JP6998155B2 - 二次電池用無機粒子結着物並びにこれを用いた二次電池用セパレータ及び二次電池 - Google Patents
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Description
[1]
変性炭素材料とバインダーとを含み、上記変性炭素材料の炭素の一部が、窒素、硫黄、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている、二次電池用無機粒子結着物。
[2]
上記置換元素の上記変性炭素材料中の置換率が0.001mol%~10mol%である、項目1に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[3]
上記変性炭素材料が、部分グラファイト構造を有する、項目1又は2に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[4]
上記変性炭素材料のBET比表面積が1m2/g以上5000m2/g以下である項目1~3のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[5]
上記バインダーが、ポリオレフィン、含フッ素樹脂、含フッ素ゴム、ゴム類、セルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、項目1~4のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[6]
上記バインダーのガラス転移点が-80℃以上0℃以下である項目1~5のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[7]
上記バインダーが樹脂製ラテックスである、項目1~6のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[8]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池用セパレータ。
[9]
多孔質基材の少なくとも一方の面に上記多孔質層を有する、項目8に記載の二次電池用セパレータ。
[10]
上記多孔質層の体積抵抗率が、1×103Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である項目8又は9に記載の二次電池用セパレータ。
[11]
上記多孔質層は混合用無機粒子を更に含む、項目8~10のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
[12]
上記混合用無機粒子の平均厚みが上記変性炭素材料よりも厚い、項目11に記載の二次電池用セパレータ。
[13]
上記混合用無機粒子が陰イオン交換体である、項目11又は12に記載の二次電池用セパレータ。
[14]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を有する、二次電池。
[15]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池。
[16]
上記多孔質層の体積抵抗率が、1×103Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である、項目15に記載の二次電池。
[17]
正極、項目8~13のいずれか一項に記載のセパレータ、及び負極がこの順に積層されている、積層体又は上記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
[18]
上記多孔質層を上記正極に対向させるように、上記正極、項目9~13のいずれか一項に記載のセパレータ、及び上記負極が積層されている、積層体又は上記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
二次電池は、一般的に、正極と、負極と、セパレータと、電解質と、外装体とを有する。本願明細書において、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明することがあるが、そのような説明は本発明の理解を助けることのみを目的とするものであり、本実施形態の二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されるものではない。
本実施形態の二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とバインダーとを含む。「結着物」とは、変性炭素材料はバインダーで結着されている状態を指す。また、一実施形態において、二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料に加えて、更に混合用無機粒子を含んでもよい。本実施形態の二次電池用無機粒子結着物は、好ましくは、二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層であることができ、より好ましくは、二次電池用無機粒子結着物から構成される多孔質層であることができる。多孔質層は、例えば、セパレータの少なくとも片面に形成することができる。
本願明細書において、「変性炭素材料」とは、一部の炭素原子が硫黄、窒素、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている炭素材料をいう。これら置換元素によって炭素原子が置換されることで、変性炭素材料の陽イオンの吸着能力も優れる傾向がある。
本願明細書において、変性させる炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、フラーレン、グラフェン、カーボンファイバー、カーボンナノベルト、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される少なくとも一つを好適に用いることができる。炭素材料を分散させるには、分散性に優れた形状の炭素材料が望ましく、粉末状、粒子状、繊維状、又は板状のものが特に好ましい。また、金属イオンをトラップする観点からアスペクト比が大きい炭素材料が好ましく、グラフェンが好ましい。
置換元素の置換率(%)={変性炭素材料に含まれる置換元素の合計モル数(mol)/変性炭素材料に含まれる置換元素及び炭素原子の合計モル数(mol)}×100
酸素又は水酸基の比率(%)={変性炭素材料に含まれる酸素原子の合計モル数(mol)/変性炭素材料を構成する全元素の合計モル数(mol)}×100
本実施形態の無機粒子結着物において、変性炭素材料はバインダーで結着されている。これは、変性炭素材料を固定し、電池内での脱落と不安全性を防ぐ観点からも重要である。それに加えて特に重要なことは、変性炭素材料を分散した状態で保持できるからである。結着が不十分な場合には、充放電による負極の膨張収縮等に伴って、または、電池セルにかかる外部応力に伴って、変性炭素材料同士の間隔が狭まり、細密に充填されてしまい、変性炭素材料の金属イオン吸着能を十分に発揮することができなくなる。よって、変性炭素材料は電池内のいかなる場所に設置された場合においてもバインダーと共に設置されていることが好ましい。
本願明細書において、「混合用無機粒子」とは、変性炭素材料の分散性を向上させることができる無機粒子をいう。混合用無機粒子は、平均厚みが上記変性炭素材料より厚いことが好ましい。ここでいう「厚み」とは、粒子の最短軸方向の長さをいう。二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とともに、この特定の平均厚みを有する混合用無機粒子を含有することで、変性炭素材料の分散性が特に高まり、金属イオンを効率的に吸着することができる。変性炭素材料の厚みに対する混合用無機粒子の厚みの比率は、限定されないが、好ましくは0.001以上0.98以下、より好ましくは0.005以上0.95以下、更に好ましくは0.01以上0.90以下とすることができる。
本明細書における無機粒子結着物は、無機粒子結着物を含む多孔質層であることが好ましく、無機粒子結着物から構成される多孔質層であることがより好ましい。多孔質層は正極と負極の間に配置されることが好ましい。多孔質層は、本実施形態の無機粒子結着物に加えて、混合用無機粒子を更に含むことが好ましい。
本明細書における二次電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう。)は、好ましくは、本実施形態の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有し、より好ましくは本実施形態の二次電池用無機粒子結着物から構成される多孔質層を有する。多孔質層は、多孔質基材の少なくとも一方の面に形成されていることが好ましい。多孔質基材は、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであれば限定されない。二次電池に用いられる公知の多孔質基材を用いることができる。
多孔質基材の材料としては、限定されないが、電池中の非水電解質に対して安定であり、かつ電気化学的に安定な材料、例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など;ポリエステル;ポリイミド;ポリアミド;ポリウレタンが挙げられる。セパレータの形態としては、限定されないが、例えば微多孔膜、及び不織布等が挙げられる。
P={1-(m/t)/(Σai・ρi)}×100
{式中、aiは、全体の質量を1としたときの成分iの比率であり、ρiは、成分iの密度(g/cm3)であり、mは、セパレータの単位面積当たりの質量(g/cm2)であり、かつtは、セパレータの厚み(cm)である。}
正極は、一般に、集電体と、その上に形成された正極合剤層とを有し、正極合剤層は、正極活物質と、導電助材と、バインダーとを含むことが好ましい。
下記式(1):
LixMn2-yMyOz (1)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、かつ3.5<z<4.5である。}
で表される酸化物;
下記式(2):
LixMyOz (2)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、かつ1.8<z<2.2である。}
で表される層状酸化物;
下記式(3):
LiMn2-xMaxO4 (3)
{式中、Maは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0.2≦x≦0.7である。}
で表されるスピネル型酸化物;
下記式(4):
Li2McO3 (4)
{式中、Mcは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物と下記式(5):
LiMdO2 (5)
{式中、Mdは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物との複合酸化物であって、下記式(6):
zLi2McO3-(1-z)LiMdO2 (6)
{式中、Mc及びMdは、それぞれ上記式(4)及び(5)におけるMc及びMdと同義であり、かつ0.1≦z≦0.9である。}
で表される、Liが過剰な層状の酸化物正極活物質;
下記式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
{式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0≦y≦1.0である。}
で表されるオリビン型正極活物質;及び
下記式(8):
Li2MePO4 F (8)
{式中、Meは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される化合物が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
負極は、一般に、集電体と、その上に形成された負極合剤層とを有し、負極合剤層は、負極活物質と、バインダーとを含むことが好ましい。
非水電解質としては、限定されないが、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液であってよい。リチウム塩としては、限定されないが、例えば、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF2k+1(式中、kは1~8の整数である)、LiN(SO2CkF2k+1)2(式中、kは1~8の整数である)、LiPFn(CkF2k+1)6-n(式中、nは1~5の整数であり、かつkは1~8の整数である)、LiPF4(C2O4)、及びLiPF2(C2O4)2等が挙げられる。これらの中でも、リチウム塩としては、LiPF6が好ましい。LiPF6を用いることにより、高温時においても電池特性及び安全性により優れる傾向にある。リチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
リチウム塩:例えば、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート等;
不飽和結合含有カーボネート:例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等;
ハロゲン原子含有カーボネート:例えば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート等;
カルボン酸無水物:例えば、無水酢酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等;
硫黄原子含有化合物:例えば、エチレンスルフィト、1,3-プロパンスルトン、1,3-プロペンスルトン、1,4-ブタンスルトン、エチレンスルフェート、ビニレンスルフェート等;
ニトリル基含有化合物:例えば、スクシノニトリル等。
中でも、電池のサイクル特性を更に向上させるという観点から、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群から選択される少なくとも1種が好ましい。ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群から選択される少なくとも1種の添加剤の含有量は、非水電解質100質量%に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましい。この含有量が0.001質量%以上であると、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。また、この含有量は、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。この含有量が3質量%以下であると、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性がより向上する傾向にある。
非水電解質中のその他の添加剤の含有量は、例えば、31P-NMR、19F-NMR等のNMR測定により確認することができる。
外装体としては、限定されないが、例えば、スチール缶、アルミニウム缶などの金属缶が挙げられる。外装体の形態としては、筒形、例えば角筒形、円筒形などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体として使用して、非水電解質電池を形成することもできる。
本実施形態の二次電池の製造方法は、二次電池が本実施形態の二次電池用無機粒子結着物を有する限り限定されない。例えば、正極及び負極を、本実施形態のセパレータを介して積層して積層体を得て、又は積層体を更に巻回して巻回体を得て、得られた積層体又は巻回体を、非水電解質と共に外装体内に収容することにより製造することができる。
<変性炭素材料の調製>
置換元素としての窒素及び硫黄を有する化合物として、チオウレア(thiourea)を準備した。ハマーズ法で黒鉛粉末から酸化グラファイトを製造し、製造された酸化グラファイトを超音波分散させ、酸化グラフェン板状に個別剥離させた。個別剥離された酸化グラフェン300mgと、チオウレア(thiourea)800mgと、蒸留水70mlと混合した後、4時間撹拌した。以後、180℃で12時間水熱反応させて、炭素の一部が窒素及び硫黄で置換されたグラフェンを製造した(変性炭素材料A)。変性炭素材料Aは、炭素原子の3.2mol%が、硫黄または窒素で置換されていることを燃焼法によって確認した。また、炭素原子の1.2mol%は酸素または水酸基で置換さていることを確認した。BET比表面積は1560m2/gであった。
また、透過型電子顕微鏡で観察した100個の粒子の平均厚みは、10nmであることを確認した。
アルゴンガス雰囲気下で、上記非水電解質電池に用いた非水電解質に、トリフルオロメタンスルホン酸マンガン〔Mn(CF3SO3)2〕を、Mnの濃度が5ppmとなるように溶解した。アルゴンガス雰囲気下で、このMnを溶解した非水電解質100質量部と、変性炭素材料A0.035質量部とをポリプロピレン製の密閉容器に入れ、バリアブルミックスローターVMR-5R(アズワン社製)を用いて、23℃の雰囲気下で、100rpmで6時間に亘って振とう撹拌した。その後、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターでろ過した。このろ液中のMnの濃度(Mx)(単位:ppm)を測定し、以下の式から、吸着率(Ax)(単位:%)を算出し、吸着率が10%未満:「×」、10~20%:「△」、20%~25%:「〇」、25%より大きい:「◎」として評価した。
Ax=〔(5-Mx)/5〕×100
なお、Mnの濃度の測定は、ICP発光分光分析(ICP発光分光分析装置:Optima8300(パーキンエルマー社製))にて測定した。なお、測定試料の前処理には酸分解(マイクロウェーブ法)を行った。
粘度平均分子量(Mv)700,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv250,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv400,000のホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドして、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。得られたポリオレフィン樹脂混合物99質量%に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
正極活物質としてLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液とを固形分比で93.9:3.3:2.8の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmのアルミニウム箔の両面に塗布した。このとき、アルミニウム箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが30mm×50mmであり、かつアルミニウム箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのアルミニウム製リード片をアルミニウム箔の露出部に溶接して正極を得た。
負極活物質としてグラファイト粉末と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、97.5:1.5:1.0の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面及び両面に塗布した。このとき、銅箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが32mm×52mmであり、かつ銅箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのニッケル製リード片を銅箔の露出部に溶接して負極を得た。
アルゴンガス雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解して、非水電解質(非水電解液)を得た。
上記正極と上記負極とを、上記セパレータを介在させつつ重ね合わせて積層電極体とした。なお、セパレータは、変性炭素材料A含む無機粒子含有層が正極に対向するように配置した。この積層電極体を80×60mmのアルミニウムラミネート外装体内に挿入した。次に、上記非水電解質(非水電解液)を外装体内に注入し、その後、外装体の開口部を封止して、積層電極体を内部に有する非水電解質電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。得られた非水電解質電池の定格容量は90mAhであった。
・初期充放電
得られた非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.05Cの定電流で充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で2時間充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。なお、1Cとは電池が1時間で放電される電流値である。
・フロート試験
上記初期充電後の電池を、50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.5Cの定電流で4.35Vまで充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で充電した。このとき、微短絡に至るまでの時間について評価した。
微短絡に至るまでの時間は、上記の充電過程において、充電容量が定格容量の2倍となるまでの時間を測定し、30日未満:「×」、30日以上45日未満:「〇」、45日以上:「◎」として評価した。
置換元素としてホウ素をグラファイトに導入するため、ハマーズ法で黒鉛粉末から酸化グラファイトを製造し、製造された酸化グラファイトを超音波分散させ、酸化グラフェン板状に個別剥離させた。個別剥離された酸化グラフェンに対してイオン注入法により、炭素の一部をホウ素に置換した(変性炭素材料B)。変性炭素材料Bは、炭素原子の0.2mol%がホウ素で置換されていることを燃焼法によって確認した。BET比表面積は1320m2/gであった。また、透過型電子顕微鏡で観察した100個の粒子の平均厚みは、12nmであることを確認した。変性炭素材料を変更した以外は実施例1で用いた手順と同様に金属吸着能力を評価し、その後二次電池として評価した。
実施例1で合成した変性炭素材料Aとベーマイト(平均厚み250nm)を質量比1:1となるように混合し、無機粒子混合物とした。実施例1で使用した変性炭素材料Aの代わりに上記の無機粒子混合物を使用して、実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
[実施例4]
実施例1で使用した変性炭素材料Aの代わりに、実施例1で合成した酸化グラフェンを用いて、実施例1で用いた手順と同様に金属吸着能力を評価した。また、この酸化グラフェンを用いて、実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
実施例1で用いた変性炭素材料の入った分散液に、バインダーとしてアクリルラテックスを加えずに使用した。上記分散液を多孔質基材に塗工し、セパレータを作製した。その他の手順は実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
Claims (14)
- 二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池用セパレータであって、
前記二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とバインダーとを含み、前記変性炭素材料の炭素の一部が、窒素、硫黄、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている、二次電池用セパレータ。 - 前記置換元素の前記変性炭素材料中の置換率が0.001mol%~10mol%である、請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記変性炭素材料が、部分グラファイト構造を有する、請求項1又は2に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記変性炭素材料のBET比表面積が1m2/g以上5000m2/g以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記バインダーが、ポリオレフィン、含フッ素樹脂、含フッ素ゴム、ゴム類、セルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記バインダーのガラス転移点が-80℃以上0℃以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記バインダーが樹脂製ラテックスである、請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 多孔質基材の少なくとも一方の面に前記多孔質層を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記多孔質層の体積抵抗率が、1×103Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である請求項1~8のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記多孔質層は混合用無機粒子を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記混合用無機粒子の平均厚みが前記変性炭素材料よりも厚い、請求項10に記載の二次電池用セパレータ。
- 前記混合用無機粒子が陰イオン交換体である、請求項10又は11に記載の二次電池用セパレータ。
- 正極、請求項1~12のいずれか一項に記載のセパレータ、及び負極がこの順に積層されている、積層体又は前記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
- 前記多孔質層を前記正極に対向させるように、前記正極、前記セパレータ、及び前記負極が積層されている、請求項13に記載の二次電池。
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