JP7034774B2 - ランドリーシステム、ランドリー機器 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類等を洗濯するためのランドリーシステム、ランドリー機器に関する。
従来、複数のランドリー機器が備えられているコインランドリーで洗濯する際には、洗剤を用いて水洗いをすることで行われている。この際、合成洗剤に使用されている界面活性剤による肌刺激やアレルギーの発症が問題になっている。
また、環境や公害への影響も懸念されている。このため、特許文献1には、洗剤の使用が少量で済むように、食塩水を電気分解から生成したアルカリイオン水と酸性イオン水を用いて環境汚染及び公害問題を低減する洗濯装置が開示されている。
また、特許文献2では、本出願と同一の発明者によって、コインランドリー施設ごとに、アルカリイオン水発生装置を設けたランドリーシステムが開示されている。
特開2003―144793号公報 特開2015-181765号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、食塩水タンクを用意し、電気分解のためのイオン水生成器を用意する必要がある。このためアルカリイオン水による周辺機器への腐食の影響やイオン水生成器の設置などの装置の複雑化と巨大化による不利益がある。
また、特許文献2においては、高価なアルカリイオン水発生装置を施設毎に設置する必要が生じてしまうため、コストの点で問題があった。
本発明は、上記課題を鑑み、アルカリイオン水発生装置を各施設に設けずにすむランドリーシステム、ランドリー機器を提供することである。
本発明に係るランドリーシステムは、強アルカリイオン水を洗濯槽に給水するための強アルカリイオン水給水部(強アルカリイオン水給水弁112a~112d)と、前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水の給水制御を実行する給水制御手段(給水制御部60)と、を備え、前記給水制御手段は、前記強アルカリイオン水が、前記洗濯槽に給水される水よりも先に給水されないように給水制御を実行する(ステップS108でYESの場合にステップS110の処理を実行)、ことを特徴とする。
この特徴によれば、アルカリイオン水発生装置を各施設に設けずにすむランドリーシステムを提供することが可能である。
また、前記給水制御手段は、前記水の給水が開始された後、前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水の給水を開始するように給水制御を実行する(ステップS108でYESの場合にステップS110の処理を実行)、ことを特徴とする。
この特徴によれば、水で希釈されていない強アルカリイオン水が直接洗濯槽に給水されることを防止することができる。
また、前記給水制御手段は、前記強アルカリイオン水給水部による強アルカリイオン水の給水を、前記水の給水を同時期に開始するように給水制御を実行する(ステップS107,108の処理を実行せずにステップS110の処理を実行)、ことを特徴とする。
この特徴によれば、水で希釈されていない強アルカリイオン水が直接洗濯槽に給水されることを防止することができる。
また、前記給水制御手段は、前記水の水量に対して前記給水する前記強アルカリイオン水の水量が設定された給水量設定手段(給水制御部60)を、備え、前記給水量設定手段により設定された前記強アルカリイオン水の水量に応じて給水制御を実行する(ステップS111~ステップS113の処理)、ことを特徴とする。
この特徴によれば、洗浄に好適なpH値のアルカリイオン水を洗濯槽に給水することが可能である。
また、前記給水制御手段は、前記強アルカリイオン水の貯留量を検出可能な貯留量検出手段(強アルカリイオン水流量計122a~122d)と、前記貯留量検出手段による検出結果を通知する通知手段(給水制御部60)と、を備える、ことを特徴とする。
この特徴によれば、強アルカリイオン水の貯留量を把握することが可能である。
また、前記給水制御手段は、前記水が給水されているか否かを検出可能な給水検出手段(水流量計121a~121d)を備え、前記通知手段は、前記給水検出手段による検出結果を通知する、ことを特徴とする。
この特徴によれば、水が洗濯槽に給水されているか否かを把握することが可能である。
また、本発明に係るランドリー機器70は、洗濯槽と、強アルカリイオン水を洗濯槽に給水するための強アルカリイオン水給水部(強アルカリイオン水給水弁112)と、水を洗濯槽に給水するための水給水部(水給水弁111)と、前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水と、前記水給水部による前記水の給水制御とを実行する給水制御手段(ランドリー機器制御部70)と、を備え、前記給水制御手段は、前記強アルカリイオン水が、前記洗濯槽に給水される水よりも先に給水されないように給水制御を実行する(ステップS108でYESの場合にステップS110の処理を実行)、ことを特徴とする。
この特徴によれば、アルカリイオン水発生装置を各施設に設けずにすむコインランドリー機器を提供することが可能である。
なお、前記通知手段は、前記貯留量検出手段による検出結果が予め定められた貯留量である場合、前記貯留部に貯留された前記強アルカリイオン水の貯留量が稼働に支障を及ぼす可能性がある支障貯留量であることを通知するようにしてもよい。
このようにすることによって、強アルカリイオン水の貯留量が限界であること、または、アルカリイオン水が漏れているかも知れないということを把握することが可能である。
なお、前記給水制御手段は、前記支障貯留量である場合、前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水の給水制御を実行しないようにしてもよい。
このようにすることによって、洗濯槽に給水されるアルカリイオン水のpH値を安定させることが可能である。
なお、前記給水制御手段は、前記水が給水されていないとの検出結果である場合、前記強アルカリイオン水給水部の給水制御を実行しないようにしてもよい。
このようにすることによって、洗濯槽に強アルカリイオン水のみが給水されることを防止することが可能である。
簡単な構成で、アルカリイオン水発生装置を各施設に設けずにすむコインランドリーシステムを提供することが可能となった。
本発明の実施形態に係るランドリーシステムの構成例を示す図である。 ランドリーシステムの機能例を示すブロック図である。 給水制御処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る構成例を示す図である。 本初枝身の他の実施形態に係る構成例を示す図である。
<ランドリーシステムの構成>
まず、本発明の実施形態に係るランドリーシステムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るランドリーシステムの構成例を示す図である。
図2は、ランドリーシステムの機能例を示すブロック図である。
ランドリーシステム1は、複数のコインランドリー店舗を管理する管理本部に設けられた本部サーバ64と、この本部サーバ64と広域通信網63(代表的にはインターネット)を通じて通信可能に接続され、各コインランドリー店舗2に設けられた強アルカリイオン水給水制御システム10により構成される(図2参照)。
図1を参照して、各コインランドリー店舗2には、複数のコインランドリー店舗用洗濯機、または、コインランドリー店舗用全自動洗濯乾燥機(以下、これらをランドリー機器という。)110a~110dが設置されている。
本実施形態では、ランドリー機器110a、110bは小容量のランドリー機器(例えば、9kg)とし、ランドリー機器110c、110dは大容量(例えば、18kg)のランドリー機器とする。
なお、これらコインランドリー店舗用のランドリー機器等に関する技術については、例えば、特開2008-125889号公報や特開2010-264307号公報等に記載された公知技術であるため、ここでの説明は省略する。
そして、例えば、ランドリー機器110aには、洗濯槽に水を給水するための水給水弁111a、水給水口113a、各種情報を表示するための情報表示器116a、ランドリー機器の稼働状態を報知するための状態表示ランプ117aが設けられており、これらの各装置を制御するとともにランドリー機器としての基本機能である貨幣処理、洗浄処理等の制御を実行するランドリー機器制御部70a(図2参照)が設けられている。
なお、他のランドリー機器110b~110cについてもランドリー機器110aと同様である。
また、各ランドリー機器110a~110dに対応する水給水弁111a~111dには給水管101a~101dが各々連結されており、各給水管101a~101dを通じて水が供給されるようになっている。
水給水弁111a~111dは電磁弁により構成されており、各水給水弁111a~111dは各ランドリー機器制御部70a~70dと通信可能に接続され、各水給水弁111a~111dの開放・閉鎖は、ランドリー機器制御部70a~70dにより実行される。
例えば、水給水弁111aは、ランドリー機器制御部70aからの開放信号により電磁弁を開放することで、水給水弁111aに対応した水給水口113aから水が洗濯槽に給水される一方、ランドリー機器制御部70aからの閉鎖信号により電磁弁を閉鎖することで、洗濯槽への水の給水が停止されるようになっている。他の水給水弁111b~111dについても同様である。
そして、各情報表示器116a~116dは、ランドリー機器110a~110dを利用する利用者に対する利用案内情報(入金、洗浄コース選択、使用方法等の利用案内)を表示したり、ランドリー機器のメンテナンスを行う管理者に対してメンテナンス情報(各種エラー、稼働詳細、売上額、つり銭残額等の管理情報)を表示したりする表示器であり、各情報表示器116a~116dの表示制御は、各ランドリー機器制御部70a~70dにより実行される。
また、各状態表示ランプ117a~117dは、ランプの点灯色によりランドリー機器の稼働状態を利用者や管理者に対して報知するものであって、青色は未使用中、緑色は使用中、赤色はエラー中、黄色は強アルカリイオン水の補充が必要であることを示している。
各状態表示ランプ117a~117dの表示制御は、各ランドリー機器制御部70a~70dにより実行される。
そして、強アルカリイオン水給水制御システム10を構成する装置の一部として、例えば、ランドリー機器110aに対応して、洗濯槽に強アルカリイオン水を給水するための強アルカリイオン水給水弁112a、強アルカリイオン水給水口114a、強アルカリイオン水を貯留するための貯留タンク115aが設けられている。
なお、他のランドリー機器110b~110cについてもランドリー機器110aと同様である。
また、各コインランドリー店舗2には、強アルカリイオン水給水制御システム10を構成する装置の一部としてパーソナルコンピュータとモニタ等により構成される給水制御部60が設けられている(図2参照)。
この給水制御部60には、設定入力部61、通信部62、強アルカリイオン水給水弁112a~112d、水流量計121a~121d、強アルカリイオン水流量計122a~122d、が接続されるとともに、各ランドリー機器制御部70a~70dと通信可能に接続されている。
<強アルカリイオン水給水制御システムの構成>
図1、図2を参照して、本実施形態に係るランドリーシステムにおける強アルカリイオン水給水制御システムについて説明する。
上述したように、強アルカリイオン水給水制御システム10は、給水制御部60、設定入力部61、通信部62、強アルカリイオン水給水弁112a~112d、水流量計121a~121d、強アルカリイオン水流量計122a~122d(以上、図2参照)、強アルカリイオン水給水弁112a~112d、強アルカリイオン水給水口114a~114d、貯留タンク115a~115d(以上、図1参照)により構成される。
まず、給水制御部60は、強アルカリイオン水の給水統括処理を実行するためのプログラムが搭載されたパーソナルコンピュータと各種表示を行うモニタとにより構成されている。
この給水統括処理を実行するためのプログラムは、各ランドリー機器110a~110dに対し強アルカリイオン水の給水を実行するための給水制御処理、各ランドリー機器110a~110dに対する強アルカリイオン水の1回の給水量を設定するための給水設定処理、店舗における強アルカリイオン水の使用量や各貯留タンク115a~115dの強アルカリイオン水の残量等を本部サーバ64に送信するための給水情報処理等を含む各種プログラムにより構築されている。
なお、給水制御処理の詳細ついては図3を用いて後述する。
次に、各貯留タンク115a~115dは、強アルカリイオン水を貯留するためのタンクであり、本実施形態では、pH13.1の強アルカリイオン水を20リットル貯留することができるようになっている。そして、強アルカリイオン水が空になった(もしくは、限界量に達した)貯留タンクはメンテナンス者によって新たな貯留タンクに交換されるようにしている。
なお、各貯留タンク115a~115dの容量は、例えばランドリー機器110aであれば20リットルとする一方、ランドリー機器110cであれば40リットルとする等、対応するランドリー機器の洗浄容量の大小に応じて変更するようにしてもよい。
また、各貯留タンク115a~115dには強アルカリイオン水給水弁112a~112dが各々連結されており、各貯留タンク115a~115dに貯留された強アルカリイオン水は各強アルカリイオン水給水弁112a~112dを通じて各洗濯槽に供給されるようになっている。
そして、強アルカリイオン水給水弁112a~112dは電磁弁により構成されており、各強アルカリイオン水給水弁112a~112dの開放・閉鎖は、給水制御部60により実行される。
例えば、強アルカリイオン水給水弁112aは、給水制御部60からの開放信号により電磁弁を開放することで、強アルカリイオン水給水弁112aに対応した強アルカリイオン水給水口114aからランドリー機器110aの洗濯槽に強アルカリイオン水が給水される一方、給水制御部60からの閉鎖信号により電磁弁を閉鎖することで強アルカリイオン水の給水が停止されるようになっている。他のアルカリイオン水給水弁112b~112dについても同様である。
また、各水流量計121a~121dは電磁式流量計により構成され、各水給水弁111a~111dの入口側近傍の給水菅101a~101dの各々に取り付けられている。各水流量計121a~121dにより各給水管101a~101d内を流れる水の流量を測定(水が流れている状態であるか否か、水の流量が何立方メートル/hであるかを測定)することができる。
また、各強アルカリイオン水流量計122a~122dは、電磁式流量計により構成され、各強アルカリイオン水給水弁112a~112dの入口側近傍の強アルカリイオン水給水菅(図示せず)に取り付けられており、各貯留タンク115a~115dから強アルカリイオン水給水管を流れる強アルカリイオン水の流量を測定する(強アルカリイオン水が流れている状態であるか否か、強アルカリイオン水の流量が何立方メートル/hであるかを測定)ことができる。
そして、設定入力部61は、各種設定情報を給水制御部60に入力するためのキーボードやマウス等によって構成される。
通信部62は、インターネット等の通信網63を介して本部サーバ64へ各種情報を送信するとともに、本部サーバ64からの各種情報を受信する。
<アルカリイオン水の生成>
ここで、本実施形態におけるアルカリイオン水の生成について説明する。
本実施形態では、上述したように、pH13.1の強アルカリイオン水が貯留タンク(例えば、115a)に貯留されており、貯留された強アルカリイオン水を洗濯槽(例えば、ランドリー機器110aの洗濯槽)に給水するとともに、この洗濯槽に水を給水することによって、この洗濯槽内で強アルカリイオン水を50倍に希釈して、衣類等の洗浄に適した約pH11.5のアルカリイオン水を生成しようとするものである。
よって給水制御部60は、各ランドリー機器110a~111dの各洗濯槽内で生成されるアルカリイオン水の濃度が約pH11.5となるように強アルカリイオン水の給水制御を実行する。
なお、本実施形態では、各ランドリー機器110a~110dにおける水の給水制御はランドリー機器制御部70aで実行されるようになっている。
したがって、給水制御部60は、各ランドリー機器110a~111dの各洗濯槽内に強アルカリイオン水を給水する給水制御を実行する。
ここでの給水制御は、約pH11.5のアルカリイオン水を生成するため、13.1pHの強アルカリイオン水の給水量=1に対して、水の給水量=50となるように強アルカリイオン水の給水制御が実行されることとなる。
<強アルカリイオン水の給水設定処理>
次に給水制御部60により実行される強アルカリイオン水の給水設定処理について説明する。
例えば、コインランドリー店舗2にランドリー機器110a~110dが新たに設置されたと仮定する。
そして、ランドリー機器110a~110dの各々に対応した、強アルカリイオン水給水弁112a~112d、水流量計121a~121d、強アルカリイオン水流量計122a~122d(以上、図2参照)、強アルカリイオン水給水弁112a~112d、強アルカリイオン水給水口114a~114d、貯留タンク115a~115d(以上、図1参照)が取り付けられ、給水制御部60、設定入力部61、通信部62が設置されたと仮定する。
また、給水制御部60による強アルカリイオン水給水弁112a~112dおよび強アルカリイオン水給水弁112a~112dの動作確認、給水制御部60と水流量計121a~121dおよび強アルカリイオン水流量計122a~122dとの通信確認が完了していると仮定する。
また、各ランドリー機器の洗濯容量は、ランドリー機器110a(ランドリー機器ID=01とする。)、110b(ランドリー機器ID=02とする。)が10kgであり、ランドリー機器110c(ランドリー機器ID=03とする。)、110d(ランドリー機器ID=04とする。)が18kgであると仮定する。また、ランドリー機器110a、110bについては洗濯時の必要アルカリイオン水量が50リットルであり、ランドリー機器110c、110dについては洗濯時の必要アルカリイオン水量が80リットルであると仮定する。
この場合、ランドリー機器110a(ランドリー機器ID=01)、110b(ランドリー機器ID=02)には、強アルカリイオン水が0.98リットル(0.00098立方メートル)給水され(水が49リットル(0.049立方メートル)給水される)、ランドリー機器110c(ランドリー機器ID=03)、110d(ランドリー機器ID=04)には、強アルカリイオン水が1.57リットル(0.00157立方メートル)給水され(水が78.5リットル(0.0785立方メートル)給水される)こととなる。
本実施形態では、各強アルカリイオン水給水弁112a~112dの口径は20mmであって、毎分1リットル(0.001立方メートル)の強アルカリイオン水が給水できるものであり、水の給水量に比べて給水速度は遅くしている。
なお、各強アルカリイオン水給水弁112a~112dの口径はこれに限られるものではなく、また、毎分の強アルカリイオン水の給水量についてもこれに限られるものではない。
各ランドリー機器110a~110dに給水する強アルカリイオン水の給水量を設定する管理者は、設定入力部61を操作して、給水制御部60のモニタに表示されたメインメニュー画面の中から初期設定メニュー画面を選択する。
この初期設定メニュー画面には、各ランドリー機器110a~110dの各ID番号(ID=01~04)に対応付けて、給水量を入力する給水量入力欄があり、管理者はID番号毎に給水させる強アルカリイオン水の給水量の入力(例えば、ID=1,2に対応付けて0.00098、ID=3,4に対応付けて0.00157と入力)を行う。全ての入力が完了し「登録」キーをクリックすると各ランドリー機器100a~110dに対する強アルカリイオン水の給水量が設定登録される。
<給水制御処理>
次に給水制御部60により実行される強アルカリイオン水の給水制御処理について説明する。
図3は給水制御処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態における強アルカリイオン水の給水制御処理の特徴としては、水が洗濯槽に給水されていることを確認してから強アルカリイオン水の給水を開始することである。
このようにすることによって、洗濯槽内の衣類等に強アルカリイオン水のみが付着して衣類等が痛むことを極力防止することが可能である。
また、本実施形態における強アルカリイオン水の給水制御処理の特徴としては、洗濯槽への水の給水速度(流量)に比べて強アルカリイオン水の給水速度(流量)を遅くしていることである。
このようにすることによって、洗濯槽内の衣類等にアルカリ濃度が高いアルカリイオン水が付着して衣類等が痛むことを極力防止することが可能である。
まず、ステップS101において給水制御部60は、各強アルカリイオン水給水弁112a~112dのうち、エラーが発生している強アルカリイオン水給水弁があるか否かを判定する。
エラーが発生している強アルカリイオン水給水弁があると判定した場合は、ステップS102に進み、エラーが発生している強アルカリイオン水給水弁がないと判定した場合は、ステップS103に進む。
ステップS102において給水制御部60は、エラー処理1を実行する。このエラー処理1は強アルカリイオン水給水弁に関するエラー処理であって、後述するように給水制御部60が強アルカリイオン水給水弁を開放していないにも関わらず強アルカリイオン水が給水されている(つまり強アルカリイオン水給水弁の故障の疑いがある)場合にエラーであると判定し、エラーと判定した場合、ランドリー機器110a~110dのうち何れのランドリー機器に対応する強アルカリイオン水給水弁がエラーであるかを給水制御部60のモニタに表示するとともに、このエラーが発生しているランドリー機器のランドリー機器制御部に対して強アルカリイオン水給水弁エラーが発生していることを示すエラー1情報を送信する。
なお、エラー発生中の強アルカリイオン水給水弁の修理または交換等により正常動作が確認されると、エラーが解除される(給水制御部60による自動解除または、メンテナンス者による手動解除)。
このエラー処理1を終了するとステップS106に進む。
また、エラー1情報を受信したランドリー機器制御部70a~70dは、対応する情報表示器116a~116dに強アルカリイオン水給水弁エラーが発生していることを例えば、「エラー1:強アルカリイオン水給水弁を確認してください。」等の文字表示により表示するとともに、対応する状態表示ランプ117a~117dにおいてエラー発生中であることを示す赤色点灯を行う。
なお、エラー発生中の強アルカリイオン水給水弁の修理または交換等により正常動作が確認されると、給水制御部60からエラー1情報が送信されなくなるため、ランドリー機器制御部70a~70dは情報表示器116a~116d、状態表示ランプ117a~117dにおけるエラー表示を終了する。
ステップS103において給水制御部60は、各ランドリー機器110a~110dに対応した各強アルカリイオン水流量計122a~122dの確認を行う。
ステップS104において給水制御部60は、各強アルカリイオン水流量計122a~122dのうち流量に変化がある(つまり、強アルカリイオン水が流れている)強アルカリイオン水流量計があるか否かを判定する。
流量に変化がある強アルカリイオン水流量計があった場合はステップS105に進み、流量に変化がある強アルカリイオン水流量計がなかった場合はステップS106に進む。
ステップS105において給水制御部60は、流量に変化がある強アルカリイオン水流量計は、給水制御部60が当該強アルカリイオン水給水弁を開放したにより給水中であるか否かを判定する。
ステップS106において給水制御部60は、ランドリー機器制御部70a~70dの何れかから強アルカリイオン水の給水指示があったか否かを判定する。給水指示があった場合ステップS107に進み、給水指示がない場合はステップS110に進む。
ステップS107において給水制御部60は、給水指示を受けたランドリー機器に対応した水の流量計を確認し、ステップS108に進む。
ステップS108において給水制御部60は、給水指示を受けたランドリー機器に対応した水の流量計の流量に変化があるか(つまり、水が流れている)否かを判定する。
水の流量計の流量に変化がある場合はステップS110に進み、水の流量計の流量に変化がなかった場合はステップS109に進む。
ステップS109において給水制御部60は、エラー処理2を実行する。このエラー処理2は、ランドリー機器が有する水給水弁に関するエラー処理、および、水給水弁に対する水の給水に関するエラー処理であって、給水されるはずの水が給水されていない(つまり水給水弁の故障、または、水が水給水弁に給水されていない疑いがある)場合にエラーであると判定し、エラーと判定した場合、ランドリー機器110a~110dのうち何れのランドリー機器に対応する水給水弁がエラーであるかを給水制御部60のモニタに表示するとともに、このエラーが発生しているランドリー機器のランドリー機器制御部に対して水給水弁エラーが発生していることを示すエラー2情報を送信する。
なお、エラー発生中の水給水弁の修理または交換等により正常動作が確認されると、エラーが解除される(給水制御部60による自動解除または、メンテナンス者による手動解除)。
また、エラー2情報を受信したランドリー機器制御部70a~70dは、対応する情報表示器116a~116dに水給水弁エラーが発生していることを例えば、「エラー2:水給水弁を確認してください。」等の文字表示により表示するとともに、対応する状態表示ランプ117a~117dにおいてエラー発生中であることを示す赤色点灯を行う。
なお、エラー発生中の水給水弁の修理または交換等により正常動作が確認された場合、または、水給水弁への水が供給されると、給水制御部60からエラー2情報が送信されなくなるため、ランドリー機器制御部70a~70dは情報表示器116a~116d、状態表示ランプ117a~117dにおけるエラー表示を終了する。
ステップS110において給水制御部60は、給水指示があったランドリー機器制御部に対応した強アルカリイオン水給水弁を開放して、ステップS111に進む。例えば、ランドリー機器制御部70aから給水指示があった場合、給水制御部60は強アルカリイオン水給水弁112aを開放する。
ステップS111において給水制御部60は、開放した強アルカリイオン水給水弁に対応した強アルカリイオン水流量計における流量を計測する。
上述したように、本実施形態では、ランドリー機器110a(ランドリー機器ID=01)、110b(ランドリー機器ID=02)には、強アルカリイオン水が0.98リットル(0.00098立方メートル)給水され、ランドリー機器110c(ランドリー機器ID=03)、110d(ランドリー機器ID=04)には、強アルカリイオン水が1.57リットル(0.00157立方メートル)給水される。
ステップS112において給水制御部60は、強アルカリイオン水の給水開始時の流量計の数値から予め設定された設定流量(例えば、ランドリー機器ID=1,2ならば0.00098立方メートル、ランドリー機器ID=3,4ならば0.00157立方メートルを加算した流量)に達したか否かを判定する。
設定流量に達したと判定した場合はステップS113に進み、設定流量に達していないと判定した場合はステップS111に進み流量の計測を継続する。
ステップS113において給水制御部60は、設定流量に達したランドリー機器に対応した強アルカリイオン水給水弁を閉鎖した後、この給水制御処理を終了する。
なお、この給水制御処理はランドリー機器ID=1~4についての処理がマルチタスクなどの制御方法で実行していくため、例えば、ランドリー機器ID=2において上述したエラー処理1を実行中であっても、他のランドリー機器の給水制御処理は実行可能であり、また、ランドリー機器ID=1~4において同時期に強アルカリイオン水を各々の流量を計測しながら適量給水することも可能である。
また、本実施形態では20リットルの強アルカリイオン水が初期貯留された貯留タンク115a~115dを交換して使用するようにしている。そして、新たな貯留タンクに交換する際に、それまでの強アルカリイオン水流量計が記憶している累積流量値を0クリア(手動でクリアや貯留タンクの交換を検知して自動でクリア)する。給水制御部60は、貯留タンク交換後、強アルカリイオン水流量計122a~122dにより新たに計測される累積流量値を給水制御部60は記憶することによって、各貯留タンク115a~115dの現在の貯留残量を特定する。
特定された各貯留タンク115a~115dの強アルカリイオン水の貯留残量は、モニタに表示されるとともに、通信部62により本部サーバ64に常時通知するようにしている。
したがって、各コインランドリー店舗2においては店舗内に設けられた各貯留タンク115a~115dの現在の強アルカリイオン水の貯留残量を確認することが可能であるとともに、コインランドリー本部では、全コインランドリー店舗に設けられた全貯留タンクの現在の強アルカリイオン水の貯留残量を確認することが可能である。
なお、貯留タンク115a、115bでは強アルカリイオン水の貯留残量が2リットル、貯留タンク115c、115dでは強アルカリイオン水の貯留残量が3.2リットル、つまり残り2回分の貯留残量となった場合、この貯留タンクに対応したランドリー機器のランドリー機器制御部に対して給水制御部60は貯留残量が少なくなったことを示す貯留少情報を送信する。そして、この貯留少情報を受信したランドリー機器制御部は状態表示ランプを黄色点灯させる。
<他の実施形態>
上述した給水制御処理では、水が給水されていることを確認してから強アルカリイオン水の給水を開始するようにしていたが、これに限らず、各ランドリー機器制御部70a~70dから給水指示を受信したときに強アルカリイオン水の給水を開始するようにしてもよい。
ただし、このようにした場合、強アルカリイオン水の給水開始後において水の流量を確認するし、水が給水されていないことを確認した場合は直ちに強アルカリイオン水の給水を停止させるようにするのが好ましい。
また、上述したランドリーシステムにおいては、強アルカリイオン水を貯留するための貯留タンクを各ランドリー機器110a~110dと一対一対応で設けるようにしていたが、これに限らず、図4に示すように、各コインランドリー店舗2に対して1つの貯留タンク115を設け、この貯留タンク115から各ランドリー機器110a~110dに対応する強アルカリイオン水給水弁112a~112dに強アルカリイオン水を給水するようにしてもよく、また、複数のランドリー機器に対応して貯留タンクを設ける(例えば、ランドリー機器110aと110bに対応する貯留タンクと、ランドリー機器110cと110dに対応する貯留タンク)ようにしてもよい。
また、上述したランドリーシステムにおいては、各ランドリー機器110a~110dには水給水弁111a~111d、情報表示器116a~116d、状態表示ランプ117a~117dが元々設けられており、これらの制御はランドリー機器制御部70a~70dにより実行されており、給水制御部60における制御対象ではなかった。
しかしながら、これに限らず、図5に示すようにランドリー機器110に水給水弁111、強アルカリイオン水給水弁112、強アルカリイオン水給水口114、貯留タンク115、情報表示器116、状態表示ランプ117、水流量計121、強アルカリイオン水流量計122、を設けるようにしてもよい。
そして、このようにした場合、ランドリー機器制御部70に給水制御部60の制御機能を併せ持つようにし、設定入力部61、通信部62をランドリー機器制御部70により制御するようにしてもよい。
1 :ランドリーシステム
2 :コインランドリー店舗
10 :強アルカリイオン水給水制御システム
60 :給水制御部
62 :設定入力部
62 :通信部
63 :通信網
64 :本部サーバ
70、70a~70d:ランドリー機器制御部
110、110a~110d:ランドリー機器
111、111a~111d:水給水弁
112、112a~112d:強アルカリイオン水給水弁
113、113a~113d:水給水口
114、114a~114d:強アルカリイオン水給水口
115、115a~115d:貯留タンク
116、116a~116d:情報表示器
117、117a~117d:状態表示ランプ

Claims (5)

  1. 強アルカリイオン水を洗濯槽に給水するための強アルカリイオン水給水部と、
    前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水の給水制御を実行する給水制御手段と、
    を備え、
    前記給水制御手段は、前記強アルカリイオン水が、
    前記洗濯槽に給水される水よりも先に給水されないように給水制御を実行し、
    かつ、エラー以外の場合に常に予め定められた設定流量のアルカリイオン水を供給する
    ことを特徴とする、ランドリーシステム。
  2. 前記給水制御手段は、
    前記水の給水が開始された後、前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水の給水を開始するように給水制御を実行する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランドリーシステム。
  3. 前記給水制御手段は、
    前記強アルカリイオン水給水部による強アルカリイオン水の給水を、前記水の給水を同時期に開始するように給水制御を実行する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランドリーシステム。
  4. 前記給水制御手段は、
    前記強アルカリイオン水の貯留量を検出可能な貯留量検出手段と、前記貯留量検出手段による検出結果を通知する通知手段と、を備える、
    ことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のランドリーシステム。
  5. 洗濯槽と、
    強アルカリイオン水を洗濯槽に給水するための強アルカリイオン水給水部と、
    水を洗濯槽に給水するための水給水部と、
    前記強アルカリイオン水給水部による前記強アルカリイオン水と、前記水給水部による前記水の給水制御とを実行する給水制御手段と、
    を備え、
    前記給水制御手段は、
    前記強アルカリイオン水が、前記洗濯槽に給水される水よりも先に給水されないように給水制御を実行し、
    かつ、エラー以外の場合に常に予め定められた設定流量のアルカリイオン水を供給する
    ことを特徴とする、ランドリー機器。
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