JP2020185920A - 操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に与える違和感を低減することができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、車両の操舵機構に付与される駆動力の発生源である転舵モータを、転舵モータに連動して回転するピニオンシャフトの回転角を目標ピニオン角に追従させるように制御する。制御装置は、目標ピニオン角が、手動運転制御の実行時に使用される目標ピニオン角と、自動運転制御の実行時に使用される目標ピニオン角との間で切り替えられるとき、その切り替えられる目標ピニオン角と前回の目標ピニオン角との差δθが零へ向けて徐々に減少するように最終的な目標ピニオン角θp*を演算する。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達を機械的に分離した、いわゆるステアバイワイヤ方式の操舵装置が知られている。この操舵装置は、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の発生源である反力モータ、および転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵モータを有している。車両が走行しているとき、操舵装置の制御装置は、反力モータを通じて操舵反力を発生させる反力制御を実行するとともに、転舵モータを通じて転舵輪を転舵させる転舵制御を実行する。
特開2015−33942号公報
近年では、車両の安全性あるいは利便性をより向上させるための様々な運転支援機能あるいはシステムが運転を代替する自動運転機能を実現するための自動運転システムの開発が盛んに行われている。自動運転システムの制御装置は、その時々の車両の状態に基づき最適な制御方法を求め、その求められる制御方法に応じて各車載システムの制御装置に対して個別の制御を指令する。操舵装置の制御装置は、自動運転システムの制御装置により生成される指令値に基づきモータの駆動を制御する。
自動運転システムが車両に搭載される場合、つぎのようなことが懸念される。すなわち、手動運転が行われるときと、運転支援あるいは自動運転が行われるときとで、操舵装置の制御装置が実行する反力制御あるいは転舵制御に対する要求が異なることがある。反力モータが発生する操舵反力はステアリングホイールの挙動に影響を及ぼすため、車両の操舵モードが手動運転と運転支援との間で切り替えられるとき、運転者はステアリングホイールを介した手応えが急変することによって違和感を覚えるおそれがある。また、転舵モータが発生する転舵力は車両の挙動に影響を及ぼすため、車両の操舵モードが手動運転と運転支援との間で切り替えられるとき、運転者は車両の挙動が急変することによって違和感を覚えるおそれがある。
なお、車両の操舵機構に対してモータのトルクをアシスト力として付与するEPS(電動パワーステアリング装置)が搭載された車両に自動運転システムを搭載する場合についても、ステアバイワイヤ方式の操舵装置の制御装置と同様の課題が存在する。
本発明の目的は、運転者に与える違和感を低減することができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、車両の操舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを、前記モータに連動して回転するシャフトの回転角を目標回転角に追従させるように制御する。この操舵制御装置は、前記目標回転角が、第1の制御状態で使用される第1の目標回転角と第2の制御状態で使用される第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、当該切り替えられる前記第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角を演算する演算部を有している。
目標回転角が変われば操舵機構に付与される駆動力も変化する。このため、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、その切り替えられる第1または第2の目標回転角を最終的な目標回転角として即時にモータの制御に使用する場合、第1または第2の目標回転角と現在の目標回転角との差に応じて、操舵機構に付与される駆動力が急激に変化するおそれがある。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、その切り替えられる第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、操舵機構に付与される駆動力が急激に変化することが抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、前記切り替えられる第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差である角度差を演算する第1の演算部と、ステアリングホイールの操舵状態または転舵輪の転舵状態に応じて前記角度差に対する減算値を演算する第2の演算部と、前記目標回転角が前記第1の目標回転角と前記第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、前記角度差から前記減算値を減算することにより最終的な角度差を演算する第3の演算部と、前記切り替えられる第1または第2の目標回転角に対して前記最終的な角度差を加算することにより今回の最終的な目標回転角を演算する第4の演算部と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、その切り替えられる第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との角度差から操舵状態または転舵状態に応じた減算値が減算されることにより得られる最終的な角度差が、第1または第2の目標回転角に加算される。この処理が繰り返されることにより、最終的な目標回転角は第1または第2の目標回転角へ向けて徐々に変化する。操舵機構に付与される駆動力の急変が抑制されるため、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記第2の演算部は、ステアリングホイールの操舵速度もしくは当該操舵速度が反映される状態変数、または転舵輪の転舵速度もしくは当該転舵速度が反映される状態変数に応じて、前記減算値を演算することが好ましい。
この構成によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、その切り替えられる第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との角度差から操舵速度もしくは当該操舵速度が反映される状態変数などに応じた減算値が減算されることにより、最終的な角度差が演算される。この最終的な角度差が第1または第2の目標回転角に加算されることにより得られる最終的な目標回転角は、操舵速度もしくは当該操舵速度が反映される状態変数などに応じて、第1または第2の目標回転角へ向けて変化する。このため、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、車速に応じたゲインを演算する第5の演算部と、前記第5の演算部により演算されるゲインを前記第2の演算部により演算される前記減算値に乗ずる第6の演算部と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、第2の演算部により演算される減算値は車速に応じて変化する。目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、車速を考慮した減算値が使用されることにより、最終的な目標回転角は、操舵速度などに加え車速に応じて、第1または第2の目標回転角へ向けて変化する。このため、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記第1の制御状態は車載される上位制御装置が操舵制御に介入しないときの制御状態であって、前記第2の制御状態は前記上位制御装置が操舵制御に介入するときの制御状態であってもよい。
上位制御装置が操舵制御に介入するときと、上位制御装置が操舵制御に介入しないときとで、モータが発生する駆動力に対する要求が異なることが考えられる。このため、上位制御装置が操舵制御に介入しない第1の制御状態と、上位制御装置が操舵制御に介入する第2の制御状態との間で切り替わるとき、運転者は操舵機構に付与される駆動力が急変することなどによって違和感を覚えることが懸念される。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が、第1の制御状態で使用される第1の目標回転角と第2の制御状態で使用される第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、操舵機構に付与される駆動力が急激に変化することが抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記第1の目標回転角は、操舵状態が反映される第1の状態変数および車両の走行状態が反映される第2の状態変数に基づくものである一方、前記第2の目標回転角は前記第1の状態変数に基づくものであってもよい。この場合、前記第1の状態変数が正常であることを前提とするとき、前記第1の制御状態は前記第2の状態変数が正常であるときの制御状態であって、前記第2の制御状態は前記第2の状態変数が異常であるときの制御状態であってもよい。
この構成によれば、第1の状態変数および第2の状態変数に基づく第1の目標回転角が使用される場合にモータが発生する駆動力と、第1の状態変数に基づく第2の目標回転角が使用される場合にモータが発生する駆動力とは異なることが考えられる。このため、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替わるとき、運転者は操舵機構に付与される駆動力が急変することによって違和感を覚えることが懸念される。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、操舵機構に付与される駆動力が急激に変化することが抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵機構は、ステアリングホイールとの間の動力伝達が分離される転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備えることを前提として、前記モータは前記転舵シャフトに付与される前記駆動力として転舵輪を転舵させるための転舵力を発生する転舵モータを含んでいてもよい。
目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替わるとき、運転者は転舵シャフトに付与される転舵力が急変することによって違和感を覚えることが懸念される。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、転舵シャフトに付与される転舵力の急変が抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵機構は、ステアリングホイールの操作に連動して回転するとともに、転舵輪との間の動力伝達が分離されたステアリングシャフトを備えることを前提として、前記モータは前記ステアリングシャフトに付与される前記駆動力として操舵方向と反対方向のトルクである操舵反力を発生する反力モータを含んでいてもよい。
目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替わるとき、運転者はステアリングホイールに付与される操舵反力が急変することによって違和感を覚えることが懸念される。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の急変が抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記操舵機構は、ステアリングホイールの操作に連動して回転するシャフトおよび前記シャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備えることを前提として、前記モータは前記シャフトまたは前記転舵シャフトに付与される前記駆動力として操舵方向と同方向のトルクである操舵補助力を発生させるアシストモータであってもよい。
目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替わるとき、運転者は操舵補助力が急変することによって違和感を覚えることが懸念される。
この点、上記の操舵制御装置によれば、目標回転角が第1の目標回転角と第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角が演算される。このため、操舵補助力の急変が抑制される。したがって、運転者に与える違和感を低減することができる。
本発明の操舵制御装置によれば、運転者に与える違和感を低減することができる。
操舵制御装置の第1の実施の形態が搭載されるステアバイワイヤ方式の操舵装置の構成図。 操舵制御装置の第1の実施の形態の制御ブロック図。 第1の実施の形態における操舵反力指令値演算部の制御ブロック図。 第1〜第5の実施の形態における角度差徐変処理部の制御ブロック図。 第1〜第5の実施の形態における徐変処理部の制御ブロック図。 第3の実施の形態における舵角比変更制御部の制御ブロック図。 操舵制御装置の第4および第5の実施の形態が搭載される電動パワーステアリング装置の構成図。 操舵制御装置の第4の実施形態の制御ブロック図。
<第1の実施の形態>
以下、操舵制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置10は、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12を有している。また、操舵装置10は、車幅方向(図1中の左右方向)に沿って延びる転舵シャフト14を有している。転舵シャフト14の両端には、それぞれタイロッド15,15を介して左右の転舵輪16,16が連結されている。転舵シャフト14が直線運動することにより、転舵輪16,16の転舵角θが変更される。ステアリングシャフト12および転舵シャフト14は操舵機構を構成する。
<操舵反力を発生させるための構成:反力ユニット>
また、操舵装置10は、操舵反力を生成するための構成として、反力モータ31、減速機構32、回転角センサ33、およびトルクセンサ34を有している。ちなみに、操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)をいう。操舵反力をステアリングホイール11に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることが可能である。
反力モータ31は、操舵反力の発生源である。反力モータ31としてはたとえば三相(U,V,W)のブラシレスモータが採用される。反力モータ31(正確には、その回転軸)は、減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。反力モータ31のトルクは、操舵反力としてステアリングシャフト12に付与される。
回転角センサ33は反力モータ31に設けられている。回転角センサ33は、反力モータ31の回転角θを検出する。反力モータ31の回転角θは、舵角(操舵角)θの演算に使用される。反力モータ31とステアリングシャフト12とは減速機構32を介して連動する。このため、反力モータ31の回転角θとステアリングシャフト12の回転角、ひいてはステアリングホイール11の回転角である舵角θとの間には相関がある。したがって、反力モータ31の回転角θに基づき舵角θを求めることができる。
トルクセンサ34は、ステアリングホイール11の回転操作を通じてステアリングシャフト12に加わる操舵トルクTを検出する。トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における減速機構32よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。
<転舵力を発生させるための構成:転舵ユニット>
また、操舵装置10は、転舵輪16,16を転舵させるための動力である転舵力を生成するための構成として、転舵モータ41、減速機構42、および回転角センサ43を有している。
転舵モータ41は転舵力の発生源である。転舵モータ41としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。転舵モータ41(正確には、その回転軸)は、減速機構42を介してピニオンシャフト44に連結されている。ピニオンシャフト44のピニオン歯44aは、転舵シャフト14のラック歯14bに噛み合わされている。転舵モータ41のトルクは、転舵力としてピニオンシャフト44を介して転舵シャフト14に付与される。転舵モータ41の回転に応じて、転舵シャフト14は車幅方向(図中の左右方向)に沿って移動する。
回転角センサ43は転舵モータ41に設けられている。回転角センサ43は転舵モータ41の回転角θを検出する。
ちなみに、操舵装置10は、ピニオンシャフト13を有している。ピニオンシャフト13は、転舵シャフト14に対して交わるように設けられている。ピニオンシャフト13のピニオン歯13aは、転舵シャフト14のラック歯14aに噛み合わされている。ピニオンシャフト13を設ける理由は、ピニオンシャフト44と共に転舵シャフト14をハウジング(図示略)の内部に支持するためである。すなわち、操舵装置10に設けられる支持機構(図示略)によって、転舵シャフト14は、その軸方向に沿って移動可能に支持されるとともに、ピニオンシャフト13,44へ向けて押圧される。これにより、転舵シャフト14はハウジングの内部に支持される。ただし、ピニオンシャフト13を使用せずに転舵シャフト14をハウジングに支持する他の支持機構を設けてもよい。
<制御装置>
また、操舵装置10は、制御装置50を有している。制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づき反力モータ31、および転舵モータ41を制御する。センサとしては、前述した回転角センサ33、トルクセンサ34および回転角センサ43に加えて、車速センサ501がある。車速センサ501は、車両に設けられて車両の走行速度である車速Vを検出する。
制御装置50は、反力モータ31の駆動制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵反力を発生させる反力制御を実行する。制御装置50は操舵トルクTおよび車速Vに基づき目標操舵反力を演算し、この演算される目標操舵反力、操舵トルクTおよび車速Vに基づきステアリングホイール11の目標操舵角を演算する。制御装置50は、実際の舵角θを目標操舵角に追従させるべく実行される舵角θのフィードバック制御を通じて舵角補正量を演算し、この演算される舵角補正量を目標操舵反力に加算することにより操舵反力指令値を演算する。制御装置50は、操舵反力指令値に応じた操舵反力を発生させるために必要とされる電流を反力モータ31へ供給する。
制御装置50は、転舵モータ41の駆動制御を通じて転舵輪16,16を操舵状態に応じて転舵させる転舵制御を実行する。制御装置50は、回転角センサ43を通じて検出される転舵モータ41の回転角θに基づきピニオンシャフト44の実際の回転角であるピニオン角θを演算する。このピニオン角θは、転舵輪16,16の転舵角θを反映する値である。制御装置50は、前述した目標操舵角を使用して目標ピニオン角を演算する。そして制御装置50は、目標ピニオン角と実際のピニオン角θとの偏差を求め、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する。
ここで、車両には、車両の安全性あるいは利便性をより向上させるための様々な運転支援機能あるいはシステムが運転を代替する自動運転機能を実現する自動運転システムが搭載されることがある。この場合、車両においては、制御装置50と他の車載システムの制御装置との協調制御が行われる。協調制御とは、複数種の車載システムの制御装置が互いに連携して車両の動きを制御する技術をいう。車両には、たとえば各種の車載システムの制御装置を統括制御する上位制御装置500が搭載される。上位制御装置500は、その時々の車両の状態に基づき最適な制御方法を求め、その求められる制御方法に応じて各種の車載制御装置に対して個別の制御を指令する。
上位制御装置500は、制御装置50による操舵制御に介入する。上位制御装置500は、運転席などに設けられる図示しないスイッチの操作を通じて、自己の自動運転制御機能をオン(有効)とオフ(無効)との間で切り替える。ただし、自動運転制御機能には、車両の安全性あるいは利便性をより向上させるための運転支援制御機能も含まれる。
上位制御装置500は、たとえば車両に目標車線上を走行させるための指令値Sとして付加角度指令値を演算する。付加角度指令値は、その時々の車両の走行状態に応じて、車両を車線に沿って走行させるために必要とされる操舵角の目標値(現在の操舵角に付加すべき角度)である。制御装置50は、上位制御装置500により演算される指令値Sを使用して反力モータ31および転舵モータ41を制御する。
また、上位制御装置500は、制御装置50に対する指令Sとしてフラグを生成する。フラグは、自動運転制御機能がオンであるかオフであるかを示す情報である。上位制御装置500は、自動運転制御機能がオンであるときにはフラグの値を「1」に、自動運転制御機能がオフであるときにはフラグの値を「0」にセットする。
<制御装置の詳細構成>
つぎに、制御装置50について詳細に説明する。
図2に示すように、制御装置50は、反力制御を実行する反力制御部50a、および転舵制御を実行する転舵制御部50bを有している。
<反力制御部>
反力制御部50aは、舵角演算部51、操舵反力指令値演算部52、および通電制御部53を有している。
舵角演算部51は、回転角センサ33を通じて検出される反力モータ31の回転角θに基づきステアリングホイール11の舵角θを演算する。
操舵反力指令値演算部52は、操舵トルクT、車速Vおよび舵角θに基づき操舵反力指令値Tを演算する。操舵反力指令値演算部52は、操舵トルクTの絶対値が大きいほど、また車速Vが遅いほど、より大きな絶対値の操舵反力指令値Tを演算する。ちなみに、操舵反力指令値演算部52は、操舵反力指令値Tを演算する過程でステアリングホイール11の目標舵角θを演算する。操舵反力指令値演算部52については、後に詳述する。
通電制御部53は、操舵反力指令値Tに応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部53は、操舵反力指令値Tに基づき反力モータ31に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部53は、反力モータ31に対する給電経路に設けられた電流センサ54を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流Iの値を検出する。この電流Iの値は、反力モータ31に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部53は、電流指令値と実際の電流Iの値との偏差を求め、当該偏差を無くすように反力モータ31に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、反力モータ31は操舵反力指令値Tに応じたトルクを発生する。運転者に対して路面反力に応じた適度な手応え感を与えることが可能である。
<転舵制御部>
転舵制御部50bは、ピニオン角演算部61、ピニオン角フィードバック制御部62、通電制御部63を有している。
ピニオン角演算部61は、回転角センサ43を通じて検出される転舵モータ41の回転角θに基づきピニオンシャフト44の実際の回転角であるピニオン角θを演算する。転舵モータ41とピニオンシャフト44とは減速機構42を介して連動する。このため、転舵モータ41の回転角θとピニオン角θとの間には相関関係がある。この相関関係を利用して転舵モータ41の回転角θからピニオン角θを求めることができる。また、ピニオンシャフト44は、転舵シャフト14に噛合されている。このため、ピニオン角θと転舵シャフト14の移動量との間にも相関関係がある。すなわち、ピニオン角θは、転舵輪16,16の転舵角θを反映する値である。
ピニオン角フィードバック制御部62は、操舵反力指令値演算部52により演算される目標舵角θを目標ピニオン角θ として取り込む。また、ピニオン角フィードバック制御部62は、ピニオン角演算部61により演算される実際のピニオン角θを取り込む。ピニオン角フィードバック制御部62は、実際のピニオン角θを目標ピニオン角θ (ここでは、目標舵角θに等しい。)に追従させるべくピニオン角θのフィードバック制御を通じてピニオン角指令値T を演算する。
通電制御部63は、ピニオン角指令値T に応じた電力を転舵モータ41へ供給する。具体的には、通電制御部63は、ピニオン角指令値T に基づき転舵モータ41に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部63は、転舵モータ41に対する給電経路に設けられた電流センサ64を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流Iの値を検出する。この電流Iの値は、転舵モータ41に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部63は、電流指令値と実際の電流Iの値との偏差を求め、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、転舵モータ41はピニオン角指令値T に応じた角度だけ回転する。
<操舵反力指令値演算部>
つぎに、操舵反力指令値演算部52について詳細に説明する。
図3に示すように、操舵反力指令値演算部52は、加算器70、目標操舵トルク演算部71、トルクフィードバック制御部72、軸力演算部73、目標舵角演算部74、舵角フィードバック制御部75、および加算器76を有している。
加算器70は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクTとトルクフィードバック制御部72により演算される第1の操舵反力指令値T とを加算することにより、ステアリングシャフト12に印加されるトルクとしての入力トルクTin を演算する。
目標操舵トルク演算部71は、加算器70により演算される入力トルクTin に基づき目標操舵トルクT を演算する。目標操舵トルクT とは、ステアリングホイール11に印加すべき操舵トルクTの目標値をいう。目標操舵トルク演算部71は、入力トルクTin の絶対値が大きいほど、より大きな絶対値の目標操舵トルクT を演算する。
トルクフィードバック制御部72は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、および目標操舵トルク演算部71により演算される目標操舵トルクT を取り込む。トルクフィードバック制御部72は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクTを目標操舵トルクT に追従させるべく操舵トルクTのフィードバック制御を通じて第1の操舵反力指令値T を演算する。
軸力演算部73は、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θを目標ピニオン角θ として取り込む。また、軸力演算部73は、電流センサ64を通じて検出される転舵モータ41の電流Iの値、および車速センサ501を通じて検出される車速Vを取り込む。軸力演算部73は、目標ピニオン角θ 、転舵モータ41の電流Iの値、および車速Vに基づき、転舵輪16,16を通じて転舵シャフト14に作用する軸力Faxを演算する。具体的には、つぎの通りである。
軸力演算部73は、目標ピニオン角θ に基づき、転舵輪16,16を通じて転舵シャフト14に作用する軸力の理想値である理想軸力を演算する。軸力演算部73は、制御装置50の図示しない記憶装置に格納された理想軸力マップを使用して理想軸力を演算する。理想軸力は、目標ピニオン角θ (あるいは目標ピニオン角θ に所定の換算係数を乗算することにより得られる目標転舵角)の絶対値が増大するほど、また車速Vが遅いほど、より大きな絶対値に設定される。なお、車速Vは必ずしも考慮しなくてもよい。
また、軸力演算部73は、転舵モータ41の電流Iの値に基づき、転舵シャフト14に作用する推定軸力を演算する。ここで、転舵モータ41の電流Iの値は、路面状態(路面摩擦抵抗)に応じた外乱が転舵輪16に作用することに起因して目標ピニオン角θ と実際のピニオン角θとの間の差が発生することによって変化する。すなわち、転舵モータ41の電流Iの値には、転舵輪16,16に作用する実際の路面反力が反映される。このため、転舵モータ41の電流Iの値に基づき路面状態の影響を反映した軸力を演算することが可能である。推定軸力は、車速Vに応じた係数であるゲインを転舵モータ41の電流Iの値に乗算することにより求められる。
そして、軸力演算部73は、理想軸力に対する配分比率(ゲイン)、および推定軸力に対する配分比率をそれぞれ個別に設定する。軸力演算部73は、理想軸力および推定軸力に対してそれぞれ個別に設定される配分比率を乗算した値を合算することにより、軸力Faxを演算する。配分比率は、車両挙動、路面状態あるいは操舵状態が反映される各種の状態変数に応じて設定される。
目標舵角演算部74は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、トルクフィードバック制御部72により演算される第1の操舵反力指令値T 、軸力演算部73により演算される軸力Fax、および車速センサ501を通じて検出される車速Vを取り込む。目標舵角演算部74は、これら取り込まれる操舵トルクT、第1の操舵反力指令値T 、軸力Faxおよび車速Vに基づき、ステアリングホイール11の目標舵角θを演算する。具体的には、つぎの通りである。
目標舵角演算部74は、第1の操舵反力指令値T および操舵トルクTの総和である入力トルクTin から軸力Faxをトルクに換算したトルク換算値(軸力に応じた操舵反力)を減算することにより、ステアリングホイール11に対する最終的な入力トルクTin を求める。目標舵角演算部74は、最終的な入力トルクTin から次式(A)で表される理想モデルに基づいて目標舵角θ(目標操舵角)を演算する。この理想モデルは、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間が機械的に連結されている操舵装置を前提として、入力トルクTin に応じた理想的な転舵角に対応するステアリングホイール11の舵角(操舵角)を予め実験などによりモデル化したものである。
in =Jθ*′′+Cθ*′+Kθ …(A)
ただし、「J」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12の慣性モーメントに対応する慣性係数、「C」は転舵シャフト14のハウジングに対する摩擦などに対応する粘性係数(摩擦係数)、「K」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12をそれぞればねとみなしたときのばね係数である。粘性係数Cおよび慣性係数Jは、車速Vに応じた値となる。また、「θ*′′」は目標舵角θの二階時間微分値、「θ′」は目標舵角θの一階時間微分値である。
ちなみに、上位制御装置500による運転支援制御または自動運転制御の実行を通じて、指令値Sとして付加角度指令値が演算される場合、指令値Sは目標舵角演算部74により演算される目標舵角θに加算される。この指令値Sが加算された最終的な目標舵角θは、軸力演算部73および舵角フィードバック制御部75へそれぞれ供給される。
舵角フィードバック制御部75は、舵角演算部51により演算される舵角θ、および目標舵角演算部74により演算される目標舵角θを取り込む。舵角フィードバック制御部75は、舵角演算部51により演算される実際の舵角θを目標舵角θに追従させるべく舵角θのフィードバック制御を通じて第2の操舵反力指令値T を演算する。
加算器76は、トルクフィードバック制御部72により演算される第1の操舵反力指令値T 、および舵角フィードバック制御部75により演算される第2の操舵反力指令値T を加算することにより操舵反力指令値Tを演算する。
ここで、前述したように上位制御装置500が制御装置50による操舵制御に介入することが想定されるところ、上位制御装置500が操舵制御に介入するときと、上位制御装置500が操舵制御に介入しないときとで、転舵モータ41が発生する転舵力(駆動力)に対する要求が異なることが想定される。この場合、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられるとき、運転者は転舵輪16,16の転舵角θが急変することによって違和感を覚えることが懸念される。そこで、本実施の形態では、転舵制御部50bとして、つぎの構成を採用している。
<角度差徐変処理部>
すなわち、先の図2に二点鎖線で示すように、転舵制御部50bには角度差徐変処理部80が設けられている。
図4に示すように、角度差徐変処理部80は、要求信号生成部81、差分演算部82、微分器83、および徐変処理部84を有している。
要求信号生成部81は、上位制御装置500により生成される指令Sを取り込み、この取り込まれる指令Sに応じて第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。要求信号生成部81は、指令Sとしてのフラグの値が「1」から「0」へ切り替わったとき、または指令Sとしてのフラグの値が「0」から「1」へ切り替わったとき、第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。第1の要求信号Srq1は、差分演算部82に対して動作の開始を要求する命令である。第2の要求信号Srq2は、徐変処理部84に対して動作の開始を要求する命令である。
差分演算部82は、要求信号生成部81により生成される第1の要求信号Srq1を取り込むことを契機として動作を開始する。差分演算部82は、目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θをプレ目標ピニオン角θppre として取り込む。また、差分演算部82は、後述する徐変処理部84により生成される最終的な目標ピニオン角θ (=現在の最終的な目標ピニオン角θ )を取り込む。差分演算部82は、プレ目標ピニオン角θppre と、現在の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθを演算する。
微分器83は、つぎの(c1)〜(c4)のいずれか1つの角度を微分することにより、角速度ωを演算するようにしてもよい。
(c1)後述する徐変処理部84により生成される最終的な目標ピニオン角θ
(c2)ピニオン角演算部61により演算されるピニオン角θ
(c3)目標舵角演算部74により演算される目標舵角θ(=θppre )。
(c4)舵角演算部51により演算される舵角θ
徐変処理部84は、要求信号生成部81により生成される第2の要求信号Srq2を取り込むことを契機として動作を開始する。徐変処理部84は、操舵反力指令値演算部52の目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θをプレ目標ピニオン角θppre として取り込む。また、徐変処理部84は、差分演算部82により演算される角度差δθを取り込む。また、徐変処理部84は、微分器83により演算される角速度ωを取り込む。徐変処理部84は、差分演算部82により演算される角度差δθに対して角速度ωに応じた徐変処理を施すとともに、この徐変処理が施された角度差をプレ目標ピニオン角θppre に加算することにより、最終的な目標ピニオン角θ (=今回の最終的な目標ピニオン角θ )を演算する。
<徐変処理部>
つぎに、徐変処理部84について詳細に説明する。
図5に示すように、徐変処理部84は、減算値演算部91、ゲイン演算部92、乗算器93、選択部94、減算器95、および加算器96を有している。
減算値演算部91は、角速度ωに応じて減算値θを演算する。減算値演算部91は、角速度ωと減算値θとの関係を規定するマップを使用して減算値θを演算する。減算値θは、角速度ωの絶対値が大きくなるほど、より大きな値に設定される。
ゲイン演算部92は、車速Vに応じたゲインGを演算する。ゲイン演算部92は、車速VとゲインGとの関係を規定するマップを使用してゲインGを演算する。ゲインGは、車速Vが速いほど、より小さな値に設定される。
乗算器93は、減算値演算部91により演算される減算値θとゲイン演算部92により演算されるゲインGとを乗算することにより、減算値θを演算する。
選択部94は、要求信号生成部81により生成される第2の要求信号Srq2、差分演算部82により演算される角度差δθ、および乗算器93により演算される減算値θを取り込む。選択部94は、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されるとき、乗算器93により演算される減算値θを最終的な減算値θとして選択する。選択部94は、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されないとき、差分演算部82により演算される角度差δθを最終的な減算値θとして選択する。
減算器95は、差分演算部82により演算される角度差δθから、選択部94により選択される最終的な減算値θを減算することにより、最終的な角度差θを演算する。ただし、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されない場合、差分演算部82により演算される角度差δθが最終的な減算値θとして設定されるため、最終的な角度差θの値は「0」となる。
加算器96は、操舵反力指令値演算部52の目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θをプレ目標ピニオン角θppre として取り込む。また、加算器96は、先の減算器95により演算される最終的な角度差θを取り込む。加算器96は、プレ目標ピニオン角θppre と最終的な角度差θとを加算することにより最終的な目標ピニオン角θ (=今回の最終的な目標ピニオン角θ )を演算する。ただし、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されない場合、最終的な角度差θの値が「0」になるため、プレ目標ピニオン角θppre がそのまま今回の最終的な目標ピニオン角θ となる。
<第1の実施の形態の作用>
つぎに、転舵制御部50bとして角度差徐変処理部80を有する構成を採用したことによる作用を説明する。
自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられるとき、最終的な目標ピニオン角θ の値が急変するおそれがある。これは、たとえば自動運転制御機能がオンからオフへ切り替えられることによって、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θに対して上位制御装置500により生成される指令値Sが付加される状態から付加されない状態へ遷移することが一因として考えられる。これと同様に、自動運転制御機能がオフからオンへ切り替えられることによって、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θに対して上位制御装置により生成される指令値Sが付加されない状態から付加される状態へ遷移することも一因として考えられる。
この点、本実施の形態の制御装置50によれば、たとえば自動運転制御機能がオンからオフへ切り替えられたとき、つぎの処理を実行する。すなわち、制御装置50は、指令Sとしてのフラグの値が「1」から「0」へ切り替わったとき、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θであるプレ目標ピニオン角θppre と、徐変処理部84により生成された現在の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθを演算し、この演算される角度差δθに対して徐変処理を施す。制御装置50は、徐変処理を施すことにより得られる最終的な角度差θをプレ目標ピニオン角θppre に加算することにより、今回の最終的な目標ピニオン角θ を演算する。最終的な角度差θは、差分演算部82により演算される本来の角度差δθから、最終的な減算値θとして選択された減算値θが減算されることにより得られる値である。このため、減算器95により演算される最終的な角度差θの値は、所定の演算周期ごとに「0」へ向けて徐々に減少する。したがって、加算器96により演算される今回の最終的な目標ピニオン角θ の値は、最終的な角度差θの値が徐々に減少することに伴い、徐々にプレ目標ピニオン角θppre の値に近づいていく。最終的な角度差θの値が「0」に至った後においては、プレ目標ピニオン角θppre (=目標舵角θ)が今回の最終的な目標ピニオン角θ としてピニオン角フィードバック制御部62へ供給される。
このように、自動運転制御機能がオンからオフへ切り替えられたとき、今回の最終的な目標ピニオン角θ の値が、自動運転制御の実行時の指令値S(=付加角度指令値)が加算されたプレ目標ピニオン角θppre (=目標舵角θ)から、手動運転制御の実行時の指令値S(=付加角度指令値)が加算されないプレ目標ピニオン角θppre (=目標舵角θ)へ向けて急激に変化することが抑制される。このため、今回の最終的な目標ピニオン角θ 、ひいては転舵輪16,16の転舵角θが急激に変化することが抑えられる。したがって、転舵角θの急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
ちなみに、自動運転制御機能がオフからオンへ切り替えられたときにも、自動運転制御機能がオンからオフへ切り替えられたときと同様の処理が行われる。このため、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θであるプレ目標ピニオン角θppre の値が、手動運転制御の実行時の指令値S(=付加角度指令値)が加算されないプレ目標ピニオン角θppre (=目標舵角θ)から、自動運転制御の実行時の指令値S(=付加角度指令値)が加算されたプレ目標ピニオン角θppre (=目標舵角θ)へ向けて急激に変化することが抑制される。このため、今回の最終的な目標ピニオン角θ 、ひいては転舵輪16,16の転舵角θが急激に変化することが抑えられる。したがって、転舵角θの急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<第1の実施の形態の効果>
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θであるプレ目標ピニオン角θppre の値と、角度差徐変処理部80を通じて演算された前回の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθが「0」へ向けて徐々に減少するように、今回の最終的な目標ピニオン角θ が演算される。このため、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、最終的な目標ピニオン角θ 、ひいては転舵輪16,16の転舵角θが急激に変化することが抑制される。したがって、転舵角θの急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1〜図3に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。したがって、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
上位制御装置500が操舵制御に介入するときと、上位制御装置500が操舵制御に介入しないときとで、反力モータ31が発生する操舵反力(駆動力)に対する要求が異なることが考えられる。この場合、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられるとき、運転者はステアリングホイールを介した手応えが急変することなどによって違和感を覚えることが懸念される。そこで、本実施の形態では、反力制御部50aとして、つぎの構成を採用している。
図3に二点鎖線で示すように、操舵反力指令値演算部52には、角度差徐変処理部101が設けられている。角度差徐変処理部101は、目標舵角演算部74と舵角フィードバック制御部75との間の演算経路において、目標舵角θに指令値Sが加算される箇所よりも舵角フィードバック制御部75側の部分に設けられている。角度差徐変処理部101は、先の図4に示される角度差徐変処理部80と同様の構成を有している。すなわち、角度差徐変処理部101も、要求信号生成部81、差分演算部82、微分器83および徐変処理部84を有している。
図4に示すように、差分演算部82は、要求信号生成部81により生成される第1の要求信号Srq1を取り込むことを契機として動作を開始する。差分演算部82は、目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θと徐変処理部84により演算された前回の最終的な目標舵角θとの角度差δθを演算する。微分器83は、最終的な目標舵角θを微分することにより角速度ωを演算する。
図5に示すように、減算値演算部91は、角速度ωに応じて減算値θを演算する。乗算器93は、減算値演算部91により演算される減算値θとゲイン演算部92により演算されるゲインGとを乗算することにより、減算値θを演算する。選択部94は、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されるとき、乗算器93により演算される減算値θを最終的な減算値θとして選択する。減算器95は、差分演算部82により演算される角度差δθから、選択部94により選択される最終的な減算値θを減算することにより、最終的な角度差θを演算する。加算器96は、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θと先の減算器95により演算される最終的な角度差θとを加算することにより、今回の最終的な目標舵角θを演算する。
したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(2)自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、目標舵角演算部74により演算される目標舵角θの値と、角度差徐変処理部101を通じて演算された前回の最終的な目標舵角θとの角度差δθが「0」へ向けて徐々に減少するように、今回の最終的な目標舵角θが演算される。このため、このため、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、最終的な目標舵角θ、ひいてはステアリングホイール11に付与される操舵反力が急激に変化することが抑制される。したがって、操舵反力の急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1〜図3に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。したがって、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図2に二点鎖線で示すように、制御装置50の転舵制御部50bには、舵角比変更制御部110が設けられている。舵角比変更制御部110は、操舵反力指令値演算部52と角度差徐変処理部80との間の演算経路に設けられている。舵角比変更制御部110は、車速Vが遅くなるほど舵角θに対する転舵角θがより大きくなるように、また車速Vが速くなるほど舵角θに対する転舵角θがより小さくなるように、目標ピニオン角θ を演算する。舵角比変更制御部110は、車両の操舵状態または走行状態に応じた舵角比を実現する観点に基づき、たとえばつぎのように構成される。
図6に示すように、舵角比変更制御部110は、第1の目標ピニオン角演算部111、第2の目標ピニオン角演算部112、およびスイッチ113を有している。
第1の目標ピニオン角演算部111は、目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θおよび車速センサ501を通じて検出される車速Vに基づき第1の目標ピニオン角θp1 を演算する。第1の目標ピニオン角演算部111は、目標舵角θと第1の目標ピニオン角θp1 との関係を規定するマップを使用して第1の目標ピニオン角θp1 を演算する。第1の目標ピニオン角演算部111は、目標舵角θの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど、より大きな絶対値の第1の目標ピニオン角θp1 を演算する。
第2の目標ピニオン角演算部112は、目標舵角演算部74(図3参照)により演算される目標舵角θに基づき第2の目標ピニオン角θp2 を演算する。第2の目標ピニオン角演算部112は、目標舵角θと第2の目標ピニオン角θp2 との関係を規定するマップを使用して第2の目標ピニオン角θp2 を演算する。第2の目標ピニオン角演算部112は、目標舵角θの絶対値が大きくなるほど、より大きな絶対値の第2の目標ピニオン角θp2 を演算する。
スイッチ113は、データ入力として、第1の目標ピニオン角演算部111により演算される第1の目標ピニオン角θp1 、および第2の目標ピニオン角演算部112により演算される第2の目標ピニオン角θp2 を取り込む。また、スイッチ113は、制御入力として、図示しない異常検出装置により生成される異常検出信号としてのフラグFvdを取り込む。異常検出装置は、車速センサ501の異常が検出されるとき、フラグFvdの値を「1」にセットする。異常検出装置は、車速センサ501の異常が検出されないとき、フラグFvdの値を「0」にセットする。
スイッチ113は、フラグFvdの値に基づき、第1の目標ピニオン角θp1 および第2の目標ピニオン角θp2 のいずれか一方を、プレ目標ピニオン角θppre として選択する。スイッチ113は、フラグFvdの値が「0」であるとき、第1の目標ピニオン角θp1 をプレ目標ピニオン角θppre として選択する。スイッチ113は、フラグFvdの値が「1」であるとき(より正確には、フラグFvdの値が「0」ではないとき)、第2の目標ピニオン角θp2 をプレ目標ピニオン角θppre として選択する。
このように、車速センサ501に異常が発生した旨検出されるとき、車速Vが使用されることなく最終的な目標ピニオン角θ が演算される。このため、間違った車速Vに基づく最終的な目標ピニオン角θ が演算されることがない。
しかしこの場合、つぎのようなことが懸念される。すなわち、目標舵角θに対する第1の目標ピニオン角θp1 の変化特性と、目標舵角θに対する第2の目標ピニオン角θp2 の変化特性とが異なる。このため、最終的な目標ピニオン角θ として第1の目標ピニオン角θp1 が使用される状態から第2の目標ピニオン角θp2 が使用される状態へ切り替わる際、最終的な目標ピニオン角θ の値が急変するおそれがある。また、舵角θと転舵角θとの関係が、車速センサ501の異常が検出されない場合と異常が検出される場合とで異なる。このため、運転者が違和感を覚えることも懸念される。ちなみに、こうした懸念は、最終的な目標ピニオン角θ として第2の目標ピニオン角θp2 が使用される状態から第1の目標ピニオン角θp1 が使用される状態へ復帰する際においても同様に生じる。
そこで、本実施の形態では、異常検出装置により生成されるフラグFvdの値が「0」と「1」との間で切り替わるときにおいても、角度差徐変処理部80を動作させる。
図4に二点鎖線で示すように、要求信号生成部81は、異常検出装置により生成されるフラグFvdを取り込む。要求信号生成部81は、フラグFvdの値が「0」から「1」へ切り替わったとき、またはフラグFvdの値が「1」から「0」へ切り替わったとき、第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。差分演算部82は、第1の要求信号Srq1の受信を契機として動作を開始する。徐変処理部84は、第2の要求信号Srq2の受信を契機として動作を開始する。
差分演算部82は、舵角比変更制御部110により演算されるプレ目標ピニオン角θppre と、徐変処理部84により生成された前回の最終的な目標ピニオン角θ との差である角度差δθを演算する。徐変処理部84は、差分演算部82により演算される角度差δθに対して角速度ωに応じた徐変処理を施すとともに、この徐変処理が施されることにより得られる最終的な角度差θをプレ目標ピニオン角θppre に加算することにより、最終的な目標ピニオン角θ を演算する。
図5に示されるように、最終的な減算値θが角度差δθから減算されることにより得られる最終的な角度差θの値は、所定の演算周期ごとに「0」へ向けて徐々に減少する。したがって、フラグFvdの値が「0」と「1」との間で切り替わったとき、加算器96により演算される今回の最終的な目標ピニオン角θ は、最終的な角度差θの値が「0」へ向けて徐々に減少することに伴い、プレ目標ピニオン角θppre へ向けて徐々に近づき、やがてプレ目標ピニオン角θppre に至る。
したがって、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(3)車速センサ501に異常が発生した場合、舵角比変更制御部110により演算されるプレ目標ピニオン角θppre と、角度差徐変処理部80により演算された前回の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθが「0」へ向けて徐々に減少するように、今回の最終的な目標ピニオン角θ が演算される。このため、車速センサ501に異常が発生することによって、舵角比変更制御部110により演算されるプレ目標ピニオン角θppre の目標舵角θに対する変化特性が切り替わったときであれ、角度差徐変処理部80を通じて演算される今回の最終的な目標ピニオン角θ の急変、ひいては転舵輪16,16の転舵角θの急変が抑制される。したがって、転舵角θの急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<第4の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置をEPS(電動パワーステアリング装置)の制御装置に具体化した第4の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図7に示すように、EPS200は、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路として機能するステアリングシャフト12、ピニオンシャフト13および転舵シャフト14を有している。ステアリングホイール11の回転操作に連動して転舵シャフト14が直線運動する。転舵シャフト14の直線運動がタイロッド15を介して左右の転舵輪16,16に伝達されることにより、転舵輪16,16の転舵角θが変更される。
また、EPS200は、操舵補助力(アシスト力)を生成する構成として、アシストモータ201、減速機構202、トルクセンサ34、回転角センサ203および制御装置204を有している。回転角センサ203はアシストモータ201に設けられて、その回転角θを検出する。
アシストモータ201は、操舵補助力の発生源であって、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。アシストモータ201は、減速機構202を介してピニオンシャフト44に連結されている。アシストモータ201の回転は減速機構202によって減速されて、当該減速された回転力が操舵補助力としてピニオンシャフト44に伝達される。
制御装置204は、アシストモータ201に対する通電制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生させるアシスト制御を実行する。制御装置204は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、車速センサ501を通じて検出される車速V、回転角センサ203を通じて検出される回転角θに基づき、アシストモータ201に対する給電を制御する。
図8に示すように、制御装置204は、ピニオン角演算部211、アシスト指令値演算部212、および通電制御部213を有している。ピニオン角演算部211は、アシストモータ201の回転角θを取り込み、この取り込まれる回転角θに基づきピニオンシャフト44の回転角であるピニオン角θを演算する。アシスト指令値演算部212は、操舵トルクTおよび車速Vに基づきアシスト指令値Tas を演算する。アシスト指令値Tas は、アシストモータ201に発生させるべき回転力であるアシストトルクを示す指令値である。通電制御部213は、アシスト指令値Tas に応じた電力をアシストモータ201へ供給する。アシストモータ201に対する給電経路には、電流センサ214が設けられている。電流センサ214は、アシストモータ201へ供給される実際の電流Iの値を検出する。
つぎに、アシスト指令値演算部212の構成を詳細に説明する。
アシスト指令値演算部212は、アシストトルク演算部221、軸力演算部222、目標ピニオン角演算部223、ピニオン角フィードバック制御部(ピニオン角F/B制御部)224、および加算器225を有している。
アシストトルク演算部221は、操舵トルクTに基づいて第1のアシストトルクTas1 を演算する。アシストトルク演算部221は、加算器231、目標操舵トルク演算部232、およびトルクフィードバック制御部233を有している。加算器231は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクTとトルクフィードバック制御部233により演算される第1のアシストトルクTas1 とを加算することにより、ステアリングシャフト12に印加されるトルクとしての入力トルクTin を演算する。目標操舵トルク演算部232は、加算器231により演算される入力トルクTin に基づき目標操舵トルクT を演算する。目標操舵トルク演算部232は、入力トルクTin の絶対値が大きいほど、より大きな絶対値の目標操舵トルクT を演算する。トルクフィードバック制御部233は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、および目標操舵トルク演算部232により演算される目標操舵トルクT を取り込む。トルクフィードバック制御部233は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクTを目標操舵トルクT に追従させるべく操舵トルクTのフィードバック制御を通じて第1のアシストトルクTas1 を演算する。
軸力演算部222は、先の図3に示される第1の実施の形態の軸力演算部73と同様の機能を有している。軸力演算部222は、電流センサ214を通じて検出されるアシストモータ201の電流Iの値、目標ピニオン角演算部223により演算される目標ピニオン角θ 、および車速センサ501を通じて検出される車速Vを取り込む。軸力演算部222は、これらアシストモータ201の電流Iの値、目標ピニオン角θ 、および車速Vに基づき、転舵シャフト14に作用する軸力Faxを演算する。
目標ピニオン角演算部223は、先の図3に示される第1の実施の形態の目標舵角演算部74と同様の機能を有している。目標ピニオン角演算部223は、アシストトルク演算部221により演算される第1のアシストトルクTas1 、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、および軸力演算部222により演算される軸力Faxを使用して、先の式(A)で表される理想モデルに基づき目標ピニオン角θ を演算する。
ピニオン角フィードバック制御部224は、先の図3に示される第1の実施の形態の舵角フィードバック制御部75と同様の機能を有している。ピニオン角フィードバック制御部224は、目標ピニオン角演算部223により算出される目標ピニオン角θ およびピニオン角演算部211により算出される実際のピニオン角θをそれぞれ取り込む。ピニオン角フィードバック制御部224は、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に追従するように、ピニオン角θのフィードバック制御を行う。すなわち、ピニオン角フィードバック制御部224は、目標ピニオン角θ と実際のピニオン角θとの偏差を求め、当該偏差を無くすように第2のアシストトルクTas2 を演算する。
加算器225は、アシストトルク演算部221により演算される第1のアシストトルクTas1 と、ピニオン角フィードバック制御部224により演算される第2のアシストトルクTas2 とを合算することによりアシスト指令値Tas を演算する。
通電制御部213は、アシスト指令値Tas に基づきアシストモータ201に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部213は電流センサ214を通じて検出される電流Iの値を取り込む。そして通電制御部213は、電流指令値と実際の電流Iの値との偏差を求め、当該偏差を無くすようにアシストモータ201に対する給電を制御する。これにより、アシストモータ201はアシスト指令値Tas に応じたトルクを発生する。すなわち、操舵状態に応じた操舵アシストが行われる。
ここで、上位制御装置500が操舵制御に介入するときと、上位制御装置500が操舵制御に介入しないときとで、アシストモータ201が発生する操舵補助力(駆動力)に対する要求が異なることが考えられる。この場合、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられるとき、運転者はステアリングホイールを介した手応えが急変することなどによって違和感を覚えることが懸念される。そこで、本実施の形態では、制御装置204として、つぎの構成を採用している。
図8に二点鎖線で示すように、制御装置204のアシスト指令値演算部212には、角度差徐変処理部251が設けられている。角度差徐変処理部251は、目標ピニオン角演算部223とピニオン角フィードバック制御部224との間の演算経路において、目標ピニオン角θ に指令値Sが加算される箇所よりもピニオン角フィードバック制御部224側の部分に設けられている。角度差徐変処理部251は、先の図4に示される角度差徐変処理部80と同様の構成を有している。すなわち、角度差徐変処理部251も、要求信号生成部81、差分演算部82、微分器83および徐変処理部84を有している。
図4に示すように、差分演算部82は、要求信号生成部81により生成される第1の要求信号Srq1を取り込むことを契機として動作を開始する。差分演算部82は、目標ピニオン角演算部223により演算される目標ピニオン角θ をプレ目標ピニオン角θppre として取り込み、この取り込まれるプレ目標ピニオン角θppre と徐変処理部84により演算された前回の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθを演算する。微分器83は、最終的な目標ピニオン角θ を微分することにより角速度ωを演算する。
図5に示すように、減算値演算部91は、角速度ωに応じて減算値θを演算する。乗算器93は、減算値演算部91により演算される減算値θとゲイン演算部92により演算されるゲインGとを乗算することにより、減算値θを演算する。選択部94は、要求信号生成部81により第2の要求信号Srq2が生成されるとき、乗算器93により演算される減算値θを最終的な減算値θとして選択する。減算器95は、差分演算部82により演算される角度差δθから、選択部94により選択される最終的な減算値θを減算することにより、最終的な角度差θを演算する。加算器96は、目標ピニオン角演算部223により演算される目標ピニオン角θ でもあるプレ目標ピニオン角θppre に先の減算器95により演算される最終的な角度差θを加算することにより、今回の最終的な目標ピニオン角θ を演算する。
したがって、第4の実施の形態によれば、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達を機械的に連結した操舵装置において、第1の実施の形態と同様に、以下の効果を得ることができる。
(4)自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、目標ピニオン角演算部223により演算される目標舵角θでもあるプレ目標ピニオン角θppre の値と、角度差徐変処理部251を通じて演算される前回の最終的な目標ピニオン角θ との角度差δθが「0」へ向けて徐々に減少するように、今回の最終的な目標ピニオン角θ が演算される。このため、自動運転制御機能がオンとオフとの間で切り替えられる際、最終的な目標ピニオン角θ 、ひいてはステアリングホイール11に付与される操舵補助力が急激に変化することが抑制される。したがって、操舵補助力の急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<第5の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置をVGR機構(Variable-Gear-Ratio/可変ギヤ比機構)が搭載された操舵装置の制御装置に具体化した第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図7に示される第4の実施の形態と同様の構成を有している。したがって、第4の実施の形態と同一の部材および構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図7の左上に拡大して示すように、EPS200にはVGR機構240が設けられている。VGR機構240は、操舵性の向上を目的として、ステアリングシャフト12(ステアリングホイール11とトルクセンサ34との間の部分)にVGRモータ241を設け、当該VGRモータ241を使用して舵角θと転舵角θとの比率(ギヤ比)を変化させる。VGRモータ241のステータ241aは、ステアリングシャフト12のステアリングホイール11側の部分である入力シャフト12aに連結されている。VGRモータ241のロータ241bは、ステアリングシャフト12におけるピニオンシャフト13側の部分である出力シャフト12bに連結されている。
ステアリングホイール11を回転させるとき、VGRモータ241のステータ241aはステアリングホイール11と同じ量だけ回転する。また、制御装置204は、ステアリングホイール11の回転および車速Vに応じてVGRモータ241のロータ241bを回転させる。このため、入力シャフト12aに対する出力シャフト12bの相対的な回転角θsgは、次式(B)で表される。
θsg=θ …(B)
ただし、「θ」は舵角、「θ」はVGRモータ(モータシャフト)の回転角である。
したがって、VGRモータ241の回転角θを制御することにより、任意のギヤ比を実現することができる。
VGR機構240を有するEPS200の制御装置204には、VGRモータ241を制御するVGR制御部(図示略)が設けられる。先の図6に括弧書きの符号で示すように、VGR制御部は、舵角比変更制御部261を有している。舵角比変更制御部261は、図6に示される第3の実施の形態の舵角比変更制御部110と同様の構成を有している。
ただし、本実施の形態において、第1の目標ピニオン角演算部111は、舵角θおよび車速Vに基づき第1の目標回転角θg1 を演算する第1の目標回転角演算部として機能する。第2の目標ピニオン角演算部112は、舵角θに基づき第2の目標回転角θg2 を演算する第2の目標回転角演算部として機能する。スイッチ113は、フラグFvdの値が「0」であるときには第1の目標回転角θg1 を最終的な目標回転角θ として選択する一方、フラグFvdの値が「1」であるときには第2の目標回転角θg2 を最終的な目標回転角θ として選択する。ちなみに、舵角θは、たとえばステアリングシャフト12の入力シャフト12aに設けられる舵角センサ(図示略)、あるいはVGRモータ241に設けられる回転角センサを通じて検出される。
VGR制御部は、舵角比変更制御部261により演算されるVGRモータ241の目標回転角θ にVGRモータ241の実際の回転角θを一致させる角度フィードバック制御を通じて、VGRモータ241への給電を制御する。これにより、車両の操舵状態に応じた舵角比が実現される。
しかし、VGR機構240を有するEPS200においては、つぎのようなことが懸念される。すなわち、舵角θに対する第1の目標回転角θg1 の変化特性と、舵角θに対する第2の目標回転角θg2 の変化特性とが異なる。このため、最終的な目標回転角θ が第1の目標回転角θg1 と第2の目標回転角θg2 との間で切り替わる際、最終的な目標回転角θ の値が急変するおそれがある。したがって、車速センサ501の異常検出の前後、あるいは車速センサ501の正常復帰の前後で、運転者が違和感を覚えることが懸念される。
そこで本実施の形態では、図6に括弧書きの符号で示すように、VRG制御部における舵角比変更制御部261の出力経路には、角度差徐変処理部262が設けられている。この角度差徐変処理部262は、先の図4に示される第3の実施の形態の角度差徐変処理部80と同様の構成を有している。角度差徐変処理部262は、異常検出装置により生成されるフラグFvdの値が「0」と「1」との間で切り替わったとき、動作を開始する。
図4に二点鎖線で示すように、要求信号生成部81は、異常検出装置により生成されるフラグFvdを取り込む。要求信号生成部81は、フラグFvdの値が「0」と「1」との間で切り替わったとき、第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。差分演算部82は、第1の要求信号Srq1の受信を契機として動作を開始する。徐変処理部84は、第2の要求信号Srq2の受信を契機として動作を開始する。
差分演算部82は、舵角比変更制御部261により演算される目標回転角θ と、徐変処理部84により生成される前回の最終的な目標回転角θ との差である角度差δθを演算する。徐変処理部84は、差分演算部82により演算される角度差δθに対して角速度ωに応じた徐変処理を施すとともに、この徐変処理が施されることにより得られる最終的な角度差θを舵角比変更制御部261により演算される目標回転角θ に加算することによって、最終的な目標回転角θ を演算する。
図5に示されるように、最終的な減算値θが角度差δθから減算されることにより得られる最終的な角度差θの値は、所定の演算周期ごとに「0」へ向けて徐々に減少する。したがって、加算器96により演算される今回の最終的な目標回転角θ は、最終的な角度差θの値が「0」へ向けて徐々に減少することに伴い、舵角比変更制御部261により演算される目標回転角θ へ向けて徐々に近づいていく。
したがって、第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)車速センサ501に異常が発生した場合、舵角比変更制御部261により演算される目標回転角θ と、角度差徐変処理部262により演算された前回の最終的な目標回転角θ との角度差δθが「0」へ向けて徐々に減少するように、今回の最終的な目標回転角θ が演算される。このため、車速センサ501に異常が発生することによって、舵角比変更制御部261により演算される目標回転角θ の目標舵角θに対する変化特性が切り替わったときであれ、角度差徐変処理部262を通じて演算される今回の最終的な目標回転角θ の急変、ひいては転舵輪16,16の転舵角θの急変が抑制される。したがって、転舵角θの急変に伴う運転者の違和感を低減することができる。
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第1〜第3の実施の形態において、操舵装置10にクラッチを設けてもよい。この場合、先の図1に二点鎖線で示すように、ステアリングシャフト12とピニオンシャフト13とをクラッチ21を介して連結する。クラッチ21としては、励磁コイルに対する通電の断続を通じて動力の断続を行う電磁クラッチが採用される。制御装置50は、クラッチ21の断続を切り替える断続制御を実行する。クラッチ21が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達が機械的に切断される。クラッチ21が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達が機械的に連結される。
・第1〜第3の実施の形態において、上位制御装置500では指令Sとしてフラグ(「0」または「1」)ではなく、自動運転率が生成されることも考えられる。この場合であれ、要求信号生成部81は、自動運転制御機能がオンからオフへ切り替えられたとき、あるいは自動運転制御機能がオフからオンへ切り替えられたとき、第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。要求信号生成部81は、指令Sとしての自動運転率がたとえば「1(100%)」などの「0(0%)」でない値から「0」へ切り替わったとき、または指令Sとしての自動運転率が「0」から「0」でない値へ切り替わったとき、第1の要求信号Srq1および第2の要求信号Srq2を生成する。
・第1〜第3の実施の形態において、先の図3に示される操舵反力指令値演算部52として、つぎの構成を採用してもよい。すなわち、操舵反力指令値演算部52には、先の図3に示される目標操舵トルク演算部71およびトルクフィードバック制御部72に代えて、目標操舵反力としての第1の操舵反力指令値T を演算する目標操舵反力演算部を設ける。この目標操舵反力演算部は、操舵トルクTのフィードバック制御ではなく、たとえば操舵トルクTと目標操舵反力との関係を車速Vに応じて規定する三次元マップを使用して、目標操舵反力としての第1の操舵反力指令値T を演算する。
ちなみに、目標操舵反力演算部は、操舵トルクTおよび車速Vに加えて、軸力演算部73により演算される転舵シャフト14の軸力Faxを取り込み、これら取り込まれる操舵トルクT、車速Vおよび軸力Faxに基づき第1の操舵反力指令値T を演算してもよい。また、目標操舵反力演算部は、操舵トルクTおよび車速Vを取り込まず、軸力演算部73により演算される軸力Faxのみを取り込み、この取り込まれる軸力Faxに基づき目標操舵反力としての第1の操舵反力指令値T を演算してもよい。
・第1〜第3の実施の形態において、操舵反力指令値演算部52として先の図3に示される加算器76を割愛した構成を採用してもよい。この場合、舵角フィードバック制御部75により演算される第2の操舵反力指令値T が操舵反力指令値Tとして使用される。また、第4および第5の実施の形態において、アシスト指令値演算部212として先の図8に示される加算器225を割愛した構成を採用してもよい。この場合、ピニオン角フィードバック制御部224により演算される第2のアシストトルクTas2 がアシスト指令値Tas として使用される。
・第4および第5の実施の形態において、先の図8に示されるアシストトルク演算部221として、つぎの構成を採用してもよい。すなわち、アシストトルク演算部221は、操舵トルクTのフィードバック制御ではなく、操舵トルクTと第1のアシストトルクTas1 との関係を車速Vに応じて規定する三次元マップを使用して、第1のアシストトルクTas1 を演算する。アシストトルク演算部221は、操舵トルクTの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど、第1のアシストトルクTas1 の絶対値をより大きな値に設定する。
・第4および第5の実施の形態では、操舵制御装置の適用先として、転舵シャフト14に操舵補助力を付与するタイプのEPS200を例に挙げたが、ステアリングシャフト12に操舵補助力を付与するタイプのEPSであってもよい。図7に二点鎖線で示すように、アシストモータ201は、たとえば減速機構202を介してステアリングシャフト12に連結される。ピニオンシャフト44は割愛することができる。
10…操舵装置、11…ステアリングホイール、12…操舵機構を構成するステアリングシャフト(シャフト)、13,44…ピニオンシャフト(シャフト)、14…操舵機構を構成する転舵シャフト、16…転舵輪、31…反力モータ(モータ)、41…転舵モータ(モータ)、50,100…制御装置(操舵制御装置)、80,101,251,262…角度差徐変処理部(演算部)、82…差分演算部(第1の演算部)、91…減算値演算部(第2の演算部)、92…ゲイン演算部(第5の演算部)、93…乗算器(第6の演算部)、95…減算器(第3の演算部)、96…加算器(第4の演算部)、110,261…舵角比変更制御部、201…アシストモータ、500…上位制御装置、G…ゲイン、ω…角速度(第1の状態変数)、V…車速(第2の状態変数)、θ…舵角、θ…目標舵角(目標回転角)、θ…ピニオン角、θ …目標ピニオン角(目標回転角)、θ…減算値、θ…選択された減算値、δθ…角度差、θ…最終的な角度差、θp1 …第1の目標ピニオン角、θp2 …第2の目標ピニオン角。

Claims (9)

  1. 車両の操舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを、前記モータに連動して回転するシャフトの回転角を目標回転角に追従させるように制御する操舵制御装置であって、
    前記目標回転角が、第1の制御状態で使用される第1の目標回転角と第2の制御状態で使用される第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、当該切り替えられる前記第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差が零へ向けて徐々に減少するように今回の最終的な目標回転角を演算する演算部を有している操舵制御装置。
  2. 前記演算部は、前記切り替えられる第1または第2の目標回転角と前回の最終的な目標回転角との差である角度差を演算する第1の演算部と、
    ステアリングホイールの操舵状態または転舵輪の転舵状態に応じて前記角度差に対する減算値を演算する第2の演算部と、
    前記目標回転角が前記第1の目標回転角と前記第2の目標回転角との間で切り替えられるとき、前記角度差から前記減算値を減算することにより最終的な角度差を演算する第3の演算部と、
    前記切り替えられる第1または第2の目標回転角に対して前記最終的な角度差を加算することにより今回の最終的な目標回転角を演算する第4の演算部と、を有している請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記第2の演算部は、ステアリングホイールの操舵速度もしくは当該操舵速度が反映される状態変数、または転舵輪の転舵速度もしくは当該転舵速度が反映される状態変数に応じて、前記減算値を演算する請求項2に記載の操舵制御装置。
  4. 前記演算部は、車速に応じたゲインを演算する第5の演算部と、
    前記第5の演算部により演算されるゲインを前記第2の演算部により演算される前記減算値に乗ずる第6の演算部と、を有している請求項3に記載の操舵制御装置。
  5. 前記第1の制御状態は車載される上位制御装置が操舵制御に介入しないときの制御状態であって、前記第2の制御状態は前記上位制御装置が操舵制御に介入するときの制御状態である請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  6. 前記第1の目標回転角は、操舵状態が反映される第1の状態変数および車両の走行状態が反映される第2の状態変数に基づくものである一方、前記第2の目標回転角は前記第1の状態変数に基づくものであって、
    前記第1の状態変数が正常であることを前提とするとき、前記第1の制御状態は前記第2の状態変数が正常であるときの制御状態であって、前記第2の制御状態は前記第2の状態変数が異常であるときの制御状態である請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  7. 前記操舵機構は、ステアリングホイールとの間の動力伝達が分離される転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備えることを前提として、
    前記モータは前記転舵シャフトに付与される前記駆動力として転舵輪を転舵させるための転舵力を発生する転舵モータを含む請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  8. 前記操舵機構は、ステアリングホイールの操作に連動して回転するとともに、転舵輪との間の動力伝達が分離されたステアリングシャフトを備えることを前提として、
    前記モータは前記ステアリングシャフトに付与される前記駆動力として操舵方向と反対方向のトルクである操舵反力を発生する反力モータを含む請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
  9. 前記操舵機構は、ステアリングホイールの操作に連動して回転するシャフトおよび前記シャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを備えることを前提として、
    前記モータは前記シャフトまたは前記転舵シャフトに付与される前記駆動力として操舵方向と同方向のトルクである操舵補助力を発生させるアシストモータである請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
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