JP7038949B2 - 高い結晶化度を有するバインダーを含む二次電池用多層電極 - Google Patents

高い結晶化度を有するバインダーを含む二次電池用多層電極 Download PDF

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Description

[関連出願との相互引用]
本出願は、2017年11月09日付韓国特許出願第10-2017-0148725号及び2018年11月8日付韓国特許出願第10-2018-0136862号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれている。
本発明は、高い結晶化度を有するバインダーを含む二次電池用多層電極に関する。
モバイル機器に対する技術開発および需要の増加によりエネルギー源としての二次電池に対する需要が急激に増加しており、このような二次電池の中でも高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く使われている。
また、最近では環境問題に対する関心が高まるにつれ、大気汚染の主な原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両など化石燃料を用いる車両を代替できる電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等に対する研究が多く進められている。このような電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等の動力源としては高いエネルギー密度、高い放電電圧および出力安定性のリチウム二次電池が主に研究、使用されている。
しかし、このような開発方向において、電池安全性は減少し、これを解決するための試みが行われている。
その中で、外部衝撃や外形変形により電池パックを貫通する場合、電池内部の電気化学的エネルギーが熱エネルギーに変換されながら急激な発熱が起き、これに伴う熱によって正極または負極物質が化学反応をし、急激な発熱反応を起こして電池が発火、爆発するなどの安全性の問題が生ずる。
特に、釘刺しなどによる爆発の場合、電池内部の釘と集電体、または電極物質と集電体の接触による短絡電流によって局部的なIR‐熱によって発生すると知られている。すなわち、局部的な短絡により過度な電流が流れるようになりこの電流によって発熱が生じる。局部的な短絡による短絡電流の大きさは抵抗に反比例するので短絡電流は抵抗が低い側に多く流れるが、主に集電体として用いられる金属箔により電流が流れ、この時の発熱を計算すると中央に釘が貫通した部分を中心に局部的に非常に高い発熱が生じる。
また、電池内部に発熱が生じる場合、分離膜は収縮して再び正極と負極の短絡を誘発し、繰り返される熱発生と分離膜の収縮によって短絡区間が増えて熱暴走が発生するか電池内部を構成している正極、負極および電解液が互いに反応するか燃焼するが、この反応は非常に大きい発熱反応であるため、結局電池が発火または爆発する。このような危険性は、特にリチウム二次電池が高容量化され、エネルギー密度が増加するほどさらに重要な問題になる。
さらに、単位電池として多数の電池を用いて高出力大容量を提供するように設計された電池モジュールまたは電池パックの場合、前記のような安全性の問題はより深刻になる。
このような問題を解決して、安全性を向上させるために従来には釘刺し前に他の素材が先に通過するように、パウチに熱伝導性が高い材料、または防弾素材などを付けて過熱または発火を防ぐなどの試みをしてきたが、このような方法は二次電池製造時の追加的な工程およびコストがかかって、体積が大きくなり、単位体積当たり容量が減る問題点があった。
したがって、追加的な工程および材料なしに効果的に電池の安全性を向上させ得る二次電池に対する必要性が高い実情である。
本発明は、前記のような従来技術の問題および過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
本出願の発明者らは、深い研究と多様な実験を繰り返した結果、多層電極を構成する一部電極合剤層に高い結晶化度を有するバインダーを使用する場合、電極の伸び率を減少させて所望する効果を達成できることを確認し、本発明を完成するに至った。
したがって、このような目的を達成するための本発明による二次電池用電極は、電極活物質とバインダーを含む電極合剤が集電体にコーティングされている二次電池用電極であって、
第1バインダーとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)と電極活物質を含んでおり、集電体上にコーティングされている第1電極合剤層;および
第2バインダーと電極活物質を含んでおり、前記第1電極合体層上にコーティングされている第2電極合剤層;
を含み;
前記第1バインダーの結晶化度は、58以上であることを特徴とする。
ここで、前記第2バインダーは、限定されないが、詳細には第1バインダーと同様にPVdFであり得、この時、第2バインダーは58未満の結晶化度を有し得る。
前記結晶化度は、高分子固体をなす結晶部分と非結晶部分において結晶部分が全体に占める重量比率を示し、一般的に高分子の種類と構造によって変わるだけでなく、結晶化温度、冷却速度、外力などでよっても変わる。
このような結晶化度は、結晶部分と非結晶部分の二つの密度からその感光性を仮定して求める密度法、融解熱の測定による方法、X線回折像の強度分布を非結晶部分による回折と結晶部分による回折に分離して求めるX線法、または赤外線吸収スペクトルの結晶性帯幅の強度から求める赤外線法などがあるが、本願発明による結晶化度は、X線法、特に、NMR(核磁気共鳴)測定法で測定した結果を意味する。
一般的な電極で前記方法で測定したPVdFの結晶化度は58未満である。これはPVdFの結晶化度が高いほど電極がよく壊れる性質を有するため、PVdFの結晶化度が過度に高い場合、抵抗が増加して出力などの問題が発生し得るからである。
一方、本出願の発明者らは深い研究を繰り返した結果、PVdFのこのような特性を用いて電極の釘刺し安全性を高められることを確認した。
具体的には、結晶化度が58以上であるPVdFを含む電極層のみで構成する場合には、前記で指摘したように電極の柔軟性が過度に劣り、抵抗が増加して出力特性が顕著に減少する問題が発生し得るため、本出願の発明者らは電極を2層で製造し、集電体上にコーティングされる第1電極合剤層には、第1バインダーとしてPVdFを58以上の高い結晶化度で有するバインダーを用い、第1電極合剤層上にコーティングされる第2電極合剤層には第2バインダーとして、結晶化度が58以下であるバインダーを用いることによって、出力特性の大きな低下なしに電極層の伸び率を減少させて釘刺し安全性を向上させる効果を発揮する電極を製造するに至った。
すなわち、このような構造の二次電池用電極は、電極の伸び率が低いため、釘刺し時の集電体と電極物質の短絡面積を減少させることによって、前記のような効果を奏することができる。
また、本発明によれば、前記PVdFの結晶化度は、電極の乾燥温度を調整することによって非常に単純で容易な方法で調整することができる。
これに関連し、従来には、二次電池用電極の前記釘刺し安全性を向上させるために、別途のセラミック粉末コーティング層を形成するか、伸び率が高い物質をパウチにコーティングするなどの方法が提案されているが、このような方法は、追加的な材料または工程が追加されなければならなかった。しかし、本発明による場合、従来に用いられる電極材料をそのまま用いて乾燥温度のみを異にして効果を発揮することができるため、材料コストおよび工程効率に優れる。
一方、前記のような効果を発揮しながらも電極の出力特性の低下を防止するために、前記第1電極合剤層の厚さは、第2電極合剤層の厚さより小さいことが好ましく、詳細には第2電極合剤層の厚さを基準に5~45%の大きさ、より詳細には5~30%の大きさであり得る。
前記範囲を逸脱して、第1電極合剤層の厚さが過度に薄い場合には電極の伸び率を減少させるのに充分でないため、所望する程度の釘刺し安全性を確保することができず、過度に厚い場合には電極全体の特性がよく壊れやすく抵抗が高くなり、出力特性が低下するため、好ましくない。
前記第1電極合剤層および第2電極合剤層に含まれる電極活物質は、従来に知られている活物質に限定されない。
具体的には、前記二次電池用電極が正極である場合、前記電極活物質は、正極活物質として、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)等の層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2-x(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiFe、V、Cu等のバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;LiNiMn2-xで表されるスピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLi一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoO等を含み得るが、これらのみに限定されるものではない。
これに対し、前記二次電池用電極が負極である場合、前記電極活物質は負極活物質として、例えば結晶質人造黒鉛、結晶質天然黒鉛、非晶質ハードカーボン、低結晶質ソフトカーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、スーパーP、グラフェン(graphene)、および繊維状炭素からなる群より選ばれる一つ以上の炭素系物質、Si系物質、LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)等の金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;けい素系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、およびBi等の金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li‐Co‐Ni系材料;チタン酸化物;リチウムチタン酸化物などを含み得るが、これらのみに限定されるものではない。
また、この時、前記電極活物質の種類は、第1電極合剤層および第2電極合剤層で相異し得るが、製造工程の側面から詳細には同一であり得る。
一般的に釘刺し安全性は、正極と負極のうちいずれか一つだけの伸び率を低くして短絡面積を減少させ得るならば増加させることができる。しかし、負極の場合、一般的にCu箔を集電体として用いるため、Al箔を集電体として用いる正極より伸び率が高いので、本発明による方法により伸び率を減少させるとしても短絡面積を減らすのに限界があるので、正極の伸び率を減少させることが短絡電流を減少させるのにより効果的である。
したがって、本発明による二次電池用電極は、詳細には正極であり得る。
一方、前記第1電極合剤層および第2電極合剤層に含まれる第1バインダーおよび第2バインダーの含有量は、それぞれの電極合剤層の全体重量を基準に1~15重量%であり得る。
前記範囲を逸脱して、それぞれのバインダーの含有量が過度に低い場合には、集電体と活物質との間または活物質間の接着力が低くなり、発明の所望する効果を奏することが難しく、これに対し、それぞれのバインダーの含有量が過度に高い場合には、電極内の抵抗増加をもたらして電池の特性が低下し、活物質などその他電極材の含有量が相対的に低くなることによって電極の容量および伝導性が低くなる問題があるため、好ましくない。
また、前記それぞれの電極合剤層には、第1バインダーおよび第2バインダーのほかにポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレン‐ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、またはスチレン(styrene monomer:SM)、ブタジエン(butadiene:BD)、およびブチルアクリレート(butyl acrylate:BA)からなる群より選ばれる一つ以上の単量体の多様な共重合体を追加的な結着剤として含むこともできる。
前記第1電極合剤層および第2電極合剤層は、伝導性を向上させるために、それぞれ電子伝導性の導電材をさらに含むこともできる。
前記導電材は当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられ得る。市販されている導電材の具体的な例としてはアセチレンブラック系であるシェブロンケミカルカンパニ(Chevron Chemical Company)やデンカブラック(Denka Singapore Private Limited)、ガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)製品など)、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系列(アルマックカンパニー(Armak Company)製品)、バルカン(Vulcan)XC‐72(キャボットカンパニー(Cabot Company)製品)およびスーパー(Super)P(Timcal社製)等がある。
この時、前記導電材の含有量は、それぞれ第1バインダーおよび第2バインダー100重量部に対して20重量部~100重量部であり得る。
前記範囲を逸脱して、導電材の含有量が20重量部未満の場合には所望する程度の伝導性を得ることができず、100重量部を超える場合には相対的に活物質の含有量が減って容量が減少するため、好ましくない。
場合によっては、電極の膨張を抑制する成分として充填剤が選択的に添加され得る。このような充填剤は、当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ繊維状材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が用いられる。
また、粘度調整剤、接着促進剤などのその他の成分が選択的にまたは二つ以上の組み合わせとしてさらに含まれ得る。
前記粘度調整剤は、電極合剤の混合工程とその集電体上の塗布工程が容易であるように電極合剤の粘度を調整する成分として、電極合剤全体重量を基準に30重量%まで添加され得る。このような粘度調整剤の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニリデンフルオライドなどがあるが、これらだけに限定されるものではない。場合によっては、前述した溶媒が粘度調整剤としての役割を兼ね備えることができる。
前記接着促進剤は集電体に対する活物質の接着力を向上させるために添加する補助成分として、バインダーに対して10重量%以下で添加され得、例えばシュウ酸(oxalic acid)、アジピン酸(adipic acid)、ギ酸(formic acid)、アクリル酸(acrylic acid)誘導体、イタコン酸(itaconic acid)誘導体などが挙げられる。
一方、本発明による二次電池用電極の集電体は、3~500μmの厚さからなる。このような集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀等で表面処理したもの、アルミニウム‐カドミニウム合金などが使用され得る。集電体はそれの表面に微細な凹凸を形成して電極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など多様な形態が可能である。
本発明は、さらに進んで、前記本発明による二次電池用電極の製造方法を提供する。
先に、本発明による第1電極合剤層と第2電極合剤層を含む二次電池用電極は、例えば、
(i)第1バインダーとしてPVdFと電極活物質を含むスラリーを集電体に塗布した後空気の雰囲気下で摂氏120度~140度で1次乾燥し、再び真空状態で摂氏150度~190度で2次乾燥して第1電極合剤層を形成する段階;および
(ii)第2バインダーと電極活物質を含むスラリーを前記第1電極合剤層に塗布した後空気の雰囲気下で摂氏120度~140度で乾燥、圧延して第2電極合剤層を形成する段階;
を含んで製造することができる。
前記で言及したように、本発明によるPVdFの結晶化度は、電極の乾燥温度を調整することによって調整可能である。
具体的には、乾燥温度を高めるほどPVdFの結晶化度も増加する。したがって、第1電極合剤層は、NMPを揮発させるための1次乾燥の他に2次真空乾燥温度を一般的な電極乾燥温度である摂氏130度より高い温度、すなわち、摂氏150度~190度、詳細には摂氏160度~190度にして達成することができる。
前記範囲を逸脱して、2次乾燥温度が過度に低い場合、所望する程度のPVdF結晶化度を得ることができず、過度に高い場合にはその他の電極材の特性が変化するか、壊れるなどの問題が生じ得るため好ましくない。
前記第1電極合剤層を形成するためのスラリーの1次乾燥は、NMPを揮発させるための過程であり、約2分~5分間行われ、2次乾燥はPVdFが結晶化度を高めるためのものであり、約12時間~30時間行われ得る。
また、第2電極合剤層の乾燥温度は、従来と同様に一般的な電極乾燥温度として摂氏120度~140度、詳細には摂氏130度で行われ得る。この場合、第2バインダーの結晶化度は58未満に維持されるので、電極全体が過度に壊れやすい特性を有さないようにし、抵抗を高めないため出力特性の低下を防止することができる。この時、第2電極合剤層の乾燥も、NMPを揮発させるための過程で約2分~5分間行われ得る。
前記コーティングの方法と、乾燥、圧延などは当業界に公知されている電極製造方法でのコーティング、乾燥、圧延などが特別な限定なしに適用することができる。
本発明による電極製造方法は必要に応じて一部の過程を変更してもよく、これらはいずれも本発明の範疇に含まれると解釈されなければならない。例えば、圧延過程はそれぞれの電極合剤層の形成段階で行われることもできる。
本発明による前記二次電池用電極は、リチウム二次電池に用いられ得る。
前記リチウム二次電池は、電極、すなわち、正極と負極との間に分離膜が介在する構造の電極組立体にリチウム塩含有非水系電解質が含浸されている構造からなっている。
前記分離膜は正極と負極との間に介在して高いイオン透過度と機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜が用いられる。分離膜の気孔直径は、一般的に0.01~10μmであり、厚さは一般的に5~300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性および疏水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス繊維またはポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが用いられる。
場合によっては、前記分離膜上に電池の安全性を高めるためにゲルポリマー電解質がコーティングされ得る。このようなゲルポリマーの中で代表的なものとしてポリエチレンオキシド、ポリビニリデンフルオリド、ポリアクリロニトリルなどがある。電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には固体電解質が分離膜を兼ねることもできる。
前記リチウム塩含有非水系電解質は、非水電解液とリチウム塩からなっており、前記非水電解液としては非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などが用いられるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N‐メチル‐2‐ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ガンマ‐ブチロラクトン、1,2‐ジメトキシエタン、1,2‐ジエトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2‐メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3‐ジオキソラン、4‐メチル‐1,3‐ジオキセン、ジエチルエーテル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が用いられ得る。
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリアジテーションリジン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリふっ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合剤などが用いられ得る。
前記無機固体電解質としては、例えば、LiN、LiI、LiNI、LiN‐LiI‐LiOH、LiSiO、LiSiO‐LiI‐LiOH、LiSiS、LiSiO、LiSiO‐LiI‐LiOH、LiPO‐LiS‐SiS等のLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などが用いられ得る。
前記リチウム塩は、前記非水系電解質に溶解しやすい物質として、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、CFSOLi、LiSCN、LiC(CFSO、(CFSONLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルほう酸リチウム、イミドなどが使用され得る。
また、前記リチウム塩含有非水系電解質には充放電特性、難燃性などの改善を目的に、例えば、ピリジン、トリメチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n‐グライム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N‐置換オキサゾリジノン、N,N‐置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2‐メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されることもできる。場合によっては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含ませることもでき、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含ませることもできる。
一つの具体的な例において、LiPF、LiClO、LiBF、LiN(SOCF等のリチウム塩を、高誘電性溶媒であるECまたはPCの環状カーボネートと底粘度溶媒であるDEC、DMCまたはEMCの線状カーボネートの混合溶媒に添加してリチウム塩含有非水系電解質を製造することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、下記実施例は本発明を例示するためであり、本発明の範疇はこれらにのみ限定されるものではない。
<比較例1>
正極活物質としてLiNi0.3Co0.3Mn0.3を用い、LiNi0.3Co0.3Mn0.396重量%、およびSuper‐P(導電材)2.0重量%、PVdF(第1バインダー)2.0重量%を溶剤であるNMP(N‐methyl‐2‐pyrrolidone)に添加して第1正極活物質スラリーを製造した。
前記第1正極混合物スラリーをアルミニウム箔上に50μmでコーティングし、NMP乾燥のために摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で、0.2m/minの速度(約5分間乾燥される速度)で乾燥して第1正極合剤層を形成し、前記第1正極合剤層上に、正極活物質として、LiNi0.3Co0.3Mn0.3、導電材としてSuper‐P、バインダーとしてPVdFを96:2:2の重量比でNMPに添加した第2正極活物質スラリーを100μmでコーティングし、摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で、0.2m/min(約5分間乾燥される速度)の速度で乾燥し、第2正極合剤層を形成した後、圧延して正極を製造した。
<比較例2>
前記比較例1で製造した第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に50μmでコーティングし、摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で0.2m/minの速度でNMPを乾燥させ、再び真空状態で摂氏130度で24時間乾燥させて第1正極合剤層を形成したことを除いては比較例1と同様に正極を製造した。
<実施例1>
前記比較例1で製造した第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に50μmでコーティングし、摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で0.2m/minの速度でNMPを乾燥させ、再び真空状態で摂氏160度で24時間乾燥させて第1正極合剤層を形成したことを除いては比較例1と同様に正極を製造した。
<実施例2>
前記比較例1で製造した第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に50μmでコーティングし、摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で0.2m/minの速度でNMPを乾燥させ、再び真空状態で摂氏190度で24時間乾燥させて第1正極合剤層を形成したことを除いては比較例1と同様に正極を製造した。
<実験例1>
前記比較例1~2、実施例1~2で製造した正極で第1正極合剤層のPVdFの結晶化度、電極の伸び率および柔軟性を測定して下記表1に示した。このために、前記比較例1~2、実施例1~2で第1正極合剤層のみを形成した電極を別途準備した。
ここで、前記結晶化度、伸び率、および柔軟性は下記の方法で測定した。
*結晶化度:第1正極合剤層のみ形成した電極を再び摂氏45度で真空乾燥後、かみそりの刃で電極層の一部を削り取った後パウダーのNMRを測定した。分析方法は次のとおりである。測定後PVDF主ピークでの結晶質と非結晶質のピークの面積をそれぞれ求めた後、これら面積の合計から結晶質面積の%を計算して結晶化度を求める。
用いられた装置はアジレント社(Agilent)600MHz NMR/1.6mmMASプローブである。
*伸び率:第1正極合剤層のみ形成した電極をドッグボーン(Dogbone)形態で製作した後UTM装備(インストロン社(INSTRON)‐電気機械式(Electromechanical)3300)を用いて分当り5mm/min速度でドッグボーン(Dogbone)を引っ張って試験片が切れる前にその伸びた長さを測定する。
*柔軟性:直径別に棒を製作し、第1正極合剤層のみを形成した電極を横10cm縦30cmでカットする。カットした電極を半分に曲げて棒を接触させた後分当り10mmの速度で電極両端を持ち上げる。この時UTMに測定される力が5Nになるまで持ち上げる。直径別に測定して電極にクラックが生じるかどうかを光学顕微鏡により観察してクラックがない場合、さらに小さい直径でテストを行う。
Figure 0007038949000001
<比較例3>
前記比較例1の第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に150μmでコーティングし、空気の雰囲気下摂氏130度の乾燥機で、0.2m/min(約5分間乾燥される速度)で乾燥した後、正極合剤層を形成した後、圧延して正極を製造した。
<実験例2>
負極の製造
負極活物質としては人造黒鉛を用い、人造黒鉛96.3重量%、およびSuper‐P(導電剤)1.0重量%、PVdF(結合剤)2.7重量%を溶剤であるNMPに添加して負極混合物スラリーを製造した後、銅箔上に70μmでコーティングし、空気の雰囲気下摂氏130度の乾燥機で0.2m/min(約5分間乾燥される速度)で乾燥および圧延して負極を製造した。
二次電池の製造
前記実施例1、2および比較例1~3で製造した正極と前記負極、分離膜としてポリエチレン膜(Celgard、厚さ:20μm)、およびエチレンカーボネート、ジメチレンカーボネート、ジエチルカーボネートが1:2:1で混合された溶媒にLiPFが1Mで溶けている液体電解液を用いて二次電池を製造した。
釘刺し安全性の実験
前記実施例1、2および比較例1~3の正極を用いて製造したそれぞれ5個の二次電池を4.25Vの完全充電した状態で準備した。釘刺し試験機を用いて鉄で作られた直径2.5mmの釘を上部で、電池の中央に貫通させて発火の有無を測定した。
この時、釘の貫通速度は12m/minで一定にし、その結果を下記表2に整理した。
Figure 0007038949000002
前記表1に示すように、本発明による正極を用いた二次電池は、短絡面積の減少により短絡電流が減少して安全性が向上したことを確認することができる。特に、真空乾燥温度を摂氏190度にして結晶化度を58.5以上にした場合、発火がほとんど起きないことを確認することができる。
<比較例4>
前記比較例1で製造した第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に150μmでコーティングし、空気の雰囲気下摂氏130度の乾燥機で0.2m/minで乾燥した後、再び真空状態で摂氏160度で24時間乾燥させて正極合剤層を形成した後、圧延して正極を製造した。
<比較例5>
前記比較例1で製造した第1正極活物質スラリーをアルミニウム箔上に50μmでコーティングし、摂氏130度の空気の雰囲気下乾燥機で0.2m/minの速度でNMPを乾燥させ、再び真空状態で摂氏160度で24時間乾燥させて第1正極合剤層を形成し、前記第1正極合剤層上に、第2正極活物質スラリーを100μmでコーティングし、空気の雰囲気下摂氏130度の乾燥機で0.2m/minで乾燥した後、再び真空状態で摂氏160度で24時間乾燥させて正極合剤層を形成したことを除いては比較例1と同様に正極を製造した。
<実験例3>
比較例4の正極を再び摂氏45度で真空乾燥後かみそりの刃で電極層の一部を削り取った後パウダーのNMRを測定した。分析方法は、次のとおりである。測定後PVDF主ピークでの結晶質と非結晶質のピークの面積をそれぞれ求めた後、これら面積の合計から結晶質面積の%を計算して結晶化度を求める。
用いられた装置はアジレント社(Agilent)600MHz NMR/1.6mmMASプローブである。
測定結果、結晶化度は59.7であった。すなわち、真空状態で摂氏160度でもう一度乾燥する場合、PVDFの結晶化度が59.7を示すことがわかる。
出力特性の評価
前記実施例1、2および比較例4、5で製造した正極を用いて実験例2のように製造した二次電池を0.1Cで4.2Vまで充電および0.1Cで2.5Vまで放電を2サイクル行った後、0.33Cで4.2Vで充電した後SOC50まで0.33Cで放電した後、SOC50で3Cで30秒間抵抗を測定し、その結果一部を下記表3に示した。
Figure 0007038949000003
表3を参照すると、比較例4および5の正極を用いた電池は実施例1に比べて抵抗が大きいことを確認することができる。さらに、比較例5の場合にはさらに高い温度で第1正極活物質層を真空乾燥させた実施例2と比較しても高い抵抗を示すことを確認することができる。
これは、比較例4および5により製造された正極は、第2正極合剤層も高い温度の真空乾燥過程を経ることによって、PVDFの結晶化度の増加(58以上)が行われ、これにより全体的な抵抗が増加したからである。
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、上記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。
以上説明したように、本発明の二次電池用電極は、多層電極を構成する一部電極合剤層に58以上の高い結晶化度を有するバインダーを用いることによって、電極の伸び率を減少させて釘刺し時の短絡面積を減少させ、IR抵抗を増加させ得るため、別途の追加的な工程および材料なしに効果的に電池の安全性を向上させ得る効果がある。

Claims (10)

  1. 電極活物質とバインダーを含む電極合剤が集電体にコーティングされている二次電池用電極であって、
    第1バインダーとしてPVdF(ポリフッ化ビニリデン)と電極活物質を含んでおり、集電体上にコーティングされている第1電極合剤層、および
    第2バインダーと電極活物質を含んでおり、前記第1電極合剤層上にコーティングされている第2電極合剤層、
    を含み、
    前記第1バインダーの結晶化度は、58以上であり、
    前記第2バインダーは、58未満の結晶化度を有する、二次電池用電極。
  2. 前記第2バインダーは、PVdFである、請求項に記載の二次電池用電極。
  3. 前記二次電池用電極は、正極である、請求項1または2に記載の二次電池用電極。
  4. 前記第1電極合剤層の厚さは、前記第2電極合剤層の厚さを基準に5~45%の大きさである、請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極。
  5. 前記第1電極合剤層の電極活物質と前記第2電極合剤層の電極活物質の種類は、同じである、請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極。
  6. 前記第1バインダーの含有量および前記第2バインダーの含有量は、それぞれの電極合剤層全体重量を基準に1~15重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極。
  7. 前記第1電極合剤層および前記第2電極合剤層は、それぞれ電子伝導性の導電材をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極。
  8. 前記導電材の含有量は、それぞれ前記第1バインダーおよび前記第2バインダー100重量部に対して20重量部~100重量部である、請求項に記載の二次電池用電極。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極を製造する方法であって、
    (i)第1バインダーとしてPVdFと電極活物質を含むスラリーを集電体に塗布した後空気の雰囲気下で摂氏120度~140度で1次乾燥し、再び真空状態で摂氏150度~190度で12時間~30時間2次乾燥して第1電極合剤層を形成する段階;および
    (ii)第2バインダーと電極活物質を含むスラリーを前記第1電極合剤層に塗布した後空気の雰囲気下で摂氏120度~140度で乾燥、圧延して第2電極合剤層を形成する段階;
    を含む、二次電池用電極の製造方法。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用電極を含む、リチウム二次電池。
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