JP7038475B2 - 車両検出装置および車両検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両検出装置および車両検出方法に関する。
有料道路の出入口に設けられる料金所には、車両が料金所に進入したことを検知するための車両検出器が設置される。このような車両検出器は、路面を挟んで設けられる一対の投光装置と受光装置を備える。投光装置は、高さ方向に並んだ複数の投光部から検査光を出射する。受光装置は、投光装置の各投光部に対向して設けられた受光部で検査光を受光する。車両検出器は、投光装置が出射した検査光を受光装置で受光されたか否かに基づいて路面上に車両が存在するか否かを判定する。車両検出器は、塵芥等による誤検出を防ぐため、連続する一定数以上の受光部が検査光を受光できない場合に、路面上に車両が存在すると判定する。
また、特許文献1には、路面の幅方向にレーザパルスを走査し、レーザパルスの反射位置の高さに基づいて車両が路面上に存在しているか否かを判定する技術が開示されている。
特開2004-272842号公報
料金所には通行する車両の車種を判別するために、ナンバープレートを撮影するナンバープレート認識装置が設けられる。ナンバープレート認識装置は、車両検出器が車両の先頭部分(ナンバープレートの設置部分)を検出したときに撮影を行うことで、ナンバープレートが最も明瞭に写るように設定される。一方、ナンバープレートは、車両のバンパー部分に設置されることが少なくない。バンパーの高さ方向の幅は狭いため、バンパーによって検査光が遮光されたとしても、車両検出器において塵芥等と誤検出されて車両の検出が遅れる可能性がある。この場合、ナンバープレート認識装置による撮影が遅れ、ナンバープレートが明瞭に写らない可能性がある。
特許文献1に記載の発明によれば、バンパーを塵芥等と誤検出することを防ぐことができる。一方で、路面を走行する車両の拡散反射率が低い場合(例えば、鏡面反射率が高い場合や、または吸光係数が高い場合など)、レーザスキャナが出射した検査光の反射光がレーザスキャナで計測できないことがある。このような車両については、特許文献1に記載の発明によって検出することができない。
本発明の目的は、車両が所定の検出位置に進入した場合に、車両の拡散反射率によらず当該車両を検出することができる車両検出装置および車両検出方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、車両検出装置(10)は、車両(A)のバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査し、前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲における前記検査光の反射位置を検出可能なレーザスキャナ(10A)と、前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部(102)と、前記路面形状記憶部から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定し、前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差が路面判定閾値より大きく、または前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差が算出不能である領域である遮蔽領域(R)の幅が車両判定閾値以上である場合に、前記走査範囲内に車両が存在すると判定する車両判定部(103)とを備える。
車両で反射した反射光がレーザスキャナで検出できた場合、反射位置と路面の位置との差は路面判定閾値より大きくなる。また、車両で反射した反射光がレーザスキャナで検出できない場合、反射位置が測定できない。したがって、車両検出装置は、走査範囲のうち遮蔽領域の幅に基づいて車両の有無を判定することで、車両の拡散反射率によらずかつ速やかに当該車両を検出することができる。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る車両検出装置は、前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記路面と平行に出射される前記検査光である平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の区分を判定する区分判定部(106)をさらに備えるものであってよい。
レーザスキャナによる高さ(距離)の計測精度は、レーザスキャナと反射位置との距離が長くなるほど低下する。一方、レーザスキャナにおいて反射光を検出したか否かは、レーザスキャナと反射位置との距離によらず一定の精度で判定することができる。そのため、車両検出装置は、平行検査光に係る反射位置に基づいて車両がレーザスキャナの設置位置より高いか否かを精度よく判定することができる。これにより、車両検出装置は、車両の区分を精度よく判定することができる。
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る車両検出装置は、前記レーザスキャナは、前記平行検査光と前記路面との間の距離が大型車の最低高さと等しい距離となる位置に設置され、前記区分判定部は、前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の車種を判定するものであってよい。
これにより、平行検査光が車両によって反射されない場合、車両検出装置は、走査範囲内に存在する車両の車種が大型車より小さい車種であると判定することができる。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の何れかの態様に係る車両検出装置は、前記車両判定部は、前回の判定時に前記走査範囲内に車両が存在すると判定し、前記遮蔽領域の幅が車両判定閾値未満であり、かつ前記遮蔽領域における検査光の反射位置とその直下の前記路面の位置との距離が牽引棒判定閾値以上である場合に、前記走査範囲内に車両が存在すると判定するものであってよい。
これにより、車両検出装置は、車両(牽引車)が牽引棒を介して他の車両(被牽引者)を牽引している場合、つまり車両が連結車両である場合にも、当該連結車両を1つの車両として認識することができる。
本発明の第5の態様によれば、車両検出装置は、車両のバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査し、前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲における前記検査光の反射位置を検出可能なレーザスキャナと、前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部と、前記路面形状記憶部(102)から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定し、前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差に基づいて前記走査範囲内に車両が存在すると判定する車両判定部と前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記路面と平行に出射される前記検査光である平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の区分を判定する区分判定部とを備える。
本発明の第6の態様によれば、車両検出方法は、車両のバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査することと、前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲における前記検査光の反射位置を検出することと、前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定することと、前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差が路面判定閾値より大きく、または前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差が算出不能である領域である遮蔽領域の幅が車両判定閾値以上である場合に、前記走査範囲内に車両が存在すると判定することとを含む。
本発明の第7の態様によれば、車両検出方法は、車両のバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査することと、前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲において前記検査光の反射位置を検出することと、前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定することと、前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差に基づいて前記走査範囲内に車両が存在すると判定することと前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記路面と平行に出射される前記検査光である平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の区分を判定することとを備える。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、車両検出装置は、車両が所定の検出位置に進入した場合に、車両の拡散反射率によらずかつ速やかに当該車両を検出することができる。
第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る車種判別装置の演算装置の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係る車種判別装置の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態による検査光の遮蔽領域の例を示す図である。 関連する車両検出システムによる検査光の遮蔽領域の例を示す図である。 少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
〈第1の実施形態〉
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
《全体構成》
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
料金収受設備1は、図1に示すように有料道路の出口料金所に設けられる。料金収受設備1は、有料道路の利用者である車両Aの運転者から利用料金を収受する。
料金収受設備1は、料金自動収受機11と、車種判別装置10と、発進制御機13と、発進検知器14と、を備えている。
料金収受設備1は、車線Lの側部のアイランドI上に設けられ、車線L上に停止した車両Aとの間で料金収受処理を行うための設備である。
以降の説明において、車線Lに沿う方向を進行方向(図1におけるX方向)と称する。
また、車線L上で車両Aが進む方向側(図1における+X方向側)を進行方向奥側と称し、車両Aが進む方向側とは反対側(図1における-X方向側)を進行方向手前側と称する。
料金自動収受機11は、車両Aの車種区分や有料道路の走行距離等に応じた利用料金を算出し、車両Aの運転者から当該利用料金(紙幣、硬貨、クレジットカード等)を収受する。料金自動収受機11は、内部に料金収受処理部を有しており、例えば、車両Aの運転者から投入された紙幣や硬貨の投入金額を算出するとともに、排出すべき釣銭の額を計算し、紙幣や硬貨を専用の排出口から排出する制御を行う。
車種判別装置10は、車線Lにおける料金自動収受機11の進行方向手前側(-X方向側)に設けられ、料金所の車線Lに進入する車両Aの特性を検出して車種区分を判別するための装置群である。ここで、車種区分とは、利用料金を決定するための車種の区分であり、本実施形態においては、「軽自動車または自動二輪車」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」の五車種を有している。また、車両の特性とは、本実施形態においては、車線Lに進入する車両A固有のタイヤ幅、トレッド(左右のタイヤの中心間距離)、ナンバープレート情報、車軸数、車高であって、車両Aの車種区分を判別するために必要な情報である。
本実施形態において、車種判別装置10は、レーザスキャナ10Aと、踏板10Bと、ナンバープレート認識装置10Cとを検出用装置として備えている。車種判別装置10は、これら検出用装置が検出する信号に基づいて、車両Aの車種区分を判別する。
発進制御機13は、車線Lに進入した車両Aの利用料金の収受が完了するまで、車両Aを発進させないようにする等の目的で、ゲートの開放及び閉塞を行う。図1に示すように、発進制御機13は、車線Lにおける料金自動収受機11よりも進行方向奥側(+X方向側)に設けられている。発進制御機13は、料金自動収受機11から開動作指示信号が入力された際にゲートを開き、車両Aに対して発進を許可する。同様に、発進制御機13は、料金自動収受機11から閉動作指示信号が入力された際にゲートを閉じる。
発進検知器14は、車線Lにおける発進制御機13よりも進行方向奥側(+X方向側)に設けられ、車両Aが車線Lから退出したかどうかを検出する。発進検知器14の検出信号は、料金自動収受機11に出力される。料金自動収受機11は、発進検知器14からの検出信号の入力を受け付けると、ゲートを閉じるために発進制御機13に閉動作指示信号を出力する。
《車両検出装置の構成》
車種判別装置10は、レーザスキャナ10Aと、踏板10Bと、ナンバープレート認識装置10Cとを検出用装置として備えている。また、車種判別装置10は、これら検出用装置が検出する信号に基づいて、車両Aが料金所に進入したか否か、および車両Aの車種区分を判別する演算装置10Dを備えている。
レーザスキャナ10Aは、アイランドI上であって、車線Lの路面からの高さが大型車の最低高さ(例えば2000ミリメートル)と等しい位置に設置される。なお、2000ミリメートルは日本における普通車の規格限度値であるが、普通車が積載物を有する場合、車高が2000ミリメートルを超えることがある。また、アイランドI上には、車線Lを挟んでレーザスキャナ10Aに対向する位置に反射板Bが設置される。反射板Bの高さは少なくともレーザスキャナ10Aの設置位置より高い。
レーザスキャナ10Aは、検査光を出射して所定の走査範囲を走査し、検査光の反射光に基づいて走査範囲における検査光の反射位置を検出する。つまり、レーザスキャナ10Aは、検査光を出射した走査角度と、当該走査角度で受光した反射光に基づいて検出された距離とに基づいて、車線Lの幅方向(Y方向)における検査光の反射位置と、高さ方向(Z方向)における検査光の反射位置とを算出する。レーザスキャナ10Aは、一回の走査において算出された反射位置を、スキャンデータとして演算装置10Dに出力する。レーザスキャナ10Aは、反射位置を直交座標系の形式で出力する。
レーザスキャナ10Aによる検査光の走査範囲は、少なくとも車線L上の幅方向全域と、反射板Bのうちレーザスキャナ10Aを通り車線に平行な平面と交差する位置とを含む。以下、レーザスキャナ10Aが出射する検査光のうち、路面と平行に出射されるものを平行検査光という。平行検査光は、反射板Bに向けて照射される。なお、平行検査光は、必ずしも水平方向に出射されるものではない。例えば車線Lの路面が水勾配を有する場合、レーザスキャナ10Aが出射する検査光のうち、水平方向から当該水勾配に相当する角度だけ傾斜して出射されるものを平行検査光としてもよい。
踏板10Bは、車線Lに進入してきた車両Aの車軸数と、タイヤ幅と、トレッドとを特定可能な検出信号を演算装置10Dに出力する。踏板10Bは、車線Lの進行方向において、レーザスキャナ10Aが設置されている位置と同じ位置の車線Lの路面上に設けられている。踏板10Bは、内部に電気接点を利用した踏圧センサ(図示せず)を有し、当該踏圧センサを通じて車線Lに進入した車両Aによる踏圧の、車線Lの幅方向(Y方向)における踏圧位置及び踏圧幅に応じた検出信号を演算装置10Dに出力する。
ナンバープレート認識装置10Cは、演算装置10Dによる車両Aの進入検知情報に基づいて、車両Aのナンバープレートが写る画像を撮影し、車両Aのナンバープレート情報(車両登録情報及びナンバープレートの大きさ)を取得する。ナンバープレート認識装置10Cは、取得したナンバープレート情報を演算装置10Dへ出力する。ナンバープレート認識装置10Cは、車両Aがレーザスキャナ10Aの走査範囲内に進入したときに撮影を行うことで、ナンバープレートが最も明瞭に写るように設定される。
《車種判別装置の機能》
図2は、第1の実施形態に係る車種判別装置の演算装置の構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、演算装置10Dは、車種判別装置10の備えるレーザスキャナ10A、踏板10B、およびナンバープレート認識装置10Cが検出した情報を取得する。
演算装置10Dは、スキャンデータ取得部101、路面形状記憶部102、車両判定部103、撮影指示出力部104、車両特徴情報取得部105、車種判別部106、車両特徴情報記憶部107、車種出力部108を備える。
スキャンデータ取得部101は、レーザスキャナ10Aからスキャンデータを取得する。
路面形状記憶部102は、車両Aがレーザスキャナ10Aの走査範囲内に存在しないときにおける路面の高さ情報を記憶する。具体的には、路面形状記憶部102は、車線Lの幅方向(Y方向)における路面位置と、高さ方向(Z方向)における路面位置とを記憶する。
車両判定部103は、スキャンデータ取得部101が取得したスキャンデータに基づいてレーザスキャナ10Aの走査範囲内に車両Aが存在するか否かを判定する。
撮影指示出力部104は、車両判定部103によりレーザスキャナ10Aの走査範囲内に車両Aが存在すると判定されたときに、ナンバープレート認識装置10Cに撮影指示を出力する。
車両特徴情報取得部105は、踏板10Bから検出信号を取得し、ナンバープレート認識装置10Cからナンバープレート情報を取得する。
車種判別部106は、スキャンデータ、検出信号およびナンバープレート情報に基づいて車両Aの車種を判別する。
車両特徴情報記憶部107は、車両Aの車軸数、高さ情報、およびナンバープレート情報を記憶する。車両Aの高さ情報とは、車両Aの高さが大型車の最低高さより大きいか否かを示す情報である。
車種出力部108は、車種判別部106が判別した車種を示す車種情報を料金自動収受機11に出力する。
《車種判別装置の動作》
図3は、第1の実施形態に係る車種判別装置の動作を示すフローチャートである。
レーザスキャナ10Aは、検査光を走査するたびに、スキャンデータを演算装置10Dに出力する。演算装置10Dのスキャンデータ取得部101がレーザスキャナ10Aからスキャンデータを取得する(ステップS1)。次に、車両判定部103は、車線Lの幅方向(Y方向)の複数の位置について、スキャンデータが示す高さ方向(Z方向)の反射位置と路面形状記憶部102が記憶する高さ方向の路面位置との差である遮蔽高さを算出する(ステップS2)。このとき、車両判定部103は、スキャンデータに含まれる反射位置のうち、高さ方向(Z方向)の位置が計測不能(N/A(Not Available))であったものについて、遮蔽高さを計測不能(N/A)とする。なお、検査光が照射された車両Aの表面の拡散反射率が小さい場合に、反射位置が計測不能となることがある。
次に、車両判定部103は、レーザスキャナ10Aの走査範囲のうち、算出した遮蔽高さが所定の路面判定閾値(例えば、50ミリメートル)以下とならない(路面判定閾値より大きく、または反射位置が計測不能である)連続した領域である遮蔽領域Rを特定する(ステップS3)。つまり、車両判定部103は、レーザスキャナ10Aの走査範囲のうち、遮蔽高さが路面判定閾値を超える値または遮蔽高さが計測不能を示す連続した領域を遮蔽領域Rとして特定する。これにより、車両判定部103は、車両Aの拡散反射率によらず、走査範囲のうちいずれの検査光が車両Aに当たったかを特定することができる。車両判定部103は、遮蔽領域Rの幅(車線Lの幅方向(Y方向)の長さ)が車両判定閾値(例えば、1メートル)以上であるか否かを判定する(ステップS4)。遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値未満である場合(ステップS4:NO)、車両判定部103は、走査範囲内に車両Aが存在しないと判定し(ステップS5)、ステップS1に処理を戻し、次のスキャンデータを取得する。これは、遮蔽領域Rの幅が短い場合には、検査光が塵芥などに反射した可能性が高いためである。つまり、車両判定部103は、遮蔽領域Rの幅と車両判定閾値とを比較することで、塵芥などによる車両Aの誤検出を防ぐことができる。
他方、遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値以上である場合(ステップS4:YES)、車両判定部103は、走査範囲内に車両Aが存在すると判定する(ステップS6)。そして撮影指示出力部104は、ナンバープレート認識装置10Cに撮影指示を出力する(ステップS7)。
これにより、ナンバープレート認識装置10Cは、ナンバープレートが最も明瞭に写るように画像を撮影することができる。
ここで、第1の実施形態に係る料金収受設備1により、ナンバープレート認識装置10Cが適切に画像を撮影することができる理由について説明する。
図4は、第1の実施形態による検査光の遮蔽領域の例を示す図である。図5は、関連する車両検出システムによる検査光の遮蔽領域の例を示す図である。
第1の実施形態によれば、レーザスキャナ10Aは、車両Aのバンパー位置より高い位置から、車線Lの路面に向けて検査光を走査する。そのため、車両Aのバンパーがレーザスキャナ10Aの走査範囲に進入したとき、図4に示すように、バンパーの幅方向(Y方向)の複数の点において、検査光が反射する。
これに対し、車線幅方向に平行に検査光を投光する関連する車両検出システムにおいては、図5に示すように、バンパーの高さ方向(Z方向)に遮蔽領域Rが存在するため、高さの短い範囲においてのみ、検査光が反射する。
このように、第1の実施形態に係るレーザスキャナ10Aによれば、車線幅方向に平行に検査光を投光する関連する車両検出システムと比較して、バンパーによる検査光の遮蔽領域Rの幅が広くなる。そのため、演算装置10Dは、高さが短いバンパーがレーザスキャナ10Aの走査範囲に進入した場合にも、塵芥等による誤検出を防ぎつつ、ただちに車両Aの進入を検出することができる。そして演算装置10Dは、上記手順で進入を検出したときに撮影指示を出力するため、ナンバープレート認識装置10Cは、適切なタイミングで画像を撮影することができる。
ナンバープレート認識装置10Cに撮影指示を出力すると、車両特徴情報取得部105は、ナンバープレート認識装置10Cからナンバープレート情報を取得する(ステップS8)。車種判別部106は、取得されたナンバープレート情報を車両特徴情報記憶部107に記録する(ステップS9)。
次に、車両特徴情報取得部105は、踏板10Bから検出信号を取得する(ステップS10)。車種判別部106は、取得された検出信号に基づいて車両Aの車軸数、タイヤ幅、およびトレッドを算出する(ステップS11)。車種判別部106は、ステップS11の算出結果を用いて車両特徴情報記憶部107が記憶する車軸数、タイヤ幅、およびトレッドを更新する(ステップS12)。
次に、車種判別部106は、スキャンデータ取得部101が取得したスキャンデータから、平行検査光の反射位置を読み取る。車種判別部106は、平行検査光の反射位置が反射板B上にあるか否かを判定する(ステップS13)。平行検査光の反射位置が反射板B上にあるとは、平行検査光の反射位置と反射板Bの位置との差が所定の閾値(例えば、100ミリメートル)未満であることをいう。したがって、車種判別部106は、平行検査光の反射位置と反射板Bの位置との差が閾値以上である場合、および平行検査光の反射位置が計測不能である場合に、平行検査光の反射位置が反射板B上にないと判定する。
平行検査光の反射位置が反射板B上にない場合(ステップS13:NO)、車種判別部106は、車両Aの高さが大型車の最低高さ以上であると認識し、車両特徴情報記憶部107が記憶する車両Aの高さ情報を、大型車の最低高さ以上であることを示す値に書きかえる(ステップS14)。他方、平行検査光の反射位置が反射板B上にある場合(ステップS13:YES)、車種判別部106は、車両Aの高さが大型車の最低高さ未満であると認識し、車両特徴情報記憶部107が記憶する車両Aの高さ情報を書きかえない。なお、車両特徴情報記憶部107が記憶する車両Aの高さ情報には、初期値として、大型車の最低高さ未満であることを示す値が格納されている。
車両判定部103は、ステップS13、S14による高さ情報に係る処理を終えると、スキャンデータ取得部101は、レーザスキャナ10Aから次のスキャンデータを取得する(ステップS15)。次に、車両判定部103は、車線Lの幅方向(Y方向)の複数の位置について遮蔽高さを算出する(ステップS16)。車両判定部103は、レーザスキャナ10Aの走査範囲のうち、算出した遮蔽高さが路面判定閾値以下とならない連続した領域である遮蔽領域Rを特定する(ステップS17)。車両判定部103は、遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS18)。
遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値以上である場合(ステップS18:YES)、車両判定部103は、走査範囲内に車両Aが存在すると判定し(ステップS20)、ステップS10に処理を戻し、車両特徴情報の収集を継続する。他方、遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値未満である場合(ステップS18:NO)、車両判定部103は、遮蔽領域Rに対応する路面位置とレーザスキャナ10Aとを結ぶ直線上に、高さが牽引棒判定閾値(例えば、200ミリメートル)以上となる反射点があるか否かを判定する(ステップS19)。つまり、車両判定部103は、前回の判定時に走査範囲内に車両Aが存在すると判定し、かつ遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値未満である場合に、遮蔽領域Rにおける検査光の反射位置とその直下の路面位置との間の距離が牽引棒判定閾値以上であるか否かを判定する。これにより、演算装置10Dは、牽引車が被牽引車を牽引棒を介して牽引している場合にも、牽引車と被牽引車とを含む連結車両を1つの車両Aとして認識することができる。また、これにより、雨水などにより走査範囲内の一部に距離データの変動が生じる場合にも、雨水などによる誤検知の要素を排除することができる。
遮蔽領域Rにおける路面から反射位置までの高さが牽引棒判定閾値以上である場合(ステップS19:YES)、車両判定部103は、走査範囲内に車両Aが存在すると判定し(ステップS20)、ステップS10に処理を戻し、車両特徴情報の収集を継続する。
他方、遮蔽領域Rにおける路面から反射位置までの高さが牽引棒判定閾値未満である場合(ステップS19:NO)、車種判別装置10は、遮蔽領域Rが車両Aまたは牽引棒による遮蔽により形成されたものでないと判定する。つまり、車種判別装置10は、走査範囲内に車両Aが存在しなくなったと判定する(ステップS21)。車種判別部106は、車両特徴情報記憶部107が記憶する情報に基づいて車両Aの車種を判別する(ステップS22)。具体的には、車種判別部106は、車両Aの基本車種を「軽自動車または二輪自動車」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」の何れかに分類する。例えば、車種判別部106は、高さ情報に基づいて、車高が大型車の最低高さ未満である場合に、車両Aの車種の候補から「大型車」および「特大車」を除外する。なお、車両Aの車種は、車両の区分の一例である。つまり、車種判別部106は、区分判定部の一例である。
そして、車種出力部108は、車種判別部106が判別した車種を示す車種情報を、料金自動収受機11に出力する(ステップS23)。
《作用・効果》
このように、第1の実施形態によれば、車種判別装置10は、車両Aのバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を走査するレーザスキャナ10Aと、走査範囲における遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値以上である場合に、走査範囲内に車両Aが存在すると判定する車両判定部103とを備える。車両Aで反射した反射光がレーザスキャナ10Aで検出できた場合、反射位置と路面の位置との差は路面判定閾値より大きくなる。また、車両Aで反射した反射光がレーザスキャナ10Aで検出できない場合、反射位置が測定できないため、反射位置と前記路面の位置との差は計測不能(N/A)となり、路面判定閾値以下の値とならない。したがって、車種判別装置10は、走査範囲のうち遮蔽領域Rの幅に基づいて車両の有無を判定することで、車両Aの拡散反射率によらずかつ速やかに車両Aを検出することができる。
また、第1の実施形態によれば、車種判別装置10は、走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、平行検査光に係る反射位置に基づいて車両Aの区分を判定する。レーザスキャナ10Aによる高さ(距離)の計測精度は、レーザスキャナ10Aと反射位置との距離が長くなるほど低下する。一方、レーザスキャナ10Aにおいて反射光を検出したか否かは、レーザスキャナ10Aと反射位置との距離によらず一定の精度で判定することができる。そのため、車種判別装置10は、平行検査光に係る反射位置に基づいて車両Aがレーザスキャナ10Aの設置位置より高いか否かを精度よく判定することができる。これにより、車種判別装置10は、車両Aの区分を精度よく判定することができる。
また、第1の実施形態によれば、レーザスキャナ10Aは、平行検査光と路面との間の距離が大型車の最低高さと等しい距離となる位置に設置され、車種判別装置10が、走査範囲内に車両Aが存在すると判定した場合に、平行検査光に係る反射位置に基づいて車両Aの車種を判定する。これにより、平行検査光が車両Aによって反射されない場合、車種判別装置10は、走査範囲内に存在する車両Aの車種が大型車より小さい車種であると判定することができる。
また、第1の実施形態によれば、車種判別装置10は、前回の判定時に走査範囲内に車両Aが存在すると判定し、遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値未満であり、さらに遮蔽領域Rにおける検査光の反射位置とその直下の路面位置との距離が牽引棒判定閾値以上である場合に、走査範囲内に車両Aが存在すると判定する。これにより、車両検出装置は、車両Aが連結車両である場合にも、当該連結車両を1つの車両Aとして認識することができる。
〈変形例〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態において、車両検出装置は車種判別装置10に実装されるが、これに限られない。例えば、他の実施形態において、車両検出装置は、車種判別装置10と別個に設けられた他の装置に実装されてもよい。
また、第1の実施形態に係るレーザスキャナ10Aは、アイランドI上であって大型車の最低高さの位置に設けられるが、他の実施形態ではこれに限られず、バンパー位置よりも高い位置であれば、どこに設置されていてもよい。例えば、他の実施形態に係るレーザスキャナ10Aは、車線を跨ぐガントリに設置されていてもよい。
また、第1の実施形態に係る車種判別装置10は、大型車の最低高さの位置に設けられるレーザスキャナ10Aの平行検査光の反射位置に基づいて、車両Aの車種を判別したが、これに限られない。例えば、他の実施形態においてレーザスキャナ10Aがトンネルの高さの位置に設けられる場合、車種判別装置10は、平行検査光の反射位置に基づいて車両Aがトンネルを通過できるか否か(車両Aの区分)を判定してもよい。また例えば、他の実施形態においてレーザスキャナ10Aが積載物の最大高さの位置に設けられる場合、車種判別装置10は、平行検査光の反射位置に基づいて積載物の大きさ制限超過(車両Aの区分)を判定してもよい。
さらに他の実施形態では、車種判別装置10は、平行検査光に基づく区分の判定を行わなくてもよい。
また、第1の実施形態に係る料金収受設備1は、レーザスキャナ10Aに対向する反射板Bを備えるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る料金収受設備1は、反射板Bを備えなくてもよい。この場合、レーザスキャナ10Aの走査範囲内に車両Aが存在しないとき、水平検査光の反射位置は、計測不能(N/A)となる。したがって、この場合、車種判別装置10は、水平検査光の反射位置が計測不能でない場合に、車両の高さが平行検査光の高さより高いと判定することができる。
また、第1の実施形態に係る車種判別装置10は、牽引棒判定閾値に基づいて連結車両を1つの車両として特定したが、他の実施形態では、これに限られない。例えば、他の実施形態において牽引車と被牽引車とを別個の車両Aとして検出すべき場合、車種判別装置10は、遮蔽領域Rにおける路面から反射位置までの高さによらず、遮蔽領域Rの幅が車両判定閾値未満である場合に走査範囲内に車両Aが存在しないと判定してもよい。
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の演算装置10Dは、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した路面形状記憶部102および車両特徴情報記憶部107に対応する記憶領域を主記憶装置902に確保する。
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904または通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1 料金収受設備
10 車種判別装置
10A レーザスキャナ
10B 踏板
10C ナンバープレート認識装置
10D 演算装置
101 スキャンデータ取得部
102 路面形状記憶部
103 車両判定部
104 撮影指示出力部
105 車両特徴情報取得部
106 車種判別部
107 車両特徴情報記憶部
108 車種出力部

Claims (3)

  1. 車両のバンパー位置よりも高い位置から車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査し、走査された前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲における前記検査光の反射位置を検出可能なレーザスキャナと、
    前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部と、
    前記路面形状記憶部から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定し、前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差に基づいて前記走査範囲内に車両が存在すると判定する車両判定部と
    前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記レーザスキャナから前記路面と平行に出射される前記検査光である平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の区分を特定する区分特定部と
    を備える車両検出装置。
  2. 車両のナンバープレートが写る画像を撮影し、前記車両が前記走査範囲内に進入したときに前記ナンバープレートが最も明瞭に写るように設定されたナンバープレート認識装置を備え、
    前記車両判定部は、前記レーザスキャナが前記検査光を走査するたびに前記走査範囲内に車両が存在するか否かを判定し、
    前記ナンバープレート認識装置は、前記車両判定部が前記走査範囲内に車両が存在すると判定したときに画像を撮影する
    請求項1に記載の車両検出装置。
  3. 車両のバンパー位置よりも高い位置に設けられたレーザスキャナから車線方向に交差する方向に検査光を出射して路面を含む所定の走査範囲を走査することと、
    走査された前記検査光の反射光に基づいて、前記走査範囲において前記検査光の反射位置を検出することと、
    前記車両が前記走査範囲内に存在しないときの前記走査範囲の幅方向の路面位置と高さ方向の路面位置との関係を記憶する路面形状記憶部から前記走査範囲の各反射位置に対応する前記路面位置の高さを特定することと、
    前記走査範囲のうち前記反射位置の高さと前記路面位置の高さとの差に基づいて前記走査範囲内に車両が存在すると判定することと
    前記走査範囲内に車両が存在すると判定した場合に、前記レーザスキャナから前記路面と平行に出射される前記検査光である平行検査光に係る前記反射位置に基づいて前記車両の区分を特定することと
    を備える車両検出方法。
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