子は、ウイルス粒子、例えばウイルス様粒子、ウイルス様ナノ粒子、またはウイルスカプシドである。いくつかの態様において、標的化分子は、ウイルス様ナノ粒子である。いくつかの態様において、ウイルス様ナノ粒子は、L1カプシドタンパク質からアセンブルされる。いくつかの態様において、ウイルス様ナノ粒子は、L1カプシドタンパク質とL2カプシドタンパク質との組み合わせからアセンブルされる。いくつかの態様において、標的化分子は、細胞に結合して、それに感染する。いくつかの態様において、標的化分子は、WO2015042325に記載されている標的化分子である。
いくつかの態様において、ウイルス様粒子(VLP)は、L1またはL1およびL2カプソマーの自己集合秩序アレイを含みかつウイルスゲノムを含まない、およそ球形または円筒形状のような組織化されたカプシド様構造を指す。いくつかの態様において、ウイルス様粒子は、真のビリオンと形態学的にかつ抗原性に関して類似しているが、これらは、ウイルス核酸のようなウイルス遺伝物質を欠いており、その粒子を非感染性にしている。VLPを使用して、レシピエント細胞に、予防薬、治療薬もしくは診断薬などの薬剤、または封入された環状もしくは線状のDNAもしくはRNA分子を送達し得る。
いくつかの態様において、VLPは、野生型VLPに対して修飾された免疫原性および/または抗原性を有し得る。VLPは、例えば、免疫原性および/または抗原性が修飾された変異体カプシドタンパク質を有するカプソマーからアセンブルされ得る。いくつかの態様において、免疫原性および/または抗原性が修飾された変異体カプシドタンパク質は、アミノ酸が天然にまたは合成で修飾されて、例えば突然変異、置換、欠失、ペグ化または挿入されて、既存(例えば、内因性)のウイルス血清型特異的抗体によるカプシドタンパク質の認識が低減または防止されたものである。変異体カプシドタンパク質は、ヒトパピローマウイルス(HPV)L1変異体、ヒト以外のパピローマウイルスL1変異体、または異なるHPV血清型由来のアミノ酸の組み合わせに基づくパピローマウイルスL1変異体であり得る。
いくつかの態様において、VLPは、パピローマウイルスVLPである。VLPは、ヒトに感染することができるウイルスに由来するようなヒトパピローマウイルスVLPであり得るが、一方、他の態様において、VLPは、ヒト以外のパピローマウイルスVLPであり得る。ヒト以外のVLPの例は、非限定的に、ウシパピローマウイルス、ネズミパピローマウイルス、コットンラビットパピローマウイルスおよびマカクまたはアカゲザルパピローマウイルス粒子に由来するものを含む。いくつかの態様において、VLPは、ウシパピローマウイルスウイルス様ナノ粒子、例えば1型ウイルス様ナノ粒子(例えば、BPV L1カプシドタンパク質またはBPV L1カプシドタンパク質とBPV L2カプシドタンパク質の組み合わせからアセンブルされる)である。
いくつかの態様において、カプシドタンパク質は、タンパク質単量体を指し、そのいくつかは、カプソマーオリゴマーを形成する。いくつかの態様において、カプソマーは、ウイルスの遺伝物質を保護するタンパク質の外部被覆であるウイルスカプシドの基本オリゴマー構造単位を指す。カプシドタンパク質は、いくつかの態様において、パピローマウイルスL1メジャーカプシドタンパク質およびパピローマウイルスL2マイナーカプシドタンパク質を含み得る。いくつかの態様において、VLPは、L1カプシドタンパク質だけを含有するが、一方、他の態様において、VLPは、L1カプシドタンパク質とL2カプシドタンパク質の混合物、またはそれらの組み合わせを含有する。
いくつかの態様において、ウイルス様粒子中のL1カプシドタンパク質のパーセンテージは、ウイルス様粒子中のL2カプシドタンパク質のパーセンテージより大きい。例えば、いくつかの態様において、ウイルス様粒子中のL1カプシドタンパク質のパーセンテージは、ウイルス様粒子中のカプシドタンパク質の総数の80%~100%である。いくつかの態様において、ウイルス様粒子中のL1カプシドタンパク質のパーセンテージは、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%、または約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%である。いくつかの態様において、ウイルス様粒子中のL2カプシドタンパク質のパーセンテージは、ウイルス様粒子中のカプシドタンパク質の総数の1%~25%である。例えば、いくつかの態様において、ウイルス様粒子中のL2カプシドタンパク質のパーセンテージは、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%もしくは20%、または約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%もしくは20%である。
いくつかの態様において、ウイルス様粒子は、12~72個のL2タンパク質を含有する。いくつかの態様において、ウイルス様粒子は、360個のL1タンパク質および12~72個のL2タンパク質を含有する。いくつかの態様において、カプシドタンパク質は、20~60nmの直径を有するウイルス様ナノ粒子へとアセンブルする。例えば、カプシドタンパク質は、少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60nm、または約20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60nmの直径を有するウイルス様ナノ粒子へとアセンブルし得る。
いくつかの態様において、標的化分子は、DARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質)である。典型的には、DARPinは、天然のアンキリンリピートタンパク質に由来し、かつ、例えば、ヒト受容体、サイトカイン、キナーゼ、ヒトプロテアーゼ、ウイルスおよび膜タンパク質を含むタンパク質に結合する(Molecular Partners AG Zurich Switzerland; Chapter 5参照. “Designed Ankyrin Repeat Proteins (DARPins): From Research to Therapy”, Methods in Enzymology, vol 503: 101-134 (2012); および “Efficient Selection of DARPins with Sub-nanomolar Affinities using SRP Phage Display”, J. Mol. Biol. (2008) 382, 1211-1227、その開示全体は、参照によって本明細書に組み入れられる)。いくつかの態様において、DARPinは、遺伝子改変を介して調製される、標的タンパク質への高い特異性および高い結合親和性を有する抗体模倣タンパク質である。いくつかの態様において、DARPinは、少なくとも2つのアンキリンリピートモチーフを含む、例えば、少なくとも3、4または5つのアンキリンリピートモチーフを含む構造を有する。DARPinは、リピートモチーフの数に依存して任意の好適な分子量を有しうる。例えば、3、4または5つのアンキリンリピートモチーフを含むDARPinは、それぞれ、約10kDa、約14kDa、または約18kDaの分子量を有し得る。
いくつかの態様において、DARPinは、構造を提供するコア部分と、コアの外にありかつ標的に結合する標的結合部分とを含む。いくつかの態様において、構造コアは、保存されたアミノ酸配列を含み、標的結合部分は、標的に応じて異なるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、1標的化分子当たり1~約1000または約1~約1000、例えば1~約100または約1~約100、1~約50または約1~約50、1~約25または約1~約25、1~約10または約1~約10、1~約5または約1~約5である複数の色素残基を含有する。いくつかの態様において、色素分子:標的化分子の比は、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、150:1、200:1、250:1、300:1、350:1、400:1、450:1、500:1、550:1、600:1、650:1、700:1、750:1、800:1、850:1、900:1、950:1もしくは1000:1、または約2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、150:1、200:1、250:1、300:1、350:1、400:1、450:1、500:1、550:1、600:1、650:1、700:1、750:1、800:1、850:1、900:1、950:1もしくは1000:1であるか、またはこのような値のいずれか2つの間もしくはこのような値のおおよそいずれか2つの間である。いくつかの態様において、標的化分子は、最大2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000の色素分子を含有し得る。いくつかの態様において、標的化分子は、1000超の色素分子または10未満の色素分子を含有し得る。
いくつかの態様において、例えば、標的化分子が抗体または抗原結合断片のようなポリペプチドであるとき、1標的化分子当たりの色素分子の数は、2~5または約2~5、例えば2~4または約2~4、例えば約3または3であることができる。いくつかの態様において、例えば、標的化分子がウイルス様粒子(VLP)のようなナノ粒子である場合、色素分子と標的化分子の数は、10~1000、10~500、50~500もしくは50~1000、または約10~1000、約10~500、約50~500もしくは約50~1000であることができる。したがって、いくつかの態様において、標的化分子は、約10~約1000の色素分子を含有し得る。
いくつかの態様において、例えば、標的化分子がVLPである場合、1つを超える色素分子が単一のカプシドタンパク質にコンジュゲートされ得る。例えば、LIまたはL2カプシドタンパク質のような単一のカプシドタンパク質が、1~5、例えば1、2、3、4または5つの色素分子にコンジュゲートされ得る。したがって、カプシドタンパク質の1つを超えるアミノ酸が色素分子にコンジュゲートされ得る。いくつかの態様において、単一のカプシドタンパク質が、1~2、1~3、または2~3つの色素分子にコンジュゲートされ得る。したがって、色素分子は、単一のカプシドタンパク質の1、2、3、4または5つの異なるアミノ酸、例えばリジン、アルギニンおよび/もしくはヒスチジン、または他のアミノ酸にコンジュゲートされ得る。
B. 色素-標的化分子コンジュゲートの光保護調製
いくつかの態様において、光保護条件下で、IR700-標的化分子(例えば、IR700-抗体)コンジュゲートのようなフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを調製するための方法またはプロセスが提供される。いくつかの態様において、本方法は、1)フタロシアニン色素および標的化分子を調製または提供する工程;2)標的化分子とフタロシアニン色素とを、色素の最小曝露でコンジュゲートを生産または生成する条件下で、接触させる工程;および3)コンジュゲートを製剤化、精製および/または単離して、原薬を含有する組成物を生産する工程を含み、ここで、工程の1つまたは複数、例えばいくつかの場合では工程の全ては、色素または色素を含有するコンジュゲートの環境光への最小曝露で実施される。
いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートの調製の前、間、および後に、色素および/またはコンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、700ルクス超の強度を有する光に20分間を超えて、10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に20分間を超えて、10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。
いくつかの態様において、本方法の1つもしくは複数の工程または本方法の全ての工程の前、間、または後に、色素および/またはコンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、コンジュゲートの調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素によって吸収されないまたは色素によって実質的に吸収されない波長を有する。いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~650nmもしくは約400nm~650nm、例えば400nm~600nm、425nm~575nm、または450nm~550nmの範囲の波長を有する。
いくつかの態様において、本方法の工程の1つもしくは複数または全ての間の色素および/またはコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素によって吸収されないまたは色素によって実質的に吸収されない波長と、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度とを有する。いくつかの態様において、本方法の工程の1つもしくは複数または全ての間の色素および/またはコンジュゲートが曝露される唯一の光は、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する緑色光である。いくつかの態様において、本方法の工程の1つもしくは複数または全ての間の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~650nmもしくは約400nm~650nm、例えば400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートの調製、生産、製剤化および/またはパッケージングの前、間、および後に、色素および/またはコンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下の総光曝露を有する。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法では、色素および/またはコンジュゲートは、本方法全体の遂行の間、いかなる環境光にも曝露されないか、または5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下の総光曝露を有する。例えば、本方法全体の間の、または、色素および/もしくはコンジュゲートの調製、生産、製剤化および/もしくはパッケージングの前、間、および後の色素および/またはコンジュゲートの総光曝露は、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下である。総光曝露は、照度(ルクス)と曝露期間(時間)とを掛け合わせることによって決定される。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法の工程の1つもしくは複数または全ての間、色素および/またはコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下の総光曝露である。例えば、パッケージング工程の間の色素および/またはコンジュゲートの総光曝露は、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、本方法の工程の1つもしくは複数または全ての間、光、または光の特定の波長もしくは強度から内容物を保護する1つまたは複数の容器を使用する方法の手順を実施することによって、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、1、2もしくは3またはそれ以上の光保護容器が本方法において使用される。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、250nm~800nmもしくは約250nm~800nm、例えば250nm~450nmもしくは約250nm~450nm、400nm~800nmもしくは約400nm~800nm、450nm~650nmもしくは約450nm~650nm、500nm~725nmもしくは約500nm~725nm、600nm~720nmもしくは約600nm~720nm、または650nm~725nmもしくは約650nm~725nmの波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクスもしくは100ルクスを超える強度の光を透過しない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、半透明または不透明な容器内で調製される。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。いくつかの態様において、容器は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満の光透過率を有する材料で被覆される。いくつかの態様において、容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および/または箱である。
いくつかの態様において、コンジュゲートを製造する方法は、コンジュゲートを調製または生産する工程を含む。いくつかの態様において、このような方法は、フタロシアニン色素を提供する工程を含む。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、水溶液のような水性形態で提供される。いくつかの態様において、色素は、凍結乾燥粉末のような凍結乾燥形態で提供され、かつ、溶媒中で再構成または溶解されて、水溶液を形成する。例えば、いくつかの態様において、反応性基、例えば、IR700 NHSエステルを含有するフタロシアニン色素は、溶媒に溶解される。いくつかの態様において、本方法は、例えば色素の標的化分子へのコンジュゲーションの前に、フタロシアニン色素を溶媒中に溶解する工程を含む。いくつかの態様において、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはDMFのような有機溶媒である。いくつかの例では、溶媒は、水性溶媒である。いくつかの態様において、色素は、溶媒中に0.1mg/mL~100mg/mlもしくは約0.1mg/mL~100mg/ml、1mg/mL~50mg/mLもしくは約1mg/mL~50mg/mL、1mg/mL~15mg/mLもしくは約1mg/mL~15mg/mLの範囲の濃度に溶解されるか、または溶媒中に10mg/mLもしくは約10mg/mLの濃度に溶解される。
いくつかの態様において、方法における使用のための色素を調製する工程の間、IR700 NHSエステルのようなフタロシアニン色素は、環境光への曝露から保護される。いくつかの態様において、フタロシアニン色素の調製の前、間、および後に、色素は、環境光のような光に曝露されないか、または400nm~650nmもしくは約400nm~650nm、例えば425nm~475nmもしくは約425nm~475nmの範囲の波長を有する光にのみ曝露される。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、700ルクスを超える強度を有する光に曝露されないか、または700ルクスを超える強度を有する光に10分間を超えてもしくは5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、200ルクスを超える強度を有する光に曝露されないか、または200ルクスを超える強度を有する光に10分間を超えてもしくは5分間を超えて曝露されない。
いくつかの態様において、コンジュゲートを調製または生産する工程は、IR700のようなフタロシアニン色素とのコンジュゲーションのための標的化分子(例えば、抗体)を提供する工程を含む。いくつかの態様において、標的化分子は、フタロシアニン色素とのコンジュゲーションの前に調製される。いくつかの態様において、標的化分子を調製する工程は、コンジュゲーション反応の前に、標的化分子を特定の量または濃度に濃縮または希釈する工程を含む。いくつかの態様において、標的化分子を調製する工程は、標的化分子を緩衝液、例えばコンジュゲーション反応に適合性のまたは好適な緩衝液に交換する工程を含む。 いくつかの態様において、標的化分子を調製する工程は、pHをコンジュゲーション反応における使用に好適なpHに調整する工程を含む。例えば、抗体のような標的化分子は、6~10の間または約6~10の間、例えば8~9の間または約8~9の間、例えば約8.5、例えば8.46であるpHで調製される。
いくつかの態様において、抗体のような標的化分子は、例えばタンジェンシャルフロー濾過(tangential flow filtration, TFF)を使用する、例えば限外濾過/透析濾過を使用して、緩衝液に緩衝液交換される。いくつかの態様において、TFFは、再生セルロース膜のような再生膜を含む。いくつかの態様において、標的化分子が交換される緩衝液は、pH8.5またはpH8.65のような、リン酸ナトリウム緩衝液、例えば100mMリン酸ナトリウムである。いくつかの態様において、タンジェンシャルフロー濾過は、濾液の所望のpHに達するまで実施される。いくつかの態様において、所望のpHは、6~10の間または約6~10の間、例えば8~9の間または約8~9の間、例えば約8.5、例えば8.46である。
いくつかの態様において、標的化分子は、0.01g~100gの間もしくは約0.01g~100gの間、1g~50gの間もしくは約1g~50gの間、1g~25gの間もしくは約1g~25gの間、5g~15gの間もしくは約5g~15gの間であるか、または12gもしくは約12gである量で提供される。いくつかの態様において、標的化分子調製物の容量は、0.01L~100Lの間もしくは約0.01L~100Lの間、1L~50Lの間もしくは約1L~50Lの間、1L~15Lの間もしくは約1L~15Lの間であるか、または6Lもしくは約6Lである。いくつかの態様において、抗体のような標的化分子の濃度は、0.01mg/mL未満であるか、または、0.1mg/mL~100.0mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~100.0mg/mLの間、0.1mg/mL~50mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~50mg/mLの間、0.1mg/mL~10mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~10mg/mLの間、または1mg/mL~5mg/mLの間もしくは約1mg/mL~5mg/mLの間であるか、または5mg/mLもしくは約5mg/mL、または4.5mg/mLもしくは約4.5mg/mLであるか、または2mg/mLもしくは約2mg/mLである。いくつかの態様において、抗体のような標的化分子は、例えば、0.1mg/mL~100.0mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~100.0mg/mLの間、0.1mg/mL~50mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~50mg/mLの間、0.1mg/mL~10mg/mLの間もしくは約0.1mg/mL~10mg/mLの間、1mg/mL~5 mg/mLの間もしくは約1mg/mL~5 mg/mLの間、または1.8mg/mL~2.4mg/mLもしくは約1.8mg/mL~2.4mg/mLの間の濃度に希釈されるか、または2mg/mLもしくは約2mg/mLの濃度に希釈される。
いくつかの態様において、標的化分子、例えば抗体は、0.2μmのフィルターまたは0.22μmのフィルターのような無菌フィルターに通して濾過される。いくつかの態様において、調製された標的化分子は、例えば、30℃未満、例えば一般に26℃、20℃、15℃、10℃未満、例えば一般に2~8℃の間または約2~8℃の間の温度で保存される。いくつかの態様において、標的化分子の重量が決定される。
いくつかの態様において、コンジュゲートを製造する方法は、標的化分子、例えば上記のいずれか(例えば、抗体)とフタロシアニン色素(例えば、IR700)とを接触させる工程を含む。いくつかの態様において、フタロシアニン色素および標的化分子は、反応器のような容器内で共に混合される。いくつかの態様において、接触工程は、容器または器、例えば反応器中で行われる。いくつかの態様において、器は、チューブ、ボトル、またはカーボイである。いくつかの態様において、器は、約1L、2L、5L、10L、15L、20L、30L、40L、50Lもしくは100L、または少なくとも1L、2L、5L、10L、15L、20L、30L、40L、50Lもしくは100Lの最大容量を有する。いくつかの態様において、器は、40Lのカーボイである。いくつかの態様において、器は、約100μL、500μL、1mL、1.5mL、5mL、15mL、50mL、250mLもしくは500mL、または少なくとも100μL、500μL、1mL、1.5mL、5mL、15mL、50mL、250mLもしくは500mLの最大容量を有する。いくつかの態様において、容器または器は、半透明または不透明であり、緑色または琥珀色であり、かつ/または、不透明な箔、例えばアルミ箔で被覆、例えば覆われる。
いくつかの態様において、標的化分子と接触させるために使用される色素の量は、容器または器中に存在する標的化分子の重量に基づいて算出される。例えば、いくつかの態様において、色素の量は、色素:標的化分子の最終モル比が1:1~1000:1もしくは約1:1~1000:1、1:1~100:1もしくは約1:1~100:1、1:1~10:1もしくは約1:1~10:1、1:1~4:1もしくは約1:1~4:1、または約4:1もしくは4:1であるように加えられる。
いくつかの態様において、例えば、標的化分子がウイルス様粒子(VLP)である場合、色素分子:標的化分子の比は、10:1~1000:1の間もしくは約10:1~1000:1の間、10:1~500:1の間もしくは約10:1~500:1の間、50:1~500:1の間もしくは約50:1~500:1の間、または50:1~1000:1の間もしくは約50:1~1000:1の間である。したがって、いくつかの態様において、標的化分子は、約10~約1000の色素分子を含み得る。いくつかの態様において、色素分子:標的化分子の比は、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、150:1、200:1、250:1、300:1、350:1、400:1、450:1、500:1、550:1、600:1、650:1、700:1、750:1、800:1、850:1、900:1、950:1もしくは1000:1であるか、または約10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、75:1、100:1、150:1、200:1、250:1、300:1、350:1、400:1、450:1、500:1、550:1、600:1、650:1、700:1、750:1、800:1、850:1、900:1、950:1もしくは1000:1であるか、またはこのような値のいずれか2つの間もしくはこのような値のおおよそいずれか2つの間である。いくつかの態様において、標的化分子は、最大10、15、20、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000の色素分子を含み得る。いくつかの態様において、標的化分子は、1000を超える色素分子を含んでもよいし、10に満たない色素分子を含んでもよい。
いくつかの態様において、標的化分子に対する色素の比は、1標的化分子当たり所望の数の色素残基が組み込まれるように選択される。いくつかの態様において、1標的化分子当たりの所望の数の色素残基は、1~50もしくは約1~50、1~25もしくは約1~25、1~10もしくは約1~10、1~5もしくは約1~5、2~5もしくは約2~5、2~3もしくは約2~3であるか、または約3もしくは3である。
いくつかの態様において、例えば標的化分子がVLPである場合、1を超える色素分子が単一のカプシドタンパク質にコンジュゲートされ得る。例えば、LIまたはL2カプシドタンパク質のような単一のカプシドタンパク質が、1~5、例えば1、2、3、4または5つの色素分子にコンジュゲートされ得る。したがって、カプシドタンパク質の1を超えるアミノ酸が色素分子にコンジュゲートされ得る。いくつかの態様において、単一のカプシドタンパク質が、1~2、1~3、または2~3つの色素分子にコンジュゲートされ得る。したがって、色素分子は、単一のカプシドタンパク質の1、2、3、4または5つの異なるアミノ酸、例えばリジン、アルギニンおよび/もしくはヒスチジン、または他のアミノ酸にコンジュゲートされ得る。
いくつかの態様において、接触工程は、色素および標的化分子が共有的にまたは非共有的に会合する、例えば共に反応またはそうでなければ会合もしくは連結するようになる条件下で実施される。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、反応性化学基を含み、フタロシアニン色素と標的化分子とを接触させる工程は、標的化分子の付着基に共有結合されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する。
いくつかの態様において、色素と標的化分子とは、制御された温度で接触させられるか、またはインキュベーターもしくは冷却装置のような温度が制御されたユニット内で接触させられる。いくつかの態様において、方法は、フタロシアニン色素(例えば、IR700)と標的化分子(例えば、抗体)とを、4℃~37℃もしくは約4℃~37℃、例えば10℃~30℃もしくは約10℃~30℃、20℃~30℃もしくは約20℃~30℃、または23℃~27℃もしくは約23℃~27℃の範囲の温度で、または約25℃±2.0℃、25℃±1.0℃もしくは25℃±0.3℃である、例えば25℃もしくは約25℃である温度で接触させる工程を包含する。いくつかの態様において、接触工程は、室温、例えば21℃~25℃の間、例えば約23℃で行われる。
いくつかの態様において、接触工程は、色素と標的化分子とをインキュベート、例えば反応させる工程を含む。いくつかの態様において、接触させる工程は、反応器内で行うことができる。いくつかの態様において、接触させる工程は、接触させる工程の少なくとも一部で、組み合わされた色素と標的化分子組成物とを混合する(例えば撹拌することによる)工程を含む。いくつかの態様において、内容物は、例えば撹拌プレート上で撹拌される。いくつかの態様において、内容物は、約5~30分間または少なくとも5~30分間、例えば約5~20分間、例えば約10~15分間撹拌される。
いくつかの態様において、接触工程は、少なくとも5分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも60分間、少なくとも90分間、少なくとも120分間、少なくとも240分間、少なくとも360分間、少なくとも24時間、少なくとも72時間、または少なくとも120時間行われる。いくつかの態様において、接触工程は、5分間~150時間、5分間~100時間、5分間~48時間、5分間~24時間、5分間~6時間、5分間~2時間、5分間~90分間、5分間~60分間、5分間~30分間、30分間~150時間、30分間~100時間、30分間~48時間、30分間~24時間、30分間~6時間、30分間~2時間、30分間~90分間、 30分間~60分間、60分間~150時間、60分間~100時間、60分間~48時間、60分間~24時間、60分間~6時間、60分間~2時間、60分間~90分間、90分間~150時間、90分間~100時間、90分間~48時間、90分間~24時間、90分間~6時間、90分間~2時間、2時間~150時間、2時間~100時間、2時間~48時間、2時間~24時間、2時間~6時間、6時間~150時間、6時間~100時間、6時間~48時間、6時間~24時間、24時間~150時間、24時間~100時間、24時間~48時間、48時間~150時間、48時間~100時間または100時間~150時間行われる。いくつかの態様において、接触させる工程は、5分間~6時間、例えば5分間~4時間、5分間~2時間、5分間~60分間、5分間~30分間、例えば約5分間~20分間、例えば約10分間~15分間である時間行われる。いくつかの態様において、方法は、フタロシアニン色素(例えば、IR700)と標的化分子(例えば、抗体)とを、少なくとも15分間もしくは約15分間、少なくとも30分間もしくは約30分間、少なくとも60分間もしくは約60分間、少なくとも90分間もしくは約90分間、少なくとも120分間もしくは約120分間、または少なくとも150分間もしくは約150分間接触させる、例えば、インキュベートすることによる工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、色素と標的化分子とを90~150分間または約90~150分間、例えば120分間接触させる、例えば反応させる工程を含む。
いくつかの態様において、色素と標的化分子とは、DMSOまたはDMFのような有機溶媒を含みうる水性緩衝液中で混合される。いくつかの態様において、溶媒は、水性溶媒である。いくつかの態様において、緩衝液のpHは、6~10の間もしくは約6~10の間、例えば7~10の間もしくは約7~10の間、8~10の間もしくは約8~10の間、または8~9の間もしくは約8~9の間である。
いくつかの態様において、接触工程は、光保護条件下で行われる。例えば、いくつかの態様において、接触工程の間、色素およびコンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、色素およびコンジュゲートは、700ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。
いくつかの態様において、接触工程の間、色素およびコンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、接触工程の前、間、および後に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素によって吸収されないまたは色素によって実質的に吸収されない波長を有する。いくつかの態様において、接触工程の前、間、および後に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、接触工程の前、間、および後に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有する。
いくつかの態様において、接触工程の間に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素によって吸収されないまたは色素によって実質的に吸収されない波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、接触工程の間に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、接触工程の間に色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する、緑色光、例えば425nm~575nmの波長を有する光である。いくつかの態様において、接触工程の間に任意の光への色素および/またはコンジュゲートの総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、色素およびコンジュゲートは、接触工程の間、内容物を光、または光の特定の波長もしくは強度から保護する容器を使用して、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間もしくは約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間もしくは約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクスもしくは100ルクスを超える強度の光を透過しない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、半透明または不透明の容器内で調製される。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。
いくつかの態様において、本明細書に提供される方法のいずれかにおいて、標的化分子(例えば、抗体)は、フタロシアニン色素(例えば、IR700)に直接的または間接的に連結される。いくつかの態様において、標的化分子(例えば、抗体)は、共有結合または非共有相互作用を介して、フタロシアニン色素(例えば、IR700)に直接的または間接的に連結される。いくつかの態様において、共有または非共有の相互作用または連結は、直接的または間接的である。いくつかの態様において、付着は、例えばリンカー(例えば、上記の例示的なリンカーのいずれか)、結合部分またはドメインまたは反応性基を通じた、間接的連結を含む。いくつかの態様において、連結は、標的化分子とフタロシアニン色素(例えば、IR700)との間の直接相互作用を含む。他の態様において、標的化分子およびフタロシアニン色素の一方または両方が1つまたは複数のリンカーに連結され、相互作用は、例えば、分子の一方に付着されたリンカーと別の分子の間で、または、各々標的化分子もしくはフタロシアニン色素に付着された2つのリンカー間で間接的である。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、標的化分子に非共有連結されるかまたは会合される。例えば、フタロシアニン色素は、非共有相互作用を介して標的化分子との複合体を形成する。いくつかの態様において、フタロシアニン色素(例えば、IR700)は、標的化分子の付着基と非共有的に相互作用することが可能な部分またはドメインを含有する。いくつかの態様において、方法は、フタロシアニン色素(例えば、IR700)と標的化分子(例えば、抗体)とをインキュベートまたは結合させて、色素と標的化分子との間で非共有相互作用を形成する工程を含む。いくつかの例では、標的化分子とフタロシアニン色素との間の非共有相互作用は、例えば、静電相互作用、ファンデルワールス力、疎水的相互作用、π効果、イオン性相互作用、水素結合、ハロゲン結合および/もしくはそれらの組み合わせ、またはそれらの力の1つまたは複数に依存する任意の相互作用を含む。いくつかの態様において、標的化分子とフタロシアニン色素とは、例えば、リガンド-受容体相互作用、抗体-抗原相互作用、アビジン-ビオチン相互作用、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用、ヒスチジン-二価金属イオン(例えば、Ni、Co、Cu、Fe)相互作用、多量体化(例えば、二量化)ドメイン間の相互作用、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-グルタチオン相互作用および/またはそれらの任意の組み合わせのような、非共有分子相互作用を模倣する相互作用を使用して連結される。
いくつかの態様において、非共有相互作用部分またはドメインは、標的化分子の一部に付着されるかまたは標的化分子の一部であり、かつ、フタロシアニン色素(例えば、IR700)と非共有相互作用、例えば、複合体を形成する。他の態様において、非共有相互作用分子またはドメインは、フタロシアニン色素分子の一部に付着されるかまたは標的化分子の一部であり、かつ、標的化分子と非共有相互作用、例えば、複合体を形成する。いくつかの態様において、方法は、ビオチンにコンジュゲートされた標的化分子(例えば、抗体-ビオチン、例えばセツキシマブ-ビオチン)と、アビジンもしくはその類似体またはストレプトアビジンもしくはその類似体にコンジュゲートされたフタロシアニン色素(その単量体形態(例えば、単量体アビジン-IR700または単量体ストレプトアビジン-IR700)を含む)とを、インキュベートまたは接触させる工程を含む。アビジン、ストレプトアビジンまたはその類似体とビオチンとの間の非共有相互作用のおかげで、いくつかの態様において、フタロシアニン色素(例えば、IR700)は、標的化分子と非共有複合体を形成する。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素は、標的化分子に共有連結される、例えば、共有結合される。いくつかの態様において、フタロシアニン色素(例えば、IR700)は、それを標的化分子に連結する反応性基を含有する。いくつかの態様において、標的化分子(例えば、抗体)とフタロシアニン色素(例えば、IR700)、例えば反応性化学基を含有する色素との接触は、標的化分子の付着基に連結された色素を含有するコンジュゲートを生産する。いくつかの態様において、付着は、例えばリンカーを通じた、間接連結を含む。例示的なリンカーは、上に記載される。いくつかの態様において、付着は、直接連結、または共有連結を含み、共有連結は、例えばC、N、P、O、およびSの中から選択される1~60の原子を有する、直鎖または分岐、環式または複素環式、飽和または不飽和である。いくつかの態様において、付着は、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルバマート、尿素、チオ尿素、オキシまたはアミド結合の任意の組み合わせを含有し得る。いくつかの態様において、付着は、単結合、二重結合、三重結合もしくは芳香族炭素-炭素結合、リン-酸素、リン-硫黄、窒素-窒素、窒素-酸素、窒素-白金結合、または芳香族もしくは複素芳香族結合を含み得る。
いくつかの態様において、方法は、フタロシアニン色素(例えば、IR700)と標的化分子(例えば、抗体)とを反応させて、色素と標的化分子との間で共有結合を形成する工程を含む。いくつかの態様において、結合は、例えば、アミド、第二級もしくは第三級アミン、カルバマート、エステル、エーテル、オキシム、リン酸エステル、スルホンアミド、チオエーテル、チオ尿素、または尿素である。いくつかの態様において、結合は、共有、例えばアミドまたはカルバマート結合である。いくつかの態様において、共有結合は、ホスファートまたは他の連結基である。いくつかの態様において、結合は、リン酸ジエステル結合(例えば、DNA、RNAについて)である。
いくつかの態様において、色素の反応性基は、標的化分子の付着基、例えば、チオール、ヒドロキシル、カルボキシル、またはアミノ基と反応して、色素と標的化分子との間の付着を形成する。いくつかの態様において、標的化分子の付着基は、リジン残基である。したがって、いくつかの態様において、フタロシアニン色素(例えば、IR700)は、標的化分子のリジン残基に共有結合される。
いくつかの態様において、接触工程後、反応は、例えばグリシンのようなクエンチング剤を加えることによって、クエンチされる。用語「クエンチング」は、例えば色素と標的化分子との間の反応を停止するために、未反応の反応性基を過剰の非特異的クエンチング剤(クエンチャーとも呼ばれる)と反応させるプロセスを指す。使用される特定の薬剤またはクエンチャーは、色素と会合する特定の反応性基に依存する。例えば、NHSエステル架橋反応は、アミンを含有する緩衝液、例えばトリスまたはグリシンを含有する緩衝液の存在下でクエンチされうる。
いくつかの態様において、クエンチング工程は、任意の未反応の色素を除去する。いくつかの態様において、加えられるクエンチング剤の量は、少なくとも200mMもしくは約200mM、少なくとも500mMもしくは約500mM、少なくとも1Mもしくは約1M、少なくとも2Mもしくは約2M、少なくとも5Mもしくは約5M、または少なくとも10Mもしくは約10Mである。いくつかの態様において、クエンチング反応は、1Mグリシンの添加を包含する。いくつかの態様において、コンジュゲーション反応に加えられた後のクエンチング試薬の終濃度は、少なくとも1mMもしくは約1mM、少なくとも2mMもしくは約2mM、少なくとも3mMもしくは約3mM、少なくとも4mMもしくは約4mM、少なくとも5mMもしくは約5mM、または少なくとも10mMもしくは約10mMである。いくつかの態様において、グリシンのようなクエンチング試薬の終濃度は、4.2nMであるかまたは約4.2nMである。
いくつかの態様において、クエンチング工程の間、反応器の内容物は、撹拌プレートの上などで、混合、例えば撹拌される。いくつかの態様において、反応器の内容物は、100rpm~1000rpmの間もしくは約100rpm~1000rpmの間、200rpm~500rpmの間もしくは約200rpm~500rpmの間で撹拌されるか、または300±50rpmもしくは300rpmで撹拌される。いくつかの態様において、クエンチング反応は、少なくとも5分間もしくは約5分間、少なくとも10分間もしくは約10分間、または少なくとも15分間もしくは約15分間混合される。いくつかの態様において、クエンチング反応は、約10~12分間混合される。
いくつかの態様において、クエンチング反応の混合後、反応器のような容器は、例えばインキュベーター内で、制御された温度に戻される。いくつかの態様において、器の内容物は、例えば21℃~30℃もしくは約21℃~30℃、例えば23℃~27℃もしくは約23℃~27℃、例えば25℃または約25℃でインキュベートされる。いくつかの態様において、クエンチング工程のインキュベーション、例えば、クエンチング試薬と反応器の内容物との混合の後の追加のインキュベーションは、少なくとも10分間もしくは約10分間、少なくとも15分間もしくは約15分間、少なくとも20分間もしくは約20分間、少なくとも25分間もしくは約25分間、または少なくとも30分間もしくは約30分間行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、20~25分間または約20~25分間行われる。
いくつかの態様において、クエンチング工程は、光保護条件下で行われる。例えば、いくつかの態様において、クエンチング工程の間、コンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、700ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。
いくつかの態様において、クエンチング工程の間、コンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素もしくはコンジュゲートによって吸収されないまたは色素もしくはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有する。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有する。
いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する、緑色光、例えば425nm~575nmの波長を有する光である。いくつかの態様において、クエンチング工程の間の色素および/またはコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、クエンチング工程の間、内容物を光、または光の特定の波長もしくは強度から保護する容器を使用して、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間もしくは約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間もしくは約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクスもしくは100ルクス超の強度の光を透過しない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、半透明または不透明の容器内で調製される。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。
いくつかの態様において、本明細書に提供される製造方法は、コンジュゲートが製剤化、精製、または単離されて原薬を生産する、1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.1mg/mL~約1000mg/mL、0.1mg/mL~約500mg/mL、0.1mg/mL~約200mg/mL、0.1mg/mL~約100mg/mL、0.1mg/mL~約50mg/mL、0.1mg/mL~約10mg/mL、0.5mg/mL~約10mg/mLもしくは0.5mg/mL~約5mg/mL、または約0.1mg/mL~約1000mg/mL、約0.1mg/mL~約500mg/mL、約0.1mg/mL~約200mg/mL、約0.1mg/mL~約100mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mLもしくは約0.5mg/mL~約5mg/mLの範囲内の濃度に製剤化される。
いくつかの態様において、コンジュゲートを製剤化する方法は、コンジュゲートを濃縮もしくは希釈する工程、コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液に交換する工程、または滅菌処理する工程を含みうる。
いくつかの態様において、製剤化工程は、コンジュゲートを濃縮する工程を含む。いくつかの態様において、濃縮工程は、コンジュゲートの容量を低減させる工程を含む。いくつかの態様において、容量の低減は、限外濾過/透析濾過システムを使用して達成される。いくつかの態様において、コンジュゲートの容量は、10L、15L、20L、25L、30L、40Lもしくは50Lから、または約10L、15L、20L、25L、30L、40Lもしくは50Lから、5L、8L、9L、10L、12Lもしくは15Lに、または約5L、8L、9L、10L、12Lもしくは15Lに低減される。いくつかの態様において、濃縮後の最終容量は、8L~10Lの間または約8L~10Lの間である。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.1mg/mL~約1000mg/mL、0.1mg/mL~約500mg/mL、0.1mg/mL~約200mg/mL、0.1mg/mL~約100mg/mL、0.1mg/mL~約50mg/mL、0.1mg/mL~約10mg/mL、0.5mg/mL~約10mg/mL、0.5mg/mL~約5mg/mLもしくは1.8mg/mL~約2.1mg/mL、または約0.1mg/mL~約1000mg/mL、約0.1mg/mL~約500mg/mL、約0.1mg/mL~約200mg/mL、約0.1mg/mL~約100mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約5mg/mLもしくは約1.8mg/mL~約2.1mg/mLの範囲内の濃度に濃縮される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、2.0mg/mLまたは約2.0mg/mLに濃縮される。
いくつかの態様において、製剤化工程は、コンジュゲートを希釈する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートの希釈は、コンジュゲートを含む緩衝液の容量を、例えば5L、10L、15L、20L、30L、40Lもしくは50Lから、または約5L、10L、15L、20L、30L、40Lもしくは50Lから、20L、30L、40L、50Lもしくは75Lに、または約20L、30L、40L、50Lもしくは75Lに増加させる工程を包含する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.1mg/mL~約1000mg/mL、0.1mg/mL~約500mg/mL、0.1mg/mL~約200mg/mL、0.1mg/mL~約100mg/mL、0.1mg/mL~約50mg/mL、0.1mg/mL~約10mg/mL、0.5mg/mL~約10mg/mLもしくは0.5mg/mL~約5mg/mL、または約0.1mg/mL~約1000mg/mL、約0.1mg/mL~約500mg/mL、約0.1mg/mL~約200mg/mL、約0.1mg/mL~約100mg/mL、約0.1mg/mL~約50mg/mL、約0.1mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mLもしくは約0.5mg/mL~約5mg/mLの範囲内の濃度に希釈される。
いくつかの態様において、製剤化工程は、コンジュゲートを精製する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、SEPHADEX G-50カラムのような装置を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって、または透析によって精製され、コンジュゲートされていない色素を除去する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、例えばタンジェンシャルフロー濾過(TFF)を使用することによって、限外濾過または透析濾過される。いくつかの態様において、限外濾過/透析濾過は、コンジュゲートの環境光への曝露を回避するために、暗所または光保護条件下で実施される。
いくつかの態様において、製剤化工程は、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)を反応緩衝液から薬学的に許容される緩衝液に交換する工程を含む。いくつかの態様において、緩衝液交換は、限外濾過/透析濾過によって行われ得る。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、例えば薬学的に許容される担体またはビヒクルを含有する、薬学的に許容される緩衝液中で製剤化される。一般に、薬学的に許容される担体またはビヒクル、例えば薬学的に許容される緩衝液中に存在するものは、当技術分野においていずれであれ公知でありうる。Remington's Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 19th Edition (1995) は、1つまたは複数の治療用化合物の薬学的送達に好適な組成物および製剤を記載している。
いくつかの態様において、組成物のpHは、6~10の間または約6~10の間、例えば6~8の間または約6~8の間、6.9~7.3の間または約6.9~7.3の間、例えば約pH7.1である。いくつかの態様において、薬学的に許容される緩衝液のpHは、少なくとも5もしくは約5、少なくとも6もしくは約6、少なくとも7もしくは約7、少なくとも8もしくは約8、少なくとも9もしくは約9、または少なくとも10もしくは約10であるか、または7.1である。
いくつかの態様において、薬学的に許容される緩衝液、または担体の性質は、採用される特定の投与様式に依存する。例えば、いくつかの態様において、非経口製剤は、薬学的にかつ生理学的に許容される流体、例えばビヒクルとして水、生理食塩水、平衡塩溶液、水性デキストロース、またはグリセロールを含む注射液を含み得る。いくつかの態様において、固体組成物、例えば粉剤、丸剤、錠剤、またはカプセル剤形態について、無毒の固体担体は、例えば、医薬品等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを含みうる。生物学的に中性の担体に加えて、投与される薬学的組成物は、いくつかの態様において、少量の無毒の補助物質、例えば、湿潤もしくは乳化剤、保存料、およびpH緩衝化剤、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有しうる。
いくつかの態様において、薬学的に許容される緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。いくつかの態様において、PBSは、7.1のpHまたは約7.1のpHを有する。
いくつかの態様において、製剤化工程は、例えば無菌濾過によってコンジュゲートを濾過する工程を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、無菌フィルターに通して、例えば約0.2μmのフィルター、例えば0.22μmのフィルターに通して濾過される。
いくつかの態様において、製剤化工程の間、コンジュゲートは、コンジュゲートによって強く吸収される波長の光から保護される。例えば、いくつかの態様において、濃縮する工程は、光保護冷却装置内で実施される。
いくつかの態様において、製剤化工程は、光保護条件下で行われる。例えば、いくつかの態様において、製剤化工程の間、コンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、700ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。
いくつかの態様において、製剤化工程の間、コンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有する。いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約425nm~550nmの範囲の波長を有する。
いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約425nm~550nmの範囲の波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、製剤化工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光は、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する、緑色光、例えば425nm~575nmの波長を有する光である。いくつかの態様において、製剤化工程の間の色素および/またはコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下の総曝露である。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、製剤化工程の間、反応が起こる容器を暗領域のような光保護下に設置することによって、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、限外濾過/透析濾過は、例えば、TFFのような限外濾過/透析濾過装置を冷却装置のような暗領域に設置することによって、暗所で行われる。いくつかの態様において、コンジュゲートは、製剤化工程の間、内容物を光、または光の特定の波長もしくは強度から保護する容器を使用して、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間または約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間または約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクスもしくは100ルクス超の強度の光を透過しない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、半透明または不透明の容器内で調製される。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。いくつかの態様において、容器は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。
いくつかの態様において、製剤化された原薬は、薬物製品のパッケージング、例えばバイアル充填の前に保存される。いくつかの態様において、製剤化されたコンジュゲートは、暗所で保存され、かつ/または不透明もしくは半透明な容器、例えば緑色もしくは琥珀色の容器内に保存されるか、または不透明な箔、例えばアルミ箔で被覆、例えば覆われた容器内に保存される。いくつかの態様において、製剤化された原薬は、冷却装置内に、例えば2~8℃の間または約2~8℃の間、例えば4℃または約4℃で保存される。
薬物製品を生産するための原薬のパッケージング
いくつかの態様において、方法は、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)をパッケージングして、例えば上記のとおり調製された薬物をパッケージングして、パッケージングされた薬物製品をもたらす工程を含む。いくつかの態様において、原薬は、例えば、1つまたは複数の容器内に、調製の4週間以内、例えば調製の1週間、2週間、または3週間以内にパッケージングされる。いくつかの態様において、容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチもしくは箱またはそれらの組み合わせである。
また、本明細書に記載されるコンジュゲートもしくは組成物のいずれか、または本明細書に記載される方法のいずれかを使用して生産もしくは生成されたいずれかのコンジュゲートもしくは組成物を含有する、容器、例えば光保護容器、および/またはデバイス、例えば光保護デバイスが本明細書に提供される。また、本明細書に記載されるコンジュゲートもしくは組成物のいずれか、または本明細書に記載される方法のいずれかを使用して生産もしくは生成されたいずれかのコンジュゲートもしくは組成物を保護するためのパッケージングシステムが本明細書に提供される。いくつかの態様において、このようなパッケージングシステムは、本明細書に記載される容器の1つまたは複数を含む。
また、コンジュゲートまたは組成物の保護のための、ならびに保存および/または投与のための、提供される容器、デバイス、および/またはパッケージングシステムを含有するキットまたは製造品が提供される。キットは、容器および/またはパッケージングシステム、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物を投与可能なデバイスを被覆することが可能な光保護カバー;ならびに任意で使用説明書を含み得る。キットはまた、キットの内容物の上またはキットの内容物に付随してラベルまたは添付文書を含有しうる。キットまたは製造品は、容器および/またはパッケージングシステムに含有されるコンジュゲートまたは組成物の使用、保存または投与のための説明を記す添付文書をさらに含み得る。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、1つまたは複数の容器、例えば光保護容器内にパッケージングされる。いくつかの態様において、容器は、バイアル、例えばパイロジェンが除去されたガラスバイアルである。いくつかの態様において、容器、例えばバイアルは、特定の波長、例えば色素または色素-標的化分子コンジュゲートによって吸収される波長の光を遮断する。したがって、いくつかの態様において、容器は、その中に含有されるコンジュゲートを、250nm未満もしくは約250nm未満、または550nm~750nmの間もしくは約550nm~750nmの間の波長を有する光から保護する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間または約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間または約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、容器は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmのような特定の波長の光の透過だけを可能にする。いくつかの態様において、容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または不透明な材料、例えば箔、例えばアルミ箔で覆われる。いくつかの態様において、容器は、滅菌またはパイロジェンが除去される。いくつかの態様において、容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。
いくつかの態様において、容器は、少なくとも5mLもしくは約5mL、少なくとも10mLもしくは約10mL、少なくとも25mLもしくは約25mL、少なくとも50mLもしくは約50mL、例えば51±1mL、少なくとも100mLもしくは約100mL、少なくとも250mLもしくは約250mL、少なくとも500mLもしくは約500mL、または少なくとも1Lもしくは約1Lの最大容量を有する。
いくつかの態様において、例えば容器がバイアルである場合、充填の前にバイアルに栓をし、かつクリンプする。いくつかの態様において、平均の空のバイアル重量が決定され、これを使用して、充填されるバイアルの重量範囲が決定される。
いくつかの態様において、パッケージングは、半自動化無菌充填を含む。例えば、いくつかの態様において、コンジュゲートは、容器、例えば、バイアル内に、ペリスタルティックポンプおよび充填ニードルアセンブリを使用して充填される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、充填する前に、例えば約0.2μmのフィルター、例えば0.22μmのフィルターに通して無菌的に濾過される。いくつかの態様において、無菌濾液を計量して、充填される容器、例えば、バイアルの大まかな数が決定される。
いくつかの態様において、方法は、バイアルに、少なくとも0.2mL、0.3mL、0.4mL、0.5mL、1mL、1.5mL、2.0mL、3.0mL、5.0mL、10.0mL、20.0mL、30.0mL、40.0mL、50.0mLまたはそれより多く、例えば一般に0.5mL~50mLまたは1mL~10mLの容量の色素コンジュゲート原薬を充填する工程を含む。いくつかの態様において、充填される全てのバイアルは、同容量および量の色素コンジュゲートを含有するように充填される。いくつかの態様において、製造方法は、複数のバイアル、例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50またはそれより多くのバイアルの充填をもたらす。
いくつかの態様において、コンジュゲートの単回投与量は、単一の容器に含有される。いくつかの態様において、単回投与量は、複数の容器、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多くの容器で提供される。
いくつかの態様において、充填工程後、容器、例えばバイアルに、栓をし、密閉し、かつクリンプする。いくつかの態様において、容器は、例えば不透明なビン内に、例えば26℃以下もしくは約26℃、例えば20℃、15℃、8℃、0℃、-20℃、または-80℃以下もしくは約20℃、15℃、8℃、0℃、-20℃、または-80℃の温度で保存されて光から保護される。いくつかの態様において、温度は、20~26℃もしくは約20~26℃、例えば23±3℃、または2~8℃もしくは約2~8℃、例えば5±3℃、例えば4℃もしくは約4℃または5℃もしくは約5℃であるか、または0℃未満、例えば約-20または-80℃である。
いくつかの態様において、容器、例えばバイアルは、ラベルを付される。いくつかの態様において、ラベル付けは室温で実施され、コンジュゲートの室温に曝露される時間を回避するよう気を付ける。例えば、いくつかの態様において、容器は、周囲温度に、30分間未満もしくは約30分間、例えば20分間未満もしくは約20分間、10分間未満もしくは約10分間、2分間未満もしくは約2分間、または1分間未満もしくは約1分間曝露される。
いくつかの態様において、容器は、内容物が光から保護されるようにさらにパッケージングされる。いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)を含む容器を含む内部パッケージング材料を含むパッケージングシステムが提供される。いくつかの態様において、内部パッケージング材料は、20%未満、例えば15%未満、10%未満、5%未満、または1%未満の光透過率を有する。いくつかの態様において、パッケージングシステムは、内部パッケージング材料を含む外部パッケージング材料を含む。いくつかの態様において、外部パッケージング材料は、20%未満、例えば15%未満、10%未満、5%未満、または1%未満の光透過率を有する。いくつかの態様において、内部または外部パッケージング材料は、不透明な箔、例えばアルミ箔を含む。いくつかの態様において、容器は、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第二のパッケージング材料は、アルミパウチである。いくつかの態様において、外部パッケージング材料は、ボール紙を含む。
いくつかの態様において、内部および/または外部パッケージング材料は、コンジュゲートの保存に好適である。いくつかの態様において、内部および/または外部パッケージング材料は、コンジュゲートの輸送に好適である。
また、1つまたは複数の容器、例えば1、2、3またはそれ以上の容器を含む、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを光から保護するためのパッケージングシステムが提供される。本明細書に提供されるパッケージングシステム内の容器の各々または全ては、光保護容器、例えば本明細書に記載される任意の光保護容器であることができる。
いくつかの態様において、パッケージングシステムは、2つの容器を含み:第一の容器は、本明細書に記載される容器のいずれかを含み、第二の容器は、第一の容器を含み、第二の容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。
いくつかの態様において、第二の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第二の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第一および第二の容器は、独立して、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、提供されるパッケージングシステムのいずれかは、第二の容器を含む第三の容器をさらに含み、ここで、第三の容器は、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、第三の容器は、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。いくつかの態様において、第三の容器は、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される。
いくつかの態様において、コンジュゲートを含む容器または容器もしくはパッケージングシステム、例えば単回投与量を含む単一の容器または複数の容器は、キットにパッケージングされる。したがって、いくつかの態様において、キットは、1つまたは複数の単回投与量を含む。いくつかの態様において、キットは、例えば光保護条件下で、例えばコンジュゲートを投与するための説明書を含む。いくつかの態様において、キットは、不透明な箔、不透明な容器、不透明な静注(IV)バッグ、または不透明なスリーブ(例えば、IVバックを被覆するための)のような、コンジュゲートの光保護に使用される材料を含有する。
例えば、いくつかの態様において、キットは、本明細書に記載される容器のいずれかまたは本明細書に記載されるパッケージングシステムのいずれか;フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物を投与可能なデバイスを被覆することが可能な光保護カバー;および任意で使用説明書を含む。いくつかの態様において、投与デバイスは、静注バッグまたはシリンジである。いくつかの態様において、光保護カバーは、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。
いくつかの態様において、コンジュゲートのパッケージングの前、間、および後に、コンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有する。いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後の色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光は、色素によって吸収されないまたは色素によって実質的に吸収されない波長を有する。
いくつかの態様において、原薬の調製の前、間、および後に、色素およびコンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、パッケージング工程の間の色素および/またはコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下の総曝露である。
フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートの特徴
いくつかの態様において、安定なフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700色素-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲートが提供される。また、本明細書に記載される製造方法のいずれかに従って生産、製剤化またはパッケージングされたコンジュゲート、例えば、安定なコンジュゲートが提供される。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、色素:標的化分子(例えば、IR700:標的化分子)が1:1~1000:1もしくは約1:1~1000:1、1:1~100:1もしくは約1:1~100:1、1:1~10:1もしくは約1:1~10:1、1:1~4:1もしくは約1:1~4:1、または約4:1もしくは4:1のモル比を有する。
いくつかの態様において、コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子、例えばIR700-抗体)は、0.1mg/mL~1000mg/mL、0.1mg/mL~500mg/mL、0.1mg/mL~200mg/mL、0.1mg/mL~100mg/mL、0.1mg/mL~50mg/mL、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mLもしくは1.8mg/mL~2.1mg/mL、または約0.1mg/mL~1000mg/mL、0.1mg/mL~500mg/mL、0.1mg/mL~200mg/mL、0.1mg/mL~100mg/mL、0.1mg/mL~50mg/mL、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mLもしくは1.8mg/mL~2.1mg/mLの範囲内の濃度を有する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、約2.0mg/mLの濃度を有するか、または2.0mg/mLの濃度を有する。
いくつかの態様において、方法によって生産されるコンジュゲートの量は、1グラム超もしくは約1グラム超、2グラム超もしくは約2グラム超、3グラム超もしくは約3グラム超、4グラム超もしくは約4グラム超、5グラム超もしくは約5グラム超、または10グラム超もしくは約10グラム超である。いくつかの態様において、コンジュゲートは、適正製造基準(GMP)を使用して生産される。
いくつかの態様において、提供されるフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)は、例えば3か月以上の保存の間または後、安定であり、かつ、最小限の凝集、例えば光誘導凝集を示す。したがって、いくつかの態様において、コンジュゲートは、少なくとも3、4、5、6、7、8もしくは9か月安定であるか、または約1年もしくは少なくとも1年以上安定である。いくつかの態様において、コンジュゲートは、1年を超えて安定である。
いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性は、コンジュゲートの単量体含量のパーセントを評価することによって測定することができる。いくつかの態様において、コンジュゲートは、調製または保存後、3か月または3か月を超えてまたはそれ以上で、90%を超える単量体含量、例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の単量体含量を示す。いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性は、コンジュゲートが、調製または保存後、3か月以上で、10%未満の高分子量(HMW)種、例えば9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満のHMWを示す場合に存在する。
いくつかの態様において、コンジュゲートの効力または活性は、コンジュゲートのED50を評価することによって、またはPIT殺傷を誘導もしくは媒介するコンジュゲートの能力を評価することによって、測定することができる。いくつかの態様において、コンジュゲートは、保存前のコンジュゲートと比較して、例えばt=0のコンジュゲートと比較して、保存後、3か月または3か月を超えてまたはそれ以上で、30%を超えるまたは約30%を超える効力または活性、例えば40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは95%を超える、または約40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは95%を超える効力または活性を示す。
いくつかの態様において、安定なフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-抗体コンジュゲート)は、例えば上記の光保護条件下で色素または色素コンジュゲートを調製または生産または保存した結果として安定である。
いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性に影響を及ぼす要因は、光、ひいては、光誘導凝集からのコンジュゲートの保護である。したがって、いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性は、コンジュゲートを光、または光の特定の波長もしくは強度から保護することによって付与される。例えば、いくつかの態様において、コンジュゲートは、いかなる環境光にも曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超の強度を有する光に曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、700ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、提供される方法の工程の間、色素およびコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下の総曝露である。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有する。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、緑色光である。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有する。
いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長、および700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、400nm~600nmもしくは約400nm~600nm、例えば425nm~575nmもしくは約425nm~575nm、または450nm~550nmもしくは約450nm~550nmの範囲の波長を有し、かつ、700ルクス未満、600ルクス未満、500ルクス未満、400ルクス未満、300ルクス未満、200ルクス未満、または100ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性は、光保護容器内での保存後に存在する。いくつかの態様において、コンジュゲートは、内容物を光、または光の特定の波長もしくは強度から保護する容器を使用して、光から保護される。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間もしくは約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間もしくは約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクス、または100ルクス超の強度の光を透過しない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、半透明または不透明な容器内に保存される。いくつかの態様において、容器は、緑色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。
いくつかの態様において、コンジュゲートの安定性は、26℃以下もしくは約26℃、例えば20℃、15℃、8℃、0℃、-20℃もしくは-80℃以下もしくは約20℃、15℃、8℃、0℃、-20℃もしくは-80℃の温度でのコンジュゲートの保存後に存在する。いくつかの態様において、温度は、20~26℃もしくは約20~26℃、例えば23±3℃、または2~8℃もしくは約2~8℃、例えば5±3℃、例えば4℃もしくは約4℃または5℃もしくは約5℃であるか、または0℃未満、例えば約-20もしくは-80℃である。
いくつかの態様において、コンジュゲートのpH、例えば、コンジュゲートが製剤化される薬学的に許容される緩衝液のpHは、コンジュゲートに安定性を付与する。いくつかの態様において、pHは、6.0超、例えば7.0超もしくは約7.0、8.0超もしくは約8.0、または9.0超もしくは約9.0である。いくつかの態様において、pHは、6.0~9.0、例えば6.0~8.0、6.5~7.4、例えば約7.1±3.0である。
いくつかの態様において、安定なフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)は、本明細書に提供される方法、例えば部分項目Cに記載される光保護法によって生産される。
いくつかの態様において、例えば、上記のような光保護の条件下、26℃未満、例えば2~8℃の温度で製造および保存したとき、および6.0超のpH、例えば6.0~8.0のpHで製剤化したとき、3か月を超えて安定である安定なコンジュゲートが提供される。
II. 処置の方法
いくつかの態様において、疾患または病態と関連する細胞または病原体を、例えば細胞上に発現される細胞表面分子、細胞表面タンパク質または細胞表面受容体への結合を介してターゲティングするフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)を使用する方法および使用が提供される。このような方法および使用は、例えば、該分子を疾患、病態または障害を有する対象に投与し、その後、光免疫療法を達成するために照射し、それによって、このような細胞または病原体の光分解をもたらして、疾患または障害の処置を達成する工程を包含する、治療的方法および使用を含む。使用は、このような治療的方法を行うために、このような方法および処置における、ならびに医薬の調製におけるコンジュゲートの使用を含む。いくつかの態様において、対象における腫瘍を処置するために、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲート(例えば、IR700-標的化分子コンジュゲート、例えばIR700-抗体コンジュゲート)を用いて対象における腫瘍を処置するための、このような分子を使用する方法および使用が提供される。いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートは、例えば本明細書に記載されるいずれかの、安定なコンジュゲートである。いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートは、本明細書に記載のとおりの方法を使用して生産される。いくつかの態様において、本方法は、それによって、対象における疾患または病態または障害を処置する。
また、対象への投与のための、本明細書に記載されるコンジュゲートのいずれか、または本明細書に提供される方法を使用して調製されたコンジュゲート、例えばフタロシアニン色素コンジュゲート(例えば、抗体-IR700コンジュゲート)のいずれかを含有する組成物を調製する方法が提供される。いくつかの態様において、コンジュゲートの調製は、光保護条件下で行われる。いくつかの態様において、調製方法は、本明細書に記載される容器のいずれか1つまたは複数または本明細書に記載される容器のいずれかを含む本明細書に記載されるパッケージングシステムのいずれか1つまたは複数を脱パッケージングする工程;および1つまたは複数の容器内に存在する組成物を、対象に組成物を投与可能なデバイスに移す工程を含み、組成物が曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または組成物が曝露される唯一の光が500ルクス未満、例えば200ルクス未満または100ルクス未満の強度を有する。
いくつかの態様において、提供される方法は、バイオセーフティーキャビネット、バイオセーフティーフードまたは無菌環境で実施される。いくつかの態様において、1つまたは複数の容器は合わせて、治療有効用量のフタロシアニン色素コンジュゲートを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の容器は、少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24、または約少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24、または2、4、6、8、10、12、18もしくは24個の容器を含む。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素コンジュゲート(例えば、抗体-IR700コンジュゲート)を調製する提供される方法は、1時間以下、30分間以下もしくは15分間以下で行われるか;または、本方法の間の組成物の任意の光への総曝露は、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下、50ルクス時間以下もしくは25ルクス時間以下である。
また、本明細書に提供される方法によって調製された組成物を含む光保護デバイスが提供される。いくつかの態様において、光保護デバイスは、本明細書に記載される組成物またはコンジュゲートの投与に使用される。
いくつかの態様において、投与デバイスは、静注バッグまたはシリンジである。いくつかの態様において、投与デバイスは、デバイスを被覆することが可能な光保護カバーを含む。いくつかの態様において、光保護カバーは、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する。いくつかの態様において、光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光保護カバーは光の透過から保護する。いくつかの態様において、光保護カバーは、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆される。
いくつかの態様において、方法は、一般に、殺傷のために標的とされた細胞がコンジュゲートと接触させられる条件下での、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートの対象への投与を含む。いくつかの態様において、本方法は、腫瘍またはがんと関連する細胞表面タンパク質へのコンジュゲートの標的化分子(例えば、抗体)部分の結合をもたらす。コンジュゲートと接触またはそれを投与した後、標的細胞、例えば、腫瘍を含有する対象の局所域は、色素によって吸収される光、一般にNIR光に曝露または照射され、それによってコンジュゲートが活性化されて特異的細胞殺傷が達成される。例えば、いくつかの態様において、本方法は、対象における疾患領域の局所照射、例えば腫瘍の局所照射をさらに含む。いくつかの態様において、照射は、600~850nmの波長にて、少なくとも1J cm-2の線量で実施される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、疾患細胞、例えば腫瘍へ標的指向され、そして、照射は、例えば光免疫療法(PIT)によって、細胞殺傷をもたらす。いくつかの態様において、該方法は、米国特許第8,524,239号または米国公開第US2014/0120119号に記載される方法を含む。
いくつかの態様において、コンジュゲートの投与は、光保護条件下で行われる。いくつかの態様において、投与は、蛍光照明またはLED照明下で実施される。いくつかの態様において、投与は、直接または間接太陽光の非存在下で実施される。
いくつかの態様において、投与の前および間、コンジュゲートは、環境光に曝露されないか、または700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超もしくは100ルクス超もしくは50ルクス超の強度を有する環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、700ルクス超、600ルクス超、500ルクス超、400ルクス超、300ルクス超、200ルクス超、または100ルクス超または50ルクス超の強度を有する光に20分間を超えて、10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、色素および/またはコンジュゲートは、200ルクス超の強度を有する光に10分間を超えて、または5分間を超えて曝露されない。いくつかの態様において、投与の前および間、コンジュゲートの光への任意の曝露は、20分未満、15分未満、10分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、または1分未満の曝露である。いくつかの態様において、投与の前または間の色素および/またはコンジュゲートの任意の光への総曝露は、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下、50ルクス時間以下または25ルクス時間以下である。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、環境光、例えば近赤外域の光から保護される。いくつかの態様において、コンジュゲートが曝露される唯一の光は、コンジュゲートによって吸収されないまたはコンジュゲートによって実質的に吸収されない波長を有する。
いくつかの態様において、対象への投与の前に、コンジュゲートは、内容物を光、または光の特定の波長もしくは強度から保護する容器を使用して、光から保護される。容器は、チューブ、シリンジ、輸液バッグ、またはコンジュゲートを対象へ移す注射と適合性である他の容器であることができる。例えば、いくつかの態様において、容器は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、または1%以下の光透過率を有する。いくつかの態様において、容器は、500nm~725nmの間もしくは約500nm~725nmの間、例えば650nm~725nmの間もしくは約650nm~725nmの間の波長を有する光の透過から保護するか、または700ルクス、600ルクス、500ルクス、400ルクス、300ルクス、200ルクスもしくは100ルクス超の強度の光を透過しない。いくつかの態様において、コンジュゲートは、半透明または不透明な容器からまたはその中で投与される。いくつかの態様において、容器は、緑色または琥珀色である。いくつかの態様において、容器は、不透明な物質、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。いくつかの態様において、容器は、静注(IV)バッグであり、そして、バッグは、不透明なスリーブ、例えば箔、例えばアルミ箔で被覆される。
標的細胞は、腫瘍細胞のような望ましくない細胞またはその成長が望ましくない細胞でありうる。いくつかの態様において、細胞は、培養下で成長できるか、または処置される哺乳動物、例えばがんを有する対象中に存在することができる。任意の標的細胞は、特許請求される方法で処置することができる。いくつかの態様において、標的細胞は、他の正常細胞の表面に実質的に見いだされない細胞表面タンパク質を発現する。いくつかの態様において、このようなタンパク質に特異的に結合する抗体を選択することができ、フタロシアニン色素-抗体コンジュゲートがそのタンパク質に対して生成され得る。いくつかの態様において、細胞表面タンパク質は、腫瘍特異的タンパク質である。いくつかの態様において、細胞表面タンパク質は、望ましくない移植拒絶と関連する細胞をターゲティングするために使用することができる、CD25である。
また、本明細書に記載されるコンジュゲートもしくは組成物のいずれか、または本明細書に記載される方法のいずれかを使用して生産されたコンジュゲートもしくは組成物のいずれかを使用する、不要な細胞または病原体、例えば疾患細胞、または病原体感染細胞を対象から除去する方法が提供される。例えば、いくつかの態様において、不要な細胞は、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、炎症性細胞、負制御性免疫細胞(任意でT細胞である)、病原体感染細胞、神経細胞、脂肪細胞またはアディポサイトを含みうる。いくつかの態様において、不要な細胞は、がん細胞または腫瘍細胞である。いくつかの態様において、不要な細胞は、がん幹細胞または循環腫瘍細胞である。いくつかの態様において、不要な病原体は、ウイルス、細菌細胞または真菌細胞でありうる。
いくつかの態様において、本明細書に記載されるコンジュゲートもしくは組成物のいずれか、または本明細書に記載される方法のいずれかを使用して生産されたコンジュゲートもしくは組成物のいずれかを使用する、不要な細胞または病原体、例えば疾患細胞、または病原体感染細胞を試料から除去する方法が提供される。例えば、不要な細胞または病原体は、対象由来の生物学的試料、例えば血液試料または骨髄試料または生検から除去される。いくつかの態様において、試料は、血液試料または組織試料である。いくつかの態様において、不要な細胞または病原体は、組織、例えば外科手術または処置の間に対象から一時的に除去された組織から除去される。いくつかの態様において、不要な細胞は、デバイスと関連する試料、例えば医療デバイス上のバイオフィルムから除去される。
いくつかの態様において、除去または処置のための照射は、インビボで達成され、例えば、対象へ直接投与される。いくつかの態様において、方法は、インビトロまたはエクスビボ、例えば、対象の身体外で実施される。いくつかの態様において、本方法は、体外デバイスを使用して実施される。例示的な体外デバイスは、血液透析、体外酸素化、CO2除去、およびアフェレーシスに使用されるデバイス、または、対象から取り出された血液を収容して、血液を加工(例えば、治療薬を濾過、精製、処理、投与など)し、次いで、その血液を対象に戻す装置を含む。
本明細書に提供される方法のいくつかの態様において、試料、例えば血液試料または組織試料からの不要な細胞または病原体の除去は、処置、例えば過形成、腫瘍または感染の処置のための方法を含む。
いくつかの態様において、不要な細胞は、疾患または病態と関連するか、それを引き起こすかまたはその病因の一因となる。いくつかの態様において、病態または疾患は、腫瘍もしくはがん、感染、炎症性疾患もしくは病態、または神経疾患もしくは病態である。いくつかの態様において、細胞は、神経細胞であり、疾患または病態は、神経障害(任意で疼痛である)であり;細胞は、脂肪細胞またはアディポサイトであり、疾患または病態は、過剰な脂肪を伴い;細胞は、病原体感染細胞であり、疾患または病態は感染であり;細胞は、病原体であり、疾患または病態は感染であり;細胞は、炎症性細胞であり、疾患または病態は、炎症性疾患であり;細胞は、免疫細胞(任意で制御性T細胞である)であり、疾患または病態は、腫瘍またはがんであるか;または、細胞は、腫瘍またはがん細胞であり、疾患または病態は、腫瘍またはがんである。いくつかの態様において、細胞は、疾患もしくは病態と関連する病変の微小環境中に存在するか、または過形成状態にある。いくつかの態様において、病変は、腫瘍であり、疾患または病態は、腫瘍またはがんである。いくつかの態様において、本方法は、該疾患または病態を処置する。
方法は、一般に、本明細書に提供されるコンジュゲートもしくは組成物、または本明細書に記載される方法を使用して生産されたコンジュゲートもしくは組成物を対象に投与する工程、および、不要な細胞または病原体に照射してコンジュゲートを活性化し、それによって細胞を除去する工程を含む。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法は、(a)本明細書に提供される光保護デバイスのいずれかから、フタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、組成物が500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程を含む。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法は、a)本明細書に記載されるコンジュゲートまたは組成物のいずれかの治療有効量を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程を含む。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法は、a)不要な細胞または病原体に結合可能な標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を対象に投与する工程であって、投与工程の前および間、コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;およびb)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法は、a)不要な細胞または病原体に結合可能な第一の結合分子の治療有効量を対象に投与する工程;b)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子を対象に投与する工程であって、標的化分子が第一の結合分子に結合可能な第二の結合分子である、工程;およびc)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程を含む。本明細書に提供される方法のいくつかの態様において、第一の結合分子が、コンジュゲートの前に対象に投与されるか、または第一の結合分子およびコンジュゲートが同時に対象に投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、二次抗体である。いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、対象における不要な細胞または病原体、例えば病原体感染細胞を除去する方法は、a)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子の治療有効量を対象に投与する工程であって、標的化分子が病原体感染細胞に直接的または間接的に結合することが可能である、工程;およびb)病原体感染細胞に600~800nmの波長で、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における病原体感染細胞を除去する工程を含む。いくつかの態様において、病原体は、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系である。いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前および間、コンジュゲートは、500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない。
いくつかの態様において、処置される対象、または不要な細胞または病原体が除去される対象は、腫瘍を有し、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートは、腫瘍へ標的指向される。いくつかの態様において、腫瘍は、がんである。いくつかの態様において、がんは、頭頸部、乳房、肝臓、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、脳、子宮頸部、骨、皮膚、肺、または血液のがんである。いくつかの態様において、がんは、異常なまたは無制御な細胞成長によって特徴付けられる悪性腫瘍を含み得る。がんと関連し得る他の特徴は、転移、隣接細胞の正常な機能の妨害、サイトカインまたは他の分泌生成物の異常なレベルでの放出ならびに炎症性または免疫学的応答の抑制または悪化、リンパ節のような周囲または遠隔の組織または臓器の侵入などを含む。転移性疾患は、元々の腫瘍部位から離れ、例えば血流またはリンパ系を介して、身体の他の部位へ移動したがん細胞のことを指し得る。いくつかの態様において、開示の方法によって標的とされる細胞は、がん細胞である。いくつかの態様において、標的とされる細胞は、がん幹細胞または循環腫瘍細胞である。
いくつかの態様において、腫瘍細胞は、がん細胞、例えばがんを有する対象中の細胞である。開示の方法で標的とされうる例示的な細胞は、以下の腫瘍の細胞を含む:液性腫瘍、例えば、白血病であって、急性白血病(例えば急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ならびに骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病)、慢性白血病(例えば慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ性白血病)を含む白血病、真性多血症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、重鎖病)。いくつかの態様において、細胞は、固形腫瘍細胞、例えば、肉腫または癌腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肝細胞癌、肺癌、結腸直腸癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、例えば膵臓、結腸、卵巣、肺、乳房、胃、前立腺、子宮頸部、または食道の腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、膀胱癌、CNS腫瘍、例えば神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫ならびに網膜芽細胞腫である。いくつかの態様において、がんは、頭頸部の扁平上皮癌である。
特許請求される方法で処置することができる例示的な腫瘍、例えばがんは、固形腫瘍、例えば、乳房癌腫、例えば小葉および腺管癌、肉腫、肺の癌腫、例えば非小細胞癌、大細胞癌、扁平上皮癌、および腺癌、肺の中皮腫、結腸直腸腺癌、胃癌、前立腺腺癌、卵巣癌、例えば漿液性嚢胞腺癌および粘液性嚢胞腺癌、卵巣胚細胞腫瘍、精巣癌および胚細胞腫瘍、膵臓腺癌、胆管腺癌、肝細胞癌、膀胱癌(例えば、移行上皮癌、腺癌、および扁平上皮癌を含む)、腎細胞腺癌、子宮内膜癌(例えば、腺癌および混合ミュラー管腫瘍(癌肉腫)を含む)、子宮頸内膜、子宮頸膣部、および膣の癌腫、例えばその各々の腺癌および扁平上皮癌、皮膚の腫瘍、例えば扁平上皮癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、皮膚付属器(appendage)腫瘍、カポジ肉腫、皮膚リンパ腫、皮膚付属器(adnexal)腫瘍ならびに種々のタイプの肉腫およびメルケル細胞癌、食道癌、鼻咽頭および中咽頭の癌腫(その扁平上皮癌および腺癌を含む)、唾液腺癌、脳および中枢神経系の腫瘍(例えば、膠細胞、神経細胞、および髄膜起源の腫瘍を含む)、末梢神経の腫瘍、軟組織肉腫ならびに骨および軟骨の肉腫、ならびにリンパ系腫瘍(B細胞およびT細胞悪性リンパ腫を含む)を含む。いくつかの態様において、腫瘍は、腺癌である。
また、本方法を使用して、液性腫瘍、例えばリンパ系の白血球、または他のタイプの白血病を処置することができる。いくつかの態様において、処置される腫瘍は、血液の腫瘍、例えば白血病、例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、有毛細胞白血病(HCL)、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、および成人T細胞白血病、リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、ならびに骨髄腫である。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍中に発現されるタンパク質へ標的指向される。
いくつかの態様において、標的とされる標的細胞の細胞表面上のタンパク質は、他の細胞上に有意な量で存在しない。例えば、細胞表面タンパク質は、標的細胞タイプ上にのみ見いだされる受容体でありうる。
いくつかの態様において、腫瘍中に発現されるタンパク質、例えば、腫瘍特異的タンパク質は、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、SK-1抗原またはPD-L1でありうる。いくつかの態様において、腫瘍特異性タンパク質は、PD-L1、HER1/EGFR、HER2、CD20、CD25、CD33、CD52、または前立腺特異性膜抗原(PSMA)である。他の細胞表面タンパク質は、上記したとおりのいずれかを含む。
いくつかの態様において、細胞表面タンパク質は、腫瘍特異的タンパク質または腫瘍特異的抗原、例えばEGF受容体ファミリーのメンバー(例えば、HER1、2、3、および4)およびサイトカイン受容体のメンバー(例えば、CD20、CD25、IL-13R、CD5、CD52など)である。いくつかの態様において、腫瘍特異的タンパク質は、正常細胞のような他の細胞と比較して、がん細胞に固有であるかまたはがん細胞上で非常に豊富なタンパク質である。例えば、HER2は、一般に乳癌において見いだされるが、一方、HER1は、典型的には腺癌において見いだされ、これは、膵臓、乳房、前立腺および結腸のような多くの臓器に見いだすことができる。
標的細胞上に見いだすことができる例示的な腫瘍特異的タンパク質であって、そのタンパク質に特異的な抗体または抗体断片を使用してフタロシアニン色素-抗体コンジュゲートを製剤化することができる例示的な腫瘍特異的タンパク質は、非限定的に、以下を含む:MAGE1、MAGE2、MAGE3、およびMAGE4を含む種々のMAGE(黒色腫関連抗原E)のいずれか、種々のチロシナーゼのいずれか、突然変異体Ras、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、乳房腫瘍と関連し得るヒト乳脂肪球(HMFG)、BAGE1およびBAGE2を含む種々のBAGE(ヒトB黒色腫関連抗原E)のいずれか、GAGE1、GAGE2-6を含む種々の GAGE(G抗原)のいずれか、種々のガングリオシド、ならびにCD25。
他の腫瘍特異的抗原は、子宮頸癌と関連するHPV16/18およびE6/E7抗原、乳房癌腫と関連し得るムチン(MUC 1)-KLH抗原、結腸直腸癌と関連し得るCEA(癌胎児性抗原)、例えば黒色腫と関連し得るgp100、黒色腫と関連し得るMARTI抗原、卵巣および他のがんと関連し得る癌抗原125(CA125、ムチン16またはMUC16としても知られている)、肝臓癌と関連し得るアルファ-フェトプロテイン(AFP)、結腸直腸癌、胆管癌、乳癌、肺小細胞癌、および他のがんと関連し得るルイスY抗原、腺癌と関連し得る腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、ならびに前立腺癌と関連し得るPSA抗原を含む。
他の例示的な腫瘍特異的タンパク質は、非限定的に、前立腺癌と同様に固形腫瘍血管新生と関連し得るPMSA(前立腺膜特異性抗原)、乳癌、卵巣癌、胃癌および子宮癌と関連し得るHER-2(ヒト上皮細胞成長因子受容体2)、肺癌、肛門癌、および膠芽腫ならびに腺癌と関連し得るHER-1、黒色腫、肉腫、精巣癌、および他のがんと関連し得るNY-ESO-1、hTERT(テロメラーゼとしても知られる)、プロテイナーゼ3、ならびにウィルムス腫瘍1(WT-1)をさらに含む。
いくつかの態様において、腫瘍特異的タンパク質は、CD52でありかつ慢性リンパ性白血病と関連し得るか、CD33でありかつ急性骨髄性白血病と関連し得るか、またはCD20でありかつ非ホジキンリンパ腫と関連し得る。
したがって、開示の方法を使用して、腫瘍特異的タンパク質を発現する任意のがんを処置することができる。
いくつかの態様において、対象は、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物である。いくつかの態様において、対象は、ヒトまたは動物対象、例えばマウスである。いくつかの態様において、対象は、がんを有するかまたはがんが処置されている哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの態様において 開示の方法を使用して、腫瘍、例えば本明細書に記載される腫瘍を有する対象を処置する。いくつかの態様において、腫瘍は、以前に処置され、例えば外科的にまたは化学的に除去されており、開示の方法をその後に使用して、対象内に残留し得る任意の残留している望ましくない腫瘍細胞を殺傷する。
開示の方法を使用して、腫瘍、例えばがんを有するか、またはがんが以前に除去もしくは処置された、任意の哺乳動物対象、例えばヒトを処置することができる。本開示の治療を必要とする対象は、がんを有するヒト対象であって、がん細胞がフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートに特異的に結合することができる細胞表面上に腫瘍特異的タンパク質を発現する、ヒト対象を含みうる。例えば、開示の方法を、単独、または放射線もしくは他の化学療法との組み合わせのいずれかで、がんの初期処置として使用することができる。また、開示の方法を、以前の放射線または化学療法が失敗した患者に使用することができる。したがって、いくつかの態様において、対象は、他の治療を受けている対象であるが、その他の治療が所望の治療応答を提供していない対象である。また、開示の方法を、限局性および/または転移性のがんを有する患者に使用することができる。
いくつかの態様において、方法は、本開示の治療から恩恵を受ける対象を選択する工程、例えば、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートに特異的に結合することができる細胞表面タンパク質、例えば腫瘍特異的タンパク質を発現する腫瘍を有する対象を選択する工程を含む。例えば、対象がHER1を発現する乳癌を有すると決定された場合、セツキシマブ-IR700のような抗HER1-IR700分子で処置される対象が選択され得る。
いくつかの態様において、コンジュゲートの投与に使用される組成物は、有効量のコンジュゲートを、企図される投与のタイプに適切な従来の薬学的担体および賦形剤と共に含有する。
いくつかの態様において、単回投与量のコンジュゲートが、単一の容器、例えばコンジュゲートが保存される容器内に含まれる。いくつかの態様において、容器、例えばバイアルは、上記のとおりの光保護条件下でパッケージングされる容器である。いくつかの態様において、単回投与量のコンジュゲートが複数の容器内に含まれる。したがって、いくつかの態様において、複数の容器、例えばバイアルが、静注(IV)バッグのようなコンジュゲートの投与に使用される容器内で組み合わせられる。いくつかの態様において、IVバッグのような投与に使用される容器は、コンジュゲートを含む1つまたは複数の容器を開けて、内容物をそのバッグ内に、例えば投与のための所望のコンジュゲートの投薬、例えば注入が達成されるまで入れることによって、準備される。IVバッグのような投与容器の準備の間、本明細書に記載される種々の光予防措置のようなコンジュゲートの光への曝露を回避するための光予防措置がなされた。
いくつかの態様において、方法は、対象に治療有効量のコンジュゲート薬物製品を投与する工程を含む。いくつかの態様において、本方法は、標的化分子にコンジュゲートされた色素を含有するコンジュゲート、例えば、IRDye 700DX-標的化分子コンジュゲートの治療有効量を、対象に投与する工程を含む。いくつかの態様において、IRDye 700DX-標的化分子コンジュゲートは、腫瘍へ標的指向される。
いくつかの態様において、治療有効量は、単独で、または化学療法薬のような追加の治療薬と共に、組成物で処置されている対象においてまたは細胞において所望の効果を達成するのに十分な組成物の量である。フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートのような治療薬の有効量は、処置されている対象または細胞、特定の治療薬、および治療用組成物の投与の様式を非限定的に含むいくつかの要因に依存しうる。いくつかの態様において、治療有効量または濃度は、疾患の進展、例えば転移を防止するか、疾患の進行を遅延させるかもしくは疾患の退行を引き起こすのに十分なもの、またはがんのような疾患によって引き起こされる症状を低減することが可能なものである。いくつかの態様において、治療有効量または濃度は、腫瘍を有する患者の生存時間を増加させるのに十分なものである。
いくつかの態様において、提供される方法による処置の所望の応答は、がんと関連する1つまたは複数の症状を低減または阻害することである。いくつかの態様において、組成物が有効であるために、1つまたは複数の症状が完全に排除されなければならないということはない。例えば、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含有する組成物の投与およびそれに続く照射は、腫瘍のサイズ、例えば腫瘍の体積もしくは重量、または腫瘍の転移を、コンジュゲートの非存在下での腫瘍のサイズ、体積、重量、または転移と比較して、例えば少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも100%減少させることができる。
いくつかの態様において、提供される方法による処置の所望の応答は、細胞の集団を所望の量だけ殺傷すること、例えば、コンジュゲートおよび照射の非存在下での細胞殺傷と比較して、細胞の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも100%を殺傷することである。
いくつかの態様において、所望の応答は、腫瘍を有する患者、または腫瘍が最近除去された患者の生存時間を所望の量だけ増加させること、例えば、コンジュゲートおよび照射の非存在下での生存時間と比較して、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも100%生存を増加させることである。
ヒトまたは動物対象に投与されるフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む薬剤の量は、その対象と関連する多数の要因、例えば対象の総体的な健康状態に依存して変化するだろう。いくつかの態様において、生成物の投与量を変化させて、腫瘍の退行のような生じた治療応答を測定することによって、薬剤の有効量を決定することができる。いくつかの態様において、種々のインビトロ、インビボまたはインサイチュー免疫測定法を通して有効量を決定することができる。いくつかの態様において、開示される薬剤を、所望の応答を得るために必要に応じて、単回用量でまたは複数回用量で投与することができる。いくつかの態様において、有効量は、適用される供給源、処置されている対象、処置されている病態の重症度およびタイプ、ならびに投与の様式に依存する。
いくつかの態様において、コンジュゲートの治療有効用量は、例えば静脈内投与されるとき、少なくとも60キログラム当たり0.5ミリグラム(mg/kg)、少なくとも5mg/60kg、少なくとも10mg/60kg、少なくとも20mg/60kg、少なくとも30mg/60kg、少なくとも50mg/60kg、例えば0.5~50mg/60kg、例えば1mg/60kg、2mg/60kg、5mg/60kg、20mg/60kg、または50mg/60kgの用量である。いくつかの態様において、コンジュゲートの用量は、例えば腫瘍内または腹腔内(ip)投与されるとき、少なくとも10μg/kg、例えば少なくとも100μg/kg、少なくとも500μg/kg、または少なくとも500μg/kg、例えば10μg/kg~1000μg/kg、例えば100μg/kg、250μg/kg、約500μg/kg、750μg/kg、または1000μg/kgの用量である。いくつかの態様において、用量は、例えば局所用溶液で投与されるとき、少なくとも1μg/ml、例えば少なくとも500μg/ml、例えば20μg/ml~100μg/ml、例えば10μg/ml、20μg/ml、30μg/ml、40μg/ml、50μg/ml、60μg/ml、70μg/ml、80μg/ml、90μg/mlまたは100μg/mlである。
いくつかの態様において、コンジュゲートの治療有効用量は、10mg/m2~2000mg/m2の間もしくは約10mg/m2~2000mg/m2の間、例えば10mg/m2~1500mg/m2もしくは約10mg/m2~1500mg/m2、25mg/m2~2000mg/m2もしくは約25mg/m2~2000mg/m2、200mg/m2~1250mg/m2もしくは約200mg/m2~1250mg/m2、500mg/m2~1250mg/m2もしくは約500mg/m2~1250mg/m2、500mg/m2~750mg/m2もしくは約500mg/m2~750mg/m2、または750mg/m2~1250mg/m2もしくは約750mg/m2~1250mg/m2の間である。いくつかの態様において、治療有効量は、少なくとも0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、200mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、2000mg、3000mgもしくはそれより多い、または約少なくとも0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、200mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、2000mg、3000mgもしくはそれより多い。
当業者であれば、例えば特定のコンジュゲートに依存して、より高いまたはより低い投与量も使用することができることを認識するであろう。いくつかの態様において、投与量、例えば一日投与量は、1または複数の分割用量、例えば2、3もしくは4用量で、または単一製剤で投与される。開示されるコンジュゲートを、単独で、薬学的に許容される担体の存在下で、または他の抗悪性腫瘍剤のような他の治療薬の存在下で投与することができる。
いくつかの態様において、標的化分子は、抗体、抗原結合断片、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ウイルス、ウイルスカプシド、またはウイルス粒子である。いくつかの態様において、標的化分子は、抗体または抗原結合断片である。
いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前に、対象には、標的化分子、例えばセツキシマブのような抗体が、非コンジュゲートの形態で単独で投与される。一般に、コンジュゲートの前に投与される標的化分子は、コンジュゲートの一部として投与される同じ標的化分子である。いくつかの態様において、投与される標的化分子の用量は、10mg/m2~2000mg/m2の間もしくは約10mg/m2~2000mg/m2の間、例えば10mg/m2~1500mg/m2もしくは約10mg/m2~1500mg/m2、25mg/m2~2000mg/m2もしくは約25mg/m2~2000mg/m2、200mg/m2~1250mg/m2もしくは約200mg/m2~1250mg/m2、500mg/m2~1250mg/m2もしくは約500mg/m2~1250mg/m2、500mg/m2~750mg/m2もしくは約500mg/m2~750mg/m2、または25mg/m2~100mg/m2もしくは約25mg/m2~100mg/m2の間である。
いくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与の、少なくとも1週間、少なくとも6日間、少なくとも5日間、少なくとも96時間、少なくとも72時間、少なくとも48時間、少なくとも24時間、または少なくとも12時間前に投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与前、1時間~1週間もしくは約1時間~1週間の範囲内、例えば1時間~96時間もしくは約1時間~96時間、1時間~48時間もしくは約1時間~48時間、1時間~24時間もしくは約1時間~24時間、24時間~96時間もしくは約24時間~96時間、または24時間~48時間もしくは約24時間~48時間の範囲内で投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与の96時間または約96時間前に投与される。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、処置される臓器または組織に全身または局所のいずれかで投与され得る。例示的な投与の経路は、非限定的に、局所、注射(例えば皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、腫瘍内、および静脈内)、経口、舌下、直腸、経皮、鼻腔内、膣内および吸入経路を含む。いくつかの態様において、コンジュゲートは、静脈内投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、非経口投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、腸内投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、局所注射によって投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、局所適用として投与される。
コンジュゲートを含む組成物を、当技術分野において公知の任意の方法を使用して、例えばがんのような腫瘍を有する対象、または腫瘍が例えば外科手術を介して以前に除去された対象に、局所または全身投与することができる。具体例が提供されているが、当業者であれば、開示されるコンジュゲートの代替的な投与法を使用することができると理解されよう。このような方法は、例えば、処置を必要とする対象への数時間~数日間にわたる連続注入を提供するカテーテルまたは埋め込みポンプの使用を含み得る。
いくつかの態様において、コンジュゲートは、腫瘍への、例えば腫瘍内の直接注射、直接注射または注入を含む非経口手段によって投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートを腫瘍に適用することによって、例えばフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含有する溶液に腫瘍を浸すことによって、またはコンジュゲートを腫瘍に注ぐことによって、コンジュゲートは腫瘍に投与される。
追加的に、または代替的に、開示される組成物を、がんのような腫瘍を有する対象に、全身に、例えば静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、皮下、または経口的に投与することができる。
対象に投与されるコンジュゲートの投与量は、絶対限界まで供されることはないが、組成物およびその活性成分の性質ならびにその不要な副作用、例えば抗体に対する免疫応答、処置されている対象、ならびに処置されている病態のタイプおよび投与の様式に依存するだろう。一般に、用量は、治療有効量、例えば所望の生物学的効果を達成するのに十分な量、例えば、腫瘍のサイズ、例えば体積および/もしくは重量を減少させるのに、または腫瘍のさらなる成長を減弱させるのに、または腫瘍の望ましくない症状を減少させるのに有効な量であろう。
いくつかの態様において、例えばコンジュゲートの静脈内投与について、単回処置についての対象への投与のための例示的な投与量は、0.5~100mg/体重60kg、1~100mg/体重60kg、1~50mg/体重60kg、1~20mg/体重60kg、例えば、約1または2mg/体重60kgの範囲でありうる。いくつかの態様において、腹腔内または腫瘍内投与されるコンジュゲートの治療有効量は、体重1kgにコンジュゲート10μg~5000μg、例えば10μg/kg~1000μg/kg、10μg/kg~500μg/kg、または100μg/kg~1000μg/kgで変化しうる。いくつかの態様において、コンジュゲートは、0.5mg/kg~約100mg/kgもしくは約0.5mg/kg~約100mg/kg、または20mg/m2~約4000mg/m2もしくは約20mg/m2~約4000mg/m2である量で投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートは、少なくとも0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または約少なくとも0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kgである量で投与されるか;あるいは、コンジュゲートは、少なくとも20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または約少なくとも20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2、または約20mg/m2、40mg/m2、160mg/m2、320mg/m2、640mg/m2、1280mg/m2もしくは2560mg/m2である量で投与される。
いくつかの態様において、ヒト患者に投与されるコンジュゲートの用量は、少なくとも50mg、例えば少なくとも100mg、少なくとも300mg、少なくとも500mg、少なくとも750mg、またはさらには1gである。
開示されるコンジュゲートを用いた処置は、1日で完了しても、または同じもしくは異なる投与量で複数日間繰り返し行ってもよい。繰り返し処置は、同日、連日、または1~3日毎、3~7日毎、1~2週間毎、2~4週間毎、1~2か月毎、またはさらに長い間隔で行ってよい。
いくつかの態様において、コンジュゲートの投与に使用される組成物は、有効量のコンジュゲートを、企図される投与のタイプに適切な従来の薬学的担体および賦形剤と共に含有する。例えば、いくつかの態様において、非経口製剤は、コンジュゲートの滅菌水溶液または懸濁液を含有し得る。いくつかの態様において、腸内投与のための組成物は、緩衝剤、界面活性剤、チキソトロープ剤、および香味剤を任意で含み得る水溶液または懸濁液中に、有効量のコンジュゲートを含有し得る。
いくつかの態様において、方法は、腫瘍に照射する工程を含む。いくつかの態様において、照射は、コンジュゲートを投与した後、30分~96時間の間または約30分~96時間の間、例えば30分~48時間、30分~24時間または12時間~48時間の間、例えば一般に、コンジュゲートを投与した後、少なくとも30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間またはより長い時間で達成される。例えば、照射は、コンジュゲートを投与した後約24時間以内に実施することができる。
いくつかの態様において、細胞をフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートと接触させた後、これらが照射される。照射する方法は、当技術分野において公知である。典型的には細胞表面タンパク質を発現する細胞だけが標的化分子によって認識されるので、一般にそのような細胞だけが、該タンパク質に結合した十分な量のコンジュゲートを有するだろう。照射は、コンジュゲートが結合した細胞のみを殺傷し、一般に他の細胞は殺傷し得ないので、望ましくない副作用、例えば正常細胞の殺傷の可能性を減少させ得る。
いくつかの態様において、細胞は、インビトロ、例えば組織培養ディッシュ中で照射される。いくつかの態様において、細胞は、インビボで照射され、例えばフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートが以前に投与された対象に照射される。いくつかの態様において、対象に照射、例えば対象における腫瘍に照射することができる。
いくつかの態様において、光またはレーザーが、色素分子、例えばコンジュゲートを含有する細胞に、約5秒間~約5分間適用され得る。例えば、いくつかの態様において、光またはレーザーは、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50もしくは55秒間または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50もしくは55秒間、またはこのような値のいずれか2つの間の範囲内で適用されて、色素分子を活性化する。いくつかの態様において、光またはレーザーは、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5もしくは5分間もしくはより長く、または約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5もしくは5分間もしくはより長く、またはこのような値のいずれか2つの間の範囲内で適用される。いくつかの態様において、光またはレーザーが適用される時間の長さは、例えば、光またはレーザーのエネルギー、例えばワット数に依存して変化しうる。例えば、色素分子を活性化させるためにより低いワット数の光またはレーザーがより長時間適用され得る。
いくつかの態様において、コンジュゲートを投与した約30分~約48時間後に、光またはレーザーが適用され得る。例えば、いくつかの態様において、光またはレーザーは、コンジュゲートを投与した30、35、40、45、50もしくは55分後に、または約30、35、40、45、50もしくは55分後に、またはこのような値のいずれか2つの間の範囲内で適用される。いくつかの態様において、光またはレーザーは、コンジュゲートを投与した1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24時間後に、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24時間後に適用されるか、または、このような値のいずれか2つの間もしくはおおよそいずれか2つの間の範囲内で投与される。いくつかの態様において、コンジュゲートの投与に続いて、光またはレーザーは、1~24時間の間もしくは約1~24時間の間、例えば1~12時間もしくは約1~12時間、12~24時間もしくは約12~24時間、6~12時間もしくは約6~12時間の間に適用されるか、または24時間を超えてから投与され得る。いくつかの態様において、光またはレーザーは、コンジュゲートを投与した36または48時間後に適用される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、コンジュゲートを投与した後、12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間で照射される。
いくつかの態様において、コンジュゲートの色素分子を好適な波長で活性化することができる。したがって、いくつかの態様において、細胞は、660~710nmまたは約660~710nm、例えば660~700nmまたは670~690nm、例えば、680nmの波長の治療用量の放射線で照射される。いくつかの態様において、色素分子の活性化は、それらを細胞傷害性にするか、または細胞傷害性分子を産生できるようにする。好適な波長は、非限定的に、紫外波長、可視波長、赤外(IR)波長および近赤外波長を含む。いくつかの態様において、色素分子は、600nm~800nmもしくは約600nm~800nm、または660nm~740nmもしくは約660nm~740nmの波長で活性化され、細胞傷害性になる。いくつかの態様において、色素分子は、約600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nmもしくは800nm、または少なくとも約600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nmもしくは800nm、またはこのような波長のいずれか2つの間またはおおよそいずれか2つの間の範囲内の波長で活性化され、細胞傷害性になる。いくつかの態様において、色素分子は、600nm未満または800nm超の波長で活性化される。
いくつかの態様において、腫瘍は、600nm~800nmもしくは約600nm~800nm、または600nm~740nmもしくは約600nm~740nm、例えば640nm~760nmもしくは約640nm~760nm、660nm~740nmもしくは約660nm~740nm、680nm~720nmもしくは約680nm~720nm、または690nm~710nmもしくは約690nm~710nmの範囲内の波長で照射される。いくつかの態様において、腫瘍は、690±50nmの波長で照射される。
色素分子活性化のための好適な波長は、使用される特定の色素分子に依存し得る。
いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、少なくとも1J cm-2(1J/cm2)もしくは約1J cm-2(1J/cm2)、例えば少なくとも10J cm-2もしくは約10J cm-2、少なくとも30J cm-2もしくは約30J cm-2、少なくとも50J cm-2もしくは約50J cm-2、少なくとも100J cm-2もしくは約100J cm-2、または少なくとも500J cm-2もしくは約500J cm-2、例えば少なくとも約2J cm-2、5J cm-2、10J cm-2、25J cm-2、50J cm-2、75J cm-2、100J cm-2、150J cm-2、200J cm-2、300J cm-2、400J cm-2、または500J cm-2の線量で照射される。例えば、いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、1~1000J cm-2もしくは約1~1000J cm-2、1~500J cm-2もしくは約1~500J cm-2、10~100J cm-2もしくは約10~100J cm-2、または10~50J cm-2もしくは約10~50J cm-2で照射される。いくつかの態様において、腫瘍は、少なくとも0.5J cm-2、少なくとも1J cm-2、少なくとも2J cm-2、少なくとも3J cm-2、少なくとも4J cm-2、または少なくとも5J cm-2の線量で照射される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、1J cm-2の線量で照射される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、少なくとも2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長、または少なくとも約2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長の線量で照射される。いくつかの態様において、細胞は、少なくとも1J cm-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射される。いくつかの態様において、細胞、過形成または腫瘍は、2J cm-2~約400J cm-2もしくは約2J cm-2~約400J cm-2の線量、または2J/cmファイバ長~約500J/cmもしくは約2J/cm~約500J/cmファイバ長の線量で照射される。
いくつかの態様において、腫瘍は、表在性腫瘍である。いくつかの態様において、腫瘍は、少なくとも10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2、または約少なくとも10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2、または約10J/cm2、25J/cm2、50J/cm2、150J/cm2もしくは250J/cm2の線量で照射される。
いくつかの態様において、腫瘍は、間質性腫瘍である。いくつかの態様において、腫瘍は、少なくとも50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長、または約少なくとも50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長、または約50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長の線量で照射される。
いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物の投与後の照射の線量は、660~740nmの波長で少なくとも1J cm-2、例えば、660~740nmの波長で少なくとも10J cm-2、660~740nmの波長で少なくとも50J cm-2、または660~740nmの波長で少なくとも100J cm-2、例えば660~740nmの波長で1~500 1.0J cm-2である。いくつかの態様において、波長は、660~710nmである。いくつかの態様において、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物の投与後の照射の線量は、680nmの波長で少なくとも1.0J cm-2、例えば、680nmの波長で少なくとも10J cm-2、680nmの波長で少なくとも50J cm-2、または680nmの波長で少なくとも100J cm-2、例えば680nmの波長で1~500 1.0J cm-2である。いくつかの態様において、複数回の照射、例えば少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4回の照射、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10回の別々の投与が実施される。
いくつかの態様において、細胞、または対象は、1回または複数回照射されうる。したがって、照射は、1日で完了しても、または同じもしくは異なる投与量で数日間繰り返し、例えば、少なくとも2回の別の、3回の別の、4回の別の、5回の別の、または10回の別の照射を行ってもよい。いくつかの態様において、繰り返し照射は、同日、連日、または1~3日毎、3~7日毎、1~2週間毎、2~4週間毎、1~2か月毎、またはさらに長い間隔で行いうる。
いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前、間、または後に、対象は、1つまたは複数の他の治療を受けることができる。いくつかの態様において、対象は、コンジュゲートの投与の前に腫瘍を除去または低減させる1つまたは複数の処置を受ける。
追加の処置
フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートの投与の前、間、または後に、対象は、1つまたは複数の他の治療を受けることができる。一例として、対象は、コンジュゲートの投与の前に腫瘍を除去または低減させる1つまたは複数の処置を受ける。
いくつかの態様において、投与される1つまたは複数のその他のまたは追加の薬剤、または併用療法での追加の薬剤は、非コンジュゲート標的化分子である。いくつかの態様において、非コンジュゲート標的化分子は、コンジュゲートの標的化分子と同じまたは実質的に同じ標的化分子である。例えば、いくつかの態様において、コンジュゲートの投与の前に、タンパク質または抗原を標的とする標的化分子、例えば、非コンジュゲート抗体が対象に投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、コンジュゲートの投与96時間前までに投与される。いくつかの態様において、標的化分子は、10mg/m2~約500mg/m2または約10mg/m2~約500mg/m2の範囲内の用量で投与される。例えば、標的化分子は、セツキシマブであり、セツキシマブは、コンジュゲートの投与の96時間前までに対象に投与される。
PIT後の約8時間の追加の治療薬への腫瘍の接近性を増強させ得る、開示されるPIT法と組み合わせて使用することができるこのような治療の例は、非限定的に、腫瘍の除去または低減のための外科処置、例えば外科切除、冷凍療法、または化学塞栓、ならびに、放射線治療薬、抗悪性腫瘍化学療法薬、抗生物質、アルキル化剤および酸化防止剤、キナーゼ阻害剤、および他の薬剤を含みうる抗腫瘍薬学的処置を含む。いくつかの例では、追加の治療薬は、ナノ粒子にコンジュゲートされる。使用することができる追加の治療薬の特定例は、微小管結合剤、DNA挿入剤または架橋剤、DNA合成阻害剤、DNAおよび/またはRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、ならびに遺伝子調節因子を含む。治療有効量で投与されるこれらの薬剤、および処置は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。このような薬剤の方法および治療投与量は、当業者に公知であり、かつ、熟練の臨床医によって決定されうる。
いくつかの態様において、微小管結合剤は、チューブリンと干渉して微小管形成を安定化または不安定化し、それによって細胞分裂を阻害する、薬剤を指す。開示されるコンジュゲート治療と組み合わせて使用することができる微小管結合剤の例は、非限定的に、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン(ナベルビン)、エポチロン、コルヒチン、ドラスタチン15、ノコダゾール、ポドフィロトキシンおよびリゾキシンを含む。また、このような化合物の類似体および誘導体も使用することができる。例えば、好適なエポチロンおよびエポチロン類似体を使用してよい。また、パクリタキセルおよびドセタキセルのようなタキソイド類も使用することができる。
以下のクラスの化合物を、本明細書に開示されるPIT法と共に使用することができる:アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシンならびにその誘導体および類似体を非限定的に含む、好適なDNAおよび/またはRNA転写制御因子もまた、本開示の治療と組み合わせて使用するのに好適である。対象に投与することができるDNA挿入剤および架橋剤は、非限定的に、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシン類、例えばマイトマイシンC、ブレオマイシン、クロラムブシル、シクロホスファミドならびにその誘導体および類似体を含む。治療薬としての使用に好適なDNA合成阻害剤は、非限定的に、メトトレキサート、5-フルオロ-5’-デオキシウリジン、5-フルオロウラシルおよびその類似体を含む。好適な酵素阻害剤の例は、非限定的に、カンプトテシン、エトポシド、ホルメスタン、トリコスタチンならびにその誘導体および類似体を含む。遺伝子調節に影響を及ぼす好適な化合物は、ラロキシフェン、5-アザシチジン、5-アザ-2’-デオキシシチジン、タモキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、ミフェプリストンならびにその誘導体および類似体のような、1つまたは複数の遺伝子の増加または減少した発現をもたらす薬剤を含む。キナーゼ阻害剤は、成長因子のリン酸化および活性化を防止する、グリーベック(Gleevac)、イレッサ(Iressa)、およびタルセバ(Tarceva)を含む。
上記分類の1つまたは複数に該当し得るまたは該当し得ない他の治療薬、例えば抗腫瘍剤も、開示されるPIT治療と組み合わせた投与に好適である。例を挙げれば、このような薬剤は、アドリアマイシン、アピゲニン、ラパマイシン、ゼブラリン、シメチジン、ならびにその誘導体および類似体を含む。
いくつかの例では、治療用コンジュゲート組成物を受けている対象にまた、インターロイキン2(IL-2)が、例えば静脈内投与を介して投与される。いくつかの態様において、IL-2は、例えば静脈内ボーラスとして少なくとも500,000IU/kgの用量で、例えばペプチドの投与の翌日から開始して、8時間毎に15分間かけて、5日まで続けて投与される。用量は、対象の耐性に応じて省略することができる。
コンジュゲートの投与と組み合わせて使用することができる治療のさらなる例は、非限定的に、腫瘍の除去または低減のための外科処置、例えば外科切除、冷凍療法、または化学塞栓、ならびに、放射線治療薬、抗悪性腫瘍化学療法薬、抗生物質、アルキル化剤および酸化防止剤、キナーゼ阻害剤、および他の薬剤を含みうる抗腫瘍薬学的処置を含む。使用することができる追加の治療薬の特定例は、微小管結合剤、DNA挿入剤または架橋剤、DNA合成阻害剤、DNAおよび/またはRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節因子、ならびにDARPin(設計されたアンキリンリピートタンパク質)、例えばモノ-DARPinを含む。治療有効量で投与され得るこれらの薬剤、および処置は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。このような薬剤の方法および治療投与量は、熟練の臨床医によって決定されうる。
いくつかの態様において、転移性腫瘍などの腫瘍の少なくとも一部は、本開示の治療の投与、例えばフタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートの投与の前に、例えば冷凍療法を介して外科的に除去されるか、照射されるか、例えば化学塞栓を介して化学的処置されるか、またはその組み合わせで処置される。例えば、転移性腫瘍を有する対象は、開示する治療の施与の前に、腫瘍の全てまたは一部を外科的に切除することができる。いくつかの態様において、コンジュゲートでの処置および照射後に1つまたは複数の化学療法薬が投与される。いくつかの態様において、対象は、転移性腫瘍を有し、かつ、本開示の治療の投与と同時に放射線療法、化学塞栓療法、または両方が投与される。
III. 定義
別段の定義のない限り、本明細書において使用される全ての専門用語、注記、ならびに他の技術および科学用語または関連用語は、請求される主題が属する技術分野の当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有することを意図する。いくつかの場合では、通常理解されている意味を有する用語は、明確化のためおよび/またはすぐに参照できるように本明細書において定義され、本明細書におけるこのような定義の包含は、必ずしも当技術分野において一般に理解されているものと大きな差異をなすと解釈されるべきではない。
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、その文脈が他のことを明確に指示しない限り、複数形の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味する。本明細書に記載される局面および変形は、局面および変形「からなる」および/または「から本質的になる」ことを含むと理解される。
本開示を通して、請求される主題の種々の局面は、範囲形式で提示される。範囲形式の記載は、単に簡便さおよび簡潔さのためのものであり、請求される主題の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、ある範囲について記載は、その範囲内の可能な部分範囲ならびに個々の数値の具体的に開示された全てを有すると見なされるべきである。例えば、ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間にある各中間値、ならびにその規定の範囲の任意の他の規定値または中間値が請求される主題の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれてよく、これもまた請求される主題の範囲内に包含され、規定の範囲内の任意の具体的に除外された限界に従う。規定の範囲がその限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方または両方を除外する範囲もまた請求される主題に含まれる。これは、範囲の幅を問わず適用される。
用語「約」は、本明細書において使用される場合、当技術分野の当業者に容易に公知のそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の付いた値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする態様を含む(かつ記載する)。例えば、「約X」に関する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書において使用される場合、「コンジュゲート」は、1つまたは複数の他の分子、例えばポリペプチドまたは化学部分に直接的または間接的に連結されたポリペプチドを指す。このようなコンジュゲートは、融合タンパク質、化学コンジュゲートによって生産されたもの、および任意の他の方法によって生産されたものを含む。例えば、コンジュゲートは、1つまたは複数の他の分子、例えばポリペプチドまたは化学部分に、例えば細胞表面タンパク質に結合するかまたはそれを標的とする標的化分子に直接的または間接的に連結されたフタロシアニン色素、例えばIR700分子を指しうる。
本明細書において使用される場合、組成物は、2つ以上の生成物、物質、または化合物(細胞を含む)の任意の混合物を指す。組成物は、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
本明細書において使用される場合、「薬学的組成物」または「薬学的製剤」は、その中に含有される活性成分の生物学的活性が有効となる形態の調製物であって、製剤が投与されるであろう対象に対して許容し難い毒性を示す追加の成分を含有しない調製物を指す。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、対象に無毒の、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体は、限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または保存料を含む。
本明細書において使用される場合、キットは、他の要素、例えば追加の試薬とその組み合わせまたは要素の使用説明書とを任意で含む、パッケージングされた組み合わせ物である。
用語「添付文書」は、治療製品の使用に関する適応症、使用、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または注意についての情報を含有する、治療製品の市販のパッケージ内に慣例として含まれる説明書を指すために使用される。
本明細書において使用される場合、「製造品」は、作製され、いくつかの場合では、販売することができる製品である。いくつかの態様において、この用語は、パッケージング品、例えば容器内に含有される組成物を指しうる。
本明細書において使用される場合、「疾患または障害」は、原因または病態(感染、後天的病態、遺伝的病態を非限定的に含む)から生じかつ同定可能な症状によって特徴付けられる、生物の病的状態を指す。本明細書における関心対象の疾患および障害は、免疫グロブリンによって処置可能なものである。
本明細書において使用される場合、疾患または病態を有する対象を「処置する」とは、対象の症状が部分的にもしくは全体的に緩和されるか、または処置後静止したままであることを意味する。それゆえ、処置することは、予防、治療および/または治癒を包含する。予防は、潜在的な疾患の防止および/または症状の悪化もしくは疾患の進行の防止を指す。
本明細書において使用される場合、「処置」は、病態、障害もしくは疾患の症状または他の兆候が寛解するか、またはそうでなければ有益に変更される任意の手法を意味する。
本明細書において使用される場合、「治療効果」は、疾患もしくは病態の症状を変更、典型的には改善もしくは寛解するか、または疾患もしくは病態を治癒する、対象の処置から生じる効果を意味する。
本明細書において使用される場合、「治療有効量」または「治療有効用量」は、治療効果をもたらすのに少なくとも十分である化合物を含有する、薬剤、化合物、材料、または組成物の量を指す。それゆえ、それは、疾患または障害の症状を防止、治癒、寛解、停止または部分的に停止するのに必要な量である。
本明細書において使用される場合、処置による、例えば薬学的組成物または他の治療薬の投与による、特定の疾患または障害の症状の寛解は、組成物または治療薬の投与に起因するまたは関連しうる症状の任意の減少(永久にもしくは一時的に続くかまたは一過性であるかに関わらず)を指す。
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、ヒトのような哺乳動物を含む動物を指す。
本明細書において使用される場合、「任意の」または「任意で」は、その後に記載される事象または状況が起こることまたは起こらないこと、ならびに、その記載が前記の事象または状況が起こる場合と起こらない場合を含むことを意味する。例えば、置換されてもよい基は、その基が置換されていないことまたは置換されていることを意味する。
本出願において言及される特許文書、科学論文およびデータベースを含む全ての刊行物は、それぞれ個々の刊行物が参照によって個々に組み入れられたかのように同程度に、参照によってその全体が全ての目的のために組み入れられる。本明細書に示される定義が参照によって本明細書に組み入れられる特許、出願、公開出願および他の刊行物に示される定義に反しているかまたは他に矛盾している場合、本明細書に示される定義が参照によって本明細書に組み入れられる定義より優先される。
本明細書において使用される項目の見出しは、単に構成を目的としたものであって、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
IV. 例示的な態様
中でも、本明細書に提供される態様は、以下のとおりである。
1. (a)標的化分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する条件下で、標的化分子をフタロシアニン色素と接触させる工程;および
(b)該コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で製剤化する工程
を含む、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを製造する方法であって、
工程(a)~(b)の各々において、
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
方法。
2. (a)標的化分子に共有連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する条件下で、標的化分子をフタロシアニン色素と、色素:標的化分子のモル比が1:1~1000:1または約1:1~1000:1で接触させる工程;および
(b)該コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で0.01mg/mL~約200.0mg/mLまたは約0.01mg/mL~約200.0mg/mLの濃度に製剤化する工程
を含む、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを製造する方法であって、
工程(a)~(b)の各々において、
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
方法。
3. コンジュゲートが、0.01mg/mL~約200.0mg/mLもしくは約0.01mg/mL~約200.0mg/mL、または約0.5mg/mL~約10.0mg/mLの濃度に製剤化される、態様1または態様2の方法。
4. コンジュゲートが、0.5mg/mL~約5.0mg/mLまたは約0.5mg/mL~約5.0mg/mLの濃度に製剤化される、態様1~3のいずれかの方法。
5. 接触工程の前に、フタロシアニン色素が曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または該色素が曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する条件下で、該色素が溶媒に溶解される、態様1~4のいずれかの方法。
6. 色素が、溶媒に0.1mg/mL~約100mg/mLまたは約0.1mg/mL~約100mg/mLの範囲の濃度に溶解される、態様5の方法。
7. 色素が、溶媒に1mg/mL~約50mg/mLまたは約1mg/mL~約50mg/mLの濃度に溶解される、態様5または態様6の方法。
8. 溶媒中のフタロシアニン色素の濃度が約10mg/mLである、態様1~7のいずれかの方法。
9. 溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびDMFならびに水性溶媒から選択される、態様5~8のいずれかの方法。
10. 溶媒がDMSOである、態様5~9のいずれかの方法。
11. 製剤化工程が、コンジュゲートを濃縮する工程を含む、態様1~10のいずれかの方法。
12. 接触工程が、4℃~約37℃または約4℃~約37℃の温度で少なくとも15分間行われる、態様1~11のいずれかの方法。
13. 接触工程が90分間~150分間行われる、態様1~12のいずれかの方法。
14. 接触工程が約25℃±1.0℃の温度で行われる、態様1~13のいずれかの方法。
15. フタロシアニン色素が、標的化分子に共有または非共有連結される、態様1~14のいずれかの方法。
16. フタロシアニン色素が反応性化学基を含み、フタロシアニン色素と標的化分子とを接触させる工程が、標的化分子の付着基に共有結合されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する、態様1~14のいずれかの方法。
17. 濃縮工程の前にコンジュゲートをクエンチングする工程
をさらに含み、
クエンチング工程の間のコンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または
該クエンチング工程の間の該コンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
態様16の方法。
18. 製剤化工程が、限外濾過、透析濾過または透析を含む、態様1~17のいずれかの方法。
19. コンジュゲートの無菌濾過をさらに含む、態様1~18のいずれかの方法。
20. (d)コンジュゲートを1つまたは複数の光保護容器内にパッケージングする工程
をさらに含み、
該パッケージング工程の間、
コンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または
色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
態様1~19のいずれかの方法。
21. (a)フタロシアニン色素を溶媒に約0.1~100mg/mLの濃度に溶解する工程;
(b)標的化分子に連結されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する条件下で、標的化分子をフタロシアニン色素と、色素:標的化分子のモル比が1:1~1000:1で接触させる工程;
(c)該コンジュゲートを薬学的に許容される緩衝液中で0.01~約200.0mg/mLまたは約0.01~約200.0mg/mLの濃度に製剤化する工程;および
(d)該コンジュゲートを1つまたは複数の光保護容器内にパッケージングする工程
を含む、フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを製造する方法であって、
工程(a)~(d)の各々で、
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか、または
該色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
方法。
22. フタロシアニン色素が、標的化分子に共有または非共有連結される、態様21の方法。
23. フタロシアニン色素が反応性化学基を含み、フタロシアニン色素と標的化分子とを接触させる工程が、標的化分子の付着基に共有結合されたフタロシアニン色素を含むコンジュゲートを生産する、態様21または態様22の方法。
24. 前記方法の間、色素およびコンジュゲートの任意の光への総曝露が、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下である、態様1~23のいずれかの方法。
25. パッケージング工程の間、コンジュゲートの任意の光への総曝露が、5000ルクス時間以下、2500ルクス時間以下、1000ルクス時間以下、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下または80ルクス時間以下である、態様20~24のいずれかの方法。
26. 色素が、600nm~約850nmまたは約600nm~約850nmの最大吸収波長を有する、態様1~25のいずれかの方法。
27. 色素が、650nm~約850nmまたは約650nm~約850nmの最大吸収波長を有する、態様1~26のいずれかの方法。
28. 色素が、680nm~約850nmまたは約680nm~約850nmの最大吸収波長を有する、態様1~27のいずれかの方法。
29. フタロシアニン色素が、式:
を含み、式中、
Lは、リンカーであり;
Qは、標的化分子への色素の付着のための反応性基であり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールの中から選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22およびR
23は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択され;かつ
X
2およびX
3は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンである、
態様1~28のいずれかの方法。
30. 反応性基が、アミン反応性化学基、スルフヒドリル反応性化学基、活性化エステル、ハロゲン化アシル、ハロゲン化アルキル、無水物、カルボン酸、カルボジイミド、カルボナート、カルバマート、ハロアセトアミド、イソシアナート、イソチオシアナート、マレイミド、ホスホロアミダイト、白金錯体、スルホン酸エステルおよびチオシアナートの中から選択される、態様1~29のいずれかの方法。
31. 反応性化学基が、マレイミド、ハロアセチルおよびピリジルジスルフィドの中から選択されるスルフヒドリル反応性化学基である、態様30のいずれかの方法。
32. フタロシアニン色素が、標的化分子のリジン残基に共有結合される、態様1~30のいずれかの方法。
33. 反応性基が、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルであるアミン反応性化学基である、態様32の方法。
34. フタロシアニン色素が、式:
を含み、式中、
X
1およびX
4は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンであり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;かつ
R
16、R
17、R
18およびR
19は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択される、
態様1~30および32~33のいずれかの方法。
35. フタロシアニン色素がIRDye 700DX-NHS(IR700-NHS)を含む、態様1~34のいずれかの方法。
36. 標的化分子が、抗原またはタンパク質に直接的または間接的に結合する、態様1~35のいずれかの方法。
37. 標的化分子が、第一の結合分子に結合する第二の結合分子であり、第一の結合分子が、抗原またはタンパク質に結合することが可能である、態様36の方法。
38. 標的化分子が二次抗体である、態様36または態様37の方法。
39. 標的化分子が、細胞または病原体の表面の細胞表面標的分子に結合する、態様1~38のいずれかの方法。
40. 細胞が、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、または病原体感染細胞である、態様39の方法。
41. 病原体が、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、および他の原核細胞系の中から選択される、態様39または態様40の方法。
42. 細胞が、がん細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞または神経細胞である、態様39または態様40の方法。
43. 細胞が、疾患または病態と関連する病変の微小環境中に存在する、態様39~42のいずれかの方法。
44. 病変が腫瘍であり、かつ、細胞ががん細胞または腫瘍細胞である、態様43の方法。
45. 細胞が、がん幹細胞または循環腫瘍細胞である、態様39または態様40の方法。
46. 炎症性細胞が、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球の中から選択される白血球である、態様42の方法。
47. 神経細胞が、末梢神経系神経細胞または中枢神経系神経細胞である、態様42の方法。
48. 神経細胞が、熱侵害受容器、機械侵害受容器、化学侵害受容器および多モード侵害受容器の中から選択される侵害受容器である、態様42または態様47の方法。
49. 細胞表面標的分子が、抗原、ポリペプチド、脂質もしくは炭水化物、またはそれらの組み合わせを含む、態様39~48のいずれかの方法。
50. 細胞表面標的分子が、細胞膜リン脂質、原核生物ペプチドグリカン、細菌細胞エンベロープタンパク質、ウイルスカプシドタンパク質、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体((セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、IL11-R、IL-13R、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、ならびにY5の中から選択される、態様39~49のいずれかの方法。
51. 細胞表面標的分子が、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(GD2、GD3、GM1およびGM2など)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、およびSMOの中から選択される、態様39~50のいずれかの方法。
52. 細胞表面標的分子が、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)である、態様39~51のいずれかの方法。
53. 標的化分子の少なくとも一部が、タンパク質、糖タンパク質、抗体、抗体断片、抗原、抗原結合断片、ペプチド、ポリペプチド、組織ホーミングペプチド、低分子、合成高分子、高分子ナノ粒子、リポソーム、酵素基質、ホルモン、神経伝達物質、細胞代謝物質、ウイルス粒子、ウイルスカプシド、ウイルスナノ粒子、細菌粒子、マーカー、細胞、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、単量体ストレプトアビジン、ビオチン、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、デオキシ核酸、DNAの断片、RNAの断片、アプタマー、ヌクレオチド三リン酸、アシクロターミネーター三リン酸もしくはPNAから選択されるか、またはそれらの組み合わせである、態様1~52のいずれかの方法。
54. 標的化分子が、組織特異的ホーミングペプチドである、態様1~53のいずれかの方法。
55. ホーミングペプチドが、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりのアミノ酸の配列を有する、態様54の方法。
56. 標的化分子が、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、または切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)である、態様1~53のいずれかの方法。
57. 標的化分子が、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、ボンベシン、ブラジキニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、骨形成タンパク質2(BMP-2)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、カルシトニン、カルジオトロフィン1(BMP-2)、CD22、CD40、コレシストキニン(CCK)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、CCL1~CCL28、CXCL1~CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、クリプト1結合ペプチド、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、エンドセリン1、エンドセリン1/3、FAS-リガンド、線維芽細胞成長因子1(FGF-1)、線維芽細胞成長因子2(FGF-2)、線維芽細胞成長因子4(FGF-4)、線維芽細胞成長因子5(FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(FGF-6)、線維芽細胞成長因子1(FGF-7)、線維芽細胞成長因子1(FGF-10)、Flt-3、ガストリン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、肝細胞成長因子(HGF)、インターフェロンアルファ(IFN-a)、インターフェロンベータ(IFN-b)、インターフェロンガンマ(IFNg)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インスリン様成長因子2(IGF-2)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン19(IL-19)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成放出ホルモン(LHRH)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、マクロファージ炎症性タンパク質3b(MIP-3b)、神経成長因子(NGF)、ニューロメジンB、ニューロトロフィン3(NT-3)、ニューロトロフィン4(NT-4)、ニューロテンシン、神経ペプチドY、オキシトシン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、血小板由来成長因子AA(PDGF-AA)、血小板由来成長因子AB(PDGF-AB)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、血小板由来成長因子CC(PDGF-CC)、血小板由来成長因子DD(PDGF-DD)、ネトリン-1(NTN1)、ネトリン-2(NTN2)、ネトリン-4(NTN4)、ネトリン-G1(NTNG1)およびネトリン-G2(NTNG2)、エフリンA1(EFNA1)、エフリンA2(EFNA2)、エフリンA3(EFNA3)、エフリンA4(EFNA4)、エフリンA5(EFNA5)、セマフォリン3A(SEMA3A)、セマフォリン3B(SEMA3B)、セマフォリン3C(SEMA3C)、セマフォリン3D(SEMA3D)、セマフォリン3F(SEMA3F)、セマフォリン3G(SEMA3G)、セマフォリン4A(SEMA4A)、セマフォリン4B(SEMA4B)、セマフォリン4C(SEMA4C)、セマフォリン4D(SEMA4D)、セマフォリン4F(SEMA4F)、セマフォリン4G(SEMA4G)、セマフォリン5A(SEMA5A)、セマフォリン5B(SEMA5B)、セマフォリン6A(SEMA6A)、セマフォリン6B(SEMA6B)、セマフォリン6D(SEMA6D)、セマフォリン7A(SEMA7A)、SLIT1、SLIT2、SLIT3、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー1(SLITRK1)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー2(SLITRK2)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー3(SLITRK3)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー4(SLITRK4)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー5(SLITRK5)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6)、プロスタグランジンE2(PGE2)、RANTES、ソマトスタチン-14、ソマトスタチン-28、幹細胞因子(SCF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)、サブスタンスP、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-b)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、トロンビン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、Wntl、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wntl0a、Wntl0b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16、ソニック・ヘッジホッグ、デザート・ヘッジホッグ、ならびにインディアン・ヘッジホッグの中から選択される、態様1~53のいずれかの方法。
58. 標的化分子が、抗体または抗体断片である、態様1~53のいずれかの方法。
59. 抗体が、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan, Mabthera)、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin)、ダクリズマブ(Zenapax)、ゲムツズマブ(Mylotarg)、アレムツズマブ、CEA-scan Fab断片、OC125モノクローナル抗体、ab75705、B72.3、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、BMS-935559、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MSB001078C、およびMEDI4736の中から選択されるか、またはその抗原結合断片である、態様58の方法。
60. 抗体が、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、および癌胎児性抗原(CEA)の中から選択される細胞表面標的分子に結合する、態様58の方法。
61. 抗体が、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280AおよびMSB0010718Cの中から選択されるか、またはその抗原結合断片である、態様58~60のいずれかの方法。
62. 色素-標的化分子コンジュゲートが、セツキシマブ-IR700、パニツムマブ-IR700、トラスツズマブ-IR700、BMS-935559-IR700、MEDI4736-IR700、MPDL3280A-IR700およびMSB0010718C-IR700の中から選択される、態様1~61のいずれかの方法。
63. 標的化分子をフタロシアニン色素と接触させる工程(b)が、色素:標的化分子のモル比が1:1~100:1または1:1~10:1である、態様1~62のいずれかの方法。
64. 色素:標的化分子のモル比が、少なくとも4:1もしくは少なくとも約4:1であるか、または少なくとも10:1もしくは少なくとも約10:1である、態様1~63のいずれかの方法。
65. 生産されたコンジュゲートが、1標的化分子当たり1~約1000もしくは約1~約1000のフタロシアニン色素分子、1標的化分子当たり1~約10もしくは約1~約10のフタロシアニン色素分子、または1標的化分子当たり2~約5もしくは約2~約5のフタロシアニン色素分子を含む、態様1~64のいずれかの方法。
66. コンジュゲートが、1.0~約5.0mg/mLまたは約1.0~約5.0mg/mLである濃度に製剤化される、態様1~65のいずれかの方法。
67. 薬学的に許容される緩衝液がリン酸緩衝生理食塩水である、態様1~66のいずれかの方法。
68. 薬理学的に許容される緩衝液がpH6.0~約pH8.0または約pH6.0~約pH8.0のpHを含み、コンジュゲートが3か月を超えて安定である、態様1~67のいずれかの方法。
69. 3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、その効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多く、または約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合に、コンジュゲートが安定である、態様68の方法。
70. コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合に、コンジュゲートが安定である、態様68の方法。
71. 薬理学的に許容される緩衝液がpH6.8~約pH7.4または約pH6.8~約pH7.4のpHを含む、態様68~70のいずれかの方法。
72. 色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が、約425nm~約575nmの範囲内の波長を有する、態様1~71のいずれかの方法。
73. 色素およびコンジュゲートが曝露される唯一の光が、200ルクス未満の強度を有する、態様1~72のいずれかの方法。
74. 容器が、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様20~73のいずれかの方法。
75. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、容器が光の透過から保護する、態様74の方法。
76. 容器が、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様20~75のいずれかの方法。
77. 容器が、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される、態様20~76のいずれかの方法。
78. 光保護容器が第一の光保護容器であり、方法が、第一の光保護容器を第二の光保護容器内にパッケージングする工程をさらに含む、態様20~77のいずれかの方法。
79. 第二の容器が、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様78の方法。
80. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、第二の容器が光の透過から保護する、態様78または態様79の方法。
81. 第二の容器が、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様78~80のいずれかの方法。
82. 第二の容器が、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される、態様78~81のいずれかの方法。
83. 第二の容器を第三の光保護容器内にパッケージングする工程をさらに含む、態様78~82のいずれかの方法。
84. 第三の容器が、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様83の方法。
85. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、第三の容器が光の透過から保護する、態様84の方法。
86. 第三の容器が、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様84または態様85の方法。
87. 第三の容器が、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される、態様83~86のいずれかの方法。
88. 前記方法によって生産されるコンジュゲートの量が、1グラム超もしくは約1グラム超、2グラム超もしくは約2グラム超、3グラム超もしくは約3グラム超、4グラム超もしくは約4グラム超、5グラム超もしくは約5グラム超、または10グラム超もしくは約10グラム超である、態様1~87のいずれかの方法。
89. コンジュゲートが適正製造基準(GMP)を使用して生産される、態様1~88のいずれかの方法。
90. 態様1~89のいずれかの方法によって生産、製剤化またはパッケージングされたコンジュゲート。
91. 3か月を超えて安定である、態様90のコンジュゲート。
92. 標的化分子に連結されたフタロシアニン色素を含み、3か月を超えて安定である、安定なコンジュゲート。
93. 3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、その効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多く、または約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合、安定である、態様91または態様92のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
94. コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合、安定である、態様91または態様92のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
95. コンジュゲートの95%超が主要単量体成分として存在する場合、安定である、態様94のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
96. 6か月を超えてまたは12か月を超えて安定である、態様90~95のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
97. 30℃未満の温度で安定である、態様90~96のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
98. フタロシアニン色素が、式:
を含み、式中、
Lは、リンカーであり;
Qは、標的化分子への色素の付着のための反応性基であり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールの中から選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;
R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22およびR
23は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択され;かつ
X
2およびX
3は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンである、
態様90~97のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
99. フタロシアニン色素が、式:
を含み、式中、
X
1およびX
4は、各々独立して、ヘテロ原子が介在していてもよいC
1-C
10アルキレンであり;
R
2、R
3、R
7、およびR
8は、各々独立して、置換されてもよいアルキルおよび置換されてもよいアリールから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11は、各々独立して、水素、置換されてもよいアルキル、置換されてもよいアルカノイル、置換されてもよいアルコキシカルボニル、置換されてもよいアルキルカルバモイル、およびキレート配位子の中から選択され、ここで、R
4、R
5、R
6、R
9、R
10、およびR
11の少なくとも1つは、水溶性基を含み;かつ
R
16、R
17、R
18およびR
19は、各々独立して、水素、ハロゲン、置換されてもよいアルキルチオ、置換されてもよいアルキルアミノおよび置換されてもよいアルコキシの中から選択される、
態様90~98のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
100. 色素が、600nm~約850nmもしくは約600nm~約850nm、650nm~約850nmもしくは約650nm~約850nm、または680nm~約850nmもしくは約680nm~約850nmの最大吸収波長を有する、態様90~99のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
101. 色素がIRDye 700DX(IR700)を含む、態様90~100のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
102. 標的化分子が、細胞または病原体の表面の細胞表面標的分子に結合する、態様90~101のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
103. 細胞が、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、または病原体感染細胞である、態様90~102のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
104. 病原体が、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、および他の原核細胞系の中から選択される、態様102または態様103のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
105. 細胞が、増殖性細胞、がん細胞、過形成状態の細胞、腫瘍細胞、炎症性細胞、神経細胞、または病原体である、態様102または態様103のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
106. 炎症性細胞が、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球の中から選択される白血球である、態様105のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
107. 神経細胞が、末梢神経系神経細胞または中枢神経系神経細胞である、態様105のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
108. 神経細胞が、熱侵害受容器、機械侵害受容器、化学侵害受容器および多モード侵害受容器の中から選択される侵害受容器である、態様105または態様107のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
109. 細胞表面標的分子が、抗原、ポリペプチド、脂質もしくは炭水化物、またはそれらの組み合わせを含む、態様102~108のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
110. 細胞表面標的分子が、細胞膜リン脂質、原核生物ペプチドグリカン、細菌細胞エンベロープタンパク質、ウイルスカプシドタンパク質、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体((セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、IL11-R、IL-13R、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、およびY5の中から選択される、態様102~109のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
111. 細胞表面標的分子が、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、およびSMOの中から選択される、態様102~110のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
112. 細胞表面標的分子が、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、CD25、EpCAM、EphA2、CD206、CD20、CD44、CD133、メソテリン、グリピカン-3、または癌胎児性抗原(CEA)である、態様102~111のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
113. 標的化分子の少なくとも一部が、タンパク質、糖タンパク質、抗体、抗体断片、抗原、抗原結合断片、ペプチド、ポリペプチド、組織ホーミングペプチド、低分子、合成高分子、高分子ナノ粒子、リポソーム、酵素基質、ホルモン、神経伝達物質、細胞代謝物質、ウイルス粒子、ウイルスカプシド、ウイルスナノ粒子、細菌粒子、マーカー、細胞、ハプテン、アビジン、ストレプトアビジン、単量体ストレプトアビジン、ビオチン、炭水化物、オリゴ糖、多糖、核酸、デオキシ核酸、DNAの断片、RNAの断片、アプタマー、ヌクレオチド三リン酸、アシクロターミネーター三リン酸もしくはPNAから選択されるか、またはそれらの組み合わせである、態様90~112のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
114. 標的化分子が、組織特異的ホーミングペプチドである、態様90~113のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
115. ホーミングペプチドが、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりの配列を有する、態様114のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
116. 標的化分子が、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、または切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)である、態様90~113のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
117. 標的化分子が、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンジオテンシンII、心房性ナトリウム利尿因子(ANF)、ボンベシン、ブラジキニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、骨形成タンパク質2(BMP-2)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、カルシトニン、カルジオトロフィン1(BMP-2)、CD22、CD40、コレシストキニン(CCK)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、CCL1~CCL28、CXCL1~CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、クリプト1結合ペプチド、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、エンドセリン1、エンドセリン1/3、FAS-リガンド、線維芽細胞成長因子1(FGF-1)、線維芽細胞成長因子2(FGF-2)、線維芽細胞成長因子4(FGF-4)、線維芽細胞成長因子5(FGF-5)、線維芽細胞成長因子6(FGF-6)、線維芽細胞成長因子1(FGF-7)、線維芽細胞成長因子1(FGF-10)、Flt-3、ガストリン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、肝細胞成長因子(HGF)、インターフェロンアルファ(IFN-a)、インターフェロンベータ(IFN-b)、インターフェロンガンマ(IFNg)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、インスリン様成長因子2(IGF-2)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン13(IL-13)、インターロイキン15(IL-15)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン19(IL-19)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成放出ホルモン(LHRH)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質3a(MIP-3a)、マクロファージ炎症性タンパク質3b(MIP-3b)、神経成長因子(NGF)、ニューロメジンB、ニューロトロフィン3(NT-3)、ニューロトロフィン4(NT-4)、ニューロテンシン、神経ペプチドY、オキシトシン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、血小板由来成長因子AA(PDGF-AA)、血小板由来成長因子AB(PDGF-AB)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、血小板由来成長因子CC(PDGF-CC)、血小板由来成長因子DD(PDGF-DD)、ネトリン-1(NTN1)、ネトリン-2(NTN2)、ネトリン-4(NTN4)、ネトリン-G1(NTNG1)およびネトリン-G2(NTNG2)、エフリンA1(EFNA1)、エフリンA2(EFNA2)、エフリンA3(EFNA3)、エフリンA4(EFNA4)、エフリンA5(EFNA5)、セマフォリン3A(SEMA3A)、セマフォリン3B(SEMA3B)、セマフォリン3C(SEMA3C)、セマフォリン3D(SEMA3D)、セマフォリン3F(SEMA3F)、セマフォリン3G(SEMA3G)、セマフォリン4A(SEMA4A)、セマフォリン4B(SEMA4B)、セマフォリン4C(SEMA4C)、セマフォリン4D(SEMA4D)、セマフォリン4F(SEMA4F)、セマフォリン4G(SEMA4G)、セマフォリン5A(SEMA5A)、セマフォリン5B(SEMA5B)、セマフォリン6A(SEMA6A)、セマフォリン6B(SEMA6B)、セマフォリン6D(SEMA6D)、セマフォリン7A(SEMA7A)、SLIT1、SLIT2、SLIT3、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー1(SLITRK1)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー2(SLITRK2)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー3(SLITRK3)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー4(SLITRK4)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー5(SLITRK5)、SLITおよびNTRK様ファミリーメンバー6(SLITRK6)、プロスタグランジンE2(PGE2)、RANTES、ソマトスタチン-14、ソマトスタチン-28、幹細胞因子(SCF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)、サブスタンスP、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-b)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、トロンビン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、Wntl、Wnt2、Wnt2b/13、Wnt3、Wnt3a、Wnt4、Wnt5a、Wnt5b、Wnt6、Wnt7a、Wnt7b、Wnt7c、Wnt8、Wnt8a、Wnt8b、Wnt8c、Wntl0a、Wntl0b、Wnt11、Wnt14、Wnt15、またはWnt16、ソニック・ヘッジホッグ、デザート・ヘッジホッグ、ならびにインディアン・ヘッジホッグの中から選択される、態様90~113のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
118. 標的化分子が抗体または抗体断片である、態様90~113のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
119. 抗体が、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブ、Ado-トラスツズマブエムタンシン、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan, Mabthera)、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin)、ダクリズマブ(Zenapax)、ゲムツズマブ(Mylotarg)、アレムツズマブ、CEA-scan Fab断片、OC125モノクローナル抗体、ab75705、B72.3、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペルツズマブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、BMS-935559、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MSB001078C、およびMEDI4736の中から選択されるか、またはその抗原結合断片である、態様118のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
120. 抗体が、HER1/EGFR、HER2、PD-L1、および癌胎児性抗原(CEA)の中から選択される細胞表面標的分子に結合する、態様118または態様119のコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
121. 抗体が、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280AおよびMSB0010718Cの中から選択されるか、またはその抗原結合断片である、態様118~120のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
122. 色素-標的化分子コンジュゲートが、セツキシマブ-IR700、パニツムマブ-IR700、トラスツズマブ-IR700、BMS-935559-IR700、MEDI4736-IR700、MPDL3280A-IR700およびMSB0010718C-IR700の中から選択される、態様118~121のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
123. 1標的化分子当たり1~約1000もしくは約1~約1000のフタロシアニン色素分子、1標的化分子当たり1~約10もしくは約1~約10、または2~約5もしくは約2~約5のフタロシアニン色素分子を含む、態様90~122のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲート。
124. 態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲートを含む、組成物。
125. 態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートまたは安定なコンジュゲートと薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
126. リン酸緩衝生理食塩水中に製剤化されている、態様124または態様125の組成物。
127. 6.0を超えるpHを有する、態様124~126のいずれかの組成物。
128. 標的化分子に連結されたフタロシアニン色素と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物であって、
6.0を超えるpHを有し;かつ
組成物中のコンジュゲートが3か月を超えて安定である、薬学的組成物。
129. 組成物中のコンジュゲートが、3か月を超えて保存する前のコンジュゲートと比較して、その効力、活性または純度の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多く、または約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くを3か月を超えて保持する場合、安定である、態様128の薬学的組成物。
130. 組成物中のコンジュゲートが、該コンジュゲートの90%超が主要単量体成分として存在する場合、安定である、態様128の薬学的組成物。
131. pHが6.0を超えているか、または両端の値を含んでpH6.0~約8.0もしくは約pH6.0~約8.0である、態様127~130のいずれかの組成物。
132. 組成物中のコンジュゲートの濃度が、0.01mg/mL~約200mg/mLまたは約0.01mg/mL~約200mg/mLである、態様124~131のいずれかの組成物。
133. 組成物中のコンジュゲートの濃度が、0.5mg/mL~約10mg/mLまたは約0.5mg/mL~約10mg/mLである、態様124~132のいずれかの組成物。
134. 組成物中のコンジュゲートの濃度が、1.0~約5.0mg/mLまたは約1.0~約5.0mg/mLである、態様124~133のいずれかの組成物。
135. 組成物中のコンジュゲートの濃度が、1.8~約2.1mg/mLまたは約1.8~約2.1mg/mLである、態様124~134のいずれかの組成物。
136. 組成物の容量が、0.5mL~約100mLもしくは約0.5mL~約100mL、1mL~約50mLもしくは約1mL~約50mL、または1mL~約10mLもしくは約1mL~約10mLである、態様124~135のいずれかの組成物。
137. 態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートもしくは安定なコンジュゲートまたは態様124~136のいずれかの組成物を含む、容器。
138. 500nm~約725nmもしくは約500nm~約725nm、または650nm~約725nmもしくは約650nm~約725nmの波長を有する光の透過から保護する、態様137の容器。
139. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光の透過から保護する、態様137または態様138の容器。
140. 緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様137~139のいずれかの容器。
141. フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを光から保護するためのパッケージングシステムであって、
態様137~140のいずれかの容器を含む第一の容器;および
第一の容器を含み、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、第二の容器
を含む、パッケージングシステム。
142. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、第二の容器が光の透過から保護する、態様141のパッケージングシステム。
143. 第二の容器が、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様141または態様142のパッケージングシステム。
144. 第一の結合分子および第二の容器が、独立して、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される、態様141~143のいずれかのパッケージングシステム。
145. パッケージングシステムが、第二の容器を含む第三の容器をさらに含み、第三の容器が、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様141~144のいずれかのパッケージングシステム。
146. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、第三の容器が光の透過から保護する、態様145のパッケージングシステム。
147. 第三の容器が、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様145または態様146のパッケージングシステム。
148. 第三の容器が、バイアル、チューブ、シリンジ、バッグ、パウチ、および箱の中から選択される、態様145~147のいずれかのパッケージングシステム。
149. 態様137~140のいずれかの容器または態様141~148のいずれかのパッケージングシステム;
フタロシアニン色素-標的化分子コンジュゲートを含む組成物を投与可能なデバイスを被覆することが可能な光保護カバー;および
任意で使用説明書
を含む、キット。
150. 投与デバイスが静注バッグである、態様149のキット。
151. 光保護カバーが、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様149または態様150のキット。
152. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光保護カバーが光の透過から保護する、態様149~151のいずれかのキット。
153. 光保護カバーが、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様149~152のいずれかのキット。
154. 態様137~140のいずれかの1つまたは複数の容器または態様141~148のいずれかの1つまたは複数のパッケージングシステムを脱パッケージングする工程;および
該1つまたは複数の容器内に存在する組成物を、該組成物を対象に投与可能なデバイスに移す工程
を含む、投与のためのフタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を調製する方法であって、
該組成物が曝露される唯一の光が約400nm~約650nmの範囲内の波長を有するか;または
該組成物が曝露される唯一の光が500ルクス未満の強度を有する、
方法。
155. 組成物が曝露される唯一の光が200ルクス未満または100ルクス未満の強度を有する、態様154の方法。
156. バイオセーフティーキャビネット、バイオセーフティーフードまたは無菌環境で実施される、態様154または態様155の方法。
157. 1つまたは複数の容器が合わせて、治療有効用量のフタロシアニン色素コンジュゲートを含む、態様154~156のいずれかの方法。
158. 1つまたは複数の容器が、少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24個、または約少なくとも2、4、6、8、10、12、18もしくは24個の容器を含む、態様154~157のいずれかの方法。
159. 前記方法が、1時間以下、30分間以下もしくは15分間以下で行われるか;または
前記方法の間の組成物の任意の光への総曝露が、500ルクス時間以下、250ルクス時間以下、100ルクス時間以下、50ルクス時間以下もしくは25ルクス時間以下である、
態様154~158のいずれかの方法。
160. 投与デバイスが静注バッグである、態様154~159のいずれかの方法。
161. 投与デバイスが、該デバイスを被覆することが可能な光保護カバーを含む、態様154~160のいずれかの方法。
162. 光保護カバーが、250nm~約800nmもしくは約250nm~約800nm、約250nm~約450nm、約400nm~約800nm、約450nm~約650nm、または約600nm~約720nmの波長を有する光の透過から保護する、態様161の方法。
163. 光の透過率が50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満または5%未満であるように、光保護カバーが光の透過から保護する、態様161または態様162の方法。
164. 光保護カバーが、緑色、青色、琥珀色、半透明、不透明であるか、または50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満もしくは5%未満の光透過率を有する材料によって被覆されている、態様154~163のいずれかの方法。
165. 態様154~164のいずれかの方法によって調製される組成物を含む、光保護デバイス。
166. (a)フタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を態様165の光保護デバイスから対象に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該組成物が500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程
を含む、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法。
167. (a)フタロシアニン色素コンジュゲートを含む組成物を態様165の光保護デバイスから試料に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該組成物が500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞を除去する工程
を含む、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法。
168. (a)態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートもしくは安定なコンジュゲートまたは態様124~136のいずれかの組成物の治療有効量を対象に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞を除去する工程
を含む、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法。
169. (a)態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートもしくは安定なコンジュゲートまたは態様124~136のいずれかの組成物の治療有効量を試料に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞を除去する工程
を含む、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法。
170. (a)不要な細胞または病原体に結合可能な標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を対象に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程
を含む、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法。
171. (a)不要な細胞または病原体に結合可能な標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を試料に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞または病原体を除去する工程
を含む、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法。
172. (a)不要な細胞または病原体に結合可能な第一の結合分子の治療有効量を対象に投与する工程;
(b)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子を該対象に投与する工程であって、該標的化分子が第一の結合分子に結合可能な第二の結合分子である、工程;および
(c)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって対象における不要な細胞または病原体を除去する工程
を含む、対象における不要な細胞または病原体を除去する方法。
173. 第一の結合分子がコンジュゲートの前に対象に投与されるか、または第一の結合分子およびコンジュゲートが同時に対象に投与される、態様172の方法。
174. (a)不要な細胞または病原体に結合可能な第一の結合分子の治療有効量を試料に投与する工程;
(b)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子を該試料に投与する工程であって、該標的化分子が、第一の結合分子に結合可能な第二の結合分子である、工程;および
(c)不要な細胞または病原体に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって試料における不要な細胞または病原体を除去する工程
を含む、試料における不要な細胞または病原体を除去する方法。
175. 試料が血液試料または組織試料である、態様167、169、171および174のいずれかの方法。
176. インビトロまたはエクスビボで実施される、態様167、169、171、174および175のいずれかの方法。
177. 体外デバイスを使用して実施される、態様175の方法。
178. 第一の結合分子がコンジュゲートの前に試料に投与されるか、または第一の結合分子およびコンジュゲートが同時に試料に投与される、態様172~177のいずれかの方法。
179. 標的化分子が二次抗体である、態様166~178のいずれかの方法。
180. コンジュゲートの投与の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、態様166~179のいずれかの方法。
181. 細胞が、幹細胞、増殖性細胞、過形成状態の細胞、炎症性細胞、T細胞であってもよい負制御性免疫細胞、病原体感染細胞、神経細胞、脂肪細胞またはアディポサイトである、態様166~180のいずれかの方法。
182. 細胞ががん細胞または腫瘍細胞である、態様166~181のいずれかの方法。
183. 細胞が、疾患もしくは病態と関連するか、それを引き起こすかまたはその病因の一因となる、態様166~182のいずれかの方法。
184. 疾患もしくは病態が、腫瘍もしくはがん、感染症、炎症性疾患もしくは病態、または神経疾患もしくは病態である、態様183の方法。
185. 細胞が神経細胞であり、疾患もしくは病態が、疼痛であってもよい神経障害であり;
細胞が脂肪細胞もしくはアディポサイトであり、疾患もしくは病態が過剰な脂肪を伴い;
細胞が病原体感染細胞であり、疾患もしくは病態が感染症であり;
細胞が病原体であり、疾患もしくは病態が感染症であり;
細胞が炎症性細胞であり、疾患もしくは病態が炎症性疾患であり;
細胞が、制御性T細胞であってもよい免疫細胞であり、疾患もしくは病態が腫瘍もしくはがんであるか;または
細胞が腫瘍もしくはがん細胞であり、疾患もしくは病態が腫瘍もしくはがんである、
態様183または態様184の方法。
186. 細胞が、疾患もしくは病態と関連する病変の微小環境中に存在するか、または過形成状態にある、態様166~185のいずれかの方法。
187. 病変が腫瘍であり、疾患または病態が腫瘍またはがんである、態様186の方法。
188. 前記疾患または病態を処置する、態様183~187のいずれかの方法。
189. (a)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子の治療有効量を対象に投与する工程であって、該標的化分子が病原体感染細胞に直接的または間接的に結合することが可能である、工程;および
(b)該病原体感染細胞に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該対象における該病原体感染細胞を除去する工程
を含む、対象における病原体感染細胞を除去する方法。
190. (a)標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲート分子の治療有効量を試料に投与する工程であって、該標的化分子が病原体感染細胞に直接的または間接的に結合することが可能である、工程;および
(b)該病原体感染細胞に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該試料における該病原体感染細胞を除去する工程
を含む、試料における病原体感染細胞を除去する方法。
191. 試料が血液試料または組織試料である、態様190の方法。
192. インビトロまたはエクスビボで実施される、態様190または態様191の方法。
193. 体外デバイスを使用して実施される、態様192の方法。
194. 病原体が、ウイルス、細菌、真菌、バイオフィルム、または他の原核細胞系である、態様189~192のいずれかの方法。
195. コンジュゲートの投与の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、態様189~194のいずれかの方法。
196. (a)態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートもしくは安定なコンジュゲートまたは態様124~136のいずれかの組成物の治療有効量を対象に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)過形成または腫瘍に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該対象における腫瘍を処置する工程
を含む、対象における過形成または腫瘍を処置する方法。
197. (a)態様90~123および234~236のいずれかのコンジュゲートもしくは安定なコンジュゲートまたは態様124~136のいずれかの組成物の治療有効量を試料に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)過形成または腫瘍に、660~740nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該試料における腫瘍を処置する工程
を含む、試料における過形成または腫瘍を処置する方法。
198. (a)コンジュゲートを腫瘍または過形成へ標的指向させる標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を対象に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)該過形成または腫瘍に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該対象における腫瘍を処置する工程
を含む、対象における過形成または腫瘍を処置する方法。
199. (a)コンジュゲートを腫瘍または過形成へ標的指向させる標的化分子に連結されたIRDye 700DX(IR700)を含むコンジュゲートの治療有効量を試料に投与する工程であって、該投与工程の前および間に、該コンジュゲートが500ルクスを超える強度の環境光に曝露されない、工程;および
(b)該過形成または腫瘍に、600~800nmの波長で、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量で照射し、それによって該試料における腫瘍を処置する工程
を含む、試料における過形成または腫瘍を処置する方法。
200. 試料が血液試料または組織試料である、態様197または態様199の方法。
201. インビトロまたはエクスビボで実施される、態様197、199または200のいずれかの方法。
202. 体外デバイスを使用して実施される、態様201の方法。
203. コンジュゲートの標的化分子が、該コンジュゲートを腫瘍または該腫瘍の微小環境へ標的指向させる、腫瘍を処置するための態様196~202のいずれかの方法。
204. 腫瘍を照射する工程が、600~800nmの波長で、かつ、少なくとも1J cm
-2または1J/ファイバ長cmの線量での照射であり、それによって腫瘍を処置する、態様203の方法。
205. 標的化分子が、抗体、抗原結合断片、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ウイルス、ウイルスカプシド、またはウイルス粒子である、態様166~204のいずれかの方法。
206. 標的化分子が抗体または抗体断片である、態様166~205のいずれかの方法。
207. 投与が、蛍光照明またはLED照明下で、かつ、直接または間接太陽光の非存在下で実施される、態様166~206のいずれかの方法。
208. 投与工程の前および間、コンジュゲートの500ルクス未満の光への任意の曝露が、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満である、態様166~207のいずれかの方法。
209. コンジュゲートの任意の光への曝露が、50ルクス以下である強度の光である、態様208の方法。
210. 腫瘍ががんである、態様196~209のいずれかの方法。
211. がんが、頭頸部、乳房、肝臓、結腸、卵巣、前立腺、膵臓、脳、子宮頸部、骨、皮膚、眼、膀胱、胃、食道、腹膜、または肺に位置するがんである、態様184、185、187および210のいずれかの方法。
212. がんが血液のがんである、態様210または態様211の方法。
213. コンジュゲートが、腫瘍微小環境中に存在する細胞の表面に発現されるタンパク質へ標的指向されている、態様196~212のいずれかの方法。
214. 細胞が、腫瘍細胞、免疫細胞またはがん幹細胞である、態様213の方法。
215. 細胞の表面に発現されるタンパク質が、ACTHR、内皮細胞Anxa-1、アミノペプチダーゼN、抗IL-6R、アルファ-4-インテグリン、アルファ-5-ベータ-3 インテグリン、アルファ-5-ベータ-5 インテグリン、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ANPA、ANPB、APA、APN、APP、1AR、2AR、AT1、B1、B2、BAGE1、BAGE2、B細胞受容体BB1、BB2、BB4、カルシトニン受容体、癌抗原125(CA 125)、CCK1、CCK2、CD5、CD10、CD11a、CD13、CD14、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD52、CD56、CD68、CD90、CD133、CD7、CD15、CD34、CD44、CD206、CD271、CEA(癌胎児性抗原)、CGRP、ケモカイン受容体、細胞表面アネキシン-1、細胞表面プレクチン-1、クリプト-1、CRLR、CXCR2、CXCR4、DCC、DLL3、E2糖タンパク質、EGFR、EGFRvIII、EMR1、エンドシアリン、EP2、EP4、EpCAM、EphA2、ET受容体、フィブロネクチン、フィブロネクチンED-B、FGFR、frizzled受容体、GAGE1、GAGE2、GAGE3、GAGE4、GAGE5、GAGE6、GLP-1受容体、ファミリーAのGタンパク質共役受容体(ロドプシン様)、ファミリーBのGタンパク質共役受容体((セクレチン受容体様)様)、ファミリーCのGタンパク質共役受容体(代謝型グルタミン酸受容体様)、GD2、GP100、GP120、グリピカン-3、ヘマグルチニン、ヘパリン硫酸、HER1、HER2、HER3、HER4、HMFG、HPV 16/18およびE6/E7抗原、hTERT、IL11-R、IL-13R、ITGAM、カリクレイン-9、ルイスY、LH受容体、LHRH-R、LPA1、MAC-1、MAGE1、MAGE2、MAGE3、MAGE4、MART1、MC1R、メソテリン、MUC1、MUC16、Neu(細胞表面ヌクレオリン)、ネプリライシン、ニューロピリン-1、ニューロピリン-2、NG2、NK1、NK2、NK3、NMB-R、Notch-1、NY-ESO-1、OT-R、突然変異体p53、p97黒色腫抗原、NTR2、NTR3、p32(p32/gC1q-R/HABP1)、p75、PAC1、PAR1、Patched(PTCH)、PDGFR、PDFG受容体、PDT、プロテアーゼ切断コラーゲンIV、プロテイナーゼ3、プロヒビチン、タンパク質チロシンキナーゼ7、PSA、PSMA、プリン作動性P2Xファミリー(例えば、P2X1~5)、突然変異体Ras、RAMP1、RAMP2、RAMP3 patched、RET受容体、プレキシン、スムーズンド、sst1、sst2A、sst2B、sst3、sst4、sst5、サブスタンスP、TEM、T細胞CD3受容体、TAG72、TGFBR1、TGFBR2、Tie-1、Tie-2、Trk-A、Trk-B、Trk-C、TR1、TRPA、TRPC、TRPV、TRPM、TRPML、TRPP(例えば、TRPV1~6、TRPA1、TRPC1~7、TRPM1~8、TRPP1~5、TRPML1~3)、TSH受容体、VEGF受容体(VEGFR1またはFlt-1、VEGFR2またはFLK-1/KDR、およびVEGF-3またはFLT-4)、電位依存性イオンチャネル、VPAC1、VPAC2、ウィルムス腫瘍1、Y1、Y2、Y4、ならびにY5の中から選択される、態様166~214のいずれかの方法。
216. 細胞の表面に発現されるタンパク質が、HER1/EGFR、HER2/ERBB2、CD20、CD25(IL-2Rα受容体)、CD33、CD52、CD133、CD206、CEA、CEACAM1、CEACAM3、CEACAM5、CEACAM6、癌抗原125(CA 125)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、ルイスY、TAG72、カプリン-1、メソテリン、PDGF受容体、PD-1、PD-L1、CTLA-4、IL-2受容体、血管内皮成長因子(VEGF)、CD30、EpCAM、EphA2、グリピカン-3、gpA33、ムチン、CAIX、PSMA、葉酸結合タンパク質、ガングリオシド(例えばGD2、GD3、GM1およびGM2)、VEGF受容体(VEGFR)、VEGFR2、VEGF-A、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、ERBB3、MET、IGF1R、EPHA3、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、AFP、BCR複合体、CD3、CD18、CD44、CTLA-4、gp72、HLA-DR10β、HLA-DR抗原、IgE、MUC-1、nuC242、PEM抗原、メタロプロテイナーゼ、エフリン受容体、エフリンリガンド、HGF受容体、CXCR4、CXCR4、ボンベシン受容体、SK-1抗原、Bcr-abl、RET、MET、TRKB、TIE2、ALK、ROS、EML4-ALK、ROS1、BRAFV600E、SRC、c-KIT、PDGFR、mTOR、TSC1、TSC2、BTK、KIT、BRCA、CDK 4/6、JAK1、JAK2、BRAF、FLT-3、MEK1、MEK2、およびSMOの中から選択される、態様166~215のいずれかの方法。
217. コンジュゲートが、腫瘍中に発現されるタンパク質へ標的指向されている、態様166~216のいずれかの方法。
218. 細胞、過形成または腫瘍が、600nm~約850nmまたは約600nm~約850nmの波長で照射される、態様166~217のいずれかの方法。
219. 細胞、過形成または腫瘍が、690±50nmまたは690±20nmの波長で照射される、態様166~218のいずれかの方法。
220. 細胞、過形成または腫瘍が、2J cm
-2~約400J cm
-2もしくは約2J cm
-2~約400J cm
-2の線量、または2J/cmファイバ長~約500J/cmファイバ長もしくは約2J/cmファイバ長~約500J/cmファイバ長の線量で照射される、態様166~219のいずれかの方法。
221. 細胞、過形成または腫瘍が、少なくとも2J cm
-2、5J cm
-2、10J cm
-2、25J cm
-2、50J cm
-2、75J cm
-2、100J cm
-2、150J cm
-2、200J cm
-2、300J cm
-2、400J cm
-2もしくは500J cm
-2、または少なくとも約2J cm
-2、5J cm
-2、10J cm
-2、25J cm
-2、50J cm
-2、75J cm
-2、100J cm
-2、150J cm
-2、200J cm
-2、300J cm
-2、400J cm
-2もしくは500J cm
-2の線量で照射されるか;または
細胞、腫瘍または過形成が、少なくとも2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長、または少なくとも約2J/cmファイバ長、5J/cmファイバ長、10J/cmファイバ長、25J/cmファイバ長、50J/cmファイバ長、75J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、150J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長、250J/cmファイバ長、300J/cmファイバ長、400J/cmファイバ長もしくは500J/cmファイバ長の線量で照射される、
態様166~220のいずれかの方法。
222. 疾患または病態が腫瘍であり、該腫瘍が表在性腫瘍である、態様184~188および196~221のいずれかの方法。
223. 腫瘍が、少なくともまたは約少なくともまたは約10J/cm
2、25J/cm
2、50J/cm
2、150J/cm
2もしくは250J/cm
2の線量で照射される、態様222の方法。
224. 疾患または病態が腫瘍であり、該腫瘍が間質性腫瘍である、態様184~188および196~221のいずれかの方法。
225. 腫瘍が、少なくともまたは約少なくともまたは約50J/cmファイバ長、100J/cmファイバ長、200J/cmファイバ長もしくは300J/cmファイバ長の線量で照射される、態様224の方法。
226. コンジュゲートを投与した後、細胞、過形成または腫瘍が、12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間以内に、または約12時間、24時間、36時間、72時間もしくは96時間に、照射される、態様166~225のいずれかの方法。
227. コンジュゲートが、0.5mg/kg~約100mg/kgもしくは約0.5mg/kg~約100mg/kg、または20mg/m
2~約4000mg/m
2もしくは約20mg/m
2~約4000mg/m
2である量で投与される、態様166~226のいずれかの方法。
228. コンジュゲートが、少なくともまたは約少なくともまたは約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kg、または0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、8.0mg/kg、16.0mg/kg、32.0mg/kgもしくは64mg/kgである量で投与されるか;または
コンジュゲートが、少なくともまたは約少なくともまたは約20mg/m
2、40mg/m
2、160mg/m
2、320mg/m
2、640mg/m
2、1280mg/m
2もしくは2560mg/m
2、または20mg/m
2、40mg/m
2、160mg/m
2、320mg/m
2、640mg/m
2、1280mg/m
2もしくは2560mg/m
2である量で投与される、
態様166~227のいずれかの方法。
229. コンジュゲートの投与の前に、標的化分子が投与される、態様166~228のいずれかの方法。
230. 標的化分子が、コンジュゲートの投与の96時間前までに投与される、態様166~229のいずれかの方法。
231. 標的化分子が、10mg/m
2~約500mg/m
2または約10mg/m
2~約500mg/m
2の範囲内の用量で投与される、態様229または態様230の方法。
232. 標的化分子が抗体または抗原結合断片である、態様166~231のいずれかの方法。
233. 抗体がセツキシマブである、態様232の方法。
234. フタロシアニン色素および標的化分子を含むコンジュゲートであって、該標的化分子が、組織特異的ホーミングペプチド、RGDポリペプチド、iRGDポリペプチド、Lyp-1ポリペプチド、クリプト-1結合ポリペプチド、ソマトスタチン受容体結合ポリペプチド、プロヒビチン結合ポリペプチド、NGRポリペプチド、iNGRポリペプチド、切断可能なリンカーを介して中和ポリアニオンに接続されたポリカチオン性細胞透過性ペプチド(CPP)から構成される活性化可能な細胞透過性ペプチド(ACPP)、および、Ado-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、 エベロリムス、イブルチニブ、イマチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パゾパニブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テムシロリムス、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、ランブロリズマブ、BMS-935559、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、AMP-224、MSB001078CもしくはMEDI4736から選択される抗体、またはその抗原結合断片の中から選択される、コンジュゲート。
235. ホーミングペプチドが、SEQ ID NO:1~52のいずれかに示されるとおりの配列を有する、態様234のコンジュゲート。
236. 色素がIR700である、態様234または態様235のコンジュゲート。
V. 実施例
以下の実施例は、単に例示を目的として含まれるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1:IRDye 700DX NHSエステルへのセツキシマブのコンジュゲーション
この実施例は、12gスケールバッチのセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを生産するために使用される手順を記載する。方法は、不透明または半透明な容器と、いくつかの場合では、容器または器を包むためのアルミ箔を使用して実施した。
容量6L(12g)のセツキシマブ(Myoderm USA, Norristown, PA)を、再生セルロース膜を備えたタンジェンシャルフロー濾過(TFF)を使用して、濾液のpHが8.46になるまで、100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)に緩衝液交換した。透析濾過されたセツキシマブ抗体(2mg/mL)およそ6L(12g:78.95μmol)を、滅菌撹拌子を含有する2mg/mLのカーボイ容器に入れた。
20℃で保存したIRDye 700DX NHSエステル(色素;カタログNo. 929-70011; Li-COR, Lincoln, NE)の25mgのバイアル1個、50mgバイアル2個および250mgバイアル2個を、バイアルの表面の水分が蒸発するまで30分間、室温まで温度を上昇させた。10mg/mLの溶液を作製するために、DMSO 2.5mLを25mgのバイアルに加え、DMSO 5mLを2個の50mgバイアルの各々に加え、色素500mgをDMSO 50mLに溶解した。
容量61.7mL(315.8μmol)の懸濁した色素を、IRDye 700DX NHSエステルをDMSOに溶解した後5分未満で、アルミ箔で覆われた2mg/mLの容器に加えた。容器を密閉し、そして、色素が完全に溶解して抗体溶液中に均一に分散するまで、300±50rpmにて室温で15±5分間撹拌した。アルミ箔で覆われた反応器を、さらなる混合なしで、光から保護された安定性チャンバーに25℃で2時間入れた。
インキュベーション時間の完了後、1Mグリシン(25mmol)25mLを2mg/mLの容器に加えることによって反応をクエンチした。容器を密閉し、300±50rpmで10±5分間撹拌した。カーボイを安定性チャンバーに戻し、さらなる混合なしで25℃で20分間入れた。
クエンチング反応が完了した後、コンジュゲートを、光保護冷却装置内に設置したTFFシステムに移した。コンジュゲート6Lを、再生セルロース膜を備えたTFFシステムを使用しておよそ2.5Lまで濃縮した。濃縮したコンジュゲート生成物(2.5L;およそ5mg/mL)を、2~8℃に予冷した1×PBS(pH7.1±0.2)およそ25L(10容量)に対して透析濾過した。透析濾過を2~8℃で暗条件下にて実施した。
緩衝液交換したコンジュゲート(およそ2.2L)を、事前に平衡化した0.22μmのMillipak 40フィルターを使用して1×PBS(pH7.1±0.2)で濾過した。
コンジュゲート材料を調製した後、試料を、およそ5mg/mLで以下の試験に供した:SDS-PAGE、HPLC-SEC、および結合ELISA。外観、pH、静細菌作用および静真菌作用、バイオバーデン、エンドトキシンレベル、オスモル濃度ならびに残留DMSOについての他の試験も実施した。
実施例2:セツキシマブ-IRDye 700DX薬物製品の光分解
この実施例は、屋内照明施設に典型的に使用される蛍光強度を使用する、透明および琥珀色の両方のバイアルに含有されるセツキシマブ-IRDye 700DX薬物製品に対する白色蛍光曝露が有する光分解効果を記載する。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.1)中の2.1mg/mLの濃度のIR-700DXコンジュゲート薬物製品の10mL試料を、1個の透明のおよび1個の琥珀色の50mLの1型20mm最終バイアルに入れ、20mmのSeptaキャップで栓をした。次いで、2個の異なるタイプのバイアルに含有される試料を、白色蛍光に、その試料でDigi-Sense Data Logging Light Meter, Model #: 20250-00(Cole-Palmer, Vernon Hills, IL)を用いて550±10ルクスであると測定された強度で曝露した。
1、2、24および44時間の総曝露時間の後、試料容量500μLを、低照明(50ルクス未満)下で各バイアルから除去し、HPLCバイアルに入れ、サイズ排除カラムを使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC-SEC)分析によって各試料の分析を実施するまで、光から完全に保護して5℃±3℃で保存した。
この方法を使用して、各試料中に存在する高分子量種(凝集体)および単量体形態のセツキシマブ-IRDye 700DXの相対量を定量化した。その分析の結果を以下の表1に示し、これは、光曝露時間が増加するにつれて試料中に存在する凝集体の量が顕著に増加することを実証している。24時間の光曝露の前および後の透明バイアル中のセツキシマブ-IRDye 700DX試料の例示的なHPLC-SECクロマトグラムを図1Aおよび1Bに描写する。
(表1)HPLC-SECで測定した白色光に曝露された試料中に見いだされる凝集体の割合(%)
別の例では、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH=7.1)中5.5mg/mLの濃度のセツキシマブ-IRDye 700DXの試料2mLを2個の透明バイアルに入れた。一方のバイアルを500ルクスの強度の白色蛍光に合計15分間および30分間曝露した。もう一方の透明バイアル中の試料2mLを、その試料でDigi-Sense Light Meterで測定した500ルクスの強度で緑色LED光(Ecosmart GP19, HomeDepot, Atlanta GA)に、曝露した。光曝露後、試料200μLをバイアルの各々から15分間および30分間の各時点でHPLC-SEC分析用に採取した。以下の表2に、試験した試料200μLの各々に見いだされる凝集体種の相対量のHPLC-SEC定量を示す。
(表2)緑色光に曝露された試料対白色光に曝露された試料において見いだされる凝集体の割合(%)
表2のデータは、白色光に曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DX試料が、ある強度の緑色光に同時間曝露させた試料と比べて、両時点で存在する凝集体種の量が顕著に高いことを実証している。
実施例3:コンジュゲート原薬を調製するための適正製造基準(GMP)法
この実施例は、最終中間体の調製および最終中間体のコンジュゲーションを含む、適正製造基準(GMP)下でコンジュゲート原薬を調製するための方法を記載する。色素が光感受性であるため、最終生成物が確実に医薬品品質となるよう、製造中に色素およびコンジュゲートが光に曝露するのを制限する追加の予防措置を講じた。これらの措置は、製造施設における、425~575nmの波長および200ルクス未満の強度を有する低レベルの緑色光の使用を含めた。加えて、方法はまた、コンジュゲーション用の半透明カーボイの使用、コンジュゲーション容器をアルミ箔で覆うことを採用し、光曝露を伴いうる工程を可能な限り素早く実施した。
この実施例は、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを生産するための、セツキシマブにコンジュゲートされるIRDye 700DX NHSエステル(色素)を調製するための方法を記載する。提供される方法を採用して、任意の原薬、例えば巨大分子にコンジュゲートされた色素を含有するものを調製してよく、例示的な目的のためだけに以下の記載が提供される。
A. 緩衝液の調製
緩衝液を、高純度水(HPW)または注射用水(WFI)を使用して調製し、周囲温度で保存する前に0.22μmのフィルターに通して濾過した。表3~5は、調製した緩衝液:それぞれ、コンジュゲーション緩衝液(100mMリン酸ナトリウム、pH8.65)、クエンチング緩衝液(1.0Mグリシン、pH9)および最終リン酸緩衝生理食塩水(PBS)製剤緩衝液:(5.60mM Na2HPO4、1.058 KH2PO4、154mM NaCl、pH7.1)についての工程内管理および試験を示す。
(表3)コンジュゲーション緩衝液(100mMリン酸ナトリウム、pH8.65)の調製
(表4)クエンチング緩衝液(1.0Mグリシン、pH9)の調製
B. 色素およびセツキシマブ中間体の調製
1. セツキシマブ調製
コンジュゲーションの前に、セツキシマブバイアル(Myoderm USA, Norristown, PA)に滅菌イソプロピルアルコールを吹き付け、ラミナーフローフードに入れた。合計423個のバイアルを使用して原薬を調製した。電子デクリンパーを使用してバイアルを脱クリンプし、オートクレーブ済み鉗子で栓を取り除き、内容物を2Lの滅菌PETGボトルに注いだ。充填したらボトルに栓をした。次いで、セツキシマブを0.22μmのフィルターに通して濾過し、50LのHyQtainerに貯留した。貯留した濾過セツキシマブを2~8℃で保存した。
次いで、濃縮および緩衝液交換工程を限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって実施した。使用前にUF/DFデバイスの洗浄を実施した。保存溶液を排水し、そして、膜を少なくとも20LのHPWで洗い流した。ユニットを0.1M NaOHで30~40分間洗い流し、次いで、HPWで洗い流した。すすぎ液のpHを確認した。この系を100mMリン酸ナトリウム(pH8.65)緩衝液で平衡化した。使用前に浸透液および保持液の流出物のpHおよび伝導度を確認した。エンドトキシン試験も実施した;この系をエンドトキシン試験の48時間以内に使用した。
UF/DF操作の前に、インキュベーター内に25℃で120~150分間入れることによって、貯留した濾過セツキシマブを温めた。最初に、この材料を5mg/mLの目標まで濃縮し、次いで、100mMリン酸ナトリウム(pH8.65)緩衝液に透析濾過した。浸透液のpHおよび伝導度の目標が満たされるまで透析濾過を実施した。この系を緩衝液で洗い流し、そして、洗い流した液を透析濾過された保持液に加えた。UF/DFシステムの圧力をモニタリングし、表6に記載のとおり操作中に記録した。
透析濾過されたセツキシマブ生成物の濃度を決定し、次いで、100mMリン酸ナトリウム(pH8.65)緩衝液を使用して2mg/mL(1.8~2.4mg/mL)の目標濃度に希釈した。生成物を0.22μmのフィルターに通して無菌的に濾過し、撹拌子を含有する2つのオートクレーブ済み生成物専用の40Lのカーボイに分割し、コンジュゲーション操作へ向けてそのまま前処理した。各カーボイ内のセツキシマブの重量を決定した。
(表6)セツキシマブ処理のための工程内管理および試験
2. 色素調製
コンジュゲーションの前に、無水DMSO中に10mg/mLの濃度で溶解することによってIRDye 700DX NHSエステル(色素;カタログNo. 929-70011; Li-COR, Lincoln, NE)を調製した。その工程を緑色光(例えば、425~575nmの波長および200ルクス未満の強度)下で実施して、色素によって強く吸収される波長の光から色素を保護した。
C. コンジュゲーション
コンジュゲーションおよびクエンチング工程を、透析濾過されたセツキシマブを含有する2×40Lのカーボイ(光保護のためにアルミ箔で覆われている)内で実施した。その工程を室温で緑色光(例えば、425~575nmの波長および200ルクス未満の強度)下で実施して、コンジュゲートを光分解から保護した。
コンジュゲーション反応のために、DMSO中のIRDye 700DX NHSエステルの適量を算出して(各カーボイ中のセツキシマブの重量に基づいて、典型的には80~120g)、最終モル比4:1(IRDye 700DX NHSエステル:セツキシマブ)を達成した。プロセス開発研究は、この比が、標的コンジュゲーションインキュベーション時間でのコンジュゲーションにおいて、セツキシマブ1分子当たり2~3個の色素残基を組み入れるはずであることを決定した。算出された量のIRDye 700DX NHSエステルを、セツキシマブを含有するカーボイに加え、撹拌プレート上で10~15分間混合した。次いで、カーボイを25℃のインキュベーター内に入れることによって、コンジュゲーション反応を120分間進めた。
1Mグリシンを終濃度4.2mMまで添加して、10~12分間混合することによって、コンジュゲーション反応をクエンチした。カーボイを、25℃のインキュベーター内で、追加で20~25分間インキュベートした。表7は、コンジュゲーションおよびクエンチング工程の工程内管理および試験を示す。
(表7)コンジュゲーションおよびクエンチング工程の工程内管理および試験
最終UF/DF工程を実施して、コンジュゲート生成物を最終PBS製剤緩衝液に交換した。使用の前にUF/DFシステムの洗浄を実施した。ユニットを洗浄し、そして、部品を1.0M NaOH中に浸漬し、次いでHPWですすいだ。浸透液が仕様の範囲内になるまで、この系をPBS(pH7.1)で平衡化した。浸透液および保持液をエンドトキシンについて試験した。
生成物を最終製剤緩衝液に交換するために、クエンチしたコンジュゲートをUF/DFシステムに移し、まず8~10Lまで濃縮し、続いて、8~12透析容量のPBSで透析濾過した。pHおよび伝導度を確認した。この系を緩衝液で洗い流し、そして、洗い流した液を最終生成物に加えた。タンパク質濃度を決定し、必要であれば、PBSによるさらなる希釈を実施して、目標の最終生成物濃度2.0mg/mL(1.8~2.1mg/mL)に到達した。
0.22μmのフィルターに通す最終濾過を実施し、そして、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート原薬を、アルミ箔で被覆した50LのHyQtainer内、暗所にて2~8℃で保存し、内容物を光から保護した。この工程を緑色光下にて室温で実施して、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを保護した。セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート原薬を、製造の4週間以内の薬物製品安定性へ向けてそのまま前処理した。いくつかの場合では、薬物製品を原薬の調製の約1週間以内にバイアルに入れた。
表8は、最終UF/DF、濾過、および保存の工程内管理および試験を示す。いくつかの場合では、希釈が必要であった。
(表8)最終UF/DF、濾過、および保存の工程内管理および試験
コンジュゲート材料を調製した後、試料をSEC-HPLCにかけて、濃度、抗体に対する色素の比(DAR)、同一性および純度を決定した。外観、pH、バイオバーデン、およびエンドトキシンレベルについての他の試験も実施した。表9は、原薬の一般的な受入基準に関する、例示的なバッチ生成物についてのこれらの試験結果を示す。
実施例4:薬物製品の完成およびパッケージング
最終セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート薬物製品を調製し、半自動化無菌充填を含めた方法を使用して、無菌のパイロジェン除去琥珀色ガラスバイアルにパッケージングした。バイアルに栓をし、密閉し、次いで検査した。無菌濾過、充填操作、および検査プロセスの間の低強度緑色光(例えば、425~575nmの波長および200ルクス未満の強度)の使用を含め、全ての生成物曝露操作の間に予防措置を講じて光への曝露を最小限に抑えた。いくらかの光曝露を必要とする全ての工程の間の低強度緑色光の使用に加えて、他の時間の全てでバルクおよびバイアルに入れた生成物を不透明な材料または容器によって被覆した。部屋、装置、および従事者の環境モニタリングを無菌濾過および充填プロセスを通して実施した。
充填の前に、バイアル、栓、および密封材を洗浄し、必要に応じて滅菌した。ガラスバイアルを高純度水(HPW)および注射用水(WFI)で洗浄した。次いで、バイアルを目視検査し、そして、さらなる調製の前に欠陥のあるバイアルを取り除いた。バイアルをラックに入れて被覆し、続いてパイロジェン除去した。密封材をHPW/WFIで洗浄した。バイアルおよび密封材の両方を使用の前に滅菌(オートクレーブ)した。栓をすぐ使える状態(洗浄および滅菌済み)で購入した。
0.22μmの無菌フィルターを使用してセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート薬物製品を無菌的に濾過し、濾過工程の後にフィルターの完全性を試験した。次いで、充填の前に、無菌の濾液を計量して、光から保護され、充填され、かつ2~8℃で一晩保存されるバイアルの大まかな数を決定した。
充填操作の前に、クリンパーを試験した。10個の空のバイアルに栓をし、クリンプして、圧力(20~40psi)を確認した。5個のバイアルについての空のバイアル重量を測定して、平均の空のバイアル重量を決定した。この結果を使用して、充填済みのバイアルについての重量範囲を決定し、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートバルク溶液について必要量51±1mLおよび密度1g/mLであると推定した。充填済みのバイアル重量が仕様の範囲内となるように、充填を開始する前に3個のバイアルに対して充填検査を実施した。無菌濾過されたセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを、ペリスタルティックポンプおよび充填ニードルアセンブリを使用してバイアルに充填した。バイアルに栓をし、密閉およびクランピングへと移した。充填プロセスの間、トレー毎に、溶液を含有する充填済みのバイアル、栓、およびその上の密封材に対してバイアル重量の検査を実施した;1トレー当たり5個のバイアルを検査し、各トレーは最大30個のバイアルを保持した。充填期間は、媒体充填資格結果に基づいて≦8時間49分であると確立された。充填済みバイアルを容器に入れ、これらを光から保護して、2~8℃で保存した。
ロット内の全ての充填済みバイアルを、過充填、充填不足、密封の欠陥、および他の欠陥について目視検査し、任意の欠陥バイアルを該ロットから分けた。ラベル付け操作の前に、バイアルを5±3℃で保存し、光から保護した。
緑色光による光保護を使用してバイアルのラベル付けを実施した。周囲温度への過剰な曝露を避けるように注意して、バイアルを周囲の室温でラベル付けした。ラベル付け後、バイアルを不透明なビン内に保存し、5±3℃での保存に戻した。第二の100%目視の検査を実施し、そして、任意の欠陥バイアルを取り除いた。最後の二次パッケージング操作の前に、バイアルを5±3℃での保存に戻し、光から保護した。
単一のユニットバイアルを単一のアルミパウチに入れることによって、二次/三次パッケージングを実施した。パウチは、100%の光保護を提供した。次いで、バイアルを含有するパウチを、追加の光保護の対策のために紙箱に入れた。それらの二次パッケージング内のバイアルを、販売および臨床的使用の前に5±3℃で保持した。
コンジュゲート材料を調製した後、試料をSEC-HPLCにかけて、濃度、抗体に対する色素の比(DAR)、同一性および純度を決定した。外観、pH、バイオバーデン、エンドトキシンレベルについての他の試験も実施した。表9は、原薬の一般的な受入基準に関する、例示的なバッチ生成物についてのこれらの試験結果を示す。
薬物製品の調製後、試料をSEC-HPLCにかけて、濃度、抗体に対する色素の比(DAR)、同一性および純度を決定した。外観、pH、充填容量、無菌性、およびエンドトキシンレベル、微粒子、およびSDS-PAGEによる純度についての他の試験も実施した。表10は、これらの試験に基づく薬物製品の一般的な受入基準を記述する。
実施例5:セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを用いた処置の方法
この実施例は、例えば実施例3に記載のとおり調製されたセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを対象に静脈内投与することによる、頭頸部癌を処置するための治療的方法を記載する。光制御条件下、対象に160mg/m2のセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを投与し、続いて、近赤外光で照射して光免疫療法を誘導した。いくつかの場合では、750mg/m2~1250mg/m2の範囲内の用量のセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを対象に投与する。
注入のための静注(IV)バッグの作製
セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの注入の前に、コンジュゲートを直接的にも間接的にも太陽光に曝露させなかった。セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを用いた操作を蛍光照明下の室内で実行した。タングステン照明は使用しなかった。環境光への曝露からの保護を実施した。
コンジュゲートを含有する静注(IV)バッグを、2mg/mLのセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート溶液50mLを含有するバイアルから作製した。コンジュゲートを含有する各バイアルのパッケージングを開け、そのバイアルの内容物を滅菌IVバッグに入れた。各個々のバイアルを開けて内容物をIVバッグへ入れるプロセスを、注入のための所望のコンジュゲート用量に達するまで繰り返した。薬物製品の周囲室内光への曝露を低減させるように、各バイアルを別々に開け、IVバッグに入れた。このプロセスを15分未満で実施した。IVバッグを、全ての時間、不透明なスリーブによって被覆して、コンジュゲートを光曝露から保護した。作製後、IVバッグを2~8℃で保存した。
投与
対象に、IV注入を介して1日目に2時間かけてコンジュゲートを投与した。注入の間、処置室の照明は、200ルクス未満の蛍光であった。室内のあらゆる窓をシェードで被覆した。IVバッグを、投与の間、不透明なスリーブによって被覆して、コンジュゲートを光曝露から保護した。あらゆる光曝露が5分未満までに制限された。
光免疫療法を誘導するために、コンジュゲート投与の24時間±2時間後に、690nmの波長を有する光の1回の光適用を実施した(2日目)。
4日目に対象は追跡調査に戻り、全ての処置腫瘍が壊死を示した。対象は、有害作用を示すことなく、いかなる疼痛も報告しなかった。皮膚光感受性は検出されなかった。
任意で、コンジュゲート投与の前に、対象を、30分間にわたりIV注入によって投与されたErbitux(登録商標)100mgで前処置した。注入の間、対象を、Erbitux(登録商標)への潜在的な注入反応について評価した。Erbitux(登録商標)100mgの注入後であるがセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの注入の直前に、対象を、IV投与によって抗ヒスタミン剤ベナドリル(ジフェンヒドラミン)50mgおよびステロイド剤デカドロン(デキサメタゾン)10mgで前処置して、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート注入への過感受性のリスクを制限した。
実施例6:薬物製品のpH安定性
コンジュゲートの長期安定性に対するpH、濃度および/または緩衝液製剤の効果を評価するために、2つの濃度、2mg/mLおよび5mg/mLのセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを含有する一連の4つの緩衝液製剤(合計8つの緩衝液製剤)をpH5.5またはpH7.1のいずれかで調製した。調製した8つの緩衝液製剤は、以下のとおりであった:
BF # 1: [2mg/mLコンジュゲート] HyCloneリン酸緩衝生理食塩水(1×)、6.7mM PO4(pH7.0~7.2)、カルシウムなし、マグネシウムなし(HyCloneカタログ# SH30256)
BF # 2: [2mg/mLコンジュゲート] 10mMクエン酸ナトリウム、100mMグリシン、100mM NaCl、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1
BF # 3: [2mg/mLコンジュゲート] 20mMクエン酸ナトリウム、120mM塩化ナトリウム、2mM EDTA、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1
BF # 4: [2mg/mLコンジュゲート] 20mMクエン酸ナトリウム、4%マンニトール、2mM EDTA、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1
BF # 5: [5mg/mLコンジュゲート] HyCloneリン酸緩衝生理食塩水(1×)、6.7mM PO4(pH7.0~7.2)、カルシウムなし、マグネシウムなし(HyCloneカタログ# SH30256)
BF # 6: [5mg/mLコンジュゲート] 10mMクエン酸ナトリウム、100mMグリシン、100mM NaCl、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1
BF # 7: [5mg/mLコンジュゲート] 20mMクエン酸ナトリウム、120mM塩化ナトリウム、2mM EDTA、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1
BF # 8: [5mg/mLコンジュゲート] 20mMクエン酸ナトリウム、4%マンニトール、2mM EDTA、0.01% Tween 80、pH5.5±0.1。
この実施例では、以下のとおりの強制分解を誘導する条件を使用して安定性をBF#5~BF#8に対して実施した。4つの製剤、BF#5~8の各々の試料容量750μLを、2mLのスクリューキャップポリプロピレンバイアルに入れ、アルミ箔で被覆して、試料を光から保護した。4つのチューブを45℃の水浴に入れ、16時間インキュベートした。次いで、バイアルを冷却装置に移し、2~8℃で1週間保存した。試料を冷却装置から取り出し、5,000×gで5分間遠心分離した。チューブの検査によって、pH5.5の緩衝液系で製剤化された3つのセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート試料(BF#6、BF#7およびBF#8)の全てが各チューブの底に沈殿した顕著な量の青色材料を有していたことが観察された。しかしながら、PBS中pH=7.1で製剤化されたBF#5試料は、視認できるいかなる沈殿物も示さなかった。
4つの試料の各々から上清溶液の試料を得て、HPLC-SEC分析を実施し、試料の各々に残留した単量体形態のセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの濃度を決定した。その分析結果を、以下の表11に、強制分解研究条件に供される前の試料の各々について決定された初期濃度と共に示す。
表11のデータは、pH5.5の緩衝液系で製剤化されたセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの全ての試料(BF#6、BF#7およびBF#8)が単量体形態のコンジュゲート生成物の濃度の顕著な喪失(20%以上)を提示したことを示す。これらの結果とは対照的に、BF#5(pH=7.1)試料は、濃度の変化をほとんど示さなかった。これらの結果は、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート薬物製品がまた、pH=5.5の緩衝液系中2~8℃の保存条件下で該製品を長期保存(例えば、6か月を超えて)したとき、より不安定である可能性も示した。
実施例7:pH=5.5の緩衝液系対pH=7.1のPBSにおけるセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの長期保存安定性
2つの濃度、2mg/mLおよび5mg/mLのコンジュゲートを含有する上記の4つの緩衝液製剤中のセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの試料(BF#1~8)を、15mLのポリプロピレンチューブ内、光から保護して2~8℃で12か月間保存した。2~8℃で12か月の保存後、沈殿物の形成について試料を目視検査した。この検査によって、pH=5.5の試料(BF#2、BF#3、BF#4、BF#6、BF#7およびBF#8)の全てが、その保存チューブの底および側部に付着した顕著な量の不溶性の青色材料を含有していたことが観察された。反対に、PBS(pH=7.1)の緩衝液系中の2つの試料(BF#1、BF#5)は、いかなる不溶性材料の兆候も示さなかった。この観察は、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートが、2~8℃の温度で光から保護してもpH<6の緩衝液系中で長期保存後は、安定でなく、かつ沈殿する可能性を示す。対照的に、pH6.0を超える、例えば約pH7.1の緩衝液中で製剤化されたセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートは、2~8℃で最大1年間の長期保存後であっても薬物製品の安定性をもたらす。
実施例8:細胞殺傷活性の評価および種々の抗体の組成物:IRDye 700DXコンジュゲート
異なる波長の光に事前曝露された抗体-IRDye 700DXコンジュゲートが可溶性凝集体形成に別個に影響を及ぼすかどうかを評価するための研究を実施した。2つの異なる抗体-マウス抗-ヒト抗PD-L1(カタログNo: 329728, Biolegend, San Diego, CA)および抗EGFR(セツキシマブ; Myoderm USA, Norristown, PA)をIRDye 700DXで標識し、これを評価して異なる波長の光への事前曝露が可溶性凝集体形成に影響を及ぼすかを評価した。
A. 抗体コンジュゲーション
両方の抗体を、同じアプローチを使用してIRDye 700DXとコンジュゲートした。下記の全てのコンジュゲートについて、抗体をコンジュゲートするために使用された一般プロトコルは、実施例1に記載されるセツキシマブ-IRDye 700DXを用いたより大スケールのコンジュゲーションのプロトコルと同様であった。3mg以下のタンパク質を使用したより小スケールの反応容量のためにそのプロトコルへの改変を行った。
最初に、30,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用して、抗体溶液(抗PD-L1抗体または抗EGFR抗体のいずれか)をリン酸緩衝食塩水(pH7)で交換し、次いで、リン酸緩衝液(pH=9)の添加によって抗体溶液のpHをpH8.5に調整した。IRDye 700DX NHSエステル(カタログNo. 929-70011; Li-COR, Lincoln, NE)の凍結固体アリコートを室温で解凍し、次いで、DMSOで溶解して濃度10mg/mLを達成した。暗環境下、次いで、可溶化したIRDye 700DX NHSエステルを、抗体溶液に4(IRDye 700DX NHSエステル):1(抗体)のモル比で加えた。コンジュゲーション反応を光から保護して25℃で2時間進行させた。グリシン(pH8.2)を15分間終濃度10mMまで加え、反応をクエンチした。次いで、抗体コンジュゲート溶液を、30,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを用いてPBS(pH7)24mLで交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IRDye 700DXを除去し、溶液のpHを調整してpH7に戻した。抗体コンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィーで分析して、抗体-IRDye 700DX濃度、単量体純度、可溶性凝集体%、および抗体に対する色素の比(DAR)を評価した。
B. IRDye 700DXコンジュゲートの組成物に対する光事前曝露の効果
抗体-IRDye 700DXコンジュゲートを、抗体コンジュゲート濃度850μg/mLのコンジュゲートの少なくとも30μLを用いた4つの異なる条件下での可溶性凝集体の形成について試験した。4つの処置条件は、以下のとおりであった:(1)光から保護して4℃で保存した抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「4℃」対照);(2)ハロゲンランプ(カタログNo: PL-800, Dolan-Jenner, Boxborough, MA)下にて2500ルクスで24時間、透明ガラスHPLCチューブに入れた抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「白色光」);(3)ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護するアルミ箔で覆われた透明ガラスHPLCチューブに入れた抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「光なし」、凝集体の形成に対する加熱効果の対照のために使用);および(4)透明ガラスHPLCチューブに入れて緑色LEDランプ(カタログNo: Green-ECS GP19 EcoSmart)に2500ルクスで24時間曝露された抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「緑色光」)。各処置条件下で24時間後、単量体純度および可溶性凝集体形成をサイズ排除クロマトグラフィーによって評価した。
抗PD-L1-IRDye 700DXコンジュゲートの結果を表12に示す。示されるとおり、4℃で保存した抗PD-L1-IRDye 700DXコンジュゲート(DAR約3)は、280nmの吸光度および690nmの吸光度によって測定したところ低い可溶性凝集体形成(<1.5%)および高い単量体純度(>96%)を示した。抗PD-L1-IRDye 700DXコンジュゲートのハロゲンランプからの2500ルクスの白色光への曝露は、280nmの吸光度および690nmの吸光度によって測定したところ可溶性凝集体形成の顕著な増加(約30%)および単量体純度の同時減少(約65%)をもたらした。ハロゲンランプからの2500ルクスの白色光の加熱効果に曝露されたがアルミ箔を使用して光照明から保護された抗PD-L1 IRDye 700DXは、4℃の対照試料の場合と比較したとき、いかなる可溶性凝集体形成の増加も誘導しなかった。緑色LEDランプからの光に曝露された抗PD-L1 IRDye 700DXコンジュゲートは、非常に小さな可溶性凝集体形成の増加(約5%)をもたらし、これは、白色光に曝露された抗PD-L1 IRDye 700DXの場合よりも顕著に低い量の可溶性凝集体形成であった。
(表12)異なるタイプの光曝露を用いた抗PD-L1 IRDye 700DX凝集体形成
セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの結果を表13に示す。4℃で保存したセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート(DAR約3)は、280nmの吸光度および690nmの吸光度で測定したところいかなる検出可能な可溶性凝集体形成も示さず(約0%)、単量体純度が高かった(約100%)。セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートのハロゲンランプからの2500ルクスの白色光への曝露は、280nmの吸光度および690nmの吸光度によって測定したところ可溶性凝集体形成の顕著な増加(約40%)および単量体純度の同時減少(約55%)をもたらした。ハロゲンランプからの2500ルクスの白色光の加熱効果に曝露されたがアルミ箔を使用して光照明から保護されたセツキシマブ-IRDye 700DXは、4℃の対照試料の場合と比較して、いかなる可溶性凝集体形成の増加も誘導しなかった。緑色LEDランプからの光へのセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート曝露は、可溶性凝集体形成の小さい増加(約4%)をもたらし、これは、白色光に曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXの場合よりも顕著に低い量の可溶性凝集体形成であった。
(表13)異なるタイプの光曝露を用いたセツキシマブ-IRDye 700DX凝集体形成
実施例9:白色蛍光対緑色LED照明の事前曝露の期間ならびにセツキシマブ-IRDye 700DX可溶性凝集体形成およびPIT効力に対するその効果
異なる波長の光に異なる曝露時間で事前曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートが可溶性凝集体形成および薬理学的活性に別個に影響を及ぼすかどうかを評価するために以下の研究を実施した。
セツキシマブ-IRDye 700DXを実施例1に記載のとおりコンジュゲートした。以下の14種類の異なる条件を評価した:試料を500ルクスの白色蛍光照明に25℃で24時間、12時間、6時間、3時間、1.5時間、および45分間の異なる光曝露期間曝露した;試料を500ルクスの緑色LED照明(カタログNo: Green-ECS GP19 EcoSmart)に25℃で24時間、12時間、6時間、3時間、1.5時間、および45分間の異なる光曝露期間曝露した;試料を25℃で光曝露なし;ならびに、試料を4℃で光曝露なし。24時間、12時間、6時間、3時間、1.5時間、45分間の光曝露の期間は、それぞれ、12,000ルクス時間、6,000ルクス時間、3,000ルクス時間、1,500ルクス時間、750ルクス時間、または375ルクス時間に相当する。条件毎に、1試料当たりコンジュゲート30μLを抗体コンジュゲート濃度2mg/mLで透明HPLCバイアルに入れ、試料を各光条件に曝露した。
異なる期間の白色光または緑色光曝露後のセツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの安定性を、可溶性凝集体の形成およびPIT殺傷活性をモニタリングすることによって評価した。
1. 凝集体形成
セツキシマブ-IRDye 700DXをHPLCサイズ排除クロマトグラフィーで分析して、単量体純度および可溶性凝集体形成を評価した。可溶性凝集体形成のパーセントを、白色光、緑色光、または光なしへのセツキシマブ-IRDye 700DXのルクス時間曝露の関数として測定した。
図2Aに示されるとおり、セツキシマブ-IRDye 700DXの500ルクスの白色蛍光への曝露の期間は、可溶性凝集体の形成に対して直接的効果を有していた。白色蛍光へのセツキシマブ-IRDye 700DX曝露は、可溶性凝集体形成の急速な増加をもたらし、わずか375ルクス時間(500ルクスで45分間)の白色光への曝露後であっても5.0%超の可溶性凝集体形成の存在が観察され、これは、白色蛍光照明への曝露の期間の増加と共にさらに増加した。セツキシマブ-IRDye 700DXの緑色光曝露もまた、白色光の場合よりも非常に遅い速度ではあるが可溶性凝集体形成をわずかに増加させた;12,000ルクス時間(500ルクスで24時間)の緑色光への曝露後であっても形成された凝集体のパーセンテージは、5.0%以下であった。この結果は、緑色光の場合よりも白色光への曝露時間の増加に伴ってより大きなセツキシマブ-IRDye 700DX可溶性凝集体形成があったことを示した。あらゆる光曝露から保護されたときの4℃または25℃のいずれかでインキュベートした試料では1%未満の可溶性凝集体形成が観察された。
2. PIT殺傷
種々の光条件に事前曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXによるPIT殺傷活性を評価するために、BxPC3細胞(#CRL-1687, ATCC, Manassas VA)を、1μg/mLのセツキシマブ-IRDye 700DXありまたはなしで、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI-1640培地(完全培養培地)中4℃で1時間インキュベートし、次いで、完全培養培地で1回洗浄して、未結合のセツキシマブ-IRDye 700DXを除去した。次いで、細胞に690nmのレーザーを32J/cm2の光線量で照射するかまたは光から保護した(0J/cm2)。
細胞死に対する異なる処置計画の効果を、蛍光染色CellTox Green(カタログNo: G8731, Promega, Madison, WI)を使用して測定した。CellTox Greenは、DNAに結合すると蛍光が増加する非浸透性の蛍光色素である。それゆえ、形質膜に障害のあった細胞だけが、強いCellTox Green染色を示す。光処置後、全ての細胞を、10%ウシ胎仔血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI-1640(完全培養培地)中で希釈した1×CellTox Green試薬とインキュベートした。いかなる細胞も含まないウェルもまた、完全培養培地中で希釈した1×CellTox Green試薬とインキュベートし、蛍光シグナル検出の間のバックグラウンド減算ウェルとした。光処置24時間後に蛍光プレートリーダーを使用して、CellTox Green蛍光シグナルを測定した。次いで、細胞を洗剤で溶解し、37℃で30分間インキュベートし、溶解後にCellTox Green蛍光シグナルを再度測定した。バックグラウンド(細胞なしの完全培養培地中の1×CellTox Green)が減算された溶解の前後の1ウェル当たりのCellTox Greenシグナルの比を取得し、その比に100を掛けることによって、死細胞のパーセントを算出した。
図2Bに示されるとおり、PIT処置の間0J/cm2に曝露された全ての試料について細胞死に対する効果は観察されることなく、このことは、白色光に事前曝露された後の可溶性凝集体の増加にもかかわらず、可溶性凝集体は光照射の非存在下では細胞傷害性ではなかったことを示している。対照的に、その後光線量32J/cm2の690nmのレーザーで照射された試料では細胞殺傷が観察されたが、白色光へ増加した期間曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXによって細胞殺傷の程度は実質的に低減された。示されるとおり、3,000ルクス時間(500ルクスで6時間)以上の白色蛍光に事前曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXは、PIT活性に対して90%未満またはそれより少ない効果を示した。しかしながら、評価された全てのルクス時間線量の緑色光に曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DXは、PIT効力において効果をもたらすことはなく、このことは、緑色光への事前曝露が光活性化殺傷活性に実質的に影響を与えなかったことを示している。
PIT活性に対する凝集体形成の効果を図2Cに示す。示されるとおり、白色光および緑色光曝露を評価するための全てのセツキシマブ-IRDye 700DX処置計画についてのPIT効力(死細胞のパーセント)を、 それぞれの試料毎の測定された可溶性凝集体のパーセントの関数としてプロットした。その結果は、15%を超えるセツキシマブ-IRDye 700DXの可溶性凝集体形成がPIT効力の顕著な減少をもたらすことを示した。
実施例10:PIT殺傷およびPITの特異性に対するフタロシアニン色素との直接コンジュゲーションの効果
細胞表面分子に直接結合する抗体が、PIT殺傷活性を媒介するのにIRDye 700DXのようなフタロシアニン光増感剤との直接コンジュゲーションを必要とするかどうかを評価するために、以下の研究を実施した。
A. 細胞標的化抗体に対する二次抗体のIRDye 700DXコンジュゲーション
細胞表面分子(例えば、がん細胞上の)を標的とする標的化抗体をIRDye 700 DXと直接コンジュゲートする代わりに、標的化抗体に結合した二次抗ヒトIgG抗体をIRDye 700DXとコンジュゲートさせた。具体的には、AffiniPureロバ抗ヒトIgG, Fcγ断片特異的(DxHu)抗体(カタログ番号: 709-005-098, Jackson ImmunoResearch Laboratories, West Grove, PA)をIRDye 700DXで標識して、二次抗体-IRDye 700DXでの一次抗体の非共有標識をPIT媒介殺傷においても使用できるかを評価した。DxHu抗体をIRDye 700DXとコンジュゲートするのに使用したプロトコルは、実施例8で使用した抗体コンジュゲーションのプロトコルと実質的に同じであった。
BxPC3細胞のPIT殺傷を、最初に細胞を10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI-1640培地(完全培養培地)中で抗EGFR抗体セツキシマブ(Myoderm USA, Norristown, PA)ありまたはなしにて4℃で1時間インキュベートした以外は、実施例9に記載される方法と同様に評価した。次いで、細胞を完全培養培地で1回洗浄し、完全培養培地で希釈したIRDye 700DXコンジュゲート(DxHu IRDye 700DX)二次抗体ありまたはなしにて4℃で30分間インキュベートし、次いで、完全培養培地で1回洗浄した。対照として、BxPC3細胞を、セツキシマブ-IRDye 700DX(セツキシマブは、IRDye 700DXに直接コンジュゲートされている)とインキュベートした。細胞殺傷を誘導するために、次いで、細胞に690nmのレーザーを16J/cm2の光線量で照射するかまたは光から保護した(「光なし」)。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。
図3に示されるとおり、セツキシマブおよびロバ抗ヒトIRDye 700DX二次抗体で連続的に標識して光で処置したBxPC3細胞は、約90%の細胞死を示した。細胞を690nmの光処置に曝露しなかったとき、一次抗体および二次抗体を用いた同じ処置は細胞死をもたらさなかった。細胞表面抗原を標的とするヒト由来一次抗体とのプレインキュベーションの非存在下ではDxHu IRDye 700DX二次抗体は細胞に直接結合しないので、二次抗体でのみ処置した細胞の光照明は細胞死を導かなかった。抗体への連続曝露によって誘導される細胞殺傷の程度は、IRDye 700DXで直接標識されたセツキシマブとインキュベートしたBxPC3細胞よりもなおわずかに大きかった。セツキシマブまたはDxHu IRDye 700DXのいずれともインキュベーションしない培地単独でのみ処置されたBxPC3細胞の光処置は、約10%の基礎細胞死レベルをもたらし、これは、光を照射しなかった(光処置なし)細胞におけるバックグラウンド細胞死と類似していた。したがって、その結果は、がん細胞に直接結合する抗体がPIT殺傷活性を媒介するのにIRDye 700DXのようなフタロシアニン光増感剤の直接コンジュゲーションを必要としないことを示した。また、二次抗体コンジュゲートIRDye 700DXによって媒介される抗がん抗体の直接標識も有効なPIT殺傷活性を誘導することができる。
B. ビオチン化細胞標的化抗体に対する単量体ストレプトアビジンのIRDye 700DXコンジュゲーション
別の研究で、ビオチン化抗EGFR抗体(ビオチン化セツキシマブ)および単量体ストレプトアビジンコンジュゲートIRDye 700DXと連続的にインキュベートした細胞のPIT殺傷活性を調べた。さらに、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXの白色光への事前曝露のPIT殺傷活性に対する効果も調べた。
1. コンジュゲーション
a. ビオチンのセツキシマブへのコンジュゲーション
抗EGFR抗体セツキシマブをビオチンにコンジュゲートするために、PBS(pH7.2)中2mg/mLの濃度で供給された抗EGFR抗体(セツキシマブ; Myoderm USA, Norristown, PA)5mL容量を、30,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルター(カタログNo: UFC903024, Merck-Millipore, Cork, IRL.)を使用して2mLの容量(5mg/mL)まで濃縮した。その溶液を100mM Na2HPO4(pH8.9)で5mLに希釈して、終容量5mLおよびpH約8.5にした。
EZ-Link Sulfo-NHS-LC-ビオチン(スルホスクシンイミジル(sulfocussinimidyl)-6-[ビオチン-アミド]ヘキサノアート)を使用して、製造業者の指示に従って抗体を標識した(カタログNo. 21327, ThermoScientific, Rockford, IL)。具体的には、Sulfo-NHS-ビオチン(S03-ビオチン-NHSエステル、カタログ#: 1854200, Thermo Scientific)試料2mgを室温で解凍し、次いで、脱イオン(DI)水で溶解して濃度10mg/mLを達成した。可溶化したS03-ビオチン-NHSエステル容量130μLをセツキシマブ抗体溶液に20(SO3-ビオチン-NHSエステル):1(セツキシマブ抗体)のモル比で加えた。コンジュゲーション反応を光から保護して25℃で2時間進行させ、その後、過剰なグリシンを加えて反応を15分間クエンチした。次いで、セツキシマブ-ビオチンコンジュゲート溶液を、30,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してPBS(pH7.2)でコンジュゲーション当量の10倍で交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IRDye 700DXを除去し、pHを調整してpH7.2に戻した。
セツキシマブ-ビオチンコンジュゲートをサイズ排除クロマトグラフィー(SE-HPLC)で分析して、単量体セツキシマブ-ビオチン純度、可溶性凝集体%および反応生成物残留不純物レベルを評価した。コンジュゲートのための抗体に対するビオチンの比(BAR)の平均モル濃度を、Pierce Colorimetric Biotin Quantification Assay(カタログNo: 128005, Thermo Scientific, Rockford, IL)を使用して供給会社の指示に従って決定した。その結果を表14に示す。
b. 単量体ストレプトアビジンのIRDye 700DXへのコンジュゲーション
改変した単量体ストレプトアビジン2(mSA2)(カタログNo: EBU001/2, Kerafast, Boston, MA)をIRDye 700DXとコンジュゲートするために使用する一般プロトコルは、コンジュゲーションの前に最初に3,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してmSA2溶液をリン酸緩衝食塩水(pH7)で交換した以外は、実施例8に記載される抗体コンジュゲーションのプロトコルと実質的に同じであった。コンジュゲーションのために、次いで、可溶化したIRDye 700DX NHSエステルを、mSA2溶液に2(IRDye 700DX NHSエステル):1(単量体ストレプトアビジン)のモル比で加えた。コンジュゲーション反応を実質的に実施例8に記載のとおり実施した後、次いで、10,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用して単量体ストレプトアビジンコンジュゲート溶液をPBS(pH7)24mLで交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IRDye 700DXを除去し、pHを調整してpH7に戻した。
2. PIT殺傷
ビオチン化セツキシマブを、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと20(単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DX):1(1μg/mLのビオチン化セツキシマブ)のモル比にて室温で1時間プレインキュベートした。BxPC3細胞を、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化された1μg/mLのビオチン化セツキシマブを含有する10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI培地(完全培養培地)、または完全培養培地のみと37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を完全培養培地で1回洗浄した。細胞を光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて異なる光量測定値(2J/cm2、8J/cm2、32J/cm2または64J/cm2)で照射した。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。
図4Aに示されるとおり、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DX(mSA IRDye 700DX)と予め複合体化されたビオチン化セツキシマブを用いたBxPC3細胞の光依存性のPIT殺傷活性は、光線量依存的であった。完全培養培地単独とインキュベートした細胞では光依存性殺傷活性は観察されなかった。
その効果の特異性を確認するために、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブの効果を、非コンジュゲートセツキシマブまたは非コンジュゲート単量体ストレプトアビジンのいずれかの存在下で評価して、その効果が競合し得るかを評価した。1つの条件では、最初に、BxPC3細胞を100μg/mLの非コンジュゲートセツキシマブまたは完全培養培地単独と37℃で1時間プレインキュベートした。次いで、細胞を1回洗浄した。次いで、非コンジュゲートセツキシマブとプレインキュベートした細胞を、2μg/mLの単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化された1μg/mLのビオチン化セツキシマブを含有する完全培養培地とインキュベートした。別の条件では、完全培養培地単独とプレインキュベートした(しかし非コンジュゲートセツキシマブとはプレインキュベートしなかった)細胞を、10倍過剰の非コンジュゲート単量体ストレプトアビジンの存在下で予め複合体化された1μg/mLのビオチン化セツキシマブとインキュベートした(20μg/mLの非コンジュゲート単量体ストレプトアビジンおよび2μg/mLの単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXで複合体化を実施した)。加えて、細胞培養培地とプレインキュベートした(しかし非コンジュゲートセツキシマブとはプレインキュベートしなかった)細胞を、2μg/mLの単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DX単独または完全培養培地のみのいずれかと37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を完全培養培地で1回洗浄した。
図4Bに示される結果は、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DX(mSA IRDye 700DX)と予め複合体化されたビオチン化セツキシマブを用いたPIT媒介殺傷が、IRDye 700DXと会合した結合セツキシマブを有する細胞に特異的であることを実証した。単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブとのインキュベーションの前に、BxPC3細胞を100μg/mLの非コンジュゲートセツキシマブに事前曝露したとき、光依存性PIT殺傷は観察されなかった。その結果はまた、単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXに対して10×モル濃度過剰の非コンジュゲート単量体ストレプトアビジンと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブとインキュベートしたBxPC3細胞の光依存性PIT殺傷が観察されなかったので、PIT殺傷がIRDye 700DXコンジュゲート単量体ストレプトアビジンおよびビオチン化抗体の会合に依存的であることも示した。さらに、その結果は、BxPC3細胞の光依存性PIT殺傷が、ビオチン化セツキシマブの非存在下で単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DX単独とインキュベートした細胞、または培養培地単独中でインキュベートしたBxPC3細胞では観察されないことを実証した。
3. 組成物および活性に対する光事前曝露の効果
異なるタイプの光に曝露された単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXを使用した細胞の間接的殺傷の効果も評価した。1つの透明HPLCバイアル当たり単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXコンジュゲート(DAR 1.35)30マイクロリットルを単量体ストレプトアビジンコンジュゲート濃度865μg/mLで加えた。以下の条件を試験した:(1)単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXコンジュゲートを、ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護するアルミ箔で覆われた透明ガラスHPLCチューブに入れた(「光なし」;加熱効果の対照);(2)単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXコンジュゲートを、ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、透明ガラスHPLCチューブに入れた(「白色光」);(3)単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXコンジュゲートを透明ガラスHPLCチューブに入れ、緑色LEDランプに2500ルクスで24時間曝露した(「緑色光」)。
種々の条件下で事前曝露しかつビオチン化セツキシマブと複合体化された単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXによって誘導される細胞殺傷を上記のとおりBxPC3細胞に対して評価した。したがって、全てのBxPC3細胞処置物を、完全培養培地か、または上記のとおりの異なる波長の光への事前曝露を受けていた単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブを含有する完全培養培地のいずれかとインキュベートした。
図4Cに示されるとおり、その結果は、白色光に事前曝露された単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXがPIT殺傷活性の可能性を阻害することを明らかにした。細胞を、アルミ箔で光曝露から保護されていた単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブとインキュベートしたとき、予想されるBxPC3細胞の光依存性殺傷が観察された。対照的に、細胞を、ハロゲンランプからの白色光に2500ルクスで24時間曝露されていた単量体ストレプトアビジンと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブとインキュベートしたとき、BxPC3細胞の光依存性PIT殺傷は観察されなかった。その結果は、BxPC3細胞を、緑色LEDランプからの緑色光に2500ルクスで24時間曝露された単量体ストレプトアビジン-IRDye 700DXと予め複合体化されたビオチン化セツキシマブとインキュベートしたとき、この実験では、IRDye 700DXコンジュゲートを緑色光に事前曝露したときであってもPIT殺傷のいくらかの減少があったものの、光曝露によるPIT殺傷の喪失が低減されたことを示した。完全培養培地単独とインキュベートしたBxPC3細胞の光依存性PIT殺傷はなかった。
実施例11:PIT殺傷に対する抗EpCAM抗体-IRDye 700DXコンジュゲートの効果
IRDye 700DXのようなフタロシアニン光増感剤にコンジュゲートされた抗マウスCD326(EpCAM)(カタログNo: 118202, BioLegend, San Diego, CA)の細胞殺傷に対する効果を評価するためにさらなる追加の研究を実施した。該抗体は、さらなる代替の細胞表面分子EpCAMを標的とする。抗EpCAM-IRDye 700DXを調製するために、コンジュゲーションを実施例8に記載のとおり実施した。
抗EpCAM-IRDye 700DXコンジュゲートによるPIT殺傷活性を評価するために、4T1細胞を、表示のとおりの漸増濃度の抗EpCAM-IRDye 700DXを含有する10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI培地(完全培養培地)または完全培養培地のみと37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を完全培養培地で1回洗浄した。次いで、細胞に690nmのレーザーを0または32J/cm2の光量測定値で照射した。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。
図5Aに示されるとおり、その結果は、抗EpCAM-IRDye 700DXとインキュベートしかつ32J/cm2で照射した4T1細胞が、抗体用量依存的に殺傷されたことを示した。光照射なしでは、いかなる抗体濃度でも顕著な細胞死は観察されなかった。
細胞殺傷の特異性を確認するために、4T1細胞を過剰なモル濃度の非コンジュゲート抗EpCAM抗体とインキュベートして、抗EpCAM-IRDye 700DXコンジュゲートの細胞表面への結合を遮断した。具体的には、10、1、もしくは0.1μg/mLの非コンジュゲート抗EpCAM抗体または完全培養培地単独を37℃で1時間である。細胞を洗浄することなしに、抗EpCAM-IRDye 700DXを4T1細胞に加えて終濃度0.1μg/mLを達成し、37℃で1時間インキュベートした。32J/cm2の光線量の690nmのレーザーでの照射によって細胞殺傷を誘導し、細胞殺傷を上記のとおりCellTox Greenを使用して決定した。
その結果を図5Bに示し、これは抗EpCAM-IRDye 700DX PIT殺傷活性の特異性を示す。その結果は、抗EpCAM-IRDye 700DXとのインキュベーションの前に非コンジュゲート抗EpCAM抗体とプレインキュベートした4T1細胞が、遮断工程を受けなかった4T1細胞と比較して、32J/cm2のレーザー照射への曝露後に顕著に少ない細胞死を提示したことを示し、このことは、抗EpCAMの細胞結合およびIRDye 700DXとのコンジュゲーションが光免疫療法ベースの殺傷に必要であることを実証している。
実施例12:セツキシマブ-IRDye 700DXを用いたFc受容体発現標的細胞のPIT殺傷
抗体-IRDye 700DX薬物コンジュゲートが、Fc受容体(FcR)に結合することができるかどうか、および近赤外(約690nm)光での活性化がFcR+細胞殺傷をもたらすかどうかを評価するために以下の研究を実施した。FcRは、単球、マクロファージおよび骨髄由来抑制細胞(MDSC)のような多種多様な免疫細胞上に通常見いだされる。固形腫瘍におけるこれらの細胞の役割は、有害であり、腫瘍を促進することが見いだされている。ヒト単球系細胞株THP1は、表面Fc受容体を発現し、このアッセイの細胞系モデルとして使用された。
完全RPMI 1640培地中で成長させたTHP1細胞(ATCC, TIB-202)を、96ウェル組織培養プレートに1ウェル当たり総容量100μL中5000の細胞でプレーティングして一晩接着させた。トリパンブルー排除法を介してプレーティング前の細胞の生存率を検査し、>95%の細胞が生存していた。細胞を以下のとおり3つの群に分けた(全て三つ組):(1)THP1細胞のみ(未処置);(2)500ng/mLの薬物セツキシマブ-IRDye 700DXで処置したTHP1細胞;および(3)最初に1μg/ウェルのFc受容体遮断液(カタログNo: 564220, BD, Franklin Lakes, NJ)と室温で20分間インキュベートし、続いて、薬物セツキシマブ-IRDye 700DXで処置した(500ng/mL、光から保護してインキュベーター内にて37℃で1時間)THP1細胞。
殺傷を誘導するために、各群の細胞を32J/cm2の線量の690nmレーザー光に供した。対照は、上記のとおりであるが光で処置されない群に対応するウェルであった。細胞殺傷を、実質的に実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。CellTox Green色素(1×)をウェルに加え、細胞をインキュベーター内にて37℃で24時間インキュベートした。また、色素を、後のバックグラウンド減算のために、培地100μLのみを含有するウェル2つに加えた。インキュベーション後、組織培養プレートをプレートリーダーで直ちに読み取った。次いで、培地だけを含有する対照ウェルも含め、希釈した溶解溶液(Promega、カタログ# G1821)5μLを加えることによって細胞を溶解に供した。培養培地を溶解溶液に40%(溶解溶液):60%(培養培地)の比で加えることによって希釈を実施した。次いで、プレートを再度読み取り、100%細胞死についての値を得た。読み取りごとに、2つのバックグラウンドウェルを平均化し、それらの値を全ての他のウェルから減算した。ウェル毎の細胞死%を算出するために、第一の読み取りからのバックグラウンド減算値を第二の読み取り(溶解後)からの値で割って100を掛けた。
図6に示されるとおり、その結果は、セツキシマブ-IRDye 700DXによるTHP1細胞のFc受容体特異的殺傷を示した。32J/cm2の光に供された薬物処置されたTHP1細胞によって表される群において最大殺傷が観察された。殺傷値のパーセントは、光および薬物処置されたTHP1細胞に対するものである。したがって、その結果は、抗体媒介殺傷が細胞表面の標的分子への特異的結合、およびいくつかの場合では、抗体のFcRへの結合によって媒介されうることを示した。
実施例13:非抗体分子:IRDye 700DX DXコンジュゲートの細胞殺傷活性の評価および細胞殺傷活性に対する白色光曝露の効果
非抗体タンパク質、低分子タンパク質、およびウイルスをIRDye 700DXのようなフタロシアニン色素とコンジュゲートして細胞殺傷をターゲティングできるかを評価するために以下の研究を実施した。以下に示されるとおり、その結果は、種々の他の非抗体分子が細胞殺傷を媒介し、この殺傷が、近赤外光(例えば、約690nmの光)での活性化、細胞への結合に依存し、かつ/または巨大分子コンジュゲートの白色光への事前曝露によって影響を受けることを示した。
A. 非抗体タンパク質:IR700コンジュゲート
ヒト組換え上皮細胞成長因子(EGF)(カタログNo: 01-401, EMD Millipore, Billerica, MA)をIRDye 700DXにコンジュゲートし、これを評価して、その殺傷活性と、異なる波長の光への事前曝露が可溶性凝集体形成に影響を及ぼすかどうかとを評価した。
1. EGFコンジュゲーション
IRDye 700DXを用いたヒト組換えEGFの標識に使用するプロトコルは、コンジュゲーションの前に、3,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してEGF溶液を最初にリン酸緩衝食塩水(pH7)で交換した以外は、実施例8に記載される抗体コンジュゲーションのプロトコルと実質的に同じであった。コンジュゲーションのために、次いで、可溶化したIR700 NHSエステルをEGF溶液に4(IR700 NHSエステル):1(EGF)のモル比、または1.2(IR700 NHSエステル):1(EGF)のモル比で加えた。コンジュゲーション反応をパートAに記載のとおり実施した後、次いで、3,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してEGFコンジュゲート溶液をPBS(pH7)でコンジュゲーション当量の6倍で交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IR700を除去し、pHを調整してpH7に戻した。
2. EGF-IR700光依存性殺傷活性
評価のために、A431細胞においてEGF-IR700細胞殺傷を評価した。A431細胞を、実験の前日に96ウェル白色透明底ディッシュに5000細胞/ウェルで播種した。翌日、A431細胞を、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM(無血清培地)で3回洗浄した。次いで、A431細胞を無血清培地で1回洗浄し、次いで、1μg/mLのEGF-IRDye 700DXを含有する無血清培地または無血清培地のみと4℃で1時間インキュベートした。活性の特異性を評価するための対照として、1つの条件で、1μg/mLのEGF-IRDye 700DXとのインキュベーションの前に、A431細胞を、無血清培地中で希釈した100μg/mLの非コンジュゲートセツキシマブと4℃で1時間プレインキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で1回洗浄した。
IR700依存性殺傷を誘導するために、次いで、細胞に690nmのレーザーを32J/cm2の光で照射するかまたは光から保護した(「光なし」)。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。全てのウェルから、光なしの無血清培地のみの対照からの死細胞のパーセンテージを引いて、((32J/cm2でのEGF-IRDye 700DX)-(光なしの無血清培地のみの対照))で割って、100を掛けることにより、正規化した死細胞のパーセンテージを算出した。
図7Aに示されるとおり、その結果は、EGF-IRDye 700DX媒介細胞殺傷が光依存性殺傷であり、細胞を光で処置して細胞殺傷活性を活性化したときのみ殺傷が観察されたことを示した。1μg/mLのEGF-IRDye 700DXとのインキュベーションの前の100μg/mLの非コンジュゲートセツキシマブでのA431細胞の事前曝露は、光依存性細胞殺傷を遮断した。培地のみとインキュベートしたA431細胞は、いかなる光誘導殺傷も示さなかった。
3. 光活性化活性に対する光事前曝露の効果
また、白色光対緑色光に事前曝露されたEGF-IRDye 700DXの光活性化細胞殺傷に対する効果をA431細胞において評価した。EGF-IRDye 700DXを異なるタイプの光に事前曝露し、光活性化殺傷活性に対する光処置の効果を評価した。1個の透明HPLCバイアル当たりEGF-IRDye 700DXコンジュゲート(DAR 2)5マイクロリットルを1.14mg/mLのEGF-IRDye 700DX濃度で加えた。以下の条件を試験した:(1)光から保護して4℃で保存した抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「4℃」、対照として使用);(2)ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、透明ガラスHPLCチューブに入れた抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「白色光」);(3)ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護するアルミ箔で覆われた透明ガラスHPLCチューブに入れた抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「光なし」、凝集体の形成に対する加熱効果の対照として使用);および(4)透明ガラスHPLCチューブに入れて緑色LEDランプに2500ルクスで24時間曝露された抗体-IRDye 700DXコンジュゲート(「緑色光」)。
細胞殺傷活性を評価するために、A431細胞を無血清培地で2回洗浄し、無血清培地単独で4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で1回洗浄し、無血清培地単独と、または1μg/mLのEGF-IRDye 700DXを含有する無血清培地(「光なし」)、白色光に事前曝露された1μg/mLのEGF-IRDye 700DXを含有する無血清培地(「2500ルクス白色光」)もしくは緑色光に事前曝露された1μg/mLのEGF-IRDye 700DXを含有する無血清培地(「2500ルクス緑色光」)と4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で1回洗浄した。
細胞殺傷を誘導するために、細胞を光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて異なる光量測定値(8 J/cm2、32J/cm2または64J/cm2)で照射するかのいずれかを行った。
図7Bに示されるとおり、EGF-IRDye 700DX光依存性殺傷活性は、白色光への事前曝露に感受性であった。ハロゲンランプからの白色光下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護されたが熱的加熱からは保護されていないEGF-IRDye 700DXとインキュベートしたA431細胞は、光依存性殺傷を示した。ハロゲンランプからの白色光に2500ルクスで24時間曝露されたEGF-IRDye 700DXとインキュベートしたA431細胞は、もはや光依存性殺傷活性を示さなかった。緑色LEDランプからの緑色光に2500ルクスで24時間曝露されていたEGF-IRDye 700DXとインキュベートしたA431細胞は、「光なし」EGF-IRDye 700DXの場合に匹敵する光依存性殺傷活性を示した。無血清培地単独とインキュベートしたA431細胞は、光依存性殺傷活性を示さなかった。
B. コレラトキシンB-IR700コンジュゲート
細胞殺傷が非タンパク質分子に結合する分子によって媒介されることができるかどうかを評価するために、コレラトキシンB(カタログNo: C9903-2MG, Sigma Aldrich, St. Louis, MO)をIRDye 700DXにコンジュゲートし、これを評価して、異なる波長の光への事前曝露によってその殺傷活性を評価した。コレラトキシンBは、非タンパク質表面巨大分子部分である糖脂質GM1に特異的に結合する。
1. コレラトキシンBコンジュゲーション
IRDye 700DXを用いたコレラトキシンBの標識に使用するプロトコルは、コンジュゲーションの前に、3,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してコレラトキシンB溶液を最初にリン酸緩衝食塩水(pH7)で交換した以外は、実施例8に記載される抗体コンジュゲーションのプロトコルと実質的に同じであった。コンジュゲーションのために、次いで、可溶化したIR700 NHSエステルをコレラトキシン溶液に2(IR700 NHSエステル):1(コレラトキシンB)のモル比で加えた。実質的に実施例8に記載のとおり実施したコンジュゲーション反応後、次いで10,000ダルトン分子量カットオフフィルターを使用してコレラトキシンBコンジュゲート溶液をPBS(pH7)24mLで交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IR700を除去し、pHを調整してpH7に戻した。
2. コレラトキシンB-IR700殺傷活性
コレラトキシンB-IR700を使用した光活性化細胞殺傷をBxPC3細胞において評価した。BxPC3細胞を1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI培地(無血清培地)で3回洗浄し、次いで、無血清培地のみまたは2μg/mLのコレラトキシンB-IRDye 700DX(五量体当たりDAR約2.9)を含有する無血清培地と4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で2回洗浄した。
IR700依存性殺傷を誘導するために、細胞を、光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて異なる光量測定値(2J/cm2、8J/cm2または32J/cm2または96J/cm2)で照射するかのいずれかを行った。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox試薬を使用して評価した。全てのウェルから、光なしの完全培養培地のみの対照からの死細胞のパーセンテージを引いて、((96J/cm2でのコレラトキシンB-IRDye 700DX)-(光なしの完全培養培地))で割って、100を掛けることによって、正規化した死細胞のパーセンテージを算出した。
図8Aに示されるとおり、BxPC3細胞の光依存性殺傷に対する光線量の効果は、2μg/mLのコレラトキシンB-IRDye 700DXと4℃で1時間インキュベートし、続いて漸増光線量の存在下で照射したBxPC3死細胞の正規化されたパーセントの増加からも明らかなように、線量依存的であった。完全培養培地でのみ処置したBxPC3細胞の光線量依存性殺傷は観察されなかった。
光活性化細胞殺傷活性の特異性を評価するために、BxPC3細胞を無血清培地で3回洗浄し、次いで、完全培養培地単独または100μg/mLの非コンジュゲートコレラトキシンBを含有する完全培養培地と4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で1回洗浄し、無血清培地のみと、2μg/mLのコレラトキシンB-IRDye 700DXを含有する無血清培地と、または100μg/mLの非コンジュゲートコレラトキシンBと2μg/mLのコレラトキシンB-IRDye 700DXを含有する無血清培地と、4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地で2回洗浄した。IR700依存性殺傷を誘導するために、細胞を、光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて96J/cm2で照射するかのいずれかを行い、細胞死を上記のとおり評価した。
図8Bに示されるとおり、BxPC3細胞と100×過剰の非コンジュゲートコレラトキシンBのプレインキュベーションが、BxPC3細胞におけるコレラトキシンB-IRDye 700DX光依存性殺傷を遮断し、それによって殺傷活性がコレラトキシンBの細胞への結合に依存的であることを示すことを結果は表した。
3. 細胞殺傷活性に対する光事前曝露の効果
白色光対緑色光に事前曝露されたコレラトキシンB-IRDye 700DXの光活性化殺傷活性に対する効果を評価した。1個の透明HPLCバイアル当たりコレラトキシンB-IRDye 700DXコンジュゲート(DAR 2.9)10マイクロリットルを1mg/mLのコレラトキシンB-IRDye 700DX濃度で加えた。以下の条件を試験した:(1)ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護するアルミ箔で覆われた透明ガラスHPLCチューブに入れたコレラトキシンB-IRDye 700DXコンジュゲート(「光なし」、凝集体の形成に対する加熱効果の対照として使用);(2)コレラトキシンB-IRDye 700DXコンジュゲートを、ハロゲンランプ下にて2500ルクスで24時間、透明ガラスHPLCチューブに入れた(「白色光」);または(3)コレラトキシンB-IRDye 700DXコンジュゲートを透明ガラスHPLCチューブに入れ、緑色LEDランプに2500ルクスで24時間曝露した(「緑色光」)。
種々の条件下で事前曝露したコレラトキシンB-IRDye 700DXによって誘導される細胞殺傷を上記のとおりBxPC3細胞に対して評価した。こうして、全てのBxPC3細胞処置物を、無血清培地単独または上記のとおりの異なる波長の光への事前曝露を受けたコレラトキシンB-IRDye 700DXを含有する無血清培地のいずれかとインキュベートした。
図8Cに示されるとおり、コレラトキシンB-IRDye 700DXによって媒介される光依存性殺傷活性は、白色光への事前曝露に感受性であった。ハロゲンランプからの白色光下にて2500ルクスで24時間、光曝露から保護されたが熱的加熱からは保護されていないコレラトキシンB-IRDye 700DXとインキュベートしたBxPC3細胞は、光依存性殺傷を示した。ハロゲンランプからの白色光に2500ルクスで24時間曝露されていたコレラトキシンB-IRDye 700DXとインキュベートしたBxPC3細胞は、もはや光依存性殺傷活性を示さなかった。緑色LEDランプからの緑色光に2500ルクスで24時間曝露されていたコレラトキシンB-IRDye 700DXとインキュベートしたBxPC3細胞は、光依存性殺傷活性のわずかな減少を示したが、白色光曝露したコレラトキシンB-IRDye 700DXで処置した細胞の場合よりは大幅に少なかった。無血清培地単独とインキュベートしたBxPC3細胞は、光依存性殺傷活性を示さなかった。
C. インフルエンザウイルス-IR700
光活性化細胞殺傷のためにウイルス粒子をIRDye 700DXのようなフタロシアニン色素とコンジュゲートすることができるかどうかを評価するために以下の研究を実施した。光活性化ウイルス-IR700コンジュゲート殺傷に対する白色光への事前曝露の効果も評価した。
1. インフルエンザウイルス(X-31)コンジュゲーション
IRDye 700DX NHSエステル(カタログNo. 929-70011; Li-COR, Lincoln, NE)の凍結固体アリコートを室温で解凍し、次いで、DMSOで溶解して濃度10mg/mLを達成した。暗環境下、IRDye 700DX NHSエステル10μgを、65,536 HA力価単位のインフルエンザA X-31、A/Aichi/68(H3N2)ストック(カタログNo: 10100375, Charles River Laboratories, Wilmington, MA)に加え、テーブルトップボルテクサー上に可能な最低の設定で、25℃で2時間置いた。重力流カラムを使用して、事前にリン酸緩衝食塩水で平衡化したNap 5重力流カラム(カタログNo: 17-0853-02, GE Healthcare Life Sciences, Pittsburg, PA)にウイルス溶液100μLをロードすることによってウイルスコンジュゲートを遊離色素から分離した。リン酸緩衝食塩水650μLを加えた後、通過画分を廃棄した。追加のリン酸緩衝食塩水400μLをカラムにロードし、コンジュゲートウイルスを含有した通過画分を収集した。実験にウイルスを使用する前に、ウイルスコンジュゲート溶液を0.2μm孔径のPVDFフィルターで濾過して、あらゆる不溶性凝集体を除去した。
2. インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DX殺傷活性
ベロ細胞をインフルエンザウイルス(X-31)-IR700とインキュベートして、インフルエンザウイルス(X-31)-IR700と会合する細胞が光照射後の殺傷に感受性であるかを評価した。ベロ細胞を、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM培地(無血清培地)で4回洗浄した。無血清培地1200μLと精製インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DX(上記のとおりの調製)通過画分400μLとを混合することによって、ウイルス接種培地を作製し、次いで、これを0.2μm孔径のPVDFフィルターで濾過して、あらゆる凝集体を除去した。ウイルス接種培地100μLまたは無血清培養培地100μLを細胞に加え、4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を無血清培地100μLで1回洗浄した。
次いで、ウイルス会合細胞または対照ベロ細胞を、光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて異なる光量測定値(2J/cm2、8J/cm2、32J/cm2または96J/cm2)で照射するかのいずれかを行った。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。
図9Aに示されるとおり、インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXを接種したベロ細胞は、光線量依存的に殺傷された。ウイルスなしの完全培養培地中でインキュベートしたベロ細胞は、光依存性殺傷を示さなかった。
3.コンジュゲート活性に対する光事前曝露の効果
インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXを、光活性化光依存性殺傷活性に対する光への事前曝露の効果について3つの異なる光曝露条件下(異なる波長の白色光対緑色光を含む)で試験した。1個の透明HPLCバイアル当たりインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DX通過画分およそ130uLを加え、以下の条件への曝露後に試験した:(1)インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXコンジュゲートを、ハロゲンランプ(カタログNo: PL-800, Dolan-Jenner, Boxborough, MA)下にて2500ルクスで18時間、光曝露から保護するアルミ箔で覆われた透明ガラスHPLCチューブに入れた(「光なし」、加熱効果の対照);(2)インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXコンジュゲートを、ハロゲンランプ下にて2500ルクスで18時間、透明ガラスHPLCチューブに入れた(「白色光」);(3)インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXコンジュゲートを透明ガラスHPLCチューブに入れ、緑色LEDランプ(カタログNo: Green-ECS GP19 EcoSmart)に2500ルクスで18時間曝露した(「緑色光」)。
種々の条件下で事前曝露されたインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXを用いたベロ細胞の接種によって誘導される細胞殺傷を、690nmのレーザーにて光線量96J/cm2で照射した後に上記のとおり評価した。したがって、全てのベロ細胞処置物を、無血清培地単独または異なる波長の光への事前曝露を受けたインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXを含有する無血清培地のいずれかとインキュベートした。
図9Bに示されるとおり、インフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXによって媒介される光依存性殺傷活性は、白色光への事前曝露に感受性である。アルミ箔で光曝露から保護されていたインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXとインキュベートしたベロ細胞(「光なし」)は、光依存性殺傷を示した。しかしながら、細胞殺傷の程度は、光から保護されていた「光なし」のインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXで処置した細胞と比較して、ハロゲンランプからの白色光に2500ルクスで18時間曝露されていたインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXとインキュベートしたベロ細胞において減少した。対照的に、緑色LEDランプからの緑色光に2500ルクスで18時間曝露されていたインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXとベロ細胞とのインキュベーションは、光から保護されていた「光なし」のインフルエンザウイルス(X-31)-IRDye 700DXの場合と同じ光活性化殺傷活性を示した。無血清培地単独とインキュベートしたベロ細胞は、光依存性殺傷活性を示さなかった。
実施例14:追加の分子:IR700 DXコンジュゲートの細胞殺傷活性の評価
非タンパク質表面分子に結合することができる追加の非抗体IRDye 700DXコンジュゲートの細胞殺傷活性を評価するための研究を実施した。例示的な追加の研究では、IRDye 700DXにコンジュゲートされたセイヨウニワトコ(Sambucus Nigra)レクチン(SNA;エルダーベリーレクチン、EBLとも呼ばれる)(カタログNo: L-1300, Vector Labs, Burlingame, CA)の効果を評価して、その殺傷活性を評価した。SNAは、細胞上の糖タンパク質上のアルファ(2,6)連結シアル酸に特異的に結合する。また、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して光誘導凝集についてSNA-IR700を評価したが、この例示的な実験では、白色光対緑色光に曝露されたSNA-IR700コンジュゲートのサイズ排除クロマトグラフィーに対する効果はなかった。
1. エルダーベリーレクチン(SNA)コンジュゲーション
IRDye 700DXを用いたSNAの標識に使用するプロトコルは、実施例8に記載される抗体コンジュゲーションのプロトコルと実質的に同じである。
2. SNA-IR700光依存性殺傷活性
SNA-IR700が光照射後に細胞殺傷を誘起できるかを評価するために、細胞殺傷をBxPC3細胞において評価した。BxPC3細胞を細胞培養プレートから解離させ、10%ウシ胎仔血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI培地を含有する細胞培養培地(完全培養培地)を、1% BSAおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI培地(結合培地)に交換した。BxPC3細胞を、結合培地のみか、または10μg/mLのSNA-IRDye 700DXを抗体に対する色素比(DAR)約2.5で含有する結合培地を含有する別々のチューブに移し、4℃で1時間インキュベートした。次いで、200μg/mLの非コンジュゲートSNAで事前にコートしたプレート(37℃で1時間のコーティング処理をし、無血清培地で3回洗浄した)に細胞を移して、SNA-IRDye 700DXのプレートへの非特異的結合を遮断した。
IR700依存性殺傷を誘導するために、細胞を、光から保護するか(光線量0J/cm2)または690nmのレーザーにて異なる光量測定値(8J/cm2、32J/cm2または96J/cm2)で照射するかのいずれかを行った。細胞死を実施例9に記載のとおりCellTox Greenを使用して評価した。
図10Aに示されるとおり、SNA-IRDye 700DXとインキュベートしたBxPC3細胞は、光依存性殺傷を示した。IR700コンジュゲートの非存在下にて完全培養培地で処置したBxPC3細胞は、光依存性殺傷を示さなかった。
細胞殺傷の特異性を評価するために、BxPC3細胞を、SNAの受容体であるアルファ(2,6)連結シアル酸を切断するシアリダーゼAで処置した。BxPC3細胞を組織培養フラスコから解離させ、10%ホルマリンで20分間固定した。次いで、細胞をPBSで3回洗浄し、1×反応緩衝液単独(5×グリコシアリダーゼA-51反応緩衝液から希釈、カタログ番号GK80045, Prozyme)、0.025UシアリダーゼAを含有する1×反応緩衝液、または0.075UシアリダーゼAを含有する1×反応緩衝液で37℃にて2時間処置した。次いで、細胞をPBSで3回洗浄し、次いで、PBS単独または10μg/mLのSNA-IRDye 700DXを含有するPBSと4℃で1時間インキュベートした。
インキュベーション後、細胞をPBSで3回洗浄し、DAPI核染色で染色し、次いで、96ウェルディッシュ上にプレーティングして、落射照明蛍光顕微鏡で撮像した。少なくとも10の領域を選択して撮像し、DAPI核染色およびSNA-IRDye 700DX蛍光シグナルを検出した。試験群の蛍光強度を比較するために、同じ画像中で所与の画像の最小ピクセル強度を全ての他のピクセルから減算することによってバックグラウンド減算を実施した。DAPI核シグナルを閾値処理し、これを細胞毎の代表域として使用した。次いで、分割されたDAPI画像を使用して、SNA-IRDye 700DXを撮像するために使用するチャネル中の平均蛍光強度について定量化する個々の細胞毎の面積を決定した。SNA-IRDye 700DX染色は拡散性の膜染色であり、かつ、落射照明顕微鏡を使用したため、DAPI核染色によって画定されるマスクされた領域から測定された平均蛍光シグナルは、1細胞当たりのSNA-IRDye 700DX染色について代表的な平均蛍光強度として使用することができる。平均蛍光強度を、1処置条件当たり数百の細胞について収集し、箱髭図でプロットした。
細胞をシアリダーゼAで処置した後の試験群の蛍光強度結果を図10Bに示す。その結果は、シアリダーゼA処置の用量依存的増加が、試料におけるSNA-IRDye 700DX染色の同時減少をもたらしたことを示した。シアリダーゼA処置の用量依存的増加は、BxPC3細胞をSNA-IRDye 700DXで染色しなかったとき、SNA-IRDye 700DXを検出するために使用されるチャネルからの蛍光のいかなる変化ももたらさなかった。
実施例15:細菌病原体のIR700-コンジュゲート媒介PIT殺傷
IRDye 700DXのようなフタロシアニン光増感剤に直接コンジュゲートされた抗体が細胞表面上に提示されるタンパク質に結合することによって細菌細胞を殺傷することができるかどうかを評価するために以下の研究を実施した。プロテインAは、抗体のFc領域に結合する、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus, S. aureus)の細胞表面上に提示されるタンパク質である。
実質的に実施例1に記載のとおりコンジュゲートされたセツキシマブ-IR700をこれらの研究で使用した。黄色ブドウ球菌は、ATCC(American Type Culture Collection)ID 6538から取得した。黄色ブドウ球菌を、コロニー選択および計数用のBHI(Brain Heart Infusion)寒天プレート、または集団拡大用のBHI培養液(完全培養培地)のいずれかで成長させた。
細菌細胞誘導PIT殺傷を評価するために、黄色ブドウ球菌を100μg/mLのセツキシマブ-IRDye 700DXと室温で1時間インキュベートした。次いで、細胞に690nmのレーザーを0または300J/cm2で照射した。以下の条件下でのBHI寒天プレート上のコロニー形成単位(CFU)を計数することによって残留生存細菌細胞の数を決定した。対照として、生存細菌細胞の数はまた、レーザー照射なしでセツキシマブ-IRDye 700DXとインキュベーション単独の処置、レーザー照射単独の処置、または未処置の細胞において評価した。生存CFUのパーセントを処置なしの細菌細胞に対して正規化した。
その結果を図11に示し、黄色ブドウ球菌のPIT媒介細胞殺傷がプロテインAに結合する抗体-IR700コンジュゲートの存在下で起こることができることを示す。セツキシマブ-IRDye 700DXとインキュベートしその後レーザー照射した細菌細胞だけが、その他の3群と比較して統計的に有意なCFU低下を有していた。
実施例16:ウイルス病原体のIR700-コンジュゲート媒介PIT殺傷
フタロシアニン標識抗ウイルス抗体を用いてウイルス粒子に対してPITを実施することによってウイルスの感染能を阻害できるかどうかを評価するために以下の研究を実施した。インフルエンザウイルスを具体例として使用して例示的な研究を実施し、その中で、マウス抗インフルエンザウイルスA(H3N2)およびヤギ抗マウスFab-IRDye 700DX抗体でコートされたインフルエンザウイルス粒子に対して間接的PIT処置を実施した。二次抗体-IRDye 700DXコンジュゲートでの一次非コンジュゲート抗体の間接的標識が、直接コンジュゲート一次抗体の場合と同様にPIT殺傷を誘導することができるので、その知見を直接コンジュゲートされた抗ウイルス-IRDye 700DX抗体に一般化することができる。したがって、これらの結果は、PIT処置がウイルス感染の阻害を導くことができることを実証している。
AffiniPure Fab断片ヤギ抗マウスIgG1特異的(GtxMs Fab)抗体(カタログ番号: 115-007-185, Jackson ImmunoResearch Laboratories, West Grove, PA)を、10,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用してGtxMs Fab抗体溶液を最初にリン酸緩衝食塩水(pH7)で交換した以外は、実質的に実施例8に記載のとおりIR700にコンジュゲートし、次いで、pH=9のリン酸緩衝液の添加によって抗体溶液pHをpH8.5に調整した。IRDye 700DX NHSエステル(カタログNo. 929-70011; Li-COR, Lincoln, NE)の凍結固体アリコートを室温で解凍し、次いで、DMSOで溶解して濃度10mg/mLを達成した。暗環境下、次いで可溶化したIR700 NHSエステルを、抗体溶液に2(IR700 NHSエステル):1(抗体)のモル比で加えた。コンジュゲーション反応を光から保護して25℃で2時間進行させた。グリシン(pH8.2)を15分間終濃度10mMまで加え、反応をクエンチした。次いで、10,000ダルトン分子量カットオフ遠心分離フィルターを使用して抗体コンジュゲート溶液をPBS(pH7)24mLで交換して、遊離色素、グリシン、およびグリシン-IR700を除去し、pHを調整してpH7に戻した。
PITのために、マウス抗ヒトインフルエンザA(H3N2)(F49)(カタログNo: M146, TaKaRa, Katsushika Tokyo, Japan)1μgとGtxMs Fab-IRDye 700DX 1μgとを暗所にて25℃で5分間混合し、続いて、16,384 HA力価単位のインフルエンザA X-31, A/Aichi/68(H3N2)ストック(カタログNo: 10100375, Charles River Laboratories, Wilmington, MA)との30分間インキュベーションを暗所にて25℃で30分間行うことによって、インフルエンザAウイルスをIR700と間接的に会合させた。1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM(無血清培地)およそ875μLを加え、インキュベートしたウイルスを0.2μmの孔径のPVDFフィルターで濾過して、あらゆる不溶性凝集体(ウイルス接種培地)を除去した。インキュベーションを二つ組で実施した。二つ組の試料の一方について、抗体-ウイルス溶液を144J/cm2の690nmの光に曝露し、もう一方の試料を光から保護した。
PITで処置したウイルスを、ベロ細胞を用いて感染力について評価した。インフルエンザウイルス(X-31)をマウス抗インフルエンザウイルスA(H3N2)およびGtxMs Fab-IRDye 700DXで標識する24時間前に、125,000のベロ細胞を6ウェルディッシュにプレーティングした。細胞を播種した翌日およびインフルエンザウイルス(X31)をマウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)抗体とGtxMs Fab-IRDye 700DXとで標識した後、細胞を無血清培地で4回洗浄した。次いで、細胞を、100μLの光で処置したウイルス接種培地、光なしで処置したウイルス接種培地、または無血清培地と37℃で1時間インキュベートした。次いで、培地を、0.3%ウシ血清アルブミン(BSA)および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEMと交換した。ウイルス接種の14時間後、細胞をトリプシン処理し、10%ウシ胎仔血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEMに再懸濁し、エッペンドルフチューブに入れた。次いで、細胞を10%ホルマリンで20分間固定し、その後、リン酸緩衝食塩水(PBS、pH7)で3回洗浄した。洗浄工程毎に、細胞を1500rpmで3分間スピンダウンし、上清を除去し、そして、細胞ペレットをPBS 1mLで再懸濁した。
次いで、細胞を、3%ウシ血清アルブミン(IgGフリー、プロテアーゼフリー)(カタログNo: 001-000-162, Jackson ImmunoResearch Laboratories, Wilmington, MA)および0.08%サポニンを補充したPBSを含有する「遮断緩衝液」と25℃で30分間インキュベートした。次いで、細胞を、遮断緩衝液中で希釈した1:2000マウス(IgG2a)抗インフルエンザAウイルス核タンパク質抗体[AA5H](カタログno: ab20343, Abcam, Cambridge, United Kingdom)と25℃で1時間10分インキュベートした。その後、細胞を1500rpmで3分間スピンダウンし、上清を除去し、細胞ペレットを遮断緩衝液100μLで再懸濁し、細胞を25℃で少なくとも5分間インキュベートして次の洗浄を行うことによって、細胞を遮断緩衝液で3回洗浄した。一次抗体を洗い流した後、細胞を、遮断緩衝液中で希釈した1:250のAlexaFluor 488-コンジュゲートAffiniPureヤギ抗マウスIgG Fcガンマサブクラス2a特異的(カタログNo: 115-545-206, Jackson ImmunoResearch Laboratories, Wilmington, MA)と25℃で30分間インキュベートした。次いで、細胞を、1洗浄当たり遮断緩衝液100μLで1洗浄工程当たり少なくとも5分間3回洗浄し、続いて、PBSで3回の追加洗浄を行った。次いで、細胞を96ウェルプレート上にスポットし、蛍光顕微鏡(Evos, Life Technologies)で撮像した。関心対象の少なくとも12の無作為の領域を無作為に選択して、明視野像ならびにGFP励起および発光キューブで撮った対応する蛍光画像を得た。明視野像を使用して総細胞数を得て、蛍光画像を使用して核タンパク質発現の存在(細胞がインフルエンザウイルス感染で感染した読み取りである)を検出した。
690nmの光に曝露された抗HAおよびヤギ抗マウスIRDye 700DX(GtxMs Fab-IRDye 700DX)でコートしたインフルエンザウイルス粒子のウイルス感染力に対する効果を評価した。図12の結果は、GtxMs Fab-IRDye 700DXと予め複合体化されたマウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)を使用したインフルエンザウイルス粒子に対するPITがインフルエンザウイルス感染を無効にすることを示す。690nmの光に曝露しなかった予め複合体化されたマウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)およびGtxMs Fab-IRDye 700DXでコートしたウイルスとインキュベートしたベロ細胞は、ロバストなウイルス感染をもたらし、インフルエンザウイルス核タンパク質発現についてのベロ細胞染色は約97.4%であった。全く対照的に、マウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)およびGtxMs Fab-IRDye 700DXでコートしたPITで処置したウイルスとインキュベートしたベロ細胞は、ウイルス感染の顕著な減少を示し、インフルエンザウイルス核タンパク質発現についての細胞染色はわずか1.8%であった。
実施例17:病原体感染細胞のIR700-コンジュゲート媒介PIT殺傷
以下の研究は、直接コンジュゲーションまたは二次抗体コンジュゲートとの間接標識のいずれかによってフタロシアニン色素(例えばIRDye 700DX)で標識された抗ウイルス抗体を用いたPITで、ウイルス感染細胞を選択的に処置することができるかどうかを評価するために実施した。例示的なデータは、マウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)抗体およびヤギ抗マウス-IRDye 700DX二次抗体を用いた間接的PITを使用したインフルエンザウイルス感染細胞に対してPITを実施する工程を含む。
この研究では、AffiniPure Fab断片ヤギ抗マウスIgG1特異的(GtxMs Fab)抗体とIRDye 700 DXのコンジュゲーションを実施例8に記載のとおり実質的に実施した。
ウイルスまたは細胞をPITで処置する前に、ベロ細胞にインフルエンザウイルスを感染させた。およそ5,000のベロ細胞を96ウェルの透明底黒色プレートにプレーティングした。細胞を播種した翌日、細胞を、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM(無血清培地)100μLで4回洗浄し、次いで、1ウェル当たり327.68 HA力価単位のインフルエンザA X-31, A/Aichi/68(H3N2)(カタログNo: 10100375, Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を含有する無血清培地とインキュベートした。次いで、細胞をウイルス接種培地または無血清培地と37℃で90分間インキュベートした後、次いで、ウイルス接種培地を0.3%ウシ血清アルブミン(BSA)および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEMと交換した。
次いで、ウイルス感染細胞を、ウイルス接種の14時間後、マウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)抗体およびヤギ抗マウス-IRDye 700DX二次抗体で標識した。簡潔に述べると、細胞を、10%ウシ胎仔血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したEMEM(完全培養培地)で希釈した1μg/mLのマウス抗ヒトインフルエンザA(H3N2)(F49)(カタログNo: M146, TaKaRa, Katsushika Tokyo, Japan)と4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を完全培養培地で1回洗浄し、次いで、完全培養培地中で希釈した5μg/mLのGtxMs-IRDye 700DXと4℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を完全培養培地100μLで1回洗浄した。PITを誘導するために、細胞を64J/cm2の690nmのレーザーで照射するかまたは光から保護した(「光なし」)。
CellTox Green試薬を使用して細胞死を評価した。光処置後、全ての細胞を、完全培養培地中で希釈した1×CellTox Green試薬と37℃で15分間インキュベートし、次いで蛍光顕微鏡(Evos, Life Technologies)で撮像した。少なくとも3つの異なるウェルについて、関心対象の1ウェル当たり少なくとも5つの無作為の領域を無作為に選択して、明視野像、Cy5励起および発光キューブを使用した抗インフルエンザウイルス蛍光画像、およびGFP励起および発光キューブを使用したCellTox Green蛍光画像を得た。次いで、細胞を、ウイルス感染した細胞の指標として抗インフルエンザウイルス染色についてスコア化した。ウイルス感染細胞の中で、次いで、CellTox Green染色があったかどうかについて細胞をスコア化した。
図13に示されるとおり、その結果は、マウス抗インフルエンザウイルス(H3N2)およびヤギ抗マウスIRDye 700DX(GtxMs-IRDye 700DX)で連続的に標識し、続いて光照射したインフルエンザウイルス感染ベロ細胞において、PIT誘導細胞死が観察されたことを示した。光処置の非存在下ではわずかな細胞死だけが観察されたため、観察された細胞死の程度は光依存的であった。
実施例18:神経細胞のIR700コンジュゲート媒介PIT殺傷
IRDye 700DXのコンジュゲートを使用したPITによって神経細胞が殺傷されることができるかどうかを評価するために以下の研究を実施した。後根神経節(DRG)神経細胞を、IRDye 700DXとコンジュゲートされたコレラトキシンのBサブセットを用いたPITに供した。690nmのレーザー光での照射は、発光ベースの細胞傷害性アッセイで測定したところ、完全な細胞死をもたらした。光投与なしでは、細胞死はほとんど観察されなかった。その知見は、PITが神経細胞を殺傷する、かつより広範には初代細胞を含む非がん細胞を殺傷する有効な処置でありうることを実証している。
ラット胚性DRGをLonza(カタログ番号R-eDRG-515, Lonza Walkersville, Inc., Walkersville, MD)から冷凍保存された形で得て、使用するまで液体窒素中で保存した。Lonzaによるストック溶液の調製および手順に従って、黒色壁の96ウェルプレートを、1ウェル当たり、30μg/mLのポリ-D-リジン(Sigma-Aldrich, カタログP0899, St. Louis, MO)および2μg/mLのラミニン(Sigma-Aldrich, L2020, St. Louis, MO)を含有するPBS 50μLで室温にて1時間コートした。コーティング溶液を吸引し、そして、プレートを1時間乾燥させ(バイオセーフティーキャビネット内で蓋を開ける)、直ちに細胞播種に使用した。Lonzaによって提供される指示に厳密に従って、細胞を解凍およびプレーティングした。培養培地に、2mMのL-グルタミン、50μg/mLのゲンタマイシン、37ng/mLのアムホテリシンおよび2% NSF-1を常に補充したPNBMであったが、後者を使用前の各時点で新たに加えた。これらの成分は、キットの一部であった(カタログ番号CC-4461, Lonza, Basel, Switzerland)。追加的に、また、神経成長因子(NGF, カタログ番号N2513, Sigma, St. Louis, MO)も使用時に新たに加え100ng/mLにした。細胞をプレーティングするために、0.25mLのバイアルを解凍して培養培地3.75mLで滴下希釈し、懸濁液200μLをウェルに播種した。細胞を37℃および5% CO2で4時間インキュベートし、培地を、使用直前に加えた有糸分裂阻害剤5-フルオロ-2’-デオキシウリジン(終濃度7.5μg/mL、カタログ番号F-0503, Sigma, St. Louis, MO)およびウリジン(終濃度17.5μg/mL、カタログ番号U-3003, Sigma, St. Louis, MO)も含有する培地と交換した。再度、培地を3~4日毎に取り換えた。
コレラトキシンBとIR700のコンジュゲーションを実施例13.Bに記載のとおり実施した。
ラット胚性DRGを11日間培養した後、1μg/mLのコレラトキシンB-IR700のストック溶液 を培養培地で40μg/mLに希釈し、そして、希釈したコンジュゲート5μLを、培地200μL中DRG神経細胞を含有する96ウェルプレートのウェルに直接加えて、コンジュゲートの終濃度5μg/mLを達成した。細胞を37℃で1時間インキュベートした。培養培地を除去し、細胞を培養培地で1回洗浄し、そして、新たな培養培地100μLを加えた。次いで、染色した神経細胞を690nmのレーザーにて光線量64J/cm2(150mW/cm2)で照射するか、または対照として光から保護して放置した(「光なし」)。
DRG神経細胞に対するPITの効果を発光ベースの毒性アッセイCytoTox Glo(カタログ番号G9291, Promega, Madison, WI)で測定した。このアッセイは、膜完全性をベースにしており、無傷細胞には侵入できないルシフェラーゼのプロ基質を採用している。細胞が死ぬと、形質膜の損傷によって酵素が細胞外に分散されてプロ基質を活性化し、ここで真のルシフェラーゼの基質になり、発光シグナルをもたらす。プレートを室温に15分間平衡化し、そして、アッセイ試薬50μLを加えた。室温で20分間インキュベートした後、発光をマルチモードリーダーで読み取った。完全な細胞死を決定するために、ジギトニン溶液50μLを加えて残留生存細胞を殺傷し、そして、20分間後に発光を再度読み取った。細胞なしのウェルからのバックグラウンド値を各読みとおり値から減算し、そして、ジギトニンでの溶解の前後の発光間の比として細胞死のパーセントを算出した(100を掛けた)。
図14に示されるとおり、PITは、ラット胚性DRG神経細胞において細胞死を誘導した。64J/cm2の690nmのレーザー光での照射は、3時間後に100パーセントの細胞死を導いたが(左のバー)、光保護された細胞(「光なし」)は無傷のままであった(6%の細胞死、右のバー)。
実施例19:セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート、セツキシマブ-IRDye680RDコンジュゲート、およびセツキシマブ-IRDye 700+IRDye 680RD二重コンジュゲートの白色蛍光対緑色LED光に対する感受性
IRDye 700DXコンジュゲートの光からの保護が、光に曝露されたときに可溶性凝集体形成を形成するIRDye 700DXコンジュゲートのユニークな感受性に起因する特定の性質であるかどうかを評価するために研究を実施した。3つの異なるコンジュゲートを評価した:(1)セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート、(2)セツキシマブ-IRDye 680RDコンジュゲート、および(3)セツキシマブ-IRDye 700+IRDye 680RD二重コンジュゲート。
多くのフルオロフォアは、光への曝露がフルオロフォアの分解および蛍光特性の同時減少をもたらすようにこれらがそれほど光安定性でないため、光からの保護を必要とするが、IRDye 700DXは、比類のない光安定性色素である(例えば、Peng et al. Proceedings of SPIE 6097, 2006を参照のこと;また、www.licor.com/bio/products/reagents/irdye/700dx/photostability.htmlも参照のこと)。その色素の過度な光安定性に起因して、これは、IRDye 700DXが光から保護される必要がないことを示唆するだろう。しかしながら、IR700が巨大分子にコンジュゲートされたときに限り、可溶性凝集体形成を誘導するコンジュゲート分子の感受性が増加することに起因して、IR700は光保護を必要とすることが観察された。
A. 抗体コンジュゲーション
全ての抗体を、同じアプローチを使用して色素(すなわち、IRDye 700DX、IRDye 600RD、または両方)にコンジュゲートさせた。
セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートを実施例1に記載のとおり作製した。
セツキシマブ-IRDye 680RDコンジュゲートを、実施例1に記載されるものと同じ一般プロトコルを使用して以下の改変を加えて作製した。セツキシマブの試料を、DMSO中に5mg/mLで溶解した4モル当量のIRDye 680RD(カタログNo. 929-70050; Li-COR, Lincoln, NE)とインキュベートした。コンジュゲーションにおける全ての他の工程、コンジュゲートの精製および特性決定プロセスは、セツキシマブ-IR700コンジュゲート調製について上記したものと同一であった。
セツキシマブ-IRDye 700DX+IRDye 680RD二重コンジュゲートを、実施例1に記載されるものと同じ一般プロトコルを使用して以下の改変を加えて作製した。上記のプロトコルによって以前に調製されたセツキシマブ-IRDye 700DXの試料に、DMSO中に5mg/mLで溶解した4モル当量のIRDye 680RDを加えた。コンジュゲートの精製および特性決定プロセスを含むコンジュゲーションにおける全ての他の工程は、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート調製について上記したものと同一であった。
B. セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲート、セツキシマブ-IRDye 680RDコンジュゲート、およびセツキシマブ-IRDye 700+IRDye 680RD二重コンジュゲートの組成物に対する光事前曝露の効果
1試料当たり少なくとも30μLのコンジュゲートを抗体コンジュゲート濃度約1.8mg/mLで透明HPLCバイアルに入れた4つの異なる条件下で、可溶性凝集体の形成についてコンジュゲートを試験した。試料を、25℃で500ルクスの白色蛍光照明に、25℃で500ルクスの緑色LED照明(カタログNo: Green-ECS GP19 EcoSmart)に、25℃で光なし、または4℃で光なしで24時間曝露した。各処置条件下で24時間後、単量体純度、可溶性凝集体形成、および蛍光をサイズ排除クロマトグラフィーによって評価した。可溶性凝集体形成のパーセントを、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して280nmの吸光度で測定した。蛍光に対する処置の効果を評価するために、単量体について280nmの吸光度の領域で割った680nm(単量体ピークの領域)での蛍光を決定した。
図15Aの結果は、IRDye 700DXとコンジュゲートされたセツキシマブが、白色光に曝露されたとき、IRDye 680RDとコンジュゲートされたセツキシマブと比較して可溶性凝集体形成に対する感受性の増加をもたらしたことを示した。白色蛍光へのセツキシマブ-IRDye 700DXの曝露は、より高いパーセンテージの可溶性凝集体形成を誘導した。セツキシマブ-IRDye 700DXの緑色光曝露もまた、白色光の場合よりも非常に遅い速度であるが可溶性凝集体形成を増加させた。4℃または25℃のいずれかでインキュベートしたが光から保護された試料において、1%未満の可溶性凝集体形成が観察された。対照的に、白色蛍光へのセツキシマブ-IRDye 680RDの曝露は、可溶性凝集体形成の非常にわずかな増加をもたらし、これはセツキシマブ-IRDye 700DXの場合よりもはるかに少なかった。4℃または25℃でインキュベートしたが、光から保護されたかまたは緑色光に曝露されたセツキシマブ-IRDye 680RD試料は、可溶性凝集体形成のいかなる増加も示さなかった。示されるとおり、IRDye 700DXがセツキシマブ-IRDye 680RDにコンジュゲートされた二重コンジュゲートは、セツキシマブ-IRDye 680またはセツキシマブ-IR700単一標識コンジュゲートの場合と比較して、可溶性凝集体形成に対する白色光および緑色光曝露へのさらなる感受性をもたらした。
図15Bの結果は、セツキシマブ-IRDye 680RDコンジュゲートの蛍光が、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの場合よりも白色光曝露により感受性であったことを示した。セツキシマブ-IRDye 700DXの全ての処置について、セツキシマブ-IRDye 700DXコンジュゲートの蛍光は、500ルクスの24時間の白色蛍光曝露で可溶性凝集体形成が顕著に増加したにもかかわらず、安定なままであった。白色蛍光に24時間曝露されたセツキシマブ-IRDye 680RDは、試験した処置条件全てで最大の蛍光減少を示し、このことは、IRDye 680RDのいくつかが白色光曝露で退色された可能性が高いことを示唆している。また、IRDye 700DXがIRDye 680RDと二重コンジュゲートされたときに蛍光の減少が観察された。単一標識されたセツキシマブ-IRDye 700DXに基づいて、この蛍光の減少は、二重標識セツキシマブ-IRDye 700DX+IRDye680RDコンジュゲートについてのIRDye 680RD退色に起因した可能性が高い。
したがって、その結果は、光に曝露されたときにIRDye 700DXコンジュゲートが可溶性凝集体形成を形成するユニークな感受性を有することを示した。光に曝露されたときにIRDye 700DXコンジュゲートにおいて可溶性凝集体形成が増加したにもかかわらず、IRDye 700DXコンジュゲートの蛍光特性は変化しなかったが、このことは、IRDye 700DXが光安定性色素である報告された公表された知見と一致している。全く対照的に、IRDye 680RDで標識された別のコンジュゲートの白色光曝露は、IRDye 700DXコンジュゲートの場合と比較して、可溶性凝集体形成の適度な増加をもたらしただけであった。IRDye 680RDコンジュゲートをIRDye 700DXおよびIRDye 680RDの両方で標識したときに限り、IRDye 680RDコンジュゲートで可溶性凝集体形成の増加が起こった。IRDye 680コンジュゲートは、光への曝露による光退色に感受性であった。
データは、異なる波長の光に事前曝露されたセツキシマブ-IRDye 700DX、セツキシマブ-IRDye 680RD、およびセツキシマブ-IRDye 700DX+IRDye 680RDコンジュゲートが、可溶性凝集体形成および蛍光退色に異なる感受性を示すことを示す。提供されたデータは、製品製造の一貫性を確保するためにコンジュゲートの光保護が必要であることを裏付けている。具体的には、抗体-IRDye 700DXコンジュゲートのような巨大分子IRDye 700DXコンジュゲートについて、単量体純度および薬理学的活性の部分が必須であり、変化は光活性化殺傷活性に対して顕著な影響を与え得る。
本発明は、本明細書に開示される態様によって範囲が限定されるべきではなく、これは、本発明の個々の局面のただ一つの例示として意図され、かつ機能的に等価である任意のものは、本発明の範囲内にある。本明細書に記載されるものに加えて、本発明の組成物および方法に対する種々の改変は、前述の記載および教示から当業者に明らかとなるであろうし、これが本発明の範囲内あると同様に意図される。このような改変または他の態様は、本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく実施されることができる。