JP7043139B2 - 逆流防止回路及び電源回路 - Google Patents
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Description
そのため、入力電圧より出力電圧が高くなっても、ボルテージレギュレータの出力段のpチャネル型MOS(metal oxide semiconductor)トランジスタに逆流電流が流れないように、入力電圧より出力電圧が高くなったことを検知すると、上記pチャネル型MOSトランジスタをオフ状態とする構成がある(例えば、特許文献1参照)。
VOUT>VDD+Vf …(1)
となった場合、すなわち、入力電圧である電源電圧VDDとpチャネル型MOSトランジスタである出力段トランジスタ102のドレイン-バックゲート間の寄生ダイオードの順方向電圧Vfとを加算した電圧より出力電圧VOUTが高くなった場合、逆流電流が寄生ダイオードを介して、ボルテージレギュレータ内部に流れ込む。
VOUT>VDD+VTH(inv) …(2)
しかしながら、プロセスや温度特性のばらつきによって、閾値電圧VTH(inv)が順方向電圧Vfより高い電圧となる場合がある。この場合、以下の(3)式に示す関係式の状態が発生することが考えられる。
VDD+Vf<VOUT<VDD+VTH(inv) …(3)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による逆流防止回路を用いた電源回路であるボルテージレギュレータを示す概略ブロック図である。
この概略ブロック図において、ボルテージレギュレータ1は、逆流防止回路100、誤差増幅回路101、出力段トランジスタ102、基準電源103の各々を備えている。逆流防止回路100は、逆流防止トランジスタ106及び逆流防止制御部111を備えている。逆流防止制御部111は、定電流インバータ109及びレベルシフト回路110を備えている。定電流インバータ109は、第1トランジスタ107及び定電流回路108を備えている。以下、デプレッション型と特に定義していないトランジスタは、エンハンスメント型のトランジスタである。
出力段トランジスタ102は、pチャネル型MOSトランジスタであり、ゲートGが誤差増幅回路101の出力端子に接続され、ドレインDが出力端子105に接続されている。
基準電源103は、-端子が接地され、+側端子が出力電圧VOUTを制御する基準電圧となっている。
第1トランジスタ107は、pチャネル型MOSトランジスタであり、ソースSが配線202を介して出力端子105に接続され、ゲートGが配線204を介してレベルシフト回路110の回路出力端子に接続され、ドレインDが接続点P1に接続されている。
レベルシフト回路110は、回路入力端子が配線201を介して入力端子104に接続されている。
これにより、出力端子105に接続される負荷の消費電力が変更されても、誤差増幅回路101は、出力段トランジスタ102から出力される出力電圧VOUTを、常に基準電圧Vrefと同等とするように制御する。この結果、ボルテージレギュレータ1は、定電圧電源回路として動作する。
定電流インバータ109は、上述したように、第1トランジスタ107と定電流回路108により構成されている。
この構成において、レベルシフト回路110は、回路入力端子から入力される電源電圧VDDを電圧降下VLS110分低下させて回路出力端子から出力し、すなわち、電圧VDD-VLS110を第1トランジスタ107のゲートGに印加する。
VOUT=VDD-VLS110+VTH109
となる。ここで、VTH109は、実質的に、第1トランジスタ107がオン状態に移行した場合、接続点P1の電位が「0」Vから上昇することから、第1トランジスタ107の閾値電圧のVTH107と同様となる。
このため、逆流防止制御部111における定電流インバータ109の接続点P1の電圧が「0」Vを維持し、逆流防止制御部111は、逆流防止トランジスタ106をオン状態を維持する。
これにより、逆流防止制御部111における定電流インバータ109の接続点P1の電圧が上昇し、逆流防止トランジスタ106がオン状態からオフ状態に移行するように制御される。
VDD-VLS110+VTH109<VDD+Vf102
すなわち、(VTH109-VLS110)<Vf102の関係が成立すれば、すなわち、VTH109-VLS110が寄生ダイオードの順方向電圧Vf102未満であればよい。
定電流回路112が電流I112を流し、抵抗113が抵抗値R113である場合、電圧降下VLS110は、R113×I112となる。
したがって、抵抗113の抵抗値R113及び定電流回路112の電流I112により、電圧降下VLS110の電圧値を調整する。すなわち、(VTH109-VLS110)<Vf102を満足させるため、(VTH109-R113×I112)<Vf102となるように、抵抗R1113及び定電流回路112の各々を形成する。
図3において、定電流回路112は、基準電源301と、誤差増幅回路302と、nチャネル型MOSトランジスタ303と抵抗304との各々を備えている。
誤差増幅回路302により構成される負帰還回路により、誤差増幅回路302の負入力端子-は、基準電源301の出力する基準電圧V301と同様の電圧となる。
抵抗304に流れる電流I304は、抵抗304が抵抗R304とした場合、V301/R304に比例した電流となる。すなわち、I304∝(V301/R304)となる。
このため、電圧降下VLS110は、R113/R304に比例した電圧となる。すなわち、VLS110∝(R113/R304)×V301となる。
また、定電流回路112は、端子T112及び配線204の各々の間にカレントミラー回路を設けて、最終的に電流源として構成する。このため そのカレントミラー回路の折返しの電流比により、電流I112がR113/R403に比例して変化するため、VLS110が比例関係の表記となっている。
このため、抵抗113及び抵抗304の各々の組合わせにおいて、温度依存性や製造バラツキが相殺され、電圧降下VLS110は、精度良く、基準電圧V301に比例して設定することができる。
図4において、定電流回路112は、pnpバイポーラトランジスタ401、402、抵抗403、pチャネル型MOSトランジスタ404、405、誤差増幅回路406との各々を備えている。この定電流回路112は、バンドギャップリファレンス回路で使用される構成であり、PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流を生成する回路である。
抵抗403の電圧降下がPTAT電圧VPTATとなるため、抵抗403に流れる電流I043は、抵抗403が抵抗R403とした場合、VPTAT/R403に比例した電流となる。すなわち、I403∝(VPTAT/R403)となる。
このため、電圧降下VLS110は、R113/R403に比例した電圧となる。すなわち、VLS110∝(R113/R403)×VPTATとなる。
また、定電流回路112は、図3の定電流回路112と同様に、端子T112及び配線204の各々の間にカレントミラー回路を設けて、最終的に電流源として構成する。このため そのカレントミラー回路の折返しの電流比により、電流I112がR113/R403に比例して変化するため、VLS110が比例関係の表記となっている。
このため、図3の定電流回路112と同様に、抵抗113及び抵抗403の各々の組合わせにおいて、温度依存性や製造バラツキが相殺され、電圧降下VLS110は、精度良く、PTAT電圧VPTATに比例して設定することができる。
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による逆流防止回路100におけるレベルシフト回路110Aの回路例を示す図である。
第2の実施形態において、レベルシフト回路110Aは、定電流回路112とpチャネル型MOSトランジスタ114とを備えている。このpチャネル型MOSトランジスタ114は、図2の抵抗113に換えて用いられている。また、定電流回路112は、第1の実施形態と同様である。
pチャネル型MOSトランジスタ114は、ソースSが配線201に接続され、ゲートG及びドレインDが配線204に接続されている。
ここで、第1トランジスタ107及びpチャネル型MOSトランジスタ114の各々は、同様のプロセスのばらつきや温度変化による特性変化を示すため、それぞれの影響をキャンセルすることができ、VTH109-VLS110<Vf102の関係は安定して満たされる。
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態による逆流防止回路100におけるレベルシフト回路110Bの回路例を示す図である。
レベルシフト回路110Bは、定電流回路112とダイオード115(PN接合素子)とを備えている。第3の実施形態においては、図2の抵抗113に換え、ダイオード115が用いられている。定電流回路112は、第1の実施形態と同様である。
ダイオード115はアノードが配線201に接続され、カソードが配線204に接続されている。
ここで、ダイオード115及び出力段トランジスタ102との各々は、同様のプロセスのばらつきや温度変化による特性変化を示すため、それぞれの影響をキャンセルすることができ、(VTH109-VLS110)<Vf102の関係は安定して満たされる。
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態による逆流防止回路100における逆流防止制御部111Cの回路例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、逆流防止制御部111Cにおいて、定電流インバータ109の接続点P1と逆流防止トランジスタ106のゲートGとの間に波形整形回路701が介挿されている構成である。
波形整形回路701は、インバータ702とインバータ703とが直列に接続されて構成されている。また、容量素子(コンデンサ)704は、インバータ702の出力端子とインバータ703の入力端子との間に一端が接続され、他端が接地されている。
また、容量素子704は、インバータ702の出力変化を遅延させてインバータ703に対して供給するために設けられている。この遅延された時間は、逆流防止トランジスタ106をオフ状態とするタイミング調整に用いられる。
また、本実施形態によれば、容量素子704の容量を調整することにより、出力電圧VOUTが所定の電圧を超えてから逆流防止トランジスタ106をオフ状態とするまでの時間を容易に制御することができる。
また、第2及び第3の実施形態の逆流防止制御部111も、図1における定電流インバータ109の接続点P1と、逆流防止トランジスタ106のゲートGとの間に、上述した波形整形回路701を介挿する構成としても良い。
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。図8は、本発明の第5の実施形態による逆流防止回路100における逆流防止制御部111Dの回路例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、逆流防止制御部111Dにおいて、定電流インバータ109の代わりに定電流インバータ109Dと、波形整形回路801との各々が備えられた点である。
波形整形回路801は、インバータ802とインバータ803とが直列に接続されて構成されている。また、定電流インバータ109Dにおいては、定電流インバータ109における定電流回路108に換え、可変電流源108Dが設けられている。
定電流インバータ109Dにおいて、第1トランジスタ107は、ゲートGがレベルシフト回路110に配線204を介して接続され、ソースSが配線202を介して出力端子105に接続され、ドレインDが接続点P1と接続されている。
この構成により、定電流インバータ109Dは、可変電流源108Dの制御端子に対して「H」レベル及び「L」レベルが供給されることにより、可変電流源108Dに流れる電流が変化するため、逆流防止トランジスタ106のオン/オフ制御における出力電圧VOUTの電圧値に対してヒステリシス性を持たせることができる。
以下、図面を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。図9は、本発明の第6の実施形態による逆流防止回路100における逆流防止制御部111Eの回路例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、逆流防止制御部111Eにおいて、レベルシフト回路110Eと、定電流インバータ109と、波形整形回路901との各々が備えられた点である。
波形整形回路901は、インバータ902とインバータ903とが直列に接続されて構成されている。
レベルシフト回路110Eにおいて、抵抗113は、一端が配線201に接続され、他端が配線204に接続されている。
可変電流源112Eは、一端が配線204に接続され、他端が接地点に接続され、制御端子がインバータ902の出力端子に接続されている。また、可変電流源112Eは、制御端子に対して「H」レベルが印加されている場合に比較して、「L」レベルが印加されている場合の電流値が多く流れる構成となっている。
以下、図面を参照して、本発明の第7の実施形態について説明する。図10は、本発明の第7の実施形態による逆流防止回路を用いた電源回路であるボルテージレギュレータを示す概略ブロック図である。図10に示すボルテージレギュレータ1Fが第1の実施形態と異なる点は、逆流防止回路100F内の逆流防止制御部111Fにおいて、電流制御回路605と、抵抗710とが備えられた点である。
電流制御回路605は、インバータ601、nチャネル型MOSトランジスタ602及び定電流回路603の各々が備えられている。
nチャネル型MOSトランジスタ602は、nチャネル型MOSトランジスタであり、ドレインDが逆流防止トランジスタ106のゲートGと接続点P2を介して接続され、ソースSが定電流回路603を介して接地されている。
抵抗710は、一端が逆流防止トランジスタ106のドレインDに接続され、他端が接続点P2を介してnチャネル型MOSトランジスタ602のドレインDに接続されている。抵抗710の抵抗値は、nチャネル型MOSトランジスタ602がオン状態となったとき、接続点P2の電圧が定電流回路603によって逆流防止トランジスタ106がオン状態となるように、十分大きく設定されている。
100,100F…逆流防止回路
101,302,406…誤差増幅回路
102…出力段トランジスタ
103,301…基準電源
104…入力端子
105…出力端子
106…逆流防止トランジスタ
107…第1トランジスタ
108,112,603…定電流回路
109,109D…定電流インバータ
110,110A,110B,110E…レベルシフト回路
111,111C,111D,111E,111F…逆流防止制御部
113,304,403,710…抵抗
114,404,405…pチャネル型MOSトランジスタ
201,202,203,204…配線
303,602…nチャネル型MOSトランジスタ
601,702,703,802,803,902,903,…インバータ
401,402…pnpバイポーラトランジスタ
701,801,901…波形整形回路
704…容量素子
Claims (10)
- 電源電圧が供給される入力端子と、出力端子から所定の出力電圧を出力するpチャネル型MOSトランジスタである出力段トランジスタとの間に直列に介挿されたpチャネル型MOSトランジスタである逆流防止トランジスタと、
前記出力電圧が前記電源電圧を超えた場合に、前記逆流防止トランジスタをオン状態からオフ状態とする逆流防止制御部と
を備え、
前記逆流防止制御部が、
エンハンスメント型のpチャネル型MOSトランジスタであり、ソースが前記出力端子に接続された第1トランジスタと、
一端が前記第1トランジスタのドレイン及び前記逆流防止トランジスタのゲートの各々に接続され、他端が接地された第1定電流回路と、
前記入力端子及び前記第1トランジスタのゲート間に介挿され、前記電源電圧を電圧降下した電圧を制御電圧として、前記第1トランジスタのゲートに印加するレベルシフト回路と
を有し、前記第1トランジスタのドレインの電圧により前記逆流防止トランジスタのオン/オフ制御を行う
ことを特徴とする逆流防止回路。 - 前記第1トランジスタの閾値電圧と前記レベルシフト回路の電圧降下との差分が、前記出力段トランジスタの寄生ダイオードの順方向電圧未満で形成されており、
前記第1トランジスタのソースに印加される前記出力電圧が、前記第1トランジスタのゲートに印加される前記制御電圧を超えると、前記第1トランジスタのドレインの電圧が上昇し、前記逆流防止トランジスタをオフとする
ことを特徴とする請求項1に記載の逆流防止回路。 - 前記レベルシフト回路が、抵抗と第2定電流回路との直列接続により構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の逆流防止回路。 - 前記レベルシフト回路が、pチャネル型MOSトランジスタと第2定電流回路との直列接続により構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の逆流防止回路。 - 前記レベルシフト回路が、PN接合素子と第2定電流回路との直列接続により構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の逆流防止回路。 - 前記第1トランジスタのドレインと、逆流防止トランジスタのゲートとの間に介挿された波形整形回路をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の逆流防止回路。 - 前記第1定電流回路が、前記波形整形回路が出力する電流制御信号により、前記出力電圧が前記電源電圧以下の場合の電流に比較して、前記出力電圧が前記電源電圧を超えた場合の電流を少なくする
ことを特徴とする請求項6に記載の逆流防止回路。 - 前記レベルシフト回路が、前記波形整形回路が出力する電流制御信号により、前記出力電圧が前記電源電圧以下の場合の電圧降下に比較して、前記出力電圧が前記電源電圧を超えた場合の電圧降下を大きくする
ことを特徴とする請求項6に記載の逆流防止回路。 - 前記逆流防止トランジスタのドレイン及びゲート間に介挿された抵抗と、
前記逆流防止トランジスタのゲートと第1トランジスタのドレインとの間に介挿され、第1トランジスタのドレインの電圧により前記抵抗に流す電流を制御する電流制御部と
をさらに備え、
前記電流制御部が、前記出力電圧が前記電源電圧を超えた場合に、前記抵抗に流れる電流を減少させる
ことを特徴とする請求項1に記載の逆流防止回路。 - pチャネル型MOSトランジスタであり、ソースに対して入力端子から電源電圧が供給され、ゲートに印加されるゲート電圧に対応して、出力端子に対してドレインから所定の出力電圧を出力する出力段トランジスタと、
pチャネル型MOSトランジスタであり、ソースが前記入力端子に接続され、ドレインが前記出力段トランジスタのソースと接続され、前記出力段トランジスタのソース側の寄生ダイオードを介して前記出力端子から流入する逆流電流を防止する逆流防止トランジスタと、
前記出力電圧が前記電源電圧を超えた場合に、前記逆流防止トランジスタをオン状態からオフ状態とする逆流防止制御部と
を備え、
前記逆流防止制御部が、
エンハンスメント型のpチャネル型MOSトランジスタであり、ソースが前記出力端子に接続された第1トランジスタと、
一端が前記第1トランジスタのドレイン及び前記逆流防止トランジスタのゲートの各々に接続され、他端が接地された定電流回路と、
前記入力端子及び前記第1トランジスタのゲート間に介挿され、前記電源電圧を電圧降下した電圧を制御信号として、前記第1トランジスタのゲートに印加するレベルシフト回路とを有し、前記第1トランジスタのドレインの電圧により前記逆流防止トランジスタのオン/オフ制御を行う
ことを特徴とする電源回路。
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