JP6837927B2 - 支承装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、橋梁等における橋脚等の下部建造物で、主桁等の上部建造物を支持する支承装置に関する。
従来より、例えば、橋梁、免震建造物、あるいは固定建造物同士を接続する接続部分等の振動や相対変位が生じる建造物において、可動支持する支承装置がある。このような、支承装置は、主桁等の被支持建造物と、橋脚等の支持建造物との間に配設され、被支持建造物に固定された上沓と、支持建造物に固定された下沓との境界面、つまり摺動面が摺動することで、境界面における面内方向に変位可能に支持することができる。
しかし、この境界面である摺動面に、ゴミ、粉塵、あるいは埃などのダストが侵入すると、上沓と下沓とがスムーズに摺動しないおそれがある。また、ダストが侵入したまま上沓と下沓とが摺動すると、上沓と下沓の境界面である摺動面に傷が入って摺動抵抗が増大したり、摩耗が進むおそれがあった。
そのような問題に対して、特許文献1では、面内方向における境界面である摺動面の外側を包囲する防塵カバーが提案されている。
この防塵カバーは、平面視円形となる円筒状の弾性部材で構成し、下部構造物の境界面である摺動面に対して押し付けるように、上部構造物に固定しているため、上沓と下沓との境界面、つまり摺動面へのダストの侵入を防止し、摺動性の低下を防止できるとされている。
また、例えば、特許文献2では、合成樹脂製の滑り板に対して、潤滑材を保持する凹部(ディンプル)を設けた合成樹脂製の滑り板を摺動させる支承装置が提案されており、摺動面同士の間に、凹部に保持した潤滑剤が介在することによって滑り性能が向上するとされている。
しかしながら、特許文献1に記載のような防塵カバーは、カバー部材を別途装着する必要があり、部品点数が増えるとともに、装着するための手間が必要であった。
また、特許文献2で提案された一方の摺動面に潤滑材を保持する凹部(ディンプル)を設けた支承装置の場合、滑り板が合成樹脂製であるため、滑り材同士の摺動によって摩耗し、凹部が変形したり、消滅したりして潤滑材を保持できなくなって、急激に滑り性能が低下するおそれがあるが、潤滑剤が摺動面から漏れ出ないように保持するためには、特許文献1で提案されたようなカバー部材を別途装着するしかなかった。
実開平6−71732号公報 特開2001−132757号公報
そこで本発明では、カバー部材を別途装着することなく、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる支承装置を提供することを目的とする。
この発明は、第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓で構成され、前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する支承装置であって、前記第1沓の摺動面は、前記第2沓の摺動面に比べて面内方向に広い広摺動面で形成されるとともに、前記第2沓の摺動面は狭摺動面で形成され、前記第2沓は、前記狭摺動面を構成する合成樹脂製の滑り部材と、該滑り部材を保持する保持部材と、前記滑り部材と前記保持部材との対向部分に設けられた凸状部とが備えられ、前記狭摺動面において、前記凸状部によって、前記広摺動面に対する接触圧が他の部分より高い環状の高圧接触部が形成されたことを特徴とする。
上記第1建造物及び第2建造物は、例えば、橋脚を第1建造物とし、主桁を第2建造物とする橋梁、ビルを第1建造物とし、ビルとビルとを連絡する渡り廊下を第2建造物とする連絡通路、柱を第1建造物とし、トラス屋根を第2建造物とする屋根構造、あるいは、ビルを第1建造物とし、別のビルを第2建造物とするエキスパンション構造における建造物としてもよい。
上記第1沓及び第2沓は、第1建造物及び第2建造物を上下方向に配置した場合における下沓と上沓とで構成してもよい。
上記支承装置は、可動支承であり、摺動面における面内方向の任意の方向に可動する全方向可動支承、あるいは面内方向の一方向に可動する一方向可動支承としてもよい。
上記面内方向は、例えば、第1沓及び第2沓との対向部分における摺動面が平面である場合、摺動面を構成する平面に平行な方向であり、該平面に交差する方向を含まない概念である。
上記凸状部は、滑り部材の厚み方向に突出する凸状部であり、前記保持部材における前記滑り部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材における前記保持部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材及び前記保持部材における他方部材との対向部分に形成された凸状部、前記滑り部材と前記保持部材とは別部材で構成された凸状部としてもよい。
上記環状は、面内方向において円周形状、楕円周形状、あるいは略矩形あるいは略三角形等の略多角形状などいずれの周形状としてもよい。
この発明により、カバー部材を別途装着することなく、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる。
詳述すると、前記滑り部材と前記保持部材との対向部分に設けられた凸状部が前記狭摺動面を構成する合成樹脂製の前記滑り部材を押圧するため、前記狭摺動面の前記凸状部による押圧箇所の前記広摺動面に対する接触圧が他の部分より高い高圧接触部を形成することができる。なお、凸状部は環状に形成されているため、環状の高圧接触部を形成することができ、カバー部材を別途装着することなく、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる。
この発明の態様として、前記滑り部材が、PTFE製板材で構成されてもよい。
上記PTFE製板材は、所定の滑り性能を有するPTFE製であり、凸状部による影響がおよぶ強度、変形性及び厚みの板状体である。
この発明により、所望の滑り性能を有するとともに、前記凸状部による高圧接触部を容易に形成できる滑り部材を構成することができる。
またこの発明の態様として、前記凸状部が、前記保持部材における前記滑り部材との対向部分に設けられてもよい。
この発明により、別途部材を用いることなく、容易な加工によって所望の形状の凸状部を構成することができる。
詳述すると、別部材である凸状部を装着する場合、部品点数が増えたり、装着漏れが生じたりするおそれがある。また、加工性の高い保持部材に凸状部を形成する場合に比べて合成樹脂製の滑り部材に凸状部を形成することは困難であり、またコストの観点からも適さない。
これに対し、前記保持部材における前記滑り部材との対向部分に前記凸状部を設けることで、別部材や滑り部材に設ける場合に比べて、容易な加工によって所望の形状の凸状部を構成することができる。
またこの発明の態様として、前記凸状部が、前記狭摺動面における外周縁に対応する箇所に設けられてもよい。
この発明により、前記高圧接触部が、前記狭摺動面における外周縁に形成される。前記高圧接触部によって、いわゆるダストシールを構成し、摺動面に、ゴミ、粉塵、あるいは埃などのダストの侵入を防止することができる。
またこの発明の態様として、前記狭摺動面に、潤滑材を保持するディンプルが設けられ、前記凸状部は、前記ディンプルの外側を包囲する箇所に設けられてもよい。
この発明により、ディンプルで保持する潤滑材によって合成樹脂製の滑り部材の摩耗を防止することができる。また、前記高圧接触部が、前記ディンプルの外側を囲むように、前記ディンプルの外側に形成される。仮に、摺動による摩耗やディンプルの変形によって潤滑材をディンプルに保持できなくなっても、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる環状の高圧接触部によって、潤滑材が摺動面から漏れ出ることを防止できる。
本発明により、カバー部材を別途装着することなく、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる支承装置を提供することができる。
支承装置の概略断面図。 上沓の分解斜視図。 摺動部の底面図。 支承装置の拡大説明図。 第2実施形態の支承装置の概略断面図。 第2実施形態の上沓の分解斜視図。 第2実施形態の摺動部の底面図。 第2実施形態の支承装置の拡大説明図。
実施形態1
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は支承装置1の概略断面図を示し、図2は上沓10の分解斜視図を示し、図3は摺動部30の底面図を示し、図4は図1におけるa部の拡大説明図を示している。詳しくは、図4(a)は図1におけるa部の拡大図においてベアリングホルダ36からベアリング37を下方に分離した状態を示し、図4(b)はa部の拡大図を示し、図4(c)は図4(b)に対応し、下沓20の下沓摺動面20aに対して作用する上沓摺動面10aの接触圧を示している。なお、図2において、各要素の形状について理解を容易にするため手前側の一部を切欠いて図示している。
支承装置1は、上部建造物と下部構造物との間に配設されて免震構造を構成する免震装置であり、上部建造物に固定された上沓10と、下部構造物に固定された下沓20とで構成され、上沓10と下沓20の境界面、つまり摺動面(10a,20a)が摺動することで、境界面(摺動面)における面内方向に変位可能に支持し、例えば、地震や強い風等による振動エネルギを吸収し、免震することができる。
詳しくは、支承装置1は、図1に示すように、上部構造物(図示省略)の底面に固定された上沓10と、下部構造物(図示省略)の上面に固定された下沓20とで構成している。
詳しくは、下沓20は、下部構造物の上面に固定されたソールプレート21と、ソールプレート21に装着されたスライドプレート22とで構成し、スライドプレート22の上面で、後述する上沓10の上沓摺動面10aと摺動する下沓摺動面20aを構成している。なお、スライドプレート22は、ステンレス板で構成している。
上沓10は、上部構造物の底面に固定される鋼製のベースポット11と、ベースポット11の底面側中央の装着凹部11aに配置した平面視円形状の摺動部30とで構成している。
ベースポット11の装着凹部11aに装着される摺動部30は、図2に示すように、上から順に、弾性プレート31、シム32、シールリング33、ピストン34、及びベアリング35で構成している。
弾性プレート31は、平面視円形のゴム製のプレートである。
シム32は、弾性プレート31と同じ径の平面視円形形状で形成したフッ素樹脂製の薄板である。
シールリング33は、径外側が垂直面となり、径内側が下方に向かって径外側に傾斜する傾斜面である片断面台形状の円形リングであり、外径が弾性プレート31及びシム32と同じ径で形成している。
ピストン34は、ステンレス製の略円柱形状であり、シールリング33の嵌合を許容する円形凹部34aを上面の外周縁に沿って形成している。
ベアリング35は、後述するスライドベアリング37を底面側に装着して保持する平面視円形のベアリングホルダ36と、ベアリングホルダ36の装着凹部36aに装着されるスライドベアリング37とで構成している。
ベアリングホルダ36は、スライドベアリング37を装着して保持する装着凹部36aを底面側に有する金属製の円盤状である。装着凹部36aは、スライドベアリング37の厚みより浅い円形凹部であり、凹状の外周角部に沿ってシール用凸部39を形成している。
なお、シール用凸部39は、摺動部30の厚み方向、すなわち摺動部30の高さ方向に突出しているため、組み付け状態で後述するスライドベアリング37を押圧するが、スライドベアリング37の上面全体がベアリングホルダ36の装着凹部36aの底面に接着固定できるとともに、スライドベアリング37の底面37aで構成する上沓摺動面10aと下沓20の下沓摺動面20aとの摩擦係数(滑り性能)が変わらない程度の高さで形成している。
スライドベアリング37は、自己潤滑性を有するとともに、表面が低摩擦係数のPTFE製の平面視円形の板状体であり、底面37aが、下沓20のスライドプレート22の表面である下沓摺動面20aと摺動する上沓摺動面10aを構成している。なお、スライドベアリング37は、適宜の変形性と強度を有し、上述のシール用凸部39の影響がおよぶ厚みで形成されており、本実施形態では、硬度がD50〜80程度、且つ2〜5mm厚のPTFE製の板材で形成している。
このように各要素を構成した上沓10の摺動部30は、ベアリングホルダ36の装着凹部36aにスライドベアリング37を挿入し、接着固定してベアリング35を構成する。なお、ベアリング35では、詳細について後述するが、スライドベアリング37のうちシール用凸部39によって押圧される部分(本実施形態では外周縁に沿った部分)で高圧接触部40を構成している。
このように構成したベアリング35を含めた摺動部30を上述の順でベースポット11の装着凹部11aに組み付けて構成した上沓10と下沓20とを、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとが摺動可能に対向させて上沓10と下沓20とを組み付けて支承装置1を構成している。
上沓10の上沓摺動面10aと下沓20の下沓摺動面20aとが摺動可能に対向する支承装置1は、上部建造物の荷重を下部建造物で支承している。詳しくは、上部建造物の荷重が作用した上沓10の上沓摺動面10aは、下部建造物に備えた下沓20の下沓摺動面20aに対して、上部建造物の荷重に応じた接触圧で接触している。換言すると、下沓20の下沓摺動面20aは、上沓摺動面10aを上部建造物の荷重に応じた支圧で支持している。
しかしながら、摺動部30を構成するベアリングホルダ36の装着凹部36aに設けたシール用凸部39がスライドベアリング37の上面を部分的に他の部分よりも高い圧力で下方に押圧しているため、図4(c)に示すように、下沓摺動面20aに対する上沓摺動面10aの接触圧においてシール用凸部39に対応する箇所の接触箇所が他の部分に比べて部分的に高くなる高圧接触部40が形成される。
なお、シール用凸部39は、ベアリングホルダ36の装着凹部36aの凹状の外周角部に沿って周状に形成されているため、上沓摺動面10aの外周に沿って接触圧が他の部分より高い高圧接触部40が形成され、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとが摺動する摺動面間に異物が侵入することを防止することができる。つまり、シール用凸部39による接触圧が高い高圧接触部40は、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとの間に異物が侵入することを防止することができるダストシールとして機能することができる。
このように、下部建造物及び上部建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した下沓20及び上沓10で構成され、下沓20及び上沓10との対向部分における摺動面同士が摺動する支承装置1において、下沓摺動面20aを上沓摺動面10aに比べて面内方向に広く形成するとともに、上沓10に、上沓摺動面10aを構成する合成樹脂製のスライドベアリング37と、スライドベアリング37を保持するベアリングホルダ36と、スライドベアリング37とベアリングホルダ36との対向部分に設けられたシール用凸部39とを備え、上沓摺動面10aにおいて、シール用凸部39によって、下沓摺動面20aに対する接触圧が他の部分より高い周状の高圧接触部40を形成しているため、カバー部材を別途装着することなく、摺動面の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる。
詳述すると、スライドベアリング37とベアリングホルダ36との対向部分に設けられたシール用凸部39が上沓摺動面10aを構成する合成樹脂製のスライドベアリング37を押圧するため、上沓摺動面10aのシール用凸部39による押圧箇所の下沓摺動面20aに対する接触圧が他の部分より高い高圧接触部40が形成され、シール用凸部39は環状に形成されているため、環状の高圧接触部40を形成することができる。したがって、カバー部材を別途装着することなく、摺動面(10a,20a)の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる。
スライドベアリング37が、PTFE製板材で構成されているため、所望の滑り性能を有するとともに、シール用凸部39によって高圧接触部40を形成できるスライドベアリング37を構成することができる。
また、シール用凸部39が、装着凹部36aに設けられているため、別途部材を用いることなく、容易な加工によって所望の形状のシール用凸部39を構成することができる。
詳述すると、別部材であるシール用凸部を装着する場合、部品点数が増えたり、装着漏れが生じたりするおそれがある。また、加工性の高いベアリングホルダ36にシール用凸部を形成する場合に比べて合成樹脂製のスライドベアリング37にシール用凸部を形成することは困難であり、またコストの観点からも適さない。
したがって、装着凹部36aにシール用凸部39を形成することで、別部材やスライドベアリング37に設ける場合に比べて、容易な加工によって所望の形状のシール用凸部39を構成することができる。
また、高圧接触部40が上沓摺動面10aにおける外周縁に形成されるように、シール用凸部39をベアリングホルダ36aにおける外周角部において周状に形成しているため、高圧接触部40はいわゆるダストシールと同様の機能を奏し、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとの間の摺動面に、ゴミ、粉塵、あるいは埃などのダストの侵入を防止することができる。
なお、高圧接触部40をダストシールとして有効に機能させるためには、高圧接触部40の面圧がその他の部分の面圧よりも5Pa以上高いことが好ましい。よって、上部構造物の荷重及びスライドベアリング37の硬度等を考慮して、高圧接触部40の面圧がその他の部分の面圧よりも5Pa以上高くなるように、シール用凸部39の高さ(突出量)及び径方向幅を決定するとよい。
実施形態2
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図5は支承装置1Sの概略断面図を示し、図6は上沓10の分解斜視図を示し、図7は摺動部30Sの底面図を示し、図8は図5におけるa部の拡大説明図を示している。詳しくは、図8(a)は図5におけるa部の拡大図においてベアリングホルダ36Sからベアリング37Sを下方に分離した状態を示し、図8(b)はa部の拡大図を示し、図8(c)は図8(b)に対応し、下沓20の下沓摺動面20aに対して作用する上沓摺動面10aの接触圧を示している。なお、図6において、各要素の形状について理解を容易にするため手前側の一部を切欠いて図示している。
本実施形態の支承装置1Sにおいて、上述の支承装置1と同様の構成については同じ符号を用い、その説明を省略し、異なる構成について説明する。
具体的には、ベアリング35Sは、上述の支承装置1のベアリング35と同様に、ベアリングホルダ36Sと、スライドベアリング37Sとで構成している。
ベアリングホルダ36Sは、スライドベアリング37Sの厚みより浅い円形凹部である装着凹部36aの底面(装着凹部36aにおけるベアリングホルダ36Sの下面)に周状のシール用凸部39Sを形成している。
なお、シール用凸部39Sは、スライドベアリング37のシール用凸部39と同様に、摺動部30Sの厚み方向、すなわち摺動部30Sの高さ方向に突出しているため、組み付け状態で後述するスライドベアリング37Sを押圧するが、スライドベアリング37Sの上面全体がベアリングホルダ36Sの装着凹部36aの底面に接着固定できるとともに、スライドベアリング37Sの底面37aで構成する上沓摺動面10aと下沓20の下沓摺動面20aとの摩擦係数(滑り性能)が変わらない程度の高さで形成している。
また、シール用凸部39Sは、図7に示すように、後述する複数のディンプル38の面内方向の外側を囲むような円周形状で形成している。
スライドベアリング37Sは、支承装置1のスライドベアリング37と同様に自己潤滑性を有するとともに、表面が低摩擦係数のPTFE製の平面視円形の板状体であり、底面37aに潤滑材38aを保持可能な底面視円形のディンプル38を形成するとともに、底面37aが下沓20のスライドプレート22の表面である下沓摺動面20aと摺動する上沓摺動面10aを構成している。
なお、スライドベアリング37Sは、支承装置1のスライドベアリング37と同様に、適宜の変形性と強度を有し、上述のシール用凸部39Sの影響がおよぶ厚みで形成されており、本実施形態では、硬度がD50〜80程度、且つ2〜5mm厚のPTFE製の板材で形成している。
ディンプル38は、断面における上方向き円弧状の凹形状(半球状の窪み)であり、最大深さが1mm程度に形成しているが、0.5mm以上であって、スライドベアリング37Sを貫通しない深さで形成すればよい。
なお、ディンプル38は、図7に示すように、スライドベアリング37Sの底面37aにおいて、最も近い3つが正三角形配置となるように等間隔に配置されている。
このように各要素を構成した支承装置1Sの上沓10の摺動部30Sは、支承装置1と同様に、ベアリングホルダ36Sの装着凹部36aにスライドベアリング37Sを挿入し、接着固定してベアリング35Sを構成する(図5参照)。なお、ベアリング35Sでは、スライドベアリング37Sのうちシール用凸部39Sによって押圧される部分で高圧接触部40Sを構成している。
さらに、このように構成した上沓10及び下沓20を、上沓摺動面10aを構成するスライドベアリング37Sの底面37aに形成したディンプル38に潤滑材38aを充填し、上沓摺動面10aと下沓摺動面20aとが摺動可能に対向させて上沓10と下沓20とを組み付けて支承装置1Sを構成している。
このように構成した支承装置1Sにおいても、摺動部30Sを構成するベアリングホルダ36Sの装着凹部36aの底面に設けたシール用凸部39Sがスライドベアリング37Sの上面を部分的に他の部分よりも高い圧力で下方に押圧しているため、図8(c)に示すように、下沓摺動面20aに対する上沓摺動面10aの接触圧においてシール用凸部39Sに対応する箇所の接触箇所が他の部分に比べて部分的に高くなる高圧接触部40Sが形成される。
なお、シール用凸部39Sは、ベアリングホルダ36Sの装着凹部36aの底面において、複数のディンプル38の外側を囲むような径の円周形状に形成されているため、上沓摺動面10aの外周に沿って接触圧が他の部分より高い高圧接触部40Sによって径内側と径外側とを仕切ることができる。
このように構成した支承装置1Sは、上述の支承装置1によって奏する効果に加え、上沓摺動面10aに潤滑材38aを保持するディンプル38が設けられ、シール用凸部39Sは、ディンプル38の外側を包囲する箇所に設けられているため、ディンプル38で保持する潤滑材38aによって合成樹脂製のスライドベアリング37Sの摩耗を防止することができる。
また、高圧接触部40Sが、ディンプル38を囲むように、ディンプル38の外側に形成される。仮に、摺動による摩耗やディンプル38の変形によって潤滑材38aをディンプル38に保持できなくなっても、摺動面(10a,20a)の面内方向において内側と外側とを仕切ることができる環状の高圧接触部40Sによって、潤滑材38aが摺動面から漏れ出ることを防止できる。
なお、高圧接触部40Sを潤滑材38aのシールとして有効に機能させるためには、高圧接触部40Sの面圧がその他の部分の面圧よりも5Pa以上高いことが好ましい。よって、上部構造物の荷重及びスライドベアリング37の硬度等を考慮して、高圧接触部40Sの面圧がその他の部分の面圧よりも5Pa以上高くなるように、シール用凸部39Sの高さ(突出量)及び径方向幅を決定するとよい。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の第1建造物は本実施形態の下部建造物に対応し、
以下同様に、
第2建造物は上部建造物に対応し、
第1沓は下沓20に対応し、
第2沓は上沓10に対応し、
摺動面は摺動面(10a,20a)に対応し、
支承装置は支承装置1,1Sに対応し、
第1沓の摺動面及び広摺動面は、下沓摺動面20aに対応し、
第2沓の摺動面及び狭摺動面は、上沓摺動面10aに対応し、
滑り部材はスライドベアリング37,37Sに対応し、
保持部材はベアリングホルダ36,36Sに対応し、
凸状部はシール用凸部39,39Sに対応し、
高圧接触部は高圧接触部40,40Sに対応し、
保持部材における滑り部材との対向部分は装着凹部36aに対応し、
潤滑材は潤滑材38aに対応し、
ディンプルはディンプル38に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
上述の説明においては、免震構造における摺動面(10a,20a)における面内方向の任意の方向に可動する全方向可動支承である支承装置1,1Sについて説明したが、面内方向の一方向に可動する一方向可動支承としてもよいし、例えば橋脚で主桁を支持する場合の支承装置、ビルとビルとを連絡する渡り廊下をビルから支持する場合の支承装置、トラス屋根を柱で支持する場合の支承装置、あるいは、ビル同士を接続するエキスパンション構造における支承装置として用いてもよい。
また、上述の説明における上沓10の構成を下沓に備え、下沓20の構成を上沓に備えた支承装置を構成してもよい。
また、シール用凸部39及びシール用凸部39Sは、ベアリングホルダ36,36Sにおけるベアリングホルダ36aに形成したが、スライドベアリング37,37Sにおける上面に形成してもよく、スライドベアリング37,37Sの上面及びベアリングホルダ36aの底面の両方に形成してもよい。また、シール用凸部39及びシール用凸部39Sを、スライドベアリング37とベアリングホルダ36とは別部材で構成してもよい。さらには、例えば、シール用凸部39とシール用凸部39Sの両方を備えるというように、シール用凸部39やシール用凸部39Sを複数備えてもよい。
また、例えば、シール用凸部39に対応する箇所のスライドベアリング37の上面にシール用凸部39の突出量より低い深さの溝を形成し、シール用凸部39と溝とを嵌合させて組み付け、シール用凸部39による押圧量を調整してもよい。
また、シール用凸部39及びシール用凸部39Sは、断面矩形状に形成したが、断面半円形状、断面半楕円形状あるいは断面三角形状など適宜の断面形状で形成してもよいし、環状に構成するシール用凸部39及びシール用凸部39Sの突出量を変化させて構成してもよい。
さらにまた、シール用凸部39及びシール用凸部39Sは面内方向において円周形状に形成したが、楕円周形状、略矩形の周形状あるいは略三角形の周形状等の略多角形の周形状などいずれの形状としてもよい。
また、スライドベアリング37,37SをPTFE製板材で構成したが、PTFE製のみならず、適宜の変形性、強度、及び滑り性能を備えていれば、他の樹脂製素材で構成してもよい。
1,1S…支承装置
10…上沓
10a…上沓摺動面
20…下沓
20a…下沓摺動面
36,36S…ベアリングホルダ
36a…装着凹部
37,37S…スライドベアリング
38…ディンプル
38a…潤滑材
39,39S…シール用凸部
40,40S…高圧接触部

Claims (5)

  1. 第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓で構成され、前記第1沓及び前記第2沓との対向部分における摺動面同士が摺動する支承装置であって、
    前記第1沓の摺動面は、前記第2沓の摺動面に比べて面内方向に広い広摺動面で形成されるとともに、前記2沓の摺動面は狭摺動面で形成され、
    前記第2沓は、
    前記狭摺動面を構成する合成樹脂製の滑り部材と、該滑り部材を保持する保持部材と、前記滑り部材と前記保持部材との対向部分に設けられた凸状部とが備えられ、
    前記狭摺動面において、前記凸状部によって、前記広摺動面に対する接触圧が他の部分より高い環状の高圧接触部が形成された
    支承装置。
  2. 前記滑り部材が、PTFE製板材で構成された
    請求項1に記載の支承装置。
  3. 前記凸状部が、
    前記保持部材における前記滑り部材との対向部分に設けられた
    請求項1又は2に記載の支承装置。
  4. 前記凸状部が、前記狭摺動面における外周縁に対応する箇所に設けられた
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載の支承装置。
  5. 前記狭摺動面に、潤滑材を保持するディンプルが設けられ、
    前記凸状部は、前記ディンプルの外側を包囲する箇所に設けられた
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の支承装置。
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