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Description
本発明は、X線及びガンマ線を使用した大流量分光分析(high flow spectrometry)に関する。
大流量分光分析の利用は多様である。
利用は、放射線防護におけるガンマ線プローブと、医療分野(例えばバイエネルギースキャナ)や、非破壊試験の分野や、セキュリティー用途(例えば、多重エネルギー放射線を使用した爆発物の検査)の多重エネルギー撮像(multi-energy imaging)との使用を含む。
本発明の一の特別な産業上の利用は、手荷物を調べるために移動放射線写真を使用した爆発物の検査である。しかしながら、他の利用として、特に分光分析を使用する強いX線及び/又はガンマ線光子の流量測定期間での、例えば廃棄物又は核燃料の測定が考えられる。
さらに、公知技術を現在の手荷物検査要求に適合させるのは困難である。すなわち、高速であるが、正確で、セキュリティーと両立できる方法が必要とされている。特に、手荷物の移動速度は、手荷物を介して送信された光子のエネルギーの測定が行われることにより、大流量の入射光子(数十メガ光子数/mm2/s)を有する短期間(数ms)に、十分な統計量を得ることを要求する。
本発明に関連する分光測定センサは、好ましくは、直接変換型センサ(direct conversion sensor)である。言い換えれば、センサ上への入射X線光子が分極性半導体材料(例えばCdTe)と相互作用し、電子電荷雲(a cloud of electronic charges)(一般的に60keVのX線光子に対して10000個の電子)を生成する。
そして、これらの電荷は、電極によって収集され、パルスと呼ばれる過渡電気信号を形成する。収集が完了する場合、測定されたパルス全体は入射パーティクルによってもたらされたエネルギーに比例する。
電子回路は、このような全体を測定することを可能にする。
デジタル処理の後、パルスはパルスの振幅に応じて異なるチャネル(channel)に分類され、エネルギーは各チャネルに割り当てられる。各相互作用のチャネルによる分布は、照射対象と相互作用した放射線のエネルギースペクトラムに対応する。好ましくは、放射線は、X線光子放射線又はガンマ線光子放射線である。
手荷物検査の場合、このようなスペクトラムは、対象物の密度及び特質の情報を提供することを可能にする。
検出した信号を増幅して処理する電子回路に接続するセンサを備える分光分析システムにおいて、測定スペクトラムの光子の大流量(上述したように、大流量は実際、手荷物検査期間で必要である。)に関連する劣化効果(degradation effect)を補正するという問題が生じる。
さらに具体的に言うと、低い分離可能性を伴い、又はほんの一瞬で検出器によって検出
される相互作用の現象であるスタッキングをもたらす。検出器での入射光子流量が大きくなればなるほど、相互作用比率(単位時間当りで検出器に起きる相互作用の回数)が大きくなる。最初に、単位時間当りで検出された相互作用の回数に対応する、検出器によって測定された計数比率(counting rate)は、相互作用比率と共に増加し、また、スタックを得る確率も増加する。そして、入射光子流量があまりにも有意になり過ぎると、計数比率は実質的に、検出器の飽和により、もはや増加せず、減少さえ可能になる。
される相互作用の現象であるスタッキングをもたらす。検出器での入射光子流量が大きくなればなるほど、相互作用比率(単位時間当りで検出器に起きる相互作用の回数)が大きくなる。最初に、単位時間当りで検出された相互作用の回数に対応する、検出器によって測定された計数比率(counting rate)は、相互作用比率と共に増加し、また、スタックを得る確率も増加する。そして、入射光子流量があまりにも有意になり過ぎると、計数比率は実質的に、検出器の飽和により、もはや増加せず、減少さえ可能になる。
大流量の概念は、1秒当り、1ピクセル当りで1×104〜109の間の一般的な流量(又は基本的な検出器)に対応する。100keV付近のエネルギーを有するX線の場合、1秒当りの相互作用の回数は比較的、1秒当りの入射光子の数、言い換えれば、入射光子流量に近く、このような光子の相互作用の確率は高い。
一つの重要なパラメータは、予め定義された検出器によって測定された計数比率である。検出器がさらされる光子流量があまり大きくないと、検出器での相互作用比率は実質的に、単位時間当りのスペクトラムに表れるイベント数(又はカウント数)に対応する、検出器によって測定される計数比率と等しい。
一般に、所定の計数比率を超える強力な放射線流量の場合、検出器及び信号処理電子装置の飽和が起きる。
そして、測定した計数比率はもはや検出器がさらされる流量に対応しない。
このような飽和の一つの結果は、スペクトラムのエネルギー分解能及び検出効果の強い劣化である。
図9は、スタッキング現象によってもたらされた問題を説明する、2つの異なる流量でのスペクトル測定である。
カーブIは6,082×106光子数/秒/検出器の入射流量に対応し、カーブIIは4,752×104光子数/秒/検出器の入射流量に対応する。
流量(1ピクセル当りの単位時間当りの入射X線光子の数)が増加すると、供給される信号はスタッキング現象のために劣化する。2つのイベントが、2つのイベントを分離するにはあまりに短い時間で検出される場合、システムはそれらを区別することができず、2つの光子のエネルギーと、それらを分離する時間間隔とに基づいて誤った信号を提供する。
図9において、スタッキング現象がもたらす2つの効果は、カーブI及びIIで見ることができる。
−流量が増加するとき、低エネルギーで認識可能な測定される計数比率における減少(図9のゾーンA);
−スタックのスペクトラムのために流量と共に高エネルギーで計数されるイベントの回数の増加(図9のゾーンB)。
−流量が増加するとき、低エネルギーで認識可能な測定される計数比率における減少(図9のゾーンA);
−スタックのスペクトラムのために流量と共に高エネルギーで計数されるイベントの回数の増加(図9のゾーンB)。
このスタッキング現象は周知である。スタッキング現象に対応することができる異なる方法分野が存在する。
実験的方法は公知であり、一のアプローチは、公知の放射能を有する放射線源と共にスタッキング現象を較正する(calibrate)ことに基づく。
そして、較正からもたらされる情報は、非特許文献1で説明されるように、未知信号に使用される。
このアプローチの主な短所は、強い放射能を有するγ線放射源を有することを必要とすることであり、そして、較正方法を複雑にし、特に放射線防護の問題をもたらす。
また、アナログ方式も公知であり、電子を最適化してスタックを最小化する。特に、抑制回路の使用は、現在のパーティクルの処理の終了前に吸収された新規なパーティクルを考慮に入れないことを可能にする。
このようなタイプのアプローチは、非無効化(non-paralyzable)システムを得ることを可能にし、その短所は当該処理がもたらすむだ時間がこのようなシステムの計数比率の性能を減少させることである。
実時間補正方法(live time correction method)と呼ばれるデジタル方式も存在し、本方式はスタックの一部を拒絶することができる。しかしながら、この方法は、スペクトラムを得るために時間を要する。
他のソリューションによれば、特に、インパルスの形状に関して、特定の信号処理パラメータが調整される。しかしながら、解像度の劣化だけではなく、これらのソリューションはあまり効率的ではない。これらのソリューションは、測定システムがもはや利用できない相互作用比率の境界をわずかに押し戻すだけである。
最後に、特に特許文献1及び非特許文献2で説明された事後補正方法がある。
この方法は、特に高計数比率における、前記方法の制限である各パルスの継続時間及びエネルギーの知見に基づく。
American National Standard for Calibration and Use of Germanium Spectrometers for the Measurement of Gamma-Ray Emission Rates of Radionuclides, American National Standards Institute (ANSI) N42.14-1999, p.7, 13, 15, 86, 89, 134
Trigano, T., Traitement du signal spectrometrique: ≪ Etude du desempilement de spectre en energie pour la spectrometrie gamma ≫, 2006
本発明の方法は、連続分光分析(spectrometric chain)を使用して得られるスペクトラムから、スタックに関連する劣化について補正スペクトラムを推定することを可能にする。
本発明は、X線放射の測定スペクトラム(Spmes)を補正する方法であって、
−前記測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定し、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との差異によって、少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算し、又は推定する方法に関する。
−前記測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定し、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との差異によって、少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算し、又は推定する方法に関する。
本発明は、特に、各チャネルiがEi〜Ei +ΔEiのエネルギー範囲に対応するチャネルの数Ncに応じて、X線放射の測定スペクトラム(Spmes)を補正する方法であって、
−エネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの間隔のサイズを決定する関数δti,j(k)を決定又は計算し、エネルギーのスタッキングが検出したエネルギーEkをもたらし、
−前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーE-i及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定又は計算し、
−前記確率関数Pi,j(k)から、測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定し、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算又は推定する方法に関する。
−エネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの間隔のサイズを決定する関数δti,j(k)を決定又は計算し、エネルギーのスタッキングが検出したエネルギーEkをもたらし、
−前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーE-i及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定又は計算し、
−前記確率関数Pi,j(k)から、測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定し、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算又は推定する方法に関する。
スタック・スペクトラムはそれ自身、システムのデータである、測定されたスペクトラム(Spmes)と、測定時間(Texpo)と、むだ時間(Tdead)とから計算され、2つの光子を分離する最小継続時間未満で2つの光子のスタッキングのために2つの光子の一方のみが検出される。
従って、本発明の方法は、測定スペクトラム、測定時間及びシステムのむだ時間に対するデータのみを使用する。
むだ時間(Tdead)は、シミュレーション又は実験によって決定され得る。
本発明の方法は、補正スペクトラムSpcor(n-1)から、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は測定スペクトラムとスタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって測定スペクトラムから、Nit(Nit≧1)個のn次の補正スペクトラム(Spcor(n))を計算することを含み得る。
本発明の方法は、特に繰り返して実行され得る。
従って、一実施形態によれば、センサと相互作用した入射放射線の測定されるスペクトラムからはじまり、補正スペクトラムは、
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)の(すなわち、n−1次の繰り返しの間に規定される)一部を表すスタック・スペクトラムEmpを計算又は推定するステップと;
−n−1次のステップの間に計算又は推定されたスタック・スペクトラムEmpを使用して、n−1次の補正スペクトラムを補正し、新しい補正スペクトラムSpcor(n)を得るステップと;
−n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)をn次の補正スペクトラムSpcor(n)と置換し、潜在的に前記n次の補正スペクトラムとにより繰り返しを再開するステップと
を備える繰り返し方法に従って決定される。
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)の(すなわち、n−1次の繰り返しの間に規定される)一部を表すスタック・スペクトラムEmpを計算又は推定するステップと;
−n−1次のステップの間に計算又は推定されたスタック・スペクトラムEmpを使用して、n−1次の補正スペクトラムを補正し、新しい補正スペクトラムSpcor(n)を得るステップと;
−n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)をn次の補正スペクトラムSpcor(n)と置換し、潜在的に前記n次の補正スペクトラムとにより繰り返しを再開するステップと
を備える繰り返し方法に従って決定される。
一の特定の実施形態によれば、本発明の方法は、Nit回(Nit≧1, 1≦n≦Nit)繰り返さ
れる以下のステップを備える。
−n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータの関数として、平均スタッキング確率が計算されるステップ
−n−1次の補正スペクトラムと、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、スタック・スペクトラム(Emp)が推定されるステップ
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記推定されたスタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって、補正スペクトラムが計算されるステップ
れる以下のステップを備える。
−n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータの関数として、平均スタッキング確率が計算されるステップ
−n−1次の補正スペクトラムと、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、スタック・スペクトラム(Emp)が推定されるステップ
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記推定されたスタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって、補正スペクトラムが計算されるステップ
本発明はまた、X線放射スペクトルを補正するデバイスであって、
−測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定する手段と、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との差異によって、少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算する手段とを備えるデバイスに関する。
−測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定する手段と、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との差異によって、少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算する手段とを備えるデバイスに関する。
本発明は、特に、各チャネルiがEi〜Ei +ΔEiのエネルギー範囲に対応するチャネルの数Ncに応じて、X線放射の測定スペクトラム(Spmes)を補正するデバイスであって、
−エネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの間隔のサイズを決定する関数δti,j(k)を決定又は計算し、エネルギーのスタッキングが検出したエネルギーEkをもたらす手段と、
−前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーE-i及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定又は計算する手段と、
−測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定する手段と、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異を使用して少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算する手段とを備えるデバイスに関する。
−エネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの間隔のサイズを決定する関数δti,j(k)を決定又は計算し、エネルギーのスタッキングが検出したエネルギーEkをもたらす手段と、
−前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーE-i及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定又は計算する手段と、
−測定スペクトラム(Spmes)のうち単独でスタックのみに対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定する手段と、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異を使用して少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算する手段とを備えるデバイスに関する。
スタック・スペクトラムは、測定スペクトラム(Spmes)と、測定時間(Texpo)と、2つの光子を分離する最小継続時間であるシステムのむだ時間(Tdead)データとから計算され、むだ時間未満で2つの光子の一方のみが検出される。
このようなデバイスは、シミュレーションによってむだ時間を決定する手段を含んでもよい。
好ましくは、本発明のデバイスは、既に上述したステップを備える繰り返し方法に従って補正スペクトラムを決定する手段を含む。
本発明の方法又はデバイスでは、スタッキング確率は、次式
又は、近似式
を使用して有意に計算され得る。ここで、SPcor(n-1)(j)は、チャネルjに対する、n−1次の補正スペクトラムSPcor(n-1)、又はn−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は測定スペクトラムの値である。
スタック・スペクトラムは、次式を使用して計算され得る。
前式において、Pi,j(k)は次の通りである。
ここで、δti,j(k)は、2つの光子の到着時刻間のずれΔtの関数として測定されるエネルギー(Ei, Ej)を有する一対の光子と関連するスタッキング関数FEiEjの逆関数F-1 EiEjから決定される。関数δti,j(k)は、エネルギーEi及びEjの2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの間隔のサイズを決定し、そのスタックは検出されたエネルギーEkをもたらす。スタッキング関数FEiEjは、実験的に又はシミュレーションによって得られ、例えばエネルギーの減少するアフィン関数によって推定される。
本発明はまた、
−放射線センサと、
−前記放射線センサ由来の信号を処理し、前記放射線センサと相互作用した放射線のスペクトラムを生成する電子的手段と、
−上述した、本発明の測定されたX線放射スペクトラムを補正するデバイスと、を備える分光分析デバイスに関する。
−放射線センサと、
−前記放射線センサ由来の信号を処理し、前記放射線センサと相互作用した放射線のスペクトラムを生成する電子的手段と、
−上述した、本発明の測定されたX線放射スペクトラムを補正するデバイスと、を備える分光分析デバイスに関する。
本発明によれば、スタックは、信号の処理回路の改変によって制限されないが、測定されたエネルギースペクトラムの処理によって制限される。
一実施態様によれば、δtij(k)はkと独立であり、kに関係なく
と等しい。
本発明のデバイスの実施形態の一実施例は、図1と関連して与えられる。
このデバイス、分光分析チェーン1は、以下のエレメントを備える。
−放射線源1
−例えばCdTeで作られ、例えば2つの電極を備え、自身の端子でセンサの材料と放射線又
は光子の相互作用により信号がもたらされるセンサ2
−チャージ前置増幅器(charge preamplifier)4
−増幅器6
−アナログ/デジタル変換器8
−手段4,6,8によって加工されデジタル化された信号の処理を実行し、各チャネルiがEi〜Ei+ΔEi(ΔEi(ΔEi≠0)はチャネルiのエネルギー幅に対応)のエネルギー範囲に対応するチャネルの数Ncに応じて、放射線のスペクトラムを形成する手段10(任意のチャネルiに対してΔEi=ΔEで、ΔEは定数であるように、ΔEiは各チャネルに対して同一である)
−本発明の方法に従うスペクトラムの処理を実行する手段12
−放射線源1
−例えばCdTeで作られ、例えば2つの電極を備え、自身の端子でセンサの材料と放射線又
は光子の相互作用により信号がもたらされるセンサ2
−チャージ前置増幅器(charge preamplifier)4
−増幅器6
−アナログ/デジタル変換器8
−手段4,6,8によって加工されデジタル化された信号の処理を実行し、各チャネルiがEi〜Ei+ΔEi(ΔEi(ΔEi≠0)はチャネルiのエネルギー幅に対応)のエネルギー範囲に対応するチャネルの数Ncに応じて、放射線のスペクトラムを形成する手段10(任意のチャネルiに対してΔEi=ΔEで、ΔEは定数であるように、ΔEiは各チャネルに対して同一である)
−本発明の方法に従うスペクトラムの処理を実行する手段12
例えば遅延線回路に基づく、特に信号を加工することができる他の処理手段は、アナログ・デジタル変換器の上流に設置され得る。
デバイス使用期間中、材料サンプル100が、特性を明らかにするために、放射線源と検出器との間に配置される。
手段12は特に、スペクトラムデータと、本発明の方法を実行するためのデータ、例えばデータTexpo及びTdeadとを保存して処理するようにプログラムされたマイクロコンピュータ又は計算機を備える。
より正確に言えば、中央処理ユニット16は、例えば図5に関連して以下に説明されるように繰り返し方法を使用して、スタック・スペクトラムを計算することによって、そして、保存された測定スペクトラムデータ(Spmes)と保存されたスタック・スペクトラムデータ(Emp)との間の差異を使用して補正スペクトラム(Spcor)を計算又は推定することによって、本発明の処理方法を実行するようにプログラム化されている。本発明の処理方法の全部又は一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であることが可能である手段10によって実行され得ることに留意されるべきである。
このような手段12は、X線放射源1を制御することが可能であり、放射線放出を開始し、検出器2を使用して一又は幾つかの測定を実行する。電子的手段12は、放射線源及び検出器の開始(起動)の同時制御を実行することを可能にさせる。
この手段12はまた、以下に説明するように、むだ時間Tdead及びスタッキング関数FEiEjを、又はその逆関数F-1から、又は実験的にモデル化によって、推定することができる。
手段12を使用すると、オペレータは一又は幾つかのパラメータを選択でき、これらの操作を実行する。オペレータは特に、繰り返し回数Nitを選択し、本発明の繰り返し処理を実行し、又は繰り返しの終了を命令する。繰り返しはまた、収束基準に応じて自動的に終了することができる。
モニタ又はディスプレイ手段17で、本発明の測定スペクトラムSpmesと本発明の補正スペクトラムSpcorと、場合によりスタック・スペクトラムEmpとを表示することができる。
オペレータは、例えばプルダウン・メニュー(pull-down menu)を用いて、本発明の実
行される処理の繰り返し回数を選択することができる。
行される処理の繰り返し回数を選択することができる。
このようなデバイスはまた、欧州特許出願公開第2071722号明細書で説明されるように、例えば欧州台形にパルスを加工できる遅延線を実装することができる。このようなデバイスは、図10で説明されるように、主として、
−半導体検出器2に接続し得る積分器タイプのチャージ前置増幅器回路20(抵抗14は検出器2と関連付けられた分極抵抗を指定する)と、
−前記前置増幅器回路のアウトレットで接続されるエネルギー測定用遅延線回路22(遅延線32と、第1増幅器(first gain)34と、減算器36、第2増幅器(second gain)38を含む)と、
−エネルギー測定回路のアウトレットで接続されるサンプラーと、を備える。
−半導体検出器2に接続し得る積分器タイプのチャージ前置増幅器回路20(抵抗14は検出器2と関連付けられた分極抵抗を指定する)と、
−前記前置増幅器回路のアウトレットで接続されるエネルギー測定用遅延線回路22(遅延線32と、第1増幅器(first gain)34と、減算器36、第2増幅器(second gain)38を含む)と、
−エネルギー測定回路のアウトレットで接続されるサンプラーと、を備える。
デバイスはまた、
−前置増幅器回路20のアウトレットで接続され、前置増幅器回路の出力と出力信号の派生物との間の差異を形成する電流パルス測定回路56と、
−パルス測定回路22の出力信号の関数として、サンプラーのサンプリング時期を制御する論理信号である、二値信号を形成する識別回路66とを有する同期回路52を備える。
−前置増幅器回路20のアウトレットで接続され、前置増幅器回路の出力と出力信号の派生物との間の差異を形成する電流パルス測定回路56と、
−パルス測定回路22の出力信号の関数として、サンプラーのサンプリング時期を制御する論理信号である、二値信号を形成する識別回路66とを有する同期回路52を備える。
上述した手段12のような手段は、当該回路と組み合わされて、本発明の方法を実行するデバイスを実行する。
この回路の他の態様は、欧州特許出願公開第2071722号明細書で説明されている。
言い換えれば、信号は加工され、次にアナログ・デジタル変換器(ADC)によってデジタル化され、そして、FPGAタイプのプログラム可能な電子回路によってスペクトラムの形式で分類される。加工された信号(いわゆる、台形信号又は経時信号)の移行及びADCを介してのスペクトラムへのデジタル化は、FPGA内で行われる。
スペクトラムSp0を有する入射X線放射20から、スペクトラムSpmesはセンサ2及び処理手段4〜12を使用して測定される。Texpoを、測定時間、すなわち、エネルギースペクトラムが検出器で入射流量から生成されるのに使用される時間又は測定する時間、あるいは捕捉時間(acquisition time)とする。
Spmesは、例えば、図9に関連して上述されたスペクトラムの一つである。
既に上述したように、このようなスペクトラムは光子のスタッキング現象に由来する摂動(perturbation)を含む。
Sp0(E)は、ある特定のエネルギーEで入射放射20の光子の数を指定する。
Pmeanを、少なくとも一つの他の光子と共にスタッキングする各光子の確率とする。従って、エネルギーEで測定スペクトラムSpmesは、入射スペクトラムSp0から次式によって推定される。
要素(1-Pmean)×Sp0(E)は、スタッキングを受けなかった光子のグループを表す。
用語Emp(E)は、エネルギーEでの、スタックされるスペクトラムSp0(これが「スタック・スペクトラム」である)の光子全ての測定結果への寄与である。Emp(E)は、入射スペクトラムSp0、及び、センサ2と、非常に短時間で、すなわち、スタッキング状態で検出される光子に関する電子的手段4〜10とによって形成されたシステムの動作によって決定される。
むだ時間Tdeadは、2つの相互作用(2つのイベント)を分離する最小持続時間であると定義され、むだ時間未満で、2つのイベントのうちから一方のみが検出される。
センサ上の2つの入射光子に対して、測定時間Texpoの間、センサ2における光子の相互作用時期t1が一時的に、Tdeadより短い持続時間で、他の光子の相互作用時期t2から分離される場合、換言すれば|t2-t1|≦Tdeadの場合、スタッキングが存在する。
センサ2での光子の到着は測定時間Texpoの間で蓋然性が等しいとみなされるこのような2つの入射光子のスタッキング確率は、
であり、逆に、
−他の光子と共にスタッキングしない入射光子の確率は、1-P0であり、
−他の光子と共にスタッキングしない入射光子の確率は、独立したイベントなので、異なるイベントの確率の結果に等しい。
−他の光子と共にスタッキングしない入射光子の確率は、1-P0であり、
−他の光子と共にスタッキングしない入射光子の確率は、独立したイベントなので、異なるイベントの確率の結果に等しい。
従って、少なくとも1つの他の光子と入射光子のスタッキング確率Pは、
に等しい。ここで、Nは、入射スペクトラムの光子の数を表す。
明細書において、離散化されたエネルギーEiは、スペクトラムセンサのi番目のチャネ
ルでスタックがない場合、検出される光子のエネルギー範囲を示す。
ルでスタックがない場合、検出される光子のエネルギー範囲を示す。
スタック・スペクトラムを推定するために、推定はスタックの全てが正確に2つの光子
に関するものであるとして、近似値から開始する。
に関するものであるとして、近似値から開始する。
この近似値の限界は研究されており、後述する。
2つの光子がスタッキング状態でセンサによって吸収されたときには、一つのイベント
だけが計数される。
だけが計数される。
この態様を理解するために、図2は実験した分光分析システムで行われた測定を示し、
より正確には、電子回路によって加工した後、2つの光子によって生成されたパルスを時
間的に説明する。
より正確には、電子回路によって加工した後、2つの光子によって生成されたパルスを時
間的に説明する。
短い時間のズレ(第1光子の相互作用時期t1と他の光子の相互作用時期t2が不等式|t2-
t1|≦Tdeadを満たすかを検証する)に対して1回のみの相互作用が検出され、Tdeadよりも大きな時間的なズレに対して、2回の相互作用が計数される。
t1|≦Tdeadを満たすかを検証する)に対して1回のみの相互作用が検出され、Tdeadよりも大きな時間的なズレに対して、2回の相互作用が計数される。
さらに、1回の相互作用が計数されると、検出されるエネルギーは光子のどちらか一方
によるエネルギーに対応せず、むしろ異なるエネルギーに対応する。スタック・スペクト
ラムEmp(E)は、スタックからもたらされる測定スペクトラムSpmes(E)の一部の推定に対応する。スタック・スペクトル(Emp(E))はエネルギーを定量化することによって得
られ、スタッキング状態で2つの相互作用に対応する一つのイベントが測定される。
によるエネルギーに対応せず、むしろ異なるエネルギーに対応する。スタック・スペクト
ラムEmp(E)は、スタックからもたらされる測定スペクトラムSpmes(E)の一部の推定に対応する。スタック・スペクトル(Emp(E))はエネルギーを定量化することによって得
られ、スタッキング状態で2つの相互作用に対応する一つのイベントが測定される。
このようなスタック・スペクトラムの推定は、2つのステップで行われる。
−はじめに、2つの光子に対応する2つの相互作用を有するスタッキング関数がモデル化
され、
−これらのスタッキング関数が全ての可能性のあるエネルギーのペアEi,Ej(ここで、1
≦i≦Nc,i≦j≦Nc(又は1≦j≦Nc)、Ncはチャネルの数である)に渡って合計され、スタ
ック・スペクトラムを推定する。
−はじめに、2つの光子に対応する2つの相互作用を有するスタッキング関数がモデル化
され、
−これらのスタッキング関数が全ての可能性のあるエネルギーのペアEi,Ej(ここで、1
≦i≦Nc,i≦j≦Nc(又は1≦j≦Nc)、Ncはチャネルの数である)に渡って合計され、スタ
ック・スペクトラムを推定する。
はじめに、2つの光子の相互作用に対応するスタッキング関数を推定するために、エネ
ルギー(Ei,Ej)を有する光子のペアを考える。
ルギー(Ei,Ej)を有する光子のペアを考える。
スタッキング関数は、2つの光子の到着時期の間のズレΔtの関数として、前記ペアと
測定されたエネルギーとを関係付ける関数である。
測定されたエネルギーとを関係付ける関数である。
言い換えれば、スタッキング関数FEi,Ejは、2つのエネルギーEi,Ejのスタックした相互作用の時間的なズレと、そのスタックに起因するエネルギーとの間の関係を規定する。
後で、この関数のモデル化の実施例が提供され、この関数はズレΔtの減少関数である。
Δt=0に対して、この関数は最大値Ei+Ejに到達する。
次に、同時検出を包含する。すなわち、相互作用を有する2つの光子は分離できず、それらのエネルギーは融和する。
この関数の最小値は、max(Ei,Ej)である。実際、測定されたエネルギーは必ず、2つの光子の一方による最大エネルギー以上のままである。
この点は図3に説明され、図の上部が高エネルギー光子のmax(E1,E2)に対する測定されたエネルギーを、図の下部が低エネルギー光子のmin(E1,E2)に対する測定されたエネルギーを説明する。
時間的なズレがゼロである場合(同時検出の場合)に対して、イベントが光子のエネルギーの合計(又はE1+E2=max(E1,E2)+min(E1,E2))と等しいエネルギーで測定されるので、測定は誤り伝えられる。
むだ時間以上のズレに対して、2つの光子の各々は実際、それ自身のエネルギーで測定される(max(E1,E2)で高エネルギー光子、及び、min(E1,E2)で低エネルギー光子)。
時間的なズレの中間に対して、イベントがE1とE2の間で可変のエネルギーで測定される。
これは、期間[0, Tdead]で連続で減少する関数を包含することが明らかである。
従って、時間的なズレの関数として測定エネルギーのこの関数は、元に戻せる。F-1と示される逆関数は、最大値Ei+Ejと最小値max(Ei,Ej)との間で、エネルギーと時間間隔
で関係付けられることができる。
エネルギー範囲は離散化され、この逆関数F-1 EiEj(Ek)は次のように決定される。
−間隔[max(Ei,Ej),Ei+Ej]に含まれるEkに対して、F-1 EiEj(Ek)はエネルギーEi,Ejの2つの相互作用間の時間的なズレΔtであり、このズレはエネルギーEkでスタッキングをもたらし、
−間隔[max(Ei,Ej),Ei+Ej]の外側のEkに対して、F-1 EiEj(Ek) =0である(Ekが可能な値の外側なので、時間的なズレがこのようなエネルギーを提供することができない)。
−間隔[max(Ei,Ej),Ei+Ej]に含まれるEkに対して、F-1 EiEj(Ek)はエネルギーEi,Ejの2つの相互作用間の時間的なズレΔtであり、このズレはエネルギーEkでスタッキングをもたらし、
−間隔[max(Ei,Ej),Ei+Ej]の外側のEkに対して、F-1 EiEj(Ek) =0である(Ekが可能な値の外側なので、時間的なズレがこのようなエネルギーを提供することができない)。
例えば、i≠j、及び又はi≠k、及び又はj≠kである。
上述した関数Fの意味を勘案すると、この逆関数F-1 EiEj(Ek)は、エネルギーEi,Ejの2つの相互作用はエネルギーEkを有する一つの相互作用を考慮するように、エネルギーEi,Ejそれぞれの2つの相互作用間の時間的なズレΔtを表す。
この関数F-1 EiEjは、線形関数に選択され得る。
次に、基準スタック・スペクトラムを計算することに進む。
エネルギーEiの光子とエネルギーEjの光子との間のスタックによって生成されたスペクトルを計算する。
このために、エネルギー間隔
は、各々が分光分析センサのチャネルの幅を有するチャネルのエネルギーEkに離散化され、従って、
個のチャネルを有する。ΔEは各チャネルに対応するエネルギー範囲に対応し、このエネルギー範囲はNc個のチャネルの各々に対して同一であると見做される。
kの各値に対して、エネルギーEkを有するチャネルと関係付けられる時間間隔δti,j(k)は、次式によって与えられる。
Sp0 (j)で示される光子エネルギーEjのグループ間で、確率は、少なくとも一つがエネルギーEiを有する光子に関連するF-1 EiEj(Ek)とF-1 EiEj (Ek+1)の間の時間間隔にあると推定され得る。
Pi,j(k)は、スタッキング関数のエネルギーEkで、エネルギーEjの光子とスタックされたエネルギーEiを有する光子の寄与である。言い換えれば、Pi,j(k)は、エネルギーEkに対応する各チャネル(k)に対して、Tdeadよりも短い持続時間で時間内にエネルギーEi及びEjそれぞれで分離される、そのチャネル内で計数されたイベントが2つの相互作用のスタックに対応するという確率を表す。Pi,jはスタッキング確率と呼ばれ、ペア(i,j)(1≦i≦Nc,i≦j≦Nc)と同じ数のスタッキング確率が存在する。
従って、スタック・スペクトラムEmpは、各チャネルkに対して、各ペアi及びjに対して事前に定義されたスタッキング確率を合計することによって推定される。これは、ペア(Ei,Ej)の全体のループにより相互作用的に行われ得る。
Ncは分光分析センサのエネルギーチャネルの数を示し、結果として生じるスペクトラムはNc2/2 + Nc/2個の基準スタック・スペクトラムの合計である。
実際には、むだ時間Tdeadと、2つの光子のスタッキング関数とを推定することを求めている。これらの両方に対して、進めるには様々な方法がある。
はじめに、むだ時間Tdeadは、
−アナログ電子機器のアウトレットで、半導体2によるパーティクルの吸収後、パルス生成をシミュレーションし、アナログ電子機器によって送信された信号をフィルタリング及び処理し、
−そして、2つの光子を分離することを可能にする、2つの光子を分離する最小持続時間
を推定する
ことによって得られる。
−アナログ電子機器のアウトレットで、半導体2によるパーティクルの吸収後、パルス生成をシミュレーションし、アナログ電子機器によって送信された信号をフィルタリング及び処理し、
−そして、2つの光子を分離することを可能にする、2つの光子を分離する最小持続時間
を推定する
ことによって得られる。
この第1の方法によれば、むだ時間でのパルスのデジタル処理の影響は無視される。
また、パルスの信号を分析することによって、実験的に進める。
第1の実験的方法によれば、
−まず、スペクトラムのデジタル化及び構築の前に、手段4,6(アナログ電子機器)から出力信号を読み込み、
−そして、2つの光子を分離することを可能にする、2つの光子を分離する最小持続時間を推定する。
−まず、スペクトラムのデジタル化及び構築の前に、手段4,6(アナログ電子機器)から出力信号を読み込み、
−そして、2つの光子を分離することを可能にする、2つの光子を分離する最小持続時間を推定する。
第2の実験的方法によれば、スペクトル分析によって進める。
−まず、入射流量(光子の数)の関数として測定された計数比率を推定する。異なるスペクトラムは、放射線発生器20の強度Iを変化させることによって、異なる計数比率で生成される。論理的計数比率はIに比例すると見做されて計算される。基準値は、スタッキング現象を無視できる(一般的に、入射光子に対するスタッキング確率が1%未満)最低流量(lowest flow)に対して推定される。
−そして、システムに対してモデル、例えば、無効化モデル
又は、非無効化モデル
又は、当業者により関連性があると考えられる任意の他の関数f(n)、を選択する。
−まず、入射流量(光子の数)の関数として測定された計数比率を推定する。異なるスペクトラムは、放射線発生器20の強度Iを変化させることによって、異なる計数比率で生成される。論理的計数比率はIに比例すると見做されて計算される。基準値は、スタッキング現象を無視できる(一般的に、入射光子に対するスタッキング確率が1%未満)最低流量(lowest flow)に対して推定される。
−そして、システムに対してモデル、例えば、無効化モデル
ここで、nは、論理的計数比率、すなわち、スタックがない場合の計数比率である。
次に進み、f(n)を実験的計数比率データに合わせることによって、むだ時間を計算する。パルスを処理してスペクトラムを生成する特定のデバイスはまた、むだ時間を決定することを可能にする。このサイズはまた、本発明によって利用できるむだ時間を考慮してもよい。
図4は、本発明の好ましい無効化モデルに従って、調整が行われる原理を説明する。
(ドットによって表される)計数測定のセットは、管X線の電流I(mA)を介して調整
される異なる入射流量の値に対して行われる。従って、無効化システムに対する計数比率
式は、システムのむだ時間Tdeadを変化させることによって実験データに基づいて調整さ
れる。
される異なる入射流量の値に対して行われる。従って、無効化システムに対する計数比率
式は、システムのむだ時間Tdeadを変化させることによって実験データに基づいて調整さ
れる。
そして、調整はむだ時間58nsを生じる。
スタッキング関数に関して、粒子吸収及び電子機器の処理よる信号のフィルタリングの間で半導体2によって放出された出力パルス形状の、シミュレーションによる推定を進める。次に、スタッキング関数は、スタッキング関数がEiとEjとに対応する2つのパルスに従うとき、システムの応答をシミュレーションすることによって、そして、2つのパルス間の時間偏差Δtを変化させることによって推定される。スタッキング関数FEiEj(Δt)は推定され、2つの相互作用を分離する時間偏差Δtの関数として、2つのエネルギーEi及びEjのスタック由来のエネルギーEに対応する。パルスのデジタル処理は無視され得る。そのような場合、このようなシミュレーションは、図1のブロック8のインレットに対応する、アナログ信号の形状を推定することを可能にする。他には、−それぞれアナログ電子機器の、前置増幅器又は増幅器を構成する各手段4又は6のインレットでパルス発生器を使用することによって、
−時間偏差Δtの関数として、エネルギーEi及びEjに対応する2つの生成されたパルスによって生成されたエネルギーEkを測定することによって、実験的に進めることができる。
−時間偏差Δtの関数として、エネルギーEi及びEjに対応する2つの生成されたパルスによって生成されたエネルギーEkを測定することによって、実験的に進めることができる。
最後に、他の方法は、いわゆる「アフィンモデル」である。実際、測定されたエネルギーは2つの相互作用の検出時期の間のズレΔtとともに減少する。仮説はアフィンタイプの2つの光子に対するスタッキング関数から形成され得、測定されたエネルギー及び時間的なズレΔtを線形的に接続する。
このモデルの妥当性は、明細書では説明されないが実験的な研究の間に検証された。
2つの光子を分離する時間間隔とエネルギーを関連づけることを可能にし、FEi,Ej -1で示される、2つの光子のスタッキング関数の逆関数は、次式を用いて推定される。
従って、max(Ei,Ej)≦E(k)≦Ei+EjのE(k)に対して、F-1 EiEj(Ek)は2つの相互作用Ei及びEjの時間偏差に対応する。
E(k)<max(Ei,Ej)又はE(k)>Ei+EjのエネルギーE(k)に対して、F-1 EiEjは定義されない。
さらに、チャネルのエネルギーEkと関連付けられる時間間隔が、等式
によって与えられることがわかった。
アフィン関数Fの仮説によれば、
である。
各チャネルkに対するエネルギー範囲ΔEkが一定であり、ΔEに等しい場合、
であり、従って所定のi及びjに対する定数である。言い換えれば、この仮説によれば、kの値に関わらず、δti,j(k)はi及びjのみによって決まる。
関数δti,j(k)は、エネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を分離する時間偏差Δt間隔のサイズを決定し、そのスタッキングは検出されたエネルギーEkに導かれる。2つの相互作用間の時間偏差Δtが、F-1 EiEj(k)≦Δt≦F-1 EiEj(k)+δti,j(k)であるとき、検出されたエネルギーを導くスタッキングはE-kに等しい。
時間偏差Δtが前式によって定義された間隔に含まれない場合、例えば、F-1 EiEj(k)+δti,j(k)≦Δt<F-1 EiEj(k)+δti,j(k)+δti,j(k+1)の場合、F-1 EiEj(k+1)≦Δt<F-1 EiEj(k+1)+δti,j(k+1)と書き換えられ、スタッキングはEk+1に等しい検出されたエネルギーに導かれる。
従って、このような間隔に含まれる偏差Δtによって一時的に分離されるエネルギーEi及びEjの2つの相互作用が、スタックされ、従って、エネルギーEkを有する一つの相互作用であると考えられるような、幅δti,j(k)で、時間偏差Δtを規定する間隔があることがわかる。また、このような偏差により一時的に離間されたエネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用が、エネルギーEkでスタックされると考慮されるように、時間偏差Δtを包含又は含む窓の幅としてδti,j(k)を指定することができるだろう。
エレメント(Tdead、Emp、スタッキング関数)を使用する本発明の補正方法は、図5に関連して説明される。
本方法は、スペクトラム測定結果Spmesから、スタッキング現象によって分解され、補正スペクトラムSpcorを推定することを可能にする。
しかしながら、入射スペクトラムSp0は一般に分からず、上述した記載に従って、スタッキング確率Pmean、スタッキング確率Pi,j、又はスタック・スペクトラムEmpを推定することは不可能である。従って、スタックを補正することは、例えば、次式
ここで、
そして、
に従って、平均スタッキング確率Pmean、スタッキング確率Pi,j、及びスタック・スペクトラムEmpの推定に基づく。
補正方法が繰り返される場合、Spcorは1回目の繰り返しの間で測定スペクトラムSpmesから規定されると考えられる。しかしながら、続く繰り返しの間では、補正スペクトラムSpcor(n)は、前の繰り返しの間に得られた補正スペクトラムSpcor(n-1)から規定される(1≦n≦Nit、ここでNitは繰り返し回数)。例えば、スペクトラムSpcorは、1回目の繰り返しの間でスペクトラムSpmesに等しく、そして、続く繰り返しの間では、Spcorは前の繰り返しの間の補正スペクトラムに等しくできる。
1回のみの繰り返しの場合、Spcorは測定スペクトラムSpmesから規定され、例えば、Spcor=Spmesである。
本方法は、4つの入力変数を含む。
−チャネルの数の次元(NC)×1を有する列ベクトルである、補正されるスペクトラムSpmes(j)
−チャネルの数の次元(NC)×1を有する列ベクトルである、補正されるスペクトラムSpmes(j)
(デジタル化された)スペクトラムは、例えば図1のデバイスを使用して、測定されることによって得られ、Spcorは前記スペクトラムからもたらされる。
−繰り返し時間Texpo。これは、msで与えられる実数である。そして、使用される放射線源に応じた、システムの物理的データである。
−センサ−電子機器システムのむだ時間Tdead。これは、msで与えられる実数である。どのように測定され、又は推定され得るのは既に説明した。
−スタックを補正するための、従って、反復的に実行された繰り返し回数Nit。例えば、この数は、例えば、データ処理システムのオペレータによって選択される。この数が事前に定義されないことは可能である。従って、本方法は、2つの連続する繰り返しの間で補正2つのスペクトラムを比較することにより、オペレータによって、又は、収束基準に従って、終了させられる。
−繰り返し時間Texpo。これは、msで与えられる実数である。そして、使用される放射線源に応じた、システムの物理的データである。
−センサ−電子機器システムのむだ時間Tdead。これは、msで与えられる実数である。どのように測定され、又は推定され得るのは既に説明した。
−スタックを補正するための、従って、反復的に実行された繰り返し回数Nit。例えば、この数は、例えば、データ処理システムのオペレータによって選択される。この数が事前に定義されないことは可能である。従って、本方法は、2つの連続する繰り返しの間で補正2つのスペクトラムを比較することにより、オペレータによって、又は、収束基準に従って、終了させられる。
出力において、本方法は、補正スタック・スペクトラムSpcor(Nit)、また、次元NC×1を有するベクトルを提供する。
本方法は、まず、(ステップS1)測定スペクトラムから補正スペクトラムの初期化を備える。例えば、Spcor(0) = Spmesである。言い換えれば、初期化の間、測定スペクトラムは補正スペクトラムで特定される。
一実施形態によれば、繰り返し回数はNit回行われる。
各繰り返しで、次のステップが実行される。
−平均スタッキング確率(関数f0)を計算し(ステップS2)、
−スタック・スペクトラム(関数f1)を推定し(ステップS3)、
−スタック(関数f2)の補正(ステップS4)を行い、補正スペクトラムSpcorを提供
する。
−平均スタッキング確率(関数f0)を計算し(ステップS2)、
−スタック・スペクトラム(関数f1)を推定し(ステップS3)、
−スタック(関数f2)の補正(ステップS4)を行い、補正スペクトラムSpcorを提供
する。
ステップS2は、ワンステップ計算(one-step calculation)を使用して、3つの入力パラメータ、Spcor(n-1)(上述した通り、n=1に対しては初期化されたベクトルである)、Tdead(実数)及びTexpo(実数)から、実数Pmeanを提供する。
又は、より正確には、
である。
事前に定義された時間偏差の関数δtijを使用して決定された、2つのパラメータであるSpcor(n-1)(ベクトル)及びスタッキング関数Pijから、ステップ3は、また1回のステップで実行される計算によって、出力Emp(ベクトルである)を提供することを可能にする。
ただし、
Spcor(n-1)はすでに上述され、δi,j(k)は事前に提供された関数である。そして、既に説明した方法の一つに応じて、好ましくは等式(1)に従って、計算され得る。
スタックの補正(ステップS4)は、実数PのベクトルSpmes(又は、1回の繰り返しよりも多い場合はSpcor(n-1))と、S3で定義されたベクトルEmpとから行われる。出力Spcor(n)をもたらす。計算は1回のステップで行われる。
従って、ステップS4は、測定スペクトラムからスタック・スペクトラムを減算することを可能にする。
ステップS4は、補正スペクトラムSpcorの平均スタッキング確率Pmeanにより決定されるファクタによる分割を含んでもよい。このファクタは1- Pmeanに等しい。このような分割が行われなかった場合、スペクトラムの形状は維持されるが、積分は補正されない。
Nit回の繰り返しが行われた場合、本方法は終了し、最後に得られたスペクトラムSpcor(Nit)が要求した補正スペクトラムであると考えられる。他方、処理は、最後に得られたスペクトラムSpcor(n-1)を開始点として使用して再実行される。
各繰り返しで、特に、前回の繰り返し(Pi,j(k)及びEmp(k)は測定スペクトラムの関数として計算され、補正スペクトラムとされる最初の繰り返しは除く。)の間に得られた補正スペクトラムの関数として、Pi,j(k)及びEmp(k)の計算が行われる。
数Nitが大きくなればなるほど、正確になる。得られた実験結果によれば、この数は1〜100の範囲であり、好ましくは2〜10の範囲である。
スタッキング関数を推定する処理は、2つの光子を有するスタックが3以上の光子を有するスタックと大部分比較するという仮説に基づく。
この仮説は、特に低流量に対して正当性がある(低スタッキング比率)。
入射光子に対して、一光子のみを有するスタッキング確率は、P2=P0×(1-P0)n×nと記載され得る。
スタッキング確率が
と記載され得ることを思い出そう。
光子センサに接続され、すなわち、2つの光子を測定するためにセンサ内で吸収される2つの光子を分離する最小時間間隔が62nsである、電子機器の処理を行うシステムの実施例を考える。
図6は、ピクセルごとで1秒ごとの光子の数で表された入射流量の関数として上記で定義されたP及びP2の変化を説明する。
2つの光子のスタッキング確率(カーブII)は、前記流量の小さな値に対して増加関数である。
スタッキング確率は、非常に有意な流量に関してゼロに近づく前に、5×107光子数/ピクセル/秒以上の最大値に到達する。しかしながら、スタッキング確率P(カーブI)は、流量の増加関数である。
大流量ゾーンでは、スタッキング確率は1に近づく傾向があり、スタックのグループは、2つの光子より多い光子を有するスタックである。
図7は、総スタッキング確率を超える、2つの光子を有するスタッキング確率の比率を示す。
このカーブは、仮説が、0〜5×105光子数/ピクセル/秒の範囲で3%内の正確さであることを示す。1×106光子数/ピクセル/秒の流量に対して7%内で忠実であり続けている。
2光子のスタッキング仮説が正しいという流量範囲は、システムのむだ時間が短くなると拡がるということがわかる。
図8A及び図8Bは、高感度の分光分析の、本発明のスタックを補正する方法の性能を説明する。
図8Aは、異なる光子の流量に対して測定スペクトラムを示す。
−カーブI:3.6×105光子数/秒/ピクセル;
−カーブII:7.2×105光子数/秒/ピクセル;
−カーブIII:1.4×106光子数/秒/ピクセル;
−カーブIV:2.0×106光子数/秒/ピクセル;
−カーブV:5.8×106光子数/秒/ピクセル。
−カーブI:3.6×105光子数/秒/ピクセル;
−カーブII:7.2×105光子数/秒/ピクセル;
−カーブIII:1.4×106光子数/秒/ピクセル;
−カーブIV:2.0×106光子数/秒/ピクセル;
−カーブV:5.8×106光子数/秒/ピクセル。
図8Bは、3回の繰り返しの補正後の同じスペクトラム(スペクトラムI’はスペクトラムIの補正スペクトラムである等)を示す。
これらの図は、約3×106光子数/秒/ピクセルまで良好な補正を示し、結果は許容できるが、約6×106光子数/秒/ピクセルの流量で得られる補正スペクトラムの劣化を示す。
完全な較正は比較的単純である。
X線発生器の異なる強度に対する一連の十分な流量測定を通じて行うことができる。
上述した本発明の特別な実施形態では、2光子スタッキング関数の決定がさらなる較正を要求しない。単にむだ時間の認識に基づくモデルに基づくことができる。
従って、本発明は、入力として、スペクトラムSpmesに対するデータと、Texpo及びTdeadに対するデータとだけを有する利点を持つ高速な補正方法を提案する。
従って、本発明は、データ処理を実行する手段に送信される情報量を減少することを可能にする。
好ましくは、測定スペクトラムは108光子数/ピクセル/秒未満の光子流量の下で獲得される。
Claims (27)
- 各チャネルiがEi〜Ei+ΔEiのエネルギー範囲に対応するチャネルの数Ncに応じて、X線放射の測定スペクトラム(Spmes)を補正する方法であって、
−スタッキングされることによりエネルギーE k が測定されるようなエネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を時間的に区分する時間偏差Δtを包含する窓の幅である関数δti,j(k)を決定し、
−前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーEi及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定し、
−前記確率関数Pi,j(k)から、測定スペクトラム(Spmes)のうち単独で前記スタックにのみ対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定し、
−前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算又は推定する方法。 - 請求項1記載の方法であって、
前記スタック・スペクトラムは、システムのデータである、前記測定スペクトラム(Spmes)と、システムによって前記X線放射から前記スペクトラムが生成または測定される測定時間(Texpo)と、2つの光子に対応する2つの相互作用を分離する最小継続時間であるむだ時間(Tdead)とから計算され、2つの光子を分離する最小継続時間未満で前記2つの光子のスタッキングが存在し、前記2つの光子の一方のみが検出されることを特徴とする方法。 - 請求項2記載の方法であって、
前記むだ時間(Tdead)は、シミュレーションによって、又は実験的に、決定されることを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)から、又は、n−1次の補正スペクトラルが存在しない場合は測定スペクトラムと前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって前記測定スペクトラムから、Nit(Nit≧1)個のn次の補正スペクトラム(Spcor(n))を計算することを含むことを特徴とする方法。 - 請求項4記載の方法であって、
Nit≧1でNit回繰り返される以下のステップを備えることを特徴とする方法:
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)、測定時間(Texpo)及び2つの光子に対応する2つの相互作用を分離する最小継続時間であるむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータとの関数として、平均スタッキング確率を計算するステップと、
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)及び測定時間(Texpo)のデータの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は前記測定スペクトラム及び測定時間(Texpo)のデータの関数として、スタック・スペクトラム(Emp)を推定するステップと、
前記測定スペクトラム(Spmes)と前記推定されたスタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって、補正スペクトラムを計算するステップ。 - 請求項5記載の方法であって、
前記平均スタッキング確率は次式を使用して計算されることを特徴とする方法。
- 請求項5又は6記載の方法であって、
Nitは1〜100の間であることを特徴する方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、
前記スタック・スペクトラムは次式を使用して計算されることを特徴とする方法。
- 請求項8記載の方法であって、
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、
δti,j(k)は、エネルギーE i 及びE j を有する2つのスタッキングされた相互作用の時間偏差と、スタッキングを規定するエネルギーとの関係を定義するスタッキング関数FEi,Ejの逆関数から決定されることを特徴とする方法。 - 請求項10記載の方法であって、
シミュレーションによって、又は実験的に、前記スタッキング関数FEi,Ej(Δt)を推定することを含むことを特徴とする方法。 - 請求項10又は11記載の方法であって、
前記スタッキング関数FEi,Ej(Δt)は前記エネルギーの減少アフィン関数によって推定されることを特徴とする方法。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であって、
δti,j(k)は定数であることを特徴とする方法。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法であって、
前記測定スペクトラムは、108光子数/ピクセル/秒未満の光子流量の下で得られることを特徴とする方法。 - 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法であって、
前記補正スペクトラムは少なくとも1つの他の光子と入射光子のスタッキング確率により決定されるファクタで分割されることを特徴とする方法。 - 各チャネルiがEi〜Ei+ΔEiのエネルギー範囲に対応するNc個のチャネルを備える、X線放射の測定スペクトラムを補正するデバイスであって、
スタッキングされることによりエネルギーE k が測定されるようなエネルギーEi及びEjを有する2つの相互作用を時間的に区分する時間偏差Δtを包含する窓の幅である関数δti,j(k)を決定する手段と、
前記関数δti,j(k)から、チャネルkで計数されたイベントがそれぞれエネルギーEi及びEjの2つの相互作用のスタックに対応する確率関数Pi,j(k)を決定する手段と、
測定スペクトラム(Spmes)のうち単独で前記スタックにのみ対応する部分であるスタック・スペクトラム(Emp)を決定する手段と、
前記測定スペクトラム(Spmes)と前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異を使用して、少なくとも第1の補正スペクトラム(Spcor)を計算する手段とを備えるデバイス。 - 請求項16記載のデバイスであって、
前記スタック・スペクトラムは、システムのデータである、前記測定スペクトラム(Spmes)と、システムによって前記X線放射から前記スペクトラムが生成または測定される測定時間(Texpo)と、2つの光子に対応するつの相互作用を分離する最小継続時間であるむだ時間(Tdead)とから計算され、2つの光子を分離する最小継続時間未満で前記2つの光子の一方のみが検出されることを特徴とするデバイス。 - 請求項17記載のデバイスであって、
前記むだ時間をシミュレーションによって決定する手段を含むことを特徴とするデバイス。 - 請求項16〜18のいずれか一項に記載のデバイスであって、
補正スペクトラムSpcor(n-1)から、又は、n−1次の補正スペクトラルが存在しない場合は前記測定スペクトラムと前記スタック・スペクトラム(Emp)との間の差異を使用して前記測定スペクトラムから、Nit(Nit≧1)個のn次の補正スペクトラム(Spcor(n))を計算することを含むことを特徴とするデバイス。 - 請求項19記載のデバイスであって、
Nit≧1でNit回繰り返される以下のステップを実行する手段を備えることを特徴とするデバイス:
n−1次の補正スペクトラムSpcor(n-1)、測定時間(Texpo)及び2つの光子に対応する2つの相互作用を分離する最小継続時間であるむだ時間(Tdead)のデータの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム、測定時間(Texpo)及びむだ時間(Tdead)のデータの関数として、平均スタッキング確率を計算するステップと、
n−1次の補正スペクトラム及び測定時間(Texpo)のデータの関数として、又は、n−1次の補正スペクトラムが存在しない場合は、前記測定スペクトラム及び測定時間(Texpo)のデータの関数として、スタック・スペクトラム(Emp)を推定するステップと、
前記測定スペクトラム(Spmes)と前記推定されたスタック・スペクトラム(Emp)との間の差異によって、補正スペクトラムを計算するステップ。 - 請求項20記載の方法であって、
前記平均スタッキング確率を、次式を使用して計算する手段を含むことを特徴とするデバイス。
- 請求項16〜21のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記スタック・スペクトラムを、次式を使用して計算する手段を含むことを特徴とするデバイス。
- 請求項22記載のデバイスであって、
P i,j (k)が次式であらわされることを特徴とするデバイス。
- 請求項16〜23のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記関数δti,j(k)は、前記2つの光子の到着した時刻の間隔Δtの関数として、エネルギー(E i , E j )の光子のペアと測定された前記エネルギーとを関連付けるスタッキング関数FEi,Ej(Δt)の逆関数から決定されることを特徴とするデバイス。
- 請求項24記載のデバイスであって、
前記スタッキング関数FEi,Ej(Δt)をシミュレーションによって推定する手段を含むことを特徴とするデバイス。 - 請求項24又は25記載のデバイスであって、
前記スタッキング関数FEi,Ej(Δt)は、前記エネルギーの減少アフィン関数によって推定されることを特徴とするデバイス。 - 放射線センサ(2)と、
前記放射線センサ由来の信号を処理し、前記放射線センサと相互作用した放射線のスペクトラムを生成する電子的手段(4,6,8,10)と、
請求項16〜26のいずれか1項記載の測定されたX線放射スペクトラムを補正するデバイスとを備える分光分析デバイス。
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