JP7023156B2 - 金属インジウムの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解槽、電解装置、電解方法、および金属インジウムに関する。
所望の金属を溶解した酸性の電解液に対し、一対のアノード電極板とカソード電極板を用いて当該金属の採取を行う電解法は、金属を高純度にて回収する方法として広く用いられている。当該電解法は、非鉄金属においても同様に広く用いられており、銅、亜鉛、銀、インジウム等においても電解採取法が採用されている。
ところが、電極板上に樹枝状に析出した電着物(以降、デンドライトと称する。)が成長し、電気ショートを起こすことにより、電解槽全体の通電状態が不安定になり、電力コストならびに得られる電解金属の品質へも影響を及ぼす場合がある。
この対策としては、通電の電力状態を変更し、デンドライトの成長を抑制する方法があるが、供給電気量を減じることになり、時間当たりの生産性を落としてしまう。そこで、他の対策として、電解液の液性を対処的に調整するため、各種添加剤等を添加することが検討されていた。
特許文献1においては、金属インジウムの電解析出の際に、デンドライトにより、電極間を電気ショートさせるという現象が課題として記載されている([0004])。この課題を解決すべく、電解液中の塩素イオン濃度を調整することが特許文献1に記載されている。
特許文献2においては、デンドライトにより、電極間を電気ショートさせるという現象が課題として記載されている([0006])。この課題を解決すべく、電解液の吐出条件を調整することが特許文献2に記載されている。
特開2001-240992号公報 特開2016-33242号公報
電解法においては、デンドライトの発生を抑制することで、通電状態の安定を図り、生産にかかる電力コスト、製品の品質の安定を図ることが重要である。しかしながら、従来技術に係る、電力状態の変更は生産性の劣化につながり、電解液の液性の調整は添加剤のコスト増につながるため、忌避されている。
ここで本発明者らは、従前の通電状態ならびに液性を用いながら、デンドライトの発生および成長を抑制できれば、生産性を担保し、コスト増も回避されることに想到した。そして、これを実現する電解槽、電解装置、電解方法、さらに金属インジウムが求められることに想到した。
本発明の目的は、デンドライトの成長を抑制する電解槽、電解装置、電解方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、排液部が上方に配置され、且つ、給液部が下方に配置される電解槽本体と、
前記排液部と前記給液部との間を上下に仕切るように前記電解槽本体内の底部より上方に配置された仕切り部材と、
を備え、
前記仕切り部材の少なくとも一部として設けられた平面液供給部に対して前記給液部から給液された電解液を通過させることにより電解液を平面的に上方へと供給可能な、電解槽である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記平面液供給部は複数の貫通孔を有する。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
前記平面液供給部において前記複数の貫通孔の総面積が占める面積割合は30~90面積%である。
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記仕切り部材は平板である。
本発明の第5の態様は、
第1~第4のいずれかの態様に記載の電解槽と、
前記仕切り部材の上方に配置された平板状のカソードおよび平板状のアノードからなる一対電極と、
を備え、
少なくとも一つの各電極平面が互いに略平行となる状態で前記一対電極を鉛直に配置し、
前記カソードの直下および直下の近傍の少なくともいずれかに前記平面液供給部が配置された、電解装置である。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載の発明において、前記一対電極を複数備え、
少なくとも一つの前記一対電極の直下および直下の近傍の少なくともいずれかに前記平面液供給部が配置される。
本発明の第7の態様は、電解法により金属を析出させる方法において、
1つの電解槽内における電解液の液圧分布を、上下の2以上の領域に分ける、電解方法である。
本発明の第8の態様は、電解析出後のカソード上の金属インジウムであって、
前記金属インジウム中のデンドライトの割合が3重量%以下である、金属インジウムである。
本発明の第9の態様は、排液部が上方に配置され、且つ、給液部が下方に配置される電解槽本体と、
前記排液部と前記給液部との間を上下に仕切るように前記電解槽本体内の底部より上方に配置され、且つ、下方から上方に通液可能な仕切り部材と、
を備えた、電解槽である。
本発明によれば、作業中の負担を軽減しつつデンドライトの成長を抑制する電解槽、電解装置、電解方法を提供できる。
また、本発明によれば、酸化が比較的抑制された金属インジウムを提供できる。
(a)は本実施形態における電解装置の断面概略図であり、(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。 (a)は変形例(その1)における電解装置の断面概略図であり、(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。 (a)は変形例(その2)における電解装置の断面概略図であり、(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。 (a)は変形例(その3)における電解装置の断面概略図であり、(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。 各実施例にて得られた金属インジウムの拡大写真であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は実施例4の結果を示す写真である。 (a)は各比較例における電解装置の断面概略図であり、(b)は(a)に対して仕切り板A’を設けることにより給液部を下方に配置した様子を示す図である。 各比較例にて得られた金属インジウムの拡大写真であり、(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)は比較例3、(d)は比較例4、(e)は比較例5の結果を示す写真である。
本実施形態においては以下の順番で説明を行う。
1.電解装置
2.電解方法(金属インジウムの回収方法、製造方法)
3.金属インジウム
4.他の態様
なお、本明細書における「~」は所定の数値以上かつ所定の数値以下を指す。また、天地の天の方向を上方、天地の地の方向を下方と称する。
<1.電解装置>
本発明の実施の形態の例示として、図1に電解槽を示す。本発明はこの形態に限るものではない。図1(a)は本実施形態における電解装置10の断面概略図であり、図1(b)は本実施形態における電解装置10の部分的な平面概略図である。
説明の便宜上、符号は初出のもののみに付し、以降は場合により省略する。
本実施形態においては以下の構成を有する電解槽を使用し、インジウムを電析する。
電解槽本体2は、電解液の液面調整および液循環のための排液部4が上方に配置され、給液部5が下方に配置されている。
平板状の電極7,8は電解液に浸漬するように電解槽内に鉛直に配置され、さらに各電極平面が略平行になるように配置される。略平行とは、±10°のずれは許容されることを示す。この電極7,8の下端より下方に仕切り部材(板)3が配置される。
仕切り板は、排液部と前記給液部との間を上下に仕切るように前記電解槽本体内の底部より上方に配置される。そして、仕切り板は、電解槽内の電解液層を複数領域に仕切る。
仕切り板には平面液供給部3aが設けられる。一例としては、平面液供給部は複数の開口(例えば貫通孔31)を有する。平面液供給部に対して前記給液部から給液された電解液を通過させることにより、電解液は平面的に上方へと供給される。上方への供給とは、電解液の流れを上方向へ規制して供給することである。
仕切り板は平面液供給部を介して通液可能である。すなわち、給液部5より給液された電解液が、仕切り板の下側から上側へ通液される。電解液はポンプ62により循環されている。また、図示しないが、電解槽は、電解のための定電流電源、排ガス処理等の環境装置を備えている。
前記仕切り板により仕切られた上側の電解液を貯留できる領域を“電解室ER”と称する。この電解室ERには後述の平板状のカソード7(前記電極7)および平板状のアノード8(前記電極8)(まとめて“一対電極”“電極”または“電極板”とも称する。)が複数配置される。一対電極へ通電することにより、カソードに対して金属インジウムを電着させる電解析出が行われる。なお、電解室ERにおける電解液の上方すなわち電解槽の上方は大気に開放されている。その一方、前記仕切り板により仕切られた下側の電解液を貯留できる領域を“混合室MR”と称する。
前記排液部は、電解液が、電解槽本体内における液面高さ調整および/または電解液循環のために排出される部分である。
前記給液部は、電解液が、電解槽本体内に給液される部分である。一例として、前記給液部は、混合室へ給液するため、混合室における側面下方に配置すると良い。
本実施形態において、排液部を電解槽本体の上方に配置しつつ給液部を電解槽本体の下方に配置し、且つ、電解槽内における電解液層を上下の領域に(所望により、3以上の領域でも良い。)仕切るに至った知見について、以下、詳述する。
本発明によりデンドライトの発生および成長が抑制できる理由の詳細は、明らかではない。尤も、デンドライトの発生および成長は、電極表面における電極板の凹凸等に起因する電流密度ムラ、電解液の液性のムラに起因する金属濃度ムラ、液粘性に起因する流動ムラ等、の多様な要因が従来から挙げられている。当該状況の下、従来は、電解槽内における電解液の流速を早め、液性ムラからの要因を排除しようとする方法があった。しかしながら、当該方法では、デンドライトの発生抑制を解決し得ない場合もあった。
本発明者らは、新たな対策として、電解槽における電極板下端より、さらに下方の電解液の存在領域において、電解液の挙動を制御することが有効であるとの知見を得た。
上記の知見を得、本発明者が鋭意検討を行った結果、電解液の給液部を、貫通孔が設けられた仕切り板によって、電解液の連通状態を維持しつつもカソードが存在する領域(電解室)から隔離することで、種々の課題を解消するという手法に想到した。
給液部が配置された領域は仕切り部材にて仕切られている。電解液が給液部から流入することに伴い、給液部が配置された領域内で流れ(例えば対流)が生じる。この対流により、当該領域内にて電解液は混合される。その結果、インジウムイオンがこの限られた領域内にて拡散され、インジウム濃度等が混合され液性が均一化されると推測される。そのため、電解室から隔離されたこの領域を、本明細書では混合室と称している。
混合室内には循環により電解液が流入する一方、混合室は仕切り部材により仕切られている。そのため、混合室内の液圧(槽圧)は、電解室の液圧よりも高い状態となっている。これに対し、電解室の上方は開放されており大気雰囲気である。尤も、電解室においては、排ガス処理装置等により雰囲気は吸引されているが、ほぼ大気圧である。
従って、混合室の液圧(槽圧)は、高圧の必要なく、電解室の液量による圧力(槽圧)より高ければ良い程度である。
そして、仕切り板における平面液供給部は、電解液が循環するために通液可能とする。例えば、平面液供給部は仕切り板の少なくとも一部を構成する平板であり、且つ、複数の貫通孔を有する。他、平面液供給部としては、引っ張ったときに平面状となる隔膜などのような通液可能な材料を用いても良い。すると、インジウム濃度が均一化された電解液が、液圧差により貫通孔等から電解室ERに流出する。
この結果、1つの電解槽内における電解液において、電解液の液圧(層圧)分布の制御が可能となる。具体的には、液圧分布を上下の2以上の領域に分けることが可能となる。
また、後述の実施例が示すように、前記電解槽にて金属インジウムの電解析出を行った場合、カソードに電着する金属インジウムにはデンドライトがほとんど成長しない。そのため、電着物である金属インジウムの表面積が増加せず、電着物の酸化は促されない。その結果、電着物の金属の品位を高く維持できる。
本実施形態をさらに具体的に説明する。
本実施形態においては、電解槽本体の内部を、仕切り部材によって上下2つの領域に仕切っている。仕切り部材の素材および形状は、金属インジウムの電解析出が可能なものであれば、特に限定は無い。一例としては、板状の樹脂が挙げられる。そのため、本実施形態では仕切り部材のことを仕切り板と称することが多い。本実施形態の仕切り板は電解槽内にて略水平に配置されている。ただ、略水平の状態から斜めにずらして配置しても構わない。
平面液供給部は、仕切り板における通液部分である。仕切り板全体に貫通孔が形成されている場合は仕切り板全体が平面液供給部となる。仕切り板の一部に貫通孔が形成されている場合は、貫通孔が形成されている部分が平面液供給部となる。貫通孔の代わりに透液性のある隔膜を設けた場合も同様である。貫通孔を設ける場合、平面液供給部は“平面液供給部において前記複数の貫通孔の総面積が占める面積割合が30~90面積%となる領域”と定義してもよい。
複数の貫通孔の具体的な数、形状、位置については、電解室内部の液圧よりも混合室内部の液圧が高くなるのならば、特に限定は無い。
その一方、貫通孔の数が多い方が、電解液を各貫通孔から分散して電解室に流入させられる。その場合、電解室に流入する電解液に流れに伴うカソード(電極板)の揺れを抑えることができ、電極板間の接触に伴う電気ショートの発生を抑制することができる。
貫通孔の形状については特に限定は無い。一例としては、平面視で円形としてもよいし、楕円にしてもよいし、それ以外の形状であってもよい。
また、貫通孔の直径についても、電解室内部の液圧よりも混合室内部の液圧を高くする関係上、基本的には小さい方が好ましい。
電解槽本体のスケールにもよるが、一例を挙げると、平面液供給部における前記複数の貫通孔の数は10以上(好適には50以上、更に好適には100以上)とし、貫通孔の径は0.1~10mmとしてもよい。
貫通孔の位置に関してであるが、仕切り板の全面に分散配置してもよい。この場合、仕切り板全体が平面液供給部である。この分散配置は、例えば整列配置でもよいし、ランダム配置でもよい。分散配置の際、例えば貫通孔の数が0.3~1.0個/cmとなるように配置してもよい。また、仕切り板にて貫通孔が設けられている面を主面としたとき、主面において貫通孔の総面積が占める面積割合を30~90面積%としてもよい。
その一方、仕切り板の一部に貫通孔を設ける場合、すなわち仕切り板の一部に平面液供給部を設ける場合、平面板供給部における貫通孔の分散配置も、整列配置でもよいし、ランダム配置でもよい。分散配置の際、例えば平面板供給部において貫通孔の数が0.3~1.0個/cmとなるように配置してもよい。
前記給液部は、電解槽本体内の底に沿わせつつ上方に開口を有するノズルであっても構わないが、電解槽本体の側面に設けられる孔が好ましい。この場合、貫通孔の形成方向が鉛直方向なのに対し、給液部からの電解液の給液方向は水平方向となる。その結果、給液部からの電解液が均一化される前に貫通孔から流出する機会を低減でき、十分な対流拡散の効果を得ることができる。つまり、貫通孔の形成方向と給液部からの電解液の給液方向とを相違させるのが好ましい。
なお、本実施形態においては以下の例を挙げる。排液部から前記吸引ポンプにより吸引された電解液は、排液部ジョイント41により排液部に対して接続された配管を通る。そして、給液部ジョイント51により配管と接続された給液部から再び電解槽本体内に注入される。もちろん、給液部から給液される電解液は循環を経た液でなく新品の液であってもよい。
カソードおよびアノード(まとめて一対電極、電極、電極板)は、前記電解室に配置される。先に述べたように、仕切り板の上方に配置される。そして、前記一対電極は鉛直に配置され、且つ、各電極平面が略平行になるように配置される。前記平面液供給部が水平に配置される場合は、前記一対電極は前記平面液供給部に対して鉛直に配置される。電極板の素材、形状等は、金属の電解法に用いられる公知のものを使用して差し支えない。
仕切り板により電解槽内に底部より上方に平面部が形成され、この平面部から電解液が供給される。
従来だと、パイプを用いて居所的に電解槽の底から電解液を吹き上げる方式が採用されている。
その一方、本実施形態では、仕切り板の平面液供給部によって、電解室の下面から上面(すなわち平面液供給部の上面から電解液層の液面)へ平面的に液を上昇供給する。更に、電極が板状であり、平面液供給部に対して電極が鉛直に配置され、且つ、カソードおよびアノードが水平方向に並んで配置されている。そのため、電解液に整流効果も生じ、全体的な上昇流れ、濃度ムラ等が抑制される。このことが、デンドライトの発生抑制に寄与していると推察される。
本実施形態においては、少なくとも一つの前記カソードの直下および直下の近傍の少なくともいずれかに前記平面液供給部が配置されるのが好ましい。カソードの直下または直下の近傍のみに貫通孔を配置した例を図2に示す。
図2(a)は変形例(その1)における電解装置の断面概略図であり、図2(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。
カソードの直下とはその名の通り鉛直方向のことを指す。カソードの直下の近傍とは、一例としては、カソードの直下の周囲10mmの範囲内に、仕切り板における平面液供給部の貫通孔が存在すればよい。例えばその範囲内の貫通孔の数は10以上としてもよい。
また、少なくとも一つの前記一対電極の直下および直下の近傍の少なくともいずれかに前記平面液供給部が配置されるのがより好ましい。一対電極の直下または直下の近傍のみに貫通孔を配置した例を図3に示す。
図3(a)は変形例(その2)における電解装置の断面概略図であり、図3(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。
以上の配置により、平板状のカソードの全面に(更なる好適例だと一対電極の全面に)、貫通孔から電解室内に噴出する電解液であってインジウム濃度が均一化された電解液を供給することができる。これによりデンドライトの成長は抑制される。
本発明者らが確認したところ、平板状のカソードを垂直に配置した際の細長い底面の直下の仕切り板の部分のみに複数の貫通孔が存在する場合においても本発明の効果が奏される。その場合、複数の貫通孔を繋げて一つの貫通孔としてもよい。カソードの細長い底面の直下であっても、細長い面には変わりないことから、この部分を平面液供給部と呼んで差し支えない。
なお、本実施形態において主に貫通孔を例示しているのは、仕切り板が圧力差により変形しない強度の材質を使用したためであり、変形が小さければ透液性のある隔膜でも良い。また、仕切り部材を板状にするのではなく隔膜としてもよく、平面液供給部のみを透液性のある隔膜としてもよい。
その他、金属インジウムの電解析出に用いられる公知の構成を、本実施形態の電解装置に採用しても構わない。
<2.電解方法(金属インジウムの回収方法、製造方法)>
本実施形態の電解装置を使用して電解法により金属を析出させる方法において、1つの電解槽内における電解液の液圧分布を、上下の2以上の領域に分ける電解方法にも、本発明の技術的思想が反映されている。
なお、電解装置は大気開放であり、排ガス等は適切に処理を行う。
また、本実施形態の電解装置を使用して電解液中のインジウムイオンを前記カソード上に電解析出させる電解析出工程と、金属インジウムを前記カソード上から回収する回収工程と、を有する、金属インジウムの回収方法(製造方法)にも、本発明の技術的思想が反映されている。
本方法を適用して回収工程を行う場合、電着物である金属インジウムのカソードからの剥離性を向上させるべく平滑剤として膠を添加してもよい。その際の膠の添加量は、電解液に対して10~100mg/Lとすることが望ましい。
本発明においては、膠が無い場合でもデンドライトの成長を抑制することが可能となっており、膠以外の添加剤の利用も可能である。
電解液の流れは、供給口による電解液の供給量(L/hr)によって制御できる。供給量は、主に電解室ERでの電解液の滞留時間を目安とする。電解室ERにおける電解液量によって滞留時間の設定を行うが、電解液量が多いほど、滞留時間は長くなる。電解液における前記電解槽内の滞留時間を3~30分とするのが望ましい。滞留時間は、従来の滞留時間より長くても構わない。これは、滞留時間が、電解槽内における液の流速にあまり影響されないためである。そして、滞留時間が極端に短くなければ、流速が高まり過ぎず、電極板の搖動など、他の障害の原因とならないので好ましい。
電流効率は、電解液の液性を調整することで改善可能である。電解液の液性としては、例えばインジウム濃度、pH、液温等が挙げられる。添加剤の追加添加を伴わない方法としては、インジウムの濃度を15~60g/Lとするのが望ましい。塩酸浴の電解液を使用する場合は、酸濃度をpH0.5~1とするのが望ましい。この範囲だと、インジウムの再溶解を抑制でき、電解槽内の電圧を適度に抑えて電流効率を良好に維持できる。また、電解析出工程中の電解液の温度は、10~30℃が望ましい。
本発明においては、従前からの製造条件の大幅な変更を伴わず、生産性が高い条件を流用してのインジウムの電解が可能である。例えば、適正な電流密度として170~280A/cmと設定するのが望ましい。
<3.金属インジウム>
電解析出後のカソード上の金属インジウム(カソードインジウムともいう。)であって、デンドライトの割合が3重量%以下である当該金属インジウムにも、本発明の技術的思想が反映されている。本実施形態の金属インジウムは、デンドライトが全く乃至ほとんど発生していないし、成長もしていない。
<4.他の態様>
例えば、本実施形態においては金属インジウムを製造する場合について例示したが、それ以外の金属であっても、デンドライトが生じ得るものであれば、本発明の技術的思想を適用可能である。
また、1つの電解槽内における電解液において、電解液の液圧(槽圧)の分布の制御を可能としたが、2つ以上の複数の液圧分布としても構わないと思われる。例えば、実施形態においては電解槽本体の内部を上下二つに仕切る場合について例示したが、上下に三つ以上に仕切っても構わない。その場合、略水平に配置された仕切り板を上下に並べて複数配置することになる。この複数の仕切り板には、本実施形態にて述べた貫通孔が設けられる。
また、図4に示すように、電解槽本体の内部を完全に上下二つに仕切るのではなく、電解槽本体の内部の下側の一部を残して複数の領域に仕切っても構わない。
図4(a)は変形例(その3)における電解装置の断面概略図であり、図4(b)は本実施形態における電解装置の部分的な平面概略図である。
図4に示す構成を採用する場合、仕切り板に設けられた貫通孔の直上および直上の近傍の少なくともいずれかに前記カソードが配置される程度には、仕切り板が、電解槽本体の底部と同等の面積を有するのが好ましい。図4に示す仕切り板だと給液部に対向する部分にも貫通孔を設けている。貫通孔の形成方向と給液部からの電解液の給液方向とを相違させるべく、当該部分の貫通孔の位置を調整して配置してもよい。
また、複数の仕切り板により、別々の領域において、液性の調整、温度調整などを行うことも考えられる。
本実施形態では同じ電解室に電極と排液部とが配置されたが、三つ以上に仕切る場合、電極と排液部とを別々の領域に配置されるようにしても構わない。ただ、特段の理由が無ければ両者は同じ領域(電解室)に配置する。
結局のところ、給液部が配置された領域すなわち混合室を、電極板が配置された領域すなわち電解室から、電解液の連通状態を維持しつつ隔離可能ならば、仕切り部材はじめその他の構成においては特に限定は無い。また、仕切り部材に設けられた平面液供給部に対して給液部から給液された電解液を通過させることにより電解液を平面的に上方へと供給可能であれば、仕切り部材はじめその他の構成においては特に限定は無い。例えば仕切り部材の全体が板状ではなくてもよく、少なくとも平面液供給部が板状または変形の少ない隔膜であってもよい。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
縦400mm×横130mm×高さ190mmの直方体の樹脂製の電解槽本体を使用した。電解槽本体の最上部(液面の高さ)近傍の側面に孔(排液部)が備わっている。給液部は、電解槽本体の底面から25mmの部分に径の中心が配置されるように、電解槽本体の側面に孔として備わっている。排液部と給液部との間には配管と液送ポンプとが備わっている。
仕切り板としては、直径1mmの貫通孔を一面にランダム配置で240個備えた樹脂板を使用した。そして、電解槽本体の底面から70mmの高さに仕切り板を配置した。これにより、電解槽本体内を二つの領域に仕切った。電解槽本体内において、給液部が配置された下側を混合室とし、排液部が配置された上側を電解室とした。
前記の電解槽を使用して試験を行った。本実施例では、排液部からオーバーフローした電解液をポンプ圧で電解槽下部の混合室に給液した。そして、混合室と電解室との液圧差を利用して仕切り板の貫通孔から電解液を上方に通液させた。このように電解液を循環させながら電解析出工程を行った。
電解液は、塩酸酸性pH0.5、インジウム濃度約20g/Lに調整したものを使用した。なお、平滑剤として膠は添加せず、0mg/Lである。電極は、板状のチタン電極(カソード)と、チタン基体電極(DSA:登録商標)(アノード)とを用いた。
また、電解槽本体内の電解液の液量7Lに対して滞留時間が4分となるようにポンプ圧を設定した。
本実施例においては電流密度284A/mで16時間電解処理を行った。これにより得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が0gであった。なお、各実施例および各比較例におけるデンドライトの発生量の測定は、目視にて樹枝状部分を刮げとり、その重量を測定することにより行った。なお、回収できた金属インジウムは63.87gであった。電流効率は55.9%であった。
各実施例における各試験条件および結果については以下の表1にまとめた。
Figure 0007023156000001
図5は、各実施例にて得られた金属インジウムの拡大写真であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は実施例4の結果を示す写真である。
図5(a)に示すように、デンドライトの存在は目視で確認できなかった。
以上の結果、本実施例においては、デンドライドの成長を抑制することができた。
膠などの添加剤がなくてもデンドライトの成長が抑制できた。
<実施例2>
実施例2では滞留時間を実施例1と同様としつつ、電流密度を170mA/mとした。また、電解液に対し、平滑剤として膠を15mg/Lとなるように加えて電解処理を行った。それ以外は実施例1と同様の処理を行った。
膠を添加したのは、通常の操業においては膠を添加することが多いので、これを添加した従前の液性においても、本発明が実施可能であることを確認するためである。
上記の各条件にて電解析出工程を行ったところ、仕切り板から上方に噴出した電解液により、電解液中の膠滓が液面まで巻き上げられた様子が目視で確認できた。つまり、電極全体に液の流れが接触していることが目視で確認できた。この様子は、以降の実施例2、3においても同様に確認できた。
本実施例にて得られた金属インジウム(カソードインジウム)においては、実施例1と同様、デンドライドの発生量は0gであった。そして、実施例1での電流効率が55.9%であったのに対し、実施例2での電流効率は77.8%であった。また、カソードからの金属インジウムの剥離性も、実施例1に比べて向上した。回収できた金属インジウムは53.32gであった。また、図5(b)に示すように、デンドライトの存在は目視で確認できなかった。
<実施例3>
実施例3では、電解液に対し、平滑剤として膠を15mg/Lとなるように加え、且つ、滞留時間を12分としたことを除けば、実施例1と同様の処理を行った。
本実施例にて得られた金属インジウムにおいては、実施例1と同様、デンドライドの発生量は0gであった。そして、回収できた金属インジウムは59.68gであり、電流効率は52.2%であった。また、図5(c)に示すように、デンドライトの存在は目視で確認できなかった。
<実施例4>
実施例4では、電解液に対し、平滑剤として膠を15mg/Lとなるように加え、且つ、電解処理時間を18.5時間とし、且つ、仕切り板の貫通孔のうちカソードの直下または直上の近傍以外の貫通孔を全て塞いだことを除けば、実施例1と同様の処理を行った。
本実施例にて得られた金属インジウムにおいては、実施例1と同様、デンドライドの発生量は0gであった。そして、回収できた金属インジウムは83.11gであり、電流効率は62.9%であった。また、図5(d)に示すように、デンドライトの存在は目視で確認できなかった。
実施例3、4のいずれの場合でもデンドライドの発生はなかったことから、下面すなわち仕切り板から通液した液がカソード板に接触することが重要であると考えられる。また、貫通孔を二次元的に配置した仕切り板を用いる場合、給液部からの電解液の流量が低くても、効率良く電極主面近傍に対流を生み出すことが可能であると考えられる。
<比較例1>
図6(a)は各比較例における電解装置の断面概略図であり、図6(b)は図6(a)に対して仕切り板A’を設けることにより給液部を下方に配置した様子を示す図である。以下、図6の概要について説明する。なお、本比較例にて用いられる電解装置の各構成の符号は、本実施形態および実施例の電解装置において対応する各構成の符号の末尾にゼロを付したものである。
縦220mm×横65mm×高さ115mmの直方体の樹脂製の電解槽本体20を使用した。なお、電解液の給液位置および排液位置を任意に変更すべく、横65mm×高さ95mmの仕切り板Aと、横65mm×高さ90mmの仕切り板Bとを使用した。これらの仕切り板は、本実施形態の貫通孔を備えた仕切り板とは異なる。
電解液の循環手法は以下のようにして行った。
直方体の電解槽本体内の長手方向の一端の上部ともう一端の上部とを繋ぐ配管と、その配管の途中に配設されたポンプ520とを用意した。そして、配管の両開口が配置された各々の部分よりも長手方向の中央寄りに、電解槽本体の底部と接触するように仕切り板A、Bを各々の部分に一枚ずつ、長手方向に対して垂直に差し込んだ。詳しく言うと、排液部側に仕切り板Aを差し込み、給液部側に仕切り板Bを差し込んだ。この状態で給液部から電解液が給液されると、液面が仕切り板Aを超え、電極が配置された領域に電解液が流入する。そして、液面が仕切り板Bを超え、一定量の電解液が給液されると、配管の開口である排液部から電解液が排液される。
上記の場合は、電解液は仕切り板Aの上部から流入し、電解液が流出するのが仕切り板Bの上部である。この状態を、上部に給液部、上部に排液部が配置された状態とみなしている。
ちなみに、別に用意した仕切り板A’を、先に差し込んでおいた仕切り板Aと電極との間であって長手方向で仕切り板Aから中央寄りに5mmの位置に、電解槽本体の底から10mm隙間を設けて挿入することにより、電解液は仕切り板Bの下部から流入することになる。この状態を、下部に給液部、上部に排液部が配置された状態とみなしている。
電解液は、塩酸酸性pH0.5、インジウム濃度約50g/Lに調整したものを使用した。電極は、板状のチタン電極(カソード70)と、メッシュ状のチタン基体電極(DSA:登録商標)(アノード80)とを用いた。
また、電解液に対し、平滑剤として膠を100mg/Lとなるように加えて電解処理を行った。膠の添加量を増量し、デンドライトの成長抑制効果を調査するためである。
また、電解槽本体内の電解液の液量7Lに対して滞留時間が28分となるようにポンプ圧を設定した。
また、本比較例においては電流密度172A/mで22時間電解処理を行った。これにより得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が2.6gであった。デンドライト以外の電着物、すなわちカソードの主面に付着した金属インジウムは30.4gであった。デンドライトを含めた電着物全体すなわち金属インジウム全体におけるデンドライトが占める重量割合は7.9重量%であった。各比較例におけるデンドライトの重量割合はこの手法にて求めている。
各比較例における各試験条件および結果については以下の表2にまとめた。
Figure 0007023156000002
図7は、各比較例にて得られた金属インジウムの拡大写真であり、(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)は比較例3、(d)は比較例4、(e)は比較例5の結果を示す写真である。
図7(a)に示すように、デンドライトの存在は目視で容易に確認された。
以上の結果、本比較例においては、デンドライドの成長を抑制することができなかった。
<比較例2>
比較例2では、電流密度を210mA/mとし、電解処理時間を18時間としたことを除けば、比較例1と同様の処理を行った。
本比較例にて得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が5.5gであった。カソードの主面に付着した金属インジウムは30.7gであり、デンドライトが占める重量割合は15.2重量%であった。また、図7(b)に示すように、デンドライトの存在は目視で容易に確認された。本比較例においても、デンドライドの成長を抑制することができなかった。
<比較例3>
比較例3では、前記仕切り板Bを挿入して給液部が下部に存在したことを除けば、比較例1と同様の処理を行った。
本比較例にて得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が2.7gであった。カソードの主面に付着した金属インジウムは27.8gであり、デンドライトが占める重量割合は8.9重量%であった。また、図7(c)に示すように、デンドライトの存在は目視で容易に確認された。本比較例においても、デンドライドの成長を抑制することができなかった。
<比較例4>
比較例4では、滞留時間を3分としたことを除けば、比較例1と同様の処理を行った。
本比較例にて得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が2.5gであった。カソードの主面に付着した金属インジウムは36.3gであり、デンドライトが占める重量割合は6.4重量%であった。また、図7(d)に示すように、デンドライトの存在は目視で容易に確認された。本比較例においても、デンドライドの成長を抑制することができなかった。
<比較例5>
比較例5では、前記仕切り板Bを挿入して給液部が下部に存在し、且つ、滞留時間を3分としたことを除けば、比較例1と同様の処理を行った。
本比較例にて得られた金属インジウムにおいては、デンドライトの発生量が3.2gであった。カソードの主面に付着した金属インジウムは38.2gであり、デンドライトが占める重量割合は7.7重量%であった。また、図7(e)に示すように、デンドライトの存在は目視で容易に確認された。本比較例においても、デンドライドの成長を抑制することができなかった。
<考察>
比較例1、2、4では給液の位置を液面近傍である電解槽本体の上部としたうえで、電解液を循環させた。そして、電流密度と滞留時間を変化させて、電着物の内のデンドライドの割合がどのように異なるかを検討した。
比較例1、2では滞留時間を28分に設定し、且つ、電流密度を比較例1では172A/m、比較例2では210A/mとしたところ、デンドライド割合は、比較例1で7.9%、比較例2で15.2%となった。つまり、電流密度が高い方がデンドライド成長しやすいことが分かる。
なお、各比較例で得られた金属インジウムを観察したところ、デンドライトの発生している箇所はカソード電極の下面に集中している。各比較例で使用した電解槽本体の底部と電極板との距離は比較的大きい。そのため、インジウムイオンが電着に使用されにくく、インジウム濃度が電解液の上部に比べて高くなっていると考えられる。その結果、デンドライドが成長しやすい状況が生まれていると考えられる。
各実施例の方法では、混合室と電解室との液圧差により、貫通孔から電解液が吹き上げられるため同じ滞留時間でも流速が大きくなり、部分的な対流の斑も低減できるためにデンドライドを抑制することができると推察される。
その一方、各比較例の方法では、滞留時間を短くしても、上記液圧差を利用する場合に比べ、電解液の流速が低くなると推察される。そのため、インジウムの電着速度に対し、電解液の供給速度が小さくなる、すなわち電解液の供給が間に合わなくなると推察される。その結果、カソード主面近傍においてインジウムイオンが枯渇しやすい状況となっているものと考えられる。また、各比較例の方法では、液の流れに斑が生まれやすいために、インジウム濃度分布が生じてしまい、部分的にインジウムイオンが枯渇する状況が生じるものと考えられる。
比較例1から5では、滞留時間によらずデンドライトの比率が3%以下とはならなかったが、実施例1と2のように本発明の電解槽を使用することでデンドライト比率が3%以下のインジウムを作製することができた。
1…電解槽
2…電解槽本体
3…仕切り部材(板)
3a…平面液供給部
31…貫通孔
4…排液部
41…排液部ジョイント
5…給液部
51…給液部ジョイント
61…配管
62…ポンプ
7…カソード(電極)
8…アノード(電極)
10…電解装置
ER…電解室
MR…混合室
A、A’、B…仕切り板

Claims (8)

  1. 平板状のカソードを使用した電解法により、電解液から該平板状のカソード上に金属インジウムを析出させて電着させ、該金属インジウムを該平板状のカソードから剥離して回収する方法において、
    1つの電解槽内における電解液の液圧分布を、上下の2以上の領域に分ける、金属インジウムの回収方法。
  2. 前記電解槽は、
    排液部が上方に配置され、且つ、給液部が下方且つ電解槽本体の側面孔として配置される電解槽本体と、
    前記排液部と前記給液部との間を上下に仕切るように前記電解槽本体内の底部より上方に配置された仕切り部材と、
    を備え、
    前記仕切り部材の少なくとも一部として設けられた平面液供給部に対して前記給液部から給液された電解液を通過させることにより電解液を平面的に上方へと供給可能であり、
    前記平面液供給部は複数の貫通孔を有する、請求項1に記載の金属インジウムの回収方法
  3. 前記平面液供給部において前記複数の貫通孔の総面積が占める面積割合は30~90面積%である、請求項2に記載の金属インジウムの回収方法
  4. 前記仕切り部材は平板である、請求項2または3に記載の金属インジウムの回収方法
  5. 前記電解槽と、
    前記仕切り部材の上方に配置された平板状のカソードおよび平板状のアノードからなる一対電極と、
    備え、
    各電極平面が互いに略平行となる状態で前記一対電極を鉛直に配置し、
    少なくとも一つの前記カソードの直下および直下の近傍の少なくともいずれかに前記貫通孔が配置された電解装置を用いて前記電着を行う、請求項2~4のいずれかに記載の金属インジウムの回収方法
  6. 前記一対電極を複数備え、
    少なくとも一つの前記一対電極の直下に前記貫通孔が配置された電解装置を用いて前記電着を行う、請求項5に記載の金属インジウムの回収方法
  7. 前記一対電極は、前記仕切り部材に対して非接触である、請求項5または6に記載の金属インジウムの回収方法。
  8. 前記電解液には膠が添加されている、請求項1~7のいずれかに記載の金属インジウムの回収方法。
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