JP6183205B2 - 操舵制御装置 - Google Patents
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Description
この従来技術では、操舵角に基づく操舵反力の制御量と、ステアリングラック軸力に基づく操舵反力の制御量とに基づいて、反力モータを駆動する。これにより、この従来技術では、操向輪に作用する外力の影響を操舵反力に反映させている。
本発明は、上記のような点に着目し、傾斜カーブ路の走行時に、操舵反力の振動を抑制可能とすることを課題とする。
(構成)
本実施形態の車両Aは、ステアリングホイール1と前輪(以下、操向輪とも呼ぶ)2とが機械的に分離したステア・バイ・ワイヤ方式の操舵制御装置を備える車両である。
図1は、本実施形態の車両Aの構成を表す概念図である。
図1に示すように、車両Aは、操舵角センサ3、転舵角センサ4、車速センサ5、横Gセンサ6、ヨーレートセンサ7、およびシフトセンサ12を備える。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール1の操舵角δを検出する。操舵角δの検出方法としては、例えば、ステアリングシャフトの回転量を基に算出する方法を採用できる。そして、操舵角センサ3は、検出結果を表す信号(以下、検出信号とも呼ぶ)を後述する制御演算部11に出力する。
車速センサ5は、車両Aの車速Vを検出する。そして、車速センサ5は、検出信号を制御演算部11に出力する。
横Gセンサ6は、車両Aに作用する横方向加速度Gy(操向輪2に作用するタイヤ横力Fdで変動する車両Aの状態量)を検出する。そして、横Gセンサ6は、検出信号を制御演算部11に出力する。
なお、横Gセンサ6およびヨーレートセンサ7は、バネ上(車体)に配置する。
シフトセンサ12は、変速機のシフトレバーの位置を検出する。シフトレバーの位置としては、例えば、Dレンジ、Rレンジ(後退走行の位置)、Pレンジがある。そして、シフトセンサ12は、検出信号を制御演算部11に出力する。
転舵制御部8は、転舵モータ8A、転舵電流検出部8B、および転舵モータ駆動部8Cを備える。
転舵モータ8Aは、減速機を介してピニオンシャフト10と連結される。そして、転舵モータ8Aは、転舵モータ駆動部8Cによって駆動され、ピニオンシャフト10を介してステアリングラックを左右に移動させる。これにより、転舵モータ8Aは、操向輪2を転舵する。転舵モータ8Aの駆動方法としては、例えば、転舵モータ8Aに流れている電流(以下、転舵電流とも呼ぶ)を制御する方法を採用できる。
転舵モータ駆動部8Cは、制御演算部11が算出する目標転舵電流に基づいて、転舵電流検出部8Bが検出する転舵電流が当該目標転舵電流と一致するように転舵モータ8Aの転舵電流を制御する。これにより、転舵モータ駆動部8Cは、転舵モータ8Aを駆動する。目標転舵電流とは、転舵モータ8Aに流れている電流の目標値である。
反力モータ9Aは、減速機を介してステアリングシャフトと連結される。そして、反力モータ9Aは、反力モータ駆動部9Cによって駆動され、ステアリングシャフトを介してステアリングホイール1に回転トルクを付与する。これにより、反力モータ9Aは、操舵反力を発生する。反力モータ9Aの駆動方法としては、例えば、反力モータ9Aに流れている電流(以下、反力電流とも呼ぶ)を制御する方法を採用できる。
反力モータ駆動部9Cは、制御演算部11が算出する目標反力電流に基づいて、反力電流検出部9Bが検出する反力電流が当該目標反力電流と一致するように反力モータ9Aの反力電流を制御する。これにより、反力モータ駆動部9Cは、反力モータ9Aを駆動する。目標反力電流とは、反力モータ9Aに流れている電流の目標値である。
図2は、制御演算部11の構成を表すブロック図である。
図2に示すように、制御演算部11は、目標転舵角演算部11A、目標反力電流演算部11B、および目標転舵電流演算部11Cを備える。
目標転舵角演算部11Aは、操舵角センサ3が検出した操舵角δおよび車速センサ5が検出した車速Vに基づいて、転舵角θ(ピニオンシャフト10の回転角)の目標値である目標転舵角θ*を算出する。目標転舵角θ*の算出方法としては、例えば、操舵角δと、操舵角δおよび転舵角θの可変ギア比との乗算値を採用する方法がある。そして、目標転舵角演算部11Aは、算出結果を目標反力電流演算部11Bに出力する。
目標反力電流演算部11Bは、目標転舵角演算部11Aが算出した目標転舵角θ*、車速センサ5が検出した車速V、および転舵電流検出部8Bが検出した転舵電流に基づいて目標反力電流を算出する。そして、目標反力電流演算部11Bは、算出結果を反力制御部9(反力モータ駆動部9C)に出力する。
図3は、目標反力電流演算部11Bの構成を表すブロック図である。
図3に示すように、目標反力電流演算部11Bは、フィードフォワード軸力算出部11Ba、フィードバック軸力算出部11Bb、フィードバック軸力補正部11Bf、最終軸力算出部11Bc、軸力-操舵反力変換部11Bd、および目標反力電流演算部11Beを備える。
図4は、フィードフォワード軸力算出部11Baの構成を表すブロック図である。
図4に示すように、フィードフォワード軸力算出部11Baは、操舵角センサ3が検出した操舵角δ、および車速センサ5が検出した車速Vに基づき、後述する(5)式に従って操舵反力をフィードフォワード軸力TFFとして算出する。そして、フィードフォワード軸力算出部11Baは、算出結果を最終軸力算出部11Bc(図2参照)に出力する。
ここで、転舵ピニオン角Θとピニオン軸力Thとの関係式は、ステアリングホイール1と操向輪2とが機械的に接続している操舵機構を備える車両の運動方程式を基に下記(1)式で表される。転舵ピニオン角Θとしては、例えば、ピニオンシャフト10の回転角がある。具体的には、転舵ピニオン角Θは、操舵角δと、操舵角δおよび転舵角θとの間の可変ギア比との乗算値とする。また、ピニオン軸力Thとしては、例えば、ステアリングホイール1に付与される操舵反力がある。下記(1)式の右辺第1項は、ピニオン軸力Thを構成する成分のうち、転舵ピニオン角速度dΘ/dtに基づく成分を表すダンピング項である。また、右辺第2項は、ピニオン軸力Thを構成する成分のうち、転舵ピニオン角加速度d2Θ/dt2に基づく成分を表す慣性項である。さらに、右辺第3項は、ピニオン軸力Thを構成する成分のうち、タイヤ横力Fd(転舵ピニオン角Θ)に基づく成分を表す比例項である。
Th=Ks(Jrs2+Cr・s)/(Jr・s2+(Cr+Cs)s+Ks)・Θ+Cs(Jrs3+Cr・s2)/(Jr・s2+(Cr+Cs)s+Ks)・Θ+(Ks+Cs・s)/(Jr・s2+(Cr+Cs)s+Ks)・Fd ………(1)
ただし、図5に示すように、Ksはピニオン剛性、Csはピニオン粘性、Jrはラック慣性、Crはラック粘性である。
Th=Ks(Jrs2+Cr・s)/(Jr・s2+(Cr+Cs)s+Ks)・Θ+(Ks+Cs・s)/(Jr・s2+(Cr+Cs)s+Ks)・f(V)・Θ ………(2)
ここで、変数f(V)の設定方法としては、例えば、車速Vの絶対値に対応した変数f(V)を制御マップM1から読み出す方法を採用できる。制御マップM1としては、例えば、車速Vの絶対値に対応した変数f(V)を登録したマップがある。具体的には、図6に示すように、制御マップM1は、車速Vの絶対値が0である場合に変数f(V)を第1設定値(例えば、0.0)に設定する。また、車速Vの絶対値が第1設定車速V1(>0)以上の範囲では、車速Vの大きさにかかわらず変数f(V)を第2設定値(>第1設定値。例えば、1.0)に設定する。さらに、制御マップM1は、車速Vの絶対値が0以上で且つ第1設定車速V1未満の範囲では、転舵角速度dθ/dtの絶対値に応じて変数f(V)を直線的に増加させる。具体的には、制御マップM1は、車速Vの絶対値が0以上で且つ第1設定車速V1未満の範囲では、車速Vの絶対値と変数f(V)との関係を表す一次関数に従って変数f(V)を設定する。一次関数は、車速Vの絶対値が0である場合に変数f(V)を第1設定値(0.0)とし、車速Vの絶対値が第1設定車速V1である場合に変数f(V)を第2設定値(1.0)とする。これにより、フィードフォワード軸力算出部11Baは、車速Vの絶対値が第1設定車速V1未満である場合には、車速Vの絶対値が小さいほど比例成分の絶対値を小さくする(低減する)。また、フィードフォワード軸力算出部11Baは、車速Vの絶対値が第1設定車速V1以上である場合には、車速Vの大きさにかかわらず、比例成分の絶対値の低減を行わない。
Th=P(s+2・ζ・ωn)s/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)δ+I・(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)・f(V)・δ
=P(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)dδ/dt+I・(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)・f(V)・δ ………(3)
そのため、ピニオン軸力Th、つまり、ステアリングホイール1に発生する操舵反力は、上記(3)式を基に下記(4)式で表すことができる。
Th=P(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)dδ/dt+I・(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)・f(V)・δ ………(4)
TFF=P・P1・P2(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)dδ/dt+I・(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)・f(V)・δ+補正用ダンピング成分
=ダンピング成分・P1・P2+比例成分+補正用ダンピング成分 ………(5)
ただし、ダンピング成分はP(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)dδ/dt、比例成分はI・(s+2・ζ・ωn)/(s2+2・ζ・ωn・s+ωn2)・f(V)・δである。また、補正用ダンピング成分は、操舵角速度dδ/dtに基づくダンピング成分であり、操舵角速度dδ/dtと反対方向に操舵反力を発生させるものである。
ここで、ゲインP1の設定方法としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応したゲインP1を制御マップM2から読み出す方法を採用できる。制御マップM2としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応したゲインP1を登録したマップがある。具体的には、図7に示すように、制御マップM2は、操舵角速度dδ/dtが0である場合にゲインP1を第3設定値(例えば、1.0)に設定する。また、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第1設定操舵角速度dδ1/dt(>0)以上の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらずゲインP1を第4設定値(<第3設定値。例えば、0.5)に設定する。さらに、制御マップM2は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0以上で且つ第1設定操舵角速度dδ1/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値に応じてゲインP1を直線的に低下させる。具体的には、制御マップM2は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0以上で且つ第1設定操舵角速度dδ1/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値とゲインP1との関係を表す一次関数に従ってゲインP1を設定する。一次関数は、操舵角速度dδ/dtが0である場合にゲインP1を第3設定値(1.0)とし、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第1設定操舵角速度dδ1/dtである場合にゲインP1を第4設定値(0.5)とする。これにより、フィードフォワード軸力算出部11Baは、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第1設定操舵角速度dδ1/dt未満である場合には、操舵角速度dδ/dtの絶対値が大きいほどダンピング成分の絶対値を小さくする(補正する)。また、フィードフォワード軸力算出部11Baは、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第1設定操舵角速度dδ1/dt以上である場合には、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず、ゲインP1に基づくダンピング成分の絶対値の補正を行わない。
また、ゲインP2の設定方法としては、例えば、車速Vの絶対値に対応したゲインP2を制御マップM3から読み出す方法を採用できる。制御マップM3としては、例えば、車速Vの絶対値に対応したゲインP2を登録したマップがある。具体的には、図9に示すように、制御マップM3は、車速Vの絶対値が0である場合にゲインP2を第5設定値(例えば、0.5)に設定する。また、車速Vの絶対値が第2設定車速V2(>0)以上の範囲では、車速Vの大きさにかかわらずゲインP2を第6設定値(>第5設定値。例えば、1.0)に設定する。さらに、制御マップM3は、車速Vの絶対値が0以上で且つ第2設定車速V2未満の範囲では、車速Vの絶対値に応じてゲインP2を直線的に増加させる。具体的には、制御マップM3は、車速Vの絶対値が0以上で且つ第2設定車速V2未満の範囲では、車速Vの絶対値とゲインP2との関係を表す一次関数に従ってゲインP2を設定する。一次関数は、車速Vの絶対値が0である場合にゲインP2を第5設定値(0.5)とし、車速Vの絶対値が第2設定車速V2である場合にゲインP2を第6設定値(1.0)とする。これにより、フィードフォワード軸力算出部11Baは、車速Vの絶対値が第2設定車速V2未満である場合には、車速Vの絶対値が小さいほどダンピング成分の絶対値を小さくする(補正する)。また、フィードフォワード軸力算出部11Baは、車速Vの絶対値が第2設定車速V2以上である場合には、車速Vの大きさにかかわらず、ゲインP2に基づくダンピング成分の絶対値の補正を行わない。
さらに、補正用ダンピング成分の設定方法としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応した補正用ダンピング成分を制御マップM4から読み出す方法を採用できる。制御マップM2としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応した補正用ダンピング成分を登録したマップがある。具体的には、図10に示すように、制御マップM4は、車速V毎に設定される。各制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtが0である場合に補正用ダンピング成分を第7設定値(例えば、0.0)に設定する。また、制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第2設定操舵角速度dδ2/dt(>0)以上の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず補正用ダンピング成分を第8設定値(一定値)に設定する。さらに、制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtが0.0以上で且つ操舵角速度dδ/dtの絶対値が第3設定操舵角速度dδ3/dt(0<dδ3/dt<dδ2/dt)未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値に応じて補正用ダンピング成分を直線的に増加させる。具体的には、各制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0以上で且つ第3設定操舵角速度dδ3/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値と補正用ダンピング成分との関係を表す一次関数に従って補正用ダンピング成分を設定する。一次関数は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0である場合に補正用ダンピング成分を第7設定値(0.0)とし、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第3設定操舵角速度dδ3/dtである場合に補正用ダンピング成分を第9設定値(0<第9設定値<第8設定値)に設定する。また、各制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第3設定操舵角速度dδ3/dt以上で且つ第2設定操舵角速度dδ2/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値に応じて補正用ダンピング成分を直線的に増加させる。具体的には、制御マップM4は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第3設定操舵角速度dδ3/dt以上で且つ第2設定操舵角速度dδ2/dt未満の範囲では、車速Vの絶対値と補正用ダンピング成分との関係を表す一次関数に従って補正用ダンピング成分を設定する。一次関数は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第3設定操舵角速度dδ3/dtである場合に補正用ダンピング成分を第9設定値とし、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第2設定操舵角速度dδ2/dtである場合に補正用ダンピング成分を第8設定値とする。これにより、フィードフォワード軸力算出部11Baは、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第2設定操舵角速度dδ2/dt未満である場合には、操舵角速度dδ/dtの絶対値が大きいほど補正用ダンピング成分の絶対値を大きくする。また、フィードフォワード軸力算出部11Baは、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第2設定操舵角速度dδ2/dt以上である場合には、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず、補正用ダンピング成分の絶対値を予め定めた一定値とする。
図11に示すように、フィードバック軸力算出部11Bbは、電流軸力算出部11Bba、ブレンド軸力算出部11Bbb、操舵角速度検出部11Bbc、操舵判定部11Bbd、およびフィードバック軸力算出実行部11Bbeを備える。
電流軸力算出部11Bbaは、転舵電流検出部8Bが検出した転舵電流に基づき、下記(6)式に従ってステアリングラック軸力(ステアリングラックの軸力。以下、電流軸力とも呼ぶ)を算出する。下記(6)式では、まず、転舵電流と、転舵電流を基に転舵モータ8Aの出力トルクを算出するためのトルク定数[Nm/A]と、転舵モータ8Aのモータトルクを伝達するためのモータギア比とを乗算する。続いて、下記(6)式では、乗算結果を転舵モータ8Aのピニオンギアのピニオン半径[m]で除算し、除算結果に、転舵モータ8Aの出力トルクが伝達される際の効率を乗算し、乗算結果を電流軸力として算出する。そして、電流軸力算出部11Bbaは、算出結果をブレンド軸力算出部11Bbbおよびフィードバック軸力算出実行部11Bbeに出力する。
電流軸力=(転舵電流×モータギア比×トルク定数[Nm/A]/ピニオン半径[m])×効率
………(6)
横G軸力=操向輪2にかかる軸力×リンク比 ………(7)
操向輪2にかかる軸力=前輪荷重×横方向加速度Gy
なお、本実施形態では、横G軸力を算出する際に、横Gセンサ6で検出した横方向加速度Gyを用いる例を示したが、他の構成を採用してもよい。例えば、ヨーレートセンサ7が検出したヨーレートγに車速センサ5が検出した車速Vを乗算し、乗算結果γ×Vを横方向加速度Gyに代えて用いる構成としてもよい。
ヨーレート軸力=操向輪2にかかる軸力×リンク比 ………(8)
操向輪2にかかる軸力=前輪荷重×車速V×ヨーレートγ
TBR=横G軸力×K1+電流軸力×K2+ヨーレート軸力×K3 ………(9)
このように、本実施形態のブレンド軸力算出部11Bbbは、電流軸力に配分比率K2を乗算した値と横G軸力に配分比率K1を乗算した値とに基づいてブレンド軸力TBRを算出する。ここで、図12に示すように、横G軸力は、実際のステアリングラック軸力に比べ、位相が遅れる。また、電流軸力は、実際のステアリングラック軸力に比べ、位相が進む。それゆえ、本実施形態のブレンド軸力算出部11Bbbは、横G軸力に電流軸力を加えることで、図13に示すように、横G軸力による位相の遅れを補償でき、より適切なブレンド軸力TBRを算出できる。そのため、本実施形態の制御演算部11は、ブレンド軸力TBRに基づいて反力モータ9Aを駆動することで、より適切な操舵反力を付与できる。
フィードバック軸力TFB=電流軸力×GB+ブレンド軸力TBR×(1−GB)
………(10)
ここで、配分比率GBの設定方法としては、例えば、操舵判定部11Bbdが出力した判定結果を基に配分比率設定部11Bbfで配分比率GBを設定する方法を採用できる。配分比率設定部11Bbfは、操舵判定部11Bbdから操舵角速度dδ/dtおよび変数K4を読み込む。続いて、配分比率設定部11Bbfは、読み込んだ操舵角速度dδ/dtおよび変数K4に基づき、下記(11)式に従って配分比率GBを算出する。
GB=K4×K5 ………(11)
ここで、変数K5の設定方法としては、例えば、操舵角速度dδ/dtに対応した変数K5を制御マップM5から読み出す方法を採用できる。制御マップM5としては、例えば、操舵角速度dδ/dtに対応した変数K5を登録したマップがある。
図14に示すように、制御マップM5は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0以上で且つ第4設定操舵角速度dδ4/dt(>0)未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず変数K5を第10設定値(例えば、1.0)に設定する。また、制御マップM5は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第5設定操舵角速度dδ5/dt(>dδ4/dt)以上の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず変数K5を第11設定値(<第10設定値。例えば、0.0)に設定する。さらに、制御マップM5は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt以上で且つ第5設定操舵角速度dδ5/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値に応じて変数K5を直線的に低下させる。具体的には、制御マップM5は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt以上で且つ第5設定操舵角速度dδ5/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値と変数K5との関係を表す一次関数に従って変数K5を設定する。一次関数は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dtである場合に変数K5を第10設定値(1.0)とし、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第5設定操舵角速度dδ5/dtである場合に変数K5を第11設定値(0.0)とする。これにより、配分比率設定部11Bbfは、変数K4が1.0(切り増し操作時)であり、且つ、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt未満(低速操舵時)である場合には、配分比率GBを1.0とする。そして、フィードバック軸力算出実行部11Bbeは、電流軸力をフィードバック軸力TFBとする。また、配分比率設定部11Bbfは、変数K4が1.0(切り増し操作時)であり、且つ、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第5設定操舵角速度dδ5/dt以上(高速操舵時)である場合には、配分比率GBを0.0とする。これにより、フィードバック軸力算出実行部11Bbeは、ブレンド軸力TBRをフィードバック軸力TFBとする。また、配分比率設定部11Bbfは、変数K4が1.0(切り増し操作時)であり、且つ、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt以上で且つ第5設定操舵角速度dδ5/dt未満(中速操舵時)である場合には、変数K5を配分比率GBとする。これにより、フィードバック軸力算出実行部11Bbeは、電流軸力に変数K5を乗算した値とブレンド軸力TBRに(1−K5)を乗算した値とを合算したものをフィードバック軸力TFBとする。一方、配分比率設定部11Bbfは、変数K4が0.0(切り戻し操作時)である場合には、操舵角速度dδ/dtにかかわらず、0.0を配分比率GBとする。そして、フィードバック軸力算出実行部11Bbeは、ブレンド軸力TBRをフィードバック軸力TFBとする。
ちなみに、ブレンド軸力TBRは、操向輪2の転舵に伴うフリクションの要素が含まれていない。それゆえ、例えば、ステアリングホイール1の切り増し操作時に、ブレンド軸力TBRをフィードバック軸力TFBとする方法では、操舵感に違和感を与える可能性がある。
最終軸力=フィードフォワード軸力TFF×GF+フィードバック軸力TFB×(1−GF)
………(12)
このように、本実施形態の最終軸力算出部11Bcは、フィードバック軸力TFBおよびフィードフォワード軸力TFFに基づいて最終軸力を算出する。ここで、フィードバック軸力TFBは、操向輪2に作用するタイヤ横力Fdの影響を反映するため、路面状態の変化や車両状態の変化に応じて変化する。これに対し、フィードフォワード軸力TFFは、タイヤ横力Fdの影響を反映しないため、路面状態の変化等にかかわらず滑らかに変化する。それゆえ、最終軸力算出部11Bcは、フィードバック軸力TFBに加え、フィードフォワード軸力TFFに基づいて最終軸力を算出することで、より適切な最終軸力を算出できる。
配分比率GF1の設定方法としては、例えば、軸力差分の絶対値に対応した配分比率GF1を制御マップM6から読み出す方法を採用できる。制御マップM6としては、例えば、軸力差分の絶対値に対応した配分比率GF1を登録したマップがある。具体的には、図15に示すように、制御マップM6は、軸力差分の絶対値が0以上で且つ第1設定軸力差分Z1(>0)未満の範囲では、軸力差分の大きさにかかわらず配分比率GF1を第12設定値(例えば、1.0)に設定する。第1設定軸力差分Z1としては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度が低下を開始する軸力差分を採用できる。また、制御マップM6は、軸力差分の絶対値が第2設定軸力差分Z2(>Z1)以上の範囲では、軸力差分の大きさにかかわらず配分比率GF1を第13設定値(<第12設定値。例えば、0.0)に設定する。第2設定軸力差分Z2としては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度がフィードバック軸力TFBの推定精度よりも低下する軸力差分を採用できる。さらに、制御マップM6は、軸力差分の絶対値が第1設定軸力差分Z1以上で且つ第2設定軸力差分Z2未満の範囲では、軸力差分の絶対値に応じて配分比率GF1を直線的に低下させる。具体的には、制御マップM6は、軸力差分の絶対値が第1設定軸力差分Z1以上で且つ第2設定軸力差分Z2未満の範囲では、軸力差分の絶対値と配分比率GF1との関係を表す一次関数に従って配分比率GF1を設定する。一次関数は、軸力差分の絶対値が第1設定軸力差分Z1である場合に配分比率GF1を第12設定値(1.0)とし、軸力差分の絶対値が第2設定軸力差分Z2である場合に配分比率GF1を第13設定値(0.0)とする。
ここで、配分比率GF2の設定方法としては、例えば、横方向加速度Gyの絶対値に対応した配分比率GF2を制御マップM7から読み出す方法を採用できる。制御マップM7としては、例えば、横方向加速度Gyの絶対値に対応した配分比率GF2を登録したマップがある。具体的には、図16に示すように、制御マップM7は、横方向加速度Gyの絶対値が0以上で且つ第1設定横方向加速度Gy1(>0)未満の範囲では、横方向加速度Gyの大きさにかかわらず配分比率GF2を第14設定値(例えば、1.0)に設定する。第1設定横方向加速度Gy1としては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度が低下を開始する横方向加速度Gyを採用できる。また、制御マップM7は、横方向加速度Gyの絶対値が第2設定横方向加速度Gy2(>Gy1)以上の範囲では、横方向加速度Gyの大きさにかかわらず配分比率GF2を第15設定値(<第14設定値。例えば、0.0)に設定する。第2設定横方向加速度Gy2としては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度がフィードバック軸力TFBの推定精度よりも低下する横方向加速度Gyを採用できる。さらに、制御マップM7は、横方向加速度Gyの絶対値が第1設定横方向加速度Gy1以上で且つ第2設定横方向加速度Gy2未満の範囲では、横方向加速度Gyの絶対値に応じて配分比率GF2を直線的に低下させる。具体的には、制御マップM7は、横方向加速度Gyの絶対値が第1設定横方向加速度Gy1以上で且つ第2設定横方向加速度Gy2未満の範囲では、横方向加速度Gyの絶対値と配分比率GF2との関係を表す一次関数に従って配分比率GF2を設定する。一次関数は、横方向加速度Gyの絶対値が第1設定横方向加速度Gy1である場合に配分比率GF3を第14設定値(1.0)とし、横方向加速度Gyの絶対値が第2設定横方向加速度Gy2である場合に配分比率GF3を第15設定値(0.0)とする。
ここで、配分比率GF3の設定方法としては、例えば、車速Vの絶対値および操舵角δの絶対値に対応した配分比率GF3a、GF3bを制御マップM8a、M8bから読み出し、読み出した配分比率GF3a、GF3bを乗算し、乗算結果を配分比率GF3とする方法を採用できる。制御マップM8aとしては、例えば、車速Vの絶対値に対応した配分比率GF3を登録したマップがある。具体的には、図17(a)に示すように、制御マップM8aは、車速Vの絶対値が0以上で且つ第3設定車速V3未満の範囲では、車速Vの大きさにかかわらず配分比率GF3aを第16設定値(例えば、0.5)に設定する。第3設定車速V3としては、例えば、車速Vが低いことによるタイヤ特性の非線形性(タイヤすべり角に対するタイヤ横力Fdの非線形性)が現れ、フィードフォワード軸力TFFの推定精度が低下を開始する車速Vを採用できる。また、制御マップM8aは、車速Vの絶対値が第4設定車速V4(>V3)以上の範囲では、車速Vの大きさにかかわらず配分比率GF3aを第17設定値(>第16設定値。例えば、1.0)に設定する。第4設定車速V4としては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度がフィードバック軸力TFBの推定精度よりも向上する車速Vを採用できる。さらに、制御マップM8aは、車速Vの絶対値が第3設定車速V3以上で且つ第4設定車速V4未満の範囲では、車速Vの絶対値に応じて配分比率GF3aを直線的に増加させる。具体的には、制御マップM8aは、車速Vの絶対値が第3設定車速V3以上で且つ第4設定車速V4未満の範囲では、車速Vと配分比率GF3aとの関係を表す一次関数に従って配分比率GF3aを設定する。一次関数は、車速Vの絶対値が第3設定車速V3である場合に配分比率GF3aを第16設定値(0.5)とし、車速Vが第4設定車速V4である場合に配分比率GF3aを第17設定値(1.0)とする。
ここで、配分比率GF4の設定方法としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応した配分比率GF4を制御マップM9から読み出す方法を採用できる。制御マップM9としては、例えば、操舵角速度dδ/dtの絶対値に対応した配分比率GF4を登録したマップがある。具体的には、図18に示すように、制御マップM9は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が0以上で且つ第4設定操舵角速度dδ4/dt(>0)未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず配分比率GF4を第20設定値(例えば、1.0)に設定する。第4設定操舵角速度dδ4/dtとしては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度が低下を開始する操舵角速度dδ/dtを採用できる。また、制御マップM9は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第5設定操舵角速度d5/dt(>dδ4/dt)以上の範囲では、操舵角速度dδ/dtの大きさにかかわらず配分比率GF4を第21設定値(<第20設定値。例えば、0.0)に設定する。第5設定操舵角速度dδ5/dtとしては、例えば、フィードフォワード軸力TFFの推定精度がフィードバック軸力TFBの推定精度よりも低下する操舵角速度dδ/dtを採用できる。さらに、制御マップM9は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt以上で且つ第5設定操舵角速度dδ5/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値に応じて配分比率GF4を直線的に低下させる。具体的には、制御マップM9は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dt以上で且つ第5設定操舵角速度d5/dt未満の範囲では、操舵角速度dδ/dtの絶対値と配分比率GF4との関係を表す一次関数に従って配分比率GF4を設定する。一次関数は、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第4設定操舵角速度dδ4/dtである場合に配分比率GF4を第20設定値(1.0)とし、操舵角速度dδ/dtの絶対値が第5設定操舵角速度dδ5/dtである場合に配分比率GF4を第21設定値(0.0)とする。
図19に示すように、制御マップM10は、車速V毎に設定される。また、制御マップM10は、最終軸力が大きいほど目標操舵反力を大きい値とする。
図3に戻り、目標反力電流演算部11Beは、軸力-操舵反力変換部11Bdが算出した目標操舵反力に基づき、下記(13)式に従って目標反力電流を算出する。そして、目標反力電流演算部11Beは、算出結果を反力モータ駆動部9Cに出力する。
目標反力電流=目標操舵反力×ゲイン ………(13)
次に、車両Aの操舵制御装置の動作について説明する。
車両Aがカーブ外側からカーブ内側に向かって下方へ傾斜している傾斜カーブ路の走行時に、運転者がステアリングホイール1を操作したとする。すると、制御演算部11が、操舵角δおよび車速Vに基づき目標転舵角θ*を算出する(図2の目標転舵角演算部11A)。続いて、制御演算部11が、算出した目標転舵角θ*から実際の転舵角θを減じた減算結果に基づき目標転舵電流を算出する(図2の目標転舵電流演算部11C)。これにより、転舵制御部8が、ステアリングホイール1の操作量に応じて操向輪2を転舵する。
なお、例えば、フィードバック軸力TFBを最終軸力とする方法では、傾斜カーブ路をニュートラル速度付近で走行すると、フィードバック軸力TFBがほぼ0になり、操舵反力がほぼ0になる可能性があった。それゆえ、傾斜カーブ路を走行中に、操舵反力がほぼ0になってしまい、運転者の一般的な運転感覚と異なったものとなる可能性があった。
また、本実施形態の操舵制御装置は、フィードバック軸力TFBの絶対値が傾斜カーブ路判定用軸力未満、軸力差分の絶対値が傾斜カーブ路判定用軸力差分以上、および操舵角δの絶対値が傾斜カーブ路判定用操舵角未満である場合に、車両Aが傾斜カーブ路を走行していると判定する。それゆえ、本実施形態の操舵制御装置は、傾斜カーブ路を走行しているかを比較的容易に判定できる。
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)制御演算部11が、操舵角δに基づく操舵反力をフィードフォワード軸力TFFとして算出する。続いて、制御演算部11が、操向輪2に作用するタイヤ横力Fdで変動する車両Aの状態量に基づくステアリングラック軸力をフィードバック軸力TFBとして算出する。続いて、制御演算部11が、算出したフィードフォワード軸力TFFとフィードバック軸力TFBとを配分して、最終軸力を設定する。そして、制御演算部11が、設定した最終軸力に基づいて操舵反力を付与する。その際、制御演算部11が、車両Aがカーブ外側からカーブ内側に向かって傾斜している傾斜カーブ路を走行していると判定した場合には、フィードフォワード軸力TFFを最終軸力とする。
このような構成によれば、車両Aが傾斜カーブ路を走行していると判定した場合には、フィードフォワード軸力TFFを最終軸力とする。それゆえ、例えば、傾斜カーブ路の走行中に、タイヤ横力Fdで変動する車両Aの状態量の正負が切り替わったとしても、最終軸力の正負が切り替わらない。そのため、反力モータ9Aの正負の切り替わりを抑制でき、操舵反力の振動を抑制できる。
このような構成によれば、傾斜カーブ路を走行しているかを比較的容易に判定できる。
3 操舵角センサ(操舵角検出部)
5 車速センサ(車速検出部)
6 横Gセンサ(状態量検出部)
7 ヨーレートセンサ(状態量検出部)
8A 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
8B 転舵電流検出部(状態量検出部)
8C 転舵モータ駆動部(転舵アクチュエータ)
9A 反力モータ(反力アクチュエータ)
9C 反力モータ駆動部(反力アクチュエータ)
11B 目標反力電流演算部(反力アクチュエータ)
11Ba フィードフォワード軸力算出部(フィードフォワード軸力算出部)
11Bb フィードバック軸力算出部(フィードバック軸力算出部)
11Bbe フィードバック軸力算出実行部(フィードバック軸力算出部)
11Bc 最終軸力算出部(最終軸力設定部)
11Bf フィードバック軸力補正部(最終軸力設定部、傾斜カーブ路走行判定部)
Claims (2)
- 操向輪と機械的に分離したステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの操作量に応じて操向輪を転舵する転舵アクチュエータと、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出部と、
前記操舵角検出部が検出した前記操舵角に基づき操舵反力をフィードフォワード軸力として算出するフィードフォワード軸力算出部と、
前記操向輪に作用するタイヤ横力で変動する車両の状態量を検出する状態量検出部と、
前記状態量検出部が検出した前記車両の状態量に基づき操舵反力をフィードバック軸力として算出するフィードバック軸力算出部と、
前記フィードフォワード軸力算出部が算出した前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力算出部が算出した前記フィードバック軸力とを配分して、最終軸力を設定する最終軸力設定部と、
前記最終軸力設定部が設定した前記最終軸力に基づいて、操舵反力を付与する反力アクチュエータと、を備え、
前記最終軸力設定部は、前記車両がカーブ外側からカーブ内側に向かって下方へ傾斜している傾斜カーブ路を走行していると判定した場合には、前記フィードフォワード軸力算出部が算出した前記フィードフォワード軸力を前記最終軸力とすることを特徴とする操舵制御装置。 - 前記最終軸力設定部は、前記フィードバック軸力算出部が算出した前記フィードバック軸力の絶対値が設定軸力未満、前記フィードフォワード軸力算出部が算出した前記フィードフォワード軸力と前記フィードバック軸力算出部が算出した前記フィードバック軸力との差である軸力差分の絶対値が設定軸力差分以上、および前記操舵角検出部が検出した前記操舵角の絶対値が設定操舵角未満である場合に、前記車両が前記傾斜カーブ路を走行していると判定することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
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