JP7040994B2 - 支承装置 - Google Patents

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Description

支承装置は、例えば、橋梁等における橋脚等の下部建造物で、主桁等の上部建造物を支持する支承装置に関する。
従来より、例えば、橋梁、免震建造物、あるいは固定建造物同士を接続する接続部分等の振動や相対変位が生じる建造物において、可動支持する支承装置がある。このような支承装置は、主桁等の被支持建造物と、橋脚等の支持建造物との間に配設され、被支持建造物に固定された上沓と、支持建造物に固定された下沓との境界面、つまり摺動面同士が摺動することで、境界面における面内方向に変位可能に支持することができる。
この境界面である摺動面同士の滑り性能を向上させるため、例えば、特許文献1では、合成樹脂製の滑り板に対して、潤滑材を保持する凹部(ディンプル)を設けた合成樹脂製の滑り板を摺動させる支承装置が提案されている。
また、特許文献1で提案された一方の摺動面にディンプルを設けた支承装置は、動作開始後における滑り性能は向上するものの、停止した状態から滑り始める初動時における滑り性能が低下する、つまり、みかけの静止摩擦係数が増大することが判明した。
特開2001-132757号公報
そこで本発明では、滑りはじめから高い滑り性能で摺動面が摺動できる支承装置を提供することを目的とする。
この支承装置は、第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設された第1沓及び第2沓を有し、前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する支承装置であって、前記第2沓は、前記第1沓の第1摺動面と摺動する第2摺動面を有する合成樹脂製の滑り部材と、該滑り部材を支持する支持部材とが備えられ、前記滑り部材の前記第2摺動面には、潤滑材を保持する複数の保持部が設けられ、前記滑り部材と前記支持部材との対向部分には、前記第1摺動面に対する接触圧が他の部分より高い略環状の高圧接触部を前記第2摺動面に形成する略環状の凸状部と、略環状に形成された前記凸状部における環状方向の少なくとも一部を分断する分断部とが形成されたことを特徴とする。
上述の支承装置は、滑りはじめから高い滑り性能で摺動面が摺動することができる。
詳述すると、前記滑り部材と前記支持部材との対向部分に略環状の凸状部が設けられたことにより、前記第2摺動面において、前記凸状部によって形成された略環状の高圧接触部は、いわゆるダストシールとして機能し、摺動面に、ゴミ、粉塵、あるいは埃などのダストの侵入を防止することができる。したがって、ダストの侵入によって摺動面の滑り性能が低下することを防止できる。
また、前記第2摺動面に、潤滑材を保持する複数の保持部が設けられているため、複数の保持部に保持された潤滑材によって摺動面同士の滑り性能を向上できるとともに、保持部で保持する潤滑材によって合成樹脂製の滑り部材の摩耗を防止することができる。
さらに、前記滑り部材と前記支持部材との対向部分に設けられた略環状の凸状部における環状方向の少なくとも一部を分断する分断部が形成されているため、初動時における滑り性能の低下を防止することができる。
詳しくは、保持部に保持された潤滑材は摺動面において、ダストの侵入を防止する略環状の高圧接触部によって環状外側への漏出が規制された状態で、支承装置が支承する建造物の荷重が作用しており、あたかも真空状態のような吸着状態を構成し、みかけの静止摩擦係数が増大することとなる。
これに対して、前記滑り部材と前記支持部材との対向部分に設けられた略環状の凸状部における略環方向の少なくとも一部を分断する分断部により、荷重が潤滑材に作用しても、潤滑材を逃がすことができるため、上述のような吸着状態が生じることなく、初動時から高い滑り性能で摺動面が摺動することができる。
なお、上述の支承装置における上記第1建造物及び第2建造物は、例えば、橋脚を第1建造物とし、主桁を第2建造物とする橋梁、ビルを第1建造物とし、ビルとビルとを連絡する渡り廊下を第2建造物とする連絡通路、柱を第1建造物とし、トラス屋根を第2建造物とする屋根構造、あるいは、ビルを第1建造物とし、別のビルを第2建造物とするエキスパンション構造における建造物としてもよい。
上記第1沓及び第2沓は、第1建造物及び第2建造物を上下方向に配置した場合における下沓と上沓とで構成されてもよい。
上記支承装置は、可動支承であり、摺動面における面内方向の任意の方向に可動する全方向可動支承、あるいは面内方向の一方向に可動する一方向可動支承であってもよい。
上記面内方向は、例えば、第1沓及び第2沓との対向部分における摺動面が平面である場合、摺動面を構成する平面に平行な方向であり、該平面に交差する方向を含まない概念である。
上記凸状部は、滑り部材の厚み方向に突出する凸状部であり、前記支持部材における前記滑り部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材における前記支持部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材及び前記支持部材における他方部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材と前記支持部材とは別部材で構成された凸状部としてもよい。
上記略環状は、面内方向において、円環状と呼ばれる円周形状のみならず、楕円周形状、略矩形あるいは略三角形等の略多角形状などいずれの周形状であるが、前記分断部によって不連続な周形状となる。
また、上記分断部による前記凸状部の分断方向は、略環状の凸状部に対して略環状の内外方向、つまり径方向であってもよいし、径方向に対して交差する方向であってもよい。
本発明により、滑りはじめから高い滑り性能で摺動面が摺動できる支承装置を提供することができる。
支承装置の概略断面図。 摺動部の分解斜視図。 摺動部の底面図。 支承装置のA-A矢視拡大説明図。 別の実施形態の摺動部の底面図。 さらに別の実施形態のピストンの底面図。
支承装置の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は支承装置1の概略断面図を示し、図2は摺動部30の分解斜視図を示し、図3はスライドベアリング34の底面図を示し、図4は図1のa部について図3に示すA-A矢視拡大説明図を示している。
詳しくは、図3(a)はスライドベアリング34を透過状態で図示した摺動部30の底面図を示し、図3(b)は底面側に見えないピストン33を破線で図示した摺動部30の底面図を示している。図4(a)は図1におけるa部のA-A矢視拡大図においてピストン33からスライドベアリング34を下方に分離した状態を示し、図4(b)はa部のA-A矢視拡大図を示し、図4(c)は図4(b)に対応し、下沓20の下沓摺動面20aに対して作用する上沓摺動面10aの接触圧pを示している。
なお、図2において、各要素の形状について理解を容易にするため手前側の一部を切欠いて図示している。
また、図4(b)において、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとの間を設けるとともに、シール用凸部40に対応する高圧接触部42が下方に突出するように変形させて図示しているが、実際には図示するような厚みは形成されない。
支承装置1は、上部建造物と下部構造物との間に配設されて免震構造を構成する免震装置であり、上部建造物に固定された上沓10と、下部構造物に固定された下沓20とで構成され、上沓10と下沓20の境界面、つまり上沓摺動面10aと下沓摺動面20aが摺動することで、境界面(摺動面)における面内方向(水平方向)に変位可能に上部建造物及び下部構造物を支持し、例えば、地震や強い風等による振動エネルギを吸収し、免震することができる。
詳しくは、支承装置1は、図1に示すように、上部構造物(図示省略)の底面に固定された上沓10と、下部構造物(図示省略)の上面に固定された下沓20とを備える。
詳しくは、下沓20は、下部構造物の上面に固定されたソールプレート21と、ソールプレート21に装着されたスライドプレート22とで構成される。スライドプレート22の上面は、後述する上沓10の上沓摺動面10aと摺動する下沓摺動面20aが形成されている。なお、スライドプレート22は、例えば、表面にふっ素樹脂がコーティングされたステンレス板等が用いられる。
上沓10は、上部構造物の底面に固定される鋼製のベースポット11と、ベースポット11の底面側中央の装着凹部11a内に配置された平面視円形状の摺動部30とで構成されている。
ベースポット11の装着凹部11aに装着される摺動部30は、図2に示すように、上から順に、弾性プレート31、シールリング32、ピストン33、及びスライドベアリング34で構成されている。
弾性プレート31は、平面視円形のゴム製のプレートである。
シールリング32は、径外側が垂直面となり、径内側が下方に向かって径外側に傾斜する傾斜面となる片断面台形状の円形リングであり、外径が弾性プレート31と同じ径に形成されている。
なお、弾性プレート31とシールリング32との間に、支承装置1の仕様等に応じて、弾性プレート31と同じ径の平面視円形形状に形成されたフッ素樹脂製の薄板であるシムを設けてもよい
ピストン33は、ステンレス製の略円柱形状であり、シールリング32の嵌合を許容する円形凹部33aが上面の外周縁に沿って形成され、後述するスライドベアリング34を支持するものである。
ピストン33の底面33bには、該底面33bにおける外周縁から所定間隔を隔てて径内側に底面視略円形状のシール用凸部40を設けている。
また、シール用凸部40は、図2b部拡大図に図示するように、ピストン33の底面33bから、摺動部30の厚み方向、すなわち摺動部30の高さ方向(下方向)に突出しているため、組み付け状態で後述するスライドベアリング34を押圧することとなる。なお、シール用凸部40は、スライドベアリング34の底面34aで構成する上沓摺動面10aと下沓20の下沓摺動面20aとの摩擦係数(滑り性能)が変わらない程度の高さである。
また、図3(a)に示すように、底面視円形状に形成したシール用凸部40には、周方向において、中心を挟んで対向するように4つの分断部41を等間隔で設けている。換言すると、本実施形態では、円周の略1/4円程度の円弧状の弧状凸部40aを、端部同士を所定間隔で隔てて同心上に四方向に配置して底面視略円形状のシール用凸部40を形成し、弧状凸部40aの端部同士の間を分断部41としている。
なお、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)において、複数の分断部41を合計した角度(間隔)が0度より大きく180度以下の範囲、好ましくは、40度~180度となるように、より好ましくは、80度~160度となるように設定している。
本実施形態においては、各分断部41の間隔が周方向において20度に設定されている。そのため、4つの分断部41を合計した角度(間隔)は80度分となる。換言すると、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)に対する4つの分断部41による開口度合が0%より大きく50%以下の範囲のうち22%に設定されている。
スライドベアリング34は、自己潤滑性を有するとともに、スライドプレート22と同一またはスライドプレート22よりも低摩擦係数の表面を有するふっ素樹脂製(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))の平面視円形の板状体である。また、スライドベアリング34の底面34aに潤滑材50を保持可能な底面視円形のディンプル35が形成される。底面34aは、下沓20のスライドプレート22の表面である下沓摺動面20aと摺動する上沓摺動面10aである。
なお、スライドベアリング34は、適宜の変形性と強度を有し、上述のシール用凸部40の影響がおよぶ厚みで形成されている。
保持部としてのディンプル35は、断面における上方向き円弧状の凹形状(半球状の窪み)であり、最大深さを1mm程度に形成しているが、これに限られず最小深さが0.5mm以上であって、最大深さがスライドベアリング34を貫通しない深さで形成されればよい。
なお、ディンプル35は、図3(b)に示すように、スライドベアリング34の底面34aにおいて、最も近い3つが正三角形配置となるように千鳥配置されている。つまり、複数のディンプル35が列をなして配置された状態において、隣の列のディンプル35が隣り合うことなく、整列方向の間に配置されることで、ディンプル35が互い違いの状態、あるいはジグザグ状に配置されている。
また、ディンプル35の形状は、上方向き円弧状の凹形状に限られず、例えば断面における上方向き三角形状、矩形状等、後述する潤滑材50を保持可能な形状であればよい。
このように各要素を構成した支承装置1の上沓10の摺動部30は、装着凹部11a内に弾性プレート31、シールリング32、ピストン33、及びスライドベアリング34をこの順で下から挿入して構成する(図4参照)。なお、スライドベアリング34のうちシール用凸部40によって押圧される部分で略円周状の高圧接触部42を構成している。換言すると、シール用凸部40を構成する弧状凸部40aで押圧される部分が高圧接触部42を構成しており、当該高圧接触部42は、分断部41に対応する部分を開けて、略円形状となるように周方向に4カ所配置されている。
さらに、支承装置1は、上沓摺動面10aを構成するスライドベアリング34の底面34aに形成されたディンプル35に潤滑材50が充填され、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとを摺動可能に対向させて上沓10と下沓20とを組み付けることにより構成される。
このように構成した支承装置1において、シール用凸部40がスライドベアリング34の上面を部分的に他の部分よりも高い圧力で下方に押圧しているため、下沓20の下沓摺動面20aに対して作用する上沓摺動面10aの接触圧pを図示する図4(c)に示すように、シール用凸部40に対応する箇所が他の部分に比べて部分的に高くなる高圧接触部42とされる。
上述したように、下部建造物及び上部建造物におけるそれぞれの対向部分に配設された下沓20及び上沓10を有し、下沓20及び上沓10との対向部分における摺動面10a,20a同士が摺動する支承装置1は、下沓摺動面20aは、上沓摺動面10aに比べて面内方向に広い広摺動面で形成されるとともに、上沓摺動面10aは広摺動面よりも狭い狭摺動面で形成され、上沓10には、底面34aで狭摺動面を構成する合成樹脂製のスライドベアリング34が備えられ、スライドベアリング34の底面34aに、潤滑材50を保持する複数のディンプル35が設けられ、ピストン33とスライドベアリング34との対向部分にシール用凸部40が設けられ、略円形状に形成されたシール用凸部40における環状方向の少なくとも一部を分断する分断部41が形成されたため、滑りはじめから高い滑り性能で摺動面が摺動することができる。
詳述すると、ピストン33とスライドベアリング34との対向部分にシール用凸部40が設けられ、上沓摺動面10aから下沓摺動面20aに対する接触圧が他の部分より高い高圧接触部42は、いわゆるダストシールとしての機能を果たし、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとによる摺動面に、ゴミ、粉塵、あるいは埃などのダストの侵入を防止することができる。したがって、ダストの侵入によって摺動面の滑り性能が低下することを防止できる。
また、上沓摺動面10aを構成するスライドベアリング34の底面34aに、潤滑材50を保持する複数のディンプル35が設けられているため、複数のディンプル35に保持された潤滑材50によって摺動面同士の滑り性能を向上できるとともに、ディンプル35で保持する潤滑材50によって合成樹脂製のスライドベアリング34の摩耗を防止することができる。
さらに、ピストン33とスライドベアリング34との対向部分に設けられたシール用凸部40における円周方向の少なくとも一部を分断する分断部41が形成されているため、初動時における滑り性能の低下を防止することができる。
詳しくは、ディンプル35に保持された潤滑材50は、図4(b)に図示するように上沓摺動面10a,下沓摺動面20a全体に拡がるが、ダストの侵入を防止する略円形状の高圧接触部42によって円周状外側への漏出が規制された状態となる。このように各摺動面10a,20a全体に拡がるとともに、高圧接触部42によって円周状外側への漏出が規制された潤滑材50には、支承装置1が支承する上部建造物の荷重(上載荷重)が作用し、摺動面10a,20a同士が潤滑材50を介して密着した状態となる。そのため、摺動面10a,20a同士はあたかも真空状態のような吸着状態となり、みかけの静止摩擦係数が増大することとなる。
これに対して、スライドベアリング34との対向部分に設けられた略円形状のシール用凸部40における円周方向の少なくとも一部を分断する分断部41により、上載荷重が作用した潤滑材50を逃がすことができるため、上述のような吸着状態が生じることなく、初動時から高い滑り性能で摺動面10a,20aが摺動することができる。
また、分断部41は、上沓摺動面10aの中心を挟んで対向する位置に設けられているため、いずれの摺動方向に対しても、初動時から高い滑り性能で摺動面10a,20aが摺動することができる。
詳述すると、上沓摺動面10aの中心を挟んで対向する位置の一方のみに分断部41が設けられた場合、分断部41が設けられた側への摺動と、その反対側への摺動とでその滑り性能が異なるおそれがあるが、本実施形態では上沓摺動面10aの中心を挟んで対向する位置に設けられることで、いずれの摺動方向に対しても、初動時から高い滑り性能で摺動面10a,20aが摺動することができる。
また、分断部41が、円周方向において等間隔で複数形成されているため、つまり、円周方向において分断部41を分散配置できるため、例えば、上載荷重が偏荷重として潤滑材50に作用した場合であっても、潤滑材50を分断部41から逃がすことができ、初動時から高い滑り性能で摺動面10a,20aが摺動することができる。
また、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)に対する分断部41による開口度合が0%より大きく50%以下の範囲のうち22%となるため、ダストシールとしての十分な機能を発揮できるとともに、上載荷重が作用しても潤滑材50を逃がして、初動時における滑り性能を向上することができる。
詳述すると、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)に対する分断部41による開口度合が0%である場合、つまり分断部41が形成されていない場合、上載荷重が作用する潤滑材50を逃がすことができず、上述したようないわゆる吸着状態となって初動時に十分な滑り性能を確保することができない。
また、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)に対する分断部41による開口度合が50%以上であると、つまり複数の分断部41の合計長さが、円周方向において複数配置された弧状凸部40aで構成されたシール用凸部40の長さ(弧状凸部40aの合計長さ)より長くなることにより、上載荷重が作用した潤滑材50を逃がすことはできるが、ダストシールとして機能する高圧接触部42の長さが短くなって、摺動面10a,20a同士の間へのダストの侵入を十分に防止できず、ダストの侵入によって滑り性能が低下するおそれがある。
これに対し、略円形状のシール用凸部40の全体(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)に対する分断部41による開口度合が0%より大きく50%以下の範囲のうち22%に設定することによって、シール用凸部40によって形成される高圧接触部42の長さを確保できるため、ダストシールとしての十分な機能を発揮できるとともに、上載荷重が作用しても潤滑材50を逃がして、初動時における滑り性能を向上することができる。
また、ディンプル35が千鳥状に配置されているため、等間隔で密な状態でディンプル35を配置することができ、滑り性能をより向上することができる。
また、スライドベアリング34が、適宜の変形性、強度並びに所望の滑り性能を有し、上述のシール用凸部40の影響がおよぶ厚みのPTFE製板材であるため、所望の滑り性能を有するとともに、シール用凸部40による高圧接触部42を容易に形成することができる。
また、シール用凸部40が、ピストン33の底面33bに設けられているため、別途部材を用いることなく、容易な加工によって所望の形状のシール用凸部40を形成することができる。
詳述すると、別部材である弧状凸部40aを装着してシール用凸部40を形成する場合、部品点数が増えたり、装着忘れが生じたりするおそれがある。また、加工性の高いピストン33にシール用凸部40を形成する場合に比べて合成樹脂製のスライドベアリング34にシール用凸部40を形成することは困難であり、またコストの観点からも適さない。
これに対し、ピストン33とスライドベアリング34との対向部分であるピストン33の底面33bにシール用凸部40を設けることで、別部材やスライドベアリング34に設ける場合に比べて、容易な加工によって所望の形状のシール用凸部40を構成することができる。
なお、上述の説明では、シール用凸部40における周方向に四つの分断部41を設けたが、図5に示すように、8つの分断部41をシール用凸部40に設けてもよい。このように、シール用凸部40に対して8つ設けた各分断部41も周方向において20度の間隔に形成されている。
そのため、8つの分断部41の合計角度は160度分となり、略円形状のシール用凸部40の全体に対する分断部41による開口率は44%となる。
このように、8つの分断部41を設けても、略円形状のシール用凸部40の全体に対する分断部41による開口度合が0%より大きく50%以下の範囲のうち44%となるため、上述の効果を奏することができる。
このように、略円形状のシール用凸部40の長さ(複数の弧状凸部40aで構成する仮想円の周長)における複数の分断部41による開口度合が0%より大きく50%以下の範囲、好ましくは、開口度合が10%以上50%以下の範囲内であれば、より好ましくは、開口度合が20%以上45%以下の範囲内であれば、その数は問わず、適宜の数で構成しても、上述の効果を奏することができる。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の第1建造物は下部建造物に対応し、
以下同様に、
第2建造物は上部構造物に対応し、
第1沓は下沓20に対応し、
第2沓は上沓10に対応し、
支承装置は支承装置1に対応し、
第1沓の摺動面及び広摺動面は下沓摺動面20aに対応し、
第2沓の摺動面及び第2摺動面は上沓摺動面10aに対応し、
滑り部材はスライドベアリング34に対応し、
支持部材はピストン33に対応し、
潤滑材は潤滑材50に対応し、
保持部はディンプル35に対応し、
高圧接触部は高圧接触部42に対応し、
凸状部はシール用凸部40に対応し、
分断部は分断部41に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
上述の説明においては、免震構造の摺動面10a,20aにおける面内方向の任意の方向に可動する全方向可動支承である支承装置1について説明したが、面内方向の一方向に可動する一方向可動支承としてもよいし、例えば橋脚で主桁を支持する場合の支承装置、ビルとビルとを連絡する渡り廊下をビルから支持する場合の支承装置、トラス屋根を柱で支持する場合の支承装置、あるいは、ビル同士を接続するエキスパンション構造における支承装置として用いてもよい。
また、上述の説明では、シール用凸部40をピストン33の底面33bに形成したが、スライドベアリング34の上面に形成してもよいし、ピストン33やスライドベアリング34と別部材で構成してもよい。
また、複数の円弧状の弧状凸部40aを円形状に配置してシール用凸部40を形成したが、楕円形状、略矩形あるいは略三角形等の略多角形状などいずれの環状に形成してもよい。
また、シール用凸部40の断面形状は、断面視凸状に限定されず、断面視三角状等であってもよい。
また、上述の説明では、分断部41によるシール用凸部40の分断方向、つまり略円形状のシール用凸部40に対して径方向に貫通する分断部41を設けたが、図6に図示するように、様々な形状の分断部41を形成することができる。なお、図6は、様々な分断部41が設けられたピストン33の一部拡大底面図を示している。
具体的には、図6(a)に示す分断部41aは、シール用凸部40を径方向に貫通するように設けられているものの、径内側に対して径外側が幅狭となる底面視ハの字状に形成されている。
このように、径内側に対して径外側が幅狭となる底面視ハの字状の分断部41aは、上載荷重が作用した潤滑材50を逃がすことができるため、初動時における滑り性能を向上できるとともに、高圧接触部42がダストシールとして機能する際において、開口幅が狭い径外側からの異物の侵入をより防止することができる。
また、図6(b)に示す分断部41bは、径方向に対して交差する方向にシール用凸部40を貫通するように設けられている。
このように、径方向に対して交差する方向に貫通する分断部41bは、上載荷重が作用した潤滑材50を逃がすことができるため、初動時における滑り性能を向上できるとともに、径方向にシール用凸部40を貫通する同幅の分断部に比べ、交差方向の分断部41bによる径方向の有効開口が狭くなるため、高圧接触部42がダストシールとして機能する際において異物の侵入をより防止することができる。
さらに、図6(c)に示す分断部41cは、シール用凸部40を径方向に貫通するものの、その径内側に、分断部41cの幅以上の円弧状の内側弧状凸部43が設けられている。
このように、分断部41cの幅以上の円弧状の内側弧状凸部43が径内側に設けられた分断部41cは、上載荷重が潤滑材50に作用しても、シール用凸部40を構成する弧状凸部40aと内側弧状凸部43との間及び分断部41cを通って潤滑材50を逃がすことができるため、初動時における滑り性能を向上できるとともに、径方向にシール用凸部40を貫通する分断部41cの径内側に設けられた内側弧状凸部43によって、高圧接触部42がダストシールとして機能する際において異物の侵入をより防止することができる。
さらにまた、図6(d)に示すように、弧状凸部40aと、弧状凸部40aより小径の小径弧状凸部40bとを径方向に間隔を隔てて対面配置させてシール用凸部40を構成し、その端部同士の間に分断部41dを形成してもよい。
このように、弧状凸部40aと小径弧状凸部40bとを径方向に間隔を隔てて対面させて配置してシール用凸部40は、弧状凸部40aと小径弧状凸部40bの端部同士の間に形成された径方向の分断部41dによって、上載荷重が作用した潤滑材50を逃がすことができるため、初動時における滑り性能を向上できるとともに、径方向に交差する分断部41dによって、高圧接触部42がダストシールとして機能する際において異物の侵入をより防止することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…支承装置
10…上沓
10a…上沓摺動面
20…下沓
20a…下沓摺動面
33…ピストン
34…スライドベアリング
35…ディンプル
40…シール用凸部
41…分断部
42…高圧接触部
50…潤滑材

Claims (6)

  1. 第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設された第1沓及び第2沓を有し、前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する支承装置であって、
    前記第2沓は、
    前記第1沓の第1摺動面と摺動する第2摺動面を有する合成樹脂製の滑り部材と、該滑り部材を支持する支持部材とが備えられ、
    前記滑り部材の前記第2摺動面には、潤滑材を保持する複数の保持部が設けられ、
    前記滑り部材と前記支持部材との対向部分には、前記第1摺動面に対する接触圧が他の部分より高い略環状の高圧接触部を前記第2摺動面に形成する略環状の凸状部と、
    略環状に形成された前記凸状部における環状方向の少なくとも一部を分断する分断部とが形成された
    支承装置。
  2. 前記第1沓の摺動面は、前記第2沓の摺動面に比べて面内方向に広い広摺動面で形成されるとともに、前記第2沓の摺動面は狭摺動面で形成され、
    前記分断部は、
    前記第2摺動面の中心を挟んで対向する位置に設けられた
    請求項1に記載の支承装置。
  3. 前記高圧接触部を
    前記分断部が、環状に等間隔で複数形成された
    請求項1または2に記載の支承装置。
  4. 略環状に形成された前記凸状部における前記分断部による開口度合が0%より大きく50%以下である
    請求項3に記載の支承装置。
  5. 前記保持部が千鳥状に配置された
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の支承装置。
  6. 前記滑り部材が、ふっ素樹脂製である
    請求項1乃至5のうちいずれかに記載の支承装置。
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