JP6383144B2 - 非水電解液二次電池用活物質、非水電解液二次電池、電池パック、および車 - Google Patents

非水電解液二次電池用活物質、非水電解液二次電池、電池パック、および車 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、非水電解液二次電池用活物質、非水電解液二次電池、電池パック、および車に関する。
近年、高エネルギー密度を有する電池として、リチウムイオン二次電池のような非水電解質電池が開発されている。この非水電解質電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車の電源として期待されており、また、携帯電話基地局の無停電電源としても期待されている。そのため、非水電解質電池は、電池としての基本特性に加え、急速充放電性能や長期信頼性のような他の特性を有することも要求されている。急速充放電が可能な非水電解質電池は、充電時間が大幅に短いという利点を有し、また、急速充放電が可能な非水電解質電池を搭載したハイブリッド自動車においては、動力性能を向上させることができ、さらに、動力の回生エネルギーを効率的に回収することが可能である。
上述の急速充放電は、電子とリチウムイオンが正極と負極の間を速やかに移動することによって可能となる。従来の非水電解質電池には、炭素質物からなる負極活物質を備えたカーボン系負極が備えられている。カーボン系負極を用いた電池においては、急速充放電を繰り返すことによって負極上に金属リチウムのデンドライトが析出することがあった。このようなデンドライトは、非水電解質電池内部において短絡を生じさせることから、万が一の場合、発熱や発火を生じさせる可能性がある。
そこで、金属リチウムのデンドライトの析出を防止するため、炭素質物に代えて、金属複合酸化物を負極活物質として用いた電池が開発されている。特に、チタン酸化物を負極活物質として用いた電池は、安定的な急速充放電が可能であり、カーボン系負極に比べて寿命も長いという特性を有する。
しかしながら、チタン酸化物は炭素質物に比べて金属リチウムに対する電位が高い(貴である)。その上、チタン酸化物は、重量あたりの電気容量が低い。このため、チタン酸化物を用いた電池は、重量エネルギー密度が低いという問題がある。
例えば、チタン酸化物の電極電位は、金属リチウム基準で約1.5Vであり、カーボン系負極の電位に比べて高い(貴である)。チタン酸化物の電位は、リチウムを電気化学的に挿入脱離する際のTi3+とTi4+との間での酸化還元反応に起因するものであるため、電気化学的に制約されている。
単位重量当たりの電気容量については、一般式:LiTi12のようなリチウムチタン複合酸化物の理論容量は175mAh/g程度である。一方、一般的な黒鉛系電極材料の理論容量は372mAh/gである。従って、チタン酸化物の容量密度は、カーボン系負極のものと比較して著しく低い。これは、チタン酸化物の結晶構造中に、リチウムを吸蔵するサイトが少ないためである。
以上に鑑みて、TiやNbを含む新たな電極材料が検討されており、そのような材料は、高い充放電容量を有すると期待されている。特に、一般式:TiNbで表されるチタンニオブ複合酸化物は、300mAh/gを超える高い理論容量を有する。
特開2010−287496号公報
C.M.Reich et.al.,FUEL CELLS No.3−4,1 pp249−255 (2001)
しかしながら、TiNbのように、1.5V vs Li/Li程度の貴な電位で作用する酸化物は表面皮膜が形成され難く、電極用活物質あるいは電極表面上での電解液の分解(すなわち、副反応)が継続し易いという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、高エネルギー密度であって、急速充放電に対しても優れた充放電サイクル性能をもたらす電池用活物質、そのような電池用活物質を含む非水電解液二次電池、そのような非水電解液二次電池を含む電池パック、および車を提供することである。
実施形態に係る電池用活物質は、ニオブ複合酸化物の表面上の少なくとも一部にリン化合物が存在してなり、前記ニオブ複合酸化物は、一般式{Li(1−y)NbNb(7+δ)}で表されるニオブ複合酸化物よりなる非水電解液二次電池用活物質であり、前記リン化合物中のリン含有量が、当該電池用活物質の全質量に対して0.37〜3.1質量%の範囲である、負極に用いる非水電解液二次電池用活物質である。
但し、上記一般式において、MはTi、Zrから選ばれる少なくとも1種であり、x、y、δは、0≦x≦6、0≦y≦1、−1≦δ≦1である。
第1実施形態の電池用活物質における、ニオブ複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。 図1に示す結晶構造を他の方向から示した模式図である。 第2実施形態に係る非水電解質電池の一例を示す断面図である。 図3中に示したA部の拡大断面図である。 第2実施形態に係る非水電解質電池の他の例を模式的に示す部分切欠斜視図である。 図5のB部の拡大断面模式図である。 第3実施形態に係る電池パックを示す分解斜視図である。 図7に示した電池パックに備えられた電気回路を示すブロック図である。 実施例1におけるニオブ複合酸化物のX線回折パターンを示すグラフである。 比較例1および実施例2における電極表面の赤外拡散反射スペクトル(900〜1200cm−1)を示すグラフである。 比較例1および実施例2における電極表面の赤外拡散反射スペクトル(1500〜1900cm−1)を示すグラフである。
以下、実施の形態に係る電池用活物質、非水電解質電池、および、電池パックついて、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る電池用活物質は、ニオブ複合酸化物の表面上の少なくとも一部にリン化合物が存在してなることを特徴とする。リン化合物は、電池用活物質の一部の表面または全部の表面に付着していればよく、電池用活物質の一部または全部の表面を被覆していてもよい。
本実施形態の電池用活物質に含まれるニオブ複合酸化物は、粒状であることが好ましく、特に、平均粒径0.01〜10μmの一次粒子として構成されることが好ましい。
また、本実施形態の電池用活物質は、ニオブ複合酸化物の一次粒子から構成される凝集粒子(二次粒子)からなることが好ましく、該凝集粒子の平均粒径は1〜100μmであることが好ましい。
ニオブ複合酸化物の一次粒子の平均粒径が0.01μm以上であれば、工業生産上、扱い易くなり、また、10μm以下であれば、ニオブ複合酸化物の固体内でリチウムイオンを円滑に拡散させることが可能である。
また、ニオブ複合酸化物の一次粒子から構成される凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が1μm以上であれば、工業生産上、扱い易くなり、100μm以下であれば、電極を作製するための塗膜を形成するにあたり、質量および厚さを均一にし易く、且つ、表面平滑性が向上する。
また、上記の二次粒子は、比表面積が5m/g以上50m/g以下であることが好ましい。比表面積が5m/g以上である場合には、リチウムイオンの吸蔵・脱離サイトを十分に確保することが可能になる。比表面積が50m/g以下である場合には、工業生産上、扱い易くなる。
本実施形態の電池用活物質をなすニオブ複合酸化物は、その結晶構造が単斜晶系に属することが好ましく、また、その空間群がC/2m、あるいはP12/m1であることが好ましい。これらの空間群を有する電池用活物質は構造安定性が高く、リチウムイオンの挿脱反応が繰り返し行われても結晶構造の崩壊が起こり難く、良好な充放電サイクル性能を示す。また、本実施形態において、ニオブ複合酸化物は、上記した非特許文献1に記載される原子座標を有する結晶構造であってもよい。
次に、ニオブ複合酸化物の基本的な結晶構造を、図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、単斜晶型ニオブ複合酸化物(TiNb)の結晶構造では、金属イオン101および酸化物イオン102が骨格構造部分103を構成している。また、金属イオン101には、NbイオンおよびTiイオンがNb:Ti=2:1の比でランダムに配置されている。この骨格構造部分103が三次元的に互い違いに配置されることで、骨格構造部分103同士の間に空隙部分104が生じる。この空隙部分104がリチウムイオンのホストとなる。
図1において、領域105および領域106は、[100]方向および[010]方向に2次元的なチャネルを有する部分である。図2に示すように、それぞれの領域において、単斜晶型TiNbの結晶構造には[001]方向に空隙部分107が存在する。この空隙部分107は、リチウムイオンの導電に有利なトンネル構造を有しており、領域105と領域106とを繋ぐ[001]方向の導電経路となる。この導電経路が存在することによって、リチウムイオンは領域105と領域106とを行き来することが可能となる。
このように、単斜晶型の結晶構造は、リチウムイオンの等価的な挿入空間が大きく、構造的に安定であり、さらに、リチウムイオンの拡散が速い2次元的なチャネルを有する領域およびそれらを繋ぐ[001]方向の導電経路が存在することにより、挿入空間へのリチウムイオンの挿入脱離性が向上するとともに、リチウムイオンの挿入脱離空間が実効的に増加する。これにより、高い容量および高いレート性能を提供することが可能である。
上記の結晶構造は、リチウムイオンが空隙部分104に挿入されたとき、骨格を構成する金属イオン101が3価に還元され、これによって結晶の電気的中性が保たれる。TiNbで表される単斜晶系酸化物は、Tiイオンが4価から3価へ還元されるだけでなく、Nbイオンが5価から3価へと還元される。このため、活物質重量あたりの還元価数が大きい。それ故、多くのリチウムイオンが挿入されても結晶の電気的中性を保つことが可能である。このため、4価カチオンだけを含む酸化チタンのような化合物に比べて、エネルギー密度が高い。TiNbで表される単斜晶系酸化物の理論容量は387mAh/g程度であり、これはスピネル構造を有するチタン酸化物の2倍以上の値である。
また、TiNbで表される単斜晶系酸化物は、1.5V(対Li/Li)程度のリチウム吸蔵電位を有する。それ故、TiNbで表される結晶構造を有する活物質を用いることにより、レート性能に優れ、安定した繰り返し急速充放電が可能で、高いエネルギー密度を有する電池を提供することが可能となる。
ニオブ複合酸化物としては、一般式M(1−y)NbNb(7+δ)で表記される物質が挙げられ、一般式M(1−y)NbNb(7+δ)におけるM、yおよびδの例としては、MはTiであり、yは0であり、δは0である。この場合、ニオブ複合酸化物の組成式は、TiNbとなる。また、別の例としては、Mは、0.9対0.1の比率のTiおよびZrであり、yは0であり、δは0である。この場合、ニオブ複合酸化物の組成式は、Ti0.9Zr0.1Nbとなる。また、別の例としては、MはTiであり、yは0.1であり、δは0.05である。この場合、ニオブ複合酸化物の組成式は、Ti0.9Nb2.17.05となる。さらに、別の例としては、MはTiおよびZrの何れかであり、yは1であり、δは0.5である。この場合、ニオブ複合酸化物の組成式は、Nb15/2、すなわちNbとなる。
さらに、ニオブ複合酸化物としては、一般式{Li(1−y)NbNb(7+δ)}(但し、上記一般式において、MはTi、Zrから選ばれる少なくとも1種であり、0≦x≦6、0≦y≦1、−1≦δ≦1である。)で表される物質が好ましく、また、単斜晶型の結晶構造を有することが好ましい。この一般式で表されるニオブ複合酸化物にはLiが0≦x≦6の範囲で含まれる。このLiは、ニオブ複合酸化物が非水電解質電池の負極活物質として用いられた際に、充放電に伴って挿入または脱離するリチウムである。
この一般式Li(1−y)NbNb(7+δ)で表されるニオブ複合酸化物は、本発明者等が鋭意検討した結果、固体酸点濃度が高いことが明らかとなってきた。非水電解質電池に用いる電解液は、電池用活物質の固体酸点で分解され易く、電池の充放電効率を低下させる要因となる。また、電解液が分解された結果、活物質表面にはフッ化リチウムや酸化リチウムのような分解生成物が堆積し、電池の抵抗を増加させる。これらは、いずれも、寿命性能や大電流性能などの電池性能を低下させる要因となる。
本発明では、ニオブ複合酸化物を含む電池用活物質において、当該電池用活物質の表面上の少なくとも一部にリン化合物を存在させることにより、固体酸点を減少させる。
本発明の効果は、電池用活物質の表面の一部にリン化合物を配することで得られるが、電池用活物質の表面の大部分あるいは全体がリン化合物で覆われた場合には、より高い効果を奏する。このような電池用活物質を採用することで、活物質と電解液との反応性が抑制され、初回充放電効率を高めることができ、また、優れた充放電サイクル性能に寄与する。
上記のリン化合物は、例えば、リン複合酸化物またはリン酸であることが好ましい。リン複合酸化物としては、リン酸化物、リンニオブ複合酸化物、リンチタン複合酸化物、リンチタンニオブ複合酸化物などを例示できる。本実施形態の電極活物質には、例示したリン化合物のうち1種または2種以上が存在していることが好ましい。
さらに、本実施形態の電池用活物質は、電池用活物質の全質量に対するリン化合物中のリン量が0.02質量%以上3質量%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。電池用活物質におけるリン濃度が0.02質量%以上とすることで、上述した固体酸点を減少させる効果が十分に得られ、電解液との副反応を低減し、高抵抗皮膜の過剰形成を抑制することができる。なお、電池用活物質の表面におけるリンの量が多い場合であっても本発明の効果は失われないが、活物質量の低下に繋がるほか、それ自体がリチウムイオンが移動する際の抵抗成分となってしまうため、上記のリン濃度は3質量%以下にすることが好ましい。
電池用活物質に含まれるリン量は、酸分解−ICP(誘導結合プラズマ:Inductively coupled plasma)発光分光法(測定装置の一例:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS−4000)によって測定することができる。
また、リンの存在状態は、活物質断面に対する電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe MicroAnalyser)やTEM−EDX((透過型電子顕微鏡:Transmission Electron Microscope)−(エネルギー分散型X線分析:Energy Dispersive X−ray))を用いて、ライン分析、あるいはマッピング像等で判定することができる。
また、本実施形態の電池用活物質の表面には、リン化合物の存在を反映するリン酸イオンが存在するため、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)によってリン酸イオンの存在を確認することが可能である。本実施形態の電池用活物質においては、リン酸イオンに由来するピークが赤外反射スペクトルの1050±30cm−1の領域に現れるので、この領域におけるピークの有無を確認すればよい。この1050±30cm−1の領域に現れるピークは、非水電解質電池に組み込む前の電池用活物質から検出可能であるのは勿論だが、非水電解質電池として使用を開始した後に、電池を分解して電池用活物質を取り出し、これを測定した場合でも確認可能である。
さらに、本実施形態の電池用活物質は、非水電解質電池の活物質として使用を開始した後に、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射スペクトルにおいて、1650±30cm−1の領域に赤外吸収ピークが現れる。この赤外吸収ピークは非水電解質電池に組み込む前の電池用活物質からは検出されないものであるので、充放電反応が進行した結果、電池用活物質の表面に生成した物質に由来するものと考えられる。リン酸化合物が表面に付着していない電池用活物質からは、1650±30cm−1の領域に赤外吸収ピークが現れない。従って、使用中もしくは使用後の非水電解質電池を分解し、電池用活物質を取り出して1650±30cm−1の領域の赤外反射スペクトルを測定することで、本実施形態に係る電池用活物質か否かを判別できる。本実施形態の電池用活物質においては、1650±30cm−1の領域に現れる赤外吸収ピークに由来するものが、電池特性に何らかのよい影響を与えているものと推測される。
ここで、上述のような測定を行うためにニオブ複合酸化物を電池から取り出す場合、例えば、以下の方法によって取り出すことができる。
まず、放電状態で電池を解体し、電極(例えば負極)を取り出してメチルエチルカーボネートで洗浄する。そして、洗浄した負極層を水中で失活し、遠心分離装置等を用いて負極層中のニオブ複合酸化物を抽出すればよい。
本実施形態における電池用活物質を負極活物質として用いる場合、単独で用いてもよいが、他の活物質とともに用いてもよい。この場合に用いる他の活物質としては、例えば、スピネル型リチウムチタン複合酸化物(LiTi12など)、アナターゼ型、ルチル型、あるいはβ型チタン複合酸化物(a−TiO、r−TiO、β−TiO、など)、鉄複合硫化物(FeS、FeSなど)を用いることができる。
また、本実施形態における電池用活物質を正極活物質として用いる場合にも、単独で用いてもよいが、他の活物質とともに用いてもよい。この場合に用いる他の活物質としても、例えば、スピネル型リチウムチタン複合酸化物(LiTi12など)、アナターゼ型、ルチル型、あるいはβ型チタン複合酸化物(a−TiO、r−TiO、β−TiO、など)、鉄複合硫化物(FeS、FeSなど)を用いることができる。
上記のように、電極中に他の活物質も含まれる場合には、以下のような方法で測定することができる。
まず、電極中から取り出した負極活物質をTEM−EDXに供し、制限視野回折法によって各々の粒子の結晶構造を特定する。そして、ニオブ複合酸化物帰属される回折パターンを有する粒子を選定し、リン含有量を測定する。このとき、EDXでリンのマッピング像を取得すれば、リンの存在領域を把握することができる。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)についても、同様の手法によって抽出したニオブ複合酸化物を測定治具に固定して測定する。例えば、以下の装置・条件により測定できる。
(a)フーリエ変換型FTIR装置:FTS−60A(BioRad Digilab 社製)
(b)光源:特殊セラミックス
(c)検出器:DTGS
(d)波数分解能:4cm−1
(e)積算回数:256回
(f)付属装置:拡散反射測定装置(PIKE Technologies 社製)、窓板 CaF
(g)リファレンス:金
(製造方法)
次に、表面にリン化合物を配したニオブ複合酸化物の製造方法について説明する。
この際、一次粒子および二次粒子の平均粒径は、熱処理の温度と時間を変化させることによって調節することができる。
本実施形態のニオブ複合酸化物の製造方法は、固相反応などにより、一般式{Li(1−y)NbNb(7+δ)}で表されるニオブ複合酸化物を得る工程と、リン化合物をニオブ複合酸化物の表面に配する工程とを含む。
まず、出発原料を混合する。この出発原料としては、Ti、NbおよびZrを任意に含む酸化物または塩を用いる。TiNbを合成する場合には、出発原料として、二酸化チタンまたは五酸化ニオブといった酸化物を用いることが出来る。出発原料として用いる塩は、水酸化物塩、炭酸塩および硝酸塩といった比較的低温で分解して酸化物を生じる塩であることが好ましく、水酸化ニオブ、水酸化ジルコニウム等が好適である。
次いで、得られた混合物を粉砕し、できるだけ均一な混合物を得る。
次いで、得られた混合物を焼成する。この焼成は、900〜1400℃の温度範囲で、延べ1〜100時間の条件で行うことができる。
次に、上述のニオブ複合酸化物をリン化合物で被覆処理することにより、リン化合物を表面に配する方法について説明する。これは、上述した方法で作製したニオブ複合酸化物に対して、リン酸含有溶液と直接接触させることにより実施でき、例えば、以下のように処理する。
まず、所定量のリン酸を純水に溶かした水溶液中に、上記方法で合成したニオブ複合酸化物を投入・攪拌する。この溶液を、例えば、80℃で乾燥して水を蒸発させることで、表面上にリン酸を付着させて配置したニオブ複合酸化物を得ることができる。
本実施形態では、リン化合物をニオブ複合酸化物の表面に配する工程において用いるリン酸含有溶液は、特に限定されないが、例えば、HPOやHPの他、ポリリン酸などを何ら制限無く用いることができる。
上記手順でリン酸が付着したニオブ複合酸化物には、再度熱処理を施すことで、P−O−Nbの結合を形成させることが好ましい。この熱処理は大気中で行えばよく、処理条件は300℃〜1000℃(好ましくは400℃〜800℃)、10分〜100時間(好ましくは1時間〜24時間)である。このような条件で再度熱処理を施すことで、より緻密で密着性に富むリン化合物を付着させることができる。
このような処理により、ニオブ複合酸化物の表面上の少なくとも一部にリン化合物を付着させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、活物質表面の副反応を効果的に抑制し、優れた充放電サイクル性能に寄与する電池用活物質を提供することができる。
なお、上述したように、本実施形態に係る電池用活物質は、負極のみならず、正極にも用いることができ、いずれに適用しても優れた充放電サイクル性能を得ることができる。すなわち、充放電サイクル性能は、活物質表面にリン化合物を配することで得られる効果であり、負極に用いても正極に用いてもその効果は変わらない。したがって、本実施形態に係る電池用活物質は正極にも負極にも用いることができ、同様な効果を得ることができる。
なお、本実施形態に係る電池用活物質を正極に用いる場合、対極としての負極の活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、またはグラファイト、コークスなどの炭素系材料を用いることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る非水電解質電池について説明する。
本実施形態に係る非水電解質電池は、正極と、上記した第1実施形態に係る電池用活物質を含む負極と、非水電解質と、を少なくとも含む。より具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間されて、例えばセパレータを介在して収納された、上記の電池用活物質を含む負極と、外装材内に充填された非水電解質とを含む。
以下、本実施形態に係る非水電解質電池の一例として、図3及び図4に示す扁平型非水電解質電池(非水電解質電池)100について説明する。図3は、扁平型非水電解質電池100の断面図模式図である。また、図4は、図3中に示すA部の拡大断面図である。なお、これら各図は本実施形態に係る非水電解質電池を説明するための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらについては、以下の説明と公知技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図3に示す非水電解質電池100は、扁平状の捲回電極群1が、外装材2内に収納されて構成されている。外装材2は、ラミネートフィルムを袋状に形成したものでもよく、金属製の容器であってもよい。また、扁平状の捲回電極群1は、外側、すなわち外装材2側から、負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。図4に示すように、最外周に位置する負極3は、負極集電体3aの内面側の片面に負極層3bが形成された構成を有する。最外周以外の部分負極3は、負極集電体3aの両面に負極層3bが形成された構成を有する。そして、本実施形態に係る扁平型非水電解質電池100においては、負極層3b中の負極活物質が、第1実施形態に係る電池用活物質を含む構成とされている。また、正極5は、正極集電体5aの両面に正極層5bが形成された構成を有する。なお、セパレータ4に代えて、後述するゲル状の非水電解質を用いてもよい。
図3に示す捲回電極群1は、その外周端近傍において、負極端子6が最外周の負極3の負極集電体3aに電気的に接続されている。正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに電気的に接続されている。これらの負極端子6および正極端子7は、袋状の外装材2の外部に延出されるか、外装材2に備えられた取り出し電極に接続される。
ラミネートフィルムからなる外装材を備えた非水電解質電池100を製造する際は、負極端子6及び正極端子7が接続された捲回電極群1を、開口部を有する袋状の外装材2に装入し、液状非水電解質を外装材2の開口部から注入し、更に、袋状の外装材2の開口部を、負極端子6および正極端子7を挟んだ状態でヒートシールすることにより、捲回電極群1および液状非水電解質が完全密封させる。
また、金属容器からなる外装材を備えた非水電解質電池100を製造する際は、負極端子6及び正極端子7が接続された捲回電極群1を、開口部を有する金属容器に装入し、液状非水電解質を外装材2の開口部から注入し、更に、金属容器に蓋体を装着して開口部を封口させる。
負極端子6としては、例えば、リチウムに対する電位が1V以上3V以下の範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウム、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。また、負極端子6は、負極集電体3aとの接触抵抗を低減するために、負極集電体3aと同様の材料であることがより好ましい。
正極端子7としては、リチウムに対する電位が3〜4.25Vの範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子7は、正極集電体5aとの接触抵抗を低減するために、正極集電体5aと同様の材料であることが好ましい。
以下、非水電解質電池100の構成部材である外装材2、負極3、正極5、セパレー4タおよび非水電解質について詳細に説明する。
(1)外装材
外装材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルムから形成されたものか、あるいは、肉厚1.0mm以下の金属製容器が用いられる。
このような外装材2の形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、およびボタン型から適宜選択できる。
このような外装材2の例には、電池寸法に応じて、例えば、携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装材などが含まれる。
また、ラミネートフィルムからなる外装材2を用いる場合は、樹脂層間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。この場合の金属層には、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔を採用することが好ましい。また、樹脂層としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装材の形状に成形することができる。
金属製容器からなる外装材2を用いる場合には、アルミニウムまたはアルミニウム合金等から作製されたものが用いられる。このようなアルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。また、アルミニウム合金中に、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が含まれる場合、その量を100質量ppm以下に抑制することが好ましい。また、金属製容器からなる外装材2を用いる場合、肉厚が0.5mm以下のものを用いることがより好ましい。
(2)負極
負極3は、負極集電体3aと、この負極集電体3aの片面または両面に形成され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極層3bとを備える。
負極活物質としては、上述した第1実施形態に係る電池用活物質が用いられる。
このような負極活物質を含む負極層3bが備えられた負極3を組み込んだ非水電解質電池100は、大電流特性と優れた充放電サイクル性能を有する。
導電剤は、負極活物質の集電性能を高め、負極活物質と負極集電体との接触抵抗を抑える。このような導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛などを含むものが挙げられる。
結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋めて、負極活物質と導電剤を結着させ、また、負極活物質と負極集電体とを結着させる。このような結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などを含むものが挙げられる。
負極層3b中の負極活物質、導電剤および結着剤は、それぞれ、68質量%以上96質量%以下、2質量%以上30質量%以下、および、2質量%以上30質量%以下の割合で配合することが好ましい。また、負極活物質、導電剤および結着剤をそれぞれ、70質量%以上96質量%以下、2質量%以上28質量%以下、および、2質量%以上28質量%以下の割合で配合することがより好ましい。
導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極層3bの集電性能を向上させ、非水電解質電池100の大電流特性を向上させることができる。
また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極層3bと負極集電体3aの結着性を高め、サイクル特性を向上させることができる。
一方、導電剤および結着剤は、それぞれ28質量%以下にすることが、高容量化を図る観点から好ましい。
負極集電体3aは、1Vよりも貴である電位範囲において電気化学的に安定であるアルミニウム箔、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であること好ましく、その厚さは好ましくは8〜25μm、より好ましくは5〜20μmがよい。また、負極集電体3aとしては、上記の他、ステンレス箔、チタン箔等、銅箔、ニッケル箔などを用いることも可能であるが、例えば、負極電位が金属リチウムに対して0.3Vよりも貴となり得る場合や、負極活物質としてリチウムチタン酸化物を使用する場合には、上記のアルミニウム箔やアルミニウム合金箔を用いることが、電池重量を抑えることができるため好ましい。
上記のアルミニウム箔を負極集電体3aとして用いる場合には、アルミニウム箔の純度が99%以上であることが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を負極集電体3aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
負極3は、例えば、負極活物質、導電剤および結着剤を、汎用の溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体3aに塗布した後に乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。また、負極3は、負極活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して負極層3bとし、これを負極集電体3a上に配置、形成することによって作製されてもよい。
(3)正極
正極5は、正極集電体5aと、この正極集電体5aの片面または両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極層5bとを備える。正極活物質としては、例えば、酸化物、硫化物、ポリマー等を用いることができる。
正極活物質に用いる酸化物としては、例えば、リチウムを吸蔵した二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケルおよびリチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMnまたはLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1−yCo)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LiMnCo1−y)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LiFePO、LiFe1−yMnPO、LiCoPO)、硫酸鉄(Fe(SO)、またはバナジウム酸化物(例えばV)を用いることができる。なお、上記のxおよびyは、0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
正極活物質に用いるポリマーとしては、例えば、ポリアニリンやポリピロールのような導電性ポリマー材料、またはジスルフィド系ポリマー材料を用いることができる。
また、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も、正極活物質として挙げることができる。
上記の中でも好ましい正極活物質としては、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−yCo)、スピネル構造のリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2−yNi)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LiMnCo1−y)、およびリチウムリン酸鉄(LiFePO)などがあげられる。なお、上記のxおよびyは、0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
上記中でも、さらに好ましい正極活物質は、リチウムコバルト複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物である。これらの正極活物質は、イオン伝導性が高いため、前述した負極活物質との組み合わせにおいて、正極活物質中のリチウムイオンの拡散が律速段階になり難い。このため、上記組成物を含む正極活物質は、負極活物質中のリチウムチタン複合酸化物との適合性に優れる。
また、非水電解質として常温溶融塩を用いる場合には、リチウムリン酸鉄、LiVPOF、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物を用いることがサイクル寿命の観点から好ましい。これは、正極活物質と常温溶融塩との反応性が少なくなるためである。
導電剤は、正極活物質の集電性能を高めて、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑える。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、人工黒鉛、天然黒鉛、導電性ポリマー等を含むものが挙げられる。
結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、正極活物質と導電剤を結着させ、また、正極活物質と正極集電体とを結着させる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを含むものが挙げられる。また、結着剤としては、上記材料に関し、少なくとも1つを他の置換基で置換した変性PVdF、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体等を用いることができる。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)などが使用できる。
正極層5bにおいて、正極活物質及び結着剤はそれぞれ80重量%以上98重量%以下、2重量%以上20重量%以下の割合で配合することが好ましい。結着剤は、2重量%以上の量にすることにより十分な電極強度が得られる。また、20重量%以下にすることにより電極の絶縁体の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
また、正極層5b中に導電剤を添加する場合は、正極活物質、導電剤および結着剤をそれぞれ、77重量%以上95重量%以下、2重量%以上20重量%以下、及び3重量%以上15重量%以下の割合で配合することが好ましく、80質量%以上95質量%以下、3質量%以上18質量%以下、2質量%以上17質量%以下の割合で配合することがより好ましい。
導電剤を、3質量%以上の含有量とすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤は、18質量%以下の含有量とすることにより、高温保存下における導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。
正極集電体5aとしては、例えば、厚さ8〜25μmのアルミニウム箔、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。また、正極集電体5aとして、ステンレス箔、チタン箔等を用いることも可能である。
上記のアルミニウム箔を正極集電体5aに用いる場合には、アルミニウム箔の純度が99%以上であることが好ましい。
また、上記のアルミニウム合金箔を正極集電体5aに用いる場合には、Fe、Cuなどの遷移金属の含有量を1%質量以下に抑制することが好ましい。
正極5は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を用い、汎用の溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを正極集電体5aに塗布した後に乾燥させ、その後、プレスを施す方法によって作製できる。また、正極5は、正極活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して正極層5bとし、これを正極集電体5a上に配置、形成することによって作製してもよい。
(4)非水電解質
非水電解質は、例えば溶質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質や、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質を用いることができる。
液状非水電解質は、溶質を0.5mol/L以上2.5mol/L以下の濃度で有機溶媒に溶解して得られたものが好ましい。
溶質の例としては、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]、[LiN(C25SO22]、[Li(CF3SO23C]、LiB[(OCO)22などから選ばれる一種以上のリチウム塩が好ましい。これらリチウム塩を、0.5〜2mol/Lの範囲内の濃度で有機溶媒に溶解して有機電解液とする。
溶質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPFが最も好ましい。
有機溶媒の例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)のような鎖状エーテル;またはγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独または混合溶媒の形態で用いることができる。
上記の中でも、好ましい有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む混合溶媒が挙げられる。これらの混合溶媒を用いることにより、高温特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。
ゲル状非水電解質を構成する高分子材料の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)を含むものが挙げられる。
また、非水電解質としては、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)を用いることも可能である。例えば、リチウムイオンと有機物カチオンとアニオンから構成されるイオン性融体であって、100℃以下、好ましくは室温以下においても液状であるものを選択すると、動作温度の広い非水電解質電池を得ることができる。
(5)セパレータ
セパレータ4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または合成樹脂製不織布を用いることができる。セパレータ4に好適に用いられる多孔質フィルムとしては、ポリエチレンまたはポリプロピレン、または両者から作られたものが挙げられる。このような材料からなるセパレータ4は、電池温度が上昇して一定温度に達した場合に溶融することで、細孔を閉塞して充放電電流を大幅に減衰させるシャットダウン機能を付加しやすく、非水電解質電池の安全性を向上できるため、好ましい。
また、コスト低減の観点からは、セルロース系材料からなるセパレータ4を用いてもよい。
第2実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図3および図4に示す構成のものに限らず、例えば、図5および図6に示す構成の電池であってもよい。図5は、第2実施形態に係る別の扁平型非水電解質電池(非水電解質電池)を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図6は図5のB部の拡大断面図である。
図5および図6に示す非水電解質電池は、積層型電極群11が外装部材12内に収納されて構成されている。積層型電極群11は、図6に示すように正極13と負極14とをその間にセパレータ15を介在させながら交互に積層した構造を有する。
正極13は複数枚存在し、それぞれが正極集電体13aと、正極集電体13aの両面に担持された正極層13bとを備える。正極層13bには正極活物質が含有される。
負極14は複数枚存在し、それぞれが負極集電体14aと、負極集電体14aの両面に担持された負極層14bとを備える。負極層14bには負極活物質が含有される。この負極活物質には、第1の実施形態の電池用活物質が含まれる。各負極14の負極集電体14aは、一辺が負極14から突出している。突出した負極集電体14aは、帯状の負極端子16に電気的に接続されている。帯状の負極端子16の先端は、外装部材12から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極13の正極集電体13aは、負極集電体14aの突出辺と反対側に位置する辺が正極13から突出している。正極13から突出した正極集電体13aは、帯状の正極端子17に電気的に接続されている。帯状の正極端子17の先端は、負極端子16とは反対側に位置し、外装部材12の辺から外部に引き出されている。
図5および図6に示す非水電解質電池を構成する各部材の材質、配合比、寸法等は、図3及び4において説明した非水電解質電池100の各構成部材と同様の構成である。
以上、説明したような本実施形態によれば、優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池を提供することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る電池パックについて詳細に説明する。
本実施形態に係る電池パックは、上記第2実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を少なくとも一以上有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、あるいは、直列と並列に接続して配置される。
図7および図8を参照して、本実施形態に係る電池パック200を具体的に説明する。図7に示す電池パック200においては、単電池21として、図3に示す扁平型非水電解液電池100を使用している。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6および正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することによって組電池23を構成している。これらの単電池21は、図7および図8に示すように、互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6および正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。図7に示すように、プリント配線基板24には、サーミスタ25(図8を参照)、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には、組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端は、プリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29、31は、プリント配線基板24に形成された配線32、33(図6を参照)を通じて保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出するために用いられ、図7においては図示を省略しているが、単電池21の近傍に設けられるとともに、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。ここで、上記の所定の条件とは、例えば、サーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。さらに、所定の条件とは、単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。このような過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。なお、個々の単電池21における過充電等を検出する場合には、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図7および図8の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
図7に示すように、正極端子7および負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24とともに、収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の保護シート36とは反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には、粘着テープ22に代えて熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
ここで、図7、図8においては、単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには、単電池21を並列に接続しても、または、直列接続と並列接続とを組み合わせた構成としてもよい。また、組み上がった電池パックを、さらに直列、並列に接続することも可能である。
以上説明した本実施形態によれば、上記第2実施形態における優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池を備えることにより、優れた充放電サイクル性能を有する電池パックを提供することができる。
なお、電池パックの態様は用途により適宜変更される。本実施形態に係る電池パックの用途としては、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性を示すことが要求されるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、高温特性の優れた非水電解質電池を用いた電池パックは、車載用に好適に用いられる。
次に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、本実施例によってその範囲が制限されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[実施例1、2、比較例1]
<ニオブ複合酸化物の合成>
まず、アナターゼ構造の二酸化チタン(TiO)と五酸化ニオブ(Nb)とを混合し、1100℃で24時間焼成して、組成式TiNbのニオブ複合酸化物を得た。
この際、後述する広角X線回折法により、得られた物質が組成式TiNbで表されるニオブ複合酸化物であることを確認した。
次に、組成式TiNbのニオブ複合酸化物150gとポリエチレングリコール5gとを、純水150gを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径0.6μmの一次粒子からなる、平均粒径が約10μmの造粒体(二次粒子)を得た。その後、得られた造粒体を大気中で900℃にて3時間焼成してサンプルA1を得た。これを比較例1とした。
次に、100gの純水にリン酸3gを投入・溶解した水溶液中に、サンプルA1(100g)を投入し、攪拌しながら80℃の乾燥機中に放置して水分を蒸発させてサンプルA2を得た。これを実施例とした。
次いで、サンプルA2に、大気中で400℃、3時間の熱処理を施してサンプルA3を得た。これを実施例2とした。
<広角X線回折法>
上記手順で得られたニオブ複合酸化物(実施例1、2、比較例1)を、直径25mmの標準ガラスホルダーに詰め、広角X線回折法による測定を行った。この測定で得られた図9に示すX線回折パターンから、ニオブ複合酸化物を構成する主物質がJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards):39−1407に帰属される組成式TiNbで表され、空間群C/2mに属する単斜晶系ニオブ複合酸化物であることが確認された。
以下に、本測定に使用した装置および条件を示す。
(1) X線発生装置理学電機社製 RU−200R(回転対陰極型)
X線源 : CuKα線
湾曲結晶モノクロメータ(グラファイト)使用
出力 : 50kV、200mA
(2) ゴニオメータ理学電機社製 2155S2 型
スリット系: 1°−1°−0.15mm−0.45mm
検出器 : シンチレーションカウンター
(3) 計数記録装置理学電機社製 RINT1400 型
(4) スキャン方式 2θ/θ連続スキャン
(5) 定性分析
測定範囲(2θ) 5〜100°
スキャン速度 2°/分
ステップ幅(2θ) 0.02°。
<リン含有量>
上記手順で得られた実施例1、2、比較例1のニオブ複合酸化物の表面におけるリン含有量は、酸分解−ICP発光分光法(測定装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 SPS−4000)によって測定した。
また、実施例1、2、比較例1のニオブ複合酸化物の表面におけるリンの分布状態は、凝集粒子の断面TEM−EDX分析を行い、マッピング像を取得することによって確認した。
<電極の作製>
各工程で得られたニオブ複合酸化物(実施例1、2、比較例1)の粉末90質量%、導電剤としてのアセチレンブラック5質量%、および、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%を、N−メチルピロリドン(NMP)に加え、混合してスラリーを調製した。次いで、このスラリーを、厚さ12μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥させた。その後、プレスすることにより、電極密度が2.8g/cmの負極を得た。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)を、1:2の体積比率で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒に、電解質であるLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させて、液状非水電解質を得た。
<ビーカーセルの製造>
上記手順で作製した電極を作用極とし、対極および参照極としてリチウム金属を用いたビーカーセルを作製し、上述の液状非水電解質を注入して実施例1、2、比較例1のビーカーセルを完成させた。
<電池性能の測定>
上記の実施例1、2、比較例1を用いて製造したビーカーセルについて、25℃の環境下において、1Cおよび1Vで3時間の定電流−定電圧放電を行った後(リチウム挿入)、1C定電流充電(リチウム放出)を3Vまで行う充放電サイクルを100回行い、初回容量に対する100回後の容量を容量維持率(%)として算出した。
その結果を下記表1に記す。
Figure 0006383144
上記手順で得られたサンプルA2(実施例1)とサンプルA3(実施例2)について、断面TEM観察を行い、ニオブ複合酸化物表面におけるリンの存在状態を確認した。この結果、サンプルA2では、ニオブ複合酸化物表面におけるリンの存在領域(表層の厚さ)が不均一であり、リン化合物が部分的に付着していた。一方、熱処理を施したサンプルA3では、リンの存在領域はニオブ複合酸化物の表層全域にわたり、厚さも均等であることが分かった。すなわち、熱処理を施すことで、リン酸が母材と反応し、Nb−O−P、あるいはTi−O−P結合を形成して、より密着性の高い皮膜(リンニオブチタン複合酸化物)が形成されたと考えられる。
また、サンプルA1、A2、A3に対して、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射測定を実施した。その結果、サンプルA2、A3に限り、FT−IRスペクトルにおける約1050cm−1にリン酸イオンに帰属されるピークの存在が確認された。図10における電極表面の赤外拡散反射スペクトル(900〜1200cm−1)に示すように、サンプルA1(比較例1)ではリン酸イオンに帰属されるピークが見られないのに対し、サンプルA3(実施例2)では、1050cm−1付近にリン酸イオンに帰属されるピークが存在することがわかる。
参考例3,4、実施例5,6]
まず、アナターゼ構造の二酸化チタン(TiO)と五酸化ニオブ(Nb)とを混合し、1100℃で24時間焼成して、組成式TiNbのニオブ複合酸化物を得た。
次いで、組成式TiNbのニオブ複合酸化物150gとポリエチレングリコール5gとを、純水150gを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径0.6μmの一次粒子からなる、平均粒径が約10μmの造粒体(二次粒子)を得た。その後、得られた造粒体を大気中で900℃にて3時間焼成した。
次いで、100gの純水にリン酸0.2gを投入・溶解した水溶液中に、上記焼成後の造粒体(100g)を投入し、攪拌しながら80℃の乾燥機中に放置して水分を蒸発させた。
次いで、乾燥後の造粒体に、大気中で400℃、3時間の熱処理を施して、参考例3のニオブ複合酸化物(電池用活物質)を得た。
そして、このニオブ複合酸化物のリン含有量を、上記実施例1、2と同様の方法で測定した。
次いで、得られたニオブ複合酸化物(電池用活物質)を用いて、上記実施例1、2と同様の条件および手順でビーカーセルを作製し、同様にして評価した
また、上記のリン酸の投入量を、1g(参考例4)、6g(実施例5)、20g(実施例6)に変更した点以外は、参考例3と同様にして電池用活物質を合成して、上記同様の方法で評価した。
結果を下記表2に示す。
Figure 0006383144
表2に示すように、リン量の増加に伴って容量維持率は高くなるが、容量が低下する。すなわち、リン化合物は充放電に寄与しないため、リン量の増加に伴い、容量は低下する。上記結果より、容量と寿命の観点から、より好ましいリン量は0.1〜1.0%であることがわかる。
[実施例7、8、比較例2]
水酸化ニオブ(Nb(OH))を1100℃で24時間焼成して、単斜晶のニオブ酸化物(M−Nb)を得た。
次いで、150gのM−Nbと、5gのポリエチレングリコールと、純水150gとを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径0.6μmの一次粒子からなる、平均粒径が約10μmの造粒体(二次粒子)を得た。その後、得られた造粒体を大気中で900℃にて3時間焼成してサンプルB1を得た。これを比較例2とした。
次いで、100gの純水にリン酸3gを投入・溶解した水溶液中に、サンプルB1(100g)を投入し、攪拌しながら80℃の乾燥機中に放置して水分を蒸発させてサンプルB2を得た。これを実施例7とした。
次いで、サンプルB2に、大気中で400℃、3時間の熱処理を施してサンプルB3を得た。これを実施例8とした。
そして、得られた実施例7、8及び比較例2について、このニオブ複合酸化物のリン含有量を、上記実施例1、2などと同様の方法で測定した。
次いで、得られた実施例及び比較例のニオブ複合酸化物(電池用活物質)を用いて、上記実施例1、2などと同様の条件および手順でビーカーセルを作製し、同様にして評価した。
結果を下記表3に示す。
Figure 0006383144
実施例1の場合と同様に、得られた物質を広角X線回折法によって測定したところ、一般式Li(1−y)NbNb(7+δ)で表され、JCPDSカード#27−1313に帰属される単斜晶系ニオブ酸化物(空間群P12/m1)であると同定された。
また、得られた実施例7と実施例8について、断面TEM観察を行い、ニオブ複合酸化物表面におけるリンの存在状態を確認した結果、実施例7では、リンの存在領域(表層の厚さ)が不均一であり、リン化合物は部分的に付着していた。一方、熱処理を施した実施例8では、リンの存在領域はニオブ複合酸化物表層全域にわたり、厚さも均等であることが分かった。これは、熱処理を施すことで、リン酸が母材と反応し、Nb−O−P結合を形成して、より密着性の高い皮膜(リンニオブ複合酸化物)が形成されたと考えられる。
また、サンプルB1、B2、B3に対して、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射測定を実施した。その結果、サンプルB2(実施例7)、B3(実施例8)に限り、FT−IRスペクトルにおける約1050cm−1にリン酸イオンに帰属されるピークの存在が確認された。
[比較例3、4、5]
<スピネル型チタン複合酸化物の合成>
炭酸リチウム(LiCO)、および、アナターゼ構造の酸化チタン(TiO)を混合し、850℃で24時間焼成して、スピネル型チタン複合酸化物(LiTi12)を合成した。
次いで、150gのLiTi12と、5gのポリエチレングリコールと、純水150gとを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径0.6μmの一次粒子からなる、平均粒径が約10μmの造粒体(二次粒子)を得た。その後、得られた造粒体を大気中で900℃にて3時間焼成してサンプルC1を得た。これを比較例3とした。
次いで、100gの純水にリン酸3gを投入・溶解した水溶液中に、サンプルC1(100g)を投入し、攪拌しながら80℃の乾燥機中に放置して水分を蒸発させてサンプルC2を得た。これを比較例4とした。
次いで、サンプルC2に、大気中で400℃、3時間の熱処理を施してサンプルC3を得た。これを比較例5とした。
そして、得られた比較例3、4、5について、このスピネル型チタン複合酸化物のリン含有量を、上記実施例1、2などと同様の方法で測定した。
次いで、得られた比較例3、4、5のスピネル型チタン複合酸化物(電池用活物質)を用いて、上記実施例1、2などと同様の条件および手順でビーカーセルを作製し、同様にして評価した。
結果を下記表4に示す。
Figure 0006383144
実施例1の場合と同様に、得られた物質を広角X線回折法によって測定したところ、一般式LiTi12で表され、JCPDSカード#49―0207に帰属される立方晶系スピネル型チタン複合酸化物(空間群Fd3m)であると同定された。
また、得られた比較例4と比較例5について、断面TEM観察を行い、スピネル型チタン複合酸化物表面におけるリンの存在状態を確認した結果、比較例4では、リンの存在領域(表層の厚さ)が不均一であり、リン化合物は部分的に付着していた。一方、熱処理を施した比較例5では、リンの存在領域はスピネル型チタン複合酸化物表層全域にわたり、厚さも均等であることが分かった。
また、サンプルC1、C2、C3に対して、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射測定を実施した。その結果、サンプルC2(比較例4)、サンプルC3(比較例5)に限り、FT−IRスペクトルにおける約1050cm−1にリン酸イオンに帰属されるピークの存在が確認された。
比較例3、4、5では、本発明の実施形態に係るニオブ複合酸化物と同様の手法をチタン複合酸化物に適用したが、表4に示すように、これら各比較例は容量が低い結果となり、ニオブ複合酸化物用いた場合と同様の効果は確認できなかった。
[実施例11、12、比較例6]
原料に、アナターゼ構造の二酸化チタン(TiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)と五酸化ニオブ(Nb)を用いた点以外は、実施例1と同様にして組成式Ti0.9Zr0.1Nbのニオブ複合酸化物を得た。
次いで、150gのTi0.9Zr0.1Nbと、5gのポリエチレングリコールと、純水150gとを加えて、5mmΦのジルコニアビーズボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒径0.6μmの一次粒子からなる、平均粒径が約10μmの造粒体(二次粒子)を得た。その後、得られた造粒体を大気中で900℃にて3時間焼成してサンプルD1を得た。これを比較例6とした。
次いで、100gの純水にリン酸3gを投入・溶解した水溶液中に、サンプルD1(100g)を投入し、攪拌しながら80℃の乾燥機中に放置して水分を蒸発させてサンプルD2を得た。これを実施例11とした。
次いで、サンプルD2に、大気中で400℃、3時間の熱処理を施してサンプルD3を得た。これを実施例12とした。
そして、得られた実施例11、12及び比較例6について、このニオブ複合酸化物のリン含有量を、上記実施例1、2などと同様の方法で測定した。
次いで、得られた実施例11、12及び比較例6のニオブ複合酸化物(電池用活物質)を用いて、上記実施例1、2などと同様の条件および手順でビーカーセルを作製し、同様にして評価した。
結果を下記表5に示す。
Figure 0006383144
実施例1の場合と同様に、得られた物質を広角X線回折法によって測定したところ、一般式Ti0.9Zr0.1Nbで表されるニオブ−ジルコニウム−チタン複合酸化物であると同定された。
また、得られたサンプルD2(実施例11)とサンプルD3(実施例12)について、断面TEM観察を行い、ニオブ複合酸化物表面におけるリンの存在状態を確認した結果、サンプルD2では、リンの存在領域(表層の厚さ)が不均一であり、リン化合物は部分的に付着していた。一方、熱処理を施したサンプルD3では、リンの存在領域はニオブ複合酸化物表層全域にわたり、厚さも均等であることが分かった。
また、サンプルD1、D2、D3に対して、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射測定を実施した。その結果、サンプルD2(実施例11)、D3(実施例12)に限り、FT−IRスペクトルにおける約1050cm−1にリン酸イオンに帰属されるピークの存在が確認された。
[試験後セルの確認]
活物質にサンプルA1、A3を用いた比較例1、実施例2の試験後セルを、リチウム脱離状態で分解し、電極表面のFT−IR測定を実施した。この結果、図11における電極表面の赤外拡散反射スペクトル(1500〜1900cm−1)に示すように、サンプルA3(実施例2)の活物質に確認された1050cm−1のピークが、試験後電極の状態でも確認された。また、サンプルA3では、サンプルA1(比較例1)に比べて、環状エステル電解液由来である1770cm−1、1810cm−1近傍のピークが減少しており、サンプルA3に限っては1650cm−1付近に、表面皮膜に由来するリチウムアルキルカーボネートに帰属されるピークが確認された。
以上の分析結果より、活物質表面にリン化合物を配することで、充放電初期に安定な表面皮膜が形成され、継続的に進む過度な電解液の分解反応が抑制されたと考えられる。
また、表1〜表5に示すように、他の実施例においても、1650cm−1付近に、表面皮膜に由来するリチウムアルキルカーボネートに帰属されるピークが確認された。
以上説明した実施例において、表1〜表5から明らかなように、本発明の実施形態に係るニオブ複合酸化物を含む活物質を用いた実施例1〜12は、比較例1〜6の電池に比べて、初回充放電効率が高く、寿命が長いことが示された。
一方、比較例3、4、5に示すように、スピネル型チタン複合酸化物を用いた場合には、本願のような効果は確認できなかった。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…捲回電極群、2…外装材、3…負極、4…セパレータ、5…正極、6…負極端子、7…正極端子、11…積層型電極群、12…外装部材、13…正極、14…負極、15…セパレータ、16…負極端子、17…正極端子、21…単電池、22…粘着テープ、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、27…通電用端子、28…正極側リード、29…正極側コネクタ、30…負極側リード、31…負極側コネクタ、32…配線、33…配線、34a…プラス側配線、34b…マイナス側配線、35…配線、36…保護シート、37…収納容器、38…蓋、100…非水電解質二次電池、101…金属イオン、102…酸化物イオン、103…骨格構造部分、104…空隙部分、105…領域、106…領域、107…空隙部分、200…電池パック。

Claims (13)

  1. ニオブ複合酸化物の表面上の少なくとも一部にリン化合物が存在してなり、前記ニオブ複合酸化物は、一般式{Li(1−y)NbNb(7+δ)}で表されるニオブ複合酸化物よりなる非水電解液二次電池用活物質であり、前記リン化合物中のリン含有量が、当該電池用活物質の全質量に対して0.37〜3.1質量%の範囲である、負極に用いる非水電解液二次電池用活物質。
    (但し、上記一般式において、MはTi、Zrから選ばれる少なくとも1種であり、x、y、δは、0≦x≦6、0≦y≦1、−1≦δ≦1である。)
  2. 当該電池用活物質は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射スペクトルにおいて、1050±30cm−1の領域にピークを有する請求項1に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  3. 当該電池用活物質は、充放電反応後に、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた赤外拡散反射スペクトルにおいて、1650±30cm−1の領域にピークを有する請求項1又は請求項2に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  4. 前記リン化合物が、リン複合酸化物またはリン酸である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  5. 前記ニオブ複合酸化物は、その結晶構造が空間群C2/m、またはP12/m1に属する請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  6. 前記電池用活物質は、平均粒径が0.01〜10μmの範囲の一次粒子から構成される凝集粒子であり、前記凝集粒子の平均粒径が1〜100μmの範囲である請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  7. 前記リン化合物と前記ニオブ複合酸化物とにP−O―Nb結合が形成される請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用活物質。
  8. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用活物質を含む負極と、
    正極と、
    非水電解質と、
    を備える非水電解液二次電池。
  9. 請求項記載の非水電解液二次電池を、少なくとも一以上備える電池パック。
  10. 外部機器への通電用端子と、
    保護回路と
    をさらに含む請求項に記載の電池パック。
  11. 前記非水電解液二次電池を複数具備し、前記複数の非水電解液二次電池が電気的に直列及び/又は並列に接続されている請求項又は請求項10に記載の電池パック。
  12. 請求項〜請求項11の何れか一項に記載の電池パックを搭載した車。
  13. 前記電池パックが、前記車の動力の回生エネルギーを回収するものである請求項12に記載の車。
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