JP7053192B2 - 非水電解質電池用吸着層並びにこれを用いた非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池 - Google Patents
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Description
[1]
チタン酸リチウムと、絶縁性無機粒子とを含む、非水電解質電池用吸着層。
[2]
上記絶縁性無機粒子は、陰イオン交換体である、項目1に記載の非水電解質電池用吸着層。
[3]
チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子の合計質量を100質量%としたとき、チタン酸リチウムが0質量%超90質量%未満である、項目1又は2に記載の非水電解質電池用吸着層。
[4]
項目1~3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用吸着層を有する、非水電解質電池。
[5]
正極、負極、セパレータ、及び前記非水電解質電池用吸着層を含む、非水電解質電池であって、
上記非水電解質電池用吸着層は、上記セパレータの内部、上記正極と上記セパレータとの間、及び上記負極と上記セパレータとの間からなる群から選択される少なくとも一つの、一部又は全部に形成されている、項目4に記載の非水電解質電池。
[6]
項目1~3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用吸着層を有する、非水電解質電池用セパレータ。
[7]
項目1~3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用吸着層を少なくとも片面に有する、非水電解質電池用セパレータ。
[8]
正極、項目1~3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用吸着層、セパレータ、及び負極がこの順に積層されている、積層体又は上記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、非水電解質電池。
非水電解質電池は、一般的に、正極と、負極と、セパレータと、電解質と、外装体とを有する。本願明細書において、非水電解質電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明することがあるが、そのような説明は本発明の理解を助けることのみを目的とするものであり、本実施形態の非水電解質電池はリチウムイオン二次電池に限定されるものではない。
本実施形態の非水電解質電池用吸着層は、チタン酸リチウムと絶縁性無機粒子とを含む。非水電解質電池用吸着層は、チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子に加えて、バインダーを更に含んでいてもよい。本実施形態の非水電解質電池用吸着層は、好ましくは、非水電解質電池用吸着層を含む多孔質層であることができ、より好ましくは、非水電解質電池用吸着層から構成される多孔質層であることができる。
チタン酸リチウムは、チタン(Ti)とリチウム(Li)とを含む酸化物である。例えば、LixTiyOz(0<x≦4、1≦y≦5、2≦z≦12)で表される化合物であっても良い。例えば、Li4Ti5O12、Li2Ti3O7、LiTiO4、Li0.5TiO2が挙げられる。本実施形態では、チタン酸リチウムを絶縁性無機粒子とともに層状に形成することで、金属イオンを効率的に吸着することができ、金属元素が負極上に析出することを効率的に抑制することができるため、安全性及び寿命特性に優れる非水電解質電池を提供することができる。その理由としては、理論に限定されないが、絶縁性無機粒子を含有することで、チタン酸リチウムの分散性が高まり、金属イオンをより効率的に吸着することができるからであると発明者らは推察している。
上記のチタン酸リチウムの調製方法は、特に限定されないが、例えば、水酸化リチウムや炭酸リチウム等のリチウム化合物と二酸化チタンとを、LiとTiのモル比が所定の範囲となるように湿式及び又は乾式混合し、乾燥後、焼成することにより作製することができる。焼成温度は、好ましくは550℃~1500℃、より好ましくは600℃~1200℃である。また、焼成雰囲気については、特に限定されないが、大気中で焼成することが好ましい。また、通常の大気中焼成後に400~1000℃の温度範囲で熱処理(アニール)をして、酸素欠損を修復することが好ましい。アニールによりチタン酸リチウムの結晶性がより高まり、吸着性能もより高まる。
また、チタン酸リチウムは水素(H)を含んでもよい。水素(H)は、リチウム(Li)の一部と置換されて含まれ得る。
さらにチタン酸リチウムは、式:LiATi5-BMBO12+C
(式中、Mは、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Nb、Mo、W、Bi、Na及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Aは3~5、Bは0.005~1.5、Cは-1~1を満たす。)で表されるものであってもよい。Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Al、B、Mg、Zr、Nb及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、上述のチタン酸リチウムは1種を単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態の非水電解質電池用吸着層において、チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子は、バインダーで結着されていてもよい。これは、チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子を固定し、電池内での脱落と不安全性を防ぐ観点から好ましい。それに加えて特に重要なことは、チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子を、互いに混合及び分散した状態で保持できるからである。バインダーによる結着が十分であれば、充放電による負極の膨張収縮等に伴って、または、電池セルにかかる外部応力に伴って、チタン酸リチウム同士の間隔が狭まり、細密に充填され、チタン酸リチウムの金属イオン吸着能が低下することを効果的に抑制することができる。よって、非水電解質電池用吸着層が電池内のいかなる場所に設置された場合においても、バインダーを含むことが好ましい。
本実施形態の非水電解質電池用吸着層は、絶縁性無機粒子を含むことによって、チタン酸リチウムの分散性を向上させることができる。本願明細書において、「絶縁性無機粒子」とは、体積抵抗率が103Ω・cm以上の無機材料の粒子を意味する。絶縁性無機粒子の体積抵抗率は、好ましくは10Ω4・cm以上、より好ましくは105Ω・cm以上、更に好ましくは106Ω・cm以上であってよい。絶縁性無機粒子は、平均最長径がチタン酸リチウムより大きいことが好ましい。ここでいう「最長径」とは、粒子の最長軸方向の長さをいう。非水電解質電池用吸着層は、チタン酸リチウムとともに、この特定の平均最長径を有する絶縁性無機粒子を含有することで、チタン酸リチウムの分散性が特に高まり、金属イオンを効率的に吸着することができる。チタン酸リチウムの最長径に対する絶縁性無機粒子の最長径の比率は、限定されないが、好ましくは1.01以上1000以下、より好ましくは1.1以上500以下、更に好ましくは1.2以上300以下とすることができる。
本明細書における非水電解質電池用吸着層は、非水電解質電池用吸着層を含む多孔質層であることが好ましく、非水電解質電池用吸着層から構成される多孔質層であることがより好ましい。
本明細書における非水電解質電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう。)は、好ましくは、本実施形態の非水電解質電池用吸着層を有し、より好ましくは本実施形態の非水電解質電池用吸着層から構成される多孔質層を有する。非水電解質電池用セパレータは、本実施形態の非水電解質電池用吸着層を少なくとも片面に有することが更に好ましく、非水電解質電池用吸着層を多孔質基材の少なくとも片面に有することがより更に好ましい。多孔質基材は、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであれば限定されない。非水電解質電池に用いられる公知の多孔質基材を用いることができる。
多孔質基材の材料としては、限定されないが、電池中の非水電解質に対して安定であり、かつ電気化学的に安定な材料、例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など;ポリエステル;ポリイミド;ポリアミド;ポリウレタンが挙げられる。セパレータの形態としては、限定されないが、例えば微多孔膜、及び不織布等が挙げられる。
P={1-(m/t)/(Σai・ρi)}×100
{式中、aiは、全体の質量を1としたときの成分iの比率であり、ρiは、成分iの密度(g/cm3)であり、mは、セパレータの単位面積当たりの質量(g/cm2)であり、かつtは、セパレータの厚み(cm)である。}
正極は、一般に、集電体と、その上に形成された正極合剤層とを有し、正極合剤層は、正極活物質と、導電助材と、バインダーとを含むことが好ましい。
下記式(1):
LixMn2-yMyOz (1)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、かつ3.5<z<4.5である。}
で表される酸化物;
下記式(2):
LixMyOz (2)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、かつ1.8<z<2.2である。}
で表される層状酸化物;
下記式(3):
LiMn2-xMaxO4 (3)
{式中、Maは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0.2≦x≦0.7である。}
で表されるスピネル型酸化物;
下記式(4):
Li2McO3 (4)
{式中、Mcは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物と下記式(5):
LiMdO2 (5)
{式中、Mdは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物との複合酸化物であって、下記式(6):
zLi2McO3-(1-z)LiMdO2 (6)
{式中、Mc及びMdは、それぞれ上記式(4)及び(5)におけるMc及びMdと同義であり、かつ0.1≦z≦0.9である。}
で表される、Liが過剰な層状の酸化物正極活物質;
下記式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
{式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0≦y≦1.0である。}
で表されるオリビン型正極活物質;及び
下記式(8):
Li2MePO4 F (8)
{式中、Meは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される化合物が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
負極は、一般に、集電体と、その上に形成された負極合剤層とを有し、負極合剤層は、負極活物質と、バインダーとを含むことが好ましい。
非水電解質としては、限定されないが、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液であってよい。リチウム塩としては、限定されないが、例えば、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF2k+1(式中、kは1~8の整数である)、LiN(SO2CkF2k+1)2(式中、kは1~8の整数である)、LiPFn(CkF2k+1)6-n(式中、nは1~5の整数であり、かつkは1~8の整数である)、LiPF4(C2O4)、及びLiPF2(C2O4)2等が挙げられる。これらの中でも、リチウム塩としては、LiPF6が好ましい。LiPF6を用いることにより、高温時においても電池特性及び安全性により優れる傾向にある。リチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
外装体としては、限定されないが、例えば、スチール缶、アルミニウム缶などの金属缶が挙げられる。外装体の形態としては、筒形、例えば角筒形、円筒形などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体として使用して、非水電解質電池を形成することもできる。
本実施形態の非水電解質電池の製造方法は、限定されず、例えば、正極及び負極を、本実施形態のセパレータを介して積層して積層体を得て、又は積層体を更に巻回して巻回体を得て、得られた積層体又は巻回体を、非水電解質と共に外装体内に収容することにより製造することができる。
<チタン酸リチウムの調製>
炭酸リチウムと二酸化チタンを水に分散したスラリー状態で湿式混合した。その後、乾燥し、大気下900℃で焼成し、更に700℃で熱処理した。その後、解砕処理を行いチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)の粉末を得た。得られたチタン酸リチウムは、X線回折測定から、スピネル型構造の単一相であり、異相がないことを確認した。また、得られたチタン酸リチウムの比表面積は、10m2/gであった。また、走査型電子顕微鏡で観察した100個の粒子の平均最長径は500nmであった。
粘度平均分子量(Mv)700,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv250,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv400,000のホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドして、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。得られたポリオレフィン樹脂混合物99質量%に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度:7.59×10-5m2/s)を、押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。二軸押出機で溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィンの質量比が66質量%(樹脂組成物濃度が34質量%)となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpm、及び吐出量12kg/hであった。
続いて、溶融混練物を、T-ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1600μmのゲルシートを得た。次に、得られたゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.1倍、及び設定温度123℃であった。次に、二軸延伸後のゲルシートをメチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。最後に、乾燥後のゲルシートをTDテンターに導き、延伸及び熱緩和を行って、ポリオレフィン微多孔膜を得た。延伸温度は125℃であり、熱緩和温度は133℃であり、TD最大倍率は1.65倍であり、かつ緩和率は0.9であった。得られたポリオレフィン微多孔膜は、厚みが12μmであり、かつ空孔率が40%であった。
イオン交換水100質量部中に、上記のチタン酸リチウム:アルミナ(平均最長径:900m)=90:10(質量比)とした無機粒子を29質量部と、ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製SNディスパーサント5468)0.29質量部とを混合した。混合後、ビーズミル処理を行い、平均粒径(D50)を1.5μmに調整し、分散液を得た。さらに、得られた分散液100質量部に対して、バインダーとしてアクリルラテックス懸濁液(固形分濃度40%、平均粒子径150nm)2.2質量部を混合して均一な多孔質層形成用組成物を調製した。なお、上記の分散液における無機粒子の平均粒子径は、レーザー式粒度分布測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300EX)を用いて粒径分布を測定し、体積累積頻度が50%となる粒径を平均粒子径(μm)とした。また、樹脂製ラテックスバインダーの平均粒径は、光散乱法による粒径測定装置(LEED&NORTHRUP社製MICROTRACTMUPA150)を用い、体積平均粒子径(nm)を測定し、平均粒子径として求めた。
次に、上記ポリオレフィン微多孔膜の表面にマイクログラビアコーターを用いて上記多孔質層形成用組成物を塗布し、60℃で乾燥して水を除去し、ポリオレフィン微多孔膜上に厚さ4μmのチタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層を配置し、吸着層を有するセパレータを得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、95体積%であった。
正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液とを固形分比で93.9:3.3:2.8の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmのアルミニウム箔の両面に塗布した。このとき、アルミニウム箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが30mm×50mmであり、かつアルミニウム箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのアルミニウム製リード片をアルミニウム箔の露出部に溶接して正極を得た。
負極活物質としてグラファイト粉末と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、97.5:1.5:1.0の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面及び両面に塗布した。このとき、銅箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが32mm×52mmであり、かつ銅箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのニッケル製リード片を銅箔の露出部に溶接して負極を得た。
アルゴンガス雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解して、非水電解質(非水電解液)を得た。
上記正極と上記負極とを、上記セパレータを介在させつつ重ね合わせて積層電極体とした。なお、セパレータは、非水電解質電池用吸着層が正極に対向するように配置した。この積層電極体を80×60mmのアルミニウムラミネート外装体内に挿入した。次に、上記非水電解質(非水電解液)を外装体内に注入し、その後、外装体の開口部を封止して、積層電極体を内部に有する非水電解質電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。得られた非水電解質電池の定格容量は90mAhであった。
アルゴンガス雰囲気下で、上記非水電解質電池に用いた非水電解質に、トリフルオロメタンスルホン酸マンガン〔Mn(CF3SO3)2〕を、Mnの濃度が5ppmとなるように溶解した。アルゴンガス雰囲気下で、このMnを溶解した非水電解質100質量部と、チタン酸リチウム0.035質量部とをポリプロピレン製の密閉容器に入れ、バリアブルミックスローターVMR-5R(アズワン社製)を用いて23℃の雰囲気下で、100rpmで6時間に亘って振とう撹拌した。その後、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターでろ過した。このろ液中のMnの濃度(Mx)(単位:ppm)を測定し、以下の式から、吸着率(Ax)(単位:%)を算出した。
Ax=〔(5-Mx)/5〕×100
なお、Mnの濃度の測定は、ICP発光分光分析(ICP発光分光分析装置:Optima8300(パーキンエルマー社製))にて測定した。なお、測定試料の前処理には酸分解(マイクロウェーブ法)を行った。吸着率が10%未満:「×」、10~20%:「△」、20%より大きい:「〇」として評価した。
・初期充放電
得られた非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.05Cの定電流で充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で2時間充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。なお、1Cとは電池が1時間で放電される電流値である。
・フロート試験
上記初期充電後の電池を、50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.5Cの定電流で4.35Vまで充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で充電した。このとき、微短絡に至るまでの時間について評価した。
微短絡に至るまでの時間は、上記の充電過程において、充電容量が定格容量の2倍となるまでの時間を測定し、30日未満:「×」、30日以上60日未満:「△」、60日以上:「○」として評価した。
無機粒子としてチタン酸リチウム:ベーマイト(平均最長径:1000nm)=90:10(重量比)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層を有するセパレータを得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、95体積%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてチタン酸リチウム:アルミナ(平均最長径:900nm)=60:40(重量比)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、93%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてチタン酸リチウム:ベーマイト(平均最長径:1000nm)=60:40(重量比)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、93%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてチタン酸リチウム:アルミナ(平均最長径:900nm)=40:60(重量比)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとアルミナを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、91%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてチタン酸リチウム:ベーマイト(平均最長径:1000nm)=40:60(重量比)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムとベーマイトを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、91%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてチタン酸リチウムのみを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でチタン酸リチウムを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、チタン酸リチウムを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、90%であった。また、実施例1と同様の方法で、寿命特性/安全性評価を行った。なお、金属吸着能力の測定結果は実施例1の値を用いた。
無機粒子としてベーマイト(平均最長径:900nm)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でベーマイトを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、ベーマイトを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、97%であった。また、実施例1と同様の方法で、金属吸着能力及び寿命特性/安全性評価を行った。
無機粒子としてアルミナ(平均最長径:900nm)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でアルミナを含む吸着層を得た。なお、このセパレータの、アルミナを含む吸着層における無機粒子の体積割合は、97%であった。また、実施例1と同様の方法で、金属吸着能力及び寿命特性/安全性評価を行った。
Claims (4)
- 非水電解質電池用吸着層を有する、非水電解質電池用セパレータであって、
前記非水電解質電池用吸着層は、チタン酸リチウムと、絶縁性無機粒子とを含み、
前記絶縁性無機粒子の平均最長径は、前記チタン酸リチウムの平均最長径より大きく、前記絶縁性無機粒子は、陰イオン交換体である、非水電解質電池用セパレータ。 - チタン酸リチウム及び絶縁性無機粒子の合計質量を100質量%としたとき、チタン酸リチウムが0質量%超90質量%未満である、請求項1に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 前記非水電解質電池用吸着層は、前記非水電解質電池用セパレータの少なくとも片面に存在する、請求項1又は2に記載の非水電解質電池用セパレータ。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の非水電解質電池用セパレータを備える、非水電解質電池。
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