〔第一の実施の形態〕
以下、図面を参照して本発明の第一の実施の形態について説明する。図1乃至図15は、本実施の形態に係る箱組立装置を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による箱組立装置によって組み立てられる箱体の構成の一例を示す斜視図である。また、図2乃至図4は、それぞれ、本実施の形態による箱組立装置の構成を示す斜視図、正面図および側面図である。また、図5は、図2等に示す箱組立装置に箱体がセットされるときの箱体と箱組立装置との位置関係を示す斜視図であり、図6は、図2等に示す箱組立装置における第一のフラップ折り曲げ板および第二のフラップ折り曲げ機構の構成を示す斜視図であり、図7は、図2等に示す箱組立装置における差込部分折り曲げ機構の構成を示す斜視図である。また、図8(a)(b)乃至図15(a)(b)は、ぞれぞれ、図2等に示す箱組立装置において箱体を組み立てるときの動作の流れを説明するための説明図である。なお、図1、図5および図10において、箱体の第二のフラップにおける蓋部分と差込部分との境界を参照符号Qで示している。また、箱組立装置の構成を理解しやすくするため、箱組立装置の側面図である図4以外の図においてシリンダの描写を省略している。
まず、本実施の形態による箱組立装置100(後述)により組み立てられる箱体10の構成について図1を参照して説明する。箱体10は例えば紙等の材料から構成されており、両端部にそれぞれ設けられた開口12aを有する筒状の本体部分12と、各開口12aの縁部分である開口縁12bに設けられた一対の第一のフラップ14と、各開口縁12bに設けられた第二のフラップ16とを有している。より詳細には、各第一のフラップ14は、各開口縁12bにおける本体部分12の幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。また、各第二のフラップ16は、各開口縁12bにおける本体部分12の高さ方向の一方の端部にそれぞれ設けられている。すなわち、各第二のフラップ16は、各第一のフラップ14と交差するよう設けられており、図1に示す箱体10においては、各第一のフラップ14と各第二のフラップ16とが略90°の角度をなして交差するよう構成されている。
また、各第二のフラップ16は、箱体10の本体部分12側(すなわち、開口縁12b側)により近い位置に配置され、当該本体部分12の開口12aを塞ぐための蓋部分17と、蓋部分17よりも本体部分12からより遠い位置に配置され、箱体10が組み立てられたときに本体部分12の内側に差し込まれる差込部分18とを有している。また、各第二のフラップ16は、箱組立装置100により箱体10が組み立てられるときに、蓋部分17と差込部分18の境界(図1において二点鎖線Qで表示)に沿って折り曲げられるようになっている。このことの詳細については後述する。
次に、上述した箱体10を組み立てるための、本実施の形態による箱組立装置100の構成について図2乃至図15(a)(b)を参照して説明する。本実施の形態による箱組立装置100は、大まかには、図1に示すような状態の箱体10の一方の側の開口12aの開口縁12bに設けられた一対の第一のフラップ14および第二のフラップ16を折り曲げてこの開口12aを塞ぐようになっている。具体的には、まず第一のフラップ折り曲げ機構130により各第一のフラップ14を本体部分12に対して折り曲げ、次に、箱体10を把持部120により把持させた後、差込部分折り曲げ機構150により第二のフラップ16における差込部分18を蓋部分17に対して折り曲げ、最後に第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16を本体部分12に対して折り曲げるようになっている。なお、箱組立装置100の各構成部材が延びる方向や移動する方向等について、図2等に示すx方向、y方向、z方向を参照して説明することがある。
図2等に示すように、箱組立装置100は、箱体10を載置するための載置部110と、載置部110に載置された箱体10を把持するための把持部120とを有している。より詳細には、載置部110は、櫛歯形状を有する一対の載置部材112を有している。また、把持部120は、箱体10を側方から挟み込んで把持するための一対の把持部材122を有している。また、各載置部材112は各把持部材122に取り付けられている(図2参照)。また、各把持部材122には、当該把持部材122を図2等におけるx方向に沿って移動させるためのシリンダ129が取り付けられている(図4参照)。このため、シリンダ129を駆動させることにより、各把持部材122および各載置部材112を互いに近づく方向および離間する方向に一体的に移動させることができるようになっている。
また、各載置部材112の櫛歯形状は互いに噛み合うように形成されており、図2に示す状態から各載置部材112が互いに近づく方向に移動した場合にも、各載置部材112同士が干渉してしまわないようになっている。また、各載置部材112が上述のように構成されているため、把持部120は、各把持部材122を互いに近づける方向に移動させたときに箱体10を側方から把持することができるようになる。
また、図6等に示すように、本実施の形態の箱組立装置100は、各第一のフラップ14と交差する方向に直線的に移動することにより各第一のフラップ14を本体部分12に対して折り曲げるための、一対の板状部材である第一のフラップ折り曲げ板132を有している。また、各第一のフラップ折り曲げ板132は接続部材134に接続されている。また、各接続部材134は、当該接続部材134を図5および図6等に示すx方向に沿って移動させるためのシリンダ139に接続されている(図4参照)。このため、シリンダ139を駆動させることにより、各第一のフラップ折り曲げ板132を図5および図6等に示すx方向に移動させることができるようになっている。
また、本実施の形態による箱組立装置100においては、後述するように、第一のフラップ折り曲げ機構130と箱体10とが図5に示すような位置関係となるよう、箱体10が箱組立装置100にセットされるようになっている。このため、シリンダ139(図4参照)によって各第一のフラップ折り曲げ板132を互いに近づく方向に直線的に移動させることにより、各第一のフラップ14を箱体10の外側から内側に向かって折り曲げることができるようになっている。このように、各第一のフラップ折り曲げ板132と、各接続部材134と、シリンダ139とにより、第一のフラップ折り曲げ機構130が構成されている。
また、箱組立装置100は、各第一のフラップ折り曲げ板132の端縁(より具体的には、下端縁)に沿って第二のフラップ16を折り曲げるための第二のフラップ折り曲げ機構140を有している。より詳細には、図5および図6等に示すように、第二のフラップ折り曲げ機構140は、軸143を中心として所定の角度の範囲内において回転可能となるよう設けられた板状部材142と、第一の押出部材144とを有している。また、第一の押出部材144はシリンダ149に接続されている(図4参照)。このため、シリンダ149を駆動することにより、第一の押出部材144を板状部材142に向かって(すなわち、図6等におけるz方向に沿って)直線的に移動させることができるようになっている。また、第一の押出部材144が板状部材142に向かって移動させられると、第一の押出部材144により板状部材142が押し出されることにより軸143を中心として板状部材142が回転させられるようになっている。より具体的には、本実施の形態においては、板状部材142を図4に示す状態から略90°分だけ時計回りに回転させることができるようになっている。このようにすることで、筒状の箱体10を載置部110に載置する際には板状部材142はガイドとして機能するとともに、第二のフラップ16を本体部分12に対して折り曲げる機能も有することとなる。
また、このように板状部材142が回転させられたときに、図5に示すような位置関係で箱組立装置100にセットされた箱体10の第二のフラップ16が本体部分12に向かって折り曲げられるようになっている(図11および図12参照)。より具体的には、第二のフラップ折り曲げ機構140は、箱体10の本体部分12と、第二のフラップ16の蓋部分17との境界に沿って第二のフラップ16を箱体10の本体部分12に向かって折り曲げるようになっている。
このように、本実施の形態の箱組立装置100においては、各第一のフラップ14を折り曲げるための各第一のフラップ折り曲げ板132の端縁に沿って、第二のフラップ16を折り曲げるようになっている。つまり、各第一のフラップ折り曲げ板132は、第二のフラップ16を折り曲げる動作を補助するための部材としても機能するようになっている。このようにすることで、箱組立装置100の構成をより簡易なものとすることができるようになる。
また、箱組立装置100は、箱体10の第二のフラップ16における蓋部分17と差込部分18との境界に沿って差込部分18を折り曲げるための差込部分折り曲げ機構150を有している。より詳細には、図7等に示すように、差込部分折り曲げ機構150は、差込部分18を折り曲げるための第二の押出部材152と、第二の押出部材152により差込部分18を折り曲げるときに第二のフラップ16の蓋部分17を押さえる一対の第二のフラップ押さえ部材154とを有している。より詳細には、各第二のフラップ押さえ部材154は接続部材156に接続されているとともに、当該接続部材156はシリンダ159aに接続されている(図4参照)。このため、シリンダ159aを駆動することにより、各第二のフラップ押さえ部材154を図7等におけるx方向に沿って直線的に移動させることができるようになっている。また、後述する図10(a)(b)に示すように、第二の押出部材152により差込部分18が折り曲げられるときには、各第二のフラップ押さえ部材154は、箱体10の第二のフラップ16における、蓋部分17と差込部分18との境界部分(図5において二点鎖線Qにより表示)に、各第二のフラップ押さえ部材154の端部が位置するよう、シリンダ159aにより移動させられるようになっている。
また、第二の押出部材152はシリンダ159b(図4参照)に接続されており、当該シリンダ159bを駆動することにより、第二の押出部材152を図4等における斜め上方に向かって直線的に移動させることができるようになっている。このため、上述したような、各第二のフラップ押さえ部材154の端部が、箱体10の第二のフラップ16における、蓋部分17と差込部分18との境界部分(図5において二点鎖線Qにより表示)に位置する状態において、シリンダ159bによって第二の押出部材152を斜め上方に向かって移動させることにより、蓋部分17と差込部分18との境界部分に沿って第二のフラップ16を折り曲げることができるようになる。より具体的には、第二の押出部材152は一対のローラ153(すなわち、折り曲げ部材)を有しており、この一対のローラ153の間で差込部分18が箱体10の本体部分に向かって折り曲げられるようになっている。
なお、本実施の形態による箱組立装置100においては、差込部分18を折り曲げるための折り曲げ部材は一対のローラ153から構成されているが、このような構成に限定されることはない。一対の略球体形状の回転体が折り曲げ部材として用いられるようになっていてもよいし、一対の板状の部材や一対の棒状の部材が折り曲げ部材として用いられるようになっていてもよい。また、凹部を有する部材が折り曲げ部材として用いられるようになっていてもよい。
また、箱組立装置100は、第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16が折り曲げられるときに当該第二のフラップ16を案内する爪部材160(すなわち、案内部材)を有している。また、爪部材160は支持部材162に接続されている。また、支持部材162はシリンダ169(図4参照)に接続されており、シリンダ169を駆動することにより、爪部材160を図4等におけるy方向に沿って直線的に移動させることができるようになっている。より詳細には、爪部材160は、第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16が折り曲げられるときに、箱体10の本体部分12の内面の天井部分に接するよう配置されるようになっている。このため、後述するように、第二のフラップ16における差込部分18の近傍の部分は、第二のフラップ16が折り曲げられるときに爪部材160に接触することにより案内されるようになっている(図11乃至図13参照)。また、爪部材160により案内された第二のフラップ16の差込部分18は、箱体10の本体部分12の内側に差し込まれるようになっている。
また、箱組立装置100は、第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げられた第二のフラップ16を箱体10の本体部分12の内部に向かって押し込むための押込部170を有している。より具体的には、押込部170は、第二のフラップ16を箱体10の本体部分12の内部に向かって押し込むため一対の押込部材172を含んでいる。また、各押込部材172は、上述した支持部材162に取り付けられている(図2参照)。このため、各押込部材172を、爪部材160とともに図2等に示すy方向に一体的に移動させることにより、箱体10の第二のフラップ16を箱体10の本体部分12の内部に向かって確実に押し込むことができるようになっている。
また、図3等に示すように、箱組立装置100には、箱体10の各第一のフラップまたは第二のフラップ16が所定の箇所に位置することを検知するためのセンサ182、184が設けられている。より詳細には、各センサ182、184はそれぞれ発光素子と受光素子とを有しており、発光素子から発せられる光が受光素子により受けられるようになっている。また、各センサ182、184の光軸182a、184a(図3等参照)が箱体10により遮られたときに、各センサ182、184により箱体10の存在が検知されるようになっている。
より具体的には、図2および図4等に示すように、第一のセンサ182はx方向に延びる光軸182aを有しているとともに、当該光軸182aがy方向において第一のフラップ折り曲げ板132よりも奥側(すなわち、第一の押出部材144側)の箇所に位置するよう配置されている。このため、箱体10の各第一のフラップ14が図1等に示すy方向において各第一のフラップ折り曲げ板132よりも奥側に位置したとき、すなわち、箱組立装置100に箱体10がセットされたときに、第一のセンサ182によりこのことを検知することができるようになっている。一方、第二のセンサ184はz方向に延びる光軸184aを有しているとともに、当該光軸184aがy方向において第二の押出部材152と略同一の箇所に位置するよう配置されている。このため、第二のフラップ16が第二の押出部材152の上方に位置したときに、第二のセンサ184によりこのことを検知することができるようになっている。
次に、このような構成からなる箱組立装置100を用いて箱体10を組み立てる動作の流れについて、主に図1乃至図15を参照して説明する。なお、図8乃至図15においては、箱組立装置100の動作をより理解しやすくするため、様々な部材の描写を省略している。また、図8乃至図15において、図番に(a)が付されたものは箱体10および箱組立装置100の概略的な構成を示す上面図であり、図面に(b)が付されたものは箱体10および箱組立装置100の概略的な構成を示す側面図である。
まず、操作者は、折り畳まれた状態の箱体10(例えば、後述する図20に示す箱体10の状態を参照)を収容容器(図示せず)から取り出した後、本体部分12が筒状(すなわち、図1に示す状態)となるよう箱体10を変形させる。次に、このように変形させた箱体10を、手動により、図5および図8に示す、箱組立装置100における箱体10のセット位置にセットする。より具体的には、図8および図9に示すように、セット位置とは、第一のセンサ182の光軸182aが箱体10の第一のフラップ14により遮られることにより箱体10の存在が箱組立装置100により検知されるが、第二のセンサ184によっては箱体10の第二のフラップ16が検知されないような位置である。なお、図8乃至図10においては爪部材160等の描写が省略されているが、箱体10は、爪部材160が箱体10の本体部分12の内面の天井部分に接するよう箱組立装置100にセットされるようになっている。
そして、図8(a)に示すように、セット位置にセットされた箱体10の第一のフラップ14が第一のセンサ182により検知されると、箱組立装置100は、各第一のフラップ折り曲げ板132を互いに近づける方向に直線的に移動させることにより、各第一のフラップ14を本体部分12に対して折り曲げる(図9(a)参照)。その後、箱体10を箱組立装置100の奥側(すなわち、図8乃至図15における左側)に移動させることにより、箱体10の開口縁12bを各第一のフラップ折り曲げ板132に押し当てるようにする。このように、箱体10を図9(a)(b)に示す位置から箱組立装置100の奥側に移動させると、箱体10の第二のフラップ16が第二のセンサ184の光軸184aを遮るようになり、よって第二のセンサ184により箱体10が所定の箇所に位置していることが検知されるようになる。そして、第二のセンサ184により箱体10が所定の箇所に位置していることが検知されると、把持部120の各把持部材122が互いに近づく方向に移動させられることによって箱体10が箱組立装置100により把持されるようになる。
次に、一対の第二のフラップ押さえ部材154が互いに近づく方向に直線的に移動することにより、各第二のフラップ押さえ部材154の端縁部が、箱体10の第二のフラップ16における蓋部分17と差込部分18との境界部分(図5および図10等において二点鎖線Qで表示)に位置するようになる。また、各第二のフラップ押さえ部材154がこのような箇所に位置すると、第二の押出部材152(より具体的には、一対のローラ153)が図10(b)に示すように斜め上方に向かって移動する。このようにして、一対のローラ153のうち上側のローラにより第二のフラップ16が蓋部分17と差込部分18との境界に沿って折り曲げられるようになる(図10(a)(b)参照)。
そして、第二のフラップ16の差込部分18が箱体10の本体部分12に向かって折り曲げられると、各第二のフラップ押さえ部材154は互いに離間する方向に移動する。また、各第二のフラップ押さえ部材154が互いに離間する方向に移動すると、第二の押出部材152(具体的には、一対のローラ153のうち下側のローラ)によって第二のフラップ16の差込部分18の近傍の箇所が更に斜め上方に折り曲げられるようになる(図11(b)参照)。このように、第二のフラップ16の差込部分18の近傍の箇所が更に斜め上方に折り曲げられるときに折り曲げられた境界部分が一対のローラ153の上側のローラと下側のローラとの間に入り込むことで、第二のフラップ16の差込部分18の外側の面と、爪部材160の下面のなす角度は、90°よりも小さくなるようになる。このように、境界部分を90°よりも小さくなるよう折り曲げることで、上述した第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16を折り曲げるときに、第二のフラップ16を爪部材160の下面に沿わせながらスムーズに開口12aに挿入することができるようになる。
その後、第二のフラップ折り曲げ機構140の第一の押出部材144を上方へ移動させ(図11(b)参照)、第二のフラップ16を箱体10の本体部分12に向かって折り曲げるようにする。また、第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げられた第二のフラップ16は上述したように爪部材160に沿って案内され、図12(a)(b)に示すような状態を経て、図13(a)(b)に示す状態となるよう折り曲げられる。また、このとき、第二のフラップ16における差込部分18は、箱体10の本体部分12の内側に差し込まれるようになる。一方、第二のフラップ16の蓋部分17は、箱体10の開口12aを塞ぐような位置に位置するようになる。
なお、第二のフラップ16がこのように折り曲げられるときに、各ローラ153が斜め下方に向かって移動する(図11(b)参照)とともに、各第一のフラップ折り曲げ板132が互いに離間する方向に移動するようになっている(図12(a)参照)。また、互いに離間する方向に移動させられた各第一のフラップ折り曲げ板132は、箱体10の外側に位置するようになる。このことにより、第二のフラップ16を第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げるときに箱組立装置100の各構成部材が互いに干渉してしまうことを防止することができるようになる。
そして、図13(a)(b)に示すように第二のフラップ16が折り曲げられると、爪部材160と押込部170が図13における右方向に一体的に移動することにより、押込部170により第二のフラップ16が箱体10の本体部分12の内側に向かって更に押し込まれるようになる(図13(b)の矢印参照)。上述したように、各第一のフラップ折り曲げ板132は既に箱体10の外側に退避しているため、第二のフラップ16と各第一のフラップ折り曲げ板132とが干渉することはない。次に、爪部材160と押込部170が箱体10から離間する方向に一体的に移動する(図14(b)の矢印参照)。
その後、第二のフラップ折り曲げ機構140の第一の押出部材144を下方へ移動させることにより、軸143を中心として板状部材142を図15(b)における左下方向に回転させて、第二のフラップ折り曲げ機構140を図11(b)に示すような状態に戻すようにする。言い換えると、第二のフラップ折り曲げ機構140の板状部材142が水平方向に延びるような姿勢とする。そして、把持部120の把持部材122が互いに離間する方向に移動することにより、箱組立装置100から箱体10を取り出すことができるようになる。
このようにして、箱体10の一方の開口縁12bに設けられた各第一のフラップ14および第二のフラップ16を折り曲げる作業が完了する。そして、操作者が箱体10を箱組立装置100から取り出して、箱体10のもう一方の開口縁12bに設けられた各第一のフラップ14および第二のフラップ16を上述したように箱組立装置100を用いて折り曲げることにより、箱体10を組み立てる動作が完了する。このように、本実施の形態の箱組立装置100は、シリンダ139によって各第一のフラップ折り曲げ板132を第二のフラップ16と交差する方向に直線的に移動させて各第一のフラップ14を折り曲げるようになっているため、モータや当該モータを制御するモータドライバ等の設置を省略することができ、よって箱組立装置100の制御を簡単なものとすることができる。
ここで、従来の箱組立装置においては、略直方体形状の箱体の幅方向における本体部分の開口縁にそれぞれ対向するよう配置された側方フラップを折り曲げるために複数の回転部材を用いているため、これらの回転部材を駆動するためのモータが必要となってしまうとともに、回転部材が一回転するためのスペースやモータ収納するためのスペースを確保する必要があり、装置全体の構成が大型のものとなってしまうという問題があった。また、モータを制御するためのモータドライバ等が必要となるため、箱組立装置の制御が複雑になってしまうという問題があった。これに対し、本実施の形態による箱組立装置100は、上述したように、各第一のフラップ14と交差する方向に直線的に移動することにより各第一のフラップ14を折り曲げるための第一のフラップ折り曲げ板132を備えているため、第一のフラップ14が回転部材により折り曲げられるようになっている場合と比較して、箱組立装置100の全体の構成を簡易なものとすることができる。また、本実施の形態による箱組立装置100は、すべてシリンダによって駆動されているため、圧縮空気や油圧等で駆動させることもできる。
以上のような構成からなる本実施の形態の箱組立装置100やこの箱組立装置100を用いた箱組立方法によれば、上述したように、第一のフラップ14と交差する方向に直線的に移動することにより第一のフラップ14を折り曲げるための第一のフラップ折り曲げ板132を備えているため、第一のフラップ14が回転部材により折り曲げられるようになっている場合と比較して、箱組立装置100の全体の制御を簡単なものとすることができる。また、箱体10は、第一のフラップ14と交差するよう本体部分12の開口縁12bに設けられた開口12aを塞ぐための第二のフラップ16を更に有しており、箱組立装置100は、第一のフラップ14と交差する方向に直線的に移動させられた第一のフラップ折り曲げ板132の端縁に沿って第二のフラップ16を折り曲げるための第二のフラップ折り曲げ機構140を更に備えているため、第一のフラップ14を折り曲げた後に第一のフラップ折り曲げ板132を退避させることなく、当該第一のフラップ折り曲げ板132を利用して第二のフラップ16を折り曲げることができるようになる。これにより、特に追加の機構等を用いることなく第二のフラップ16を所定の場所で確実に折り曲げることができるため、箱組立装置100の全体の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態の箱組立装置100においては、上述したように、第二のフラップ折り曲げ機構140は、軸143を中心として所定の角度の範囲内で回転可能となるよう設けられた板状部材142と、板状部材142に向かって直線的に移動する第一の押出部材144とを有しており、第一の押出部材144が板状部材142に向かって直線的に移動させられて当該第一の押出部材144により板状部材142が押し出されることにより軸143を中心として板状部材142が回転させられると、当該板状部材142によって第二のフラップ16が折り曲げられるようになっているため、箱組立装置100の全体の構成をより簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態の箱組立装置100においては、上述したように、箱体10の第二のフラップ16は、本体部分12により近い箇所に配置され、本体部分12の開口12aを塞ぐための蓋部分17と、蓋部分17よりも本体部分12から離間した箇所に配置される差込部分18とを有しており、第二のフラップ折り曲げ機構140は、本体部分12と蓋部分17との境界に沿って第二のフラップ16を箱体10の本体部分12に向かって折り曲げるようになっている。また、箱組立装置100は、箱体10における蓋部分17と差込部分18との境界に沿って差込部分18を折り曲げるための差込部分折り曲げ機構150を更に備えており、差込部分折り曲げ機構150は、差込部分18を折り曲げるための第二の押出部材152と、第二の押出部材152により差込部分18を折り曲げるときに蓋部分17を押さえる第二のフラップ押さえ部材154とを有している。このことにより、第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16を折り曲げたときに、箱体10の第二のフラップ16を本体部分12の内側に差し込むことができるようになる。また、差込部分折り曲げ機構150の第二の押出部材152は、互いに離間するよう設けられた一対の折り曲げ部材(具体的には、一対のローラ153)を有しており、一対のローラ153の間で差込部分18が箱体10の本体部分12に向かって折り曲げられるようになっている。
また、本実施の形態の箱組立装置100は、上述したように、第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げられた第二のフラップ16を箱体10の本体部分12の内部に向かって更に押し込むための押込部170を更に備えているため、箱体10をより確実に組み立てることができるようになる。また、第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げられる第二のフラップ16を案内する案内部材(具体的には、爪部材160)を更に備えている。また、爪部材160は、第二のフラップ折り曲げ機構140により第二のフラップ16が折り曲げられるときに箱体10の本体部分12の内面に接するよう配置されるようになっている。また、箱組立装置100は、当該箱組立装置100により組み立てられる箱体10を把持するための把持手段(具体的には、把持部120)を更に備えている。
〔第二の実施の形態〕
図16および図17は、本実施の第二の形態による箱組立装置の構成を示す斜視図および正面図である。なお、図16および図17において、上述した本実施の第一の形態による箱組立装置と略同一の構成部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、図16および図17においては、載置部110、把持部120およびシリンダ等の描写を省略している。
図16および図17に示す箱組立装置100aにおいては、案内部材(具体的には、爪部材160)および押込部170は、図16および図17におけるy方向に一体的に移動可能であることに加えて、z方向にも一体的に移動することができるようになっている。より詳細には、爪部材160および押込部170がy方向に沿って一体的に移動するときには、箱組立装置100の説明において上述したようなシリンダによって移動させられるようになっている。一方、爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動するときには、例えばネジを手動で回すことにより、爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動させるようになっている。このことにより、高さ(すなわち、z方向における長さ)の異なる箱体であっても、箱組立装置100aにより組み立てるときに、爪部材160により箱体の第二のフラップを案内することができるようになる。また、押込部170により、第二のフラップ折り曲げ機構140によって折り曲げられた第二のフラップを箱体の本体部分に向かって押し込むことができるようになる。
また、箱組立装置100aは、y方向における、各第一のフラップ折り曲げ板132aと各第二のフラップ押さえ部材154との間の距離を変更することができるようになっている。より詳細には、各第一のフラップ折り曲げ板132aと接続される接続部材134aは、図16および図17におけるx方向に移動可能であることに加えて、y方向にも一体的に移動することができるようになっている。より具体的には、各第一のフラップ折り曲げ板132aがx方向に沿って移動するときには、箱組立装置100の説明において上述したようなシリンダによって移動させられるようになっている。一方、各第一のフラップ折り曲げ板132aがy方向に沿って移動するときには、例えばネジを手動で回すことにより、各第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って一体的に移動させるようになっている。このため、適切な位置で箱体の第二のフラップを折り曲げることができるようになる。より具体的には、箱体の高さが大きくなった場合には、第二のフラップの蓋部分と差込部分との境界が、箱体の本体部分からより遠い位置に移動するようになるが、上述したようにy方向における各第一のフラップ折り曲げ板132aと各第二のフラップ押さえ部材154との間の距離が変更できるようになっている場合には、各第二のフラップ押さえ部材154が、第二のフラップにおける箱体の本体部分からより離間した適切な位置を押さえることができるようになる。なお、各第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って移動可能とする代わりに、各第二のフラップ押さえ部材154をy方向に沿って移動できるようにしてもよい。
また、本実施の形態の箱組立装置100aにおいては、上述したように、爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動させるとき、あるいは、各第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って移動させるときには、例えばネジを手動で回すようになっている。より具体的には、爪部材160および押込部170のz方向における位置ならびに第一のフラップ折り曲げ板132aのy方向における位置は、箱組立装置100aにより組み立てられる箱体の大きさが変更されたときにのみ変更するものであるため、これらの部材の位置を頻繁に変更する必要はない。このため、シリンダ、モータやモータドライバ等の設置を省略することができ、よって箱組立装置100aをより簡易なものとすることができるようになっている。
このような箱組立装置100aによっても、第一のフラップ14と交差する方向に直線的に移動することにより第一のフラップ14を折り曲げるための第一のフラップ折り曲げ板132aを備えているため、第一のフラップ14が回転部材により折り曲げられるようになっている場合と比較して、箱組立装置100aの全体の構成を簡易なものとすることができる。
以上のような構成からなる箱組立装置100aにより箱体を組み立てるときの動作については、上述した箱組立装置100と略同一であるため説明を省略する。
なお、爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動させるための構成や、各第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って移動させるための構成は、上述したようなものに限定されることはない。例えば、モータ等の駆動機構により爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動させるようになっていてもよいし、各第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って移動させるようになっていてもよい。また、シリンダ(図示せず)を追加的に設けることにより、爪部材160および押込部170をz方向に沿って一体的に移動させるようになっていてもよいし、第一のフラップ折り曲げ板132aをy方向に沿って移動させるようになっていてもよい。
また、モータやシリンダ等の、手動以外の構成により、爪部材160および押込部170あるいは各第一のフラップ折り曲げ板132aが直線的に移動させられるようになっている場合には、以下のような構成としてもよい。例えば、組み立てられるべき箱体の寸法をタッチパネル等の操作部(図示せず)によって指定(入力)することにより、爪部材160および押込部170ならびに各第一のフラップ折り曲げ板132aの位置が自動的に調整されるようになっていてもよい。あるいは、箱組立装置100aがロボット(図示せず)等とともに用いられる場合には、このロボット等に設けられたカメラ等の撮像部により撮像された箱体の画像に基づいて、爪部材160および押込部170ならびに各第一のフラップ折り曲げ板132aの位置が自動的に調整されるようになっていてもよい。
〔第3の実施の形態〕
図18乃至図20は、図2等および図16等に示す箱組立装置を用いて箱体を組み立てるためのロボットハンドやこのロボットハンドにより取り出されるべき箱体の収納装置の構成を示す図である。このうち、図18は、図2等や図16等に示す箱組立装置を用いて箱体を組み立てるためのロボットハンドの概略的な構成を示す正面図であり、図19は、図18に示すロボットハンドにより取り出される箱体を収納するための収納装置の構成を示す斜視図であり、図20(a)(b)は、それぞれ、図19に示す収納装置から箱体が取り出されたことを検知するためのセンサの構成を説明するための説明図である。
図18は、図2等や図16等に示す箱組立装置100、100aを用いて箱体(例えば、箱体10)を組み立てるためのロボットアーム200および当該ロボットアーム200に取り付けられたロボットハンド210の構成を概略的に示す正面図である。より詳細には、ロボットアーム200は複数の関節部分(図示せず)を有しており、ロボットハンド210の姿勢を変更することができるようになっている。また、ロボットハンド210は複数の棒状部材212を有しており、各棒状部材212の間隔を変更することにより、対象物(例えば、箱体10)を把持したり、離したりすることができるようになっている。また、各棒状部材212の先端には対象物を吸着することができる吸着パッド212aが設けられている。このようなロボットハンド210における各棒状部材212の間隔の変更や、各吸着パッド212aにより対象物を吸着するか否かの制御は、ロボットアーム200が取り付けられるロボット(図示せず)の制御部により行われるようになっている。また、このロボットハンド210を、例えば2つのロボットアーム200を有する双腕ロボット(図示せず)にそれぞれ取り付けることにより、折り畳まれた箱体10を筒状となるよう変形させることができる。より詳細には、まず、一方のロボットハンド210に設けられた吸着パッド212aによって箱体10の一方の面を吸着して持ち上げた後に、もう一方のロボットハンド210に設けられた吸着パッド212aによって、箱体10の他の面(例えば、一方のロボットハンド210の吸着パッド212aにより吸着されている面と対向する面)を吸着する。そして、それぞれのロボットハンド210を離間させる方向に動かす動作を含む所定の動作を行うことにより、箱体10を筒状に変形させる。このようなロボットハンド210により取り出されるべき箱体(例えば、箱体10)が収納される収納装置300について、図19および図20を参照して説明する。
図19に示すように、収納装置300は、所定の距離だけ離した状態で設置される一対の板状部材310と、各板状部材310に対向するよう配置されるステージ320と、ステージ320の高さ(すなわち、図19の上下方向における位置)を調整するためのステージ高さ調整機構330と、センサ340とを有している。また、ステージ320と、各板状部材310との間には、折り畳まれた状態の箱体10を収納するための収納領域が形成されている。より詳細には、収納領域においては、箱体10がステージ320の上に積み重ねられるように収納されるようになっている。また、各板状部材310の間には開口310aが形成されており、ロボットハンド210は各板状部材310の上方から開口310aを介して箱体10を吸着することができるようになっている。
また、ステージ高さ調整機構330は、ステージ320に接続された接続部材332と、トルクリミッタ334と、接続部材332およびトルクリミッタ334に掛け渡されたベルト336と、モータ338とを有している。より詳細には、モータ338が正転方向に回転すると、トルクリミッタ334、ベルト336を介して接続部材332に動力が伝達されるようになっており、当該接続部材332およびステージ320が一体的に上方に移動するようになっている。また、収納装置300においては、ステージ320の上に積み重ねられた箱体10は、ステージ320と一体的に各板状部材310に向かって押し付けられるようになっている。このように、折り畳まれた状態の箱体10がステージ320と各板状部材310との間に挟みこまれるように収納されるようになっていることにより、収納装置300に収納される各箱体10の収納状態を略均一なものとすることができるようになる。より具体的には、折り畳まれた状態の箱体10は、折り畳まれ具合により各々の厚みが異なることがあり、各箱体10を挟み込むように収納しない場合には、ロボットハンド210により箱体10を取り出す際に当該箱体10を取り出す位置がバラついてしまうという問題がある。これに対し、図19および図20に示す収納装置300によれば、上述したように各箱体10を挟み込むように収納するようになっているため、ロボットハンド210により箱体10を取り出す際に当該箱体10の位置がバラついてしまうことを防止することができ、よってこのような問題を解決することができる。
また、ステージ320またはステージ320の上の箱体10に、所定の大きさの力よりも大きい、図19における下向きの力が加えられると、トルクリミッタ334において接続が切断されることにより、モータ338の駆動力がステージ320に伝わらなくなる。このため、ステージ320が各板状部材310から離間する方向(すなわち、図19における下方向)に移動するようになっている。その後、モータ338の駆動が停止させられることによりステージ320も停止し、箱体10は横方向に取り出される。また、ロボットハンド210は、上方から各板状部材310の間の開口310aを介して箱体10を吸着するときに、上記の所定の大きさの力よりも大きい、図19における下向きの力を、ステージ320またはステージ320の上の箱体10に加えるようになっている。このことにより、ロボットハンド210によって収納装置300から箱体10を取り出す際にステージ320は下降するようになっており、ロボットハンド210はこの下降した位置にあるステージ320の上に載置されている箱体10を傷つけることなく横方向に取り出すことができるようになる。より具体的には、各箱体10が各板状部材310に向かって押し付けられているときに箱体10を収納領域から引き抜こうとすると、各板状部材310等により箱体10が傷つけられてしまう恐れがあるという問題がある。これに対し、図19および図20に示すような収納装置300によれば、箱体10を取り出すときには箱体10は各板状部材310に向かって押し付けられてはいないため、このような問題を解決することができる。
なお、トルクリミッタ334は、箱体10の枚数によらず、一定の力で箱体10を各板状部材310に向かって押さえつける(すなわち、収納装置300に収納される各箱体10の収納状態を略均一なものとする)機能も有している。より詳細には、トルクリミッタ等を使用せずに、一定の力で箱体10を各板状部材310に向かって押さえつけようとする場合には、箱体10の枚数に応じて、図19の上下方向におけるステージ320の停止位置を制御するというような、複雑な制御を行う必要がある。これに対し、収納装置300は、トルクリミッタ334を使用することにより、このような複雑な制御を不要なものとすることができるようになっている。より具体的には、モータ338が回転してステージ320を上昇させているときに、ステージ320の上の箱体10が各板状部材310に接触すると、ステージ320およびステージ320の上の箱体10には、各板状部材310により図19における下向きの力(反作用)が加えられるようになる。上述したように、ステージ320またはステージ320の上の箱体10に、所定の大きさの力よりも大きい、図19における下向きの力が加えられると、トルクリミッタ334において接続が切断されることにより、モータ338の駆動力がステージ320に伝わらなくなる。すなわち、収納装置300においては、各板状部材310により箱体10に対して所定の大きさの反作用が加えられたときにステージ320の上昇が停止するようになっているため、箱体10の枚数によらず、一定の力で各箱体10を押さえる事ができるようになる。
また、収納装置300においては、モータ338は、所定の時間の間だけ駆動させられた後に、停止させられるようになっている。より詳細には、モータ338は、ステージ320が最大ストローク分だけ動くのにかかる時間(具体的には、各板状部材310に接触した状態から、当該板状部材310から最も離れた箇所に移動するまでにかかる時間)に所定の長さの時間を加えた分の時間だけ、駆動されるようになっている。このようにすることで、ステージ320の上の箱体10の枚数によってモータ338の駆動時間を制御するような、複雑な制御を不要なものとすることができる。
また、各板状部材310から離間する方向に下降したステージ320は、一方の板状部材310に設けられたセンサ340により収納装置300から箱体10が取り出されたことが検知されると、モータ338が駆動されることにより各板状部材310に向かって上昇させられるようになっている。また、ステージ320が各板状部材310に向かって上昇したときに、各箱体10はステージ320と各板状部材310との間に挟まれた状態で収納されるようになる。
また、図19に示すように、一対の板状部材310のうちの一方の板状部材310の下面(すなわち、ステージ320に対向する側の面)にはセンサ312が設けられているとともに、ステージ320におけるセンサ312に対向する箇所には、凹部322が設けられている。また、これらのセンサ312および凹部322により、収納装置300の収納領域に箱体10が収納されているか否かを検知することができるようになっている。より詳細には、センサ312は例えばスイッチ等の感圧式のセンサから構成されている。上述したように、各箱体10はステージ320と各板状部材310との間で挟み込まれるように収納されるようになっているため、収納装置300に箱が収納されている場合には、センサ312は箱体10により押圧されるようになり、このためセンサ312により箱体10の存在を検知することができるようになる。一方、収納装置300に箱体10が収納されていない場合には、ステージ320が各板状部材310と接触したときに、センサ312はステージ320に設けられた凹部322の内側に位置するようになるため、センサ312は押圧されず、箱体10の存在は誤検知されない。なお、凹部322は、貫通穴であってもよい。
次に、収納装置300から箱体10が取り出されたことを検知するためのセンサ340の構成について図20を参照して説明する。
図20に示すように、センサ340は、凹部(図示せず)が設けられた検知部材342と、検知部材342の凹部の両内側面に取り付けられた光センサ342aと、蝶番344と、回転片346とを有している。より詳細には、光センサ342aは、発光素子と受光素子とを有しており、検知部材342の凹部の一方の内側壁に取り付けられた発光素子から発せられた光が、検知部材342の凹部のもう一方の内側壁に取り付けられた受光素子により受けられるようになっている。すなわち、検知部材342の凹部の各内側壁の間に、光センサ342aの光軸が位置するようになっている。また、回転片346は板状の部材であり、図20における紙面に直交する方向において、検知部材342の凹部と対向するような位置に設けられている。また、回転片346は蝶番344によって図20における時計回りおよび反時計回りに回転可能となっている。また、図20(a)に示す状態から箱体10が左方向に引き抜かれるときに、取り出された箱体10によって回転片346が時計回りに回転させられることにより、光センサ342aにより箱体10が収納装置300から取り出されたことが検知されるようになっている。より詳細には、箱体10を取り出す動作が開始され、当該箱体10によって回転片346が光センサ342aの光軸を遮る位置に移動させられてから(図20(b)参照)、箱体10を取り出す動作が終了し、回転片346が光センサ342aの光軸を遮らないような位置に戻ったときに(図20(a)参照)、センサ340により箱体10が収納装置300から取り出されたことが検知されるようになっている。また、上述したように、センサ340により箱体10が収納装置300から取り出されたことが検知されると、モータ338が駆動されることによりステージ320が各板状部材310に向かって上昇し、各箱体10はステージ320と各板状部材310との間に挟まれた状態で収納されるようになる。
また、図19および図20においては図示を省略しているが、収納装置300には、収納領域に収納される、折り畳まれた状態の箱体10を左右前後方向から取り囲むような内壁が設けられている。そして、この内壁により、収納領域に収納された各箱体10が例えば横方向へずれてしまうことを防止することができるようになっている。また、この内壁同士の距離を、収納領域に収納されるべき箱体10の大きさに応じて変更可能な構造とすることにより、異なる大きさの箱体10を収納することもできるようになる。
なお、本実施の形態による箱組立装置100、100aやこの箱組立装置100を用いた箱組立方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、第一の実施の形態による箱組立装置100または第二の実施の形態による100aにおいて、第二のフラップ折り曲げ機構140により折り曲げられる第二のフラップ16を案内する案内部材として、複数の形状のものを予め準備しておき、組み立てられるべき箱体の形状に応じて案内部材を取り換えるようにしてもよい。例えば、略直方体形状を有する箱体10の第二のフラップ16を案内する爪部材160の代わりに、例えば円柱形状の箱体の第二のフラップを案内するための、湾曲部分を有する案内部材を用いるようにしてもよい。あるいは、多角形形状の箱体の第二のフラップを案内するための、当該多角形形状に沿った形状を有する案内部材を用いるようにしてもよい。
また、第一の実施の形態による箱組立装置100または第二の実施の形態による100aにおいては、各第一のフラップ折り曲げ板132、132aにより折り曲げられる第一のフラップは、箱体の幅方向においてそれぞれ対向するよう設けられた一対のものであるが、このような構成に限定されることはない。例えば、箱体の幅方向における一方の端部に設けられた第一のフラップのみが第一のフラップ折り曲げ板により折り曲げられるようになっていてもよい。また、第一のフラップ折り曲げ板が、箱体の高さ方向においてそれぞれ対向するよう設けられた第一のフラップを折り曲げるようになっていてもよいし、箱体の高さ方向における一方の端部に設けられた第一のフラップのみが第一のフラップ折り曲げ板により折り曲げられるようになっていてもよい。
また、第一の実施の形態による箱組立装置100における載置部110または第二の実施の形態による箱組立装置100aの載置部110に、箱体を吸着するための吸着部が設けられていてもよい。この場合には、吸着部を利用して折り畳まれた状態の箱体10を筒状となるよう変形させることができるため、例えば双腕ロボットなどを用いて予め箱体10を筒状となるよう変形させる必要がなくなる。
また、第一の実施の形態による箱組立装置100において、爪部材160および押込部170が、それぞれ独立して移動させられるようになっていてもよい。あるいは、第二の実施の形態による箱組立装置100aの爪部材160および押込部170がそれぞれ独立して移動させられるようになっていてもよい。
なお、図1に示す箱体10は、略直方体形状のものであるが、第一の実施の形態による箱組立装置100または第二の実施の形態による箱組立装置100aにより組み立てられる箱体の形状は、このようなものに限定されることはない。例えば、円筒形状の本体部分を有する箱体が組み立てられるようになっていてもよいし、多角形形状の本体部分を有する箱体が組み立てられるようになっていてもよい。また、プラスチック等の材料からなる箱体が組み立てられるようになっていてもいし、その他の材料からなる箱体が組み立てられるようになっていてもよい。