JP7054913B2 - 積層体製造装置とこの装置を用いた積層体の製造方法 - Google Patents
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本発明は上記課題を考慮してなされたもので、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板とこの曲面透明薄板の片面側に重ね合わせる変形可能なシート体とをそれぞれ積層体構成部材とし、
上下移動可能とした上ステージとこの上ステージの下方で上下移動可能とした下ステージとで、前記曲面透明薄板と前記シート体とを含む複数の積層体構成部材からなる重ね合わせ状態物を挟み込み形成して、
前記上ステージと下ステージとの前記重ね合わせ状態物に対する押圧によって、重なり合う積層体構成部材同士を密着させる積層体製造装置であって、
を備えることを特徴とする積層体製造装置を提供して、上記課題を解消するものである。
そして、上記発明は、上記上ステージと下ステージの減圧環境下での重ね合わせ状態物に対する押圧は、上ステージの下面に位置する凸体が、チャンバー外から導入される大気圧を受けて前記重ね合わせ状態物を押すことにより形成されるものとされていることが良好である。
また、もう一つの発明は、請求項1または2に記載の積層体製造装置により、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板の凹曲面側に、変形可能な透明センサーシートとフレキシブルディスプレイシートとを備える情報表示パネルのシート状電子部品であり両面が保護フィルムで覆われているシート体と、変形可能な透明光学粘着フィルムからなり両面が保護フィルムで覆われている貼り合わせ用のシート体とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板の凹曲面側にシート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法であって、
積層体製造装置の上ステージと下ステージとの間に、未貼合状態である貼り合わせ用のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記貼り合わせ用のシート体を位置させるとともに、静電チャックの下面側に対の加圧ローラーを位置させるステップA-01と、
とからなるものであり、
上ステージと下ステージとの間に、未貼合状態であるシート状電子部品のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記シート状電子部品のシート体を位置させるとともに、前記静電チャックの下面側に対の前記加圧ローラーを位置させるステップB-01と、
からなるものであることを特徴とする積層体の製造方法であり、この積層体の製造方法を提供して上記課題を解消するものである。
そして、上記発明は、上記シート状電子部品のシート体は、該シート体の辺部に、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板を介して、電子素子が実装されたプリント基板が設けられているものであって、
上記ステップB-01での静電チャックの静電吸着は、前記シート状電子部品のシート体とフレキシブルプリント配線板とプリント基板とに対して行なわれていて、
上記ステップB-03において、上記吸着で上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記プリント基板とが上記保持手段に貼着されるものとすることが可能である。
さらに、もう一つの発明は、請求項1または2に記載の積層体製造装置により、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板の凸曲面側に、変形可能な透明センサーシートとフレキシブルディスプレイシートとを備える情報表示パネルのシート状電子部品であり両面が保護フィルムで覆われているシート体と、変形可能な透明光学粘着フィルムからなり両面が保護フィルムで覆われている貼り合わせ用のシート体とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板の凸曲面側にシート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法であって、
積層体製造装置の上ステージと下ステージとの間に、重ね合わせ側の保護フィルムを除去して未貼合状態である貼り合わせ用のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記貼り合わせ用のシート体を位置させるとともに、静電チャックの下面側に対の加圧ローラーを位置させるステップC-01と、
からなるものであり、
上ステージと下ステージとの間に、重ね合わせ側の保護フィルムを除去して未貼合状態であるシート状電子部品のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て上ステージの凸体に保持されている積層体の下方に前記シート状電子部品のシート体を位置させるとともに、前記静電チャックの下面側に対の前記加圧ローラーを位置させるステップD-01と、
からなるものであることを特徴とする積層体の製造方法であり、この積層体の製造方法を提供して上記課題を解消するものである。
そして、上記発明は、上記シート状電子部品のシート体は、該シート体の辺部に、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板を介して、電子素子が実装されたプリント基板が設けられているものであって、
上記ステップD-01での静電チャックの静電吸着は、前記シート状電子部品のシート体とフレキシブルプリント配線板とプリント基板とに対して行なわれていて、
上記ステップD-02において、上記加圧ローラーで上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記プリント基板とが上記保持手段に貼着されるものすることが可能である。
図1(a)と図1(b)は湾曲した表示パネル部分とする積層体において、その一つの積層体構成部材である曲面透明薄板1を示していて、以下の実施の形態において説明する曲面透明薄板1は、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈している薄板のガラス板からなるものである。
湾曲した表示パネル部分とする前記積層体の積層体構成部材としては、曲面透明薄板1の他に、この曲面透明薄板1の片面側に複数層にして重ね合わせる変形可能なシート体2がある。積層体が形成されている時点では、前記各シート体2それぞれの断面形状も曲面透明薄板1の曲面形状に応じた曲面形状となっているが、重ね合わせる前の積層体構成部材単体では、平らなシートの形態となっているものである。
上記シート体2の一つとして、貼り合わせ用のシート体3がある。この貼り合わせ用のシート体3自体も、積層体構成部材である曲面透明薄板1に貼り合わされる積層体構成部材であるとともに、曲面透明薄板1と後述のシート体2との間に位置して両者を貼り合わせ、また重なり合うシート体2の間に位置して両者を貼り合わせる役割を果たす部材として用意されるものである。即ち、曲面透明薄板1とシート体2との複数の積層体構成部材からなる積層体では、重なり合う積層体構成部材同士が貼り合わされているものである。
図2(b)にセンサーシート体4が断面で示されている。図示されているようにセンサーシート体4は、透明センサーシート4aの両面を保護フィルム4bで覆ったものである。
図2(c)にディスプレイシート体5が断面で示されている。図示されているようにディスプレイシート体5は、フレキシブルディスプレイシート5aの両面を保護フィルム5bで覆ったものである。
本発明の積層体製造装置Aは、曲面透明薄板1とシート体2とを含む複数の積層体構成部材からなる重ね合わせ状態物を挟み込み形成して、この重ね合わせ状態物に対して押圧力を加えることによって、重なり合う積層体構成部材同士を密着させた貼り合わせを行なうものであり、貼り合わせ用のシート体の取付と、表示パネル部分での上記センサーシート体4や上記ディスプレイシート体5のシート状電子部品のシート体の取付とを交互に行なって積層体を製造する。
上記静電チャック12は、シート体準備部7にてシート体2からなる積層体構成部材を上ステージ8側となる上面側に静電吸着により保持する。そして、シート体準備部7から真空貼り合わせ部6へと移動して、静電吸着しているシート体2からなる積層体構成部材を上ステージ8と下ステージ9との間に搬入し、上ステージ8における後述の凸体の下方にその積層体構成部材を位置させるように設けられている。
上述したように対の加圧ローラー13は、静電チャック12の下方に位置してこの静電チャック12と共にチャンバー内外に移動するものである。そして、静電チャック12に静電吸着されたシート体2からなる積層体構成部材が位置決めされた後、この加圧ローラー13それぞれは、上ステージ8側とで前記積層体構成部材の挟み込みを行なう静電チャック12を下方から押圧しながら、互いに逆方向に転がり移動するように設けられている。
図5は上ステージ8と下ステージ9とが配置されている真空チャンバー11のチャンバー内がより具体的に図示されている。上ステージ8自体は基盤として略板状に形成されている。
凸型基材20は少なくとも外表面が硬質部材から形成されている物品であるとともに、この凸型基材20の下面の形状を、上記曲面透明薄板1の曲面形状に対応して下方に凸の凸曲面形状としている。
そして凸型基材20の下面を密にして空気不透過膜材21で覆うことで、同様に曲面透明薄板1の曲面形状に対応して下方に凸の凸曲面形状としている凸体22が形成されており、この凸体22が、上ステージ8の下面において下ステージ9に対応する位置となるようにして配置されている。
上記凹所19に臨むとともに、真空チャンバー11の外部の不図示の供給源からから空気を送り込むパイプからなる凸体圧力制御部23が、凸型基材20に対応するようにして設けられており、この凸体圧力制御部23によって凸型基材20を介して凸体22に下方に向いた押圧力を付与できるようにしている。即ち、凸体22によって下ステージ9側に向けて押し下げ力を生じさせることができるようになっている。
凸体圧力制御部23が凸体22に押圧力を付与する方法は、上記真空チャンバー11のチャンバー内が減圧状態となっているときに、チャンバー外からこの凸体圧力制御部23の制御の下でこの凸体圧力制御部23を通して大気を上記凹所19に送り込んで、大気圧を前記押圧力として用いる方法である。前記押圧力を付与する方法としては、その他に圧縮空気を凸体圧力制御部23の制御の下で凹所19に送り込んで前記押圧力を生じさせる方法もあり、特に限定されない。なお、以下に示す実施の形態では、凸体圧力制御部23の制御の下でこの凸体圧力制御部23を通して大気圧を押圧力として用いるものとして説明している。
凸体22の形成領域外であって上記空気不透過膜材21を貫通しながらこの膜材の位置より下方の空間に吸い込み口を臨ませたパイプからなる真空吸引手段24が凸体22の周辺にして設けられている。
上ステージ8の下方で対向配置されていて、上下に移動可能である上ステージ8と同様に上下に移動可能な下ステージ9にあっては、この下ステージ9のステージ基盤26の上面を凹ませた積層体受け27が設けられている。
上記積層体受け27は、曲面透明薄板1の曲面形状に対応して下方に凸の凹曲面形状にして形成されており、この積層体受け27に曲面透明薄板1を載置することができる。また、上ステージ8と下ステージ9との間に配される積層体構成部材、例えばシート体2(貼り合わせ用のシート体、シート状電子部品のシート体)と曲面透明薄板1とを、上記凸体22とで挟み込む部分である。そして、複数の積層体構成部材が重なる重ね合わせ状態物に対して上ステージ8の凸体22側から押圧力が加えられるときに、前記重ね合わせ状態物を支えて、重なり合う積層体構成部材同士を密に接合させる働きをする部分である。
真空チャンバー11のチャンバー内には静電チャック支持台28があり、シート体2を静電吸着した静電チャック12が真空チャンバー11に送り込まれてきた際、静電チャックフォルダー17の部分が前記静電チャック支持台28に乗せられて、上ステージ8と下ステージ9との間で静電チャック12が位置するようにこの静電チャック支持台28で前記静電チャック12を支持するように設けられている。
図5において符号29は微粘着性ゴムからなる保持手段を示している。この保持手段29は、下方の補強板25の一部分を含む凸体22の周辺部に配置されていて、凸体22に下方から重ねられる曲面透明薄板1や上記シート体2への弱粘着力での粘着を行なうものである。そして、保持手段29は、前記粘着により、凸体22の凸曲面形状の部分に沿って重なる積層体構成部材(曲面透明薄板1や上記シート体2)を、曲面透明薄板1の曲面形状に対応した状態に形状維持して着脱可能に保持する。
図6(a)は上ステージ8の下面で空気不透過膜材21が取り付けられている状態を概略的に示し、図6(b)は空気不透過膜材21の平面で保持手段29の領域を概略的に示している。なお、補強板25で保持されている部分以外は、凸型基体の凸部分の形状を象っていることとなる。
上ステージ8は、上記凸体圧力制御部23のパイプ部分の役割を兼ねて真空チャンバー11の筐体壁(天面側)を貫通する支承ステー32によって上下に移動するように支えられている。また、下ステージ9も、ステージ基盤26に連結されて真空チャンバー11の筐体壁(底面側)を貫通する支承ステー33によって上下に移動可能にして支えられている。
本発明では、積層体を製造するに際し、曲面透明薄板1、この曲面透明薄板1の片面側に重ね合わせる変形可能な貼り合わせ用のシート体3、センサーシート体やディスプレイシート体などのシート状電子部品のシート体をそれぞれ積層体構成部材としていて、上記積層体製造装置Aによって複数の積層体構成部材を重ね合わせて積層体を製造するものである。そして、積層体を製造する場合、曲面透明薄板の凹曲面側に重ね合わせる方法と凸曲面側に重ね合わせる方法とがある。
まず、曲面透明薄板1の凹曲面側に、情報表示パネルのシート状電子部品であり両面が保護フィルムで覆われているシート体(センサーシート体4、ディスプレイシート体5)と、両面が保護フィルムで覆われている貼り合わせ用のシート体3とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板1の凹曲面側に前記シート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法を説明する。
この方法では、積層体製造装置における上ステージと下ステージとの間に曲面透明薄板を進入させて、前記下ステージの積層体受けに、曲面形状を呈する積層体受け載置部材として前記曲面透明薄板を載置する曲面透明薄板載置工程の後に、貼り合わせ用のシート体の取付工程とシート状電子部品のシート体の取付工程とを交互に行なう。
図7、図8、図9に示すように下方が凸曲面となるようにして曲面透明薄板1を搬出入用開口部10を通して、互いに離間して待機位置にある上ステージ8と下ステージ9との間に進入させ、上ステージ8と下ステージ9との間に進入した後に、曲面透明薄板1の曲面形状に対応して下に凸の凹曲面形状とされている下ステージ9の積層体受け27にその曲面透明薄板1を降ろして載置する。この曲面透明薄板1の進入、降下、載置などの動作については、不図示のマニピュレーターにて行なう。
曲面透明薄板1の上記載置後、真空チャンバー11の外部から位置合わせ用の撮像カメラ34を上ステージ8と下ステージ9との間に進入させ、所定位置に停止した撮像カメラ34にて曲面透明薄板1に対する位置確認を行なっていて、この曲面透明薄板1の位置を記憶する。記憶された曲面透明薄板1の位置が以降の重ね合わせの基準となるように設けられている。曲面透明薄板1が適正な位置に載置されていることの確認とこの曲面透明薄板1の位置が記憶されれば、撮像カメラは真空チャンバーの外部へと退避する。
(シート体の搬入、ステップA-01、図12~図16)
貼り合わせ用のシート体の取付工程にあっては、まず、シート体準備部7には静電チャック12が待機している。上記曲面透明薄板1に最初に重ねる積層体構成部材として、図12に示すように上下両面が保護フィルム3bで覆われている貼り合わせ用のシート体3を、前記静電チャック12の上面に載置する。そして、図13に示すように静電チャック12の上面(上ステージ側となる面)に、静電吸着にて貼り合わせ用のシート体3を保持する。
つぎに図15に示すように上ステージ8を貼り合わせ用のシート体3との間にある程度の間隔が空く位置まで降下し、凸体22と貼り合わせ用のシート体3との間に撮像カメラ34を進入させて、上記曲面透明薄板1の場合と同様に、撮像カメラ34にて映し出される画像データに基づいて静電チャックフォルダー17のX軸調整、Y軸調整、θ調整を行ない、上記基準(曲面透明薄板の位置)に対して貼り合わせ用のシート体3の位置合わせを行なう。(図15)
つぎに上ステージ8の降下と静電チャック12の下面側から加圧ローラー13、13それぞれが押し上げる動作が行なわれるステップとなる。まず、上ステージ8が降下して、この上ステージ8とともに降下する凸体22の最下端の部分が、静電チャック12の上面の貼り合わせ用のシート体3の保護フィルム3bと接触し(図17参照)、さらに凸体22の降下が続いて貼り合わせ用のシート体3と静電チャック12とを押し下げる。
上記ステップを経た上ステージ8は降下した状態となっていて、上記空気不透過膜材21の周辺部にある補強板25と静電チャックフォルダー17とが密にして接合している。これによって降下した状態にある上ステージ8の空気不透過膜材21と静電チャック12との間の空間は、閉じた空間35として形成される。
貼り合わせ用のシート体3を保持手段29に保持させる上記ステップの動作が終了した後、貼り合わせ用のシート体3を凸体22側に位置させた状態で上ステージ8が上昇し、上ステージ8と静電チャック12とが離れる。そして、静電チャック12と加圧ローラー13、13とが、互いに待機位置にある上ステージ8と下ステージ9との間から退避して、真空チャンバー11の外部へ移動する。その後、貼り合わせ用のシート体3の下面側の保護フィルム3bを剥離して除去し、真空チャンバー11の外部に取り出す。(図23、図24)
上記ステップで保護フィルム3bを取り外すことによって、貼り合わせ用のシート体3の下面側に透明光学粘着フィルム3aが表出した状態となる。また、図25に示すように積層体受け27に積層体受け載置部材が存在している下ステージ9、即ち、曲面透明薄板1を積層体受け27に載置している下ステージ9を上昇させて、重ね合わせ状態物の挟み込み形成を行なう所定高さ位置で停止させる。
凸体22で重ね合わせ状態物aを押圧して、この重ね合わせ状態物aにおける貼り合わせ用のシート体3と曲面透明薄板1との貼り合わせを行なう上記ステップの後には、上記押圧力を付与する凸体圧力制御部23の動作を停止させ、これによって凸体22による貼り合わせ用のシート体3への押圧を解除して、貼り合わせ用のシート体3と曲面透明薄板1との重ね合わせ状態物aを、凸体22と積層体受け27とで挟み込み保持している状態に戻す。
上記ステップの大気開放の後、上ステージ8を所定量にて上昇させる。この上ステージ8の上昇により、凸体22から積層体受け27側(曲面透明薄板1側)に貼り合わせ用のシート体3を分離する。(図31)
つぎに、上記貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て形成された積層体cに、シート状電子部品であるセンサーシート体4を取り付けて、このセンサーシート体4を新たに有する積層体を形成するためのセンサーシート体の取付工程になる。
センサーシート体の取付工程にあっても、まず、上記積層体cに重ねる積層体構成部材として、図2(b)に示す上下両面が保護フィルム4bで覆われているセンサーシート体4を、シート体準備部7で待機している静電チャック12の上方に搬入する。そして、静電チャック12の上面に静電吸着にてセンサーシート体4を保持する。
つぎに、静電チャック12の上に位置するセンサーシート体4の位置合わせは、上記貼り合わせ用のシート体3の取付工程のステップA-01の段階で図15で示す貼り合わせ用のシート体3の位置合わせの動作と同じである。上ステージ8をセンサーシート体4との間にある程度の間隔が空く位置まで降下し、両者の間に進入させた撮像カメラ34にて映し出される画像データに基づいて、静電チャックフォルダー17のX軸調整、Y軸調整、θ調整を行ない、センサーシート体4の位置合わせを行なう。(センサーシート体の位置合わせについての図示は省略)
つぎに上ステージ8の降下と静電チャック12の下面側から加圧ローラー13、13それぞれが押し上げる動作が行なわれるステップとなる。まず、上ステージ8が降下して、この上ステージ8とともに降下する凸体22の最下端の部分が、静電チャック12の上面のセンサーシート体4の保護フィルム4bに接触し(図36)、さらに凸体22の降下が続いてセンサーシート体4と静電チャック12とを押し下げる。
上記ステップを経た上ステージ8は降下した状態となっていて、上記空気不透過膜材21の周辺部にある補強板25と静電チャックフォルダー17とが密にして接合している。これによって降下した状態にある上ステージ8の空気不透過膜材21と静電チャック12との間の空間は、閉じた空間35として形成される。
センサーシート体4を保持手段29に保持させる上記ステップB-03の動作が終了した後、センサーシート体4を凸体22側に位置させた状態で上ステージ8が上昇し、上ステージ8と静電チャック12とが離れる。そして、静電チャック12と加圧ローラー13、13とが、互いに待機位置にある上ステージ8と下ステージ9との間から退避して、真空チャンバー11の外部へ移動する。その後、センサーシート体4の下面側の保護フィルム4bを剥離して除去し、真空チャンバー11の外部に取り出す。(図40)
上記ステップでセンサーシート体4の下面側の保護フィルム4bを取り外すことによって、センサーシート体4の下面側に透明センサーシート4aが表出した状態となる。また、積層体受け27に積層体受け載置部材b(曲面透明薄板1に貼り合わせ用のシート体3を貼り合わせた積層体)が存在している下ステージ9を上昇させて、重ね合わせ状態物の挟み込み形成を行なう所定高さ位置で停止させる。(図41)
凸体22で重ね合わせ状態物aを押圧してセンサーシート体4と貼り合わせ用のシート体3との貼り合わせを行なう上記ステップの後には、押圧力を付与する凸体圧力制御部23の動作を停止させ、これによって凸体22によるセンサーシート体4への押圧を解除して、センサーシート体4と積層体受け載置部材bとの重ね合わせ状態物aを、凸体22と積層体受け27とで挟み込み保持している状態に戻す。
上記ステップの大気開放の後、上ステージ8を所定量にて上昇させて、凸体22から積層体受け27側にセンサーシート体4を分離する。
上記センサーシート体の取付工程を経て形成された積層体cに、貼り合わせ用のシート体3を取り付けて、この貼り合わせ用のシート体3を新たに有する積層体を形成するための貼り合わせ用のシート体の取付工程になる。
二回目の貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て形成された上記積層体cに、フレキシブルディスプレイシートからなる上記ディスプレイシート体5を取り付けて、このディスプレイシート体5を新たな最上層(曲面透明薄板とは反対側)として有する積層体を形成するためのシート状電子部品のシート体の取付工程になる。
つぎに、曲面透明薄板1の凸曲面側に、シート状電子部品のシート体(センサーシート体4、ディスプレイシート体5)と貼り合わせ用のシート体3とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板1の凸曲面側に前記シート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法を説明する。
曲面透明薄板1の凹曲面側にシート体2を貼り合わせる積層体の製造方法では、上述したように下ステージ9の積層体受け27に、曲面透明薄板1を適正な位置にして載置している。そして、曲面透明薄板1の凸曲面側にシート体2を貼り合わせて積層体を製造する方法では、上記曲面透明薄板載置工程を経てからその曲面透明薄板を上ステージ側に位置させた後に、貼り合わせ用のシート体の取付工程とシート状電子部品のシート体の取付工程とを交互に行なう。
上ステージ8と下ステージ9との間で曲面透明薄板1を挟み込み保持することで、曲面透明薄板1の周辺部は凸体22の周辺部に位置する保持手段29と相対して接合する。そして真空吸引手段24を動作させて、空気不透過膜材21と曲面透明薄板1との間の空気を引くようにして大気圧により曲面透明薄板1を凸体22の凸曲面形状の部分に沿わせて保持手段29に貼着させる。(図49)
(シート体の搬入、ステップC-01、図51)
上記曲面透明薄板取付工程が終了した後、貼り合わせ用のシート体の取付工程に移る。まず、上記シート体準備部7で未貼合状態である貼り合わせ用のシート体3を静電チャック12の上面に乗せて静電吸着する。そして、貼り合わせ用のシート体3の上面側の保護フィルム3bを除去する。
つぎに、曲面透明薄板の凹曲面側にシート体を貼り合わせる場合の位置合わせと同様に、上ステージ8を貼り合わせ用のシート体3との間にある程度の間隔が空く位置まで降下し、凸体22と貼り合わせ用のシート体3との間に撮像カメラ34を進入させて、上記曲面透明薄板1の場合と同様に、撮像カメラ34にて映し出される画像データに基づいて静電チャックフォルダー17のX軸調整、Y軸調整、θ調整を行ない、基準に対して貼り合わせ用のシート体3の位置合わせを行なう。(撮像カメラ34については、図15参照)
つぎに上ステージ8の降下と静電チャック12の下面側から加圧ローラー13、13それぞれが押し上げる動作が行なわれるステップとなる。この段階のステップは曲面透明薄板1の凹曲面側にシート体を貼り合わせる方法でのステップA-02とほぼ同様であり、違いは、真空チャンバー11のチャンバー内を減圧する点と、凸体22側に凸体下重ね部材dとして曲面透明薄板1が保持されている点である。
つぎに、真空チャンバー11のチャンバー内を大気圧状態に戻してから、搬出入用開口部10を開いて大気開放する(図54)。その後、上ステージ8を上昇させて静電チャック12から凸体22を上方に離間させる(図55)。そして、上ステージ8を待機位置に停止させるとともに、静電チャック12と加圧ローラー13、13とを退避させる。(図56)
静電チャック12と加圧ローラー13、13とを退避させる上記ステップC-03を経た後、重なり合う上記曲面透明薄板1と貼り合わせ用のシート体3とを密に貼り合わせることとなる。
つぎに、凸体22による重ね合わせ状態物aへ押圧を解除し、真空チャンバー11のチャンバー内を大気圧環境に戻す。そして搬出入用開口部10を開いて真空チャンバー11を大気開放する。
真空チャンバー11を大気開放した後の本ステップC-06は、貼り合わせ用のシート体3の取付工程の最終段階となる。まず、上ステージ8を上昇させて待機位置に戻すとともに、下ステージ9も降下させて待機位置に戻すようにする。このように上ステージ8と下ステージ9とを上下方向に離間させ、上ステージ8の上昇とともに凸体22側に重ね合わせ状態物aを伴なわせて、下ステージ9の積層体受け27から前記重ね合わせ状態物aを分離する。これによって凸体22の下面側に、最上層を曲面透明薄板1とするとともに最下層を貼り合わせ用のシート体3とする凸体下重ね部材dが形成される。(図60)
つぎに、貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て形成された積層体cに、シート状電子部品であるセンサーシート体4を取り付けて、このセンサーシート体4を新たに有する積層体を形成するためのセンサーシート体の取付工程になる。
本シート状電子部品のシート体の取付工程は、上記貼り合わせ用のシート体の取付工程にて形成されて最下層を貼り合わせ用のシート体3とする積層体cからなる凸体下重ね部材dに対して行なわれるものである。まず、シート体準備部7で未貼合状態であるセンサーシート体4を静電チャック12の上面に乗せて静電吸着する。そして、センサーシート体4の上面側の保護フィルム4bを除去する。
つぎに、曲面透明薄板の凸曲面側にシート体を貼り合わせる場合の位置合わせ(ステップC-01)と同様に、上ステージ8を、凸体下重ね部材dの最下層の貼り合わせ用シート体3とセンサーシート体4との間にある程度の間隔が空く位置まで降下し、凸体22側の貼り合わせ用のシート体3とセンサーシート体4との間に撮像カメラ34を進入させて、上記曲面透明薄板1の場合と同様に、撮像カメラ34にて映し出される画像データに基づいて静電チャックフォルダー17のX軸調整、Y軸調整、θ調整を行ない、基準に対するセンサーシート体4の位置合わせを行なう。なお、本ステップでの撮像カメラ34における動作の図示については省略する。(図15参照)
つぎに上ステージ8の降下と静電チャック12の下面側から加圧ローラー13、13それぞれが押し上げる動作が行なわれるステップとなる。この段階のステップは曲面透明薄板1の凸曲面側にシート体を貼り合わせる方法でのステップC-02と同様である。
つぎに、真空チャンバー11のチャンバー内を大気圧状態に戻してから、搬出入用開口部10を開いて大気開放する(図54)。その後、上ステージ8を上昇させて静電チャック12から凸体22を上方に離間させる(図55)。そして、上ステージ8を待機位置に停止させるとともに、静電チャック12と加圧ローラー13、13とを退避させる。なお、本ステップでの動作の図示は省略する。(図54~図56参照)
静電チャック12と加圧ローラー13、13とを退避させる上記ステップD-03を経た後、重なり合う上記貼り合わせ用のシート体3とセンサーシート体4とを密に貼り合わせることとなる。
つぎに、凸体22による重ね合わせ状態物aへ押圧を解除し、真空チャンバー11のチャンバー内を大気圧環境に戻す。そして搬出入用開口部10を開いて真空チャンバー11を大気開放する。
真空チャンバー11を大気開放した後の本ステップD-06は、センサーシート体4の取付工程の最終段階となる。まず、上ステージ8を上昇させて待機位置に戻すとともに、下ステージ9も降下させて待機位置に戻す。このように上ステージ8と下ステージ9とを上下方向に離間させ、上ステージ8の上昇とともに凸体22側に重ね合わせ状態物aを伴なわせて、下ステージ9の積層体受け27から前記重ね合わせ状態物aを分離する。これによって凸体22の下面側に、最上層を曲面透明薄板1とするとともに最下層をセンサーシート体4とする凸体下重ね部材dが形成される。
上述した<曲面透明薄板の凹曲面側に貼り合わせ>の場合と同様に、上記センサーシート体の取付工程を経て形成された積層体cに、貼り合わせ用のシート体3を取り付けて、この貼り合わせ用のシート体3を新たに有する積層体を形成するための貼り合わせ用のシート体の取付工程になる。
二回目の貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て形成された上記積層体cに、フレキシブルディスプレイシートからなる上記ディスプレイシート体5を取り付けて、このディスプレイシート体5を新たな最下層(曲面透明薄板とは反対側)として有する積層体を形成するためのシート状電子部品のシート体の取付工程になる。
シート状電子部品のシート体の取付工程を説明する図では、理解し易くするために、シート状電子部品のシート体の形状を簡略化して図示している。ところで、センサーシート体4やディスプレイシート体5であるシート状電子部品のシート体は、積層体を製造する前の積層体構成部材の形態の時点で、シート体の辺部に、フレキシブルプリント配線板を介して、電子素子が実装されたプリント基板が設けられているものである。そのため、積層体を製造するときには、シート状電子部品のシート体は、フレキシブルプリント配線板と電子素子実装済みのプリント基板とを伴なって貼り合わせを行なうようにする。
図69は静電チャック12がセンサーシート体4やディスプレイシート体5を静電吸着した状態をより具体的に示している。この図69で示されているセンサーシート体4やディスプレイシート体5のシート状電子部品のシート体2は、辺部にフレキシブルプリント配線板38が接続され、このフレキシブルプリント配線板38の前記シート体2とは反対側に、電子素子実装済みのプリント基板39が接続されている。
上述したように積層体を製造するに際し、静電チャック12は、センサーシート体4やディスプレイシート体5を静電吸着し、このセンサーシート体4やディスプレイシート体5を保持する。そして、上記真空吸引手段24を動作させた真空吸着や、静電チャック12の下面側からの上記加圧ローラー13,13の押し上げによって、センサーシート体4やディスプレイシート体5が曲面透明薄板1の曲面形状に対応して形状維持されるようにしている。
1…曲面透明薄板
2…シート体
3…貼り合わせ用のシート体
3a…透明光学粘着フィルム
3b…保護フィルム
4…センサーシート体
4a…透明センサーシート
4b…保護フィルム
5…ディスプレイシート体
5a…フレキシブルディスプレイシート
5b…保護フィルム
6…真空貼り合わせ部
7…シート体準備部
8…上ステージ
9…下ステージ
10…搬出入用開口部
11…真空チャンバー
12…静電チャック
13…加圧ローラー
14…通電回路
15…ポリイミドフィルム層
16…ゴム製基材層
17…静電チャックフォルダー
18…ステージ基盤
19…凹所
20…凸型基材
21…空気不透過膜材
22…凸体
23…凸体圧力制御部
24…真空吸引手段
25…補強板
26…ステージ基盤
27…積層体受け
28…静電チャック支持台
29…保持手段
30…デバイス有効領域
31…微粘着領域
32…支承ステー
33…支承ステー
34…撮像カメラ
35…閉じた空間
36…真空ポンプ
37…押圧力
38…フレキシブルプリント配線板
39…プリント基板
a…重ね合わせ状態物
b…積層体受け載置部材
c…積層体
d…凸体下重ね部材
Claims (6)
- 断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板とこの曲面透明薄板の片面側に重ね合わせる変形可能なシート体とをそれぞれ積層体構成部材とし、
上下移動可能とした上ステージとこの上ステージの下方で上下移動可能とした下ステージとで、前記曲面透明薄板と前記シート体とを含む複数の積層体構成部材からなる重ね合わせ状態物を挟み込み形成して、
前記上ステージと下ステージとの前記重ね合わせ状態物に対する押圧によって、重なり合う積層体構成部材同士を密着させる積層体製造装置であって、
搬出入用開口部を有し、チャンバー内で前記上ステージと前記下ステージとを互いに離接するように上下に対向させていて、上ステージと下ステージとが重ね合わせ状態物を挟み込みして前記押圧を行なうときにチャンバー内を減圧状態にする真空チャンバーと、
前記上ステージの下面に位置していて、前記曲面透明薄板の曲面形状に対応して下方に凸の凸曲面形状とした凸型基材を、上ステージの下面側に取り付けられた空気不透過膜材で覆って、曲面透明薄板の曲面形状に対応して下方に凸の凸曲面形状とされている凸体と、
前記凸体の周辺部に配置されている微粘着性ゴムからなり、凸体に下方から重ねられる積層体構成部材への貼着により、凸体の前記凸曲面形状の部分に沿って重なる前記積層体構成部材を、曲面透明薄板の曲面形状に対応した状態に形状維持して着脱可能に保持する保持手段と、
前記真空チャンバーの搬出入用開口部を通してチャンバー内外に移動し、前記シート体からなる積層体構成部材を上ステージ側となる上面側に静電吸着により保持して上ステージと下ステージとの間に搬入して、上ステージの降下により凸体との間で前記シート体からなる積層体構成部材を挟み込んで凸体の下面に位置させる変形可能なシート状の静電チャックと、
前記真空チャンバーの搬出入用開口部を通してチャンバー内外に移動し、上ステージと下ステージとの間に前記シート体からなる積層体構成部材を搬入する前記静電チャックの下方に位置していて、降下する凸体とで前記シート体からなる積層体構成部材の挟み込みをする静電チャックを下方から押圧しながら、前記凸体の凸曲面形状に応じて静電チャックにおける保持手段対応部分に向けて転がり移動して凸体に沿わせた前記シート体からなる積層体構成部材を前記保持手段に接触させる一対の加圧ローラーと、
上ステージとこの上ステージに対して下方から重ね合わされた前記静電チャックとの間であって、前記保持手段に保持されてシート体からなる積層体構成部材が凸体に沿って位置している前記上ステージと前記静電チャックとの間の空間から空気を吸引して、該吸引により上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより前記シート体からなる積層体構成部材を前記保持手段に貼着させて保持させる真空吸引手段と、
前記下ステージの上面に位置し、前記曲面透明薄板の曲面形状に対応して下方に凸の凹曲面形状にして形成されていて、上ステージと下ステージとの間に配される積層体構成部材である前記シート体と前記曲面透明薄板とを、前記凸体とで挟み込む積層体受けと
を備えることを特徴とする積層体製造装置。 - 上記上ステージと下ステージの減圧環境下での重ね合わせ状態物に対する押圧は、上ステージの下面に位置する凸体が、チャンバー外から導入される大気圧を受けて前記重ね合わせ状態物を押すことにより形成されるものとされている請求項1に記載の積層体製造装置。
- 請求項1または2に記載の積層体製造装置により、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板の凹曲面側に、変形可能な透明センサーシートとフレキシブルディスプレイシートとを備えた情報表示パネルのシート状電子部品であり両面が保護フィルムで覆われているシート体と、変形可能な透明光学粘着フィルムからなり両面が保護フィルムで覆われている貼り合わせ用のシート体とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板の凹曲面側にシート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法であって、
積層体製造装置における上ステージと下ステージとの間に曲面透明薄板を進入させて、前記下ステージの積層体受けに、曲面形状を呈する積層体受け載置部材として前記曲面透明薄板を載置する曲面透明薄板載置工程の後に、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程と前記シート状電子部品のシート体の取付工程とを交互に行なうものであり、
前記貼り合わせ用のシート体の取付工程は、
積層体製造装置の上ステージと下ステージとの間に、未貼合状態である貼り合わせ用のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記貼り合わせ用のシート体を位置させるとともに、静電チャックの下面側に対の加圧ローラーを位置させるステップA-01と、
前記上ステージが降下してこの上ステージとともに降下する凸体が、貼り合わせ用のシート体と静電チャックとを押し下げて、前記加圧ローラーそれぞれが、前記降下する凸体とで貼り合わせ用のシート体の挟み込みをする静電チャックを下方から押圧しながら、該静電チャックでの凸体下端対応部分から互いに逆方向にして静電チャックにおける保持手段対応部分に向けて転がり移動し、前記貼り合わせ用のシート体を、凸体の凸曲面形状の部分に沿わせて凸体の保持手段に接触させるステップA-02と、
降下した前記上ステージとこの上ステージに重なる静電チャックとの間の空間を閉じた空間とした状態の下で、積層体製造装置における真空吸引手段により、上ステージと静電チャックとの間の空間から空気を吸引し、この吸引で上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより前記貼り合わせ用のシート体を前記保持手段に貼着して、該保持手段にて、貼り合わせ用のシート体を曲面透明薄板の曲面形状に対応した曲面形状に形状維持させるステップA-03と、
前記凸体側に貼り合わせ用のシート体を着脱可能に貼着した上ステージが上昇して、上ステージから離れた静電チャックと加圧ローラーとが上ステージと下ステージとの間から退避した後に、凸体側に位置する前記貼り合わせ用のシート体の下面側の保護フィルムを除去するステップA-04と、
上ステージと下ステージとを互いに近接させるとともに真空チャンバーのチャンバー内を減圧した後に、減圧環境下で、上ステージと下ステージとの間で、前記積層体受け載置部材と凸体側で形状維持されている前記貼り合わせ用のシート体とからなる重ね合わせ状態物を挟み込み保持し、前記凸体にて前記貼り合わせ用のシート体を積層体受け載置部材側に押圧して、重なり合う前記貼り合わせ用のシート体と前記積層体受け載置部材とを貼り合わせるステップA-05と、
前記凸体による貼り合わせ用のシート体への押圧を解除し、真空チャンバーのチャンバー内を大気圧環境に戻してから真空チャンバーを大気開放するステップA-06と、
上ステージと下ステージとを上下方向に離間させて、上ステージの上昇により、凸体から積層体受け側に貼り合わせ用のシート体を分離して、積層体受けに、最上層を貼り合わせ用のシート体とするとともに最下層を曲面透明薄板とする積層体受け載置部材を形成し、この積層体受け載置部材での最上層に位置する前記貼り合わせ用のシート体から、該貼り合わせ用のシート体の曲面透明薄板側とは反対の保護フィルムを除去して、最上層を貼り合わせ用のシート体とするとともに最下層を曲面透明薄板として曲面透明薄板の曲面形状に対応している積層体を形成するステップA-07と、
とからなるものであり、
前記シート状電子部品のシート体の取付工程は、
上ステージと下ステージとの間に、未貼合状態であるシート状電子部品のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記シート状電子部品のシート体を位置させるとともに、前記静電チャックの下面側に対の前記加圧ローラーを位置させるステップB-01と、
前記上ステージが降下してこの上ステージとともに降下する凸体が、シート状電子部品のシート体と静電チャックとを押し下げて、前記加圧ローラーそれぞれが、前記降下する凸体とでシート状電子部品のシート体の挟み込みをする静電チャックを下方から押圧しながら、該静電チャックでの凸体下端対応部分から互いに逆方向にして静電チャックにおける前記保持手段対応部分に向けて転がり移動し、前記シート状電子部品のシート体を、凸体の凸曲面形状の部分に沿わせて凸体の保持手段に接触させるステップB-02と、
降下した前記上ステージとこの上ステージに重なる静電チャックとの間の空間を閉じた空間とした状態の下で、積層体製造装置における前記真空吸引手段により、上ステージと静電チャックとの間の空間から空気を吸引し、この吸引で上ステージ側に押し付けられる静電チャックによりシート状電子部品のシート体を前記保持手段に貼着して、該保持手段にて、シート状電子部品のシート体を曲面透明薄板の曲面形状に対応した曲面形状に形状維持させるステップB-03と、
前記凸体側にシート状電子部品のシート体を着脱可能に貼着した上ステージが上昇して、上ステージから離れた静電チャックと加圧ローラーとが上ステージと下ステージとの間から退避した後に、凸体側に位置する前記シート状電子部品のシート体の下面側の保護フィルムを除去するステップB-04と、
上ステージと下ステージとを互いに近接させるとともに真空チャンバーのチャンバー内を減圧した後に、減圧環境下で、上ステージと下ステージとの間で、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て形成された積層体である積層体受け載置部材と前記シート状電子部品のシート体とを挟み込み保持し、前記凸体にて前記シート状電子部材のシート体を前記積層体受け載置部材側に押圧して、重なり合う前記シート状電子部品のシート体と前記積層体受け載置部材とを貼り合わせるステップB-05と、
前記凸体によるシート状電子部品のシート体への押圧を解除し、真空チャンバーのチャンバー内を大気圧環境に戻してから真空チャンバーを大気開放するステップB-06と、
上ステージと下ステージとを上下方向に離間させて、上ステージの上昇により、凸体から積層体受け側にシート状電子部品のシート体を分離して、積層体受けに、最上層をシート状電子部品のシート体とするとともに最下層を曲面透明薄板とする積層体受け載置部材を形成し、この積層体受け載置部材での最上層に位置する前記シート状電子部品のシート体から、該シート状電子部品のシート体の曲面透明薄板側とは反対の保護フィルムを除去して、最上層をシート状電子部品のシート体とするとともに最下層を曲面透明薄板として曲面透明薄板の曲面形状に対応している積層体を形成するステップB-07と
からなるものであることを特徴とする積層体の製造方法。 - 上記シート状電子部品のシート体は、該シート体の辺部に、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板を介して、電子素子が実装されたプリント基板が設けられているものであって、
上記ステップB-01での静電チャックの静電吸着は、前記シート状電子部品のシート体とフレキシブルプリント配線板とプリント基板とに対して行なわれていて、
上記ステップB-03において、上記吸着で上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記プリント基板とが上記保持手段に貼着される請求項3に記載の積層体の製造方法。 - 請求項1または2に記載の積層体製造装置により、断面形状が下方に凸となる曲面形状を呈する曲面透明薄板の凸曲面側に、変形可能な透明センサーシートとフレキシブルディスプレイシートとを備えた情報表示パネルのシート状電子部品であり両面が保護フィルムで覆われているシート体と、変形可能な透明光学粘着フィルムからなり両面が保護フィルムで覆われている貼り合わせ用のシート体とを、重ね合わせ側となる前記保護フィルムを除去しながら交互にして重ね合わせて、曲面透明薄板の凸曲面側にシート状電子部品のシート体を複数層にして貼り合わされている積層体を製造する方法であって、
積層体製造装置における上ステージと下ステージとの間に曲面透明薄板を進入させて、前記下ステージの積層体受けに前記曲面透明薄板を載置し、上ステージと下ステージとの間で曲面透明薄板を挟み込み保持して凸体の凸曲面形状の部分に沿わせて凸体の保持手段に貼着し、上ステージと下ステージとを離間させて、形状維持された曲面透明薄板を凸体側に位置する凸体下重ね部材として、前記保持手段にて保持する曲面透明薄板取付工程の後に、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程と前記シート状電子部品のシート体の取付工程とを交互に行なうものであり、
前記貼り合わせ用のシート体の取付工程は、
積層体製造装置の上ステージと下ステージとの間に、重ね合わせ側の保護フィルムを除去して未貼合状態である貼り合わせ用のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、上ステージの凸体の下方に前記貼り合わせ用のシート体を位置させるとともに、静電チャックの下面側に対の加圧ローラーを位置させるステップC-01と、
搬出入用開口部を閉じて真空チャンバーのチャンバー内を減圧し、この減圧環境下で、前記上ステージが降下してこの上ステージとともに前記凸体下重ね部材を保持して降下する凸体が、貼り合わせ用のシート体と静電チャックとを押し下げて、前記加圧ローラーそれぞれが、前記降下する凸体とで凸体下重ね部材と貼り合わせ用のシート体との挟み込みをする静電チャックを下方から押圧しながら、該静電チャックでの凸体下端対応部分から互いに逆方向にして静電チャックにおける凸体側端対応部分に向けて転がり移動し、前記貼り合わせ用のシート体を凸体下重ね部材の凸曲面形状の部分に沿わせて凸体下重ね部材に密に接触させ、貼り合わせ用のシート体を曲面透明薄板の曲面形状に対応した曲面形状に形状維持させるステップC-02と、
真空チャンバーのチャンバー内を大気圧状態に戻して搬出入用開口部を開いて大気開放し、上ステージと下ステージとを互いに離間させて、静電チャックと加圧ローラーとを退避させるステップC-03と、
上ステージと下ステージとを互いに近接させるとともに搬出入用開口部を閉じて真空チャンバーのチャンバー内を減圧した後に、減圧環境下で、上ステージと下ステージとの間で、凸体側で形状維持されている前記凸体下重ね部材とこの凸体下重ね部材に密にして接触する前記貼り合わせ用のシート体とからなる重ね合わせ状態物を挟み込み保持し、前記凸体にて前記凸体下重ね部材と貼り合わせ用のシート体からなる前記重ね合わせ状態物を下ステージの積層体受け側に押圧して、重なり合う前記凸体下重ね部材と貼り合わせ用のシート体とを貼り合わせるステップC-04と、
前記凸体による前記重ね合わせ状態物への押圧を解除し、真空チャンバーのチャンバー内を大気圧環境に戻してから真空チャンバーを大気開放するステップC-05と、
上ステージと下ステージとを上下方向に離間させて、上ステージの上昇により凸体側の前記重ね合わせ状態物から積層体受けを分離して、凸体に、最上層を曲面透明薄板とするとともに最下層を貼り合わせ用のシート体とする凸体下重ね部材を形成し、この凸体下重ね部材での最下層に位置する前記貼り合わせ用のシート体から、該貼り合わせ用のシート体の曲面透明薄板側とは反対の保護フィルムを除去して、最上層を曲面透明薄板とするとともに最下層を貼り合わせ用のシート体として曲面透明薄板の曲面形状に対応している積層体を形成するステップC-06と
からなるものであり、
前記シート状電子部品のシート体の取付工程は、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程にて形成されて最下層を貼り合わせ用のシート体とする積層体からなる凸体下重ね部材に対して行なわれるものであり、
上ステージと下ステージとの間に、重ね合わせ側の保護フィルムを除去して未貼合状態であるシート状電子部品のシート体を静電吸着した静電チャックが進入して、前記貼り合わせ用のシート体の取付工程を経て上ステージの凸体に保持されている積層体の下方に前記シート状電子部品のシート体を位置させるとともに、前記静電チャックの下面側に対の前記加圧ローラーを位置させるステップD-01と、
搬出入用開口部を閉じて真空チャンバーのチャンバー内を減圧し、この減圧環境下で、前記上ステージが降下してこの上ステージとともに前記凸体下重ね部材を保持して降下する凸体が、貼り合わせ用のシート体と静電チャックとを押し下げて、前記加圧ローラーそれぞれが、前記降下する凸体とで凸体下重ね部材とシート状電子部品のシート体との挟み込みをする静電チャックを下方から押圧しながら、該静電チャックでの凸体下端対応部分から互いに逆方向にして静電チャックにおける凸体側端対応部分に向けて転がり移動し、前記シート状電子部品のシート体を凸体下重ね部材の凸曲面形状の部分に沿わせて凸体下重ね部材に密に接触させ、シート状電子部品のシート体を曲面透明薄板の曲面形状に対応した曲面形状に形状維持させるステップD-02と、
真空チャンバーのチャンバー内を大気圧状態に戻して搬出入用開口部を開いて大気開放し、上ステージと下ステージとを互いに離間させて、静電チャックと加圧ローラーとを退避させるステップD-03と、
上ステージと下ステージとを互いに近接させるとともに搬出入用開口部を閉じて真空チャンバーのチャンバー内を減圧した後に、減圧環境下で、上ステージと下ステージとの間で、凸体側で形状維持されている前記凸体下重ね部材とこの凸体下重ね部材に密にして接触する前記シート状電子部品のシート体とからなる重ね合わせ状態物を挟み込み保持し、前記凸体にて前記凸体下重ね部材とシート状電子部品のシート体からなる前記重ね合わせ状態物を下ステージの積層体受け側に押圧して、重なり合う前記凸体下重ね部材とシート状電子部品のシート体とを貼り合わせるステップD-04と、
前記凸体による前記重ね合わせ状態物への押圧を解除し、真空チャンバーのチャンバー内を大気圧環境に戻してから真空チャンバーを大気開放するステップD-05と、
上ステージと下ステージとを上下方向に離間させて、上ステージの上昇により凸体側の前記重ね合わせ状態物から積層体受けを分離して、凸体に、最上層を曲面透明薄板とするとともに最下層をシート状電子部品のシート体とする凸体下重ね部材を形成し、この凸体下重ね部材での最下層に位置する前記シート状電子部品のシート体から、該シート状電子部品のシート体の曲面透明薄板側とは反対の保護フィルムを除去して、最上層を曲面透明薄板とするとともに最下層をシート状電子部品のシート体として曲面透明薄板の曲面形状に対応している積層体を形成するステップD-06と
からなるものであることを特徴とする積層体の製造方法。 - 上記シート状電子部品のシート体は、該シート体の辺部に、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板を介して、電子素子が実装されたプリント基板が設けられているものであって、
上記ステップD-01での静電チャックの静電吸着は、前記シート状電子部品のシート体とフレキシブルプリント配線板とプリント基板とに対して行なわれていて、
上記ステップD-02において、上記加圧ローラーで上ステージ側に押し付けられる静電チャックにより、前記フレキシブルプリント配線板と前記プリント基板とが上記保持手段に貼着される請求項5に記載の積層体の製造方法。
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