JP7033976B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1では、機体の後部に支持されて後側に延出されたリンク機構に、苗植付装置(作業装置に相当)が支持され、整地装置が、苗植付装置と機体の後輪との間に配置されている。
これにより、後輪に伝達される動力が分岐して整地装置に伝達されて、整地装置の駆動軸が回転駆動される。
機体の後部に昇降自在に支持されて後側に延出されたリンク機構と、前記リンク機構の後部に支持されて田面に農用資材を供給する作業装置と、
後輪を支持して前記機体の後部に取り付けられた後車軸ケースと、前記作業装置と前記後車軸ケースとの間に配置された整地装置とが備えられ、
前記整地装置に、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体とが設けられ、
前記後車軸ケースに、
前記後車軸ケースの前面部に前向きに支持されて、エンジンの動力が伝達される入力軸と、
前記後車軸ケースの内部に配置されて、前記入力軸の動力を前記後輪に伝達する後輪伝動軸と、
前記後車軸ケースの後面部に、後端部が前記入力軸の前端部よりも低い位置に配置されるように後向きに支持されて、前記入力軸の動力を出力する出力軸とが設けられ、
前記整地装置に、
斜め上向きの前向きに支持されて、動力を前記駆動軸に伝達する整地入力軸が設けられて、
前記出力軸の前記後端部と整地伝動軸の前部とが自在継手を介して接続され、前記整地入力軸と前記整地伝動軸の後部とが自在継手を介して接続され、
動力を前記整地入力軸に伝達する伝動位置、及び前記整地入力軸への動力の伝達を遮断する遮断位置に操作自在な整地クラッチが備えられ、
前記作業装置が田面から上側に離れる位置まで前記リンク機構が上昇操作されると、前記整地クラッチを前記遮断位置に操作する整地クラッチ操作機構が備えられ、
前記整地クラッチ操作機構が、前記リンク機構と前記整地クラッチの操作部とに亘って接続されている。
これにより、整地伝動軸と、整地伝動軸の前部及び後部の自在継手とを無理なく配置することができるようになって、後車軸ケースから整地装置への動力の伝達が円滑に行われるようになる。
また、本発明によると、作業形態に応じて整地クラッチを操作することにより、整地装置を作動及び停止させることができるので、作業性の良いものとなる。
また、作業装置が田面から上側に離れる位置までリンク機構が上昇操作されると、作業装置による作業を行わない状態であり、整地装置を停止させるべき状態であるので、整地クラッチが自動的に遮断位置に操作される。
また、本発明によると、リンク機構の昇降作動が、整地クラッチ操作機構により整地クラッチの操作部に伝達されて、整地クラッチが伝動位置及び遮断位置に操作されるので、整地クラッチ操作機構の構造の簡素化の面で有利なものとなる。
前記出力軸が前記後車軸ケースの前記後面部に斜め下向きの後向きに支持されて、前記出力軸の前記後端部が前記入力軸の前記前端部よりも低い位置に配置されていると好適である。
前記出力軸が前記入力軸よりも低い位置に後向きに支持され、前記入力軸の動力を前記出力軸に伝達する伝動機構が設けられて、前記出力軸の前記後端部が前記入力軸の前記前端部よりも低い位置に配置されていると好適である。
前記作業装置が田面に接地する位置まで前記リンク機構が下降操作されると、前記整地クラッチを前記伝動位置に操作する整地クラッチ操作機構が備えられていると好適である。
前記整地クラッチが、前記伝動位置と前記遮断位置に操作自在なシフト部材を備え、
前記整地クラッチ操作機構が、前記リンク機構の上昇操作に伴い前記シフト部材を前記伝動位置から前記遮断位置に操作する操作ロッドと、前記シフト部材が前記遮断位置に達した後に、前記リンク機構が更に上昇操作された際に圧縮されることにより前記シフト部材を前記遮断位置を超える操作を防止するバネを備えていると好適である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1と、右及び左の後輪2とを備えた機体11の後部に、リンク機構3が昇降自在に支持されて後側に延出されており、リンク機構3を昇降操作する油圧シリンダ4が備えられている。
図1及び図2に示すように、苗植付装置5は支持フレーム12、フィードケース15、植付伝動ケース6、回転ケース7、植付アーム8、センターフロート9及びサイドフロート53,54、苗のせ台10等を備えている。
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース17が支持されており、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。
右及び左の後輪2を支持する後車軸ケース23が、機体11の後部に支持されており、前輪デフ装置の直前から分岐した動力が、伝動軸24を介して後車軸ケース23に伝達される。
図1に示すように、右及び左の上リンク42が、機体11の下部に上下に揺動自在に支持されて後側に延出されている。右及び左の下リンク43が、機体11の下部に上下に揺動自在に支持されて後側に延出されている。
図6に示すように、サイドクラッチ47は、内装されるバネ47bにより伝動状態に付勢されている。後車軸ケース23のボス部23cに、操作軸50が回転自在に支持されており、前輪1を操向操作する操向部材(図示せず)と操作軸50のアーム部50aとが、連係部材65により接続されている。
図1に示すように、ミッションケース17の内部に、株間変速装置(図示せず)及び植付クラッチ38(図8参照)が備えられている。
図1及び図8に示すように、運転座席13の右側に、昇降操作レバー39が備えられている。昇降操作レバー39は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在であり、植付クラッチ38と機械的に接続されている。
昇降操作レバー39が上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作されると、制御弁41及び植付クラッチ38が、以下の説明のように操作される。
植付クラッチ38が伝動状態に操作されると、苗植付装置5に動力が伝達されて、前述の(苗植付装置の全体構成)に記載のように、苗植付装置5が作動する。
この乗用型田植機では、図8に示すように、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に維持されるように、油圧シリンダ4によりリンク機構3を昇降操作し、苗植付装置5を昇降操作して、植付アーム8による苗の植付深さを設定深さに維持する昇降制御機能が備えられている。以下に、苗植付装置5の昇降制御について説明する。
これにより、変更された設定高さH1に維持されるように、苗植付装置5が昇降操作されるのであり、植付アーム8による苗の植付深さ(設定深さ)を変更することができる。
図2及び図3に示すように、整地装置26において、左右方向に沿って配置された駆動軸34、駆動軸34に取り付けられて駆動軸34と一体で回転駆動されることによって田面Gを整地する整地体35、駆動軸34を回転自在に支持する整地入力部29及び軸支持部30、泥除けカバー36及びスペーサ37等が備えられている。
図2,3,4に示すように、支持フレーム12の前面部に、ブラケット27が連結されて前側に延出されている。丸パイプ状の支持軸28が、左右方向の軸芯P1周りに回転自在にブラケット27に支持されており、支持軸28が支持フレーム12に沿って配置されている。
整地装置26(整地入力部29及び軸支持部30)が、支持機構51を介して支持フレーム12に支持されており、後述の(整地装置の昇降構造)に記載のように、支持軸28(支持アーム28a)を軸芯P1周りに回転操作(揺動操作)することにより、整地装置26を苗植付装置5(支持フレーム12)に対して昇降操作することができる。
図2,3,5に示すように、支持フレーム12において、支持軸28の中央の支持アーム28aの付近に、支持部材16が連結されて上側に延出されている。支持部材16のブラケット16aの軸芯P3周りに、側面視で扇形状の昇降ギヤ31が上下揺動自在に支持されている。
昇降機構52において、電動モータ33によりギヤケース32のピニオンギヤ32aが回転駆動されることにより、昇降ギヤ31が軸芯P3周りに上下に揺動操作され、整地入力部29を介して支持軸28の支持アーム28aが上下に揺動操作されて、整地装置26の位置が上下に変更される。
図4,6,7に示すように、後車軸ケース23において、後車軸ケース23の後面部に斜め下向きで後向きのボス部23bが備えられている。ボス部23bに出力軸60が支持されており、出力軸60が後車軸ケース23の後面部に斜め下向きの後向きに支持されている。
入力軸45に伝達された動力が、入力軸45のベベルギヤ45a及び後輪伝動軸46のベベルギヤ46aを介して、出力軸60のベベルギヤ61(整地クラッチ62)に直接に伝達されている。
整地クラッチ62において、シフト部材69をバネ70に抗してベベルギヤ61から離れる遮断位置に操作すると、入力軸45から出力軸60への動力の伝達が遮断される。
図4及び図6に示すように、整地クラッチ62において、シフト部材69をバネ70に抗して遮断位置に操作する軸状の操作部72が、後車軸ケース23のボス部23cに回転自在に支持されている。リンク機構3の下リンク3bと操作部72とに亘って、整地クラッチ操作機構76が接続されている。
シフト部材69(整地クラッチ62)が遮断位置に達してから、リンク機構3がさらに上昇操作されると、バネ75が圧縮されるのであり、シフト部材69(整地クラッチ62)が遮断位置を超えるように操作されることはない。
図2,4,5に示すように、整地装置26において、駆動軸34が、左右方向に沿って配置されて、整地入力部29及び軸支持部30により回転自在に支持されている。駆動軸34の中央部において、外面部が断面で円形のスペーサ37が、駆動軸34と一体回転するように駆動軸34に外嵌されている。スペーサ37は、センターフロート9の前側に配置されており、センターフロート9の前部の左右幅とほぼ同じ横幅を備えている。
前述の(整地装置への伝動系における後車軸ケース側の構造)の記載、及び図6に示すように、整地クラッチ62が伝動位置に操作されると、図2,4,5に示すように、後車軸ケース23の出力軸60の動力が、整地伝動軸71を介して、整地装置26(整地入力部29)の整地入力軸77に伝達される。
図2及び図4に示すように、整地伝動軸71に、スプライン軸80、スプライン筒軸81及びカバー82が備えられている。
カバー82は、ゴム製でジャバラ形状に形成されて伸縮自在である。カバー82がスプライン軸80とスプライン筒軸81の端部とに亘って取り付けられており、カバー82により、スプライン軸80のスプライン筒軸81への挿入部分が覆われている。
出力軸60と整地入力軸77とに亘って接続される整地伝動軸71が、平面視で、左右中央線CLと斜めに交差するように配置されている。
図8に示すように、苗植付装置5に、設定深さ設定部67及び整地設定操作部68が備えられており、設定深さ設定部67及び整地設定操作部68の操作信号が、制御装置40に入力されている。整地設定操作部68人為的に押し操作される押しボタン型式であり、設定深さ設定部67は人為的に回転操作されるダイヤルスイッチ型式である。
図8に示すように、設定深さ設定部67及び整地設定操作部68の操作信号、操作位置センサー83及び整地位置センサー84の検出値に基づいて、制御装置40により以下の説明のように、電動モータ33が作動操作されて、整地装置26が昇降操作される。
整地設定操作部68を押し操作することにより、退避位置の整地装置26を作業位置に下降させることができる。整地設定操作部68を押し操作することにより、作業位置の整地装置26を退避位置に上昇させることができる。
操作位置センサー83により設定高さH1が検出され、整地位置センサー84により整地装置26の苗植付装置5に対する支持位置が検出されることによって、整地装置26の田面Gに対する高さが検出されるのであり、整地装置26の整地体35が田面Gに入り込む整地深さが検出される。
後車軸ケース23において、図6及び図7に示す構造に代えて、図9に示すように構成してもよい。
この場合、伝動ギヤ87,88に代えて、伝動チェーン(図示せず)を伝動機構として使用してもよい。
図6及び図7に示す後車軸ケース23において、図9に示す出力ケース85及び出力軸86、整地クラッチ62の構成を採用してもよい。
この構造によると、後車軸ケース23の斜め下向きで後向きのボス部23b及び出力軸60において、出力軸60にベベルギヤ61が一体的に設けられ、出力軸86及び整地クラッチ62を備えた出力ケース85が、出力軸60に外嵌される。
整地クラッチ62を、後車軸ケース23ではなく、整地装置26(整地入力部29)に備えてもよい。
リンク機構3の上リンク3a又は縦リンク3cと、整地クラッチ62の操作部72とに亘って、整地クラッチ操作機構76を接続してもよい。
後車軸ケース23をサスペンション機構によって機体11に支持するのではなく、機体11の後部の前後方向の軸芯周りに、後車軸ケース23をローリング自在に支持してもよい。
3 リンク機構
5 苗植付装置(作業装置)
11 機体
19 エンジン
23 後車軸ケース
26 整地装置
34 駆動軸
35 整地体
45 入力軸
45b 入力軸の前端部
46 後輪伝動軸
60 出力軸
60a 出力軸の後端部
62 整地クラッチ
71 整地伝動軸
72 操作部
76 整地クラッチ操作機構
77 整地入力軸
78,79 自在継手
86 出力軸
86a 出力軸の後端部
87 伝動ギヤ(伝動機構)
88 伝動ギヤ(伝動機構)
G 田面
Claims (5)
- 機体の後部に昇降自在に支持されて後側に延出されたリンク機構と、前記リンク機構の後部に支持されて田面に農用資材を供給する作業装置と、
後輪を支持して前記機体の後部に取り付けられた後車軸ケースと、前記作業装置と前記後車軸ケースとの間に配置された整地装置とが備えられ、
前記整地装置に、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体とが設けられ、
前記後車軸ケースに、
前記後車軸ケースの前面部に前向きに支持されて、エンジンの動力が伝達される入力軸と、
前記後車軸ケースの内部に配置されて、前記入力軸の動力を前記後輪に伝達する後輪伝動軸と、
前記後車軸ケースの後面部に、後端部が前記入力軸の前端部よりも低い位置に配置されるように後向きに支持されて、前記入力軸の動力を出力する出力軸とが設けられ、
前記整地装置に、
斜め上向きの前向きに支持されて、動力を前記駆動軸に伝達する整地入力軸が設けられて、
前記出力軸の前記後端部と整地伝動軸の前部とが自在継手を介して接続され、前記整地入力軸と前記整地伝動軸の後部とが自在継手を介して接続され、
動力を前記整地入力軸に伝達する伝動位置、及び前記整地入力軸への動力の伝達を遮断する遮断位置に操作自在な整地クラッチが備えられ、
前記作業装置が田面から上側に離れる位置まで前記リンク機構が上昇操作されると、前記整地クラッチを前記遮断位置に操作する整地クラッチ操作機構が備えられ、
前記整地クラッチ操作機構が、前記リンク機構と前記整地クラッチの操作部とに亘って接続されている水田作業機。 - 前記出力軸が前記後車軸ケースの前記後面部に斜め下向きの後向きに支持されて、前記出力軸の前記後端部が前記入力軸の前記前端部よりも低い位置に配置されている請求項1に記載の水田作業機。
- 前記出力軸が前記入力軸よりも低い位置に後向きに支持され、前記入力軸の動力を前記出力軸に伝達する伝動機構が設けられて、前記出力軸の前記後端部が前記入力軸の前記前端部よりも低い位置に配置されている請求項1に記載の水田作業機。
- 前記作業装置が田面に接地する位置まで前記リンク機構が下降操作されると、前記整地クラッチを前記伝動位置に操作する前記整地クラッチ操作機構が備えられている請求項1に記載の水田作業機。
- 前記整地クラッチが、前記伝動位置と前記遮断位置に操作自在なシフト部材を備え、
前記整地クラッチ操作機構が、前記リンク機構の上昇操作に伴い前記シフト部材を前記伝動位置から前記遮断位置に操作する操作ロッドと、前記シフト部材が前記遮断位置に達した後に、前記リンク機構が更に上昇操作された際に圧縮されることにより前記シフト部材を前記遮断位置を超える操作を防止するバネを備えている請求項1~4のいずれか一項に記載の水田作業機。
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