JP7047412B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達を機械的に分離した、いわゆるステアバイワイヤ方式の操舵装置が知られている。この操舵装置は、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の発生源である反力モータ、および転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵モータを有している。車両が走行しているとき、操舵装置の制御装置は、反力モータを通じて操舵反力を発生させる反力制御を実行するとともに、転舵モータを通じて転舵輪を転舵させる転舵制御を実行する。
ここで、ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達が機械的に分離されているため、転舵輪に作用する路面反力がステアリングホイールに伝わりにくい。したがって、運転者は路面状況を、ステアリングホイールを通じて手に感じる操舵反力(手応え)として感じにくい。
そこで、たとえば特許文献1に記載の操舵制御装置は、操舵角に基づく理想的なラック軸力であるフィードフォワード軸力と、車両の状態量(横加速度、転舵電流、およびヨーレート)に基づく推定軸力であるフィードバック軸力とを演算する。操舵制御装置は、フィードフォワード軸力およびフィードバック軸力に所定の配分比率を乗算した値を合算することにより最終的な軸力を演算し、この最終的な軸力に基づき反力モータを制御する。フィードバック軸力には路面状態(路面情報)が反映されるため、反力モータにより発生される操舵反力にも路面状態が反映される。したがって、運転者は、路面状態を操舵反力として感じることができる。
特開2014-148299号公報
従来、車両の安全性あるいは利便性をより向上させるための様々な運転支援機能を実現するための運転支援システムの開発が進められている。近年では、システムが運転を代替する自動運転機能を実現するための自動運転システムの開発も盛んに行われている。運転支援システムあるいは自動運転システムの制御装置(以下、「上位制御装置」という。)は、その時々の車両の状態に基づき最適な制御方法を求め、その求められる制御方法に応じて各車載システムの制御装置に対して個別の制御を指令する。操舵制御装置は、上位制御装置により生成される指令値に基づき反力モータおよび転舵モータの駆動を制御する。
運転支援システムあるいは自動運転システムが車両に搭載される場合、つぎのようなことが懸念される。たとえば反力モータが発生する操舵反力は、ステアリングホイールの挙動にも影響を及ぼす。このため、運転者によって手動運転が行われるときと、運転支援あるいは自動運転が行われるときとで、操舵制御装置が実行する反力制御に対する要求が異なることがある。しかし、特許文献1の操舵制御装置では、たとえば手動運転時と上位制御装置による操舵介入時とで車両の状態量に基づくフィードバック軸力が同じように演算されるため、反力モータが発生する操舵反力にも常に同じように路面状態が反映される。したがって、上位制御装置による操舵介入時の要求に応じた操舵反力、ひいてはステアリングホイールの挙動が得られないおそれがある。
本発明の目的は、上位制御装置による操舵介入に対して適切に対応することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、車両の操舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づき制御する。操舵制御装置は、複数種の状態量に基づき転舵シャフトに作用する軸力を複数演算する軸力演算部と、複数の前記軸力に対してそれぞれ個別に設定される分配比率を乗算した値を合算することにより前記指令値に反映させる最終的な軸力を演算する配分演算部と、を備えている。前記配分演算部は、上位制御装置が操舵制御に介入する際に生成する配分指令に基づき、複数の前記軸力の分配比率を設定する。
上位制御装置が操舵制御に介入するときとしないときとで、モータが発生する駆動力に対する要求が異なることがある。この点、上記の構成によれば、上位制御装置が生成する配分指令に基づき複数の軸力の分配比率が設定されることにより、上位制御装置が操舵制御に介入するときとしないときとで前記指令値に反映させる最終的な軸力の値が変わる。すなわち、上位制御装置が操舵制御に介入するとき、モータが発生する駆動力は配分指令に応じて変更される。したがって、上位制御装置による操舵制御への介入に対して適切に対応することができる。
上記の操舵制御装置において、前記軸力演算部は、車両挙動または路面状態が反映されない状態量に基づき前記転舵シャフトに作用する理想的な軸力である理想軸力を演算する理想軸力演算部と、車両挙動または路面状態が反映される状態量に基づき前記転舵シャフトに作用すると推定される推定軸力を演算する推定軸力演算部と、を有することが好ましい。
上記の構成によれば、上位制御装置からの配分指令に基づき、理想軸力の分配比率と推定軸力の分配比率が設定される。このため、モータが発生する駆動力に車両挙動あるいは路面状態を配分指令に応じて反映させることができる。
上記の操舵制御装置において、前記配分演算部は、前記理想軸力に第1の分配比率を乗算することにより第1の軸力を演算する第1の演算部と、前記理想軸力および前記推定軸力に対してそれぞれ個別に設定される分配比率を乗算した値を合算した合算値に第2の分配比率を乗算することにより第2の軸力を演算する第2の演算部と、前記第1の軸力と前記第2の軸力とを合算することにより前記最終的な軸力を演算する第3の演算部と、を有し、前記第1の演算部は前記配分指令に基づき前記第1の分配比率を、前記第2の演算部は前記配分指令に基づき前記第2の分配比率を設定することが好ましい。
上記の操舵制御装置において、前記配分演算部は、前記配分指令に基づいて、前記最終的な軸力に前記理想軸力のみが反映されるように前記理想軸力の分配比率、および前記推定軸力の分配比率を設定することが好ましい。
上位制御装置が操舵制御に介入するとき、モータが発生する駆動力に車両挙動あるいは路面状態を反映させないことが要求される場合がある。このような場合に、上記の操舵制御装置は好適である。すなわち、理想軸力には車両挙動あるいは路面状態が反映されないため、指令値に反映される最終的な軸力、ひいてはモータが発生する駆動力にも車両挙動あるいは路面状態が反映されない。
上位制御装置が操舵制御に介入するとき、モータが発生する駆動力に車両挙動あるいは路面状態を反映させないことが要求される場合がある。このような場合、上記の構成が好適である。モータが発生する駆動力には理想軸力のみが反映されるため、車両挙動あるいは路面状態に応じてモータの駆動力が変化することがない。
上記の操舵制御装置において、前記理想軸力演算部は、ステアリングホイールの操作に応じて回転する回転体の目標回転角に基づき前記理想軸力を演算し、前記推定軸力演算部は、センサを通じて検出される横加速度、ヨーレート、および前記モータの電流値の少なくとも一に基づき前記推定軸力を演算することが好ましい。
本発明によれば、上位制御装置による操舵介入に対して適切に対応することができる。
操舵制御装置の第1の実施の形態が搭載されるステアバイワイヤ方式の操舵装置の構成図。 第1の実施の形態における制御装置の制御ブロック図。 第1の実施の形態における目標舵角演算部の制御ブロック図。 第1の実施の形態における車両モデルの制御ブロック図。 第1および第2の実施の形態における軸力配分演算部の制御ブロック図。 電動パワーステアリング装置に適用される操舵制御装置の第3の実施の形態の制御ブロック図。
<第1の実施の形態>
操舵制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置10は、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12を有している。ステアリングシャフト12は操舵機構を構成する。また、操舵装置10は、車幅方向(図1中の左右方向)に沿って延びる転舵シャフト14を有している。転舵シャフト14の両端には、それぞれタイロッド15,15を介して左右の転舵輪16,16が連結されている。転舵シャフト14が直線運動することにより、転舵輪16,16の転舵角θtが変更される。
<操舵反力を発生させるための構成:反力ユニット>
また、操舵装置10は、操舵反力を生成するための構成として、反力モータ31、減速機構32、回転角センサ33、およびトルクセンサ34を有している。ちなみに、操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)をいう。操舵反力をステアリングホイール11に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることが可能である。
反力モータ31は、操舵反力の発生源である。反力モータ31としてはたとえば三相(U,V,W)のブラシレスモータが採用される。反力モータ31(正確には、その回転軸)は、減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。減速機構32は、ステアリングシャフト12におけるクラッチ21よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。反力モータ31のトルクは、操舵反力としてステアリングシャフト12に付与される。
回転角センサ33は反力モータ31に設けられている。回転角センサ33は、反力モータ31の回転角θを検出する。反力モータ31の回転角θは、舵角(操舵角)θの演算に使用される。反力モータ31とステアリングシャフト12とは減速機構32を介して連動する。このため、反力モータ31の回転角θとステアリングシャフト12の回転角、ひいてはステアリングホイール11の回転角である舵角θとの間には相関がある。したがって、反力モータ31の回転角θに基づき舵角θを求めることができる。
トルクセンサ34は、ステアリングホイール11の回転操作を通じてステアリングシャフト12に加わる操舵トルクTを検出する。トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における減速機構32よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。
<転舵力を発生させるための構成:転舵ユニット>
また、操舵装置10は、転舵輪16,16を転舵させるための動力である転舵力を生成するための構成として、転舵モータ41、減速機構42、および回転角センサ43を有している。
転舵モータ41は転舵力の発生源である。転舵モータ41としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。転舵モータ41(正確には、その回転軸)は、減速機構42を介してピニオンシャフト44に連結されている。ピニオンシャフト44のピニオン歯44aは、転舵シャフト14のラック歯14bに噛み合わされている。転舵モータ41のトルクは、転舵力としてピニオンシャフト44を介して転舵シャフト14に付与される。転舵モータ41の回転に応じて、転舵シャフト14は車幅方向(図中の左右方向)に沿って移動する。
回転角センサ43は転舵モータ41に設けられている。回転角センサ43は転舵モータ41の回転角θを検出する。
ちなみに、操舵装置10は、ピニオンシャフト13を有している。ピニオンシャフト13は、転舵シャフト14に対して交わるように設けられている。ピニオンシャフト13のピニオン歯13aは、転舵シャフト14のラック歯14aに噛み合わされている。ピニオンシャフト13を設ける理由は、ピニオンシャフト44と共に転舵シャフト14をハウジング(図示略)の内部に支持するためである。すなわち、操舵装置10に設けられる支持機構(図示略)によって、転舵シャフト14は、その軸方向に沿って移動可能に支持されるとともに、ピニオンシャフト13,44へ向けて押圧される。これにより、転舵シャフト14はハウジングの内部に支持される。ただし、ピニオンシャフト13を使用せずに転舵シャフト14をハウジングに支持する他の支持機構を設けてもよい。
<制御装置>
また、操舵装置10は、制御装置50を有している。制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づき反力モータ31、および転舵モータ41を制御する。センサとしては、前述した回転角センサ33、トルクセンサ34および回転角センサ43に加えて、車速センサ501がある。車速センサ501は、車両に設けられて車両の走行速度である車速Vを検出する。
制御装置50は、反力モータ31の駆動制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵反力を発生させる反力制御を実行する。制御装置50は操舵トルクTおよび車速Vに基づき目標操舵反力を演算し、この演算される目標操舵反力、操舵トルクTおよび車速Vに基づきステアリングホイール11の目標操舵角を演算する。制御装置50は、実際の舵角θを目標操舵角に追従させるべく実行される舵角θのフィードバック制御を通じて舵角補正量を演算し、この演算される舵角補正量を目標操舵反力に加算することにより操舵反力指令値を演算する。制御装置50は、操舵反力指令値に応じた操舵反力を発生させるために必要とされる電流を反力モータ31へ供給する。
制御装置50は、転舵モータ41の駆動制御を通じて転舵輪16,16を操舵状態に応じて転舵させる転舵制御を実行する。制御装置50は、回転角センサ43を通じて検出される転舵モータ41の回転角θに基づきピニオンシャフト44の実際の回転角であるピニオン角θを演算する。このピニオン角θは、転舵輪16,16の転舵角θtを反映する値である。制御装置50は、前述した目標操舵角を使用して目標ピニオン角を演算する。そして制御装置50は、目標ピニオン角と実際のピニオン角θとの偏差を求め、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する。
ここで、車両には、安全でより良い運転を実現するために運転者の運転操作を支援する運転支援システム、あるいはシステムが運転を代替する自動運転機能を実現する自動運転システムが搭載されることがある。この場合、車両においては、制御装置50と他の車載システムの制御装置との協調制御が行われる。協調制御とは、複数種の車載システムの制御装置が互いに連携して車両の動きを制御する技術をいう。車両には、たとえば各種の車載システムの制御装置を統括制御する上位制御装置100が搭載される。上位制御装置100は、その時々の車両の状態に基づき最適な制御方法を求め、その求められる制御方法に応じて各種の車載制御装置に対して個別の制御を指令する。
上位制御装置100は、制御装置50による操舵制御に介入する。上位制御装置100は、運転席などに設けられる図示しないスイッチの操作を通じて、自己の運転支援制御機能あるいは自動運転制御機能をオン(有効)とオフ(無効)との間で切り替える。
上位制御装置100は、たとえば車両に目標車線上を走行させるための指令値Sとして付加角度指令値を演算する。付加角度指令値は、その時々の車両の走行状態に応じて、車両を車線に沿って走行させるために必要とされる操舵角の目標値(現在の操舵角に付加すべき角度)である。制御装置50は、上位制御装置100により演算される指令値Sを使用して反力モータ31および転舵モータ41を制御する。
また、上位制御装置100は、制御装置50に対する配分指令Sとしてフラグを生成する。フラグは、運転支援制御機能あるいは自動運転制御機能がオンであるかオフであるかを示す情報である。上位制御装置100は、運転支援制御機能あるいは自動運転制御機能がオンであるときにはフラグの値を「1」に、運転支援制御機能あるいは自動運転制御機能がオフであるときにはフラグの値を「0」にセットする。
<制御装置の詳細構成>
つぎに、制御装置50について詳細に説明する。
図2に示すように、制御装置50は、反力制御を実行する反力制御部50a、および転舵制御を実行する転舵制御部50bを有している。
<反力制御部>
反力制御部50aは、目標操舵反力演算部51、目標舵角演算部52、舵角演算部53、舵角フィードバック制御部54、加算器55、および通電制御部56を有している。
目標操舵反力演算部51は、操舵トルクTおよび車速Vに基づき目標操舵反力T を演算する。
目標舵角演算部52は、目標操舵反力T 、操舵トルクTおよび車速Vに基づきステアリングホイール11の目標舵角θを演算する。目標舵角演算部52は、目標操舵反力T および操舵トルクTの総和を入力トルクとするとき、この入力トルクに基づいて理想的な舵角を定める理想モデルを有している。この理想モデルは、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間が機械的に連結されている操舵装置を前提として、入力トルクに応じた理想的な転舵角に対応する舵角(操舵角)を予め実験などによりモデル化したものである。目標舵角演算部52は、目標操舵反力T と操舵トルクTとを加算することにより入力トルクを求め、この入力トルクから理想モデルに基づいて目標舵角θ(目標操舵角)を演算する。
舵角演算部53は、回転角センサ33を通じて検出される反力モータ31の回転角θに基づきステアリングホイール11の実際の舵角θを演算する。舵角フィードバック制御部54は、実際の舵角θを目標舵角θに追従させるべく舵角θのフィードバック制御を通じて舵角補正量T を演算する。加算器55は、目標操舵反力T に舵角補正量T を加算することにより操舵反力指令値Tを算出する。
通電制御部56は、操舵反力指令値Tに応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部56は、操舵反力指令値Tに基づき反力モータ31に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部56は、反力モータ31に対する給電経路に設けられた電流センサ57を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流値Iを検出する。この電流値Iは、反力モータ31に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部56は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすように反力モータ31に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、反力モータ31は操舵反力指令値Tに応じたトルクを発生する。運転者に対して路面反力に応じた適度な手応え感を与えることが可能である。
ちなみに、上位制御装置100による運転支援制御または自動運転制御の実行を通じて、指令値Sとして付加角度指令値が演算される場合、指令値Sは目標舵角演算部52により演算される目標舵角θに加算される。
<転舵制御部>
図2に示すように、転舵制御部50bは、ピニオン角演算部61、舵角比変更制御部62、微分ステアリング制御部63、ピニオン角フィードバック制御部64、および通電制御部65を有している。
ピニオン角演算部61は、回転角センサ43を通じて検出される転舵モータ41の回転角θに基づきピニオンシャフト13の実際の回転角であるピニオン角θを演算する。前述したように、転舵モータ41とピニオンシャフト44とは減速機構42を介して連動する。このため、転舵モータ41の回転角θとピニオン角θとの間には相関関係がある。この相関関係を利用して転舵モータ41の回転角θからピニオン角θを求めることができる。さらに、これも前述したように、ピニオンシャフト44は、転舵シャフト14に噛合されている。このため、ピニオン角θと転舵シャフト14の移動量との間にも相関関係がある。すなわち、ピニオン角θは、転舵輪16,16の転舵角θtを反映する値である。
舵角比変更制御部62は、車両の走行状態(たとえば車速V)に応じて舵角θに対する転舵角θtの比である舵角比を設定し、この設定される舵角比に応じて目標ピニオン角を演算する。舵角比変更制御部62は、車速Vが遅くなるほど舵角θに対する転舵角θtがより大きくなるように、また車速Vが速くなるほど舵角θに対する転舵角θtがより小さくなるように、目標ピニオン角θ を演算する。舵角比変更制御部62は、車両の走行状態に応じて設定される舵角比を実現するために、目標舵角θに対する補正角度を演算し、この演算される補正角度を目標舵角θに加算することにより舵角比に応じた目標ピニオン角θ を演算する。
微分ステアリング制御部63は、目標ピニオン角θ を微分することにより目標ピニオン角θ の変化速度(転舵速度)を演算する。また、微分ステアリング制御部63は、目標ピニオン角θ の変化速度にゲインを乗算することにより目標ピニオン角θ に対する補正角度を演算する。微分ステアリング制御部63は、補正角度を目標ピニオン角θ に加算することにより最終的な目標ピニオン角θ を演算する。舵角比変更制御部62により演算される目標ピニオン角θ の位相が進められることにより、転舵遅れが改善される。すなわち、転舵速度に応じて転舵応答性が確保される。
ピニオン角フィードバック制御部64は、実際のピニオン角θを、微分ステアリング制御部63により演算される最終的な目標ピニオン角θ に追従させるべくピニオン角θのフィードバック制御(PID制御)を通じてピニオン角指令値T を演算する。
通電制御部65は、ピニオン角指令値T に応じた電力を転舵モータ41へ供給する。具体的には、通電制御部65は、ピニオン角指令値T に基づき転舵モータ41に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部65は、転舵モータ41に対する給電経路に設けられた電流センサ66を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流値Iを検出する。この電流値Iは、転舵モータ41に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部65は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、転舵モータ41はピニオン角指令値T に応じた角度だけ回転する。
<目標舵角演算部>
つぎに、目標舵角演算部52について詳細に説明する。
前述したように、目標舵角演算部52は、目標操舵反力T および操舵トルクTの総和である入力トルクから理想モデルに基づいて目標舵角θを演算する。この理想モデルは、ステアリングシャフト12に印加されるトルクとしての入力トルクTin が、次式(A)で表されることを利用したモデルである。
in =Jθ*′′+Cθ*′+Kθ …(A)
ただし、「J」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12の慣性モーメント、「C」は転舵シャフト14のハウジングに対する摩擦などに対応する粘性係数(摩擦係数)、「K」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12をそれぞればねとみなしたときのばね係数である。
式(A)から分かるように、入力トルクTin は、目標舵角θの二階時間微分値θ*′′に慣性モーメントJを乗じた値、目標舵角θの一階時間微分値θ′に粘性係数Cを乗じた値、および目標舵角θにばね係数Kを乗じた値を加算することによって得られる。目標舵角演算部52は、式(A)に基づく理想モデルに従って目標舵角θを演算する。
図3に示すように、式(A)に基づく理想モデルは、ステアリングモデル71、および車両モデル72に分けられる。
ステアリングモデル71は、ステアリングシャフト12および反力モータ31など、操舵装置10の各構成要素の特性に応じてチューニングされる。ステアリングモデル71は、加算器73、減算器74、慣性モデル75、第1の積分器76、第2の積分器77および粘性モデル78を有している。
加算器73は、目標操舵反力T と操舵トルクTとを加算することにより入力トルクTin を演算する。
減算器74は、加算器73により算出される入力トルクTin から後述する粘性成分Tvi およびばね成分Tsp をそれぞれ減算することにより、最終的な入力トルクTin を演算する。
慣性モデル75は、式(A)の慣性項に対応する慣性制御演算部として機能する。慣性モデル75は、減算器74により算出される最終的な入力トルクTin に慣性モーメントJの逆数を乗ずることにより、舵角加速度αを演算する。
第1の積分器76は、慣性モデル75により算出される舵角加速度αを積分することにより、舵角速度ωを演算する。
第2の積分器77は、第1の積分器76により算出される舵角速度ωをさらに積分することにより、目標舵角θを演算する。目標舵角θは、ステアリングモデル71に基づくステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)の理想的な回転角である。
粘性モデル78は、式(A)の粘性項に対応する粘性制御演算部として機能する。粘性モデル78は、第1の積分器76により算出される舵角速度ωに粘性係数Cを乗ずることにより、入力トルクTin の粘性成分Tvi を演算する。
車両モデル72は、操舵装置10が搭載される車両の特性に応じてチューニングされる。操舵特性に影響を与える車両側の特性は、たとえばサスペンションおよびホイールアライメントの仕様、および転舵輪16,16のグリップ力(摩擦力)などにより決まる。車両モデル72は、式(A)のばね項に対応するばね特性制御演算部として機能する。車両モデル72は、第2の積分器77により算出される目標舵角θにばね係数Kを乗ずることにより、入力トルクTin のばね成分Tsp (トルク)を演算する。
このように構成した目標舵角演算部52によれば、ステアリングモデル71の慣性モーメントJおよび粘性係数C、ならびに車両モデル72のばね係数Kをそれぞれ調整することによって、入力トルクTin と目標舵角θとの関係を直接的にチューニングすること、ひいては所望の操舵特性を実現することができる。
また、目標ピニオン角θ は、入力トルクTin からステアリングモデル71および車両モデル72に基づき演算される目標舵角θが使用されて演算される。そして、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に一致するようにフィードバック制御される。前述したように、ピニオン角θと転舵輪16,16の転舵角θとの間には相関関係がある。このため、入力トルクTin に応じた転舵輪16,16の転舵動作もステアリングモデル71および車両モデル72により定まる。すなわち、車両の操舵感がステアリングモデル71および車両モデル72により決まる。したがって、ステアリングモデル71および車両モデル72を調整することにより所望の操舵感を実現することが可能となる。
しかし、運転者の操舵方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)である操舵反力(ステアリングを通じて感じる手応え)は目標舵角θに応じたものにしかならない。すなわち、車両挙動あるいは路面状態(路面の滑りやすさなど)によって操舵反力が変わらない。このため、運転者は操舵反力を通じて車両挙動あるいは路面状態を把握しにくい。そこで本例では、こうした懸念を解消する観点に基づき、車両モデル72をつぎのように構成している。
<車両モデル>
図4に示すように、車両モデル72は、仮想ラックエンド軸力演算部90、理想軸力演算部91、推定軸力演算部92、推定軸力演算部93、推定軸力演算部94、軸力配分演算部95および換算部96を有している。
仮想ラックエンド軸力演算部90は、目標舵角θに基づき、ステアリングホイール11の操作範囲を仮想的に制限するための仮想ラックエンド軸力Fendを演算する。仮想ラックエンド軸力Fendは、反力モータ31に発生させる操舵方向と反対方向のトルク(操舵反力トルク)を急激に増大させる観点に基づき演算される。仮想ラックエンド軸力演算部90は、制御装置50の図示しない記憶装置に格納された仮想ラックエンドマップを使用して仮想ラックエンド軸力Fendを演算する。仮想ラックエンド軸力Fendは、目標舵角θが角度しきい値に達した以降に発生するとともに、目標舵角θの増加に対して急激に増大する。
理想軸力演算部91は、目標ピニオン角θ に基づき、転舵輪16,16を通じて転舵シャフト14に作用する軸力の理想値である理想軸力F1を演算する。理想軸力演算部91は、制御装置50の図示しない記憶装置に格納された理想軸力マップを使用して理想軸力F1を演算する。理想軸力F1は、目標ピニオン角θ (あるいは目標ピニオン角θ に所定の換算係数を乗算することにより得られる目標転舵角)の絶対値が増大するほど、また車速Vが遅いほど、より大きな絶対値に設定される。なお、車速Vは必ずしも考慮しなくてもよい。
推定軸力演算部92は、転舵モータ41の電流値Iに基づき、転舵シャフト14に作用する推定軸力F2(路面反力)を演算する。ここで、転舵モータ41の電流値Iは、路面状態(路面摩擦抵抗)に応じた外乱が転舵輪16に作用することに起因して目標ピニオン角θ と実際のピニオン角θとの間の差が発生することによって変化する。すなわち、転舵モータ41の電流値Iには、転舵輪16,16に作用する実際の路面反力が反映される。このため、転舵モータ41の電流値Iに基づき路面状態の影響を反映した軸力を演算することが可能である。推定軸力F2は、車速Vに応じた係数であるゲインを転舵モータ41の電流値Iに乗算することにより求められる。
推定軸力演算部93は、車両に設けられる横加速度センサ502を通じて検出される横加速度LAに基づき、転舵シャフト14に作用する推定軸力F3を演算する。推定軸力F3は、車速Vに応じた係数であるゲインを横加速度LAに乗算することにより求められる。横加速度LAには路面摩擦抵抗などの路面状態が反映される。このため、横加速度LAに基づき演算される推定軸力F3は実際の路面状態が反映されたものとなる。
推定軸力演算部94は、車両に設けられるヨーレートセンサ503を通じて検出されるヨーレートYRに基づき、転舵シャフト14に作用する推定軸力F4を演算する。推定軸力F4は、ヨーレートYRを微分した値であるヨーレート微分値に、車速Vに応じた係数である車速ゲインを乗算することにより求められる。車速ゲインは、車速Vが速くなるほどより大きな値に設定される。ヨーレートYRには路面摩擦抵抗などの路面状態が反映される。このため、ヨーレートYRに基づき演算される推定軸力F4は実際の路面状態が反映されたものとなる。
軸力配分演算部95は、仮想ラックエンド軸力Fend、理想軸力F1、推定軸力F2、推定軸力F3、および推定軸力F4に対してそれぞれ個別に設定される分配比率(ゲイン)を乗算した値を合算することにより、入力トルクTin に対するばね成分Tsp の演算に使用される最終的な軸力Fspを演算する。分配比率は、車両挙動、路面状態あるいは操舵状態が反映される各種の状態量に応じて設定される。
換算部96は、軸力配分演算部95により演算される最終的な軸力Fspに基づき入力トルクTin に対するばね成分Tsp を演算(換算)する。この最終的な軸力Fspに基づくばね成分Tsp が入力トルクTin に反映されることによって、車両挙動あるいは路面状態に応じた操舵反力をステアリングホイール11に付与することが可能となる。
ここで、運転支援システムあるいは自動運転システムが車両に搭載される場合、つぎのようなことが懸念される。たとえば、反力モータ31が発生する操舵反力は、ステアリングホイール11の挙動にも影響を及ぼす。このため、運転者によって手動運転が行われるときと、運転支援あるいは自動運転が行われるときとで、制御装置50が実行する反力制御に対する要求が異なることがある。
たとえば、手動運転が行われるときには反力モータ31により発生される操舵反力に車両挙動あるいは路面状態が反映されることが好ましい。これは、運転者が車両挙動あるいは路面状態を操舵反力として感じることにより、運転者はより速く正確に操舵することが可能となるからである。これに対して、運転支援あるいは自動運転が行われる場合、すなわちステアリングホイール11の操作の実行主体が運転者ではなく運転支援システムあるいは自動運転システムの上位制御装置100となるとき、反力モータ31により発生される操舵反力に必ずしも車両挙動あるいは路面状態を正確に反映させる必要がない。また、運転支援あるいは自動運転が行われている場合、たとえば車両が凹凸路を走行しているとき、操舵反力に路面状態を反映させることによって、路面状態に応じてステアリングホイール11が回転するおそれがある。製品仕様によっては、運転支援あるいは自動運転が行われているとき、ステアリングホイール11の無駄な動作を抑えることが要求される。
そこで、本実施の形態では、軸力配分演算部95として、つぎの構成を採用している。
<軸力配分演算部>
図5に示すように、軸力配分演算部95は、6つの演算部101,102,103,104,105,106、および2つの加算器107,108を有している。
演算部101は、理想軸力演算部91により演算される理想軸力F1に分配比率DRを乗算することにより、分配比率DRに応じた値の理想軸力F1を演算する。演算部102は、推定軸力演算部92により演算される推定軸力F2に分配比率DRを乗算することにより、分配比率DRに応じた値の推定軸力F2を演算する。演算部103は、推定軸力演算部93により演算される推定軸力F3に分配比率DRを乗算することにより、分配比率DRに応じた値の推定軸力F3を演算する。演算部104は、推定軸力演算部92により演算される推定軸力F4に分配比率DRを乗算することにより、分配比率DRに応じた値の推定軸力F4を演算する。ちなみに、分配比率DR,DR,DR,DRは、車両挙動、路面状態あるいは操舵状態が反映される状態量に応じて都度設定される。
加算器107は、演算部101により演算される理想軸力F1、および演算部102~104により演算される推定軸力F2,F3,F4を合算することにより、混合軸力F5を演算する。
演算部105は、演算部101により演算される理想軸力F1、および上位制御装置100により演算される配分指令Sを取り込む。演算部105は、配分指令Sとしてのフラグの値を次式(B)に適用することによって、理想軸力F1の分配比率DRを演算する。
DR=S …(B)
したがって、配分指令Sとしてのフラグの値が「1」であるとき、分配比率DRの値は「1」になる。配分指令Sとしてのフラグの値が「0」であるとき、分配比率DRの値は「0」になる。
演算部105は、次式(C)で表されるように、分配比率DRを理想軸力F1に乗算することにより、分配比率DRに応じた値の理想軸力F1を演算する。
F1=DR・F1 …(C)
したがって、分配比率DRの値が「1(100%)」であるとき、演算部101により演算される理想軸力F1がそのまま理想軸力F1となる。分配比率DRの値が「0(0%)」であるとき、理想軸力F1の値は「0」となる。
演算部106は、加算器107により演算される混合軸力F5、および上位制御装置100により演算される配分指令Sを取り込む。演算部106は、配分指令Sとしてのフラグの値を次式(D)に適用することによって、混合軸力F5の分配比率DRを演算する。
DR=1-S …(D)
したがって、配分指令Sとしてのフラグの値が「1」であるとき、分配比率DRの値は「0」になる。配分指令Sとしてのフラグの値が「0」であるとき、分配比率DRの値は「1」になる。
演算部106は、次式(E)で表されるように、分配比率DRを混合軸力F5に乗算することにより、分配比率DRに応じた値の混合軸力F5を演算する。
F5=DR・S …(E)
したがって、配分指令Sとしてのフラグの値が「1(100%)」であるとき、加算器107により演算される混合軸力F5がそのまま式(E)の演算結果である混合軸力F5となる。配分指令Sとしてのフラグの値が「0(0%)」であるとき、混合軸力F5の値は「0」となる。
加算器108は、演算部105により演算される理想軸力F1と、演算部106により演算される混合軸力F5とを合算することにより、ばね成分Tsp の演算に使用される最終的な軸力Fspを演算する。
<実施の形態の効果>
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の作用および効果を得ることができる。
(1)上位制御装置100が操舵制御に介入するとき(指令値Sが演算されるとき)と、上位制御装置100が操舵制御に介入しないとき(指令値Sが演算されないとき)とで、反力モータ31が発生する操舵反力(駆動力)に対する要求が異なることがある。たとえば、上位制御装置100が操舵制御に介入するとき、反力モータ31が発生する操舵反力に車両挙動あるいは路面状態を反映させないことが要求される場合がある。これは、ステアリングホイール11の操作の実行主体が上位制御装置100となる場合、反力モータ31が発生する操舵反力に必ずしも車両挙動あるいは路面状態を反映させる必要がないという観点に基づく。
この点、操舵装置10の制御装置50によれば、上位制御装置100が操舵制御に介入するとき、配分指令Sに基づき、入力トルクTin 、ひいては操舵反力指令値Tに反映させる軸力が、推定軸力F2,F3,F4を含む混合軸力F5から理想軸力F1へ切り替えられる。この理想軸力F1には車両挙動あるいは路面状態が反映されないため、入力トルクTin 、ひいては反力モータ31が発生する操舵反力に車両挙動あるいは路面状態が反映されることもない。このため、たとえば車両が凹凸路を走行している場合であれ、路面状態に応じてステアリングホイール11が無駄に回転することがない。したがって、上位制御装置100による操舵介入に対して適切に対応することができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には図1~図5に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。
本実施の形態では、上位制御装置100は配分指令Sとして、フラグ(「0」または「1」)ではなく、自動運転率を制御装置50へ供給する。自動運転率とは、車両の運転に対するシステムの関与の度合いを示す値をいう。技術レベルの高度化に応じて運転支援システムが複合化あるいは高度化されるにつれて、システムの運転への関与度合いが高まる。たとえば、自動運転率が100%であるとき、システムが完全に運転を代替する。逆に、自動運転率が0%であるとき、走行環境の認識、危険判断、および車両の運転操作(操舵、加減速など)を運転者がすべて行う。ここでは、上位制御装置100は、自動運転率として「0(0%)~1(100%)」の範囲の値を設定する。
この場合においても、軸力配分演算部95の演算部105は、式(B),(C)を使用して、理想軸力F1の分配比率DR、および分配比率DRに応じた値の理想軸力F1を演算する。また、演算部106は、式(D),(E)を使用して、混合軸力F5の分配比率DR、および分配比率DRに応じた値の混合軸力F5を演算する。
たとえば自動運転率の値が「1(100%)」であるとき、式(B)に基づき分配比率DRは「1」に設定されるとともに、式(D)に基づき分配比率DRは「0」に設定される。また、自動運転率の値が「0.3(30%)」であるとき、式(B)に基づき分配比率DRは「0.3」に設定されるとともに、式(D)に基づき分配比率DRは「0.7」に設定される。
<実施の形態の効果>
したがって、第2の実施の形態によれば、以下の作用および効果を得ることができる。
(2)上位制御装置100が操舵制御に介入するとき、配分指令Sとしての自動運転率に基づき、理想軸力F1の分配比率DR、および推定軸力F2,F3,F4を含む混合軸力F5の分配比率DRが設定される。このため、入力トルクTin 、ひいては操舵反力指令値Tに対して車両挙動あるいは路面状態を反映させる度合いが自動運転率に応じて好適に設定される。したがって、上位制御装置100による操舵制御への介入に対して適切に対応することができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)に適用した第3の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
EPSは、図1に示されるステアリングホイール11と転舵輪16,16との間が機械的に連結されている。すなわち、ステアリングシャフト12、ピニオンシャフト13および転舵シャフト14は、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路として機能する。ステアリングホイール11の回転操作に伴い転舵シャフト14が直線運動することにより、転舵輪16,16の転舵角θtが変更される。また、EPSは、図1に示される反力モータ31および転舵モータ41のいずれか一方と同じ位置に設けられるアシストモータを有している。アシストモータは、操舵補助力(アシスト力)を発生する。
図6に示すように、EPS190の制御装置191は、アシストモータ192に対する通電制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生させるアシスト制御を実行する。制御装置191は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、車速センサ501を通じて検出される車速V、アシストモータ192に設けられる回転角センサ193を通じて検出される回転角θに基づき、アシストモータ192に対する給電を制御する。
制御装置191は、ピニオン角演算部201、基本アシスト成分演算部202、目標ピニオン角演算部203、ピニオン角フィードバック制御部(ピニオン角F/B制御部)204、加算器205、および通電制御部206を備えている。
ピニオン角演算部201は、アシストモータ192の回転角θを取り込み、この取り込まれる回転角θに基づきピニオンシャフト13の回転角であるピニオン角θを演算する。
基本アシスト成分演算部202は、操舵トルクTおよび車速Vに基づいて基本アシスト成分Ta1 を演算する。基本アシスト成分演算部202は、操舵トルクTと基本アシスト成分Ta1 との関係を車速Vに応じて規定する三次元マップを使用して、基本アシスト成分Ta1 を演算する。基本アシスト成分演算部202は、操舵トルクTの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど、基本アシスト成分Ta1 の絶対値をより大きな値に設定する。
目標ピニオン角演算部203は、基本アシスト成分演算部202により演算される基本アシスト成分Ta1 、および操舵トルクTを取り込む。目標ピニオン角演算部203は、基本アシスト成分Ta1 および操舵トルクTの総和を入力トルクとするとき、入力トルクに基づいて理想的なピニオン角を定める理想モデルを有している。理想モデルは、入力トルクに応じた理想的な転舵角に対応するピニオン角を予め実験などによりモデル化したものである。目標ピニオン角演算部203は、基本アシスト成分Ta1 と操舵トルクTとを加算して入力トルクを求め、この求められる入力トルクから理想モデルに基づいて目標ピニオン角θ を演算する。
ピニオン角フィードバック制御部204は、目標ピニオン角演算部203により算出される目標ピニオン角θ およびピニオン角演算部201により算出される実際のピニオン角θをそれぞれ取り込む。ピニオン角フィードバック制御部204は、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に追従するように、ピニオン角のフィードバック制御としてPID(比例、積分、微分)制御を行う。すなわち、ピニオン角フィードバック制御部204は、目標ピニオン角θ と実際のピニオン角θとの偏差を求め、当該偏差を無くすように基本アシスト成分Ta1 の補正成分Ta2 を演算する。
加算器205は、基本アシスト成分Ta1 に補正成分Ta2 を加算することによりアシスト指令値T を演算する。アシスト指令値T は、アシストモータ192に発生させるべき回転力(アシストトルク)を示す指令値である。
通電制御部206は、アシスト指令値T に応じた電力をアシストモータ192へ供給する。具体的には、通電制御部206は、アシスト指令値T に基づきアシストモータ192に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部206は電流センサ207を通じて検出される電流値Iを取り込む。この電流値Iは、アシストモータ192に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部206は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすようにアシストモータ192に対する給電を制御する。これにより、アシストモータ192はアシスト指令値T に応じたトルクを発生する。その結果、操舵状態に応じた操舵アシストが行われる。
このEPS190によれば、入力トルク(基本アシスト成分Ta1 および操舵トルクTの総和)から理想モデルに基づいて目標ピニオン角θ が設定され、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に一致するようにフィードバック制御される。ここで、ピニオン角θと転舵輪16,16の転舵角θtとの間には相関関係がある。このため、入力トルクに応じた転舵輪16,16の転舵動作も理想モデルにより定まる。すなわち、車両の操舵感が理想モデルにより決まる。したがって、理想モデルの調整により所望の操舵感を実現することが可能となる。
また、実際の転舵角θtが、目標ピニオン角θ に応じた転舵角θtに維持される。このため、路面状態あるいはブレーキングなどの外乱に起因して発生する逆入力振動の抑制効果も得られる。すなわち、転舵輪16,16を介してステアリングシャフト12などの操舵機構に振動が伝達される場合であれ、ピニオン角θが目標ピニオン角θ となるように補正成分Ta2 が調節される。このため、実際の転舵角θtは、理想モデルにより規定される目標ピニオン角θ に応じた転舵角θtに維持される。結果的にみれば、逆入力振動を打ち消す方向へ操舵補助が行われることにより、逆入力振動がステアリングホイール11に伝わることが抑制される。
しかし、運転者の操舵方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)である操舵反力(ステアリングを通じて感じる手応え)は目標ピニオン角θ に応じたものにしかならない。すなわち、たとえば車両挙動あるいは路面状態によって操舵反力が変わらないため、運転者は手応えとして路面状態を把握しにくい。
そこで本実施の形態では、目標ピニオン角演算部203に第1の実施の形態における目標舵角演算部52と同様の演算機能を持たせている。
目標ピニオン角演算部203は、図3に示される目標舵角演算部52と同様の構成を有している。ただし、先の目標舵角演算部52が目標操舵反力T を取り込むのに対し、目標ピニオン角演算部203は、基本アシスト成分Ta1 を取り込む。目標ピニオン角演算部203が操舵トルクTおよび車速Vを取り込むことについては、先の目標舵角演算部52と同じである。また、目標舵角演算部52が目標舵角θを演算することに対し、目標ピニオン角演算部203は目標ピニオン角θ を演算する。取り込む信号の一部、および生成する信号が異なるだけであって、目標ピニオン角演算部203の内部的な演算処理の内容は、目標舵角演算部52と同じである。
このように構成した目標ピニオン角演算部203によれば、軸力配分演算部95により演算される最終的な軸力Fsp(図4参照)が入力トルクTin に反映されることにより、車両挙動あるいは路面状態が反映された目標ピニオン角θ 、ひいてはアシスト指令値T が得られる。このため、車両挙動あるいは路面状態に応じた、より適切なアシスト力がステアリングホイール11に付与される。運転者は、ステアリングホイール11を介した操舵反力を手応えとして感じることにより、車両挙動あるいは路面状態をより的確に把握することができる。
ここで、運転支援システムあるいは自動運転システムが車両に搭載される場合、第1の実施の形態と同様のことが懸念される。すなわち、運転者によって手動運転が行われるときと、運転支援あるいは自動運転が行われるときとで、制御装置191が実行するアシスト制御に対する要求が異なることがある。
この点、目標ピニオン角演算部203は、図4に示される車両モデル72、ひいては図5に示される軸力配分演算部95と同様の構成を有している。したがって、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
すなわち、上位制御装置100が操舵制御に介入するとき、配分指令Sに基づき、入力トルクTin 、ひいては操舵反力指令値Tに反映させる軸力が、推定軸力F2,F3,F4を含む混合軸力F5から理想軸力F1へ切り替えられる(図5参照)。このため、入力トルクTin 、ひいてはアシストモータ192が発生する操舵補助力に車両挙動あるいは路面状態が反映されることがない。また、路面状態に応じてステアリングホイール11が無駄に回転することも抑えられる。したがって、車両に運転支援システムあるいは自動運転システムが搭載される場合であれ、上位制御装置100による操舵制御への介入に対して適切に対応することができる。また、本実施の形態には第2の実施の形態を適用することもできるところ、この場合には第2の実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
<他の実施の形態>
なお、各実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第1および第2の実施の形態における目標操舵反力演算部51、および第3の実施の形態における基本アシスト成分演算部202は、車速Vを使用しなくてもよい。
・第1~第3の実施の形態において、車両モデル72(図4参照)は、3つの推定軸力演算部92,93,94のうち少なくとも一を有していればよい。推定軸力演算部92,93,94のいずれか一により演算される推定軸力が入力トルクTin に反映されることにより、操舵反力に車両挙動あるいは路面状態を反映させることができる。
・第1~第3の実施の形態において、入力トルクTin に反映させる推定軸力として、推定軸力F2~F4に加え、あるいは推定軸力F2~F4に代えて、つぎの(a1)~(a6)のうち少なくとも一の軸力を使用してもよい。
(a1)横加速度LAおよびヨーレート微分値に基づき演算される推定軸力。
(a2)推定軸力F2および推定軸力F3に対して個別に設定される所定の分配比率を乗算した値を合算することにより得られる推定軸力。
(a3)推定軸力F2および推定軸力F4に対して個別に設定される所定の分配比率を乗算した値を合算することにより得られる推定軸力。
(a4)推定軸力F2、推定軸力F3および推定軸力F4に対して個別に設定される所定の分配比率を乗算した値を合算することにより得られる推定軸力。
(a5)推定軸力F2および前記(a1)の推定軸力に対して個別に設定される所定の分配比率を乗算した値を合算することにより得られる推定軸力。
・第1~第3の実施の形態において、制御装置50,191は、配分指令Sに対して時間に対する徐変処理(徐々に変化させるための処理)を施すローパスフィルタなどを有していてもよい。このようにすれば、上位制御装置100が操舵制御に介入する場合、最終的な軸力Fspの急激な変化を抑えることができる。
・第1および第2の実施の形態において、操舵装置10にクラッチを設けてもよい。この場合、図2に二点鎖線で示すように、ステアリングシャフト12とピニオンシャフト13とをクラッチ21を介して連結する。クラッチ21としては、励磁コイルに対する通電の断続を通じて動力の断続を行う電磁クラッチが採用される。制御装置50は、クラッチ21の断続を切り替える断続制御を実行する。クラッチ21が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路が機械的に切断される。クラッチ21が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達が機械的に連結される。
・第1の実施の形態において、軸力配分演算部95は、配分指令Sに応じて演算部101~104の分配比率DR~DRを調整することにより、最終的な軸力Fspを演算するようにしてもよい。たとえば、第1の実施の形態において、配分指令Sとしてのフラグの値が「1」であるとき、理想軸力F1を演算する演算部101は分配比率DRの値を「1」に設定し、推定軸力F2~F4を演算する演算部102~104は分配比率DR~DRの値を「0」に設定する。このようにしても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、第1の実施の形態において、軸力配分演算部95として演算部105,106を割愛した構成を採用することが可能となる。第2の実施の形態、および第3の実施の形態についても同様である。
10…操舵装置、11…ステアリングホイール、12…操舵機構を構成するステアリングシャフト、14…転舵シャフト、31…反力モータ、44…ピニオンシャフト(回転体)、50,191…制御装置(操舵制御装置)、91…理想軸力演算部、92…推定軸力演算部、93…推定軸力演算部、94…推定軸力演算部、95…軸力配分演算部(配分演算部)、190…電動パワーステアリング装置、192…アシストモータ、100…上位制御装置、105…演算部(第1の演算部)、106…演算部(第2の演算部)、108…加算器(第3の演算部)、DR…分配比率(第1の分配比率)、DR…分配比率(第2の分配比率)、F1…理想軸力、F1…理想軸力(第1の軸力)、F2…推定軸力、F3…推定軸力、F4…推定軸力、F5…混合軸力(合算値)、F5…混合軸力(第2の軸力)、Fsp…最終的な軸力、I…転舵モータの電流値、LA…横加速度、S…配分指令、T…操舵反力指令値(指令値)、T …アシスト指令値(指令値)、YR…ヨーレート、θ…目標舵角(目標回転角)、θ …目標ピニオン角(目標回転角)。

Claims (4)

  1. 車両の操舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づき制御する操舵制御装置であって、
    複数種の状態量に基づき転舵シャフトに作用する軸力を複数演算する軸力演算部と、
    複数の前記軸力に対してそれぞれ個別に設定される分配比率を乗算した値を合算することにより前記指令値に反映させる最終的な軸力を演算する配分演算部と、を備え、
    前記軸力演算部は、
    車両挙動または路面状態が反映されない状態量に基づき前記転舵シャフトに作用する理想的な軸力である理想軸力を演算する理想軸力演算部と、
    車両挙動または路面状態が反映される状態量に基づき前記転舵シャフトに作用すると推定される推定軸力を演算する推定軸力演算部と、を有し、
    前記配分演算部は、上位制御装置が操舵制御に介入する際に生成する配分指令に基づき、複数の前記軸力の分配比率を設定するように構成されており、
    前記配分演算部は、
    前記理想軸力に第1の分配比率を乗算することにより第1の軸力を演算する第1の演算部と、
    前記理想軸力および前記推定軸力に対してそれぞれ個別に設定される分配比率を乗算した値を合算した合算値に第2の分配比率を乗算することにより第2の軸力を演算する第2の演算部と、
    前記第1の軸力と前記第2の軸力とを合算することにより前記最終的な軸力を演算する第3の演算部と、を有し、
    前記第1の演算部は前記配分指令に基づき前記第1の分配比率を、前記第2の演算部は前記配分指令に基づき前記第2の分配比率を設定するように構成されており、
    前記第1の分配比率および前記第2の分配比率は、ゼロから1の範囲の値に設定される操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記第1の演算部は前記上位制御装置が前記操舵制御への関与度合いを示す値として設定する前記配分指令としての自動運転率に基づき前記第1の分配比率を、前記第2の演算部は前記自動運転率に基づき前記第2の分配比率を設定するように構成されている操舵制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記配分演算部は、前記配分指令に基づいて、前記最終的な軸力に前記理想軸力のみが反映されるように前記理想軸力の分配比率、および前記推定軸力の分配比率を設定する操舵制御装置。
  4. 請求項~請求項のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記理想軸力演算部は、ステアリングホイールの操作に応じて回転する回転体の目標回転角に基づき前記理想軸力を演算し、
    前記推定軸力演算部は、センサを通じて検出される横加速度、ヨーレート、および前記モータの電流値の少なくとも一に基づき前記推定軸力を演算する操舵制御装置。
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