JP2019069665A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチを接続状態から切断状態へより円滑に移行できる車両用制御装置を提供する。【解決手段】反力制御部50aは、目標下流操舵トルク演算部66、下流操舵トルクフィードバック制御部67、および転舵指令値演算部68を備えている。目標下流操舵トルク演算部66は、目標操舵角演算部52の推定軸力演算部79により演算される推定軸力Feに基づいて、ピニオンシャフトに付与される操舵トルクの目標値である目標下流操舵トルクTh2*を演算する。この目標下流操舵トルクTh2*の最大値は、クラッチが切断可能なトルク値よりも小さく設定されている。転舵指令値演算部68は、クラッチを接続状態から切断状態へと移行する場合、目標下流操舵トルクTh2*と下流操舵トルクTh2とのフィードバック制御を通じて演算される下流操舵トルク指令値Th2c*をメインで用いて、転舵指令値Tt*を演算する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用制御装置に関する。
従来、ステアリングホイールと転舵輪とを機械的に分離した、いわゆるステアバイワイヤ方式の操舵装置が知られている(たとえば特許文献1)。特許文献1の操舵装置は、ステアリングホイールと転舵輪との間を接続あるいは遮断するクラッチと、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の発生源である操舵モータ(反力モータ)と、転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵モータと、を備えている。また、この操舵装置は、ステアリングシャフトにおけるステアリングホイールとクラッチとの間に設けられる操舵側のトルクセンサと、クラッチ、操舵モータ、および転舵モータを制御する制御装置と、を備えている。
制御装置は、クラッチによりステアリングホイールと転舵輪との間が機械的に遮断されているとき、トルクセンサにより検出される操舵トルクに基づいて、操舵モータおよび転舵モータの駆動を制御している。これにより、操舵モータによって操舵トルクに基づいた操舵反力がステアリングシャフトに付与されるので、ステアリングホイールを通じて運転者は操舵反力を感じることができる。また、転舵モータにより転舵輪に転舵力が付与されるので、ステアリングホイールの操作によって車両の進行方向を変更することができる。
また、この制御装置では、イグニッションスイッチをオンにした直後や、過熱保護をする際には、一時的に操舵装置を電動パワーステアリング装置として機能させている。この場合、制御装置は、クラッチを接続状態にすることにより、ステアリングシャフトとピニオンシャフトとを連結して、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達経路を接続する。そして、制御装置は、トルクセンサにより検出される操舵トルクに基づいて、転舵モータの駆動を制御することにより、運転者のステアリング操作をアシストしている。
ところで、イグニッションスイッチをオンにしてから定められた時間が経過した場合や、過熱保護によって温度が許容温度以下に低下した場合には、再び操舵装置をステアバイワイヤとして機能させるべく、クラッチを接続状態から切断(開放)状態へと移行する。しかし、ステアリングシャフトとピニオンシャフトとの回転角度差が大きくなることにより、クラッチに作用するトルクが大きくなると、クラッチの接続状態を円滑に解除することができなくなるおそれがある。
本発明の目的は、クラッチを接続状態から切断状態へより円滑に移行できる車両用制御装置を提供することにある。
上記目的を達成しうる車両用制御装置は、運転者により操舵されるステアリングホイールを備えた操舵部と、運転者による前記ステアリングホイールの操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部と、前記操舵部と前記転舵部との間の動力伝達経路を機械的に断接するクラッチと、前記転舵部に設けられて前記クラッチの接続状態において運転者の操舵を検出する転舵側トルクセンサと、前記クラッチの切断状態において前記ステアリングホイールに操舵反力を付与する反力モータと、前記転舵輪を転舵させる転舵モータと、を備えた操舵装置を制御する制御部を有する車両用制御装置であって、前記制御部は、前記転舵モータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づいて制御するものであって、前記転舵モータに流れる電流値に基づいて、前記転舵側トルクセンサにより検出されるべきトルクの目標値である目標トルク値を前記クラッチが切断可能なトルク値以下になるように演算する目標トルク演算部と、前記転舵側トルクセンサにより検出される検出値を、前記目標トルク値に追従させるべく、フィードバック制御を実行することにより、前記転舵モータを制御するための前記指令値の第1の成分を演算するフィードバック制御部と、を有している。
この構成によれば、目標トルク演算部により転舵モータに流れる電流値に基づいて目標トルク値が演算される。フィードバック制御部は、転舵側トルクセンサの検出値を目標トルク値に追従させるべく、フィードバック制御を実行することにより、第1の成分を演算する。ここで、目標トルク値は、クラッチが切断可能なトルク値以下になるように設定されている。また、制御部は、第1の成分を含んだ指令値に基づいて、転舵モータを制御している。このため、指令値における第1の成分が、クラッチが切断可能なトルク値以下になるよう設定されていることにより、制御部が指令値に基づいて転舵モータの制御を行う場合に、クラッチに作用するトルクが大きくなることが抑えられる。これにより、第1の成分に基づいて転舵モータの制御を行っている間は、クラッチに作用するトルクを低減できる。
上記の車両用制御装置において、前記操舵部は、前記ステアリングホイールに連結されるステアリングシャフトを有し、前記転舵部は、前記転舵輪に連結された転舵シャフトと、前記転舵シャフトに直交するピニオンシャフトと、を有し、前記クラッチが切断状態から接続状態へ切り替えられたとき、前記ステアリングシャフトと前記ピニオンシャフトとが機械的に連結され、前記転舵側トルクセンサは前記ピニオンシャフトに設けられ、前記制御部は、前記クラッチに作用するトルクを低減する制御であるトルク抜き制御を実行するとき、前記第1の成分に基づいて、前記転舵モータを制御するための前記指令値を演算することが好ましい。
この構成によれば、制御部がトルク抜き制御を実行するとき、クラッチが切断可能なトルク値以下の値である第1の成分に基づいて指令値が演算されることにより、クラッチに作用するトルクを低減できる。
上記の車両用制御装置において、前記操舵部は、前記ステアリングシャフトに設けられ、運転者の操舵を検出する操舵側トルクセンサを有しており、前記制御部は、前記ステアリングホイールに付与される操舵反力を制御する反力制御部、および前記転舵輪に付与される転舵力を制御する転舵制御部を備え、前記反力制御部は、少なくとも前記操舵側トルクセンサの検出値に応じて、前記反力モータを制御するための目標操舵反力を演算する目標操舵反力演算部と、前記操舵側トルクセンサの検出値および前記目標操舵反力の総和である基本駆動トルクに基づいて、前記ステアリングシャフトの目標操舵角を演算する目標操舵角演算部と、前記ステアリングシャフトの実際の操舵角を前記目標操舵角に追従させるべく、前記反力モータをフィードバック制御する操舵側フィードバック制御部と、を有していることが好ましい。また、前記転舵制御部は、前記目標トルク演算部と、前記フィードバック制御部と、前記目標操舵反力演算部により演算された前記目標操舵反力を、ピニオン角に換算した値である目標ピニオン角に換算する変換部と、前記ピニオンシャフトの実際のピニオン角を、前記目標ピニオン角に追従させるべく、前記ピニオン角のフィードバック制御を実行することにより、前記転舵モータを制御するための前記指令値の第2の成分を演算するピニオン角フィードバック制御部と、前記フィードバック制御部により演算される前記第1の成分、および前記ピニオン角フィードバック制御部により演算される前記第2の成分の少なくとも一方に基づいて前記指令値を演算する指令値演算部と、を有していることが好ましい。
この構成によれば、指令値演算部は、フィードバック制御部により演算される第1の成分、および第2の成分の少なくとも一方に基づいて指令値を演算する。このため、制御部が、少なくとも第1の成分が含まれた指令値に基づいて、転舵モータを制御している間、クラッチに作用するトルクが低減される。このため、指令値演算部が少なくとも第1の成分に基づいて指令値を演算している間、クラッチに作用するトルクを低減できる。
これに対し、指令値演算部がピニオン角フィードバック制御部により演算される第2の成分に基づいて指令値を演算し、制御部がこの指令値に基づいて転舵モータを制御している場合、クラッチに作用するトルクが低減されない。このときには、操舵側トルクセンサの検出値に基づいて演算される目標操舵角を、ピニオン角に換算した値に基づいて、転舵モータが制御される。このため、運転者のステアリング操作に応じて、転舵モータを制御できる。
上記の車両用制御装置において、前記制御部は、前記クラッチを切断状態にする場合、前記指令値演算部において、主に前記第1の成分に基づいて前記指令値を演算することにより、前記ピニオン角フィードバック制御部をメインで動作させ、前記クラッチを接続状態から切断状態へと移行させる場合、前記指令値演算部において、主に前記第2の成分に基づいて前記指令値を演算することにより、前記フィードバック制御部をメインで動作させることが好ましい。
この構成によれば、クラッチを切断状態にする場合には、ピニオン角フィードバック制御部をメインで動作させることにより、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪の転舵角を変更できる。
一方、クラッチを接続状態から切断状態へと移行させる場合には、クラッチに作用しているトルクが大きいと、クラッチを接続状態から切断状態へと移行させにくくなる。このため、クラッチを接続状態から切断状態へと移行させる場合には、フィードバック制御部をメインで動作させることにより、クラッチに作用するトルクを低減できる。
上記の車両用制御装置において、前記目標操舵角演算部は、前記電流値に基づいて、前記転舵輪に作用する軸力である推定軸力を演算する推定軸力演算部を有しており、前記目標トルク演算部は、少なくとも前記推定軸力に基づいて、前記目標トルク値を演算することが好ましい。
この構成によれば、推定軸力に基づいてピニオンシャフトの回転量を把握できるので、転舵側トルクセンサにより検出されるべき、目標トルク値を演算することが可能である。また、推定軸力に基づいて目標トルク値を演算することにより、路面状態に応じてクラッチに作用するトルクが増減する場合であっても、そのトルクを低減することができる。
上記の車両用制御装置において、前記目標トルク演算部は、前記転舵モータに流れる電流値に基づいて演算される推定軸力に対する前記目標トルク値の演算マップを有しており、前記推定軸力が予め定められた閾値未満であるとき、前記推定軸力が大きくなるほど前記目標トルク値をより大きな値に設定するとともに、前記推定軸力が前記閾値以上であるとき、前記目標トルク値を、前記クラッチを切断可能なトルク値よりも小さい値に設定することが好ましい。
この構成によれば、推定軸力に基づいて演算される目標トルク値が、クラッチを切断可能なトルク値を超えることがない。このため、クラッチに作用するトルクが大きくなることが抑えられている。
本発明の車両用制御装置によれば、クラッチを接続状態から切断状態へより円滑に移行できる。
<第1実施形態>
以下、車両用制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した一実施形態について説明する。
以下、車両用制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置10は、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12を有している。ステアリングシャフト12におけるステアリングホイール11と反対側の端部(下端部)には、ピニオンシャフト13が設けられている。ピニオンシャフト13の下端部は、第1ラックアンドピニオン機構14を介して、ピニオンシャフト13に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト15に連結されている。ピニオンシャフト13のピニオン歯13aが、転舵シャフト15のラック歯15aに噛み合うことにより、第1ラックアンドピニオン機構14が構成されている。また、転舵シャフト15の両端には、それぞれタイロッド16,16を介して、左右の転舵輪17,17に連結されている。したがって、操舵装置10では、ステアリングシャフト12の回転運動は、第1ラックアンドピニオン機構14を介して転舵シャフト15の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。ステアリングホイール11の回転操作に伴い転舵シャフト15が直線運動することにより、転舵輪17,17の転舵角θtが変更される。なお、ステアリングシャフト12、ピニオンシャフト13、および転舵シャフト15は、ステアリングホイール11と転舵輪17,17との間の動力伝達経路として機能する。
<クラッチ>
操舵装置10は、クラッチ20を有している。クラッチ20は、ステアリングシャフト12に設けられている。クラッチ20としては、たとえば励磁コイルに対する通電によって、断続を行う(接続状態と切断(開放)状態とを切り替える)電磁クラッチが採用される。励磁コイルに対して通電されるときクラッチ20は切断状態となり、励磁コイルに対して通電されないときクラッチ20は接続状態となる。また、クラッチ20は、たとえば噛み合い式のクラッチである。クラッチ20が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17との間の動力伝達経路が機械的に切断される。これに対して、クラッチ20が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17との間の動力伝達経路が機械的に連結される。
操舵装置10は、クラッチ20を有している。クラッチ20は、ステアリングシャフト12に設けられている。クラッチ20としては、たとえば励磁コイルに対する通電によって、断続を行う(接続状態と切断(開放)状態とを切り替える)電磁クラッチが採用される。励磁コイルに対して通電されるときクラッチ20は切断状態となり、励磁コイルに対して通電されないときクラッチ20は接続状態となる。また、クラッチ20は、たとえば噛み合い式のクラッチである。クラッチ20が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17との間の動力伝達経路が機械的に切断される。これに対して、クラッチ20が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪17,17との間の動力伝達経路が機械的に連結される。
<操舵反力を発生させるための構成:反力ユニット>
操舵装置10は、操舵反力を生成するための構成として、反力ユニット30(操舵部)を備えている。操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力のことである。この操舵反力をステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることができる。
操舵装置10は、操舵反力を生成するための構成として、反力ユニット30(操舵部)を備えている。操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力のことである。この操舵反力をステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることができる。
反力ユニット30は、反力モータ31、減速機構32、回転角センサ33、およびトルクセンサ34(操舵側トルクセンサ)を有している。
反力モータ31は、操舵反力の発生源である。反力モータ31としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。反力モータ31の回転軸31aは、減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。減速機構32は、ステアリングシャフト12におけるクラッチ20よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。反力モータ31のトルクがステアリングシャフト12に付与されることにより、ステアリングホイール11に操舵反力が付与される。
反力モータ31は、操舵反力の発生源である。反力モータ31としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。反力モータ31の回転軸31aは、減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。減速機構32は、ステアリングシャフト12におけるクラッチ20よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。反力モータ31のトルクがステアリングシャフト12に付与されることにより、ステアリングホイール11に操舵反力が付与される。
回転角センサ33は、反力モータ31の回転軸31aの回転角θs0を検出する。反力モータ31の回転角θs0は、操舵角(後述の操舵角θs)の演算に使用される。なお、反力モータ31とステアリングシャフト12とは、減速機構32を介して連動する。反力モータ31の回転角θs0と、ステアリングシャフト12の回転角との間には相関がある。また、ステアリングシャフト12の回転角とステアリングホイール11の操舵角との間にも相関がある。このため、操舵角は、回転角センサ33により検出される回転角θs0に基づいて求めることができる。
トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における減速機構32(クラッチ20)よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。トルクセンサ34は、ステアリングホイール11が回転操作されることにより、ステアリングシャフト12に加わる操舵トルクTh1を検出する。
<転舵力を発生させるための構成:転舵ユニット>
操舵装置10は、転舵力を発生させるための構成として、転舵ユニット40(転舵部)を備えている。転舵力とは、転舵輪17,17を転舵させるための動力である。
操舵装置10は、転舵力を発生させるための構成として、転舵ユニット40(転舵部)を備えている。転舵力とは、転舵輪17,17を転舵させるための動力である。
転舵ユニット40は、転舵モータ41、減速機構42、および回転角センサ43を有している。
転舵モータ41は、転舵力の発生源である。転舵モータ41としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。転舵モータ41の回転軸41aは、減速機構42を介して、ピニオンシャフト45に連結されている。ピニオンシャフト45の下端部は、第2ラックアンドピニオン機構46を介して、ピニオンシャフト45に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト15に連結されている。ピニオンシャフト45のピニオン歯45aが、転舵シャフト15のラック歯15bに噛み合うことにより、第2ラックアンドピニオン機構46が構成されている。転舵モータ41のトルクがピニオンシャフト45に付与されることにより、ピニオンシャフト45が回転運動する。ピニオンシャフト45の回転運動は、第2ラックアンドピニオン機構46を介して転舵シャフト15の軸方向の往復直線運動に変換される。これにより、転舵モータ41のトルクが、転舵力として、ピニオンシャフト45を介して転舵シャフト15に付与される。
転舵モータ41は、転舵力の発生源である。転舵モータ41としては、たとえば3相のブラシレスモータが採用される。転舵モータ41の回転軸41aは、減速機構42を介して、ピニオンシャフト45に連結されている。ピニオンシャフト45の下端部は、第2ラックアンドピニオン機構46を介して、ピニオンシャフト45に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト15に連結されている。ピニオンシャフト45のピニオン歯45aが、転舵シャフト15のラック歯15bに噛み合うことにより、第2ラックアンドピニオン機構46が構成されている。転舵モータ41のトルクがピニオンシャフト45に付与されることにより、ピニオンシャフト45が回転運動する。ピニオンシャフト45の回転運動は、第2ラックアンドピニオン機構46を介して転舵シャフト15の軸方向の往復直線運動に変換される。これにより、転舵モータ41のトルクが、転舵力として、ピニオンシャフト45を介して転舵シャフト15に付与される。
また、回転角センサ43は、転舵モータ41の回転角θt0を検出する。
転舵ユニット40は、さらにトルクセンサ44(転舵側トルクセンサ)を有している。トルクセンサ44は、ピニオンシャフト13(ステアリングシャフト12におけるクラッチ20(減速機構32)よりも転舵シャフト15側の部分)に設けられている。トルクセンサ44は、ステアリングホイール11が回転操作されることにより、ピニオンシャフト13に加わる下流操舵トルクTh2を検出する。なお、クラッチ20が切断状態にある場合、ステアリングホイール11とピニオンシャフト13との間が機械的に切断されてしまうので、ステアリングホイール11が操作されたとしても、トルクセンサ44は下流操舵トルクTh2を検出することができない(下流操舵トルクTh2がほとんどゼロである)。一方、クラッチ20が接続状態にある場合、ステアリングホイール11が操作されたとき、トルクセンサ44は下流操舵トルクTh2を検出することができる。
転舵ユニット40は、さらにトルクセンサ44(転舵側トルクセンサ)を有している。トルクセンサ44は、ピニオンシャフト13(ステアリングシャフト12におけるクラッチ20(減速機構32)よりも転舵シャフト15側の部分)に設けられている。トルクセンサ44は、ステアリングホイール11が回転操作されることにより、ピニオンシャフト13に加わる下流操舵トルクTh2を検出する。なお、クラッチ20が切断状態にある場合、ステアリングホイール11とピニオンシャフト13との間が機械的に切断されてしまうので、ステアリングホイール11が操作されたとしても、トルクセンサ44は下流操舵トルクTh2を検出することができない(下流操舵トルクTh2がほとんどゼロである)。一方、クラッチ20が接続状態にある場合、ステアリングホイール11が操作されたとき、トルクセンサ44は下流操舵トルクTh2を検出することができる。
<制御装置>
また、操舵装置10は、制御装置50(制御部、車両用制御装置)を備えている。制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づいて、反力モータ31、転舵モータ41、およびクラッチ20を制御する。各種のセンサとしては、回転角センサ33、トルクセンサ34、回転角センサ43、トルクセンサ44、および車速センサ47が用いられる。車速センサ47は、車両に設けられ、車両の走行速度である車速Vを検出する。
また、操舵装置10は、制御装置50(制御部、車両用制御装置)を備えている。制御装置50は、各種のセンサの検出結果に基づいて、反力モータ31、転舵モータ41、およびクラッチ20を制御する。各種のセンサとしては、回転角センサ33、トルクセンサ34、回転角センサ43、トルクセンサ44、および車速センサ47が用いられる。車速センサ47は、車両に設けられ、車両の走行速度である車速Vを検出する。
制御装置50は、クラッチ20を接続する条件が満たされたか否かに基づいて、クラッチ20の断続を切り替える。クラッチ20を接続する条件としては、たとえば車両のイグニッションスイッチがオフされていることが挙げられる。制御装置50は、クラッチ20を切断するとき、クラッチ20にクラッチ切断指令を出力し、クラッチ20を接続するとき、クラッチ20にクラッチ接続指令を出力する。
制御装置50は、反力モータ31を制御することにより、操舵トルクTh1に応じた操舵反力を発生させる反力制御を実行する。制御装置50は、操舵トルクTh1および車速Vのうち、少なくとも操舵トルクTh1に基づいて、目標操舵反力を演算する。そして、制御装置50は、演算された目標操舵反力、操舵トルクTh1、および車速Vに基づいて、目標操舵角を演算する。制御装置50は、実際の操舵角θsを目標操舵角に追従させるべく、操舵角θsの角度フィードバック制御を実行することにより、操舵角補正量を演算し、当該舵角補正量を目標操舵反力に加算することにより、操舵反力指令値を演算する。制御装置50は、操舵反力指令値に応じた操舵反力を発生させるために必要とされる電流を反力モータ31に供給する。
また、制御装置50は、転舵モータ41を制御することにより、転舵輪17,17を操舵状態に応じて転舵させる転舵制御を実行する。制御装置50は、回転角センサ43により検出される回転角θt0に基づいて、ピニオンシャフト13の実際の回転角であるピニオン角(ピニオン角θp)を演算する。このピニオン角は、転舵輪17,17の転舵角θtを反映する値である。制御装置50は、目標操舵角を用いて目標ピニオン角を演算する。そして、制御装置50は、目標ピニオン角と実際のピニオン角との偏差に基づいて、角度フィードバック制御を実行することにより、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する。
<制御装置の構成>
つぎに、制御装置50の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、制御装置50は、反力制御を実行する反力制御部50a、および転舵制御を実行する転舵制御部50bを有している。
つぎに、制御装置50の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、制御装置50は、反力制御を実行する反力制御部50a、および転舵制御を実行する転舵制御部50bを有している。
<反力制御部>
反力制御部50aは、目標操舵反力演算部51、目標操舵角演算部52、操舵角フィードバック制御部53、通電制御部54、操舵角演算部55、電流センサ56、および加算器57,58を有している。
反力制御部50aは、目標操舵反力演算部51、目標操舵角演算部52、操舵角フィードバック制御部53、通電制御部54、操舵角演算部55、電流センサ56、および加算器57,58を有している。
目標操舵反力演算部51は、トルクセンサ34により検出された操舵トルクTh1および車速センサ47により検出された車速Vに基づいて、ステアリングホイール11の回転に抗する力である操舵反力の目標値である目標操舵反力T1*を演算する。なお、目標操舵反力演算部51は、操舵トルクTh1のみに基づいて、目標操舵反力T1*を演算してもよい。
目標操舵角演算部52は、目標操舵反力T1*および操舵トルクTh1に基づいて、ステアリングホイール11の目標操舵角θ1*を演算する。加算器57は、目標操舵反力T1*と操舵トルクTh1との総和である基本駆動トルクT1b*を演算する。目標操舵角演算部52は、加算器57により演算された基本駆動トルクT1b*に基づいて理想的な操舵角を定める理想モデルを有している。この理想モデルは、基本駆動トルクT1b*に応じた理想的な転舵角に対応する操舵角(舵角)を予め実験などによりモデル化したものである。目標操舵角演算部52は、基本駆動トルクT1b*から理想モデルに基づいて、目標操舵角θ1*(目標舵角)を演算する。
操舵角演算部55は、回転角センサ33により検出された反力モータ31の回転角θs0に基づいて、ステアリングホイール11の実際の操舵角θsを演算する。
操舵角フィードバック制御部53(操舵側フィードバック制御部)は、ステアリングホイール11の実際の操舵角θsを、目標操舵角θ1*に追従させるべく、操舵角θsのフィードバック制御を通じて、操舵角補正量T1c*を演算する。
操舵角フィードバック制御部53(操舵側フィードバック制御部)は、ステアリングホイール11の実際の操舵角θsを、目標操舵角θ1*に追従させるべく、操舵角θsのフィードバック制御を通じて、操舵角補正量T1c*を演算する。
加算器58は、目標操舵反力T1*に操舵角補正量T1c*を加算することにより、操舵反力指令値Ts*を算出する。
通電制御部54は、操舵反力指令値Ts*に応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部54は、操舵反力指令値Ts*に基づいて、反力モータ31に対する電流指令値を演算する。通電制御部54は、反力モータ31への給電経路に設けられた電流センサ56を通じて、反力モータ31に実際に供給される電流の値である電流値I1を検出する。通電制御部54は、電流指令値に、電流センサ56により検出された反力モータ31に実際に付与される電流値I1を追従させるべく、電流指令値と電流値I1との偏差に基づく電流フィードバック制御を実行する。通電制御部54は、当該偏差を無くすように反力モータ31に対する給電を制御することにより、反力モータ31は操舵反力指令値Ts*に応じたトルクを発生させることができる。
通電制御部54は、操舵反力指令値Ts*に応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部54は、操舵反力指令値Ts*に基づいて、反力モータ31に対する電流指令値を演算する。通電制御部54は、反力モータ31への給電経路に設けられた電流センサ56を通じて、反力モータ31に実際に供給される電流の値である電流値I1を検出する。通電制御部54は、電流指令値に、電流センサ56により検出された反力モータ31に実際に付与される電流値I1を追従させるべく、電流指令値と電流値I1との偏差に基づく電流フィードバック制御を実行する。通電制御部54は、当該偏差を無くすように反力モータ31に対する給電を制御することにより、反力モータ31は操舵反力指令値Ts*に応じたトルクを発生させることができる。
<転舵制御部>
図2に示すように、転舵制御部50bは、ピニオン角演算部61、目標操舵角変換部62、ピニオン角フィードバック制御部63、通電制御部64、電流センサ65、目標下流操舵トルク演算部66、下流操舵トルクフィードバック制御部67、および転舵指令値演算部68を有している。
図2に示すように、転舵制御部50bは、ピニオン角演算部61、目標操舵角変換部62、ピニオン角フィードバック制御部63、通電制御部64、電流センサ65、目標下流操舵トルク演算部66、下流操舵トルクフィードバック制御部67、および転舵指令値演算部68を有している。
ピニオン角演算部61は、回転角センサ43により検出された転舵モータ41の回転角θt0に基づいて、ピニオンシャフト13の実際の回転角であるピニオン角θpを演算する。なお、転舵モータ41とピニオンシャフト13とは減速機構42を介して連動しているので、転舵モータ41の回転角θt0とピニオン角θpとの間には相関関係がある。この相関関係を利用して、転舵モータ41の回転角θt0からピニオン角θpを求めることができる。なお、ピニオン角θpは、転舵輪17,17の転舵角θtとの間にも相関関係がある値である。
目標操舵角変換部62(変換部)は、反力制御部50aの目標操舵角演算部52により演算された目標操舵角θ1*を、転舵角に対応した値である目標ピニオン角θ1p*に変換する。具体的には、目標操舵角変換部62は、車両の走行状態に応じて操舵角θsに対応するピニオン角θpの比である舵角比を設定し、目標操舵角θ1*を当該舵角比に応じた目標ピニオン角に変換するとともに、当該目標転舵角を微分した値である目標ピニオン角の変化速度に基づいて、当該目標ピニオン角を補正する。これにより、目標ピニオン角θ1p*を演算している。
ピニオン角フィードバック制御部63は、実際のピニオン角θpを、目標操舵角変換部62により演算される最終的な目標ピニオン角θ1p*に追従させるべく、ピニオン角θpのフィードバック制御(たとえばPID制御)を通じて、ピニオン角指令値Tp*(第2の成分)を演算する。
電流センサ65は、転舵モータ41への給電経路に設けられている。電流センサ65は、転舵モータ41を流れる電流値I2を検出する。
なお、反力制御部50aの目標操舵角演算部52は、推定軸力演算部79を有している。詳しくは後述するが、推定軸力演算部79は、電流センサ65により検出される転舵モータ41を流れる電流値I2、車速センサ47により検出される車速V、およびピニオン角演算部61により演算されるピニオン角θpの微分値であるピニオン角速度ωpに基づいて、転舵輪17,17に作用する軸力の推定値である推定軸力Feを演算する。
なお、反力制御部50aの目標操舵角演算部52は、推定軸力演算部79を有している。詳しくは後述するが、推定軸力演算部79は、電流センサ65により検出される転舵モータ41を流れる電流値I2、車速センサ47により検出される車速V、およびピニオン角演算部61により演算されるピニオン角θpの微分値であるピニオン角速度ωpに基づいて、転舵輪17,17に作用する軸力の推定値である推定軸力Feを演算する。
つぎに、目標下流操舵トルク演算部66(目標トルク演算部)は、目標操舵角演算部52の推定軸力演算部79により演算される推定軸力Fe、および車速センサ47により検出される車速Vに基づいて、ピニオンシャフト13に付与される操舵トルクの目標値である目標下流操舵トルクTh2*(目標トルク値)を演算する。
下流操舵トルクフィードバック制御部67(フィードバック制御部)は、トルクセンサ44により検出される下流操舵トルクTh2を、目標下流操舵トルクTh2*に追従させるべく、下流操舵トルクTh2のフィードバック制御を通じて、下流操舵トルク指令値Th2c*(第1の成分)を演算する。
具体的には、図3に示すように、下流操舵トルクフィードバック制御部67は、減算器67aおよびPID制御部67bを有している。減算器67aは、目標下流操舵トルクTh2*と下流操舵トルクTh2との偏差を減算する。PID制御部67bは、目標下流操舵トルクTh2*と下流操舵トルクTh2との偏差を無くすように、ピニオン角のフィードバック制御としてPID(比例、積分、微分)制御を行うことにより、下流操舵トルク指令値Th2c*を演算する。
図2に示すように、転舵指令値演算部68は、ピニオン角フィードバック制御部63により演算されるピニオン角指令値Tp*、および下流操舵トルクフィードバック制御部67により演算される下流操舵トルク指令値Th2c*を取り込む。転舵指令値演算部68は、ピニオン角指令値Tp*および下流操舵トルク指令値Th2c*のうち少なくとも1つを用いて、転舵指令値Tt*を演算する。転舵指令値演算部68は、制御装置50が実行する各種の制御モードに応じて、転舵指令値Tt*を演算する。なお、ここでは、転舵指令値演算部68は、ピニオン角指令値Tp*に下流操舵トルク指令値Th2c*を加算することにより、転舵指令値Tt*を演算するものとする。
通電制御部64は、転舵指令値Tt*に応じた電力を転舵モータ41へ供給する。具体的には、通電制御部64は、転舵指令値Tt*に基づいて、転舵モータ41に対する電流指令値を演算する。通電制御部64は、当該電流指令値に、電流センサ65により検出される電流値I2を追従させるべく、電流指令値と電流値I2との偏差に基づく電流フィードバック制御を実行する。通電制御部64は、当該偏差を無くすように、転舵モータ41に対する給電を制御することにより、転舵モータ41は転舵指令値Tt*に応じたトルクを発生させることができる。これにより、運転者のステアリングホイール11の操作に応じて、転舵輪17,17を転舵させる転舵力を発生できる。
なお、ピニオン角フィードバック制御部63および下流操舵トルクフィードバック制御部67(PID制御部67b)には、指令信号S1,S2が入力される。たとえば、指令信号S1は、制御装置50がクラッチ20に作用するトルクを低減する(抜く)制御であるトルク抜き制御を実行するときに制御装置50によって生成され、指令信号S2は、ステアバイワイヤ制御を実行するときに制御装置50によって生成される。制御装置50は、トルク抜き制御を実行するとき、ピニオン角フィードバック制御部63よりも下流操舵トルクフィードバック制御部67をメインで動作させる。また、制御装置50は、ステアバイワイヤ制御を実行するとき、下流操舵トルクフィードバック制御部67よりもピニオン角フィードバック制御部63をメインで動作させる。より具体的には、ピニオン角フィードバック制御部63は、トルク抜き制御の実行時では、ステアバイワイヤ制御の実行時よりも、演算される制御量(ピニオン角指令値Tp*)が小さくなるよう設定されている。また、下流操舵トルクフィードバック制御部67は、ステアバイワイヤ制御の実行時では、トルク抜き制御の実行時よりも、演算される制御量(下流操舵トルク指令値Th2c*)が小さくなるよう設定されている。
なお、制御装置50は、トルク抜き制御を実行するとき、下流操舵トルクフィードバック制御部67により演算された下流操舵トルク指令値Th2c*を転舵指令値Tt*として使用し、ステアバイワイヤ制御を実行するとき、ピニオン角指令値Tp*を転舵指令値Tt*として使用するようにしてもよい。
<目標操舵角演算部>
つぎに、目標操舵角演算部52について詳しく説明する。
目標操舵角演算部52は、目標操舵反力T1*と操舵トルクTh1との総和である基本駆動トルクT1b*から理想モデルに基づいて、目標操舵角θ1*を演算する。この理想モデルは、ステアリングシャフト12に印加されるトルクである基本駆動トルクT1b*が、次式(1)で表されることを利用したモデルである。
つぎに、目標操舵角演算部52について詳しく説明する。
目標操舵角演算部52は、目標操舵反力T1*と操舵トルクTh1との総和である基本駆動トルクT1b*から理想モデルに基づいて、目標操舵角θ1*を演算する。この理想モデルは、ステアリングシャフト12に印加されるトルクである基本駆動トルクT1b*が、次式(1)で表されることを利用したモデルである。
T1b*=Jθ1*’’+Cθ1*’+Kθ1* …(1)
なお、「J」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12の慣性モーメント、「C」は転舵シャフト15のハウジングに対する摩擦などに対応する粘性係数(摩擦係数)、「K」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12をそれぞればねとみなしたときのばね係数である。
なお、「J」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12の慣性モーメント、「C」は転舵シャフト15のハウジングに対する摩擦などに対応する粘性係数(摩擦係数)、「K」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12をそれぞればねとみなしたときのばね係数である。
式(1)から分かるように、基本駆動トルクT1b*は、目標操舵角θ1*の2階時間微分値θ*’’に慣性モーメントJを乗じた値、目標操舵角θ1*の1階時間微分値θ1*’に粘性係数Cを乗じた値、および目標操舵角θ1*にばね係数を乗じた値を加算することによって得られる。目標操舵角演算部52は、式(1)に基づく理想モデルに従って目標操舵角θ1*を演算する。
図4に示すように、目標操舵角演算部52は、ステアリングモデル71および車両モデル72を有している。
ステアリングモデル71は、減算器73、慣性モデル74、第1の積分器75、第2の積分器76、および粘性モデル77を有している。
ステアリングモデル71は、減算器73、慣性モデル74、第1の積分器75、第2の積分器76、および粘性モデル77を有している。
減算器73は、基本駆動トルクT1b*から粘性成分Tvi*およびばね成分Tsp*をそれぞれ減算することにより、最終的な基本駆動トルクT1b*を演算する。
慣性モデル74は、式(1)の慣性項に対応する慣性制御演算部として機能する。慣性モデル74は、減算器73により演算された最終的な基本駆動トルクT1b*に慣性モーメントJの逆数を乗ずることにより、操舵角加速度α*を演算する。
慣性モデル74は、式(1)の慣性項に対応する慣性制御演算部として機能する。慣性モデル74は、減算器73により演算された最終的な基本駆動トルクT1b*に慣性モーメントJの逆数を乗ずることにより、操舵角加速度α*を演算する。
第1の積分器75は、慣性モデル74により演算される操舵角加速度α*を積分することにより、操舵角速度ω*を演算する。
第2の積分器76は、第1の積分器75により演算される操舵角速度ω*をさらに積分することにより、目標操舵角θ1*を演算する。目標操舵角θ1*は、ステアリングモデル71に基づくステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)の理想的な回転角である。
第2の積分器76は、第1の積分器75により演算される操舵角速度ω*をさらに積分することにより、目標操舵角θ1*を演算する。目標操舵角θ1*は、ステアリングモデル71に基づくステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)の理想的な回転角である。
粘性モデル77は、式(1)の粘性項に対応する粘性制御演算部として機能する。粘性モデル77は、第1の積分器75により演算される操舵角速度ω*に粘性係数Cを乗ずることにより、基本駆動トルクT1b*の粘性成分Tvi*を演算する。
車両モデル72は、式(1)のばね項に対応するばね特性制御演算部として機能する。車両モデル72は、第2の積分器76により演算される目標操舵角θ1*にばね係数Kを乗ずることにより、基本駆動トルクT1b*のばね成分Tsp*を演算する。
なお、車両モデル72は、ばね成分Tsp*を演算するに際して、車速センサ47により検出される車速Vおよび電流センサ65により検出される電流値I2をそれぞれ加味する。また、制御装置50にはピニオン角速度演算部78が設けられている。ピニオン角速度演算部78は、ピニオン角演算部61により演算されたピニオン角θpを微分することにより、ピニオン角速度ωpを演算する。車両モデル72は、ピニオン角速度演算部78により演算されたピニオン角速度ωpを取り込む。なお、ピニオンシャフト13は転舵シャフト15と噛み合っているので、ピニオン角θpの変化速度であるピニオン角速度ωpと転舵シャフト15の移動速度(転舵速度)との間には相関関係がある。すなわち、ピニオン角速度ωpは、転舵輪17,17の転舵速度を反映する値である。このため、ピニオン角速度ωpと転舵速度との相関関係を利用して、ピニオン角速度ωpから転舵速度を求めることも可能である。
このように構成された目標操舵角演算部52によれば、ステアリングモデル71の慣性モーメントJおよび粘性係数C、ならびに車両モデル72のばね係数Kをそれぞれ調整することによって、基本駆動トルクT1b*と目標操舵角θ1*との関係を直接的にチューニングすること、ひいては所望の操舵特性を実現することができる。
また、目標ピニオン角θ1p*は、基本駆動トルクT1b*からステアリングモデル71および車両モデル72に基づき演算される目標操舵角θ1*を使用して、演算される。そして、実際のピニオン角θpが目標ピニオン角θ1p*に一致するようにフィードバック制御される。ここで、ピニオン角θpと転舵輪17,17の転舵角θtとの間には相関関係があるので、基本駆動トルクT1b*に応じた転舵輪17,17の転舵動作もステアリングモデル71および車両モデル72により定まる。すなわち、車両の操舵感がステアリングモデル71および車両モデル72により決定される。したがって、ステアリングモデル71および車両モデル72を調整することにより、所望の操舵感を実現することができる。
しかし、運転者の操舵方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)である操舵反力(ステアリングホイール11を通じて感じる手応え)は、目標操舵角θ1*に応じたものにしかならない。すなわち、路面状態(路面の滑りやすさなど)によって、操舵反力が変わらない。このため、運転者は操舵反力を通じて路面状態を把握しにくくなっている。そこで、こうした懸念を解消する観点に基づいて、転舵輪17,17に作用する軸力の推定値である推定軸力Feによって、目標操舵角θ1*に路面状態の影響を反映させている。
このため、目標操舵角演算部52の車両モデル72は、推定軸力演算部79を有している。推定軸力演算部79は、電流センサ65により検出される転舵モータ41を流れる電流値I2、車速センサ47により検出される車速V、およびピニオン角速度演算部78により演算されるピニオン角θpの微分値であるピニオン角速度ωpに基づいて、転舵輪17,17に作用する軸力の推定値である推定軸力Feを演算する。ここで、転舵モータ41の電流値I2は、路面状態(路面摩擦抵抗など)に応じた外乱が、転舵輪17,17に作用することに起因して、目標ピニオン角θ1p*と実際のピニオン角θpとの間に差が発生することによって変化する。すなわち、転舵モータ41の電流値I2には、転舵輪17,17に作用する実際の路面反力が反映されている。
車両モデル72は、推定軸力演算部79により演算された推定軸力Feを、トルクに変換することにより、基本駆動トルクT1b*のばね成分Tsp*を演算する。
<目標下流操舵トルクの演算>
つぎに、目標下流操舵トルク演算部66により演算される目標下流操舵トルクTh2*の演算方法について説明する。
<目標下流操舵トルクの演算>
つぎに、目標下流操舵トルク演算部66により演算される目標下流操舵トルクTh2*の演算方法について説明する。
図5のグラフに示すように、横軸に推定軸力演算部79により演算される推定軸力Feを、縦軸に目標下流操舵トルクTh2*をそれぞれプロットするとき、目標下流操舵トルクTh2*の演算マップは次のような特性を有する。図5に実線で示すように、推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0未満であるとき、推定軸力Feが大きくなるほど、目標下流操舵トルクTh2*はより大きな値に設定される。推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0以上であるとき、目標下流操舵トルクTh2*は最大値Tmである。なお、最大値Tmは、クラッチ20が切断可能なトルク値であるトルクTlよりも小さく設定されている。推定軸力閾値Fe0は、推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0のときの目標下流操舵トルクTh2*が、トルクTlを超えないように設定されている。
これに対し、比較例として、図5に破線で示すように、推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0未満であるか否かによらずに、推定軸力Feが大きくなるほど、目標下流操舵トルクTh2*がより大きな値に設定することも考えられる。この場合、最大値TmはトルクTl以上となるので、クラッチ20を切断状態に移行させることが困難になるおそれがある。
<本実施形態の作用および効果>
(1)まず、比較例として、クラッチ20に作用するトルクを低減する制御(トルク抜き制御)を実行しない場合について説明する。たとえば、制御装置50は、イグニッションスイッチをオンにした直後や過熱保護を行う場合には、クラッチ20を接続状態にして、操舵装置10を電動パワーステアリング装置として機能させる。この際、クラッチ20に大きなトルクが作用してしまうと、すなわちステアリングシャフト12とピニオンシャフト13との間の回転角度の差が大きいと、クラッチ20が接続状態から切断状態に移行しにくくなる。たとえば噛み合い式のクラッチ20では、クラッチ20におけるステアリングシャフト12側の歯と、クラッチ20におけるピニオンシャフト13側の歯とが、互いに回転方向において圧接してしまうので、クラッチ20が切断状態へと移行する際の摩擦抵抗が大きくなる。このため、クラッチ20が接続状態から切断状態に移行しにくくなる。
(1)まず、比較例として、クラッチ20に作用するトルクを低減する制御(トルク抜き制御)を実行しない場合について説明する。たとえば、制御装置50は、イグニッションスイッチをオンにした直後や過熱保護を行う場合には、クラッチ20を接続状態にして、操舵装置10を電動パワーステアリング装置として機能させる。この際、クラッチ20に大きなトルクが作用してしまうと、すなわちステアリングシャフト12とピニオンシャフト13との間の回転角度の差が大きいと、クラッチ20が接続状態から切断状態に移行しにくくなる。たとえば噛み合い式のクラッチ20では、クラッチ20におけるステアリングシャフト12側の歯と、クラッチ20におけるピニオンシャフト13側の歯とが、互いに回転方向において圧接してしまうので、クラッチ20が切断状態へと移行する際の摩擦抵抗が大きくなる。このため、クラッチ20が接続状態から切断状態に移行しにくくなる。
この点、本実施形態では、クラッチ20を接続状態から切断状態へと移行させる場合、クラッチ20に作用するトルクが、クラッチ20が切断困難になるほどのトルクにならないように、トルク抜き制御が行われている。
具体的には、制御装置50は、トルク抜き制御を実行する際、ピニオン角フィードバック制御部63および下流操舵トルクフィードバック制御部67に指令信号S1を出力する。ピニオン角フィードバック制御部63は、指令信号S1を取り込んだとき、演算するピニオン角指令値Tp*を、ステアバイワイヤ制御の実行時に演算されるピニオン角指令値Tp*よりも小さい値とする。これにより、トルク抜き制御時には、ピニオン角フィードバック制御部63よりも下流操舵トルクフィードバック制御部67がメインで動作することとなる。
ここで、下流操舵トルクフィードバック制御部67は、図5のグラフに実線で示されるような目標下流操舵トルクTh2*の演算マップを有している。推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0を超えるほど大きくなった場合であっても、目標下流操舵トルクTh2*はクラッチ20を切断可能なトルク値であるトルクTl未満の値である最大値Tmにしかならない。そして、転舵指令値演算部68で演算される転舵指令値Tt*は、主に下流操舵トルク指令値Th2c*(目標下流操舵トルクTh2*)の成分を含んでいる。すなわち、転舵指令値Tt*における下流操舵トルク指令値Th2c*の割合は、転舵指令値Tt*におけるピニオン角指令値Tp*の割合よりも大きい。また、下流操舵トルク指令値Th2c*の基本成分である目標下流操舵トルクTh2*は、最大値Tm以下に設定されている。このため、通電制御部64により転舵モータ41に流れる電流値I2が抑えられる。これにより、ステアリングシャフト12とピニオンシャフト13との間の回転角度差が生じにくくなり、クラッチ20に作用するトルクが大きくなることが抑えられる。また、路面状態によって推定軸力Feが増減する場合であっても、クラッチ20に作用するトルクが大きくなることが抑えられる。このため、クラッチ20に作用するトルクが大きくなったとしても、トルク抜き制御が行われる間は、目標下流操舵トルクTh2*が抑えられる分、クラッチ20に作用するトルクが低減される。これは、運転者がステアリングホイール11を操作せずに中立位置で保舵している場合であっても、ステアリングホイール11を所定の切れ角で保舵している場合であっても、ステアリングホイール11を操舵している場合であっても同様である。このため、ステアリングホイール11の操舵状態によらずに、クラッチ20に作用するトルクを低減することにより、クラッチ20に作用するトルクを切断可能なトルク以下にすることができる。
このため、トルク抜き制御時には、クラッチ20に作用するトルクを低減できるので、クラッチ20を接続状態から切断状態への移行がスムーズになる。そして、制御装置50は、クラッチ20を接続状態から切断状態へと移行させることが完了した場合、トルク抜き制御を終了するとともに、操舵装置10をステアバイワイヤとして機能させるべく、制御を開始する。
(2)制御装置50は、操舵装置10をステアバイワイヤとして機能させる場合、ピニオン角フィードバック制御部63および下流操舵トルクフィードバック制御部67に指令信号S2を出力する。下流操舵トルクフィードバック制御部67は、指令信号S2を取り込んだとき、演算する下流操舵トルク指令値Th2c*を、トルク抜き制御の実行時に演算される下流操舵トルク指令値Th2c*よりも小さい値とする。これにより、ステアバイワイヤの制御時には、下流操舵トルクフィードバック制御部67よりもピニオン角フィードバック制御部63がメインで動作することとなる。
このため、制御装置50は、操舵装置10をステアバイワイヤとして機能させることができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・本実施形態では、目標下流操舵トルク演算部66は、推定軸力Feに対する目標下流操舵トルクTh2*の演算マップを用いて、目標下流操舵トルクTh2*を演算したが、これに限らない。たとえば、目標下流操舵トルク演算部66は、転舵モータ41に流れる電流値I2に対する目標下流操舵トルクTh2*の演算マップを有していてもよい。この場合、目標下流操舵トルク演算部66は、電流値I2を取り込み、電流値I2に基づいて、目標下流操舵トルクTh2*を演算する。
・本実施形態では、推定軸力閾値Fe0は、推定軸力Feが推定軸力閾値Fe0のときの目標下流操舵トルクTh2*が、トルクTlを超えないように設定されたが、これに限らない。たとえば、推定軸力閾値Fe0に対応する電流値I2のときの目標下流操舵トルクTh2*が、トルクTlを超えないように推定軸力閾値Fe0を設定してもよい。すなわち、推定軸力Feおよび電流値I2に基づいて、推定軸力閾値Fe0を設定してもよい。また、転舵輪17,17の転舵角θtに基づいて推定軸力閾値Fe0を設定してもよいし、転舵角θtの目標値に基づいて推定軸力閾値Fe0を設定してもよいし、ピニオン角指令値Tp*に基づいて推定軸力閾値Fe0を設定してもよいし、転舵角θtおよび各指令値と相関関係を有する角度に基づいて推定軸力閾値Fe0を設定してもよい。また、角度に限らず、転舵角θtおよび各指令値などに基づいて算出された転舵シャフト15に作用する軸力に基づいて、推定軸力閾値Fe0を設定してもよい。
・本実施形態では、転舵指令値演算部68は、ピニオン角指令値Tp*に下流操舵トルク指令値Th2c*を加算することにより、転舵指令値Tt*を演算したが、これに限らない。すなわち、トルク抜き制御とステアバイワイヤ制御との切り替えは、指令信号S1,S2の入力に基づいて、ピニオン角指令値Tp*および下流操舵トルク指令値Th2c*の制御量が増減されることにより行われていたが、これに限らない。
たとえば、転舵指令値演算部68に指令信号S1,S2が入力されることにより、出力される転舵指令値Tt*を変更するようにしてもよい。たとえば、転舵指令値演算部68は、指令信号S1を取り込んだとき、下流操舵トルク指令値Th2c*を転舵指令値Tt*として出力し、指令信号S2を取り込んだとき、ピニオン角指令値Tp*を転舵指令値Tt*として出力してもよい。
また、転舵指令値演算部68は、指令信号S1,S2、および操舵装置10の制御状態に基づいて配分比を演算し、ピニオン角指令値Tp*および転舵指令値Tt*に配分比を乗算することにより転舵指令値Tt*を演算するようにしてもよい。
・各実施形態では、トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における減速機構32よりもステアリングホイール11側の部分に設けられたが、ステアリングシャフト12における減速機構32よりもステアリングホイール11の反対側の部分に設けられてもよい。すなわち、トルクセンサ34は、反力ユニット30側に設けられるのであれば、どこに設けられてもよい。
・トルクセンサ44はピニオンシャフト13に設けられたが、転舵ユニット40側に設けられるのであればどこに設けられてもよい。
・反力ユニット30のトルクセンサ34は設けなくてもよい。この場合、制御装置50は、たとえばステアリングホイール11の操舵角θsに基づいて、各種の制御を実行する。また、ステアリングホイール11に操舵反力を付与しないのであれば、反力モータ31および減速機構32も設けなくてもよい。すなわち、操舵反力が必要とされないのであれば、反力ユニット30における操舵反力を付与するための構成は設けなくてもよい。
・反力ユニット30のトルクセンサ34は設けなくてもよい。この場合、制御装置50は、たとえばステアリングホイール11の操舵角θsに基づいて、各種の制御を実行する。また、ステアリングホイール11に操舵反力を付与しないのであれば、反力モータ31および減速機構32も設けなくてもよい。すなわち、操舵反力が必要とされないのであれば、反力ユニット30における操舵反力を付与するための構成は設けなくてもよい。
・各実施形態では、制御装置50における目標操舵角変換部62を割愛した構成を採用してもよい。この場合、目標操舵角演算部52により演算される目標操舵角θ1*がそのまま目標ピニオン角θ1p*として使用される。そのため、ステアリングホイール11が操作されると、その操作分だけ転舵輪17,17が転舵する。
・各実施形態では、転舵モータ41の回転力を、第2ラックアンドピニオン機構46を介して転舵シャフト15に伝達したが、これに限らない。すなわち、転舵モータ41の回転力を転舵シャフト15に伝達できるのであれば、どのようなものであってもよい。たとえば、転舵シャフト15と同軸上に転舵モータ41を配置してもよいし、転舵シャフト15に対して平行に転舵モータ41を配置するものであってもよい。
10…操舵装置、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンシャフト、13a…ピニオン歯、14…第1ラックアンドピニオン機構、15…転舵シャフト、15a,15b…ラック歯、16…タイロッド、17…転舵輪、20…クラッチ、30…反力ユニット(操舵部)、31…反力モータ、31a…回転軸、32…減速機構、33…回転角センサ、34…トルクセンサ(操舵側トルクセンサ)、40…転舵ユニット(転舵部)、41…転舵モータ、41a…回転軸、42…減速機構、43…回転角センサ、44…トルクセンサ(転舵側トルクセンサ)、45…ピニオンシャフト、45a…ピニオン歯、46…第2ラックアンドピニオン機構、47…車速センサ、50…制御装置(車両用制御装置、制御部)、50a…反力制御部、50b…転舵制御部、51…目標操舵反力演算部、52…目標操舵角演算部、53…フィードバック制御部(操舵側フィードバック制御部)、54…通電制御部、55…操舵角演算部、56…電流センサ、57…加算器、58…加算器、61…ピニオン角演算部、62…目標操舵角変換部(変換部)、63…ピニオン角フィードバック制御部、64…通電制御部、65…電流センサ、66…目標下側操舵トルク演算部(目標トルク演算部)、67…下流操舵トルクフィードバック制御部(フィードバック制御部)、67a…減算器、67b…PID制御部、68…転舵指令値演算部(指令値演算部)、71…ステアリングモデル、72…車両モデル、73…減算器、74…慣性モデル、75…第1の積分器、76…第2の積分器、77…粘性モデル、78…ピニオン角速度演算部、79…推定軸力演算部、C…粘性係数、J…慣性モーメント、K…ばね係数、α*…操舵角加速度、V…車速、θs…操舵角、θp…ピニオン角、θt…転舵角、I1,I2…電流値、Th1…操舵トルク、Th2…下流操舵トルク、ω*…操舵角速度、ωp…ピニオン角速度、ωs…操舵角速度、Fe…推定軸力、Fe0…推定軸力閾値(閾値)、S1,S2…指令信号、Tl…トルク、Tm…最大値、θ1*…目標操舵角、θp*…ピニオン角指令値、θs0、θt0…回転角、T1*…目標操舵反力、Tp*…ピニオン角指令値(第2の成分)、Ts*…操舵反力指令値、Tt*…転舵指令値、θ1c*…目標転舵角、θ1p…目標ピニオン角、T1b*…基本駆動トルク、T1c*…操舵角補正量、Th2*…目標下流操舵トルク(目標トルク値)、Th2c*…目標下流操舵トルク(第1の成分)、Tsp*…ばね成分、Tvi*…粘性成分。
Claims (6)
- 運転者により操舵されるステアリングホイールを備えた操舵部と、運転者による前記ステアリングホイールの操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部と、前記操舵部と前記転舵部との間の動力伝達経路を断接するクラッチと、前記転舵部に設けられて前記クラッチの接続状態において運転者の操舵を検出する転舵側トルクセンサと、前記クラッチの切断状態において前記ステアリングホイールに操舵反力を付与する反力モータと、前記転舵輪を転舵させる転舵モータと、を備えた操舵装置を制御する制御部を有する車両用制御装置であって、
前記制御部は、前記転舵モータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づいて制御するものであって、
前記転舵モータに流れる電流値に基づいて、前記転舵側トルクセンサにより検出されるべきトルクの目標値である目標トルク値を前記クラッチが切断可能なトルク値以下になるように演算する目標トルク演算部と、
前記転舵側トルクセンサにより検出される検出値を、前記目標トルク値に追従させるべく、フィードバック制御を実行することにより、前記転舵モータを制御するための前記指令値の第1の成分を演算するフィードバック制御部と、を有する車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記操舵部は、前記ステアリングホイールに連結されるステアリングシャフトを有し、
前記転舵部は、前記転舵輪に連結された転舵シャフトと、前記転舵シャフトに直交するピニオンシャフトと、を有し、
前記クラッチが切断状態から接続状態へ切り替えられたとき、前記ステアリングシャフトと前記ピニオンシャフトとが機械的に連結され、
前記転舵側トルクセンサは前記ピニオンシャフトに設けられ、
前記制御部は、前記クラッチに作用するトルクを低減する制御であるトルク抜き制御を実行するとき、前記第1の成分に基づいて、前記転舵モータを制御するための前記指令値を演算する車両用制御装置。 - 請求項2に記載の車両用制御装置において、
前記操舵部は、前記ステアリングシャフトに設けられ、運転者の操舵を検出する操舵側トルクセンサを有しており、
前記制御部は、
前記ステアリングホイールに付与される操舵反力を制御する反力制御部、および前記転舵輪に付与される転舵力を制御する転舵制御部を備え、
前記反力制御部は、
少なくとも前記操舵側トルクセンサの検出値に応じて、前記反力モータを制御するための目標操舵反力を演算する目標操舵反力演算部と、
前記操舵側トルクセンサの検出値および前記目標操舵反力の総和である基本駆動トルクに基づいて、前記ステアリングシャフトの目標操舵角を演算する目標操舵角演算部と、
前記ステアリングシャフトの実際の操舵角を前記目標操舵角に追従させるべく、前記反力モータをフィードバック制御する操舵側フィードバック制御部と、を有し、
前記転舵制御部は、
前記目標トルク演算部と、
前記フィードバック制御部と、
前記目標操舵反力演算部により演算された前記目標操舵反力を、ピニオン角に換算した値である目標ピニオン角に換算する変換部と、
前記ピニオンシャフトの実際のピニオン角を、前記目標ピニオン角に追従させるべく、前記ピニオン角のフィードバック制御を実行することにより、前記転舵モータを制御するための前記指令値の第2の成分を演算するピニオン角フィードバック制御部と、
前記フィードバック制御部により演算される前記第1の成分、および前記ピニオン角フィードバック制御部により演算される前記第2の成分の少なくとも一方に基づいて前記指令値を演算する指令値演算部と、を有している車両用制御装置。 - 請求項3に記載の車両用制御装置において、
前記制御部は、
前記クラッチを切断状態にする場合、前記指令値演算部において、主に前記第1の成分に基づいて前記指令値を演算することにより、前記ピニオン角フィードバック制御部をメインで動作させ、
前記クラッチを接続状態から切断状態へと移行させる場合、前記指令値演算部において、主に前記第2の成分に基づいて前記指令値を演算することにより、前記フィードバック制御部をメインで動作させる車両用制御装置。 - 請求項3または4に記載の車両用制御装置において、
前記目標操舵角演算部は、前記電流値に基づいて、前記転舵輪に作用する軸力である推定軸力を演算する推定軸力演算部を有しており、
前記目標トルク演算部は、少なくとも前記推定軸力に基づいて、前記目標トルク値を演算する車両用制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用制御装置において、
前記目標トルク演算部は、前記転舵モータに流れる電流値に基づいて演算される推定軸力に対する前記目標トルク値の演算マップを有しており、
前記推定軸力が予め定められた閾値未満であるとき、前記推定軸力が大きくなるほど前記目標トルク値をより大きな値に設定するとともに、
前記推定軸力が前記閾値以上であるとき、前記目標トルク値を、前記クラッチを切断可能なトルク値よりも小さい値に設定する車両用制御装置。
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