JP7033686B1 - ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品 - Google Patents

ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品 Download PDF

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Abstract

【課題】無色透明であり、さらに加熱による着色が生じにくい高純度のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を提供し、併せてその簡易な製造方法を提供することにある。【解決手段】特定の条件の液体クロマトグラフィー分析において、ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が20.0%以下であるペンタシクロペンタデカンジメタノール製品。【選択図】なし

Description

本発明はペンタシクロペンタデカンジメタノール製品に関する。
電子部品等に使用される光学材料や高分子材料は、高い透明性を求められることが多い。一般式(V)および/または(VI)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールは嵩高く、剛直な骨格を有しているため、これを用いた樹脂は結晶性が抑制されて透明性が向上し、光学製品材料としての利用が期待される。
Figure 0007033686000001

例えば、光学製品材料として、ペンタシクロペンタデカンジメタノールを用いたポリカーボネート樹脂等が知られている(特許文献1)。
光学製品材料には高透明性が求められ、透明性の高いペンタシクロペンタデカンジメタノールを得る方法として、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを活性炭共存下で金属触媒を用いて水素化還元をする方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、従来の製造方法で得られるペンタシクロペンタデカンジメタノールには、依然として副生物が含まれており、室温では無色透明であっても、加熱により大きく着色することもあり、樹脂の製造が一般的に加熱条件下で行われることを鑑みると、光学製品材料等の用途に使用するには、透明性の点で十分な品質とは言えないという問題があった。
特開2000-302860号公報 特許第4194788号公報
従って、本発明の目的は、無色透明であり、さらに加熱による着色が生じにくい高純度のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を提供し、併せてその簡易な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、従来の製造方法で得られるペンタシクロペンタデカンジメタノールには、特定の分析条件で検出可能な着色原因となる、原料に由来する構造を持つことが想定される副生物が存在することを突き止めた。これら副生物は特定の分析条件によらねば検出できないため、これまで検出されてきておらず、着目されてこなかった成分である。そして、これら副生物の含有量を後記する特定の面積率以下とすることにより加熱による着色が抑えられたペンタシクロペンタデカンジメタノール製品とすることができることが分かった。
また、ペンタシクロペンタデカンジメタノールの製造方法を改良することにより該副生物の含有量を低減し、無色透明であり、さらに加熱による着色が生じにくい高純度のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品が得られることを見出した。
すなわち本発明は、以下の[1]~[7]を提供する。
[1] 下記条件の液体クロマトグラフィー分析において、ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が、20.0%以下であるペンタシクロペンタデカンジメタノール製品。
(液体クロマトグラフィー分析の条件)
分析カラム:基材がスチレンジビニルベンゼンであるカラム(平均粒子径3μm、平均細孔径1.5nm、長さ15cm×内径6.0mm)2本、基材がスチレンジビニルベンゼンであるカラム(平均粒子径3μm、平均細孔径2.0nm、長さ15cm×内径6.0mm)1本を結合して使用
試料濃度:5質量%(希釈溶媒テトラヒドロフラン)
カラムオーブン温度:40℃
キャリア:テトラヒドロフラン
カラムの液流量:0.35ml/分
検出器:RID(セル部温度:40℃)
[2] ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が、10.0%以下である[1]に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品。
[3] 一般式(I)及び一般式(II)で表されるトリシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種のトリシクロペンタジエンを、水素ガス、一酸化炭素ガス及びロジウム系触媒とともにT℃で反応させる第1工程と、更にT℃で反応させる第2工程とを含むヒドロホルミル化反応に付し、一般式(III)及び一般式(IV)で表されるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドから選ばれる少なくとも1種であるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを得るヒドロホルミル化工程と、
前記ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを還元反応に付し、一般式(V)及び一般式(VI)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1種のペンタシクロペンタデカンジメタノールを得る還元工程とを含む、ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
Figure 0007033686000002
Figure 0007033686000003
Figure 0007033686000004
[4] 前記T℃が、50℃以上であり、前記T及び前記Tが、T>T+20の関係を満たす、[3]に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
[5] 前記第2工程の反応時間が、前記第1工程の反応時間より長い、[3]又は[4]に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
[6] 前記ロジウム系触媒として、ロジウム化合物及び有機リン化合物を用いる、[3]~[5]のいずれか1項に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
[7] 前記還元反応が、水素添加反応である、[3]~[6]のいずれか1項に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
本発明のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品は無色透明であり、加熱による着色が生じにくいため、光学製品材料等の用途に好適に使用される。また、本発明の製造方法によれば、該ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品が簡易に製造することができる。
実施例2で得られたペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の液体クロマトグラフィー分析のチャートである。 比較例1で得られたペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の液体クロマトグラフィー分析のチャートである。
本発明のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品におけるペンタシクロペンタデカンジメタノールは、例えば、トリシクロペンタジエンをヒドロホルミル化することによるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの還元体として製造することが好ましい。
<ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品>
前記ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品は、ペンタシクロペンタデカンジメタノールを含むが、後記する液体クロマトグラフィー分析の条件において、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が、20.0%以下であることを要する。この面積率は検出器としてRIDを用いたものであるため、この面積率は、そのピークに該当する化合物のモル比や質量比とは必ずしも一致するものではない。
ここで「全ピーク面積」とは、相対保持時間0.50~1.35の溶媒を除いた各ピークの合計の面積(図1の3に該当する時間のピーク面積の合計)を意味する。相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積は、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れる各ピークの合計(対象ピーク面積)を意味する。
本発明者は、上記特定の条件で測定される液体クロマトグラフィー分析の結果から、一定の相対保持時間の範囲に現れるピーク群の面積率が、特に加熱後のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の着色と相関があることを見出した。
相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群合計の面積(図1の1に該当する時間のピーク面積の合計)の、全ピーク面積に対する面積率は加熱による着色を低減する観点から上限値としては、10.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、3.0%以下が更に好ましく、2.0%以下がより更に好ましく、1.0%以下がより優れて好ましく、0.8%以下がより更に優れて好ましく、0.5%以下が一層好ましい。
下限値は特に限定されず、加熱後の着色を改善する観点から実質的に0%以上であることが好ましい。本明細書において、「実質的に0%」とは、前記液体クロマトグラフィー分析によりピークとして検出されない、つまり検出限界以下であることを意味する。製造の容易さの観点から0.01%以上であることがより好ましく、0.05%以上であることが更に好ましく、0.1%以上であることがより更に好ましく、0.3%以上であることが特に好ましい。
相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群は、ペンタシクロペンタデカンジメタノールと同様に炭素原子、酸素原子、水素原子を含む化合物群であり、類似した化学構造を有することが想定されるが、還元反応の原料であるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとは異なることが確認されている。
相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群のうち、更に相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積(図1の2に該当する時間のピーク面積の合計)の、全ピーク面積に対する面積率は、加熱による着色を更に低減する観点から上限値としては、10.0%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、3.0%以下が更に好ましく、2.0%以下がより更に好ましく、1.0%以下がより優れて好ましく、0.8%以下がより更に優れて好ましく、0.5%以下が特に好ましく、0.4%以下が最も好ましい。一方下限値は特に限定されず、実質的に0%以上であることが好ましいが、製造の容易さの観点から0.01%以上であることがより好ましく、0.05%以上であることが更に好ましく、0.1%以上であることがより更に好ましく、0.2%以上であることが特に好ましい。
後記する比較例1において、図2に示す10がペンタシクロペンタデカンジメタノールに対応するピークである。図2ではペンタシクロペンタデカンジメタノールに対応するピーク以外に相対保持時間が0.70~0.95の範囲に複数見られるが、主に相対保持時間が0.70~0.89に少なくとも1つの図2に示す12のピークが現れ、0.89~0.95に少なくとも1つの図2に示す11のピークが現れることが確認された。
<トリシクロペンタジエン、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒド及びペンタシクロペンタデカンジメタノール>
前記トリシクロペンタジエンは、一般式(I)及び一般式(II)で表されるトリシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、単一の化合物であっても異なる化合物の混合物であってもよく、前記ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドは、一般式(III)及び一般式(IV)で表されるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、単一の化合物であっても異なる化合物の混合物であってもよく、前記ペンタシクロペンタデカンジメタノールは、一般式(V)及び一般式(VI)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、単一の化合物であっても異なる化合物の混合物であってもよい。
Figure 0007033686000005
Figure 0007033686000006
Figure 0007033686000007
一般式(III)及び(IV)におけるホルミル基(-CHO基)は、一般式(I)及び(II)において、その構造中の-CH=CH-中の炭素原子のいずれか一方に対応する炭素原子上に置換しており、一般式(V)及び(VI)における-CHOH基は、その還元前の対応する一般式(III)及び(IV)が有している-CHO基が置換している炭素原子上に置換している。
一般式(I)~(VI)は、それぞれいかなる立体構造を有していてもよく、単一の立体構造を有するものであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
<ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法>
以下、ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法について説明する。ただし、これらの製造方法に限定されるものではない。本製造方法ではトリシクロペンタジエンをロジウム系触媒存在下でヒドロホルミル化反応に付すことにより(ヒドロホルミル化工程)、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを得た後、これを還元反応に付すことにより(還元工程)、ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を得ることが好ましい。
(ヒドロホルミル化工程)
本工程におけるヒドロホルミル化反応は、前記一般式(I)及び前記一般式(II)で表されるトリシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種を、水素ガス、一酸化炭素ガス及びロジウム系触媒とともにT℃で反応させる第1工程と、更にT℃で反応させる第2工程とを含むことが好ましい。前記第2工程での反応により、第1工程の反応を更に進行させることで、一般式(III)及び一般式(IV)で表されるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドから選ばれる少なくとも1種を製造することができ、更に後記する還元工程により、加熱による着色が生じにくい、前記一般式(V)及び(VI)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールを製造することができるため好ましい。
トリシクロペンタジエンをヒドロホルミル化する際に用いる前記ロジウム系触媒は反応速度及び収率等の点からロジウム化合物及び有機リン化合物を組み合わせて用いることが好ましい。
前記ロジウム化合物及び前記有機リン化合物を組み合わせて用いる場合、前記ロジウム化合物は、前記有機リン化合物と錯体を形成し、ヒドロホルミル化の触媒活性を示すものであれば特に限定されない。具体例としては、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16、Rh2(OAc)4(式中、Acはアセチル基を表す。) 、Rh(acac)3 (式中、acacはアセチルアセトナート基を表す。以下同様である。)、Rh(acac)(CO)2、Rh(acac)(cod)(式中、codは1,5-シクロオクタジエニル基を表す。)、RhCl3、RhCl(PPh33、(式中、Phはフェニル基を表す。以下同様である。)、RhH(CO)(PPh33等が挙げられる。
前記有機リン化合物は、ロジウム化合物と錯体を形成し、ヒドロホルミル化の触媒活性を示すものであれば特に限定されない。具体例としては、一般式R1 3Pで表されるホスフィン又は一般式(R2O)3Pで表されるホスファイト等が挙げられる。3つのR1及び3つのR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、特に限定されないが、炭素数1~12のアルキル基;炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基又はスルホン基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1~8のアルキル基又は炭素数1~8のアルコキシ基で置換されていてもよい脂環式アルキル基等が挙げられる。ここで脂環式アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、二環性複素環式ホスフィンも使用することができる。具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィントリスルホン酸ナトリウム、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2-メチルフェニル)ホスファイト、トリス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられ、それらの中でもトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト又はトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。これらの有機リン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機リン化合物の使用量は、前記ロジウム化合物に対して、5~2000モル倍が好ましく、8~1000モル倍がより好ましく、10~500モル倍がさらに好ましい。5モル倍以上の使用量では、ロジウム触媒の安定性が向上するため好ましい。また、2000モル倍以下の使用量では、有機リン化合物にかかるコストが低減するため好ましい。
ヒドロホルミル化反応は溶媒を使用せずに行うことも可能であるが、溶媒を使用することもできる。溶媒としては、トリシクロペンタジエン、ロジウム化合物及び有機リン化合物を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン等の飽和脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドロホルミル化反応は、一定の温度で行ってもよいが、前記の相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の面積率を減少させるためには、途中で昇温させることが好ましい。昇温前の反応液の温度をT℃で保持する工程(第1工程)、昇温後の反応液の温度をT℃で保持する工程(第2工程)において、前記T℃が、50℃以上であり、前記T及び前記Tが、T>T+20の関係を満たすことが好ましい。
より具体的には、T℃を60~90℃で保持した後、T℃を100℃~160℃で保持するのが好ましく、T℃を70~80℃で保持した後、T℃を110℃~130℃で保持するのがより好ましい。T℃を60~90℃で保持した後、T℃を100℃~160℃に昇温するのは後述の合成ガスの吸収が実質的に見られなくなってから行うのがよく、ヒドロホルミル化反応の温度をこのように制御することは、ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品において、0.70~0.95の範囲に現れるピーク群として生成する副生物が減少するため特に好ましい。
ヒドロホルミル化反応は一酸化炭素と水素を混合した合成ガスによる加圧下で実施することが好ましい。その際、一酸化炭素及び水素は、各々独立に反応系内に導入することも、また、予め合成ガスを調製して反応系内に導入することも可能である。反応系内に導入する合成ガスのモル比(=CO/H2)は、0.4~2.5が好ましく、0.6~1.7がより好ましく、0.8~1.3がさらに好ましい。合成ガスのモル比が上記の範囲内であれば、反応の活性低下やペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドの選択性低下等の問題が起きにくいため好ましい。なお、反応系中にヒドロホルミル化反応に対して不活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等が共存していてもよい。
ヒドロホルミル化反応の圧力は、前記の第1工程及び第2工程での圧力は同一であっても異なっていてもよく、これら工程を含め使用するトリシクロペンタジエンの量、溶媒の使用及びその量、使用する触媒の種類、温度等により適宜調整すればよいが、8~25MPa(以下、『Pa』は特別な記載がない限りゲージ圧を意味する。)が好ましく、15~23MPaがより好ましく、19~21MPaがさらに好ましい。8MPa以上の圧力では反応効率が上がるため好ましく、副生物が減少するため好ましい。また、25MPa以下の圧力では耐圧性能に優れる設備のコストが低減できるため好ましい。
ヒドロホルミル化反応では、反応器として槽型反応器、管型反応器、ループリアクター等、多様な反応器を使用することができ、それらは単独であっても複数を連結して使用しても良く、反応方式としては回分式、反応条件下の反応器に基質、触媒、溶媒等を供給する半回分式、反応条件下で反応器に基質、触媒、溶媒等を流通させる連続流通式等、多様な反応方式を採用することができる。
ヒドロホルミル化反応により得られるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドは、そのまま次の還元反応の原料として使用することもできるが、抽出、晶析、カラムクロマトグラフィー、これらの組合せ等の方法によって精製した後で還元反応に供してもよい。本実施形態のヒドロホルミル化反応により得られる化合物ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドに含まれるホルミル基は、その一部がヒドロキシメチル基に還元されることがあるが、それらを混合物として還元反応に供することができる。
ヒドロホルミル化反応の反応時間は、溶媒の使用量や反応装置の選択等で一概にはいえないが、反応の進行状況により適宜選択することができる。第2工程の反応時間(T℃を保持する時間)は、第1工程の反応時間(T℃を保持する時間)より長くすることが好ましく、第1工程の反応時間は、10分以上3時間以下とすることが好ましく、20分以上2時間以下とすることがより好ましく、第2工程の反応時間は、1時間以上10時間以下とすることが好ましく、2時間以上5時間以下とすることがより好ましい。
第2工程の反応時間は第1工程の反応時間の2倍以上とすることが好ましく、3倍以上とすることがより好ましい。
(還元工程)
本実施形態において、前記ペンタシクロペンタデカンジメタノールは前記ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを還元反応に付すことにより製造することが好ましい。還元反応は、水素化ホウ素ナトリウム等のヒドリドを発生する還元試薬とペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとを反応させる(ヒドリド還元反応)ことによって行ってもよいが、工業的には、金属触媒存在下、水素ガスとペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとを反応させる(水素添加反応)ことが有利である。
水素添加反応において、水素ガスと前記ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとを反応させる際に用いる金属触媒としては、特に限定されないが、公知の触媒を使用することができる。例えば、元素周期表における第6~12族遷移金属から選ばれる一種以上の元素を含有するものが好ましく、具体的にはラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅等のラネー金属類;還元ニッケル担持触媒、還元コバルト担持触媒、銅-クロム酸化物系触媒、銅-亜鉛酸化物系触媒、銅-鉄酸化物系触媒、パラジウムブラック、白金ブラック、ルテニウムブラック、パラジウム担持シリカ、パラジウム担持アルミナ、パラジウム担持活性炭、白金担持シリカ、白金担持アルミナ、白金担持活性炭、ルテニウム担持シリカ、ルテニウム担持アルミナ、ルテニウム担持活性炭、ロジウム担持活性炭、イリジウム担持活性炭、レニウム担持活性炭等の貴金属担持触媒;等が挙げられる。水素ガスとペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドとを反応させる際に用いる触媒の使用量は、特に限定されないが、触媒の種類や反応形式等によって適宜選択できる。
水素添加反応は、溶媒を使用せずに行うことも可能であるが、溶媒を使用することもできる。溶媒としては、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン等の飽和脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、アルコール類を使用する場合、水を添加してもよい。
水素添加反応の温度は、使用する触媒の種類や使用量等により反応速度、収率等を考慮して適宜設定できるが、80~250℃が好ましく、90~200℃がより好ましく、100~170℃がさらに好ましい。80℃以上の温度では反応効率が上がるため好ましい。また、250℃以下の温度では副生物が低減するため好ましい。
水素添加反応の圧力は、1.0~25MPaが好ましく、1.5~15MPaが、より好ましく、2.0~10MPaがさらに好ましい。1.0MPa以上の圧力では反応効率が上がるため好ましい。また、25MPa以下の圧力では耐圧性能に優れる設備のコストが低減できるため好ましい。なお、反応系中に水素添加反応に対して不活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等が共存していてもよい。
水素添加反応では、反応器として槽型反応器、管型反応器、ループリアクター等、多様な反応器を使用することができ、それらは単独であっても複数を連結して使用しても良く、反応方式としては回分式;反応条件下の反応器に基質、触媒、溶媒等を供給する半回分式;反応条件下で反応器に基質、触媒、溶媒等を流通させる連続流通式;等、多様な反応方式を採用することができる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
[液体クロマトグラフィー分析値(%)]
<測定条件>
装置:島津製作所社製 高速液体クロマトグラフLC-2030C 3D
装置:島津製作所社製 示差屈折率検出器RID-20A
分析カラム:東ソー社製 TSKgel SuperHZ1000(平均粒子径3μm、平均細孔径1.5nm、長さ15cm×内径6.0mm)2本、TSKgel SuperHZ2000(平均粒子径3μm、平均細孔径2.0nm、長さ15cm×内径6.0mm)1本を結合して使用。
ガードカラム:東ソー社製 TSKgel guardcolumn SuperHZ-L(長さ3.5cm×内径4.6mm)1本
カラムオーブン温度:40℃
キャリア:テトラヒドロフラン
カラムの液流量:0.35ml/分
試料濃度:5質量%(希釈溶媒テトラヒドロフラン)
検出器:RID(セル部温度:40℃)
付属の解析ソフトにより得られた対象となる相対保持時間内にある各ピークの面積の合計の面積(対象ピーク面積)を求め、その値から相対保持時間0.50~1.35の各ピークの合計の面積(全ピーク面積)に対する割合を面積率として、面積率(%)を計算した。
相対保持時間は、ペンタシクロペンタデカンジメタノールに相当するピークのうち最もピーク面積が大きいピークの保持時間を1.0(ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間)とし、各ピークの保持時間を規格化して求めた。
ペンタシクロペンタデカンジメタノール(保持時間:21.6分)の全ピーク面積に対する濃度をペンタシクロペンタデカンジメタノール(表1中のPCDMの項目)として記載した。
また、相対保持時間0.50~1.35にペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造時に使用した溶媒や希釈溶媒として使用したテトラヒドロフランのピーク(影響)がみられることがあるが、これらはピーク面積からは除いた。
本測定において、検出することができる前記面積率の最小値は0.1ppmであった。
[ガスクロマトグラフィー分析値(%)]
下記測定条件により、ガスクロマトグラフィーによるペンタシクロペンタデカンジメタノール(PCDM)の純度(%)を決定した。
<測定条件>
装置:島津製作所社製 ガスクロマトグラフGC-2025
分析カラム:アジレント・テクノロジー社製DB-1(カラム長30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
インジェクション温度:320℃
流量:65ml/分
キャリアガス:窒素ガス
パージ流量:15ml/分
カラム流量:1.0ml/分
スプリット比:50
オーブン温度:50~320℃、50℃5分間保持、昇温速度10℃/分、320℃で18分保持
試料濃度:10質量%(希釈溶媒アセトン)
検出器:FID、330℃
[ハーゼン色数(APHA)分析]
装置:日本電色工業社製 SE 7700
APHAの測定には光路長50mmの角型セルを使用し、サンプルを10質量%メタノール溶液に調整して測定した(加熱着色試験前)。本願において無色透明とはバーゼン色数が20以下であることを意味する。
なお、測定の仕様上、500以上の値は信頼性が低くなるため、500以上の測定値については、500以上とした。
(加熱着色試験)
対象となるペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を試験管に入れ、窒素雰囲気下において260℃で3時間保持した。ハーゼン色数(APHA)分析に記載の条件で、保持後のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品のAPHAを測定した(加熱着色試験後)。
[実施例1]
容積1000mlのオートクレーブにトリシクロペンタジエン200g(1.01mol)、2-プロパノール(富士フイルム和光純薬社製)200g、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(シグマアルドリッチ社製)0.65g(1.01mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.026g(0.101mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.9)で置換してから7.0MPaに昇圧した後、系内の温度を70℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して1時間撹拌した(第1工程)。
その後に昇温を行い、系内の温度を120℃、内圧を8.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して4時間撹拌(第2工程)した後に、内圧を大気圧に戻して反応を停止し、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを含む反応液を得た。
この系内を窒素置換した後、水6.0g及び還元ニッケル担持触媒6.0gを入れ、系内を水素置換し、水素ガスで系内の圧力を3.0MPaに昇圧した後、系内の温度を150℃、内圧を5.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して3時間後に反応を停止し、加圧ろ過で還元ニッケル担持触媒を除去し、溶媒を留去することでペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を228.7g得た。
前記の条件にて液体クロマトグラフィー分析を行った結果、ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークが保持時間21.6分に検出され、その面積は1.0×10で、面積率は95.9%であった。
相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の面積率は4.1%であり、相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピークの面積率は3.6%であった。
[実施例2]
容積500mlのオートクレーブにメチルシクロヘキサン(富士フイルム和光純薬社製)50g、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(シグマアルドリッチ社製)0.25g(0.38mmol)、及びRh(acac)(CO)2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0098g(0.0038mmol)を室温で入れ、系内を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後系内を合成ガス(CO/H2のモル比=0.9)で置換してから16.0MPaに昇圧した後、系内の温度を70℃、内圧を20.0MPaに調節した。その後、1時間かけてトリシクロペンタジエン40g(0.20mol)とメチルシクロヘキサン40gの混合液を系内にフィードした。その後、系内の温度を70℃、内圧を20.0MPaで保持して0.5時間撹拌した(第1工程)。
その後に昇温を行い、系内の温度を120℃、内圧を20.0MPaに調節した。この温度と圧力を保持して3時間撹拌(第2工程)した後に、内圧を大気圧に戻して反応を停止し、ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを含む反応液を得た。
この反応液にメタノール75.0gと水4.5gを入れて激しく攪拌した後、静置し、二層分離した下層を150.0g得た。この下層150.0gと還元ニッケル担持触媒1.5gを窒素雰囲気下で容積500mlのオートクレーブに入れ、系内を水素置換し、水素ガスで系内の圧力を3.0MPaに昇圧した後、系内の温度を150℃、内圧を5.0MPaに調節した。
この温度と圧力を保持して3時間後に反応を停止し、加圧ろ過で還元ニッケル担持触媒を除去し、溶媒を留去することでペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を44.5g得た。
前記の条件にて液体クロマトグラフィー分析を行った結果、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の面積率は0.5%であり、相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピークの面積率は0.4%であった。
[比較例1]
特許文献2に記載の参考例1と同文献の実施例1に従い、ペンタシクロペンタデカンジメタノールを含む組成物を得た。前記の条件にて液体クロマトグラフィー分析を行った結果、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の面積率は28.9%であり、相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピークの面積率は19.2%であった。
[ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の評価]
実施例1~2及び比較例1で得られたペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を用い、前記の条件で加熱着色試験を行い、ハーゼン色数(APHA)分析に記載の方法で加熱着色試験前後の着色を評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように実施例1~2のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品は比較1のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品に比べて、より加熱着色試験後の着色が生じにくい製品であることがわかる。
Figure 0007033686000008
本発明により、光学製品材料等の用途に好適に使用される、無色透明であり、さらに加熱による着色が生じにくい高純度のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品を提供することができ、該ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の簡易な製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 下記条件の液体クロマトグラフィー分析において、ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が0.70~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が、1.0%以下であるペンタシクロペンタデカンジメタノール製品。
    (液体クロマトグラフィー分析の条件)
    分析カラム:基材がスチレンジビニルベンゼンであるカラム(平均粒子径3μm、平均細孔径1.5nm、長さ15cm×内径6.0mm)2本、基材がスチレンジビニルベンゼンであるカラム(平均粒子径3μm、平均細孔径2.0nm、長さ15cm×内径6.0mm)1本を結合して使用
    試料濃度:5質量%(希釈溶媒テトラヒドロフラン)
    カラムオーブン温度:40℃
    キャリア:テトラヒドロフラン
    カラムの液流量:0.35ml/分
    検出器:RID(セル部温度:40℃)
  2. ペンタシクロペンタデカンジメタノールのピークの相対保持時間を1.0としたとき、相対保持時間が0.89~0.95の範囲に現れるピーク群の合計の面積の全ピーク面積に対する面積率が、1.0%以下である請求項1に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品。
  3. 一般式(I)及び一般式(II)で表されるトリシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1種のトリシクロペンタジエンを、水素ガス、一酸化炭素ガス及びロジウム系触媒とともにT℃で反応させる第1工程と、更にT℃からT℃に昇温し、T℃で反応させる第2工程とを含むヒドロホルミル化反応に付し、一般式(III)及び一般式(IV)で表されるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドから選ばれる少なくとも1種であるペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを得るヒドロホルミル化工程と、
    前記ペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを還元反応に付し、一般式(V)及び一般式(VI)で表されるペンタシクロペンタデカンジメタノールから選ばれる少なくとも1種のペンタシクロペンタデカンジメタノールを得る還元工程とを含み、
    前記T ℃が、50℃以上であり、前記T 及び前記T が、T >T +20の関係を満たす、ペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
    Figure 0007033686000009

    Figure 0007033686000010

    Figure 0007033686000011
  4. 前記第2工程の反応時間が、前記第1工程の反応時間より長い、請求項に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
  5. 前記ロジウム系触媒として、ロジウム化合物及び有機リン化合物を用いる、請求項3又は4に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
  6. 前記還元反応が、水素添加反応である、請求項3~のいずれか1項に記載のペンタシクロペンタデカンジメタノール製品の製造方法。
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