JP6998155B2 - 二次電池用無機粒子結着物並びにこれを用いた二次電池用セパレータ及び二次電池 - Google Patents

二次電池用無機粒子結着物並びにこれを用いた二次電池用セパレータ及び二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池用無機粒子結着物並びにこれを用いた二次電池用セパレータ及び二次電池に関する。
近年の電子技術の発展又は環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが開発されている。特に、省エネルギー化への要請が多くあり、それらに貢献できる電気化学デバイスへの期待はますます高くなっている。
蓄電デバイスの代表例であり、かつ二次電池の代表例でもあるリチウムイオン二次電池は、従来、主に小型機器用電源として使用されており、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電源としても着目されている。
リチウムイオン二次電池では、デバイスの高性能化に伴い高エネルギー密度化が進展しており、信頼性の確保が重要となっている。また、車載用電源などの中型又は大型のリチウムイオン二次電池では、小型機器よりも特に信頼性が確保される必要がある。更に、車載用電源としては、製品サイクルに合わせて、長い期間にわたって充放電容量を維持可能なリチウムイオン二次電池が求められている。
一方で、カーボンブラック等の炭素材料は、正極の導電助剤や負極の活物質として使用されるだけでなく、セパレータに炭素材料含有層を設け、電池の寿命特性やセパレータのハンドリング性を改善するためにも用いられている。例えば、特許文献1では、グラフェンに機能性元素を導入し、リチウムデンドライトの生成を抑えている。また、特許文献2では、セパレータに設けられた接着性多孔質層に炭素材料を配合して帯電性を改善することにより、ハンドリング特性を改善している。
国際公開第2016/137147号 特許第5873605号公報
二次電池では、その系中に存在する又は生じることがある金属イオンが、電池の安全性及び寿命特性に悪影響を及ぼすことがある。例えば、リチウムイオン二次電池では、リチウム(Li)イオンが正極-負極間を移動することで充放電が行われる。ここで、電池内にLiイオン以外の微量の金属イオン、例えばコバルトイオン(Co2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、マンガンイオン(Mn2+)が存在すると、これらの金属が負極表面に析出して、電池寿命低下の原因となったり、析出した金属がセパレータを破って正極に到達することで短絡の原因となったり、安全性が低下することが知られている。このような金属イオンは、一般的に電池構成材料の不純物に由来することがあり、また、それ以外にも正極活物質等の電池構成部材に含まれる金属が電池内の副反応に伴い非水電解質に溶出することに由来することもある。例えば、非水電解質の分解反応等によってフッ化水素酸(HF)が発生し、HFによって正極活物質に含まれる金属が溶出することがある。更に、このような金属の溶出は、電池が高温下に晒された場合に、より顕著になることが指摘されている。
本発明の解決しようとする課題のひとつは、安全性及び寿命特性に優れる二次電池を提供することができる、二次電池用無機粒子結着物を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、変性炭素材料とバインダーを含む無機粒子結着物を使用することにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。また、変性炭素材料とバインダーを使用した多孔質層の物性をコントロールすることで、優れた特性を発現できることを見出した。更に、平均厚みが変性炭素材料よりも厚い混合用無機粒子とを含む、二次電池用無機粒子を用いることで、より優れた特性を発現できることを見出すことで本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
変性炭素材料とバインダーとを含み、上記変性炭素材料の炭素の一部が、窒素、硫黄、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている、二次電池用無機粒子結着物。
[2]
上記置換元素の上記変性炭素材料中の置換率が0.001mol%~10mol%である、項目1に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[3]
上記変性炭素材料が、部分グラファイト構造を有する、項目1又は2に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[4]
上記変性炭素材料のBET比表面積が1m/g以上5000m/g以下である項目1~3のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[5]
上記バインダーが、ポリオレフィン、含フッ素樹脂、含フッ素ゴム、ゴム類、セルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、項目1~4のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[6]
上記バインダーのガラス転移点が-80℃以上0℃以下である項目1~5のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[7]
上記バインダーが樹脂製ラテックスである、項目1~6のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物。
[8]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池用セパレータ。
[9]
多孔質基材の少なくとも一方の面に上記多孔質層を有する、項目8に記載の二次電池用セパレータ。
[10]
上記多孔質層の体積抵抗率が、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である項目8又は9に記載の二次電池用セパレータ。
[11]
上記多孔質層は混合用無機粒子を更に含む、項目8~10のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
[12]
上記混合用無機粒子の平均厚みが上記変性炭素材料よりも厚い、項目11に記載の二次電池用セパレータ。
[13]
上記混合用無機粒子が陰イオン交換体である、項目11又は12に記載の二次電池用セパレータ。
[14]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を有する、二次電池。
[15]
項目1~7のいずれか一項に記載の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池。
[16]
上記多孔質層の体積抵抗率が、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である、項目15に記載の二次電池。
[17]
正極、項目8~13のいずれか一項に記載のセパレータ、及び負極がこの順に積層されている、積層体又は上記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
[18]
上記多孔質層を上記正極に対向させるように、上記正極、項目9~13のいずれか一項に記載のセパレータ、及び上記負極が積層されている、積層体又は上記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
本発明の二次電池用無機粒子結着物は、二次電池内に存在する又は生じることのある金属イオンを効率的に吸着することができるため、安全性及び寿命特性に優れる二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)を例示する目的で詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。本願明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
《二次電池》
二次電池は、一般的に、正極と、負極と、セパレータと、電解質と、外装体とを有する。本願明細書において、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明することがあるが、そのような説明は本発明の理解を助けることのみを目的とするものであり、本実施形態の二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されるものではない。
本願明細書において、正極、負極、セパレータ、非水電解質、及び外装体を含む、リチウムイオン二次電池を構成する部材を総称して「電池構成部材」という。電池構成部材を構成する材料として、例えば外装体にはアルミニウム等;正極活物質にはニッケル、コバルト、マンガン、鉄、亜鉛、銅、及びアルミニウム等;また、集電箔には銅、及びアルミニウム等が典型的に用いられる。これらの金属は、例えばHFと接触することで金属イオンとなって電池内に溶出する。溶出した金属イオンは負極で還元されて析出し、例えばリチウムイオン二次電池ではLi含有化合物を生じて容量の低下を招く。その結果、電池の安全性及び寿命特性が著しく低下してしまうことがある。本実施形態の二次電池は、後述する特定の無機粒子結着物を有することで、電池内に存在する又は生じる金属イオンを効果的に吸着することができ、金属の析出を抑え、電池の寿命特性を向上させることができる。また、負極における金属の析出を抑制することができ、短絡をより効果的に抑制することが可能であるため、電池の安全性の向上に寄与することができる。本実施形態の二次電池は、好ましくは後述する特定の無機粒子結着物を含む多孔質層を有し、より好ましくは後述する特定の無機粒子結着物から構成される多孔質層を有する。
本実施形態の二次電池用無機粒子結着物、又はこれを含む多孔質層は、二次電池の系中に存在する又は生じることがある金属イオンを吸着することができる位置であれば、二次電池内の任意の場所に存在してもよい。例えば、二次電池用無機粒子結着物、又はこれを含む多孔質層は、正極活物質層の上、負極活物質層の上、外装体の内側、セパレータの内部、又はセパレータの少なくとも一方の面上等に存在してもよい。金属イオンをより効率的に吸着する観点から、二次電池用無機粒子結着物、及びこれを含む多孔質層は、好ましくは、正極活物質層の上、負極活物質層の上、又はセパレータの少なくとも片面に存在し、より好ましくは、セパレータの少なくとも片面に存在し、更に好ましくは、セパレータの少なくとも一方の面上であって、正極と対向する側に配置されている。
〈二次電池用無機粒子結着物〉
本実施形態の二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とバインダーとを含む。「結着物」とは、変性炭素材料はバインダーで結着されている状態を指す。また、一実施形態において、二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料に加えて、更に混合用無機粒子を含んでもよい。本実施形態の二次電池用無機粒子結着物は、好ましくは、二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層であることができ、より好ましくは、二次電池用無機粒子結着物から構成される多孔質層であることができる。多孔質層は、例えば、セパレータの少なくとも片面に形成することができる。
(変性炭素材料)
本願明細書において、「変性炭素材料」とは、一部の炭素原子が硫黄、窒素、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている炭素材料をいう。これら置換元素によって炭素原子が置換されることで、変性炭素材料の陽イオンの吸着能力も優れる傾向がある。
本願明細書において、変性させる炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、フラーレン、グラフェン、カーボンファイバー、カーボンナノベルト、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される少なくとも一つを好適に用いることができる。炭素材料を分散させるには、分散性に優れた形状の炭素材料が望ましく、粉末状、粒子状、繊維状、又は板状のものが特に好ましい。また、金属イオンをトラップする観点からアスペクト比が大きい炭素材料が好ましく、グラフェンが好ましい。
例えば、上記変性炭素材料を準備する方法の一例を示すが、特にその製造方法については限定されない。変性炭素材料の準備は、まずハマーズ法にて黒鉛粉末から酸化グラファイトを製造する工程、及び酸化グラファイトを超音波分散させ、酸化グラフェン板状に個別剥離させる工程を含む。更に置換元素を含む化合物、および酸化グラフェンを水熱反応させて、炭素原子の一部が上記の置換元素で置換された変性炭素材料を製造することができる。上記置換元素は、窒素(N)、硫黄(S)、及びホウ素(B)からなる群から選択される少なくとも一つを含むことができる。上記置換元素は、非共有電子対を持つことができる。
置換元素の変性炭素材料中の置換率は0.001mol%~10mol%であることが好ましい。変性炭素材料中の置換元素の置換率がこの範囲を満たすことで上記の陽イオンの吸着能力が高まり、安全性および寿命特性が高まる。吸着能の観点から、置換元素の置換率は、より好ましくは0.005mol%以上、より好ましくは0.01mol%以上である。またその上限は、構造の安定性の観点から、8mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることが更に好ましい。置換元素の置換率については、燃焼法やICP発光分光分析等で下記式により同定される。
置換元素の置換率(%)={変性炭素材料に含まれる置換元素の合計モル数(mol)/変性炭素材料に含まれる置換元素及び炭素原子の合計モル数(mol)}×100
例えば、上記の置換元素を窒素と硫黄にするには、上記置換元素を含む化合物としては、チオウレア(thiourea)を使用することができる。また、例えば、上記の置換元素を硫黄にする場合は、上記置換元素を含む化合物としては、チオフェン(thiophene)を使用することができる。また、別の例では、上記の置換元素を窒素にする場合には、上記置換元素を含む化合物としては、ウレア(urea)を使用することができる。
上記置換元素を含む化合物、およびグラフェン酸化物を水熱反応させて、グラフェン酸化物を還元し、同時に上記グラフェン酸化物に含まれる炭素原子を上記置換元素で置換することができる。その結果、変性炭素材料を製造することができる。
変性炭素材料中の酸素又は水酸基の比率は0.001mol%~10mol%であることが好ましい。酸素又は水酸基の比率がこの範囲を満たすことで上記の陽イオンの吸着能力が高まり、安全性および寿命特性が高まる。吸着能の観点から、酸素又は水酸基の比率は、より好ましくは0.005mol%以上であることがより好ましく、0.01mol%以上であることがより好ましい。またその上限は、構造の安定性の観点から、8mol%以下であることが好ましく、5mol%以下であることが更に好ましい。これら元素の比率については、燃焼法やICP発光分光分析等で下記式により同定される。
酸素又は水酸基の比率(%)={変性炭素材料に含まれる酸素原子の合計モル数(mol)/変性炭素材料を構成する全元素の合計モル数(mol)}×100
また、変性炭素材料はその他の官能基で修飾されていてもよい。例えば、カルボキシ基、アミノ基、フルオロ基、水素など、有機合成一般に導入される官能基を含んでいてもよい。
変性炭素材料のラマン分光法によって観測されるD-bandは1300cm-1以上1400cm-1以下であることが好ましい。G-bandは1500cm-1以上1700cm-1以下であることが好ましい。より好ましくは、1550cm-1以上1650cm-1以下である。G’-bandは2500cm-1以上2900cm-1以下であることが好ましい。より好ましくは、2550cm-1以上2850cm-1以下である。
変性炭素材料のBET比表面積は、好ましくは1m/g以上5000m/g以下である。BET比表面積が1m/g以上であることによって、二次電池の寿命特性及び安全性をより向上させることができる。変性炭素材料のBET比表面積は、好ましくは2000m/g以下、より好ましくは1000m/g以下、更に好ましくは500m/g以下である。BET比表面積が2000m/g以下であることにより、変性炭素材料の凝集が抑えられ、二次電池のエネルギー密度が向上する傾向にある。
グラフェンとは、単層グラフェンが積層した構造体であり、薄片状の形態を有するものである。グラフェンの構造体の厚みには特に制限は無いが、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下である。また、厚みの下限としては、好ましくは0.3nm以上、より好ましくは1.0nm以上、更に好ましくは1.5nm以上である。グラフェンの面方向の大きさにも特に制限は無いが、下限として、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、上限として、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。ここでいうグラフェンの面方向の大きさとは、グラフェン面の最長径と最短径の平均を指す。
変性炭素材料は、部分グラファイト構造を有することが好ましい。本明細書において、「部分グラファイト構造を有する」とは、変性炭素材料の少なくとも一部にグラファイト構造を有することをいい、好ましくは、変性炭素材料のグラフェン面の少なくとも5nm四方の範囲にわたってグラファイト構造を有する。部分グラファイト構造は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)を好適に用いて確認することができる。部分グラファイト構造の大きさの下限は、好ましくは、変性炭素材料のグラフェン面の10nm四方以上、より好ましくは15nm四方以上、更に好ましくは20nm四方以上であり、上限は、好ましくは9000000nm四方以下、より好ましくは4000000nm四方以下、更に好ましくは1000000nm四方以下とすることができる。変性炭素材料が部分グラファイト構造を有すると、金属イオンの吸着性が高まるため好ましい。
変性炭素材料の平均二次粒子径(D50)は、好ましくは0.05μm~4μm、より好ましくは0.1μm~3.5μm、更に好ましくは0.2μm~3μmである。平均二次粒子径が0.05μm~4μmであることによって、二次電池のエネルギー密度が高まる傾向にある。
変性炭素材料の平均二次粒子径を0.05μm~4.0μmの範囲内に制御する方法としては、特に限定されないが、従来公知の方法、例えば、軸流型ミル法、アニュラー型ミル法、ロールミル法、ボールミル法、ビーズミル法、ジェットミル法、容器回転式圧縮剪断型ミル法、磁器乳鉢で粉砕する方法等が挙げられる。
変性炭素材料は、5ppmのMn2+イオンと、1mol/LのLiPFと、環状及び/又は鎖状カーボネートとの混合液100質量部に対して、陽イオン交換体0.035質量部を23℃の雰囲気下で6時間浸漬したとき、陽イオン交換体へのMn2+イオンの吸着率が好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上である。陽イオン交換体へのMn2+イオンの吸着率が10%以上であると、二次電池の寿命特性及び安全性をより向上させることができる。
(バインダー)
本実施形態の無機粒子結着物において、変性炭素材料はバインダーで結着されている。これは、変性炭素材料を固定し、電池内での脱落と不安全性を防ぐ観点からも重要である。それに加えて特に重要なことは、変性炭素材料を分散した状態で保持できるからである。結着が不十分な場合には、充放電による負極の膨張収縮等に伴って、または、電池セルにかかる外部応力に伴って、変性炭素材料同士の間隔が狭まり、細密に充填されてしまい、変性炭素材料の金属イオン吸着能を十分に発揮することができなくなる。よって、変性炭素材料は電池内のいかなる場所に設置された場合においてもバインダーと共に設置されていることが好ましい。
良好な吸着特性を維持する観点から、バインダーのTgは-80℃以上0℃以下であることが好ましい。より好ましい範囲としては-70℃以上-10℃以下であることが好ましい。更に好ましくは、-60℃以上-20℃以下である。この範囲にあることで、負極の膨張収縮や外部応力に対しても高い安定性を維持可能であり、結果として良好な吸着特性を維持することができる。
変性炭素材料を固定するバインダーとしては、限定されないが、例えば、使用する非水電解液に対して不溶又は難溶であり、かつ電気化学的に安定なものが好ましい。このようなバインダーとしては、限定されないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン;フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;スチレン-ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。バインダーの融点及び/又はガラス転移温度は180℃以上であることが好ましく、バインダーのガラス転移点は、好ましくは-80℃以上0℃以下、より好ましくは-70℃以上-10℃以下、更に好ましくは-60℃以上-20℃以下であってよい。
これらの中でも、バインダーとしては、樹脂製ラテックスバインダーが好ましい。なお、本明細書において「樹脂製ラテックス」とは、樹脂が媒体中に分散した状態のものを示す。変性炭素材料、例えば変性グラフェンと、樹脂製ラテックスバインダーとを含む多孔質の無機粒子含有層を有するセパレータは、イオン透過性が低下し難く、出力特性に優れる傾向にある。また、異常発熱時など、電池の温度上昇が速い場合であっても円滑なシャットダウン性能を示し、耐熱収縮性が高く、安全性に優れる傾向にある。
樹脂製ラテックスバインダーとしては、限定されないが、例えば、脂肪族共役ジエン系単量体又は不飽和カルボン酸単量体、及びこれらと共重合可能な他の単量体を乳化重合して得られるものが挙げられる。このような樹脂製ラテックスバインダーを用いることにより、電気化学的安定性と結着性がより向上する傾向にある。乳化重合方法としては限定されず、公知の方法を用いることができる。単量体及びその他の成分の添加方法としては、限定されないが、一括添加方法、分割添加方法、及び連続添加方法を挙げることができ、いずれを使用してもよい。また、重合方法としては、限定されないが、一段重合、二段重合又は多段階重合を挙げることができ、いずれを使用してもよい。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられる。これらの中でも、脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3-ブタジエンが好ましい。脂肪族共役ジエン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸単量体としては、限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノ又はジカルボン酸(無水物)等が挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、及び/又はメタクリル酸が好ましい。不飽和カルボン酸単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族共役ジエン系単量体又は不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、限定されないが、例えば、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。これらの中でも、他の単量体としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましい。他の単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、限定されないが、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2-エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、メチルメタクリレートが好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記で説明した単量体に加えて、様々な品質及び物性を改良するために、上記以外の単量体成分を更に使用することもできる。
樹脂製ラテックスバインダーの平均粒子径は、好ましくは50nm~500nm、より好ましくは60nm~460nm、更に好ましくは70nm~420nmである。平均粒子径が50nm以上であることにより、変性炭素材料及び樹脂製ラテックスバインダーを含む層のイオン透過性が低下し難く、出力特性に優れる傾向にある。樹脂製ラテックスバインダーの平均粒子径が500nm以下であることで、結着性がより良好となり、負極や正極の膨張収縮に対しての耐性が高まり、より良好な吸着特性を維持できる傾向にある。
樹脂製ラテックスバインダーの平均粒子径の制御は、重合時間、重合温度、原料組成比、原料投入順序、pHなどを調整することで可能である。
樹脂製ラテックスバインダーの量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、例えば、単位面積当たりに、好ましくは0.1g/m以上、より好ましくは0.5g/m以上である。電池のエネルギー密度の低下を抑え、内部抵抗の上昇を抑える観点から、樹脂製ラテックスバインダーの量は、単位面積当たりに、好ましくは15g/m以下、より好ましくは10g/m以下である。
(混合用無機粒子)
本願明細書において、「混合用無機粒子」とは、変性炭素材料の分散性を向上させることができる無機粒子をいう。混合用無機粒子は、平均厚みが上記変性炭素材料より厚いことが好ましい。ここでいう「厚み」とは、粒子の最短軸方向の長さをいう。二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とともに、この特定の平均厚みを有する混合用無機粒子を含有することで、変性炭素材料の分散性が特に高まり、金属イオンを効率的に吸着することができる。変性炭素材料の厚みに対する混合用無機粒子の厚みの比率は、限定されないが、好ましくは0.001以上0.98以下、より好ましくは0.005以上0.95以下、更に好ましくは0.01以上0.90以下とすることができる。
粒子の平均厚みを測定する方法としては、特に制限されないが、例えば、走査型電子顕微鏡で、100個の粒子の最短軸方向の長さを観察し、平均値を算出することにより測定することができる。
混合用無機粒子としては、限定されないが、例えば、200℃以上の融点を有し、電気絶縁性が高く、かつ非水電解質電池の使用範囲で電気化学的に安定であるものが好ましい。このような無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウム、チタン酸塩、ニオブ酸塩、ニオブ・チタン酸塩、ゼオライト、などの陽イオン交換体、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、石膏、硫酸バリウムなどの炭酸塩および硫酸塩、アルミナ三水和物(ATH)、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、イットリアなどの酸化物系セラミックス、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、SiO-MgO(ケイ酸マグネシウム)、SiO-CaO(ケイ酸カルシウム)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ランタン、炭酸セリウム窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、水酸化マグネシウム、シリコンカーバイド、タルク、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、アメサイト、ベントナイトなどの層状シリケート、アスベスト、ケイ藻土、ガラス繊維などの合成層状シリケート、例えば、雲母またはフルオロ雲母などの中性層状シリケート、例えば、ヘクトライト、サポナイト、またはバーミキュライト、ナノクレイなどのインターカレーションおよび剥離を改善する改良剤を含有する天然または合成層状シリケート、ホウ酸亜鉛、および陰イオン交換体からなる群から選択される無機粒子などが挙げられる。
混合用無機粒子は、陰イオン交換体であることが好ましい。本願明細書において、「陰イオン交換体」とは、電池内に存在する又は生じる陰イオンを吸着し、代わりに他の陰イオンを放出することができる物質をいう。混合用無機粒子が陰イオン交換体であることで、変性炭素材料の無機粒子含有層内における分散性を向上するだけでなく、金属イオンをより効率的に吸着することができるため、より好ましい。
陰イオン交換体としては、限定されないが、例えば、層状複水酸化物(Mg-Alタイプ、Mg-Feタイプ、Ni-Feタイプ、Li-Alタイプ)、層状複水酸化物-アルミナシリカゲル複合体、ベーマイト、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化鉄、オキシ水酸化鉄、ヘマタイト、酸化ランタン、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、塩基性酢酸銅及び塩基性硫酸鉛等が挙げられる。水分量が比較的少なく、電池の膨れを防ぐ観点から、陰イオン交換体としては、ベーマイト、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化鉄、オキシ水酸化鉄、ヘマタイト、酸化ランタン、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。陰イオン交換体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
二次電池用無機粒子結着物中に含まれる混合用無機粒子及び変性炭素材料の量は、混合用無機粒子及び変性炭素材料の合計質量を100質量%としたとき、変性炭素材料の含有量は、好ましくは90質量%未満、より好ましくは80%以下である。混合用無機粒子及び変性炭素材料の合計質量を100質量%としたとき、変性炭素材料の含有量は、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。変性炭素材料が90質量%未満であると、非水電解質電池のエネルギー密度を高く維持し、かつ金属イオン吸着率に優れる傾向にある。特に、アスペクトが高い変性炭素材料、例えばアスペクトが5以上の変性グラフェンを使用したとき、変性炭素材料を50質量%未満とする効果はより顕著になる。
〈多孔質層〉
本明細書における無機粒子結着物は、無機粒子結着物を含む多孔質層であることが好ましく、無機粒子結着物から構成される多孔質層であることがより好ましい。多孔質層は正極と負極の間に配置されることが好ましい。多孔質層は、本実施形態の無機粒子結着物に加えて、混合用無機粒子を更に含むことが好ましい。
多孔質層における無機粒子の量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、多孔質層の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)を基準として、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上である。
多孔質層の空孔率は、30%以上80%以下であることが好ましい。より好ましくは、40%以上であることが好ましい。また、その上限は、70%以下であることが好ましい。
多孔質基材が本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層を有する場合、多孔質層の厚みは、1μm~10μmであることが好ましい。
多孔質層の体積抵抗率は、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であることが好ましい。この範囲にあることによって、寿命特性を向上させることができる。より好ましい範囲は、1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下である。
〈二次電池用セパレータ〉
本明細書における二次電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう。)は、好ましくは、本実施形態の二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有し、より好ましくは本実施形態の二次電池用無機粒子結着物から構成される多孔質層を有する。多孔質層は、多孔質基材の少なくとも一方の面に形成されていることが好ましい。多孔質基材は、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであれば限定されない。二次電池に用いられる公知の多孔質基材を用いることができる。
〈多孔質基材〉
多孔質基材の材料としては、限定されないが、電池中の非水電解質に対して安定であり、かつ電気化学的に安定な材料、例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など;ポリエステル;ポリイミド;ポリアミド;ポリウレタンが挙げられる。セパレータの形態としては、限定されないが、例えば微多孔膜、及び不織布等が挙げられる。
多孔質基材は、好ましくは80℃以上180℃以下、より好ましくは100℃以上150℃以下において、その孔が閉塞する性質(「シャットダウン機能」ともいう。)を有することが好ましい。したがって、多孔質基材としては、JIS K 7121の規定に準じて示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、好ましくは80℃以上180℃以下、より好ましくは100℃以上150℃以下のポリオレフィンを含む、微多孔膜又は不織布を用いることがより好ましい。
多孔質基材としての微多孔膜又は不織布は、例えば、PEから構成されていてもよく、PPから構成されていてもよく、又は2種以上の材料を含んでいてもよい。多孔質基材は、PEから構成される微多孔膜とPPから構成される微多孔膜との積層体、例えば、PP、PE、PPの順に積層された三層積層体であってもよい。
微多孔膜としては、例えば、従来から知られている溶剤抽出法、乾式又は湿式延伸法などにより形成された孔を多数有するイオン透過性の多孔質膜を用いることができ、非水電解質電池のセパレータとして汎用されている微多孔膜であってよい。
本願明細書において、ポリオレフィンを「主体とする」多孔質基材とは、その構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中におけるポリオレフィンの含有量が30体積%以上であるものをいい、好ましくは70体積%以上である。
ポリオレフィンを主体とする多孔質基材、特に微多孔膜は、電池内が高温になることによって熱収縮し易い。しかしながら、熱収縮し難い二次電池用無機粒子を含有する無機粒子含有層が耐熱層として機能し、多孔質基材全体の熱収縮が抑制されるため、より高温下での安全性に優れた二次電池を得ることができる。
無機粒子含有層における無機粒子の量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、多孔質層の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)を基準として、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上である。
多孔質基材は、本実施形態の変性炭素材料と混合用無機粒子以外は樹脂粒子を有してもよい。多孔質基材が樹脂粒子を有することによって、例えば、高温下におけるセパレータ全体の形状安定性を更に高めることができる。
樹脂粒子としては、耐熱性及び電気絶縁性を有し、電池中の非水電解質に対して安定であり、かつ電池の作動電圧範囲において酸化還元され難い電気化学的に安定な樹脂で構成されるものが好ましい。このような樹脂粒子を形成するための材料としては、スチレン樹脂(ポリスチレンなど)、スチレンブタジエンゴム、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートなど)、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドなど)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデンなど)、及びこれらの誘導体から成る群から選択される少なくとも1種の樹脂の架橋体;尿素樹脂;及びポリウレタン等が挙げられる。樹脂粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂粒子は、必要に応じて、樹脂に添加することができる公知の添加剤、例えば酸化防止剤などを含有してもよい。
樹脂粒子の形態は、それぞれ独立して、板状、鱗片状、針状、柱状、球状、多面体状、塊状など、いずれの形態であってもよく、透過性向上の観点から、複数の面を有する多面体状が好ましい。
樹脂粒子の平均粒子径(D50)は、それぞれ独立して、好ましくは0.1μm~4.0μm、より好ましくは0.2μm~3.5μm、更に好ましくは0.4μm~3.0μmである。平均粒子径が0.1μm~4.0μmであることによって、高温におけるセパレータの熱収縮がより抑制される傾向にある。
多孔質基材が樹脂粒子を有する場合、これらの粒子は、例えば、(i)本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層(無機粒子含有層)に、又は(ii)無機粒子含有層及び基材とは別の、他の多孔質層(以下、単に「他の多孔質層」ともいう。)に含有させてもよい。
樹脂粒子を、(i)無機粒子含有層に含有させる場合には、本実施形態の二次電池用無機粒子の含有量が上記で説明した好適な範囲内になるように、樹脂粒子の含有量を調整することが好ましい。
樹脂粒子を、(ii)他の多孔質層に含有させる場合、当該他の多孔質層は、例えば:基材としての不織布又は微多孔膜の片面上(本実施形態の二次電池用無機粒子を含む多孔質層が設けられた面とは反対側の面上)に配置してもよく;無機粒子含有層と基材との間に配置してもよく;又は、無機粒子含有層の表面のうち基材と接する面とは反対の面上に配置してもよい。
樹脂粒子を含む他の多孔質層は、基材及び/又は無機粒子含有層と一体化していてもよく、これらとは独立した膜として存在し、電池内でこれらと重ね合わせられてセパレータを構成していてもよい。
樹脂粒子を、(ii)他の多孔質層に含有させる場合、当該他の多孔質層における樹脂粒子の含有量は、他の多孔質層の全体積(空孔部分を除く全体積)中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、更に好ましくは50体積%以上である。
樹脂粒子を、(ii)他の多孔質層に含有させる場合、当該多孔質層はバインダーを含有することが好ましい。他の多孔質層における樹脂粒子の含有量は、他の多孔質層の全体積(空孔部分を除く全体積)中、好ましくは99.5体積%以下である。バインダーとしては、本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層に用いることができるものとして例示したバインダーと同様のものを使用することができる。
多孔質基材が本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層を有しない場合であっても、セパレータは、上述した不織布又は微多孔膜を基材として有し、その片面又は両面上に、その他の無機粒子又は樹脂粒子を含む他の多孔質層を有する多孔質基材であってもよい。
二次電池用セパレータの空孔率は、非水電解質の保持量を確保してイオン透過性を良好にするために、セパレータの乾燥した状態で好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、セパレータの乾燥した状態で好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。本願明細書において、セパレータの空孔率P(%)は、セパレータの厚み、単位面積当たりの質量、及び構成成分の密度から、下記式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P={1-(m/t)/(Σa・ρ)}×100
{式中、aは、全体の質量を1としたときの成分iの比率であり、ρは、成分iの密度(g/cm)であり、mは、セパレータの単位面積当たりの質量(g/cm)であり、かつtは、セパレータの厚み(cm)である。}
二次電池用セパレータの総厚は、上述の多孔質層を有する場合及び有しない場合のいずれにおいても、好ましくは2μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上100μm以下、更に好ましくは7μm以上30μm以下である。セパレータの総厚が2μm以上であることにより、セパレータの機械強度がより向上する傾向にある。また、セパレータの総厚が200μm以下であることにより、電池内におけるセパレータの占有体積が減るため、非水電解質電池がより高容量化し、イオン透過性がより向上する傾向にある。
二次電池用セパレータの透気度は、好ましくは10秒/100cc以上500秒/100cc以下、より好ましくは20秒/100cc以上450秒/100cc以下、更に好ましくは30秒/100cc以上450秒/100cc以下である。透気度が10秒/100cc以上であることにより、セパレータを二次電池に用いた際の自己放電がより少なくなる傾向にある。透気度が500秒/100cc以下であることにより、より良好な充放電特性が得られる傾向にある。
多孔質基材が本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層を有する場合、多孔質層の厚みは、1μm~10μmであることが好ましい。
多孔質基材が樹脂粒子を含む他の多孔質層を有する場合、当該他の多孔質層の厚みは、1μm~10μmであることが好ましい。
多孔質基材の基材自体、例えば不織布又は多孔質膜自体の厚みは、5μm~40μmであることが好ましい。
本実施形態の二次電池用無機粒子を含有する多孔質層は、本実施形態の二次電池用無機粒子、及びバインダーなどを、水又は有機溶媒に分散又は溶解させて調製した組成物(例えば、ペースト、スラリーなど)を、多孔質層を形成したい箇所に塗布して乾燥させることにより形成してもよく、組成物を樹脂フィルムなどの基材上に塗布して乾燥させた後に剥離して、独立した膜として形成してもよい。その他の無機粒子又は樹脂粒子を含む他の多孔質層もまた、上記と同様に形成することができる。
〈正極〉
正極は、一般に、集電体と、その上に形成された正極合剤層とを有し、正極合剤層は、正極活物質と、導電助材と、バインダーとを含むことが好ましい。
正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な公知のものを用いることができる。正極活物質としては、リチウムを含む材料が好ましい。正極活物質としては、例えば、
下記式(1):
LiMn2-y (1)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、かつ3.5<z<4.5である。}
で表される酸化物;
下記式(2):
Li (2)
{式中、Mは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、かつ1.8<z<2.2である。}
で表される層状酸化物;
下記式(3):
LiMn2-xMa (3)
{式中、Maは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0.2≦x≦0.7である。}
で表されるスピネル型酸化物;
下記式(4):
LiMcO (4)
{式中、Mcは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物と下記式(5):
LiMdO (5)
{式中、Mdは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される酸化物との複合酸化物であって、下記式(6):
zLiMcO-(1-z)LiMdO (6)
{式中、Mc及びMdは、それぞれ上記式(4)及び(5)におけるMc及びMdと同義であり、かつ0.1≦z≦0.9である。}
で表される、Liが過剰な層状の酸化物正極活物質;
下記式(7):
LiMb1-yFePO (7)
{式中、Mbは、Mn及びCoから成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、かつ0≦y≦1.0である。}
で表されるオリビン型正極活物質;及び
下記式(8):
LiMePO F (8)
{式中、Meは、遷移金属元素から成る群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。}で表される化合物が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
正極活物質は、より高電位で作動させて電池のエネルギー密度を高めることができるものが好ましい。本実施形態の非水電解質電池は、正極活物質から溶出して負極に析出することで電池特性を低下させたり短絡を引き起こしたりする金属イオンを効果的に吸着することができ、これにより電池性能低下を抑制できるので、正極活物質としては、上記式(3)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、及び上記式(2)で表される層状化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
正極における導電助材及び集電体は、公知のものを使用することができる。
正極は、本実施形態の無機粒子結着物を有してもよい。正極が本実施形態の無機粒子結着物を有する場合、その態様としては、限定されないが、例えば、(i)正極合剤層中に本実施形態の無機粒子結着物を含有させる方法、又は(ii)正極合剤層の表面に本実施形態の無機粒子結着物を含有する多孔質層を形成する方法が挙げられる。前者の方法の場合、本実施形態の無機粒子結着物は、正極活物質と混合された状態でもよく、正極活物質の表面にコートされていてもよい。後者の方法の場合、本実施形態の無機粒子結着物を含有する多孔質層は、上記で説明した多孔質層と同じ方法により形成することができ、その構成もまた、上述の多孔質層の構成を援用することができる。
正極中の無機粒子結着物の含有量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、例えば、集電体を除く無機粒子結着物成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中、0.5体積%以上であることが好ましく、1体積%以上であることがより好ましい。また、電池のエネルギー密度及び内部抵抗の観点から、正極における無機粒子結着物の含有量は、集電体を除く正極の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中、10体積%以下であることが好ましく、6体積%以下であることがより好ましい。
正極が無機粒子結着物を含有しない場合には、正極合剤層の全質量を基準として、正極活物質の含有量は87質量%~97質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量は1.5質量%~6.5質量%であることが好ましく、バインダーの含有量は1.5質量%~6.5質量%であることが好ましい。
正極が無機粒子結着物を含有する場合には、正極合剤層の全質量を基準として、正極活物質の含有量は79.4質量%~96.4質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量は1.4質量%~6.5質量%であることが好ましく、バインダーの含有量は1.4質量%~6.5質量%であることが好ましい。
〈負極〉
負極は、一般に、集電体と、その上に形成された負極合剤層とを有し、負極合剤層は、負極活物質と、バインダーとを含むことが好ましい。
負極における集電体としては、限定されないが、例えば、銅、ニッケル、及びステンレス等の金属の箔、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル;炭素材料、例えばカーボンクロス、及びカーボンペーパー等が挙げられる。負極における集電体は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な公知のものを用いることができる。負極活物質としては、限定されないが、例えば、黒鉛粉末、メソフェーズ炭素繊維、及びメソフェーズ小球体などの炭素材料;並びに金属、合金、酸化物及び窒化物が挙げられる。負極活物質は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
負極は、本実施形態の無機粒子結着物を含んでもよい。負極が本実施形態の無機粒子結着物を有する場合、その態様としては、限定されないが、例えば、(i)負極合剤層中に本実施形態の無機粒子結着物を含有させる方法、又は(ii)負極合剤層の表面に本実施形態の無機粒子結着物を含有する多孔質層を形成する方法が挙げられる。前者の方法の場合、本実施形態の無機粒子結着物は、負極活物質と混合された状態でもよく、負極活物質の表面にコートされていてもよい。後者の方法の場合、本実施形態の無機粒子結着物を含有する多孔質層は、上記で説明した多孔質層と同じ方法により形成することができ、その構成もまた、上述の多孔質層の構成を援用することができる。
負極中の無機粒子結着物の含有量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、例えば、集電体を除く負極の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中、1.5体積%以上であることが好ましく、2体積%以上であることがより好ましい。また、電池のエネルギー密度及び内部抵抗の観点から、負極における無機粒子結着物の含有量は、集電体を除く負極の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中、25体積%以下であることが好ましく、15体積%以下であることがより好ましい。
負極が無機粒子結着物を含有しない場合には、負極合剤層の全質量を基準として、負極活物質の含有量は88質量%~99質量%であることが好ましく、バインダーの含有量は1質量%~12質量%であることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、導電助剤の含有量は0.5質量%~6質量%であることが好ましい。
負極が無機粒子結着物を含有する場合には、負極合剤層の全質量を基準として、負極活物質の含有量は68質量%~98質量%であることが好ましく、全バインダーの含有量は0.8質量%~11.8質量%であることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、導電助剤の含有量は0.9質量%~5.9質量%であることが好ましい。
負極におけるバインダーとしては、負極活物質、導電助材、及び集電体の負極を構成する材料のうち少なくとも2つを結着できる公知のものを用いることができる。無機粒子結着物のバインダーと同一または異なるものでよい。負極におけるバインダーとしては、限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、スチレン-ブタジエンの架橋ゴムラテックス、アクリル系ラテックス、及びポリフッ化ビニリデンが挙げられる。バインダーは1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
〈非水電解質〉
非水電解質としては、限定されないが、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液であってよい。リチウム塩としては、限定されないが、例えば、LiPF(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSiF、LiOSO2k+1(式中、kは1~8の整数である)、LiN(SO2k+1(式中、kは1~8の整数である)、LiPF(C2k+16-n(式中、nは1~5の整数であり、かつkは1~8の整数である)、LiPF(C)、及びLiPF(C等が挙げられる。これらの中でも、リチウム塩としては、LiPFが好ましい。LiPFを用いることにより、高温時においても電池特性及び安全性により優れる傾向にある。リチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
非水電解質に用いられる非水溶媒としては限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
非プロトン性極性溶媒としては、限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5-ジフルオロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート;γープチロラクトン及びγーバレロラクトンなどのラクトン;スルホランなどの環状スルホン;テトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロビルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及びメチルトリフルオロエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルエーテルなどの鎖状エーテル;プロピオン酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;並びにジメトキシエタンなどの鎖状エーテルカーボネート化合物が挙げられる。非水電解質は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
非水電解質は、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、上記に例示した以外のリチウム塩、不飽和結合含有カーボネート、ハロゲン原子含有カーボネート、カルボン酸無水物、硫黄原子含有化合物(例えば、スルフィド、ジスルフィド、スルホン酸エステル、スルフィト、スルフェート、スルホン酸無水物等)、ニトリル基含有化合物等が挙げられる。
その他の添加剤の具体例は、以下の通りである:
リチウム塩:例えば、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート等;
不飽和結合含有カーボネート:例えば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等;
ハロゲン原子含有カーボネート:例えば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート等;
カルボン酸無水物:例えば、無水酢酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等;
硫黄原子含有化合物:例えば、エチレンスルフィト、1,3-プロパンスルトン、1,3-プロペンスルトン、1,4-ブタンスルトン、エチレンスルフェート、ビニレンスルフェート等;
ニトリル基含有化合物:例えば、スクシノニトリル等。
非水電解質がこのようなその他の添加剤を含むことにより、電池のサイクル特性がより向上する傾向にある。
中でも、電池のサイクル特性を更に向上させるという観点から、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群から選択される少なくとも1種が好ましい。ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムから成る群から選択される少なくとも1種の添加剤の含有量は、非水電解質100質量%に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.02質量%以上がさらに好ましい。この含有量が0.001質量%以上であると、リチウムイオン二次電池のサイクル寿命がより向上する傾向にある。また、この含有量は、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。この含有量が3質量%以下であると、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性がより向上する傾向にある。
非水電解質中のその他の添加剤の含有量は、例えば、31P-NMR、19F-NMR等のNMR測定により確認することができる。
非水電解質に含まれるリチウム塩の濃度は、好ましくは0.5mol/L~1.5mol/L、より好ましくは0.9mol/L~1.25mol/Lである。
非水電解質は、液体電解質(非水電解液)であってもよく、固体電解質であってもよい。
非水電解質は、本実施形態の変性炭素材料を含有してもよい。非水電解質における変性炭素材料の含有量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、非水電解質1mL当たり、好ましくは5mg以上、より好ましくは10mg以上である。
〈外装体〉
外装体としては、限定されないが、例えば、スチール缶、アルミニウム缶などの金属缶が挙げられる。外装体の形態としては、筒形、例えば角筒形、円筒形などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体として使用して、非水電解質電池を形成することもできる。
《二次電池の製造方法》
本実施形態の二次電池の製造方法は、二次電池が本実施形態の二次電池用無機粒子結着物を有する限り限定されない。例えば、正極及び負極を、本実施形態のセパレータを介して積層して積層体を得て、又は積層体を更に巻回して巻回体を得て、得られた積層体又は巻回体を、非水電解質と共に外装体内に収容することにより製造することができる。
好ましくは、正極と、本実施形態による変性炭素材料及びバインダーを含む無機粒子結着物を含む多孔質層と、多孔質基材と、負極とをこの順に積層して積層体を得て、又はこの積層体を捲回して捲回体を得て、得られた積層体又は捲回体と非水電解質とを、外装体内に収容する方法が挙げられる。多孔質層を正極に対向させるように、正極、本実施形態のセパレータ、及び負極を積層することが好ましい。二次電池が例えばリチウムイオン二次電池である場合には、このような手順でリチウムイオン二次電池の複数の構成要素を配列することによって、電池内でのリチウムイオンの移動が確保され、かつ電池の寿命特性又は安全性に影響する金属イオンの吸着が顕著になる。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、特に記載のない限り各種測定および評価は、室温23℃、1気圧、及び相対湿度50%の条件下で行った。
[実施例1]
<変性炭素材料の調製>
置換元素としての窒素及び硫黄を有する化合物として、チオウレア(thiourea)を準備した。ハマーズ法で黒鉛粉末から酸化グラファイトを製造し、製造された酸化グラファイトを超音波分散させ、酸化グラフェン板状に個別剥離させた。個別剥離された酸化グラフェン300mgと、チオウレア(thiourea)800mgと、蒸留水70mlと混合した後、4時間撹拌した。以後、180℃で12時間水熱反応させて、炭素の一部が窒素及び硫黄で置換されたグラフェンを製造した(変性炭素材料A)。変性炭素材料Aは、炭素原子の3.2mol%が、硫黄または窒素で置換されていることを燃焼法によって確認した。また、炭素原子の1.2mol%は酸素または水酸基で置換さていることを確認した。BET比表面積は1560m/gであった。
また、透過型電子顕微鏡で観察した100個の粒子の平均厚みは、10nmであることを確認した。
<金属吸着能力の評価>
アルゴンガス雰囲気下で、上記非水電解質電池に用いた非水電解質に、トリフルオロメタンスルホン酸マンガン〔Mn(CFSO〕を、Mnの濃度が5ppmとなるように溶解した。アルゴンガス雰囲気下で、このMnを溶解した非水電解質100質量部と、変性炭素材料A0.035質量部とをポリプロピレン製の密閉容器に入れ、バリアブルミックスローターVMR-5R(アズワン社製)を用いて、23℃の雰囲気下で、100rpmで6時間に亘って振とう撹拌した。その後、孔径0.2μmのPTFE製メンブレンフィルターでろ過した。このろ液中のMnの濃度(Mx)(単位:ppm)を測定し、以下の式から、吸着率(Ax)(単位:%)を算出し、吸着率が10%未満:「×」、10~20%:「△」、20%~25%:「〇」、25%より大きい:「◎」として評価した。
Ax=〔(5-Mx)/5〕×100
なお、Mnの濃度の測定は、ICP発光分光分析(ICP発光分光分析装置:Optima8300(パーキンエルマー社製))にて測定した。なお、測定試料の前処理には酸分解(マイクロウェーブ法)を行った。
<セパレータの作製>
粘度平均分子量(Mv)700,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv250,000のホモポリマーのポリエチレン47.5質量部と、Mv400,000のホモポリマーのポリプロピレン5質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドして、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。得られたポリオレフィン樹脂混合物99質量%に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
得られたポリオレフィン樹脂組成物を、窒素で置換を行った後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度:7.59×10-5/s)を、押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。二軸押出機で溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流動パラフィンの質量比が66質量%(樹脂組成物濃度が34質量%)となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpm、及び吐出量12kg/hであった。
続いて、溶融混練物を、T-ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1600μmのゲルシートを得た。次に、得られたゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.1倍、及び設定温度123℃であった。次に、二軸延伸後のゲルシートをメチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。最後に、乾燥後のゲルシートをTDテンターに導き、延伸及び熱緩和を行って、ポリオレフィン微多孔膜を得た。延伸温度は125℃であり、熱緩和温度は133℃であり、TD最大倍率は1.65倍であり、かつ緩和率は0.9であった。得られたポリオレフィン微多孔膜は、厚みが12μmであり、かつ空孔率が40%であった。
イオン交換水100質量部中に、変性炭素材料Aを29質量部と、ポリカルボン酸アンモニウム水溶液(サンノプコ社製SNディスパーサント5468)0.29質量部とを混合した。混合後、ビーズミル処理を行い、平均粒径(D50)を1.5μmに調整し、分散液を得た。更に、得られた分散液100質量部に対して、バインダーとしてアクリルラテックス懸濁液(固形分濃度40%、平均粒子径150nm)8.2質量部を混合して均一な多孔質層形成用組成物を調製した。なお、上記の分散液における無機粒子の平均粒子径は、レーザー式粒度分布測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300EX)を用いて粒径分布を測定し、体積累積頻度が50%となる粒径を平均粒子径(μm)とした。また、樹脂製ラテックスバインダーの平均粒径は、光散乱法による粒径測定装置(LEED&NORTHRUP社製MICROTRACTMUPA150)を用い、体積平均粒子径(nm)を測定し、平均粒子径として求めた。
次に、上記ポリオレフィン微多孔膜の表面にマイクログラビアコーターを用いて上記多孔質層形成用組成物を塗布し、60℃で乾燥して水を除去し、ポリオレフィン微多孔膜上に厚さ3μmの変性炭素材料Aを含む無機粒子含有層を配置し、無機粒子含有層を有する総厚さ15μmのセパレータを得た。なお、このセパレータの、変性炭素材料Aを含む無機粒子含有層における無機粒子の体積割合は、85体積%であった。また多孔質層の体積抵抗率の値は、1×10Ω・cmであった。
<正極の作製>
正極活物質としてLiNi0.5o0.2Mn0.3と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン溶液とを固形分比で93.9:3.3:2.8の質量比で混合した。得られた混合物に、分散溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを固形分35質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmのアルミニウム箔の両面に塗布した。このとき、アルミニウム箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが30mm×50mmであり、かつアルミニウム箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのアルミニウム製リード片をアルミニウム箔の露出部に溶接して正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてグラファイト粉末と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、97.5:1.5:1.0の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面及び両面に塗布した。このとき、銅箔の一部が露出するようにした。その後、溶剤を乾燥除去し、ロールプレスで圧延した。圧延後の試料を塗布部の大きさが32mm×52mmであり、かつ銅箔の露出部を含むように裁断し、更に、電流を取り出すためのニッケル製リード片を銅箔の露出部に溶接して負極を得た。
<非水電解質の作製>
アルゴンガス雰囲気下で、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lとなるように溶解して、非水電解質(非水電解液)を得た。
<二次電池の作製>
上記正極と上記負極とを、上記セパレータを介在させつつ重ね合わせて積層電極体とした。なお、セパレータは、変性炭素材料A含む無機粒子含有層が正極に対向するように配置した。この積層電極体を80×60mmのアルミニウムラミネート外装体内に挿入した。次に、上記非水電解質(非水電解液)を外装体内に注入し、その後、外装体の開口部を封止して、積層電極体を内部に有する非水電解質電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。得られた非水電解質電池の定格容量は90mAhであった。
<寿命特性(フロート試験)>
・初期充放電
得られた非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.05Cの定電流で充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で2時間充電し、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。なお、1Cとは電池が1時間で放電される電流値である。
・フロート試験
上記初期充電後の電池を、50℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、恒温槽PLM-73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、充放電装置ACD-01)に接続した。次いで、その電池を0.5Cの定電流で4.35Vまで充電し、4.35Vに到達した後、4.35Vの定電圧で充電した。このとき、微短絡に至るまでの時間について評価した。
微短絡に至るまでの時間は、上記の充電過程において、充電容量が定格容量の2倍となるまでの時間を測定し、30日未満:「×」、30日以上45日未満:「〇」、45日以上:「◎」として評価した。
[実施例2]
置換元素としてホウ素をグラファイトに導入するため、ハマーズ法で黒鉛粉末から酸化グラファイトを製造し、製造された酸化グラファイトを超音波分散させ、酸化グラフェン板状に個別剥離させた。個別剥離された酸化グラフェンに対してイオン注入法により、炭素の一部をホウ素に置換した(変性炭素材料B)。変性炭素材料Bは、炭素原子の0.2mol%がホウ素で置換されていることを燃焼法によって確認した。BET比表面積は1320m/gであった。また、透過型電子顕微鏡で観察した100個の粒子の平均厚みは、12nmであることを確認した。変性炭素材料を変更した以外は実施例1で用いた手順と同様に金属吸着能力を評価し、その後二次電池として評価した。
[実施例3]
実施例1で合成した変性炭素材料Aとベーマイト(平均厚み250nm)を質量比1:1となるように混合し、無機粒子混合物とした。実施例1で使用した変性炭素材料Aの代わりに上記の無機粒子混合物を使用して、実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
[実施例4]
多孔質層形成用組成物を以下のとおりに調製した。メチルエチルケトン100質量部中に、変性炭素材料A29質量部と、バインダーとしてPVDF2.2質量部を混合して均一な多孔質層形成用組成物を調製した。
次に、実施例1に記載のポリオレフィン微多孔膜の表面にマイクログラビアコーターを用いて上記多孔質層形成用組成物を塗布し、60℃で乾燥してメチルエチルケトンを除去し、ポリオレフィン微多孔膜上に厚さ3μmの変性炭素材料Aを含む無機粒子含有層を配置し、無機粒子含有層を有する総厚さ15μmのセパレータを得た。なお、このセパレータの、変性炭素材料Aを含む無機粒子含有層における無機粒子の体積割合は、75体積%であった。他の手順は実施例1で用いた手順と同様にして二次電池を作製して評価した。
[比較例1]
実施例1で使用した変性炭素材料Aの代わりに、実施例1で合成した酸化グラフェンを用いて、実施例1で用いた手順と同様に金属吸着能力を評価した。また、この酸化グラフェンを用いて、実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
[比較例2]
実施例1で用いた変性炭素材料の入った分散液に、バインダーとしてアクリルラテックスを加えずに使用した。上記分散液を多孔質基材に塗工し、セパレータを作製した。その他の手順は実施例1で用いた手順と同様に二次電池を作製して評価した。
Figure 0006998155000001
実施例1及び2に記載の変性炭素材料を用いたセパレータを備えた二次電池の寿命特性は良好であった。多孔質層を正極に対向させて配置していることから、デンドライト抑制ではない効果、すなわち、金属イオンの吸着によって寿命特性が向上しているといえる。また、混合用無機粒子を混合した実施例3では、電池内での変性炭素材料の含有量が減っているにも関わらず、より優れた寿命特性を示した。これは、変性炭素材料の凝集緩和による吸着特性の向上に由来するものであると推察される。一方、変性していない炭素材料を用いた比較例1、バインダーを含まない比較例2では、寿命特性は向上しなかった。
本発明の二次電池用セパレータは、非水電解質電池、例えばリチウムイオン二次電池に用いることができる。

Claims (14)

  1. 二次電池用無機粒子結着物を含む多孔質層を有する、二次電池用セパレータであって、
    前記二次電池用無機粒子結着物は、変性炭素材料とバインダーとを含み、前記変性炭素材料の炭素の一部が、窒素、硫黄、及びホウ素からなる群から選択される一つ以上の置換元素で置換されている、二次電池用セパレータ
  2. 前記置換元素の前記変性炭素材料中の置換率が0.001mol%~10mol%である、請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
  3. 前記変性炭素材料が、部分グラファイト構造を有する、請求項1又は2に記載の二次電池用セパレータ。
  4. 前記変性炭素材料のBET比表面積が1m/g以上5000m/g以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  5. 前記バインダーが、ポリオレフィン、含フッ素樹脂、含フッ素ゴム、ゴム類、セルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  6. 前記バインダーのガラス転移点が-80℃以上0℃以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  7. 前記バインダーが樹脂製ラテックスである、請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  8. 多孔質基材の少なくとも一方の面に前記多孔質層を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  9. 前記多孔質層の体積抵抗率が、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である請求項1~8のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  10. 前記多孔質層は混合用無機粒子を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の二次電池用セパレータ。
  11. 前記混合用無機粒子の平均厚みが前記変性炭素材料よりも厚い、請求項10に記載の二次電池用セパレータ。
  12. 前記混合用無機粒子が陰イオン交換体である、請求項10又は11に記載の二次電池用セパレータ。
  13. 正極、請求項1~12のいずれか一項に記載のセパレータ、及び負極がこの順に積層されている、積層体又は前記積層体の捲回体と、非水電解質とを有する、二次電池。
  14. 前記多孔質層を前記正極に対向させるように、前記正極、前記セパレータ、及び前記負極が積層されている、請求項13に記載の二次電池。
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