JP7045060B2 - 電子ドラムパッド - Google Patents
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Description
シェルエッジクッション11は、シェル9と略等しい直径のリング形状であって、その上面に粘着剤を含み、その上面はトレイ12の裏面の縁に接着され、その下面はシェル9の上端面と接触する。シェルエッジクッションは弾性ゴム、例えばCRゴムでよい。シェルエッジクッション11は、シェル9への衝撃の伝搬を吸収し、胴鳴りを防止する目的で設けられている。
トレイ12は、シェル9と略等しい直径の円形の浅い皿形状であって、その縁の裏面がシェルエッジクッション11の上面と接着される。トレイ12は、硬質樹脂材料、例えばPC(ポリカーボネート)でよい。
ヘッド13は、その内径がシェル9の直径より僅かに大きいリング131とリング131に張られたメッシュ生地132からなる。ヘッド13は、トレイ12に覆い被さった状態で固定され、メッシュ生地132は所定の張力を保持してトレイ12に張られる。リング131は、金属、例えばアルミなどでよい。メッシュ生地132は特殊な糸を編み込んでなる網状の生地である。
フープ14は、アコースティックドラムのリムに対応する。フープ14は、その下端面にリング131の上端面および外側面と係り合う切欠き141を含み、リング131と略等しい直径のリング形状である。フープ14は、電子ドラムパッド1のリムショットの打感をアコースティックドラムに近づけるために金属とすれば好適である。また後述する音色加工部191においてハイパスフィルタリングした信号成分から、アコースティックドラムのリムショット音に近い音を生成するためにも、リムショットには、金属音が含まれていることが好適であるため、フープ14を金属とすれば好適である。フープ14は、例えばアルミなどでよい。
メンブレンスイッチ15は、シェル9と略等しい直径のリング・シート形状であって、その下面に粘着剤を含み、フープ14の上端面に貼り付けられる。メンブレンスイッチ15は、PETシートに回路パターンである銀ペースト、カーボンペーストをスクリーン印刷して実現すればよい。
ラバーリング16は、アコースティックドラムのリムの打撃面に対応する。ラバーリング16は、その周方向に垂直な断面がドーム形状、かつシェル9と略等しい直径のリング形状であって、ドーム形状の脚部がフープ14の上部と係り合い、ドーム内の空隙17を介して(フープ14、メンブレンスイッチ15の上方に空隙を設けた状態で)、フープ14、メンブレンスイッチ15の上面に覆い被さる。ラバーリング16は、弾性ゴム、例えばEPDMゴムとすることができる。ラバーリング16は、演奏者がリムを打撃した際に、適度に硬い打感が残る程度の素材、厚さ、硬度とすることが望ましい。上述の空隙17も打感に影響を与える。具体的には、空隙17を設けることで、リムを打撃した際に、フープ14の硬い打感を適度に残すことができる。空隙17の高さは、0.75mm程度とすれば好適である。また、ラバーリング16をEPDMゴムとし、その硬さを、デュロメータタイプAにおける硬度50以上70以下とした場合、好適な打感を得ることができた。
第1ピエゾセンサ18aは、トレイ12の裏面中央付近に設けられる(図示略)。第2ピエゾセンサ18bは、リム周辺に設けられる。第1、第2ピエゾセンサ18a,18bは、電子ドラムパッド1を打撃した打撃音に対応する信号を取得する。第1、第2ピエゾセンサ18a,18bは、他の任意の圧電素子に代替可能である。
制御部19は、設計上の都合に応じて、電子ドラムパッド1の任意の箇所に配置することができる。制御部19は、CPUやメモリなどを含むマイクロコンピュータ、電子回路、電気回路、またはこれらの二つ以上の組み合わせなどによって実現できる。制御部19は、メンブレンスイッチ15、第1ピエゾセンサ18a、第2ピエゾセンサ18bからデータを取得できるように、これらのスイッチ、センサと直接、または間接的に接続されているものとし、電子ドラムパッド1と接続されるヘッドホン、スピーカー、PCなどにデータを送信できるように、これらの機器と直接、または間接的に接続可能であるものとする。
同図に示すように、音色加工部191は、第1ピエゾセンサ18a、第2ピエゾセンサ18bから取得した信号の音色を加工して音色加工信号として出力する(S191)。ステップS191の処理の詳細については後述する。レベル検出部192は、メンブレンスイッチ15からメンブレンスイッチ15がONになったことを示す情報を取得し、メンブレンスイッチ15のON状態の有効時間(予め設定する、例えば10msec)内の所定のフレーム数の入力信号のレベルを検出し、検出したレベルのうち最大値を検出する(S192)。例えば図5(a)に示すように、レベル検出部192はメンブレンスイッチ15がONになったことをT0秒で検出する。図5(b)に示すように、レベル検出部192はその後のT1秒間を、メンブレンスイッチ15のON状態の有効時間とする。図5(c)に示すように、レベル検出部192は有効時間のT1秒間に含まれる入力信号のフレームのうち、所定のフレーム数について信号のレベルを検出する。レベル検出に要する時間をメンブレンスイッチ15のON検出からT2秒とする。図5(d)に示すように、レベル検出部192は、検出したレベルのうち最大値を検出する。最大値の検出までに要する時間をT3秒とする。PCM信号選択部193は、信号のレベルに応じてPCM信号を選択する(S193)。より詳細にはPCM信号選択部193は、検出したレベルの最大値に対応するPCM信号をPCM信号記憶部193aから選択する。PCM信号記憶部193aには、選択対象となるPCM信号が予め記憶されている。PCM信号記憶部193aに記憶するPCM信号の例として、図6を参照して説明する。例えば、同図に示すように、弱打から強打までの8段階の打撃強度によるそれぞれのリムショット音のPCM信号(PCM-1,PCM-2,…,PCM-8)に16段階のレベルバリエーション(LEVEL-1,LEVEL-2,…,LEVEL-16)を設け、計128階調のダイナミックレンジとしてもよい。なお、PCM信号記憶部193aに予め記憶するPCM信号は、図6の例に限らず、他のパターンとしてもよい。
次に、図7、図8を参照して、音色加工部191の詳細な構成および動作を説明する。図7に示すように、音色加工部191は、バンドパスフィルタ部1911と、ハイパスフィルタ部1912と、第1エンベロープ生成部1913と、第2エンベロープ生成部1914と、第1加工部1915と、第2加工部1916と、加工信号合成部1917を含む。
例えば図9(a)に示すセンターショットを与えた場合の波形では、信号の先頭部分に中域の周波数成分が多く含まれ、時間の進行とともに低周波数帯成分が多くなる。図9(a)の波形には、高域の周波数成分はあまり含まれていない。
例えば図9(b)に示すエッジショットを与えた場合の波形では、信号の先頭部分に高域の周波数成分が多く含まれ、その後、中域の周波数成分が多く含まれるようになり、その後、時間の進行とともに低周波数帯成分が多くなる。
例えば図9(c)に示すオープンリムショットを与えた場合の波形では、信号の先頭部分に高域、中域の周波数成分が多く含まれ、その後、時間の進行とともに低周波数帯成分が多くなる。
11 シェルエッジクッション
12 トレイ
13 ヘッド
131 リング
132 メッシュ生地
14 フープ
141 切欠き
15 メンブレンスイッチ
16 ラバーリング
17 空隙
18a 第1ピエゾセンサ
18b 第2ピエゾセンサ
19 制御部
9 シェル
Claims (8)
- 電子ドラムパッドを打撃した打撃音に対応する信号を取得する圧電素子と、
前記圧電素子が取得した信号の音色を加工してなる音色加工信号を出力する音色加工部と、
前記圧電素子が取得した信号のレベルに応じてPCM信号を選択するPCM信号選択部と、
リムを打撃した直後については、前記音色加工信号と、前記PCM信号の代わりに挿入される初期信号を合成し、それ以外の場合に前記音色加工信号と選択された前記PCM信号を合成する信号合成部を含む
電子ドラムパッド。 - 電子ドラムパッドを打撃した打撃音に対応する信号を取得する圧電素子と、
前記圧電素子が取得した信号を所定の帯域においてバンドパスフィルタリングして生成した第1の信号のエンベロープに所定の音を合成した第1の加工信号と、前記圧電素子が取得した信号を所定の帯域においてハイパスフィルタリングして生成した第2の信号のエンベロープに所定の音を合成した第2の加工信号とを合成してなる音色加工信号を出力する音色加工部と、
前記圧電素子が取得した信号のレベルに応じてPCM信号を選択するPCM信号選択部と、
前記音色加工信号と選択された前記PCM信号を合成する信号合成部を含む
電子ドラムパッド。 - 請求項2に記載の電子ドラムパッドであって、
前記音色加工部は、
前記第1の信号の前記エンベロープにドラムの基音を中心とした音を合成して第1の加工信号とし、前記第2の信号の前記エンベロープに高次倍音を含む音を合成して第2の加工信号とする
電子ドラムパッド。 - 請求項3に記載の電子ドラムパッドであって、
前記音色加工部は、
前記第1の信号の前記エンベロープにドラムの基音を中心とした音に加え、スネアのノイズ音を合成して前記第1の加工信号とする
電子ドラムパッド。 - 請求項1から4の何れかに記載の電子ドラムパッドであって、
アコースティックドラムのリムに対応する金属製の輪であるフープと、
アコースティックドラムのリムの打撃面に対応し、前記フープの上面に覆い被さる弾性ゴムの輪であるラバーリングと、
を含む電子ドラムパッド。 - 請求項5に記載の電子ドラムパッドであって、
前記ラバーリングは、前記フープの上方に空隙を設けた状態で、前記フープの上面に覆い被さる弾性ゴムの輪である
電子ドラムパッド。 - 請求項5または6に記載の電子ドラムパッドであって、
前記ラバーリングの厚さが2mm以上4mm以下である
電子ドラムパッド。 - 請求項5から7の何れかに記載の電子ドラムパッドであって、
前記ラバーリングの硬さを、デュロメータタイプAにおける硬度50以上70以下とした
電子ドラムパッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018077143A JP7045060B2 (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 電子ドラムパッド |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018077143A JP7045060B2 (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 電子ドラムパッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019184885A JP2019184885A (ja) | 2019-10-24 |
JP7045060B2 true JP7045060B2 (ja) | 2022-03-31 |
Family
ID=68340969
Family Applications (1)
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JP2018077143A Active JP7045060B2 (ja) | 2018-04-12 | 2018-04-12 | 電子ドラムパッド |
Country Status (1)
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JP (1) | JP7045060B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005195928A (ja) | 2004-01-08 | 2005-07-21 | Roland Corp | 電子打楽器 |
JP2009251477A (ja) | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Korg Inc | 電子ドラム |
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2018
- 2018-04-12 JP JP2018077143A patent/JP7045060B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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JP2019184885A (ja) | 2019-10-24 |
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