JP7042130B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
このようなシャッター装置は、例えば工場の開口部や、大型ガレージの開口部のように比較的間口の広い開口部を開閉する場合、収容ケースが横幅方向へ長尺になるため、この長尺な収容ケースが、その中央側で下方へ撓み、外観上の体裁を損ねたり、撓んだ部分が近接する他の部品に干渉したりすることが想定される。
そこで、例えば、特許文献1に記載される発明では、収容ケース内の上側の補強材と下側の補強材とをターンバックルにより引張り、特に収容ケース下部の垂れ下がりを抑制するようにしている。
また、特許文献2に記載される発明では、収容ケース内で縦断面L字状に配設される前側の補強材と下側の補強材とを、ターンバックルにより引張り、収容ケース下部の垂れ下がりを抑制するようにしている。
また、後者発明においても、ターンバックルの引張力により前側の補強材が下側の補強材側へ倒れ込むように変形し、収容ケース全体の意匠性を損ねてしまうおそれがある。
躯体壁面の開口部の上方側に止着される収容ケースと、この収容ケースから下方へ繰り出されて前記開口部を閉鎖する開閉体とを備えた開閉装置において、
前記収容ケースは、開閉体幅方向の途中位置にて躯体壁面側から手前側へ延設されて当該収容ケースの上部を補強する第一の補強部材と、同途中位置にて前記第一の補強部材の手前側から下方へ延設されて当該収容ケースの前部を補強する第二の補強部材と、同途中位置にて前記第二の補強部材の下端側から躯体壁面側へ延設されて当該収容ケースの下部を補強する第三の補強部材とを一体的に備え、
前記第一の補強部材と前記第三の補強部材の間には、これら補強部材を引き寄せる引寄せ具が設けられ、
前記引寄せ具は、前記第二の補強部材から躯体壁面側へ離れた位置にて一端側を前記第一の補強部材に接続するとともに他端側を前記第三の補強部材に接続しており、
前記第一の補強部材は、躯体壁面に接続される接続部と、この接続部から前記手前側へ延設された延設部とを一体に有し、
前記延設部は、一端側が前記接続部に接続されるとともに、他端側を前記収容ケースの第二の骨材へ向けて延設した平板部と、この平板部の幅方向の両縁から下方へ突出する側片部と、前記平板部の前記他端側から前記第二の骨材側へ突出する接続部とを一体に有し、
前記第二の骨材側へ突出する接続部は、前記平板部から前記第二の骨材側へ突出して曲げられており、その突端面を、前記第二の骨材の内面に重ね合わせて止着していることを特徴とする開閉装置。
第一の特徴は、躯体壁面の開口部の上方側に止着される収容ケースと、この収容ケースから下方へ繰り出されて前記開口部を閉鎖する開閉体とを備えた開閉装置において、前記収容ケースは、開閉体幅方向の途中位置にて躯体壁面側から手前側へ延設されて当該収容ケースの上部を補強する第一の補強部材と、同途中位置にて前記第一の補強部材の手前側から下方へ延設されて当該収容ケースの前部を補強する第二の補強部材と、同途中位置にて前記第二の補強部材の下端側から躯体壁面側へ延設されて当該収容ケースの下部を補強する第三の補強部材とを一体的に備え、前記第一の補強部材と前記第三の補強部材の間には、これら補強部材を引き寄せる引寄せ具が設けられ、前記引寄せ具は、前記第二の補強部材から躯体壁面側へ離れた位置にて一端側を前記第一の補強部材に接続するとともに他端側を前記第三の補強部材に接続している(図1~4参照)。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。また、躯体壁面に対する「手前側」とは、躯体壁面から離れる方向側を意味する。
さらに、図示例の収容ケース10では、第一の骨材11と第二の骨材12を、第一の補強部材16から開閉体幅方向に離れた位置で接続し補強する第四の補強部材21,21と、左右のサイドパネル15を躯体壁面W寄りの下端側で接続する第五の骨材22と、これら骨材や補強材等を覆う上パネル31及び下パネル32とを具備している。
そして、これらの骨材のうち、第一の骨材11は、躯体壁面Wに対し止着具29(例えばネジやボルト等)によって止着される。
この第五の骨材22は、その延設方向の一端側が、一方のサイドパネル15の躯体壁面W寄りの下端側に止着され、他端側が、他方のサイドパネル15の躯体壁面W寄りの下端側に止着される(図2参照)。また、この第五の骨材22は、開閉体幅方向の途中位置で、止着具29によって躯体壁面Wに止着される(図4参照)。
この上側止着片部16a3は、図7に例示するように、躯体壁面Wに重ね合わせられた第一の骨材11の内面に重ね合わせられる。そして、これら第一の骨材11及び接続部16aは、挿通される止着具29によって躯体壁面Wに止着固定される。
この下側止着片部16a4は、その止着面を、上側止着片部16a3の止着面よりも寸法t(図6参照)、躯体壁面W側に配置している。寸法tは、例えば、第一の骨材11の略肉厚に設定される。そして、この下側止着片部16a4の止着面は、躯体壁面Wに対し直接止着される。
すなわち、第一の補強部材16の手前側(図4によれば右側)は、引寄せ具19によって引っ張られる前は、水平線Hの位置、もしくは水平線Hよりも若干上側や若干下側に位置するが、引寄せ具19に引っ張られることで下方へ撓んで傾斜する。したがって、収容ケース10の上面は、手前側が下方へ傾斜した状態となる。この傾斜は、収容ケース10上面に付着する水を流す等の作用を奏する。
この第二の補強部材17は、上下方向へわたる略平板状の本体片部17aと、この本体片部17aの上端側で第二の骨材12側へクランク状に曲げ形成された止着片部17bと、本体片部17aの下端側で第三の骨材13側へクランク状に曲げ形成された止着片部17cとから一体に構成される。
この本体片部17aは、図示例によれば、前記したように長尺矩形平板状に形成されるが、より変形し難い態様としては、その幅方向の一端部又は両端部に、本体片部17aに対する交差方向へ折れ曲がった折曲部17a1(図4の二点鎖線参照)を設けるようにしてもよい。
下側の止着片部17cも、同様に、その端面を第三の骨材13の内面に重ね合わせて、止着具29によって止着される。
この第三の補強部材18は、第三の骨材13と第四の骨材14の間にわたって延設された本体部18aと、この本体部18aの両端部からそれぞれ突出した接続部18b,18cとを一体に有する。
このため、引寄せ具19の引張力が作用した際、第三の補強部材18はほとんど撓むことなく、主に、上側の第一の補強部材16が下方へ撓むことになる(図4参照)。
詳細に説明すれば、この引寄せ具19は、長手方向の中央側に位置する本体部19aと、該本体部19aの上端側に螺合された上側螺合部19bと、同本体部19aの下側に螺合された下側螺合部19cとを備え、上側螺合部19bの先端側にフック状の掛止部19b1を有し、下側螺合部19cの先端側にもフック状の掛止部19c1を有する。そして、この引寄せ具19は、本体部19aが回されることで、上下の掛止部19b1,19c1間を狭めるように構成される。なお、この引寄せ具19には、周知構造のターンバックルを用いることが可能である。
この掛止状態において、引寄せ具19は、その上端側が下端側よりも、第二の補強部材17に近くに位置し、図4に示すように側面視傾斜状の姿勢になる。
この接続部材15bは、固着片部15b1と、接続片部15b2と、受片部15b3とを、互いに交差(図示例によれば直交)するように具備している(図9参照)。
また、同接続部材15bにおける受片部15b3は、第二の骨材12内の上面に近接又は接触する。
また、同接続部材15bにおける受片部15b3は、第三の骨材13内の下面に近接又は接触する。
下パネル32は、第二の骨材12、第三の骨材13、第二の補強部材17、第四の骨材14、第三の補強部材18等を、覆う縦断面L字状の部材であり、前記骨材や補強部材等に対し適宜箇所で止着され固定される(図2参照)。
なお、これら上パネル31及び下パネル32は、単数又は複数の部材から構成することが可能であり、例えば、L字状の下パネル32を略垂直なパネルと略水平なパネルから構成したり、上パネル31及び下パネル32を一体の縦断面コ字状の部材から構成したりすることも可能である。
この開閉体40の幅方向の端部には、必要に応じて、ガイドレール50からの抜け出しを阻む抜け防止部材が設けられる。
この開閉体40の他例としては、複数のパネルやパイプを開閉方向へ連設してなる態様や、シート状物やネット状物からなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせた態様とすることが可能である。
このガイドレール50には、必要に応じて、開閉体40よりも下方側の障害物を感知する障害物感知センサ51が設けられる。図示例の障害物感知センサ51は、開口部A内に上下方向に間隔を置いた多数の光線経路を形成し、何れかの光線経路が障害物によって遮られるのを感知する多光軸センサである。
上記構成の開閉装置1は、先ず幅方向両側のサイドパネル15,15がそれぞれ躯体壁面Wに止着固定される。そして、これらサイドパネル15,15の間に、第一の骨材11、第二の骨材12、第三の骨材13、第四の骨材14、第五の骨材22、側片部16b2、第二の補強部材17、第三の補強部材18、引寄せ具19、第四の補強部材21等が組付けられる。
このため、この緊張状態によって、収容ケース10全体が、横幅方向の中央寄りで下方へ撓むのを抑制することができる。しかも、第一の補強部材16と第三の補強部材18の間が狭まろうとする力に、第二の補強部材17が対向するため、各部の変形を必要最小限に止めることができる。
このため、比較的目視され難い収容ケース10上面が部分的に下方へ撓み、比較的目視され易い収容ケース10の下面側がほとんど撓まないことになり、収容ケース10全体の意匠性が良好である。
すなわち、仮に、上側止着片部16a3と下側止着片部16a4とを面一にした場合には、第一の骨材11内面と躯体壁面Wの段差により第一の補強部材16全体が傾いて、躯体壁面Wに対する止着状態が不安定になるおそれがあるが、このようなことを防ぐことができる。
11:第一の骨材
12:第二の骨材
13:第三の骨材
14:第四の骨材
15:サイドパネル
15a:パネル本体
15b:接続部材
16:第一の補強部材
16a:接続部
16b:延設部
17:第二の補強部材
18:第三の補強部材
19:引寄せ具
40:開閉体
50:ガイドレール
A:開口部
W:躯体壁面
Claims (7)
- 躯体壁面の開口部の上方側に止着される収容ケースと、この収容ケースから下方へ繰り出されて前記開口部を閉鎖する開閉体とを備えた開閉装置において、
前記収容ケースは、開閉体幅方向の途中位置にて躯体壁面側から手前側へ延設されて当該収容ケースの上部を補強する第一の補強部材と、同途中位置にて前記第一の補強部材の手前側から下方へ延設されて当該収容ケースの前部を補強する第二の補強部材と、同途中位置にて前記第二の補強部材の下端側から躯体壁面側へ延設されて当該収容ケースの下部を補強する第三の補強部材とを一体的に備え、
前記第一の補強部材と前記第三の補強部材の間には、これら補強部材を引き寄せる引寄せ具が設けられ、
前記引寄せ具は、前記第二の補強部材から躯体壁面側へ離れた位置にて一端側を前記第一の補強部材に接続するとともに他端側を前記第三の補強部材に接続しており、
前記第一の補強部材は、躯体壁面に接続される接続部と、この接続部から前記手前側へ延設された延設部とを一体に有し、
前記延設部は、一端側が前記接続部に接続されるとともに、他端側を前記収容ケースの第二の骨材へ向けて延設した平板部と、この平板部の幅方向の両縁から下方へ突出する側片部と、前記平板部の前記他端側から前記第二の骨材側へ突出する接続部とを一体に有し、
前記第二の骨材側へ突出する接続部は、前記平板部から前記第二の骨材側へ突出して曲げられており、その突端面を、前記第二の骨材の内面に重ね合わせて止着していることを特徴とする開閉装置。 - 前記第一の補強部材が前記引寄せ具に引っ張られて下方へ撓む量を、前記第三の補強部材が前記引寄せ具に引っ張られて上方へ撓む量よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記延設部を、躯体壁面に接続される接続部よりも前記手前側で前記引寄せ具の引張力により下方へ撓ませるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
- 前記引寄せ具は、前記第一の補強部材と前記第三の補強部材の間にわたって延設され、その延設方向の少なくとも一端側に、該延設方向に対する交差方向へ曲がった掛止部を有し、この掛止部を前記第一の補強部材又は前記第三の補強部材に掛け止めていることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の開閉装置。
- 前記収容ケースは、躯体壁面に沿って開閉体幅方向へ延設された第一の骨材と、この第一の骨材に対し前記手前側へ離れた位置で開閉体幅方向へ延設された第二の骨材と、この第二の骨材に対し下方へ離れた位置で開閉体幅方向へ延設された第三の骨材と、この第三の骨材と躯体壁面との間に位置し開閉体幅方向へ延設された第四の骨材とを備え、
前記第一の補強部材が、前記第一の骨材と前記第二の骨材の間に接続され、
前記第二の補強部材が、前記第二の骨材と前記第三の骨材の間に接続され、
前記第三の補強部材が、前記第三の骨材と前記第四の骨材の間に接続されていることを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の開閉装置。 - 前記第一の補強部材は、前記第一の骨材に止着される上側止着片部と、この上側止着片部よりも下側で躯体壁面に止着される下側止着片部とを有し、前記下側止着片部の止着面を、前記上側止着片部の止着面よりも躯体壁面側に配置していることを特徴とする請求項5記載の開閉装置。
- 前記第一乃至第四の骨材の端部側にサイドパネルが設けられ、
このサイドパネルには、該サイドパネルとは別体の接続部材が固定され、この接続部材が、第二の骨材又は第三の骨材に接続されていることを特徴とする請求項5又は6記載の開閉装置。
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