JP7026982B1 - ボルトフィーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】突起の潰れを抑制しつつ、ワークの下面にボルトの頭部を溶接する。【解決手段】ボルトフィーダ1は、定置の下部電極3及び上下に移動する上部電極4によりワークWとボルトBとを抵抗溶接する抵抗溶接機2に対してボルトを供給する。ボルトフィーダは、ボルトシュータ5により送られるボルトをボルト受取位置P1において頭部B2が軸部B1よりも上側となる姿勢で受けるボルトホルダ20と、ボルトを保持したボルトホルダをボルト受取位置から溶接位置P2に移動させるエアシリンダ機構30と、上部電極よりも小径で上部電極の先端から出没するプッシャー部材40と、を備える。ボルトは、頭部における軸部とは反対側の頂面B2bに突起B3を有する。下部電極には、軸部が挿入される挿入穴9が設けられる。上部電極の先端から突出したプッシャー部材が頂面における突起の設けられない部分B4を押すことによって軸部が挿入穴に挿入される。【選択図】図9

Description

本発明は、抵抗溶接機に対してボルトを供給するボルトフィーダに関する。
抵抗溶接機に対してボルトを供給するボルトフィーダが知られている。例えば、特許文献1に係るボルトフィーダは、挿入孔を有するワークが載せられる定置の下部電極と、上下に移動する上部電極と、を備える抵抗溶接機に適用される。ボルトフィーダは、下部電極の先端から出没するとともにワークの挿入孔に嵌まる位置決め用のガイドピンと、ボルト整列機から送られるボルトをボルト受取位置において頭部が軸部よりも上側となる姿勢で受ける保持手段と、ボルトを保持した保持手段をボルト受取位置から上下の電極間のボルト溶接位置に移動させる移動手段と、を備える。抵抗溶接機は、ボルトの軸部がワークの挿入孔に上側から挿入された状態で、ボルトの頭部をワークに溶接する。
特開2002-18650号公報
特許文献1では、ボルトは、頭部における軸部と同じ側の底面(下面)に突起を有している。ボルトの軸部をワークの挿入孔に上側から挿入した状態で、ボルトの頭部における軸部とは反対側の頂面(上面)を、上部電極によって上側から押さえて加圧する。これにより、ボルトの頭部の底面に設けられた突起は、ワークの上面に当接する。上下の電極に電流を流すと、ボルトの頭部の底面がワークの上面に溶接される。
ところで、ワークの下面に対してボルトの頭部の頂面を溶接したい場合がある。この場合、ボルトの頭部の頂面に、突起が設けられる。下部電極には、上部電極に臨むとともにボルトの軸部が挿入可能な挿入穴が設けられる。
ボルトの頭部の頂面を上部電極で上側から押さえることによって、ボルトの頭部の頂面に対して上側から1回目の加圧が行われる。これにより、ボルトの軸部が下部電極の挿入穴に挿入される。そして、ワークをボルトの頭部の上側に配置すると、ワークの下面が、ボルトの頭部の頂面に設けられた突起に当接される。上部電極を下方に移動させると、ボルトの頭部の頂面がワークを介して上部電極によって上側から押さえられる。これにより、ボルトの頭部の頂面に対して2回目の加圧が行われるとともに、ワーク及びボルトが上下の電極に挟まれる。上下の電極に電流を流すと、ボルトの頭部の頂面がワークの下面に溶接される。
しかしながら、上記方法では、ボルトの軸部を下部電極の挿入穴に挿入するために、ボルトの頭部の頂面を上部電極で上側から押さえて1回目の加圧を行う時に、当該頂面に設けられた突起が潰れてしまうという問題があった。突起の潰れは、溶接不良の原因となる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、突起の潰れを抑制しつつ、ワークの下面にボルトの頭部を溶接することにある。
本発明に係るボルトフィーダは、定置の下部電極及び上下に移動する上部電極によってワークとボルトとを抵抗溶接する抵抗溶接機に対して上記ボルトを供給するボルトフィーダであって、ボルト送り手段によって送られる上記ボルトを、ボルト受取位置において頭部が軸部よりも上側となる姿勢で受ける保持手段と、上記ボルトを保持した上記保持手段を、上記ボルト受取位置から上記下部電極と上記上部電極との間の溶接位置に移動させる移動手段と、上記上部電極よりも小径であって上記上部電極の先端から出没するプッシャー部材と、を備え、上記ボルトは、上記頭部における上記軸部とは反対側の頂面に突起を有しており、上記下部電極には、上記上部電極に臨むとともに上記軸部が挿入される挿入穴が設けられており、上記上部電極の先端から突出した上記プッシャー部材が上記頂面における上記突起の設けられていない部分を押すことによって、上記軸部が上記挿入穴に挿入される。
かかる構成によれば、ボルトの軸部を下部電極の挿入穴に挿入する時に、上部電極の先端から突出したプッシャー部材によって、ボルトの頭部の頂面における突起の設けられていない部分が押される。これにより、突起が押し潰されるのを抑制することができるので、突起の潰れに起因する溶接不良を低減することができる。
ボルトの軸部を下部電極の挿入穴に挿入した後に、ワークをボルトの頭部の上側に配置して、ワークの下面を、ボルトの頭部の頂面に設けられた突起に当接させる。そして、下部電極及び上部電極によりワーク及びボルトを挟むとともに、下部電極及び上部電極に電流を流す。これにより、ボルトの頭部の頂面が、ワークの下面に溶接される。
一実施形態では、上記挿入穴に収容され、上記下部電極の先端から出没するガイド部材を備え、上記ガイド部材は、上記軸部に当接した状態で上記軸部を上記挿入穴に案内する。
かかる構成によれば、ボルトの軸部を、より確実に、下部電極の挿入穴に挿入することができる。
本発明によれば、突起の潰れを抑制しつつ、ワークの下面にボルトの頭部を溶接することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るボルトフィーダを示す正面図であって、ボルトホルダがボルトを保持する状態を示す。 図2は、ボルトを示す斜視図である。 図3は、図1におけるIII矢視図である。 図4は、上部電極及び下部電極の内部構造を示す正面断面図であって、プッシャー部材及びガイド部材が引っ込んだ状態を示す。 図5は、上部電極及び下部電極の内部構造を示す正面断面図であって、プッシャー部材及びガイド部材が突出した状態を示す。 図6は、下部電極の先端からガイド部材が突出するとともに、上部電極の先端からプッシャー部材が突出した状態を示す図1相当図である。 図7は、図6におけるVII矢視を示す図3相当図である。 図8は、プッシャー部材によってボルトの頭部が押される状態を示す図1相当図である。 図9は、図8におけるIX矢視を示す図3相当図である。 図10は、ボルトの頭部の上側にワークを配置する状態を示す図1相当図である。 図11は、ワークの下面とボルトの頭部とを抵抗溶接する状態を示す図1相当図である。 図12は、図11におけるXII矢視を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。なお、図1における上下方向を上下方向、図1における左右方向を前後方向、図1における紙面垂直方向を左右方向という。図1における左側を前側、図1における右側を後側という。
(ボルトフィーダの構成)
図1は、ボルトフィーダ1を示す。なお、詳細は後述するが、図1は、後述するボルトホルダ20がボルトBを保持する状態を示す。ボルトフィーダ1は、抵抗溶接機2に適用されており、抵抗溶接機2に対してボルトBを供給する。抵抗溶接機2は、下部電極3と、上部電極4と、を備える。下部電極3は、定置に固定されたまま移動しない。下部電極3及び上部電極4は、横断面円形状の棒状体であって、上下に延びている。上部電極4は、エアシリンダ機構(図示せず)によって、上下に移動する。抵抗溶接機2は、下部電極3及び上部電極4によりワークW及びボルトBを挟んだ状態において、下部電極3及び上部電極4に電流を流すことによって、ワークWとボルトBとを抵抗溶接する。
ワークWは、板状に形成されており、下面W1及び上面W2を有する(図12参照)。図2は、ボルトBを示す。図2に示すように、ボルトBは、溶接ボルトであって、軸部B1と、頭部(フランジ部)B2と、複数の突起(プロジェクション)B3と、を有する。軸部B1は、ボルトBの中心軸上を延びる棒状体である。頭部B2は、円盤状に形成されている。頭部B2の底面B2aの中心部からは、軸部B1が延びている。突起B3は、頭部B2における軸部B1が延びている側とは反対側に位置する頂面B2bに、設けられている。突起B3は、頂面B2bにおける外周部に複数設けられている。頂面B2bにおける中心部近傍B4は、突起B3の設けられていない部分である(以下、「非突起部B4」という)。
図1に示すように、ボルトフィーダ1は、保持手段としてのボルトホルダ20と、移動手段としてのエアシリンダ機構30と、を備える。ボルトホルダ20は、ボルト送り手段としてのボルトシュータ5によって送られるボルトBを、ボルト受取位置P1(図1の二点鎖線参照)において、ボルトBの頭部B2が軸部B1よりも上側となる姿勢で受ける。すなわち、ボルトBは、頭部B2が軸部B1よりも上側となる姿勢で、ボルトホルダ20に保持される。
ボルトシュータ5は、チューブ状に形成されている。ボルトシュータ5の上流側には、ボルトBの向き(姿勢)を整える公知のボルト整列機(図示せず)が配置されている。ボルトシュータ5とボルトホルダ20との間には、ボルトBの供給方向を上下方向に案内するガイド部6が介在している。
エアシリンダ機構30は、ボルトBを保持した状態のボルトホルダ20を、ボルト受取位置P1から、下部電極3と上部電極4との間の溶接位置P2に移動させる。エアシリンダ機構30は、シリンダ31と、シリンダ31内を進退移動するピストン(図示せず)と、ピストンに進退一体に結合されたロッド32と、ロッドホルダ33と、を有する。ロッド32は、シリンダ31の前方に突出している。ロッドホルダ33は、シリンダ31の前方において、ロッド32の周囲を覆っている。ロッド32の先端部には、ジョイント34によって、ボルトホルダ20が連結されている。
図3は、図1のIII矢視において、ボルトホルダ20を示す。図1,3に示すように、ボルトホルダ20は、ロッド32の先端部にジョイント34を介して連結された固定部21と、左右方向に互いに接離可能な一対の爪部22と、を有する。各爪部22は、上側のヒンジ部23を起点に、固定部21に対して、左右に開閉する。ヒンジ部23には、付勢手段としてのキックバネ23aが取り付けられている。
キックバネ23aは、各爪部22を、互いに近づく方向に付勢する。詳細には、各爪部22に対して負荷が与えられていないとき(無負荷状態)、キックバネ23aの付勢力によって、各爪部22の下側の先端部同士は、互いに近づく。一方、各爪部22に対してキックバネ23aの付勢力に抗して左右方向外側に負荷が与えられるとき(負荷状態)、各爪部22の先端部同士は、互いに離れる。
図3に示すように、各爪部22同士が互いに近づいた状態(無負荷状態)において、一対の爪部22の内側には、ボルト保持孔24が形成される。ボルト保持孔24は、横断面円形状であって、ボルトホルダ20を上下方向に貫通する。
ボルト保持孔24は、下方向に向かうに従って内径が小さくなるように傾斜するテーパ部24aと、テーパ部24aの下端部から下方向に延びるストレート部24bと、を有する。ストレート部24bの内径は、一定である。テーパ部24aの上端部の内径は、ボルトBの頭部B2の外径よりも大きい。一方、テーパ部24aの下端部の内径は、ボルトBの頭部B2の外径よりも小さく且つ軸部B1の外径よりもやや大きい。ストレート部24bの内径は、テーパ部24aの下端部の内径と同じであって、すなわちボルトBの軸部B1の外径よりもやや大きい。
図3に示すように、ボルトホルダ20のボルト保持孔24にボルトBが供給されると、ボルトBの軸部B1がストレート部24bを挿通する一方、頭部B2がテーパ部24aに引っ掛かる。これにより、ボルトBは、ボルトホルダ20のボルト保持孔24に保持される。ボルトBがボルト保持孔24に保持された状態のとき、ボルトBの軸部B1は、ストレート部24b(ボルト保持孔24)の下端から、やや突出した状態となる。
図4,5は、上部電極4及び下部電極3の内部構造を示す。上部電極4の内部構造及び下部電極3の内部構造は、基本的に、互いに同様である。以下、上部電極4及び下部電極3の内部構造を、同じ図4,5を用いて説明する。
先ず、上部電極4の内部構造について説明する。図4,5における右側が上側、図4,5における左側が下側である。図4,5に示すように、上部電極4には、収容穴7が設けられている。収容穴7は、上部電極4の内部を上下方向に延びており、上部電極4を貫通している。収容穴7は、下部電極3の先端(上端)に臨む(図1,3参照)。詳細には、収容穴7は、ボルトホルダ20が溶接位置P2に位置付けられた状態において、ボルト保持孔24に保持されたボルトBの頭部B2の頂面B2bに、臨む(図1,3参照)。
収容穴7には、プッシャー部材40が収容されている。プッシャー部材40は、上部電極4よりも小径の横断面円形状の棒状体である。詳細には、プッシャー部材40の外径は、上部電極4の外径よりも小さい。また、プッシャー部材40の外径は、上部電極4の内径(収容穴7の直径)よりも小さい。プッシャー部材40は、エアシリンダ機構41によって、上部電極4の先端(下端)から出没する。
エアシリンダ機構41は、プッシャー部材40を、上下方向に進退移動させる。これにより、プッシャー部材40は、上部電極4の先端から引っ込んだり、上部電極4の先端から突出したりする。ここで、図4は、プッシャー部材40が上部電極4の先端から引っ込んだ状態を示す。図5は、プッシャー部材40が上部電極4の先端から突出した状態を示す。
図4,5に示すように、エアシリンダ機構41は、シリンダ42と、シリンダ42内を進退移動するピストン43と、ピストン43に進退一体に結合されたロッド44と、を有する。シリンダ42は、上部電極4の上端部(基端部)に、連結部8によって、同軸上に連結されている。ロッド44は、シリンダ42の下方に突出している。シリンダ42から下方に突出したロッド44は、上部電極4の収容穴7に上側から挿入される。ロッド44の先端部には、ジョイント45を介して、プッシャー部材40が進退一体に結合されている。
シリンダ42には、下端部に配置された第1ポート42aと、上端部に配置された第2ポート42bと、が設けられている。図4に示すように、第1ポート42aを介してシリンダ42内におけるピストン43よりも下側にエアが供給されると、ピストン43が上方に押されて、プッシャー部材40が上部電極4の先端から引っ込む。シリンダ42内におけるピストン43よりも上側のエアは、第2ポート42bから排出される。
図5に示すように、第2ポート42bを介してシリンダ42内におけるピストン43よりも上側にエアが供給されると、ピストン43が下方に押されて、プッシャー部材40が上部電極4の先端から突出する。シリンダ42内におけるピストン43よりも下側のエアは、第1ポート42aから排出される。エアシリンダ機構41によるプッシャー部材40の進退移動の制御は、制御部(図示せず)によって行われる。
次に、下部電極3の内部構造について説明する。図4,5における右側が下側、図4,5における左側が上側である。図4,5に示すように、下部電極3には、挿入穴(差込穴)9が設けられている。挿入穴9は、下部電極3の内部を上下方向に延びており、下部電極3を貫通している。挿入穴9は、上部電極4の先端(下端)に臨む(図1,3参照)。詳細には、挿入穴9は、ボルトホルダ20が溶接位置P2に位置付けられた状態において、ボルト保持孔24に保持されたボルトBの軸部B1の先端部に、臨む(図1,3参照)。
挿入穴9の内径は、ボルトBの頭部B2の外径よりも小さい。一方、挿入穴9の内径は、ボルトBの軸部B1の外径よりも大きい。挿入穴9には、ボルトBの軸部B1が挿入される(差し込まれる)。
挿入穴9には、ガイド部材50が収容されている。ガイド部材50は、下部電極3よりも小径の横断面円形状の棒状体である。詳細には、ガイド部材50の外径は、下部電極3の外径よりも小さい。また、ガイド部材50の外径は、下部電極3の内径(挿入穴9の直径)よりも小さい。ガイド部材50は、エアシリンダ機構51によって、下部電極3の先端(上端)から出没する。ガイド部材50の先端面には、すり鉢状の保持部50aが形成されている(図3参照)。詳細には、保持部50aは、下方向に向かうに従って径が小さくなる横断面円形状の凹部で形成されている(図3参照)。なお、ガイド部材50は、下部電極3の挿入穴9に嵌挿(嵌合)されてもよい。
エアシリンダ機構51は、ガイド部材50を、上下方向に進退移動させる。これにより、ガイド部材50は、下部電極3の先端から引っ込んだり、下部電極3の先端から突出したりする。ここで、図4は、ガイド部材50が下部電極3の先端から引っ込んだ状態を示す。図5は、ガイド部材50が下部電極3の先端から突出した状態を示す。
図4,5に示すように、エアシリンダ機構51は、シリンダ52と、シリンダ52内を進退移動するピストン53と、ピストン53に進退一体に結合されたロッド54と、を有する。シリンダ52は、下部電極3の下端部(基端部)に、連結部10によって、同軸上に連結されている。ロッド54は、シリンダ52の上方に突出している。シリンダ52から上方に突出したロッド54は、下部電極3の挿入穴9に下側から挿入される。ロッド54の先端部には、ジョイント55を介して、ガイド部材50が進退一体に結合されている。
シリンダ52には、上端部に配置された第1ポート52aと、下端部に配置された第2ポート52bと、が設けられている。図4に示すように、第1ポート52aを介してシリンダ52内におけるピストン53よりも上側にエアが供給されると、ピストン53が下方に押されて、ガイド部材50が下部電極3の先端から引っ込む。シリンダ52内におけるピストン53よりも下側のエアは、第2ポート52bから排出される。
図5に示すように、第2ポート52bを介してシリンダ52内におけるピストン53よりも下側にエアが供給されると、ピストン53が上方に押されて、ガイド部材50が下部電極3の先端から突出する。シリンダ52内におけるピストン53よりも上側のエアは、第1ポート52aから排出される。エアシリンダ機構51によるガイド部材50の進退移動の制御は、制御部(図示せず)によって行われる。
(ボルトフィーダの動作態様)
ボルトフィーダ1の動作態様について説明する。図1に示すように、ボルトBは、ボルト整列機(図示せず)によって向き(姿勢)を整えられた後、ボルトシュータ5を介して、頭部B2が軸部B1よりも上側となる姿勢で、ボルト受取位置P1(図1の二点鎖線参照)に位置するボルトホルダ20に、送られる。ボルトホルダ20は、ボルト受取位置P1において、ボルトBを、頭部B2が軸部B1よりも上側となる姿勢で受ける。
詳細には、図3に示すように、ボルトBは、軸部B1がボルトホルダ20のボルト保持孔24におけるストレート部24bに挿通する一方、頭部B2がテーパ部24aに引っ掛かる。これにより、ボルトBは、ボルト保持孔24に保持される。このとき、軸部B1の先端部は、ストレート部24b(ボルト保持孔24)の下端から突出した状態となる。
図1に示すように、ボルトBを保持した状態のボルトホルダ20は、エアシリンダ機構30によって、ボルト受取位置P1から、下部電極3と上部電極4との間の溶接位置P2に移動する。ここで、図3に示すように、下部電極3の挿入穴9は、ボルトBの軸部B1の先端部に臨む。ガイド部材50は、下部電極3の先端から下方に引っ込んでいる。一方、上部電極4の収容穴7は、ボルトBの頭部B2の頂面B2bに臨む。プッシャー部材40は、上部電極4の先端から上方に引っ込んでいる。
図6,7は、下部電極3の先端からガイド部材50が突出するとともに、上部電極4の先端からプッシャー部材40が突出した状態を示す。図6,7に示すように、ガイド部材50は、エアシリンダ機構51によって上方に移動して、下部電極3の先端から上方に突出する。そして、下部電極3の先端から突出したガイド部材50は、ボルトBの軸部B1の先端部に当接する。このとき、ボルトBの軸部B1の先端部は、ガイド部材50の先端面におけるすり鉢状の保持部50aに保持される。一方、プッシャー部材40は、エアシリンダ機構41によって下方に移動して、上部電極4の先端から下方に突出する。そして、上部電極4の先端から突出したプッシャー部材40は、ボルトBの頭部B2の頂面B2bにおける中心部近傍(非突起部)B4に、臨む。
図8,9は、プッシャー部材40によってボルトBの頭部B2が押される状態を示す。図8,9に示すように、上部電極4の先端から突出したプッシャー部材40は、ボルトBの頭部B2の頂面B2bにおける中心部近傍(非突起部)B4を、押す。これによって、ボルトBが下方に移動して、ボルトBの軸部B1が下部電極3の挿入穴9に挿入される。そして、ボルトBの頭部B2は、底面B2aが下部電極3の先端面に当接するように、下部電極3の先端面に載置される。
ガイド部材50は、ボルトBの軸部B1の先端部に当接した状態で(詳細には、保持部50aが軸部B1の先端部を保持した状態で)、軸部B1を挿入穴9に案内する。エアシリンダ機構41によるプッシャー部材40の押し下げ圧力(突出力)を、エアシリンダ機構51によるガイド部材50の押し上げ圧力(突出力)よりも強く設定することで、ガイド部材50は、ボルトBを介してプッシャー部材40によって下方に押されて、下部電極3の先端から下方に引っ込む。ボルトBの軸部B1が下部電極3の挿入穴9に挿入された後では、エアシリンダ機構51によってガイド部材50を上方に押し上げようとしても、ガイド部材50は、ボルトBに塞がれて、下部電極3の先端から突出しない。
なお、プッシャー部材40によるボルトBの頭部B2に対する下方への押し込みに同期するように、ガイド部材50をエアシリンダ機構51によって下部電極3の先端から下方に引っ込めてもよい。
なお、ボルトBの頭部B2は、当初テーパ部24aに引っ掛かった状態(図7参照)であるが、プッシャー部材40に押されることによって、各爪部22に対して、キックバネ23aの付勢力に抗して左右方向外側(各爪部22同士が互いに離れる方向)に負荷を与える。これにより、各爪部22の先端部同士が互いに離れて、ボルト保持孔24(爪部22)による頭部B2(ボルトB)の保持が解除される。
図10は、ボルトBの頭部B2の上側にワークWを配置する状態を示す。ボルトBの軸部B1が下部電極3の挿入穴9に挿入されると、図10に示すように、先ず、プッシャー部材40を、エアシリンダ機構41によって上部電極4の先端から上方に引っ込める。次に、ボルトホルダ20を、エアシリンダ機構30によって溶接位置P2からボルト受取位置P1に移動させる。ボルトホルダ20は、ボルト受取位置P1において、ボルトシュータ5によって送られる次のボルトBを、受ける。
そして、溶接位置P2において、ワークWを、ボルトBの頭部B2の上側に配置、詳細には載置する。これにより、ワークWの下面W1が、ボルトBの頭部B2の頂面B2bに設けられた突起B3に当接する(図12参照)。
図11,12は、ワークWの下面W1とボルトBの頭部B2とを抵抗溶接する状態を示す。図11,12に示すように、ワークWの下面W1とボルトBの頭部B2の頂面B2bにおける突起B3とが互いに当接した状態で、上部電極4を、エアシリンダ機構(図示せず)によって、下方に移動させる。そして、下部電極3及び上部電極4によりワークW及びボルトBを挟んだ状態において、下部電極3及び上部電極4に電流を流すことによって、ボルトBの頭部B2の頂面B2bが、ワークWの下面W1に溶接される。
(作用効果)
本実施形態によれば、ボルトBの軸部B1を下部電極3の挿入穴9に挿入する時に、上部電極4の先端から突出したプッシャー部材40によって、ボルトBの頭部B2の頂面B2bにおける突起B3の設けられていない中心部近傍(非突起部)B4が、押される。これにより、突起B3が押し潰されるのを抑制することができるので、突起B3の潰れに起因する溶接不良を低減することができる。
以上、突起B3の潰れを抑制しつつ、ワークWの下面W1にボルトBの頭部B2の頂面B2bを溶接することができる。
ガイド部材50がボルトBの軸部B1に当接した状態で、ガイド部材50がボルトBの軸部B1を下部電極3の挿入穴9に案内するので、ボルトBの軸部B1を、より確実に、下部電極3の挿入穴9に挿入することができる。
特に本実施形態では、ボルトBの軸部B1の先端部が、ガイド部材50の先端面に設けられたすり鉢状の保持部50aに保持されるので、ガイド部材50がボルトBの軸部B1に当接した状態を維持する上で有利になる。
プッシャー部材40が上部電極4の収容穴7に収容されているので、仮にプッシャー部材40が上部電極4の外部に設けられる場合に比較して、ボルトフィーダ1を小型化することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
ガイド部材50の先端面ではなくボルトBの軸部B1の先端面に、すり鉢状の保持部が設けられてもよい。
ガイド部材50は、無くてもよい。
ボルトBの頭部B2は、円盤状に限定されず、例えば多角形状等でもよい。
ボルトBの頭部B2の頂面B2bにおける突起B3の設けられていない部分(非突起部)B4として、頂面B2bの中心部近傍だけでなく、頂面B2bの外周部における隣り合う突起B3同士の間を含んでもよい。
エアシリンダ機構30,41,51を、例えば、油圧シリンダ機構、電動シリンダ機構又はリニアモータ等に置き換えてもよい。
突起B3は、複数でなく、1つのみでもよい。
本発明は、ボルトフィーダに適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
W ワーク
W1 下面
B ボルト
B1 軸部
B2 頭部
B2a 底面
B2b 頂面
B3 突起
B4 非突起部(中心部近傍、部分)
P1 ボルト受取位置
P2 溶接位置
1 ボルトフィーダ
2 抵抗溶接機
3 下部電極
4 上部電極
5 ボルトシュータ(ボルト送り手段)
7 収容穴
9 挿入穴
20 ボルトホルダ(保持手段)
30 エアシリンダ機構(移動手段)
40 プッシャー部材
50 ガイド部材

Claims (2)

  1. 定置の下部電極及び上下に移動する上部電極によってワークとボルトとを抵抗溶接する抵抗溶接機に対して前記ボルトを供給するボルトフィーダであって、
    ボルト送り手段によって送られる前記ボルトを、ボルト受取位置において頭部が軸部よりも上側となる姿勢で受ける保持手段と、
    前記ボルトを保持した前記保持手段を、前記ボルト受取位置から前記下部電極と前記上部電極との間の溶接位置に移動させる移動手段と、
    前記上部電極よりも小径であって前記上部電極の先端から出没するプッシャー部材と、を備え、
    前記ボルトは、前記頭部における前記軸部とは反対側の頂面に突起を有しており、
    前記下部電極には、前記上部電極に臨むとともに前記軸部が挿入される挿入穴が設けられており、
    前記上部電極の先端から突出した前記プッシャー部材が前記頂面における前記突起の設けられていない部分を押すことによって、前記軸部が前記挿入穴に挿入される、ボルトフィーダ。
  2. 請求項1に記載のボルトフィーダにおいて、
    前記挿入穴に収容され、前記下部電極の先端から出没するガイド部材を備え、
    前記ガイド部材は、前記軸部に当接した状態で前記軸部を前記挿入穴に案内する、ボルトフィーダ。
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