JP2015099746A - 電池用活物質、非水電解質電池及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】サイクル寿命が向上された非水電解質電池、該非水電解質電池に用いられる電池用活物質、並びに電池パックを提供する。【解決手段】実施形態によれば、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材と、前記活物質基材の表面を被覆する無機系化合物層とからなる第1活物質と、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる塩基性の第2活物質とを含み、前記第1活物質および/または前記第2活物質が、表面に形成されたカーボン被覆層によって被覆されていることを特徴とする電池用活物質が提供される。【選択図】図1
Description
本実施形態は、電池用活物質、非水電解質電池及び電池パックに関する。
チタン酸化合物を負極に用いた非水電解質電池は、チタン酸化合物のLi吸蔵放出電位が炭素質物に比して高いため、炭素質物を用いた非水電解質電池と比較して、リチウムデンドライドの発生する可能性が低い。また、チタン酸化合物はセラミックスであることから、熱暴走を起こしにくい。そのため、チタン酸化合物を負極に用いた非水電解質電池は、安全性が高いとされている。
しかしながら、チタン酸化合物は、一般的に用いられるグラファイト系負極に比べ、非水電解質との反応性が高い。チタン酸化合物が非水電解質と反応すると、例えば非水電解質の分解産物がチタン酸化合物の表面に生成してインピーダンスが増加したり、ガスが発生して電池が膨れたりするという問題がある。このため、チタン酸化合物を用いた非水電解質電池は、サイクル寿命が低下しやすい場合があった。特に、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するチタン酸化合物を用いた非水電解質電池は、サイクル寿命の低下が著しいという問題があった。
サイクル寿命が向上された非水電解質電池、該非水電解質電池に用いられる電池用活物質、並びに電池パックを提供する。
本実施形態によれば、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材と、前記活物質基材の表面を被覆する無機系化合物層とからなる第1活物質と、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる塩基性の第2活物質とを含み、前記第1活物質および/または前記第2活物質が、表面に形成されたカーボン被覆層によって被覆されていることを特徴とする電池用活物質が提供される。
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には、同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は、各実施形態を説明するための模式図であり、各図に記載した形状や寸法比などは実際とは異なる個所があり、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜設計変更できる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電池用活物質を説明するための模式図である。図1に示す電池用活物質は、第1活物質10と第2活物質20とを含むものである。第1活物質10は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材10aと、活物質基材10aの表面を被覆する無機系化合物層10bとからなる。第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物20aからなる塩基性のものである。図1に示すように、第2活物質20の表面は、カーボンからなるカーボン被覆層18によって被覆されている。
図1は、第1実施形態の電池用活物質を説明するための模式図である。図1に示す電池用活物質は、第1活物質10と第2活物質20とを含むものである。第1活物質10は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材10aと、活物質基材10aの表面を被覆する無機系化合物層10bとからなる。第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物20aからなる塩基性のものである。図1に示すように、第2活物質20の表面は、カーボンからなるカーボン被覆層18によって被覆されている。
第1活物質10と第2活物質20とは、それぞれ異なる特性を有している。本実施形態の電池用活物質では、後述する第1活物質10と第2活物質20とを任意の割合で組み合わせて含むことによって、用途に応じた優れた電池特性が得られる。
例えば、第1活物質10がTiO2(B)構造の活物質基材10aを含むものである場合、第1活物質10を単独で電池用活物質として用いた非水電解質電池では、放電時間の経過に伴って電圧が低下する。放電時間の経過に伴って電圧が低下する非水電解質電池では、電圧を検知することによって残容量を知ることができる。
これに対し、例えば、第2活物質20がLi4Ti5O12からなるものである場合、第2活物質20を単独で電池用活物質として用いた非水電解質電池では、放電時間の経過に伴う電圧の変化が非常に少ない。
例えば、第1活物質10がTiO2(B)構造の活物質基材10aを含むものである場合、第1活物質10を単独で電池用活物質として用いた非水電解質電池では、放電時間の経過に伴って電圧が低下する。放電時間の経過に伴って電圧が低下する非水電解質電池では、電圧を検知することによって残容量を知ることができる。
これに対し、例えば、第2活物質20がLi4Ti5O12からなるものである場合、第2活物質20を単独で電池用活物質として用いた非水電解質電池では、放電時間の経過に伴う電圧の変化が非常に少ない。
本実施形態の電池用活物質が、例えば、TiO2(B)構造の活物質基材10aを含む第1活物質10と、Li4Ti5O12からなる第2活物質20とを含む場合、第1活物質10を単独で用いた場合と比較して、サイクル特性を向上させることができるとともに、放電時間の経過に伴って電圧が低下するものとなる。
しかし、以下に示す理由により、第1活物質10と第2活物質20とを組み合わせることは困難であった。
しかし、以下に示す理由により、第1活物質10と第2活物質20とを組み合わせることは困難であった。
第1活物質10において、活物質基材10aを被覆している無機系化合物層10bは、活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制するために設けられている。無機系化合物層10bは、塩基性に弱いものである。このため、電池用活物質が、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10と、塩基性の活物質とを含むものである場合には、無機系化合物層10bは安定した被覆形態を維持できない。その結果、無機系化合物層10bによる活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制する効果が不足して、サイクル特性等の劣化が起こるという問題があった。
この問題は、特に、電池用活物質中の第1活物質10に対する塩基性の活物質の割合が多い場合や、電極を構成する導電材の割合が少なく、第1活物質10と塩基性の活物質とが接触しやすい場合に、顕著に現れる。
この問題は、特に、電池用活物質中の第1活物質10に対する塩基性の活物質の割合が多い場合や、電極を構成する導電材の割合が少なく、第1活物質10と塩基性の活物質とが接触しやすい場合に、顕著に現れる。
これに対し、図1に示す本実施形態の電池用活物質は、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10と、塩基性の第2活物質20とを含むものであり、第2活物質20の表面が、カーボンからなるカーボン被覆層18によって被覆されている。したがって、電池用活物質中における第1活物質10の表面を被覆している無機系化合物層10bと、塩基性の第2活物質20との接触が、カーボン被覆層18によって妨げられる。よって、無機系化合物層10bが電池用活物質中で安定して存在でき、活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制できる。
本実施形態の電池用活物質では、第1活物質10の表面を被覆している無機系化合物層10bと、塩基性の第2活物質20との接触が、カーボン被覆層18によって妨げられるため、第1活物質10と第2活物質20との割合は、これらを混合することによる効果が得られる範囲とすることができ、例えば、質量比で(第1活物質:第2活物質)30:70〜90:10であることが好ましい。
また、第2活物質20の表面を被覆しているカーボン被覆層18は、優れた導電性を有している。このため、第2活物質20の表面をカーボン被覆層18で被覆しても、第2活物質20の電池用活物質としての機能の低下を抑制できる。
また、TiO2(B)構造の活物質基材10aは、特に、非水電解質との反応性が高いものである。したがって、活物質基材10aがTiO2(B)構造を有するものである場合、カーボン被覆層18によって無機系化合物層10bと塩基性の第2活物質20との接触を防ぐことで、無機系化合物層10bによる活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制する効果が得られやすい。
また、TiO2(B)構造の活物質基材10aは、特に、非水電解質との反応性が高いものである。したがって、活物質基材10aがTiO2(B)構造を有するものである場合、カーボン被覆層18によって無機系化合物層10bと塩基性の第2活物質20との接触を防ぐことで、無機系化合物層10bによる活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制する効果が得られやすい。
カーボン被覆層18の質量(被覆量)は、第2活物質20の質量の0.1〜3質量%((カーボン被覆層/第2活物質)×100)であることが望ましく、さらに望ましくは0.5〜2.5質量%である。被覆量が0.1質量%以上の場合、塩基性の第2活物質20から無機系化合物層10bへの悪影響を十分抑制できる。被覆量が3質量%以下であると、カーボン被覆層18が第2活物質20の表面でのLiの活物質内部への拡散を抑制しにくく、好ましい。また、被覆量が3質量%以下であると、カーボン被覆層18を設けることによる比表面積の増加により、電極を作製した後の圧延工程において電極密度の向上が阻害されることがなく、好ましい。
カーボン被覆層18の厚みは、10〜1000nmの範囲であることが好ましい。カーボン被覆層18の厚みが、上記範囲内であれば、塩基性の第2活物質20と無機系化合物層10bとが接触することによる無機系化合物層10bへの悪影響を十分抑制できる。塩基性の第2活物質20による無機系化合物層10bへの悪影響をより効果的に防止するには、カーボン被覆層18の厚みが、100nm以上であることが、より好ましい。また、カーボン被覆層18の厚みが、上記範囲内であると、カーボン被覆層18に被覆されていることによる第2活物質20の電池用活物質としての機能の低下を抑制できる。第2活物質20の電池用活物質としての機能の低下をより一層抑制するために、カーボン被覆層18の厚みは、1000nm以下であることがより好ましい。カーボン被覆層18が厚すぎると、本実施形態の電池用活物質を用いた非水電解質電池において、カーボン重量の増加に伴うエネルギー密度の低下が生じたり、比表面積の増加に伴う電池用活物質および導電剤の結着性低下を補うためにバインダーを余分に付与する必要が生じたり、電極密度の低下を招いたりして、エネルギー密度が低下してしまう。
第2活物質20の表面に形成したカーボン被覆層18の厚みは、以下に示すように、活物質の断面観察により測定する。断面観察する第2活物質は、第2活物質の状態で得られる場合と、電極の状態で得られる場合がある。断面観察する第2活物質が、第2活物質の状態で得られる場合はその断面観察により測定する。断面観察する第2活物質が、電極の状態である場合、電極から抽出する手法を用いて電池用活物質を得る。その後、電池用活物質の断面観察を行って、第2活物質の表面のカーボン被覆層の厚さを調べる。
電極から電池用活物質を抽出する方法では、電極を例えばNMP(N−メチルピロリドン)のような非水系溶媒もしくは純水に浸して集電体(集電箔)から分離し、前記非水系溶媒もしくは純水に分散した電池用活物質と導電剤(例えばカーボン系材料)とを抽出する。次いで、電池用活物質と導電剤とが分散した液体を希釈してガラスビーカーに入れ、一般的な超音波洗浄機(通常15〜400kHz)を用いて、導電剤であるカーボン系材料と電池用活物質とを分離する。
具体的には例えば、集電体(集電箔)の両面に形成されている負極1gを、水もしくはNMP500mLからなる溶媒に浸漬し、電池用活物質と導電剤を溶媒内に抽出し、集電箔から分離する。次いで、電池用活物質と導電剤の分散した溶媒を20倍程度に希釈した希釈液とする。得られた希釈液をガラスビーカーに100mL程度入れ、例えばシチズン社製の超音波洗浄機(SW5800)で20分程度処理する。その後、希釈液を0.3mL程度分取し、乾燥処理を経て、電池用活物質と導電剤との混合粉末を得る。
電極には、第1活物質と第2活物質と導電剤とが含まれているが、抽出して乾燥して得られた混合粉末には、それぞれが分散した状態で存在している。よって、混合粉末をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)またはTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)で形態観察を行った場合、それぞれの識別は容易である。
電極由来の活物質と導電剤との混合粉末もしくは活物質単体について、断面SEM観察または断面TEM観察を行うことによって、第2活物質上に存在するカーボンを検知できる。一般に導電剤に使用されるカーボン材料は、定形または不定形の材料であり、上記の処理により電池用活物質から分離された状態になっている。したがって、導電剤に使用されるカーボン材料と、第2活物質の表面に意図的に被覆されたカーボン被覆層との識別は可能である。
電極由来の活物質と導電剤との混合粉末もしくは活物質単体について、断面SEM観察または断面TEM観察を行うことによって、第2活物質上に存在するカーボンを検知できる。一般に導電剤に使用されるカーボン材料は、定形または不定形の材料であり、上記の処理により電池用活物質から分離された状態になっている。したがって、導電剤に使用されるカーボン材料と、第2活物質の表面に意図的に被覆されたカーボン被覆層との識別は可能である。
第2活物質の表面のカーボン被覆層の厚さは、以下に示す方法により測定したものである。まず、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質20の断面をSEMまたはTEMで観察する。そして、SEMまたはTEMにより平均粒子径に相当する断面が観察されている粒子を5〜10個程度選出し、それぞれについて、活物質とカーボン被覆との界面から外表面までの距離を測定し、その平均値を第2活物質の表面に形成したカーボン被覆層の厚さと定義する。
「第1活物質」
第1活物質10の活物質基材10aは、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性のものである。活物質基材10aは、表面に固体酸点や水酸基を有するものであることが好ましい。具体的には、活物質基材10aとして、TiO2(ルチル)、単斜晶系二酸化チタン(TiO2(B))、TiO2−P2O5(TiP2O7など)、TiO2−V2O5、TiO2−Nb2O5、MgTi2O5、TiNb2O7、TiO2−SnO2、TiO2−P2O5−MeO(Me=Cu、Ni、Fe、Co)系化合物などが挙げられる。
第1活物質10の活物質基材10aは、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性のものである。活物質基材10aは、表面に固体酸点や水酸基を有するものであることが好ましい。具体的には、活物質基材10aとして、TiO2(ルチル)、単斜晶系二酸化チタン(TiO2(B))、TiO2−P2O5(TiP2O7など)、TiO2−V2O5、TiO2−Nb2O5、MgTi2O5、TiNb2O7、TiO2−SnO2、TiO2−P2O5−MeO(Me=Cu、Ni、Fe、Co)系化合物などが挙げられる。
活物質基材10aは、単斜晶系二酸化チタン(TiO2(B))の結晶構造を有するものであることが好ましい。このような活物質基材10aは、高い理論容量を有する。したがって、単斜晶系二酸化チタン(TiO2(B))の結晶構造を有する活物質基材10aを、電池用活物質として用いることにより、非水電解質電池の容量の上昇が期待できる。
単斜晶系二酸化チタンの結晶構造は、主に空間群C2/mに属し、トンネル構造を示す。本明細書では、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造をTiO2(B)構造と称する。
TiO2(B)構造の活物質基材10aは、一般式LixTiO2(0≦x≦1)により表わすことができる。上記一般式のxは、充放電反応により0から1の範囲で変動する。
活物質基材10aの結晶構造がTiO2(B)構造を有することは、Cu−Kαを線源とする粉末X線回折により測定することで確認できる。
TiO2(B)構造の活物質基材10aは、一般式LixTiO2(0≦x≦1)により表わすことができる。上記一般式のxは、充放電反応により0から1の範囲で変動する。
活物質基材10aの結晶構造がTiO2(B)構造を有することは、Cu−Kαを線源とする粉末X線回折により測定することで確認できる。
(粉末X線回折)
粉末X線回折によるTiO2(B)の結晶構造の測定は、次のように行うことができる。
まず、対象試料である第1活物質10を、平均粒子径が5μm程度となるまで粉砕する。平均粒子径は、レーザー回折法によって求めることができる。次に、粉砕した試料を、ガラス試料板上に形成された深さ0.2mmのホルダー部分に充填する。このとき、試料が充分にホルダー部分に充填されるように留意する。また、試料の充填不足により、ひび割れ、空隙等がないように注意する。次いで、外部から別のガラス板を使用して、試料を充分に押し付けて平滑化する。試料の充填量の過不足により、ホルダーの基準面より凹凸が生じることのないように注意する。次いで、試料の充填されたガラス試料板を粉末X線回折装置に設置し、Cu−Kα線を用いて回折パターンを取得する。
粉末X線回折によるTiO2(B)の結晶構造の測定は、次のように行うことができる。
まず、対象試料である第1活物質10を、平均粒子径が5μm程度となるまで粉砕する。平均粒子径は、レーザー回折法によって求めることができる。次に、粉砕した試料を、ガラス試料板上に形成された深さ0.2mmのホルダー部分に充填する。このとき、試料が充分にホルダー部分に充填されるように留意する。また、試料の充填不足により、ひび割れ、空隙等がないように注意する。次いで、外部から別のガラス板を使用して、試料を充分に押し付けて平滑化する。試料の充填量の過不足により、ホルダーの基準面より凹凸が生じることのないように注意する。次いで、試料の充填されたガラス試料板を粉末X線回折装置に設置し、Cu−Kα線を用いて回折パターンを取得する。
なお、粉末X線回折法で得られるTiO2(B)の結晶構造の回折スペクトルは、第1活物質10の活物質基材10aの表面を被覆している無機系化合物層10bの含有量が、活物質基材10aの質量(TiO2換算)の1〜20質量%の範囲であれば、無機系化合物層10bに影響されずに活物質基材10aの結晶構造を測定できる。
TiO2(B)構造の活物質基材10aは、異種元素を含んでいてもよい。異種元素としては、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を用いることができる。活物質基材10aは、上記の元素の中でも、より高容量の非水電解質電池が得られるNbを含むTiO2(B)構造のものであることが好ましい。TiO2(B)構造の活物質基材10aに異種元素が含まれることにより、活物質基材10aの表面のルイス酸点の影響力が抑制される。その結果、第1活物質10の抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上する。
異種元素は、異種元素を含有するTiO2(B)構造の活物質基材10aの総質量に対して、0.01〜8質量%((異種元素/異種元素を含有するTiO2(B)構造の活物質基材)×100)の範囲で含まれることが好ましい。異種元素を0.01質量%以上含むことにより、活物質基材10aの表面のルイス酸点の影響力を低下させることができる。異種元素の固溶限界の観点から、異種元素は8質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。異種元素は、活物質基材10aの総質量に対して、0.05〜3質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
異種元素を含有するTiO2(B)構造の活物質基材10aに含まれる異種元素の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によって測定できる。
異種元素を含有するTiO2(B)構造の活物質基材10aに含まれる異種元素の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によって測定できる。
活物質基材10aの比表面積は、5m2/g以上100m2/g以下であることが好ましい。活物質基材10aの比表面積が5m2/g以上であることにより、リチウムイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保することができ、非水電解質電池の容量を高くすることができる。比表面積が100m2/g以下であることにより、充放電中のクーロン効率を良好にすることができる。
活物質基材10aは、中性または酸性であり、表面に固体酸点や水酸基などを有しているため、非水電解質との反応性が高い。そのため、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bで被覆せずに、活物質基材10aのみを負極活物質として用いた非水電解質電池では、充放電に伴って過剰な無機皮膜や有機被膜が活物質基材10aの表面に形成される。その結果、電極性能の低下、非水電解質電池の内部抵抗の上昇、非水電解質の劣化等が生じ、それらの要因によって非水電解質電池のサイクル寿命が低下する。
特に、TiO2(B)構造の活物質基材10aは、固体酸であるため、非水電解質との反応性が高い。よって、上述のような理由によるサイクル寿命の低下が著しいという問題を有している。
ところで、負極活物質として、炭素質物やスピネル構造のチタン酸リチウムを用いた非水電解質電池では、ビニレンカーボネートを非水電解質に添加することにより、負極と非水電解質との反応を抑制できる。このような非水電解質電池では、ビニレンカーボネートが負極上で還元分解されることにより、負極上に安定な被膜が形成される。このことにより、負極と非水電解質とが反応しにくくなり、負極上に過剰な被膜が形成されることが抑制される。
しかし、活物質基材10aは、中性または酸性であり、表面に固体酸点や水酸基などを有する。このため、活物質基材10aを負極活物質に用いた非水電解質電池では、ビニレンカーボネートを添加しても、負極と非水電解質との反応が抑制されない。そのため、充放電に伴って活物質基材10aの表面に皮膜が形成され、負極の抵抗が増加し、サイクル寿命が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、図1に示す第1活物質10では、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bで被覆している(例えば、特許文献1参照)。この場合、活物質基材10aの表面のルイス酸点が、無機系化合物層10bに覆われるため、ルイス酸点の影響力が低下する。その結果、活物質基材10aの非水電解質との反応性が抑制されるものと考えられる。したがって、電池用活物質として、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10を用いることで、表面を無機系化合物層10bで被覆していない活物質基材10aを用いた場合と比較して、非水電解質電池の抵抗の増加を抑制でき、サイクル寿命を向上させることができる。
なお、活物質基材10aの表面が無機系化合物層10bで被覆されていることは、SEMまたはTEMによって第1活物質10を観察することによって確認できる。
図1に示す第1活物質10は、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bで被覆したものであるため、ピリジンを吸着及び脱離させた後の赤外拡散反射スペクトルにおいて、1580cm−1〜1610cm−1の領域にピークを有し、活物質基材10aと比較してルイス酸点に起因するピークが減少したものとなる。
図1に示す第1活物質10は、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bで被覆したものであるため、ピリジンを吸着及び脱離させた後の赤外拡散反射スペクトルにおいて、1580cm−1〜1610cm−1の領域にピークを有し、活物質基材10aと比較してルイス酸点に起因するピークが減少したものとなる。
より詳細には、図1に示す第1活物質10は、活物質基材10aと比較して、ルイス酸点の影響力が低いものである。そのため、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10を、赤外拡散反射分光法で調べると、無機系化合物層10bで被覆していない活物質基材10aと比較して、活物質基材10aのルイス酸点のピークが低下していることが確認できる。
具体的には、第1活物質10では、赤外拡散反射スペクトルにおいて1430cm−1〜1460cm−1の領域に存在するルイス酸点に由来するピークの強度が、活物質基材10aよりも低いものとなる。
具体的には、第1活物質10では、赤外拡散反射スペクトルにおいて1430cm−1〜1460cm−1の領域に存在するルイス酸点に由来するピークの強度が、活物質基材10aよりも低いものとなる。
また、赤外拡散反射分光法では、第1活物質10にピリジンを吸着させて脱離した後に測定することによって、プロトンを受容するルイス酸点と、プロトンを供与するブレンステッド酸点とを区別することが可能である。また、赤外拡散反射分光法では、第1活物質10とピリジンとの水素結合に由来するピークを測定することが可能である。
具体的には、第1活物質10では、1430cm−1〜1460cm−1の領域に、活物質基材10aの赤外拡散反射スペクトルを測定した場合には検出されない水素結合に由来するピークが生じる。その結果、第1活物質10では、1430cm−1〜1460cm−1の領域に存在するピークの強度が、活物質基材10aのみの赤外拡散反射スペクトルと比較して上昇する。また、第1活物質10では、赤外拡散反射スペクトルにおいて、1580cm−1〜1610cm−1の領域に水素結合に由来するピークが生じる。このようなピークは、活物質基材10aでは検出されないものであり、無機系化合物層10bが存在することによって得られるものである。
(赤外拡散反射分光法)
まず、測定に供する電池用活物質をサンプルカップに入れ、赤外拡散反射測定装置に設置する。次いで、窒素ガスを50mL/minで流通させながら、500℃まで昇温し、1時間保持する。その後、温度を室温まで降下させ、再度100℃まで昇温する。次いで、サンプルカップを設置したセル内を減圧し、セル内にピリジン蒸気を導入し、30分間吸着させる。続いて、窒素ガスを100mL/minで流通させながら、100℃で1時間保持する。その後、150℃に昇温して1時間保持する。これによって、電池用活物質に物理吸着又は水素結合したピリジンを脱離させる。その後、赤外拡散反射測定を行う。
まず、測定に供する電池用活物質をサンプルカップに入れ、赤外拡散反射測定装置に設置する。次いで、窒素ガスを50mL/minで流通させながら、500℃まで昇温し、1時間保持する。その後、温度を室温まで降下させ、再度100℃まで昇温する。次いで、サンプルカップを設置したセル内を減圧し、セル内にピリジン蒸気を導入し、30分間吸着させる。続いて、窒素ガスを100mL/minで流通させながら、100℃で1時間保持する。その後、150℃に昇温して1時間保持する。これによって、電池用活物質に物理吸着又は水素結合したピリジンを脱離させる。その後、赤外拡散反射測定を行う。
得られた赤外拡散反射スペクトルにおいて、バックグラウンドを除外し、ピーク面積を求める。ピーク面積は、ピークの両端からベースラインを引いて求める。
このような赤外拡散反射分光法によれば、試料中に存在する官能基が分かるため、測定試料の構成を明らかにすることができる。
このような赤外拡散反射分光法によれば、試料中に存在する官能基が分かるため、測定試料の構成を明らかにすることができる。
電極中に含まれる電池用活物質を測定する場合は、電極から電池用活物質を抽出して測定に供する。例えば、電極の集電体から電池用活物質を含む層を剥がし取り、高分子材料や導電剤などを除去することによって、電極から電池用活物質を抽出する。
具体的には、電極の集電体から剥がし取った電池用活物質を含む層から、ソックスレー抽出法を用いて高分子材料を除去することで、電池用活物質と導電剤であるカーボン材料を抽出できる。ソックスレー抽出法においては、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用いることにより、高分子材料を効率よく取り除くことができる。その後、ソックスレー抽出法により得られた電池用活物質とカーボン材料の混合物から、カーボン材料を酸素やオゾンなどにより酸化させて二酸化炭素として除去する。このことにより、電極から電池用活物質のみを抽出できる。
具体的には、電極の集電体から剥がし取った電池用活物質を含む層から、ソックスレー抽出法を用いて高分子材料を除去することで、電池用活物質と導電剤であるカーボン材料を抽出できる。ソックスレー抽出法においては、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を用いることにより、高分子材料を効率よく取り除くことができる。その後、ソックスレー抽出法により得られた電池用活物質とカーボン材料の混合物から、カーボン材料を酸素やオゾンなどにより酸化させて二酸化炭素として除去する。このことにより、電極から電池用活物質のみを抽出できる。
活物質基材10aの表面を被覆する無機系化合物層10bは、AlまたはSiを含有する金属酸化物もしくは複合酸化物を含むものであることが好ましい。
また、無機系化合物層10bは、活物質基材10aの全表面を被覆していることが好ましい。
また、無機系化合物層10bは、活物質基材10aの全表面を被覆していることが好ましい。
無機系化合物層10bの総質量は、活物質基材10aの質量(TiO2換算)に対して1〜20質量%((無機系化合物層/活物質基材)×100)であることが好ましい。活物質基材10aの質量の1%以上の無機系化合物層10bが存在することにより、活物質基材10aと非水電解質との反応を効果的に抑制できる。また、無機系化合物層10bを活物質基材10aの質量の20%以下にすることにより、無機系化合物層10bを設けることによる電池容量の低下を抑制できる。無機系化合物層10bの含有量は、活物質基材10aの質量に対して5〜15質量%であることがより好ましく、5〜12質量%であることがさらに好ましい。
活物質基材10aの質量に対する無機系化合物層10bの総質量は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析による湿式分析と、SEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギー分散型X線分光法)による元素分析を併用する以下に示す方法によって算出できる。
非水電解質電池内の電極に含まれる電池用活物質を測定する場合は、上述した赤外拡散反射分光法を用いて電池用活物質を測定する場合と同様にして、電極から電池用活物質を抽出する。そして、得られた電池用活物質を酸溶媒に溶出させてICP発光分析を行い、第1活物質10の構成成分の全組成量を測定する。
非水電解質電池内の電極に含まれる電池用活物質を測定する場合は、上述した赤外拡散反射分光法を用いて電池用活物質を測定する場合と同様にして、電極から電池用活物質を抽出する。そして、得られた電池用活物質を酸溶媒に溶出させてICP発光分析を行い、第1活物質10の構成成分の全組成量を測定する。
次に、電池用活物質をエポキシ樹脂等に埋め込んで切断したサンプルを、SEM−EDXで観察する。このことにより、活物質基材10aの表面を覆う無機系化合物層10bを観察するとともに、SEMに付属のEDXで活物質基材10aおよび無機系化合物層10bの元素分析を行う。
その後、ICP発光分析によって測定した第1活物質10の全組成量の結果と、SEM−EDXの元素分析の結果とを併用して、活物質基材10aと無機系化合物層10bの各成分の質量を算出する。そして、活物質基材10aと無機系化合物層10bの各成分の質量から、活物質基材10aの質量に対する無機系化合物層10bの総質量を算出する。
その後、ICP発光分析によって測定した第1活物質10の全組成量の結果と、SEM−EDXの元素分析の結果とを併用して、活物質基材10aと無機系化合物層10bの各成分の質量を算出する。そして、活物質基材10aと無機系化合物層10bの各成分の質量から、活物質基材10aの質量に対する無機系化合物層10bの総質量を算出する。
「第1活物質の製造方法」
第1活物質10の活物質基材10aに含まれるチタン酸化物またはチタン酸化合物は、原料から合成して得られたものであってもよいし、商業的に入手可能なものであってもよい。
以下に、活物質基材10aに使用するチタン酸化物またはチタン酸化合物の合成例として、異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物と、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する方法を説明する。
第1活物質10の活物質基材10aに含まれるチタン酸化物またはチタン酸化合物は、原料から合成して得られたものであってもよいし、商業的に入手可能なものであってもよい。
以下に、活物質基材10aに使用するチタン酸化物またはチタン酸化合物の合成例として、異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物と、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する方法を説明する。
(異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物の合成方法)
異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物の合成方法は、Tiを含有する化合物およびアルカリ元素を含有する化合物を混合し、加熱することにより、チタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、前記チタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、チタン酸プロトン化合物を得る工程と、前記チタン酸プロトン化合物を1回以上加熱処理する工程とを含む。
異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物の合成方法は、Tiを含有する化合物およびアルカリ元素を含有する化合物を混合し、加熱することにより、チタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、前記チタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、チタン酸プロトン化合物を得る工程と、前記チタン酸プロトン化合物を1回以上加熱処理する工程とを含む。
まず、出発原料として、Tiを含有する化合物およびアルカリ元素を含有する化合物を用いる。これらの出発原料を所定の化学量論比で混合し、加熱処理を行って、チタン酸アルカリ化合物を合成する。合成するチタン酸アルカリ化合物としては、チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸セシウムなどが挙げられる。合成されたチタン酸アルカリ化合物の結晶形状は、何れの形状であってもよい。加熱処理は、800〜1100℃で行うことができる。
出発原料のうち、Tiを含有する化合物としては、例えば、アナターゼ型TiO2、ルチル型TiO2、TiCl4から選択される一以上の化合物を用いることができる。
アルカリ元素を含有する化合物としては、Na、K、又はCsから選択される元素を含む化合物などを用いることができる。具体的には、Na、K、又はCsから選択される元素を含む、炭酸塩、水酸化物及び塩化物から選択される一以上の化合物などを用いることができる。
アルカリ元素を含有する化合物としては、Na、K、又はCsから選択される元素を含む化合物などを用いることができる。具体的には、Na、K、又はCsから選択される元素を含む、炭酸塩、水酸化物及び塩化物から選択される一以上の化合物などを用いることができる。
次に、チタン酸アルカリ化合物の酸処理によるプロトン交換を行う。酸処理を行う前には、チタン酸アルカリ化合物を蒸留水でよく水洗し、不純物を除去することが好ましい。その後、チタン酸アルカリ化合物を酸処理し、チタン酸アルカリ化合物のアルカリカチオンをプロトンに交換する。このことにより、チタン酸プロトン化合物が得られる。
チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、結晶構造を崩さずに、それらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能である。
チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、結晶構造を崩さずに、それらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能である。
チタン酸アルカリ化合物の酸処理は、例えば、チタン酸アルカリ化合物の粉末に酸を加えて攪拌することによって行うことができる。酸としては、塩酸、硝酸及び硫酸から選択される酸を用いることができる。酸の濃度は0.5〜2mol/Lの範囲であることが好ましい。酸処理は、アルカリカチオンがプロトンに十分に交換されるまで継続することが好ましい。酸処理の時間は、特に制限されないが、室温25℃付近で、24時間以上行うことが好ましく、1〜2週間行うことがより好ましい。さらに、24時間ごとに酸溶液を新しいものと交換することがより好ましい。酸処理の条件は、例えば、室温で、1mol/Lの硫酸を用いて24時間とすることができる。
チタン酸アルカリ化合物の酸処理では、例えば、超音波のような振動を加えながら行うことによってプロトン交換をより円滑に行うことができる。
また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を、予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。粉砕は、例えば、100cm2の容器あたり、直径10〜15mm程度のジルコニアボールを用い、600〜1000rpmの回転速度で1〜3時間ジルコニアボールを回転させる方法により行うことができる。粉砕を1時間以上行うことにより、チタン酸アルカリ化合物を十分に粉砕できる。粉砕時間を3時間以下にすることにより、メカノケミカル反応によって目的生成物と異なる化合物が生じることを防止できる。
また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を、予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。粉砕は、例えば、100cm2の容器あたり、直径10〜15mm程度のジルコニアボールを用い、600〜1000rpmの回転速度で1〜3時間ジルコニアボールを回転させる方法により行うことができる。粉砕を1時間以上行うことにより、チタン酸アルカリ化合物を十分に粉砕できる。粉砕時間を3時間以下にすることにより、メカノケミカル反応によって目的生成物と異なる化合物が生じることを防止できる。
酸処理によるプロトン交換が完了した後、任意に、水酸化リチウム水溶液のようなアルカリ性溶液を添加し、残留した酸を中和する。次いで、中和後のチタン酸プロトン化合物を、蒸留水で水洗し、乾燥する。チタン酸プロトン化合物の水洗は、洗浄水のpHが6〜8の範囲に入るまで十分に行うことが好ましい。一方で、酸処理後に残留した酸の中和や洗浄、乾燥をせずに次の工程に進むこともできる。
次に、チタン酸プロトン化合物を加熱処理する。加熱処理は1回でもよいし、複数回行ってもよい。チタン酸化物に含まれる水分を除去するという観点から、加熱処理を複数回行うことが望ましい。1回目の加熱処理は、350〜500℃の範囲の温度で1〜3時間行うことが好ましい。次いで、得られたチタン酸化物に対して、2回目の加熱処理を行ってもよい。2回目の加熱処理として、200〜300℃の範囲の温度で、1〜24時間行うことで、チタン酸化物に吸着した水分を除去できるので好ましい。さらに、2回目の加熱処理の終了したチタン酸化物に対して、200〜300℃の範囲の温度で、さらなる加熱処理を繰返し行ってもよい。
以上の方法により、異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成できる。なお、このような方法により得られたTiO2(B)構造のチタン酸化物は、出発原料にLiを含む化合物を用いることにより、Liが予め含まれているものであっても良いが、Liが含まれておらず、充放電によりLiが吸蔵されるものであってもよい。
(異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の合成方法)
次に、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する方法を説明する。この方法では、Tiを含有する化合物と、アルカリ元素を含有する化合物と、異種元素を含有する化合物とを混合し、加熱することにより、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を得る工程と、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を加熱処理することにより、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有し、異種元素を含有するチタン酸化物を生成する工程とを含む。
次に、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する方法を説明する。この方法では、Tiを含有する化合物と、アルカリ元素を含有する化合物と、異種元素を含有する化合物とを混合し、加熱することにより、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成する工程と、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を酸と反応させて、アルカリカチオンをプロトンに交換することにより、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を得る工程と、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を加熱処理することにより、単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有し、異種元素を含有するチタン酸化物を生成する工程とを含む。
まず、出発原料として、Tiを含有する化合物と、アルカリ元素を含有する化合物と、異種元素を含有する化合物とを用意する。次いで、これらの出発原料を所定の化学量論比で混合し、加熱して、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成する。合成されたチタン酸アルカリ化合物の結晶形状は、如何なる形状であってもよい。異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を合成するための加熱温度は、例えば、800〜1100℃とすることができる。
出発原料のうち、Tiを含有する化合物及びアルカリ元素を含有する化合物は、上述したTiO2(B)構造のチタン酸化物の合成方法で記載したものを用いることができる。
異種元素を含有する化合物としては、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を含む化合物などを用いることができる。具体的には、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を含む、炭酸塩及び水酸化物などから選択される一以上の化合物などを用いることができる。
異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物としては、異種元素を含有するチタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
異種元素を含有する化合物としては、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を含む化合物などを用いることができる。具体的には、Zr、Nb、Mo、Ta、Y、P及びBから選択される少なくとも1つの元素を含む、炭酸塩及び水酸化物などから選択される一以上の化合物などを用いることができる。
異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物としては、異種元素を含有するチタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
次に、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物の酸処理によるプロトン交換を行う。酸処理を行う前には、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物を、蒸留水でよく水洗し、不純物を除去することが好ましい。その後、該チタン酸アルカリ化合物を酸処理し、チタン酸アルカリ化合物のアルカリカチオンをプロトンに交換する。このことにより、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物が得られる。
チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、異種元素を含有する場合にも異種元素を含有しない場合と同様に、結晶構造を崩さずに、それらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能である。
チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム及びチタン酸セシウムのようなチタン酸アルカリ化合物は、異種元素を含有する場合にも異種元素を含有しない場合と同様に、結晶構造を崩さずに、それらのアルカリカチオンをプロトンと交換することが可能である。
酸処理は、例えば、異種元素を含有するチタン酸アルカリ化合物の粉末に酸を加えて攪拌することによって行うことができる。酸としては、塩酸、硝酸及び硫酸から選択される酸を用いることができる。酸の濃度は0.5〜2mol/Lの範囲であることが好ましい。酸処理は、アルカリカチオンがプロトンに十分に交換されるまで継続することが好ましい。酸処理の時間は、特に制限されないが、室温25℃付近で、濃度1mol/Lの塩酸を用いた場合、24時間以上行うことが好ましく、1〜2週間ほど行うことがより好ましい。さらに、24時間ごとに酸溶液を新しいものと交換することがより好ましい。
異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する場合と同様に、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する場合にも、超音波のような振動を加えながら酸処理してもよい。また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。
異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する場合と同様に、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成する場合にも、超音波のような振動を加えながら酸処理してもよい。また、プロトン交換をより効率的に行うために、チタン酸アルカリ化合物を予めボールミルなどで粉砕することも好ましい。
酸処理によるプロトン交換が完了した後、任意に、水酸化リチウム水溶液のようなアルカリ性溶液を添加し、残留した酸を中和する。中和後、得られた異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を、蒸留水で水洗し、次いで乾燥する。異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物は、洗浄水のpHが6〜8の範囲に入るまで十分に水洗することが好ましい。一方で、酸処理後に残留した酸の中和や洗浄、乾燥をせずに次の工程に進むこともできる。
次に、異種元素を含有するチタン酸プロトン化合物を加熱処理することにより、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を得ることができる。
加熱処理温度は、250〜500℃の範囲であることが好ましく、チタン酸プロトン化合物の組成や粒子径、結晶形状のような条件により最適な温度とすることができる。加熱処理温度が250℃以上であると、結晶性が良好なものが得られ、H2Ti8O17の不純物相の生成が抑制され、電極容量、充放電効率、繰り返し特性も良好となる。一方、加熱処理温度が500℃以下であると、アナターゼ型TiO2の不純物相の生成が抑制されるため、不純物相による電極容量の低下を防ぐことができる。より好ましい加熱処理温度は、300〜400℃である。
加熱処理時間は、加熱処理温度に応じて30分以上24時間以下の範囲に設定できる。例えば、加熱処理温度が300℃以上400℃以下である場合、1時間以上3時間以下にすることができる。
加熱処理温度は、250〜500℃の範囲であることが好ましく、チタン酸プロトン化合物の組成や粒子径、結晶形状のような条件により最適な温度とすることができる。加熱処理温度が250℃以上であると、結晶性が良好なものが得られ、H2Ti8O17の不純物相の生成が抑制され、電極容量、充放電効率、繰り返し特性も良好となる。一方、加熱処理温度が500℃以下であると、アナターゼ型TiO2の不純物相の生成が抑制されるため、不純物相による電極容量の低下を防ぐことができる。より好ましい加熱処理温度は、300〜400℃である。
加熱処理時間は、加熱処理温度に応じて30分以上24時間以下の範囲に設定できる。例えば、加熱処理温度が300℃以上400℃以下である場合、1時間以上3時間以下にすることができる。
以上の方法により、異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を合成できる。なお、このような方法により得られた異種元素を含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物は、出発原料にLiを含む化合物を用いることにより、Liが予め含まれているものであっても良いが、Liが含まれておらず、充放電によりLiが吸蔵されるものであってもよい。
(無機系化合物層の形成)
第1活物質10を製造するために、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bを被覆する方法は、活物質基材10aおよび無機系化合物層10bの材料に応じて決定でき、特に限定されない。
以下、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bを被覆する方法として、活物質基材10aの表面に、AlまたはSiを含有する金属酸化物からなる無機系化合物層10bを形成する場合を例に挙げて説明する。活物質基材10aの表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物を被覆する方法としては、例えば、以下の二つの方法が挙げられる。
第1活物質10を製造するために、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bを被覆する方法は、活物質基材10aおよび無機系化合物層10bの材料に応じて決定でき、特に限定されない。
以下、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bを被覆する方法として、活物質基材10aの表面に、AlまたはSiを含有する金属酸化物からなる無機系化合物層10bを形成する場合を例に挙げて説明する。活物質基材10aの表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物を被覆する方法としては、例えば、以下の二つの方法が挙げられる。
(第1の方法)
第1の方法は、活物質基材10aの粉末を、AlまたはSiを含有する金属アルコキシドと混合して混合物を得る工程と、混合物を乾燥することにより、活物質基材10aの粉末の表面に、AlまたはSiを含有する金属酸化物を含む無機系化合物層10bを形成する工程とを含む。
第1の方法は、活物質基材10aの粉末を、AlまたはSiを含有する金属アルコキシドと混合して混合物を得る工程と、混合物を乾燥することにより、活物質基材10aの粉末の表面に、AlまたはSiを含有する金属酸化物を含む無機系化合物層10bを形成する工程とを含む。
活物質基材10aの粉末と、AlまたはSiを含有する金属アルコキシドと、適量の水とを混合することにより、活物質基材10aの粉末の表面に金属酸化物前駆体を形成できる。次いで、この粉末を乾燥処理に供することにより、金属酸化物前駆体を重合させて、活物質基材10aの粉末の表面に金属酸化物からなる無機系化合物層10bを形成できる。このような方法は、ゾルゲル法と称される。
例えば、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bとしてSi酸化物を被覆する場合には、金属アルコキシドとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、縮合シリケートなどが使用される。また、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bとしてAl酸化物を被覆する場合には、金属アルコキシドとして、アルミニウムイソプロポキシドなどが使用される。
例えば、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bとしてSi酸化物を被覆する場合には、金属アルコキシドとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、縮合シリケートなどが使用される。また、活物質基材10aの表面に無機系化合物層10bとしてAl酸化物を被覆する場合には、金属アルコキシドとして、アルミニウムイソプロポキシドなどが使用される。
表面に金属酸化物前駆体の形成された活物質基材10aの乾燥処理は、50〜250℃の温度で行うことが好ましい。上記範囲の温度で乾燥処理を行うと、金属酸化物前駆体内の水分と有機物が蒸発することを防止できる。その結果、活物質基材10aの粉末の表面を無機系化合物層10bによって均一に被覆できる。上記の乾燥処理は、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bでより均一に被覆するため、50〜100℃の温度で行うことがより好ましい。
なお、このようなゾルゲル法は、活物質基材10aがTiO2(B)構造のチタン酸化物である場合に、特に適している。TiO2(B)構造のチタン酸化物は、その触媒作用が原料として用いる金属アルコキシドの重合反応を促進するため、触媒を添加する必要がないという利点を有する。
なお、このようなゾルゲル法は、活物質基材10aがTiO2(B)構造のチタン酸化物である場合に、特に適している。TiO2(B)構造のチタン酸化物は、その触媒作用が原料として用いる金属アルコキシドの重合反応を促進するため、触媒を添加する必要がないという利点を有する。
(第2の方法)
第2の方法は、活物質基材10aの粉末を、AlまたはSiを含有する水酸化物および塩化物から選択される化合物を含む水溶液と混合して混合液を得る工程と、混合液のpHを10〜14に調整することにより、活物質基材10aの粉末の表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物前駆体を付着させる工程と、表面に金属酸化物前駆体が付着した活物質基材10aの粉末を混合液から分離する工程と、分離された活物質基材10aの粉末を乾燥することにより、粉末の表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物を含む無機系化合物層10bを形成する工程を含む。
第2の方法は、活物質基材10aの粉末を、AlまたはSiを含有する水酸化物および塩化物から選択される化合物を含む水溶液と混合して混合液を得る工程と、混合液のpHを10〜14に調整することにより、活物質基材10aの粉末の表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物前駆体を付着させる工程と、表面に金属酸化物前駆体が付着した活物質基材10aの粉末を混合液から分離する工程と、分離された活物質基材10aの粉末を乾燥することにより、粉末の表面にAlまたはSiを含有する金属酸化物を含む無機系化合物層10bを形成する工程を含む。
まず、活物質基材10aの粉末を、AlまたはSiを含有する水酸化物または塩化物の水溶液と混合することにより、混合液を得る。次いで、この混合液のpHを10〜14に調整することにより、AlまたはSiを含有する水酸化物または塩化物を、金属酸化物前駆体とし、活物質基材10aの粉末の表面に付着させる。次いで、混合液から粉末を分離することにより、金属酸化物前駆体が表面に付着した活物質基材10aの粉末を得る。次いで、この粉末を乾燥処理に供することにより、金属酸化物前駆体を重合させ、活物質基材10aの粉末の表面に金属酸化物からなる無機系化合物層10bを形成する。
このような方法は、水溶液pH調整法と称される。水溶液pH調整法では、AlまたはSiを含有する水酸化物又は塩化物を水和物(金属酸化物前駆体)にし、活物質基材10aの粉末に付着させた後、脱水反応で重合することにより、無機系化合物層10bを形成できる。
このような方法は、水溶液pH調整法と称される。水溶液pH調整法では、AlまたはSiを含有する水酸化物又は塩化物を水和物(金属酸化物前駆体)にし、活物質基材10aの粉末に付着させた後、脱水反応で重合することにより、無機系化合物層10bを形成できる。
第2の方法における乾燥処理は、20〜250℃の温度で行うことが好ましい。さらに乾燥処理は、室温で十分乾燥させてから、より高温域で乾燥させることが好ましい。室温で充分に乾燥させてから高温域で乾燥を行うと、急激に水分が蒸発して、活物質基材10aの粉末の表面に無機系化合物層10bが斑に形成されることを防止できる。上記の乾燥処理は、活物質基材10aの表面を無機系化合物層10bでより均一に被覆するため、20〜100℃の温度で行うことがより好ましい。
上記の第1及び第2の方法によれば、活物質基材10aの表面にAlまたはSi含む金属酸化物からなる無機系化合物層10bを被覆できる。
上記の第1及び第2の方法では、第1活物質10における活物質基材10aの質量に対する無機系化合物層10b(金属酸化物)の質量は、以下に示す方法により調整できる。すなわち、最初に添加する無機系化合物層10bとなる原料(ゾルゲル法ならばAlまたはSiを含有する金属アルコキシドと水、水溶液pH調整法ならばAlまたはSiを含有する水酸化物または塩化物の水溶液)と活物質基材10aとの割合と、処理条件(ゾルゲル法ならば乾燥条件、水溶液pH調整法ではpHを調整する領域)とを変化させることによって調整できる。
上記の第1及び第2の方法では、第1活物質10における活物質基材10aの質量に対する無機系化合物層10b(金属酸化物)の質量は、以下に示す方法により調整できる。すなわち、最初に添加する無機系化合物層10bとなる原料(ゾルゲル法ならばAlまたはSiを含有する金属アルコキシドと水、水溶液pH調整法ならばAlまたはSiを含有する水酸化物または塩化物の水溶液)と活物質基材10aとの割合と、処理条件(ゾルゲル法ならば乾燥条件、水溶液pH調整法ではpHを調整する領域)とを変化させることによって調整できる。
「第2活物質」
第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる塩基性のものである。
塩基性のチタン酸化物またはチタン酸化合物としては、例えば、Li4Ti5O12やRamsdellite型構造を有するLi2Ti3O7、LiTiNbO5、LiTi3P3O12など挙げられる。これらの中でも、第2活物質20として、Li4Ti5O12を用いることが好ましい。
第2活物質20に含まれるチタン酸化物またはチタン酸化合物は、従来公知の方法により原料から合成して得られたものであってもよいし、商業的に入手可能なものであってもよい。
第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる塩基性のものである。
塩基性のチタン酸化物またはチタン酸化合物としては、例えば、Li4Ti5O12やRamsdellite型構造を有するLi2Ti3O7、LiTiNbO5、LiTi3P3O12など挙げられる。これらの中でも、第2活物質20として、Li4Ti5O12を用いることが好ましい。
第2活物質20に含まれるチタン酸化物またはチタン酸化合物は、従来公知の方法により原料から合成して得られたものであってもよいし、商業的に入手可能なものであってもよい。
「カーボン被覆層の形成」
第2活物質20の表面にカーボン被覆層18を被覆する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、以下に示す方法を用いることができる。
第2活物質20の表面にカーボン被覆層18を被覆する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、以下に示す方法を用いることができる。
塩基性の第2活物質20の表面にカーボン被覆層18を被覆するには、まず、カーボン被覆層18のカーボン源として、所定量の糖質を含んだ所定の濃度の水溶液を用意する。そして、第2活物質20と糖質を含んだ水溶液とを混合し、水分が蒸発する範囲内で乾燥処理した後、不活性雰囲気で熱処理を行う。このことにより、第2活物質20の表面にカーボン被覆層18が形成される。
なお、第2活物質20が、Li4Ti5O12からなるものである場合、カーボン被覆層18を形成するための熱処理を行っても、Li4Ti5O12の結晶構造が変化しにくい。このため、Li4Ti5O12の結晶構造への影響を考慮することなく、カーボン被覆層18を形成するための熱処理条件を決定できる。例えば、熱処理温度を、700〜1000℃とすることができ、700〜900℃とすることが好ましい。熱処理温度が700℃以上であると、カーボン被覆層18に残留する有機物が、本実施形態の活物質を用いた非水電解質電池の内部抵抗の増加原因になることを防止できる。
以上の実施形態の電池用活物質は、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10と、塩基性の第2活物質20とを含み、第2活物質20の表面が、カーボンからなるカーボン被覆層18によって被覆されているものである。このため、電池用活物質中における無機系化合物層10bと、塩基性の第2活物質20との接触が、カーボン被覆層18によって妨げられる。よって、無機系化合物層10bが電池用活物質中で安定して存在でき、活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制できる。その結果、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上された非水電解質電池を実現できる電池用活物質となる。
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態の電池用活物質を説明するための模式図である。図2に示す電池用活物質は、第1活物質10と第2活物質20とを含むものである。第1活物質10は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材10aと、活物質基材10aの表面を被覆する無機系化合物層10bとからなる。第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物20aからなる塩基性のものである。
図2に示す電池用活物質が、図1に示す電池用活物質と異なるところは、図1に示す電池用活物質では、第2活物質20の表面がカーボン被覆層18によって被覆されているが、図2に示す電池用活物質では、第1活物質10の表面がカーボン被覆層18によって被覆されているところである。
図2は、第2実施形態の電池用活物質を説明するための模式図である。図2に示す電池用活物質は、第1活物質10と第2活物質20とを含むものである。第1活物質10は、チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材10aと、活物質基材10aの表面を被覆する無機系化合物層10bとからなる。第2活物質20は、チタン酸化物またはチタン酸化合物20aからなる塩基性のものである。
図2に示す電池用活物質が、図1に示す電池用活物質と異なるところは、図1に示す電池用活物質では、第2活物質20の表面がカーボン被覆層18によって被覆されているが、図2に示す電池用活物質では、第1活物質10の表面がカーボン被覆層18によって被覆されているところである。
カーボン被覆層18の質量(被覆量)は、第1活物質10の質量の0.1〜3質量%((カーボン被覆層/第1活物質)×100)であることが望ましく、さらに望ましくは0.5〜2.5質量%である。被覆量が0.1質量%以上の場合、塩基性の第2活物質20から無機系化合物層10bへの悪影響を十分抑制できる。被覆量が3質量%以下であると、カーボン被覆層18が第1活物質10の表面でのLiの活物質内部への拡散を抑制しにくく、好ましい。また、被覆量が3質量%以下であると、カーボン被覆層18を設けることによる比表面積の増加により、電極を作製した後の圧延工程において電極密度の向上が阻害されることがなく、好ましい。
カーボン被覆層18の厚みは、10〜1000nmの範囲であることが好ましい。カーボン被覆層18の厚みが、上記範囲内であれば、塩基性の第2活物質20と無機系化合物層10bとが接触することによる無機系化合物層10bへの悪影響を十分抑制できる。塩基性の第2活物質20による無機系化合物層10bへの悪影響をより効果的に防止するには、カーボン被覆層18の厚みが、100nm以上であることが、より好ましい。また、カーボン被覆層18の厚みが、上記範囲内であると、カーボン被覆層18に被覆されていることによる第1活物質10の電池用活物質としての機能の低下を抑制できる。第1活物質10の電池用活物質としての機能の低下をより一層抑制するために、カーボン被覆層18の厚みは、800nm以下であることがより好ましい。
第1活物質10の表面に形成したカーボン被覆層18の厚みとは、上述した第2活物質20の表面に形成したカーボン被覆層の厚さの定義に準拠する。断面観察する第1活物質が、第1活物質の状態で得られる場合はその断面観察により測定する。断面観察する第1活物質が、電極の状態である場合、上述した電極から電池用活物質を抽出する方法を用いて、電池用活物質と導電剤との混合粉末を得る。電極由来の活物質と導電剤との混合粉末もしくは活物質単体について、断面SEM観察または断面TEM観察を行うことによって、第1活物質上に存在するカーボンを検知できる。第2活物質20の表面に形成したカーボン被覆層と同様に、導電剤に使用されるカーボン材料と、第1活物質の表面に意図的に被覆されたカーボン被覆層との識別は可能である。
第1活物質の表面のカーボン被覆層の厚さは、以下に示す方法により測定したものである。まず、表面にカーボン被覆層を形成した第1活物質10の断面をSEMまたはTEMで観察する。そして、SEMまたはTEMにより平均粒子径に相当する断面が観察されている粒子を5〜10個程度選出し、それぞれについて、活物質とカーボン被覆との界面から外表面までの距離を測定し、その平均値を第1活物質の表面に形成したカーボン被覆層の厚さと定義する。
「カーボン被覆層の形成」
第1活物質10の表面にカーボン被覆層18を被覆する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、以下に示す方法を用いることができる。
第1活物質10の表面にカーボン被覆層18を被覆する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、以下に示す方法を用いることができる。
第1活物質10の表面にカーボン被覆層18を被覆するには、まず、カーボン被覆層18のカーボン源として、所定量の糖質を含んだ所定の濃度の水溶液を用意する。そして、第1活物質10と糖質を含んだ水溶液とを混合し、水分が蒸発する範囲内で乾燥処理した後、不活性雰囲気で熱処理を行う。このことにより、第1活物質10の表面にカーボン被覆層18が形成される。
なお、第1活物質10の活物質基材10aが、TiO2(B)からなるものである場合、カーボン被覆層18を形成するための熱処理温度が400℃を超えると、TiO2(B)の結晶構造が部分的にアナターゼに変化して、容量が低下する恐れがある。しかし、熱処理温度が低いと、カーボン被覆層18に残留する有機物による非水電解質電池の特性低下が顕著に現れる。よって、活物質基材10aがTiO2(B)であっても、ある程度高温度域で熱処理を行うことが好ましい。具体的には、カーボン被覆層18を形成するための熱処理温度は、700〜1000℃とすることが好ましく、より好ましくは700〜900℃とする。熱処理温度が700℃以上であると、カーボン被覆層18に残留する有機物が、本実施形態の電池用活物質を用いた非水電解質電池の内部抵抗の増加原因になることを防止できる。
第2実施形態の電池用活物質は、表面を無機系化合物層10bで被覆した活物質基材10aからなる第1活物質10と、塩基性の第2活物質20とを含み、第1活物質10の表面が、カーボンからなるカーボン被覆層18によって被覆されているものである。このため、電池用活物質中における無機系化合物層10bと、塩基性の第2活物質20との接触が、カーボン被覆層18によって妨げられる。よって、無機系化合物層10bが電池用活物質中で安定して存在でき、活物質基材10aの非水電解質との反応性を抑制できる。その結果、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上された非水電解質電池を実現できる電池用活物質となる。
第1実施形態および第2実施形態では、第1活物質10と第2活物質20の一方のみがカーボン被覆層18によって被覆されている場合を例に挙げて説明したが、第1活物質10と第2活物質20の両方が、カーボン被覆層18によって被覆されているものであってもよい。
また、第1活物質10および第2活物質20は、それぞれ1種類の電池用活物質からなるものであってもよいし、2種類以上の電池用活物質からなるものであってもよい。
また、第1活物質10および第2活物質20は、それぞれ1種類の電池用活物質からなるものであってもよいし、2種類以上の電池用活物質からなるものであってもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る非水電解質電池について説明する。
本実施形態に係る非水電解質電池は、正極と、上記した第1実施形態または第2実施形態に係る電池用活物質を含む負極と、非水電解質と、を少なくとも含む。より具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間して、例えばセパレータを介在して収納された、上記の電池用活物質を含む負極と、外装材内に充填された非水電解質とを具備する。
次に、本発明の第3実施形態に係る非水電解質電池について説明する。
本実施形態に係る非水電解質電池は、正極と、上記した第1実施形態または第2実施形態に係る電池用活物質を含む負極と、非水電解質と、を少なくとも含む。より具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間して、例えばセパレータを介在して収納された、上記の電池用活物質を含む負極と、外装材内に充填された非水電解質とを具備する。
以下、本実施形態に係る非水電解質電池の一例として、図3及び図4に示す扁平型非水電解質電池(非水電解質電池)100について説明する。図3は、扁平型非水電解質電池100の断面図模式図である。また、図4は、図3中に示すA部の拡大断面図である。なお、これら各図は本実施形態に係る非水電解質電池を説明するための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらについては、以下の説明と公知技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図3に示す非水電解質電池100は、扁平状の捲回電極群1が、外装材2内に収納されて構成されている。外装材2は、ラミネートフィルムを袋状に形成したものでもよく、金属製の容器であってもよい。また、扁平状の捲回電極群1は、外側、すなわち外装材2側から、負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。図4に示すように、最外周に位置する負極3は、負極集電体3aの内面側の片面に負極層3bが形成された構成を有する。最外周以外の部分の負極3は、負極集電体3aの両面に負極層3bが形成された構成を有する。そして、本実施形態に係る扁平型非水電解質電池100においては、負極層3b中の負極活物質が、第1実施形態または第2実施形態に係る電池用活物質を含む構成とされている。また、正極5は、正極集電体5aの両面に正極層5bが形成された構成を有する。なお、セパレータ4に代えて、後述するゲル状の非水電解質を用いてもよい。
図3に示す捲回電極群1は、その外周端近傍において、負極端子6が最外周の負極3の負極集電体3aに電気的に接続されている。正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに電気的に接続されている。これらの負極端子6および正極端子7は、袋状の外装材2の外部に延出されるか、外装材2に備えられた取り出し電極に接続される。
ラミネートフィルムからなる外装材を備えた非水電解質電池100を製造する際は、負極端子6及び正極端子7が接続された捲回電極群1を、開口部を有する袋状の外装材2に装入し、液状非水電解質を外装材2の開口部から注入し、更に、袋状の外装材2の開口部を、負極端子6および正極端子7を挟んだ状態でヒートシールすることにより、捲回電極群1および液状非水電解質が完全密封させる。
また、金属容器からなる外装材を備えた非水電解質電池100を製造する際は、負極端子6及び正極端子7が接続された捲回電極群1を、開口部を有する金属容器に装入し、液状非水電解質を外装材2の開口部から注入し、更に、金属容器に蓋体を装着して開口部を封口させる。
負極端子6としては、例えば、リチウムに対する電位が1V以上3V以下の範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウム、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。また、負極端子6は、負極集電体3aとの接触抵抗を低減するために、負極集電体3aと同様の材料であることがより好ましい。
正極端子7としては、リチウムに対する電位が3〜4.25Vの範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子7は、正極集電体5aとの接触抵抗を低減するために、正極集電体5aと同様の材料であることが好ましい。
以下、非水電解質電池100の構成部材である外装材2、負極3、正極5、セパレー4タおよび非水電解質について詳細に説明する。
以下、非水電解質電池100の構成部材である外装材2、負極3、正極5、セパレー4タおよび非水電解質について詳細に説明する。
(1)外装材
外装材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルムから形成されたものか、あるいは、肉厚1.0mm以下の金属製容器が用いられる。
このような外装材2の形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、およびボタン型から適宜選択できる。
このような外装材2の例には、電池寸法に応じて、例えば、携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装材などが含まれる。
外装材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルムから形成されたものか、あるいは、肉厚1.0mm以下の金属製容器が用いられる。
このような外装材2の形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、およびボタン型から適宜選択できる。
このような外装材2の例には、電池寸法に応じて、例えば、携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装材などが含まれる。
また、ラミネートフィルムからなる外装材2を用いる場合は、樹脂層間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。この場合の金属層には、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔を採用することが好ましい。また、樹脂層としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装材の形状に成形することができる。
金属製容器からなる外装材2を用いる場合には、アルミニウムまたはアルミニウム合金等から作製されたものが用いられる。このようなアルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。また、アルミニウム合金中に、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が含まれる場合、その量を100質量ppm以下に抑制することが好ましい。また、金属製容器からなる外装材2を用いる場合、肉厚が0.5mm以下のものを用いることがより好ましい。
(2)負極
負極3は、集電体3aと、この集電体3aの片面または両面に形成され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極層3bとを備える。
負極活物質としては、上述した第1実施形態または第2実施形態に係る電池用活物質が用いられる。
このような電池用活物質を含む負極層3bを備えた負極3が組み込まれた非水電解質電池100は、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上されたものとなる。
負極3は、集電体3aと、この集電体3aの片面または両面に形成され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極層3bとを備える。
負極活物質としては、上述した第1実施形態または第2実施形態に係る電池用活物質が用いられる。
このような電池用活物質を含む負極層3bを備えた負極3が組み込まれた非水電解質電池100は、抵抗増加が抑制され、サイクル寿命が向上されたものとなる。
導電剤は、負極活物質の集電性能を高め、負極活物質と負極集電体との接触抵抗を抑える。このような導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛などを含むものが挙げられる。
結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋めて、負極活物質と導電剤を結着させ、また、負極活物質と負極集電体とを結着させる。このような結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを含むものが挙げられる。
結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋めて、負極活物質と導電剤を結着させ、また、負極活物質と負極集電体とを結着させる。このような結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを含むものが挙げられる。
負極層3b中の負極活物質、導電剤および結着剤は、それぞれ、68質量%以上96質量%以下、2質量%以上30質量%以下、および、2質量%以上30質量%以下の割合で配合することが好ましい。また、負極活物質、導電剤および結着剤をそれぞれ、70質量%以上96質量%以下、2質量%以上28質量%以下、および、2質量%以上28質量%以下の割合で配合することがより好ましい。
導電剤の量を2質量%以上とすることにより、導電剤によって、第1活物質10の表面を被覆している無機系化合物層10bと塩基性の第2活物質20とが、直接接触することを防止することができ、負極層3bの集電性能を向上させることができる。
また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極層3bと集電体3aの結着性を高め、サイクル特性を向上させることができる。
一方、導電剤および結着剤は、それぞれ28質量%以下にすることが、高容量化を図る観点から好ましい。
また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極層3bと集電体3aの結着性を高め、サイクル特性を向上させることができる。
一方、導電剤および結着剤は、それぞれ28質量%以下にすることが、高容量化を図る観点から好ましい。
負極集電体3aは、1Vよりも貴である電位範囲において電気化学的に安定であるアルミニウム箔、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であること好ましく、その厚さは好ましくは8〜25μm、より好ましくは5〜20μmがよい。また、負極集電体3aとしては、上記の他、ステンレス箔、チタン箔等、銅箔、ニッケル箔などを用いることも可能であるが、例えば、負極電位が金属リチウムに対して0.3Vよりも貴となり得る場合や、負極活物質としてリチウムチタン酸化物を使用する場合には、上記のアルミニウム箔やアルミニウム合金箔を用いることが、電池重量を抑えることができるため好ましい。
上記のアルミニウム箔を負極集電体3aとして用いる場合には、アルミニウム箔の純度が99%以上であることが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を負極集電体3aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を負極集電体3aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
負極3は、例えば、負極活物質、導電剤および結着剤を、汎用の溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体3aに塗布した後に乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。また、負極3は、負極活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して負極層3bとし、これを負極集電体3a上に配置、形成することによって作製されてもよい。
(3)正極
正極5は、正極集電体5aと、この正極集電体5aの片面または両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極層5bとを備える。正極活物質としては、例えば、酸化物、硫化物、ポリマー等を用いることができる。
正極5は、正極集電体5aと、この正極集電体5aの片面または両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極層5bとを備える。正極活物質としては、例えば、酸化物、硫化物、ポリマー等を用いることができる。
正極活物質に用いる酸化物としては、例えば、リチウムを吸蔵した二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケルおよびリチウムマンガン複合酸化物(例えば、LixMn2O4またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1−yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LixMnyCo1−yO2)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LixFePO4、LixFe1−yMnyPO4、LixCoPO4)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、またはバナジウム酸化物(例えばV2O5)を用いることができる。なお、上記のxおよびyは、0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
正極活物質に用いるポリマーとしては、例えば、ポリアニリンやポリピロールのような導電性ポリマー材料、またはジスルフィド系ポリマー材料を用いることができる。
また、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も、正極活物質として挙げることができる。
また、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も、正極活物質として挙げることができる。
上記の中でも好ましい正極活物質としては、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1−yCoyO2)、スピネル構造のリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1−yO2)、およびリチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。なお、上記のxおよびyは、0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
上記中でも、さらに好ましい正極活物質は、リチウムコバルト複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物である。これらの正極活物質は、イオン伝導性が高いため、前述した負極活物質との組み合わせにおいて、正極活物質中のリチウムイオンの拡散が律速段階になり難い。このため、上記組成物を含む正極活物質は、負極活物質中のリチウムチタン複合酸化物との適合性に優れる。
また、非水電解質として常温溶融塩を用いる場合には、リチウムリン酸鉄、LixVPO4F、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物を用いることがサイクル寿命の観点から好ましい。これは、正極活物質と常温溶融塩との反応性が少なくなるためである。
導電剤は、正極活物質の集電性能を高めて、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑える。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、人工黒鉛、天然黒鉛、導電性ポリマー等を含むものが挙げられる。
結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、正極活物質と導電剤を結着させ、また、正極活物質と正極集電体とを結着させる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを含むものが挙げられる。また、結着剤としては、上記材料に関し、少なくとも1つを他の置換基で置換した変性PVdF、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体等を用いることができる。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)などが使用できる。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)などが使用できる。
正極層5bにおいて、正極活物質及び結着剤はそれぞれ80重量%以上98重量%以下、2重量%以上20重量%以下の割合で配合することが好ましい。結着剤は、2重量%以上の量にすることにより十分な電極強度が得られる。また、20重量%以下にすることにより電極の絶縁体の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
また、正極層5b中に導電剤を添加する場合は、正極活物質、導電剤および結着剤をそれぞれ、77重量%以上95重量%以下、2重量%以上20重量%以下、及び3重量%以上15重量%以下の割合で配合することが好ましく、80質量%以上95質量%以下、3質量%以上18質量%以下、2質量%以上17質量%以下の割合で配合することがより好ましい。
導電剤を、3質量%以上の含有量とすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤は、18質量%以下の含有量とすることにより、高温保存下における導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。
導電剤を、3質量%以上の含有量とすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤は、18質量%以下の含有量とすることにより、高温保存下における導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。
正極集電体5aとしては、例えば、厚さ8〜25μmのアルミニウム箔、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。また、正極集電体5aとして、ステンレス箔、チタン箔等を用いることも可能である。
上記のアルミニウム箔を正極集電体5aに用いる場合には、アルミニウム箔の純度が99%以上であることが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を正極集電体5aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を正極集電体5aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
正極5は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を用い、汎用の溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体5aに塗布した後に乾燥させ、その後、プレスを施す方法によって作製できる。また、正極5は、正極活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して正極層5bとし、これを正極集電体5a上に配置、形成することによって作製してもよい。
(4)非水電解質
非水電解質は、例えば溶質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質や、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質を用いることができる。
液状非水電解質は、溶質を0.5mol/L以上2.5mol/L以下の濃度で有機溶媒に溶解して得られたものが好ましい。
非水電解質は、例えば溶質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質や、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質を用いることができる。
液状非水電解質は、溶質を0.5mol/L以上2.5mol/L以下の濃度で有機溶媒に溶解して得られたものが好ましい。
溶質の例としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO2)2]、[LiN(C2F5SO2)2]、[Li(CF3SO2)3C]、LiB[(OCO)2]2などから選ばれる一種以上のリチウム塩が好ましい。これらリチウム塩を、0.5〜2mol/Lの範囲内の濃度で有機溶媒に溶解して有機電解液とする。
溶質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。
溶質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。
有機溶媒の例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)のような鎖状エーテル;またはγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独または混合溶媒の形態で用いることができる。
上記の中でも、好ましい有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む混合溶媒が挙げられる。これらの混合溶媒を用いることにより、高温特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。
ゲル状非水電解質を構成する高分子材料の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)を含むものが挙げられる。
また、非水電解質としては、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)を用いることも可能である。例えば、リチウムイオンと有機物カチオンとアニオンから構成されるイオン性融体であって、100℃以下、好ましくは室温以下においても液状であるものを選択すると、動作温度の広い非水電解質電池を得ることができる。
(5)セパレータ
セパレータ4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または合成樹脂製不織布を用いることができる。セパレータ4に好適に用いられる多孔質フィルムとしては、ポリエチレンまたはポリプロピレン、または両者から作られたものが挙げられる。このような材料からなるセパレータ4は、電池温度が上昇して一定温度に達した場合に溶融することで、細孔を閉塞して充放電電流を大幅に減衰させるシャットダウン機能を付加しやすく、非水電解質電池の安全性を向上できるため、好ましい。
また、コスト低減の観点からは、セルロース系材料からなるセパレータ4を用いてもよい。
セパレータ4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または合成樹脂製不織布を用いることができる。セパレータ4に好適に用いられる多孔質フィルムとしては、ポリエチレンまたはポリプロピレン、または両者から作られたものが挙げられる。このような材料からなるセパレータ4は、電池温度が上昇して一定温度に達した場合に溶融することで、細孔を閉塞して充放電電流を大幅に減衰させるシャットダウン機能を付加しやすく、非水電解質電池の安全性を向上できるため、好ましい。
また、コスト低減の観点からは、セルロース系材料からなるセパレータ4を用いてもよい。
第2実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図3および図4に示す構成のものに限らず、例えば、図5および図6に示す構成の非水電解質電池であってもよい。図5は、第2実施形態に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図6は図5のB部の拡大断面図である。
図5および図6に示す非水電解質電池は、積層型電極群11が外装部材12内に収納されて構成されている。積層型電極群11は、図6に示すように正極13と負極14とをその間にセパレータ15を介在させながら交互に積層した構造を有する。
正極13は複数枚存在し、それぞれが正極集電体13aと、正極集電体13aの両面に担持された正極層13bとを備える。正極層13bには正極活物質が含有される。
負極14は複数枚存在し、それぞれが負極集電体14aと、負極集電体14aの両面に担持された負極層14bとを備える。負極層14bには負極活物質が含有される。この負極活物質には、第1の実施形態の電池用活物質が含まれる。各負極14の負極集電体14aは、一辺が負極14から突出している。突出した負極集電体14aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、外装部材12から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の正極集電体13aは、負極集電体14aの突出辺と反対側に位置する辺が正極13から突出している。正極13から突出した正極集電体13aは、帯状の正極端子17に電気的に接続されている。帯状の正極端子17の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、外装部材12の辺から外部に引き出されている。
図5および図6に示す非水電解質電池を構成する各部材の材質、配合比、寸法等は、図3および図4において説明した非水電解質電池100の各構成部材と同様の構成である。
以上、説明したような本実施形態によれば、優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池を提供することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る電池パックについて詳細に説明する。
本実施形態に係る電池パックは、上記第3実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を少なくとも一以上有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。
次に、第4実施形態に係る電池パックについて詳細に説明する。
本実施形態に係る電池パックは、上記第3実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を少なくとも一以上有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。
図7および図8を参照して、本実施形態に係る電池パック200を具体的に説明する。図7に示す電池パック200においては、単電池21として、図3に示す扁平型非水電解液電池100を使用している。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6および正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することによって組電池23を構成している。これらの単電池21は、図7および図8に示すように、互いに電気的に直列に接続されている。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6および正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することによって組電池23を構成している。これらの単電池21は、図7および図8に示すように、互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6および正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。図7に示すように、プリント配線基板24には、サーミスタ25(図8を参照)、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には、組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端は、プリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29、31は、プリント配線基板24に形成された配線32、33(図6を参照)を通じて保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出するために用いられ、図7においては図示を省略しているが、単電池21の近傍に設けられるとともに、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。ここで、上記の所定の条件とは、例えば、サーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。さらに、所定の条件とは、単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。このような過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。なお、個々の単電池21における過充電等を検出する場合には、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図7および図8の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
図7に示すように、正極端子7および負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24とともに、収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の保護シート36とは反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には、粘着テープ22に代えて熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
ここで、図7、図8においては、単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには、単電池21を並列に接続しても、または、直列接続と並列接続とを組み合わせた構成としてもよい。また、組み上がった電池パックを、さらに直列、並列に接続することも可能である。
以上説明した本実施形態によれば、上記第3実施形態における優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池を備えることにより、優れた充放電サイクル性能を有する電池パックを提供することができる。
なお、電池パックの態様は用途により適宜変更される。本実施形態に係る電池パックの用途としては、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性を示すことが要求されるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、高温特性の優れた非水電解質電池を用いた電池パックは、車載用に好適に用いられる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
(実施例1)
「第1活物質の製造」
<活物質基材の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(K2CO3)およびアナターゼ型酸化チタン(TiO2)を用いた。出発原料を混合し、1000℃で24時間焼成して、チタン酸カリウム化合物(K2Ti4O9)を合成した。このチタン酸カリウム化合物を、ジルコニアビーズで乾式粉砕して粒度調整した後、蒸留水で洗浄してプロトン交換前駆体を得た。
得られたプロトン交換前駆体を、1mol/L濃度の塩酸溶液中に投入し、25℃で1時間の超音波攪拌を行った(酸処理)。この酸処理を、塩酸溶液を交換しながら12回繰返した。酸処理の終了後、蒸留水で洗浄して、チタン酸プロトン化合物を得た。その後、チタン酸プロトン化合物を、大気中で、350℃で3時間焼成し、活物質基材である異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物を得た。水分除去の目的で、さらに200℃で5時間加熱処理を行った。
「第1活物質の製造」
<活物質基材の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(K2CO3)およびアナターゼ型酸化チタン(TiO2)を用いた。出発原料を混合し、1000℃で24時間焼成して、チタン酸カリウム化合物(K2Ti4O9)を合成した。このチタン酸カリウム化合物を、ジルコニアビーズで乾式粉砕して粒度調整した後、蒸留水で洗浄してプロトン交換前駆体を得た。
得られたプロトン交換前駆体を、1mol/L濃度の塩酸溶液中に投入し、25℃で1時間の超音波攪拌を行った(酸処理)。この酸処理を、塩酸溶液を交換しながら12回繰返した。酸処理の終了後、蒸留水で洗浄して、チタン酸プロトン化合物を得た。その後、チタン酸プロトン化合物を、大気中で、350℃で3時間焼成し、活物質基材である異種元素を含有しないTiO2(B)構造のチタン酸化物を得た。水分除去の目的で、さらに200℃で5時間加熱処理を行った。
<無機系化合物層の形成>
上記のように合成したTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン7g、純水1gを添加して混合し、混合物とした。その後、混合物中の粉末に対して、室温環境(25℃、相対湿度(RH)50%)で乾燥処理を行い、乾燥後の粉末の質量が、チタン酸化物の質量に対して12質量%増加していることを確認した。さらに、大気雰囲気中、200℃で1時間の乾燥処理を行って、実施例1の第1活物質を得た。
第1活物質の質量は、4質量%({(第1活物質−TiO2(B)構造のチタン酸化物)/第1活物質}×100(無機系化合物層の付着量(%)))増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、チタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
また同様に、第1活物質をTEMにより観察し、活物質の外周部をEDXで点分析したところ、Siのピークが顕著に観察され、Siを主とする酸化物が活物質の表面に形成されていることが確認された。
上記のように合成したTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン7g、純水1gを添加して混合し、混合物とした。その後、混合物中の粉末に対して、室温環境(25℃、相対湿度(RH)50%)で乾燥処理を行い、乾燥後の粉末の質量が、チタン酸化物の質量に対して12質量%増加していることを確認した。さらに、大気雰囲気中、200℃で1時間の乾燥処理を行って、実施例1の第1活物質を得た。
第1活物質の質量は、4質量%({(第1活物質−TiO2(B)構造のチタン酸化物)/第1活物質}×100(無機系化合物層の付着量(%)))増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、チタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
また同様に、第1活物質をTEMにより観察し、活物質の外周部をEDXで点分析したところ、Siのピークが顕著に観察され、Siを主とする酸化物が活物質の表面に形成されていることが確認された。
<第2活物質>
第2活物質として、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を70g混合し、室温〜50℃で攪拌しながら水分を蒸発させた。その後、Ar雰囲気で800℃、5時間の熱処理を行うことにより、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量((カーボン被覆層/第2活物質)×100(カーボン濃度))は1.3質量%であった。
第2活物質として、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を70g混合し、室温〜50℃で攪拌しながら水分を蒸発させた。その後、Ar雰囲気で800℃、5時間の熱処理を行うことにより、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量((カーボン被覆層/第2活物質)×100(カーボン濃度))は1.3質量%であった。
<負極の作製>
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例1の電池用活物質として用いた。
実施例1の電池用活物質を90質量%、アセチレンブラック5質量%、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%を、NMP加えて混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度が2.0g/cm3の負極を作製した。
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例1の電池用活物質として用いた。
実施例1の電池用活物質を90質量%、アセチレンブラック5質量%、及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%を、NMP加えて混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度が2.0g/cm3の負極を作製した。
<正極の作製>
正極活物質としてリチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.82Co0.15Al0.03O2)を用い、導電剤としてアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。リチウムニッケル複合酸化物の粉末90質量%、アセチレンブラック5質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%を、NMPに加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、電極密度が3.15g/cm3の正極を作製した。
正極活物質としてリチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.82Co0.15Al0.03O2)を用い、導電剤としてアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。リチウムニッケル複合酸化物の粉末90質量%、アセチレンブラック5質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%を、NMPに加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、プレスすることにより、電極密度が3.15g/cm3の正極を作製した。
<電極群の作製>
正極、厚さ25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、およびセパレータを、この順序で積層し、渦巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅が30mm、厚さ3.0mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群をラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で24時間真空乾燥した。ラミネートフィルムは、厚さ40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層を形成して構成されたものであり、全体の厚さは0.1mmであった。
正極、厚さ25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極、およびセパレータを、この順序で積層し、渦巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅が30mm、厚さ3.0mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群をラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で24時間真空乾燥した。ラミネートフィルムは、厚さ40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層を形成して構成されたものであり、全体の厚さは0.1mmであった。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒を調製した。この混合溶媒に電解質としてLiPF6を1mol溶解し、液状非水電解質を調製した。
<非水電解質二次電池の製造>
電極群を収納したラミネートフィルムのパック内に液状非水電解質を注入した。その後、パックをヒートシールにより完全密閉し、幅35mm、厚さ3.2mm、高さが65mmの図3に示す非水電解質二次電池を製造した。
エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒を調製した。この混合溶媒に電解質としてLiPF6を1mol溶解し、液状非水電解質を調製した。
<非水電解質二次電池の製造>
電極群を収納したラミネートフィルムのパック内に液状非水電解質を注入した。その後、パックをヒートシールにより完全密閉し、幅35mm、厚さ3.2mm、高さが65mmの図3に示す非水電解質二次電池を製造した。
(実施例2)
<活物質基材の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(K2CO3)、アナターゼ型酸化チタン(TiO2)、及び水酸化ニオブ(Nb2O5・nH2O)を用いた。出発物質を混合し、1000℃で5時間熱処理を行うことで、Nbを含有するチタン酸カリウム化合物を得た。このNb含有チタン酸カリウム化合物を、ボールミルで粉砕し、酸処理後、水酸化リチウム水溶液を加えて中和し、蒸留水で水洗して、Nb含有チタン酸プロトン化合物を得た。その後、Nb含有チタン酸プロトン化合物を、大気雰囲気、350℃で4時間焼成し、その後さらに200℃で3時間加熱処理を行って、活物質基材であるNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を得た。
得られたNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物をICP発光分光測定で測定した結果、Nbの含有量は、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の総質量に対して8質量%((Nb/Nbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物)×100)であった。
<活物質基材の合成>
出発原料として、炭酸カリウム(K2CO3)、アナターゼ型酸化チタン(TiO2)、及び水酸化ニオブ(Nb2O5・nH2O)を用いた。出発物質を混合し、1000℃で5時間熱処理を行うことで、Nbを含有するチタン酸カリウム化合物を得た。このNb含有チタン酸カリウム化合物を、ボールミルで粉砕し、酸処理後、水酸化リチウム水溶液を加えて中和し、蒸留水で水洗して、Nb含有チタン酸プロトン化合物を得た。その後、Nb含有チタン酸プロトン化合物を、大気雰囲気、350℃で4時間焼成し、その後さらに200℃で3時間加熱処理を行って、活物質基材であるNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を得た。
得られたNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物をICP発光分光測定で測定した結果、Nbの含有量は、Nbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の総質量に対して8質量%((Nb/Nbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物)×100)であった。
TiO2(B)構造のチタン酸化物に代えて、上記のように合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の第1活物質を得た。
第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して4質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して4質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
<第2活物質>
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を140g混合したこと以外は、実施例1と同様にして、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は2.5質量%であった。
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を140g混合したこと以外は、実施例1と同様にして、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は2.5質量%であった。
<非水電解質二次電池の製造>
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例2の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例2の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
<無機系化合物層の形成>
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン15g、純水5gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の第1活物質を得た。
室温環境(25℃、RH50%)で乾燥後の第1活物質の質量は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して20質量%増加していた。
また、第1活物質の質量は、室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後には、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して15質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
<無機系化合物層の形成>
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン15g、純水5gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の第1活物質を得た。
室温環境(25℃、RH50%)で乾燥後の第1活物質の質量は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して20質量%増加していた。
また、第1活物質の質量は、室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後には、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して15質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
<第2活物質><カーボン被覆層の作製>
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意し、実施例1と同様にして、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意し、実施例1と同様にして、第2活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
<非水電解質二次電池の製造>
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例3の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
上記の第1活物質と、表面にカーボン被覆層を形成した第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例3の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
<無機系化合物層の形成>
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン4g、純水2gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の第1活物質を得た。
室温環境(25℃、RH50%)で乾燥後の第1活物質の質量は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して10質量%増加していた。
また、第1活物質の質量は、室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後には、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して5質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
<無機系化合物層の形成>
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン4g、純水2gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の第1活物質を得た。
室温環境(25℃、RH50%)で乾燥後の第1活物質の質量は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して10質量%増加していた。
また、第1活物質の質量は、室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後には、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して5質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
<第2活物質>
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を50g混合し、室温〜50℃で攪拌しながら水分を蒸発させた。その後、Ar雰囲気で350℃、4時間の熱処理を行うことにより、第1活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量((カーボン被覆層/第1活物質)×100(カーボン濃度))は1.2質量%であった。
第2活物質として、実施例1と同様に、Li4Ti5O12を用意した。
<カーボン被覆層の作製>
第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を50g混合し、室温〜50℃で攪拌しながら水分を蒸発させた。その後、Ar雰囲気で350℃、4時間の熱処理を行うことにより、第1活物質の表面にカーボン被覆層を形成した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量((カーボン被覆層/第1活物質)×100(カーボン濃度))は1.2質量%であった。
<非水電解質二次電池の製造>
上記の表面にカーボン被覆層を形成した第1活物質と、第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例4の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
上記の表面にカーボン被覆層を形成した第1活物質と、第2活物質とを50:50の質量比で混合し、実施例4の活物質として用いて負極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
実施例3の第1活物質を用いたこと以外は、実施例2と同様にして非水電解質電池を製造した。
実施例3の第1活物質を用いたこと以外は、実施例2と同様にして非水電解質電池を製造した。
(実施例6)
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン4g、純水2gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の第1活物質を得た。
また、第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して10質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
そして、第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を35g混合したこと以外は、実施例4と同様にして非水電解質電池を製造した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン4g、純水2gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の第1活物質を得た。
また、第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して10質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
そして、第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を35g混合したこと以外は、実施例4と同様にして非水電解質電池を製造した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
(実施例7)
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン13g、純水5gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の第1活物質を得た。
また、第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して8質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
そして、第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を45g混合したこと以外は、実施例4と同様にして非水電解質電池を製造した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
実施例2において合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gに対して、テトラエトキシシラン13g、純水5gを添加して混合し、混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の第1活物質を得た。
また、第1活物質の質量(室温環境での乾燥後に200℃で1時間の乾燥処理を行った後)は、合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物の質量に対して8質量%増加していた。
また、第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面にSi酸化物からなる無機系化合物層が形成されていることが確認された。
そして、第1活物質100gに対して、2.5%ショ糖を含む水溶液を45g混合したこと以外は、実施例4と同様にして非水電解質電池を製造した。
第1活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
(実施例8)
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を45g混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の電池用活物質を得て、実施例1と同様にして非水電解質電池を製造した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
第2活物質100gに対して、2%ショ糖を含む水溶液を45g混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の電池用活物質を得て、実施例1と同様にして非水電解質電池を製造した。
第2活物質の質量に対するカーボン被覆層の質量(カーボン濃度)は0.8質量%であった。
(実施例9)
<無機系化合物層の形成>
はじめに、1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液30mLに、攪拌機で撹拌しながら1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、水酸化アルミニウム沈殿物を作製した。その後、水酸化アルミニウム沈殿物を作製した容器内に、実施例2で合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gを添加して混合し、混合物とした。その後、溶液と固形分を分離し、固形分を洗浄した後、室温環境で乾燥した。次いで、大気雰囲気中、250℃で2時間の乾燥処理を行って、実施例9の第1活物質を得た。
<無機系化合物層の形成>
はじめに、1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液30mLに、攪拌機で撹拌しながら1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、水酸化アルミニウム沈殿物を作製した。その後、水酸化アルミニウム沈殿物を作製した容器内に、実施例2で合成したNbを含有するTiO2(B)構造のチタン酸化物15gを添加して混合し、混合物とした。その後、溶液と固形分を分離し、固形分を洗浄した後、室温環境で乾燥した。次いで、大気雰囲気中、250℃で2時間の乾燥処理を行って、実施例9の第1活物質を得た。
第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されていることが確認された。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して10質量%であった。
そして、第1活物質として、上記の実施例9の第1活物質を用いて、実施例1と同様に非水電解質電池を製造した。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して10質量%であった。
そして、第1活物質として、上記の実施例9の第1活物質を用いて、実施例1と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例10)
1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液10mLを用いた以外は、実施例9と同様にして、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されている実施例10の第1活物質を得た。
第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されていることが確認された。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して3質量%であった。
そして、上記の実施例10の第1活物質の表面に、実施例4と同様にしてカーボン被覆層を形成し、実施例4と同様に非水電解質電池を製造した。
1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液10mLを用いた以外は、実施例9と同様にして、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されている実施例10の第1活物質を得た。
第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されていることが確認された。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して3質量%であった。
そして、上記の実施例10の第1活物質の表面に、実施例4と同様にしてカーボン被覆層を形成し、実施例4と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例11)
1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液12mLを用いた以外は、実施例9と同様にして、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されている実施例11の第1活物質を得た。
第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されていることが確認された。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して3質量%であった。
そして、上記の実施例11の第1活物質の表面に、実施例6と同様にしてカーボン被覆層を形成し、実施例6と同様にして非水電解質電池を製造した。
1mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液12mLを用いた以外は、実施例9と同様にして、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されている実施例11の第1活物質を得た。
第1活物質の表面をSEMにより観察した。その結果、Nbを含有するチタン酸化物(TiO2)の表面に酸化アルミニウムの被覆層が形成されていることが確認された。
第1活物質をICP発光分光測定で測定した結果、酸化アルミニウムの質量(付着量)は、第1活物質の質量に対して3質量%であった。
そして、上記の実施例11の第1活物質の表面に、実施例6と同様にしてカーボン被覆層を形成し、実施例6と同様にして非水電解質電池を製造した。
(実施例12)
実施例2において負極内のアセチレンブラックの量を0質量%にする以外は、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
実施例2において負極内のアセチレンブラックの量を0質量%にする以外は、実施例2と同様に非水電解質電池を製造した。
(実施例13)
実施例1において第2活物質のカーボン被覆層の濃度を0.2質量%としたこと以外は、実施例1と同様の非水電解質電池を製造した。
(実施例14)
実施例6において第1活物質のカーボン被覆層の濃度を0.1質量%としたこと以外は、実施例6と同様の非水電解質電池を製造した。
実施例1において第2活物質のカーボン被覆層の濃度を0.2質量%としたこと以外は、実施例1と同様の非水電解質電池を製造した。
(実施例14)
実施例6において第1活物質のカーボン被覆層の濃度を0.1質量%としたこと以外は、実施例6と同様の非水電解質電池を製造した。
(比較例1)
実施例1において第2活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の非水電解質電池を製造した。
(比較例2)
実施例4において第1活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例4と同様の非水電解質電池を製造した。
実施例1において第2活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の非水電解質電池を製造した。
(比較例2)
実施例4において第1活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例4と同様の非水電解質電池を製造した。
(比較例3)
実施例12において第2活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例12と同様の非水電解質電池を製造した。
実施例12において第2活物質にカーボン被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例12と同様の非水電解質電池を製造した。
表1に、実施例1〜14及び比較例1〜3の活物質基材、無機系化合物および第2活物質の材料、無機系化合物の付着量、カーボン被覆層で被覆した活物質の種類、カーボン濃度を示す。
(充放電サイクル試験)
実施例1〜14及び比較例1〜3の非水電解質二次電池において、対極と参照極に金属リチウムを用いて負極の単極セルにおける充放電サイクル試験を行い、容量維持率と抵抗増加率を測定した。
実施例1〜14及び比較例1〜3の非水電解質二次電池において、対極と参照極に金属リチウムを用いて負極の単極セルにおける充放電サイクル試験を行い、容量維持率と抵抗増加率を測定した。
充放電は、45℃環境下において、1Cレートで行った。充電は1.4Vの定電流定電圧充電を行い、充電時間は3時間とした。放電カットオフ電圧を3.0Vとして定電流放電を行った。50サイクル繰り返し充放電を行い(充電/放電で1サイクルとする)、初期容量と50サイクル後の容量、初回充放電前の非水電解質電池の抵抗、及び50サイクル後の非水電解質電池の抵抗を測定した。
実施例1の初期容量を100とし、各実施例及び比較例の初期容量を比(%)で表した。また、各実施例及び比較例について、初期容量に対する50サイクル後の容量から、50サイクル後の容量維持率(%)を算出した。また、初回充放電前の電池の抵抗(R0)を1.0とし、50サイクル後の電池抵抗(R50)から、50サイクル後の抵抗増加率R50/R0(%)を算出した。
各電池の初期容量比(%)、容量維持率(%)、及び抵抗増加率R50/R0(%)を表2に示した。
各電池の初期容量比(%)、容量維持率(%)、及び抵抗増加率R50/R0(%)を表2に示した。
表1および表2に示すように、酸性活物質である第1活物質と塩基性活物質である第2活物質とを含む電池用活物質を用いた場合、第1活物質と第2活物質のどちらか一方の表面にカーボン被覆層を形成することにより、容量維持率と抵抗増加率が向上し、容量の劣化や抵抗の増加を抑制できることが示された。
特に、実施例12、比較例3の結果より、負極内に導電材として用いるカーボン(アセチレンブラック)を含まない場合、第1活物質と第2活物質のどちらか一方の表面にカーボン被覆層を形成することによる容量劣化や抵抗増加を抑制する効果が顕著であることが分かった。
特に、実施例12、比較例3の結果より、負極内に導電材として用いるカーボン(アセチレンブラック)を含まない場合、第1活物質と第2活物質のどちらか一方の表面にカーボン被覆層を形成することによる容量劣化や抵抗増加を抑制する効果が顕著であることが分かった。
1…捲回電極群、2…外装材、3…負極、4…セパレータ、5…正極、6…負極端子、7…正極端子、10…第1活物質、10a…活物質基材、10b…無機系化合物層、11…積層型電極群、12…外装部材、13…正極、14…負極、15…セパレータ、16…負極端子、17…正極端子、18…カーボン被覆層、20…第2活物質、20a…チタン酸化物またはチタン酸化合物、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、27…通電用端子、28…正極側リード、29…正極側コネクタ、30…負極側リード、31…負極側コネクタ、32…配線、33…配線、34a…プラス側配線、34b…マイナス側配線、35…配線、36…保護シート、37…収納容器、38…蓋、100…非水電解質二次電池、200…電池パック。
Claims (6)
- チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる中性もしくは酸性の活物質基材と、前記活物質基材の表面を被覆する無機系化合物層とからなる第1活物質と、
チタン酸化物またはチタン酸化合物からなる塩基性の第2活物質とを含み、
前記第1活物質および/または前記第2活物質が、表面に形成されたカーボン被覆層によって被覆されている電池用活物質。 - 前記第1活物質は、前記活物質基材がチタン酸化物からなり、前記無機系化合物層がAlまたはSiを含有する金属酸化物を含むものである、請求項1に記載の電池用活物質。
- 前記カーボン被覆層の厚みが、10〜1000nmである、請求項1または請求項2に記載の電池用活物質。
- 前記活物質基材が単斜晶系二酸化チタンの結晶構造を有するものである、請求項2に記載の電池用活物質。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の電池用活物質を含む負極と、
正極と、
非水電解質と、
を含む非水電解質電池。 - 請求項5に記載の非水電解質電池を含む電池パック。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013240090A JP2015099746A (ja) | 2013-11-20 | 2013-11-20 | 電池用活物質、非水電解質電池及び電池パック |
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