JP7036546B2 - センサ、及びセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなガスセンサとして、特定ガスの濃度検出を行うセンサ素子を有し、センサ素子の後端側に配置された電極取り出し部(電極パッド)に、接続端子を電気的に接続する構造が知られている。又、このような接続端子の後端側には、一般にリード線の芯線が圧着等によって接続され、リード線が外部に引き出されて接続端子からの信号を外部に出力している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、同図に示すように、芯線602の先端がバレル部502からはみ出し、芯線602を構成する複数の導線602aがばらけて広がることがある。そして、この導線602aが隣接する他の接続端子500に接触すると電気ショートを引き起こすため、接続端子500同士の間隔を広げたり、芯線602の先端がバレル部502からはみ出さないよう確認しながら作業をする必要が生じる。その結果、接続端子500を有する対象物のコンパクト化を妨げたり、生産性が低下するという問題がある。又、バレル部502への芯線602の挿入長さが短すぎると、接続端子500からリード線600が抜ける恐れもある。
そこで、本発明は、接続端子へ被覆電線を確実に接続できると共に、接続端子を有する対象物をコンパクト化することができ、生産性にも優れたセンサ、及びセンサの製造方法を提供することを目的とする。
これにより、接続端子同士の間隔を広げたり、芯線の先端が固定部からはみ出さないよう確認しながら作業をする必要がなく、さらに固定部への芯線の挿入長さを確保できる。その結果、接続端子へリード線を確実に接続できると共に、接続端子を有する対象物(センサ等)をコンパクト化することができ、生産性にも優れる。
なお、芯線保持部が有端環状であっても、その隙間は、1本の導線の直径よりも小さいので、隙間から芯線保持部の外部に導線がはみ出すことを抑制できる。
また、この端子接続構造によれば、芯線を端子保持部に挿通させる際に、上記突起に引っ掛からないので芯線を挿通し易くなる。
この端子接続構造によれば、ばらけて個々の導線に広がりやすい芯線の先端を芯線保持部が確実に内包することができる。
この端子接続構造は耐熱性に優れ、高温環境下での使用に適する。
図1は本発明の実施形態に係る端子接続構造を備えたガスセンサ(酸素センサ)200の長手方向に沿う全体断面図、図2は接続端子20の斜視図、図3は図2のA-A線に沿う断面図、図4は図2のB-B線に沿う断面図である。
このガスセンサ(センサ)200は、自動車や各種内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。
又、センサ素子10の先端部(検出部)は、アルミナ等の多孔質保護層15で覆われている。
また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部140との間には、加締めパッキン157が配置されており、セラミックホルダ151と主体金具138の棚部152との間には、滑石リング153やセラミックホルダ151を保持するための金属ホルダ158が配置されている。なお、主体金具138の後端部140は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側に押し付けるように、加締められている。
そして、主体金具138の後端側外周には、外筒144が固定されている。また、外筒144の後端側(図1における上方)の開口部には、センサ素子10の5個の接続端子20(図1では、2個のみを表示)とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線146(図1では2本のみを表示)が挿通されるリード線挿通孔170hが形成された、ゴム製のグロメット(シール部材)170が配置されている。
リード線146が特許請求の範囲の「被覆電線」に相当する。
又、セパレータ166とグロメット170とは軸線O方向に離間して空間を形成している。
図2に示すように、接続端子20は、軸線O方向に延び、板状の部材を断面コの字状に折り曲げてなり、主面25と、主面25の先端から後端に向かって折り返される折り返し部27と、折り返し部27から主面25と反対側に突出して電極パッド11b、12bに電気的に接続する接点をなす接続部27pと、主面25の両端からL字状に折曲されて折り返し部27の後端側を囲む折曲部29と、折曲部29の後端に繋がる芯線保持部24と、芯線保持部24の後端に繋がる固定部22と、を一体に備えた圧着端子である。
センサ素子10(電極パッド11b、12b)が特許請求の範囲の「接続対象体」に相当する。
接続端子20は、例えば1枚の金属板を打ち抜いた後、所定形状に折り曲げて製造することができるが、これに限定されない。この金属は、好ましくはNi:50質量%以上、Cr:14~21質量%、Fe:25質量%以下、残部不可避不純物からなる合金である。
Niの含有量の上限は例えば81質量%、Feの含有量の下限は例えば5質量%である。
ここで、本発明においては、単一のリード線146を、対応する単一の接続端子20に接続する端子接続構造を対象とし、例えば1つの接続端子20に複数本のリード線146を接続するものは含まない。
又、芯線148は、複数の導線148aから形成された撚線をなしている。
ここで、芯線148(導線148a)を押圧して内包しているとは、図4に示すように固定部22を軸線O方向に垂直に切断し、芯線148(導線148a)を垂直にしたとき、芯線148(導線148a)から固定部22が脱落(落下)しないことをいう。
ここで、芯線148(導線148a)を押圧せずに内包しているとは、図3に示すように芯線保持部24を軸線O方向に垂直に切断し、芯線148(導線148a)を垂直にしたとき、芯線148(導線148a)から芯線保持部24が脱落(落下)することをいう。
又、隙間Gは、1本の導線148aの直径mよりも小さい。
なお、固定部22の最小内径が芯線保持部24の最小内径よりも小さいと、固定部22で芯線148を確りと保持し易く、さらに芯線148を芯線保持部24へ挿入し易い。又、芯線148の円相当径が芯線保持部24の最小内径よりも小さくても、芯線148を芯線保持部24へ挿入し易い。
いる。このようにすると、芯線148を端子保持部24に挿通させる際に、上記突起に引っ掛からないので挿通し易くなる。
なお、径方向内側に向かって凸となる突起を有するとは、詳しくは図6、図7で説明するが、芯線保持部24の径方向断面に仮想線を引いたとき、当該仮想線と点で接する部位が3点以上ある場合をいう。
又、接続部27pは、折り返し部27自身のバネ性(弾性)によって電極パッド側に押圧されることにより、確実な電気的接続が得られるようになっている。
これにより、接続端子20同士の間隔を広げたり、芯線148の先端が固定部22からはみ出さないよう確認しながら作業をする必要がなく、さらに固定部22への芯線148の挿入長さを確保できる。その結果、接続端子20へリード線146を確実に接続できると共に、接続端子20を有する対象物(ガスセンサ200)をコンパクト化することができ、生産性にも優れる。
なお、芯線保持部24の隙間Gは、1本の導線148aの直径mよりも小さいので、隙間Gから芯線保持部24の外部に導線148aがはみ出すことを抑制できる。
まず、加締め前の接続端子は20xは、主面25の幅方向の両端からそれぞれL字状に折曲されて互いに離間する1対の加締め片22xと、上述の接続部27p及び芯線保持部24とを備え、1対の加締め片22xは断面コの字状に形成されている(図5(a))。
そして、芯線148を、1対の加締め片22xの間に挿入すると共に、さらに加締め片22xよりも接続部27p側にはみ出した芯線148を、芯線保持部24に挿入する(図5(b)、(c):芯線挿入工程)。
次に、加締め片22xを折り曲げるように加締めて有端環状の固定部22を形成し、固定部22に芯線148(導線148a)すべてを内包しつつ押圧して固定し、端子接続構造が完成する(図5(d):加締め工程)。
例えば、芯線保持部は有端環状の他、無端の環状であってもよい。又、図6に示すように、芯線保持部24sは有端環状をなし、2つの環端24e2が径方向外側に向いていてもよい。この場合も、環端24e2が径方向内側に向かって凸となる突起を有しない形状になるので、芯線148を端子保持部24sに挿通し易くなる。具体的には、芯線保持部24sの径方向断面に仮想線C1を引いたとき、仮想線C1は芯線保持部24sの内周縁と交点y1、y2で接するが、それ以外に点で接する部位が存在しない。
なお、芯線保持部24tの径方向断面に仮想線C3を引いたとき、仮想線C3は芯線保持部24tの内周縁と交点y1、y2で接するが、その間の芯線保持部24tの内周縁と平行、つまり芯線保持部24tの内周縁と線で接するが、点では接していない。従って、芯線保持部24tの下側の内周縁には径方向内側に向かって凸となる突起が存在しないことになる。
又、芯線保持部が有端環状の場合、2つの環端は、互いに平行か、又は径方向外側に向くと、芯線が環端に引っ掛かり難く、芯線を芯線保持部に挿入し易くなる。
ここで、「2つの環端が径方向外側に向く」とは、図6に示すように、芯線保持部24sの径方向断面にて、両環端24e2の外面同士を結ぶ仮想線C10を引いたとき、仮想線C10が両環端24e2以外に芯線保持部24sと交差する部位が存在しないことをいう。
これに対し、図7に示すように、芯線保持部24tの径方向断面にて、両環端24e3の外面同士を結ぶ仮想線C2に着目すると、仮想線C2は両環端24e3以外に芯線保持部24tと交点y1、y2で交差している。つまり、環端24e3は径方向内側に向いている。
20 接続端子
22 固定部
22x 加締め片
24、24s、24t 芯線保持部
27p 接続部
146 被覆電線(リード線)
148 芯線
148a 導線
200 センサ
G 隙間
Claims (4)
- 複数の導線から形成された芯線を絶縁被覆で覆ってなる単一の被覆電線と、
前記被覆電線の前記絶縁被覆から露出した前記芯線と電気的に接続される単一の接続端子と、センサ素子と、セパレータと、を備えたセンサであって、
前記接続端子は、前記導線すべてを押圧しつつ内包してなる有端環状の固定部と、接続対象体と電気的に接続される接続部と、前記固定部と前記接続部との間に設けられた芯線保持部と、を備え、
前記芯線保持部は環状、又は1本の前記導線の直径よりも小さい隙間を有する有端環状をなし、径方向内側に向かって凸となる突起を有さず、
前記固定部の最小内径が前記芯線保持部の最小内径よりも小さく、
前記固定部から前記接続部側にはみ出した前記芯線を押圧せずに内包し、
前記芯線保持部は、先端から後端まで同径で、かつ先端側が開口し、
前記芯線保持部が前記セパレータに接触するセンサ。 - 前記芯線保持部は、前記芯線の先端を内包する請求項1に記載のセンサ。
- 前記接続端子は、Ni:50質量%以上、Cr:14~21質量%、Fe:25質量%以下、残部不可避不純物からなる合金から形成されている請求項1又は2に記載のセンサ。
- 複数の導線から形成された芯線を絶縁被覆で覆ってなる単一の被覆電線の前記絶縁被覆から露出した前記芯線を、単一の接続端子に電気的に接続し、センサ素子と、セパレータと、を有するセンサの製造方法であって、
前記接続端子は、互いに離間する1対の加締め片と、接続対象体と電気的に接続される接続部と、前記加締め片と前記接続部との間に設けられた芯線保持部と、を備え、
前記芯線保持部は環状又は前記導線1本の径よりも小さい隙間を有する有端環状をなし、径方向内側に向かって凸となる突起を有さず、
前記芯線を、前記接続端子の前記加締め片の間に挿入すると共に、前記加締め片よりも前記接続部側にはみ出した前記芯線を、前記芯線保持部に挿入する芯線挿入工程と、
前記加締め片を加締めて有端環状の固定部を形成し、前記固定部の最小内径が前記芯線保持部の最小内径よりも小さくなるよう、前記固定部に前記導線すべてを内包しつつ押圧して固定する加締め工程と、を有し、
前記芯線保持部は、先端から後端まで同径で、かつ先端側が開口し、
前記芯線保持部が前記セパレータに接触することを特徴とするセンサの製造方法。
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