JP6862811B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用制御装置に関する。
従来、ステアリングホイールと転舵輪とを機械的に分離した、いわゆるステアバイワイヤ方式の操舵装置が知られている。たとえば特許文献1の操舵装置は、ステアリングホイールと転舵輪との間の動力伝達経路を断続するクラッチ、ステアリングシャフトに付与される操舵反力の発生源である反力モータ、および転舵輪を転舵させる転舵力の発生源である転舵モータを有している。
車両の走行時、操舵装置の制御装置は、クラッチを開放させてステアリングホイールと転舵輪との間を機械的に分離した状態に維持する。そして制御装置は、反力モータを通じて操舵反力を発生させるとともに、転舵モータを通じて転舵輪を転舵させる。これに対し、反力モータなどに異常が発生したとき、制御装置はクラッチを接続させてステアリングホイールと転舵輪との間を機械的に連結した状態に維持する。これにより、運転者の操舵トルクを利用して転舵輪を転舵させることが可能となる。
特開2007−203885号公報
ステアバイワイヤ方式の操舵装置においては、ステアリングホイールと転舵輪とが機械的に分離されているため、転舵輪に作用する路面反力がステアリングホイールに伝わりにくい。したがって、運転者は路面状況を、ステアリングホイールを通じて手に感じる操舵反力(手応え)として感じにくい。
そこで、たとえば車両に働く横加速度に応じた反力成分を演算し、この演算される反力成分を加味して操舵反力を発生させることが考えられる。これは、横加速度には路面摩擦抵抗などの路面状態が反映されるためである。しかし、停車状態であるとき、車両には横加速度が発生しないため、路面状態が反映された操舵反力が得られない。
本発明の目的は、停車状態であるとき、運転者に路面状態を操舵反力としてより適切に伝えることができる車両用制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る車両用制御装置は、車両の転舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づき制御するものである。車両用制御装置は、少なくとも操舵トルクに応じて前記指令値の第1の成分を演算する第1の演算部と、転舵輪の転舵動作に連動して回転する回転体の目標回転角を前記操舵トルクおよび前記第1の成分の総和である基本駆動トルクに基づき演算する第2の演算部と、前記回転体の実際の回転角を前記目標回転角に一致させるフィードバック制御を通じて前記指令値の第2の成分を演算する第3の演算部と、を備えている。前記第2の演算部は、車両が停車状態であるとき、前記モータの電流値に基づき演算される、前記基本駆動トルクに対する反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算する。
転舵機構に付与される駆動力を発生するモータの電流値には、路面状態(路面反力)が反映される。このため、停車状態であるとき、モータの電流値に基づく反力成分が反映された基本駆動トルクに基づき演算される目標回転角、ひいては当該目標回転角に実際の回転角を一致させるフィードバック制御を通じて演算される前記指令値に対する第2の成分についても路面状態が反映されたものになる。この第2の成分が指令値に加味されることにより、モータにより発生される駆動力にも路面状態が反映される。運転者は、路面状態に応じた操舵反力を手応えとして得ることができる。
上記の車両用制御装置において、前記第2の演算部は、前記モータの電流値に基づく反力成分を第1の反力成分とするとき、前記目標回転角に基づき前記基本駆動トルクに対する第2の反力成分を演算するようにしてもよい。この場合、前記第2の演算部は、停車状態である場合、前記第2の反力成分の値が前記第1の反力成分の値よりも小さいとき、前記第2の反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算することが好ましい。
モータの電流値には転舵機構の摩擦なども反映される。この摩擦は車両の雰囲気温度の低下などに起因して増大する傾向にある。これは、雰囲気温度がより低温になるほど、転舵機構の各部に塗布されるグリスの粘度が増大することに起因する。そして、転舵機構の摩擦が増大するほど、モータの電流値に基づく操舵反力は、実際の路面状況に応じた操舵反力に対してより乖離したものとなる。
この点、上記の構成によるように、停車状態である場合、第2の反力成分の値が第1の反力成分の値よりも小さいとき、車両がいわゆる低摩擦路(凍結路、圧雪路など)に停車している蓋然性が高い。このような状況においては、第2の反力成分を基本駆動トルクに反映させたうえで目標回転角を演算することにより、モータにより発生される駆動力に路面状態を反映させることが好ましい。運転者は、実際の路面状況に応じた操舵反力を手応えとして得ることができる。
上記の車両用制御装置において、前記第2の演算部は、前記第1の反力成分と前記第2の反力成分との差分値が増大するほど、前記第2の反力成分の使用比率をより増大させることが好ましい。
たとえば路面摩擦抵抗がより小さいときほど、差分値はより増大する。路面摩擦抵抗の増減に応じてモータの電流値に基づく第1の反力成分が増減される。運転者は操舵反力のより細やかな変化を手応えとして感じることにより、路面状態をより把握しやすくなる。
上記の車両用制御装置において、前記転舵機構は、ステアリングホイールとの間が機械的に分離される前記回転体としてのピニオンシャフトおよび前記ピニオンシャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを含んでいてもよい。また、車両用制御装置の制御対象として、前記指令値に基づき前記ステアリングホイールに付与される前記駆動力として操舵方向と反対方向のトルクである操舵反力を発生する反力モータと、前記ピニオンシャフトまたは前記転舵シャフトに付与される前記転舵輪を転舵させるための転舵力を発生する転舵モータと、を含んでいてもよい。この場合、前記第2の演算部は、車両が停車状態であるとき、前記転舵モータの電流値に基づき演算される、前記基本駆動トルクに対する反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算することが好ましい。
この構成によれば、停車状態であるとき、反力モータの制御を通じて路面状態応じた操舵反力を発生させることができる。
上記の車両用制御装置において、前記転舵機構は、ステアリングホイールに連動する前記回転体としてのピニオンシャフトおよび前記ピニオンシャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを含んでいてもよい。この場合、前記モータは、前記ステアリングホイールに付与される前記駆動力として操舵方向と同方向のトルクである操舵補助力を発生させるアシストモータであることが好ましい。
この構成によれば、停車状態であるとき、アシストモータの制御を通じて路面状態に応じた操舵反力を発生させることができる。
本発明の車両用制御装置によれば、停車状態であるとき、運転者に路面状態を操舵反力としてより適切に伝えることができる。
車両用制御装置の第1の実施の形態が搭載される操舵装置の構成図。 第1の実施の形態にかかる電子制御装置の制御ブロック図。 第1の実施の形態にかかる目標舵角演算部の制御ブロック図。 第1の実施の形態にかかる理想車両モデルの制御ブロック図。 第1の実施の形態にかかる車速ゲインマップを示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる停車時用の車両反力モデルの制御ブロック図。 第1の実施の形態にかかる第1の車両反力モデルの特性を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる第2の車両反力モデルの特性を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる分配ゲインマップを示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる第1の車両反力と第2の車両反力との大小関係の一例を示すグラフ。 車両用制御装置の第2の実施の形態が搭載される操舵装置の構成図。 第1の実施の形態にかかる電子制御装置の制御ブロック図。
<第1の実施の形態>
以下、車両用制御装置をステアバイワイヤ方式の操舵装置に適用した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、車両の操舵装置10は、ステアリングホイール11に連結されたステアリングシャフト12を有している。ステアリングシャフト12におけるステアリングホイール11とは反対側の端部には、ピニオンシャフト13が設けられている。ピニオンシャフト13のピニオン歯13aは、ピニオンシャフト13に対して交わる方向へ延びる転舵シャフト14のラック歯14aに噛み合わされている。転舵シャフト14の両端には、それぞれタイロッド15,15を介して左右の転舵輪16,16が連結されている。これらステアリングシャフト12、ピニオンシャフト13および転舵シャフト14は、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路として機能する。すなわち、ステアリングホイール11の回転操作に伴い転舵シャフト14が直線運動することにより、転舵輪16,16の転舵角θtが変更される。
<クラッチ>
また、操舵装置10は、クラッチ21およびクラッチ制御部22を有している。
クラッチ21はステアリングシャフト12の途中に設けられている。クラッチ21としては、励磁コイルに対する通電の断続を通じて動力の断続を行う電磁クラッチが採用される。クラッチ21が切断されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路が機械的に切断される。クラッチ21が接続されるとき、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達が機械的に連結される。
クラッチ制御部22は、クラッチ21の断続を制御する。クラッチ制御部22は、クラッチ21の励磁コイルに通電することによってクラッチ21を接続された状態から切断された状態へ切り替える。また、クラッチ制御部22は、クラッチ21の励磁コイルに対する通電を停止することによってクラッチ21を切断された状態から接続された状態へ切り替える。
<操舵反力を発生させるための構成:反力ユニット>
また、操舵装置10は、操舵反力を生成するための構成として、反力モータ31、減速機構32、回転角センサ33、トルクセンサ34、および反力制御部35を有している。ちなみに、操舵反力とは、運転者によるステアリングホイール11の操作方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)をいう。操舵反力をステアリングホイール11に付与することにより、運転者に適度な手応え感を与えることが可能である。
反力モータ31は、操舵反力の発生源である。反力モータ31としてはたとえば三相(U,V,W)のブラシレスモータが採用される。反力モータ31(正確には、その回転軸)は、減速機構32を介して、ステアリングシャフト12に連結されている。減速機構32は、ステアリングシャフト12におけるクラッチ21よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。反力モータ31のトルクは、操舵反力としてステアリングシャフト12に付与される。
回転角センサ33は反力モータ31に設けられている。回転角センサ33は、反力モータ31の回転角θを検出する。反力モータ31の回転角θは、舵角θ(操舵角)の演算に使用される。反力モータ31とステアリングシャフト12とは減速機構32を介して連動する。このため、反力モータ31の回転角θとステアリングシャフト12の回転角、ひいてはステアリングホイール11の回転角である舵角θとの間には相関がある。したがって、反力モータ31の回転角θに基づき舵角θを求めることができる。
トルクセンサ34は、ステアリングホイール11の回転操作を通じてステアリングシャフト12に加わる操舵トルクTを検出する。トルクセンサ34は、ステアリングシャフト12における減速機構32よりもステアリングホイール11側の部分に設けられている。
反力制御部35は、反力モータ31の駆動制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵反力を発生させる反力制御を実行する。また、反力制御部35は、クラッチ接続条件の成否に基づきクラッチ21の断続を切り替える断続制御を実行する。クラッチ接続条件としては、たとえば車両の電源スイッチがオフされていることなどがある。反力制御部35は、クラッチ接続条件が成立するときにはクラッチ21を接続する旨の指令信号を生成する一方、クラッチ接続条件が成立しないときにはクラッチを切断する旨の指令信号を生成する。クラッチ制御部22は、反力制御部35により生成される指令信号に基づきクラッチ21の断続を制御する。
<転舵力を発生させるための構成:転舵ユニット>
また、操舵装置10は、転舵輪16,16を転舵させるための動力である転舵力を生成するための構成として、転舵モータ41、減速機構42、回転角センサ43、および転舵制御部44を有している。
転舵モータ41は転舵力の発生源である。転舵モータ41としては、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。転舵モータ41(正確には、その回転軸)は、減速機構42を介してピニオンシャフト13に連結されている。転舵モータ41のトルクは、転舵力としてピニオンシャフト13を介して転舵シャフト14に付与される。転舵モータ41の回転に応じて、転舵シャフト14は車幅方向(図中の左右方向)に沿って移動する。
回転角センサ43は転舵モータ41に設けられている。回転角センサ43は転舵モータ41の回転角θを検出する。
転舵制御部44は、転舵モータ41の駆動制御を通じて転舵輪16,16を操舵状態に応じて転舵させる転舵制御を実行する。本例では、ステアリングホイール11が操作される分だけ転舵輪16,16を転舵させる。すなわち、実際の転舵角θtをステアリングホイール11の舵角θに一致させるべく転舵モータ41への給電が制御される。
<反力制御部>
つぎに、反力制御部35について詳細に説明する。
図2に示すように、反力制御部35は、目標操舵反力演算部51、目標舵角演算部52、舵角演算部53、舵角フィードバック制御部54、加算器55、および通電制御部56を有している。
目標操舵反力演算部51は、操舵トルクTに基づき目標操舵反力T を演算する。なお、目標操舵反力演算部51は、車速Vを加味して目標操舵反力T を演算してもよい。
目標舵角演算部52は、目標操舵反力T 、操舵トルクTおよび車速Vに基づきステアリングホイール11の目標舵角θを演算する。目標舵角演算部52は、目標操舵反力T および操舵トルクTの総和を基本駆動トルク(入力トルク)とするとき、この基本駆動トルクに基づいて理想的な舵角を定める理想モデルを有している。この理想モデルは、基本駆動トルクに応じた理想的な転舵角に対応する舵角を予め実験などによりモデル化したものである。目標舵角演算部52は、目標操舵反力T と操舵トルクTとを加算することにより基本駆動トルクを求め、この基本駆動トルクから理想モデルに基づいて目標舵角θを演算する。
舵角演算部53は、回転角センサ33を通じて検出される反力モータ31の回転角θに基づきステアリングホイール11の実際の舵角θを演算する。舵角フィードバック制御部54は、実際の舵角θを目標舵角θに追従させるべく舵角θのフィードバック制御を通じて舵角補正量T を演算する。加算器55は、目標操舵反力T に舵角補正量T を加算することにより操舵反力指令値Tを算出する。
通電制御部56は、操舵反力指令値Tに応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部56は、操舵反力指令値Tに基づき反力モータ31に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部56は、反力モータ31に対する給電経路に設けられた電流センサ57を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流値Iを検出する。この電流値Iは、反力モータ31に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部56は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすように反力モータ31に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、反力モータ31は操舵反力指令値Tに応じたトルクを発生する。運転者に対して路面反力に応じた適度な手応え感を与えることが可能である。
<転舵制御部>
つぎに、転舵制御部44について詳細に説明する。
図2に示すように、転舵制御部44は、ピニオン角演算部61、ピニオン角フィードバック制御部62、および通電制御部63を有している。
ピニオン角演算部61は、回転角センサ43を通じて検出される転舵モータ41の回転角θに基づきピニオンシャフト13の実際の回転角であるピニオン角θを演算する。前述したように、転舵モータ41とピニオンシャフト13とは減速機構42を介して連動する。このため、転舵モータ41の回転角θとピニオン角θとの間には相関関係がある。この相関関係を利用して転舵モータ41の回転角θからピニオン角θを求めることができる。さらに、これも前述したように、ピニオンシャフト13は、転舵シャフト14に噛合されている。このため、ピニオン角θと転舵シャフト14の移動量との間にも相関関係がある。すなわち、ピニオン角θは、転舵輪16,16の転舵角θtを反映する値である。
ピニオン角フィードバック制御部62は、目標舵角演算部52により演算される目標舵角θを目標ピニオン角として取り込む。ピニオン角フィードバック制御部62は、実際のピニオン角θを目標ピニオン角としての目標舵角θに追従させるべくピニオン角θのフィードバック制御を通じてピニオン角指令値Tθ を演算する。
通電制御部63は、ピニオン角指令値Tθ に応じた電力を転舵モータ41へ供給する。具体的には、通電制御部63は、ピニオン角指令値Tθ に基づき転舵モータ41に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部63は、転舵モータ41に対する給電経路に設けられた電流センサ64を通じて、当該給電経路に生じる実際の電流値Iを検出する。この電流値Iは、転舵モータ41に供給される実際の電流の値である。そして通電制御部63は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすように転舵モータ41に対する給電を制御する(電流Iのフィードバック制御)。これにより、転舵モータ41はピニオン角指令値Tθ に応じた角度だけ回転する。すなわち、ステアリングホイール11が操作された分だけ転舵輪16,16は転舵する。
<目標舵角演算部>
つぎに、目標舵角演算部52について詳細に説明する。
前述したように、目標舵角演算部52は、目標操舵反力T および操舵トルクTの総和である基本駆動トルクから理想モデルに基づいて目標舵角θを演算する。この理想モデルは、ステアリングシャフト12に印加されるトルクとしての基本駆動トルクTin が、次式(A)で表されることを利用したモデルである。
in =Jθ*′′+Cθ*′+Kθ …(A)
ただし、「J」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12の慣性モーメント、「C」は転舵シャフト14のハウジングに対する摩擦などに対応する粘性係数(摩擦係数)、「K」はステアリングホイール11およびステアリングシャフト12をそれぞればねとみなしたときのばね係数である。
式(A)から分かるように、基本駆動トルクTin は、目標舵角θの二階時間微分値θ*′′に慣性モーメントJを乗じた値、目標舵角θの一階時間微分値θ′に粘性係数Cを乗じた値、および目標舵角θにばね係数Kを乗じた値を加算することによって得られる。目標舵角演算部52は、式(A)に基づく理想モデルに従って目標舵角θを演算する。
図3に示すように、式(A)に基づく理想モデルは、理想ステアリングモデル71、および理想車両モデル72に分けられる。
理想ステアリングモデル71は、ステアリングシャフト12および反力モータ31など、操舵装置10の各構成要素の特性に応じてチューニングされる。理想ステアリングモデル71は、加算器73、減算器74、慣性モデル75、第1の積分器76、第2の積分器77および粘性モデル78を有している。
加算器73は、目標操舵反力T と操舵トルクTとを加算することにより基本駆動トルクTin を演算する。
減算器74は、加算器73により算出される基本駆動トルクTin から後述する粘性成分Tvi およびばね成分Tsp をそれぞれ減算することにより、最終的な基本駆動トルクTin を演算する。
慣性モデル75は、式(A)の慣性項に対応する慣性制御演算部として機能する。慣性モデル75は、減算器74により算出される最終的な基本駆動トルクTin に慣性モーメントJの逆数を乗ずることにより、舵角加速度αを演算する。
第1の積分器76は、慣性モデル75により算出される舵角加速度αを積分することにより、舵角速度ωを演算する。
第2の積分器77は、第1の積分器76により算出される舵角速度ωをさらに積分することにより、目標舵角θを演算する。目標舵角θは、理想ステアリングモデル71に基づくステアリングホイール11(ステアリングシャフト12)の理想的な回転角である。
粘性モデル78は、式(A)の粘性項に対応する粘性制御演算部として機能する。粘性モデル78は、第1の積分器76により算出される舵角速度ωに粘性係数Cを乗ずることにより、基本駆動トルクTin の粘性成分Tvi を演算する。
理想車両モデル72は、操舵装置10が搭載される車両の特性に応じてチューニングされる。操舵特性に影響を与える車両側の特性は、たとえばサスペンションおよびホイールアライメントの仕様、および転舵輪16,16のグリップ力(摩擦力)などにより決まる。理想車両モデル72は、式(A)のばね項に対応するばね特性制御演算部として機能する。理想車両モデル72は、第2の積分器77により算出される目標舵角θにばね係数Kを乗ずることにより、基本駆動トルクTin のばね成分Tsp を演算する。なお、理想車両モデル72は、ばね成分Tsp を演算するに際して、車速Vおよび電流センサ64を通じて検出される転舵モータ41の電流値Iをそれぞれ加味する。
このように構成した目標舵角演算部52によれば、理想ステアリングモデル71の慣性モーメントJおよび粘性係数C、ならびに理想車両モデル72のばね係数Kをそれぞれ調整することによって、基本駆動トルクTin と目標舵角θとの関係を直接的にチューニングすること、ひいては所望の操舵特性を実現することができる。また、本例では、基本駆動トルクTin から理想ステアリングモデル71および理想車両モデル72に基づき演算される目標舵角θが目標ピニオン角として使用される。そして、実際のピニオン角θが目標ピニオン角としての目標舵角θに一致するようにフィードバック制御される。前述したように、ピニオン角θと転舵輪16,16の転舵角θとの間には相関関係がある。このため、基本駆動トルクTin に応じた転舵輪16,16の転舵動作も理想ステアリングモデル71および理想車両モデル72により定まる。すなわち、車両の操舵感が理想ステアリングモデル71および理想車両モデル72により決まる。したがって、理想ステアリングモデル71および理想車両モデル72を調整することにより所望の操舵感を実現することが可能となる。
しかし、運転者の操舵方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)である操舵反力(ステアリングを通じて感じる手応え)は目標舵角θに応じたものにしかならない。すなわち、路面状態(路面の滑りやすさなど)によって操舵反力が変わらない。このため、運転者は操舵反力を通じて路面状態を把握しにくい。そこで本例では、こうした懸念を解消する観点に基づき、理想車両モデル72をつぎのように構成している。なお、本例では、車両が停止しているときの対策を主として講じている。
<理想車両モデル>
図4に示すように、理想車両モデル72は、走行時用の車両反力モデル81、停車時用の車両反力モデル82、車速ゲイン演算部83、および切替部84を有している。
走行時用の車両反力モデル81は、走行時用のばね反力トルクTsp1 を演算する。走行時用のばね反力トルクTsp1 は、目標舵角θに応じた操舵反力成分(ステアリングに作用させるべき反力成分)であって、ステアリングの剛性感(しっかり感)に寄与する。走行時用の車両反力モデル81は、第2の積分器77により算出される目標舵角θを取り込み、この取り込まれる目標舵角θにばね係数を乗ずることにより、目標舵角θに応じた走行時用のばね反力トルクTsp1 を演算する。
なお、横加速度には路面摩擦抵抗などの路面状態が反映されることに着目し、走行時用の車両反力モデル81をつぎのように構成してもよい。すなわち、走行時用の車両反力モデル81は、車両に働く横加速度に応じた操舵反力成分を演算し、この演算される反力成分を加味して走行時用のばね反力トルクTsp1 を演算してもよい。より具体的には、たとえば走行時用の車両反力モデル81は、目標舵角θに応じた操舵反力成分である走行時用のばね反力トルクTsp1 と、横加速度に応じた操舵反力成分との差分値(絶対値)を演算し、この差分値が増大するほど横加速度に応じた操舵反力成分の使用比率を増大させる。車両が低摩擦路を走行しているときなど、路面摩擦抵抗がより小さな値になるほど前述の差分値は増大しやすい。路面摩擦抵抗の増減に応じて横加速度に応じた操舵反力成分の使用比率がより増減されることにより、走行時用のばね反力トルクTsp1 はより路面状態が反映されたものとなる。
停車時用の車両反力モデル82は、停車時用のばね反力トルクTsp2 を演算する。停車時用のばね反力トルクTsp2 は、目標舵角θおよび転舵モータ41に供給される電流の電流値Iに応じた操舵反力成分であって、実際の車両に生じる路面反力に近い特性を有する。停車時用の車両反力モデル82は、目標舵角θおよび転舵モータ41に供給される電流の電流値Iを取り込み、これら取り込まれる目標舵角θおよび電流値Iに基づき、停車時用のばね反力トルクTsp2 を演算する。
車速ゲイン演算部83は、自身が持つ車速ゲインマップ85を使用して車速ゲインGを演算する。車速ゲインマップ85は、車速Vと車速ゲインGとの関係を規定するものであって、走行時用のばね反力トルクTsp1 および停車時用のばね反力トルクTsp2 のどちらの値をばね成分Tsp として使用するのかを決定するために使用される。車速ゲインGは、車速Vに応じて「0」〜「1」の範囲の値に設定される。
図5のグラフに示すように、横軸に車速Vを、縦軸に車速ゲインGをそれぞれプロットするとき、車速ゲインマップ85はつぎのような特性を有する。すなわち、車速Vが「0」を基準とする第1の車速しきい値Vth1未満であるとき、車速ゲインGは「0」に設定される。車速Vが一定値に達した以降、第2の車速しきい値Vth2未満であるとき、車速Vが速くなるほど車速ゲインGはより大きな値に設定される。車速Vが第2の車速しきい値Vth2以上であるとき、車速ゲインGは「1」に設定される。
図4に示すように、切替部84は、データ入力として、走行時用のばね反力トルクTsp1 および停車時用のばね反力トルクTsp2 を取り込む。また、切替部84は、制御入力として、車速ゲインGを取り込む。切替部84は、車速ゲインGの値に基づき、減算器74へ供給する値を、走行時用のばね反力トルクTsp1 と、停車時用のばね反力トルクTsp2 との間で切り替える。切替部84は、車速ゲインGの値が「0」であるとき、停車時用のばね反力トルクTsp2 をばね成分Tsp として減算器74へ供給する。切替部84は、車速ゲインGの値が「0」でないとき、走行時用のばね反力トルクTsp1 をばね成分Tsp として減算器74へ供給する。
<停車時用の車両反力モデル>
つぎに、停車時用の車両反力モデル82について詳細に説明する。
図6に示すように、停車時用の車両反力モデル82は、第1の車両反力モデル91、第2の車両反力モデル92、分配ゲイン演算部93、および反力トルク演算部94を有している。
第1の車両反力モデル91は、第2の積分器77により算出される目標舵角θを取り込み、この取り込まれる目標舵角θに基づき第1のばね反力トルクTsp21 を演算する。第1の車両反力モデル91は、自身が持つ第1の反力マップ95を使用して第1のばね反力トルクTsp21 を演算する。
図7のグラフに示すように、横軸に目標舵角θを、縦軸に第1のばね反力トルクTsp21 をそれぞれプロットするとき、第1の反力マップ95はつぎのような特性を有する。すなわち、第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値が増加するほど、第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値はより大きな値に設定される。
図6に示すように、第2の車両反力モデル92は、電流センサ64を通じて検出される転舵モータ41の電流値Iを取り込み、この取り込まれる電流値Iに基づき第2のばね反力トルクTsp22 を演算する。第2の車両反力モデル92は、自身が持つ第2の反力マップ96を使用して第2のばね反力トルクTsp22 を演算する。転舵モータ41の電流値Iには路面反力が反映される。このため、電流値Iに基づき演算される第2のばね反力トルクTsp22 は路面反力に応じたものとなる。
図8のグラフに示すように、横軸に電流値Iを、縦軸に第2のばね反力トルクTsp22 をそれぞれプロットするとき、第2の反力マップ96はつぎのような特性を有する。すなわち、電流値Iの絶対値が増加するほど、第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値はより大きな値に設定される。
図6に示すように、分配ゲイン演算部93は、第1の車両反力モデル91により演算される第1のばね反力トルクTsp21 および第2の車両反力モデル92により演算される第2のばね反力トルクTsp22 に基づき、分配ゲインGを演算する。
分配ゲイン演算部93は、次式(B)に示されるように、第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値と第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値との差分値Tδ を演算する。
δ =│Tsp21 │−│Tsp22 │ …(B)
分配ゲイン演算部93は、式(B)に基づき演算される差分値Tδ に基づき、自身が持つ分配ゲインマップ97を使用して分配ゲインGを演算する。分配ゲインマップ97は、差分値Tδ と分配ゲインGとの関係を規定する。分配ゲインGは、第1のばね反力トルクTsp21 と第2のばね反力トルクTsp22 との使用比率を決定するために使用される。
図9のグラフに示すように、横軸に差分値Tδ を、縦軸に分配ゲインGをそれぞれプロットするとき、分配ゲインマップ97はつぎのような特性を有する。すなわち、差分値Tδ が負の値であるとき、分配ゲインGは「0」に設定される。差分値Tδ が「0」以上であって差分値しきい値Tδth 未満であるとき、差分値Tδ が大きくなるほど分配ゲインGはより大きな値に設定される。差分値Tδ が差分値しきい値Tδth 以上であるとき、分配ゲインGは「1」に設定される。分配ゲインGは、差分値Tδ に応じて「0」〜「1」の範囲の値に設定される。
図6に示すように、反力トルク演算部94は、分配ゲイン演算部93により演算される分配ゲインGを使用して、第1のばね反力トルクTsp21 と第2のばね反力トルクTsp22 との使用比率を決定し、当該使用比率に基づき停車時用のばね反力トルクTsp2 を演算する。停車時用のばね反力トルクTsp2 は、次式(C)により求められる。
sp2 =Tsp22 +Tsp21 (1−G …(C)
式(C)において、分配ゲインGは、差分値Tδ に応じて「0」から「1」までの値に設定される。分配ゲインGが「0」であるとき、第1のばね反力トルクT sp21 の使用比率が100%となる。分配ゲインGが「1」であるとき、第2のばね反力トルクT sp22 の使用比率が100%となる。分配ゲインGが「1」と「0」との間の値であるとき、第1のばね反力トルクTsp21 と第2のばね反力トルクTsp22 とは、それぞれ分配ゲインGの値に応じた使用比率で足し合わされる。このようにして、分配ゲインGの値に応じて第1のばね反力トルクTsp21 と第2のばね反力トルクTsp22 との使用比率が調節される。
<理想車両モデルの作用および効果>
つぎに、理想車両モデル72の作用および効果を、車両が走行しているときと車両が停止しているときとに分けて説明する。
<走行時>
まず、車両が走行している場合について説明する。図5のグラフに示されるように、車速Vが第1の車速しきい値Vth1以上かつ第2の車速しきい値Vth2未満であるとき、車速ゲインGは「0」を超え、かつ「1」未満の値に設定される。また、車速Vが第2の車速しきい値Vth2以上であるとき、車速ゲインGは「1」に設定される。図4に示されるように、切替部84は、車速ゲインGが「0」でないとき、走行時用のばね反力トルクTsp1 を基本駆動トルクTin のばね成分Tsp として選択する。走行時用のばね反力トルクTsp1 は、目標舵角θに応じた操舵反力成分である。このため、目標舵角θに応じた操舵反力がステアリングホイール11に付与される。
なお前述したように、走行時用の車両反力モデル81として、車両に働く横加速度に応じた操舵反力成分を加味して走行時用のばね反力トルクTsp1 を演算する構成が採用される場合、この横加速度に応じて増減する操舵反力成分が加味されて走行時用のばね反力トルクTsp1 が基本駆動トルクTin のばね成分Tsp として使用される。このため、目標舵角θ、ひいては舵角フィードバック制御部54により演算される舵角補正量T は路面状態(路面摩擦抵抗)を反映したものとなる。したがって、路面状態に応じた操舵反力がステアリングホイール11に付与される。
<停車時>
つぎに、車両が停止している場合について説明する。図5のグラフに示されるように、車速Vが第1の車速しきい値Vth1未満であるとき、車速ゲインGは「0」に設定される。図4に示されるように、切替部84は、車速ゲインGが「0」であるとき、停車時用のばね反力トルクTsp2 を基本駆動トルクTin のばね成分Tsp として選択する。
ここで、第2のばね反力トルクTsp22 を停車時用のばね反力トルクTsp2 として常に使用すればよいようにも見える。これは第2のばね反力トルクTsp22 は、転舵輪16,16に作用する実際の路面反力が反映される転舵モータ41の電流値Iに応じた操舵反力成分であるからである。このため、第2のばね反力トルクTsp22 が基本駆動トルクTin のばね成分Tsp として使用されることにより、実際の路面状況に応じた操舵反力がステアリングホイール11に付与される。
しかし、転舵モータ41の電流値Iには、転舵シャフト14が動き出すまでの摩擦(ギヤの噛み合い部分、軸受およびラックガイド部分などにおける摩擦)も反映される。このため、電流センサ64を通じて検出される転舵モータ41の電流値Iは、転舵シャフト14に作用する実際の軸力(路面反力)が純粋に反映されたものとは言えない。ここで、車両周辺の雰囲気温度がより低温になるほど、転舵シャフト14が動き出すまでの摩擦がより増大する傾向にある。これは、雰囲気温度がより低温になるほど、ギヤの噛み合い部分などに塗布されるグリスの粘度が増大することに起因する。そして、転舵シャフト14が動き出すまでの摩擦が増大するほど、第2のばね反力トルクTsp22 に基づく操舵反力は、実際の路面状況に応じた操舵反力に対してより乖離したものとなる。操舵感の低下にもつながりかねない。
そこで、本例では停車状態であるとき、目標舵角θに基づく第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値と、転舵モータ41の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値との差分に基づき、第1のばね反力トルクTsp21 および第2のばね反力トルクTsp22 のどちらを停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用すべきかを決める。
図10のグラフに示されるように、第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値よりも第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値が小さいとき、次式(B1)が成立する。このとき、転舵モータ41の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 が停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用される。
δ =│Tsp21 │−│Tsp22 │>0(正確には、Tδth ) …(B1)
式(B1)が成立する状況として、たとえば車両がいわゆる低摩擦路(凍結路、圧雪路など)に停車している状況が考えられる。この場合、転舵輪16,16に作用する路面反力は、たとえばアスファルトなどの乾燥路に停車しているときに比べて、より弱いものとなる。このため、転舵モータ41の電流値Ibもより小さな値となる。このような車両が低摩擦路などの路面状況に停車している蓋然性が高いとき、より実際の路面状況に応じた操舵反力をステアリングホイール11に付与することが好ましい。転舵モータ41の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 が停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用されることにより、路面状態(ここでは、低摩擦路)に応じた操舵反力が得られるため、運転者は路面状態を手応えとして把握しやすくなる。
なお、路面摩擦抵抗がより小さいときほど、差分値Tδ はより大きな値となる。路面摩擦抵抗の増減に応じて転舵モータ41の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 の使用比率が増減される。運転者は操舵反力のより細やかな変化を手応えとして感じることにより、路面状態をより把握しやすくなる。
図10のグラフに示されるように、第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値よりも第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値が大きいとき、次式(B2)が成立する。このとき、目標舵角θに基づく第1のばね反力トルクTsp21 が停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用される。
δ =│Tsp21 │−│Tsp22 │<0 …(B2)
式(B2)が成立する状況として、たとえば車両が低摩擦路に比べて路面摩擦抵抗が大きい乾燥路に停車している第1の状況、あるいは車両が低摩擦路に停車している場合であっても前述した雰囲気温度の低下に伴い転舵シャフト14が動き出すまでの摩擦がより増大している第2の状況が考えられる。第1の状況および第2の状況のいずれの状況か分からないところ、仮に第2の状況である場合、この状況下で演算される転舵モータ41の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 が停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用されると、かえって実際の路面状況と乖離した操舵反力がステアリングホイール11に付与されかねない。このため、式(B2)が成立するとき、目標舵角θに基づく第1のばね反力トルクTsp21 を停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用することが好ましい。ステアリングホイール11には、引き続き目標舵角θに基づく第1のばね反力トルクTsp21 が反映された操舵反力が付与されることにより、運転者はこれまでと変わらない操舵感を得られる。ギヤの噛み合い部分などにおける摩擦に対するロバスト性が向上する。
<第2の実施の形態>
以下、車両用制御装置を電動パワーステアリング装置(EPS)に適用した第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図11に示すように、EPS100は、ステアリングホイール11と転舵輪16,16との間の動力伝達経路として機能するステアリングシャフト12、ピニオンシャフト13および転舵シャフト14を有している。転舵シャフト14の往復直線運動は、転舵シャフト14の両端にそれぞれ連結されたタイロッド15を介して左右の転舵輪16,16に伝達される。
また、EPS100は、操舵補助力(アシスト力)を生成する構成として、アシストモータ101、減速機構102、トルクセンサ34、回転角センサ103およびアシスト制御部104を有している。回転角センサ103はアシストモータ101に設けられて、その回転角θを検出する。
アシストモータ101は、操舵補助力の発生源であって、たとえば三相のブラシレスモータが採用される。アシストモータ101は、減速機構102を介してピニオンシャフト13に連結されている。アシストモータ101の回転は減速機構102によって減速されて、当該減速された回転力が操舵補助力としてピニオンシャフト13に伝達される。
アシスト制御部104は、アシストモータ101に対する通電制御を通じて操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生させるアシスト制御を実行する。アシスト制御部104は、トルクセンサ34を通じて検出される操舵トルクT、車速センサ36を通じて検出される車速V、回転角センサ103を通じて検出される回転角θに基づき、アシストモータ101に対する給電を制御する。
図12に示すように、アシスト制御部104は、ピニオン角演算部110、基本アシスト成分演算部111、目標ピニオン角演算部112、ピニオン角フィードバック制御部(ピニオン角F/B制御部)113、加算器114、および通電制御部115を備えている。
ピニオン角演算部110は、アシストモータ101の回転角θを取り込み、この取り込まれる回転角θに基づきピニオンシャフト13の回転角であるピニオン角θを演算する。
基本アシスト成分演算部111は、操舵トルクTおよび車速Vに基づいて基本アシスト成分Ta1 を演算する。基本アシスト成分演算部111は、操舵トルクTと基本アシスト成分Ta1 との関係を車速Vに応じて規定する三次元マップを使用して、基本アシスト成分Ta1 を演算する。基本アシスト成分演算部111は、操舵トルクTの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど、基本アシスト成分Ta1 の絶対値をより大きな値に設定する。
目標ピニオン角演算部112は、基本アシスト成分演算部111により演算される基本アシスト成分Ta1 、および操舵トルクTを取り込む。目標ピニオン角演算部112は、基本アシスト成分Ta1 および操舵トルクTの総和を基本駆動トルク(入力トルク)とするとき、基本駆動トルクに基づいて理想的なピニオン角を定める理想モデルを有している。理想モデルは、基本駆動トルクに応じた理想的な転舵角に対応するピニオン角を予め実験などによりモデル化したものである。目標ピニオン角演算部112は、基本アシスト成分Ta1 と操舵トルクTとを加算して基本駆動トルクを求め、この求められる基本駆動トルクから理想モデルに基づいて目標ピニオン角θ を演算する。なお、目標ピニオン角演算部112は、目標ピニオン角θ を演算するに際しては車速V、およびアシストモータ101に対する給電経路に設けられた電流センサ116を通じて検出される電流値Iを加味する。この電流値Iは、アシストモータ101に供給される実際の電流の値である。
ピニオン角フィードバック制御部113は、目標ピニオン角演算部112により算出される目標ピニオン角θ およびピニオン角演算部110により算出される実際のピニオン角θをそれぞれ取り込む。ピニオン角フィードバック制御部113は、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に追従するように、ピニオン角のフィードバック制御としてPID(比例、積分、微分)制御を行う。すなわち、ピニオン角フィードバック制御部113は、目標ピニオン角θ と実際のピニオン角θとの偏差を求め、当該偏差を無くすように基本アシスト成分Ta1 の補正成分Ta2 を求める。
加算器114は、基本アシスト成分Ta1 に補正成分Ta2 を加算することによりアシスト指令値T を演算する。アシスト指令値T は、アシストモータ101に発生させるべき回転力(アシストトルク)を示す指令値である。
通電制御部115は、アシスト指令値T に応じた電力を反力モータ31へ供給する。具体的には、通電制御部115は、アシスト指令値T に基づきアシストモータ101に対する電流指令値を演算する。また、通電制御部115は電流センサ57を通じて検出される電流値Iを取り込む。そして通電制御部115は、電流指令値と実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすようにアシストモータ101に対する給電を制御する。これにより、アシストモータ101はアシスト指令値T に応じたトルクを発生する。操舵状態に応じた操舵アシストが行われる。
このEPS100によれば、基本駆動トルクTin から理想モデルに基づいて目標ピニオン角θ が設定され、実際のピニオン角θが目標ピニオン角θ に一致するようにフィードバック制御される。前述したように、ピニオン角θと転舵輪16,16の転舵角θtとの間には相関関係がある。このため、基本駆動トルクTin に応じた転舵輪16,16の転舵動作も理想モデルにより定まる。すなわち、車両の操舵感が理想モデルにより決まる。したがって、理想モデルの調整により所望の操舵感を実現することが可能となる。
また、実際の転舵角θtが、目標ピニオン角θ に応じた転舵角θtに維持される。このため、路面状態あるいはブレーキングなどの外乱に起因して発生する逆入力振動の抑制効果も得られる。すなわち、転舵輪16,16を介してステアリングシャフト12などの操舵機構に振動が伝達される場合であれ、ピニオン角θが目標ピニオン角θ となるように補正成分Ta2 が調節される。このため、実際の転舵角θtは、理想モデルにより規定される目標ピニオン角θ に応じた転舵角θtに維持される。結果的にみれば、逆入力振動を打ち消す方向へ操舵補助が行われることにより、逆入力振動がステアリングホイール11に伝わることが抑制される。
しかし、運転者の操舵方向と反対方向へ向けて作用する力(トルク)である操舵反力(ステアリングを通じて感じる手応え)は目標ピニオン角θ に応じたものにしかならない。すなわち、たとえば乾燥路および低摩擦路などの路面状態によっては操舵反力が変わらないため、運転者は手応えとして路面状態を把握しにくい。
そこで本例では、先の第1の実施の形態における目標舵角演算部52の演算機能を目標ピニオン角演算部112に持たせている。
目標ピニオン角演算部112は、先の図3に示される目標舵角演算部52と同様の機能的な構成を有している。先の目標舵角演算部52が目標操舵反力T を取り込むのに対し、本例の目標ピニオン角演算部112は、基本アシスト成分Ta1 を取り込む。また、先の目標舵角演算部52が転舵モータ41に供給される電流の電流値Iを取り込むのに対し、本例の目標ピニオン角演算部112は、アシストモータ101に供給される電流の電流値Iを取り込む。目標ピニオン角演算部112が操舵トルクTおよび車速Vを取り込むことについては、先の目標舵角演算部52と同じである。また、先の目標舵角演算部52が目標舵角θを演算するのに対し、本例の目標ピニオン角演算部112は目標ピニオン角θ を演算する。取り込む信号の一部、および生成する信号が異なるだけであって、目標ピニオン角演算部112の内部的な演算処理の内容は、先の目標舵角演算部52と同じである。
したがって、本実施の形態によれば、先の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、停車状態であるとき、目標ピニオン角θ に基づく第1のばね反力トルクTsp21 の絶対値と、アシストモータ101の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 の絶対値との差分に基づき、第1のばね反力トルクTsp21 および第2のばね反力トルクTsp22 のどちらを停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用すべきかが決定される。たとえば先の式(B1)が成立するとき、アシストモータ101の電流値Iに基づく第2のばね反力トルクTsp22 が停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用される。これにより、路面状態(ここでは、低摩擦路)に応じた操舵反力が得られるため、運転者は路面状態を手応えとして把握しやすくなる。
<他の実施の形態>
なお、第1および第2の前記実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第2の実施の形態では、基本アシスト成分演算部111は、操舵トルクTおよび車速Vに基づいて基本アシスト成分Ta1 を求めるようにしたが、操舵トルクTのみに基づいて基本アシスト成分Ta1 を求めるようにしてもよい。
・第2の実施の形態では、ピニオンシャフト13に操舵補助力を付与するEPS(電動パワーステアリング装置)100を例に挙げたが、たとえばステアリングシャフト12あるいは転舵シャフト14に操舵補助力を付与するタイプの電動パワーステアリング装置に具体化してもよい。
・第1および第2の実施の形態では、トルクセンサ34をステアリングシャフト12に設けたが、ピニオンシャフト13に設けてもよい。操舵トルクTが検出できるのであれば、トルクセンサ34の設置箇所は問わない。
・第1および第2の実施の形態において、停車状態であるとき、第2の車両反力モデル92により演算される第2のばね反力トルクTsp22 を、常に停車時用のばね反力トルクTsp2 として使用してもよい。この場合、停車時用の車両反力モデル82における第1の車両反力モデル91、分配ゲイン演算部93および反力トルク演算部94を割愛することができる。
11…ステアリングホイール、13…転舵機構を構成するピニオンシャフト(回転体)、14…転舵機構を構成する転舵シャフト、16…転舵輪、31…反力モータ(制御対象)、35…車両用制御装置を構成する反力制御部、41…転舵モータ(制御対象)、44…車両用制御装置を構成する転舵制御部、51…目標操舵反力演算部(第1の演算部)、52…目標舵角演算部(第2の演算部)、54…舵角フィードバック制御部(第3の演算部)、101…アシストモータ(制御対象)、104…アシスト制御部(車両用制御装置)、111…基本アシスト成分演算部(第1の演算部)、112…目標ピニオン角演算部(第2の演算部)、113…ピニオン角フィードバック制御部(第3の演算部)、I…転舵モータの電流値、I…アシストモータの電流値、T…操舵反力指令値、T …目標操舵反力(操舵反力指令値の第1の成分)、T …舵角補正量(操舵反力指令値の第2の成分)、Tsp22 …第2のばね反力トルク(第1の反力成分)、Tsp21 …第1のばね反力トルク(第2の反力成分)、T …アシスト指令値、Ta1 …基本アシスト成分(アシスト指令値の第1の成分)、Ta2 …補正成分(アシスト指令値の第2の成分)、Tδ …差分値、T…操舵トルク、Tin …基本駆動トルク、θ…目標舵角(目標回転角)、θ…ピニオン角(実際の回転角)。

Claims (5)

  1. 車両の転舵機構に付与される駆動力の発生源であるモータを操舵状態に応じて演算される指令値に基づき制御する車両用制御装置であって、
    少なくとも操舵トルクに応じて前記指令値の第1の成分を演算する第1の演算部と、
    転舵輪の転舵動作に連動して回転する回転体の目標回転角を前記操舵トルクおよび前記第1の成分の総和である基本駆動トルクに基づき演算する第2の演算部と、
    前記回転体の実際の回転角を前記目標回転角に一致させるフィードバック制御を通じて前記指令値の第2の成分を演算する第3の演算部と、を備え、
    前記第2の演算部は、車両が停車状態であるとき、前記モータの電流値に基づき演算される、前記基本駆動トルクに対する反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算する車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制御装置であって
    前記第2の演算部は、前記モータの電流値に基づく反力成分を第1の反力成分とするとき、前記目標回転角に基づき前記基本駆動トルクに対する第2の反力成分を演算し、
    停車状態である場合、前記第2の反力成分の絶対値が前記第1の反力成分の絶対値よりも小さいとき、前記第2の反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算する車両用制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制御装置であって
    前記第1の反力成分と前記第2の反力成分との差分値が増大するほど、前記第2の反力成分の使用比率をより増大させる車両用制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両用制御装置であって
    前記転舵機構は、ステアリングホイールとの間が機械的に分離される前記回転体としてのピニオンシャフトおよび前記ピニオンシャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを含み、
    制御対象として、前記指令値に基づき前記ステアリングホイールに付与される前記駆動力として操舵方向と反対方向のトルクである操舵反力を発生する反力モータと、
    前記ピニオンシャフトまたは前記転舵シャフトに付与される前記転舵輪を転舵させるための転舵力を発生する転舵モータと、を含み、
    前記第2の演算部は、車両が停車状態であるとき、前記転舵モータの電流値に基づき演算される、前記基本駆動トルクに対する反力成分を前記基本駆動トルクに反映させたうえで前記目標回転角を演算する車両用制御装置。
  5. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車両用制御装置であって
    前記転舵機構は、ステアリングホイールに連動する前記回転体としてのピニオンシャフトおよび前記ピニオンシャフトの回転に連動して転舵輪を転舵させる転舵シャフトを含み、
    前記モータは、前記ステアリングホイールに付与される前記駆動力として操舵方向と同方向のトルクである操舵補助力を発生させるアシストモータである車両用制御装置。
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