JP7038862B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、制御装置によるかごの運転モードに、ロープの横振動によるかごの振動を抑制する管制運転モードが含まれているエレベータ装置に関するものである。
従来の屋外エレベータの強風管制運転装置では、制限風速が予め設定されている。制限風速は、かごの側面に受ける風によって生じるかご内振動が許容振動値となるときの風速である。そして、風速計で計測された風速が制限風速に達すると、強風管制運転が実施される。強風管制運転では、かごが減速運転される(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-108124号公報
上記のような従来の強風管制運転装置では、単にかごを減速運転するだけであるため、ロープの横振動によるかごの振動を効率的に抑制することができない。また、かごの運行効率が大きく低下する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、かごの運行効率の低下を抑えつつ、ロープの横振動によるかごの振動を効率的に抑制することができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータ装置は、かご、かごに接続されているロープ、及びかごの運転を制御する制御装置を備え、制御装置によるかごの運転モードには、かごの通常運転を行う通常運転モードと、ロープの横振動によるかごの振動を抑制する管制運転モードとが含まれており、制御装置は、建物及びロープの少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、かごの位置とに基づいて、運転モードを管制運転モードに切り替え、管制運転モードでは、走行行程の途中の速度変更位置で、かごの速度を、通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替える。
この発明のエレベータ装置によれば、かごの運行効率の低下を抑えつつ、ロープの横振動によるかごの振動を効率的に抑制することができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。 図1の主ロープに横振動が生じた状態を示す構成図である。 図1のかごの位置と、主ロープのかご側部分の1次固有振動数、かごの固有振動数、及び建物の固有振動数との関係を示すグラフである。 図1のエレベータ制御装置の機能を示すブロック図である。 図1の主ロープの横振動に対するエレベータ制御装置の管制運転動作を示すフローチャートである。 図1のかごの速度パターン及びかごに生じる振動を、通常運転モードと管制運転モードとで比較して示すグラフである。 図5における速度変更位置の決定方法を示す説明図である。 図6の管制運転における速度パターンの決定方法の第1の例を示す説明図である。 図6の管制運転における速度パターンの決定方法の第2の例を示す説明図である。 図6の管制運転における速度パターンの決定方法の第2の例を示す説明図である。 図1のかごの位置と、コンペンロープのかご側部分の1次固有振動数、かごの固有振動数、及び建物の固有振動数との関係を示すグラフである。 図1のコンペンロープの横振動に対するエレベータ制御装置の管制運転動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2の主ロープの横振動に対するエレベータ制御装置の管制運転動作を示すフローチャートである。 実施の形態2のコンペンロープの横振動に対するエレベータ制御装置の管制運転動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3の主ロープの横振動に対するエレベータ制御装置の管制運転動作を示すフローチャートである。 管制運転モードにおける速度パターンの第1の例を示すグラフである。 管制運転モードにおける速度パターンの第2の例を示すグラフである。 管制運転モードにおける速度パターンの第3の例を示すグラフである。 管制運転モードにおける速度パターンの第4の例を示すグラフである。 実施の形態1~3のエレベータ制御装置の各機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。 実施の形態1~3のエレベータ制御装置の各機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、建物50には、昇降路1及び機械室2が設けられている。機械室2は、昇降路1の上に設けられている。機械室2には、巻上機3、そらせ車4、及びエレベータ制御装置5が設置されている。実施の形態1の制御装置は、エレベータ制御装置5である。
巻上機3は、駆動シーブ6と、図示しない巻上機モータと、図示しない巻上機ブレーキとを有している。巻上機モータは、駆動シーブ6を回転させる。巻上機ブレーキは、駆動シーブ6の静止状態を保持、又は駆動シーブ6の回転を制動する。
駆動シーブ6及びそらせ車4には、複数本の主ロープ7が巻き掛けられている。図1では、主ロープ7を1本のみ示している。
複数本の主ロープ7の第1の端部には、かご8が接続されている。複数本の主ロープ7の第2の端部には、釣合おもり9が接続されている。
かご8及び釣合おもり9は、複数本の主ロープ7により昇降路1内に吊り下げられている。また、かご8及び釣合おもり9は、駆動シーブ6を回転させることにより、昇降路1内を昇降する。エレベータ制御装置5は、巻上機3を制御することにより、設定した速度でかご8を昇降させる。
昇降路1内には、図示しない一対のかごガイドレールと、図示しない一対の釣合おもりガイドレールとが設置されている。一対のかごガイドレールは、かご8の昇降を案内する。一対の釣合おもりガイドレールは、釣合おもり9の昇降を案内する。
かご8と釣合おもり9との間には、複数本のコンペンロープ10が吊り下げられている。図1では、コンペンロープ10を1本のみ示している。実施の形態1のロープは、主ロープ7及びコンペンロープ10である。
複数本のコンペンロープ10の第1の端部は、かご8の下部に接続されている。複数本のコンペンロープ10の第2の端部は、釣合おもり9の下部に接続されている。
昇降路1の底部には、第1のコンペンシーブ11aと第2のコンペンシーブ11bとが設置されている。第1及び第2のコンペンシーブ11a,11bには、複数本のコンペンロープ10の下端部が巻き掛けられている。
機械室2には、調速機12が設けられている。調速機12は、かご8の過大速度での走行の有無を監視する。また、調速機12は、調速機シーブ13を有している。調速機シーブ13には、調速機ロープ14が巻き掛けられている。
調速機ロープ14は、昇降路1内に環状に敷設され、かご8に接続されている。昇降路1の底部には、張り車15が設置されている。張り車15には、調速機ロープ14の下端部が巻き掛けられている。かご8が昇降すると、調速機ロープ14が循環移動し、かご8の走行速度に応じた回転速度で調速機シーブ13が回転する。
このようなエレベータ装置では、例えば、強風により建物50が揺れた際、又は地震による長周期振動が建物に発生した際には、昇降路1内に配置されたロープ類に横振動が生じる。このとき、例えば主ロープ7のかご側部分、即ち駆動シーブ6とかご8との間の部分の固有振動数が、建物50の揺れの振動数に近接していると、図2に示すように、主ロープ7に大きな横振動が生じる。
主ロープ7はかご8に接続されているため、主ロープ7に横振動が生じた状態でかご8が走行すると、主ロープ7の振動がかご8に伝わり、かご8が大きく振動することがある。
図3は、図1のかご8の位置と、主ロープ7のかご側部分の1次固有振動数fr、かご8の固有振動数fc、及び建物50の固有振動数fbとの関係を示すグラフである。主ロープ7のかご側部分の長さは、かご8の位置によって変化する。このため、かご側部分の1次固有振動数frも、かご8の位置によって変化する。そして、かご側部分の1次固有振動数frは、次式で表すことができる。
Figure 0007038862000001
ここで、Lは主ロープ7のかご側部分の長さ、Tは主ロープ7のかご側部分の張力、ρは主ロープ7の単位長さ当たりの質量である。
かご8が上層階に移動すると、長さLが短くなるため、かご側部分の1次固有振動数frは、長さLに反比例して大きくなる。
また、かご8の固有振動数fcは、かご8の質量と、かご8をかごガイドレールに沿って案内するガイド装置の支持剛性とによって決まる。かご8の質量と、ガイド装置の支持剛性とは、かご8の位置によって変動しない。このため、かご8の固有振動数fcは、かご8の位置によらず、一定の値となる。
かご8が下層階に停止している際には、主ロープ7のかご側部分の1次固有振動数frが建物50の固有振動数fbに近接している。このため、建物50の揺れとかご側部分とが共振して、かご側部分に生じる横振動が大きくなる。
この状態でかご8を上方向へ走行、即ちUP走行させると、主ロープ7のかご側部分の固有振動数frが増大していき、上層階でかご8の固有振動数fcと交差する。これにより、かご側部分とかご8とが共振して、かご8の振動が大きくなる。
図4は、図1のエレベータ制御装置5の機能を示すブロック図である。エレベータ制御装置5は、機能ブロックとして、管制運転判定部21、速度指令部22、及び速度制御部23を有している。
エレベータ制御装置5は、複数の運転モードに基づいて、かご8の運転を制御する。エレベータ制御装置5によるかご8の運転モードには、通常運転モードと、管制運転モードとが含まれている。通常運転モードは、かご8の通常運転を行う運転モードである。管制運転モードは、主ロープ7の横振動によるかご8の振動を抑制する運転モードである。
管制運転判定部21は、揺れ検出部24からの信号と、かご位置検出部25からの信号とに基づいて、運転モードを管制運転モードに切り替えるかどうかを判定する。
揺れ検出部24としては、建物50の横振動に応じた信号を発生する建物揺れセンサを用いることができる。建物揺れセンサは、例えば建物50の頂部に設置されている。
また、揺れ検出部24として、主ロープ7又はコンペンロープ10の横振動に応じた信号を発生するセンサを用いてもよい。また、揺れ検出部24として、複数種類のセンサを用いてもよい。また、揺れ検出部24として、建物50の揺れによる加振入力から主ロープ7又はコンペンロープ10の横振動を算出し、ロープ横振動推定値として出力する数式モデルを用いてもよい。
かご位置検出部25としては、巻上機3に設けられている回転検出器、調速機12に設けられている回転検出器、昇降路1内に設置されているスイッチ、又はこれらの組み合わせを用いることができる。
速度指令部22は、管制運転判定部21からの信号と、かご位置検出部25からの信号とに基づいて、速度指令を生成する。速度制御部23は、速度指令に基づいて、巻上機3を制御する。
図5は、図1の主ロープ7の横振動に対するエレベータ制御装置5の管制運転動作を示すフローチャートである。実施の形態1では、図1のエレベータ装置がシャトルエレベータである場合について説明する。
シャトルエレベータでは、建物50の下部のエントランス階と、建物50の上部の特定階との間で、かご8が往復運転される。この例では、エントランス階は最下階であり、特定階は最上階である。
エレベータ制御装置5は、かご8の走行開始時に、図5の処理を実施する。また、エレベータ制御装置5は、図5の処理を設定周期で定期的に実施してもよい。
エレベータ制御装置5は、ステップS1において、揺れ検出部24の出力信号の大きさが設定値以上であるかどうかを判定する。図5では、建物50の揺れの大きさが設定値以上であるかどうかを判定する例を示している。
建物50の揺れの大きさが設定値未満であれば、エレベータ制御装置5は、ステップS2において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
なお、エレベータ制御装置5は、ステップS1において、主ロープ7の横振動に応じた信号を発生するセンサの出力信号の大きさ、又は、ロープ横振動推定値の大きさが設定値以上であるかどうかを判定してもよい。
揺れ検出部24の出力信号の大きさが設定値以上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS3において、かご8の走行開始位置が、主ロープ共振ゾーンよりも下かどうかを判定する。図5では、建物50の揺れの大きさが設定値以上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS3において、かご8の走行開始位置が、主ロープ共振ゾーンよりも下かどうかを判定する例を示している。
エレベータ制御装置5には、主ロープ共振ゾーンが予め設定されている。主ロープ共振ゾーンは、主ロープ7のかご側部分が建物50の揺れに共振するゾーンである。
かご8の走行開始位置が主ロープ共振ゾーンよりも上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS4において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
かご8の走行開始位置が主ロープ共振ゾーンよりも下である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS5において、運転モードを管制運転モードに切り替える。なお、走行開始位置が主ロープ共振ゾーン内である場合も、ステップS3からステップS5に進む。
この後、エレベータ制御装置5は、ステップS6において、かご8の上方向への走行を開始させる。そして、エレベータ制御装置5は、ステップS7において、かご8が第1の速度変更位置に到達したかどうかを監視する。
エレベータ制御装置5には、第1の速度変更位置が予め設定されている。第1の速度変更位置は、かご8の速度を、通常運転モードの速度パターンにおける速度よりも低速に変更する位置である。第1の速度変更位置は、かご共振ゾーンよりも下に設定されている。かご共振ゾーンは、かご8が主ロープ7のかご側部分の横振動に共振するゾーンである。
かご8が第1の速度変更位置に到達すると、エレベータ制御装置5は、ステップS8において、かご8を減速させる。この後、ステップS9において、かご8が最上階に到着すると、エレベータ制御装置5は、この回の処理を終了する。
エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、かご8がかご共振ゾーンに進入する手前でかご8を減速させることで、通常運転モードでかご8を走行させる場合よりも、時間をかけてかご8を最上階に到着させる。即ち、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、通常運転モードよりも遅く行先階に到着するように、かご8の運転を制御する。
これにより、かご8がかご共振ゾーンに進入する前に、主ロープ7の横振動が減衰し、かご8に伝わる振動が低減される。
図6は、図1のかご8の速度パターン及びかご8に生じる振動を、通常運転モードと管制運転モードとで比較して示すグラフである。なお、図6は、同じ大きさの建物揺れが生じている状態で、最下階から最上階まで、通常運転モードでかご8を移動させた場合と管制運転モードでかご8を移動させた場合とを比較して示している。
通常運転モードでは、主ロープ7のかご側部分の横振動にかご8が共振し、最上階付近でかご8が大きく振動している。
これに対して、管制運転モードでは、第1の速度変更位置、即ち速度変更開始位置Pv1でかご8の減速が開始される。このため、かご8は、主ロープ7のかご側部分の横振動がある程度減衰してから、かご共振ゾーンに進入する。これにより、かご8に生じる振動は低減されている。
図7は、図5における第1の速度変更位置の決定方法を示す説明図である。建物50の揺れによる加振入力に対する主ロープ7のかご側部分の横振動の応答倍率λは、次式で表される。但し、ζは、主ロープ7のかご側部分の減衰比である。
Figure 0007038862000002
主ロープ7のかご側部分の固有振動数frは、かご側部分の長さに応じて変動する。このため、かご側部分の応答倍率λは、かご8の位置に応じて、図7の中央のグラフに示すように変化する。
図7における主ロープ共振ゾーンは、応答倍率λが最大値λ1となるロープ最大共振位置P1を含むゾーンである。この主ロープ共振ゾーン内にかご8が位置しているとき、かご側部分の横振動が増幅され易い。また、ロープ最大共振位置P1から離れるほど、応答倍率λの値は小さくなる。
従って、図6のような管制運転において、第1の速度変更位置をロープ最大共振位置P1よりも下の位置にすると、応答倍率λの高い主ロープ共振ゾーンにかご8がいる時間が長くなり、かご8の振動の原因となるかご側部分の横振動が増大し易い。このため、第1の速度変更位置は、応答倍率λが低下し始めるロープ最大共振位置P1よりも上の位置とすることが望ましい。
一方、主ロープ7のかご側部分の横振動による加振入力に対するかご8の振動の応答倍率λaは、次式で表される。
Figure 0007038862000003
但し、ζcは、かごガイドレールに沿ってかご8を案内するガイド装置の減衰比である。また、fcは、かご8の質量とガイド装置の剛性とから決まるかご8の固有振動数である。
主ロープ7のかご側部分の固有振動数frは、かご側部分の長さに応じて変動する。このため、かご8の応答倍率λaは、図7の右のグラフに示すように変化する。
図7におけるかご共振ゾーンは、応答倍率λaが最大値となるかご最大共振位置Pa1を含むゾーンである。図6の速度変更開始位置から速度変更完了位置までの区間が、応答倍率λaの高いかご共振ゾーンに重なると、かご側部分の横振動が十分に減衰する前に、かご8がかご共振ゾーンに進入することになる。この場合、かご側部分の横振動によるかご8の振動が増幅し易い。従って、速度変更完了位置は、かご最大共振位置Pa1よりも下の位置とすることが望ましい。
このように、実施の形態1の管制運転では、ロープ最大共振位置P1よりも上の位置で速度変更が開始されることが望ましい。また、応答倍率λaが最大値λa1よりも小さいかご最大共振位置Pa1よりも下の位置で、速度変更が完了し、走行速度が低速度V2になることが望ましい。
これにより、主ロープ共振ゾーンからかご8を高速で離しつつ、かご8の振動の増大を抑制することができる。
なお、速度変更開始位置を主ロープ共振ゾーンの上端P1Uよりも上の位置P2とし、かつ、速度変更完了位置をかご共振ゾーンの下端Pa1Lよりも下の位置Pa2とすれば、かご8の振動の増大をより効果的に抑制することができ、より好適である。
ここで、主ロープ共振ゾーンの上端P1Uは、例えば、応答倍率λが最大値λ1の5分の1程度となる位置である。また、かご共振ゾーンの下端Pa1Lは、例えば、応答倍率λaが最大値λa1の5分の1程度となる位置である。
但し、最大値λ1及びλa1に対する乗数5分の1は、主ロープ7の横振動によって生じるかご8の振動を、解析モデルを用いて評価した際に、かご8の振動の増大を抑制できる条件として算出される一例であり、この値に限定されない。
なお、上記の説明では、かご側部分の応答倍率λ及びかごの応答倍率λaに基づいて、速度変更する方法を説明した。これに対して、かご側部分の固有振動数frが建物50の固有振動数fbよりも高くなる位置で速度変更を開始し、固有振動数frがかご8の固有振動数fcよりも小さい位置で速度変更を完了するようにしてもよい。
上記のような管制運転における速度パターンを実現する速度指令は、予めオフラインで設計し、エレベータ制御装置5内の速度指令部22に実装してもよい。
他の方法として、速度指令部22において、上記の評価をリアルタイムに計算し、かご8の振動を抑制する速度指令をオンラインで生成してもよい。
図8は、図6の管制運転における速度パターンの決定方法の第1の例を示す説明図である。基本的には、速度変更完了後の低速度V2を小さくし、走行時間を長くすれば、かご8の振動を抑制できる。しかし、低速度V2を過度に小さくすると、走行時間が過大となり、運行効率が低下する。
走行時間が過大とならずに、かご8の振動を抑制する適当な条件を決める方法の第1の例を説明する。この方法では、管制運転時の走行時間の上限T2を定め、走行開始から目的階に到達するまでの間にかご8の振動が目標レベル以下となる運転パターンを設定する。ここで、上限T2は、例えば通常運転時の走行時間T1の3倍以下の値とすればよい。
かご8の振動は、主ロープ7のかご側部分の横振動によって励起されるため、かご側部分の横振動の振幅ができるだけ減衰するような運転パターンとなることが必要である。また、かご側部分の横振動は、振動回数の増加に応じて減衰していく。このため、目的階に到達するまでに、かご側部分の横振動の回数ができるだけ多くなるような速度パターンとすればよい。
走行時間T2の間にかご側部分を多く振動させるためには、かご側部分をできるだけ高い振動数で振動させればよい。かご側部分の振動数は、かご8が上方へ行くほど高くなる。これは、かご8が上方へ行くほどかご側部分の長さが短くなるためである。
従って、速度変更開始位置は、できるだけ上の位置になるように設定することが望ましい。例えば、かご8の位置が、最下階から最上階までの昇降行程の2分の1よりも上の位置で、かご8の速度を通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替えればよい。そして、速度変更後は、走行時間T2の間に目的階に到達できる範囲内で、低速度V2をできるだけ小さい速度に設定することが望ましい。
これにより、走行時間T2の間に、かご8の振動を効果的に抑制することができる。即ち、走行時間が過大とならずに、効果的にかご8の振動を抑制できる。
図8の中段のグラフは、走行時間T2の間に、任意の位置P3 で速度変更した場合のかご側部分の腹の位置での横振動の変位を示している。但し、P1<P3<Pa1である。また、図8の下段のグラフは、走行時間T2の間に、任意の位置P4で速度変更した場合のかご側部分の腹の位置での横振動の変位を示している。但し、P4<P3、即ちP4はP3よりも下の位置である。
速度変更開始位置をP4よりも上のP3とした方が、かご側部分の長さがより早く短くなり、また、速度変更後は、第1の速度変更位置をP4とした場合よりも低速度V2を低くすることができる。このため、かご8の振動の要因となるかご側部分の横振動をより早く減衰させることができる。
図9及び図10は、図6の管制運転における速度パターンの決定方法の第2の例を示す説明図である。主ロープ7のかご側部分の横振動は、初期変位を与えて自由振動させた場合、振幅は1周期ごとに等比級数的に減少していく。即ち、振動する回数が多いほど、振幅が小さくなっていく。
実施の形態1の管制運転において、速度変更後の低速度V2を可能なかぎり低くし、最上階に到着するまでにできるだけ時間をかけてかご側部分の振動回数が多くなるようにすれば、かご側部分の横振動が減衰し、かご8に伝わる振動が小さくなる。
一方で、目的階に到着するまでに時間をかけ過ぎると、運行効率が低下するため、走行時間は許容できる最大値以下に設計することになる。また、走行時間を短くし過ぎると、今度はかご共振ゾーンに到達するまでに、かご側部分の横振動が十分に減衰せず、かご8の振動の抑制効果が小さくなってしまう。このように、かご8の振動と走行時間との間には、トレードオフの関係がある。
走行時間が過大とならずに、かご8の振動を抑制する適当な条件を決める方法の第2の例を説明する。この方法では、2つの数式モデルを用いて、建物50の揺れに対するかご8の振動を評価する。
1つの数式モデルは、建物50の揺れによる加振入力から、かご8の走行中におけるかご側部分の横振動の変位を算出する数式モデルである。もう1つの数式モデルは、かご側部分の横振動による加振入力から、かご8の振動を算出する数式モデルである。
管制運転におけるかご8の速度パターンとして、低速度V2を任意の値、例えば通常運転時の定格速度の50%以下に設定する。その上で、例えば図9に示すように、速度変更開始位置を変動させた数値計算、即ち速度変更開始位置をPm、Pn、・・・と変動させた計算を行う。
そして、図10に示すように、走行時間と最大かご振動とを軸に取った2次元平面の曲線Qを作成する。予め設定するかご振動の制限値Amaxと走行時間の上限Tmaxとに対して、かご振動が制限値Amax以下、かつ走行時間が上限Tmax以下となる曲線Q上の領域に対応する速度変更開始位置の条件を抽出し、管制運転の走行速度パターンとする。なお、Tmax=T2である。
より最適には、図10の曲線Q上の原点からの距離dを評価し、距離dが最小となる条件における速度変更開始位置を設定すれば、走行時間が過大とならずに、かご8の振動の抑制効果を得られる管制運転の走行パターンが得られる。
Figure 0007038862000004
上記のような管制運転における速度パターンを実現する速度指令は、速度指令部22が、時々刻々得られる建物揺れ情報とかご位置情報とに基づいて、上記の評価をリアルタイムで行い、オンラインで生成してもよい。
他の方法として、上記の評価を予めオフラインで行っておき、得られた最適条件の速度指令を予め速度指令部22に実装してもよい。
次に、図11は、図1のかご8の位置と、コンペンロープ10のかご側部分の1次固有振動数frc、かご8の固有振動数fc、及び建物50の固有振動数fbとの関係を示すグラフである。コンペンロープ10のかご側部分、即ち第1のコンペンシーブ11aとかご8との間の部分の長さは、かご8の位置によって変化する。このため、かご側部分の1次固有振動数frcも、かご8の位置によって変化する。
かご8が最上階付近に停止していると、建物50の揺れに対してコンペンロープ10のかご側部分が共振し易い。また、下層階には、コンペンロープ10のかご側部分の固有振動数frcと、かご8の固有振動数fcとが交差する点がある。このため、コンペンロープ10が揺れた状態でかご8が下降すると、下層階でかご8の振動が励起され易い。
図12は、図1のコンペンロープ10の横振動に対するエレベータ制御装置5の管制運転動作を示すフローチャートである。
エレベータ制御装置5は、かご8の走行開始時に、図12の処理を実施する。また、エレベータ制御装置5は、図12の処理を設定周期で定期的に実施してもよい。
エレベータ制御装置5は、ステップS21において、揺れ検出部24の出力信号の大きさが設定値以上であるかどうかを判定する。図12では、建物50の揺れの大きさが設定値以上であるかどうかを判定する例を示している。
建物50の揺れの大きさが設定値未満であれば、エレベータ制御装置5は、ステップS22において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
なお、エレベータ制御装置5は、ステップS21において、コンペンロープ10の横振動に応じた信号を発生するセンサの出力信号の大きさ、又は、ロープ横振動推定値の大きさが設定値以上であるかどうかを判定してもよい。
揺れ検出部24の出力信号の大きさが設定値以上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS23において、かご8の走行開始位置が、コンペンロープ共振ゾーンよりも上かどうかを判定する。図12では、建物50の揺れの大きさが設定値以上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS23において、かご8の走行開始位置が、コンペンロープ共振ゾーンよりも上かどうかを判定する例を示している。
エレベータ制御装置5には、コンペンロープ共振ゾーンが予め設定されている。コンペンロープ共振ゾーンは、コンペンロープ10のかご側部分が建物50の揺れに共振するゾーンである。
かご8の走行開始位置がコンペンロープ共振ゾーンよりも下である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS24において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
かご8の走行開始位置がコンペンロープ共振ゾーンよりも上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS25において、運転モードを管制運転モードに切り替える。なお、走行開始位置がコンペンロープ共振ゾーン内である場合も、ステップS23からステップS25に進む。
この後、エレベータ制御装置5は、ステップS26において、かご8の下方向への走行、即ちDN走行を開始させる。
エレベータ制御装置5には、主ロープ7のかご側部分の横振動を減衰させるための第1の速度変更位置とは別に、コンペンロープ10のかご側部分の横振動を減衰させるための第2の速度変更位置が設定されている。
第2の速度変更位置は、かご8の速度を、通常運転モードの速度パターンにおける速度よりも低速に変更する位置である。第2の速度変更位置は、かご共振ゾーンよりも上に設定されている。かご共振ゾーンは、かご8がコンペンロープ10のかご側部分の横振動に共振するゾーンである。
エレベータ制御装置5は、ステップS27において、かご8が第2の速度変更位置に到達したかどうかを監視する。
かご8が第2の速度変更位置に到達すると、エレベータ制御装置5は、ステップS28において、かご8を減速させる。この後、ステップS29において、かご8が最下階に到着すると、エレベータ制御装置5は、この回の処理を終了する。
管制運転モードでは、かご8がかご共振ゾーンに進入する手前でかご8を減速させることで、通常運転モードでかご8を走行させる場合よりも、時間をかけてかご8を最下階に到着させる。即ち、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、通常運転モードよりも遅く行先階に到着するように、かご8の運転を制御する。
これにより、かご8がかご共振ゾーンに進入する前に、コンペンロープ10の横振動が減衰し、かご8に伝わる振動が低減する。
第2の速度変更位置の決定方法、管制運転時の速度パターンの決定方法等の考え方は、主ロープ7の横振動に対する管制運転と同様である。
このようなエレベータ装置では、エレベータ制御装置5は、建物50及び主ロープ7の少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、かご8の位置とに基づいて、運転モードを管制運転モードに切り替える。また、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、走行行程の途中の第1の速度変更位置で、かご8の速度を、通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替える。
このため、かご8の運行効率の低下を抑えつつ、主ロープ7の横振動によるかご8の振動を効率的に抑制することができ、乗り心地の悪化を防ぐことができる。
また、エレベータ制御装置5は、建物50及びコンペンロープ10の少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、かご8の位置とに基づいて、運転モードを管制運転モードに切り替える。また、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、走行行程の途中の第2の速度変更位置で、かご8の速度を、通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替える。
このため、かご8の運行効率の低下を抑えつつ、コンペンロープ10の横振動によるかご8の振動を効率的に抑制することができ、乗り心地の悪化を防ぐことができる。
また、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、速度変更位置を、ロープ最大共振位置とかご最大共振位置との間に設定する。これにより、ロープ7,10の横振動によるかご8の振動をより効率的に抑制することができる。
また、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、速度変更位置を、建物50の揺れに対するロープ7,10の横振動の応答倍率が最大値の5分の1となる位置と、ロープ7,10の横振動によるかご8の振動の応答倍率が最大値の5分の1となる位置との間に設定する。これにより、かご8の運行効率の低下を抑えつつ、ロープ7,10の横振動によるかご8の振動をより効率的に抑制することができる。
また、エレベータ制御装置5は、かご8の走行が、ロープ共振ゾーンとかご共振ゾーンとの両方に順番に進入する走行である場合に、運転モードを管制運転モードに切り替える。このため、できるだけ通常運転を維持しつつ、より的確なタイミングで管制運転を実施することができる。
また、エレベータ制御装置5は、管制運転モードでは、ロープ共振ゾーンにおけるかご8の速度を通常運転モードと同様の速度とし、かご共振ゾーンにおけるかご8の速度を通常運転モードの速度よりも低速とする。このため、かご8の運行効率の低下を抑えつつ、ロープ7,10の横振動によるかご8の振動をより効率的に抑制することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2のエレベータ装置について説明する。実施の形態1では、シャトルエレベータの場合について説明したが、実施の形態2のエレベータ装置は、かご8が各階に停止可能なエレベータ装置である。また、エレベータ装置全体の構成、エレベータ制御装置5の構成、及びかご8の振動を抑制するための基本的な方法は、実施の形態1と同様である。
図13は、この発明の実施の形態2の主ロープ7の横振動に対するエレベータ制御装置5の管制運転動作を示すフローチャートである。図13において、ステップS1からステップS4までは、図5と同様である。
ステップS3において、かご8の走行開始位置が主ロープ共振ゾーンよりも下である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS11において、かご8の運転方向が上方向であるかどうかを判定する。なお、走行開始位置が主ロープ共振ゾーン内である場合も、ステップS3からステップS11に進む。
かご8の運転方向が上方向でなければ、エレベータ制御装置5は、ステップS12において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
かご8の運転方向が上方向である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS13において、行先階が第1の速度変更位置よりも上かどうかを判定する。第1の速度変更位置よりも上でなければ、エレベータ制御装置5は、ステップS14において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
行先階が第1の速度変更位置よりも上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS5において、運転モードを管制運転モードに切り替える。この後、ステップS6からステップS8までは、図5と同様である。そして、ステップS15において、かご8が行先階に到着すると、エレベータ制御装置5は、この回の処理を終了する。
図14は、実施の形態2のコンペンロープ10の横振動に対するエレベータ制御装置5の管制運転動作を示すフローチャートである。図14において、ステップS21からステップS24までは、図12と同様である。
ステップS23において、かご8の走行開始位置がコンペンロープ共振ゾーンよりも上である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS31において、かご8の運転方向が下方向であるかどうかを判定する。なお、走行開始位置が主ロープ共振ゾーン内である場合も、ステップS23からステップS31に進む。
かご8の運転方向が下方向でなければ、エレベータ制御装置5は、ステップS32において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
かご8の運転方向が下方向である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS33において、行先階が第2の速度変更位置よりも下かどうかを判定する。第1の速度変更位置よりも下でなければ、エレベータ制御装置5は、ステップS34において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
行先階が第2の速度変更位置よりも下である場合、エレベータ制御装置5は、ステップS25において、運転モードを管制運転モードに切り替える。この後、ステップS26からステップS28までは、図12と同様である。そして、ステップS35において、かご8が行先階に到着すると、エレベータ制御装置5は、この回の処理を終了する。
他の構成及び制御方法は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ装置によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、エレベータ制御装置5は、かご8の走行が、ロープ共振ゾーンとかご共振ゾーンとの両方に順番に進入する走行である場合に、運転モードを管制運転モードに切り替える。このため、かご8が各階に停止可能なエレベータ装置であっても、できるだけ通常運転を維持しつつ、より的確なタイミングで管制運転を実施することができる。
また、エレベータ制御装置5は、かご8の運転方向が上方向である場合に、かご8の行先階が速度変更位置よりも上かどうかを判定し、行先階が速度変更位置よりも上である場合に、運転モードを管制運転モードに切り替える。このため、より的確なタイミングで管制運転を実施することができる。
また、エレベータ制御装置5は、かご8の運転方向が下方向である場合に、かご8の行先階が速度変更位置よりも下かどうかを判定し、行先階が速度変更位置よりも下である場合に、運転モードを管制運転モードに切り替える。このため、より的確なタイミングで管制運転を実施することができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3のエレベータ装置について説明する。実施の形態3では、エレベータ制御装置5は、かご振動推定値が閾値以上となる場合に、運転モードを管制運転モードに切り替える。
この場合、エレベータ制御装置5は、建物50の揺れの大きさと、かご8の位置とに基づいて、かご8の現在の位置において生じるロープ7,10の横振動推定値を、ロープ7,10の横振動の初期値として算出する。
また、エレベータ制御装置5は、横振動推定値でロープ7,10が振動した状態からかご8を走行させた場合のかご振動推定値を算出する。他の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
図15は、実施の形態3の主ロープ7の横振動に対するエレベータ制御装置5の管制運転動作を示すフローチャートである。図15では、エレベータ装置がシャトルエレベータである場合を示している。
エレベータ制御装置5は、かご8の走行開始時に、図15の処理を実施する。また、エレベータ制御装置5は、図15の処理を設定周期で定期的に実施してもよい。
エレベータ制御装置5は、ステップS41において、走行した場合のかご8の振動を推定、即ち上記のかご振動推定値を算出する。続いて、エレベータ制御装置5は、ステップS42において、かご振動推定値が設定値以上であるかどうかを判定する。
かご振動推定値が設定値未満であれば、エレベータ制御装置5は、ステップS2において通常運転モードを維持して、この回の処理を終了する。
かご振動推定値が設定値以上であれば、エレベータ制御装置5は、ステップS5において、運転モードを管制運転モードに切り替える。以下、ステップS6からステップS9までは、実施の形態1と同様である。
また、コンペンロープ10の横振動に対する管制運転動作は、図12のステップS21からステップS24までを、図15のステップS41、ステップS42、及びステップS2と置き換えたものである。
このようなエレベータ装置によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態2に示したエレベータ装置、即ちかご8が各階に停止可能なエレベータ装置について、かご振動推定値が閾値以上となる場合に、運転モードを管制運転モードに切り替えてもよい。
ここで、図16は、管制運転モードにおける速度パターンの第1の例を示すグラフである。第1の例では、通常運転モードにおける定格速度区間の途中でかご速度の低減が開始されている。また、かご速度が低速度V2になると、減速度が低減されている。
また、図17は、管制運転モードにおける速度パターンの第2の例を示すグラフである。第2の例では、通常運転モードにおける定格速度区間の途中でかご速度の低減が開始されている。また、かご速度が低速度V2になると、低速度V2がしばらく維持され、その後再度減速が開始されている。
また、図18は、管制運転モードにおける速度パターンの第3の例を示すグラフである。第3の例では、通常運転モードにおける定格速度区間の途中でかご速度の低減が開始されている。その後、かごが停止するまで、通常運転モードの減速度よりも低い一定の減速度でかご速度が低減されている。
また、図19は、管制運転モードにおける速度パターンの第4の例を示すグラフである。第4の例では、かご速度が定格速度V1に達する前に、定格速度V1よりも低く低速度V2よりも高い速度V11で、かご速度がしばらく維持される。この後は、図17に示す第2の例と同様である。
管制運転モードにおける速度パターンは、図16から図19までの例に限らず、種々の変更が可能である。
また、実施の形態1~3のエレベータ制御装置5の各機能は、処理回路によって実現される。図20は、実施の形態1~3のエレベータ制御装置5の各機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。また、エレベータ制御装置5の各機能それぞれを個別の処理回路100で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路100で実現してもよい。
また、図21は、実施の形態1~3のエレベータ制御装置5の各機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、エレベータ制御装置5の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
なお、制御装置は、設定値以上の大きさの建物の揺れが発生し、さらに、建物の揺れの大きさが設定値以上となっている状態の継続時間が、基準時間以上続いている場合に、運転モードを管制運転モードに切り替えてもよい。このとき、制御装置は、建物の揺れの大きさに応じて、基準時間を変更してもよい。
例えば、建物の揺れが0.2ガルから0.3ガルまでの場合は、基準時間を400秒と設定し、建物の揺れが0.3ガルを超える場合は、基準時間を300秒と設定すればよい。但し、前記の基準時間は、建物の揺れによって生じる主ロープ及びコンペンロープのいずれか一方の横振動が設定値に達する一例であり、この値に限定されない。
また、管制運転モードは、主ロープ及びコンペンロープのいずれか一方の横振動に対してのみ適用してもよい。また、かごに接続されている主ロープ及びコンペンロープ以外のロープの横振動に対して適用してもよい。
また、ロープは、広義の意味のロープであり、例えばかごを吊り下げるベルトも含む。
また、管制運転を制御する制御装置は、エレベータ制御装置に限定されない。
また、この発明は、機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、ワンシャフトマルチカー方式のエレベータなど、種々のタイプのエレベータに適用できる。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
5 エレベータ制御装置、7 主ロープ、8 かご、10 コンペンロープ。

Claims (5)

  1. かご、
    前記かごに接続されているロープ、及び
    前記かごの運転を制御する制御装置
    を備え、
    前記制御装置による前記かごの運転モードには、前記かごの通常運転を行う通常運転モードと、前記ロープの横振動による前記かごの振動を抑制する管制運転モードとが含まれており、
    前記制御装置は、
    建物及び前記ロープの少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、前記かごの位置とに基づいて、前記運転モードを前記管制運転モードに切り替え、
    前記管制運転モードでは、走行行程の途中の速度変更位置で、前記かごの速度を、前記通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替え
    前記制御装置は、前記かごの走行が、前記建物の揺れに前記ロープが共振するロープ共振ゾーンと、前記ロープの横振動に前記かごが共振するかご共振ゾーンとの両方に順番に進入する走行である場合に、前記運転モードを前記管制運転モードに切り替えるエレベータ装置。
  2. 前記制御装置は、前記管制運転モードでは、前記ロープ共振ゾーンにおける前記かごの速度を通常運転モードと同様の速度とし、前記かご共振ゾーンにおける前記かごの速度を通常運転モードの速度よりも低速とする請求項記載のエレベータ装置。
  3. かご、
    前記かごに接続されているロープ、及び
    前記かごの運転を制御する制御装置
    を備え、
    前記制御装置による前記かごの運転モードには、前記かごの通常運転を行う通常運転モードと、前記ロープの横振動による前記かごの振動を抑制する管制運転モードとが含まれており、
    前記制御装置は、
    建物及び前記ロープの少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、前記かごの位置とに基づいて、前記運転モードを前記管制運転モードに切り替え、
    前記管制運転モードでは、走行行程の途中の速度変更位置で、前記かごの速度を、前記通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替え、
    前記制御装置は、前記管制運転モードでは、前記速度変更位置を、前記建物の揺れに対する前記ロープの横振動の応答倍率が最大値となるロープ最大共振位置と、前記ロープの横振動による前記かごの振動の応答倍率が最大値となるかご最大共振位置との間に設定するエレベータ装置。
  4. かご、
    前記かごに接続されているロープ、及び
    前記かごの運転を制御する制御装置
    を備え、
    前記制御装置による前記かごの運転モードには、前記かごの通常運転を行う通常運転モードと、前記ロープの横振動による前記かごの振動を抑制する管制運転モードとが含まれており、
    前記制御装置は、
    建物及び前記ロープの少なくともいずれか一方の揺れの大きさと、前記かごの位置とに基づいて、前記運転モードを前記管制運転モードに切り替え、
    前記管制運転モードでは、走行行程の途中の速度変更位置で、前記かごの速度を、前記通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替え、
    前記制御装置は、前記管制運転モードでは、前記速度変更位置を、前記建物の揺れに対する前記ロープの横振動の応答倍率が最大値の5分の1となる位置と、前記ロープの横振動による前記かごの振動の応答倍率が最大値の5分の1となる位置との間に設定するエレベータ装置。
  5. 前記制御装置は、前記かごの位置が、最下階から最上階までの昇降行程の2分の1よりも上の位置で、前記かごの速度を、前記通常運転モードの速度パターンよりも低速に切り替える請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のエレベータ装置。
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