JP7026443B2 - 放射性ダストモニタ - Google Patents

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Description

この発明は、ダストモニタに係わり、特に、空気中の放射性ダストの放射能濃度を監視する放射性ダストモニタに関するものである。
核燃料処理施設、原子力発電所等の放射性物質取扱施設においては、作業環境や周辺公衆の安全確保のために、各室内の空気に含有される放射性ダストの濃度を測定する必要が生じる。このために用いられる装置が、放射性ダストモニタである。この放射性ダストモニタは、原子力発電所、核燃料再処理施設、核燃料施設、加速器施設、放射性同位元素使用施設等の放射性物質取扱施設において用いられている。
まず、空気中の放射性ダストの放射能濃度を監視するために使われている放射性ダストモニタの一般的な構成を説明する。放射性ダストモニタは、測定点の空気を取り入れ、濾紙に取り入れた空気を通すことにより空気中に浮遊しているダストを捕集する。その濾紙上に捕集されたダストからの放射線を、放射線検出器により検出する。放射性ダストモニタは、放射線検出器から出力されるパルス信号の計数と濾紙を通過した空気量を基にして、測定点の空気中に存在する放射性ダストの濃度を測定および監視している。
濾紙上に捕集されたダストには、監視対象となる放射性核種(人工放射性核種等)のダストのほかに、ラドン(222Rn)やトロン(220Rn)等の自然放射性核種が付着したダストや、これらの娘核種のダストも含まれている。これらラドンやトロンは、それぞれ固有の崩壊系列で崩壊し、各段階においてそれぞれ固有のエネルギーを有する、アルファ線、ベーター線、およびガンマ線を放出する。
これらのラドンやトロン等の自然放射性核種から放出される、アルファ線、ベーター線、およびガンマ線は、監視対象外の放射線である。監視対象の放射性物質濃度を正確に放射性ダストモニタで監視するためには、何らかの工夫により、監視対象以外のものに起因するバックグラウンド計数を差し引いて、正味計数値を算出する必要がある。
ラドンやトロン、およびそれらの娘核種の濃度を下げるために、ダストを捕集した濾紙をサンプリング後、例えば、3時間~数日程度放置してから測定を行う方法が提案されている。放射性ダストモニタは、放置によって自然放射性核種が減衰している濾紙を対象に、測定を行っている。このタイプの放射性ダストモニタは、リアルタイムのモニタリングに用いることは出来ない。
また、自然放射性核種であるラドンとトロンに起因するバックグラウンドの影響を除去する測定方法として、アルファ線を利用する方法が提案されている。原子力発電所等の施設では、核燃料処理施設とは異なり、アルファ線を放出するのは、ラドン、トロン及びそれらの娘核種のみに限られている。このため、アルファ線計数率は、ラドンなどの自然放射線核種の量を表すことになる。これにより、放射性ダストから放出されるアルファ線、ベーター線、又はガンマ線を計数し、そのアルファ線の計数率を用いて、ベーター線又はガンマ線の計数率を補正する。
ラドン等は、アルファ線の他に、ベーター線、およびガンマ線も放出する。アルファ線、ベーター線、及びガンマ線の測定点における比率は、実験などにより予め統計的に求めることが出来る。まず、放射性ダストモニタのアルファ線計数率にその比率を乗じることにより、ベーター線計数率、およびガンマ線計数率に対するラドンなどの寄与分を求めておく。このラドン等の寄与分をベーター線やガンマ線の計数率から減算することにより、人工放射性核種のみについてのベーター線やガンマ線の計数率を得る。この値から、空気中の人工放射性核種の放射能濃度を求めることができる。
このような手法を用いた放射性ダストモニタとして、放射線の検出に、例えば、半導体検出器を適用しているものが提案されている。この放射性ダストモニタは、パルス波高値によって、アルファ線とベーター線を弁別して、それぞれの計数率を求めるというように構成されている。すなわち、アルファ線とベーター線とではエネルギーに大きな差があるので、それらはエネルギースペクトルにおいて異なったピークとして現れる。従って、このタイプの放射性ダストモニタは、アルファ線とベーター線のエネルギーのしきい値、すなわち、検出器の出力パルスの波高により区別する方法や、さらには出力パルスの形状を区別する方法により、アルファ線とベーター線を弁別して、個別に計数を行う。
また、他の簡単な測定方法としては、放射性ダストモニタを二台使用する方法が提案されている。この方法では、まず施設内の空気をフィルタで捕集し、この捕集された施設内の空気中の放射性物質濃度を一台の放射性ダストモニタで測定する。一方、他の一台は、外気を直接捕集してバックグラウンド濃度を測定する。そして、両方の放射性ダストモニタの計数値の差により正味計数値を求めるものである。各方法について、一長一短があり、様々な解決手段が検討されている。(例えば、特許文献1~8を参照)
特開平2-134590号公報 特開平11-64529号公報 特開2006-329784号公報 特開2014-66518号公報 特開平8-285944号公報 特開2006-234727号公報 特開2000-214265号公報 特開2001-242251号公報
上述の通り、ラドン、トロン等の影響を除いて監視対象放射性核種のみの測定を行う場合、濾紙を放置して自然放射線の影響を減衰させる方法にあっては、連続監視を行えない不都合がある。また、核燃料再処理施設等、アルファ線を放射する人工放射性核種も空気中ダストとして存在しうる場合には、アルファ線の計数率を利用する方法は適用できない不都合がある。一方、放射性ダストモニタを二台使用する方法にあっては、施設内と外気の空気の状態の相違により測定誤差を生じやすいことが課題となる。さらに、放射性ダストモニタを二台使用する点からも装置構成の規模が大きくなり、装置にかかるコストも高くなる。
本発明は、上記従来技術の有する課題点を解決するために成されたものである。すなわち、測定対象の感度を向上させ、放射能濃度を高精度かつリアルタイムに測定することを可能とする放射性ダストモニタを提供することである。
本願に係わる放射性ダストモニタは、濾紙を有するサンプリング部と、内側に中空部を有する遮蔽容器と、遮蔽容器が有する中空部に設置され、サンプリング部が有する濾紙に捕集された放射性物質から放出される放射線が入射するとパルス信号を出力する検出部と、検出部から出力されたパルス信号を増幅する波形整形部と、波形整形部で増幅されたパルス信号から波高分布を抽出する波高分析部と、信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースと、波高分析部で抽出された波高分布に対して、応答関数データベースに保管されている応答関数を用いて、信号復元演算を実施し、この信号復元演算の結果を基に検出部に入射した放射線の放射能濃度を算出する放射能濃度演算部と、放射能濃度演算部が算出した放射能濃度を表示する表示部と、
前記波高分析部が抽出した波高分布に対して、特徴的なピーク位置をモニタリングする出力変動検知部と、
前記出力変動検知部がモニタリングした測定ピーク位置と基準ピーク位置とを基にして、前記検出部の増幅率あるいは前記波形整形部の増幅率を調整する増幅率調整部と、を備えていて、
前記増幅率調整部は、基準ピーク位置とモニタリングされた測定ピーク位置の値を比較し、
基準ピーク位置>測定ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分増加させ、
測定ピーク位置>基準ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分減少させ、
基準ピーク位置>測定ピーク位置でも測定ピーク位置>基準ピーク位置でもなければ、増幅率の調整不要と判断することを特徴とする。
本願に係わる放射性ダストモニタは、濾紙を有するサンプリング部と、内側に中空部を有する遮蔽容器と、遮蔽容器が有する中空部に設置され、サンプリング部が有する濾紙に捕集された放射性物質から放出される放射線が入射するとパルス信号を出力する検出部と、検出部から出力されたパルス信号を増幅する波形整形部と、波形整形部で増幅されたパルス信号から波高分布を抽出する波高分析部と、信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースと、波高分析部で抽出された波高分布に対して、応答関数データベースに保管されている応答関数を用いて、信号復元演算を実施し、この信号復元演算の結果を基に検出部に入射した放射線の放射能濃度を算出する放射能濃度演算部と、放射能濃度演算部が算出した放射能濃度を表示する表示部と、
前記波高分析部が抽出した波高分布に対して、特徴的なピーク位置をモニタリングする出力変動検知部と、
前記出力変動検知部がモニタリングした測定ピーク位置と基準ピーク位置とを基にして、前記検出部の増幅率あるいは前記波形整形部の増幅率を調整する増幅率調整部と、を備えていて、
前記増幅率調整部は、基準ピーク位置とモニタリングされた測定ピーク位置の値を比較し、
基準ピーク位置>測定ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分増加させ、
測定ピーク位置>基準ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分減少させ、
基準ピーク位置>測定ピーク位置でも測定ピーク位置>基準ピーク位置でもなければ、増幅率の調整不要と判断することを特徴とすることにより、測定対象の感度を向上させ、放射能濃度を高精度かつリアルタイムに測定することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係わるシンチレーション検出器の構成を示す図である。 放射性物質の同定の説明に関する図のうち、セシウム-137の崩壊図である。 放射性物質の同定の説明に関する図のうち、セシウム-134の崩壊図である。 本発明の実施の形態に係わるシンチレーション検出器で測定した波高分布の例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係わる、数式(1)から数式(5)を示している図である。 本発明の実施の形態2に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態3に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係わる放射性ダストモニタが備える半導体検出器を示す模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る放射性ダストモニタの自動補償のフローを示す図である。 本発明の実施の形態5に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態6に係わる放射性ダストモニタの全体構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係る放射性ダストモニタについて、図を参照しながら以下に説明
する。なお、各図において、同一または同様の構成部分については同じ符号を付しており、対応する各構成部のサイズや縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した断面図の間で、変更されていない同一構成部分を図示する際に、同一構成部分のサイズや縮尺が異なっている場合もある。また、放射性ダストモニタの構成は、実際にはさらに複数の部材を備えているが、説明を簡単にするため、説明に必要な部分のみを記載し、他の部分については省略している。
実施の形態1.
図1は、本発明の一実施の形態による放射性ダストモニタを示す構成図である。放射性ダストモニタ100の内部には、サンプリングした空気の流れる流路が形成されている。流路の一方には、ポンプ4が接続されている。このポンプ4を作動させることによって、流路の他方側に設けられた吸気口31から、外部の空気が流路内に導入される。吸入された空気は、サンプリング部3の濾紙3aを通過し、ポンプ4を通って排気口32より排気される。このとき、濾紙3aには吸入された空気中に含まれるダストが捕集される。なお、サンプリング部3の濾紙供給は、ロール式でも、カートリッジ式でもよい。ロール式では、リールによって濾紙3aが連続あるいは間欠に給紙される。
本実施の形態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛または鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えば、マイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
図2は、検出部1の構成を示している。遮蔽容器2は、内側に中空部2aを有する。検出部1は、遮蔽容器2が有する中空部2aに設置され、サンプリング部3が有する濾紙3aに捕集された放射性物質から放出される放射線が入射するとパルス信号を出力する。本実施の形態では、検出部1(放射線検出器)として、シンチレータ1a(放射線検出部)と、光電子倍増管1b(シンチレーション検出器)を使用する。光電子倍増管1bには高圧電源1cから高電圧が供給されている。シンチレータ1aは、放射線が入射し、放射線が構成物質にエネルギーを付与することにより蛍光を出す。光電子倍増管1bは、シンチレータ1aが発生した蛍光を、電気信号、例えばパルス信号に変換して出力する。
次に、本発明の動作について説明する。サンプリング部3の濾紙3aによって捕集された放射性ダストより放射線が放出される。検出部1にこの放射線が入射すると、シンチレータ1aにおいて固有の波長を持つ蛍光が発生する。発生した蛍光は、光電子倍増管1bの光電変換部で電子に変換される。検出部1は、放射線がシンチレータ1aに付与したエネルギーに比例した波高のパルス信号を出力する。波形整形部5は、検出部1より出力されたパルス信号に、あらかじめ設定された増幅率での増幅と、後段の回路に適した形にパルス信号の整形等を行う。
波高分析部6は、波形整形部5の出力を基に、波高分析を行う。波形整形部5によって増幅されたパルス信号のうち、例えば、ピーク値が所定値以上のパルス信号について、このピーク値をAD変換(Analog to Digital 変換)する。波高分析部6は、AD変換をしたピーク値に相当するチャンネルに対して、1カウント加算する。この動作を各パルス信号に対して施すことにより、波高分析部6は、パルス信号の波高分布を得る。抽出されたパルス信号の波高分布は、波高分析部6が有するメモリに格納される。波高分析部6の出力は、放射能濃度演算部10に入力される。
放射能濃度演算部10では、波高分析部6の出力を基にして放射能分析を実施する。一般に、放射能分析では放射性核種が放出する放射線のエネルギーを利用している。放射性核種が複数の放射線を放出する場合は、その放出数の比率が放射性核種に固有であることを利用して、測定された放射線の波高分布からエネルギー毎に放出される放射線の数を算出する。図3は、放射性物質の同定の説明に関する図のうち、セシウム-137の崩壊図
を表している。
同図のデータは、単一のエネルギーのガンマ線が放出される場合を表している。放射性核種がセシウム-137である場合、放出される放射線のエネルギーは662keV、放出割合は85%、ということが、この崩壊図から判別できる。例えば、抽出されたエネルギースペクトルのエネルギー弁別段の単位が10keVである場合、セシウム-137が放出するエネルギー662keVの放射線は、660keV以上670keV以下の領域に検出され、計数されることになる。
つまり、放射能濃度演算部10は、エネルギースペクトルにて計数されたエネルギー領域のエネルギーの区間(660keV以上670keV以下)と、セシウム-137のエネルギーのデータ(662keV)とを比較することにより、放射線核種の同定を実施することができる。同定された放射線核種の情報は、放射能濃度演算部10に蓄積される。
前記の例であると、660keV以上670keV以下の10keVの区間に現れる放射性物質の放射線エネルギーは、1つとは限らない。つまり、エネルギースペクトルのエネルギー弁別段の単位が10keVである場合、複数の放射性物質が確認されるべき場面では、放射性物質が天然由来のものと人工核種が同じ10keV区間に現れて区別がつかない場合が考えられる。人工核種は、原子力施設の異常時に放出される監視するべきものである。
図4は、Cs-134のデータを表している。通常、放射線同位元素は、このように、複数のエネルギーのガンマ線を放出する場合が多い。エネルギー605keVに該当する区間(600keV以上、610keV以下)に、例えば他の放射線核種の計数が混ざっていたとしても、エネルギー796keVに該当する区間(790keV以上、800keV以下)を計数することにより、Cs-134と同定することが可能となる。
放射性核種Cs-137は、662keVのガンマ線を放出するため、波高分布に662keVのピークが生じる。図5は、放射性核種Cs-137から放出されたガンマ線を検出部1で測定した場合に得られる波高分布の例を示す模式図である。同図に示すように、波高分析部6が抽出した波高分布の一部は、符号aのハッチング部のようにエネルギーピークとして検出されるが、波高分布の残りは、符号bで示すように連続分布として検出される。
それゆえ、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタでは、波高分布にてピーク部分として検出される確率であるピーク検出効率をあらかじめ算出している。そのうえで、検出されたピーク部分の計数値を、ピーク検出効率、検出器の検出効率、及び検出時間で除することで測定対象から単位時間あたりに放出される662keVガンマ線の本数が得られる。さらに、得られたガンマ線の本数を放出分岐比で除することで、測定対象に含まれる放射性核種Cs-137の放射能強度が得られる。
上記のように放射能分析する場合、分析可能な放射線の最小エネルギーは、放射線検出器のエネルギー分解能に左右される。エネルギー分解能が低いと、波高分布にて現れる放射線のピーク幅が広がる。このとき、複数の放射線ピークが重なり、1つのピークとして検出され、結果として分析精度が低下する。そこで、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタでは、エネルギー分解能を向上させる目的で、放射能濃度演算部10において、信号復元演算を利用する。
本実施の形態に係わる放射能濃度演算部10は、放射能分析する際に、信号復元演算を実施する。信号復元演算の例として、逆問題解法の一種であるアンフォールディング法等がある。アンフォールディングとは、あらかじめ測定対象である放射線に対して、放射線検出器の応答関数を一定のエネルギー間隔で算出するとともに、算出した応答関数を用いたアンフォールディング演算を行い、検出器に入射した放射線のエネルギースペクトルを算出する方法である。
アンフォールディングは、応答関数を算出するために、検出器と測定対象の位置関係や、その間にある物質の密度等が不変であることが望ましい。放射性ダストモニタ100においては、検出器と測定対象(濾紙3a)との位置関係が固定であり、検出器と測定対象(濾紙3a)の間にある空気も密度が不変と考えられる。このため、放射性ダストモニタは、信号復元演算を適用し、解析する装置として非常に適している。
図6は、本発明の実施の形態に係わる、数式(1)から数式(5)を示している。応答関数データベース11は、検出部1の種類、検出部1とサンプリング部3の濾紙3aとの位置関係、および検出部1に入射する放射線のエネルギー、に対応した応答関数Kを格納している。放射能濃度演算部10は、応答関数データベース11から呼び出した応答関数Kを用いて、波高分析部6にて抽出された波高分布Mに対し、信号復元演算を実施し、放射能分布Sを算出する。応答関数Kは、検出部1と放射線の相互作用を表している。
次に、同図を参照して、信号復元演算について詳細に説明する。放射線は、それぞれ固有のエネルギーを持っている。検出部1に入射した放射線は、検出部1と様々な相互作用を起こす過程でエネルギー損失を起こす。その際、検出部1に全エネルギーを落とさずに検出部の外へ出て行く放射線も存在するため、測定結果は、波高分布を持つことになる。すなわち、応答関数K、波高分布M、および放射能分布Sの関係は、数式(1)で表されることになる。ゆえに、検出部1に入射した放射能分布Sを求める場合は、数式(1)の逆変換を、数式(2)のように行う。
数式(2)を解くことにより、波高分布Mから放射線と検出部1との相互作用などによる影響が取り除かれる。また、放射線のエネルギー情報のみを含む放射能分布Sの情報(エネルギースペクトル)を抽出することもできる。なお、入射する放射性核種がN種類あった場合、抽出される波高分布Mは、数式(3)のように放射性核種毎の放射能強度を加重積算した結果に相当する。なお、放射能分布Sを算出する信号復元演算には、アンフォールディング等の方法を用いることが出来る。
放射能濃度演算部10では、上記方法により、放射性核種毎の放射能強度が算出される。各放射性核種の放射能濃度Wは、各放射性核種の放射線放出率R、ポンプ4の流量Q、ダスト捕集時間Tを用いることにより、数式(4)のように算出できる。通常、検出部1によって検出された放射線には監視対象放射性核種からの計数の他に、ラドンやトロン等の自然放射性核種による計数が含まれている。したがって、波高分析部6で求められた波高分布Mは、監視対象放射性核種の影響と自然放射性核種の影響の、両方の和となっている。
本発明においては、放射能濃度演算部10にて、波高分析部6で求められた波高分布Mから信号復元演算により放射能分布Sを算出している。この結果、監視対象放射性核種と自然放射性核種の影響を分離することができるため、高精度に検出された放射線に対応する放射性核種の同定を実施し、放射性核種毎に放射能濃度を算出することができる。
本願に係わる放射性ダストモニタは、測定点の空気をサンプリングして空気中に含まれるダスト状の放射性物質を濾紙3aに捕集するサンプリング部と、サンプリング部に捕集されたダスト状の放射性物質から放出された放射線を検出しパルス信号を出力する放射線の検出部と、検出部に入射するバックグラウンド放射線を遮蔽・減衰させるための遮蔽容器と、検出部から出力されたパルス信号を後段の回路に適した形に増幅、整形等をする波形整形部と、パルス信号の波高を測定し、パルス信号をその波高値に対応するチャンネルに割り当てて計数して波高分布としてメモリに格納する波高分析部と、波高分析結果を基に信号復元演算を実施し、放射能濃度を求める放射能濃度演算部と、信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースと、演算結果を表示する表示部とを有することを特徴とする。
また、本願に係わる放射性ダストモニタは、放射能濃度演算部における信号復元演算として、アンフォールディング演算を適用していることを特徴とする。本方法によれば自然放射性核種の影響をリアルタイムに取り除くことができるため、監視対象放射性核種の放射能濃度のリアルタイム測定ができる。放射能分布から放射能濃度を算出しているため、波高分布にウィンドウをかけて対象放射性核種の計数を求める方法に比べて高精度な放射能濃度測定を実現できる。
また、監視対象放射性核種と自然放射性核種を1つの検出部で測定できるため、自然放射性核種の影響を補正するために別の検出器を使用する必要がなく、構成が簡素であり、コンパクトかつ軽量な放射性ダストモニタを実現できる。また、本方法は、波高分布すべてのデータを用いて放射能濃度を算出するため、波高分布にウィンドウをかけて計数を求める方法に比べ、高効率な測定であるため、短時間で低放射能測定を実現できる。
すなわち、本願に係わる放射性ダストモニタは、濾紙を有するサンプリング部と、内側に中空部を有する遮蔽容器と、遮蔽容器が有する中空部に設置され、サンプリング部が有する濾紙に捕集された放射性物質から放出される放射線が入射するとパルス信号を出力する検出部と、検出部から出力されたパルス信号を増幅する波形整形部と、波形整形部で増幅されたパルス信号から波高分布を抽出する波高分析部と、信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースと、波高分析部で抽出された波高分布に対して、応答関数データベースに保管されている応答関数を用いて、信号復元演算を実施して、検出部に入射した放射線のエネルギースペクトルを抽出し、この抽出されたエネルギースペクトルを基に検出部に入射した放射線の放射能濃度を算出する放射能濃度演算部と、放射能濃度演算部が算出した放射能濃度を表示する表示部と、を備えている。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2による放射性ダストモニタの構成図である。本実施の形
態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛または鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
本実施の形態では、サンプリングした空気の流れる流路の途中に流量計40を備えている。ダストの放射能濃度を精度よく測定するためには、吸引した空気の量を正確に測定する必要がある。吸引した空気の量は、一般的に、ポンプ4の流量Qとダスト捕集時間Tの積として求められる。よって吸引した空気の量の精度は、ポンプ4の流量Qに依存する。
ポンプ4は、ターボ型、容積型、特殊型などの種類があるが、種類によって特徴が異なる。また、ポンプ4は、負荷によって流量が変動し、定量性が低い場合がある。ポンプ4の流量Qが変動している場合に、流量Qを固定値として放射能濃度を算出すると、放射能濃度の精度が大きく低下する。
したがって、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタは、空気をサンプリングする流路の途中に流量計40を備え、放射能濃度演算部にて流量計の測定データを基に空気の流量を補正して放射能濃度を算出することを特徴とする。流量計40を備えていて、測定時間中の流量は、放射能濃度演算部10に出力する。放射能濃度演算部10は、そのデータを基に流量を補正して放射能濃度を算出する。このことで、ポンプ4の流量変動による影響を取り除かれ、高精度な放射能濃度測定が実現できる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3による放射性ダストモニタの構成図である。本実施の形態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛または鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設
けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
本実施の形態では、検出部1として、放射線検出器とキャリア収集部を含むものを使用する。放射線検出器は、放射線が入射しエネルギーを付与することにより電荷キャリアを発生する。キャリア収集部は、発生した電荷キャリアを収集する。本性質を有する検出部として、例えば、半導体検出器等を使用することができる。以下では検出部として半導体検出器を使用する場合の例について説明する。その他の構成については実施の形態1と同様である。
図9に示すように、半導体検出器50はキャリア収集部として、接合された陽極51と陰極52とを有する。陽極51と陰極52は、それぞれ、n型半導体とp型半導体で構成されている。陽極51及び陰極52を構成する半導体として、例えば、Ge、Si、CdTe、CZT(CdZnTe)などを用いることができる。陽極51と陰極52との間に逆バイアス電圧を印加すると、陽極51と陰極52との間に、キャリア発生部となる空乏層53が生じる。
サンプリング部3の濾紙3aに捕集されたダストから放出された放射線が、半導体検出器50の空乏層53に入射すると、放射線の電離作用により電子と正孔のペアが生じる。発生した電子及び正孔は、逆バイアス電圧によって、それぞれ陽極51と陰極52に移動して収集される。そして、放射線が空乏層53に付与したエネルギーに比例した波高のパルス信号が出力される。以降の動作は実施の形態1と同様である。
本実施の形態のように、放射線検出器に半導体検出器を適用することにより、検出器に対し高電圧を印加する必要がなくなるため、装置の安全性が向上する。また放射線検出器として、一般にエネルギー分解能に優れた半導体検出器を使用することによって、信号復元演算によるエネルギー分解能を高めることができるので放射線の分析精度をさらに向上させることができる。
したがって、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタは、検出部として、半導体検出器を適用していることを特徴とする。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4による放射性ダストモニタの構成図である。本実施の形態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛ま
たは鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11、出力変動検知部60、増幅率調整部70等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
本実施の形態では、放射線分析部20は、出力変動検知部60と増幅率調整部70を備えている。本発明において高精度な測定を実現するためには、実測の波高分布と応答関数データベース11に格納している応答関数の差異を可能な限り小さくする必要がある。
検出部1や波形整形部5などは、一般的に、温度特性を持っている。このため、検出部1と波形整形部5は、設置場所の気温の影響を受け、出力に変動が生じる。また、検出部1は、経年劣化の影響を受け、長期間の使用後、出力に変動が生じる場合がある。これらの影響を要因として、出力に変動が生じる。この場合、実測の波高分布と応答関数データベース11に格納している応答関数との間に差異が生じるようになり、測定精度に影響を及ぼす可能性がある。
上記のような出力の変動は、波高分析部6で求められた波高分布のピーク位置のずれにて判断することができる。そこで、出力変動検知部60にて、波高分析部6の特徴的な波高分布のピーク、例えば、カリウム40等のピークを測定中にモニタリングする。モニタリングすることで、出力の変動を検知し、出力の変動量を増幅率調整部70に入力する。増幅率調整部70は、出力の変動量に応じて検出部1の増幅率を、自動調整し、元の位置に、波高分布のピーク位置を戻す。
上記の増幅率の自動調整は、例えば、図11のフローに沿って行われる。まず、ステップL1で事前に波高分析部6の特徴的な波高分布の基準ピーク位置P0を決定し、初期値
として設定する。ステップL2で測定開始した後、ステップL3にて現在の測定ピーク位置P1を定周期でモニタリングする。ステップL4にて定周期のタイミングで、基準ピー
ク位置P0とモニタリングされた測定ピーク位置P1の値を比較する。ステップL5にて基準ピーク位置P0と測定ピーク位置P1の値の比較結果が、P0>P1であると判定された場合は、ステップL6にて増幅率を1調整幅分増加させる。例えば、増幅率の調整幅を0.1とし、増幅率を1.1倍することとした。
また、ステップL7にて、P1>P0であると判定された場合は、ステップL8にて増幅率を1調整幅分減少させる。例えば、増幅率の調整幅を0.1とし、増幅率を0.9倍することとした。もしP0>P1でもP1>P0でもなければ基準ピーク位置P0と測定ピーク
位置P1の値は同じであり、調整不要と判定してステップL2に戻る。本フローを繰り返
すことにより、常に最適な増幅率に設定し、高精度な測定の維持を図る。なお、増幅率の調整幅を細かくすれば、より微調整が可能となる。
したがって、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタは、放射線分析部に波高分析部で抽出した波高分布の特徴的なピーク位置をモニタリングし、出力の変動を検知する出力変動検知部と、出力の変動量に応じて検出部あるいは波形整形部の増幅率を自動調整する増幅率調整部を有することを特徴とする。
実施の形態5.
図12は、本発明の実施の形態5による放射性ダストモニタの構成図である。本実施の形態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛または鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11、出力変動検知部60、増幅率調整部70等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
本実施の形態では、放射線分析部20は、出力変動検知部60と増幅率調整部70を備えている。本発明において高精度な測定を実現するためには、実測の波高分布と応答関数データベース11に格納している応答関数の差異を可能な限り小さくする必要がある。
検出部1や波形整形部5などは、一般的に、温度特性を持っている。このため、検出部1と波形整形部5は、設置場所の気温の影響を受け、出力に変動が生じる。また、検出部1は、経年劣化の影響を受け、長期間の使用後、出力に変動が生じる場合がある。これらの影響を要因として、出力に変動が生じる。この場合、実測の波高分布と応答関数データベース11に格納している応答関数との間に差異が生じるようになり、測定精度に影響を及ぼす可能性がある。
上記のような出力の変動は、波高分析部6で求められた波高分布のピーク位置のずれにて判断することができる。そこで、出力変動検知部60にて、波高分析部6の特徴的な波高分布のピーク、例えば、カリウム40等のピークを測定中にモニタリングする。モニタリングすることで、出力の変動を検知し、出力の変動量を増幅率調整部70に入力する。増幅率調整部70は、出力の変動量に応じて、波形整形部5の増幅率を、自動調整し、元の位置に、波高分布のピーク位置を戻す。上記の増幅率の自動調整は、例えば図11のフローに沿って行われる。
実施の形態6.
図13は、本発明の実施の形態6による放射性ダストモニタの構成図である。本実施の形態による放射性ダストモニタ100は、検出部1と、遮蔽容器2と、サンプリング部3と、ポンプ4と、表示部8と、放射線分析部20などを備えている。ポンプ4は、サンプリング部3の濾紙3aへダストを捕集するために設けられている。検出部1は、サンプリング部3の濾紙3aにて捕集された放射性ダストから放出された放射線を検出する。遮蔽容器2は、検出部1とサンプリング部3を格納するとともに、自然放射線を遮蔽するために設けられている。
放射線分析部20は、検出部1の出力を分析するために設けられている。表示部8は、
放射線分析部20の分析結果を表示するために設けられており、例えば、液晶ディスプレイ等で構成されている。遮蔽容器2は、高い放射線遮蔽能力を有する材料、例えば、鉛または鉄などで構成されている。遮蔽容器2の内側には、銅などで構成されるシールドを設けてもよい。
同図に示すように、放射線分析部20は、波形整形部5、波高分析部6、放射能濃度演算部10、応答関数データベース11、出力変動検知部60、補償係数計算部80等を備えている。波形整形部5は、例えば、波形整形器、増幅器等で構成されている。また、波高分析部6は、例えば、多重波高分析器等で構成されている。また、放射能濃度演算部10は、例えば、単一または複数のマイクロプロセッサで構成されている。また、応答関数データベース11は、例えばマイクロプロセッサに接続されたメモリ等で構成されている。
本実施の形態では、放射線分析部20は、出力変動検知部60と補償係数計算部80を備えている。実施の形態4あるいは実施の形態5では、波高分布のピーク位置のずれを検出部1あるいは波形整形部5の増幅率を直接調整することにより、波高分布のピーク位置のずれを補正していた。本実施の形態による放射性ダストモニタでは、波高分析部6にてAD変換したパルス信号のピーク値に対して、補償係数計算部80で算出した補正係数を乗じることにより波高分布のピーク位置を調整する。
出力変動検知部60にて、波高分析部6の特徴的な波高分布のピーク、例えば、カリウム40等のピークを測定中にモニタリングする。出力変動検知部60は、本来あるべきピーク位置からずれを検知した場合、本来あるべき基準ピーク位置P0の情報と現在の測定ピーク位置P1の情報を補償係数計算部80へ入力する。補償係数計算部80は、補償係数Aをピーク位置比P0/P1の関数として数式(5)で算出する(図6を参照)。なお、波高分析部のチャンネルと測定放射線のエネルギーの関係が一次関数であり、その直線性が良く、誤差が極めて小さい場合は、補償係数A=ピーク位置比P0/P1としても支障はない。
補償係数計算部80で算出された補償係数Aは、波高分析部6に入力される。波高分析部6にてAD変換したパルス信号のピーク値に補償係数Aを乗じることにより、波高分布の形状を補償する。この結果、波高分析部6にて抽出した波高分布の変動が補償され、高精度な放射能濃度測定の維持を図る事が出来る。
したがって、本実施の形態に係わる放射性ダストモニタは、放射線分析部に波高分析部で抽出した波高分布の特徴的なピーク位置をモニタリングし、出力の変動を検知する出力変動検知部と、出力の変動量に応じて算出した補正係数を波高分析部にてAD変換したパルス信号のピーク値に乗じて自動補償する補償係数計算部を有することを特徴とする。
また、本発明に係る放射性ダストモニタは、測定点の空気をサンプリングして空気中に含まれるダスト状の放射性物質を濾紙に捕集するサンプリング部と、サンプリング部3に捕集されたダストから放出される放射線を検出しパルス信号を出力する放射線の検出部と、検出部に入射するバックグラウンド放射線を遮蔽・減衰させるための遮蔽容器と、検出部から出力されたパルス信号を後段の回路に適した形に増幅、整形等をする波形整形部と、パルス信号の波高を測定し、パルス信号をその波高値に対応するチャンネルに割り当てて計数して波高分布としてメモリに格納する波高分析部と、演算結果を表示する表示部を備えた放射性ダストモニタにおいて、波高分析結果を基に信号復元演算を実施し、放射能濃度を求める信号復元・放射能濃度演算部と、信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースとを設けることにより、波高分布に対し信号復元を適用して、放射能分析を実施することにより各放射性核種の放射能濃度を得ることが出来るようになる。本方法により、高精度な連続監視の実現や自然放射線の影響の取り除き等の課題を解決できる。
本発明に係る放射性ダストモニタの効果は、放射線の測定結果に対し信号復元演算を実施し放射能分析をすることにより、監視対象放射性核種の放射能濃度を高精度かつ高効率に測定できることである。また信号復元演算をすることにより、監視対象放射性核種と自然放射性核種を分離できることから、自然放射線の減衰を待つ必要がないので、リアルタイム測定が可能となる。また、監視対象放射性核種と自然放射性核種を分離できることから、鉛遮蔽を薄くすることができ、放射性ダストモニタの軽量化が可能となる。また信号復元演算をすることにより監視対象放射性核種と自然放射性核種を分離できることから、自然放射性核種の影響を補正するために複数の検出器を用いる必要がないため、装置が簡素となり製造コストも抑えることができる。また対象核種の感度を向上させることが出来るので、短時間で低い検出限界をもつ放射性ダストモニタを実現できる。また監視対象放射性核種と自然放射性核種を分離できることから、自然放射性核種の濃度が高い環境でも低濃度の対象核種を検出することが可能となる。
以上の説明では、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々の処理変更を行うことが可能である。
1 検出部、1a シンチレータ、1b 光電子倍増管、1c 高圧電源、2 遮蔽容器、2a 中空部、3 サンプリング部、3a 濾紙、4 ポンプ、5 波形整形部、6
波高分析部、8 表示部、10 放射能濃度演算部、11 応答関数データベース、20 放射線分析部、31 吸気口、32 排気口、40 流量計、50 半導体検出器、51 陽極、52 陰極、53 空乏層、60 出力変動検知部、70 増幅率調整部、80 補償係数計算部、100 放射性ダストモニタ、A 補償係数、Q 流量、K 応答関数、M 波高分布、R 放射線放出率、S 放射能分布、T ダスト捕集時間、W 放射能濃度、P0 基準ピーク位置、P1 測定ピーク位置

Claims (8)

  1. 濾紙を有するサンプリング部と、
    内側に中空部を有する遮蔽容器と、
    前記遮蔽容器が有する中空部に設置され、前記サンプリング部が有する濾紙に捕集された放射性物質から放出される放射線が入射するとパルス信号を出力する検出部と、
    前記検出部から出力されたパルス信号を増幅する波形整形部と、
    前記波形整形部で増幅されたパルス信号から波高分布を抽出する波高分析部と、
    信号復元演算に用いる応答関数を保管する応答関数データベースと、
    前記波高分析部で抽出された波高分布に対して、前記応答関数データベースに保管されている応答関数を用いて、信号復元演算を実施し、この信号復元演算の結果を基に前記検出部に入射した放射線の放射能濃度を算出する放射能濃度演算部と、
    前記放射能濃度演算部が算出した放射能濃度を表示する表示部と、
    前記波高分析部が抽出した波高分布に対して、特徴的なピーク位置をモニタリングする出力変動検知部と、
    前記出力変動検知部がモニタリングした測定ピーク位置と基準ピーク位置とを基にして、前記検出部の増幅率あるいは前記波形整形部の増幅率を調整する増幅率調整部と、を備えていて、
    前記増幅率調整部は、基準ピーク位置とモニタリングされた測定ピーク位置の値を比較し、
    基準ピーク位置>測定ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分増加させ、
    測定ピーク位置>基準ピーク位置であると判定された場合は、増幅率を1調整幅分減少させ、
    基準ピーク位置>測定ピーク位置でも測定ピーク位置>基準ピーク位置でもなければ、増幅率の調整不要と判断することを特徴とする放射性ダストモニタ。
  2. 前記応答関数データベースに保管されている応答関数は、前記検出部と前記濾紙との位置関係に対応していることを特徴とする請求項1に記載の放射性ダストモニタ。
  3. 前記放射能濃度演算部は、アンフォールディング法を用いて信号復元演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の放射性ダストモニタ。
  4. 前記検出部は、シンチレータを有していることを特徴とする請求項1に記載の放射性ダストモニタ。
  5. 前記検出部は、半導体検出器を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射性ダストモニタ。
  6. 空気をサンプリングする流路に設置された流量計をさらに備えており、
    前記放射能濃度演算部は、放射能濃度を算出するさいに、この流量計の測定データを基に空気の流量を補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射性ダストモニタ。
  7. 前記波高分析部が抽出した波高分布に対して、特徴的なピーク位置をモニタリングする出力変動検知部と、
    前記出力変動検知部がモニタリングした測定ピーク位置と基準ピーク位置とを基にして、ピーク値の補正係数を算出し、この算出した補正係数を前記波高分析部が抽出した波高分布のピーク値に乗じる補償を行う補償係数計算部と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の放射性ダストモニタ。
  8. 前記サンプリング部の濾紙供給は、ロール式で行われ、リールによって濾紙が連続あるいは間欠に給紙されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射性ダストモニタ。
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