JP7037993B2 - ギ酸の回収方法 - Google Patents

ギ酸の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7037993B2
JP7037993B2 JP2018075514A JP2018075514A JP7037993B2 JP 7037993 B2 JP7037993 B2 JP 7037993B2 JP 2018075514 A JP2018075514 A JP 2018075514A JP 2018075514 A JP2018075514 A JP 2018075514A JP 7037993 B2 JP7037993 B2 JP 7037993B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formic acid
concentration
membrane
liquid
tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018075514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019182785A (ja
Inventor
太起夫 安達
大樹 久保
亨 榛葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsukishima Kankyo Engineering Ltd
Original Assignee
Tsukishima Kankyo Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsukishima Kankyo Engineering Ltd filed Critical Tsukishima Kankyo Engineering Ltd
Priority to JP2018075514A priority Critical patent/JP7037993B2/ja
Publication of JP2019182785A publication Critical patent/JP2019182785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7037993B2 publication Critical patent/JP7037993B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

本発明は、ギ酸の回収方法、特に好適には、廃水からのギ酸の回収方法に関するものである。
ギ酸は、家畜飼料用の防腐剤や抗菌剤、繊維工場での皮革なめし剤、有機合成における水素化物イオン源として使用されており、近年は精密機械の洗浄工程での洗浄剤としての用途も増えている。また、燃料電池の水素供給源としての用途も着目され、研究が進められている。
ギ酸の精製は基本的に蒸留法による。しかし、ギ酸-水系では共沸点が存在し、常圧での共沸濃度は74~78wt%といわれている。
従来例としてギ酸の精製法に次の方法が知られている。
(1)供給液中のギ酸濃度が共沸組成以下の場合、2段蒸留とし、最初の蒸留では大半の水分を除き74~78wt%未満の液として塔下部から回収し、これに酪酸を加え共沸蒸留を行う。共沸蒸留により得られた留出液は二相に分離し、ギ酸を含有する有機相をさらに蒸留し高濃度ギ酸を得る。
この方法では新たに第三成分を添加する必要があり、酪酸の使用にかかわる影響も考慮する必要がある。
(2)また、常圧ないし加圧下で蒸留することにより水分を飛ばし、塔下部より共沸濃度付近の液を得て、これを濃縮塔にて、共沸濃度を避けられる減圧下で蒸留し、高濃度のギ酸溶液を得る方法もある。
減圧下での蒸留であっても共沸濃度は比較的高く(例えば0.23atmにおいて65wt%程度)、濃縮塔塔下部よりこの濃度の液が排出されるので原水に戻すことになり、蒸留法のみでは系内での循環量が増し、設備が過大になるとともに使用するエネルギーも増大する。
特開平6-277403
そこで、本発明の主たる課題は、高濃度でギ酸の回収を図るとともに、低濃度のギ酸を分離して排出することができるギ酸の回収方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、ギ酸を含む廃水からギ酸を回収する方法であって、
前記廃水を浸透気化膜(PV膜)及び蒸発透過膜(VP膜)を含む膜濃縮装置によりギ酸を濃縮及び減縮する工程と、
濃縮された濃縮液を濃縮塔において蒸留濃縮する工程と、
減縮された減縮液を回収塔において蒸留減縮する工程と、を含み、
回収塔操作圧力は常圧の1.0atm以上、9.0atm以下とし、
濃縮塔操作圧力は常圧の1.0atm以上、9.0atm以下とするか、減圧(1atm未満、好ましくは0.5atm以下)とする、ことを特徴とするものである。
濃縮塔操作圧力を減圧とする場合、より好ましくは0.1atm以下とする。
濃縮塔での回収ギ酸濃度として80wt%以上、好ましくは90wt%以上とするのが好適である。
回収塔での回収水中としてギ酸濃度10wt%以下、好ましくは1wt%以下とするのが好適である。
前記廃水中にギ酸より沸点が低く、ギ酸と共沸組成を作らない物質が混在する場合は、前記廃水中からあらかじめこれを蒸留により除くことができる。
また、前記廃水中にギ酸より沸点が低く、水及びギ酸と共沸組成を作らない物質が混在する場合も、前記廃水中からあらかじめこれを蒸留により除くことができる。
高温部材質が、SUS329 J4L、ハステロイ及びチタンから選ばれるのが望ましい。
次いで、本発明に至る背景を含めて説明することとする。
ギ酸を含む廃水からギ酸を回収するためには、回収するギ酸の純度とともに排水として生成する水主成分相中のギ酸濃度を十分に低くし、ギ酸の回収率を高くするとともに排水が及ぼす環境に対する影響が低いものにする必要がある。
水質汚濁にかかわる排水基準としてギ酸に関係する項目としては、CODMnやBODが該当し、例えばCODMnでは160mg/L(日間平均120mg/L)が定められている。ギ酸はCODMnには検知されにくい物質であり、理論値0.348g/gに対し、0.049g/g程度になるとの資料もある。仮に、ギ酸由来のCODMnを0.05g/gとすると排水中のCODMn120mg/Lに許容されるギ酸濃度は2,400mg/L以下となる。河川や湖沼への放流に要求されるCODMnやBODはさらに厳しく8~10mg/Lとなる。
操業の安定性の観点から、このような排水処理設備の後段には生物処理槽を設けるのが一般的である。このため、ギ酸回収設備から排出される排水中のギ酸濃度は1wt%以下、特に0.5wt%以下にて計画するのが好ましい。
ギ酸-水系での気液平衡では、x-yプロットにおいてS字型カーブを描き、一例では0.23atm(175mmHg)系でギ酸濃度65wt%、また、1atm(760mmHg)系でギ酸濃度77.4wt%でy=xの直線と交差し、この点が共沸組成となる。
図11はギ酸-水系での常圧1atm(760mmHg)におけるギ酸基準のHCOOH-H2Ox-y線図である(参考文献1:平田,大江,長浜:電子計算機による気液平衡データ,講談社)。
共沸点は平衡線とy=xの直線との交点であり、この図では水相ギ酸濃度77.4wt%(0.57molfr)となる。蒸留塔では共沸濃度より高い濃度の領域で行われる濃縮操作と共沸濃度より低い濃度の領域で行われる回収操作が別々に行われる。すなわち、共沸濃度より高い濃度で蒸留塔に供給された場合、蒸留塔塔頂部からは供給濃度より高くモル分率で1.0未満の液として、蒸留塔塔下部からは供給濃度より低く共沸濃度より高い濃度の液として回収される。また、共沸点より低い濃度で供給された場合、塔頂部からは水を主成分とするギ酸濃度を減じた液が、塔下部からは供給濃度より高く共沸濃度未満の液として回収される。同一圧力で蒸留操作する場合、他の操作を併用しない限り、この共沸濃度を超える組成で回収することは不可能である。
また、この図11では共沸組成を超えた領域での平衡はy=xの直線に近い部分にあり、効率的に難しいことが予想される。
図12はギ酸-水系での圧力0.092atm(70mmHg)でのギ酸基準のHCOOH-H2Ox-y線図である(参考文献1による)。
減圧にすることで共沸点が移動し64.1wt%(0.411molfr)になるとともに共沸点以上での平衡線が上に膨らみ、分離が容易になることがわかる。
図11、図12の比較からわかるように蒸留操作圧力を変更することにより共沸点が移動し、この現象を利用することで相互の操作範囲を移動することができる。図11と図12では、図11が共沸点以下での操作範囲が広くy=xの直線から離れ、図12では共沸点以上での操作範囲が広くかつy=xの直線より離れ、これらの領域を相互に利用することでギ酸の濃縮及び排水からのギ酸の回収が行われる。
図11、図12にその操作線、階段作図の一例を説明する。
図12では蒸留塔への供給液はxF(74wt%、0.53molfr)であり、塔頂部より濃縮液としてxD(98wt%、0.95molfr)、塔下部より回収液としてxB(66wt%、0.43molfr)の蒸留操作することを想定している。塔頂部での還流液量から得られるxF上の点とxD、xBの間に引いた操作線(濃縮部l1、回収部l2)と平衡線の間で階段作図(理論段に相当する)を行い、蒸留操作が有効に行えることが確認できる。
図12の共沸組成を超える濃度での蒸留操作により塔下部より共沸組成に近い液が排出されるが、これは図11の常圧で操作する蒸留塔の供給液xF(0.43molfr)とすることができ、塔頂部よりギ酸濃度を十分に減じたxDの液として、塔下部より濃縮されたxB(0.53molfr)の液として回収され、これはまた、0.092atm(70mmHg)で運転される図12の供給液xFとすることができる。
このように操作圧力を変更することで共沸組成を回避できるが、圧力による場合、共沸組成からの距離が大きくないため、蒸留塔段数が大きくなる傾向があり、また、供給液濃度に関する運転上の許容性も小さくなる。その結果、余裕幅を持たせようとすると図12に見られるように真空に近い条件での運転になる。
蒸留では、操作圧力の変更、第三成分添加による共沸蒸留、塩の添加による共沸濃度の移動、塩の添加による二相分離(溶剤相の出現)などの方法により共沸に基づく困難さを克服することができる。
本発明者らは、ギ酸回収に際し、蒸留法のみでは限界があるとして膜分離を併用するのが好ましいとの知見に到った。
膜の併用による方法は新しい技術の一つである。膜による分離はRO、UF、MFなどの分離膜の細孔径に応じた分画を利用して行われるのがよく知られているが、溶剤の分離にはパーベーパレーション(浸透気化、PV)、ベーパーパーミエーション(蒸気透過、VP)などのガス分離膜の機構に似た分子サイズでの分離により行うことができる。
ここで、PV法では分離膜の片面側(供給側)は液相であり、透過側では減圧下とすることでガス相を形成し、液相が分離膜内の細孔を透過側に拡散し透過側表面で気化する。
VP法は膜の両側がガス相であり、ガス分離膜の一種である。使用する膜は孔のない高分子膜や分子レベルの微細孔を持つ無機膜(ゼオライト膜)となる。
膜を用いて分離する場合、分子サイズでの分画となるので蒸留法での留意点となる共沸の現象は現れない。
PV法は工業的には含水溶剤中の水分除去、特にアルコールの脱水などに用いられることが多い。例えば、エタノールは96wt%付近に共沸を持ち、単純な常圧蒸留ではこの濃度を超えて濃縮することは不可能であるが、蒸留により90wt%程度の液を塔頂部に得て、これを、PV膜を用いて脱水することで99wt%以上の無水または無水に近いエタノールを回収する方法が知られている。
本発明者らは、ギ酸水溶液から濃度の高いギ酸を回収するに当たり前述の設定圧力を調整した蒸留法による実施を考えたがギ酸の沸点が100.7℃と水の沸点に近く、図11に示したようにそのx-y線図はy=xの直線に近く、単に蒸留を利用した方法では効果的な水との分離は十分に低い圧力での蒸留を併用しない限り困難と判断し膜分離を併用するに到ったのである。
一方、膜分離による場合、アルコールや酢酸などと異なりギ酸は分子径が水に近く、アルコールや酢酸ほどの分離特性は期待できない。すなわち、例えば95wt%以上のギ酸を得ようとする場合、その透過液には数十wt%以上のギ酸が流出してしまう。
そこで、PV膜を単にギ酸の共沸を超える液を回収する方法として利用することを創案した。
すなわち、PV膜を用いることでギ酸の共沸濃度を十分に超えた液を得、一方透過液側には共沸濃度を十分に下回る液を回収し、この各々を蒸留することで、効果的な分離を行うものである。
例えばPV膜に65wt%程度のギ酸水溶液を供給し、濃縮側からは80wt%程度のギ酸濃縮液を得、透過側からは30wt%程度のギ酸水溶液を得て、この各々を、前者は0.2atm程度(共沸濃度63wt%程度)のマイルドな減圧下で蒸留し、後者は常圧(共沸濃度77.4wt%程度)で蒸留することで、高濃度のギ酸を回収するとともに、ギ酸濃度を十分に減じた液を排出することができる。
したがって、高濃度のギ酸の回収を図るとともに、低濃度のギ酸を分離し、例えば排出液とすることができる。
これらの蒸留塔の塔下部からは各々の操作圧力に応じた共沸組成に近い液が排出されるが共にPV膜の原水に戻すことで循環安定化を図ることができる。
供給するギ酸の濃度に対し、膜分離を最初に行うか、濃縮塔による蒸留操作を最初の処理とするか、回収塔による蒸留操作を最初の処理にするかは、原水濃度と回収塔操作圧力(1.0atm以上、9.0atm以下)及び濃縮塔操作圧力(1.0atm以上、9.0atm以下とするか、減圧の1atm未満)に応じた循環シミュレーションをあらかじめ計算して実施することができる。
供給原水中にギ酸より沸点が低く、ギ酸と共沸組成を作らない有機物が混入した場合、あらかじめ蒸留することで除くことができる。すなわち、ギ酸と共沸組成を作らないのでその成分との沸点曲線(横軸にギ酸濃度、縦軸に溶液の沸点、または横軸に低沸成分濃度、縦軸に溶液の沸点をプロットした図)は極大、極小を持たず、低沸純物質沸点からギ酸純物質沸点へ単調に変化する。その結果、低沸物質・ギ酸混合液の低沸成分x-y線図は上に凸な曲線となり、蒸留により塔頂部側へ分離することができる。
このような物質としては、ギ酸の沸点100.75℃に対し塩化メチレン(沸点40.4℃)、クロロホルム(沸点61.2℃)、アセトン(沸点56.1℃)、メチルエチルケトン(沸点79.57℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、メタノール(沸点64.67℃)、エタノール(沸点78.3℃)、n-プロパノール(沸点97.2℃)、i-プロパノール(沸点82.26℃)などがあげられる。
この中で、塩化メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エタノール、プロパノールは水と共沸混合物を作るので留出液は水分を含有し、回収純度をさらに上げる場合には別途第三成分を利用した共沸蒸留などの対応が必要になる。ただし、塩化メチレンやクロロホルムはその共沸濃度が各々98.5wt%、97.2wt%となるので、要求濃度が95wt%程度の場合はそのまま回収液として再利用可能である。
また、この中でギ酸より沸点が低く、水及びギ酸と共沸組成を作らない物質としてはアセトン、メタノールがあげられる。試みにアセトン50wt%、ギ酸30wt%、水分20wt%の混合液を想定して、Pro/II(Schneider Electric Software Japan Inc.この時のシミュレーターが持つ水とギ酸の共沸組成はギ酸濃度として1atmで74.2wt%、0.2atmで63.0wt%)での蒸留計算を行ったところ、塔頂部からはアセトンが99.5wt%以上の濃度で回収され、塔下部ではアセトン0.1wt%未満のギ酸水溶液として回収された。すなわち、ギ酸より沸点が低く、ギ酸及び水と共沸組成を作らない物質は単純な蒸留により高純度物質として回収することができる。
ギ酸は弱酸ではあるが、酢酸より強く、有機酸の中では比較的強い酸となる(pka 3.77)。参考文献2(CORROSION DATA SURVEY:National Association of Corrosion Engineers(1985))によれば、SUS316は常温での腐食速度は50μm/y以下で耐性はあるが、93℃程度では508μm/y以下程度に増大してしまう。
本発明での操作温度はギ酸の沸点である100.7℃まで上昇し、製品のコンタミ等を考えるとSUS316はそれほど好ましい材料ではない。
そこで、鋭意検討したところ比較的安価であり耐酸性の高い材料として二相ステンレスが好適であることが判明した。
参考文献3(二相ステンレス鋼加工マニュアル第二版2009年:IMOA/ International Molybdenum Association)によれば、酢酸50wt%とギ酸0~25wt%の沸騰混酸中の腐食試験において、二層ステンレス(特にSUS329 J4L)がアタックなし(0.05mm/y未満)であり、有用である。耐酸性が高い材料としてはこのほかにもハステロイやチタンが考えられるが高価であり、二層ステンレス(特にSUS329 J4L)が好ましい。
本発明によれば、高濃度でギ酸の回収を図るとともに、低濃度のギ酸を分離して排出することができる。
比較例1の概要フロー図である。 実施例1の概要フロー図である。 実施例2及び実施例3の概要フロー図である。 比較例2の概要フロー図である。 実施例4の概要フロー図である。 実施例5の概要フロー図である。 実施例6の概要フロー図である。 実施例7の概要フロー図である。 実施例8の概要フロー図である。 実施例9の概要フロー図である。 ギ酸-水系での常圧におけるギ酸基準のx-y線図である。 ギ酸-水系での減圧におけるギ酸基準のx-y線図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しつつ詳説する。
ギ酸は、文献により多少異なるが、水と常圧の1.0atmで74~78wt%に、0.23atmで65wt%に共沸点を持つといわれている。この点をふまえ、ギ酸濃度が74wt%以下(共沸点以下)の廃水からギ酸を回収する方法、及びギ酸濃度が共沸点以上の廃水からギ酸を回収する方法について考える。
なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
(1)ギ酸濃度が共沸点(例えば74wt%)以下の廃水からギ酸の回収
<比較例1>
図1は従来例により蒸留のみを用いてギ酸を高濃度で回収し、回収後の処理水中のギ酸濃度を十分に低くする方法を示している。
原水ライン1を通して供給する廃水は、濃縮塔70の塔下部液8からの循環液と混合後、回収塔60に送る。回収塔60は常圧で運転されており、供給液4が共沸濃度74~78wt%以下の場合、共沸点以下であるので塔下部側に濃縮され、塔頂部からは濃度を減じた液が、塔下部からは共沸濃度未満に濃縮された液が排出される。
回収塔60により濃縮された塔下部液は濃縮塔70に送られる。濃縮塔70では回収塔60塔下部液濃度が共沸点を超える減圧下で運転されており、このため濃縮塔70塔頂部側に濃縮され、塔下部よりその濃度を減じた液が排出される。この時の塔下部液組成は操作圧力での共沸点を超える濃度となる。濃縮塔70塔下部液は操作圧力下での共沸点を超えた濃度であり、このままでは排水として排出できないので、原水ライン1に戻し回収を図る。
なお、回収塔60は、蒸留塔であることが好ましい。回収塔リボイラー62により蒸留塔内の処理水を加熱することで蒸留操作を行うとともに、回収塔60の上部から排出された蒸気は、それぞれ回収塔凝縮器61に送られ凝縮される。
同様に濃縮塔70としては、蒸留塔であることが好ましい。濃縮塔リボイラー72により蒸留塔内の処理水を加熱することで蒸留操作を行うとともに、濃縮塔70の上部から排出された蒸気は、濃縮塔凝縮器71に送られ凝縮される。
<実施例1>
図2は実施例1を示したもので、比較例1の方法に対し、PV膜あるいはVP膜からなる膜濃縮装置50によりギ酸を濃縮及び減縮し、蒸留操作を行う方法である。また、濃縮塔70を常圧で操作する方法である。
原水ライン1を通して供給される廃水は回収塔60の塔下部液6と濃縮塔70の塔下部液8の戻り液9と合流後膜濃縮装置50に送られ、ギ酸の濃縮/減縮が行われる。
減縮液は常圧で運転する回収塔60に送られ、さらに水分を飛ばし塔頂部よりギ酸濃度を十分に減じた液が、塔下部より常圧での共沸濃度付近で共沸濃度未満の液が回収される。
濃縮液は常圧で運転する濃縮塔70に送られ、塔頂部では十分に濃縮した液が、塔下部からは共沸濃度付近の共沸濃度を超える濃度の液が回収される。回収塔60、濃縮塔70での塔下部液は循環液ライン9を経由し原水に戻される。
なお、膜濃縮装置50にPV膜を使用する場合、処理水を液相のまま膜濃縮装置50に供給する。一方、膜濃縮装置50にVP膜を使用する場合は、前処理として図示しない加熱装置により処理水をガス相にした上で膜濃縮装置50に供給する。
<実施例2>
図3は実施例2を示したもので、実施例2では実施例1の効果を高めるため濃縮塔70を減圧下で運転する例である。
処理流れは実施例1と同様であるが濃縮塔70の上部から排出されたガスの一部を吸引し、濃縮塔70内の圧力を減圧する真空ポンプ80を備える。減圧下での処理により、濃縮域での気液平衡に基づく分離性が高められ、より効果的な分離が行えるようになる。
実施例2の場合、回収塔60での塔下部液濃度は濃縮塔70での圧力下での共沸点を超えている場合が多く、循環液ライン9に戻さず膜濃縮液ライン3に合流させることも可能である。
蒸留塔で必要な熱エネルギーはリボイラー62,72に供給するエネルギーであり、排出が回収塔60、濃縮塔70ともに塔頂部留出液であるので、原水供給液1を全量蒸発させるエネルギーと各塔塔頂部での還流液を蒸発させるエネルギーとなる。
PV膜を併用した場合の膜部分での必要な熱エネルギーは透過液(減縮部分)を蒸発させるエネルギーと濃縮液側の顕熱であり、VP膜を併用した場合は供給液を蒸発させるエネルギーが蒸留部分の必要熱に加味されることになるが、塔に供給される濃度が有利に働くことで全体での循環液量が減少し、蒸留塔の操作量(塔頂部還流液量)が改善され低エネルギー消費となる。
原水組成及び流量、膜濃縮設備能力、塔頂部での要求組成と塔下部での組成が確定すれば、おおよその全体物質収支が得られる。
仮に原水ギ酸組成 63wt%水溶液を1,000kg/h処理するとして、膜濃縮設備能力を流入60~75wt%に対し、濃縮液側85wt%、透過液側35wt%として、回収塔60塔頂部濃度を0.5wt%、濃縮塔70塔頂部組成を95wt%、常圧での共沸濃度を74~78wt%、0.2atmでの共沸濃度を65wt%として、常圧での塔下部濃度を74または78wt%、0.2atmでの塔下部濃度を67wt%として、蒸留計算を伴わない単純な物質収支を計算したのが表1中の比較例1から実施例2である。
表1中の実施例3は図3(実施例2)に相当する設備に対し、塔下部濃度は仮定せず蒸留塔の計算を実際に行ったものであり、実施例2を補完する計算である。
なお、この蒸留計算はプロセスシミュレータPro/II(Schneider Electric Software Japan Inc.)を用いて行い、この時のシミュレーターが持つ共沸組成は1atmで74.2wt%、0.2atmで63.0wt%であった。
Figure 0007037993000001
表1におけるLine NO.は図面上の位置を対応させてある。
表1から分かるように、比較例1では原水流量1,000kg/hに対し、回収塔60への負荷は2,980kg/h、濃縮塔70への負荷は2,640kg/hと蒸留塔への負荷が非常に大きくなってしまう。
これに対し、膜を併用した実施例1では塔頂部あるいは塔下部での回収量に相応した蒸留塔負荷となる。
さらに実施例2では濃縮塔70での減圧操作の採用により濃縮域での気液分離性が増し共沸点が低下するため、膜への負荷、濃縮塔70への負荷を軽減することができる。また、実施例3よりこれらの物質収支より得られるバランスが妥当性のあるものであることが分かる。
上記計算は主に全体の物質収支を主体として計算したが、蒸留塔は供給される原水に対し、塔頂部での循環量を適正な値として運転される。この時、蒸留塔では循環量に応じた必要熱量をリボイラーに供給して運転する。塔頂部での還流比はギ酸-水系での気液平衡から最少還流比を求め、余裕度を加味して計算される。
その結果リボイラーでの必要熱量を計算すると、比較例1、実施例1、実施例2、実施例3の各々について21,000~28,000MJ/h、4,000~5,000MJ/h、2,900~4,000MJ/h、3,800MJ/h(最適化計算結果)となりエネルギーの面からも上記の説明の妥当性が明らかになる。
(2)ギ酸濃度が共沸点(例えば74wt%)以上の廃水からギ酸の回収
<比較例2>
図4は比較例2を示したもので ギ酸濃度が共沸点以上の廃水から蒸留のみを使用してギ酸を回収し、回収後の処理水中のギ酸濃度を十分に低くする方法である。
図1に示した比較例1との違いは供給される廃水1が最初に回収塔60の塔下部液10と混合後に濃縮塔70に送られることであり、その他の運転方法は比較例1にて記載したとおりである。
<実施例4>
図5は実施例4を示したもので 比較例2の方法に対し、回収塔60の塔下部液6と濃縮塔70の塔下部液8の戻り液9と合流後、PV膜あるいはVP膜からなる膜濃縮装置50に供給することでギ酸を濃縮及び減縮し、蒸留操作を行う方法である。実施例4においては、濃縮塔70を常圧で操作する。
<実施例5>
図6は実施例5を示したもので 比較例2の方法に対し、回収塔60の塔下部液6と濃縮塔70の塔下部液8の戻り液9と合流後、PV膜あるいはVP膜からなる膜濃縮装置50に供給することで、膜濃縮装置50によりギ酸を濃縮及び減縮し、蒸留操作を行う方法である。実施例5においては、濃縮塔70を減圧下で操作する。
実施例4、5のいずれにおいても廃水1の供給位置を膜濃縮装置50と濃縮塔70とを連通する膜濃縮液ライン3とすることで、実施例2、3と同様の効果を得ることができる。
上記例では、PV膜あるいはVP膜からなる膜濃縮装置50を使用したが、PV膜あるいはVP膜からなる、2つの膜濃縮装置50A,50Bを使用することもできる。また、状況によりPV膜の複数段、VP膜の複数段としてもよい。この例ではPV膜とVP膜の使用で示した。
この例が図7に示す実施例6、図8に示す実施例7、図9に示す実施例8、図10に示す実施例9である。この場合、被処理液は、PV膜からなる膜濃縮装置50Aで膜分離し、次いでVP膜からなる膜濃縮装置50Bで膜分離するのが望ましい。
図7に示す実施例6は、廃水のギ酸濃度が共沸点以下の例であり、原水ライン1を通して供給される廃水は回収塔60の塔下部液6と濃縮塔70の塔下部液8の戻り液9と合流後、PV膜からなる膜濃縮装置50Aに送られ、ギ酸の濃縮/減縮が行われる。
PV膜からなる膜濃縮装置50Aでの、濃縮液はライン3aを通してVP膜からなる膜濃縮装置50Bに送られ、減縮液はライン4aを通して、VP膜からなる膜濃縮装置50Bからのライン4bを通る減縮液と共に回収塔60に供給される。
他方で、VP膜からなる膜濃縮装置50Bからの膜濃縮ライン3を通る膜濃縮液は濃縮塔70に供給される。
図8に示す実施例7は、実施例6に対して、濃縮塔70の上部から排出されたガスの一部を吸引し、濃縮塔70内の圧力を減圧する真空ポンプ80を付設したものである。その他のフロー及び操作は実施例6と同じである。
図9に示す実施例8は、廃水のギ酸濃度が共沸点以上の例であり、原水ライン1を通して供給される廃水は、VP膜からなる膜濃縮装置50Bからのライン3bを通る濃縮液と共に、濃縮塔70に供給される。
回収塔60の塔下部液6と濃縮塔70の塔下部液8の戻り液9は、PV膜からなる膜濃縮装置50Aに送られ、ギ酸の濃縮/減縮が行われる。
PV膜からなる膜濃縮装置50Aでの、濃縮液はライン3aを通してVP膜からなる膜濃縮装置50Bに送られ、減縮液はライン4aを通して、VP膜からなる膜濃縮装置50Bからライン4bを通る減縮液と共に回収塔60に供給される。
図10に示す実施例9は、実施例8に対して、濃縮塔70の上部から排出されたガスの一部を吸引し、濃縮塔70内の圧力を減圧する真空ポンプ80を付設したものである。その他のフロー及び操作は実施例6と同じである。
本発明は、ギ酸を含有する各種の廃水からギ酸を高濃度で回収できるともに、排水のギ酸濃度を低減できる。例えば、ギ酸濃度を10wt%以下、また生物処理などを経て最終的なギ酸濃度として1wt%以下、好ましくは0.5wt%以下とすることができる。
1…原水ライン
2…膜濃縮供給液ライン
3…膜濃縮液ライン
4…回収塔供給液ライン
5…回収塔留出液ライン
6…回収塔塔下部液ライン
7…濃縮塔留出液ライン
8…濃縮塔塔下部液ライン
9…循環液ライン
50…膜濃縮装置
60…回収塔
61…回収塔凝縮器
62…回収塔リボイラー
70…濃縮塔
71…濃縮塔凝縮器
72…濃縮塔リボイラー
80…真空ポンプ

Claims (8)

  1. ギ酸を含む廃水からギ酸を回収する方法であって、
    前記廃水を浸透気化膜(PV膜)及び蒸発透過膜(VP膜)の少なくとも一方を含む膜濃縮装置によりギ酸を濃縮及び減縮する工程と、
    濃縮された濃縮液を濃縮塔において蒸留濃縮する工程と、
    減縮された減縮液を回収塔において蒸留減縮する工程と、
    前記濃縮塔の塔下部液を前記膜濃縮装置へ被膜分離液として返送する工程と、
    を含むことを特徴とするギ酸の回収方法。
  2. ギ酸を含む廃水からギ酸を回収する方法であって、
    前記廃水を浸透気化膜(PV膜)及び蒸発透過膜(VP膜)の少なくとも一方を含む膜濃縮装置によりギ酸を濃縮及び減縮する工程と、
    濃縮された濃縮液を濃縮塔において蒸留濃縮する工程と、
    減縮された減縮液を回収塔において蒸留減縮する工程と、
    前記濃縮塔及び前記回収塔の塔下部液を前記膜濃縮装置へ被膜分離液として返送する工程と、
    を含むことを特徴とするギ酸の回収方法。
  3. 回収塔操作圧力は常圧の1.0atm以上、9.0atm以下とし、
    濃縮塔操作圧力は常圧の1.0atm以上、9.0atm以下とするか、減圧の1atm未満とする、請求項1又は2記載のギ酸の回収方法。
  4. 濃縮塔での回収ギ酸濃度を80wt%以上とする請求項1記載のギ酸の回収方法。
  5. 回収塔での回収水中ギ酸濃度を10wt%以下とする請求項1記載のギ酸の回収方法。
  6. 前記廃水中にギ酸より沸点が低く、ギ酸と共沸組成を作らない物質が混在する場合は、前記廃水中からあらかじめこれを蒸留により除く請求項1記載のギ酸の回収方法。
  7. 前記廃水中にギ酸より沸点が低く、水及びギ酸と共沸組成を作らない物質が混在する場合は、前記廃水中からあらかじめこれを蒸留により除く請求項1記載のギ酸の回収方法。
  8. 高温部材質が、SUS329 J4L、ハステロイ及びチタンから選ばれる請求項1記載のギ酸の回収方法。

JP2018075514A 2018-04-10 2018-04-10 ギ酸の回収方法 Active JP7037993B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075514A JP7037993B2 (ja) 2018-04-10 2018-04-10 ギ酸の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018075514A JP7037993B2 (ja) 2018-04-10 2018-04-10 ギ酸の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019182785A JP2019182785A (ja) 2019-10-24
JP7037993B2 true JP7037993B2 (ja) 2022-03-17

Family

ID=68339588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018075514A Active JP7037993B2 (ja) 2018-04-10 2018-04-10 ギ酸の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7037993B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112079710A (zh) * 2020-09-07 2020-12-15 河北鹏发化工有限公司 一种对甲酸水溶液进行浓缩制备高浓甲酸的方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101544558A (zh) 2008-03-24 2009-09-30 四川省达科特化工科技有限公司 从含水甲酸中分离精制得到高纯度甲酸的方法
JP2012066240A (ja) 2010-08-25 2012-04-05 Mitsubishi Chemicals Corp 酸−水混合物からの酸の回収方法
JP2016041419A (ja) 2014-08-14 2016-03-31 日本碍子株式会社 分離方法及び分離装置
JP2016041418A (ja) 2014-08-14 2016-03-31 日本碍子株式会社 分離方法及び分離装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5492625A (en) * 1994-04-07 1996-02-20 Glitsch, Inc. Method of recovering carboxylic acids from dilute solutions

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101544558A (zh) 2008-03-24 2009-09-30 四川省达科特化工科技有限公司 从含水甲酸中分离精制得到高纯度甲酸的方法
JP2012066240A (ja) 2010-08-25 2012-04-05 Mitsubishi Chemicals Corp 酸−水混合物からの酸の回収方法
JP2016041419A (ja) 2014-08-14 2016-03-31 日本碍子株式会社 分離方法及び分離装置
JP2016041418A (ja) 2014-08-14 2016-03-31 日本碍子株式会社 分離方法及び分離装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019182785A (ja) 2019-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9266803B2 (en) Liquid separation by membrane assisted vapor stripping process
JP5593629B2 (ja) 醗酵アルコールの精製処理方法
JP5369765B2 (ja) 醗酵アルコールの精製処理方法
KR101532988B1 (ko) 에탄올 및 물을 포함하는 혼합물을 탈수하는 방법
JP4831934B2 (ja) 水溶性有機物濃縮装置
JP2009263356A (ja) 醗酵アルコールの精製処理方法
JP2007275690A (ja) 有機液体水溶液からの有機液体分離回収方法
CN104557529A (zh) 一种用于醋酸正丙酯酯化合成的精制方法及装置
EP2872473A1 (en) Process for the production of methylbutinol
JP7037993B2 (ja) ギ酸の回収方法
CN106117120B (zh) 一种精馏-蒸汽渗透耦合法回收吡啶的工艺及装置
KR101435569B1 (ko) 방향족 카르복시산 제조시 초산 회수 방법
JP2553625B2 (ja) 稀薄エタノールの回収法
JPH06277456A (ja) 膜を用いた液体混合物の透過蒸発と蒸溜による共沸分離方法
JPH06277402A (ja) 共沸混合物の分離方法及びその分離装置
JP6209352B2 (ja) 精製アルコール中の酸化物を低減する方法及びアルコール精製装置
JP2571743B2 (ja) 無水エタノールの製造方法
Iftikhar et al. Comparison among various configurations of hybrid distillation–membrane setups for the energy efficiency improvement of bioethanol distillery: a simulation study
JPH01107805A (ja) 廃溶剤の精製回収法
CN206033629U (zh) 一种精馏‑蒸汽渗透耦合法回收吡啶的装置
US3681203A (en) Method and an apparatus for separation of azeotropic mixtures by distillation using salt effect
KR101842095B1 (ko) 아세트산 정제 공정 및 장치
JP2532042B2 (ja) 有機酸の回収方法
Nangare et al. Modeling and Simulation of Distillation+ Pervaporation Hybrid Unit: Study of IPA-Water Separation
Toth et al. Development of Hybrid Organophilic Pervaporation and Distillation Method for Separation of Mixture Containing Heterogeneous Azeotropic

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7037993

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150