JP2011112220A - 曲面滑り支承 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲面滑り支承において相互に摺動する面の滑りを潤滑にして滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させた曲面滑り支承を提供する。
【解決手段】曲面滑り支承1は、建物の基礎構造5に固定され、上向きに凹状の球面を有する下部球面支承2と、建物の上部構造6に固定され、上向きに凸状の球面を有する上部球面支承3と、下部球面支承2と上部球面支承3との間に設けられ、下部球面支承2の球面7aに摺動自在に対向する下部球面9と、上部球面支承3の球面7bに摺動自在に対向する上部球面10とを有するスライダ4と、を備え、下部球面支承2の球面内7aには、スライダ4の下部球面9が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材15が充填され、上部球面支承3の球面7bとスライダ4の上部球面10とは固体潤滑材を介して摺動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、曲面滑り支承に係り、特に、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承に関する。
免震装置とは、建物の上部構造と基礎構造とを絶縁(Isolate)し、上部構造を長周期化して上部構造へ入力する地震エネルギを低減する装置をいう。この免震装置には、例えば、積層ゴム支承(鉛プラグ入り積層ゴム支承を含む)による免震装置、ボールベアリング方式による免震装置、すべり支承による免震装置などがある。
積層ゴム支承による免震装置は、適当な厚さのゴムと鉄板を交互に積重ね、高温・高圧で接着した構造を有する。この積層ゴム支承は、地震時などに鉄板とゴムとによる鉛直方向の高い剛性で建物重量を支えて安定させ、水平方向の大きな変形を積層ゴムのせん断変形で吸収して建物の上部構造を免震させる装置である。
ボールベアリング方式による免震装置、及び滑り支承による免震装置は、共にトライボロジ−(Tribology)と呼ばれる現象に関する技術を応用した免震装置である。このトライボロジ−は「相対運動をしながら相互作用及ぼしあう表面」に関する科学技術であり、摩擦、磨耗、潤滑などを対象とする。
ボールベアリング方式による免震装置は、建物の上部構造に固定された上部球面支承と、建物の基礎構造の固定された下部球面支承と、上部球面支承と下部球面支承との間に設けられた球体とから構成され、球体の転がり摩擦係数が低い点を利用し、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギにより吸収して建物の上部構造を免震させる装置である。
特許文献1には、ボールベアリング装置による免震構造が開示されている。ここでは、鋼材、セラミック等の硬質素材で成形した上盤と下盤と、両盤の間に介在させる多数の球体とから構成され、構造物を支える上盤の下面に球状凸面を形成し、地盤上に設置された下盤の上面に球状凹面を設けた免震装置が記載されている。
一方、滑り支承による免震装置は、曲面滑り支承(Friction Pendulam System)として知られている。この滑り支承は、対向する球面に滑り摩擦係数の低いセラミックなどを用いて摺動させ建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギにより吸収して建物の上部構造を免震させる装置である。
特許文献2には、滑り支承の一種である振り子型の免震装置が開示されている。ここでは、水平方向に可動な摺動子と、摺動子の下面が摺動自在に当接する上面と、摺動子の上面が摺動自在に当接する下面とを有することが記載されている。
特開2001−32568号公報 特許第3951382号公報
積層ゴム支承による免震装置は、その機構が複雑であり部品の種類が多い。従って、製作に時間がかかり品質管理も難しいため高価な装置となってしまうという問題がある。
また、ボールベアリング式の曲面滑り支承は、その免震性能が上下の曲面支承と多数個のボールベアリングとの製作精度に依存することから相互に摺動する支承とボールベアリングとの滑りを潤滑にするには高度な技術を要するという問題がある。また、滑り摩擦力を調整することは難しい。
本願の目的は、かかる課題を解決し、曲面滑り支承において相互に摺動する面の滑りを潤滑にして滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させた曲面滑り支承を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の球面を有する下部球面支承と、建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の球面を有する上部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承の球面に摺動自在に対向する下部球面と、上部球面支承の球面に摺動自在に対向する上部球面とを有するスライダと、を備え、下部球面支承の球面内にはスライダの下部球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部球面支承の球面とスライダの上部球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承、上部球面支承、及びそれらの間に設けられるスライダから構成され、下部球面支承の球面とスライダの下部球面、及び上部球面支承の球面とスライダの下部球面がそれぞれ摺動する機構となる。そして、下部球面支承の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の球面の表面とスライダの下部球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、相互に摺動する上部球面支承の球面の表面とスライダの上部球面の表面には固体潤滑材が介在することで相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量や固体潤滑材の厚みにより滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部球面支承の球面内に充填される粉体潤滑材が、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承又は球面スライダの上部球面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。また、層状結晶構造という特性を有する固体潤滑材が積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
また、曲面滑り支承は、スライダの下部球面の表面又は上部球面の表面には、複数のディンプルが設けられることが好ましく、また、スライダの下部球面の表面又は上部球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることが好ましい。これにより、摺動時において粉体潤滑材や固体潤滑材の脱落を防止することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の球面を有する下部球面支承と、建物の上部構造に固定される上部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承に摺動自在に対向する球面を有するスライダと、を備え、スライダは締結具により上部球面支承に固定され、下部球面支承の球面内にはスライダの球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填されることを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承、下部球面支承及びスライダから構成され、下部球面支承の球面とスライダの下部球面が摺動する機構となる。そして、下部球面支承の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の球面の表面とスライダの下部球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量により滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部球面支承の球面内に充填される粉体の固体潤滑材が、ボールベアリング球形微粒子であることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。
また、曲面滑り支承は,スライダの球面の表面には、複数のディンプルが設けられることが好ましく、また、スライダの球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることが好ましい。これにより、摺動時において粉体潤滑材の脱落を防止することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、建物の上部構造に固定され、中央部において上向きに凸状であり、第1の球面の球面半径より小さな球面半径である第2の球面を有する上部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、上部球面支承の第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、を有するスライダと、を備え、下部球面支承の第1の球面内にはスライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、スライダの第2の球面と下部球面支承の第2の球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承、上部球面支承、及びそれらの間に設けられるスライダから構成され、下部球面支承の第1の球面とスライダの第1の球面、及び上部球面支承の第2の球面とスライダの第2の球面がそれぞれ摺動する機構となる。そして、下部球面支承の第1の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の第1の球面の表面とスライダの第1の球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、相互に摺動する上部球面支承の第2の球面の表面とスライダの第2の球面の表面には固体潤滑材が介在することで相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量や固体潤滑材の厚みにより滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体潤滑材が、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承の第2の球面の表面又はスライダの第2の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。また、層状結晶構造という特性を有する固体潤滑材が積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、建物の基礎構造に固定され、中央部において上向きに凹状であり、第1の球面の球面半径より小さな球面半径である第2の球面を有する下部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、下部球面支承の第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、を有するスライダと、を備え、下部球面支承の第2の球面内にはスライダの第2の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承、上部球面支承、及びそれらの間に設けられるスライダから構成され、下部球面支承の第2の球面とスライダの第2の球面、及び上部球面支承の第1の球面とスライダの第1の球面がそれぞれ摺動する機構となる。そして、下部球面支承の第2の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の第2の球面の表面とスライダの第2の球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、相互に摺動する上部球面支承の第1の球面の表面とスライダの第1の球面の表面には固体潤滑材が介在することで相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量や固体潤滑材の厚みにより滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部球面支承の第2の球面内に充填される粉体潤滑材が、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承の第1の球面の表面又はスライダの第1の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。また、層状結晶構造という特性を有する固体潤滑材が積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
また、曲面滑り支承は,スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、複数のディンプルが設けられることが好ましく、また、スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることが好ましい。これにより、摺動時において粉体潤滑材や固体潤滑材の脱落を防止することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、第1の球面の球面半径より小さな球面半径を有する第2の球面と、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する下部スライダと、下部スライダの第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する上部スライダと、を備え、下部球面支承の第1の球面内には下部スライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダの第2の球面と上部スライダの第2の球面とは、固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承と、上部球面支承と、それらの間に設けられる上部スライダ及び下部スライダとから構成され、下部球面支承の第1の球面と下部スライダの第1の球面、上部球面支承の第1の球面と上部スライダの第1の球面、及び下部スライダの第2の球面と上部スライダの第2の球面がそれぞれ摺動する機構となる。そして、下部球面支承の第1の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の第1の球面の表面と下部スライダの第1の球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、相互に摺動する上部球面支承の第1の球面の表面と上部スライダの第1の球面の表面、及び下部スライダの第2の球面と上部スライダの第2の球面とには固体潤滑材が介在することで相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量や固体潤滑材の厚みにより滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部スライダの第2の球面が、上向きに凸状又は上向きに凹状のいずれかであることが好ましい。これにより、下部スライダの第2の球面と上部部スライダの第2の球面との摺動面は、基礎構造や上部構造の構造特性により、上向きに凸状又は上向きに凹状のいずれか最適な構成を選択することができる。
また、曲面滑り支承は,下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部スライダの第1の球面の表面又は上部球面支承の第1の球面の表面のいずれか、及び、下部スライダの第2の球面の表面又は上部スライダの第2の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。また、層状結晶構造という特性を有する固体潤滑材が積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
また、曲面滑り支承は,下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、複数のディンプルが設けられることが好ましく、また、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることが好ましい。これにより、摺動時において粉体潤滑材や固体潤滑材の脱落を防止することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る曲面滑り支承は、建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、上向きに凹状であり第1の球面の球面半径より小さな球面半径を有する第2の球面と、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する下部スライダと、上向きに凸状の第2の球面と、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面とを有する上部スライダと、上部スライダと下部スライダとの間に設けられ、下部スライダと摺動自在に対向する第2の球面と、上部スライダと摺動自在に対向する第2の球面とを有する中間部スライダと、を備え、下部球面支承の第1の球面内には下部スライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面、又は上部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面とは、固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする。
上記構成により、曲面滑り支承は、下部球面支承と、上部球面支承と、それらの間に設けられる上部スライダ、下部スライダ及び中間部スライダとから構成され、下部球面支承の第1の球面と下部スライダの第1の球面、上部球面支承の第1の球面と上部スライダの第1の球面、下部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面、及び上部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面がそれぞれ摺動する機構となる。そして、下部球面支承の第1の球面内に粉体潤滑材を充填することで、粉体潤滑材が下部球面支承の第1の球面の表面と下部スライダの第1の球面の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、相互に摺動する上部球面支承の第1の球面と上部スライダの第1の球面、下部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面、又は上部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面には固体潤滑材が介在することで相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。さらに、粉体潤滑剤の量や固体潤滑材の厚みにより滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させることができる。
また、曲面滑り支承は、下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体の固体潤滑材が、ボールベアリング球形微粒子であり、上部スライダの第1の球面又は上部球面支承の第1の球面のいずれか、下部スライダの第2の球面の表面又は中間部スライダの第2の球面の表面、あるいは上部スライダの第2の球面の表面又は中間部スライダの第2の球面の表面には、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることが好ましい。これにより、球形の特性を有するボールベアリング球形微粒子がボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。また、層状結晶構造という特性を有する固体潤滑材が積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
また、曲面滑り支承は,下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は中間部スライダの第2の球面にの表面は、複数のディンプルが設けられることが好ましく、また、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は中間部スライダの第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることが好ましい。これにより、摺動時において粉体潤滑材や固体潤滑材の脱落を防止することができる。
さらに、これらの曲面滑り支承は,固体潤滑材であるボールベアリング球形微粒子には、カーボンオニオンが含まれ、相層状結晶構造を有する固体潤滑材には、二硫化モリブデンが含まれることが好ましい。
以上のように、本発明に係る曲面滑り支承によれば、曲面滑り支承において相互に摺動する面の滑りを潤滑にして滑り摩擦力を調整し、免震装置としての性能を向上させた曲面滑り支承を提供することができる。
本発明に係る曲面滑り支承の第1実施形態の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態の他の実施例の概略構成を示す断面図である。 本発明に係る曲面滑り支承の第2実施形態の概略構成を示す断面図である。 第2実施形態の他の実施例の概略構成を示す断面図である。 本発明に係る曲面滑り支承の第3実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明に係る曲面滑り支承の第4実施形態の概略構成を示す断面図である。 スライダの球面上に設けられるディンプル及び溝部を示す説明図である。
以下に、図面を用いて本発明に係る曲面滑り支承の実施形態につき、詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明に係る曲面滑り支承1の第1実施形態を示す。図1(a)は、曲面滑り支承1を水平面で切断した図1(b)のB−B断面を示し、図1(b)は、曲面滑り支承1を鉛直面で切断した図1(a)のA−A断面を示す。本実施形態の曲面滑り支承1は、下部球面支承2、上部球面支承3、及びスライダ4から構成される。そして、この曲面滑り支承1は、建物の基礎構造5に入力された地震エネルギをスライダ4が下部球面支承2及び上部球面支承3に対して摺動することで、位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造6を基礎構造5に対して免震させる。
下部球面支承2は、建物の基礎構造5に固定される。本実施形態では、下部球面支承2は矩形であり、四隅に基礎構造5に接続させるための接続ボルト孔11aが設けられているが、下部球面支承2は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、基礎構造5に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。この下部球面支承2の上面には、矩形の下部球面支承2の内側に円形の範囲に曲率半径がRである球面7aが設けられる。
上部球面支承3は、建物の上部構造6に固定される。本実施形態では、上部球面支承3は矩形であり、四隅に上部構造6に接続させるための接続ボルト孔11bが設けられているが、上部球面支承3は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、上部構造6に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。また、本実施形態では、上部球面支承3と下部球面支承2との外形は略同一とするが、必ずしも同一である必要はない。また、本実施形態では、上部球面支承3の球面7bと下部球面支承2の球面7aとの範囲は略同一とするが、異なる範囲であっても良い。この上部球面支承3の下面には、矩形の上部球面支承3の内側に円形の範囲に曲率半径がRである球面7bが設けられる。本実施形態の曲率半径Rと曲率半径Rとは、略同一とするが、異なる値であっても良い
スライダ4は、下部球面支承2と上部球面支承3との間に設けられ、下部球面支承2の球面7aに摺動自在に対向する下部球面9と、上部球面支承3の球面7bに摺動自在に対向する上部球面10とを有する。図1(b)に示すように、スライダ4の下部球面9の曲率半径は球面7aの曲率半径と同様にRであり、上部球面10の曲率半径は球面7bの曲率半径と同様にRであり、それぞれ同じ曲率半径を有することにより摺動できる。
下部球面支承2の球面7a内には、スライダ4の下部球面9が球面7a内で摺動する範囲に亘って粉体潤滑材15が充填される。すなわち、スライダ4は、充填された粉末状の粉体潤滑材15を常に介して下部球面支承2の球面7a内を摺動する。ここで、粉体潤滑材とは、固体潤滑材を微細化して粉末状にしたものをいう。本実施形態では、この粉体潤滑材15は、例えばカーボンオニオンなどのボールベアリング球形微粒子である。カーボンオニオンは、黒鉛(グラファイト)が玉ねぎのように層になって重なった直径5〜10ナノメートルの球状の微粒子である。カーボンオニオンは、この球状構造により極めて低い摩擦係数及び潤滑性を有することが知られている。この球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承2の球面7aの表面とスライダ4の下部球面9の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承2の球面7aとスライダ4の下部球面9との摺動に伴い回転し、ボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。
スライダ4の上部球面10と上部球面支承3の球面7bとは固体潤滑材(図示せず)を介して摺動する。すなわち、本実施形態では、この固体潤滑材は、例えば、二硫化モリブデンなどの層状結晶構造を有する固体潤滑材である。この層状結晶構造を有する二硫化モリブデン(MoS)は、モリブデンと硫黄からなる無機化合物である。そして、二硫化モリブデンは、六方晶型の層状結晶構造を持ち、各層はモリブデンの層の両面を硫黄で挟んだ構成となっている。二硫化モリブデンは、モリブデンと硫黄の結合が強固であるのに対して層と層を繋ぐ硫黄同士の結合は弱いため、せん断力が加わると容易に層間がずれるというという構造的な特性を有する。二硫化モリブデンは、この層状結晶構造の層間変形により極めて低い摩擦係数及び潤滑性を有することが知られている。本実施形態では、この層状結晶構造を有する二硫化モリブデンが上部球面支承3の球面7b、或いは摺動するスライダ4の上部球面10のいずれかに塗布される。
この固体潤滑材である二硫化モリブデンは、上部球面支承3の球面7b側に塗布されても良く、スライダ4の上部球面10及び上部球面支承3の球面7bの両側に塗布されても良い。ここで、「塗布する」ことには、蒸着、焼付けなどスライダ4の上部球面10の表面、或いは上部球面支承3の球面7bの表面に固体潤滑材を定着させるあらゆる手段が含まれる。この層状結晶構造という特性を有する二硫化モリブデンがスライダ4の上部球面10、又は上部球面支承3の球面7bに塗布されることで、積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
(第1実施形態の他の実施例)
図2に、第1実施形態の他の実施例を示す。この実施例では、スライダ4が摺動固定ボルト12により上部球面支承3に固定される。また、下部球面支承2の球面7a内にはスライダ4の下部球面9が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材15が充填され、スライダ4の上部球面10及び上部球面支承3の球面7bには固体潤滑材は塗布されない。それ以外の構成は上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。この上部球面支承3は、下面が球面状ではなく平板状であり、スライダ4の上部球面10も同様に平板であっても良い。この実施例の構成により、曲面滑り支承1の構成を簡易なものとし、製作コストを低減することができる。
(第2実施形態)
図3に、本発明に係る曲面滑り支承の第2実施形態を示す。図3(a)は、曲面滑り支承100を水平面で切断した図3(b)のD−D断面を示し、図3(b)は、曲面滑り支承100を鉛直面で切断した図3(a)のC−C断面を示す。本実施形態の曲面滑り支承100は、下部球面支承102、上部球面支承103、及びスライダ104から構成される。そして、この曲面滑り支承100は、建物の基礎構造105に入力された地震エネルギをスライダ104が下部球面支承102及び上部球面支承103に対して摺動することで、位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造106を基礎構造105に対して免震させる。
下部球面支承102は、建物の基礎構造105に固定される。本実施形態では、下部球面支承102は矩形であり、四隅に基礎構造105に接続させるための接続ボルト孔111aが設けられているが、下部球面支承102は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、基礎構造105に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。この下部球面支承102の上面には、矩形の下部球面支承102の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第1球面107が設けられる。
上部球面支承103は、建物の上部構造106に固定され、中央部において上向きに凸状であり、第1球面107の球面半径より小さな球面半径Rである第2球面108を有する。本実施形態では、上部球面支承103は矩形であり、四隅に上部構造106に接続させるための接続ボルト孔111bが設けられているが、上部球面支承103は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、上部構造106に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。また、本実施形態では、上部球面支承103と下部球面支承102との外形は略同一とするが、必ずしも同一である必要はない。この上部球面支承103の下面には、矩形の上部球面支承103の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第2球面108が設けられる。
スライダ104は、下部球面支承102と上部球面支承103との間に設けられ、下部球面支承102の第1球面107に摺動自在に対向する第1球面109と、上部球面支承103の第2球面108に摺動自在に対向する第2球面110と、を有する。図3(b)に示すように、スライダ104の第1球面109の曲率半径は下部球面支承102の第1球面107の曲率半径と同様にRであり、スライダ104の第2球面110の曲率半径は上部球面支承103の第2球面108の曲率半径と同様にRであり、それぞれ同じ曲率半径を有することにより摺動できる。
下部球面支承102の第1球面107内には、スライダ104が第1球面107内で摺動する範囲に亘って粉体潤滑材115が充填される。すなわち、スライダ104は、充填された粉末状の粉体潤滑材115を常に介して下部球面支承102の第1球面107内を摺動する。本実施形態でも、粉体潤滑材は第1実施形態と同様に、例えばカーボンオニオンなどのボールベアリング球形微粒子であるため説明を省略する。この球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承102の第1球面107の表面とスライダ104の第1球面109の表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承102の第1球面107とスライダ104の第2球面109との摺動に伴い回転し、ボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。
スライダ104の第2球面108と上部球面支承103の第2球面110とは固体潤滑材を介して摺動する。本実施形態でもこの固体潤滑材は、例えば、二硫化モリブデンなどの層状結晶構造を有する固体潤滑材であるため、説明を省略する。本実施形態では、この層状結晶構造を有する二硫化モリブデンが上部球面支承103の第2球面108、又は摺動するスライダ104の第2球面110に塗布される。
この固体潤滑材である二硫化モリブデンは、上部球面支承103の第2球面108側に塗布されても良く、スライダ104の第2球面110及び上部球面支承103の第2球面108の両側に塗布されても良い。ここで、「塗布する」ことには、蒸着、焼付けなどスライダ104の第2球面110の表面、又は上部球面支承103の第2球面108の表面に固体潤滑材を定着させるあらゆる手段が含まれる。この層状結晶構造という特性を有する二硫化モリブデンがスライダ104の第2球面110、又は上部球面支承103の第2球面108に塗布されることで、積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
(第2実施形態の他の実施例)
図4に、第2実施形態の他の実施例を示す。この実施例では、上部球面支承103は、建物の上部構造106に固定され、上向きに凸状の第1球面107を有する。また、下部球面支承102は、建物の基礎構造105に固定され、中央部において上向きに凹状であり、第1球面107の球面半径より小さな球面半径Rである第2球面108を有する。そして、スライダ104は、下部球面支承102と上部球面支承103との間に設けられ、上部球面支承103の第1球面107に摺動自在に対向する第1球面109と、下部球面支承102の第1球面109に摺動自在に対向する第2球面110とを有する。すなわち、この実施例は、第2実施形態におけるスライダ104が上下逆になった構成である。
そして、下部球面支承102の第2球面108内にはスライダ104が第2球面108内で摺動する範囲に亘って粉体潤滑材115が充填され、スライダ104の第2球面110と上部球面支承103の第1球面107とは固体潤滑材115を介して摺動する。
(第3実施形態)
図5に、本発明に係る曲面滑り支承の第3実施形態を示す。図5(a)は、曲面滑り支承200を水平面で切断した図5(b)のF−F断面を示し、図5(b)は、曲面滑り支承200を鉛直面で切断した図5(a)のE−E断面を示す。本実施形態の曲面滑り支承200は、下部球面支承202と、上部球面支承203と、下部スライダ204a及び上部スライダ204bから構成される。そして、この曲面滑り支承200は、建物の基礎構造205に入力された地震エネルギを下部スライダ204aが下部球面支承202に、上部スライダ204bが上部球面支承203に、そして下部スライダ204aと上部スライダ204bとが摺動することで、位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造206を基礎構造205に対して免震させる。
下部球面支承202は、建物の基礎構造205に固定される。本実施形態では、下部球面支承202は矩形であり、四隅に基礎構造205に接続させるための接続ボルト孔211aが設けられているが、下部球面支承202は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、基礎構造205に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。この下部球面支承202の上面には、矩形の下部球面支承202の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第1球面207aが設けられる。
上部球面支承203は、建物の上部構造206に固定される。本実施形態では、上部球面支承203は矩形であり、四隅に上部構造206に接続させるための接続ボルト孔211bが設けられているが、上部球面支承203は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、上部構造206に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。また、本実施形態では、上部球面支承203と下部球面支承202との外形は略同一とするが、必ずしも同一である必要はない。この上部球面支承203の下面には、矩形の上部球面支承203の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第1球面207bが設けられる。
下部スライダ204a及び上部スライダ204bは、下部球面支承202と上部球面支承203との間に設けられ、上部スライダ204b及び下部スライダ204aから構成される。下部スライダ204aは、その上面に球面半径Rである第2球面209bと、下部球面支承202の第1球面207aに摺動自在に対向する球面半径Rの第1球面209aとを有する。上部スライダ204bは、下部スライダ204aの第2球面209bに摺動自在に対向する第2球面210aと、上部球面支承203の第1球面207bに摺動自在に対向する第1球面210bとを有する。
図5(b)に示すように、下部スライダ204aの第1球面209aの曲率半径は下部球面支承202の第1球面207aの曲率半径と同様にRであり、上部スライダ204bの第1球面210bの曲率半径は上部球面支承203の第1球面207bの曲率半径と同様にRであり、下部スライダ204aの第2球面209bの曲率半径は上部スライダ204bの第2球面210aの曲率半径と同様にRであり、それぞれ同じ曲率半径を有することにより摺動できる。
下部球面支承202の第1球面207a内には、下部スライダ204aが第1球面207a内で摺動する範囲に亘って粉体潤滑材215が充填される。すなわち、下部スライダ204aは、充填された粉末状の粉体潤滑材215を常に介して下部球面支承202の第1球面207a内を摺動する。本実施形態でも、粉体潤滑材215は第1実施形態と同様に、例えばカーボンオニオンなどのボールベアリング球形微粒子であるため説明を省略する。この球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承202の第1球面207aの表面と下部スライダ204aの第1球面209aの表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承202の第1球面207aと下部スライダ204aの第1球面209aとの摺動に伴い回転し、ボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。
上部スライダ204bの第1球面210bと上部球面支承203の第1球面207bとは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダ204aの第2球面209bと上部スライダ204bの第2球面210aとは、固体潤滑材を介して摺動する。本実施形態でもこの固体潤滑材は、例えば、二硫化モリブデンなどの層状結晶構造を有する固体潤滑材であるため、説明を省略する。本実施形態では、この層状結晶構造を有する二硫化モリブデンが上部スライダ204bの第1球面210b、或いは下部スライダ204aの第2球面209b又は上部スライダ204bの第2球面210aのいずれかに塗布される。
この固体潤滑材である二硫化モリブデンは、上部球面支承203の第1球面207b側に塗布されても良く、下部スライダ204aの第2球面209b及び上部スライダ204bの第2球面210aの両側に塗布されても良い。ここで、「塗布する」ことには、蒸着、焼付けなど、上部スライダ204bの第1球面210b、下部スライダ204aの第2球面209bの表面、又は上部スライダ204bの第2球面210aの表面に固体潤滑材を定着させるあらゆる手段が含まれる。この層状結晶構造という特性を有する二硫化モリブデンが塗布されることで、積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
(第4実施形態)
図6に、本発明に係る曲面滑り支承の第4実施形態を示す。図6(a)は、曲面滑り支承300を水平面で切断した図6(b)のH−H断面を示し、図6(b)は、曲面滑り支承300を鉛直面で切断した図6(a)のG−G断面を示す。本実施形態の曲面滑り支承300は、下部球面支承302と、上部球面支承303と、下部スライダ304a、上部スライダ304b及び中間部スライダ304cから構成される。そして、この曲面滑り支承300は、建物の基礎構造305に入力された地震エネルギを下部スライダ304aが下部球面支承302に、上部スライダ304bが上部球面支承303に、そして下部スライダ304aと上部スライダ304bとがそれぞれ中間部スライダ304cと摺動することで、位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造306を基礎構造305に対して免震させる。
下部球面支承302は、建物の基礎構造305に固定される。本実施形態では、下部球面支承302は矩形であり、四隅に基礎構造305に接続させるための接続ボルト孔311aが設けられているが、下部球面支承302は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、基礎構造305に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。この下部球面支承302の上面には、矩形の下部球面支承302の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第1球面307aが設けられる。
上部球面支承303は、建物の上部構造306に固定される。本実施形態では、上部球面支承303は矩形であり、四隅に上部構造306に接続させるための接続ボルト孔311bが設けられているが、上部球面支承303は矩形に限らず、例えば円形などの外形であっても良い。また、上部構造306に対する接続方法もボルト接合に限らず、例えば溶接接合などであっても良い。また、本実施形態では、上部球面支承303と下部球面支承302との外形は略同一とするが、必ずしも同一である必要はない。この上部球面支承303の下面には、矩形の上部球面支承303の内側に円形の範囲に曲率半径がRである第1球面307bが設けられる。
本実施形態のスライダ304は、下部球面支承302と上部球面支承303との間に設けられ、下部スライダ304a、上部スライダ304b及び中間部スライダ304cから構成される。下部スライダ304aは、上向きに凹状である球面半径Rを有する第2球面309bと、下部球面支承302の第1球面307aに摺動自在に対向する第1球面309aとを有する。上部スライダ304bは、上向きに凸状の第2球面310aと、上部球面支承303の第1球面307bに摺動自在に対向する第1球面310bとを有する。中間部スライダ304cは、下部スライダ304aと上部スライダ304bとの間に設けられ、下部スライダ304aと摺動自在に対向する第2球面308aと、上部スライダ304bと摺動自在に対向する第2球面308bとを有する。
図6(b)に示すように、下部スライダ304aの第1球面309aの曲率半径は下部球面支承302の第1球面307aの曲率半径と同様にRであり、上部スライダ304bの第1球面310bの曲率半径は、上部球面支承303の第1球面307bの曲率半径と同様にRであり、下部スライダ304aの第2球面309b及び上部スライダ304bの第2球面310aの曲率半径は、中間部スライダ304cの第2球面308a,308bの曲率半径と同様にRであり、それぞれ同じ曲率半径を有することにより摺動できる。
下部球面支承302の第1球面307a内には、下部スライダ304aが第1球面307a内で摺動する範囲に亘って粉体潤滑材315が充填される。すなわち、下部スライダ304aは、充填された粉末状の粉体潤滑材315を常に介して下部球面支承302の第1球面307a内を摺動する。本実施形態でも、粉体潤滑材は第1実施形態と同様に、例えばカーボンオニオンなどのボールベアリング球形微粒子であるため説明を省略する。この球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承302の第1球面307aの表面と下部スライダ304aの第1球面309aの表面との微小な凹凸を補って相互に摺動する面の滑りを潤滑にすることができる。また、球状構造のカーボンオニオンが下部球面支承302の第1球面307aと下部スライダ304aの第1球面309aとの摺動に伴い回転し、ボールベアリング式の曲面滑り支承の原理に類似する効果を発揮することができる。
上部スライダ304bの第1球面310bと上部球面支承303の第1球面307bとは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダ304aの第2球面309bと中間部スライダ304cの第2球面308aとは固体潤滑材を介して摺動し、更に上部スライダ304bの第2球面310aと中間部スライダ304cの第2球面308bとは、固体潤滑材を介して摺動する。本実施形態でもこの固体潤滑材は、例えば、二硫化モリブデンなどの層状結晶構造を有する固体潤滑材であるため、説明を省略する。本実施形態では、この層状結晶構造を有する二硫化モリブデンが各摺動面に塗布される。
この固体潤滑材である二硫化モリブデンは、上部スライダ304bの第1球面310b又は上部球面支承303の第1球面307bのいずれかに塗布されても良く、両面に塗布されても良い。また、下部スライダ304aの第2球面309bと中間部スライダ304cの第2球面308aのいずれかに塗布されても良く、両面に塗布されても良い。さらに、上部スライダ304bの第2球面310aと中間部スライダ304cの第2球面308bのいずれかに塗布されても良く、両面に塗布されても良い。ここで、「塗布する」ことには、蒸着、焼付けなどスライダの表面に固体潤滑材を定着させるあらゆる手段が含まれる。この層状結晶構造という特性を有する二硫化モリブデンが塗布されることで、積層ゴム支承の免震構造の原理に類似する効果を発揮することができる。
以下に、各実施形態のスライダの球面上に共通に設けられるディンプル及び溝部を図7に示す。図7(a)は、スライダ4,104,204a,204b,304a,304b,304cの各球面9,10,109,110,209a,209b,210a,210b,308a,308b,309a,309b,310a310bそれぞれの表面に設けられた場合の複数のディンプル13を示す。図7(b)は、スライダ4,104,204a,204b,304a,304b,304cの各球面9,10,109,110,209a,209b,210a,210b,308a,308b,309a,309b,310a310bそれぞれの表面に設けられた場合の溝14を示す。ここで、図7(c)には、第1実施形態のスライダ4の下部球面9及び上部球面10を示し、図7(d)には、第2実施形態のスライダ104の第1球面109及び第2球面110を示し、図7(e)には、第3実施形態のスライダ204a,204bの第1球面209a,210b及び第2球面209b,210aを示し、図7(f)には、第4実施形態のスライダ304a,304b,304cの第1球面309a,310b及び第2球面308a,308b,309b,310aを示す。
これらのスライダ4,104,204a,204b,304a,304b,304cに複数のディンプル13又は複数の溝14を設けることで、摺動時において粉体潤滑材や固体潤滑材がディンプル13又は複数の溝14の一部がディンプル13又は複数の溝14内に補脱され、それらの脱落を防止する効果を発揮する。
1,100,200,300 曲面滑り支承、2,102,202,302 下部球面支承、3,103,203,303 上部球面支承、4,104,204a,204b,304a,304b,304c スライダ、5,105,205,305 基礎構造、6,106,206,306 上部構造、7a,7b 球面、9 下部球面、10 上部球面、11a,11b,111a,111b,211a,211b,311a,311b 接続ボルト孔、12 摺動固定ボルト、13 ディンプル、14 溝部、15 粉体潤滑剤、107,109,207a,207b,209a,210b,307a,307b,309a,310b 第1球面、108,110,209b,210a,308a,308b,309b,310a 第2球面、R〜R 曲率半径。

Claims (24)

  1. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の球面を有する下部球面支承と、
    建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の球面を有する上部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承の球面に摺動自在に対向する下部球面と、上部球面支承の球面に摺動自在に対向する上部球面とを有するスライダと、を備え、
    下部球面支承の球面内にはスライダの下部球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部球面支承の球面とスライダの上部球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする曲面滑り支承。
  2. 請求項1に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の球面内に充填される粉体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承又は球面スライダの上部球面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることを特徴とする曲面滑り支承。
  3. 請求項1又は2に記載の曲面滑り支承であって、スライダの下部球面の表面又は上部球面の表面には、複数のディンプルが設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  4. 請求項1又は2に記載の曲面滑り支承であって、スライダの下部球面の表面又は上部球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  5. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の球面を有する下部球面支承と、
    建物の上部構造に固定される上部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承に摺動自在に対向する球面を有するスライダと、を備え、
    スライダは締結具により上部球面支承に固定され、
    下部球面支承の球面内にはスライダの球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填されることを特徴とする曲面滑り支承。
  6. 請求項5に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の球面内に充填される粉体の固体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であることを特徴とする曲面滑り支承。
  7. 請求項5又は6に記載の曲面滑り支承であって、スライダの球面の表面には、複数のディンプルが設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  8. 請求項5又は6に記載の曲面滑り支承であって、スライダの球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  9. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、
    建物の上部構造に固定され、中央部において上向きに凸状であり、第1の球面の球面半径より小さな球面半径である第2の球面を有する上部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、上部球面支承の第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、を有するスライダと、を備え、
    下部球面支承の第1の球面内にはスライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、スライダの第2の球面と下部球面支承の第2の球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする曲面滑り支承。
  10. 請求項9に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承の第2の球面の表面又はスライダの第2の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることを特徴とする曲面滑り支承。
  11. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、
    建物の基礎構造に固定され、中央部において上向きに凹状であり、第1の球面の球面半径より小さな球面半径である第2の球面を有する下部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、下部球面支承の第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、を有するスライダと、を備え、
    下部球面支承の第2の球面内にはスライダの第2の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする曲面滑り支承。
  12. 請求項11に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の第2の球面内に充填される粉体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部球面支承の第1の球面の表面又はスライダの第1の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることを特徴とする曲面滑り支承。
  13. 請求項9乃至12のいずれか1に記載の曲面滑り支承であって、スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、複数のディンプルが設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  14. 請求項9乃至12のいずれか1に記載の曲面滑り支承であって、スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  15. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、
    建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、第1の球面の球面半径より小さな球面半径を有する第2の球面と、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する下部スライダと、
    下部スライダの第2の球面に摺動自在に対向する第2の球面と、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する上部スライダと、を備え、
    下部球面支承の第1の球面内には下部スライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダの第2の球面と上部スライダの第2の球面とは、固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする曲面滑り支承。
  16. 請求項15に記載の曲面滑り支承であって、下部スライダの第2の球面は、上向きに凸状又は上向きに凹状のいずれかであることを特徴とする曲面滑り支承。
  17. 請求項15又は16に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部スライダの第1の球面の表面又は上部球面支承の第1の球面の表面のいずれか、及び、下部スライダの第2の球面の表面又は上部スライダの第2の球面の表面のいずれかには、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることを特徴とする曲面滑り支承。
  18. 請求項15乃至17のいずれか1に記載の曲面滑り支承であって、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、及び上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、複数のディンプルが設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  19. 請求項15乃至17のいずれか1に記載の曲面滑り支承であって、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、及び上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  20. 建物の基礎構造に入力された地震エネルギを位置エネルギ及び摩擦力により吸収して建物の上部構造を免震させる曲面滑り支承において、
    建物の基礎構造に固定され、上向きに凹状の第1の球面を有する下部球面支承と、
    建物の上部構造に固定され、上向きに凸状の第1の球面を有する上部球面支承と、
    下部球面支承と上部球面支承との間に設けられ、上向きに凹状であり第1の球面の球面半径より小さな球面半径を有する第2の球面と、下部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する下部スライダと、
    上向きに凸状の第2の球面と、上部球面支承の第1の球面に摺動自在に対向する第1の球面と、を有する上部スライダと、
    上部スライダと下部スライダとの間に設けられ、下部スライダと摺動自在に対向する第2の球面と、上部スライダと摺動自在に対向する第2の球面とを有する中間部スライダと、を備え、
    下部球面支承の第1の球面内には下部スライダの第1の球面が摺動する範囲に亘って粉体潤滑材が充填され、上部スライダの第1の球面と上部球面支承の第1の球面とは固体潤滑材を介して摺動し、下部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面、及び上部スライダの第2の球面と中間部スライダの第2の球面とは、固体潤滑材を介して摺動することを特徴とする曲面滑り支承。
  21. 請求項20に記載の曲面滑り支承であって、下部球面支承の第1の球面内に充填される粉体の固体潤滑材は、ボールベアリング球形微粒子であり、上部スライダの第1の球面又は上部球面支承の第1の球面のいずれか、下部スライダの第2の球面の表面又は中間部スライダの第2の球面の表面、あるいは上部スライダの第2の球面の表面又は中間部スライダの第2の球面の表面には、層状結晶構造を有する固体潤滑材が塗布されることを特徴とする曲面滑り支承。
  22. 請求項20又は21に記載の曲面滑り支承であって、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は中間部スライダの第2の球面の表面には、複数のディンプルが設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  23. 請求項20又は21に記載の曲面滑り支承であって、下部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、上部スライダの第1の球面の表面又は第2の球面の表面、又は中間部スライダの第2の球面の表面には、交差する方向に複数の溝が設けられることを特徴とする曲面滑り支承。
  24. 請求項1乃至23のいずれか1に記載の曲面滑り支承であって、固体潤滑材であるボールベアリング球形微粒子には、カーボンオニオンが含まれ、相層状結晶構造を有する固体潤滑材には、二硫化モリブデンが含まれることを特徴とする曲面滑り支承。
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