JP7023071B2 - 肘掛け装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、可動式の肘掛け装置に関するものである。
肘掛け装置には肘当てが固定されたタイプと可動式のタイプとがあり、可動式の肘掛け装置では、肘当てが前後スライドするするタイプ、肘当てが前後動に加えて水平旋回するタイプ、肘当てが前後スライドに加えて左右スライドするタイプ、肘当てが前後スライドに加えて水平旋回及び左右スライドするタイプなどがある。また、可動式の肘掛け装置では、一般に肘当ては高さ調節も可能になっている。
可動式の肘掛け装置では、肘支柱の上端にベースを設けて、このベースに対して肘当て本体が前後動等するように取付けられているが、肘当ての前後動を許容するために、肘当て本体にはその長手方向に長い長穴が空いており、この長穴がベースの外側に露出してしまう場合があり、すると、着座者が下方から長穴に指先を挿入した状態で肘当てを前後スライドさせると、指先をベースと肘当て本体とで挟んでしまうおそれがある。
そこで、肘当て本体の長穴がベースの外側に露出しても指を挟むことがないように、長穴を塞ぐカバー板(指挟み防止板)を設けることが行われており、その例として特許文献1には、カバー板を肘当て本体の下面に止着することが開示されている。
特開2002-51872号公報
特許文献1では、カバー板は肘当ての下面に固定されており、肘当ての前後動を許容するためにブラケット(ベース)が嵌まる長穴が空いているが、カバー板の長穴はブラケットの外側に開口し得るため、人が指先をカバー板の長穴に挿入することが予想され、すると、カバー板とブラケットとで指先を挟んでしまうことが考えられる。
この点については、カバー板を肘当てに対して前後方向に相対動するように構成したらよいと云えるが、肘当てに対するカバー板の相対動ストロークには限度があることから、肘当ての前後ストロークがある程度以上に長くなると、肘当て本体の長穴をカバーしきれずに、保護機能が不完全になってしまう。
さて、近年のオフィスでのデスクワークは殆どがパソコンを使用しており、椅子の肘当てに肘を載せてキーボードを操作したりマウスを操作したりすることも多い。また、着座した人が肘を肘当てに載せた状態で、スマートフォンやタブレットなどの端末機器を操作することも多い。このようなバソコン等の操作において、着座した人の肘の位置は様々であり、様々な使用状態での満足度を高めるためには、肘当ての前後移動ストロークをできるだけ大きくする必要があるが、従来の構造では、肘当ての前後移動ストロークを大きくすると指挟み防止機能が不十分になってしまう。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、肘当ての前後移動ストロークを大きくしても、指挟みを確実に阻止して高い安全性を確保できる肘掛け装置を提供せんとするものである。
本願発明の肘掛け装置は、
「肘支柱の上端に設けたベースと、前記ベースの上に配置した前後長手の肘当てとを有し、
前記ベースは上向きに突出したボス体を備えている一方、
前記肘当ては、肘当て本体とこれに上から取付けられた肘当て上部材とを有して、前記肘当て本体に、前記ベースのボス体に嵌まる前後長手の長穴を形成することにより、肘当てがその長手方向にスライド自在になっており、
かつ、前記ベースと肘当て本体との間に、前記肘当て本体の長穴を下方から塞ぐ上下2枚のカバー板が配置されている
という基本構成において
「前記カバー板は、上カバー板と下カバー板との上下2枚で構成されて、この上下カバー板に、前記ボス体に嵌まる長穴を異なる長さで形成することにより、前記肘当て本体のスライドに連れて上下カバー板が異なるタイミングで相対的にスライド開始するようになっており、
かつ、前記上下のカバーのうちいずれか一方又は両方に、当該カバー板のスライドをスムース化する縦長リブが形成されている」
という特徴を備えている。
請求項の発明は、請求項1と同じ基本構成において、
「前記肘当て本体の下面に、長さが短い上カバー板と長さが長い下カバー板とが相対的にスライドし得る下向き凹所形成している一方、
前記下のカバー板の両長手側縁に、前記下向き凹所の内側面に対してスライドすると共に前記上カバーを前後スライド自在に保持するサイドリブが上向きに突設されている」
という特徴を備えている。
本願発明では、肘当て本体の長穴は、前後方向に相対動可能な上下複数枚のカバー板で覆われるため、肘当て本体の長穴の長さが長くても、長穴をしっかりと塞いで高い安全性(指挟み防止効果)を確保できる。従って、ユーザーの幅広い要望に的確に応え得るように肘当ての前後動ストロークを長くした肘掛け装置であっても、指挟みがない安全な状態で提供することができる。
複数枚のカバー板によって肘当て本体の長穴を塞ぐことができるのは、1つのカバー板の長穴を他のカバー板の長穴を塞ぐことができるからであり、このような状況は、肘当て本体のスライドに連れて複数のカバー板がタイミイグを変えてスライド開始することによって簡単に実現できる。従って、肘当ての前後スライドストロークを大きくしつつ指挟みを確実に防止することを、簡単な構造で実現することができる。
カバー板は3枚以上とすることも可能であるが、現実的には、請求項3で特定したように2枚で足りると云える。そして、上下のカバー板の長穴の長さが相違することにより、簡単な構造によって上下のスライド開始タイミングを変えて、肘当て本体の長穴を確実に塞ぐことができる。
つまり、カバー板を2枚としてその長穴の長さを異ならせると、一方のカバー板の長穴と肘当て本体の長穴とが部分的に重複しても、その重複部を他方のカバー板で塞ぐことができるのであり、これにより、簡単な構造でありながら、肘当ての前後動ストロークを大きくしつつ、指挟みを確実に防止できる。また、縦長リブによってカバー板をスムースにスライドできる。
請求項のように、上下のカバー板を肘当て本体の下面に形成した凹所に配置すると、人が指先をカバー板に当てたとき、指先がカバー板の縁に当たることを防止又は抑制できるため、人が誤ってカバー板を下向きに起こすことを防止できる。従って、カバー板の変形や破損を防止できる。また、
実施形態の肘掛け装置を適用した椅子の外観を示す図で、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は平面図である。 (A)は肘掛け装置を下方から見た斜視図、(B)は固定部と可動部との分離斜視図、(C)は主として高さ調節機構を示すための分離斜視図、(D)はレバーを装着した状態での昇降肘支柱の斜視図、(E)は昇降肘支柱の上端部の斜視図、(F)はレバーと高さ調節用ロッドとの分離斜視図である。 (A)は肘当てとベースと高さ調節用ロッドとの関係を示す下方からの斜視図、(B)は肘支柱の分離斜視図である。 (A)は全体を上から見た分離斜視図、(B)はベースと昇降肘支柱との分離斜視図、(C)は一部の構成部材の分離斜視図である。 (A)は全体を下方から見た分離斜視図、(B)は一部の部材を下方から見た分離斜視図、(C)は肘当ての外観を構成する部材の分離斜視図である。 縦断側面図である。 (A)は要部の分離斜視図、(B)はカバー板の斜視図である。 カバー板によるカバー状態を示す図で、(A)は肘当て本体とカバー板とを並べた底面図、(B)は肘当てを前進させきった状態での底面図、(C)は肘当てを後退させきった状態での底面図である。 (A)は要部の分離斜視図、(B)は前後位置保持の手段を示す平面図である。 (A)は肘当ての前後位置保持手段と水平姿勢保持手段とを示すための下方からの斜視図、(B)は前後位置保持手段を示す斜視図である。 (A)は平面視姿勢保持手段を示す分離斜視図、(B)は水平姿勢保持手段を示す平面図である。 水平旋回角度の規制手段を示す平面図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の肘掛け装置は、オフィスで多用されている回転椅子に装着している。すなわち、椅子は、座1と脚装置2と背もたれ3と後傾自在な背フレーム4とを備えており、背フレーム4に背もたれ3が取付けられているが、本実施形態では、肘掛け装置は、背フレーム4の前部に取り付けている。なお、脚装置2を構成する各枝杆の先端にはキャスタを設けているが、図1(A)(B)ではキャスタは1本の枝杆にしか表示していない。
図2(A)(B)に示すとおり、肘掛け装置は、背フレーム4に固定された下固定アーム5と、下固定アーム5の外端に一体に設けた中空の固定肘支柱6と、固定肘支柱6に高さ調節可能に嵌め入れられた可動肘支柱7とを有しており、可動肘支柱7の上端に平面視円形のベース8を固定し、ベース8に、前後長手で可動式の肘当て9が、その長手方向に移動自在でかつ水平旋回自在に取付けられている。
図3に明示するように、可動肘支柱7の外面には、半割り状のスリーブ10が前後から上下動不能で装着されている。また、可動肘支柱7の内部には、シーソー式の高さ調節用ロッド11が配置されている。ロッド11は、中間高さ位置よりもやや下方の部位に設けた左右横向きの軸支ピン12を中心にして前後に回動するようになっていて、下端には係合爪13を後ろ向きに突設しており、係合爪13は、ばね片14によって後ろ向きに付勢されている。
可動肘支柱7の内部には、ロッド11の枢支ピン12が下から嵌まる軸受け部(図示せず)が形成されている。係合爪13は、可動肘支柱7の後ろ壁に形成した長穴を介して、後部のスリーブ10に形成した係合穴15(図3(B)参照)に係脱する。なお、スリーブ10は前後とも同じ形態になっていて方向性を無くしている。
ロッド11の上端には、レバー16が取付けられている。図2(C)(F)のとおり、レバー16の後端部には左右の支軸17を突設しており、左右の支軸17は、可動肘支柱7の上端部内に形成した軸受け部18(図3(D)(E)参照)に、上から嵌め込まれている。従って、レバー16は、支軸17を中心にして上下回動し得る。図2(F)に示すように、ロッド11の上端には左右に突出した支軸17が形成されており、支軸17は、レバー16の下面部に形成したポケット式抱持部20に後ろから嵌め入れられている。
椅子に着座した人がレバー16に指先を当てて上に引くと、ロッド11が枢支ピン12を中心にして回動することにより、ロッド11の下端の係合爪13がスリーブ10の係合穴15から離脱する。これにより、肘当て9を高さ調節することができる。可動肘支柱7の上端部はラッパ状に広がった拡径部7aになっており、この拡径部7aに、レバー16を露出させる切欠き21が上向きに切り開き形成されている。
(2).肘当ての概要
次に、肘当て9の構造を説明する。図4,5に示すように、肘当て9は、外観を構成する前後長手の部材として、肘当て本体24と肘当て上部材25とを有しており、肘当て上部材25は、エラストマー等の軟質材からなるパッド材26を備えている。パッド材26は、肘当て上部材25とは別体に製造して、後工程で嵌着してもよいし、インサート成形などで一体化した状態に製造してもよい。
なお、実施形態では、肘当て上部材25を2つの部材で構成しているが、パッド材26を備えていない構成や、軟質のパッド材のみで構成してこれを肘当て本体24に取り付ける構成、或いは、肘当て本体24と肘当て上部材25との間に中間部材を配置する構成なども採用可能である。
肘当て本体24は上向きに開口した形態である一方、肘当て上部材25は外周部に下向き壁を設けた浅いトレー状の形態であり、図6に一部を示すように、両者は、係合爪27と係合穴28との係合によって一体に連結されている。
図4,5に示すように、可動肘支柱7の上端には、既述のベース8がビス30で固定されている。この場合、ベース8の下面には、左右側部と後部とに位置した下向きの足部31を一体に設けている一方、可動肘支柱7には、足部31が上から嵌まって当接する受け部32を形成している。足部31は、側片31aを有する底面視でコ字形になっているが、角棒状の形態などでもよい(側片31aの下端部は傾斜面31bになっている。)。ベース8は、例えば亜鉛ダイキャスト品であり、高い強度を有している。可動肘支柱7は、例えばアルミのダキャスト品である。
ベース8の中央部に円形のボス体33を一体に設けている一方、肘当て本体24の底板には、ボス体33に嵌まる長穴34が肘当て本体24の長手方向に長く形成されており、肘当て本体24は、上カバー板35と下カバー板36とを介してリング板29に上から重なっている。従って、肘当て本体24は、長穴34の全長からボス体33の外径を減じた寸法だけ長手方向に移動自在であり、かつ、ボス体33の軸心回りに水平旋回可能である。
リング板29は、肘当て本体24のスライド及び水平旋回をスムースにするためのものであり、POM樹脂等の樹脂製である。リング板29はベース8に上から重なっており、その一部に、可動肘支柱7に形成した切欠き21に嵌まる回り止め29aを下向きに突設している。また、図6に示すように、リング板29に設けた位置決めピン29bが、ベース8に形成された位置決め穴8aに嵌まっている。
肘当て本体24は上向きに開口しており、その内部に、平面視略小判形で上向きに開口した凹所38を有するスライド補助体37と、スライド補助体37の凹所38に上から嵌め入れられた姿勢保持体39と、姿勢保持体39の中心穴40に嵌め込まれた押さえ部材(抜け止め部材)41とを配置している。押さえ部材41は、姿勢保持体39を上から覆うフランジ42を有しており、ビス43によってボス体33に固定されている。
この場合、図4(A)のように、ボス体33の上端に4葉形の(非円形の)の係合突起44を一体に設けている一方、図5(A)に示すように、押さえ部材41には、係合突起44に対して回転不能に嵌まる係合穴45が形成されており、従って、押さえ部材41はボス体33に対して(或いはベース8に対して)回転不能に保持されている。
肘当て本体24はスライド補助体37が上から重なっており、スライド補助体37には姿勢保持体39が上から重なっており、かつ、姿勢保持体39は押さえ部材41のフランジ42によって上向き動不能に保持されている。このため、肘当て9は、上向き移動不能に保持されていると共に、既述のとおり、水平旋回自在及び長手方向にスライド自在になっている。
スライド補助体37は、肘当て9の(正確には肘当て本体24の)前後移動をガイドする機能と、肘当て9を任意の前後位置に保持する機能とを有しており、また、姿勢保持体39は、肘当て9を任意の旋回姿勢に保持する機能を有しており、更に、押さえ部材41は、肘当て9の旋回角度を規制する機能を有している。これらは後述する。
(3).指挟み防止構造
既述のとおり、肘当て本体24には、前後スライド(長手方向のスライド)を許容するための長穴34が空いているが、例えば、図7(B)に示すように、肘当て本体24の下面に、下向きリブ47で囲われた下向き凹所48を形成して、この下向き凹所48の底部に既述の長穴34が形成されている。そして、下向き凹所48に、肘当て本体24の長穴34を塞ぐべく、既述の上カバー板35と下カバー板36とが、それぞれ長手方向に相対動し得るように配置されている。従って、上下カバー板35,36の長さは下向き凹所48の長さよりも短くなっており、かつ、上カバー板35は下カバー板36よりも短くなっている。
図7(A)に明示するように、下カバー板36の左右長手側縁には上向きのサイドリブ49aを突設しており、上カバー板35は、左右サイドリブ49aの間に横ずれしない状態で、かつ、長手方向に相対動し得るように配置されている。また、下カバー板36には、上カバー板35が載る縦長リブ49bと、上カバー板35の前後相対動位置を規制するストッパーリブ49cとを形成している。他方、上カバー板35の上面には、肘当て本体24の下面(下向き凹所48の底面)に対するスライドをスムースにするための縦長リブ35aを形成している。
上下のカバー板35,36には、肘当て本体24に対して相対動し得るように、長穴50,51が空いている。肘当て本体24の下向きリブ47は、カバー板35,36の左右外側においてリング板29に上から当接している。
図7(B)に示すように、肘当て本体24における下向き凹所48の左右端部には、前後長手の下向き開口溝48aが形成されており、この下向き開口溝48aに、下カバー板36のサイドリブ49aが嵌まっている。従って、サイドリブ49aの前後端面が下向き開口溝48aの前後内面に当たることにより、肘当て本体24に対する下カバー板36の前後スライド範囲が規制されている。
また、下カバー板36のサイドリブ49aが肘当て本体24の下向き開口溝48aに嵌まった状態で、下カバー板36と肘当て本体24との間に、上カバー板35がスライド自在に配置される空間が空いている。
図8に、各要素の寸法関係を示している。すなわち、肘当て本体24の移動ストロークはS、肘当て本体24の長穴34の全長をL0、上カバー板35と下向き凹所48との寸法差(従って上カバー板35の相対動ストローク)をL1、上下カバー板35,36の寸法差をL2、肘当て本体24の長穴34と上カバー板35の長穴50との寸法差をL3、上カバー板35の長穴50と下カバー板36の長穴51との寸法差をL4として、L1とL2とL3とL4は略同じ寸法になっている(多少は相違していてもよい。)。肘当て9の前後動ストロークSは、80mm程度に設定している。
そして、図8(A)は肘当て本体24を前進させきった状態であるが、この状態では、上下カバー板35,36も前進しきっており、各長穴34,50,51が後端部において重複しているが、この重複部はリング板29(或いはベース8)で下方から塞がれている。従って、人が指先を肘当て本体24の長穴34に差し込むことはできない(3つの長穴34,50,51の重複部が僅かに下方に開口していても、指を挿入できない大きさであれば特段の問題とはない。)。
図8(B)は、肘当て本体24を後退させきった状態である。この状態では、上下カバー板35,26の長さと長穴50,51との違いにより、肘当て本体24の後退スライドにより、そのスライド途中においてまず上カバー板35が一緒に友連れされて、ベース8に対して後退し、次いで、下カバー板36が一緒に友連れされて、ベース8に対して相対的に後退する。
図8(C)では、肘当て本体24と上下カバー板35、26が後退しきった状態を示している。この状態では、3つの長穴34,50,51の重複部が手前側に存在するが、その他の部位では、肘当て本体24の長穴34は上下カバー板35,36で塞がれている。長穴34,50,51の重複部は、リング板29で下方から殆ど塞がれている。
従って、肘当て本体24の長穴34に下方から指先を挿入することはできない。肘当て本体24が最前進位置と最後退位置との間の中途部に位置している状態でも、肘当て本体24の長穴34は、上下のカバー板35,36で塞がれている。図8(C)底面図なので、実際には上カバー板35は点線で現れるが、便宜的に、上カバー板35を実線で表示している。
このように、本実施形態では、下向き凹所48の長さと上下のカバー板35,36の長さ、及び各長穴34,50,51の長さを異ならせることにより、肘当て本体24の前後動ストロークSを大きくしつつ、肘当て本体24の長穴34に人が指先を挿入することを確実に阻止できる。従って、肘当て9の前後動ストロークが大きくてユーザーの多彩な要望に応えることができる肘掛け装置を、安全な状態で提供できる。
実施形態では上カバー板35を短くして下カバー板36を長くしたが、逆の関係であってもよい。但し、上カバー板35を短くすると、上カバー板35と下カバー板36との段差が下方に露出しないため、人が下方から触れたときに違和感がなく、また、短い上カバー板35には人の手が触れないため、短い上カバー板35の先端縁又は下端縁に人が指先を掛けて下向きに起こすことで当該短い上カバー板35が変形してしまうといった不具合も防止できる。指挟み防止手段は、3枚以上のカバー板で構成することも可能である。
本実施形態では、上下カバー板35,36は単にリング板29と肘当て本体24との間に配置しているだけであるが、上下のカバー板35,36をばねで反対方向からボス体33に向けて引っ張って、肘当て本体24のスライドに伴って、一方のカバー板35,36が逃げ移動するように構成することも可能である。
(4).前後位置保持手段
既述のとおり、肘当て本体24は上に開口しており、例えば図9,10に示すように、肘当て本体24の内部に平面視小判形のスライド補助体37が配置されている。スライド補助体37はボス体33に嵌まっているので、肘当て本体24は、スライド補助体37にガイドされてその長手方向にスライドする。また、スライド補助体37と肘当て本体24とは、一緒に水平旋回する。従って、スライド補助体37と肘当て本体24とは、相対回動は不能で相対スライドは自在な関係になっている。
図9,10に示すように(図12も参照)、スライド補助体37の左右長手側面部には、その前後中途部に切欠き53が形成されており、切欠き53に、平面視L形の係合爪54を設けている。係合爪54の先端(自由端)には、肘当て本体24における凹所の内面に向けて突出した係合突起55を形成している。他方、肘当て本体24における凹所の左右内側面には、係合突起55が当接する平面視凹凸形の係合受け部56が、肘当て本体24の長手方向に沿って長く形成されている。
係合突起55は、係合爪54の弾性変形により、係合受け部56の凹所に係脱するが、係合受け部56のピッチは細かいため、肘当て9の前後位置(正確には長手方向の位置)を、殆ど無段階的に調節できる。なお、係合突起55が係合受け部56の凹所に嵌まった状態で、係合突起55は弾性変形していてもよいし、弾性変形していなくてもよい(係合受け部56の突起を乗り越えるときに弾性変形したら足りる。)。
肘当て9の前後位置を所望の位置に保持するためだけなら、係合爪54と係合受け部56とからなる係合手段だけで足りるが、本実施形態では、肘当て本体24とスライド補助体37との動きを軽く規制するダンパ手段として、図10に明示するように、スライド補助体37と肘当て本体24との間に複数個(4個)の弾性体57を配置している。
弾性体57は、ゴム系又はエラストマー系の弾性素材からなっており、実施形態では円柱状に形成されていて、その軸心を左右水平にした姿勢で、スライド補助体37の下面に形成された保持穴58に嵌め入れられている。また、肘当て本体24における凹所の底面には、弾性体57を横ずれ不能に案内する左右一対ずつのガイドリブ59が形成されている。
既述のとおり、スライド補助体37は押さえ部材41によって下向きに押されており、弾性体57は軽く変形した状態になっている。従って、肘当て9を(肘当て本体24を)前後スライドさせると、弾性体57の弾性復元力が、肘当て9の前後動に対して軽い抵抗となって現れる。また、肘当て9のガタ付きも生じない。このため、肘当て9のスライドにしっとりとした動きが付与されて、高級感を醸し出すことができる。
本実施形態では弾性体57をスライド補助体37の下面に配置したが、弾性体(ダンパ部材)57は、スライド補助体37の側面に配置してもよい。
(5).平面視姿勢保持手段
肘当て9を水平旋回可能に構成すると、所望の姿勢に保持できるようにする必要がある。そこで、肘当て9の平面視姿勢保持手段を設けている。この点を、主として図10,11を参照して説明する。既述のとおり、スライド補助体37の凹所38に姿勢保持体39が上から嵌め入れられていて、姿勢保持体39には、押さえ部材41の筒部が上から嵌まる中心穴40が空いている。
そして、姿勢保持体39には、中心穴40に向けて幅狭となるように三角形状(或いは台形状)に形成された前後の弾性体収容凹所62と、弾性体収容凹所62と中心穴40とに連通した前後のくびれ状連通部63とが上向きに開口するように形成されており、弾性体収容凹所62にゴム等の弾性体64を嵌め入れ、くびれ状連通部63に、樹脂又は金属からなる平面視小判形の係合体65を嵌め入れている。
他方、押さえ部材41における筒状部の外周面には、係合体65が弾性的に当接する一対の凹凸状部66を形成しており、係合体65が凹凸状部66の凹所に嵌まることにより、肘当て9の水平姿勢が一体に保持される。肘当て9に対してある程度の水平旋回力を付与すると、係合体65を凹凸状部66の凹所から離脱させて、肘当て9を任意の姿勢に旋回させることができる。
図11(B)に示すように、姿勢保持体39は、凹凸状部66を設けている範囲で水平旋回するが、裁断旋回角度θは90度程度になっている。このため、図1(C)に示すように、肘当て9を椅子の内側に大きく寄せることができる。また、任意の水平姿勢で、肘当て9はその長手方向に大きくスライドさせることができる。このため、椅子の使用者が肘を当てる位置の範囲を非常に広くすることができて、使用者の幅広いニーズに応えることができる。
弾性体64と係合体65とはスライド補助体37と姿勢保持体39とで上下から挟まれているため、外れ出ることはない。また、肘当て9の組み立てに当たっては、弾性体64と係合体65とが組み込まれた姿勢保持体39をスライド補助体37に嵌め入れて1つのユニットと成し、このユニットをボス体33に嵌め込んだらよいため、弾性体64と係合体65とが離脱することはなくて、組み立てを能率良く行うことができる。
(6).肘当ての最大旋回角度規制手段
既述のとおり、肘当て9は90度程度の角度範囲で水平旋回させることができるが、本実施形態では、肘当て9の旋回角度規制機能は、押さえ部材41とスライド補助体37とが担っている。この点を、図6及び図12を参照して説明する。
図6に示すように、押さえ部材41のフランジ42は、スライド補助体37の凹所38の内部に入り込んでいる。そして、図12に明示するように、スライド補助体37の凹所38は平行な左右の長手側面38aを有しているが、押さえ部材41のフランジ42に、凹所38の長手側面38aが当接する一対のストッパー部67を形成している。
ストッパー部67は直交した2つの当接面67a,67bを持っているので、図12のとおり、スライド補助体37を左に旋回させきった状態でも、右に旋回させきった状態でも、凹所38の左右の長手側面38aがストッパー部67に当接する。このため、押さえ部材41に作用する負担を軽減して、高い耐久性を確保できる。
本実施形態では、押さえ部材41は、肘当て9の抜け止め機能と、肘当て9の平面視姿勢保持機能と、肘当て9の最大旋回角度規制機能との3つの機能も担っている。このため、部材点数を抑制して構造を簡単化できる。
本願発明は、実際に肘掛け装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
4 椅子の背フレーム
6 固定肘支柱
7 可動肘支柱
8 ベース
24 肘当て本体
25 肘当て上部材
29 リング板
33 ボス体
34 肘当て本体の長穴
35 上カバー板
35a 縦長リブ
36 下カバー板
37 スライド補助体
39 姿勢保持体
41 押さえ部材
48 下向き凹所
49a サイドリブ
49b 縦長リブ
50,51 カバー板の長穴
57 肘当ての前後スライドに抵抗を付与する弾性体
64 水平姿勢保持用の弾性体
65 水平姿勢保持用の係合体
67 旋回角度規制用のストッパー部

Claims (2)

  1. 肘支柱の上端に設けたベースと、前記ベースの上に配置した前後長手の肘当てとを有し、
    前記ベースは上向きに突出したボス体を備えている一方、
    前記肘当ては、肘当て本体とこれに上から取付けられた肘当て上部材とを有して、前記肘当て本体に、前記ベースのボス体に嵌まる前後長手の長穴を形成することにより、肘当てがその長手方向にスライド自在になっており、
    かつ、前記ベースと肘当て本体との間に、前記肘当て本体の長穴を下方から塞ぐ上下2枚のカバー板が配置されている構成であって
    前記カバー板は、上カバー板と下カバー板との上下2枚で構成されて、この上下カバー板に、前記ボス体に嵌まる長穴を異なる長さで形成することにより、前記肘当て本体のスライドに連れて上下カバー板が異なるタイミングで相対的にスライド開始するようになっており、
    かつ、前記上下のカバーのうちいずれか一方又は両方に、当該カバー板のスライドをスムース化する縦長リブが形成されている、
    肘掛け装置。
  2. 肘支柱の上端に設けたベースと、前記ベースの上に配置した前後長手の肘当てとを有し、
    前記ベースは上向きに突出したボス体を備えている一方、
    前記肘当ては、肘当て本体とこれに上から取付けられた肘当て上部材とを有して、前記肘当て本体に、前記ベースのボス体に嵌まる前後長手の長穴を形成することにより、肘当てがその長手方向にスライド自在になっており、
    かつ、前記ベースと肘当て本体との間に、前記肘当て本体の長穴を下方から塞ぐ上下2枚のカバー板が配置されている構成であって
    前記肘当て本体の下面に、長さが短い上カバー板と長さが長い下カバー板とが相対的にスライドし得る下向き凹所を形成している一方、
    前記下のカバー板の両長手側縁に、前記下向き凹所の内側面に対してスライドすると共に前記上カバーを前後スライド自在に保持するサイドリブが上向きに突設されている、
    肘掛け装置。
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