JP5531301B2 - 非水電解質電池用活物質、非水電解質電池および電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、電池用活物質、非水電解質電池および電池パックに関する。
近年、単斜晶系β型構造を有するチタン酸化物(TiO2(B)と表記する)は非水電解質電池用活物質として注目されている(特許文献1〜3参照)。従来、実用されているスピネル型チタン酸リチウム(Li4Ti512)は、単位化学式あたりの挿入・脱離可能なリチウムイオンの数が3つである。このため、チタンイオン1つあたりに挿入・脱離可能なリチウムイオンの数は、3/5で、0.6が理論上の最大であった。これに対して、TiO2(B)はチタンイオン1つあたりの挿入・脱離可能なリチウムイオンの数は、最大で1.0となる。このため、理論容量が約335mAh/gと高い特性を有する。
しかしながら、TiO2(B)の実用的な電極容量は特許文献1または特許文献2に開示されているように170〜200mAh/g程度であり、理論容量に比べて著しく低い。これは、TiO2(B)の結晶構造中にLiホストとなり得るサイトが多数あるにも拘わらず、固体中のLiイオンの拡散性が低いため、実効的な可動Liイオンが少ないことに起因すると考えられる。
特開2008−34368号公報 特開2008−117625号公報 WO 2009/028553 A1
本発明は、電子伝導性を高めたTiO2(B)を含む電池用活物質、この活物質を負極活物質として含み、高容量、大電流特性および優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池、およびこの非水電解質電池を複数備えた電池パックを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、リチウムイオンが挿入・脱離される非水電解質電池に用いられる活物質であって、V,Nb,Ta,Al,GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、かつ前記少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である非水電解質電池用活物質が提供される。
本発明の第2側面によると、外装材と、前記外装材内に収納された正極と、前記外装材内に前記正極と空間的に離間して収納され活物質を含む負極と、前記外装材内に充填された非水電解質と、を具備するリチウムイオンが挿入・脱離される非水電解質電池であって
前記負極の活物質は、V,Nb,Ta,Al,GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、かつ前記少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である非水電解質電池が提供される。
本発明の第3側面によると、非水電解質電池を複数備え、各々の電池が直列、並列または直列および並列に電気的に接続される電池パックが提供される。
本発明によれば、高容量で大電流特性および優れた充放電サイクル性能に寄与する電池用活物質、高容量で大電流特性および優れた充放電サイクル性能を有する非水電解質電池、並びこの非水電解質電池を複数備えた電池パックを提供できる。
実施形態に係る扁平型非水電解質電池を示す断面図である。 図1のA部の拡大断面図である。 実施形態に係る電池パックを示す分解斜視図である。 図3の電池パックのブロック図である。 実施例1のチタン複合酸化物のX線回折パターンを示す図である。 単斜晶系β型チタン酸化物(TiO2(B))の結晶構造を示す模式図である。
以下に、本発明に係る電池用活物質、非水電解質電池および電池パックを詳細に説明する。
実施形態に係る電池用活物質は、V、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含む。少なくとも1つの元素は、例えば単斜晶系β型チタン複合酸化物のTiサイトに占有する。少なくとも1つの元素の含有量は電池活物質に対して合計で0.03重量%以上、3重量%以下である。ここで、少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下であるとは、前記元素を単独で用いる場合はそれぞれの元素の含有量が0.03重量%以上、3重量%以下であることを意味し、2種以上の元素を用いる場合はその元素の合計した含有量が0.03重量%以上、3重量%以下であることを意味する。
V、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素の合計含有量は、ICP発光分光法によって測定できる。ICP発光分光法による前記元素の含有量の測定は、例えば以下の方法で実行できる。放電状態で電池を解体し、電極(例えば負極)を取り出し、その負極層を水中で失活する。その後、負極層中のチタン複合酸化物を抽出する。抽出処理は、例えば大気中での加熱処理によって負極層中の導電剤およびバインダを除去することにより行うことができる。抽出したチタン複合酸化物を容器に測り取った後、酸融解またはアルカリ融解して測定溶液を得る。この測定溶液を測定装置(例えばエスアイアイ・ナノテクノロジー社製:SPS−1500V)でICP発光分光を行なって前記元素の含有量を測定する。
単斜晶系二酸化チタンの結晶構造をTiO2(B)と表記する。TiO2(B)で表される結晶構造は、主に空間群C2/mに属し、図6に例示されるようなトンネル構造を示す。TiO2(B)の詳細な結晶構造に関しては、R. Marchand, L. Brohan, M. Tournoux, Material Researchの文献に記載されている。
図6に示すようにTiO(B)で表される結晶構造は、チタンイオン53と酸化物イオン52が骨格構造部分51aを構成し、この骨格構造部分51aが交互に配置された構造を有する。骨格構造部分51a同士の間には空隙部分51bが形成される。この空隙部分51bは、異原子種のインターカレート(挿入)のホストサイトとなることができる。TiO(B)はまた、結晶表面にも異原子種を吸蔵放出可能なホストサイトが存在するといわれている。リチウムイオンがこれらのホストサイトに挿入・脱離することにより、TiO(B)はリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することができる。
リチウムイオンが空隙部分51bに挿入されると、骨格を構成するTi4+がTi3+へと還元され、これによって結晶の電気的中性が保たれる。TiO2(B)は化学式あたり1つのTi4+を有するため、理論上、層間に最大1つのリチウムイオンを挿入することが可能である。このため、TiO2(B))結晶構造を有する酸化チタン化合物は一般式LixTiO2 (0≦x≦1)により表わすことができる。この場合、前述の特許文献1,2に記載の二酸化チタンに比べて2倍近い理論容量の335mAh/gが得られる。
しかし、このようなTiO2(B)は絶縁体であるため、その高い容量を十分に引き出すことが困難になる。また、TiO2(B)を活物質として含む非水電解質電池は大電流特性が低下する。
このようなことから、実施形態は単斜晶系β型チタン酸化物(TiO2(B))に所定量のV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有させることによって、TiO2(B)の電子伝導性を向上できる。したがって、TiO2(B)が持つ高容量性能を十分に引き出すことができ、かつ電池に組み込んだときに大電流特性および優れた充放電サイクル性能に寄与する電池用活物質を得ることができる。
V、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素のうち、Nbが好ましい。前記元素を2種以上用いる場合には、NbとVの2種,NbとTaの2種,またはNbとVとTaの3種を用いることが好ましい。
少なくとも1つの元素の含有量を合計で0.03重量%未満にすると、TiO2(B)の電子伝導性の向上および結晶構造の安定化効果が得られ難くなる。少なくとも1つの元素の含有量が合計で3重量%を超えると、TiO2(B)に異相が現れて、電気容量および充放電サイクル性能を低下させる虞がある。より好ましい少なくとも1つの元素の含有量は、活物質対して合計で0.03〜1重量%である。
少なくとも1つの元素が含有したTiO2(B)は、1次粒子径が100nm以上1μm以下であることが好ましい。1次粒子径が100nm以上である場合には、工業生産上、扱い易くなる。1次粒子径が1μm以下である場合には、リチウムイオンをTiO2(B)の固体内に円滑に拡散させることが可能になる。
少なくとも1つの元素が含有したTiO2(B)は、比表面積が5m2/g以上50m/g以下であることが好ましい。比表面積が5m2/g以上である場合には、リチウムイオンの吸蔵・脱離サイトを十分に確保することが可能になる。比表面積が50m2/g以下である場合には、工業生産上、扱い易くなる。
次に、実施形態に係る電池用活物質の製造方法を説明する。
まず、例えばNa2Ti37、K2Ti49、Cs2Ti512のようなチタン酸アルカリ化合物に所定量のV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有させた出発原料を用意する。チタン酸カリウム(K2Ti49)は、例えばフラックス法で合成することも可能である。少なくとも1つの元素を含有したチタン酸アルカリ化合物はV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を構成元素として含む物質と、Tiを含有する物質と、Na、K、Csなどのアルカリ元素を含有する物質を所定比率で混合し、一般的な固相反応法によって合成することができる。出発原料の合成は、手法、結晶形状を問わない。
出発原料は、純水で十分に水洗してチタン酸アルカリ化合物から不純物を取り除いた後、酸処理をしてアルカリカチオンをプロトンに交換する。チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウムおよびチタン酸セシウム中のそれぞれナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンは結晶構造を崩さずにプロトンとの交換が可能である。酸処理によるプロトン交換は、例えば出発原料に濃度1Mの塩酸を加えて攪拌することによってなされる。酸処理は充分にプロトン交換が完了するまで行われることが望ましい。プロトン交換時には、溶液にアルカリ性溶液を添加してpHを調整してもよい。プロトン交換の完了後、再び純水で水洗する。
プロトン交換を行なう前に、出発原料を予めボールミルで粉砕することが好ましい。この粉砕は、円滑なプロトン交換を行うことが可能になる。粉砕条件は、100cm2の容器あたり、直径10〜15mm程度のジルコニアボールを用い、600〜1000rpmの回転速度で1〜3時間ほどジルコニアボールを回転させることにより行うことができる。1時間以下の粉砕では、出発原料が十分に粉砕されないため好ましくない。また、3時間以上の長時間の粉砕はメカノケミカル反応が進み目的生成物と異なる化合物に相分離するため好ましくない。
プロトン交換を終了した生成物を水洗・乾燥することにより、中間生成物であるプロトン交換体を得る。つづいて、プロトン交換体を加熱処理することによりV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有したTiO2(B)(最終生成物)を製造する。
好ましい加熱温度は、250℃〜500℃である。加熱温度を250℃未満にすると、結晶性が著しく低下し、電極容量、充放電効率、繰り返し特性が低下する。一方、加熱温度が500℃を超えると、アナターゼ相のような不純物相が生成され、容量が低下する虞がある。より好ましい加熱温度は、300℃〜400℃である。
実施形態に係る電池用活物質は、後述する負極のみならず、正極にも用いることができ、いずれに適用しても大電流特性を得ることができる。すなわち、大電流特性はV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有させることにより得られる効果であり、負極に用いても正極に用いてもその効果は変わらない。したがって、実施形態に係る電池用活物質は正極にも負極にも用いることができ、同様な効果を得ることができる。
実施形態に係る電池用活物質を正極に用いる場合、対極としての負極の活物質は金属リチウム、リチウム合金、またはグラファイト、コークスなどの炭素系材料を用いることができる。
次に、実施形態に係る非水電解質電池を説明する。
実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間して、例えばセパレータを介在して収納された活物質を含む負極と、外装材内に充填された非水電解質とを具備する。負極の活物質は、V、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有したTiO2(B)を含む。少なくとも1つの元素の含有量は、活物質に対して合計で0.03重量%以上、3重量%以下である。
以下、非水電解質電池の構成部材である外装材、負極、正極、セパレータおよび非水電解質について詳細に説明する。
1)外装材
外装材は、厚さ0.5mm以下のラミネートフィルムから形成される。また、外装材は厚さ1.0mm以下の金属製容器が用いられる。金属製容器は、厚さ0.5mm以下であることがより好ましい。
外装材の形状は、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等が挙げられる。外装材は、電池寸法に応じて、例えば携帯用電子機器等に積載される小型電池用外装材、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池用外装材が挙げられる。
ラミネートフィルムは、樹脂層間に金属層を介在した多層フィルムが用いられる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔が好ましい。樹脂層は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装材の形状に成形することができる。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。合金中に鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が含まれる場合、その量は100重量ppm以下にすることが好ましい。
2)負極
負極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、活物質、導電剤および結着剤を含む負極層とを備える。
活物質としては、前述したV、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である電池用活物質が用いられる。
このような活物質を含む負極層を備えた負極を組み込まれた非水電解質電池は、大電流特性および充放電サイクル性能を向上できる。
導電剤は、活物質の集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例は、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛を含む。
結着剤は、活物質と導電剤を結着できる。結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムを含む。
負極層中の活物質、導電剤および結着剤は、それぞれ70重量%以上96重量%以下、2重量%以上28重量%以下および2重量%以上28重量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2重量%未満にすると、負極層の集電性能が低下し、非水電解質電池の大電流特性が低下する虞がある。また、結着剤の量を2重量%未満にすると、負極層と集電体の結着性が低下し、サイクル特性が低下する虞がある。一方、導電剤および結着剤はそれぞれ28重量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
集電体は、1.0Vよりも貴である電位範囲において電気化学的に安定であるアルミニウム箔またはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であること好ましい。
負極は、例えば活物質、導電剤および結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布し、乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。負極はまた活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して負極層とし、これを集電体上に形成することにより作製されてもよい。
3)正極
正極は、集電体と、この集電体の片面または両面に形成され、活物質、導電剤および結着剤を含む正極層とを備える。
活物質は、例えば酸化物、ポリマー等を用いることができる。
酸化物は、例えばリチウムを吸蔵した二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケルおよびリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoy2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-y2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiy4)、オリピン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4)、硫酸鉄(Fe2(SO43)、またはバナジウム酸化物(例えばV25)を用いることができる。ここで、x、yは0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
ポリマーは、例えばポリアニリンやポリピロールのような導電性ポリマー材料、またはジスルフィド系ポリマー材料を用いることができる。イオウ(S)、フッ化カーボンもまた活物質として使用できる。
好ましい活物質は、正極電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn24)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiy4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1-y2)、またはリチウムリン酸鉄(LixFePO4)が挙げられる。ここで、x、yは0<x≦1、0≦y≦1であることが好ましい。
さらに好ましい活物質は、リチウムコバルト複合酸化物またはリチウムマンガン複合酸化物である。これらの活物質は、イオン伝導性が高いため、前述した負極活物質との組み合わせにおいて、正極活物質中のリチウムイオンの拡散が律速段階になり難い。このため、前記活物質は前記負極活物質中のリチウムチタン複合酸化物との適合性に優れる。
導電剤は、活物質の集電性能を高め、集電体との接触抵抗を抑える。導電剤の例は、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素質物を含む。
結着剤は、活物質と導電剤を結着させる。結着剤の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを含む。
正極層中の活物質、導電剤および結着剤は、それぞれ80重量%以上95重量%以下、3重量%以上18重量%以下および2重量%以上17重量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤は、3重量%以上の量にすることにより上述した効果を発揮することができる。導電剤は、18重量%以下の量にすることにより高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤は、2重量%以上の量にすることにより十分な正極強度が得られる。結着剤は、17重量%以下の量にすることにより、正極中の絶縁材料である結着剤の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
集電体は、例えばアルミニウム箔、またはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
正極は、例えば活物質、導電剤および結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布し、乾燥し、その後、プレスを施すことにより作製される。正極はまた活物質、導電剤および結着剤をペレット状に形成して負極層とし、これを集電体上に形成することにより作製されてもよい。
4)非水電解質
非水電解質は、例えば電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、または液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質が挙げられる。
液状非水電解質は、電解質を0.5M以上2.5M以下の濃度で有機溶媒に溶解することが好ましい。
電解質の例は、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミトリチウム[LiN(CF3SO22]のリチウム塩、またはこれらの混合物を含む。電解質は、高電位でも酸化し難いものであることが好ましく、LiPF6が最も好ましい。
有機溶媒の例は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトエタン(DEE)のような鎖状エーテル;またはγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)を含む。これらの有機溶媒は、単独または混合溶媒の形態で用いることができる。
高分子材料の例は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)を含む。
好ましい有機溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)および(ジエチルカーボネート(DEC))からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む混合溶媒である。
5)セパレータ
セパレータは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または合成樹脂製不織布が挙げられる。好ましい多孔質フィルムは、ポリエチレンまたはポリプロピレンから作られ、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるために安全性を向上できる。
次に、実施形態に係る非水電解質電池(例えば外装材がラミネートフィルムからなる扁平型非水電解質電池)を図1、図2を参照してより具体的に説明する。図1は、薄型非水電解質電池の断面図、図2は図1のA部の拡大断面図である。なお、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
扁平状の捲回電極群1は、2枚の樹脂層の間にアルミニウム箔を介在したラミネートフィルムからなる袋状外装材2内に収納されている。扁平状の捲回電極群1は、外側から負極3、セパレータ4、正極5、セパレータ4の順で積層した積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。最外殻の負極3は、図2に示すように負極集電体3aの内面側の片面に負極層3bを形成した構成を有する。その他の負極3は、負極集電体3aの両面に負極層3bを形成して構成されている。負極層3b中の活物質は、V、Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である。正極5は、正極集電体5aの両面に正極層3bを形成して構成されている。
捲回電極群1の外周端近傍において、負極端子6は最外殻の負極3の負極集電体3aに接続され、正極端子7は内側の正極5の正極集電体5aに接続されている。これらの負極端子6および正極端子7は、袋状外装材2の開口部から外部に延出されている。例えば液状非水電解質は、袋状外装材2の開口部から注入されている。袋状外装材2の開口部を負極端子6および正極端子7を挟んでヒートシールすることにより捲回電極群1および液状非水電解質を完全密封している。
負極端子は、例えばリチウムイオン金属に対する電位が1.0V以上3.0V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料であることが好ましい。
正極端子は、リチウムイオン金属に対する電位が3.0〜4.25Vの範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料であることが好ましい。
次に、実施形態に係る電池パックを詳細に説明する。
実施形態に係る電池パックは、前述した非水電解質電池(単電池)を複数有し、各単電池を電気的に直列、並列または直列と並列に接続して配置されている。
このような電池パックは優れたサイクル特性を有する。
すなわち、前述した実施形態に係る非水電解質電池は所定量のV,Nb、Ta、Al、GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン酸化物を含む負極を備え、単斜晶系β型チタン酸化物の高容量化を引き出しつつ、大電流特性および充放電サイクル性能を向上できる。その結果、このような電池を複数組み込んだ電池パックは充放電サイクル特性を向上できる。
次に、実施形態に係る電池パック図3および図4を参照して具体的に説明する。単電池は、図1に示す扁平型非水電解液電池が使用される。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子6および正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図4に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子6および正極端子7が延出する単電池21側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図4に示すようにサーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子6に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出するために用いられ、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図3および図4の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7および負極端子6が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
図3、図4では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続しても、または直列接続と並列接続を組み合わせてもよい。組み上がった電池パックをさらに直列、並列に接続することもできる。
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途は、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性を示すものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。特に、車載用が好適である。
前述したようにプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)からなる群のうち、少なくとも2つ以上を混合した混合溶媒、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む非水電解質を用いることによって、高温特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。このような非水電解質電池を複数有する組電池を備えた電池パックは、特に車載用に好適である。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明の主旨を超えない限り、以下に記載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、正極活物質としてリチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.82Co0.15Al0.03O2)粉末90重量%、導電剤として、アセチレンブラック5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%をN−メチルピロリドン(NMP)に加えて混合してスラリーとし、このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し後、乾燥し、プレスすることにより電極密度が3.15g/cm3の正極を作製した。
<チタン複合酸化物の作製>
まず、酸化ニオブ(Nb25)、炭酸カリウム(K2CO3)、とアナターゼ型酸化チタン(TiO2)を混合し、1000℃で24時間焼成してNbを含むK2Ti49を合成した。得られたK2Ti49をジルコニアビーズで乾式粉砕して粒度調整した後、純水で洗浄してプロトン交換前駆体とした。得られたプロトン交換前駆体を1Mの塩酸溶液中に投入し、25℃の環境下で12時間攪拌して、プロトン交換体を得た。
得られたプロトン交換体を大気中で350℃、3時間の焼成を施すことによりチタン複合酸化物を製造した。
得られたチタン複合酸化物について、以下の条件でX線回折を実施した。その結果、図5に示すX線回折パターンが得られ、チタン複合酸化物を構成する主物質がJCPDS:46−1237に帰属される単斜晶系β型チタン複合酸化物であることが確認された。
<測定方法>
試料を直径25mmの標準ガラスホルダーに詰め、広角X線回折法で測定を行った。以下に測定装置および条件を示す。
(1)X線回折装置:Bruker AXS 社製;D8 ADVANCE(封入管型)
X線源:CuKα線(Niフィルター使用)
出力 :40kV,40mA
スリット系:Div. Slit;0.3°
検出器:LynxEye(高速検出器)
(2)スキャン方式:2θ/θ連続スキャン
(3)測定範囲(2θ):5〜100°
(4)ステップ幅(2θ):0.01712°
(5)計数時間:1秒間/ステップ。
また、得られたチタン複合酸化物のNb濃度をICP発光分光法によって測定した。その結果、Nb濃度は0.11重量%であることが確認された。
<負極の作製>
得られたチタン複合酸化物粉末90重量%と、平均粒径3.4μmの黒鉛粉末5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とをN−メチルピロリドン(NMP)加えて混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した。その後、プレスすることにより電極密度が2.0g/cm3の負極を作製した。
<電極群の作製>
正極、厚さ25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極およびセパレータをこの順序で積層した後、渦巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅が30mm、厚さ1.8mmの偏平状電極群を作製した。得られた電極群をラミネートフィルムからなるパックに収納し、80℃で24時間真空乾燥を施した。ラミネートフィルムは厚さ40μmのアルミニウム箔の両面にポリプロピレン層を形成して構成され、全体の厚さが0.1mmである。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)を1:2の体積比率で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒に電解質であるLiPF6を1M溶解することにより液状非水電解質を調製した。
<非水電解質二次電池の製造>
電極群を収納したラミネートフィルムのパック内に液状非水電解質を注入した。その後、パックをヒートシールにより完全密閉し、前述した図1に示す構造を有し、幅35mm、厚さ2mm、高さが65mmの非水電解質二次電池を製造した。
(実施例2〜13、比較例1〜2)
Nb、V、Ta、Al、GaおよびInの少なくとも1つの元素を単斜晶系β型チタン複合酸化物に下記表1に示す量で含有するチタン複合酸化物を負極活物質として用いた以外、実施例1と同様な方法で14種の非水電解質二次電池を製造した。
得られた実施例1〜13、比較例1〜2の二次電池について、抵抗値を測定した後、1C充電/1C放電の充放電を繰返す充放電サイクル試験を実施した。なお、抵抗測定は1kHzの交流インピーダンスで行った。
各二次電池の抵抗値は、比較例1を基準にした比率として下記表1に示す。また、初回放電容量に対する100回目の放電容量の比率、すなわち放電維持率(%)を下記表1に示す。なお、抵抗は1kHzの交流インピーダンスを測定した。
Figure 0005531301
前記表1から明らかなように、実施例1〜13に二次電池は比較例1,2の二次電池に比べて抵抗値が小さく、優れた充放電サイクル性能を有することがわかる。特に、単斜晶系β型チタン複合酸化物にNbを含有させたチタン複合酸化物を負極活物質として用いた実施例1〜6,12,13の二次電池はより一層優れた充放電サイクル性能を有する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限られず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。また、本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
1…捲回電極群、2…外装材、3…負極、4…セパレータ、5…正極、6…負極端子、7…正極端子、21…単電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、37…収納容器。

Claims (10)

  1. リチウムイオンが挿入・脱離される非水電解質電池に用いられる活物質であって、
    V,Nb,Ta,Al,GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、かつ前記少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である非水電解質電池用活物質。
  2. 前記少なくとも1つの元素は、前記単斜晶系β型チタン複合酸化物のTiサイトを占有する請求項1記載の非水電解質電池用活物質。
  3. 外装材と、
    前記外装材内に収納された正極と、
    前記外装材内に前記正極と空間的に離間して収納され活物質を含む負極と、
    前記外装材内に充填された非水電解質と、
    を具備するリチウムイオンが挿入・脱離される非水電解質電池であって
    前記負極の活物質は、V,Nb,Ta,Al,GaおよびInの群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有した単斜晶系β型チタン複合酸化物を含み、かつ
    前記少なくとも1つの元素の含有量が合計で0.03重量%以上、3重量%以下である非水電解質電池。
  4. 前記少なくとも1つの元素は、Nb単独、またはNbとV,NbとTa,もしくはNbとVとTaの混合物である請求項3記載の非水電解質電池。
  5. 前記少なくとも1つの元素は、前記単斜晶系β型チタン複合酸化物のTiサイトを占有する請求項3記載の非水電解質電池。
  6. 前記正極は、リチウムニッケル複合酸化物またはリチウムマンガン複合酸化物を含む請求項3記載の非水電解質電池。
  7. 前記外装材は、ラミネートフィルムから形成される請求項3記載の非水電解質電池。
  8. 車両用である請求項3記載の非水電解質電池。
  9. 請求項3記載の非水電解質電池を複数備え、各々の電池が直列、並列または直列および並列に電気的に接続される電池パック。
  10. 各々の非水電解質電池の電圧が検知可能な保護回路をさらに備える請求項9記載の電池パック。
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