JP7045617B2 - 電解質膜の製造方法及び電気化学デバイスの製造方法 - Google Patents

電解質膜の製造方法及び電気化学デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解質膜の製造方法及び電気化学デバイスの製造方法に関するものである。
従来、この種の電気化学デバイスは、電解質膜をアノードとカソードとの間に配置した電解質膜-電極接合体を備え、電解質膜-電極接合体を一対のセパレータで挟持して構成されている。ここで、電解質膜には、フッ素系の高分子材料から構成される電解質膜が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の電気化学デバイスの概略を示す構成図である。
図8に示すように、従来の電気化学デバイス80は、フッ素系の高分子材料から構成される電解質膜81と、電解質膜81の一方の主面に配置されるアノード82と、電解質膜81の他方の主面に配置されるカソード83と、を有する電解質膜-電極接合体84を備えている。
電解質膜-電極接合体84は、アノード82に水素含有ガスを供給するアノード側セパレータ85と、カソードにおいて生成した水素を電気化学デバイス80の外部に排出するカソード側セパレータ86とで挟持されている。
このような構成を備える電気化学デバイス80において、アノード82に水素含有ガスを供給して、電源87により、アノード82から電解質膜81を介してカソード83に電流を流すと、アノード82では、(化1)に示す水素が水素イオンと電子に解離する酸化反応が起こり、カソード83では、(化2)に示す水素イオンと電子から水素が生成する還元反応が進行して、アノード82に供給された水素含有ガスから、カソード83において水素を生成する。
Figure 0007045617000001
Figure 0007045617000002
電気化学デバイス80に供給される水素含有ガスは、例えば、燃料処理器によって、都市ガスやプロパンガス等の炭化水素系の原料を水蒸気改質や部分酸化改質、またはオートサーマル改質して生成され、水素の他に二酸化炭素等を含んでいる。
特開2017-39636号公報
しかしながら、前記従来の構成では、フッ素系の高分子材料から構成される電解質膜8
1は、自由体積が大きくガスバリア性が十分でないため、水素含有ガスに含まれる二酸化炭素等の水素以外のガスの一部が電解質膜81を介してカソード83に透過する。
ここで、自由体積とは、電解質膜の分子鎖の分子運動に伴い生成する電解質膜内の空隙をいう。
カソード83に透過した二酸化炭素等の水素以外のガスは、カソード83において生成する水素中に含まれるために、電気化学デバイス80のカソード83において生成する水素の純度が低いという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高いガスバリア性を有する電解質膜の製造方法を提供することを第1の目的としている。
また、本発明は、高純度の水素を生成する電気化学デバイスの製造方法を提供することを第2の目的としている。
第1の目的を達成するために、本発明の電解質膜の製造方法は、高分子材料を含む電解
質膜であって、電解質膜の内部に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、配向層の一部が電解質膜の主面以外の表面に露出している電解質膜の製造方法であって、高分子材料を含む電解質膜の少なくとも一方の主面に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、配向層同士が重なるように電解質膜を折り曲げる工程を含むのである。
これによって、電解質膜の内部に多層の配向層を簡易な方法で形成することができるので、ガスバリア性の高い電解質膜を容易に製造することができる。また、電解質膜の配向層において、電解質膜を構成する高分子材料の分子鎖が配向し、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜の自由体積が減少するので、電解質膜のガスバリア性が高くなる。ここで、配向層とは、水素イオン伝導性を有し、かつガスバリア性を有する高分子材料から構成される層をいう。また、配向層の外気との接触が抑制されて、配向層における高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が外気中の水分で弱くなることを抑制することができる。
また、別の本発明の電解質膜の製造方法は、高分子材料を含む電解質膜であって、電解質膜の内部に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、配向層が電解質膜の表面に露出していない電解質膜の製造方法であって、高分子材料を含む電解質膜の一方の主面に一対の対向する二辺の縁を避けて高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、配向層が形成されていない主面が外周面になるとともに配向層の端面が露出しないように、電解質膜の端面同士を突き合わせる工程を含むのである。
これによって、電解質膜の内部に外部に露出しない多層の配向層を簡易な方法で形成することができるので、安定した高いガスバリア性を有する電解質膜を容易に製造することができる。また、電解質膜の配向層において、電解質膜を構成する高分子材料の分子鎖が配向し、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜の自由体積が減少するので、電解質膜のガスバリア性が高くなる。また、配向層が電解質膜の表面に露出しない構成が得られるので、配向層の外気との接触が抑制されて、配向層における高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が外気中の水分で弱くなることを抑制することができる。
第2の目的を達成するために、本発明の電気化学デバイスの製造方法は、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に配置されるアノードと、他方の主面に配置されるカソードとで構成される電解質膜-電極接合体を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことでカソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスの製造方法であって、電解質膜を、本発明の電解質膜の製造方法により製造するのである。これにより、電解質膜が、高いガスバリア性を有するので、電気化学デバイスの電解質膜を介した水素含有ガスに含まれる二酸化炭素等の水素以外のガスのアノードからカソードへの透過量が少なくなる。このために、電気化学デバイスのカソードにおいて生成する水素の純度を向上することができる。
本発明の製造方法で製造された電解質膜は、内部に少なくとも一層の配向層を有するので、ガスバリア性を高めることができる。また、電解質膜の配向層は電解質膜の外部に露出していないので、配向層の安定性が向上し、高いガスバリア性が維持される。
さらに、本発明の製造方法で製造された電解質膜を用いた電気化学デバイスは、電解質膜を介した水素含有ガスに含まれる二酸化炭素等の水素以外のガスのアノードからカソードへの透過量が少なく、高純度の水素を長期間安定して生成することができる。
(a)は本発明の実施の形態1、3及び5における電解質膜を示す外観斜視図、(b)は同電解質膜の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図 (a)は本発明の実施の形態2、4における電解質膜を示す外観斜視図、(b)は同電解質膜の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図 本発明の実施の形態3における電解質膜の製造方法を示すフローチャート (a)は本発明の実施の形態3における電解質膜の製造方法の電解質膜準備工程を示す斜視図、(b)は同製造方法の配向層形成工程を示す斜視図、(c)は同製造方法の重ね合わせ工程を示す斜視図 本発明の実施の形態4における電解質膜の製造方法を示すフローチャート (a)は本発明の実施の形態4における電解質膜の製造方法の電解質膜準備工程を示す斜視図、(b)は同製造方法のマスキング工程を示す斜視図、(c)は同製造方法の配向層形成工程を示す斜視図、(d)は同製造方法の重ね合わせ工程を示す斜視図 本発明の実施の形態5における電気化学デバイスの概略を示す構成図 従来の電気化学デバイスの概略を示す構成図
第1の発明は、高分子材料を含む電解質膜であって、電解質膜の内部に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、配向層の一部が電解質膜の主面以外の表面に露出している電解質膜の製造方法であって、高分子材料を含む電解質膜の少なくとも一方の主面に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、配向層同士が重なるように電解質膜を折り曲げる工程を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法である。
これによって、電解質膜の内部に多層の配向層を簡易な方法で形成することができるので、ガスバリア性の高い電解質膜を容易に製造することができる。また、電解質膜の配向層において、電解質膜を構成する高分子材料の分子鎖が配向することで、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜の自由体積が減少するので、電解質膜のガスバリア性を高めることができる。また、配向層の外気との接触が抑制されて、配向層における高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が外気中の水分で弱くなることを抑制でき、配向層における高分子材料の分子鎖の配向が保たれる。このために、電解質膜は安定した高いガスバリア性を発現することができる。
第2の発明は、高分子材料を含む電解質膜であって、電解質膜の内部に高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、配向層が電解質膜の表面に露出していない電解質膜の製造方法であって、高分子材料を含む電解質膜の一方の主面に一対の対向する二辺の縁を避けて高分子材料の主鎖が電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、配向層が形成されていない主面が外周面になるとともに配向層の端面が露出しないように、電解質膜の端面同士を突き合わせる工程を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法である。
これによって、電解質膜の内部に外部に露出しない多層の配向層を簡易な方法で形成することができるので、安定した高いガスバリア性を有する電解質膜を容易に製造することができる。また、電解質膜の配向層において、電解質膜を構成する高分子材料の分子鎖が配向することで、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜の自由体積が減少するので、電解質膜のガスバリア性を高めることができる。
また、配向層が電解質膜の表面に露出しない構成が得られるので、配向層の外気との接
触が抑制されて、配向層における高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が外気中の水分で弱くなることを抑制でき、配向層における高分子材料の分子鎖の配向が保たれる。このために、電解質膜は安定した高いガスバリア性を発現することができる。
の発明は、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に配置されるアノードと、他方の主面に配置されるカソードとで構成される電解質膜-電極接合体を有し、アノードに水素含有ガスを供給するとともに、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことでカソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスの製造方法であって、電解質膜、第1または第2の発明の製造方法により製造することを特徴とする。
これによって、電解質膜は高いガスバリア性を有するので、電気化学デバイスの電解質膜を介した水素含有ガスに含まれる二酸化炭素等の水素以外のガスのアノードからカソードへの透過量が少なくなる。このために、電気化学デバイスのカソードにおいて生成する水素の純度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電解質膜を示すものであり、同図(a)は電解質膜の外観斜視図であり、同図(b)は電解質膜の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の電解質膜10は、高分子材料を含む電解質膜10であって、高分子材料の主鎖が電解質膜10の主面に略平行な方向に配向している配向層10aと、高分子材料の主鎖が電解質膜10の主面に略平行な方向に配向していない非配向層10bとから構成される。
また、本実施の形態の電解質膜10は、一方の主面に配向層10aを有し、他方の主面に非配向層10bを有する二層構造の長方形の電解質膜を、配向層10a同士が重なるように∩の字型に折り曲げたような形状をしている。
配向層10aは、電解質膜10の内部にあって、配向層10aの端面が電解質膜10の端面(外周面)のうちの三面に露出している。非配向層10bは、配向層10aを取り囲んでいる。
本実施の形態の電解質膜10について、以下、その構成材料、機能について具体的に説明する。
電解質膜10は、水素イオン伝導性を有する高分子材料で構成され、具体的には、水素イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子材料で構成されている。
電解質膜10の内部にある配向層10aは、高分子材料の主鎖が電解質膜10の主面に略平行な方向に規則的に配向している。一方、電解質膜の非配向層10bは、高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている。
電解質膜10の配向層10aにおいては、高分子材料の主鎖が規則的に配向することにより、高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜の自由体積が減少する。このために、電解質膜10を介したガスの透過が抑制されるので、電解質膜10は、配向層10aを有さない電解質膜に比べてガスバリア性が高くなる。
このように、配向層10aと非配向層10bとで、高分子材料の主鎖の配向に違いを持たせ、配向層10aを電解質膜10の内部に形成し、配向層10aの一部を電解質膜10の主面以外の他の面に露出させる手法については後述する。
以上のように、本実施の形態の電解質膜10は、電解質膜10の内部に配向層10aを有することにより、配向層10aにおいて、高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜10の自由体積が減少する。このために、電解質膜10のガスバリア性を高めることができる。
なお、本実施の形態の電解質膜10の構成材料としては、フッ素を含む高分子を骨格とし、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等の官能基を有し水素イオンを含む水素イオン伝導性のフッ素系の高分子材料を用いることができる。
また、電解質膜10の構成材料として、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等を骨格とし、水素イオンを含む水素イオン伝導性の炭化水素系の高分子材料を用いてもよい。
さらに、電解質膜10は他の成分を含んでもよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロアルキルエーテル等の繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されていてもよい。
なお、電解質膜10は、その内部に配向層10aを一層以上有していればよく、二層以上の配向層10aを内部に有していてもよい。また、電解質膜10は、内部に加えて、さらに表面に配向層10aを有する場合は、内部のみに配向層10aを有するものよりも、電解質膜10のガスバリア性をさらに高めることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における電解質膜を示すものであり、同図(a)は電解質膜の外観斜視図であり、同図(b)は電解質膜の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図である。
図2に示すように、本実施の形態の電解質膜20は、高分子材料を含む電解質膜20であって、高分子材料の主鎖が電解質膜20の主面に略平行な方向に配向している配向層20aと、高分子材料の主鎖が電解質膜20の主面に略平行な方向に配向していない非配向層20bとから構成される。
また、本実施の形態の電解質膜20は、一方の主面に一対の対向する二辺の縁を避けて形成した配向層20aと、一方の主面における配向層20a以外の部分に非配向層20bと、を有し、他方の主面に非配向層20bを有する長方形の電解質膜の二対の端面のうちの、配向層20aの端面が電解質膜の端面に露出している方の一対の端面同士を、非配向層20b側の主面が外周面になるように突き合わせて、配向層20a同士が重なるように折り曲げたような形状をしている。
配向層20aは、電解質膜20の内部にあって、電解質膜20の表面(一対の主面と二
対の端面)に配向層20aが露出していない。非配向層20bは、配向層20aを取り囲んでいる。
本実施の形態の電解質膜20について、以下その構成材料、機能について具体的に説明する。
電解質膜20は、水素イオン伝導性を有する高分子材料で構成され、具体的には、水素イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子材料で構成されている。
電解質膜20の内部にある配向層20aは、高分子材料の主鎖が電解質膜20の主面に略平行な方向に規則的に配向している。一方、電解質膜20の非配向層20bは、高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている。
電解質膜20の配向層20aにおいては、高分子材料の主鎖が規則的に配向することにより、高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜20の自由体積が減少する。このために、電解質膜20を介したガスの透過が抑制されるので、電解質膜20は、配向層20aを有さない電解質膜に比べてガスバリア性が高くなる。
また、配向層20aは、電解質膜20の表面(一対の主面と二対の端面)に露出していないので、配向層20aの外気との接触が抑制されて、配向層20aにおける高分子材料の主鎖の配向性は保たれる。このために、電解質膜20は安定した高いガスバリア性を発現することができる。
このように、配向層20aと非配向層20bとで、高分子材料の主鎖の配向に違いを持たせ、配向層20aを電解質膜20の内部に、外部に露出しないように形成する手法については後述する。
以上のように、本実施の形態の電解質膜20は、電解質膜20の内部に配向層20aを有していて、非配向層20bが、配向層20aを取り囲んでいて、配向層20aが電解質膜20の表面に露出していない構造にすることにより、配向層20aにおいて、高分子材料の分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜20の自由体積が減少する。また、配向層20aの外気との接触が抑制されるので、電解質膜20は安定した高いガスバリア性を発現することができる。
なお、本実施の形態の電解質膜20の構成材料としては、フッ素を含む高分子を骨格とし、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等の官能基を有し水素イオンを含む水素イオン伝導性のフッ素系の高分子材料を用いることができる。
また、電解質膜20の構成材料として、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等を骨格とし、水素イオンを含む水素イオン伝導性の炭化水素系の高分子材料を用いてもよい。
さらに、電解質膜20は他の成分を含んでもよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロアルキルエーテル等の繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されていてもよい。
なお、電解質膜20は、その内部に配向層20aを一層以上有していればよく、二層以上の配向層20aを内部に有していてもよい。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における電解質膜の製造方法を示すフローチャートである。図4は、本発明の実施の形態3における電解質膜の製造方法を示す斜視図であり、同図(a)は、同製造方法の電解質膜準備工程を示す斜視図であり、同図(b)は、同製造方法の配向層形成工程を示す斜視図であり、同図(c)は、同製造方法の重ね合わせ工程を示す斜視図である。
本実施の形態は、図1に示す実施の形態1の電解質膜10の製造方法であり、本実施の形態の電解質膜10の製造方法で得られる電解質膜10の外観斜視図と、電解質膜10の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図は、図1(a)に示す実施の形態1の電解質膜10の外観斜視図、図1(b)に示す実施の形態1の電解質膜10の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図と同じである。
図3に示すように、本実施の形態における電解質膜10の製造方法は、電解質膜準備工程(S11)と、配向層形成工程(S12)と、重ね合わせ工程(S13)とを含んでいる。
以下、前述した電解質膜10の製造方法について、図3及び図4を参照しながら、各工程を順に、さらに詳細に説明する。なお、図4において、図1に示す実施の形態1の電解質膜10と同一構成については、同一符号を付して、説明を省略する場合もある。
<電解質膜準備工程(S11)>
この工程では、高分子材料を含む(高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている)電解質膜40を用意する。
具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子材料から構成される長方形の電解質膜40を用意する(図4(a))。
<配向層形成工程(S12)>
この工程では、電解質膜準備工程(S11)で用意した電解質膜40の一方の主面に配向層を形成する。
具体的には、まず、電解質膜40を、上面が水平で吸着機構を備えた固定台41の上に載せて、吸着機構の吸着動作により電解質膜40を固定台41に固定する。吸着機構としては、例えば、真空ポンプと連通した多数の吸着孔を、固定台41の上面に有するものを用いることができる。
次に、固定台41の上面よりも高い位置で固定台41の上面に対して平行な回転軸を有し布42を外周面に貼付けたローラー43を所定の押し込み量で押し込んだ状態で、所定の回転数で回転させ、同時に電解質膜40を固定した固定台41を、一方向(ローラー43の回転軸に対して垂直な水平方向)に所定の速度(回転するローラー43の外周面の移動速度と固定台41の移動速度との差によって電解質膜40の上面がローラー43の外周面によって摩擦力を受ける速度)で移動させる。
この操作により、電解質膜40の一方の主面(上面)がローラー43で擦られ、そのローラー43で擦られたことによって一方の主面に高分子材料の主鎖が一方向に配向している配向層44aと、高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている非配向層44bとを有する配向層付き電解質膜44が得られる(図4(b))。
なお、押込み量とは電解質膜40の表面(一方の主面)に対してローラー43の高さ位置を変動させた場合において、ローラー43に貼付けた布42の毛先が最初に電解質膜40の表面に接した位置を原点とし、該原点から電解質膜40に向けてローラー43を押込んだ変動量をいう。
<重ね合わせ工程(S13)>
この工程では、配向層形成工程(S12)で得た配向層44a付き電解質膜44を、折り曲げて、配向層44a同士(ローラー43で擦られた主面同士)を重ね合わせ、内部に配向層10aを有する電解質膜10を得る。
具体的には、配向層付き電解質膜44を配向層44aが対向するようにして略中央部で折り曲げ、配向層44a同士が接触するようにして重ね合わせる。この操作により、内部に配向層10aを有する電解質膜10が得られる(図4(c))。
以下、本実施の形態に係る電解質膜の製造方法について、具体的な実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下で用いた特定の原料等の内容に必ずしも制限されるものではない。
なお、電解質膜のガスバリア性は、ガス透過量評価試験により評価した。ガス透過量評価試験の試験方法を以下に示す。
[ガス透過量評価試験]
電解質膜10の両面にガスをそれぞれ供給及び排出できる治具に電解質膜10を固定した。次に、電解質膜10の一方の面には二酸化炭素を、他方の面には窒素をそれぞれ供給し、排出される窒素の中に含まれる二酸化炭素の含有量を気体分析装置((株)島津製作所:型式GC-8A)を用いて定量した。
以上の操作により、二酸化炭素の供給側から窒素の供給側に透過する二酸化炭素の量(以下、二酸化炭素透過量VCO2という)を評価した。なお、このときの二酸化炭素と窒素は、いずれも温度85℃で相対湿度80%に加湿されたガスとし、流量は共に0.3L/minとした。
(実施例1)
本実施例では、高分子材料を含む電解質膜40を用意し、内部に配向層10aを有し、配向層10aの一部が電解質膜10の主面以外の他の面の外部に露出している電解質膜10を製造した。
(1)電解質膜準備工程(S11)
高分子材料を含む電解質膜40(以下、電解質膜40という場合もある)として、一辺の長さが100mmの正方形に裁断した電解質膜(デュポン(株)製、商品名:ナフィオンNR-211)を用意した。
(2)配向層形成工程(S12)
電解質膜40を、吸着機構を備えた固定台41に固定した。
次に、表面に布42((株)長沼ゲージ製作所製、品種:CFT055)を貼り付けたローラー43を、電解質膜40の一方の面に押込み量1mmで押し込んだ状態で、回転数10s-1で回転させ、吸着板を5mm/sの速度で一方向に移動させた。
この操作により、電解質膜40一方の主面を一方向に擦って、一方の主面に配向層44
aを有する配向層付き電解質膜44を作製した。
(3)重ね合わせ工程(S13)
配向層付き電解質膜44を配向層44aが対向するようにして略中央部で折り曲げ、配向層44aが接触するようにして重ね合わせた。
この操作により、内部に配向層10aを有し、配向層10aの一部が電解質膜10の主面以外の他の面の外部に露出している電解質膜10(以下、電解質膜Aという)を製造した。
こうして製造した電解質膜Aのガスバリア性を、前述したガス透過量評価試験により評価したところ、電解質膜Aの二酸化炭素透過量VCO2とは、下記の(表1)に示す通りであり、電解質膜Aは、二酸化炭素透過量VCO2は少なく、ガスバリア性が高いものであった。
(比較例1)
高分子材料を含む電解質膜として、一辺の長さが100mmの正方形に裁断した、実施例1と同じ電解質膜(ナフィオンNR-211)を用意し、配向層形成工程(S12)を行わずに、配向層を有さない電解質膜を用意した。
続いて、重ね合わせ工程(S13)を行い、内部に配向層を有さない電解質膜(以下、電解質膜Cという)を製造した。
電解質膜Cのガスバリア性を前述したガス透過量評価試験により評価したところ、電解質膜Cの二酸化炭素透過量VCO2は、下記の(表1)に示す通りであり、電解質膜Cは、電解質膜Aに比べて二酸化炭素透過量VCO2が多く、ガスバリア性が低いものであった。
以上の結果を(表1)にまとめた。
Figure 0007045617000003
電解質膜のガスバリア性に関し、本実施例に係る電解質膜Aは、二酸化炭素透過量VCO2が少なくガスバリア性が高いものであった。これは、電解質膜Aが内部に配向層10aを有することで、配向層10aにおいて、高分子材料の分子鎖が配向し、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜10の自由体積が減少するので、二酸化炭素の透過が抑制されたためと考えられる。
一方、比較例に係る電解質膜Cは、本実施例に係る電解質膜Aに比べて、二酸化炭素透過量VCO2が多く、ガスバリア性が低いものであった。これは、電解質膜Cが配向層を有していないため、電解質膜Aに比べて二酸化炭素が透過し易くなったためと考えられる。
以上の電解質膜のガス透過量評価試験から、本実施例で製造された電解質膜Aはガス透過量が少なく、ガスバリア性が高いことが確認できた。
以上のように、本実施の形態においては、電解質膜10は、その内部に配向層10aを有することで、配向層10aにおいて、高分子材料の分子鎖が配向し、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜10の自由体積が減少するので、ガスの透過量が少なくなる。このため、高いガスバリア性を有する電解質膜10を製造することができる。
なお、本実施の形態の配向層形成工程(S12)において、高分子材料を含む電解質膜の一方の主面に配向層を形成して配向層付き電解質膜を作製しているが、高分子材料を含む電解質膜の両方の主面に、配向層を形成して、配向層付き電解質膜を作製しても構わない。
また、配向層を有する配向層付き電解質膜を作製するときのローラーの押し込み量やローラーの回転数、電解質膜を固定した固定台の移動速度は、実施の形態に記載した条件に限定されず、適宜変更しても構わない。
なお、本実施の形態の配向層形成工程(S12)において、高分子材料を含む電解質膜の表面を擦って配向層付き電解質膜を作製しているが、これに代えて、例えば、高分子材料を含む電解質膜を延伸することで配向層付き電解質膜を作製しても構わない。
なお、本実施の形態の重ね合わせ工程(S13)において、配向層付き電解質膜を折り曲げる回数は一回に限らず、二回以上折り曲げて、内部に配向層を有し、配向層の一部が電解質膜の主面以外の他の面に露出している電解質膜を製造しても構わない。配向層44a同士が重なるようにNの字型に二回折り曲げる場合は、配向層44aを電解質膜40の両主面に形成しても構わないが、折り曲げ後の主面に配向層44aが露出しないように、配向層44aを形成する部分を、電解質膜40の端から固定台の移動方向の電解質膜40の寸法の略2/3の位置の山折りする折り曲げ線まで(谷折りする折り曲げ線の両側)にする。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における電解質膜の製造方法を示すフローチャートである。また、図6は、本発明の実施の形態4における電解質膜の製造方法を示す斜視図であり、同図(a)は、同製造方法の電解質膜準備工程を示す斜視図であり、同図(b)は、同製造方法のマスキング工程を示す斜視図であり、同図(c)は、同製造方法の配向層形成工程を示す斜視図であり、同図(d)は、同製造方法の重ね合わせ工程を示す斜視図である。
本実施の形態は、図2に示す実施の形態2の電解質膜20の製造方法であり、本実施の形態の電解質膜20の製造方法で得られる電解質膜20の外観斜視図と、電解質膜20の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図は、図2(a)に示す実施の形態2の電解質膜20の外観斜視図、図2(b)に示す実施の形態2の電解質膜20の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図と同じである。
図5に示すように、本実施の形態における電解質膜の製造方法は、電解質膜準備工程(S21)と、マスクキング工程(S22)と、配向層形成工程(S23)と、重ね合わせ工程(S24)とを含んでいる。
本実施の形態における電解質膜の製造方法は、マスクキング工程(S22)を含む点、重ね合わせ工程(S13)に代えて、重ね合わせ工程(S24)を含む点で、前述した実施の形態3における電解質膜の製造方法と異なる。
以下、上述した電解質膜の製造方法について、図5及び図6を参照しながら、各工程を順に、さらに詳細に説明する。なお、図6において、図2に示す実施の形態2の電解質膜20および図4に示す実施の形態3で使用したものと同一構成については、同一符号を付して、説明を省略する場合もある。
<電解質膜準備工程(S21)>
この工程では、高分子材料を含む(高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている)電解質膜40を用意する。
具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子から構成される長方形の電解質膜40を用意する(図6(a))。
<マスクキング工程(S22)>
この工程では、電解質膜準備工程(S21)で用意した電解質膜40の周辺領域をマスクする。
具体的には、まず、長方形の電解質膜40を、上面が水平で吸着機構を備えた固定台41の上に載せて、電解質膜40の長辺が、後の固定台41の移動方向に対して、平行になるように配置する。
次に、マスクとして用意した2枚の樹脂フィルム60を、電解質膜40の長辺の周辺領域の上に、それぞれ被せて、吸着機構の吸着動作により電解質膜40と2枚の樹脂フィルム60を固定台41に固定する(図6(b))。吸着機構としては、例えば、真空ポンプと連通した多数の吸着孔を、固定台41の上面に有するものを用いることができる。
<配向層形成工程(S23)>
この工程では、電解質膜準備工程(S21)で用意した電解質膜40の一方の主面に配向層を形成する。
具体的には、固定台41の上面よりも高い位置で固定台41の上面に対して平行で、樹脂フィルム60でマスクされた電解質膜40の長辺に対して垂直な回転軸を有し、布42を外周面に貼付けたローラー43を、所定の押し込み量で押し込んだ状態で、所定の回転数で回転させ、同時に電解質膜40と2枚の樹脂フィルム60を固定した固定台41を、一方向(ローラー43の回転軸に対して垂直な水平方向、樹脂フィルム60でマスクされた電解質膜40の長辺に対して平行な方向)に所定の速度(回転するローラー43の外周面の移動速度と固定台41の移動速度との差によって電解質膜40の露出した上面がローラー43の外周面によって摩擦力を受ける速度)で移動させる。
この操作により、電解質膜40の一方の主面(上面)における、樹脂フィルム60でマスクされずに露出した部分が、ローラー43で擦られ、そのローラー43で擦られたことによって一方の主面の樹脂フィルム60でマスクされずに露出した部分に高分子材料の主鎖が一方向に配向している配向層61aと、高分子材料の主鎖がランダムな方向を向いている非配向層61bとを有する配向層付き電解質膜61が得られる(図6(c))。
なお、押込み量とは電解質膜40の表面(一方の主面)に対してローラー43の高さ位置を変動させた場合において、ローラー43に貼付けた布42の毛先が最初に電解質膜40の表面に接した位置を原点とし、該原点から電解質膜40に向けてローラー43を押込んだ変動量をいう。
<重ね合わせ工程(S24)>
この工程では、配向層形成工程(S23)で得た配向層付き電解質膜61を、折り曲げて重ね合わせ、内部に、外部に露出していない配向層を有する電解質膜20を得る(図6(d))。
具体的には、配向層61aが形成された面を上にした長方形の配向層付き電解質膜61を、長手方向の端から長辺の1/4の長さだけ内側に離れた位置(2か所)で、それぞれ谷折りして、配向層61a同士を重ね合わせて、配向層61aの端面が露出している配向層付き電解質膜61の端面同士を長手方向の中央部で突き合わせる。
この操作により、内部に配向層61aを有し、配向層61aが外表面に露出していない電解質膜20が得られる。
以下、本実施の形態に係る電解質膜の製造方法について、具体的な実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下で用いた特定の原料等の内容に必ずしも制限されるものではない。
(実施例2)
本実施例では、高分子材料を含む電解質膜40を用意し、内部に、外部に露出していない配向層を有する電解質膜20を製造した。
(1)電解質膜準備工程(S21)
高分子材料を含む電解質膜40として、一辺の長さが100mmの正方形に裁断した電解質膜(デュポン(株)製、商品名:ナフィオンNR-211)を用意した。
(2)マスキング工程(S22)
樹脂フィルム60として、横120mm、縦60mmの長方形に裁断したポリフェニレンサルファイド製のフィルム(東レ(株)製、品番:タイプ3000)を用意した。
次に、樹脂フィルム60を電解質膜40の対向する一対の辺の周辺領域に配置して、電解質膜40の中央領域(横100mm、縦80mm)を除く領域をマスクした状態とし、電解質膜40と樹脂フィルム60を固定台41に固定した。
(3)配向層形成工程(S23)
表面に布42((株)長沼ゲージ製作所製、品種:CFT055)を貼り付けたローラー43を、電解質膜40の一方の面に押込み量1mmで押し込んだ状態で、回転数10s-1で回転させ、固定台41を5mm/sの速度で一方向(樹脂フィルム60の長手方向)に移動させた。
この操作により、電解質膜40一方の主面を一方向に擦って、電解質膜の一方の主面に配向層61aを有する配向層付き電解質膜61を作製した。
(4)重ね合わせ工程(S24)
長方形の配向層61aが形成された面を上にした配向層付き電解質膜61を、配向層61aの長手方向の端から25mmだけ内側に離れた位置(2か所)で、それぞれ谷折りして、配向層61a同士を重ね合わせて、配向層61aの端面が露出している配向層付き電解質膜61の端面同士を長手方向の中央部で突き合わせた。
この操作により、内部に、外部に露出していない配向層を有する電解質膜20(以下、電解質膜Bという)を製造した。
こうして製造した電解質膜Bのガスバリア性を、前述したガス透過量評価試験により評価したところ、電解質膜Bの二酸化炭素透過量VCO2は、下記の(表2)に示す通りであり、電解質膜Bは二酸化炭素透過量VCO2が少なく、ガスバリア性が高いものであっ
た。
(比較例2)
高分子材料を含む電解質膜として、一辺の長さが100mmの正方形に裁断した、実施例2と同じ電解質膜(ナフィオンNR-211)を用意し、マスキング工程(S22)及び配向層形成工程(S23)を行わずに、配向層を有さない電解質膜を準備した。
続いて、重ね合わせ工程(S24)を行い、内部に配向層を有さない電解質膜(以下、電解質膜Dという)を製造した。
電解質膜Dのガスバリア性を前述したガス透過量評価試験により評価したところ、電解質膜Dの二酸化炭素透過量VCO2は、下記の(表2)に示す通りであり、電解質膜Dは、電解質膜Bに比べて二酸化炭素透過量VCO2が多く、ガスバリア性が低いものであった。
以上の結果を(表2)にまとめた。
Figure 0007045617000004
電解質膜のガスバリア性に関し、本実施例に係る電解質膜Bは、二酸化炭素透過量VCO2が少なく、ガスバリア性が高いものであった。これは、電解質膜Bが内部に配向層20aを有することで、配向層20aにおいて、高分子材料の分子鎖が配向することで、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜Bの自由体積が減少するので、二酸化炭素の透過が抑制されたためと考えられる。
一方、比較例に係る電解質膜Dは、本実施例に係る電解質膜Bに比べて、二酸化炭素透過量VCO2が多く、ガスバリア性が低いものであった。これは、電解質膜Dが配向層を有していないため、電解質膜Bに比べて二酸化炭素が透過し易くなったためと考えられる。
以上の電解質膜のガス透過量評価試験から、本実施例で製造された電解質膜Bはガス透過量が少なく、ガスバリア性が高いことが確認できた。
以上のように、本実施の形態においては、電解質膜20は、その内部において配向層20aを有することで、配向層20aにおいて、高分子材料の分子鎖が配向し、分子鎖間に働くイオン結合や水素結合、ファンデルワールス力による分子間力が増して、電解質膜20の自由体積が減少するので、ガスの透過量が少なくなる。
また、配向層20aは電解質膜20の外部(外表面)に露出していないので、配向層20aの外気との接触が抑制されて、配向層20aにおける高分子材料の分子鎖の配向が保たれる。このために、安定した高いガスバリア性を有する電解質膜20を製造することができる。
なお、本実施の形態の配向層形成工程(S23)において、高分子材料を含む電解質膜の一方の主面に配向層を形成して配向層付き電解質膜を作製しているが、重ね合わせ工程
(S24)後に、配向層20aが電解質膜20の外部(外表面)に露出しないように、重ね合わせをすることができるなら、配向層を、高分子材料を含む電解質膜の両方の主面に形成して、配向層付き電解質膜を作製しても構わない。
また、配向層を有する配向層付き電解質膜を作製するときのローラーの押し込み量やローラーの回転数、電解質膜を固定した固定台の移動速度は、実施の形態に記載した条件に限定されず、適宜変更しても構わない。
なお、本実施の形態の配向層形成工程(S23)において、高分子材料を含む電解質膜の表面を擦って配向層付き電解質膜を作製しているが、これに代えて、例えば、高分子材料を含む電解質膜を延伸することで配向層付き電解質膜を作製しても構わない。
なお、本実施の形態の重ね合わせ工程(S24)において、配向層付き電解質膜を折り曲げる回数は一回に限らず、二回以上折り曲げて、内部に配向層を有し、配向層の一部が電解質膜の主面以外の他の面に露出している電解質膜を製造しても構わない。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5における電気化学デバイスの概略を示す構成図である。
本発明の実施の形態5の電気化学デバイスに用いた電解質膜10は、実施の形態1の電解質膜10と同じ構成である。
そのため、本発明の実施の形態5の電気化学デバイスに用いた電解質膜10の外観斜視図は、図1(a)に示す実施の形態1の電解質膜10の外観斜視図と同じであり、本発明の実施の形態5の電気化学デバイスに用いた電解質膜10の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図は、図1(b)に示す実施の形態1の電解質膜10の折り曲げ線に垂直な平面で切断した場合の断面図と同じである。
図7に示すように、本実施の形態の電気化学デバイス70は、電解質膜10をアノード71とカソード72とで挟んだ構成の電解質膜-電極接合体73を有し、電解質膜-電極接合体73は、アノード側セパレータ77とカソード側セパレータ78との間に配置している。
アノード71は、直流の電源711のプラス極端子と電気的に接続され、カソード72は、電源711のマイナス極端子と電気的に接続される。電気化学デバイス70は温度調節器79によって温度調節される。
アノード71に水素含有ガスが供給されているときに、電源711によって、アノード71から電解質膜10を介してカソード72に電流が流れて、アノード71で(化1)に示す酸化反応が起こり、カソード72で(化2)に示す還元反応が起こる。
制御器710は、電気化学デバイス70で水素を生成する(アノード71に水素含有ガスが供給されている)ときに、電源711と温度調節器79を動作させる。
以上のように構成された本実施の形態の電気化学デバイス70について、以下その構成要素の材料、構造を、図7を参照しながら具体的に説明する。
なお、図7に示す実施の形態5の電気化学デバイス70において、図1に示す実施の形態1の電解質膜10と同一構成については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する場合もある。
アノード71とカソード72は、白金を担持したカーボン粒子を含む触媒層と、ガス通気性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーからなるガス拡散層とから構成されている。
アノード側セパレータ77とカソード側セパレータ78は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ77には、アノード71と当接する面に水素含有ガスが流れる溝状のアノードガス流路と、一端がアノード71と当接する面とは反対側の面に開口し他端がアノードガス流路の上流端と連通してアノードガス流路に水素含有ガスを供給するためのアノード側入口74と、一端がアノード71と当接する面とは反対側の面に開口し他端がアノードガス流路の下流端と連通してアノードガス流路から残余の水素含有ガスを排出するためのアノード側出口75とが設けられている。
一方、カソード側セパレータ78には、カソード72と当接する面にカソード72で生成した水素が流れる溝状のカソードガス流路と、一端がカソード72と当接する面とは反対側の面に開口し他端がカソードガス流路の下流端と連通してカソードガス流路から水素を排出するためのカソード側出口76とが設けられている。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る電気化学デバイス70について、以下、その動作、作用を、図7を参照しながら具体的に説明する。
まず、アノード側入口74と配管で接続されたガス供給手段(図示せず)から、加湿された水素と二酸化炭素とを含む水素含有ガスを、電気化学デバイス70のアノード側入口74とアノードガス流路とを介して、アノード71に供給する。電気化学デバイス70が温度調節器79からの伝熱で所定の温度になるように温度調節器79を制御器710で制御し、電源711により、電気化学デバイス70のアノード71から電解質膜10を介してカソード72に電流を流す。
この動作により、電気化学デバイス70において電気化学反応が進行し、電気化学デバイス70のカソード72において水素含有ガスから水素を生成する。
以下、本実施の形態に係る電気化学デバイス70について、具体的な実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下で用いた特定の原料等の内容に必ずしも制限されるものではない。
なお、電気化学デバイス70のカソード72において生成する水素の純度は、水素純度評価試験により評価した。水素純度評価試験の試験方法を以下に示す。
[水素純度評価試験]
電気化学デバイス70の温度が温度85℃となるように温度調節器79を制御器710で制御した。次に、ガス供給手段(図示せず)から、ガス温度が85℃で相対湿度が80%に加湿され、水素の含有比率が80%で二酸化炭素の含有比率が20%の水素含有ガスを、電気化学デバイス70のアノード側入口74を介してアノード71に供給した。
ここで、水素含有ガスにおける水素と二酸化炭素の含有比率の数値は、水蒸気が水素含有ガスに含まれていることを考慮していない場合の数値であり、水蒸気が水素含有ガスに含まれていることを考慮した場合の水素の含有比率は80%よりも低くなり、水蒸気が水素含有ガスに含まれていることを考慮した場合の二酸化炭素の含有比率は20%よりも低
くなる。
次に、電源711により、電気化学デバイス70のアノード71から電解質膜10を介してカソード72に電流値が30Aの電流を流し、カソード側出口76から排出されるガスの流量Qを流量計(オムロン(株):型式D6F-A6)を用いて測定した。
また、カソード側出口76から排出される水素に含まれる二酸化炭素の濃度CCO2を気体分析装置((株)島津製作所:型式GC-8A)を用いて測定した。以上の操作によって得られた値から、下記の(数1)により、電気化学デバイス70のカソード72において生成する水素の純度(以下、水素純度Pという)を算出した。
Figure 0007045617000005
(実施例3)
本実施例では、前述した実施例1の電解質膜Aを用いて、以下の手順により、電気化学デバイスを製造した。
(1)電解質膜の準備
前述した実施例1の工程(1)~(3)を行い、内部に配向層10aを有し、配向層10aの一部が電解質膜10の主面以外の他の面に露出した電解質膜10を得た。
(2)電解質膜-電極接合体の作製
以下の手順により、電解質膜-電極接合体73を作製した。
a.アノード触媒の作製
触媒粉末として、白金とルテニウムを担持した炭素粉末(田中貴金属(株)製、品番:TEC66E50)を15重量部、電解質として、ナフィオンの10%分散液(シグマアルドリッチ社製、製品番号:527114)を50重量部、それぞれを容器に採取した。
次に、20重量部の純水と65重量部のエタノールとからなる分散媒を容器に加え、室温で2時間混練し、触媒組成物(以下、触媒組成物aという)を作製した。混錬には、分散機((株)セイワ技研製、製品名:RS-05W)と超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所、製品名:US-150E)を用いた。
b.カソード触媒の作製
触媒粉末として、白金を担持した炭素粉末(田中貴金属(株)製、品番:TEC10E50E)を15重量部、電解質として、ナフィオンの10%分散液(シグマアルドリッチ社製、製品番号:527114)を50重量部、それぞれを容器に採取した。
次に、20重量部の純水と65重量部のエタノールとからなる分散媒を容器に加え、室温で2時間混練し、触媒組成物(以下、触媒組成物bという)を作製した。混錬には、分散機((株)セイワ技研製、製品名:RS-05W)と超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所、製品名:US-150E)を用いた。
c.電解質膜-電極接合体の作製
電解質膜Aの一方の主面には触媒組成物aを、他方の主面には触媒組成物bを、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業(株)製、製品名:DP-320)を用いて、スクリ
ーン印刷法により塗布した。
次に、前述した触媒組成物a,bが塗布された電解質膜Aを80℃の恒温器(ヤマト科学(株)製、型番:DKM300)に1時間放置し、触媒組成物a,bから分散媒を加熱乾燥により除去した後、室温に2時間放置した。
以上の操作により、電解質膜Aの両主面にアノード触媒層及びカソード触媒層を形成した。
次に、カーボンペーパー(東レ(株)製、製品名:TGP-H-120)に2枚用意して、それらの表面にアセチレンブラックとポリテトラフルオロエチレンの分散液(ダイキン工業(株)製、製品名:D-1)及び純水の混合物を塗布し、350℃で2時間加熱した。
以上の操作により、ガス拡散層(図示せず)を2つ作製した。
次に、前述した手順により作製したアノード触媒層とカソード触媒層に接して前述した手順により作製したガス拡散層をそれぞれ配置した。
以上の操作により、電解質膜Aの一方の主面にアノード触媒層とガス拡散層で構成されるアノード71を設け、他方の主面にカソード触媒層とガス拡散層で構成されるカソード72を設けて、電解質膜-電極接合体(以下、電解質膜-電極接合体Aという)を作製した。
(3)電気化学デバイスの製造
電解質膜-電極接合体Aのアノード触媒層、カソード触媒層およびガス拡散層の外周部にシリコーン樹脂からなるガスケット(クレハエラストマー(株)製、品番:SB50NJP)を接合した。
次に、表面にガス供給溝を形成した樹脂含浸黒鉛板から構成したアノード側セパレータ77とカソード側セパレータ78を電解質膜-電極接合体Aの両ガス拡散層の外側に配置して、電気化学デバイス(以下、電気化学デバイスAという)を製造した。
こうして製造した電気化学デバイスAのカソード72において生成する水素の純度を前述した水素純度評価試験により評価した。
電気化学デバイスAの水素純度Pは、下記の(表3)に示す通りであり、電気化学デバイスAは、カソード72において生成した水素の純度は高いものであった。
(比較例3)
電解質膜を、比較例1の電解質膜Cに代えたこと以外は、実施例3と同じ方法により、電気化学デバイス(以下、電気化学デバイスCという)を製造した。
こうして製造した電気化学デバイスCのカソード72において生成する水素の純度を前述した評価方法により評価した。
電気化学デバイスCの水素純度Pは、下記の(表3)に示す通りであり、電気化学デバイスCは、電気化学デバイスAに比べて、カソードにおいて生成した水素の純度は低いものであった。
以上の結果を(表3)にまとめた。
Figure 0007045617000006
電気化学デバイスの水素純度Pに関し、本実施例に係る電気化学デバイスAは水素純度Pが高いものであった。
これは、電解質膜10のガスバリア性が高いので、水素含有ガスに含まれる二酸化炭素のアノード71からカソード72への透過量が少なくなり、カソード72において生成する水素に含まれる二酸化炭素の含有量が少なくなったためと考えられる。
一方、比較例に係る電気化学デバイスCは、本実施例に係る電気化学デバイスAに比べて水素純度Pが低いものであった。
これは、電解質膜のガスバリア性が低いので、水素含有ガスに含まれる二酸化炭素の電解質膜を介したアノード71からカソード72への透過量が多くなり、カソード72において生成する水素中に含まれる二酸化炭素の含有量が多くなったためと考えられる。
以上の電気化学デバイスの水素純度評価試験から、本実施例で製造された電気化学デバイスAは純度の高い水素を生成できることが確認できた。
以上のように、本実施の形態においては、電気化学デバイス70は、電解質膜10を使用することで、電解質膜10を介してアノード71からカソード72に透過する二酸化炭素等の水素以外のガスの透過量が少なくなる。
このために、カソード72において生成する水素に含まれる不純物の含有量が少なくなるので、純度の高い水素を生成する電気化学デバイス70を製造することができる。
なお、本実施の形態において、電気化学デバイスのアノードとカソード間で差圧を生じさせてもよい。この場合、カソードの圧力がアノードの圧力に比べて高くなるとき、電解質膜は高いガスバリア性を有するので、カソードにおいて生成した水素が電解質膜を介してカソードからアノードに移動することも抑制することができる。
このために、カソードにおいて生成する水素が減少することによる水素純度の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態においては、電気化学デバイスは水素を生成する水素生成装置としているが、電気化学デバイスは、例えば、燃料電池等であっても構わない。
以上のように、本発明に係る電解質膜及びその製造方法並びに電気化学デバイスによると、電解質膜のガスバリア性が高くなり、水素含有ガスに含まれる二酸化炭素等の水素以外のガスの電解質膜を介した透過量が少なく、高純度の水素を生成することができる。このため、例えば、燃料電池車等の水素利用機器に水素を供給する水素供給システムの用途に適用することができる。
10,20 電解質膜
10a,20a 配向層
10b,20b 非配向層
70 電気化学デバイス
71 アノード
72 カソード
73 電解質膜-電極接合体
74 アノード側入口
75 アノード側出口
76 カソード側出口
77 アノード側セパレータ
78 カソード側セパレータ

Claims (3)

  1. 高分子材料を含む電解質膜であって、前記電解質膜の内部に前記高分子材料の主鎖が前記電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、前記配向層の一部が前記電解質膜の主面以外の表面に露出している電解質膜の製造方法であって、
    高分子材料を含む電解質膜の少なくとも一方の主面に前記高分子材料の主鎖が前記電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、前記配向層同士が重なるように前記電解質膜を折り曲げる工程を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
  2. 高分子材料を含む電解質膜であって、前記電解質膜の内部に前記高分子材料の主鎖が前記電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を少なくとも一層有し、前記配向層が前記電解質膜の表面に露出していない電解質膜の製造方法であって、
    高分子材料を含む電解質膜の一方の主面に一対の対向する二辺の縁を避けて前記高分子材料の主鎖が前記電解質膜の主面に略平行な方向に配向している配向層を形成した後、前記配向層が形成されていない主面が外周面になるとともに前記配向層の端面が露出しないように、前記電解質膜の端面同士を突き合わせる工程を含むことを特徴とする電解質膜の製造方法。
  3. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に配置されるアノードと、他方の主面に配置されるカソードとで構成される電解質膜-電極接合体を有し、前記アノードに水素含有ガスを供給するとともに、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで前記カソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスの製造方法であって、
    前記電解質膜を、請求項1または2に記載の製造方法により製造することを特徴とする電気化学デバイスの製造方法。
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