JP6810586B2 - 防音パネル及び防音壁 - Google Patents

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Description

本発明は、防音パネル及び防音壁に関する。
道路や線路を走行する車両や工場等の騒音源から発せられる騒音の拡散を抑えるために、騒音源の脇に防音壁が設置されている。
防音壁は、例えば、H形鋼等からなる支柱間に、複数枚の防音パネルを嵌め込んで積み重ねることにより構築される。
防音パネルは、正面板、背面板及び側面板を組み合わせて箱状に形成したパネル本体内の空間に吸音材が収容されている。防音パネルは、騒音源に面する正面板にルーバーを形成することにより、パネル本体内に伝達された騒音を吸音材で吸収することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
防音壁を構築する場合、防音パネルは、道路等の脇に設けた壁高欄上に設置されることがある。この壁高欄上の防音壁が設置される位置には、防音パネルを支えるための支柱用の基盤が設けられている。基盤はアンカーボルトのような固定具により壁高欄に固定される。固定具は、防音壁を挟んで道路側、及び道路側とは反対側で基盤を固定している(例えば、特許文献2)。
また、防音壁には、H形鋼の支柱間に設置された防音パネルが支柱から外れて落下するのを防止するためのワイヤロープが設けられている(例えば、特許文献3)。
特開2013−124483号公報 特開2006−241749号公報 特開2015−110882号公報
防音壁の保守点検に際しては、例えば基盤を固定している固定具の締まり具合や、防音パネルの落下防止のためのワイヤロープの状態等を目視して点検する必要がある。
特許文献2の防音壁における道路側とは反対側にある固定具については、防音壁の設置場所によってはオーバフェンス型の作業車を用いて、作業員を道路側からその背面側へ搬送して、点検しなければならない場合があった。
また、特許文献3においては、例えばワイヤロープの点検用の、防音壁の前面板の、支柱によって覆われる側部領域に窓孔が形成されている。この窓孔が形成されている側部領域と支柱との間に間隙を形成するための部材が別途必要になる。この部材を用いたにもかかわらず、前面板の窓孔と支柱との間に十分な間隙がない場合には、ワイヤロープを直接目視することはできないことがあり、小型カメラ等を間隙に挿入して点検しなければならなかった。
このように、防音壁においては点検すべき箇所が複数あり、それぞれの点検箇所における作業には多くの手間やコストがかかっていた。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、防音壁の保守点検時の作業負担及びコストを大幅に軽減することができる防音パネル及び防音壁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、所定の間隔で設置された支柱間に設けて防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、吸音部と、前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を収容する収容部と、を備え、前記収容部の前記背壁部に開口が設けられていることを特徴とする。
また、前記開口は、前記収容部の上下方向において、前記背壁部の下部に設けられており、かつ前記収容部の左右方向において、前記背壁部の端部に設けられていることが好ましい。
また、前記開口を開閉可能なカバーが前記背壁部に取り付けられていることが好ましい。
また、前記カバーは前記背壁部に沿って前記収容部の左右方向にスライド自在であることが好ましい。
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、所定の間隔で設置された支柱間に設けて防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、吸音部と、前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を収容する収容部と、前記収容部の側部に設けられた側壁部と、を備え、前記側壁部に開口が設けられていることを特徴とする。
また、前記開口は、前記収容部の上下方向において、前記側壁部の下部に設けられていることが好ましい。
さらに、上記課題を解決するために、本発明は、所定の間隔で設置された支柱間に設けて防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、吸音部と、前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を収容する収容部と、前記収容部の側部に設けられた側壁部と、を備え、前記背壁部及び前記側壁部のそれぞれに開口が設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明は、吸音部と、前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を収容する収容部と、を備える、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える複数の防音パネルを、所定の間隔で設置された支柱間に設けた防音壁であって、前記複数の防音パネルのうち、前記支柱の上下方向において最下部に設けられた防音パネルが、前記背壁部に開口を有することを特徴とする。
本発明によれば、防音壁の点検作業の負担及びコストを軽減することができる。
第1の実施の形態における防音パネルの正面図である。 図1におけるII−II断面図である。 吸音材を取り除いて示す防音パネルの正面図である。 図3におけるIV−IV断面図である。 吸音材を取り除いた状態で壁高欄に設置した防音パネルを背面側から見た斜視図である。 上枠の断面図である。 下枠の断面図である。 側壁部及び中桟の構成を示す図である。 防音パネルの側面図である。 縦枠の断面図である。 第2の実施の形態における吸音材を取り除いて示した防音パネルの正面図である。 図11におけるXII−XII断面図である。 吸音材を取り除いた状態で壁高欄に設置した図11及び図12に示した防音パネルを背面側から見た斜視図である。 第3の実施の形態における防音パネルの側面図である。 図15(a)は、図14に示した防音パネルの断面図であり、図15(b)は、図14に示した防音パネルから吸音材を取り除いた状態の、当該防音パネルの断面図である。 第4の実施の形態における吸音材を取り除いて示した防音パネルの正面図である。 図16のXVII−XVII断面図である。 吸音材を取り除いた状態で壁高欄に設置した防音パネル図16及び図17に示した防音パネルを背面側から見た斜視図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の実施の形態をとりうる。
<防音パネルの構成>
1.第1の実施の形態
最初に、防音パネルの構成について説明する。
図1は、防音パネル100の正面図である。図2は、図1のII−II線上における断面図である。図3は、吸音材1を取り除いて示す防音パネル100の正面図である。図4は、図3のIV−IV線上における断面図である。図5は、吸音材1を取り除いた状態で、壁高欄に設置した防音パネル100を背面側から見た斜視図である。図6は、上枠3の断面図である。図7は、下枠4の断面図である。図8は、側壁部5及び中桟7の構成を示す図である。図9は、防音パネル100の側面図である。図10は、縦枠6の断面図である。
防音パネル100は、道路や線路上を走行する車両や工場等の騒音源からの騒音の拡散を抑えるために用いられるものであり、騒音源の脇に設置される防音壁を構築する。
図1から図5に示す防音パネル100は、吸音材1(吸音部)と、収容部2と、上枠3(上部支持部)と、下枠4(下部支持部)と、側壁部5と、縦枠6と、中桟7(桟部)とを備えている。
(吸音材)
図1に示すように、吸音材1は、防音パネル100のユニットの大きさに合わせて、例えば、平面視矩形状に形成された板状の部材である。吸音材1は、正面側が騒音源に面するように配置される。吸音材1は、例えば、ポリエステル繊維から形成されており、弾性変形可能である。
図2に示すように、吸音材1の正面には、吸音材1を保護する保護材11が設けられている。保護材11は、例えば、ポリエステルの特殊撥水クロスから形成されており、耐候性(耐水、耐熱、耐紫外線)に優れ、吸音材1の劣化を抑制する。
(収容部)
図2に示すように、収容部2は、吸音材1を収容するものであり、断面視略コ字状に形成された板状の部材である。収容部2は、例えば、合金めっき鋼板から形成されている。 収容部2は、図4及び図5に示すように、防音パネル100の一部として騒音源の脇に設置した際に、吸音材1の背面側(騒音源とは反対側の面)に配置される背壁部21と、背壁部21に取り付けられているカバー22と、背壁部21の上端部から吸音材1に向けて斜め上方に延出する上部延出部23と、背壁部21の下端部から吸音材1に向けて斜め上方に延出する下部延出部24と、を備えている。
[背壁部]
背壁部21は、図2から図5に示すように、吸音材1の背面に沿って延びている。背壁部21は、主面部21aと、屈曲部21bと、開口21cと、を有している。
主面部21aは、防音パネル100の上下方向(高さ方向)に、吸音材1の主面に対して平行に延在している部分である。
屈曲部21bは、防音パネル100の上下方向で見て、背壁部21の中央部付近において主面部21aから吸音材1に向かって屈曲して加工された部分である。屈曲部21bは、防音パネル100の長手方向(延在方向)に沿って防音パネル100の一端から他端まで延在している。
屈曲部21bは、背壁部21の主面部21aから収容部2の内側に向かって斜め下方に延出する傾斜部21dと、斜め上方に延在する傾斜部21eと、両傾斜部21d,21eを連結する連結部21fと、を備えている。連結部21fは、背壁部21の主面部21aに対して平行に延在していて、吸音材1の背面側から吸音材1に当接して、吸音材1を背面側から支持している。傾斜部21eには、後述するカバー22を所定の位置で固定するための、ボルト81及びナット82を備える締結具8用の孔が形成されている。
なお、ボルト81は収容部2の内側から外側に向かって、締結具8用の孔に挿入されて、ナット82が、締結具8用の孔と同心に、収容部2の外側で傾斜部21eに溶接されている。しかし、ボルト81を、収容部2の外側から内側に向かって締結具8用の孔に挿入した状態で傾斜部21eに溶接により固定して、収容部2の内側からナット82で締め付けてもよい。
開口21cは、背壁部21の厚さ方向に貫通して、平面視矩形に形成されている。開口21cは、防音パネル100の上下方向において、屈曲部21bの下側で主面部21aに設けられており、かつ防音パネル100の長手方向(延在方向)において、背壁部21の両端部分に設けられている。
[カバー]
カバー22は、収容部2の内側で背壁部21に取り付けられて、開口21cを閉鎖する合金めっき鋼板の板材である。カバー22は、少なくとも開口21cを完全に覆う大きさを有する。
図5に示すように、カバー22は、開口21cを閉鎖する閉鎖部22aと、背壁部21に取り付けられる取付部22bと、後述する下枠4に当接する当接部22cと、を備えている。
閉鎖部22aは、背壁部21の主面部21aに当接していて、背壁部21の開口21cの開閉を担う部分である。閉鎖部22aの、収容部2の内側を向く面には、取っ手22dが設けられている。
取付部22bは、防音パネル100の上下方向において、閉鎖部22aの上側に設けられており、閉鎖部22aに対して収容部2の内側に向かって折り曲げられている。具体的には、カバー22の取付部22bは、背壁部21の屈曲部21bの傾斜部21eに沿って、防音パネル100の内側に向かって、閉鎖部22aから斜め上方に延在している。
取付部22bには、長孔22eが形成されている。具体的には、長孔22eは、防音パネル100の長手方向に沿って延在している。長孔22eは、背壁部21の傾斜部21eに形成されている、締結具8用の孔に重なっている。長孔22eの短手方向の幅は、ボルト81のネジ山が形成されている部分の直径よりも大きい。したがって、カバー22のスライド時に、カバー22の長孔22eの縁と、ボルト81のネジ山が形成されている部分とが接触して、カバー22の移動を妨げないようになっている。
当接部22cは、防音パネル100の上下方向において、閉鎖部22aの下側に連結されており、閉鎖部22aから収容部2の内側に向けて延び、その途中で上方に折り返して形成されている、断面視L字形の部分である。当接部22cの、上方に折り返されている部分は、後述する下枠4の第2の当接部41bに当接し、カバー22の移動を補助する。
[上部延出部及び下部延出部]
図2及び図4に示すように、上部延出部23は、その先端部が下方に向けて折り曲げられており、吸音材1の正面の面方向に対してほぼ平行に延びている。また、防音パネル100の長手方向において、上部延出部23の両端部には、後述するワイヤロープWが挿通するための切り欠きが形成されている(図示せず)。
下部延出部24は、その先端部が下方に向けて折り曲げられており、吸音材1の正面の面方向に対してほぼ平行に延びている。また、防音パネル100の長手方向において、下部延出部24の両端部には、後述するワイヤロープWが挿通するための切り欠き24aが形成されている(図8参照)。
ここで、上部延出部23と下部延出部24とは、その延出方向がほぼ平行となるように形成されている。また、下部延出部24は、上部延出部23よりも走行路側に突出するように形成されている。
また、図示の収容部2においては、従来の防音パネルに備えられていた正面板を備えていない。そのため、吸音材1は、その正面側が外部に露出した状態で収容部2に収容される。
(上枠)
図1から図6に示すように、上枠3は、収容部2に収容された吸音材1の上端部を支持するものである。上枠3は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。上枠3は、吸音材1を支持する支持部31と、収容部2に嵌め込まれる嵌合部32と、を備えている。
図6に示すように、支持部31は、吸音材1の正面側から当接する第1の当接部31aと、吸音材1の背面側から当接する第2の当接部31bと、第1の当接部31aと第2の当接部31bとを連結し、吸音材1の上端面に対向する連結部31cと、第1の当接部31aに連続し、騒音源側に張り出した張出部31dと、を備えており、これらは一体に形成されている。
第1の当接部31aは、防音パネル100の上下方向に沿って直線状に延びるように形成されており、その下端部(先端部)は、支持される吸音材1の正面に向けて若干突出している。
第2の当接部31bは、防音パネル100の上下方向に沿って直線状に延びるように形成されている。すなわち、第2の当接部31bは、第1の当接部31aとほぼ平行に延びている。第2の当接部31bは、その先端部が第1の当接部31aの先端部よりも下方に位置するように形成されている。
連結部31cは、防音パネル100の厚さ方向に沿って延びるように形成されており、第1の当接部31aに突き当たる直前で下方に向けて屈曲し、さらに、その途中で吸音材1の厚さ方向に沿って第1の当接部31aに向けて屈曲するように形成されている。これにより、連結部31cにおける第1の当接部31a側の端部には、上方に開口する凹部32bが形成されている。連結部31cは、吸音材1の正面側の端部で第1の当接部31aに連続しており、吸音材1の背面側の端部で第2の当接部31bに連続している。連結部31cは、第1の当接部31aの内面と第2の当接部31bの内面との間隔が吸音材1の厚さ以下となるような長さに形成されている。
張出部31dは、第1の当接部31aの上端及び下端に連続しており、騒音源側に張り出している。これにより、第1の当接部31aと張出部31dとで閉構造を形成している。
嵌合部32は、上部延出部23に係合する係合部32aと、上部延出部23と上枠3との係合が外れることを防止する凹部32bとを備えており、これらは支持部31と共に一体に形成されている。
係合部32aは、支持部31の第1の当接部31aの上端から連続して上方に向けて延び、その途中で支持部31の第2の当接部31b側に向けて折り返すように形成されている。係合部32aは、途中までは第1の当接部31aと同一直線上に延び、先端部は、防音パネル100の背面側に向けて斜め下方に延びている。係合部32aの先端部の下り傾斜は、上部延出部23の先端部の上り傾斜とほぼ同じ勾配である。
凹部32bは、吸音材1の幅方向に沿った幅(開口幅)が、少なくとも上部延出部23を嵌め込むことができるような幅を有するように形成されている。また、凹部32bは、防音パネル100の上下方向に沿った深さが、上部延出部23を係止するのに十分な深さを有するように形成されている。
このように、上枠3を上部延出部23に嵌め込むと、上部延出部23の先端部は、上枠3の係合部32aの内面に沿って当接するとともに、凹部32bによって移動が規制されるため、外れることなくしっかりと嵌め込むことができる。
(下枠)
図1から図5及び図7に示すように、下枠4は、収容部2に収容された吸音材1の下端部を支持するものである。下枠4は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。下枠4は、吸音材1を支持する支持部41と、収容部2に嵌め込まれる嵌合部42と、を備えている。
支持部41は、吸音材1の正面側から当接する第1の当接部41aと、吸音材1の背面側から当接する第2の当接部41bと、第1の当接部41aと第2の当接部41bとを連結し、吸音材1の下端面に対向する連結部41cと、第1の当接部41aに連続し、騒音源側に張り出した第1の張出部41dと、連結部41cの内面から内側(上方)に向けて張り出した第2の張出部41eとを備えており、これらは一体に形成されている。
第1の当接部41aは、防音パネル100の上下方向(高さ方向)に沿って直線状に延びるように形成されており、その上端部(先端部)は、支持される吸音材1の正面に向けて若干突出している。
第2の当接部41bは、防音パネル100の上下方向(高さ方向)に沿って延びるように形成されており、その途中で第1の当接部41a側に向けて屈曲し、さらに防音パネル100の上方向に向けて屈曲するように形成されている。第2の当接部41bは、その先端部が第1の当接部41aの先端部よりも上方に位置するように形成されている。
連結部41cは、第2の当接部41bから第1の当接部41aに向かうにつれて上方に傾斜するように形成されている。連結部41cは、吸音材1の正面側で第1の当接部41aに連続しており、吸音材1の背面側で第2の当接部41bに連続している。連結部41cは、第1の当接部41aの内面と第2の当接部41bの内面との間隔が吸音材1の厚さ以下となるような長さに形成されている。連結部41cの上り傾斜は、下部延出部24の上り傾斜とほぼ同じ勾配である。
第1の張出部41dは、第1の当接部41aの上端及び連結部41cの正面側の端部に連続しており、騒音源側に張り出しており、その上部が第1の当接部41aに向けて滑らかに湾曲するように形成されている。これにより、第1の当接部41aと第1の張出部41dとで閉構造を形成している。
第2の張出部41eは、第2の当接部41b及び連結部41cに連続しており、収容される吸音材1側(上方)に張り出している。これにより、第2の当接部41bと連結部41cと第2の張出部41eとで閉構造を形成している。
嵌合部42は、下部延出部24に係合する係合部42aと、下部延出部24と下枠4との係合が外れることを防止する爪部42bとを備えており、これらは支持部41と共に一体に形成されている。
係合部42aは、支持部41の第1の張出部41dから連続して下方に向けて延びるように形成されている。係合部42aは、第1の当接部41a及び第2の当接部41bと平行に延びている。すなわち、下部延出部24は、係合部42aの内面と、連結部41cの下面に当接することで、下枠4に係合する。
爪部42bは、係合部42aの先端部(下端部)から上方に向かって折り返すように折り曲げられて形成されている。爪部42bは、係合部42aから下部延出部24の厚さに相当する間隔をあけて係合部42aよりも防音パネル100の背面側に設けられている。
このように、下枠4を下部延出部24に嵌め込むと、下部延出部24の先端部は、下枠4の係合部42aの内面に沿って当接するとともに、爪部42bによって移動が規制されるため、外れることなくしっかりと嵌め込むことができる。
また、下部延出部24と下枠4は、リベットLで連結されている(図2及び図4参照)。リベットLは、外側に位置する下部延出部24から差し込まれており、その先端が第2の当接部41bと連結部41cと第2の張出部41eとで形成された閉構造空間内に向けて挿通されている。リベットLは、例えば、ステンレスから形成されている。
また、図6に戻って、上枠3の上面側に位置する嵌合部32は、下枠4の下面側に位置する嵌合部42に嵌合自在とされている。すなわち、上枠3に下枠4を積み重ねることができるように、上枠3及び下枠4が形成されている。さらに、上枠3と下枠4とは、吸音材1の厚さ方向に沿った長さが等しくなるように形成されており、積み重ねた際に、上枠3及び下枠4の正面及び裏面がほぼ面一となる。これにより、上枠3及び下枠4によって支持される吸音材1も、積み重ねた際に正面及び背面がほぼ面一となる。よって、複数の防音パネル100を上下方向(高さ方向)に積み重ねて防音壁として用いることができる。
(側壁部)
側壁部5は、収容部2の両側にそれぞれ設けられている。側壁部5は、図8に示すように、横断面視コ字状に形成された板状の部材である。側壁部5は、例えば、合金めっき鋼板から形成されている。
側壁部5は、短手方向(吸音材1の厚さ方向)一端部が背壁部21にリベットL2を用いて連結されており、他端部が縦枠6にリベットL3を用いて連結されている。これにより、防音パネル100における左右方向両端部は、側壁部5で覆われ、吸音材1が離脱できないようになっている。
側壁部5は、図9に示すように、防音パネル100の上下方向において、屈曲部21bに対して上側の領域にアイボルト51を有する。アイボルト51は環を備え、この環を、防音壁の構築時に、上下方向に重ねられている防音パネル100が脱落しないようにするワイヤロープWが通る(図11参照)。
(縦枠)
図10に示すように、縦枠6は、防音パネル100の正面側に露出する側壁部5の正面側を被覆するものであり、側壁部5が見えることによる見映えの悪化を防止する化粧材として用いられる。縦枠6は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。縦枠6は、化粧部61と、係止部62とを備えている。
化粧部61は、側壁部5の正面を覆うものであり、側壁部5に連結した状態において、側壁部5の正面に沿って直線状に延びている。化粧部61は、その一端部近傍でリベットL3により側壁部5と連結されている。化粧部61の正面における側壁部5との連結領域には、シール材Sが貼り付けられている。シール材Sは、例えば、5倍に発泡されたクロロプレンゴムから形成されている。
係止部62は、化粧部61に連続して一体に形成されており、側壁部5が折り曲げられている位置で化粧部61の延在方向に対してほぼ直角をなす方向に折り曲げられており、さらに途中でほぼ直角に折り曲げられて上枠3及び下枠4の背面側に沿うように延びている。
(中桟)
図1及び図3に示すように、中桟7は、上枠3から下枠4にわたって延在している。中桟7は、収容部2内に収容される複数の吸音材1の継ぎ目に配置されるものであり、吸音材1の継ぎ目を覆い隠すものである。
中桟7は、図8に示すように、吸音材1の正面側に配置される正面部71と、吸音材1の背面側に配置される背面部72と、正面部71と背面部72とを連結する連結部73と、を備えている。
正面部71は、防音パネル100の上下方向に沿って延在する帯状の部材であり、表面が盛り上がるような曲面状に形成されている。正面部71の裏面は平面状に形成されており、吸音材1の正面に対向する。正面部71の幅は、少なくとも隣接する吸音材1間の間隔よりも大きくなるように形成されている。
背面部72は、防音パネル100の上下方向に沿って延在する帯状の部材であり、表面及び裏面共に平面状に形成されている。背面部72は、正面部71側の面が吸音材1の背面に対向する。背面部72の幅は、少なくとも隣接する吸音材1間の間隔よりも大きくなるように形成されており、正面部71の幅よりも大きな幅を有するように形成されている。
連結部73は、板状に形成されており、正面部71及び背面部72と一体に形成されている。連結部73は、隣接する吸音材1間の隙間に挿入されており、各吸音材1の一端面に対向する。連結部73は、正面部71及び背面部72における幅方向のほぼ中央となる位置において正面部71及び背面部72にそれぞれ連結されており、正面部71及び背面部72の連結部73からの左右方向への突出量がほぼ等しくなっている。
中桟7は、上端部が上枠3に固定され、下端部が下枠4に固定されている。
<防音パネル及び防音壁の施工方法並びに防音壁の点検方法>
防音パネル100を設置する際には、収容部2に上枠3、下枠4、側壁部5、縦枠6及び中桟7を取り付け、背壁部21にカバー22を取り付けた後に、収容部2の正面の開口から収容部2内に吸音材1を収容する。収容の際には、吸音材1の上端部を弾性変形させて縮め、上枠3の第1の当接部31aと第2の当接部31bとの間に差し込み、吸音材1の復元力で上枠3に支持させる。同様に、吸音材1を、その下端部を弾性変形させて縮め、下枠4の第1の当接部41aと第2の当接部41bとの間に差し込み、吸音材1の復元力で下枠4に支持させる。これによって、防音パネル100が完成する。防音パネル100は、騒音源の脇に所定間隔で設置された支柱間に嵌め込まれ、防音パネル100を含む複数の防音パネルを数段積み重ねることで防音壁が完成する。
なお、長期間の使用により、吸音材1が破損、劣化してきた場合には、吸音材1を弾性変形させて上枠3及び下枠4から取り外し、新しい吸音材1と交換する。
防音壁を構築する場合、防音壁又は支柱の上下方向において最下部に防音パネル100が配置され、防音パネル100の上に他の防音パネルが積み重ねられる。
ここで「他の防音パネル」とは、防音パネル100のように背壁部21に開口21cが形成されていない、その他の構成については同じものが挙げられる。
防音パネル100の下枠4には、図5に示すように、支持構造200が備え付けられる。支持構造200が、防音壁の構築時に壁高欄に直接設置される。支持構造200は、防音パネル100の長手方向両端部にある両端部分210と、両端部分210の間を延び、壁高欄に直接設置される設置部分220とを備える。
両端部分210は、壁高欄において支柱が設置される基盤300に接触する。両端部分210の防音パネル100の高さ方向での幅は、設置部分220に対して基盤300の厚さ分だけ狭幅になっている。なお、防音壁の構成によっては、両端部分210が、基盤300に接触しない構成もある。
防音壁の点検、具体的には基盤300を壁高欄に固定しているアンカーボルトのような固定具310の点検を行う場合、まず、吸音材1を収容部2から取り外すか、又は防音パネル100の長手方向において、収容部2の両端部に位置する吸音材1を部分的に切除して、収容部2から取り外してもよい。これにより、作業員は、収容部2の正面の開口から背壁部21、より具体的には背壁部21に取り付けられているカバー22にアクセスすることができるようになる。
カバー22は、防音パネル100、つまり収容部2の長手方向に背壁部21に沿ってスライド可能である。より具体的には、カバー22は、開口21cの閉鎖状態において、背壁部21の壁面に沿って、防音パネル100の長手方向に見て背壁部21の中央部に向かってスライド可能であり、開口21cの開放状態においては、防音パネル100の長手方向で見て、防音パネル100の外側、つまり背壁部21の端部に向かってスライド可能になっている。カバー22を移動させる場合、作業員は、カバー22の移動を制限している締結具8のボルト81を緩める。次いで、取っ手22dを掴んでカバー22を、防音パネル100の長手方向において収容部2の中央部に向かってスライドさせることで、開口21cを開放する。作業員は、開放された開口21cを通して、防音パネル100の内側から防音壁の道路側とは反対側にある固定具310を点検する。点検により固定具310に緩みが生じていれば、適宜、工具を用いて固定具310を増し締めする。
点検後、再度カバー22によって開口21cを閉鎖し、ボルト81を本締めしてカバー22を位置固定する。これにより、特に防音パネル100の背面側、つまり、道路に面していない側から、開口21cを開放することはできなくなる。
最後に、取り外した吸音材1又は新たな吸音材1を収容部2に収容して、防音壁の点検は終了する。
以上のような構成を有する防音パネル100を、防音壁に使用した場合、背壁部21に開口21cが設けられているため、防音壁の道路とは反対側を点検する場合、オーバフェンス型の作業車を用意して、作業員を防音壁の道路の反対側に搬送する必要はない。つまり、防音壁の道路とは反対側の点検は、開口21cを介して道路側から簡単に行うことができるので、作業負担及び作業コストを大幅に軽減することができる。
また、防音パネル100を、防音壁においてその高さ方向で最下部に設置することで、壁高欄に基盤300を固定している固定具310の点検が容易になり、必要に応じた固定具310の締め直しも簡単に行うことができる。
また、背壁部21に、開口21cを閉鎖することができるカバー22が取り付けられているので、点検時以外には開口21cは閉鎖されており、防音パネル100の背面側から開口21cを通じて、例えば水や、砂埃等の異物が防音パネル100内部へ流入することを防ぐことできる。これにより、吸音材1の劣化、腐食を抑制して耐用年数を向上させることができる。
また、カバー22は、締結具8のボルト81を緩めることで、防音パネル100の長手方向で背壁部21に沿ってスライドさせることができるので、点検時にカバー22を取り外す必要はない。
また、締結具8のナット82は、袋ナットであることが好ましい。袋ナットを使用することにより、締結具8、特にボルト81の先端部がさびることを抑制することができる。
また、ナット82は、防音パネル100の道路とは反対側の外側において、背壁部21における屈曲部21bの傾斜部21eに溶接されている。即ち、ナット82は、背壁部21の主面部21aに対して防音パネル100の内側に奥まった位置にあるので、雨や雪等にさほど曝されないようになり、防錆の観点から有利である。
<その他>
開口21cの形状は、平面視矩形状に限定されず、点検作業の妨げにならなければ、例えば円形、楕円形等のその他の形状であってもよい。
また、収容部2の正面の開口に、吸音材1を覆うルーバーのような正面板を設けてもよい。この場合、正面板は収容部2に、防音パネル100の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けられているか、又は着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
また、防音パネル100は防音壁の上下方向において最下部以外の、例えば中段部に設けられていてもよく、複数の防音パネル100を用いて防音壁を構築してもよい。
2.第2の実施の形態
次に、図11から図13を用いて、第2の実施の形態に係る防音パネル100A及び防音パネル100Aを用いた防音壁並びにその点検方法について、第1の実施の形態と異なる点について説明する。第1の実施の形態に係る防音パネル100と同様の又は類似する構成要素については、その説明を省略し、同一の符号を付す。
図11は、吸音材を取り除いて示す防音パネル100Aの正面図である。図12は、図11のXII−XII線上における断面図である。図13は、吸音材1を取り除いた状態で、壁高欄に設置した防音パネル100Aを背面側から見た斜視図である。
図11から図13に示すように、背壁部21の開口27は、防音パネル100Aの高さ方向にわたって、防音パネル100Aの上端部から下端部にわたって形成されている。具体的には、開口27は、背壁部21の上側の主面部21aの上部延出部23の近傍から、背壁部21の屈曲部21bを介して、背壁部21の下側の主面部21aの下部延出部24の近傍まで形成されている。
また、背壁部21の開口27の上側、つまり上部延出部23側で、カバー28と重なる主面部21aの領域には、カバー28を所定の位置で固定するための、ボルト81及びナット82を備える締結具8用の孔が形成されている。
カバー28は、収容部2Aの内側で背壁部21に取り付けられて、開口27を閉鎖する合金めっき鋼板の板材である。カバー28は、少なくとも開口27を完全に覆う大きさを有する。
上記のように開口27は、背壁部21の上側の主面部21a、屈曲部21b及び下側の主面部21aにわたって形成されている。そのため、カバー28も、背壁部21の断面形状に対応した形状を有する。具体的には、カバー28は、背壁部21の上側及び下側の主面部21aに対して平行な主面部28aと、背壁部21の屈曲部21bの形状に対応する屈曲部28bと、下枠4に当接する当接部28cとを備える。
カバー28の主面部28a及び屈曲部28bが、開口27の閉鎖部を形成している。
カバー28の上側の主面部28aの、収容部2Aの内側を向く面には、取っ手28dが設けられている。
カバー28の上側の主面部28aが、上部延出部23側で背壁部21の主面部21aと重なる部分には、長孔28eが形成されている。長孔28eは、カバー28の幅方向、すなわち、防音パネル100Aの長手方向に沿って延在している。長孔28eは、背壁部21の上側の主面部21aに形成された締結具8用の孔に重なっている。長孔28eの短手方向の幅は、ボルト81のネジ山が形成されている部分の直径よりも大きい。したがって、カバー28のスライド時に、カバー28の長孔28eの縁と、ボルト81のネジ山が形成されている部分とが接触して、カバー28の移動を妨げないようになっている。
防音壁を構築する場合、防音壁又は支柱の上下方向において最下部に防音パネル100Aが配置され、防音パネル100Aの上に他の防音パネルが積み重ねられる。
ここで「他の防音パネル」とは、防音パネル100Aのように背壁部21に開口27が形成されていない、その他の構成については同じものが挙げられる。
なお、防音パネル100Aを用いて防音壁を構築する場合には、第1の実施の形態と同様に、壁高欄に設置される防音パネル100Aの下部には支持構造200が備え付けられる。
防音パネル100Aを用いた防音壁の点検、具体的には基盤300を壁高欄に固定しているアンカーボルトのような固定具310の点検を行う場合、カバー28のスライド移動による開口27の開放までは、上記の第1の実施の形態における防音壁の点検の作業と同じであるので説明を省略する。
作業員は、開放された開口27を通して、防音パネル100Aの内側から防音壁の道路側とは反対側にある基盤300や、背壁部21の面全体を点検する。点検により固定具310に緩みが生じていれば、開口27から作業員は防音壁の道路側とは反対側に出て、適宜、工具を用いて固定具310を増し締めする。また、背壁部21に補修すべき箇所等が見つかった場合にも、作業員は防音壁の道路側とは反対側に出て、適宜、補修作業を行う。
以上のような構成を有する防音パネル100Aは、第1の実施の形態と同様の効果を奏することに加え、背壁部21の開口27が、防音パネル100Aの高さ方向において背壁部21の上部から下部にわたって形成されているので、作業員が、防音パネル100Aの内側から簡単に、防音壁の道路側とは反対側を全体的に点検することができる。つまり、作業員は開口27を通じて防護壁の道路とは反対側に簡単に移動することができるようになるので、基盤300の固定具310の点検に限らず、背壁部21の道路側とは反対側全域を点検することができ、防音壁の保守、点検等の作業性の効率が上がる。
また、カバー28が、背壁部21の屈曲部21bに対応した形状を有する屈曲部28bを有しているので、カバー22の屈曲部28bは、背壁部21の屈曲部21bと係合する。この係合により、カバー28のスライドは、背壁部21の屈曲部21bによって効果的にガイドされ、カバー28の滑らかなスライド移動が可能になる。
<その他>
取っ手28dは、カバー28の下側の主面部28aの、収容部2Aの内側を向く面にさらに設けられていてもよい。これにより、カバー28のスライド移動をより容易に行うことができる。
また、カバー28を背壁部21に取り付けるための締結具8の設置位置は、第1の実施の形態同様の位置に設けるようにしてもよく、これに応じて、長孔28eを、カバー28の屈曲部28bに形成してもよい。
3.第3の実施の形態
以下に、図14及び図15を用いて、第3の実施の形態に係る防音パネル100B及び防音パネル100Bを用いた防音壁並びにその点検方法について、主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。第1の実施の形態に係る防音パネル100と同様の又は類似する構成要素については、その説明を省略し、同一の符号を付す。
図14は、防音パネル100Bの側壁5Bの側面図である。図15(a)は、防音パネル100Bの断面図であり、図15(b)は、図15(a)に示す防音パネル100Bから吸音材1を取り除いた図である。
図14に示すように、側壁部5Bに開口5Baが設けられている。具体的には、開口5Baは、防音パネル100Bの上下方向において、屈曲部21bを挟んで、アイボルト51が設けられていない側に、即ち屈曲部21bよりも下側の側壁部5Bの部分(下部)に設けられている。防音パネル100Bは、側壁部5Bに開口5Baが設けられており、背壁部21に開口が設けられていない点において、防音パネル100とは異なる。
また、背壁部21に開口が設けられていないので、防音パネル100Bは、カバー22も有していない。
側壁部5Bは、上記のように横断面視コ字状に形成されている。ワイヤロープWが、コ字状に形成された空間を、上部延出部23及び下部延出部24に形成された切り欠き(図8に下部延出部24の切り欠き24aのみを描く)を通じて、防音パネル100Bの上方から下方に向かって挿通している。この場合、ワイヤロープWは、アイボルト51の環の内側を通っている。防音壁の構築時に、側壁部5Bは、H鋼の支柱に収容されるので、側壁部5Bの外部に向かって開放している部分は、支柱によって覆われる。つまり、ワイヤロープWは、防音壁の外部から目視により点検することはできない。
そのため、ワイヤロープWの点検は、収容部2内部から行う必要がある。そこで、図15(a)に示すように、収容部2に収容されている状態にある吸音材1を、収容部2の正面の開口から取り外す。吸音材1を取り外すことで、図15(b)に示すように、側壁部5Bの開口5Baが完全に開放される。これにより、防音パネル100Bの外側で側壁部5Bを通っているワイヤロープWが収容部2の内部から確認できる。
防音パネル100Bを用いて防音壁を構築する場合、防音パネル100Bは防音壁の上下方向においてどの位置にあってもよく、防音パネル100Bのみで防音壁を構築してもよく、さらに、少なくとも1つの防音パネル100Bと他の防音パネルとを組み合わせて防音壁を構築してもよい。
ここで「他の防音パネル」とは、防音パネル100Bのように側壁部5Bに開口5Baが形成されていない、その他の構成については同じものが挙げられる。
なお、防音パネル100Bを用いて防音壁を構築する場合には、第1の実施の形態と同様に、壁高欄に設置される防音パネル100Bの下部には支持構造200が備え付けられる。
側壁部5Bに開口5Baが設けられているので、防音パネル100Bを用いて防音壁を構築した場合、開口5Baを通じて、防音パネル100Bの長手方向において側壁部5Bの外側にあるワイヤロープWを、カメラ等の機器を用いなくとも確実に目視することができ、点検作業の負担及びコストを大幅に軽減することができる。
<その他>
開口5Baを設ける位置は、アイボルト51の取り付けに支障がなければ、防音パネル100Bの上下方向において、側壁部5Bの上部、中部であってもよい。具体的には、側壁部5Bの上部とは、屈曲部21bよりも上側の側壁部5Bの部分であり、側壁部5Bの中部とは、屈曲部21bとほぼ同じ高さ位置の側壁部5Bの部分である。
4.第4の実施の形態
次に、図16から図18を用いて、第4の実施の形態に係る防音パネル100C及び防音パネル100Cを用いた防音壁並びにその点検方法について、主に第1の実施の形態と異なる点について説明する。第1の実施の形態に係る防音パネル100と同様の又は類似する構成要素については、その説明を省略し同一の符号を付す。
図16は、吸音材1を取り除いて示す防音パネル100Cの正面図である。図17は、図16のXVII−XVII線上における断面図である。図18は、吸音材1を取り除いた状態で壁高欄に設置した防音パネル100Cを背面側から見た斜視図である。
図16から図18に示すように、開口29は、防音パネル100Cの上下方向において、屈曲部21bの下側で主面部21aから下部延出部24に連続して形成されており、防音パネル100Cの長手方向(延在方向)において、背壁部21の両端部に設けられている。開口29は、道路側とは反対側の下部延出部24の端部において、基盤300を壁高欄に固定しているアンカーボルトのような固定具310を臨むように背壁部21の下側の主面部21aから下枠4の位置に達する程度に切り欠かれている。
開口29は、カバー22の閉鎖部22a及び断面視L字形の当接部22cによって閉鎖されるようになっている。
防音パネル100Cを用いた防音壁の点検、具体的には基盤300を壁高欄に固定しているアンカーボルトのような固定具310の点検を行う場合、カバー22のスライド移動による開口29の開放までは、上記の第1の実施の形態における防音壁の点検の作業と同じであるので説明を省略する。
以上のような構成を有する防音パネル100Cは、第1の実施の形態と同様の効果を奏することに加え、開口29が背壁部21の下側の主面部21a及び下部延出部24に連続的に形成されて基盤300を臨んでいるので、防音壁の道路側とは反対側で当該防音パネル100Cの下部延出部24のほぼ直下にある固定具310の点検が容易になる。仮に、固定具310に緩みが生じていれば、作業員は、下部延出部24に形成された開口29の部分を通じて手を入れて、工具を用いて固定具310を容易に増し締めすることができる。
<その他>
なお、下部延出部24における開口29の切り欠き量は、基盤300における固定具310の位置に応じて決定すればよい。
5.第5の実施の形態
図示はしないが、収容部に必要な強度を確保されているのであれば、防音パネルは、第1の実施の形態において示した背壁部21の開口21c又は第2の実施の形態において示した背壁部21の開口27、第3の実施の形態において示した側壁部5Bの開口5Ba、及び、第4の実施の形態において示した開口29を組み合わせて備えていてもよい。当該防音パネルを用いて防音壁を構築する場合には、当該防音パネルは、防音壁の上下方向において最下部に設置されていることが好ましい。
上記の実施の形態と同様に、壁高欄に設置される防音パネルの下部には支持構造200が備え付けられる。
1つの防音パネルの背壁部21に開口21c、開口27又は開口29、及び側壁部5Bに開口5Baがそれぞれ設けられているので、当該実施の形態に係る防音パネルを用いて防音壁を構築すると、防音壁における種々の点検作業に関する負担及びコストを大幅に軽減することができる。
<防音壁の変形例>
上記の実施の形態に係る防音パネルのうち、特に第1の実施の形態に係る防音パネル100、第2の実施の形態に係る防音パネル100A又は第4の実施の形態に係る防音パネル100Cと、第3の実施の形態に係る防音パネル100Bとを用いて防音壁を構築することも可能である。この場合、防音パネル100、防音パネル100A又は防音パネル100Cを、防音壁の高さ方向において最下部に設置して、防音パネル100、防音パネル100A又は防音パネル100Cの上に防音パネル100Bを積み重ねて防音壁を構築することが好ましい。防音パネル100、防音パネル100A又は防音パネル100Cの上に積み重ねられる防音パネル100Bの、防音壁の高さ方向における設置位置及び使用枚数は任意決定することができる。また、上記の他の防音パネルを組み合わせてもよい。
上記の防音パネル100、防音パネル100A又は防音パネル100C及び防音パネル100Bを用いて防音壁を構築することにより、防音壁において種々の点検箇所の目視を可能にした防音パネルを用いて防音壁を構築することができるとともに、防音壁における種々の点検作業に関する負担及びコストを大幅に軽減することができる。
1 吸音材(吸音部)
2,2A 収容部
3 上枠(上部支持部)
4 下枠(下部支持部)
5,5B 側壁部
6 縦枠
7 中桟(桟部)
21 背壁部
5Ba 側壁部の開口
21c,27 背壁部の開口
22,28 カバー
29 背壁部及び下部延出部の開口
100,100A,100B,100C 防音パネル

Claims (9)

  1. 所定の間隔で設置された支柱間に設けて道路に防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、
    正面が前記騒音源に面するように配置される吸音部と、
    前記正面とは反対側である前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を該吸音部の正面側が外部に露出するように収容する収容部と、
    を備え、
    前記収容部の前記背壁部には、前記吸音部の背面側から見て前記吸音部と重なる位置に点検用の開口が設けられていることを特徴とする防音パネル。
  2. 前記開口は、前記支柱間に設けた状態で該支柱の高さ方向における前記背壁部の下部に設けられており、かつ前記支柱の並び方向において、前記背壁部の端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防音パネル。
  3. 前記収容部は、前記支柱間に設けた状態で該支柱の高さ方向における前記背壁部の下端部から連続して前記吸音部に向けて延出し前記収容部の底面を形成する延出部を備え、
    前記開口は、前記背壁部及び前記延出部に連続して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防音パネル。
  4. 前記開口を開閉可能なカバーが前記背壁部に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の防音パネル。
  5. 前記カバーは前記背壁部に沿って前記支柱の並び方向においてスライド自在であることを特徴とする請求項4に記載の防音パネル。
  6. 所定の間隔で設置された支柱間に設けて道路に防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、
    正面が前記騒音源に面するように配置される吸音部と、
    前記正面とは反対側である前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を該吸音部の正面側が外部に露出するように収容する収容部と、
    前記支柱の並び方向における前記収容部の部に設けられた側壁部と、
    を備え、
    前記側壁部に点検用の開口が設けられていることを特徴とする防音パネル。
  7. 前記開口は、前記支柱間に設けた状態で該支柱の高さ方向における前記側壁部の下部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の防音パネル。
  8. 所定の間隔で設置された支柱間に設けて道路に防音壁を構築する、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える防音パネルであって、
    正面が前記騒音源に面するように配置される吸音部と、
    前記正面とは反対側である前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記吸音部を該吸音部の正面側が外部に露出するように収容する収容部と、
    前記支柱の並び方向における前記収容部の部に設けられた側壁部と、
    を備え、
    前記背壁部には、前記背面側から見て前記吸音部と重なる位置に点検用の開口が設けられていて、
    前記側壁部には、前記吸音部によって部分的に閉鎖された点検用の開口が設けられている
    ことを特徴とする防音パネル。
  9. 正面が騒音源に面するように配置される吸音部と、前記正面とは反対側である前記吸音部の背面側に配置される背壁部を有し、前記正面側が外部に露出するように前記吸音部を収容する収容部と、を備える、騒音源から発せられた騒音の拡散を抑える複数の防音パネルを、所定の間隔で設置された支柱間に設けた防音壁であって、
    前記複数の防音パネルは、請求項1から8までのいずれか一項に記載の防音パネルを含むことを特徴とする防音壁。
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